以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.はじめに
2. 実施形態
2.1 情報処理システムの概略構成の例
2.2 第1のマッチング手順の例
2.3 第2のマッチング手順の例
2.4 第3のマッチング手順の例
2.5 セキュリティ対策の例
2.6 ハードウェア構成の例
2.7 他の利用態様の例
3. 効果
1.はじめに
例えば輸送機関の一つであるタクシーを利用して荷物を輸送する際は、乗客の乗車が必要な場合がある。タクシードライバーによる買い物代行サービスは存在するが、タクシードライバーが買い物行為を行う必要があり、料金体系も異なるので利用しづらい。近距離での急ぎの荷物運び、旅行宿泊先に荷物だけを届ける等には、供給量が安定しており、移動距離・経路・目的地の制約が少なく、小回りの利くタクシーを用いたいという要望がある。一方で、荷物は乗客とともにタクシーで運ばれる必要はあるが、荷物の持ち主がその乗客であることまでは要求されない。
開示される技術によれば、乗客と荷物とをマッチングすることで、荷物の持ち主の移動に利用しないタクシーを用いて荷物を輸送することができる。
2. 実施形態
2.1 情報処理システムの概略構成の例
図1は、実施形態に係る情報処理システムの概略構成の例を示す図である。情報処理システム100は、ユーザ端末1と、ユーザ端末2と、情報処理装置3と、配車管理装置4とを含む。これらの端末及び装置は、ネットワークNに接続される。
図1には、車両Vも図示される。車両Vは、輸送機関の一例である。輸送機関としての車両Vの例は、タクシーである。以下では、車両Vがタクシーである場合について説明する。なお、図1には一台の車両Vだけが図示されるが、複数の車両Vが存在しうる。
例えば、車両Vは、図示しない車載器及び端末装置等を備えている。車載器は、料金メータ、GSP(Global Positioning System)受信器、ジャイロセンサ、速度メータ等から必要なデータを取得し、車両Vの動態ログを表す車両情報を生成する。車両情報は、営業地区、営業状態を示すステータス(「実車」、「空車」及び「迎車」等)、料金(運賃)、現在位置、移動速度及び移動方向等を含む。車両情報は、IDも含む。IDの例は、車両Vの所属会社を識別する会社ID、車両Vを識別する無線ID、車両Vのドライバーを識別する乗務員ID等である。他にも、ステータスの生成時刻を表すステータス時刻等が、車両情報に含まれてよい。車載器は、例えば所定の周期で車両情報を生成し、配車管理装置4に送信する。
車両Vが備える端末装置の例は、ドライバー用アプリケーションが動作可能なスマートフォン、タブレット端末等である。端末装置は、例えばアクセスポントAP(基地局等)を介して、ネットワークNに接続されることで、配車管理装置4と通信可能である。ドライバー用アプリケーションは、車両Vの配車に関する情報をドライバーに提示(表示等)したり、ドライバーの操作を受け付けたりする。例えば、配車依頼情報のドライバーへの提示、配車依頼情報への応答の配車管理装置4への送信等が行われる。配車依頼情報は、出発地及び目的地(送迎場所)、出発時刻、到着時刻、経路、料金等の情報を含む。
ユーザ端末1及びユーザ端末2は、この例では、スマートフォン、タブレット端末等であり、アクセスポントAPを介して、ネットワークNに接続される。ユーザ端末1及びユーザ端末2を操作するユーザを、ユーザU1及びユーザU2と称し図示する。ユーザU1及びユーザU2は、ユーザ端末1及びユーザ端末2を操作し、所定のアプリケーションを用いることで、情報処理システム100のサービスを利用する。
情報処理装置3は、情報処理システム100のサービスを利用するために必要な種々の処理を実行する。一部の処理は、配車管理装置4との協働によって行われうる。配車管理装置4は、例えばタクシー会社が運用する配車管理システムを構成する。なお、実施形態では、情報処理装置3及び配車管理装置4が別々の装置である例について説明するが、情報処理装置3及び配車管理装置4の機能は一つの装置によって実現されてもよいし、3つ以上の装置よって実現されてもよい。前者の場合、例えば、配車管理装置4の機能が、情報処理装置3に組み入れられてよい。
ユーザU1は、荷物を車両Vで輸送することを希望するユーザ(第1のユーザ)である。この例では、ユーザU1の荷物はキャリーケースCである。荷物の出発地(届け元)は、ユーザU1の現在地である。荷物の目的地(届け先)は、観光ホテルであり、目的地G1として図示される。なお、図1には一人のユーザU1だけが図示されるが、情報処理システム100を利用する複数のユーザU1が存在しうる。
ユーザU2は、自身が車両Vで移動することを希望するユーザ(第2のユーザ)である。この例では、ユーザU2の出発地は、ユーザU2の現在地である。ユーザU2の目的地は、オフィスビルであり、目的地G2として図示される。なお、図1には一人のユーザU2だけが図示されるが、情報処理システム100を利用する複数のユーザU2が存在しうる。
情報処理システム100は、同じ車両VがユーザU1の荷物の輸送とユーザU2の輸送(送迎)とを行うように、ユーザU1とユーザU2とをマッチングする。マッチングの詳細については、後に図2以降を参照して説明する。
マッチングが成立すると、情報処理装置3は、輸送機関の手配、すなわちこの例では車両Vの配車(予約)を行う。情報処理装置3は、車両Vの運行経路Pを算出し、算出した運行経路Pを車両Vが運行するように、車両Vの配車を行う。算出した運行経路Pは、ユーザU1及びユーザU2の承諾を得るために提示されてもよい。
