JP2022073443A - Dlc膜及びそれを被覆された部材 - Google Patents

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Hidetoshi Saito
啓志 小松
Keiji Komatsu
亮太 吉川
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【課題】高密度でありながら、圧縮残留応力が大きくなく、膜の剥離や破壊が生じにくいDLC膜を提供する。【解決手段】実質的に水素を含有しない膜厚50nm~1.5μmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)であり、分光エリプソメトリ法による波長550nmでの光学計測において、その屈折率が2.5~3.0、かつ消衰係数が0.75~1.20の範囲であるDLC膜及びそれを被覆された部材。薄膜の圧縮残留応力は0.5~2.0GPaとする。【選択図】図2

Description

本発明は、ダイヤモンドに近い特性を有する炭素系薄膜であるDLC膜およびそれを被覆された部材に関するものであり、高硬度で耐剥離性にも優れており、機械部品などの摺動部材や工具などの耐摩耗部材、電子部材用途や生体用部材にも使用できる。
摺動部材や耐摩耗部材に使用される炭素系薄膜には、ダイヤモンドあるいは一般的にDLC(Diamond-like-carbon)と総称される材料が使用されている。最も高硬度な材料であるダイヤモンド薄膜は、結晶が強固で面粗度が粗くその鏡面化が困難であることなどから、摺動部材として使用が限定される。
一方、DLCは規格ISO20523により、ta-C、a-C、ta-C:H、a-C:Hの4種類に分類されている。この分類は、DLC中のC-C結合についてダイヤモンドのSP3 混成軌道結合とグラファイトのSP2 混成軌道結合の比率、および、DLC中に含有する水素量という2つの要素で4区分に分類されている。具体的には、SP3 混成軌道結合の比率が50%以上のDLCをta-C、ta-C:Hとし、50%以下のDLCをa-C、a-C:Hと分類している。また、水素含有量が5%以下のDLCをta-C、a-Cとし、5~50%含有するものをta-C:H、a-C:Hと分類している。すなわち、ダイヤモンドに最も近いDLCは、水素含有量が5%以下でSP3 /(SP2 +SP3 )が50%以上であるta-Cと分類されている。ダイヤモンドに近い機械的性質として70GPa以上の高硬度を示すものもあるta-Cは、グラファイト結合よりダイヤモンド結合を優勢にする必要がある。このため、ta-Cの作製法では、通常、炭素イオンを高エネルギーで基板に衝突させることから、形成される炭素膜の残留応力が大きくなり、付着強度が低く、また、脆いことから摺動部材などに適用した場合、短寿命に至る課題があった。
また、DLCの分類法として、光学特性評価による分類法がISOに提案され、分光エリプソメトリ法による試験の規格化への検討が進んでいる。分光エリプソメトリによる評価では、波長550nm(450~950nmの波長)の光を使用し、DLC膜の光学的特性として屈折率と消衰係数によりDLC膜を分類する。一般的に屈折率は密度と密接な関係があり、組成が同じであればDLCでも同様に考えられる。また、消衰係数については、黒色を呈するグラファイトは大きく、透明なダイヤモンドの消衰係数はほぼゼロである。DLCのC-C結合におけるSP2 混成軌道結合とSP3 混成軌道結合の比率と関係があるとも言われている。
非特許文献1では、ISOに提案し検討されている分光エリプソメトリ評価法による屈折率nと消衰係数κによるDLC分類案を図1の光学的分類図のように示している。各分類の屈折率nと消衰係数κの数値範囲で次に示す。ta-Cは2.56<n<3.0、0<κ<0.75の範囲、a-Cは2.04<n<2.42、0.53<κ<0.86の範囲、ta-C:Hは2.42<n<2.56、0<κ<0.75の範囲、a-C:Hは2.04<n<2.42、0<κ<0.86の範囲としている。
特許文献1では、屈折率nと消衰係数κで範囲限定したDLC膜及びDLCコート金型を、また特許文献2では、屈折率nと消衰係数κで数値限定したDLC膜及びDLC膜被覆物品が示されている。いずれも金型や物品の保護膜として耐久性の向上を目的としている。特許文献1では、2.5<n<2.8と、κ<0.2の範囲であり、特許文献2では、2.5<n<3.0と、0.05<κ<0.4の範囲が優れるとしている。すなわち、屈折率が大きく、消衰係数がκ<0.4の小さなta-Cが耐久性の高い膜であると示している。
