JP2022075053A - 板状成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】平面研削工程で用いる砥石の摩耗を低減できる板状成形体の製造法を提供する。【解決手段】難切削性の板状体を所望の厚さ近傍まで加工するラップ工程と、該工程後の板状体面を平面研削して高平坦度かつ高平滑な面に加工する平面研削工程を有し、ラップ工程では280番(ISO 8486表示)のB4C砥粒が適用され、平面研削工程では7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が適用される板状成形体の製造方法において、平面研削の条件を、(a)砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、(b)板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+151~-251rpm、(c)砥石と板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、に設定することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、難切削性の板状体を所望の厚みに加工するラップ工程と、ラップ工程後の板状体面を平面研削して高平坦度かつ高平滑な面に加工する平面研削工程を有する板状成形体の製造方法に係り、特に、平面研削工程で使用する砥石の摩耗を低減できる板状成形体の製造方法に関するものである。
炭化珪素(SiC)は、珪素(Si:シリコン)と比較すると、3倍程度の大きなバンドギャップ(4H-SiCで、3.8eV程度、6H-SiCでは、3.1eV程度、シリコンは1.1eV程度)と高い熱伝導率(5W/cm・K程度、シリコンは1.5W/cm・K程度)を有することから、近年、パワーデバイス用途の基板材料としてSiC単結晶が使用され始めている。例えば、従来用いられてきたSiパワーデバイスと比較して、SiCパワーデバイスは5~10倍程度大きい耐電圧と数百℃以上高い動作温度を実現し、更に、素子の電力損失を1/10程度に低減できるため、鉄道車両用インバーター等で実用化されている。
基板材料としてのSiC単結晶は、通常、昇華再結晶法(改良レーリー法)と呼ばれる気相法で作製され(例えば非特許文献1参照)、所望の直径および厚さに加工される。
上記改良レーリー法は、固体状のSiC原料(通常は粉末)を、高温(2,400℃以上)で加熱・昇華させ、不活性ガス雰囲気中を昇華したSi原子と炭素原子が2,400℃の蒸気として拡散により輸送され、原料よりも低温に設置された種結晶上に過飽和となって再結晶化させることにより塊状のSiC単結晶を育成する方法である。
しかし、改良レーリー法は、プロセス温度が2,400℃以上と非常に高いため、結晶成長の温度制御や対流制御、結晶欠陥の制御が非常に難しく、この方法で作製されたSiC単結晶基板には、マイクロパイプと呼ばれる結晶欠陥やその他の結晶欠陥(積層欠陥等)が多数存在し、電子デバイス用途に耐え得る高品質のSiC単結晶基板を歩留まりよく製造することが極めて難しい。この結果、電子デバイス用に用いることのできる結晶欠陥の少ない高品質なSiC単結晶基板は非常に高額なものとなり、このようなSiC単結晶基板を用いたデバイスも高額なものになってしまうため、SiC単結晶基板が普及されることの妨げになっていた。
そこで、近年、SiC単結晶基板とSiC多結晶基板を準備し、上記SiC単結晶基板とSiC多結晶基板とを貼り合わせる工程を行い、その後、上記SiC単結晶基板を薄膜化する工程を行ってSiC多結晶基板上にSiC単結晶薄板層が形成されたSiC基板を製造する方法が提案されている(例えば非特許文献2参照)。
このSiC基板の製造方法によれば、SiC単結晶基板の厚さを、従来に較べて数分の一から数百分の一まで減少させることができる。このため、従来のように基板のすべてを高額でかつ高品質のSiC単結晶で構成した場合と比較し、SiC基板のコストを大幅に低減させることができる。また、結晶欠陥の少ない高品質なSiC単結晶層上にパワーデバイス等の素子を形成することができるため、デバイス性能の向上および製造歩留りを大きく改善させることができる。
このようなSiC単結晶基板とSiC多結晶基板とを貼り合わせる工程において、SiC多結晶基板は緻密で高純度であると共に、高平坦度であることが求められる。このため、SiC多結晶基板の製造には化学的気相蒸着法(以下、「CVD法」と記載することがある)が用いられ、CVD法を用いたSiC多結晶基板の製造方法が特許文献1に記載されている。以下、特許文献1に記載されたSiC多結晶基板の製造法について説明する。
まず、図3(A)に示す炭素質支持基板(例えば黒鉛支持基板)1が配置された育成炉内を1300℃以上の環境に設定し、該炉内にSiH4等のSi系原材料ガス、CH4等のC系原材料ガス、不純物ガスである窒素ガス、および、キャリアガスである水素ガスを導入し、熱反応により炭素質支持基板1の表裏面と外周端面に図3(B)に示すSiC多結晶膜2を析出させる。そして、SiC多結晶膜2が析出された炭素質支持基板1を育成炉から取り出し、炭素質支持基板1をベベリング加工して図3(C)に示すように炭素質支持基板1の端面を露出させた後、電気炉等を用い炭素質支持基板1のみを燃焼させて、図3(D)に示す炭素質支持基板1の表裏面に形成されたSiC多結晶膜2から成る2枚のSiC多結晶基板3が得られる。
