JP2022072800A - 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ - Google Patents
経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022072800A JP2022072800A JP2020182443A JP2020182443A JP2022072800A JP 2022072800 A JP2022072800 A JP 2022072800A JP 2020182443 A JP2020182443 A JP 2020182443A JP 2020182443 A JP2020182443 A JP 2020182443A JP 2022072800 A JP2022072800 A JP 2022072800A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- indicator
- composition
- discoloration
- time
- oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
【課題】インジケータ適用時に、短時間で変色させるのではなく、変色速度を調節(抑制)することにより、インジケータを適用させた各製品の好ましい使用期限に応じて経時的に変色させることができる、経時変色性インジケータ及びそれに用いる経時変色性インジケータ用組成物を提供する。【解決手段】酸化還元色素、還元剤、油溶性酸化防止剤及び油溶性樹脂を含む、経時変色性インジケータ用組成物。基材上に、前記経時変色性インジケータ用組成物を含む変色層を有する経時変色性インジケータ。【選択図】なし
Description
本発明は、経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータに関する。
色調変化を利用する経時変色性インジケータが、従来より種々提案されている。例えば、食品、医薬品、防虫剤、芳香剤、脱臭剤、除湿剤等の製品は、製品の使用時における環境条件とその環境下におかれた時間(経過時間)により、その品質や機能が変化する。従って、これら製品の品質を管理すべく、製品が置かれた環境条件と経過時間を把握するためのインジケータが必要となる。
従来、このような経時変色性インジケータとしては、例えば、酸化還元色素と還元剤とを必須成分として含む組成物を用いて形成された酸素インジケータが知られている(特許文献1~3参照)。
しかしながら、このような酸素インジケータは、一般的に酸素の検知を鋭敏にするため、変色速度を速くする工夫が施されており、例えば、製品に同封されている酸素インジケータは、製品を開けて大気に触れさせると短時間(数分以内)で変色してしまうものであった。そのため、各製品に応じた使用期限等を管理しやすいよう、短時間で変色するのではなく、製品が置かれた環境条件と経過時間を把握するためのインジケータが必要であった。
しかしながら、このような酸素インジケータは、一般的に酸素の検知を鋭敏にするため、変色速度を速くする工夫が施されており、例えば、製品に同封されている酸素インジケータは、製品を開けて大気に触れさせると短時間(数分以内)で変色してしまうものであった。そのため、各製品に応じた使用期限等を管理しやすいよう、短時間で変色するのではなく、製品が置かれた環境条件と経過時間を把握するためのインジケータが必要であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、インジケータ適用時に、短時間で変色させるのではなく、変色速度を調節(抑制)することにより、インジケータを適用させた各製品の好ましい使用期限に応じて経時的に変色させることができる、経時変色性インジケータ及びそれに用いる経時変色性インジケータ用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、酸化還元色素、還元剤、油溶性酸化防止剤及び油溶性樹脂を含む経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータとすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータに関する。
すなわち、本発明は、下記の経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータに関する。
1.酸化還元色素、還元剤、油溶性酸化防止剤及び油溶性樹脂を含む、経時変色性インジケータ用組成物。
2.前記油溶性酸化防止剤は、トコフェロール、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤及びジブチルヒドロキシトルエンから選ばれる少なくとも一種を含む、項1に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
3.前記油溶性酸化防止剤の含有量は、前記酸化還元色素1重量部に対して、5~30重量部である、項1又は2に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
4.前記還元剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、還元糖及び金属塩から選ばれる少なくとも一種を含む、項1~3のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
