以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
≪第1の実施の形態≫
図1乃至図7は、第1の実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は、液晶表示装置10及び面光源装置20の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、表示装置10は、液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側に配置され液晶表示パネル15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、を備えている。表示装置10は、画像を表示する表示面10aを有している。液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、表示面10aに像を表示するように構成されている。
図示された液晶表示パネル15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶層セル12と、を有している。偏光板14,13は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波及びS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P波)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加の有無によって液晶層12中の液晶分子の配向方向が変化するようになる。一例として、入光側に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分は、電界印加された液晶層12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶層12を通過する際にその偏光方向を維持する。この場合、液晶層12への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向に振動する偏光成分が、下偏光板14の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
また、液晶表示パネル15は、下偏光板14の入光側に輝度向上層11をさらに含んでいる。輝度向上層11は、下偏光板14にて吸収されるべき方向に振動する直線偏光成分(例えば、S波)を、下偏光板14にて透過されるべき方向に振動する直線偏光成分(例えば、P波)に変換して透過させる機能をもつ。このような輝度向上層11としては、例えば、住友3M社製DBEFシリーズが挙げられる。
このようにして液晶パネル(液晶表示部)15では、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御し得るようになっている。なお、液晶表示パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
次に、面光源装置20について図2を参照して説明する。図2は、面光源装置20を示す断面図である。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有し、本実施の形態では、液晶表示パネル15を背面側から照明する装置として用いられている。
図2に示すように、面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光部材22と、導光部材22の一方の側(図1に於いては左側)の側方に配置された光源24と、導光板30の出光側に配置された二枚のプリズムシート71、72と、導光板30の裏面側に配置された反射層28と、を有している。図示された例では、第2プリズムシート72が、液晶表示パネル15に直面して配置されている。そして、二枚のプリズムシート71,72のうちの出光側に配置された第2プリズムシート72の出光側の面72aによって、面光源装置20の発光面21が画成されている。
導光部材22は、光源24からの光を優れた色純度にて液晶表示パネル15をむらなく照射するよう構成され、主要な構成として、光源24からの光を導光する導光板30を含んでいる。
図2に示すように、導光板30は、液晶表示パネル15側の一方の主面によって構成された出光面31と、出光面31に対向するもう一方の主面からなる裏面32と、出光面31及び裏面32の間を延びる側面と、を有している。側面のうちの第1方向d1に対向する二つの面の一方が、入光面33をなしている。図1に示すように、入光面33に対面して光源24が設けられている。入光面33から導光板30内に入射した光は、第1方向(導光方向)d1に沿って入光面33に対向する反対面34に向け、概ね第1方向(導光方向)d1に沿って導光板30内を導光されるようになる。
図示する例において、導光板30の出光面31は、液晶表示装置10の表示面10a及び面光源装置20の発光面21と同様に、平面視形状(図1に於いては、上方から見下ろして見た形状)が四角形形状に形成されている。この結果、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光面31及び裏面32)を有する相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい直方体状の部材として構成されており、一対の主面間に画成される側面は四つの面を含んでいる。同様に、プリズムシート71,72及び反射シート28は、全体的に、相対的に厚み方向の辺が他の辺よりも小さい直方体状の部材として構成されている。
