JP2022076117A - 前立腺がんを検査する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】前立腺がんの新規バイオマーカー及びその利用方法を提供すること。【解決手段】(1)被検体から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーを検出する工程を含む、前立腺がんを検査する方法。【選択図】なし
Description
本発明は、前立腺がんを検査する方法等に関する。
日本では、前立腺がんは、男性における発症率が最も高いがんであり、その発症者数は年間で約10万人にも上る。また、食生活の欧米化や高齢化等に伴い、前立腺がんの発症率及びその発症者数は、今後も増加の一途を辿ることが予測されている。
前立腺がんの診断は、通常、血中の前立腺特異抗原(PSA=Prostate Specific Antigen)の濃度(PSA値)に基づいて行われる。被検者の年齢によっても異なるが、一般に、PSA値は、4.0ng/mL以上が異常値とされている。しかし、PSA値は、前立腺肥大や炎症等に起因して異常値を示すこともあり、PSA値が異常値である全ての被検者が前立腺がんである訳ではない。したがって、PSA値が異常値である場合、超音波ガイド下の前立腺針生検による確定診断が行われる。
ところが、PSA値が異常値の被検者に前立腺針生検を行っても、4.0~10ng/mLの場合で20~40%程度の被検者、10ng/mL以上の場合で50%程度の被検者にしか、前立腺がんは見つからない。また、前立腺針生検は、通常は、一泊二日程度の入院で施行されることが多く、被検者の負担が大きい。さらに、前立腺針生検は、侵襲性の高い検査であり、痛み、感染、血便、血尿、尿閉等の合併症を引き起こし得る。
また、PSA検査は、予後に関係の少ない低悪性度の前立腺がんまでも診断してしまうので、過剰診断や過剰治療が問題となっている。
非特許文献1には、105例の前立腺生検を受けた患者の便の解析について報告されている。しかし、これは、低悪性度を含む前立腺がんの診断に関するものであり、その診断精度も低いものであった。
’Metabolic Biosynthesis Pathways Identified from Fecal Microbiome Associated with Prostate Cancer’, European Urology, Volume 74, Issue 5, November 2018, Pages 575-582.
本発明は、前立腺がんの新規バイオマーカー及びその利用方法を提供することを課題とする。好ましくは、本発明は、高悪性度前立腺がんのバイオマーカー及びその利用方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意研究を進めた結果、(1)被検体から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーを検出する工程を含む、前立腺がんを検査する方法、であれば、上記課題を解決できることを見出した。この知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. (1)被検体から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーを検出する工程を含む、前立腺がんを検査する方法。
項2. (2)前記工程(1)で検出された前記バイオマーカーの量又は濃度に基づいて、前記被検体が前立腺がんに罹患しているか否か、及び/又は前記被検体が前立腺がんに今後罹患する可能性を判定する工程、を含む、項1に記載の方法。
項3. 前記工程(2)において、前記バイオマーカーの量又は濃度に基づいて作成された判別式を使用して前記判定を行う、項2に記載の方法。
項4. 前記前立腺がんが高悪性度の前立腺がんである、項1~3のいずれかに記載の方法。
項5. 前記バイオマーカーが5種以上である、項1~4のいずれかに記載の方法。
項6. 前記バイオマーカーが10種以上である、項1~5のいずれかに記載の方法。
項7. 前記バイオマーカーがLachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaを含む、項1~6のいずれかに記載の方法。
項8. 前記被検体が日本人である、項1~7のいずれかに記載の方法。
項9. Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの検出剤を含む、前立腺がんの検査薬。
項10. 被検物質で処理された動物から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの量又は濃度を指標とする、前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分のスクリーニング方法。
項11. 被検物質で処理された動物から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの量又は濃度を指標とする、前立腺がんの誘発性又は増悪性の評価方法。
本発明によれば、前立腺がんのバイオマーカーを提供することができる。該バイオマーカーを利用することにより、前立腺がんの検査、前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分のスクリーニング、前立腺がんの誘発性又は増悪性の評価等が可能になり得る。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.前立腺がんの検査方法
本発明は、その一態様において、(1)被検体から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーを検出する工程を含む、前立腺がんを検査する方法(本明細書において、「本発明の検査方法」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
本発明は、その一態様において、(1)被検体から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーを検出する工程を含む、前立腺がんを検査する方法(本明細書において、「本発明の検査方法」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
1-1.工程(1)
