JP2022076404A - 不履行の取引を他の売買主が補填するべく制御する取引制御プログラム、装置及び方法 - Google Patents

不履行の取引を他の売買主が補填するべく制御する取引制御プログラム、装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填する取引制御プログラム、装置及び方法を提供する。【解決手段】電力取引制御装置1は、売買主毎に、自らの入札価格に対する許容価格差を予め登録した許容範囲登録部120と、需要家の蓄電池の状態から、約定済みであって取引不履行となるであろう売買主を検知する取引不履行主検知部11と、未約定の売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが、許容価格差以下となる未約定の売買主を選択する補填売買主選択部12と、選択された売買主が、取引不履行の売買主の売値又は買値で補填するように制御する約定制御部10と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、売値又は買値の気配値板を用いて、取引を約定させる技術に関する。特に、需要家の電力取引の用途に適する。
小売電気事業者は、事前に計画した需要に応じた電力を、市場から調達する。一般的には、発電事業者から調達した電力が、一般家庭のような需要家へ供給される。そのために、小売電気事業者は、多数の需要家における需要電力量を予測して、販売する電力の量(需要計画)とその電力の調達先(調達計画)とを計画する必要がある。
電力は、大量に蓄電できないために、「送電元及び受電先」と「時間帯」とを、予め計画しておく必要がある。電力を安定的に供給するためには、需給バランス(需要と供給)を常に一致させる必要がある。需要家の電力設備装置から電力系統へ放電する場合も、その電力量や時間帯を、需要家と小売電気事業者との間で事前に計画しておく必要がある。
近年、一般家庭にも、太陽光発電設備や電気自動車が普及してきている。この場合、一般家庭も需要家として、電力取引市場からの買電だけでなく、売電の取引にも参加できるようになってきている。需要家は自ら、許容する電力量と、売値又は買値とを入札する。この入札によって、売値又は買値の気配値板に登録され、売主と買主とで合致した売買値で落札されていく。ある意味、証券取引所の株価の気配値板と同じようなものである。
従来、電力系統に含まれる複数の電力資源を、分散配置された複数の制御装置によって制御する技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、各電力資源の単独動作(自家利用)を許容しながら、通信や電力資源の動作の不確実度を考慮しつつ、電力資源の制御の信頼性を向上させる必要がある。ここで、電力資源とは、例えば水力発電、火力発電、原子力発電、蓄電池、太陽光発電、風力発電、地熱発電や、家、ビル、工場等の電力負荷や、プロシューマ(電源と負荷の両方の性質を有する電力資源)などがある。この技術によれば、電力資源を、中央装置から制御する動作指令対象群と、制御しない予備群とに分けている。
特開2018-125907号公報
本来、電力取引市場で一度約定された電力売買の取引は、決定された時間帯に、その充電又は放電が確実に実行されなければならない。しかしながら、一般家庭のような需要家に配置された蓄電池には、「自家利用による不確実度」という問題がある。
蓄電池の電力の自家利用によって蓄電池残量が減少し、約定された電力量を電力系統へ放電できない場合がある。また、蓄電池に加えて太陽光発電システムも保有する需要家の場合、天候によっては十分な電力量を、蓄電池に蓄電できず、予め計画された電力量を電力系統へ放電できない場合もある。
特に、需要家宅内に配置される蓄電池として、電気自動車に搭載された蓄電池を利用する場合、更に不確実度が高まることとなる。電気自動車は移動可能なものであるために、約定された放電又は充電の時間に、電気自動車が需要家宅の充放電設備装置に接続されていない場合もあり得る。また、電気自動車の電力も、走行利用や自家利用されるものであるので、約定通りの電力量が蓄電されていない場合もある。
このように、小売電気事業者からみた需要家の電力取引は、約定通りに充放電されないことによって、電力系統の需給バランスに影響を与えてしまう。需給バランスが崩れると、周波数が乱れ、最悪の場合には大停電につながりかねない。
これに対し、本願の発明者らは、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填することができないか、と考えた。他の売買主であっても、その売値又は買値が許容できるものである場合、その取引自体を補填すれば、取引市場としては何ら問題ない、と考えた。
そこで、本発明は、売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填する取引制御プログラム、装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填するようにコンピュータを機能させる取引制御プログラムであって、
売買主毎に、自らの入札価格に対する許容価格差を予め登録した許容範囲登録手段と、
需要家の蓄電池の状態から、約定済みであって取引不履行となるであろう売買主を検知する取引不履行主検知手段と、
未約定の売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが、許容価格差以下となる未約定の売買主を選択する補填売買主選択手段と、
選択された売買主が、取引不履行の売買主の売値又は買値で補填するように制御する約定制御手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