しかし、CVD法を用いたこの製造方法においては、図3(B)に示すように炭素質支持基板1の外周端近傍(外周部分)において、成膜したSiC多結晶膜2の膜厚が大きくなる傾向にあることから、図3(D)に示すように得られたSiC多結晶基板3の中央部付近に較べ周辺部が厚くなり易く、炭素質支持基板1を燃焼除去した後、研削や研磨によりSiC多結晶基板3の厚さと平坦度を調整する下記工程を要した。
すなわち、図4(A)~(B)に示すようにSiC多結晶基板3の周辺部を切除する切り抜き工程と、図4(C)に示すようにSiC多結晶基板3を所望の厚み近傍まで加工するラップ工程と、所望の直径に加工し、その後にSiC多結晶基板3の端面を面取りするベベル工程と、ラップ工程で得られたSiC多結晶基板3面を平面研削して図4(D)に示すように高平坦度かつ高平滑な面に加工する平面研削工程と、平面研削工程で発生した図示外の線状加工痕を化学機械研磨(メカノケミカルポリッシュ)によって除去し、図4(E)に示すようにSiC多結晶基板3表面を鏡面とするポリッシュ工程を要し、これ等工程を経てSiC基板の製造に供されるSiC多結晶基板は所望の状態となる。
特開平08-026714号公報 特開2018-051646号公報
Yu.M.Tairov and V.F.Tsvetkov: J.of Cryst.Growth 43(1978)209 精密工学会誌,2017,83巻,9号,p.833-836
ところで、炭化ケイ素(SiC)は、硬度が非常に高く、難切削性の材料ではあるが、番手が100番(ISO 8486表示)~300番(ISO 8486表示)程度、例えば280番(ISO 8486表示)の炭化ホウ素(B4C)砥粒を適用した低圧両面ラップ加工によりSiC多結晶基板の加工時間と加工コストを軽減することは可能である。しかし、その反面、ラップ工程後においてSiC多結晶基板面に急峻な凹凸が形成されてしまうため、ベベル工程を経た後、番手が6000番(ISO 8486表示)~8000番(ISO 8486表示)程度、例えば7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石を用いてSiC多結晶基板の平面研削がなされた場合、砥石の摩耗率[(砥石の摩耗量/被加工物の加工量)×100%]が高くなる問題が存在した。具体的には、平面研削の第一工程で、SiC多結晶基板の一方の面を10μm平面研削し、平面研削の第二工程で、SiC多結晶基板の他方の面を20μm平面研削した場合、第一工程で砥石の摩耗率が700%~350%、第二工程で砥石の摩耗率が200%~250%と高く、ダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が高額であるため大きな問題となっている。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、ラップ工程と平面研削工程を有する板状成形体の製造方法において、平面研削工程で用いるビトリファイド砥石(ダイヤモンド砥粒とビトリファイド結合剤を含む砥石)の摩耗率を低減できる板状成形体の製造方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため、本発明者は、平面研削工程に用いる研削装置(例えば特許文献2参照)の加工条件、具体的には、ビトリファイド砥石を装着した「スピンドルの回転数」、板状体を保持する「チャックテーブルの回転数」、および、上記砥石と板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる「加工送り速度」の条件を変更しながら実験を繰り返し行った結果、砥石の摩耗率が低減する適正な条件を見出すに至った。
すなわち、280番(ISO 8486表示)の炭化ホウ素(B4C)砥粒が適用されたラップ工程後における板状体のラップ面(以下「♯280面」と称する場合がある)を、7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が用いられた研削装置により平面研削するときの適正条件は、
a)上記「スピンドルの回転数」を1800rpm、
b)上記「チャックテーブルの回転数」を+151~-251rpm、
c)上記「加工送り速度」を0.05μm/s、
であることが見出され、かつ、上記条件で「♯280面」を平面研削した場合、ビトリファイド砥石の摩耗率を低減できることが確認された。
また、ラップ工程後に形成された急峻な凹凸は、「♯280面」を7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で数μm研削することにより平坦化されるため、7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平坦化された板状体の研削面(以下「♯7000面」と称する場合がある)を継続して平面研削する場合、「♯280面」の条件に代えて「♯7000面」に合った条件に変更した方が好ましい。
すなわち、上記「♯7000面」を、7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が用いられた研削装置により平面研削するときの適正条件は、