検査対象である前立腺がんの種類は特に制限されない。前立腺がんの各種分類基準における全てのクラス、グレード、ステージ等は特に制限されない。本発明のバイオマーカーによれば、特に、高悪性度前立腺がんの有無を判定することができる。高悪性度前立腺がんとは、Gleason scoreが7以上の前立腺がんである。
検査対象である前立腺がんの種類は特に制限されない。前立腺がんの各種分類基準における全てのクラス、グレード、ステージ等は特に制限されない。本発明のバイオマーカーによれば、特に、高悪性度前立腺がんの有無を判定することができる。高悪性度前立腺がんとは、Gleason scoreが7以上の前立腺がんである。
被検体は、本発明の検査方法の対象生物であり、その生物種は特に制限されない。被検体の生物種としては、例えばヒト、チンパンジー、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギなどの種々の哺乳類動物が挙げられ、好ましくはヒトが挙げられる。ヒトの中でも、特に好ましくは日本人が挙げられる。
被検体の状態は、特に制限されない。被検体としては、例えば前立腺がんに罹患しているかどうか不明な検体、前立腺がんに罹患していると既に別の方法により判定されている検体、前立腺がんに罹患していないと既に別の方法により判定されている検体、前立腺がんの治療中の検体、将来の前立腺がんへの罹患が疑われる検体等が挙げられる。
腸内細菌含有試料は、腸内細菌を含有するものである限り、特に制限されない。腸内細菌含有試料としては、例えば直腸サンプル(例えば、直腸診の際に挿入した手袋又は手への付着物、採取キット等で採取された直腸菌サンプル等)、糞便等の消化管内容物が挙げられる。腸内細菌含有試料は、1種単独で採用してもよいし、2種以上を組み合わせて採用してもよい。腸内細菌含有試料は、当業者に公知の方法で被検体から採取することができる。
工程(1)の検出対象は、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカー(本明細書において、これらをまとめて「対象バイオマーカー」と示すこともある。)である。
対象バイオマーカーは、前立腺がんにおいてその量が変化しているバイオマーカーであり、これを指標とすることにより前立腺がんを鑑別可能である。
Alistipesは、Alistipesに属する細菌全体を意味する。同様に、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaは、それぞれ、示される属又は科に属する細菌全体を意味する。
対象バイオマーカー中、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、及びSyntrophococcusからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカー(BM1)は、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)において増加する対象バイオマーカーである。
対象バイオマーカー中、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカー(BM2)は、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)において減少する対象バイオマーカーである。
工程(1)における対象バイオマーカーの数は、1種のみでもよいが、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、10種以上、11種以上、12種以上、13種以上、14種以上、15種以上、16種以上、17種以上、18種以上、19種以上、又は20種全ての組み合わせであってもよい。より多くの対象バイオマーカーを組み合わせることにより、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)の検査等を、より正確に行うことが可能になる。
本発明の特に好ましい一態様においては、対象バイオマーカーは、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaの計18種を含む。
検出は、通常は、対象バイオマーカーの量又は濃度を測定することによって行われる。「濃度」とは、絶対濃度に限らず、相対濃度や、単位体積あたりの重量や、試料中の総菌体量又は総核酸量あたりの量や、絶対濃度を知るために測定した生データなどでもよい。
対象バイオマーカーを検出する方法としては、対象バイオマーカーの一部又は全部を特異的に検出できる方法であれば特に制限されない。検出方法としては、具体的には、例えば、あらかじめ予測した選択培地において腸内細菌を培養し、対象とする腸内細菌のコロニーの有無を確認する培養法、菌種を判別できる遺伝子(例えば16S rRNA遺伝子)や遺伝子由来の核酸を検出するPCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法、DNAマイクロアレイ法等が挙げられる。また、試料中のDNAのショットガンシークエンスや、アンプリコンシークエンスを利用した方法も利用することができる。さらに、細菌代謝物の代謝検出、細菌タンパク質のプロテオミクス検出の抗体に基づく方法等も利用することができる。これらの方法は、常法に従って又は準じて行うことができる。
工程(1)を含む本発明の検査方法によれば、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)の検出指標である対象バイオマーカーの量及び/又は濃度を提供することができ、これにより前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)の検出などを補助することができる。
工程(1)を含む本発明の検査方法による検査結果は、治療効果判定、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)の病態解明、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)の予後予測、患者層別化、治療方法の選択(個別化医療、治療反応性)等に利用し得る。
1-2.工程(2)