補填売買主選択手段は、未約定の売買主が複数選択された際に、
売値の場合、入札価格が最安値となる未約定の売買主(売主)を選択し、
買値の場合、入札価格が最高値となる未約定の売買主(買主)を選択する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
補填売買主選択手段は、同一値で複数の未約定の売買主が選択された場合、
過去に他の取引不履行の需要家を補填した売買主、及び/又は、
過去に自らの取引不履行によって他の需要家に補填したもらった売買主
の中で、補填した回数及び/又は補填してもらった回数が最も多い売買主を選択する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
補填売買主選択手段は、未約定の売買主が1人も選択できなかった際に、
売値の場合、取引不履行の売買主の約定価格以下となる入札価格の約定済みの売買主の中で、最安値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択し、
買値の場合、取引不履行の売買主の約定価格以上となる入札価格の約定済みの売買主の中で、最高値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
補填売買主選択手段は、売値又は買値について、約定済みの売買主が1人も選択できなかった際に、
売値の場合、約定済みの売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが許容価格差以下となる約定済みの売買主の中で、最安値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択し、
買値の場合、当該約定済みの売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが許容価格差以下となる約定済みの売買主の中で、最高値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
許容範囲設定手段は、各売買主の許容価格差を、1日の所定時間帯毎に予め設定する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
売買主は、電力取引の需要家であり、
売値又は買値は、送配電事業者の送配電設備装置を介した需要家の充放電設備装置の間の電力取引に基づく単位価格である
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
電力取引の入札における売値又は買値には、許容電力量が紐付いており、
補填売買主選択手段は、
取引不履行の売買主の約定電力量以上となる許容電力量を補填可能な、1人の未約定又は約定済みの売買主を選択するか、又は、
取引不履行の売買主の約定電力量以上となる総和の許容電力量を補填可能な、複数の未約定又は約定済みの売買主を選択する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
許容範囲設定手段は、各売買主の許容電力量を、1日の所定時間帯毎に予め設定する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
売買される電力量は、電気自動車に搭載された蓄電池によって充放電されるものである
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の取引制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
需要家の充放電設備装置は、電力網と、HEMS(Home Energy Management System)ゲートウェイ及び/又はホームゲートウェイを介した通信網とに接続されており、
需要家のHEMSゲートウェイは、通信網を介して電力取引制御装置に対して入札情報を送信すると共に約定情報を受信し、約定情報に応じて、電力網を介して送配電設備装置との間で電力を送電又は受電することを充放電設備装置に指示する
ことも好ましい。
本発明によれば、売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填する取引制御装置であって、
売買主毎に、自らの入札価格に対する許容価格差を予め登録した許容範囲登録手段と、
未約定の売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが、許容価格差以下となる未約定の売買主を選択する補填売買主選択手段と、
選択された売買主が、取引不履行の売買主の売値又は買値で補填するように制御する約定制御手段と
を有することを特徴とする。
本発明によれば、売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填する装置の取引制御方法であって、
装置は、
売買主毎に、自らの入札価格に対する許容価格差を予め登録し、
未約定の売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが、許容価格差以下となる未約定の売買主を選択する第1のステップと、
選択された売買主が、取引不履行の売買主の売値又は買値で補填するように制御する第2のステップと
を実行することを特徴とする。
本発明の取引制御プログラム、装置及び方法によれば、売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填することができる。