光源24は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、光源24は、入光面33の長手方向(図1に於いては、紙面に直交する方向、即ち、紙面の表裏方向)に沿って、並べて配置された多数の点状発光体25、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。ここで説明する面光源装置20では、後述する量子ドット層60が設置されていることにともない、光源24は、単一の波長域の光を放出する発光体25のみを有することができる。例えば、発光体25は、色純度の高い青色光を放出する発光ダイオードのみを発光体25として有することができる。
また、導光板30の裏面32に対面して反射層28が配置されている。反射層28は、導光板30の裏面32から漏れ出した光を反射して、再び導光板30側に戻すための部材である。反射層28は、白色の散乱反射層、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。反射層28での反射は、正反射(鏡面反射)でもよく、拡散反射でもよい。反射層28での反射が拡散反射の場合には、当該拡散反射は、等方性拡散反射であってもよいし、異方性拡散反射であってもよい。
ところで、本明細書において、「出光側」とは、光源24、導光部材22、第1プリズムシート71、第2プリズムシート72、液晶表示パネル15と、表示装置10の構成要素間を逆戻りすることなく進んで、表示装置10から出射して観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、例えば図1における紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、光源24、導光部材22、第1プリズムシート71、第2プリズムシート72、液晶表示パネル15と、表示装置10の構成要素間を逆戻りすることなく進んで、表示装置10から出射して観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
さらに、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、導光板30の板面、第1プリズムシート71のシート面、第2プリズムシート72のシート面、反射シート28のシート面、液晶表示パネルのパネル面、表示装置10の表示面10a、及び、面光源装置20の発光面21は、互いに平行となっている。
さらに、本明細書において、シート状(板状)の部材の法線方向とは、対象となるシート状(板状)の部材のシート面(板面)への法線方向のことを指す。さらに、本明細書において「正面方向」とは、面光源装置20の発光面21への法線方向のことであり、本実施の形態においては、面光源装置20の発光面21への法線方向、導光板30の板面への法線方向、第1プリズムシート71のシート面への法線方向、第2プリズムシート72のシート面への法線方向、表示装置10の表示面10aへの法線方向等にも一致する(例えば、図2参照)。
次に、導光部材22を構成する各構成要素についてさらに詳述する。図2に示すように、導光部材22は、入光側から出光側に向かって、上述の導光板30と、低屈折率層80と、量子ドット層60と、バリア層85と、をこの順で含んでいる。
低屈折率層80は、導光板30をなす材料よりも屈折率の低い材料からなる。低屈折率層80は、導光板30の出光面31に接合され、当該出光面31の全域を隙間なく覆っている。低屈折率層80が導光板30の出光面31を隙間なく覆うことにより、低屈折率層80と導光板30の出光面31との間に屈折率差をもつ界面が形成される。この界面は、導光板30内を導光される光を選択的に取り出す界面として機能する。すなわち、導光板30内を導光される光の出光面31への入射角度が全反射臨界角以上となる場合、導光される光は、前記界面にて全反射して導光板30内に戻される。これに対して、導光板30内を導光される光の出光面31への入射角度が全反射臨界角未満となる場合、前記界面を透過して導光板30から取り出される。
また、図2に示すように、導光板30の裏面32には、複数の取出要素40がパターン配列されている。取出要素40は、導光板30内を第1方向d1に沿って導光される光を取り出すように機能する。本実施の形態において、複数の取出要素40は、導光方向となる第1方向d1に間隔を空けて並べられ、各取出要素40は、裏面32に沿って第1方向d1に交差する、より詳細には直交する方向に延びている。
本実施の形態の取出要素40は、入射する光を拡散反射させる機能をもつ。一例として、拡散反射機能をもつ取出要素40は、拡散反射機能をもつ白色インキを裏面32にスクリーン印刷、インクジェット印刷あるいはフォトリソグラフィ加工することによって得られる。
取出要素40が拡散反射機能をもつ場合、取出要素40に入射した光は、当該取出要素40にて拡散反射され種々の方向へと向かう。取出要素40にて拡散反射された光の一部は、出光面31への入射角度が全反射臨界角度以上となり、出光面31にて全反射して再び裏面32に戻ってくるが、取出要素40にて拡散反射された光の別の一部は、出光面31への入射角度が全反射臨界角度未満となり、出光面31を透過していくことになる。
これに対して、導光板30内を導光される光が裏面32のうちの取出要素40が配置された領域32a以外の領域32bに入射すると、当該領域32bにて全反射され、その後に入射する出光面31への入射角度も維持される。したがって、取出要素40が配置された領域32a以外の領域32bにて全反射した光は、その後に出光面31にて全反射され反対面34に向かって導光されていく。
換言すれば、任意の或る方向dxから裏面32のうちの取出要素40が配置された領域32a以外の領域32bに入射した光L21が反射して向かう方向をdyとすると、取出要素40は、前記或る方向dxから入射する光L22の少なくとも一部を、前記領域32bで反射した光L21が向かう方向dyとは異なる方向dzに向かわせるようになっている。そして、この異なる方向dzに向かう光L22の一部が、出光面31から取り出される。