5.前記還元剤の含有量は、前記酸化還元色素1重量部に対して、8~100重量部である、項1~4のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
6.前記油溶性樹脂は、セルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラールから選ばれる少なくとも一種を含有する、項1~5のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
7.さらに非変色色素を含有する、項1~6のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
8.基材上に、項1~7のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物を含む変色層を有する経時変色性インジケータ。
9.さらに非変色層を有する、項8に記載の経時変色性インジケータ。
10.さらにオーバーコート層を有する、項8又は9に記載の経時変色性インジケータ。
11.項1~7のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物を含む印刷層を有する印刷物。
2.前記油溶性酸化防止剤は、トコフェロール、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤及びジブチルヒドロキシトルエンから選ばれる少なくとも一種を含む、項1に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
3.前記油溶性酸化防止剤の含有量は、前記酸化還元色素1重量部に対して、5~30重量部である、項1又は2に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
4.前記還元剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、還元糖及び金属塩から選ばれる少なくとも一種を含む、項1~3のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
5.前記還元剤の含有量は、前記酸化還元色素1重量部に対して、8~100重量部である、項1~4のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
6.前記油溶性樹脂は、セルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラールから選ばれる少なくとも一種を含有する、項1~5のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
7.さらに非変色色素を含有する、項1~6のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
8.基材上に、項1~7のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物を含む変色層を有する経時変色性インジケータ。
9.さらに非変色層を有する、項8に記載の経時変色性インジケータ。
10.さらにオーバーコート層を有する、項8又は9に記載の経時変色性インジケータ。
11.項1~7のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物を含む印刷層を有する印刷物。
本発明の経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータは、インジケータ適用時に、短時間で変色させるのではなく、変色速度を調節(抑制)することにより、インジケータを適用させた各製品の好ましい使用期限に応じて経時的に変色させることができる。
以下、本発明の経時変色性インジケータ用組成物(以下、単に「組成物」ともいう)、及び、それを用いた経時変色性インジケータ(以下、単に「インジケータ」ともいう)について詳細に説明する。
(1)経時変色性インジケータ用組成物
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、酸化還元色素、還元剤、油溶性酸化防止剤及び油溶性樹脂を含むものである。
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、酸化還元色素、還元剤、油溶性酸化防止剤及び油溶性樹脂を含むものである。
(酸化還元色素)
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、酸化還元色素を含有する。
酸化還元色素としては、還元剤により色が変色し、その後、空気中の酸素で酸化されて変色するものであれば特に限定されないが、例えば、メチレンブルー、インジゴテトラスルホン酸、サフラニンT、フェノサフラニン及びフェロイン等の水溶性の酸化還元色素が挙げられる。また、安全性等の観点から、メチレンブルー等が好ましい。
当該酸化還元色素は、1種又は2種以上で用いることができる。
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、酸化還元色素を含有する。
酸化還元色素としては、還元剤により色が変色し、その後、空気中の酸素で酸化されて変色するものであれば特に限定されないが、例えば、メチレンブルー、インジゴテトラスルホン酸、サフラニンT、フェノサフラニン及びフェロイン等の水溶性の酸化還元色素が挙げられる。また、安全性等の観点から、メチレンブルー等が好ましい。
当該酸化還元色素は、1種又は2種以上で用いることができる。