本発明の検査方法は、一態様として、さらに、(2)前記工程(1)で検出された対象バイオマーカーの量又は濃度に基づいて、前記被検体が前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患しているか否か、及び/又は前記被検体が前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に今後罹患する可能性を判定する工程、を含む。該工程2を含む本発明の検査方法によれば、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を判定することが可能となる。
本発明の検査方法は、一態様として、さらに、(2)前記工程(1)で検出された対象バイオマーカーの量又は濃度に基づいて、前記被検体が前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患しているか否か、及び/又は前記被検体が前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に今後罹患する可能性を判定する工程、を含む。該工程2を含む本発明の検査方法によれば、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を判定することが可能となる。
判定方法としては、例えば対象バイオマーカーの量又は濃度に基づいて作成された判別式を使用する方法、BM1及び/又はBM2の量又は濃度のカットオフ値を使用する方法等が挙げられる。本発明においては、複数の対象バイオマーカーの量又は濃度を指標とすることが好ましく、このような場合には判別式を使用する方法が特に好ましい。
判別式は、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)とそれ以外(健常、健常及び低悪性度前立腺がん)とを区別的に判別する判別式を作成することができる任意の判別分析法、例えばフィッシャーの線形判別分析、マハラノビス距離による非線形判別分析、ニューラルネットワーク、Support Vector Machine(SVM)などを用いて作成できるが、これらの具体例に限定されない。工程(2)において、例えばニューラルネットワーク、k-近傍法、決定木、ロジスティック回帰分析などの手法を利用して判定することもできる。判別式は、別の被検体から測定された対象バイオマーカーの量又は濃度に基づいて予め作成したものを使用することもできるし、工程(1)の被検体から測定された対象バイオマーカーの量又は濃度に基づいて作成したものを使用することもできる。
カットオフ値は、感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率などの観点から当業者が適宜設定することができ、例えば、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患していない被検体から採取された腸内細菌含有試料における対象バイオマーカーの量及び/又は濃度に基づいて、その都度定められた値、或いは予め定められた値とすることができる。
2.前立腺がんのより高い精度での診断
工程(2)を含む本発明の検査方法により、被検体が前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患していると判定された場合、本発明の検査方法に、さらに前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)の医師による診断を適用する工程を組み合わせることによって、より高い精度で前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を診断することができる。また、本発明の検査方法はより正確に前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を検出できるので、本発明の検査方法に上記工程を組み合わせることによって、より効率的且つより正確に「前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患している」と診断できる。
工程(2)を含む本発明の検査方法により、被検体が前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患していると判定された場合、本発明の検査方法に、さらに前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)の医師による診断を適用する工程を組み合わせることによって、より高い精度で前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を診断することができる。また、本発明の検査方法はより正確に前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を検出できるので、本発明の検査方法に上記工程を組み合わせることによって、より効率的且つより正確に「前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患している」と診断できる。
3.前立腺がんの予防、対策、治療
工程(2)を含む本発明の検査方法により被検体が前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患している、及び/又は前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に今後罹患する可能性があると判定された場合は本発明の検査方法に対してさらに、或いは上記「2.前立腺がんのより高い精度での診断」に記載の様に前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患していると診断された場合は本発明の検査方法と医師による診断を適用する工程との組合せに対してさらに、(3)前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患している(又は今後罹患する可能性がある)と判定又は診断された被検体に対して、前立腺がんの予防及び/又は治療を行う工程を行うことによって、被検体の前立腺がんを予防及び/又は治療することが可能となる。また、本発明の検査方法はより正確に前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を検出できるので、本発明の検査方法に対して、或いは本発明の検査方法と医師による診断を適用する工程との組合せに対して工程(3)を組み合わせることによって、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患している被検体をより効率的に、より確実に治療でき、また前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を将来発症する可能性がある被検体に対して、より効率的に、より確実に、予防処置又は対策を施すことができる。