a)上記「スピンドルの回転数」を3500rpm、
b)上記「チャックテーブルの回転数」を+51~-251rpm、
c)上記「加工送り速度」を0.1~0.2μm/s、
であることが見出され、かつ、上記条件で「♯7000面」を平面研削した場合、ビトリファイド砥石の摩耗率を更に低減できることが確認された。
本発明はこのような技術的発見により完成されている。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
難切削性の板状体を所望の厚さ近傍まで加工するラップ工程と、ラップ工程後の板状体面を平面研削して高平坦度かつ高平滑な面に加工する平面研削工程を有し、上記ラップ工程では100番~300番(ISO 8486表示)のB4C砥粒が適用されると共に、平面研削工程では6000番~8000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が適用される板状成形体の製造方法において、
上記平面研削工程における平面研削の条件を、
a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+151~-251rpm、
c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、
に設定することを特徴とし、
第2の発明は、
第1の発明に記載の板状成形体の製造方法において、
上記ラップ工程後における板状体の一方の面を上記平面研削の条件で平面研削し、続いて、上記板状体の他方の面を上記平面研削の条件で平面研削することを特徴とする。
次に、本発明に係る第3の発明は、
難切削性の板状体を所望の厚み近傍まで加工するラップ工程と、ラップ工程後の板状体面を平面研削して高平坦度かつ高平滑な面に加工する平面研削工程を有し、上記ラップ工程では100番~300番(ISO 8486表示)のB4C砥粒が適用されると共に、平面研削工程では6000番~8000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が適用される板状成形体の製造方法において、
上記平面研削工程を前段の第一研削工程と後段の第二研削工程とで構成し、
上記第一研削工程における第一平面研削の条件を、
a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+151~-251rpm、
c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、
に設定し、
上記第二研削工程における第二平面研削の条件を、
a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が3500rpm、
b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+51~-251rpm、
c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.1~0.2μm/s、
に設定して板状体面を平面研削することを特徴とし、
第4の発明は、
第3の発明に記載の板状成形体の製造方法において、
上記ラップ工程後における板状体の一方の面を上記第一平面研削の条件および第二平面研削の条件で平面研削し、続いて、上記板状体の他方の面を上記第一平面研削の条件および第二平面研削の条件で平面研削することを特徴とし、
また、第5の発明は、
第1の発明~第4の発明のいずれかに記載の板状成形体の製造方法において、
上記難切削性の板状体が、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、アルミナまたは窒化ホウ素から選択されるいずれかの材料で構成されることを特徴とする。
第1の発明に係る板状成形体の製造方法によれば、
100番~300番(ISO 8486表示)のB4C砥粒が適用されたラップ工程後の板状体面を、6000番~8000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平面研削する条件が、
a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+151~-251rpm、
c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、
に設定されるため、上記砥石の摩耗率を低減させることが可能となる。
また、第3の発明に係る板状成形体の製造方法によれば、
平面研削工程を前段の第一研削工程と後段の第二研削工程とで構成し、
100番~300番(ISO 8486表示)のB4C砥粒が適用されたラップ工程後の板状体面を、6000番~8000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平面研削する第一研削工程の条件が、
a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+151~-251rpm、
c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、
に設定され、
第一研削工程の条件で平面研削された板状体面を、6000番~8000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平面研削する第二研削工程の条件が、