上記酸化還元色素の含有量は、色素の種類、所望の色相等に応じて適宜決定できるが、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.2~5重量%である。
酸化還元色素の含有量が0.1重量%未満であると、インジケータの変色後の色が薄くなるおそれがあり、10重量%を超えると、還元剤及び油溶性酸化防止剤も多量に必要になり経済的でなくなるおそれがある。
酸化還元色素の含有量が0.1重量%未満であると、インジケータの変色後の色が薄くなるおそれがあり、10重量%を超えると、還元剤及び油溶性酸化防止剤も多量に必要になり経済的でなくなるおそれがある。
なお、本明細書において、「経時変色性インジケータ用組成物100重量%」とは、組成物に含まれる全成分の合計100重量%を意味する。また、組成物中の各成分のうち、溶剤以外の成分は、固形分の含有量を示す。
(還元剤)
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、還元剤を含有する。
還元剤としては、上記酸化還元色素を還元し、変色させることができるものであれば特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、還元糖及び金属塩等が挙げられる。
当該還元剤は、1種又は2種以上で用いることができる。
還元糖としては、特に限定されないが、例えば、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド等が挙げられる。
金属塩としては、特に限定されないが、例えば、亜ニチオン酸塩、第一スズ塩、第一鉄塩等が挙げられる。
当該還元剤としては、水溶性の還元剤が好ましく、安全性等の観点から、アスコルビン酸等がより好ましい。
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、還元剤を含有する。
還元剤としては、上記酸化還元色素を還元し、変色させることができるものであれば特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、還元糖及び金属塩等が挙げられる。
当該還元剤は、1種又は2種以上で用いることができる。
還元糖としては、特に限定されないが、例えば、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド等が挙げられる。
金属塩としては、特に限定されないが、例えば、亜ニチオン酸塩、第一スズ塩、第一鉄塩等が挙げられる。
当該還元剤としては、水溶性の還元剤が好ましく、安全性等の観点から、アスコルビン酸等がより好ましい。
還元剤の含有量は、酸化還元色素1重量部に対して、好ましくは8~100重量部、より好ましくは8~20重量部である。還元剤の含有量が8重量部未満であると、酸化還元色素の発色(酸化)が早くなるおそれがあり、100重量部を超えると、還元剤を溶かすために組成物中の水分量が増加して、油溶性樹脂が溶解しにくくなるおそれがある。
(油溶性酸化防止剤)
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、油溶性酸化防止剤を含有する。当該油溶性酸化防止剤により、酸化還元色素の酸化を抑制し、色素の変色速度を抑制することができる。
なお、油溶性とは、有機溶剤に溶けやすく、水に溶けにくい性質を意味する。
油溶性酸化防止剤としては、酸化還元色素の酸化を抑制できるものであれば特に限定されないが、例えば、トコフェロール、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤及びジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
当該油溶性酸化防止剤は、1種又は2種以上で用いることができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、Irganoxシリーズ(Irganox1010等、BASF社製)等が挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アデカスタブPEPシリーズ(ADEKA社製)等が挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アデカスタブAOシリーズ(ADEKA社製)等が挙げられる。
当該油溶性酸化防止剤としては、安全性等の観点から、トコフェロール等が好ましい。
水溶性酸化防止剤ではなく、油溶性酸化防止剤を用いることにより、油溶性樹脂と相溶性がよいという利点がある。また、当該利点により、後述のように、油溶性樹脂と油溶性酸化防止剤が相互作用しやすくなり、変色速度を抑制しやすくなると考えられる。
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、油溶性酸化防止剤を含有する。当該油溶性酸化防止剤により、酸化還元色素の酸化を抑制し、色素の変色速度を抑制することができる。
なお、油溶性とは、有機溶剤に溶けやすく、水に溶けにくい性質を意味する。
油溶性酸化防止剤としては、酸化還元色素の酸化を抑制できるものであれば特に限定されないが、例えば、トコフェロール、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤及びジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