工程(2)を含む本発明の検査方法により被検体が前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患している、及び/又は前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に今後罹患する可能性があると判定された場合は本発明の検査方法に対してさらに、或いは上記「2.前立腺がんのより高い精度での診断」に記載の様に前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患していると診断された場合は本発明の検査方法と医師による診断を適用する工程との組合せに対してさらに、(3)前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患している(又は今後罹患する可能性がある)と判定又は診断された被検体に対して、前立腺がんの予防及び/又は治療を行う工程を行うことによって、被検体の前立腺がんを予防及び/又は治療することが可能となる。また、本発明の検査方法はより正確に前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を検出できるので、本発明の検査方法に対して、或いは本発明の検査方法と医師による診断を適用する工程との組合せに対して工程(3)を組み合わせることによって、前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)に罹患している被検体をより効率的に、より確実に治療でき、また前立腺がん(特に高悪性度前立腺がん)を将来発症する可能性がある被検体に対して、より効率的に、より確実に、予防処置又は対策を施すことができる。
前立腺がんの治療方法は、特に制限されず、公知の治療方法を各種採用することができる。治療方法としては、例えば化学療法、外科治療法、放射線治療法、免疫療法などが挙げられる。これらは公知の方法に従って実施することができる。
化学療法に用いられる治療薬としては、特に制限されず、各種抗がん剤を用いることができる。抗がん剤としては、例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤、微小管阻害剤、抗生物質抗がん剤、トポイソメラーゼ阻害剤、白金製剤、分子標的薬、ホルモン剤、生物製剤などが挙げられる。アルキル化剤としては、例えばシクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソウレア、ダカルバジン、テモゾロミド、ニムスチン、ブスルファン、メルファラン、プロカルバジン、ラニムスチンなどが挙げられる。代謝拮抗剤としては、例えば、エノシタビン、カルモフール、カペシタビン、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、ゲムシタビン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、ネララビン、フルオロウラシル、フルダラビン、ペメトレキセド、ペントスタチン、メトトレキサート、クラドリビン、ドキシフルリジン、ヒドロキシカルバミド、メルカプトプリンなどが挙げられる。微小管阻害剤としては、例えば、ビンクリスチンなどのアルカロイド系抗がん剤、ドセタキセル、パクリタキセルなどのタキサン系抗がん剤が挙げられる。抗生物質抗がん剤としては、例えば、マイトマイシンC、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、ブレオマイシン、アクチノマイシンD、アクラルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、ペプロマイシン、ミトキサントロン、アムルビシン、ジノスタチンスチマラマーなどが挙げられる。トポイソメラーゼ阻害剤としてはトポイソメラーゼI阻害作用を有するCPT-11、イリノテカン、ノギテカン、トポイソメラーゼII阻害作用をもつエトポシド、ソブゾキサンが挙げられる。白金製剤としては、例えば、シスプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチンなどが挙げられる。ホルモン剤としては、例えば、デキサメタゾン、フィナステリド、タモキシフェン、アストロゾール、エキセメスタン、エチニルエストラジオール、クロルマジノン、ゴセレリン、ビカルタミド、フルタミド、ブレドニゾロン、リュープロレリン、レトロゾール、エストラムスチン、トレミフェン、ホスフェストロール、ミトタン、メチルテストステロン、メドロキシプロゲステロン、メピチオスタンなどが挙げられる。生物製剤としては、例えば、インターフェロンα、βおよびγ、インターロイキン2、ウベニメクス、乾燥BCGなどが挙げられる。分子標的薬としては、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、テムシロリムス、ベバシズマブ、VEGF trap、スニチニブ、ソラフェニブ、トシツズマブ、ボルテゾミブ、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、イブリツモマブ・オゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタン、タミバロテン、トレチノインなどが挙げられる。ここに特定する分子標的薬以外にも、ヒト上皮性増殖因子受容体2阻害剤、上皮性増殖因子受容体阻害剤、Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤、上皮性増殖因子チロシンキナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、血管内皮増殖因子受容体2阻害剤(α-VEGFR-2抗体)などの血管新生を標的にした阻害剤、MAPキナーゼ阻害剤などの各種チロシンキナーゼ阻害剤、サイトカインを標的とした阻害剤、プロテアソーム阻害剤、抗体-抗がん剤配合体などの分子標的薬なども含めることができる。これら阻害剤には抗体も含む。治療薬は、1種、2種、又は3種以上を組み合わせて用いることができる。