電力取引に基づくシステム構成図である。 需要家宅内における機器構成図である。 本発明における電力取引制御装置の機能構成図である。 入札データベースのデータ構成を表す説明図である。 蓄電池状態データベースのデータ構成を表す説明図である。 許容範囲登録部のデータ構成を表す説明図である。 約定済みで取引不履行の売主の取引を、未約定の他の売主に補填させる売りの気配板の説明図である。 約定済み且つ取引不履行の売主の取引を、約定済みの他の売主に補填させる売りの気配板の説明図である。 約定済みの買主の取引を未約定の買主に補填させる買いの気配板の説明図である。 約定済みの買主の取引を約定済みの買主に補填させる買いの気配板の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、電力取引に基づくシステム構成図である。
図1によれば、各需要家の宅内に配置された需要家設備装置2は、電力網と通信網とに接続されている。
需要家設備装置2は、通信網を介して電力取引制御装置1に対して、需要家が所望する電力売買について入札する。また、需要家設備装置2は、約定した電力取引について、送配電設備装置3によって管理される電力網を介して、電力を送電又は受電する。
電力取引制御装置1は、小売電気事業者によって運営管理され、需要家の電力売買の取引を提供する。また、送配電設備装置3は、送配電事業者によって運営管理される。
電力取引制御装置1は、通信網を介して需要家設備装置2から入札された電力取引を約定し、その情報を、小売電気事業者システムを介して送配電設備装置3へ送信する。
送配電設備装置3は、約定された電力取引情報に応じて、需要家の電力系統を制御する。
図2は、需要家宅内における機器構成図である。
需要家設備装置2は、需要家宅内に配置されており、充放電設備装置21と、HEMS(Home Energy Management System)ゲートウェイ22と、ホームゲートウェイ23と、ユーザ操作可能な携帯端末24とから構成されている。
[充放電設備装置21]
充放電設備装置21は、需要家宅内に配置された蓄電池に接続する。蓄電池としては、宅内に配置された定置用蓄電池26であってもよいし、自宅に駐車された電気自動車25に搭載された蓄電池であってもよい。充放電設備装置21は、電気自動車25に対して充放電スタンドとして機能する。
充放電設備装置21は、電力網に接続され、送配電設備装置3の電力系統の制御に応じて電力を送電又は受電する。これは、電力網における交流の電気と、需要家宅内に配置された蓄電池における直流の電気とを変換する機能を有し、一般に「パワーコンディショナー」と称される。
また、充放電設備装置21は、HEMSゲートウェイ22に接続され、HEMSゲートウェイ22からの充電又は放電の指示に応じて、電力網に対する受電又は送電を実行する。
[ホームゲートウェイ23]
ホームゲートウェイ23は、通信網に接続する。ユーザが所持する携帯端末24やHEMSゲートウェイ22は、ホームゲートウェイ23を介して電力取引制御装置1と通信する。
[HEMSゲートウェイ22]
HEMSゲートウェイ22は、ホームゲートウェイ23を介して通信網に接続する。他方で、HEMSゲートウェイ22は、充放電設備装置21に接続し、ホームゲートウェイ23を介して携帯端末24と通信する。
HEMSゲートウェイ22には、電力取引用のアプリケーションソフトウェアがインストールされている。これによって、充放電設備装置21から蓄電池状態情報を逐次取得し、電力取引制御装置1へ送信する。具体的には、例えばECHONET Lite(登録商標)プロトコルに基づいて蓄電池状態情報を取得する。蓄電池状態情報としては、接続切断状態、動作状態、充電状態などを含む。
また、HEMSゲートウェイ22は、携帯端末24から受信した需要家の入札情報を電力取引制御装置1へ送信し、電力取引制御装置1から受信した需要家の約定情報に応じて充放電設備装置21を制御する。
[携帯端末24]
携帯端末24は、需要家のユーザによって所持されたスマートフォンであって、ホームゲートウェイ23を介してHEMSゲートウェイ22と接続する。
携帯端末24は、ホームゲートウェイ23を介して通信網に接続(又は直接的に通信網に接続)し、電力取引制御装置1へ、ユーザ操作に基づく入札情報を送信する。
売電の場合、携帯端末24は、入札情報として、放電時刻(放電時間帯)と、放電する許容電力量と、売値とを、電力取引制御装置1へ送信する。
買電の場合、携帯端末24は、入札情報として、充電時刻(充電時間帯)と、充電する許容電力量と、買値とを、電力取引制御装置1へ送信する。
また、携帯端末24は、電力取引制御装置1からの電力取引の約定情報と、HEMSゲートウェイ22の蓄電池状態情報や入札履歴とを、ユーザに明示することもできる。
図3は、本発明における電力取引制御装置の機能構成図である。
図3によれば、適用例として電力取引制御装置1について記載されているが、勿論、電力取引のみに限られるものではない。本発明は、取引制御プログラムに基づくものであり、売値又は買値の気配値板を用いた一般的な取引制御に適用できる。特に、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填するものである。
電力取引制御装置1は、需要家設備装置2と送配電設備装置3との間における電力を制御する。電力取引の需要家は、「売買主」となる。売買取引の価格である「売値又は買値」は、需要家が所望する単位価格である。また、売買取引の対象である「許容電力量」は、需要家が許容する電力量である。