当該油溶性酸化防止剤は、1種又は2種以上で用いることができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、Irganoxシリーズ(Irganox1010等、BASF社製)等が挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アデカスタブPEPシリーズ(ADEKA社製)等が挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アデカスタブAOシリーズ(ADEKA社製)等が挙げられる。
当該油溶性酸化防止剤としては、安全性等の観点から、トコフェロール等が好ましい。
水溶性酸化防止剤ではなく、油溶性酸化防止剤を用いることにより、油溶性樹脂と相溶性がよいという利点がある。また、当該利点により、後述のように、油溶性樹脂と油溶性酸化防止剤が相互作用しやすくなり、変色速度を抑制しやすくなると考えられる。
油溶性酸化防止剤の含有量は、酸化還元色素1重量部に対して、好ましくは5~30重量部、より好ましくは5~15重量部である。油溶性酸化防止剤の含有量が5重量部未満であると、酸化還元色素の発色(酸化)が早くなるおそれがあり、30重量部を超えると、組成物をインジケータの変色層に用いた場合に、基材との密着性が低下したり、ブロッキング性が低下したりするおそれがある。
(油溶性樹脂)
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、油溶性樹脂を含有する。
油溶性樹脂としては、水酸基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、セルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等が挙げられる。水酸基を有すると、水溶性の酸化還元色素と相互作用できるという点から好ましい。また、当該油溶性樹脂においては、水酸基よりも、疎水基の方が多く存在するため、樹脂全体としては油溶性を示す。
当該油溶性樹脂は、1種又は2種以上で用いることができる。
セルロース系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース等が挙げられる。
当該油溶性樹脂としては、溶剤への溶解性や変色速度抑制等の観点から、ポリビニルブチラール、エチルセルロース等が好ましく、ポリビニルブチラールがより好ましい。
本発明の経時変色性インジケータ用組成物は、油溶性樹脂を含有する。
油溶性樹脂としては、水酸基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、セルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール等が挙げられる。水酸基を有すると、水溶性の酸化還元色素と相互作用できるという点から好ましい。また、当該油溶性樹脂においては、水酸基よりも、疎水基の方が多く存在するため、樹脂全体としては油溶性を示す。
当該油溶性樹脂は、1種又は2種以上で用いることができる。
セルロース系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース等が挙げられる。
当該油溶性樹脂としては、溶剤への溶解性や変色速度抑制等の観点から、ポリビニルブチラール、エチルセルロース等が好ましく、ポリビニルブチラールがより好ましい。
なお、当該油溶性樹脂の水酸基と酸化還元色素が、また、当該油溶性樹脂の疎水基と油溶性酸化防止剤がそれぞれ相互作用して、酸化還元色素を核とし、それを油溶性樹脂が覆い、その油溶性樹脂を油溶性酸化防止剤が覆うというような構造となり、これにより酸化還元色素の酸化を抑制し、変色速度を抑制することができると推測される。
油溶性樹脂の含有量は、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、好ましくは1~40重量%であり、より好ましくは2~30重量%である。油溶性樹脂の含有量が1重量%未満であると、組成物の粘度が低くなり印刷性に影響を与えるおそれがあり、40重量%を超えると、組成物の粘度が高くなり印刷性に影響を与えるおそれがある。
(非変色色素)
本発明組成物は、さらに非変色色素を含むことができる。
本明細書において、非変色色素とは、上記還元剤により無色化されない色素を意味する。非変色色素としては、特に限定されないが、例えば顔料、染料等が挙げられる。顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、ペリレン系、キナクリドン系等の顔料が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系、キノン系、シアニン系、フタロシアニン系、インジゴ系等の染料が挙げられる。変色後の視認性の観点から、変色色素の補色を選択することが好ましい。当該非変色色素は、1種又は2種以上で使用することができる。
非変色色素を含む場合、組成物中では変色色素と非変色色素が一様に混合している状態になるため、組成物は無色ではなくなる。例えば、組成物中の変色色素が青色、非変色色素が黄色の場合は、この組成物を用いたインジケータは、経時的に緑色に変化していく。また、非変色色素を含む場合、インジケータの初期色としては、非変色色素の色を呈していることが好ましい。
非変色色素を添加する場合、その含有量は、視認性の観点から、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、好ましくは0.5~10重量%であり、より好ましくは1~5重量%である。
本発明組成物は、さらに非変色色素を含むことができる。