運行経路Pは、ユーザU2の出発地、ユーザU1の荷物の出発地、ユーザU1の荷物の目的地及びユーザU2の目的地をこの順に通るように算出される。このような運行経路Pに沿って車両Vが運行する場合、ユーザU1の荷物は、荷物の出発地から荷物の目的地に至るまでの間、ユーザU2と一緒に車両Vで輸送される。例えば、ユーザU2が、荷物の出発地で荷物を(この例ではユーザU2から)受け取り、荷物の目的地で荷物を(この例では観光ホテルの従業員等に)渡す。荷物の受け渡しは、車両Vのドライバーが行ってもよいであろう。いずれにおいても、ユーザU1は、ユーザU1が車両Vに乗車しなくとも、ユーザU1の荷物を車両Vで輸送することができる。
図2は、情報処理システムの機能ブロックの例を示す図である。ユーザ端末1、ユーザ端末2、情報処理装置3及び配車管理装置4におけるいくつかの代表的な機能ブロックが例示される。
ユーザ端末1は、通信部11と、アプリケーション部12とを含む。通信部11はユーザ端末1において実行される処理に必要な種々の情報の送受信を、情報処理装置3との間で行う。以下、とくに説明がある場合を除き、ユーザ端末1による情報の送受信は、通信部11による情報の送受信を指し示す。
アプリケーション部12は、アプリケーションを実行するための処理部である。アプリケーションは、ユーザU1と、ユーザU2とをマッチングするためのアプリケーションであり、後述の情報処理装置3のアプリケーション部32との協働によって実現される。ユーザ端末1において、アプリケーション部12は、ユーザU1のユーザ操作を受け付けたり、ユーザU1に情報を提示したりするユーザインタフェースも提供する。以下、とくに説明がある場合を除き、ユーザ端末1によるユーザ操作の受け付け及び情報の提示は、アプリケーション部12によるユーザ操作の受け付け及び情報の提示を指し示す。
ユーザ端末2は、通信部21と、アプリケーション部22とを含む。これらはユーザ端末1の対応する部分と同様であるので、説明は繰り返さない。
情報処理装置3は、通信部31と、アプリケーション部32と、記憶部33とを含む。
通信部31は、情報処理装置3において実行される処理に必要な情報の送受信を、ユーザ端末1、ユーザ端末2及び配車管理装置4との間で行う。以下、とくに説明がある場合を除き、情報処理装置3による情報の送受信は、通信部31による情報の送受信を指し示す。
アプリケーション部32は、上述のアプリケーションを実行するための処理部である。アプリケーション部32は、運行経路算出部321と、料金算出部322と、配車部323とを含む。運行経路算出部321は、車両Vの運行経路Pを算出する。料金算出部322は、車両Vの料金を算出する。配車部323は、配車管理装置4に配車依頼情報を送信することで、車両Vを配車する。アプリケーション部32は、これら運行経路算出部321、料金算出部322及び配車部323、さらには通信部31及び記憶部33を用いて、アプリケーションを実行する。具体例については、後に図3以降を参照して説明する。
記憶部33は、情報処理装置3で用いられる種々の情報を記憶する。記憶される情報の一つとして、プログラム33aが例示される。プログラム33aは、コンピュータを情報処理装置3として機能させるための情報処理プログラム(ソフトウェア)である。以下、とくに説明がある場合を除き、情報処理装置3による情報の記憶は、記憶部33による情報の記憶を指し示す。
配車管理装置4は、例えば、タクシー会社が車両Vの配車を管理するために運用する装置である。配車管理装置4は、通信部41と、配車管理部42とを含む。
通信部41は、車両Vの配車管理に必要な種々の情報の送受信を、情報処理装置3及び車両Vとの間で行う。以下、とくに説明がある場合を除き、配車管理装置4による情報の送受信は、通信部41による情報の送受信を指し示す。
配車管理部42は、複数の車両Vそれぞれの車両情報を管理するとともに、配車依頼情報に応じて車両Vを配車する。例えば、配車管理部42は、車両情報に基づいて、配車依頼情報の条件に応じることのできる車両Vを抽出し、車両Vに配車依頼情報を送信する。車両Vでは、先に図1を参照して説明したように、ドライバー用アプリケーションが配車依頼情報を提示し、応答を配車管理装置4に送信する。なお、配車管理部42による配車管理には、オペレータの手動操作が介在してもよい。
以上説明した情報処理システム100において実行されるマッチング手順のいくつかの例を説明する。マッチングの手順は、情報処理装置3のアプリケーション部32が実行するアプリケーションに従って進められる。
2.2 第1のマッチング手順の例
第1のマッチング手順では、移動を希望するユーザU2が公募(情報公開)し、荷物が輸送されることを希望するユーザU1が応募する。このようなマッチング手順の例について述べる。
ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、ユーザU2の予約情報を入力する。ユーザU2の予約情報は、ユーザU2の移動に関する情報を含み、具体的には、出発地、目的地、出発時刻、到着時刻、荷物輸送可否等の情報を含む。荷物輸送可否は、ユーザU2が利用する車両Vが、他のユーザ(ユーザU2に相当)の荷物を輸送してよいか否かを示す。
図3及び図4は、予約情報の入力の例を示す図である。ユーザ端末2のアプリケーション部22による操作画面の例が示される。図3に示されるように、地図上にマーカM1及びマーカM2を配置することで、乗車地(出発地に相当)及び目的地が設定される。図3に示されるように、メッセージ「荷物を運んでよいですか? 運賃が500円値引きされることが想定されます」が表示される。「Yes」が選択され、ユーザU2の予約情報の入力が完了する。なお、この時点で表示される「500円」は、ユーザU2に対するディスカウントとして想定される金額であり、例えば予め定められた金額である。なお、図3及び図4に示されるように入力された出発地及び目的地等の他に、出発時刻、到着時刻等も入力されうる。