特開2008-297171号公報 国際公開2016-021671号公報
NEW DIAMOND 136号(2020)1月号 3-8頁
本発明は、機械部品などの摺動部材や工具などの耐摩耗部材に使用される薄膜炭素材料に関するもので、耐剥離性・耐摩耗性に優れ耐久性に優れるDLC(Diamond-like-carbon)薄膜材料である。ISOの分類におけるta-Cは、高屈折率で高密度であり、ダイヤモンドに最も近いDLCと分類されており、消衰係数も小さく透明度が高い分類に位置づけられる。現行の製法では、高密度のDLC膜(ta-C)を作製するために、炭素に高電圧で加速した高エネルギーイオンを衝撃させる。その加速電圧はダイヤモンドのC-C結合エネルギー7.2eVより格段に高い、50~150V以上である。高エネルギー衝撃により、薄膜炭素材の密度をダイヤモンドの密度に近づけ、高密度化、高硬度化が達成できる。しかし同時に薄膜に強い圧縮残留応力が残り、微小な欠落や膜剥離が生じやすくなる課題があった。
DLC膜を含め機械部品や工具などに使用される耐摩耗性材料では、高硬度材料がすなわち高耐摩耗性材料と考えられることが多い。薄膜材料では、押し込み式硬度計が硬度の測定に用いられる。押し込み式硬度計は変形抵抗を測定する手法であり、膜に圧縮残留応力があると硬さが高く出やすい。DLC膜の場合には、炭素質膜のダイヤモンド化率を上げるために、成膜時に高エネルギーイオンの衝撃により、通常の薄膜より大きな圧縮残留応力が残る。また、DLCは潤滑性に優れる材料であることから、他の材料との結合力が弱く、すなわちDLC膜は基体との付着力が弱いことから、圧縮残留応力による膜剥離力の影響を強く受けやすい性質を持っている。
圧縮残留応力が抑制されたDLC膜という条件が満たされれば、耐摩耗性には、より高硬度すなわちダイヤモンドに近い膜が好ましいということもできる。ダイヤモンドの密度は3.5g/cm3 に対しグラファイトの密度は2.2g/cm3 である。DLC膜の耐久性の指針として、圧縮残留応力の観点から膜の硬度に偏重することなく、膜密度などにより、どれだけダイヤモンドに近い膜かを知ることもきわめて重要である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、高密度でありながら、圧縮残留応力が大きくなく、膜の剥離や破壊が生じにくいDLC膜を提供することを課題とする。また、DLC膜を被覆された部材の長寿命化を達成することを課題とする。
請求項1の発明は、実質的に水素を含有しない膜厚50nm~1.5μmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)であり、分光エリプソメトリ法による波長550nmでの光学計測において、その屈折率が2.5~3.0、かつ消衰係数が0.75~1.20の範囲であるDLC膜である。
請求項2の発明は、請求項1のDLC膜の圧縮残留応力が0.5~2.0GPaであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2のDLC膜を被覆された部材である。
請求項1のDLC膜は、屈折率が2.5~3.0、かつ消衰係数が0.75~1.20の範囲であり、高密度でありながら、圧縮残留応力が大きくなく、膜の剥離や破壊が生じにくい。
請求項2のDLC膜は、膜中の圧縮残留応力が低く、膜が壊れにくいので、耐剥離性に優れている。
請求項1または2のDLC膜を被覆された部材は、低摩擦、高耐摩耗が望まれる機械部品などの摺動部材や工具などの耐摩耗部材として活用でき、部材の長寿命化を達成できる。
分光エリプソメトリ法による光学特性評価を用いたDLCの分類法を説明するための図である。 本発明のDLC膜の屈折率と消衰係数の範囲を示す図である。 本発明のDLC膜中の含有水素をグロー放電発光分析法(GD-OES法)により計測した結果を示す図である。
DLCの分類法として、分光エリプソメトリ評価法による屈折率nと消衰係数κによる図1のような規格案がISOに提案し検討されている(非特許文献1 NEW DIAMOND 136号(2020)1月号 3-8頁)。これはDLC膜の光学的分類法として、日本からISOに示した規格案であり、波長550nmの時の屈折率nと消衰係数κを用いてDLC膜の分類を示したものである。屈折率nは、真空中の光速を物質中の光速で割った値であり、同一物質であれば屈折率の違いから膜密度の違いを容易に知る方法として知られている。ダイヤモンドの屈折率は2.4より大きく、グラファイト膜では2以下である。一方、消衰係数κは、可視光の物質透過を示すパラメータであり、可視光透過性が悪くなると値が大きくなる。