a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が3500rpm、
b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+51~-251rpm、
c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.1~0.2μm/s、
に設定されるため、上記砥石の摩耗率を更に低減させることが可能となる。
図1(A)は「スピンドル回転数rpm」と「砥石摩耗率%」との関係を示すグラフ図で、横軸中、「3500♯7000面」はスピンドル回転数3500rpmでSiC基板(♯7000面)を平面研削する条件、「3500♯280面」はスピンドル回転数3500rpmでSiC基板(♯280面)を平面研削する条件、「1800♯280面」はスピンドル回転数1800rpmでSiC基板(♯280面)を平面研削する条件を示し、図中、「1st」はSiC基板のB(Back)面を10μm平面研削したときの砥石摩耗率、「2nd」はSiC基板のF(Front)面を20μm平面研削したときの砥石摩耗率、「AVE」は1stと2ndの平均値を示す。また、図1(B)は「送り速度μm/s」と「砥石摩耗率%」との関係を示すグラフ図で、図中、「13001st」はスピンドル回転数1300rpmの条件でSiC基板(♯280面)の片面を5μm平面研削したときの砥石摩耗率(但し、送り速度0.05μm/sのデータは無)、「18001st」はスピンドル回転数1800rpmの条件でSiC基板(♯280面)の片面を5μm平面研削したときの砥石摩耗率、「35001st」はスピンドル回転数3500rpmの条件でSiC基板(♯280面)の片面を5μm平面研削したときの砥石摩耗率を示す。また、図1(C)は「CT(チャックテーブル)回転数rpm」と「砥石摩耗率%」との関係を示すグラフ図で、図中、「1st」はSiC基板(♯280面)のB(Back)面を5μm平面研削したときの砥石摩耗率、「2nd」はSiC基板(♯280面)のF(Front)面を5μm平面研削したときの砥石摩耗率、「AVE」は1stと2ndの平均値を示す。 図2(A)は「スピンドル回転数rpm」と「砥石摩耗率%」との関係を示すグラフ図で、図中、「1st」はSiC基板(♯7000面)のB(Back)面を10μm平面研削したときの砥石摩耗率、「2nd」はSiC基板(♯7000面)のF(Front)面を10μm平面研削したときの砥石摩耗率、「AVE」は1stと2ndの平均値を示す。また、図2(B)は「送り速度μm/s」と「砥石摩耗率%」との関係を示すグラフ図で、図中、「35001st」はスピンドル回転数3500rpmの条件でSiC基板(♯7000面)のB(Back)面を10μm平面研削したときの砥石摩耗率、「35002nd」はスピンドル回転数3500rpmの条件でSiC基板(♯7000面)のF(Front)面を10μm平面研削したときの砥石摩耗率、「3500AVE」は1stと2ndの平均値を示す。また、図2(C)は「CT(チャックテーブル)回転数rpm」と「砥石摩耗率%」との関係を示すグラフ図で、図中、「1st」はSiC基板(♯7000面)のB(Back)面を5μm平面研削したときの砥石摩耗率、「2nd」はSiC基板(♯7000面)のF(Front)面を5μm平面研削したときの砥石摩耗率、「AVE」は1stと2ndの平均値を示す。 化学的気相蒸着法(CVD法)を用いたSiC多結晶基板の製造法を示す工程説明図。 ラップ工程と平面研削工程を有する板状成形体の製造法を示す工程説明図。 図5(A)(B)はラップ工程に用いるラッピング装置の構成説明図。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明者は、平面研削に使用する研削装置(DISCO社製 DFG8340)の加工条件、すなわち、ビトリファイド砥石を装着した「スピンドルの回転数」、板状体を保持する「チャックテーブルの回転数」、および、砥石と板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる「加工送り速度」の条件を変更しながら繰り返し実験を行い、上述したように砥石の摩耗率が低減する適正な条件を見出している。
以下、本発明者の行った実験について説明し、ビトリファイド砥石の摩耗率を低減させる「スピンドル回転数」、「CT(チャックテーブル)回転数」、および、「加工送り速度」について説明する。
尚、280番(ISO 8486表示)の炭化ホウ素(B4C)砥粒を適用してラップ加工した板状体(SiC多結晶基板)のラップ面を「♯280面」、7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平面研削した板状体(SiC多結晶基板)の研削面を「♯7000面」とそれぞれ略称する。
1.ビトリファイド砥石を装着した「スピンドルの回転数」の条件
(1)試験方法
(1-1)装置条件
精密平面研削機:DISCO社製 DFG8340
砥石:7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石
研削液:純水
(1-2)装置固定条件:
「加工送り速度」:0.20μm/s