電力取引制御装置1は、入札データベース100と、蓄電池状態データベース110と、許容範囲登録部120と、取引不履行主検知部11と、補填売買主選択部12と、約定制御部10と、補填実績記録部121とを有する。これら機能構成部は、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。また、これら機能構成部の処理の流れは、装置の取引制御方法としても理解できる。
[入札データベース100]
入札データベースは、各需要家の携帯端末24から取引の入札情報を収集し、その約定結果を記録したものである。
図4は、入札データベースのデータ構成を表す説明図である。
図4によれば、電力の入札対象の時間帯(例えば30分)毎に、以下の項目が対応付けられている。尚、時間帯は、JEPX運営の既存の電力市場における取引単位であって、例えば30分単位の1日48コマに区分されたものであってもよい。
需要家ID(売電又は買電の入札に参加した需要家(世帯)毎の識別子)
蓄電池ID(入札した需要家が保有する蓄電池毎の識別子、
例えば電気自動車搭載蓄電池、定置用蓄電池など)
取引種別 (売り/買い/未入札)
入札価格 (例えばkWh当たりの価格)
入札電力量(売電又は買電の許容電力量kWh)
入札結果 (約定/未約定)
[蓄電池状態データベース110]
蓄電池状態データベース110は、各需要家設備装置2の充放電設備装置21から、蓄電池状態情報を収集したものでる。
図5は、蓄電池状態データベースのデータ構成を表す説明図である。
図5によれば、単位時刻(例えば1分)毎に、以下の項目が対応付けられている。
需要家ID(需要家の識別)
蓄電池ID(需要家内における蓄電池の識別)
(例えば電気自動車用蓄電池、定置用蓄電池、太陽光発電の電源種別)
蓄電池状態(接続/切断)
動作状態 (放電/充電/待機)
充電状態 (蓄電池残量割合(%)=蓄電池残量/蓄電池容量)
特に、蓄電池が電気自動車25のように移動可能なものである場合、需要家の需要家設備装置2の充放電設備装置21に、蓄電池が接続しているか否かは重要である。
[許容範囲登録部120]
許容範囲登録部120は、売買主毎に、自らの入札価格に対する許容価格差(及び許容電力量)を予め登録したものである。補填可能とする需要家は、不履行となる電力取引を補填する場合に、自らの補填の許容範囲を、許容範囲登録部120に設定する。また、許容範囲登録部120は、例えば30分単位の1日48コマに区分されたものであってもよい。
許容価格差は、自ら所望の入札価格よりも低く許容できる価格差をいう。
許容電力量は、補填として売電可能な放電量又は買電可能な充電量であってもよい。補填として売電する場合、許容電力量は、許容し得る蓄電残量(又はSOC(State of Charge))の下限値であってもよい。補填として買電する場合、許容電力量は、許容し得る蓄電残量(又はSOC)の上限値であってもよい。
図6は、許容範囲登録部のデータ構成を表す説明図である。
図6によれば、需要家毎に且つ蓄電池毎に、平日/休日のような期間種別に応じて、充電又は放電する場合の許容価格差及び許容電力量が設定されている。
[約定制御部10]
約定制御部10は、需要家設備装置2から、電力取引における需要家の入札情報を受信する。
約定制御部10は、多数の需要家から受信した売電入札と買電入札とを約定させるために、ザラ場寄せ方式(又はコールオークション方式)の気配値板を用いる。これは、入札された売買注文を、「板」及び「気配値」によって表示する。買い注文及び売り注文の価格や電力量が合致する毎に、電力取引を約定させる。
そして、約定制御部10は、約定情報(約定価格、約定電力量、実施日時帯)を、需要家設備装置2へ送信する。
例えば「需要家ID004は、2020/9/1の12:00~12:30に、電力量3.5kWhを、1kWh当たり価格15円で売る」とする約定を成立させる。この約定情報は、需要家ID004の需要家設備装置2へ送信すると共に、小売電気事業者システムを介して送配電設備装置3へ送信される。
これによって、2020/9/1の12:00~12:30に、送配電設備装置3は、ID004の需要家設備装置2から、電力量3.5 kWhの供給を受けるように、電力系統を制御する。
このとき、約定制御部10は、未約定の他の需要家に対して、未約定の入札結果と共に、調整力としての補填の可否を問い合わせるメッセージを、ユーザ操作の携帯端末24へ向けて送信することも好ましい。このメッセージに応じた需要家は、許容範囲登録部120に、自らの許容価格差及び許容電力量を登録し、取引不履行となる他の需要家の取引に対して補填可能となる。
[取引不履行主検知部11]
取引不履行主検知部11は、需要家の蓄電池状態から、約定済みであって取引不履行となるであろう売買主を検知する。約定済みの売買主は、入札データベース100を参照し、需要家の蓄電池状態は、蓄電池状態データベース110を参照する。
検知された売買主は、電力取引におけるインバランスを回避するために、補填を必要とする需要家とみなされる。
取引不履行主検知部11は、約定済みの需要家の中で、約定された取引時間帯の開始後に、約定通りに充放電しない需要家を検知する。補填を必要とする需要家としては、例えば以下のような場合がある。
(取引不履行の需要家が売主である場合)
蓄電池の蓄電池残量が少ないために、約定電力量を放電できない。
移動可能な蓄電池(例えば電気自動車に搭載された蓄電池)であって、電力の需給開始時に切り離されているために、約定電力量を放電できない。
(取引不履行の需要家が買主である場合)
蓄電池の蓄電池残量が多すぎるために、約定電力量を充電できない。
移動可能な蓄電池であって、電力の需給開始時に切り離されているために、約定電力量を充電できない。
具体的な実施形態として、例えば以下のような取引不履行を検知する。