ユーザ端末2は、ユーザU2の予約情報を、情報処理装置3に送信する。情報処理装置3は、ユーザU2の予約情報を記憶する。ここでは、複数のユーザU2が存在し、それぞれのユーザ端末2から送信された予約情報が記憶されるものとする。
ユーザU1は、ユーザ端末1を操作して、ユーザU2の予約情報に応募する。応募の際に、ユーザU1は、ユーザ端末1を操作して、ユーザU1の予約情報を入力してよい。ユーザU1の予約情報は、ユーザU1の荷物の輸送に関する情報を含み、具体的には、出発地、目的地、出発時刻、到着時刻、荷物情報、許容最遅延時間等を含む。許容最遅延時間は、到着時刻に対して許容可能な時間を示す。ユーザ端末1は、ユーザU1の予約情報を、情報処理装置3に送信する。
アプリケーション部32は、記憶されているユーザU2の予約情報のうち、ユーザU1の荷物を輸送できる可能性のあるユーザU2の予約情報(候補)を特定する。例えば、ユーザU1の予約情報と、出発地、目的地、出発時刻、到着時刻等が近いユーザU2の予約情報が特定される。
運行経路算出部321は、ユーザU1の予約情報と、特定されたU2の予約情報それぞれとの組み合わせ(ペア)について、車両Vの運行経路Pを算出する。運行経路Pには、運行時刻も含まれてよい。すなわち、運行経路Pは、出発地及び目的地等の経路情報の他に、出発時刻及び到着時刻等の時刻情報を含んでよい。
例えば、運行経路算出部321は、上述のペアごとに、ユーザU1の予約情報と、ユーザU2の予約情報とに基づいて、運行経路Pを算出する。運行経路Pは、ユーザU1の予約情報及びユーザU2の予約情報をできるだけ満たすように定められる。運行経路Pは、ユーザU1の予約情報に示される出発地及び目的地と、ユーザU2の予約情報に示される出発地及び目的地とを含むように算出される。このとき、先に図1を参照して説明したように、ユーザU2の出発地、ユーザU1の荷物の出発地、ユーザU1の荷物の目的地及びユーザU2の目的地をこの順に含む運行経路が運行経路Pとして算出されてよい。また、運行経路Pは、ユーザU1の予約情報に示される出発時刻及び到着時刻と、ユーザU2の予約情報に示される出発時刻及び到着時刻を満たすように算出される。ただし、ユーザU1の予約情報及びユーザU2の予約情報の両方を完全に満たすことが困難な場合もあり、その場合には、予約された内容からある程度異なる運行経路が、運行経路Pとして算出されてよい。
料金算出部322は、上述のペアごとに、車両Vの料金(利用料金)を算出する。車両Vの料金は、ユーザU1が負担する料金と、ユーザU2が負担する料金とに分担される。ユーザU1が負担する料金は、ユーザU2に対するディスカウントになる。料金算出部322は、車両Vの料金のうちのユーザU1が負担する料金を算出してよい。ユーザU1が負担する料金は、ユーザU1の荷物に応じて算出されてよい。例えば、荷物の種別、重量等に応じた料金が、ユーザU1が負担する料金として算出されてよい。荷物の重量が大きい程、ユーザU1が負担する料金が高くなるように算出されてよい。
なお、ユーザU1が負担する料金が、公募によって決定(承諾)されてもよい。この第1のマッチング手順では、例えば、ユーザU1が負担する料金の希望額をユーザU2の予約情報に含めることにより、公募を行うことができる。
ユーザU2に対するディスカウントが存在するので、ユーザU2は、例えば荷物の出発地で荷物を受け取り荷物の目的地で荷物を渡すという作業を行うだけで料金が安くなるというインセンティブを享受できる。
アプリケーション部32は、特定したユーザU2の予約情報を、例えば運行経路算出部321によって算出された運行経路及び料金算出部322によって算出された料金とともに、ユーザ端末1に送信する。
ユーザ端末1は、情報処理装置3から送信されたユーザU2の予約情報(候補)を、ユーザU1に提示する。ユーザU1は、ユーザ端末1を操作して、ユーザU2の予約情報を選択する。
図5及び図6は、予約情報の選択の例を示す図である。ユーザ端末1のアプリケーション部12による操作画面の例が示される。図5に示されるように、「旅程A」等として識別される複数のユーザU2の予約情報それぞれが、出発地、目的地、金額(料金に相当)及びお届け時間(到着時刻に相当)と対応づけて表示される。いずれかのユーザU2の予約情報が選択されると、図6に示されるように、メッセージ「荷物を運んでもらいますか? 500円かかります」が表示される。「Yes」が選択され、ユーザU2の予約情報の選択が完了する。
例えば以上のようにしてユーザU1とユーザU2とのマッチングが成立する。マッチングが成立すると、配車部323が、それらユーザU1及びユーザU2のために、車両Vを配車する。
配車部323は、例えば、配車依頼情報を、配車管理装置4に送信する。配車依頼情報は、運行経路算出部321によって算出された運行経路P及び料金算出部322によって算出された料金等を含む。
配車管理装置4の配車管理部42は、配車依頼情報の内容に基づいて、車両Vを配車する。例えば、配車管理部42は、運行経路Pの出発点の近くに位置しており、且つ、出発時刻から到着時刻までの間予約がされていない車両Vを抽出し、抽出した車両Vに配車依頼情報を送信する。車両Vのドライバーが配車依頼情報を承諾(応答)すれば、配車が確定する。配車管理部42は、配車が確定したことを示す情報を、情報処理装置3に送信する。
配車部323は、配車が確定したことを示す情報を、ユーザ端末1及びユーザ端末2に送信する。ユーザ端末1及びユーザ端末2は、配車が確定したことをユーザU1及びユーザU2に提示する。車両Vは、配車依頼情報に基づいて、運行を開始する。