「CT(チャックテーブル)回転数」:+151rpm
(2)使用部材(♯280面):
280番(ISO 8486表示)の炭化ホウ素(B4C)砥粒を適用して低圧両面ラップ加工したSiC多結晶基板[SiC基板(♯280面)]
(2-1)「スピンドルの回転数」の条件
(2-1-1)「3500♯280面」
スピンドル回転数3500rpmの条件でSiC基板(♯280面)のB(Back)面を10μm平面研削(1st)し、続いて、SiC基板(♯280面)のF(Front)面を20μm平面研削(2nd)すると共に、200枚のSiC基板(♯280面)を研削して1st、および、2ndの「砥石摩耗率」(平均値)を測定した。
図1(A)に結果を示すが、SiC基板(♯280面)の平面研削において、スピンドル回転数が3500rpmの場合、「砥石摩耗率」(平均値)が1stで500%以上、2ndで200%程度、1stと2ndの平均値で350%と高いことが確認される。
(2-1-2)「1800♯280面」
スピンドル回転数1800rpmの条件でSiC基板(♯280面)のB(Back)面を10μm平面研削(1st)し、続いて、SiC基板(♯280面)のF(Front)面を20μm平面研削(2nd)すると共に、200枚のSiC基板(♯280面)を研削して1st、および、2ndの「砥石摩耗率」(平均値)を測定した。
この結果も図1(A)に示すが、SiC基板(♯280面)の平面研削において、スピンドル回転数が1800rpmの場合、「砥石摩耗率」(平均値)が1stで400%程度、2ndで200%程度、1stと2ndの平均値で300%程度と改善されることが確認される。
(2-1-3)「3500♯7000面」
スピンドル回転数3500rpmの条件でSiC基板(♯7000面)のB(Back)面を10μm平面研削(1st)し、続いて、SiC基板(♯7000面)のF(Front)面を10μm平面研削(2nd)すると共に、2枚のSiC基板(♯7000面)を研削して求めた1st、および、2ndの「砥石摩耗率」(平均値)を参考までに記載する。
この結果も図1(A)に示すが、SiC基板(♯7000面)の平面研削において、スピンドル回転数が3500rpmの場合、「砥石摩耗率」(平均値)が1stで45%程度、2ndで25%程度、1stと2ndの平均値で40%程度と著しく改善されることが確認される。
(2-2)SiC基板(♯280面)におけるスピンドル回転数
図1(A)のグラフ図から、SiC基板(♯280面)の平面研削においては、スピンドル回転数を1800rpmに設定するとよいことが確認された。
(2-3)B面(1st)とF面(2nd)とで砥石摩耗率が大きく相違する理由
図1(A)の「3500♯280面」と「1800♯280面」の「砥石摩耗率%」から確認されるように、SiC基板(♯280面)のB(Back)面(1st)を研削する場合とF(Front)面(2nd)を研削する場合とで砥石摩耗率が大きく相違している。
この理由について本発明者は以下のように推察している。
平面研削前におけるSiC基板(♯280面)の両面は共に急峻な凹凸面になっており、基板のF面をCT(チャックテーブル)に吸着させてSiC基板(♯280面)のB面を研削する場合、急峻な凹凸面(♯280面)に起因してCT(チャックテーブル)へのSiC基板(♯280面)の吸着力は弱いため、SiC基板(♯280面)の保持が不安定になって砥石摩耗率は高くなると思われる。
他方、SiC基板(♯280面)のF面を研削する場合、SiC基板のB面は平面研削されて平坦な面(♯7000面)になっているため、CT(チャックテーブル)へのSiC基板(♯7000面)の吸着力は強くなり、その分、SiC基板(♯7000面)の保持が安定して砥石摩耗率は低くなると推察している。
(3)使用部材(♯7000面):
7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平面研削したSiC多結晶基板[SiC基板(♯7000面)]
(3-1)「スピンドルの回転数」の条件
図2(A)に示すように「スピンドルの回転数」を1800rpm、2000rpm、2200rpm、2400rpm、2600rpm、2800rpm、3000rpm、3200rpm、および、3500rpmに変更しながら試験を行った。
(3-2)試験条件
SiC基板(♯7000面)のB(Back)面を10μm平面研削(1st)し、続いて、SiC基板(♯7000面)のF(Front)面を10μm平面研削(2nd)すると共に、2枚のSiC基板(♯7000面)を研削して1st、および、2ndの「砥石摩耗率」(平均値)を測定した。
(3-3)評価
図2(A)に示す結果から、SiC基板(♯7000面)の平面研削において、スピンドル回転数が3500rpmの場合、「砥石摩耗率」(平均値)が1stで50%程度、2ndで22%程度、1stと2ndの平均値で36%程度と著しく改善されることが確認される。
(3-4)SiC基板(♯7000面)におけるスピンドル回転数
図2(A)および図1(A)のグラフ図から、SiC基板(♯7000面)の平面研削においては、スピンドル回転数を3500rpmに設定するとよいことが確認された。
2.「加工送り速度」の条件
(1)試験方法
(1-1)装置条件
精密平面研削機:DISCO社製 DFG8340