とりわけ、本実施の形態では、複数の取出要素40は、第1方向d1に沿って一定のピッチで配列されている一方で、第1方向d1に沿って反対面34に近接して配置された取出要素40ほど、第1方向d1に沿った長さが大きくなる傾向にある。したがって、第1方向d1に沿って入射面33から反対面34に接近するにつれて、裏面32のうちの取出要素40が配置される領域の割合が高くなっている。このような構成によれば、導光方向に沿って入射面33から離間した領域での導光板30からの光の出射が促進され、入射面33から離間するにつれて出射光量が低下してしまうことを効果的に防止することができる。
このようにして、導光板30の出光面31から偏りなく取り出された光は、低屈折率層80を透過して量子ドット層60に進入する。量子ドット層60は、低屈折率層80の導光板30に接合された面とは反対側の面に接合され、当該面の全域を隙間なく覆っている。
量子ドット層60は、透過光の波長を変換する層として機能する。すなわち、量子ドット層60は、光源24が単一の波長域の光を放出する発光体25のみを有する場合においても、当該発光体25からの光の波長を異なる波長に変換する。したがって、面光源装置20は、光源24の発光体25が発光する光とは異なる色にて発光することが可能となる。
ここで説明する量子ドット層60は、図2に示すように、バインダー樹脂62と、バインダー樹脂62中に分散した量子ドット61と、を有している。量子ドット61は、量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)を有する所定のサイズの半導体粒子である。量子ドット61は、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドット61のエネルギーバンドギャップに該当するエネルギーを放出する。よって、量子ドット61のサイズ又は物質の組成を調節すると、エネルギーバンドギャップを調節することができ、様々なレベルの波長帯のエネルギーを得ることができる。とりわけ、量子ドット61は、狭い波長帯で強い蛍光を発生することができる。
したがって、光源24が単一の波長域の光を放出する発光体25のみを有する場合においても、量子ドット61を用いることによって、量子サイズ効果(quantum size effect)による赤色、緑色、青色を含む様々な色を容易に得ることができる。例えば、量子ドットのサイズが5.5〜6.5nm(ナノメートル)の場合は赤色系の色を発し、量子ドットのサイズが4.0〜5.0nmの場合は緑色系の色を発し、量子ドットのサイズが2.0〜3.5nmの場合は青色系の色を発し、黄色は赤色を発する量子ドットと緑色を発する量子ドットの中間サイズを有する。
発光体25から投射される光が青色光の場合、量子ドット層60は、赤色量子ドット及び緑色量子ドットを含むようにすることができる。量子ドット層60内の赤色量子ドットは、青色光の一部を620〜750nmの波長域を有する赤色光に変換し、緑色量子ドットは、青色光の一部を495〜570nmの波長域を有する緑色光に変換する。そして、赤色光と緑色光に変換されない青色光が、そのまま量子ドット層60を透過する。この例によれば、青色光、赤色光及び緑色光の混合により、面光源装置20を用いた白色光での照明が実現され得る。とりわけ、量子ドット61は、所望の狭い波長域で強い蛍光を発生することができる。このため、面光源装置20は、色純度の優れた三原色の光で、液晶表示パネル15を照明することができる。この場合、液晶表示パネル15は、優れた色再現性を有することになる。
量子ドット61は、約2〜10nmサイズの中心体とZnS(硫化亜鉛)からなる殻で構成され得る。通常、殻の外表面に高分子コーティングをするので、量子ドット61は10〜15nmサイズのナノ粒子となる。量子ドット61の中心体として、CdSe(セレン化カドミウム)、CdTe(テルル化カドミウム)、CdS(硫化カドミウム)が用いられ得る。一方、バインダー樹脂62は、シリコン(silicon)樹脂、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acrylate)樹脂をそれぞれ単独若しくは一つ以上混合して構成され得る。
ただし、量子ドット層60は、大気中の水分や酸素により劣化して発光効率の低下を招き易い。そこで、本実施の形態では、量子ドット層60の低屈折率層80に接合された面とは反対側の面を保護するべく、バリア層85が量子ドット層60を覆っている。図2に示すバリア層85は、量子ドット層60の低屈折率層80に接合された面とは反対側の面に接合され、当該面の全域を隙間なく覆っている。なお、バリア層85は、導光部材22のうちの最も液晶表示パネル15側に配置された層をなす。したがって、バリア層85の液晶表示パネル15側を向く面が、導光部材22の発光面22aを画定している。
バリア層85は、量子ドット層60を水分や酸素から保護する機能を有している。すなわち、バリア層85は、水蒸気の透過を防止する蒸気バリア性及び酸素ガス等のガスの透過を防止するガスバリア性を有している。
バリア層85は、水分や酸素を遮断する機能をもつ材料であればよく、一例として、ポリエチレンテレフタレート等の有機ポリマーまたは酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の酸化物等が挙げられる。