4.前立腺がんの検査薬
本発明は、その一態様において、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの検出剤(本明細書において、「本発明の検出剤」と示すこともある。)を含む、前立腺がんの検査薬(本明細書において、「本発明の検査薬」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
本発明は、その一態様において、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの検出剤(本明細書において、「本発明の検出剤」と示すこともある。)を含む、前立腺がんの検査薬(本明細書において、「本発明の検査薬」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldella、前立腺がん等については、上記「1.前立腺がんの検査方法」における定義と同様である。
本発明の検出剤は、対象バイオマーカーを(好ましくは特異的に)検出できるものである限り特に制限されない。該検出剤としては、例えば対象バイオマーカーである遺伝子、対象バイオマーカーである細菌の遺伝子、又はそれらの発現産物に対するプライマー、プローブ、抗体等が挙げられる。
本発明の検出剤は、その機能が著しく損なわれない限りにおいて、修飾が施されていてもよい。修飾としては、例えば、標識物、例えば蛍光色素、酵素、タンパク質、放射性同位体、化学発光物質、ビオチン等の付加が挙げられる。
本発明において用いられる蛍光色素としては、一般にヌクレオチドを標識して、核酸の検出や定量に用いられるものが好適に使用でき、例えば、HEX(4,7,2’,4’,5’,7’-hexachloro-6-carboxylfluorescein、緑色蛍光色素)、フルオレセイン(fluorescein)、NED(商品名、アプライドバイオシステムズ社製、黄色蛍光色素)、あるいは、6-FAM(商品名、アプライドバイオシステムズ社製、黄緑色蛍光色素)、ローダミン(rhodamin)またはその誘導体〔例えば、テトラメチルローダミン(TMR)〕を挙げることができるが、これらに限定されない。蛍光色素でヌクレオチドを標識する方法は、公知の標識法のうち適当なものを使用することができる〔Nature Biotechnology, 14, 303-308 (1996)参照〕。また、市販の蛍光標識キットを使用することもできる(例えば、アマシャム・ファルマシア社製、オリゴヌクレオチドECL 3’-オリゴラベリングシステム等)。
本発明の検出剤は、任意の固相に固定化して用いることもできる。このため本発明の検査薬は、検出剤を固定化した基板(例えばプローブを固定化したマイクロアレイチップ等。)の形態として提供することができる。
固定化に使用される固相は、ポリヌクレオチド等を固定化できるものであれば特に制限されることなく、例えばガラス板、ナイロンメンブレン、マイクロビーズ、シリコンチップ、キャピラリーまたはその他の基板等を挙げることができる。固相への検出剤の固定は、特に制限されない。固定方法は、例えばマイクロアレイであれば、市販のスポッター(Amersham社製など)を利用するなど、固定化プローブの種類に応じて当該技術分野で周知である〔例えば、photolithographic技術(Affymetrix社)、インクジェット技術(Rosetta Inpharmatics社)によるオリゴヌクレオチドのin situ合成等〕。
プライマーやプローブ等は、対象バイオマーカーやそれに由来する核酸等を選択的に(特異的に)認識するものであれば、特に限定されない。ここで、「選択的に(特異的に)認識する」とは、例えばノーザンブロット法においては、対象バイオマーカーが特異的に検出できること、またRT-PCR法においては対象バイオマーカー若しくはそれに由来する核酸(cDNA等)が特異的に増幅されることを意味するが、それに限定されることなく、当業者が上記検出物または増幅物が対象バイオマーカーに由来するものであると判断できるものであればよい。
プライマーやプローブの具体例としては、下記(a)に記載するポリヌクレオチド並びに下記(b)に記載するポリヌクレオチド:
(a)対象バイオマーカーが有する塩基配列において連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチド及び/若しくは当該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、並びに
(b)対象バイオマーカーが有する塩基配列若しくはそれに相補的な塩基配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチド
からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
(a)対象バイオマーカーが有する塩基配列において連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチド及び/若しくは当該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、並びに
(b)対象バイオマーカーが有する塩基配列若しくはそれに相補的な塩基配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチド
からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
相補的なポリヌクレオチド又は相補的な塩基配列(相補鎖、逆鎖)とは、対象バイオマーカーの塩基配列からなるポリヌクレオチドの全長配列、または該塩基配列において少なくとも連続した15塩基長の塩基配列を有するその部分配列(ここでは便宜上、これらを「正鎖」ともいう)に対して、A:TおよびG:Cといった塩基対関係に基づいて、塩基的に相補的な関係にあるポリヌクレオチド又は塩基配列を意味するものである。ただし、かかる相補鎖は、対象とする正鎖の塩基配列と完全に相補配列を形成する場合に限らず、対象とする正鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができる程度の相補関係を有するものであってもよい。なお、ここでストリンジェントな条件は、Berger and Kimmel (1987, Guide to Molecular Cloning Techniques Methods in Enzymology, Vol. 152, Academic Press, San Diego CA) に教示されるように、複合体或いはプローブを結合する核酸の融解温度(Tm)に基づいて決定することができる。