砥石:7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石
研削液:純水
(1-2)装置固定条件:
「CT(チャックテーブル)回転数」:+151rpm
(2)使用部材(♯280面):
280番(ISO 8486表示)の炭化ホウ素(B4C)砥粒を適用して低圧両面ラップ加工したSiC多結晶基板[SiC基板(♯280面)]をそれぞれ1枚使用。
(2-1)「スピンドルの回転数」の条件
図1(B)に示すように「スピンドルの回転数」を1300rpm、1800rpm、および、3500rpmに変更しながら試験を行った。
(2-2)「加工送り速度」の条件
図1(B)に示すように「加工送り速度」を、0.05μm/s、0.10μm/s、0.15μm/s、および、0.20μm/sに変更しながら試験を行った。
(2-3)試験条件
それぞれ1枚のSiC多結晶基板[SiC基板(♯280面)]を用い、「スピンドルの回転数」を1300rpm、1800rpm、3500rpmの3種と、「加工送り速度」を0.05μm/s、0.10μm/s、0.15μm/s、0.20μm/sの4種に設定して、各SiC多結晶基板[SiC基板(♯280面)]の片面を5μm平面研削し、その「砥石摩耗率」を測定した。
尚、「スピンドルの回転数」が1300rpm、「加工送り速度」が0.05μm/sの条件は除外した。
(2-4)評価
図1(B)に示す結果から、SiC基板(♯280面)の平面研削において、最適条件は、「スピンドルの回転数」が1800rpm、「加工送り速度」が0.05μm/sであることが確認され、「砥石摩耗率」は242%であった。
(3)使用部材(♯7000面):
7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平面研削したSiC多結晶基板[SiC基板(♯7000面)]をそれぞれ2枚使用。
(3-1)「スピンドルの回転数」の条件
図2(B)に示すように「スピンドルの回転数」を3500rpmとした。
(3-2)「加工送り速度」の条件
図2(B)に示すように「加工送り速度」を、0.05μm/s、0.10μm/s、0.15μm/s、および、0.20μm/sに変更しながら試験を行った。
(3-3)試験条件
それぞれ2枚のSiC多結晶基板[SiC基板(♯7000面)]を用い、「スピンドルの回転数」を3500rpmの1種と、「加工送り速度」を0.05μm/s、0.10μm/s、0.15μm/s、0.20μm/sの4種に設定し、各SiC多結晶基板[SiC基板(♯7000面)]のB(Back)面を10μm平面研削(1st)し、続いて、SiC基板(♯7000面)のF(Front)面を10μm平面研削(2nd)すると共に、1st、および、2ndの「砥石摩耗率」(平均値)を測定した。
(4-4)評価
図2(B)に示す結果から、SiC基板(♯7000面)の平面研削において、「加工送り速度」の適正条件は、0.05μm/sを除く、0.10μm/s~0.20μm/sであることが確認され、平均の「砥石摩耗率」は40%程度であった。
3.「CT(チャックテーブル)回転数」の条件
(1)試験方法
(1-1)装置条件
精密平面研削機:DISCO社製 DFG8340
砥石:7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石
研削液:純水
(1-2)装置固定条件:
「スピンドルの回転数」:3500rpm
「加工送り速度」:0.10μm/s
(2)使用部材(♯280面):
280番(ISO 8486表示)の炭化ホウ素(B4C)砥粒を適用して低圧両面ラップ加工したSiC多結晶基板[SiC基板(♯280面)]をそれぞれ1枚使用。
(2-1)「CT(チャックテーブル)回転数」の条件
図1(C)に示すように「CT(チャックテーブル)回転数」を、-251rpm、-151rpm、-51rpm、+51rpm、+151rpm、および、+251rpmに変更しながら試験を行った。尚、チャックテーブルの回転方向がスピンドルの回転方向と同方向の場合に符号「+」を付し、スピンドルの回転方向と逆方向の場合に符号「-」を付している。
(2-2)試験条件
それぞれ1枚のSiC多結晶基板[SiC基板(♯280面)]を用い、「CT(チャックテーブル)回転数」を、-251rpm、-151rpm、-51rpm、+51rpm、+151rpm、+251rpmに設定し、各SiC多結晶基板[SiC基板(♯280面)]のB(Back)面を5μm平面研削(1st)し、続いて、SiC基板(♯280面)のF(Front)面を5μm平面研削(2nd)すると共に、1st、および、2ndの「砥石摩耗率」(平均値)を測定した。
(2-3)評価
図1(C)に示す結果から、SiC基板(♯280面)の平面研削において、「CT(チャックテーブル)回転数」の適正条件は、+251rpmを除く、+151~-251rpmであることが確認され、平均の「砥石摩耗率」は260%程度であった。
(3)使用部材(♯7000面):
7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平面研削したSiC多結晶基板[SiC基板(♯7000面)]をそれぞれ1枚使用。
(3-1)「CT(チャックテーブル)回転数」の条件
図2(C)に示すように「CT(チャックテーブル)回転数」を、-251rpm、-151rpm、-51rpm、+51rpm、+151rpm、および、+251rpmに変更しながら試験を行った。
