JP2022074843A - 作業機械の動作検証装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業機械の動作の検証を適切に行うことができる作業機械の動作検証装置を提供する。【解決手段】作業機械の動作検証装置は、仮想の作業現場で作業を行う仮想の作業機械の軌跡の計算処理を実行する処理装置を備える。作業機械は、走行体および作業装置を有する。処理装置は、作業現場の地形データ、および作業機械の動作指令を取得し、取得した作業現場の地形データ、および作業機械の動作指令に基づいて、作業装置の軌跡を計算し、作業装置の軌跡と作業現場の地形データとの干渉領域910に基づいて作業現場の地形データの変化を計算し、変化後の作業現場の地形データを出力する。【選択図】図10

Description

本発明は、作業機械の動作検証装置に関する。
機械の開発の高速化およびコスト削減を図ること等を目的として、機械の動作を検証する動作検証装置が活用されている(特許文献1参照)。特許文献1には、操作信号に基づいて、仮想の地表面で仮想の車両を運動させる車両運動計算部と、車両の車輪が配置された位置の地表面の変形量を導出する地形変形計算部と、変形量に基づいて車両の車輪の位置を導出し、車輪の位置に基づいて車両の姿勢を導出する車両位置決定部と、地形凹凸情報と車両の姿勢とに基づいて仮想の視界の映像を生成する視界生成部と、生成された映像を表示する視界表示部と、を備えた車両走行シミュレータ装置が開示されている。
特開2002-323848号公報
作業機械の自動運転等を行う場合、作業機械による作業を行う前に、コンピュータシミュレーションによって作業機械の動作を検証し、作業効率の向上を図ることが期待されている。特許文献1に記載の技術では、車両が通過することによる地形変形(わだち)が考慮されている。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば、掘削作業による地形のへこみ(切土)等の作業機械の作業による地形変形を考慮したものではないため、作業機械の動作の検証を適切に行うことができない。
本発明は、作業機械の動作の検証を適切に行うことができる作業機械の動作検証装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様による作業機械の動作検証装置は、仮想の作業現場で作業を行う仮想の作業機械の軌跡の計算処理を実行する処理装置を備える。前記作業機械は、走行体および作業装置を有する。前記処理装置は、前記作業現場の地形データ、および前記作業機械の動作指令を取得する。前記処理装置は、取得した前記作業現場の地形データ、および前記作業機械の動作指令に基づいて、前記作業装置の軌跡を計算する。前記処理装置は、前記作業装置の軌跡と前記作業現場の地形データとの干渉領域に基づいて前記作業現場の地形データの変化を計算し、変化後の前記作業現場の地形データを出力する。
本発明によれば、作業機械の動作の検証を適切に行うことができる作業機械の動作検証装置を提供することができる。
第1実施形態に係る動作検証装置の一例を示すハードウェア構成図。 第1実施形態に係る動作検証装置の一例を示す機能ブロック図。 第1実施形態に係る動作検証装置に入力される現況地形データの一例を示す図。 第1実施形態に係る動作検証装置の出力装置の出力結果の一例について示す図。 油圧ショベルの構成および油圧ショベルにおける座標系(ショベル基準座標系)について示す図。 油圧ショベルの演算対象箇所について説明する図。 ダンプトラックの演算対象箇所について説明する図。 第1実施形態に係るデータ処理装置により実行される動作検証用データの出力処理の一例について示すフローチャート。 第1実施形態に係るデータ処理装置により実行される地形変化計算処理の一例について示すフローチャート。 第1実施形態に係るデータ処理装置により実行される掘削作業処理の一例について示すフローチャート。 掘削作業処理の内容について示す図。 第1実施形態に係るデータ処理装置により実行される放土作業処理の一例について示すフローチャート。 放土作業処理の内容について示す図。 第1実施形態に係るデータ処理装置により実行される積込作業処理の一例について示すフローチャート。 積込作業処理の内容について示す図。 第1実施形態に係るデータ処理装置により実行される整地作業処理の一例について示すフローチャート。 整地作業処理の内容について示す図。 第1実施形態に係るデータ処理装置により実行される転圧作業処理の一例について示すフローチャート。 転圧作業処理の内容について示す図。 第2実施形態に係る動作検証装置の一例を示す機能ブロック図。 作業機械の姿勢の演算方法について説明する図。 第2実施形態に係るデータ処理装置により実行される動作検証用データの出力処理の一例について示すフローチャート。 第2実施形態に係るデータ処理装置により実行される姿勢演算処理の一例について示すフローチャート。 第2実施形態に係るデータ処理装置により実行される転倒姿勢判定処理の一例について示すフローチャート。 第2実施形態に係る動作検証装置の出力装置の出力結果の一例について示す図。
<第1実施形態>
図1~図18を参照して、本発明の第1実施形態に係る作業機械の動作検証装置100について説明する。図1は、本実施形態に係る動作検証装置100の一例を示すハードウェア構成図である。図1に示すように、動作検証装置100は、仮想の作業現場で作業を行う仮想の作業機械の軌跡の計算処理を実行するデータ処理装置120と、データ処理装置120から取得したデータを出力する出力装置130と、データ処理装置120への入力データを生成する入力装置140とを有する。出力装置130および入力装置140は、データ処理装置120のインターフェース回路150と接続される。
[ハードウェア構成]
データ処理装置120は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ160と、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ170と、所謂RAM(Random Access Memory)と呼ばれる揮発性メモリ180と、インターフェース回路150と、これらの機器を電気的に接続するバス110とを含んだコンピュータで構成される。なお、データ処理装置120は、1つのコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータで構成してもよい。
不揮発性メモリ170には、データ処理装置120のデータ処理において実行されるコンピュータプログラム190が記憶されている。すなわち、不揮発性メモリ170は、本実施形態の機能を実現するプログラムを読み取り可能な記憶媒体である。コンピュータプログラム190は、不揮発性メモリ170から揮発性メモリ180のワーキング領域にロードされ、プロセッサ160に読み込まれることによって実行される。プロセッサ160は、コンピュータプログラム190にしたがってインターフェース回路150、不揮発性メモリ170および揮発性メモリ180から取り入れた信号に対して所定の演算処理を行う。
出力装置130は、例えば、データ処理装置120から供給された出力データを表示する表示装置である。出力装置130は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)または有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence display:OELD)のようなフラットパネルディスプレイを有する。
入力装置140は、ユーザに操作されることにより入力データを生成する。入力装置140で生成された入力データは、データ処理装置120に出力される。入力装置140は、例えば、出力装置130の表示画面に設けられたタッチセンサを含む。入力装置140は、コンピュータ用キーボードおよびマウスの少なくとも一方を含んでいてもよい。なお、入力装置140は、作業機械の運転室内に設けられる操作装置と同等の装置を含んでいてもよい。また、入力装置140は、別のデータ処理装置で生成された入力データを通信により取り込む通信装置であってもよい。
[機能ブロック]
図2は、本実施形態に係る動作検証装置100の一例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、動作検証装置100は、仮想の作業現場の現況地形を表す現況地形データを取得する現況地形データ取得部210と、後述する作業条件データを取得する作業条件取得部220と、作業現場で作業する仮想の作業機械101の動作指令を取得する動作指令取得部230と、作業機械101の軌跡を計算し、その計算結果に基づいて地形データの変化を計算する地形制御部240と、データを記憶する記憶部250と、地形制御部240が算出した変化後の作業現場の地形データを出力装置130に出力する出力制御部260と、入出力部270とを備える。
入出力部270の機能は、インターフェース回路150によって発揮される。現況地形データ取得部210、作業条件取得部220、動作指令取得部230、地形制御部240、および出力制御部260のそれぞれの機能は、プロセッサ160によって発揮される。記憶部250の機能は、不揮発性メモリ170または揮発性メモリ180によって発揮される。
[各処理部の説明]
現況地形データ取得部210は、仮想の作業現場の現況地形を表す現況地形データ(初期地形データ)を取得する。図3は、本実施形態に係る動作検証装置100に入力される現況地形データの一例を示す図である。図3に示すように、現況地形データは、複数の地点の位置データ(例えば、図示する点m1,m2,m3)を含む3次元地形データである。地点の位置データは、作業現場にE軸、N軸およびH軸が設定された直交座標系(以下、現場座標系と記す)に基づく3次元の座標である。現況地形データには、例えば3次元CAD(Computer Aided Design)を用いて作成されたメッシュデータが用いられる。以下では、現況地形データ取得部210が取得する現況地形データをメッシュ地形データ400と記す。
メッシュ地形データ400は、複数の地点の位置データに加え、現況地形の平面を構成する3点の地点データの組み合わせ情報を含む。例えば、点m1,m2,m3により三角形の平面s1が規定される。現況地形データ取得部210は、メッシュ地形データ400を取得し、取得したメッシュ地形データ400をグリッド地形データ410に変換する。グリッド地形データ410は、グリッド面における各グリッド要素の中心位置と高さ情報とが関連付けて記憶されたデータである。グリッド面は、作業現場が格子状に区画されてなる平面であり、所定のグリッドサイズのグリッド要素が格子状に配列されてなる。
メッシュ地形データ400からグリッド地形データ410への変換方法は、例えば、以下のとおりである。現況地形データ取得部210は、現場座標系のE軸およびN軸に平行なEN平面(H軸に直交するEN平面)における所定領域(作業領域)Aを格子状に区画するグリッド処理を実行する。所定領域は、入力されたメッシュ地形データ400全体を覆う大きさの領域である。格子の間隔(グリッド要素の幅)であるグリッドサイズは、あらかじめ定められ、記憶部250に記憶されている。なお、グリッドサイズは、入力装置140からの入力データによって更新できるようにしてもよい。
現況地形データ取得部210は、それぞれのグリッド要素の中心点(以下、グリッド中心点とも記す)を通る垂線(EN平面に垂直な直線)とメッシュ地形データ400の交点をそのグリッド要素の高さ情報とする。このように、メッシュ地形データ400は、各グリッド中心点のE座標およびN座標と各グリッド中心点に対応する高さ情報(H座標)とによって構成されるグリッド地形データ410に変換される。なお、以下では、グリッド要素の高さ情報(H座標)をグリッド高さHgとも記す。
図2に示す作業条件取得部220は、入力装置140から作業条件データを取得し、記憶部250に保存する。作業条件データには、仮想の作業現場で作業する作業機械101の台数、作業機械101の初期位置および初期姿勢、作業機械101の種類、作業機械101の作業能力(仕様)を表す情報(データ)が含まれる。
出力制御部260は、初期地形データならびに作業機械101の初期位置および初期姿勢を可視化するための可視化データを生成し、出力装置130に出力する。出力制御部260は、演算サイクル毎に地形制御部240で計算された(生成された)グリッド地形データ410を可視化するための可視化データを生成し、出力装置130に出力する。出力制御部260は、グリッド地形データ410と共に、演算サイクル毎に動作指令取得部230で取得された動作指令(作業機械101の位置および姿勢)を可視化するための可視化データを生成し、出力装置130に出力する。
図4は、出力装置130の出力結果の一例について示す図である。出力装置130は、図4に示すように、入力された可視化データに基づいて、表示画面に仮想の作業現場の地形および仮想の作業現場で作業する仮想の作業機械101を表示させる。出力装置130は、データ処理装置120からの可視化データに基づいて、作業前の作業機械101および変形前の地形データ(初期地形データ)を表示画面に表示する。また、出力装置130は、データ処理装置120からの可視化データに基づいて、作業途中および作業後の作業機械101ならびに作業機械101の作業に伴い変化した地形データを表示画面に表示する。