例えばハイブリダイズ後の洗浄条件として、通常「1×SSC、0.1%SDS、37℃」程度の条件を挙げることができる。相補鎖はかかる条件で洗浄しても対象とする正鎖とハイブリダイズ状態を維持するものであることが好ましい。特に制限されないが、より厳しいハイブリダイズ条件として「0.5×SSC、0.1%SDS、42℃」程度、さらに厳しいハイブリダイズ条件として「0.1×SSC、0.1%SDS、65℃」程度の洗浄条件を挙げることができる。具体的には、このような相補鎖として、対象の正鎖の塩基配列と完全に相補的な関係にある塩基配列からなる鎖、並びに該鎖と少なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなる鎖を例示することができる。
プライマーやプローブ等は、例えば対象バイオマーカーが有する塩基配列をもとに、例えば各種設計プログラムを利用して設計することができる。具体的には前記対象バイオマーカーの塩基配列を設計プログラムにかけて得られる、プライマーまたはプローブの候補配列、若しくは少なくとも該配列を一部に含む配列を、プライマーまたはプローブとして使用することができる。
プライマーやプローブ等の塩基長は、上述のように連続する少なくとも15塩基の長さを有するものであれば特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができる。塩基長としては、例えばプライマーとして用いる場合であれば、例えば15塩基~35塩基が例示でき、例えばプローブとして用いる場合であれば、例えば15塩基~35塩基が例示できる。
本発明の検査薬には、本発明の検出剤以外の、他の検出剤(例えば、他の核酸を検出するためのプローブや、抗体等)が含まれていてもよい。この場合の本発明の検査薬は、前立腺がんの他に、他の疾患や状態も検査することができる検査薬であってもよい。この場合、本発明の検出剤は、前立腺がん検査用の検出剤として含まれている。この観点から、本発明の検査薬は、その一態様において、本発明の検出剤からなる前立腺がん検査用検出剤を含む、前立腺がんの検査薬である。
本発明の検査薬は、組成物の形態であってもよい。該組成物には、必要に応じて他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、例えば基剤、担体、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、保湿剤、着色料、香料、キレート剤等が挙げられる。
本発明の検査薬は、キットの形態であってもよい。該キットには、上記検出剤或いはこれを含む上記組成物のほかに、被検体の腸内細菌含有試料における対象バイオマーカーの検出に使用し得るものを含んでいてもよい。このようなものの具体例としては、各種試薬(例えば核酸抽出試薬、緩衝液等)、器具(例えば腸内細菌含有試料の精製、分離用器具)等が挙げられる。
5.前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分のスクリーニング方法
本発明は、その一態様において、被検物質で処理された動物から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの量又は濃度を指標とする、前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分のスクリーニング方法(本明細書において、「本発明の有効成分スクリーニング方法」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
本発明は、その一態様において、被検物質で処理された動物から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの量又は濃度を指標とする、前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分のスクリーニング方法(本明細書において、「本発明の有効成分スクリーニング方法」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
腸内細菌含有試料、対象バイオマーカー、前立腺がん、対象バイオマーカーの量又は濃度の測定等については、上記「1.前立腺がんの検査方法」における定義と同様である。
動物の生物種は特に制限されない。動物の生物種としては、例えばヒト、チンパンジー、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギなどの種々の哺乳類動物が挙げられる。好適には前立腺がんモデル動物を使用することができる。
被検物質としては、天然に存在する化合物又は人工に作られた化合物を問わず広く使用することができる。また、精製された化合物に限らず、多種の化合物を混合した組成物や、動植物の抽出液も使用することができる。化合物には、低分子化合物に限らず、タンパク質、核酸、多糖類等の高分子化合物も包含される。
本発明の有効成分スクリーニング方法は、より具体的には、例えば、本発明の検査方法の工程(2)に記載の方法に従って又は準じて得られる判別式又はカットオフ値を使用することができる。対象バイオマーカーの量又は濃度を判別式又はカットオフ値に当てはめて、前立腺がんに罹患していない(或いは前立腺がんの予防又は治療効果がある)と判定される場合、前記被検物質を前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分(或いは、前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分の候補物質)として選択する工程を含む。
本発明の有効成分スクリーニング方法は、より具体的には、例えば、指標とするバイオマーカーが、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、及びSyntrophococcusからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカー(BM1)である場合、上記指標の値が、被検物質で処理されていない動物から採取された腸内細菌含有試料における対応バイオマーカーの量又は濃度(対照値)よりも低い場合に、前記被検物質を前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分(或いは、前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分の候補物質)として選択する工程を含む。