図7は、情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。図中、「情報処理装置3等」は、情報処理装置3及び配車管理装置4を指し示す。一点鎖線矢印の処理は、例えば所定の間隔で繰り返し実行される。すなわち、「車両情報」が車両Vから配車管理装置4に適時送信され、「荷物輸送の提案」がユーザU2に対して適時行われる。「荷物輸送の提案」は、他のユーザ(ユーザU1)の荷物輸送をユーザU2に提案するための情報が、情報処理装置3等からユーザ端末2に送信されることを示す。
ステップS1において、ユーザU2の予約情報が送信される。ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、ユーザU2の予約情報を入力する。ユーザ端末2は、ユーザU2の予約情報を情報処理装置3に送信する。
ステップS2において、ユーザU2の予約情報が提示される。情報処理装置3は、先のステップS1で受信したユーザU2の予約情報を、ユーザ端末1に送信する。ユーザ端末1は、受信したユーザU2の予約情報を、ユーザU1に提示する。
ステップS3において、ユーザU2の予約情報が選択される。ユーザU1は、ユーザ端末1を操作して、先のステップS2で提示されたユーザU2の予約情報を選択する。ユーザ端末1は、ユーザU2の予約情報の選択結果を、情報処理装置3に送信する。
ステップS4において、運行経路及び料金が提示される。情報処理装置3の運行経路算出部321は、先のステップS3で選択されたユーザU2の予約情報等に基づいて、車両Vの運行経路Pを算出する。料金算出部322は、運行経路算出部321によって算出された運行経路Pについての車両Vの料金を算出する。料金は、先に説明したように、ユーザU1が負担する料金及びユーザU2が負担する料金である。運行経路P及びユーザU1が負担する料金を示す情報は、ユーザ端末1に送信される。運行経路P及びユーザU2が負担する料金を示す情報は、ユーザ端末2に送信される。ユーザ端末1は、運行経路P及び料金を、ユーザU1に提示する。ユーザ端末2は、受信した運行経路P及び料金を、ユーザU2に提示する。
ステップS5及びステップS6において、承諾が行われる。ステップS5において、ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、先のステップS4で提示された運行経路P及び料金を承諾する。ステップS6において、ユーザU1は、ユーザ端末2を操作して、先のステップS4で提示された運行経路P及び料金を承諾する。
ステップS7において、配車依頼情報が送信される。情報処理装置3のアプリケーション部32は、ユーザU2とユーザU1とをマッチングする。配車部323は、運行経路P及び料金を含む配車依頼情報を、配車管理装置4に送信する。配車管理装置4の配車管理部42は、車両情報に基づいて、配車依頼情報の条件を満たす車両Vを抽出し、車両Vに配車依頼情報を送信する。車両Vにおいて、ドライバー用アプリケーションが、配車依頼情報をドライバーに提示する。
ステップS8において、配車依頼が承諾される。車両Vのドライバーは、ドライバー用アプリケーションを利用して、先のステップS7で送信された配車依頼情報に示される配車(予約)を承諾する。承諾結果は、配車管理装置4に送信される。
ステップS9において、配車確定が通知される。配車管理装置4は、配車が確定したことを示す情報を、情報処理装置3に送信する。情報処理装置3のアプリケーション部32は、配車が確定したことを示す情報を、ユーザ端末1及びユーザ端末2に送信する。ユーザ端末1及びユーザ端末2は、マッチングが成立し、配車が確定したことを示す情報をユーザU1及びユーザU2に提示する。
ステップS10において、運行が開始される。車両Vのドライバーは、先のステップS8で承諾した配車依頼情報に従って、車両Vの運行を開始する。
2.3 第2のマッチング手順の例
第2のマッチング手順では、荷物が輸送されることを希望するユーザU1が公募し、移動を希望するユーザU2が応募する。このようなマッチング手順の例について述べる。
ユーザU1は、ユーザ端末1を操作して、ユーザU1の予約情報を入力する。
図8及び図9は、予約情報の入力の例を示す図である。ユーザ端末1のアプリケーション部12による操作画面の例が示される。図8に示されるように、地図上にマーカM1及びマーカM2を配置することで、乗車地(出発地に相当)及び目的地が設定される。図9に示されるように、メッセージ「荷物を運んでもらいますか? 想定運賃は800円です」が表示される。「Yes」が選択され、ユーザU1の予約情報の入力が完了する。なお、図8及び図9に示されるように入力された出発地及び目的地等の他に、出発時刻、到着時刻等も入力されうる。
ユーザ端末1は、ユーザU1の予約情報を、情報処理装置3に送信する。情報処理装置3は、ユーザU1の予約情報を記憶する。ここでは、複数のユーザU1が存在し、それぞれのユーザ端末1から送信された予約情報が記憶されるものとする。
ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、ユーザU1の予約情報に応募する。応募の際に、ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、ユーザU2の予約情報を入力してよい。ユーザ端末2は、ユーザU2の予約情報を、情報処理装置3に送信する。
アプリケーション部32は、記憶されているユーザU1の予約情報のうち、荷物がユーザU1の移動とともに輸送できる可能性のあるユーザU1の予約情報(候補)を特定する。例えば、ユーザU2の予約情報と、出発地、目的地、出発時刻、到着時刻等が近いユーザU1の予約情報が特定される。
運行経路算出部321は、ユーザU2の予約情報と、特定されたユーザU1の予約情報それぞれのとの組み合わせ(ペア)について、車両Vの運行経路Pを算出する。詳細は先に説明した第1のマッチング手順の場合と同様であるので、説明は省略する。