(1)約定された取引開始時点(例えば2020/09/01 12:00~12:30の時間帯30分における開始時点の12:00)に、取引対象の蓄電池状態が「切断」である場合、直ぐに「取引不履行」と検知する。また、取引時間帯30分間に、「切断」がn回検知された時点で、「取引不履行」と検知するものであってもよい。ここで、取引時間帯30分間における最初の所定時間(例えば15分)までに、「切断」がm回検知された時点で、「取引不履行」と検知するものであってもよい。
(2)売電の場合、約定された取引開始時点に、放電すべき許容電力量よりも蓄電池残量が少ない場合、直ぐに「取引不履行」と検知する。また、取引時間帯30分間に、蓄電池残量が所定閾値以下となった際に、「取引不履行」と検知するものであってもよい。
(3)買電の場合、約定された取引開始時点に、許容電力量を充電すると満充電を越える場合、直ぐに「取引不履行」と検知する。また、取引時間帯30分間に、蓄電池が満充電となった際に、「取引不履行」と検知するものであってもよい。
[補填売買主選択部12]
補填売買主選択部12は、取引不履行の売買主が選択された場合、未約定の売買主の中から補填売買主を選択しようとする。
このとき、<未約定の売買主が存在する場合>と、<未約定の売買主が存在しない場合>とがある。それぞれについて、以下で説明する。
<未約定の売買主が存在する場合>
補填売買主選択部12は、未約定の売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが、許容価格差以下となる未約定の売買主を選択する。
補填価格差Δ=|未約定の売買主の入札価格-取引不履行の売買主の約定価格|
「補填価格差Δ≦許容価格差」となる未約定の売買主
ここで、補填売買主選択部12は、未約定の売買主が複数選択された際に、以下のように選択する。
売値の場合、入札価格が最安値となる未約定の売買主(売主)を選択する。
買値の場合、入札価格が最高値となる未約定の売買主(買主)を選択する。
入札した未約定の需要家は、自ら入札した許容電力量だけ、蓄電残量に余裕が有る可能性が高い。
<未約定の売買主が存在しない場合>
補填売買主選択部12は、未約定の売買主が1人も選択できなかった際に、以下のように売買主を選択する。
(売値の場合)取引不履行の売買主の約定価格以下となる入札価格の約定済みの売買主の中で、最安値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択する。
(買値の場合)取引不履行の売買主の約定価格以上となる入札価格の約定済みの売買主の中で、最高値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択する。
また、補填売買主選択部12は、取引不履行の需要家の電力取引を補填する他の需要家として、許容電力量に応じて1人以上の需要家を選択する。
(1)取引不履行の売買主の約定電力量以上となる許容電力量を補填可能な、1人の未約定又は約定済みの売買主を選択する。この場合、1人の他の売買主によって、取引不履行の約定電力量を補填することができる。
(2)取引不履行の売買主の約定電力量以上となる総和の許容電力量を補填可能な、複数の未約定又は約定済みの売買主を選択する。これは、取引不履行の約定電力量を、1人の他の売買主によって補填できない場合である。この場合、第1候補として選択された補填可能な売買主の許容電力量を超える電力量を、第2の候補として選択された補填可能な売買主によって補填させることができる。
このように、取引不履行となった約定電力量は、1人の売買主のみで補填する必要はなく、複数の売買主が各々の許容電力量の範囲で補填することもできる。
補填売買主選択部12は、選択された売買主が、取引不履行の売買主の売値又は買値で補填するように、約定制御部10を制御する。
[補填実績記録部121]
補填実績記録部121は、取引不履行となった約定済みの売買主に関する約定情報と、その取引を補填した売買主に関する補填情報とを、過去の補填の実績として記録する。
前述した補填売買主選択部12は、補填実績記録部121を用いて、同一値で複数の未約定の売買主が選択された場合、以下のように売買主を選択する。
(1)過去に他の取引不履行の需要家を補填した売買主、及び/又は、
(2)過去に自らの取引不履行によって他の需要家に補填したもらった売買主
の中で、補填した回数及び/又は補填してもらった回数が最も多い売買主を選択する。
尚、「回数」に限らず、「電力量」として代替するものであってもよい。
このように、約定済みの需要家の取引を、相互的且つ扶助的に他の需要家が補填することによって、多少の金額的損失や蓄電残量減少を許容することができる。尚、電力量を相互に補填し合う需要家同士のグループが構成されていくことも好ましい。
図7は、約定済みで取引不履行の売主の取引を、未約定の他の売主に補填させる売りの気配板の説明図である。
図7によれば、約定済みであって取引不履行となることが予想される需要家ID004が存在するとする。
需要家ID004[約定価格15円、約定電力量3.5kWh]
このとき、未約定の需要家として、以下の需要家が存在するとする。未約定の需要家は、約定済みの需要家よりも高値で入札している。
需要家ID001[入札価格22円、入札電力量3.0kWh](許容価格差8円)
需要家ID002[入札価格20円、入札電力量3.0kWh](許容価格差8円)
需要家ID003[入札価格18円、入札電力量4.0kWh](許容価格差1円)
需要家ID001は、以下のように、補填対象として選択できる。
補填価格差Δ7円=|入札価格22円-約定価格15円|
補填価格差Δ7円≦許容価格差8円
需要家ID002は、以下のように、補填対象として選択できる。