(3-2)試験条件
それぞれ1枚のSiC多結晶基板[SiC基板(♯7000面)]を用い、「CT(チャックテーブル)回転数」を、-251rpm、-151rpm、-51rpm、+51rpm、+151rpm、+251rpmに設定し、各SiC多結晶基板[SiC基板(♯7000面)]のB(Back)面を5μm平面研削(1st)し、続いて、SiC基板(♯7000面)のF(Front)面を5μm平面研削(2nd)すると共に、1st、および、2ndの「砥石摩耗率」(平均値)を測定した。
(3-3)評価
図2(C)に示す結果から、SiC基板(♯7000面)の平面研削において、「CT(チャックテーブル)回転数」の適正条件は、+151rpmと+251rpmを除く、+51rpm~-251rpmであることが確認され、平均の「砥石摩耗率」は25%程度で、かつ、「CT(チャックテーブル)回転数」が+51rpmの場合、2ndの「砥石摩耗率」は0%であった。
4.砥石摩耗率を低減できる平面研削の適正条件
上述した実験結果から、下記適正条件が見出される。
すなわち、
(1)280番(ISO 8486表示)の炭化ホウ素(B4C)砥粒が適用されたラップ工程後の板状体ラップ面(♯280面)を、7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が用いられた研削装置により平面研削するときの適正条件は、
a)砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
b)板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+151~-251rpm、
c)砥石と板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、
であり、
(2)7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石で平坦化された板状体の研削面(♯7000面)を、7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が用いられた研削装置により平面研削するときの適正条件は、
a)砥石を装着したスピンドルの回転数が3500rpm、
b)板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+51~-251rpm、
c)砥石と板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.1~0.2μm/s、
であることが見出される。
尚、難切削性の板状体としては、炭化ケイ素(SiC)に加え、炭化ホウ素、炭化チタン、アルミナまたは窒化ホウ素等が例示される。
以下、本発明の実施例について比較例も挙げて具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図5(A)(B)に示すラッピング装置の上定盤と下定盤の間にSiC多結晶基板(ウェハ)を配置し、かつ、上定盤と下定盤間に280番(ISO 8486表示)の炭化ホウ素(B4C)砥粒を有する研磨液を供給しながら低圧両面ラップ加工を行った。
次いで、上記ウェハのB面(♯280面)を7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が用いられた研削装置(DISCO社製 DFG8340)により10μm平面研削(1st)した後、ウェハのF面(♯280面)も上記研削装置により20μm平面研削(2nd)して実施例1に係る板状成形体を得た。
尚、上記研削装置の研削条件は、
a)砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
b)ウェハを保持するチャックテーブルの回転数が+151rpm、
c)砥石とウェハを加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、
に設定した。
そして、1st工程と2nd工程におけるビトリファイド砥石の摩耗率を調べたところ、1st工程においては230%[図1(B)の0.05μm/s欄参照]、2nd工程においては127%[図1(B)の0.05μm/s欄と図1(A)の「1800♯280面」欄参照]であった。
[比較例1]
上記研削装置の研削条件を、
a)砥石を装着したスピンドルの回転数が3500rpm、
b)ウェハを保持するチャックテーブルの回転数が+151rpm、
c)砥石とウェハを加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.20μm/s、
に設定した以外は実施例1と同様にして比較例1に係る板状成形体を得た。
そして、1st工程と2nd工程におけるビトリファイド砥石の摩耗率を調べたところ、1st工程においては520%[図1(A)の「3500♯280面」欄参照]、2nd工程においては190%[図1(A)の「3500♯280面」欄参照]であった。
[実施例2]
実施例1に係る板状成形体のB面とF面(♯7000面)を、上記7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が用いられた研削装置を用いて平面研削した。