このように、量子ドット層60の一方の面は、バリア層85によって水分や酸素から保護されている。量子ドット層60の他方の面も、水分や酸素から保護する必要があるが、量子ドット層60の他方の面を別のバリア層によって保護する場合、厚みが増加してしまいモバイル機器の用途としての魅力を低減させてしまう。そこで、本実施の形態では、導光板30をガラス製とすることにより、量子ドット層60の他方の面を、水分や酸素から保護している。すなわち、ガラス製の導光板30は、蒸気バリア性及びガスバリア性に優れるため、導光板30の裏面32から出光面31にかけて水分や酸素が透過し難い。この結果、導光板30及び低屈折率層80を介して量子ドット層60の他方の面に、水分や酸素が到達することを妨げることができる。
導光板30をなすガラス材料としては、典型的にはケイ酸塩ガラスが用いられるが、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミ珪酸ガラス、シリカガラス等、延伸成形可能なガラスであれば、いずれの材料も使用可能である。また、導光板30をなすガラス材料として、延伸成形可能な結晶化ガラスを用いることもできる。結晶化ガラスは、導光部材22に耐熱性を付与する点で優れている。
また、導光板30の出光面31に接合される低屈折率層80をなす材料としては、導光板30をなす材料よりも屈折率の低い材料であれば特に限定されないが、一例として、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有するとともに安価に入手可能という観点から、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂が好適に使用され得る。
次に、導光部材22の出光側に設けられた第1プリズムシート71及び第2プリズムシート72について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、それぞれ、プリズムシート71、72を示す斜視図及び断面図である。
第1プリズムシート71及び第2プリズムシート72は、透過光の進行方向を変化させて、輝度分布を調整する機能を有している。図示された第1プリズムシート71及び第2プリズムシート72は、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ正面方向の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)を有している。なお、第1プリズムシート71及び第2プリズムシート72は、配置が異なるだけであって、互いに同様の構成を有することができる。したがって、第1プリズムシート71及び第2プリズムシート72について共通する説明については、「第1」及び「第2」を区別することなく、符号「71,72」を用いて説明する。以下、各構成要素の構成について説明する。
図3及び図4に示すように、プリズムシート71,72は、シート状の本体部73と、本体部73のシート面に平行となる方向(配列方向)に並べられて本体部73の出光側面73a上に配置された多数の単位プリズム75と、を有している。
なお、本明細書における「単位プリズム」とは、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、「単位形状要素」、「単位光学要素」及び「単位レンズ」とも呼ばれる。
本体部73は、単位プリズム75を支持するシート状部材として機能する。図3及び図4に示すように、本実施の形態において、本体部73の出光側面73a上には、単位プリズム75が隙間なく並べられている。したがって、プリズムシート71,72の出光側面70aは、単位プリズム75の2つのプリズム面76によって形成されている。その一方で、図4に示すように、本体部73は、出光側面73aに対向する入光側面73bとして、プリズムシート71,72の入光側面70bをなす平滑な面を有している。
上述したように、単位プリズム75は、本体部73の出光側面73a上に並べて配列されている。図4に示すように、単位プリズム75は、単位プリズム75の配列方向daと交差する方向、より詳細には直交する方向に線状に延びている。また、図4に示す断面において、各単位プリズム75の断面形状は、出光側に突出する略三角形形状となっている。
また、図1及び図2から理解され得るように、第1プリズムシート71の配列方向と第2プリズムシート72の単位プリズム45の配列方向とは交差、より詳細には直交している。正面方向ndからプリズムシート71,72を観察した場合、第1プリズムシート71の単位プリズム75の長手方向dbは、第2方向d2と平行となっており、第2プリズムシート72の単位プリズム75の長手方向dbは、第1方向d1と平行となっている。
以上のような構成からなるプリズムシート71,72は、基材上に単位プリズム75を賦型することにより、あるいは、押し出し成型により、作製することができる。単位プリズム75の本体部73及び単位プリズム75をなす材料としては、種々の材料を使用することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。
次に、以上のような構成からなる表示装置10及び面光源装置20の作用について説明する。
まず、図2に示すように、光源24をなす発光体25が光を発光する。本実施の形態では、量子ドット層60が設けられていることに対応して、発光体25は、青色波長域の光のみを発光する。発光体25で発光された光は、入光面33を介し、導光板30に入射する。図2に示すように、導光板30へ入射した光L21,L22は、導光板30の出光面31及び裏面32において、反射を繰り返し、導光板30の入光面33と反対面34とを結ぶ第1方向(導光方向)d1へ進んでいく。
図5に、導光部材22から光が取り出されるようすを示す。上述したように、導光板30の裏面32には、導光される光を拡散反射させる取出要素40が配列されている。図5に示すように、導光板30内を導光される光L22が取出要素40に入射すると、当該取出要素40にて拡散反射され種々の方向へと向かう。取出要素40にて拡散反射された光の一部L221は、出光面31への入射角度が全反射臨界角度以上となり、再び出光面31にて全反射して裏面32に戻ってくる。その一方で、取出要素40にて拡散反射された光の別の一部L222は、出光面31への入射角度が全反射臨界角度未満となり、出光面31を透過していくことになる。