料金算出部322は、上記のペアごとに、車両Vの料金を算出する。詳細は先に説明した第1のマッチング手順の場合と同様であるので、説明は省略する。なお、ユーザU1が負担する料金が公募によって決定される場合、この第2のマッチング手順では、例えば、ユーザU1が負担する料金の希望額をユーザU1の予約情報に含めることにより、公募を行うことができる。
情報処理装置3は、アプリケーション部32によって特定されたユーザU1の予約情報を、例えば運行経路算出部321によって算出された運行経路P及び料金算出部322によって算出された料金とともに、ユーザ端末2に送信する。
ユーザ端末2は、情報処理装置3から送信されたユーザU1の予約情報(候補)を、ユーザU2に提示する。ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、ユーザU1の予約情報を選択する。
図10及び図11は、予約情報の選択の例を示す図である。ユーザ端末2のアプリケーション部22による操作画面の例が示される。図10に示されるように、「荷物A」等として識別される複数のユーザU1の予約情報それぞれが、出発地、目的地及び金額と対応づけて表示される。いずれかのユーザU1の予約情報が選択されると、図11に示されるように、メッセージ「荷物を運びますか? 運賃が500円値引きされます」が表示される。「Yes」が選択され、ユーザU1の予約情報の選択が完了する。
例えば以上のようにして、ユーザU1とユーザU2とのマッチングが成立する。マッチング成立後の配車部323及び配車管理装置4の動作は、詳細は先に説明した第1のマッチング手順の場合と同様であるので、説明は省略する。
図12は、情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。なお、先に説明した図7の一点鎖線矢印の処理については、図12では図示は省略する。
ステップS21において、ユーザU1の予約情報が送信される。ユーザU1は、ユーザ端末1を操作して、ユーザU1の予約情報を入力する。ユーザ端末1は、ユーザU1の予約情報を情報処理装置3に送信する。
ステップS22において、ユーザU1の予約情報が提示される。情報処理装置3は、先のステップS21で受信したユーザU1の予約情報を、ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、受信したユーザU1の予約情報を、ユーザU2に提示する。
ステップS23において、ユーザU1の予約情報が選択される。ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、先のステップS21で提示されたユーザU1の予約情報から、所望の予約情報を選択する。ユーザ端末2は、ユーザU1の予約情報の選択結果を、情報処理装置3に送信する。
ステップS24において、運行経路及び料金が提示される。情報処理装置3の運行経路算出部321は、先のステップS23で選択されたユーザU1の予約情報等に基づいて、車両Vの運行経路Pを算出する。料金算出部322は、運行経路算出部321によって算出された運行経路Pについての車両Vの料金を算出する。アプリケーション部32は、運行経路P及び料金を、ユーザ端末1及びユーザ端末2に送信する。これらは先に説明した図7のステップS4と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
ステップS25~ステップS30の処理は、先に説明した図7のステップS5~ステップS10の処理と同様である。すなわち、ステップS25及びステップS26において、承諾が行われる。ステップS27において、配車依頼情報が送信される。ステップS28において、配車依頼が承諾される。ステップS29において、配車確定が通知される。ステップS30において、運行が開始される。
2.4 第3のマッチング手順の例
第3のマッチング手順では、情報公開による公募及び応募は行わず、情報処理システムが自動的にユーザU1とユーザU2とをマッチングする。このようなマッチング手順の例について述べる。
ユーザU1は、ユーザ端末1を操作して、ユーザU1の予約情報を入力する。
図13は、予約情報の入力の例を示す図である。ユーザ端末1のアプリケーション部12による操作画面の例が示される。例えばこれまで説明したように地図上にマーカM1及びマーカM2が配置され出発地及び目的地が設定されると、メッセージ「荷物を運んでもらいますか? 想定賃料は800円です」が表示される。「Yes」が選択され、ユーザU1の予約情報の入力が完了する。
ユーザ端末1は、ユーザU1の予約情報を、情報処理装置3に送信する。情報処理装置3は、ユーザU1の予約情報を記憶する。ここでは、複数のユーザU1が存在し、それぞれのユーザ端末1から送信された予約情報が記憶されるものとする。
ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、ユーザU2の予約情報を入力する。
図14は、予約情報の入力の例を示す図である。ユーザ端末2のアプリケーション部22による操作画面の例が示される。例えばこれまで説明したように地図上にマーカM1及びマーカM2が配置され出発地及び目的地が設定されると、メッセージ「荷物を運んでよいですか? 運賃が800円値引きされることが想定されます」が表示される。「Yes」が選択され、ユーザU2の予約情報の入力が完了する。
ユーザ端末2は、ユーザU2の予約情報を、情報処理装置3に送信する。情報処理装置3は、ユーザU2の予約情報を記憶する。ここでは、複数のユーザU2が存在し、それぞれのユーザ端末2から送信された予約情報が記憶されるものとする。