図4に示すように、仮想の作業現場には、仮想の複数の作業機械101が存在する。作業機械101は、走行体および作業装置を備える作業車両である。複数の作業機械101には、掘削作業機械としての油圧ショベル101Aと、運搬作業機械としてのダンプトラック101Bとが含まれる。
図5は、油圧ショベル101Aの構成および油圧ショベル101Aにおける座標系(ショベル基準座標系)について示す図である。図6Aは油圧ショベル101Aの演算対象箇所について説明する図であり、図6Bはダンプトラック101Bの演算対象箇所について説明する図である。図5および図6Aに示すように、油圧ショベル101Aは、掘削作業、放土作業、積込作業、整地作業、および転圧作業が可能な作業機械である。図5に示すように、油圧ショベル101Aは、車体516と、車体516に取り付けられる多関節型のフロント作業装置(作業腕)511と、車体516に取り付けられるブレード作業装置519と、を備える。車体516は、走行体518と、走行体518上に旋回可能に設けられた旋回体517と、を備える。
フロント作業装置511は、旋回体517に取り付けられる。フロント作業装置511は、ブーム513、アーム514およびバケット515、ならびに、これらを駆動する油圧シリンダ(ブームシリンダ513a、アームシリンダ514aおよびバケットシリンダ515a)を有する。ブーム513は、その基端部が旋回体517の前部に、ブームピンを介して回動可能に連結される。アーム514は、その基端部がブーム513の先端部に、アームピンを介して回動可能に連結される。バケット515は、アーム514の先端部に、バケットピンを介して回動可能に連結される。ブームピン、アームピン、バケットピンは、互いに平行に配置され、油圧シリンダによって駆動される各被駆動部材(ブーム513、アーム514およびバケット515)は同一面内で相対回転可能とされている。
ブレード作業装置519は、走行体518に取り付けられる。ブレード作業装置519は、ブレード519aおよびブレード519aを上下に駆動する油圧シリンダ(不図示)を有する。旋回体517は、旋回モータ(不図示)によって走行体518に対して回動する(すなわち、旋回する)。走行体518は、左右の走行モータ(不図示)によって、左右のクローラが個別に駆動されることにより走行する。
図6Bに示すように、ダンプトラック101Bは、運搬作業および放土作業が可能な作業機械である。ダンプトラック101Bは、車体である走行体528と、走行体528に取り付けられる運搬作業装置521と、を備える。運搬作業装置521は、走行体528上に設けられ土が積み込まれるベッセル(荷台)525およびベッセル525を上下方向に回動(起伏動)させる油圧シリンダ(不図示)を有する。
油圧ショベル101Aは、フロント作業装置511を動作させることにより地盤を掘削する掘削作業を行う。掘削作業では、バケット515によって土が掘削され、掘削された土がバケット515によって保持される。掘削作業によってバケット515内に土が溜まると、油圧ショベル101Aは、旋回体517を旋回させ、バケット515をダンプトラック101Bのベッセル525上に配置させ、バケット515に保持されている土をベッセル525内に放出する積込作業を行う。積込作業では、バケット515によって保持されていた土が、ベッセル525に移動し、ベッセル525内の土の量が増加する。ベッセル525は、あらかじめ定められた保持容量だけ土を保持することができる。
油圧ショベル101Aは、バケット515によって保持された土を、所定の位置に放出することにより盛土を行う放土作業を行う。油圧ショベル101Aは、ブレード作業装置519の油圧シリンダによってブレード519aを接地させ、走行体518を走行させることにより、ブレード519aによって土を移動させて地面を平らに整える整地作業を行う。油圧ショベル101Aは、走行体518を走行させることにより、土を押圧する転圧作業(クローラ転圧作業)を行う。また、油圧ショベル101Aは、バケット515の背面によって土を押圧する転圧作業(バケット転圧作業)を行う。
ダンプトラック101Bは、走行体528を走行させることにより、ベッセル525に保持されている土を運搬する運搬作業を行う。ダンプトラック101Bは、ベッセル525を傾けることにより土を地面に放出する放土作業を行う。
図5を参照して、ショベル基準座標系について説明する。図5に示すショベル基準座標系は、油圧ショベル101Aの走行体518を基準としてx軸、y軸およびz軸が設定される直交座標系である。本実施形態では、油圧ショベル101Aの旋回中心軸と走行体518の底面とが交わる点が、ショベル基準座標系の原点Oとして設定される。ショベル基準座標系では、旋回中心軸がz軸として設定され、走行体518の前後方向(進行方向)に延びる軸がx軸として設定され、x軸およびz軸に直交する軸(走行モータの回転中心軸に平行な軸)がy軸として設定される。
現場座標系における油圧ショベル101Aの位置は、ショベル基準座標系の原点Oの現場座標系における位置座標(Es,Ns,Hs)によって表される。現場座標系における油圧ショベル101Aの走行体518の姿勢は、基準姿勢に対するx軸周りの傾斜角度であるロール角度Θroll、基準姿勢に対するy軸周りの傾斜角度であるピッチ角度Θpitch、および、基準姿勢に対するz軸周りの傾斜角度であるヨー角度Θyawによって表される。なお、旋回体517の姿勢は、油圧ショベル101Aの走行体518に対する旋回体517の回動角度(以下、旋回角度Θswと記す)で表される。
ショベル基準座標系における油圧ショベル101Aのフロント作業装置511の姿勢は、ブーム角度Θbm、アーム角度Θamおよびバケット角度Θbkによって表される。ブーム角度Θbmはxy平面に対するブーム513の傾斜角度であり、アーム角度Θamはブーム513に対するアーム514の傾斜角度であり、バケット角度Θbkはアーム514に対するバケット515の傾斜角度である。
油圧ショベル101Aの作業能力データには、油圧ショベル101Aのバケット515の容量(以下、バケット容量とも記す)Cbk、油圧ショベル101Aのショベル基準座標系、油圧ショベル101Aの寸法情報、および、油圧ショベル101Aの特定の位置あるいは特定の領域の計算に用いられる計算式、パラメータ等の計算データが含まれる。油圧ショベル101Aの寸法情報には、ショベル基準座標系における旋回体517とブーム513を連結するブームピンの座標、ブームピンからアームピンまでの長さLbm、アームピンからバケットピンまでの長さLam、バケットピンからバケット515の爪先等の先端部までの長さLbk、バケットの幅(以下、バケット幅とも記す)Wbkおよびブレードの幅(以下、ブレード幅とも記す)Wblが含まれる。油圧ショベル101Aの特定の位置の計算に用いられる計算データには、油圧ショベル101Aの地面と接触する領域の計算に用いられるフットプリント計算データ、ブレード519aの先端位置の計算に用いられるブレード先端計算データ、およびバケット515の先端位置の計算に用いられるバケット先端計算データが含まれる。
図6Aに示すように、油圧ショベル101Aのフットプリント計算データには、走行体518の接地部における左前端部、右前端部、左後端部および右後端部の4点(Fs1,Fs2,Fs3,Fs4)の位置を算出可能な変換パラメータが含まれる。バケット先端計算データには、ブームピンの位置、旋回体517の旋回角度およびフロント作業装置511の各関節角情報(ブーム角度Θbm、アーム角度Θamおよびバケット角度Θbk)およびバケット幅Wbkに基づいて、バケット515の爪先の左端部および右端部の2点(Bk1,Bk2)の位置を算出可能な計算式が含まれる。ブレード先端計算データには、ブレード519aの左前側の下端部および右前側の下端部の2点(Bl1,Bl2)の位置を算出可能な変換パラメータが含まれる。
図6Bに示すように、ダンプトラック101Bの作業能力データには、ベッセル525の容量(以下、ベッセル容量と記す)Cve、ダンプトラック101Bのトラック基準座標系、ダンプトラック101Bが存在する地面の占有領域を規定する走行体528の左前輪の接地部、右前輪の接地部、左後輪の接地部、および、右後輪の接地部の4点(Fd1,Fd2,Fd3,Fd4)の計算に用いるフットプリント計算データ、ベッセル525の開口部位置座標、すなわちベッセル525の上部開口部の四隅の4点(Be1,Be2,Be3,Be4)の計算に用いるベッセル計算データを有する。
ダンプトラック101Bのトラック基準座標系は、走行体528を基準としてx軸、y軸およびz軸が設定される直交座標系である。本実施形態では、走行体(車体)528の中心点を通り上下方向に延びる中心線と、タイヤが平地に接触する面(接地面)とが交わる点が、トラック基準座標系の原点Oとして設定される。トラック基準座標系では、ダンプトラック101Bの前後方向(進行方向)に延びる軸がx軸として設定され、走行体528の左右方向に延びる軸がy軸として設定され、x軸およびy軸に直交する軸(走行体528の上下方向に延びる軸)がz軸として設定される。
図2に示すように、油圧ショベル101Aの作業能力データ、および、ダンプトラック101Bの作業能力データは、入力装置140によってデータ処理装置120に入力される。例えば、ユーザは、キーボード等の入力装置140を操作することにより、テキストファイルに作業能力データを書き込み、このテキストファイルをデータ処理装置120に入力する。なお、入力装置140は、あらかじめ作業能力データの候補データが複数記憶された記憶装置であるデータベース(不図示)を備えていてもよい。この場合、タッチパネルモニタ、マウス等の入力装置140が操作されることにより、候補データの中から動作検証に用いる作業能力データが選択される。選択された作業能力データは、データベースからデータ処理装置120に入力される。
動作指令取得部230は、入力装置140から作業機械101の動作指令を取得し、記憶部250に記憶されている作業機械101の位置データおよび作業機械101の姿勢データを更新する。作業機械101の動作指令は、作業機械101の位置データおよび姿勢データ、ならびに作業内容データを含む。
油圧ショベル101Aの位置データには、現場座標系におけるショベル基準座標系の原点Oの位置座標(Es,Ns,Hs)が含まれる。油圧ショベル101Aの姿勢データには、走行体518の姿勢データ(ロール角度Θroll、ピッチ角度Θpitch、ヨー角度Θyaw)、フロント作業装置511の姿勢データ(ブーム角度Θbm、アーム角度Θam、バケット角度Θbk)、旋回体517の姿勢データ(旋回角度Θsw)、および、ブレード作業装置519の姿勢データ(ブレード519aの下端のz座標であるブレード位置zbl)が含まれる。
ダンプトラック101Bの位置データには、現場座標系におけるトラック基準座標系の原点Oの位置座標(Ed,Nd,Hd)が含まれる。ダンプトラック101Bの姿勢データには、走行体528の姿勢データ(ロール角度Θroll、ピッチ角度Θpitch、ヨー角度Θyaw)、および、運搬作業装置521の姿勢データ(ベッセル525の基準姿勢からの傾斜角度)が含まれる。
動作指令としての作業機械101の位置データおよび姿勢データは、絶対値としてもよいし、現在値から目標値までの差分値としてもよい。動作指令が絶対値である場合、動作指令取得部230は、取得した動作指令をそのまま記憶部250に記憶することにより、作業機械101の位置データおよび姿勢データを更新する。動作指令が現在値から目標値までの差分値である場合には、動作指令取得部230は、現在値に差分値を加算して目標値を計算し、計算した目標値を記憶部250に記憶することにより作業機械101の位置データおよび姿勢データを更新する。
作業内容データは、作業機械101の地形変化計算の方法を決定するための作業内容を表すデータである。油圧ショベル101Aの作業内容データには、掘削作業、放土作業、積込作業、整地作業、および、転圧作業を表すデータが含まれる。ダンプトラック101Bの作業内容データには、放土作業、および、転圧作業(運搬作業)を表すデータが含まれる。
油圧ショベル101Aの動作指令、および、ダンプトラック101Bの動作指令は、入力装置140によってデータ処理装置120に入力される。例えば、ユーザは、キーボード等の入力装置140を操作することにより、一連の動作を行わせるための動作指令を一行ずつテキストファイルに書き込み、このテキストファイルをデータ処理装置120に入力する。この場合、データ処理装置120は、テキストファイルから動作指令を一行ずつ読み込み、作業機械101の各部の位置(軌跡)を算出する。なお、入力装置140は、実際の作業機械の操作装置を模した模擬操作装置であってもよい。この場合、入力装置140は、模擬操作装置の操作部に対する操作量から動作指令を算出し、算出された動作指令をデータ処理装置120に入力する。