これに対して、導光板30内を導光される光L21が裏面32のうちの取出要素40が配置された領域32a以外の領域32bに入射すると、当該領域32bにて全反射され、その後に入射する出光面31への入射角度も維持される。したがって、裏面32のうちの取出要素40が配置された領域32a以外の領域32bにて全反射した光L21は、その後に出光面31にて全反射され反対面34に向かって導光されていく。
とりわけ、図示された例においては、導光方向となる第1方向d1に沿って入射面33から反対面34に接近するにつれて、裏面32うちの取出要素40が配置された領域32aの占める割合が高くなっている。これにより、出射光量が少なくなってしまう傾向がある入光面33から離間した領域において、導光板30の出光面31からの出射光量を十分に確保し、導光方向に沿った出射光量の均一化を図ることができる。
導光板30から出射した光L222は、その後、量子ドット層60へ入射する。量子ドット層60は、蛍光材料として機能し得る量子ドット61を含んでいる。したがって、量子ドット層60は、光源24からの光の波長を変換する色変換層として機能する。具体的には、量子ドット層60は、青色波長域の光のみが光源24から発光されることに対応して、青色光の一部を620〜750nmの波長域を有する赤色光に変換する赤色量子ドットと、青色光の一部を495〜570nmの波長域を有する緑色光に変換する緑色量子ドットと、を含んでいる。したがって、量子ドット層60内を透過する青色光の一部が緑色光に変換され、青色光の他の一部が赤色光に変換され、その一方で、量子ドット61によって赤色光と緑色光に変換されない青色光が、そのまま量子ドット層60を透過する。
なお、導光板30から出射した光L222は、主として正面方向ndから大きく傾斜した方向に進む光である。量子ドット層60に含まれる量子ドット61は、入射した光L222を吸収して異なる波長の光を放出するため、量子ドット61から放出される光は、正面方向ndから大きく傾斜した方向だけでなく、種々の方向に偏りなく拡散していく。
また、本実施の形態において、量子ドット層60は、光拡散粒子が混入される等して、光拡散機能を有している。量子ドット層60内を透過する光の量子ドット61への入射確率は、量子ドット層60内部で拡散されることによって、大幅に上昇する。
以上のようにして、量子ドット層60を透過した青色、緑色及び赤色の光は、量子ドット層60の出光側に配置されたプリズムシート71,72に向かう。図4に示すように、プリズムシート71,72を透過する光L71,L72は、単位プリズム75のプリズム面76において屈折する。この屈折により、正面方向ndから傾斜した方向に進む光L71,L72の進行方向(出射方向)は、主として、当該プリズムシート71,72へ入射する際における光の進行方向と比較して、プリズムシート71,72のシート面への法線方向に対する角度が小さくなる側へ曲げられる。このような作用により、単位プリズム75は、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。この結果、正面方向輝度を効果的に向上させることができる。
なお、単位プリズム75による集光機能は、主として、単位プリズム75の配列方向(図5で言えば左右方向)daにおいて発揮される。そして、第1プリズムシート71の単位プリズム75の配列方向は、第2プリズムシート72の単位プリズム75の配列方向と非平行、とりわけ直交の関係にある。したがって、二枚のプリズムシート71,72を透過する光の出射方向は、異なる二方向において正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれることになる。
図1から理解されるように、面光源装置20の発光面21を形成する第2プリズムシート72から出射した光は、その後、液晶表示パネル15へ入射して輝度向上層11を介して下偏光板14を透過する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶表示パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
以上のように、本実施の形態によれば、出光面31、及び、出光面31とは異なる方向を向く入光面33を有するガラス製の導光板30と、導光板30の出光面31に接合され導光板30よりも屈折率の低い低屈折率層80と、低屈折率層80の導光板30に接合された面とは反対側の面に接合され、量子ドット61を含む量子ドット層60と、量子ドット層60の低屈折率層80に接合された面とは反対側の面を覆うバリア層85と、を備える。このような形態によれば、導光板30の出光面31からむらなく取り出された光が量子ドット61に吸収されて異なる波長の光として放出される。量子ドット61から放出される光は、優れた色純度にて液晶表示パネル15を照明することができる。この結果、液晶表示パネル15は、優れた色再現性で映像を表示することができる。
ただし、量子ドット層60は、大気中の水分や酸素により劣化して発光効率の低下を招き易い。この点、本実施の形態によれば、量子ドット層60は、水分や酸素の透過を妨げる機能をもつガラス製の導光板30とバリア層85との間に挟まれている。したがって、量子ドット層60をガラス製の導光板30とバリア層85との間に挟むことによって、量子ドット層60を水分や酸素から保護することができる。すなわち、導光板30をガラス製とし量子ドット層60に対するバリア層としても利用することで、量子ドット層60に対する別個のバリア層を準備する必要がなくなる。この結果、導光部材22の総厚みを薄くすることができる。以上のことから、本実施の形態によれば、量子ドット層60が組み込まれた導光部材22を、高い色再現性と薄型化を両立させた実用性に優れた態様で実現することができる。