補填価格差Δ5円=|入札価格20円-約定価格15円|
補填価格差Δ5円≦許容価格差8円
需要家ID003は、以下のように、補填対象として選択できない。
補填価格差Δ3円=|入札価格18円-約定価格15円|
補填価格差Δ3円>許容価格差1円
そして、需要家ID001及びID002について、最安値の入札価格となる需要家ID002が選択される。未約定の需要家ID002は、補填に応じることによって、自らの当初の入札価格(20円)よりも安い価格(15円)となるが、電力取引は成立する。
ここで、需要家ID004の約定電力量3.5kWhであるのに対し、補填可能な第1候補として選択された需要家ID002の許容電力量が、約定しなかった入札電力量3.0kWhで登録されているとする。即ち、需要家ID004の約定電力量3.5kWhを補填するには、電力量0.5kWh(=3.5kWh-3.0kWh)が不足していることとなる。
この場合、第2候補として選択された需要家ID001が、電力量0.5kWhを補填するように制御する。
図8は、約定済み且つ取引不履行の売主の取引を、約定済みの他の売主に補填させる売りの気配板の説明図である。
図7によれば、未約定の需要家が存在するが、未約定の需要家が存在しない場合もある。これに対し、図8によれば、未約定の需要家が存在しない場合に、約定済みの他の売主に補填させている。
約定済みであって取引不履行となることが予想される需要家ID006が存在するとする。
需要家ID006[約定価格15円、約定電力量3.5kWh]
このとき、未約定の需要家が存在せず、以下の約定済みの他の需要家が存在するとする。
需要家ID005[入札価格17円、約定電力量4.0kWh](許容価格差1円)
需要家ID007[入札価格10円、約定電力量3.5kWh](許容価格差2円)
需要家ID008[入札価格 9円、約定電力量4.0kWh](許容価格差3円)
需要家ID005の入札価格は、約定済みであって取引不履行となる需要家ID006の約定価格よりも高い。需要家ID006の補填は、自身の入札価格よりも安く売ることになるため、以下のように、補填価格差と許容価格差を比較し、その結果、補填対象として選択できない。
補填価格差Δ2円=|入札価格17円-約定価格15円|
補填価格差Δ2円>許容価格差1円
需要家ID007の入札価格は、約定済みであって取引不履行となる需要家ID006の約定価格よりも安い。需要家ID006の補填は、自身の入札価格よりも高く売れることになるため、補填価格差と許容価格差を考慮する必要無しに売電の補填対象として選択できる。
需要家ID008の入札価格は、約定済みであって取引不履行となる需要家ID006の約定価格よりも安い。需要家ID006の補填は、自身の入札価格よりも高く売れることになるため、補填価格差と許容価格差を考慮する必要無しに売電の補填対象として選択できる。
そして、需要家ID007及びID008について、最安値の入札価格となる需要家ID008が選択される。需要家ID008は、補填に応じることによって、自らの当初の放電量よりも更に放電することによって蓄電池残量を減らすこととなるが、電力取引は成立する。
ここで、需要家ID006の約定電力量3.5kWhであるのに対し、補填可能な第1候補として選択された需要家ID008について、補填の候補を選択する時点での蓄電残量が8.0kWh、許容電力量として登録した蓄電残量の下限値が1.0kWhとなっているとすると、需要家ID008は、自身が売電として約定した4.0kWh、及び蓄電残量の下限値1.0kWhを蓄電残量8.0kWhから差し引いた電力量3.0kWhしか放電することができない。即ち、需要家ID006の約定電力量3.5kWhを補填するには、電力量0.5kWh(=3.5kWh-3.0kWh)が不足していることとなる。
この場合、第2候補として選択された需要家ID007が、電力量0.5kWhを補填するように制御する。
図9は、約定済みで取引不履行の買主の取引を、未約定の他の買主に補填させる買いの気配板の説明図である。
約定済みであって取引不履行となることが予想される需要家ID009が存在するとする。
需要家ID009[約定価格22円、約定電力量3.5kWh]
このとき、未約定の需要家として、以下の需要家が存在する。未約定の需要家は、約定済みの需要家よりも安値で入札している。
需要家ID010[入札価格19円、入札電力量4.0kWh](許容価格差2円)
需要家ID011[入札価格17円、入札電力量3.0kWh](許容価格差5円)
需要家ID012[入札価格15円、入札電力量3.0kWh](許容価格差8円)
需要家ID010は、以下のように、補填対象として選択できない。
補填価格差Δ3円=|入札価格19円-約定価格22円|
補填価格差Δ3円>許容価格差2円
需要家ID011は、以下のように、補填対象として選択できる。
補填価格差Δ5円=|入札価格17円-約定価格22円|
補填価格差Δ5円≦許容価格差5円
需要家ID012は、以下のように、補填対象として選択できる。
補填価格差Δ7円=|入札価格15円-約定価格22円|
補填価格差Δ7円≦許容価格差8円
そして、需要家ID011及びID012について、最高値の入札価格となる需要家ID011が選択される。未約定の需要家ID011は、補填に応じることによって、自らの当初の入札価格(17円)よりも高い価格(22円)となるが、電力取引は成立する。
ここで、需要家ID009の約定電力量3.5kWhであるのに対し、補填可能な第1候補として選択された需要家ID011の許容電力量が、約定しなかった入札電力量3.0kWhで登録されているとする。即ち、需要家ID009の約定電力量3.5kWhを補填するには、電力量0.5kWh(=3.5kWh-3.0kWh)が不足していることとなる。