地形制御部240は、後述する動作検証用データの出力処理を開始する際に取得する作業機械101の初期位置および初期姿勢、ならびに、演算サイクル毎に取得する作業機械101の動作指令に基づいて、作業機械101の各部(例えば、作業装置511,519,521、走行体518,528)の軌跡を計算する。地形制御部240は、取得した作業内容データに応じて、地形変化計算方法を選択し、作業現場の地形の変化計算方法を行う。例えば、作業内容データが掘削作業あるいは整地作業を表すデータである場合、地形制御部240は、演算サイクル毎の作業機械101の作業装置511,519の軌跡と、作業現場の地形データとの干渉領域に基づいて、作業現場の地形データの変化を計算する。また、作業内容データが放土作業を表すデータである場合、地形制御部240は、演算サイクル毎の作業機械101の位置および姿勢ならびに作業現場の地形データに基づいて、作業現場の地形データの変化を計算する。地形データの変化の計算方法の詳細については後述する。
記憶部250は、現況地形データ取得部210が取得した現況地形データ、作業条件取得部220が取得した作業条件データ、動作指令取得部230が取得した動作指令、地形制御部240が生成した地形データ、および、後述する各作業機械101が保持する土の量を記憶し、各部の要求に応じて記憶したデータを要求元へ出力する。
[動作検証フロー]
図7を参照して、データ処理装置120により実行される動作検証用データの出力処理の一例について説明する。図7に示すフローチャートの処理は、入力装置140から動作検証開始指令がデータ処理装置120に入力されることにより開始される。
<ステップS310>
図7に示すように、ステップS310において、データ処理装置120は、入力装置140から現況地形データを取得し、取得した現況地形データを初期地形データとして記憶部250に記憶する。ステップS310において、取得した現況地形データがメッシュデータである場合、データ処理装置120は、取得したメッシュデータをグリッドデータへ変換し、変換したグリッドデータを初期地形データとして記憶部250に記憶する。なお、記憶部250に複数の現況地形データ(グリッド地形データ410)が既に格納されている場合には、ステップS310において、データ処理装置120は、入力装置140により選択された現況地形データ(グリッド地形データ410)を取得し、取得した現況地形データを初期地形データとして記憶部250に記憶する。データ処理装置120は、現況地形データ取得処理(ステップS310)を完了すると、ステップS320へ進む。
<ステップS320>
ステップS320において、データ処理装置120は、入力装置140から作業条件データを取得し、取得した作業条件データを記憶部250に記憶してステップS330へ進む。
<ステップS330>
ステップS330において、データ処理装置120は、入力装置140から動作指令を取得し、記憶部250に保存されている作業機械101の位置データおよび姿勢データを現在の状態から更新して、ステップS340へ進む。
<ステップS340>
ステップS340において、データ処理装置120は、ステップS330で取得した動作指令に基づいて、地形変化計算を行い、その計算結果を記憶部250に保存する。なお、地形変化計算処理では、仮想の作業現場内に配置されたすべての作業機械101の作業による地形データの変化を計算する。
<ステップS350>
ステップS350において、データ処理装置120は、ステップS340での計算結果およびステップS330で更新された作業機械101の位置データおよび姿勢データに基づいて可視化データを生成し、生成した可視化データを出力装置130に出力し、ステップS360へ進む。
<ステップS360>
ステップS360において、データ処理装置120は、動作検証の終了条件が成立しているか否かを判定する。データ処理装置120は、動作検証の終了条件が成立していると判定すると図7のフローチャートに示す処理を終了し、動作検証の終了条件が成立していないと判定するとステップS330へ戻る。動作検証の終了条件は、入力装置140から終了指令が入力された場合に成立し、入力装置140から終了指令が入力されていない場合には成立しない。
動作検証の終了条件が成立しない場合、ステップS330~ステップS360までの一連の処理が、所定の演算サイクル(演算ステップとも記す)毎に繰り返し実行される。データ処理装置120は、演算サイクル毎に、動作指令、地形データ、および、各作業機械101が保持する土の量に基づいて可視化データを生成し、生成した可視化データを出力装置130に出力する。このため、出力装置130の表示画面には、作業現場の様子の時間的な変化(演算サイクル毎の作業現場の様子)が表示される。
[地形変化計算処理]
図8を参照して、地形制御部240として機能するデータ処理装置120により実行される地形変化計算処理(図7のステップS340)の一例について説明する。データ処理装置120は、動作指令を取得すると(図7のステップS330)、地形変化計算処理(図7のステップS340)を実行する。
<ステップS810>
地形変化計算処理(図7のステップS340)が開始されると、ステップS810において、データ処理装置120は、ステップS330(図7参照)で取得した動作指令に作業内容データが含まれているか否かを判定する。データ処理装置120は、動作指令に作業内容データが含まれていると判定するとステップS815へ進み、動作指令に作業内容データが含まれていないと判定すると図8のフローチャートに示す処理を終了して、ステップS350(図7参照)へ進む。
<ステップS815>
ステップS815において、データ処理装置120は、ステップS330(図7参照)で取得した動作指令に含まれる作業内容データが掘削作業を表すデータであるか否かを判定する。データ処理装置120は、取得した作業内容データが掘削作業を表すデータであると判定するとステップS820へ進み、取得した作業内容データが掘削作業を表すデータでないと判定するとステップS825へ進む。
<ステップS820>
ステップS820において、データ処理装置120は、掘削作業処理を実行し、図8のフローチャートに示す処理を終了して、ステップS350(図7参照)へ進む。掘削作業処理の詳細については後述する。
<ステップS825>
ステップS825において、データ処理装置120は、ステップS330(図7参照)で取得した動作指令に含まれる作業内容データが放土作業を表すデータであるか否かを判定する。データ処理装置120は、取得した作業内容データが放土作業を表すデータであると判定するとステップS830へ進み、取得した作業内容データが放土作業を表すデータでないと判定するとステップS835へ進む。
<ステップS830>
ステップS830において、データ処理装置120は、放土作業処理を実行し、図8のフローチャートに示す処理を終了して、ステップS350(図7参照)へ進む。放土作業処理の詳細については後述する。
<ステップS835>
ステップS835において、データ処理装置120は、ステップS330(図7参照)で取得した動作指令に含まれる作業内容データが積込作業を表すデータであるか否かを判定する。データ処理装置120は、取得した作業内容データが積込作業を表すデータであると判定するとステップS840へ進み、取得した作業内容データが積込作業を表すデータでないと判定するとステップS845へ進む。
<ステップS840>
ステップS840において、データ処理装置120は、積込作業処理を実行し、図8のフローチャートに示す処理を終了して、ステップS350(図7参照)へ進む。積込作業処理の詳細については後述する。
<ステップS845>
ステップS845において、データ処理装置120は、ステップS330(図7参照)で取得した動作指令に含まれる作業内容データが整地作業を表すデータであるか否かを判定する。データ処理装置120は、取得した作業内容データが整地作業を表すデータであると判定するとステップS850へ進み、取得した作業内容データが整地作業を表すデータでないと判定するとステップS860へ進む。
<ステップS850>
ステップS850において、データ処理装置120は、整地作業処理を実行し、図8のフローチャートに示す処理を終了して、ステップS350(図7参照)へ進む。整地作業処理の詳細については後述する。ステップS860において、データ処理装置120は、転圧作業処理を実行し、図8のフローチャートに示す処理を終了して、ステップS350(図7参照)へ進む。転圧作業処理の詳細については後述する。
[掘削作業処理]
図9および図10を参照して、データ処理装置120により実行される掘削作業処理(図8のステップS820)の一例について説明する。図9は、データ処理装置120により実行される掘削作業処理の一例について示すフローチャートであり、図10は、掘削作業処理の内容について示す図である。図10では、グリッド地形データ410のEN平面(基準面)および地表面(基準面からの高さ情報により規定される面)を模式的に示している。
掘削作業とは、油圧ショベル101Aが作業装置511を動作して作業現場の地盤(土)を掘削する作業である。掘削された土は、バケット515内に保持される。データ処理装置120は、取得した作業内容データが掘削作業を表すデータである場合、バケット515の軌跡と作業現場のグリッド地形データ410との干渉領域に基づいて作業現場のグリッド地形データ410の変化を計算し、グリッド地形データ410の変化に基づいてバケット515内の土の量(以下、バケット内土量とも記す)Vbkを計算する。以下、掘削作業処理の一連の処理について詳しく説明する。
<S1010>
掘削作業処理(図8のステップS820)が開始されると、ステップS1010において、データ処理装置120は、ステップS320(図7参照)で取得した作業条件データおよびステップS330(図7参照)で取得した動作指令に基づいて、現場座標系におけるバケット先端位置座標(点Bk1,Bk2の座標)を算出する。データ処理装置120は、作業条件データに含まれるバケット先端計算データと、動作指令に含まれる油圧ショベル101Aの位置データおよび姿勢データに基づいて、油圧ショベル101Aのバケット先端位置座標(点Bk1,Bk2の座標)を算出する。データ処理装置120は、バケット先端位置座標の算出処理(ステップS1010)を完了すると、ステップS1020へ進む。
<S1020>
ステップS1020において、データ処理装置120は、本演算サイクルよりも前の演算サイクルのステップS1010で算出されたバケット先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されているか否かを判定する。なお、本演算サイクルよりも前の演算サイクルのステップS1010で算出されたバケット先端位置座標(前回値)は、ステップS1080において記憶部250に記憶される。データ処理装置120は、バケット先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されていると判定するとステップS1030へ進み、バケット先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されていないと判定するとステップS1080へ進む。
動作検証用データの出力処理が開始されてから初めてステップS1020が実行された場合、バケット先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されていない。このため、データ処理装置120は、ステップS1020において否定判定を行い、ステップS1080へ進む。バケット先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されていない場合、記憶部250におけるバケット先端位置座標の保存領域に、例えば、0(ゼロ)またはNULL値が記憶されている。
<S1030>
ステップS1030において、データ処理装置120は、本演算サイクルのステップS1010で算出されたバケット先端位置座標(今回値)に基づいて、現場座標系のEN平面からのH軸方向のバケット515の高さ(以下、バケット高さと記す)Hbkを算出する。データ処理装置120は、算出したバケット高さHbkとグリッド高さHgとを比較し、バケット高さHbkがグリッド高さHg未満であるか否かを判定する。
なお、本実施形態では、バケット高さHbkは、図10に示すように、EN平面からバケット515の代表点Pbkまでの高さである。すなわち、バケット高さHbkは、バケット515の代表点PbkのH座標に相当する。バケット515の代表点Pbkは、点Bk1と点Bk2とを結ぶ直線の中点、すなわちバケット先端部の中心点である。また、バケット高さHbkと比較されるグリッド高さHgは、バケット515の代表点Pbkと同じE座標およびN座標に存在するグリッド要素のH座標に相当する。
図9に示すように、ステップS1030において、データ処理装置120は、バケット高さHbkがグリッド高さHg未満である場合、バケット515が地形データに干渉すると判定してステップS1040へ進む。ステップS1030において、データ処理装置120は、バケット高さHbkがグリッド高さHg以上である場合、バケット515が地形データに干渉しないと判定してステップS1080へ進む。このように、ステップS1030の処理は、バケット515がグリッド地形データ410に干渉するか否かを判定する干渉判定処理である。
<S1040>