また、本実施の形態によれば、導光板30は、出光面31に対向し、複数の取出要素40がパターン配列された裏面32を含み、取出要素40は、或る方向dxから入射する光L22の少なくとも一部を、前記或る方向dxから裏面32のうちの取出要素40が配置された領域32a以外の領域32bに入射した光L21が反射して向かう方向dyとは異なる方向dzに向かわせる(図2参照)。このような形態によれば、導光板30内を導光される光を取り出すための取出要素40を実用的な態様で実現することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述した実施の形態において、導光板30の出光面31が平坦面からなる例を示したが、このような例に限られない。例えば、導光板30の出光面31に、出射光の向きを調整する複数のプリズム要素が配列されていてもよい。
また、上述した実施の形態において、表示装置10が輝度向上層11や2つのプリズムシート71、72を含む例を示したが、これらは仕様に応じて適宜設けられ得る。すなわち、輝度向上層11やプリズムシート71、72は、設けられていなくてもよい。
また、上述した実施の形態では、図2に示すように、取出要素40が拡散反射機能をもつ白インキからなる例を示したが、取出要素40の形態は、このような例に限定されない。図6に、取出要素40の他の例を示す。図6に示す例では、複数の取出要素40は、導光方向となる第1方向d1に配列された複数の傾斜面40からなる。図6に示す例では、複数の傾斜面40は、第1方向d1に間隔を空けて配置され、導光板30の板面内を第1方向d1に交差、より詳細には直交する方向に延びている。
また、図6に示す例では、傾斜面40は、入光面33側から反対面34側へ向かうにつれて正面方向ndに沿って出光面31に接近いくように、正面方向nd及び第1方向d1の両方に対して傾斜している。すなわち、傾斜面40は、反対面34側に位置する端部E1が入光面33側に位置する端部E2よりも出光面31に接近するように、正面方向nd及び第1方向d1の両方に対して傾斜している。
このような取出要素としての傾斜面40によれば、出光面31と裏面32との間で反射を繰り返す光のうち、裏面32のうちの取出要素40が配置された領域32a以外の領域32bで反射する光については、その後に出光面31に入射する際の入射角度が維持され、裏面32のうちの取出要素40が配置された領域32aで反射する光については、その後に出光面31に入射する際の入射角度が小さくなっていく。傾斜面40での反射により出光面31への入射角度が全反射臨界角度未満になると、この光は、導光板30から出射するようになる。
また、上述した実施の形態において具体的に言及はされていないが、量子ドットパターン層60の側面60cは、外部に露出していてもよいし、保護されていてもよい。図7に、量子ドット層60の側面を側面バリア材86にて保護した例を示す。図7に示すように、量子ドット層60は、低屈折率層80に接合された入射面60aと、バリア層85に覆われた出射面60bと、前記入射面60aの外縁と出射面60bの外縁との間を延びる側面60cと、を含んでいる。そして、側面バリア材86は、量子ドット層60の側面60cに接合され、当該側面60cの全域を覆っている。
側面バリア材86は、量子ドット層60を水分や酸素から保護する機能を有している。換言すれば、側面バリア材86は、水蒸気の透過を防止する蒸気バリア性及び酸素ガス等のガスの透過を防止するガスバリア性を有している。側面バリア材86の組成は、上述のバリア層85と略同様に構成することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図7に示す形態によれば、側面バリア材86が量子ドット層60の側面60cをも水分や酸素から保護することができることから、水分や酸素による量子ドット層60の発電効率の低下をさらに抑制することができる。
≪第2の実施の形態≫
次に、図8を参照して、第2の実施の形態について説明する。図8は、第2の実施の形態による面光源装置20の概略構成を示す断面図である。図8を参照して説明する第2の実施の形態は、低屈折率層80の配置と取出要素40が設けられていない点で異なるが、その他の構成は、第1の実施形態と同様に構成することができる。第2の実施の形態に関する以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図8に示す面光源装置20においては、低屈折率層が、導光板30の出光面31にパターン配列された低屈折率パターン層80として構成されている。この低屈折率パターン層80は、導光板30をなす材料よりも屈折率の低い材料からなる。低屈折率パターン層80は、導光板30の出光面31に接合され、当該出光面31を部分的に隙間なく覆っている。低屈折率パターン層80と、当該低屈折率パターン層80に覆われた導光板30の出光面31の部分との間には、屈折率差をもつ界面が形成される。この界面は、導光板30内を導光される光を反射して反対面34に向けて導光するように作用する。すなわち、導光板30内を導光される光が低屈折率パターン層80との界面に入射すると、当該界面にて全反射して裏面32に向かっていく。
本実施の形態において、低屈折率パターン層80は、導光方向となる第1方向d1に間隔を空けて並べられた複数の低屈折単位要素81を含んでいる。各低屈折単位要素81は、出光面31に沿って第1方向d1に交差する、より詳細には直交する方向に延びている。