DLC膜は2種類のC-C結合(ダイヤモンドのSP3 混成軌道結合とグラファイトのSP2 混成軌道結合)が混在する非晶質膜である。C-C結合間の結合が途切れるダングリングボンドの部分が光を吸収すると消衰係数が大きくなると考えられている。また、透光性セラミックスの例では、セラミックス結晶粒子サイズが光の波長より小さいと透明性が増し、結晶サイズが波長より大きいと不透明になることが知られている。摺動部材や機械部品などで高い耐摩耗性や耐久性を望む場合にはダイヤモンドに近いDLC膜がよい。また、高い耐久性を発揮するために膜の残留応力を極力小さくすることが望まれる。このためには、DLC膜の2種類のC-C結合構造が適切なサイズで均一に分布し、膜内歪が少ないことが望ましい。
DLC膜の製法には、CVD法(化学蒸着法)やPVD法(物理蒸着法)がある。水素を含まないDLC膜の製法には、一般的にPVD法が使用される。水素を含まないダイヤモンドに近い密度のDLC膜の作製には、イオン化した炭素を50~150V以上(場合によっては数kV)の高電圧で加速し、高エネルギーで基体に衝撃させる方法や、炭素の基体上への堆積と同時にアルゴンイオンなどを高電圧で加速し高エネルギーで衝撃することで、C-C結合をダイヤモンド型の結合に変化させる方法が使用されている。しかし、このような製法で作製されるDLC膜はダイヤモンドのC-C結合エネルギー7.2eVより格段に高いエネルギー衝撃により、密度もダイヤモンドに近づくが、強い圧縮残留応力が残り、微小な欠落や膜剥離が生じやすくなる課題があった。過大な残留応力を低減するためには、ダイヤモンドのC-C結合エネルギーレベルにイオンの加速電圧を下げることが良いが、さらに緻密なDLC膜を得るためには、低エネルギーのイオンによる衝撃回数を大幅に増やすことにより、高密度と低い残留応力を示すDLC膜を作製できる。
分光エリプソメトリ評価法による消衰係数κは、可視光の物質透過を示すパラメータであり、結晶質材料であれば、結晶粒子が可視光より小さければ小さな値を示す。本発明のDLC膜は、図1の光学的分類図には含まれない領域にあり、図2の網掛け部(本発明のDLC膜の光学的評価領域)のように高屈折率でありながら大きな消衰係数を示す領域にある。これは、ダイヤモンドのC-C結合エネルギーレベル7.2eVに近い低エネルギーのイオンによる、通常より数桁多い回数の衝撃により作製された高密度なDLC膜であり、かつアモルファスでありながらもSP2 混成軌道結合とSP3 混成軌道結合とからなる組織構造が均質に分散し、その組織構造に存在した多数のダングリングボンドあるいは構造サイズにより可視光を強く吸収したことから、消衰係数を大きくするためと推測される。すなわち、低エネルギーのイオンを丹念に絨毯爆撃的にC-C結合へ衝撃を加えることで均質で残留応力の少ない、かつ高密度の高品質なDLC膜を作製することができたと考えられる。
摺動性、耐摩耗性、耐久性に優れるDLC膜では高密度で圧縮残留応力が小さいことが望まれる。分光エリプソメトリ法による波長550nmでの光学計測による屈折率nと消衰係数κの好適な範囲(本発明のDLC膜の光学的評価領域)を図2の網掛け部に示した。すなわち、従来のDLC分類法では知られていなかった屈折率が2.5~3.0、かつ消衰係数が0.75~1.20の範囲である。また、本発明のDLC膜は高密度で小さな残留応力を示すことから最適な膜である。圧縮残留応力値は、成膜前後のSi基板の変形量から計測でき、0.5~2.0GPaが良く、従来DLC膜の2.5~7.0GPaより小さい。圧縮残留応力は0.5~1.5GPaがより好ましい。
本発明のDLC膜の膜厚は50nm~1.5μmが好ましい。膜厚が1.5μmより厚くなると圧縮応力が強くなりすぎ、応力がかかる摺動部材や機械部品などの用途では、膜剥離などが生じやすくなる。膜厚が薄くなると膜剥離が起こりにくくなるので、1μm以下の膜厚はより好ましい。本発明のDLC膜の作製には、低エネルギーのイオンを丹念に絨毯爆撃的に衝撃することから、DLC膜の表面は平坦性にも優れる。このことから摩擦係数も小さく、優れた摺動特性を発揮する。
本発明のDLC膜は、実質的に水素を含有しない。図3はグロー放電発光分析法(GD-OES法)による本発明DLC膜中の水素分析結果であり、縦軸に検出元素発光線の強度、横軸に分析時間を示す。分析時間2sから30sまでが薄膜の領域、30sから40sまでが薄膜とSi基板の界面の領域、40s以降がSi基板の領域となる。分析開始初期の2sから6s付近まで水素が検出されているが、これは成膜後の保管時に、膜表面に付着している水分を検出したと考えられる。このように、膜表面に吸着した水素を確認できるが、膜中には水素はほぼ存在していない。DLC膜内部は実質的に炭素のみで構成されている。