ステップS1040において、データ処理装置120は、バケット残量Rbkがあるか否か(すなわちバケット515内に土が存在しているか否か)を判定する。バケット残量Rbkは、記憶部250に記憶されているバケット容量Cbkと、記憶部250に記憶されているバケット内土量Vbkとの差分値(Rbk=Cbk-Vbk)に相当する。バケット容量Cbkは、ステップS320(図7参照)で取得される油圧ショベル101Aの作業条件データに含まれている。バケット内土量Vbkは、本演算サイクルよりも前の掘削作業処理における土量更新処理(ステップS1070)で算出され、記憶部250に記憶される。
ステップS1040において、データ処理装置120は、バケット残量Rbkが0(ゼロ)よりも大きい場合、バケット残量Rbkがあると判定し、ステップS1050へ進む。ステップS1040において、データ処理装置120は、バケット残量Rbkが0(ゼロ)以下の場合、バケット残量Rbkがないと判定し、ステップS1080へ進む。
<S1050>
ステップS1050において、データ処理装置120は、掘削領域910を作成する掘削領域作成処理を実行する。データ処理装置120は、図10に示すように、バケット先端位置座標の前回値(点Bk10,Bk20)と今回値(点Bk11,Bk21)の4つの位置を頂点とする矩形状のバケット先端軌跡を掘削領域910として算出する。掘削領域910は、バケット先端軌跡と地形データとの干渉領域である。図9に示すように、データ処理装置120は、掘削領域作成処理(ステップS1050)を完了すると、ステップS1060へ進む。
<S1060>
ステップS1060において、データ処理装置120は、掘削領域910内の地形データを更新する地形データ更新処理を実行する。データ処理装置120は、ステップS1050にて算出された掘削領域910に含まれる各グリッド要素の中心軸上において、グリッド高さHgとバケット高さHbkとを比較する。グリッド要素の中心軸上のバケット高さHbkとは、グリッド要素の中心軸と掘削領域910との交点のH座標に相当する。
図10に示すように、データ処理装置120は、掘削領域910内の各グリッド要素において、バケット高さHbkよりも大きい値のグリッド高さHgをバケット高さHbkに更新(変更)する。これにより、掘削作業によって変形した後の地形データが生成され、変形後の地形データが最新の地形データとして記憶部250に記憶され、地形データ更新処理が完了する。図9に示すように、データ処理装置120は、地形データ更新処理(ステップS1060)を完了すると、ステップS1070へ進む。
<ステップS1070>
ステップS1070において、データ処理装置120は、記憶部250に記憶されているバケット内土量Vbkを更新する土量更新処理を実行する。データ処理装置120は、ステップS1060にて算出された掘削領域910内の変形後の地形データと、ステップ1060が実行される前(すなわち変形前)の地形データとを比較し、その差分値に基づいて、掘削作業により掘削された掘削量Aeを算出する。データ処理装置120は、算出された掘削量Aeをバケット内土量Vbkに加算し、その演算結果を新たなバケット内土量Vbkとして記憶部250に記憶する。なお、掘削量Aeは、例えば、グリッド要素のE軸方向の幅×グリッド要素のN軸方向の幅×グリッド高さHgの地形変形前後の差分値を、掘削領域910内の各グリッド要素に対して演算し、それらすべてを積算することにより得られる。データ処理装置120は、土量更新処理(ステップS1070)を完了すると、ステップS1080へ進む。
<ステップS1080>
ステップS1080において、データ処理装置120は、記憶部250に記憶されているバケット先端位置座標(前回値)をステップS1010で算出されたバケット先端位置座標(今回値)に書き換えるバケット先端位置更新処理を実行し、図9のフローチャートに示す処理(掘削作業処理)を終了する。
以上のように、掘削作業処理において、データ処理装置120は、バケット先端軌跡とグリッド地形データ410の干渉領域(掘削領域910)内のグリッド高さHgをバケット高さHbkに更新することでグリッド地形データ410を変化させる。さらに、データ処理装置120は、地形変化前後の掘削領域910内のグリッド高さHgに基づいて掘削量Aeを算出し、算出した掘削量Aeをバケット内土量Vbkに加算し、その演算結果を新たなバケット内土量Vbkとして記憶部250に記憶する。なお、データ処理装置120は、バケット残量Rbkが無い場合には、地形データ更新処理(ステップS1060)およびバケット内の土量更新処理(ステップS1070)を行わない。
[放土作業処理]
図11および図12を参照して、データ処理装置120により実行される放土作業処理(図8のステップS830)の一例について説明する。図11は、データ処理装置120により実行される放土作業処理の一例について示すフローチャートであり、図12は、放土作業処理の内容について示す図である。
放土作業とは、油圧ショベル101Aのバケット515内の土を作業現場へ放出する作業、すなわちバケット515内の土を地面上に移動させる作業である。データ処理装置120は、取得した油圧ショベル101Aの作業内容データが放土作業を表すデータである場合、バケット515が放土高さに位置しているか否かを判定する。データ処理装置120は、バケット515が放土高さに位置していると判定されると、バケット515の位置およびバケット515内の土の量(バケット内土量Vbk)に基づいて、作業現場のグリッド地形データ410の変化を計算する。以下、放土作業処理の一連の処理について詳しく説明する。なお、本実施形態では、バケット515からグリッド地形データ410の地表面上に放出された土の形状が、円錐形状に模擬される。
<ステップS1210>
放土作業処理(図8のステップS830)が開始されると、ステップS1210において、データ処理装置120は、ステップS320(図7参照)で取得した作業条件データおよびステップS330(図7参照)で取得した動作指令に基づいて、現場座標系におけるバケット先端位置座標(点Bk1,Bk2の座標)を算出する。データ処理装置120は、作業条件データに含まれるバケット先端計算データと、動作指令に含まれる油圧ショベル101Aの位置データおよび姿勢データに基づいて、油圧ショベル101Aのバケット先端位置座標(点Bk1,Bk2の座標)を算出する。データ処理装置120は、バケット先端位置座標の算出処理(ステップS1210)を完了すると、ステップS1220へ進む。
<ステップS1220>
ステップS1220において、データ処理装置120は、放土円錐高さHsoilを算出し、ステップS1230へ進む。放土円錐とは、バケット515からグリッド地形データ410の地表面上に放出された(落とされた)土の高さを算出するために設定される仮想の円錐のことを指し、この円錐の高さを放土円錐高さHsoilとし、この円錐の底面の半径を放土円錐半径Rsoilとする。放土円錐高さHsoilは、バケット内土量Vbkおよび放土円錐半径Rsoilを用いて、以下の式(1)により算出される。
Figure 2022074843000002
<ステップS1230>
ステップS1230において、データ処理装置120は、バケット515が放土を行うのに十分な高さ(以下、放土高さ)に位置しているか否かを判定する。データ処理装置120は、バケット高さHbkと放土高さ下限値Hdminとを比較し、バケット高さHbkが放土高さ下限値Hdminよりも大きい場合、バケット515が放土高さに位置していると判定し、ステップS1240へ進む。データ処理装置120は、バケット高さHbkが放土高さ下限値Hdmin以下である場合、バケット515は放土高さに位置していないと判定し、図11のフローチャートに示す処理を終了する。
図12に示すように、放土高さ下限値Hdminは、バケット515の代表点Pbkを通るH軸に平行な直線と交差するグリッド要素のグリッド高さHgに、ステップS1220で算出した放土円錐高さHsoilを加算した値(Hdmin=Hg+Hsoil)であり、ステップS1230においてデータ処理装置120により算出される。
<ステップS1240>
図11に示すように、ステップS1240において、データ処理装置120は、放土領域920を作成する放土領域作成処理を実行する。データ処理装置120は、図12に示すように、バケット515の代表点Pbkを中心とした半径Rsoilの円形領域を放土領域920として算出する。図11に示すように、データ処理装置120は、放土領域作成処理(ステップS1240)を完了すると、ステップS1250へ進む。
<ステップS1250>
ステップS1250において、データ処理装置120は、放土領域920内の地形データを更新する地形データ更新処理を実行し、図11のフローチャートに示す処理(放土作業処理)を終了する。データ処理装置120は、ステップS1240にて算出された放土領域920に含まれる各グリッド要素のグリッド高さHgを更新する。データ処理装置120は、記憶部250に記憶されている放土領域920に含まれるグリッド要素G(i)のグリッド高さHgを、放土後のグリッド高さHdrop(i)に書き換える。放土後のグリッド高さHdrop(i)は、ステップS1240で算出された放土領域920に含まれるグリッド要素G(i)の中心位置のE座標Ei、N座標Ni、および、グリッド要素G(i)のグリッド高さHg=H(i)、ステップS1220で算出された放土円錐高さHsoil、ならびに、放土円錐半径Rsoilを用いて、以下の式(2)により算出される。
Figure 2022074843000003
以上のように、放土作業処理において、データ処理装置120は、放土形状を円錐と仮定し、バケット515の代表点Pbkの位置を中心とした半径Rsoilの放土領域920を作成する。データ処理装置120は、バケット内土量Vbkに応じて放土領域920内のグリッド地形データ410のグリッド高さHgを更新することでグリッド地形データ410を変化させる。放土領域920の半径Rsoilは、バケット515に大きさに応じてあらかじめ設定されている。放土領域920の半径Rsoilは、例えば、バケット幅Wbkの2倍に設定される。なお、本実施形態では、放土形状が円錐形状である例について説明したが、放土形状は、例えば、放物形状としてもよいし、直方体形状としてもよい。
[積込作業処理]
図13および図14を参照して、データ処理装置120により実行される積込作業処理(図8のステップS840)の一例について説明する。図13は、データ処理装置120により実行される積込作業処理の一例について示すフローチャートであり、図14は、積込作業処理の内容について示す図である。
積込作業とは、掘削作業機械である油圧ショベル101Aが保持している土を運搬作業機械であるダンプトラック101Bへ移動させる作業である。データ処理装置120は、取得した油圧ショベル101Aの作業内容データが積込作業を表すデータである場合、バケット515がダンプトラック101Bのベッセル525の上方に位置しているか否かを判定する。データ処理装置120は、バケット515がベッセル525の上方に位置していると判定されると、バケット515内の土の量(バケット内土量)Vbkに基づいて、ベッセル525内の土の量(ベッセル内土量)Vveを計算する。以下、積込作業処理の一連の処理について詳しく説明する。
<ステップS1410>
積込作業処理(図8のステップS840)が開始されると、ステップS1410において、データ処理装置120は、ステップS320(図7参照)で取得した作業条件データおよびステップS330(図7参照)で取得した動作指令に基づいて、バケット先端位置座標(点Bk1,Bk2の座標)、および、ベッセル525の開口部位置座標(点Be1,Be2,Be3,Be4)を算出する。データ処理装置120は、作業条件データに含まれるバケット先端計算データと、動作指令に含まれる油圧ショベル101Aの位置データおよび姿勢データに基づいて、油圧ショベル101Aのバケット先端位置座標(点Bk1,Bk2の座標)を算出する。データ処理装置120は、作業条件データに含まれるベッセル計算データと、動作指令に含まれるダンプトラック101Bの位置データおよび姿勢データに基づいて、ダンプトラック101Bのベッセル525の開口部位置座標(点Be1,Be2,Be3,Be4の座標)を算出する。データ処理装置120は、バケット先端位置座標およびベッセル525の開口部位置座標の算出処理(ステップS1410)を完了すると、ステップS1420へ進む。
<ステップS1420>
ステップS1420において、データ処理装置120は、バケット515が、ベッセル525の上方に位置しているか否かを判定する。図14に示すように、データ処理装置120は、バケット515の代表点Pbkが、ベッセル開口領域585の内側に位置しているか否かを判定する。ベッセル開口領域585は、開口部位置座標(点Be1,Be2,Be3,Be4の座標)で規定される矩形状の平面領域である。また、データ処理装置120は、バケット高さHbkがベッセル高さHveよりも大きいか否かを判定する。ベッセル高さHveは、例えば、ベッセル開口領域585の中心点のH座標としてもよいし、バケット515の代表点Pbkを通るH軸に平行な直線と矩形平面状のベッセル開口領域585との交点のH座標としてもよい。