とりわけ、本実施の形態では、複数の低屈折単位要素81は、第1方向d1に沿って一定のピッチで配列されている一方で、第1方向d1に沿って反対面34に近接して配置された低屈折単位要素81ほど、第1方向d1に沿った長さが短くなる傾向にある。したがって、第1方向d1に沿って入射面33から反対面34に接近するにつれて、出光面31のうちの低屈折単位要素81が配置される領域の割合が低くなっている。このような構成によれば、導光方向に沿って入射面33から離間した領域での導光板30からの光の出射が促進され、入射面33から離間するにつれて出射光量が低下してしまうことを効果的に防止することができる。
低屈折率パターン層80が配置された導光板30の出光面31に量子ドット層60が接合されている。本実施の形態において、量子ドット層60は、低屈折率パターン層80が配置された導光板30の出光面31を覆っている。このため、量子ドット層60は、第1方向d1に隣り合う低屈折単位要素81の間にも充填され、導光板30の出光面31の一部と接している。本実施の形態において、量子ドット層60の屈折率は、低屈折率パターン層80の屈折率よりも大きく、導光板30の屈折率と略同一になっている。したがって、導光板30内を導光される光が量子ドット層60との界面に入射すると、当該界面を透過して量子ドット層60内に進入していく。
量子ドット層60のうちの、出光面31に接合された面とは反対側の面は、バリア層85にて覆われている。図8に示すバリア層85は、量子ドット層60のうちの、出光面31に接合された面とは反対側の面に接合され、当該面の全域を隙間なく覆っている。
図9に、導光部材22から光が取り出されるようすを示す。図9に示すように、導光板30内を導光される光L91が出光面31のうちの低屈折率パターン層80に覆われた領域31aに入射すると、当該領域31aにて全反射され、その後に入射する裏面32への入射角度も維持される。したがって、出光面31のうちの低屈折率パターン層80に覆われた領域31aにて全反射した光L91は、その後に裏面32にて全反射され反対面34に向かって導光されていく。
これに対して、導光板30内を導光される光L92が出光面31のうちの量子ドット層60に覆われた領域31bに入射すると、当該領域31bを透過して量子ドット層60内に進入していく。このようにして、光源24からの光L91、L92は、導光板30の出光面31からむらなく取り出されていく。
量子ドット層60に入射した光L92は、量子ドット61に吸収されて異なる波長の光として放出される。その後、放出された光は、2つのプリズムシート71、72を透過して、液晶表示パネル15を照明する。
以上のように、本実施の形態によれば、出光面31、及び、出光面31とは異なる方向を向く入光面33を有する導光板30と、導光板30の出光面31にパターン配列され導光板30よりも屈折率の低い低屈折率パターン層80と、低屈折率パターン層80が配置された導光板30の出光面31に接合され、量子ドット61を含む量子ドット層60と、量子ドット層60の導光板30に接合された面とは反対側の面を覆うバリア層85と、を備える。このような形態によれば、導光板30内を導光される光L91が出光面31のうちの低屈折率パターン層80に覆われた領域31aに入射すると、当該領域31aにて全反射され、その後に入射する裏面32への入射角度も維持される。したがって、出光面31のうちの低屈折率パターン層80に覆われた領域31aにて全反射した光L91は、その後に裏面32にて全反射され反対面34に向かって導光されていく。これに対して、導光板30内を導光される光L92が出光面31のうちの量子ドット層60に覆われた領域31bに入射すると、当該領域31bを透過して量子ドット層60内に進入していく。このようにして、光源24からの光L91、L92は、導光板30の出光面31からむらなく取り出されていく。
導光板30の出光面31からむらなく取り出された光L92は、量子ドット61に吸収されて異なる波長の光として放出される。量子ドット61から放出される光は、優れた色純度にて液晶表示パネル15を照明することができる。この結果、液晶表示パネル15は、優れた色再現性で映像を表示することができる。以上のことから、本実施の形態によれば、量子ドット層60が組み込まれた導光部材22を、高い色再現性と薄型化を両立させた実用性に優れた態様で実現することができる。
また、本実施の形態によれば、導光板30は、ガラス製である。したがって、量子ドット層60は、ガラス製の導光板30とバリア層85との間に挟まれている。ガラス製の導光板30及びバリア層85は、水分や酸素の透過を妨げることから、量子ドット層60をガラス製の導光板30とバリア層85との間に挟むことによって、量子ドット層60を水分や酸素から保護することができる。すなわち、導光板30をガラス製とし量子ドット層60に対するバリア層としても利用することで、量子ドット層60に対する別個のバリア層を準備する必要がなくなり、導光部材22の総厚みを薄くすることができる。
≪第3の実施の形態≫
次に、図10を参照して、第3の実施の形態について説明する。図10は、第3の実施の形態による面光源装置20の概略構成を示す断面図である。図10を参照して説明する第3の実施の形態は、低屈折率層80及び量子ドット層60の配置と取出要素40が設けられていない点で異なるが、その他の構成は、第1の実施形態と同様に構成することができる。第3の実施の形態に関する以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図10に示す面光源装置20においては、量子ドット層60が、導光板30の出光面31にパターン配列された量子ドットパターン層60として構成されている。この量子ドットパターン層60は、導光板30をなす材料と略同一の屈折率の材料からなる。量子ドットパターン層60は、導光板30の出光面31に接合され、当該出光面31を部分的に隙間なく覆っている。
本実施の形態において、量子ドットパターン層60は、導光方向となる第1方向d1に間隔を空けて並べられた複数の量子ドット単位要素63を含んでいる。各量子ドット単位要素63は、出光面31に沿って第1方向d1に交差する、より詳細には直交する方向に延びている。