本明細書において、非変色色素とは、上記還元剤により無色化されない色素を意味する。非変色色素としては、特に限定されないが、例えば顔料、染料等が挙げられる。顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、ペリレン系、キナクリドン系等の顔料が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系、キノン系、シアニン系、フタロシアニン系、インジゴ系等の染料が挙げられる。変色後の視認性の観点から、変色色素の補色を選択することが好ましい。当該非変色色素は、1種又は2種以上で使用することができる。
非変色色素を含む場合、組成物中では変色色素と非変色色素が一様に混合している状態になるため、組成物は無色ではなくなる。例えば、組成物中の変色色素が青色、非変色色素が黄色の場合は、この組成物を用いたインジケータは、経時的に緑色に変化していく。また、非変色色素を含む場合、インジケータの初期色としては、非変色色素の色を呈していることが好ましい。
非変色色素を添加する場合、その含有量は、視認性の観点から、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、好ましくは0.5~10重量%であり、より好ましくは1~5重量%である。
(溶剤)
本発明組成物は、さらに溶剤を含むことができる。
溶剤としては、酸化還元色素及び油溶性樹脂を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、水、アルコール又は多価アルコール系、エーテル系、ケトン系及びグリコールエーテル系等の各種溶剤が挙げられる。これら溶剤は、使用する酸化還元色素及び油溶性樹脂の溶解性等に応じて適宜選択すれば良く、また、適度な乾燥速度を有するものが好ましい。上記溶剤としては、水、アルコール、グリコールエーテル系溶剤等が好ましい。
上記溶剤は1種又は2種以上で使用することができる。
本発明組成物は、さらに溶剤を含むことができる。
溶剤としては、酸化還元色素及び油溶性樹脂を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、水、アルコール又は多価アルコール系、エーテル系、ケトン系及びグリコールエーテル系等の各種溶剤が挙げられる。これら溶剤は、使用する酸化還元色素及び油溶性樹脂の溶解性等に応じて適宜選択すれば良く、また、適度な乾燥速度を有するものが好ましい。上記溶剤としては、水、アルコール、グリコールエーテル系溶剤等が好ましい。
上記溶剤は1種又は2種以上で使用することができる。
溶剤の含有量は、用いる酸化還元色素や油溶性樹脂の種類等に応じて適宜決定でき、特に限定されないが、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、30~90重量%が好ましく、40~85重量%がより好ましい。溶剤の含有量が30重量%未満であると、組成物の粘度が低くなり印刷性に影響を与えるおそれがあり、90重量%を超えると、組成物の粘度が高くなり印刷性に影響を与えるおそれがある。
なお、組成物全体における各成分の固形分の合計量は、組成物全体から当該溶剤の合計量を除いた量となる。つまり、組成物全体における各成分の固形分の合計量は、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、70~10重量%が好ましく、60~15重量%がより好ましい。
なお、組成物全体における各成分の固形分の合計量は、組成物全体から当該溶剤の合計量を除いた量となる。つまり、組成物全体における各成分の固形分の合計量は、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、70~10重量%が好ましく、60~15重量%がより好ましい。
(添加剤)
本発明組成物は、上記成分以外に、任意成分として公知の添加剤を含有することができる。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、レベリング剤、増粘剤、分散剤等が挙げられる。
レベリング剤としては、特に限定されないが、例えばシリコーンオイル等が挙げられる。
増粘剤としては、本発明組成物に増粘効果を付与するとともに塗布性を向上させることができるものが好ましい。増粘剤としては、例えば、珪酸塩鉱物及び珪酸塩合成物等があげられる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤(例えば、ソルスパース41000、ソルスパース45000、ソルスパース54000、ソルスパース66000(以上ルーブリゾール社製))、界面活性剤等が挙げられる。
上記各種添加剤を添加する場合、その合計含有量は特に限定されないが、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、0.01~10重量%が好ましく、0.01~5重量%がより好ましい。
本発明組成物は、上記成分以外に、任意成分として公知の添加剤を含有することができる。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、レベリング剤、増粘剤、分散剤等が挙げられる。
レベリング剤としては、特に限定されないが、例えばシリコーンオイル等が挙げられる。
増粘剤としては、本発明組成物に増粘効果を付与するとともに塗布性を向上させることができるものが好ましい。増粘剤としては、例えば、珪酸塩鉱物及び珪酸塩合成物等があげられる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤(例えば、ソルスパース41000、ソルスパース45000、ソルスパース54000、ソルスパース66000(以上ルーブリゾール社製))、界面活性剤等が挙げられる。