図13に示すように、データ処理装置120は、バケット高さHbkがベッセル高さHveよりも大きく、かつ、バケット515の代表点Pbkがベッセル開口領域585の内側に位置している場合、バケット515がベッセル525の上方に位置していると判定し、ステップS1430へ進む。データ処理装置120は、バケット高さHbkがベッセル高さHve以下である場合、あるいは、バケット515の代表点Pbkがベッセル開口領域585の内側に位置していない場合、バケット515はベッセル525の上方に位置していないと判定し、図13のフローチャートに示す処理(積込作業処理)を終了する。
<ステップS1430>
ステップS1430において、データ処理装置120は、ベッセル残容量Rveがバケット内土量Vbk以上であるか否かを判定する。記憶部250に記憶されているベッセル残容量Rveは、ベッセル容量Cveと、記憶部250に記憶されているベッセル内土量Vveとの差分値(Rve=Cve-Vve)に相当する。ベッセル容量Cveは、ステップS320(図7参照)で取得されるダンプトラック101Bの作業条件データに含まれている。ベッセル内土量Vveは、本演算サイクルより前の積込作業処理における土量更新処理(ステップS1440)で算出され、記憶部250に記憶される。
ステップS1430において、ベッセル残容量Rveがバケット内土量Vbk以上であると判定されるとステップS1440に進み、ベッセル残容量Rveがバケット内土量Vbk未満であると判定されると、図13のフローチャートに示す処理(積込作業処理)を終了する。
<ステップS1440>
ステップS1440において、データ処理装置120は、記憶部250に記憶されているバケット内土量Vbkおよびベッセル内土量Vveを更新する土量更新処理を実行する。データ処理装置120は、バケット内土量Vbkをベッセル内土量Vveに加算し、その演算結果を新たなベッセル内土量Vveとして記憶部250に記憶する。また、データ処理装置120は、バケット内土量Vbkを0(ゼロ)として記憶部250に記憶する。土量更新処理(ステップS1440)が終了すると、図13のフローチャートに示す処理(積込作業処理)が終了する。
以上のように、積込作業処理において、データ処理装置120は、油圧ショベル101Aのバケット515の真下にダンプトラック101Bのベッセル開口領域585が存在するときに、バケット内土量Vbkをダンプトラック101Bのベッセル内土量Vveに加算する。
[整地作業処理]
図15および図16を参照して、データ処理装置120により実行される整地作業処理(図8のステップS850)の一例について説明する。図15は、データ処理装置120により実行される整地作業処理の一例について示すフローチャートであり、図16は、整地作業処理の内容について示す図である。
整地作業とは、油圧ショベル101Aが走行することにより、ブレード519aによって土を移動させる作業である。データ処理装置120は、取得した油圧ショベル101Aの作業内容が整地作業を表すデータである場合、ブレード519aの軌跡と作業現場のグリッド地形データ410との干渉領域に基づいて干渉領域内の作業現場のグリッド地形データ410の変化を計算する。データ処理装置120は、干渉領域内の地形データの変化に基づいてブレード519aによって移動した土の量を計算し、ブレード519aによって移動した土の量に基づいて走行体518の進行方向の地形データの変化を計算する。以下、整地作業処理の一連の処理について詳しく説明する。
<ステップS1600>
ステップS1600において、データ処理装置120は、ステップS320(図7参照)で取得した作業条件データおよびステップS330(図7参照)で取得した動作指令に基づいて、現場座標系におけるブレード先端位置座標(点Bl1,Bl2の座標)を算出する。データ処理装置120は、作業条件データに含まれるブレード先端計算データと、動作指令に含まれる油圧ショベル101Aの位置データおよび姿勢データに基づいて、油圧ショベル101Aのブレード先端位置座標(点Bl1,Bl2の座標)を算出する。データ処理装置120は、ブレード先端位置座標の算出処理(ステップS1600)を完了すると、ステップS1610へ進む。
<S1610>
ステップS1610において、データ処理装置120は、本演算サイクルよりも前の演算サイクルのステップS1600で算出されたブレード先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されているか否かを判定する。なお、本演算サイクルよりも前の演算サイクルのステップS1600で算出されたブレード先端位置座標(前回値)は、ステップS1690において記憶部250に記憶される。データ処理装置120は、ブレード先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されていると判定するとステップS1620へ進み、ブレード先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されていないと判定するとステップS1690へ進む。
動作検証用データの出力処理が開始されてから初めてステップS1610が実行された場合、ブレード先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されていない。このため、データ処理装置120は、ステップS1610において否定判定を行い、ステップS1690へ進む。ブレード先端位置座標(前回値)が記憶部250に記憶されていない場合、記憶部250におけるブレード先端位置座標の保存領域に、例えば、0(ゼロ)またはNULL値が記憶されている。
<S1620>
ステップS1620において、データ処理装置120は、本演算サイクルのステップS1600で算出されたブレード先端位置座標(今回値)に基づいて、現場座標系のEN平面からのH軸方向のブレード519aの高さ(以下、ブレード高さと記す)Hblを算出する。ブレード高さHblは、ブレード先端位置のH座標に相当する。データ処理装置120は、算出したブレード高さHblとグリッド高さHgとを比較し、ブレード高さHblがグリッド高さHg未満であるか否かを判定する。
なお、本実施形態では、ブレード高さHblは、図16に示すように、EN平面からブレード519aの代表点Pblまでの高さである。すなわち、ブレード高さHblは、ブレード519aの代表点PblのH座標に相当する。ブレード519aの代表点Pblは、点Bl1と点Bl2とを結ぶ直線の中点、すなわちブレード先端部の中心点である。また、ブレード高さHblと比較されるグリッド高さHgは、ブレード519aの代表点Pblと同じE座標およびN座標に存在するグリッド要素のH座標に相当する。
図15に示すように、ステップS1620において、データ処理装置120は、ブレード高さHblがグリッド高さHg未満である場合、ブレード519aが地形データに干渉すると判定してステップS1630へ進む。ステップS1620において、データ処理装置120は、ブレード高さHblがグリッド高さHg以上である場合、ブレード519aが地形データに干渉しないと判定してステップS1690へ進む。このように、ステップS1620の処理は、ブレード519aがグリッド地形データ410に干渉するか否かを判定する干渉判定処理である。
<S1630>
ステップS1630において、データ処理装置120は、整地領域940を作成する整地領域作成処理を実行する。データ処理装置120は、図16に示すように、ブレード先端位置座標の前回値(点Bl10,Bl20)と今回値(点Bl11,Bl21)の4つの位置を頂点とする矩形状のブレード先端軌跡を整地領域940として算出する。整地領域940は、ブレード先端軌跡と地形データとの干渉領域である。図15に示すように、データ処理装置120は、整地領域作成処理(ステップS1630)を完了すると、ステップS1640へ進む。
<S1640>
ステップS1640において、データ処理装置120は、整地領域940内のグリッド地形データ410を更新する地形データ更新処理を実行する。データ処理装置120は、ステップS1630にて算出された整地領域940に含まれる各グリッド要素の中心軸上において、グリッド高さHgとブレード高さHblとを比較する。グリッド要素の中心軸上のブレード高さHblとは、グリッド要素の中心軸と整地領域940との交点のH座標に相当する。
図16に示すように、データ処理装置120は、整地領域940内の各グリッド要素において、ブレード高さHblよりも大きい値のグリッド高さHgをブレード高さHblに更新(変更)する。これにより、整地領域940において、整地作業によって変形した後の地形データが生成され、変形後の地形データが最新の地形データとして記憶部250に記憶され、地形データ更新処理が完了する。図15に示すように、データ処理装置120は、地形データ更新処理(ステップS1640)を完了すると、ステップS1650へ進む。
<ステップS1650>
ステップS1650において、データ処理装置120は、整地土量を計算する整地土量計算処理を実行する。データ処理装置120は、ステップS1640にて算出された整地領域940内の変形後の地形データと、ステップ1640が実行される前(すなわち変形前)の地形データとを比較し、その差分値に基づいて、整地作業により移動した土の量である整地土量Alを算出する。なお、整地土量Alは、例えば、グリッド要素のE軸方向の幅×グリッド要素のN軸方向の幅×グリッド高さHgの地形変形前後の差分値を、整地領域940内の各グリッド要素に対して演算し、それらすべてを積算することにより得られる。データ処理装置120は、整地土量計算処理(ステップS1650)を完了すると、ステップS1660へ進む。
<ステップS1660>
ステップS1660において、データ処理装置120は、放土領域950を作成する放土領域作成処理を実行する。データ処理装置120は、図16に示すように、ステップS1630にて作成された整地領域940と同じ幅(すなわちブレード幅Wbl)および同じ長さDblの放土領域950を作成する。放土領域950は、ブレード519aの先端を起点として、長さDblだけ走行体518の進行方向(前進方向)に延在するように設定される。図15に示すように、データ処理装置120は、放土領域作成処理(ステップS1660)を完了すると、ステップS1670へ進む。
<ステップS1670>
ステップS1670において、データ処理装置120は、整地作業により放土領域950に放土される土の高さである放土高さHlvを算出する。データ処理装置120は、ステップS1650で算出された整地土量Alを、ステップS1660で作成された放土領域950の面積で割ることにより、放土高さHlvを算出し、ステップS1680へ進む。
<ステップS1680>
ステップS1680において、データ処理装置120は、放土領域950内のグリッド地形データ410を更新する地形データ更新処理を実行する。図16に示すように、データ処理装置120は、ステップS1660にて作成された放土領域950に含まれるすべてのグリッド要素のグリッド高さHgにステップS1670で算出した放土高さHlvを加算する。
これにより、放土領域950において、整地作業によって変形した後の地形データが生成され、変形後の地形データが最新の地形データとして記憶部250に記憶され、地形データ更新処理が完了する。図15に示すように、データ処理装置120は、地形データ更新処理(ステップS1680)を完了すると、ステップS1690へ進む。
<ステップS1690>
ステップS1690において、データ処理装置120は、記憶部250に記憶されているブレード先端位置座標(前回値)をステップS1600で算出されたブレード先端位置座標(今回値)に書き換えるブレード先端位置更新処理を実行し、図15のフローチャートに示す処理(整地作業処理)を終了する。
以上のように、整地作業処理において、データ処理装置120は、ブレード先端軌跡とグリッド地形データ410の干渉領域(整地領域940)内のグリッド高さHgをブレードHblに更新することでグリッド地形データ410を変化させる。データ処理装置120は、地形変化前後の整地領域940内のグリッド高さHgに基づいて、整地作業により移動した土の量である整地土量Alを算出する。データ処理装置120は、走行体518の進行方向に整地領域940と同形状の放土領域950を作成し、整地土量Alと放土領域950の面積から算出される放土高さHlvを放土領域950に加算することで、放土領域950におけるグリッド地形データ410を変化させる。
[転圧作業処理]
図17および図18を参照して、データ処理装置120により実行される転圧作業処理(図8のステップS860)の一例について説明する。図17は、データ処理装置120により実行される転圧作業処理の一例について示すフローチャートであり、図18は、転圧作業処理の内容について示す図である。
転圧作業とは、油圧ショベル101Aが走行することにより、油圧ショベル101Aの自重により走行面を押圧する作業である。データ処理装置120は、取得した作業内容データが転圧作業を表すデータである場合、走行体518の軌跡に基づいて作業現場のグリッド地形データ410の変化を計算する。以下、転圧作業処理の一連の処理について詳しく説明する。
<ステップS1810>