本発明の有効成分スクリーニング方法は、別の具体例として、指標とするバイオマーカーが、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカー(BM2)である場合、上記指標の値が、被検物質で処理されていない動物から採取された腸内細菌含有試料における対応バイオマーカーの量又は濃度(対照値)よりも高い場合に、前記被検物質を前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分(或いは、前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分の候補物質)として選択する工程を含む。
対応バイオマーカーとは、指標としている対象バイオマーカーと同じ細菌又は遺伝子を意味する。
「高い」とは、例えば指標の値が、対照値の2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍であることを意味する。
「低い」とは、例えば指標の値が、対照値の1/2、1/5、1/10、1/20、1/50、1/100であることを意味する。
6.疾患の誘発性又は増悪性の評価方法
本発明は、その一態様において、被検物質で処理された動物から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの量又は濃度を指標とする、前立腺がんの誘発性又は増悪性の評価方法(本明細書において、「本発明の毒性評価方法」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
本発明は、その一態様において、被検物質で処理された動物から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの量又は濃度を指標とする、前立腺がんの誘発性又は増悪性の評価方法(本明細書において、「本発明の毒性評価方法」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
腸内細菌含有試料、対象バイオマーカー、前立腺がん、対象バイオマーカーの量又は濃度の測定、動物の生物種、被検物質等については、上記「1.前立腺がんの検査方法」及び「5.前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分のスクリーニング方法」における定義と同様である。
本発明の毒性評価方法は、より具体的には、例えば、本発明の検査方法の工程(2)に記載の方法に従って又は準じて得られる判別式又はカットオフ値を使用することができる。対象バイオマーカーの量又は濃度を判別式又はカットオフ値に当てはめて、前立腺がんに罹患していない(或いは前立腺がんの誘発性又は増悪性がある)と判定される場合、前記被検物質を前立腺がんの誘発又は増悪物質として選択する工程を含む。
本発明の毒性評価方法は、より具体的には、例えば、指標とするバイオマーカーが、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、及びSyntrophococcusからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカー(BM1)である場合、上記指標の値が、被検物質で処理されていない動物から採取された腸内細菌含有試料における対応バイオマーカーの量又は濃度(対照値)よりも高い場合に、前記被検物質を前立腺がんの誘発又は増悪物質として選択する工程を含む。
本発明の毒性評価方法は、別の具体例として、指標とするバイオマーカーが、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカー(BM2)である場合、上記指標の値が、被検物質で処理されていない動物から採取された腸内細菌含有試料における対応バイオマーカーの量又は濃度(対照値)よりも低い場合に、前記被検物質を前立腺がんの誘発又は増悪物質として選択する工程を含む。
対応バイオマーカー、高い/低いの程度については、「5.前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分のスクリーニング方法」における定義と同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
試験例1.前立腺がんバイオマーカーの探索及び前立腺がんの判定
被検体として、前立腺生検を受けた日本人114名(前立腺がんであると診断された日本人被検体72名(低悪性度(Gleason score≦6):14名、高悪性度(Gleason score=7:32名、Gleason score≧8:26名):58名、及び非がん日本人被検体42名)を採用した。被検体の背景は以下の通りである。
被検体として、前立腺生検を受けた日本人114名(前立腺がんであると診断された日本人被検体72名(低悪性度(Gleason score≦6):14名、高悪性度(Gleason score=7:32名、Gleason score≧8:26名):58名、及び非がん日本人被検体42名)を採用した。被検体の背景は以下の通りである。
生検前に行った直腸診において直腸に挿入した手袋指先を拭ったスワブの凍結保存サンプルから、QIAGEN社のDNeasyPower Soil Kitを用いて細菌DNAを抽出した。得られたDNAを鋳型として用い、16S rRNA遺伝子の2か所の可変領域 (V1, V2) をPCRで増幅した。Illmina社のMiSeqを用いて251bp- paired-endの条件でアンプリコンシークエンスを施行した。メタゲノム解析ソフトウェアのQIIME (version 1.9.1) を用いて腸内細菌叢を属又は科レベルで同定した。細菌DNAの配列はデータベース (Greengenes)を参照した。
結果の一部として、細菌の存在率を図1~3に示す。これらの図に示されるように、Alistipes属細菌、Rikenellaceae科細菌、及びLachnospira属細菌の3種の細菌が、前立腺がん、特に高悪性度の前立腺がんにおいて増加していることが分かった。