とりわけ、本実施の形態では、複数の量子ドット単位要素63は、第1方向d1に沿って一定のピッチで配列されている一方で、第1方向d1に沿って反対面34に近接して配置された量子ドット単位要素63ほど、第1方向d1に沿った長さが大きくなる傾向にある。したがって、第1方向d1に沿って入射面33から反対面34に接近するにつれて、出光面31のうちの量子ドット単位要素63が配置される領域の割合が高くなっている。このような構成によれば、導光方向に沿って入射面33から離間した領域での導光板30からの光の出射が促進され、入射面33から離間するにつれて出射光量が低下してしまうことを効果的に防止することができる。
量子ドットパターン層60が配置された導光板30の出光面31に低屈折率パターン層80が接合されている。本実施の形態において、低屈折率パターン層80は、量子ドットパターン層60が配置された導光板30の出光面31を覆っている。このため、低屈折率パターン層80は、第1方向d1に隣り合う量子ドット単位要素63の間にも充填され、導光板30の出光面31の一部と接している。本実施の形態において、低屈折率パターン層80の屈折率は、導光板30及び量子ドットパターン層60の屈折率よりも小さくなっている。このため、低屈折率パターン層80と、当該低屈折率パターン層80に隣接した導光板30の出光面31の部分との間には、屈折率差をもつ界面が形成される。この界面は、導光板30内を導光される光を反射して反対面34に向けて導光するように作用する。すなわち、導光板30内を導光される光が低屈折率パターン層80との界面に入射すると、当該界面にて全反射して裏面32に向かっていく。
とりわけ、本実施の形態において、低屈折率パターン層80は、量子ドット層60に対するバリア層としても機能する。すなわち、低屈折率パターン層80は、量子ドット層60を水分や酸素から保護する機能を有している。換言すれば、低屈折率パターン層80は、水蒸気の透過を防止する蒸気バリア性及び酸素ガス等のガスの透過を防止するガスバリア性を有している。
このような低屈折率パターン層80は、第1の実施の形態で説明したバリア層85をなす材料を主成分として、屈折率を調整する成分を適宜添加することにより得られる。
図11に、導光部材22から光が取り出されるようすを示す。図11に示すように、導光板30内を導光される光L11が出光面31のうちの低屈折率パターン層80に覆われた領域31aに入射すると、当該領域31aにて全反射され、その後に入射する裏面32への入射角度も維持される。したがって、出光面31のうちの低屈折率パターン層80に覆われた領域31aにて全反射した光L11は、その後に裏面32にて全反射され反対面34に向かって導光されていく。
これに対して、導光板30内を導光される光L12が出光面31のうちの量子ドット層60に覆われた領域31bに入射すると、当該領域31bを透過して量子ドット層60内に進入していく。このようにして、光源24からの光L11、L12は、導光板30の出光面31からむらなく取り出されていく。
量子ドット層60に入射した光L11、L12は、量子ドット61に吸収されて異なる波長の光として放出される。その後、放出された光は、2つのプリズムシート71、72を透過して、液晶表示パネル15を照明する。
以上のように、本実施の形態によれば、出光面31、及び、出光面31とは異なる方向を向く入光面33を有する導光板30と、導光板30の出光面31にパターン配列され、量子ドット61を含む量子ドットパターン層60と、量子ドットパターン層60が配置された導光板30の出光面31を覆う、導光板30よりも屈折率の低い低屈折率層80と、を備える。このような形態によれば、導光板30内を導光される光L11が出光面31のうちの低屈折率パターン層80に覆われた領域31aに入射すると、当該領域31aにて全反射され、その後に入射する裏面32への入射角度も維持される。したがって、出光面31のうちの低屈折率パターン層80に覆われた領域31aにて全反射した光L11は、その後に裏面32にて全反射され反対面34に向かって導光されていく。これに対して、導光板30内を導光される光L12が出光面31のうちの量子ドット層60に覆われた領域31bに入射すると、当該領域31bを透過して量子ドット層60内に進入していく。このようにして、光源24からの光L11、L12は、導光板30の出光面31からむらなく取り出されていく。
導光板30の出光面31からむらなく取り出された光L11、L12は、量子ドット61に吸収されて異なる波長の光として放出される。量子ドット61から放出される光は、優れた色純度にて液晶表示パネル15を照明することができる。この結果、液晶表示パネル15は、優れた色再現性で映像を表示することができる。以上のことから、本実施の形態によれば、量子ドット層60が組み込まれた導光部材22を、高い色再現性と薄型化を両立させた実用性に優れた態様で実現することができる。
また、本実施の形態によれば、低屈折率層80は、量子ドットパターン層60に対するバリア層としても機能し、導光板30は、ガラス製である。したがって、量子ドット層60は、ガラス製の導光板30とバリア機能をもつ低屈折率層80との間に挟まれている。ガラス製の導光板30及び低屈折率層80は、水分や酸素の透過を妨げることから、量子ドット層60をガラス製の導光板30と低屈折率層80との間に挟むことによって、量子ドット層60を水分や酸素から保護することができる。すなわち、ガラス製の導光板30及び低屈折率層80を量子ドット層60に対するバリア層として利用することで、量子ドット層60に対する別個のバリア層を準備する必要がなくなり、導光部材22の総厚みを薄くすることができる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。