ステップS1810において、データ処理装置120は、ステップS320(図7参照)で取得した作業条件データおよびステップS330(図7参照)で取得した動作指令に基づいて、現場座標系における走行体位置座標(点Fs1,Fs2,Fs3,Fs4の座標)を算出する。データ処理装置120は、作業条件データに含まれる油圧ショベル101Aのフットプリント計算データと、動作指令に含まれる油圧ショベル101Aの位置データおよび姿勢データに基づいて、油圧ショベル101Aの走行体位置座標(点Fs1,Fs2,Fs3,Fs4)を算出する。データ処理装置120は、走行体位置座標の算出処理(ステップS1810)を完了すると、ステップS1820へ進む。
<ステップS1820>
ステップS1820において、データ処理装置120は、走行体518が移動したか否かを判定する。データ処理装置120は、本演算サイクルよりも前の演算サイクルのステップS1810で算出された走行体位置座標(前回値)と本演算サイクルのステップS1810で算出された走行体位置座標(今回値)とが異なる値であるか否かを判定する。なお、本演算サイクルよりも前の演算サイクルのステップS1810で算出された走行体位置座標(前回値)は、ステップS1850において記憶部250に記憶される。
ステップS1820において、走行体位置座標の前回値と今回値とが異なる値である場合、データ処理装置120は、走行体518が移動したと判定してステップS1830へ進む。ステップS1820において、走行体位置座標の前回値と今回値とが同じ値である場合、データ処理装置120は、走行体518は移動していないと判定してステップS1850へ進む。
<ステップS1830>
ステップS1830において、データ処理装置120は、フットプリント領域930を作成するフットプリント領域作成処理を実行する。データ処理装置120は、図18に示すように、走行体位置座標の前回値(点Fs30,Fs40)と今回値(点Fs31,Fs41)の4つの位置を頂点とする矩形状の走行体後端軌跡をフットプリント領域930として算出する。図17に示すように、データ処理装置120は、フットプリント領域作成処理(ステップS1830)を完了すると、ステップS1840へ進む。
<ステップS1840>
ステップS1840において、データ処理装置120は、フットプリント領域930内のグリッド地形データ410を更新する地形データ更新処理を実行する。データ処理装置120は、ステップS1830にて算出されたフットプリント領域930に含まれる各グリッド要素のグリッド高さHgを、作業条件データに含まれる沈み値Hcp分だけ低くする。これにより、フットプリント領域930において、転圧作業によって変形した後の地形データが生成され、変形後の地形データが最新の地形データとして記憶部250に記憶され、地形データ更新処理が完了する。図17に示すように、データ処理装置120は、地形データ更新処理(ステップS1840)を完了すると、ステップS1850へ進む。
<ステップS1850>
ステップS1850において、データ処理装置120は、記憶部250に記憶されている走行体位置座標(前回値)をステップS1810で算出された走行体位置座標(今回値)に書き換える走行体位置更新処理を実行し、図17のフローチャートに示す処理(手夏作業処理)を終了する。
以上のように、転圧作業処理において、データ処理装置120は、走行体518の端軌跡であるフットプリント領域930のグリッド高さHgを沈み値Hcpで減算することにより、グリッド地形データ410を変化させる。
本実施形態では、油圧ショベル101Aによる掘削作業、放土作業、積込作業、整地作業および転圧作業等の各種作業に応じて、データ処理装置120が地形変化計算を行い、その計算結果を出力装置130に出力する。なお、ダンプトラック101Bによる放土作業処理は、油圧ショベル101Aによる放土作業処理と同様であり、ダンプトラック101Bによる転圧作業処理(運搬作業処理)は、油圧ショベル101Aによる転圧作業処理と同様であるので、説明を省略する。
図4に示すように、出力装置130は、データ処理装置120からの信号に基づいて、表示画面に作業機械101が動作(作業動作、走行動作)する様子、地形データが変化する様子を表示させる。これにより、ユーザは、出力装置130の表示画面を閲覧することによって、地形変化を伴った作業機械101の動作検証を行うことができる。
ところで、地形変化の計算において、地盤を粒子によりモデル化して解析する粒子モデル解析手法が知られている。しかしながら、粒子モデル解析手法によって作業機械の動作検証を行う場合、地形変化の計算に膨大な時間と費用がかかるおそれがある。これに対して、本実施形態では、作業装置511,519,521の位置および姿勢に基づいて、地形データの変化計算を行うことができる。このため、粒子モデル解析手法に比べて、地形変化の計算にかかる時間および費用を低く抑えることができる。つまり、本実施形態によれば、作業機械の動作検証を効率的に行うことができる。
[活用例]
本実施形態に係る動作検証装置100は、例えば、汎用の物理シミュレータに接続して活用することもできる。例えば、動作検証装置100は、作業機械101の位置データおよび姿勢データ、地形データを汎用物理シミュレータに出力する。汎用物理シミュレータは、入力されたデータに基づいて、地面と作業機械との接触に伴う作業機械の位置および姿勢の変化計算、および、作業機械同士の接触に伴う作業機械の位置および姿勢の変化計算を行い、その計算結果を動作検証装置100に出力する。また、汎用物理シミュレータは、開発中の自動運転アルゴリズム等を用いて算出された作業機械の位置データおよび姿勢データを動作検証装置100に出力してもよい。動作検証装置100は、汎用物理シミュレータからのデータに基づいて、作業機械101の位置データおよび姿勢データを補正する。
また、本実施形態に係る動作検証装置100は、動力学シミュレータに接続して活用することもできる。この場合、動力学シミュレータ内に構築された作業機械101の動力学モデルを用いて、作業機械101の位置データおよび姿勢データの算出し、その算出結果を動作検証装置100に出力する。このため、現実の作業現場で作業を行う作業機械の制御に用いる制御パラメータを用いて、地形変化を伴う作業機械101の動作の検証が可能となる。
本実施形態に係る動作検証装置100は、現実の作業現場で作業を行う作業機械101の作業条件データ、位置データおよび姿勢データを取得することにより、現実の作業現場で作業を行う作業機械の動作検証を行うこともできる。例えば、作業順序、土の運搬経路の検証を行うことができる。本実施形態に係る動作検証装置100を用いることで、地形変化を伴う動作検証を行うことができる。このため、例えば、油圧ショベル101Aが掘削作業を行った後に、掘削作業により変形した地形を考慮してダンプトラック101Bによる効率的な運搬経路についての検討をすることができる。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)本実施形態に係る作業機械の動作検証装置100は、仮想の作業現場で作業を行う仮想の作業機械101の軌跡の計算処理を実行するデータ処理装置(処理装置)120を備えている。作業機械101は、走行体518および作業装置511を有する。データ処理装置120は、作業現場の地形データ、および作業機械101の動作指令を取得する。データ処理装置120は、取得した作業現場の地形データ、および作業機械101の動作指令に基づいて、作業装置511の軌跡を計算する。データ処理装置120は、作業装置511の軌跡と作業現場の地形データ(グリッド地形データ410)との干渉領域に基づいて作業現場の地形データの変化を計算し、変化後の作業現場の地形データを出力する。
この構成によれば、作業現場の地形データの変化を伴う作業機械101の動作の検証が可能となる。つまり、本実施形態によれば、作業機械101の動作の検証を適切に行うことができる作業機械の動作検証装置100を提供することができる。動作検証装置100によって出力される地形データは、作業機械101による作業の順序、および、作業機械101の移動経路等の計画に役立てることができる。また、動作検証装置100によって出力される地形データは、作業機械101の大きさ、荷重、作業装置の可動範囲等の開発に役立てることもできる。
(2)油圧ショベル(作業機械)101Aは、土を掘削し、掘削した土を保持可能なバケット515を有する。データ処理装置120は、油圧ショベル101Aの作業内容を表すデータを取得する。油圧ショベル101Aの作業内容には、掘削作業および放土作業が含まれる。データ処理装置120は、取得した作業内容が、掘削作業である場合、バケット515の軌跡と作業現場の地形データとの干渉領域(掘削領域910)に基づいて作業現場の地形データの変化を計算し、地形データの変化に基づいてバケット515内の土の量(バケット内土量Vbk)を計算する。データ処理装置120は、取得した作業内容が、放土作業である場合、バケット515が放土高さに位置しているか否かを判定し、バケット515が放土高さに位置していると判定されると、バケット515の位置およびバケット515内の土の量(バケット内土量Vbk)に基づいて、作業現場の地形データの変化を計算する。
本実施形態に係る動作検証装置100は、掘削作業および放土作業に伴う地形変化を計算することができる。動作検証装置100は、掘削作業による窪み(切土)、および、放土作業による膨らみ(盛土)を地形データに反映させることができる。このため、ユーザは、掘削領域および放土領域を考慮して、作業機械101による作業の順序、作業機械101の移動経路の計画を効率よくたてることができる。
(3)油圧ショベル101Aは、走行体518を走行させることにより土を移動可能なブレード519aを有する。データ処理装置120は、油圧ショベル101Aの作業内容を表すデータを取得する。油圧ショベル101Aの作業内容には、整地作業が含まれる。データ処理装置120は、取得した作業内容が、整地作業である場合、ブレード519aの軌跡と作業現場の地形データとの干渉領域(整地領域940)に基づいて干渉領域内の作業現場の地形データの変化を計算し、干渉領域内の地形データの変化に基づいてブレード519aによって移動した土の量を計算し、ブレード519aによって移動した土の量に基づいて走行体518の進行方向の地形データの変化を計算する。
本実施形態に係る動作検証装置100は、整地作業に伴う地形変化を計算することができる。動作検証装置100は、整地作業により移動する土を地形データに反映させることができる。このため、ユーザは、整地領域を考慮して、作業機械101よる作業の順序、作業機械101の移動経路の計画を効率よくたてることができる。
(4)仮想の作業現場には、仮想の複数の作業機械101が存在する。複数の作業機械101には、土を掘削し、掘削した土を保持可能なバケット515を有する多関節型の作業装置511を備えた掘削作業機械である油圧ショベル101Aと、土を保持可能なベッセル525を備えた運搬作業機械であるダンプトラック101Bとが含まれる。データ処理装置120は、油圧ショベル101Aの作業内容を表すデータを取得する。油圧ショベル101Aの作業内容には、掘削作業、放土作業、および、積込作業が含まれる。
データ処理装置120は、取得した油圧ショベル101Aの作業内容が、掘削作業である場合、バケット515の軌跡と作業現場の地形データとの干渉領域(掘削領域910)に基づいて作業現場の地形データの変化を計算し、地形データの変化に基づいてバケット515内の土の量(バケット内土量Vbk)を計算する。データ処理装置120は、取得した油圧ショベル101Aの作業内容が、放土作業である場合、バケット515が放土高さに位置しているか否かを判定し、バケット515が放土高さに位置していると判定されると、バケット515の位置およびバケット515内の土の量(バケット内土量Vbk)に基づいて、作業現場の地形データの変化を計算する。データ処理装置120は、取得した油圧ショベル101Aの作業内容が、積込作業である場合、バケット515がダンプトラック101Bのベッセル525の上方に位置しているか否かを判定し、バケット515がベッセル525の上方に位置していると判定されると、バケット515内の土の量(バケット内土量Vbk)に基づいて、ベッセル525内の土の量(ベッセル内土量Vve)を計算する。
本実施形態に係る動作検証装置100は、掘削作業、放土作業および積込作業に伴う地形変化を計算することができる。動作検証装置100は、掘削作業による窪み(切土)、および、放土作業による膨らみ(盛土)を地形データに反映させることができる。このため、ユーザは、掘削領域および放土領域を考慮して、作業機械101による作業の順序、作業機械101の移動経路の計画を効率よくたてることができる。さらに、ユーザは、積込作業に伴う油圧ショベル101Aからダンプトラック101Bへの土の移動量を考慮して、掘削、積込作業の効率を向上させるための作業計画を効率よくたてることができる。
<第2実施形態>
図19から図24を参照して、第2実施形態に係る作業機械の動作検証装置100Bについて説明する。なお、図中、第1実施形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。