アプリケーション部32は、ユーザU1の予約情報とユーザU2の予約情報との比較結果に基づいて、ユーザU1とユーザU2とをマッチングする。比較の例は、それぞれの予約情報に示される出発地等の各項目どうしの差分評価である。例えば、出発地どうしの差分の例は、距離又はその距離を車両Vで移動するのに要する時間等である。目的地についても同様である。出発時刻どうしの差分の例は、時間である。目的時刻についても同様である。各項目の差分に対して閾値判断を行ったり、さらに全体の差分に対して閾値判断を行ったりすることで、差分評価が行われてよい。例えば、アプリケーション部32は、差分が閾値未満となる場合に、ユーザU1とユーザU2とをマッチングする。
情報処理装置3は、マッチングが成立したことを示す情報を、ユーザ端末1及びユーザ端末2に送信する。
図15及び図16は、マッチング成立通知の例を示す図である。図15には、ユーザ端末1のアプリケーション部12による操作画面の例が示される。メッセージ「マッチングが成立しました 運賃は800円です 引き取り時間は〇〇です お届け時間は○○です」が表示される。引き取り時間は、荷物の出発時刻に相当する。お届け時間は、荷物の到着時刻に相当する。図16には、ユーザ端末2のアプリケーション部22による操作画面の例が示される。メッセージ「マッチングが成立しました 運賃が800円値引きされます 想定所要時間は〇〇分です」が表示される。想定所要時間は、ユーザU1の出発地から目的地までの移動に要する時間である。
図17は、情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。なお、先に説明した図7の一点鎖線矢印の処理については、図17では図示は省略する。
ステップS41において、ユーザU1の予約情報が送信される。ユーザU1は、ユーザ端末1を操作して、ユーザU1の予約情報を入力する。ユーザ端末2は、ユーザU1の予約情報を、情報処理装置3に送信する。
ステップS42において、ユーザU2の予約情報が送信される。ユーザU2は、ユーザ端末2を操作して、ユーザU2の予約情報を入力する。ユーザ端末2は、ユーザU2の予約情報を、情報処理装置3に送信する。
ステップS43において、マッチングが行われ、運行経路P及び料金が提示される。情報処理装置3のアプリケーション部32は、先のステップS41で送信されたユーザU1の予約情報と、先のステップS42で送信されたユーザU2の予約情報との比較結果に基づいて、ユーザU1とユーザU2とをマッチングする。運行経路算出部321は、ユーザU1の予約情報及びユーザU2の予約情報に基づいて、車両Vの運行経路Pを算出する。料金算出部322は、運行経路算出部321によって算出された運行経路Pについての車両Vの料金を算出する。アプリケーション部32は、運行経路P及び料金を、ユーザ端末1及びユーザ端末2に送信する。これらは先に説明した図7のステップS4と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
ステップS44~ステップS49の処理は、先に説明した図7のステップS5~ステップS10と同様である。すなわち、ステップS44及びステップS45において、承諾が行われる。ステップS46において、配車依頼情報が送信される。ステップS47において、配車依頼が承諾される。ステップS48において、配車確定が通知される。ステップS49において、運行が開始される。
上述の第3のマッチング手順においては、ユーザU2の乗車によって車両Vのトランクが埋まらないのであれば、ユーザU2が他のユーザ(ユーザU1)の荷物を輸送する意思を有しているか否かにかかわらず、マッチングが行われてもよい。もっとも、この場合でも、例えば先に図14を参照して説明したように、ユーザU2の予約情報入力時に、荷物輸送の可否すなわち荷物輸送に伴って発生する荷物の引渡等の作業についても承諾を得ておくのがよい。受取人(図1の例では観光ホテル(目的地G2)の従業員等)が荷物の到着時刻に車両Vまで来て荷物を受け取ることができるのであれば、ユーザU2の承諾が無くとも、ユーザU1とユーザU2とがマッチングされてよい。いずれにおいても、ユーザU1は、ユーザU1が車両Vに乗車しなくとも、ユーザU1の荷物を車両Vで輸送することができる。車両Vのトランクが埋まるかどうかを事前に判断できるよう、ユーザU2の予約情報には、ユーザU2の荷物情報(荷物のサイズ、重量等)が含まれてよい。荷物情報から車両Vのトランクが埋まらない場合に、ユーザU1とユーザU2とがマッチングされてよい。
2.5 セキュリティ対策の例
ユーザU1の荷物輸送に関するセキュリティ対策が実施されてよい。一実施形態において、車両Vは、荷物をロック収容可能な収容部を有してよい。これにより、荷物のセキュリティを確保することができる。とくにユーザU1の荷物が重要な荷物(個人情報関連書類、高価な物品等)である場合に有用である。例えば、情報処理装置3のアプリケーション部32は、収容部のロック解除を行うための鍵情報(例えばQRコード(登録商標)等)を、ユーザU2に付与することなく、荷物の受取人に(場合によっては車両Vのドライバーにも)付与してよい。鍵情報が付与される者も、ユーザ端末1等と同様の端末を有し、アプリケーションを利用することによって、情報鍵を取得してよい。
2.6 ハードウェア構成の例
図18は、ユーザ端末、情報処理装置及び配車管理装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。これまで説明したユーザ端末1、ユーザ端末2、情報処理装置3及び配車管理装置4の機能は、コンピュータに各種のプログラムをインストールすることによって実現されうる。例えば先に説明した図2のプログラム33aをコンピュータにインストールすることによって、情報処理装置3の機能が実現される。コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、及びドライブ210が接続されている。