続いて、今回の解析で同定された全724菌種から名前不明の221菌種を除き、残る503菌種で高悪性度前立腺がんを判別するLasso (least absolute shrinkage and selection operator) 回帰分析を施行した。Lasso回帰分析により前立腺バイオマーカーを18菌種(高悪性度前立腺がんで増加する細菌:Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、及びSyntrophococcus; 高悪性度前立腺がんで減少する細菌:Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldella)に絞り込んだ。これを用いて、ロジスティック回帰により高悪性度前立腺がん陽性を判定する判定式(FMPI)を作成した。式を以下に示す。
上記被検体及びFMPIを用いて高悪性度前立腺がんの有無を判定した場合のROC曲線を図4に示す。図4には、比較対象として、PSA値を用いて高悪性度前立腺がんの有無を判定した場合のROC曲線も示す。図4に示されるように、FMPIを用いて高悪性度前立腺がんの診断精度は、ROC解析でAUC 0.85であり、高いことが分かった。
試験例2.前立腺がんの判定1
被検体として、前立腺生検を受けた日本人38名(前立腺がんであると診断された日本人被検体24名(低悪性度(Gleason score≦6):5名、高悪性度(Gleason score=7:11名、Gleason score≧8:8名):19名、及び非がん日本人被検体14名)を採用した。被検体の背景は以下の通りである。
被検体として、前立腺生検を受けた日本人38名(前立腺がんであると診断された日本人被検体24名(低悪性度(Gleason score≦6):5名、高悪性度(Gleason score=7:11名、Gleason score≧8:8名):19名、及び非がん日本人被検体14名)を採用した。被検体の背景は以下の通りである。
生検前に行った直腸診において直腸に挿入した手袋指先を拭ったスワブの凍結保存サンプルから、QIAGEN社のDNeasyPower Soil Kitを用いて細菌DNAを抽出した。得られたDNAを鋳型として用い、16S rRNA遺伝子の2か所の可変領域 (V1, V2) をPCRで増幅した。Illmina社のMiSeqを用いて251bp- paired-endの条件でアンプリコンシークエンスを施行した。メタゲノム解析ソフトウェアのQIIME (version 1.9.1) を用いて腸内細菌叢を属又は科レベルで同定した。細菌DNAの配列はデータベース (Greengenes)を参照した。
上記被検体及び試験例1で作成したFMPIを用いて高悪性度前立腺がんの有無を判定した場合のROC曲線を図5に示す。図5には、比較対象として、PSA値を用いて高悪性度前立腺がんの有無を判定した場合のROC曲線も示す。図5に示されるように、FMPIを用いて高悪性度前立腺がんの診断精度は、FMPI 作成に用いた被検体群とは異なる被検体群を用いた場合であっても高いことが分かった。
試験例3.前立腺がんの判定2
試験例1の被検体(Discovery cohort)又は試験例2の被検体(Test cohort)と試験例1で作成したFMPIを用いて前立腺がんの有無を判定した。ROC曲線を図6に示す。図6に示されるように、FMPIを用いて前立腺がんの有無も高精度で判定可能であることが分かった。
試験例1の被検体(Discovery cohort)又は試験例2の被検体(Test cohort)と試験例1で作成したFMPIを用いて前立腺がんの有無を判定した。ROC曲線を図6に示す。図6に示されるように、FMPIを用いて前立腺がんの有無も高精度で判定可能であることが分かった。
Claims (11)
- (1)被検体から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーを検出する工程を含む、前立腺がんを検査する方法。
- (2)前記工程(1)で検出された前記バイオマーカーの量又は濃度に基づいて、前記被検体が前立腺がんに罹患しているか否か、及び/又は前記被検体が前立腺がんに今後罹患する可能性を判定する工程、を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記工程(2)において、前記バイオマーカーの量又は濃度に基づいて作成された判別式を使用して前記判定を行う、請求項2に記載の方法。
- 前記前立腺がんが高悪性度の前立腺がんである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
- 前記バイオマーカーが5種以上である、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
- 前記バイオマーカーが10種以上である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
- 前記バイオマーカーがLachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
- 前記被検体が日本人である、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
- Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの検出剤を含む、前立腺がんの検査薬。
- 被検物質で処理された動物から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの量又は濃度を指標とする、前立腺がんの予防又は治療剤の有効成分のスクリーニング方法。
- 被検物質で処理された動物から採取された腸内細菌含有試料における、Alistipes、Rikenellaceae、Lachnospira、Aeromonas、Eggerthella、Kytococcus、Phascolarctobacterium、p-75-a5、Raoultella、Roseomonas、Syntrophococcus、Acidaminococcus、Anaerofilum、Atopobium、Blautia、Kocuria、Moryella、Peptostreptococcus、Propionispora、及びSebaldellaからなる群より選択される少なくとも1種のバイオマーカーの量又は濃度を指標とする、前立腺がんの誘発性又は増悪性の評価方法。
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