第1実施形態では、データ処理装置120が取得する動作指令としての油圧ショベル101Aの位置データには、ショベル基準座標系の原点Oの位置座標(Es,Ns,Hs)が含まれていた。また、第1実施形態では、データ処理装置120が取得する動作指令としてのダンプトラック101Bの位置データには、トラック基準座標系の原点Oの位置座標(Ed,Nd,Hd)が含まれていた。これに対して、第2実施形態では、データ処理装置120Bが取得する動作指令としての油圧ショベル101Aの位置データには、ショベル基準座標系の原点OのE座標(Es)およびN座標(Ns)は含まれるが、H座標(Hs)は含まれていない。また、第2実施形態では、データ処理装置120Bが取得する動作指令としてのダンプトラック101Bの位置データには、トラック基準座標系の原点OのE座標(Ed)およびN座標(Nd)は含まれが、H座標(Hd)は含まれていない。
第1実施形態では、データ処理装置120が取得する動作指令としての作業機械101の姿勢データには、走行体518,528の姿勢データ(ロール角度Θroll、ピッチ角度Θpitch、およびヨー角度Θyaw)が含まれていた。これに対して、第2実施形態に係るデータ処理装置120Bが取得する動作指令としての作業機械101の姿勢データには、ロール角度Θroll、ピッチ角度Θptich、およびヨー角度Θyawが含まれていない。第2実施形態では、データ処理装置120Bが取得する動作指令としての作業機械101の走行体518,528の姿勢データには、現場座標系における作業機械101の向きを表す情報(以下、方位データとも記す)が含まれる。
第2実施形態に係る動作検証装置100Bのデータ処理装置120Bは、走行体518,528の平面位置座標、方位データ、およびグリッド地形データ410に基づいて作業機械101の姿勢(ロール角度Θroll、ピッチ角度Θpitch、およびヨー角度Θyaw)を計算し、その計算結果を出力装置130の表示画面に表示させる。以下、詳しく説明する。
[機能ブロック]
図19は、第2実施形態に係る動作検証装置100Bの一例を示す機能ブロック図である。第2実施形態に係る動作検証装置100Bのデータ処理装置120Bは、動作指令および地形データに基づいて作業機械101の姿勢を計算する姿勢演算部280および、姿勢演算部280により計算された作業機械101の姿勢が転倒姿勢であるか否かを判定する転倒姿勢判定部290として機能する。姿勢演算部280および転倒姿勢判定部290の機能はプロセッサ160によって発揮される。
動作指令取得部230は、入力装置140から演算サイクル毎に作業機械101の動作指令を取得し、作業機械101の位置データおよび作業装置511の姿勢データを更新する。油圧ショベル101Aの位置データには、ショベル基準座標系の原点Oの現場座標系における平面位置座標(Es,Ns)が含まれる。油圧ショベル101Aの動作指令には、作業装置511の各関節角度(Θbm,Θam,Θbk)およびブレード高さHblが含まれる。ダンプトラック101Bの位置データには、トラック基準座標系の原点Oの現場座標系における平面位置座標(Ed,Nd)が含まれる。
姿勢演算部280は、動作指令取得部230で取得された油圧ショベル101Aの平面位置座標(Es,Ns)および方位データに基づいてフットプリント領域931を計算し、フットプリント領域931内の複数のグリッド要素のグリッド高さHgに基づいて油圧ショベル101Aの姿勢を演算する。姿勢演算部280は、動作指令取得部230で取得されたダンプトラック101Bの平面位置座標(Ed,Nd)および方位データに基づいてフットプリント領域を計算し、フットプリント領域内の複数のグリッド要素のグリッド高さHgに基づいてダンプトラック101Bの姿勢を演算する。
図20は、作業機械101の姿勢の演算方法について説明する図である。油圧ショベル101Aの姿勢の演算方法と、ダンプトラック101Bの姿勢の演算方法とは同様の方法である。このため、油圧ショベル101Aの姿勢の演算方法を代表して説明する。
姿勢演算部280は、作業条件取得部220が取得したフットプリント計算データと、動作指令取得部230が取得した油圧ショベル101Aの平面位置座標および方位データに基づいて、点Fs1,Fs2,Fs3,Fs4で規定される矩形平面状のフットプリント領域931を作成する。姿勢演算部280は、フットプリント領域931内の複数のグリッド要素のE座標、N座標およびH座標で表される位置座標に基づいて、フットプリント領域931内の地形データの地表面の法線ベクトルnを演算する。
法線ベクトルnは、例えば、以下のようにして演算される。姿勢演算部280は、点Fs1の平面位置座標にあるグリッド要素の位置座標(Eg,Ng)およびグリッド高さHgで表される点を第1地点Pg1、点Fs2の平面位置座標にあるグリッド要素の位置座標(Eg,Ng)およびグリッド高さHgで表される点を第2地点Pg2、点Fs3の平面位置座標にあるグリッド要素の位置座標(Eg,Ng)およびグリッド高さHgで表される点を第3地点Pg3、点Fs4の平面位置座標にあるグリッド要素の位置座標(Eg,Ng)およびグリッド高さHgで表される点を第4地点Pg4として設定する。
姿勢演算部280は、地点Pg1と地点Pg2とを結ぶベクトルであるベクトルV1と、地点Pg1と地点Pg3とを結ぶベクトルであるベクトルV2との外積から、地点Pg1,Pg2,Pg3を含む平面に垂直な法線ベクトルnを算出する。
姿勢演算部280は、算出された法線ベクトルnがフットプリント領域931の法線ベクトルと一致するように走行体518の姿勢(ピッチ角度Θpitch、ロール角度Θroll、およびヨー角度Θyaw)を算出する。また、姿勢演算部280は、地点Pg1,Pg2,Pg3,Pg4によって規定される平面領域932内の各グリッド要素のグリッド高さHgの平均値Hgaを算出する。姿勢演算部280は、グリッド高さHgの平均値Hgaが、フットプリント領域931の中心位置のH座標と一致するように作業機械101の高さ(H座標)を算出する。
本実施形態では、ピッチ角度Θpitchおよびロール角度Θrollは、EN平面(水平面)に作業機械101が接地している基準姿勢のときに0度となる。ピッチ角度Θpitchは、作業機械101が前傾姿勢のときに負の値となり、作業機械101が後傾姿勢のときに正の値となる。ロール角度Θrollは、作業機械101が左に傾くと負の値となり、作業機械101が右に傾くと正の値となる。
図19に示す作業条件取得部220は、作業機械101が転倒姿勢であるか否かの判定に用いる運用可能姿勢データを入力装置140から取得する。運用可能姿勢データは、作業条件データのうちの一つである。運用可能姿勢データには、作業機械101を安定して運用可能なピッチ角度の最小値Θpitch_minおよび最大値Θpitch_max、作業機械101を安定して運用可能なロール角度の最小値Θroll_minおよび最大値Θroll_maxが含まれる。
転倒姿勢判定部290は、運用可能姿勢データに含まれるピッチ角度の最小値Θpitch_minおよび最大値Θpitch_maxにより、第1の安定角度範囲を規定する。第1の安定角度範囲は、Θpitch_min以上、Θpitich_max以下の範囲である。転倒姿勢判定部290は、運用可能姿勢データに含まれるロール角度の最小値Θroll_minおよび最大値Θroll_maxにより、第2の安定角度範囲を規定する。第2の安定角度範囲は、Θroll_min以上、Θroll_max以下の範囲である。
転倒姿勢判定部290は、作業機械101のピッチ角度Θpitchが第1の安定角度範囲内にあり、かつ、作業機械101のロール角度Θrollが第2の安定角度範囲内にある場合には、作業機械101は転倒姿勢でないと判定する。転倒姿勢判定部290は、作業機械101のピッチ角度Θpitchが第1の安定角度範囲外にある場合、あるいは、作業機械101のロール角度Θrollが第2の安定角度範囲外にある場合には、作業機械101は転倒姿勢であると判定する。
[処理フロー]
図21は、図7と同様の図であり、データ処理装置120Bにより実行される動作検証用データの出力処理の一例について示すフローチャートである。図21のフローチャートには、図7のフローチャートのステップS330とステップS340の間に姿勢演算処理(ステップS335)が追加され、図7のフローチャートのステップS340とステップS350の間に転倒姿勢判定処理(ステップS345)が追加されている。
ステップS330において、データ処理装置120Bは、動作指令を取得すると、ステップS335へ進み、姿勢演算処理を実行する。データ処理装置120Bは、姿勢演算処理(ステップS335)を完了するとステップS340へ進み、地形変化計算処理を実行する。データ処理装置120Bは、地形変化計算処理(ステップS340)を完了すると、ステップS345へ進み、転倒姿勢判定処理を実行する。データ処理装置120Bは、転倒姿勢判定処理(ステップS345)を完了すると、ステップS350へ進み、結果出力処理を実行する。
[姿勢演算処理]
図22は、姿勢演算部280として機能するデータ処理装置120Bにより実行される姿勢演算処理の一例について示すフローチャートである。姿勢演算処理は、仮想の作業現場に存在する油圧ショベル101Aおよびダンプトラック101Bのそれぞれに対して実行される。油圧ショベル101Aに対する姿勢演算処理は、ダンプトラック101Bに対する姿勢演算処理と同様である。このため、以下では、油圧ショベル101Aに対する姿勢演算処理を代表して説明する。
<ステップS610>
姿勢演算処理(図21のステップS335)が開始されると、ステップS610において、データ処理装置120Bは、ステップS320(図21参照)で取得した作業条件データおよびステップS330(図21参照)で取得した動作指令に基づいて、現場座標系における走行体位置座標(点Fs1,Fs2,Fs3,Fs4の座標)を算出する。データ処理装置120Bは、作業条件データに含まれる油圧ショベル101Aのフットプリント計算データと、動作指令に含まれる油圧ショベル101Aの位置データ(平面位置座標)および姿勢データ(方位データ)に基づいて、油圧ショベル101Aの走行体位置座標(点Fs1,Fs2,Fs3,Fs4)を算出する。データ処理装置120Bは、走行体位置座標の算出処理(ステップS610)を完了すると、ステップS620へ進む。
<ステップS620>
ステップS620において、データ処理装置120Bは、走行体位置座標(点Fs1,Fs2,Fs3,Fs4)の直下のグリッド地形データ410の地表面上の地点Pg1,Pg2,Pg3,Pg4によって規定される平面領域932の法線ベクトルnを算出する。データ処理装置120Bは、平面領域932の法線ベクトルnに基づいて、油圧ショベル101Aの高さデータ(H座標)および油圧ショベル101Aの走行体518の姿勢データ(ピッチ角度Θpitch、ロール角度Θrollおよびヨー角度Θyaw)を算出する。データ処理装置120Bは、記憶部250に記憶されている油圧ショベル101Aの高さデータおよび走行体518の姿勢データを更新する。データ処理装置120Bは、油圧ショベル101Aの高さおよび走行体518の姿勢データの算出処理(ステップS620)を完了すると、図22のフローチャートに示す処理を終了し、図21のステップ340へ進む。
[転倒姿勢判定処理]
図23は、転倒姿勢判定部290として機能するデータ処理装置120Bにより実行される転倒姿勢判定処理の一例について示すフローチャートである。転倒姿勢判定処理は、仮想の作業現場に存在する油圧ショベル101Aおよびダンプトラック101Bのそれぞれに対して実行される。油圧ショベル101Aに対する転倒姿勢判定処理は、ダンプトラック101Bに対する転倒姿勢判定処理と同様である。このため、以下では、油圧ショベル101Aに対する転倒姿勢判定処理を代表して説明する。
<ステップS2310>
転倒姿勢判定処理(図21のステップS345)が開始されると、ステップS2310において、データ処理装置120Bは、油圧ショベル101Aの姿勢が転倒姿勢であるか否かを判定する。データ処理装置120Bは、油圧ショベル101Aが転倒姿勢であると判定するとステップS2320へ進み、油圧ショベル101Aが転倒姿勢でないと判定するとステップS2330へ進む。
<ステップS2320>
ステップS2320において、データ処理装置120Bは、転倒姿勢フラグをオン(F=1)に設定し、図23のフローチャートに示す処理を終了し、図21のステップS350へ進む。
<ステップS2330>
ステップS2330において、データ処理装置120Bは、転倒姿勢フラグをオフ(F=0)に設定し、図23のフローチャートに示す処理を終了し、図21のステップS350へ進む。
<ステップS350>
図21に示すように、ステップS350において、データ処理装置120Bは、地形データだけでなく、作業機械101に関連付けて記憶された転倒姿勢フラグの情報を出力装置130に出力する。出力装置130は、転倒姿勢フラグがオンに設定されている作業機械101については、転倒姿勢であることを表す情報を表示画面に表示させる。
図24は、第2実施形態に係る動作検証装置100Bの出力装置130の出力結果の一例について示す図である。図24に示すように、出力装置130は、入力された転倒姿勢フラグの情報に基づいて、作業機械101が転倒姿勢にあることを表す情報を表示画面に表示させる。出力装置130の表示画面には、作業機械101の情報表示領域131が表示される。出力装置130は、情報表示領域131に、時刻(演算ステップ番号)と、作業機械101を識別するための識別情報と、作業機械101が転倒姿勢であるか否かを表す情報を表示する。