水素は炭素のダングリングボンドと容易に結合し、C-H結合を形成しやすい。このC-H結合は、C-C結合におけるダイヤモンド結合の形成を妨げる傾向にあり、密度も小さく屈折率も小さい。ダイヤモンド結合50%以上のta-Cに分類されるDLC膜の成膜は、通常、水分をきらうため高真空下で行われる。しかしながら、真空炉内の壁に付着する水分子が分解して水素が発生することから、膜中に0.5%以下の微量水素が残留することもある。また、成膜後、空気中で保管することによって、DLC膜表面に空気や水分が付着することも有り得る。DLC膜には2種類のC-C結合(ダイヤモンドのSP3 混成軌道結合とグラファイトのSP2 混成軌道結合)が混在するが、その量を放射光のNEXAFSを使って測定した。本発明のDLC膜はSP3 結合が50%以上であった。
本発明のDLC膜は膜中に水素を含まないことから、炭素源として原料ガスに炭化水素ガスを使うCVD法は適していない。炭素源には、カーボンターゲットからのスパッタやフラーレンC60のように水素を含まない原料を使用する。また、大量のイオン源での均質な基体衝撃が必要なことから、アルゴンやアルゴンクラスターなどのイオンビームを使用することが好ましい。
本発明の被覆部材に使用される基体は、被覆部材の用途によって異なる。摺動部材や機械部品には、高炭素鋼、ダイス鋼などの金属や超硬合金などが選ばれる。また、電子部材では、Si、セラミックス、耐熱樹脂が選ばれ、生体材料では、TiあるいはTi合金やアパタイトなどのセラミックスが選ばれる。また、種々の基体材料表面に本発明のDLC薄膜を形成する場合、基体との付着強度を上げるために、ケイ素、クロム、タングステン、チタン及びその炭化物のうち1種類または2種類以上からなる中間層膜を基体との間に設けることができる。中間層の膜厚は、特に限定しないが、DLC薄膜の膜厚以下が好ましい。
以下、本発明の試験結果に基づき、本発明の実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん本発明は、以下の実施例に限定されるものでなく、様々な実施の形態をさらに具体的にとりうることは言うまでもない。
Si基体表面への炭素質材料の蒸着と並行してアルゴンイオンビームを基体に照射することで、膜厚150nmのDLC薄膜を作製した。成膜条件は、表1に示す。アルゴン原子の加速エネルギー、および炭素原子数とアルゴン原子数の比を変数として、本発明試料1~4および比較試料1~3を作製した。また、各試料について、分光エリプソメトリ法により波長550nmで光学計測を行い、各試料の屈折率nと消衰係数κを測定した。また、圧縮残留応力値はDLC膜の形成前後のSi基体の変形量の測定から求めた。
Figure 2022073443000002
本発明試料1~4はすべて、本発明範囲の屈折率と消衰係数を示し、圧縮残留応力は2GPa以下を示した。比較試料1では、炭素原子数に対してアルゴン原子数が多いものの加速電圧がダイヤモンドのC-C結合エネルギー7.2eVよりも過剰に大きいために、膜内に大きな応力が残留して高硬度な被膜となった。比較試料2は、アークイオンプレーティング法によりDLC膜を作製した例を示す。ダイヤモンドのC-C結合エネルギー7.2eVよりも高い加速電圧を加えた。ダイヤモンドに近い硬度を示し、高屈折率で小さな消衰係数値を示した。しかし、残留応力が大きく、耐剥離性に問題がある。比較試料3では、アルゴン原子数に対して炭素原子数が少なく被膜形成されなかった。
本発明による屈折率が2.5~3.0かつ消衰係数が0.75~1.20の範囲であるDLC膜は、高密度かつ圧縮残留応力が小さく、膜の剥離や破壊が生じにくく、低摩擦、高耐摩耗、長寿命が望まれる機械部品や工具部材などに活用できる。また、電子部材用途や生体用部材にも使用できる。

Claims (3)

  1. 実質的に水素を含有しない膜厚50nm~1.5μmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)であり、分光エリプソメトリ法による波長550nmでの光学計測において、その屈折率が2.5~3.0、かつ消衰係数が0.75~1.20の範囲であるDLC膜。
  2. 膜の圧縮残留応力が0.5~2.0GPaである請求項1のDLC膜。
  3. 請求項1または2のDLC膜を被覆された部材。
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