この場合、第2候補として選択された需要家ID012が、電力量0.5kWhを補填するように制御する。
図10は、約定済み且つ取引不履行の買主の取引を、約定済みの他の買主に補填させる買いの気配板の説明図である。
約定済みであって取引不履行となることが予想される需要家ID015が存在するとする。
需要家ID015[約定価格15円、約定電力量3.5kWh]
このとき、未約定の需要家が存在せず、以下の約定済みの他の需要家が存在するとする。
需要家ID013[入札価格21円、約定電力量4.0kWh](許容価格差1円)
需要家ID014[入札価格20円、約定電力量3.5kWh](許容価格差2円)
需要家ID016[入札価格13円、約定電力量4.0kWh](許容価格差1円)
需要家ID013の入札価格は、約定済みであって取引不履行となる需要家ID015の約定価格よりも高い。需要家ID015の補填は、自身の入札価格よりも安く買うことになるため、補填価格差と許容価格差を考慮する必要無しに買電の補填対象として選択できる。
需要家ID014の入札価格は、約定済みであって取引不履行となる需要家ID005の約定価格よりも高い。需要家ID015の補填は、自身の入札価格よりも安く買うことになるため、補填価格差と許容価格差を考慮する必要無しに買電の補填対象として選択できる。
需要家ID016の入札価格は、約定済みであって取引不履行となる需要家ID015の約定価格よりも安い。需要家ID015の補填は、自身の入札価格よりも高く買うことになるため、以下のように、補填価格差と許容価格差を比較し、その結果、補填対象として選択できない。
補填価格差Δ2円=|入札価格13円-約定価格15円|
補填価格差Δ2円>許容価格差1円
そして、需要家ID013及びID014について、最高値の入札価格となる需要家ID013が選択される。需要家ID013は、補填に応じることによって、自らの当初の充電量よりも更に充電することによって蓄電池残量を増やすこととなるが、電力取引は成立する。
ここで、需要家ID015の約定電力量3.5kWhであるのに対し、補填可能な第1候補として選択された需要家ID013について、補填の候補を選択する時点での蓄電残量が2.0kWh、許容電力量として登録した蓄電残量の上限値が9.0kWhとなっているとすると、需要家ID013は、蓄電残量2.0kWh、及び自身が買電として約定した4.0kWhを蓄電残量の上限値9.0kWhから差し引いた電力量3.0kWhしか充電することができない。即ち、需要家ID015の約定電力量3.5kWhを補填するには、電力量0.5kWh(=3.5kWh-3.0kWh)が不足していることとなる。
この場合、第2候補として選択された需要家ID014が、電力量0.5kWhを補填するように制御する。
以上、詳細に説明したように、本発明の取引制御プログラム、装置及び方法によれば、売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填することができる。これによって、約定通り取引を実行しない需要家によるインバランスの発生を低減させる。また、インバランスの発生に伴う費用負担も低減させることができる。
電力取引に適用した場合、小売電気事業者からみて、一般家庭のような需要家に電力取引の不履行が生じても、電力の需給バランスにできる限り影響を与えないように、需要家の電力取引を約定させることができる。今後、一般家庭に電気自動車搭載の蓄電池や定置用蓄電池のような分散電源が装備されることによって、需要家が約定通り充放電しない不確実度に起因する需給バランスの影響を低減させることができる。
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
1 電力取引制御装置
10 約定制御部
100 入札データベース
11 取引不履行主検知部
110 蓄電池状態データベース
12 補填売買主選択部
120 許容範囲登録部
121 補填実績記録部
2 需要家設備装置
21 充放電設備装置
22 HEMSゲートウェイ
23 ホームゲートウェイ
24 携帯端末
25 電気自動車
26 定置用蓄電池
3 送配電設備装置

Claims (13)

  1. 売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填するようにコンピュータを機能させる取引制御プログラムであって、
    売買主毎に、自らの入札価格に対する許容価格差を予め登録した許容範囲登録手段と、
    需要家の蓄電池の状態から、約定済みであって取引不履行となるであろう売買主を検知する取引不履行主検知手段と、
    未約定の売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが、許容価格差以下となる未約定の売買主を選択する補填売買主選択手段と、
    選択された売買主が、取引不履行の売買主の売値又は買値で補填するように制御する約定制御手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とする取引制御プログラム。
  2. 補填売買主選択手段は、未約定の売買主が複数選択された際に、
    売値の場合、入札価格が最安値となる未約定の売買主(売主)を選択し、
    買値の場合、入札価格が最高値となる未約定の売買主(買主)を選択する
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1に記載の取引制御プログラム。
  3. 補填売買主選択手段は、同一値で複数の未約定の売買主が選択された場合、
    過去に他の取引不履行の需要家を補填した売買主、及び/又は、