図24に示す例では、情報表示領域131に時刻(演算ステップ番号)を表す「100」が表示され、情報表示領域131に識別情報を表す「ショベルNo.1、ショベルNo.2、トラックNo.1」が表示されている。また、図24に示す例では、情報表示領域131にショベルNo.1が転倒姿勢であることを表す「転倒姿勢」が表示され、ショベルNo.2およびトラックNo.1が転倒姿勢でないことを表す「-」が表示されている。転倒姿勢であるか否かを表す情報は、文字により表示する場合に限らない。出力装置130は、転倒姿勢であることを表すマークを表示画面に表示させてもよい。また、出力装置130は、転倒姿勢である作業機械101の色を、転倒姿勢でないときの色とは異なる色で表示してもよい。
第2実施形態に係る動作検証装置100Bによれば、第1実施形態に係る動作検証装置100と同様の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
(5)データ処理装置120Bは、グリッド地形データ(地形データ)410と作業機械101の位置に基づいて、作業機械101の姿勢を計算する。出力装置130の表示画面には、演算サイクル毎に変化する地形データに応じて作業機械101の姿勢が変化する。これにより、作業機械101による作業の順序、および、作業機械101の移動経路等の計画をより適切にたてることができる。
(6)データ処理装置120Bは、作業機械101の姿勢が転倒姿勢であるか否かを判定し、その判定結果を出力する。これにより、作業機械101の姿勢が転倒姿勢にならないように、作業機械101による作業の順序、および、作業機械101の移動経路等の計画を行うことができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、上述の異なる実施形態で説明した構成同士を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、出力装置130が表示装置であり、動作検証装置100,100Bから演算サイクル毎に出力されるデータに基づいて、出力装置130の表示画面の情報が変化する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。出力装置130は、データ処理装置120から供給された出力データを処理するデータ処理装置(データ処理装置120とは異なるデータ処理装置)であってもよい。この場合、出力制御部260は、記憶部250が保持している作業機械101の位置データおよび姿勢データ、各作業機械101の保持する土量データ、転倒姿勢フラグデータ等の処理結果を演算サイクル毎(時系列)のテキスト形式のファイルで出力装置130に出力する。また、出力制御部260は、グリッド地形データ410をグリッドデータのまま、あるいはメッシュデータに変換してから出力装置130に出力する。
<変形例2>
上記実施形態では、現況地形データ取得部210が取得する現況地形データは、3次元CADを用いて作成されたメッシュデータである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。現況地形データは、実際の作業現場の上空を無人飛行機、無人ヘリコプター等に搭載されたカメラ、あるいはLiDAR(Light Detection And Ranging)によって取得されたデータであってもよい。また、現況地形データは、実際の作業現場で稼働している作業機械に取り付けられたカメラ、あるはLiDARによって取得されたデータであってもよい。現況地形データのデータ形式は、メッシュデータの形式に限らず、3次元座標で表される地点の位置データを集めた点群データの形式としてもよい。
<変形例3>
油圧ショベル101Aは、上述した構成に限定されない。例えば、油圧ショベル101Aは、ブレード作業装置519を備えていなくてもよい。バケット515は、1方向だけでなく、2方向あるいは3方向に回動可能な機構(チルト機構およびロータリー機構)を備えていてもよい。
<変形例4>
上記実施形態では、データ処理装置120が、バケット515の代表点Pbkの高さをバケット高さHbkとして、干渉判定処理(図9のステップS1030)を実行する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。干渉判定処理(図9のステップS1030)は、バケット515が地形データに干渉しているか否かを判定可能な種々の方法を採用することができる。
例えば、データ処理装置120は、EN平面から点Bk1までのバケット高さHbk1と、点Bk1からEN平面に下した垂線と交差するグリッド要素のグリッド高さHg1とを比較する第1比較処理を実行する。同様に、データ処理装置120は、EN平面から点Bk2までのバケット高さHbk2と、点Bk2からEN平面に下した垂線と交差するグリッド要素のグリッド高さHg2とを比較する第2比較処理を実行する。データ処理装置120は、バケット先端位置座標の前回値に基づく第1比較処理、バケット先端位置座標の今回値に基づく第1比較処理、バケット先端位置座標の前回値に基づく第2比較処理、および、バケット先端位置座標の今回値に基づく第2比較処理の4つの比較処理を実行する。
ステップS1030において、4つの比較処理のうち一つでもバケット高さがグリッド高さ未満であると判定されるとステップS1040へ進み、4つの比較処理のすべてにおいてバケット高さがグリッド高さ以上であると判定されるとステップS1080へ進む。
このように、干渉判定処理(ステップS1030)は、バケット515の軌跡の少なくとも一部が、作業現場の地形データ(掘削対象)内に存在するか否かを判定するための処理としてもよい。また、例えば、点Bk1,Bk2の前回値を点Bk10,Bk20とし、点Bk1,BK2の今回値を点Bk11,Bk21としたとき、データ処理装置120は、点Bk10,Bk20,Bk11,Bk21によって規定される矩形状の平面の高さをバケット高さHbkとし、この平面と同じE座標およびN座標にあるグリッド地形データ410の高さをグリッド高さHgとして両者(Hbk,Hg)を比較してもよい。
<変形例5>
上記実施形態では、ブレード519aによる整地作業を例に整地作業処理についての説明をしたが、本発明はこれに限定されない。データ処理装置120は、法面施工用のバケットによる整地作業に対して整地作業処理を実行することにより、グリッド地形データ410の変化を計算してもよい。
<変形例6>
上記実施形態では、図18に示すフットプリント領域930が、点Fs3の前回値Fs30、点Fs4の前回値Fs40、点Fs3の今回値Fs31、および、点Fs4の今回値Fs41の4点で規定される矩形状の平面領域である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、左右一対のクローラのそれぞれの軌跡をフットプリント領域としてもよい。この場合、クローラが通過した軌跡が凹むようにグリッド地形データ410のグリッド高さHgの更新処理が行われる。その結果、出力装置130の表示画面には、クローラが通過した部分に轍が表示される。
<変形例7>
上記実施形態では、作業機械101が、油圧ショベル101Aおよびダンプトラック101Bである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、作業機械101は、ブルドーザー、ホイールローダまたはモーターグレーダでもよい。また、作業機械101は、土木作業、建設作業等を行う作業機械だけでなく、地形変化を伴う農作業を行う農業機械でもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100,100B…動作検証装置、101…作業機械、101A…油圧ショベル(掘削作業機械)、101B…ダンプトラック(運搬作業機械)、120,120B…データ処理装置(処理装置)、130…出力装置、140…入力装置、210…現況地形データ取得部、220…作業条件取得部、230…動作指令取得部、240…地形制御部、250…記憶部、260…出力制御部、270…入出力部、280…姿勢演算部、290…転倒姿勢判定部、400…メッシュ地形データ(地形データ)、410…グリッド地形データ(地形データ)、511…フロント作業装置(作業装置)、515…バケット、518…走行体、519…ブレード作業装置(作業装置)、519a…ブレード、521…運搬作業装置、525…ベッセル、528…走行体、910…掘削領域(干渉領域)、920…放土領域、930,931…フットプリント領域、940…整地領域(干渉領域)、950…放土領域

Claims (6)

  1. 仮想の作業現場で作業を行う仮想の作業機械の軌跡の計算処理を実行する処理装置を備えた作業機械の動作検証装置であって、
    前記作業機械は、走行体および作業装置を有し、
    前記処理装置は、
    前記作業現場の地形データ、および前記作業機械の動作指令を取得し、
    取得した前記作業現場の地形データ、および前記作業機械の動作指令に基づいて、前記作業装置の軌跡を計算し、
    前記作業装置の軌跡と前記作業現場の地形データとの干渉領域に基づいて前記作業現場の地形データの変化を計算し、変化後の前記作業現場の地形データを出力する、
    ことを特徴とする作業機械の動作検証装置。
  2. 請求項1に記載の作業機械の動作検証装置において、
    前記作業機械は、土を掘削し、掘削した土を保持可能なバケットを有し、
    前記処理装置は、前記作業機械の作業内容を表すデータを取得し、
    前記作業機械の作業内容には、掘削作業および放土作業が含まれ、
    前記処理装置は、
    取得した前記作業内容が、前記掘削作業である場合、前記バケットの軌跡と前記作業現場の地形データとの干渉領域に基づいて前記作業現場の地形データの変化を計算し、前記地形データの変化に基づいて前記バケット内の土の量を計算し、
    取得した前記作業内容が、前記放土作業である場合、前記バケットが放土高さに位置しているか否かを判定し、前記バケットが放土高さに位置していると判定されると、前記バケットの位置および前記バケット内の土の量に基づいて、前記作業現場の地形データの変化を計算する、
    ことを特徴とする作業機械の動作検証装置。
  3. 請求項1に記載の作業機械の動作検証装置において、
    前記作業機械は、前記走行体を走行させることにより土を移動可能なブレードを有し、
    前記処理装置は、前記作業機械の作業内容を表すデータを取得し、
    前記作業機械の作業内容には、整地作業が含まれ、
    前記処理装置は、
    取得した前記作業内容が、前記整地作業である場合、前記ブレードの軌跡と前記作業現場の地形データとの干渉領域に基づいて前記干渉領域内の前記作業現場の地形データの変化を計算し、前記干渉領域内の地形データの変化に基づいて前記ブレードによって移動した土の量を計算し、前記ブレードによって移動した土の量に基づいて前記走行体の進行方向の地形データの変化を計算する、
    ことを特徴とする作業機械の動作検証装置。
  4. 請求項1に記載の作業機械の動作検証装置において、
    仮想の作業現場には、仮想の複数の前記作業機械が存在し、
    前記複数の作業機械には、土を掘削し、掘削した土を保持可能なバケットを有する多関節型の前記作業装置を備えた掘削作業機械と、土を保持可能なベッセルを備えた運搬作業機械とが含まれ、
    前記処理装置は、前記掘削作業機械の作業内容を表すデータを取得し、
    前記掘削作業機械の作業内容には、掘削作業、放土作業、および、積込作業が含まれ、
    前記処理装置は、
    取得した前記掘削作業機械の作業内容が、前記掘削作業である場合、前記バケットの軌跡と前記作業現場の地形データとの干渉領域に基づいて前記作業現場の地形データの変化を計算し、前記地形データの変化に基づいて前記バケット内の土の量を計算し、
    取得した前記掘削作業機械の作業内容が、前記放土作業である場合、前記バケットが放土高さに位置しているか否かを判定し、前記バケットが放土高さに位置していると判定されると、前記バケットの位置および前記バケット内の土の量に基づいて、前記作業現場の地形データの変化を計算し、
    取得した前記掘削作業機械の作業内容が、前記積込作業である場合、前記バケットが前記運搬作業機械の前記ベッセルの上方に位置しているか否かを判定し、前記バケットが前記ベッセルの上方に位置していると判定されると、前記バケット内の土の量に基づいて、前記ベッセル内の土の量を計算する、
    ことを特徴とする作業機械の動作検証装置。
  5. 請求項1に記載の作業機械の動作検証装置において、
    前記処理装置は、前記地形データと前記作業機械の位置に基づいて、前記作業機械の姿勢を計算する、
    ことを特徴とする作業機械の動作検証装置。
  6. 請求項5に記載の作業機械の動作検証装置において、
    前記処理装置は、前記作業機械の姿勢が転倒姿勢であるか否かを判定し、その判定結果を出力する、
    ことを特徴とする作業機械の動作検証装置。
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