入力部206は、操作ボタン、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子などよりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカ、出力端子などよりなる。記憶部208は、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリなどよりなる。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体211を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205及びバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
2.7 他の利用態様の例
情報処理システム100の他の利用態様のいくつかの例について述べる。
荷物の受取人の連絡情報(名前、住所、受取人等)が、ユーザU2の予約情報に含まれてよい。この場合、ユーザU1とユーザU2とのマッチングが成立した際に、アプリケーション部32は、荷物の受取人(届け先相手等)に通知してよい。例えば受取人がユーザ端末1等と同様のユーザ端末を有している場合には、その受取人のユーザ端末に通知が行われてよい。アプリケーション部32は、荷物の到着時刻まで5分程度となった時点で改めて届け先に通知を行ってもよい。受取人が荷物の受取を完了すると、受取人は、例えば受取人のユーザ端末を操作して、その旨を情報処理装置3に通知してよい。アプリケーション部32は、荷物の受取が完了した旨を、ユーザ端末1に送信してユーザU1に通知してよい。
マッチングが想定されるいくつかの具体的なケースについて述べる。通常の個人間の荷物の配送を希望するユーザどうしのマッチングが想定される。レストランでの食事後、タクシー(自家用車等でもよい)で帰宅するユーザが、フードデリバリをする場合(この場合は自家用車でも問題はない)において、帰宅するユーザと、フードデリバリを希望するユーザとのマッチングが想定される。旅行の際に旅館の最寄り駅から荷物だけ先に送って観光したいユーザと、同じ最寄り駅から同じ旅館へタクシーで向かうユーザとのマッチングが想定される。
ユーザU1の荷物が重要な荷物(重要書類等)でありオフィスから別のオフィスに運ぶ場合等は、荷物を運ぶユーザU2を限定して(例えば同じ会社の人物のみにして)よい。例えば、別途、ユーザU2の勤務地ステータス情報が入力等によって取得されたり、SNSとの連携によって取得されたりしてよい。例えばアプリケーション部32は、そのような情報を取得し、取得した情報に基づいてユーザU2をフィルタリング等したうえでマッチングを行ってよい。
輸送機関は、車両(タクシー、バス、電車等)に限定されない。その場合、荷物を運ぶことになるユーザU2が信頼のおける人物であるかどうか、セキュリティのための設備があるかどうかなどを判断してよい。例えば、アプリケーション部32は、ユーザU2のアプリケーションの利用履歴(実績)等から、ユーザU2の評価(レーティング等)を行い、その結果に基づいて、ユーザU2をフィルタリング等したうえでマッチングを行ってよい。セキュリティ設備の例は、上述のロック収容可能な収容部(トランク等)である。
車両Vの料金には、荷物の補償金の分の料金が上乗せされてよい。その分は、ユーザU1が負担してよい。例えば、料金算出部322は、そのような補償金を上乗せしたユーザU1の料金を算出してよい。
料金は、基本的には荷物の重量や大きさ、価額に応じて荷物を運んでもらう人の負担金額が増加し、荷物を運ぶ人(タクシー乗客)の負担金額が減少するように按分してよい。このような料金の算出も、料金算出部322によって行われてよい。
ユーザU1とユーザU2との1対1のマッチングでなくてもよい。例えば、アプリケーション部32は、複数のユーザU1(の荷物)と、一人のユーザU2とをマッチングしてよい。アプリケーション部32は、一人のユーザU1と、複数のユーザU2とをマッチングしてよい。この場合、例えば、運行経路算出部321は、ユーザU1の荷物が複数のユーザU2の移動によってリレー形式で輸送されるような運行経路を算出してよい。
車両Vの料金は、ユーザU1及びユーザU2の他に、荷物を受け取る人物によっても分担されてよい。例えば、料金算出部322は、そのように分担された料金を算出してよい。
3.効果
以上説明した情報処理システム100は、例えば次のように特定される。図1及び図2等を参照して説明したように、情報処理システム100は、荷物の輸送を要望する第1のユーザ(ユーザU1)の予約情報と、移動を要望する第2のユーザ(ユーザU2)の予約情報とに基づいて、第1のユーザの荷物と第2のユーザとが同じ輸送機関(例えば車両V)で輸送されるように、第1のユーザと第2のユーザとをマッチングする処理部(例えばアプリケーション部22)を備える。
上記の情報処理システム100によれば、荷物の輸送を希望する第1のユーザと、移動を希望する第2のユーザとが同じ輸送機関で輸送されるように、第1のユーザ及び第2のユーザがマッチングされる。したがって、第1のユーザ(本人)の移動に利用しない輸送機関を用いて荷物を輸送することが可能になる。
図1及び図2等を参照して説明したように、第1のユーザの予約情報は、荷物の出発地及び目的地を含み、処理部は、輸送機関の運行経路の途中に荷物の出発地及び目的地が含まれるように、輸送機関を手配してよい。第2のユーザの予約情報は、第2のユーザの出発地及び目的地を含み、処理部は、輸送機関の運行経路が、第1のユーザの出発地、荷物の出発地、荷物の目的地及び第2のユーザの目的地をこの順に含むように、輸送機関を手配してよい。これにより、第1のユーザの荷物を、荷物の出発地から荷物の目的地に至るまでの間、第2のユーザと一緒に輸送機関で輸送することができる。