    過去に自らの取引不履行によって他の需要家に補填したもらった売買主
    の中で、補填した回数及び/又は補填してもらった回数が最も多い売買主を選択する
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項2に記載の取引制御プログラム。
  4. 補填売買主選択手段は、未約定の売買主が1人も選択できなかった際に、
    売値の場合、取引不履行の売買主の約定価格以下となる入札価格の約定済みの売買主の中で、最安値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択し、
    買値の場合、取引不履行の売買主の約定価格以上となる入札価格の約定済みの売買主の中で、最高値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択する
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の取引制御プログラム。
  5. 補填売買主選択手段は、売値又は買値について、約定済みの売買主が1人も選択できなかった際に、
    売値の場合、約定済みの売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが許容価格差以下となる約定済みの売買主の中で、最安値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択し、
    買値の場合、当該約定済みの売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが許容価格差以下となる約定済みの売買主の中で、最高値の入札価格で補填可能な約定済みの売買主を選択する
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項4に記載の取引制御プログラム。
  6. 許容範囲設定手段は、各売買主の許容価格差を、1日の所定時間帯毎に予め設定する
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の取引制御プログラム。
  7. 売買主は、電力取引の需要家であり、
    売値又は買値は、送配電事業者の送配電設備装置を介した需要家の充放電設備装置の間の電力取引に基づく単位価格である
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の取引制御プログラム。
  8. 電力取引の入札における売値又は買値には、許容電力量が紐付いており、
    補填売買主選択手段は、
    取引不履行の売買主の約定電力量以上となる許容電力量を補填可能な、1人の未約定又は約定済みの売買主を選択するか、又は、
    取引不履行の売買主の約定電力量以上となる総和の許容電力量を補填可能な、複数の未約定又は約定済みの売買主を選択する
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項7に記載の取引制御プログラム。
  9. 許容範囲設定手段は、各売買主の許容電力量を、1日の所定時間帯毎に予め設定する
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項8に記載の取引制御プログラム。
  10. 売買される電力量は、電気自動車に搭載された蓄電池によって充放電されるものである
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の取引制御プログラム。
  11. 需要家の充放電設備装置は、電力網と、HEMS(Home Energy Management System)ゲートウェイ及び/又はホームゲートウェイを介した通信網とに接続されており、
    需要家のHEMSゲートウェイは、通信網を介して電力取引制御装置に対して入札情報を送信すると共に約定情報を受信し、約定情報に応じて、電力網を介して送配電設備装置との間で電力を送電又は受電することを充放電設備装置に指示する
    ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の取引制御プログラム。
  12. 売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填する取引制御装置であって、
    売買主毎に、自らの入札価格に対する許容価格差を予め登録した許容範囲登録手段と、
    未約定の売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが、許容価格差以下となる未約定の売買主を選択する補填売買主選択手段と、
    選択された売買主が、取引不履行の売買主の売値又は買値で補填するように制御する約定制御手段と
    を有することを特徴とする取引制御装置。
  13. 売値又は買値の気配値板を用いて、約定済みの売買主が取引不履行となった際に、他の売買主がその取引を補填する装置の取引制御方法であって、
    装置は、
    売買主毎に、自らの入札価格に対する許容価格差を予め登録し、
    未約定の売買主の入札価格と取引不履行の売買主の約定価格との補填価格差Δが、許容価格差以下となる未約定の売買主を選択する第1のステップと、
    選択された売買主が、取引不履行の売買主の売値又は買値で補填するように制御する第2のステップと
    を実行することを特徴とする取引制御方法。

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