尚、上記研削装置の研削条件は、
a)砥石を装着したスピンドルの回転数が3500rpm、
b)ウェハを保持するチャックテーブルの回転数が+151rpm、
c)砥石とウェハを加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.20μm/s、
に設定した。
そして、1st工程と2nd工程におけるビトリファイド砥石の摩耗率を調べたところ、1st工程においては53%[図2(A)の3500rpm欄参照]、2nd工程においては22%[図2(A)の3500rpm欄参照]であった。
[比較例2]
上記研削装置の研削条件を、
a)砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
b)ウェハを保持するチャックテーブルの回転数が+151rpm、
c)砥石とウェハを加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.20μm/s、
に設定した以外は実施例2と同様にして比較例2に係る板状成形体を得た。
そして、1st工程と2nd工程におけるビトリファイド砥石の摩耗率を調べたところ、1st工程においては105%[図2(A)の1800rpm欄参照]、2nd工程においては108%[図2(A)の1800rpm欄参照]であった。
本発明方法によれば、平面研削工程で使用する砥石の摩耗率を低減できるため、炭化ケイ素(SiC)多結晶基板の製造に利用される産業上の利用可能性を有している。
1 炭素質支持基板(黒鉛支持基板)
2 SiC多結晶膜
3 SiC多結晶基板

Claims (5)

  1. 難切削性の板状体を所望の厚さ近傍まで加工するラップ工程と、ラップ工程後の板状体面を平面研削して高平坦度かつ高平滑な面に加工する平面研削工程を有し、上記ラップ工程では100番~300番(ISO 8486表示)のB4C砥粒が適用されると共に、平面研削工程では6000番~8000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が適用される板状成形体の製造方法において、
    上記平面研削工程における平面研削の条件を、
    a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
    b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+151~-251rpm、
    c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、
    に設定することを特徴とする板状成形体の製造方法。
  2. 上記ラップ工程後における板状体の一方の面を上記平面研削の条件で平面研削し、続いて、上記板状体の他方の面を上記平面研削の条件で平面研削することを特徴とする請求項1に記載の板状成形体の製造方法。
  3. 難切削性の板状体を所望の厚み近傍まで加工するラップ工程と、ラップ工程後の板状体面を平面研削して高平坦度かつ高平滑な面に加工する平面研削工程を有し、上記ラップ工程では100番~300番(ISO 8486表示)のB4C砥粒が適用されると共に、平面研削工程では6000番~8000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥粒を含むビトリファイド砥石が適用される板状成形体の製造方法において、
    上記平面研削工程を前段の第一研削工程と後段の第二研削工程とで構成し、
    上記第一研削工程における第一平面研削の条件を、
    a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が1800rpm、
    b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+151~-251rpm、
    c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.05μm/s、
    に設定し、
    上記第二研削工程における第二平面研削の条件を、
    a)上記砥石を装着したスピンドルの回転数が3500rpm、
    b)上記板状体を保持するチャックテーブルの回転数が+51~-251rpm、
    c)上記砥石と上記板状体を加工送り方向へ相対的に移動させる加工送り速度が0.1~0.2μm/s、
    に設定して板状体面を平面研削することを特徴とする板状成形体の製造方法。
  4. 上記ラップ工程後における板状体の一方の面を上記第一平面研削の条件および第二平面研削の条件で平面研削し、続いて、上記板状体の他方の面を上記第一平面研削の条件および第二平面研削の条件で平面研削することを特徴とする請求項3に記載の板状成形体の製造方法。
  5. 上記難切削性の板状体が、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、アルミナまたは窒化ホウ素から選択されるいずれかの材料で構成されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の板状成形体の製造方法。
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