図3~図6等を参照して説明した第1のマッチング手順のように、処理部は、第2のユーザが第1のユーザの予約情報を選択した場合に、第1のユーザと第2のユーザとをマッチングしてよい。図8~図11等を参照して説明した第2のマッチング手順のように、処理部は、第1のユーザが第2のユーザの予約情報を選択した場合に、第1のユーザと第2のユーザとをマッチングしてよい。図13~図16を参照して説明したように、処理部は、第1のユーザの予約情報と、第2のユーザの予約情報との比較結果に基づいて、第1のユーザと第2のユーザとをマッチングしてよい。例えばこのようなさまざまなマッチング手順により、第1のユーザと第2のユーザとをマッチングすることができる。
処理部は、輸送機関の料金のうちの第1のユーザが負担する料金を、荷物に応じて算出してよい。例えばこのようにして、輸送機関の料金を、第1のユーザと第2のユーザとに分担させることができる。
輸送機関は、荷物をロック収容する収容部を有し、収容部は、第2のユーザには付与されない鍵情報によってロック解除されてよい。これにより、荷物のセキュリティを確保することができる。
図7、図12及び図17等を参照して説明した情報処理方法も、本開示の一態様である。すなわち、情報処理方法は、荷物の輸送を要望する第1のユーザの予約情報と、移動を要望する第2のユーザの予約情報とに基づいて、第1のユーザの荷物と第2のユーザとが同じ輸送機関で輸送されるように、情報処理装置3が第1のユーザと第2のユーザとをマッチングすることを含む(ステップS4~ステップS6、ステップS24~ステップS26、ステップS43~ステップS45)。このような情報処理方法によっても、したがって、第1のユーザ(本人)の移動に利用しない輸送機関を用いて荷物を輸送することが可能になる。
図2及び図18等を参照して説明した情報処理プログラム(例えばプログラム33a)も、本開示の一態様である。すなわち、情報処理プログラムは、荷物の輸送を要望する第1のユーザの予約情報と、移動を要望する第2のユーザの予約情報とに基づいて、第1のユーザの荷物と第2のユーザとが同じ輸送機関で輸送されるように、第1のユーザと第2のユーザとをマッチングすること、をコンピュータ(例えば情報処理装置3)に実行させる。このような情報処理プログラムによっても、したがって、第1のユーザ(本人)の移動に利用しない輸送機関を用いて荷物を輸送することが可能になる。
本開示に記載された効果は、あくまで例示であって、開示された内容に限定されない。他の効果があってもよい。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
荷物の輸送を要望する第1のユーザの予約情報と、移動を要望する第2のユーザの予約情報とに基づいて、前記第1のユーザの前記荷物と前記第2のユーザとが同じ輸送機関で輸送されるように、前記第1のユーザと前記第2のユーザとをマッチングする処理部を備える、
情報処理システム。
(2)
前記第1のユーザの予約情報は、前記荷物の出発地及び目的地を含み、
前記処理部は、前記輸送機関の運行経路の途中に前記荷物の出発地及び目的地が含まれるように、前記輸送機関を手配する、
(1)に記載の情報処理システム。
(3)
前記第1のユーザの予約情報は、前記荷物の出発地及び目的地を含み、
前記第2のユーザの予約情報は、前記第2のユーザの出発地及び目的地を含み、
前記処理部は、前記輸送機関の運行経路が、前記第1のユーザの出発地、前記荷物の出発地、前記荷物の目的地及び前記第2のユーザの目的地をこの順に含むように、前記輸送機関を手配する、
(2)に記載の情報処理システム。
(4)
前記処理部は、前記第2のユーザが前記第1のユーザの予約情報を選択した場合に、前記第1のユーザと前記第2のユーザとをマッチングする、
(1)~(3)のいずれかに記載の情報処理システム。
(5)
前記処理部は、前記第1のユーザが前記第2のユーザの予約情報を選択した場合に、前記第1のユーザと前記第2のユーザとをマッチングする、
(1)~(3)のいずれかに記載の情報処理システム。
(6)
前記処理部は、前記第1のユーザの予約情報と、前記第2のユーザの予約情報との比較結果に基づいて、前記第1のユーザと前記第2のユーザとをマッチングする、
(1)~(3)のいずれかに記載の情報処理システム。
(7)
前記処理部は、前記輸送機関の料金のうちの前記第1のユーザが負担する料金を、前記荷物に応じて算出する、
(1)~(6)のいずれかに記載の情報処理システム。
(8)
前記輸送機関は、前記荷物をロック収容する収容部を有し、
前記収容部は、前記第2のユーザには付与されない鍵情報によってロック解除される、
(1)~(7)のいずれかに記載の情報処理システム。
(9)
前記輸送機関は、車両である、
(1)~(8)のいずれかに記載の情報処理システム。
(10)
情報処理装置が、荷物の輸送を要望する第1のユーザの予約情報と、移動を要望する第2のユーザの予約情報とに基づいて、前記第1のユーザの前記荷物と前記第2のユーザとが同じ輸送機関で輸送されるように、前記第1のユーザと前記第2のユーザとをマッチングすることを含む、
情報処理方法。
(11)
荷物の輸送を要望する第1のユーザの予約情報と、移動を要望する第2のユーザの予約情報とに基づいて、前記第1のユーザの前記荷物と前記第2のユーザとが同じ輸送機関で輸送されるように、前記第1のユーザと前記第2のユーザとをマッチングすること、
をコンピュータに実行させる、
情報処理プログラム。