上記各種添加剤を添加する場合、その合計含有量は特に限定されないが、経時変色性インジケータ用組成物100重量%中、0.01~10重量%が好ましく、0.01~5重量%がより好ましい。
本発明の経時変色性インジケータ用組成物の調製方法としては、特に限定されないが、例えば、上記各成分を公知の方法により混合、撹拌することにより調製することができる。
(2)経時変色性インジケータ
本発明の経時変色性インジケータは、基材上に、上記経時変色性インジケータ用組成物を含む変色層を有することを特徴とする。
本発明の経時変色性インジケータは、基材上に、上記経時変色性インジケータ用組成物を含む変色層を有することを特徴とする。
(基材)
基材としては、変色層を形成及び支持できるものであれば特に制限されない。例えば、金属又は合金材料(アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ブリキ箔、錫箔等)、プラスチックス(ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等の各種ポリエステル)、セロファン、アセチルセルロース、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩酸ゴム、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニル、ポリアミド、ポリフッ化エチレン等のフィルム又は成形体)、繊維類(紙、木質材料、不織布、織布、その他の繊維シート)、無機材料(セラミックス、ガラス、コンクリート、石膏類)、これらの複合材料等を用いることができる。基材の厚さは、インジケータの種類に応じて適宜設定することができる。
基材としては、変色層を形成及び支持できるものであれば特に制限されない。例えば、金属又は合金材料(アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ブリキ箔、錫箔等)、プラスチックス(ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等の各種ポリエステル)、セロファン、アセチルセルロース、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩酸ゴム、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニル、ポリアミド、ポリフッ化エチレン等のフィルム又は成形体)、繊維類(紙、木質材料、不織布、織布、その他の繊維シート)、無機材料(セラミックス、ガラス、コンクリート、石膏類)、これらの複合材料等を用いることができる。基材の厚さは、インジケータの種類に応じて適宜設定することができる。
(変色層)
変色層は、本発明組成物から形成される。その形成方法としては、例えば、基材上に本発明組成物の塗膜を形成する方法等が挙げられる。具体的には、本発明組成物を基材上に塗布後、乾燥させることにより、変色層を形成することができる。
本発明組成物を基材上に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンコート、スリットコート、スプレーコート、ディップコート等の公知の塗布方法;シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法等を用いることができる。本発明において、塗布には、塗布以外の印刷、浸漬等の概念も含まれている。
本発明組成物を塗布した後は、塗膜を乾燥させる。乾燥温度は特に限定されないが、60~100℃程度が好ましい。
なお、当該変色層は、本発明組成物を基材上に塗布後、乾燥させること等により形成されるため、変色層中には組成物由来の溶剤や溶媒は、全く又は殆ど存在しない。
本発明のインジケータにおける変色層の厚さは、特に限定されないが、視認性、印刷物の取扱いの観点から、500nm~2mm程度が好ましく、1~100μm程度がより好ましい。
変色層は、本発明組成物から形成される。その形成方法としては、例えば、基材上に本発明組成物の塗膜を形成する方法等が挙げられる。具体的には、本発明組成物を基材上に塗布後、乾燥させることにより、変色層を形成することができる。
本発明組成物を基材上に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンコート、スリットコート、スプレーコート、ディップコート等の公知の塗布方法;シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法等を用いることができる。本発明において、塗布には、塗布以外の印刷、浸漬等の概念も含まれている。
本発明組成物を塗布した後は、塗膜を乾燥させる。乾燥温度は特に限定されないが、60~100℃程度が好ましい。
なお、当該変色層は、本発明組成物を基材上に塗布後、乾燥させること等により形成されるため、変色層中には組成物由来の溶剤や溶媒は、全く又は殆ど存在しない。
本発明のインジケータにおける変色層の厚さは、特に限定されないが、視認性、印刷物の取扱いの観点から、500nm~2mm程度が好ましく、1~100μm程度がより好ましい。
(非変色層)
本発明のインジケータは、変色層の視認性を高めるために、下地層として変色しない非変色層を有することもできる。非変色層としては、変色層での酸塩基反応に影響を及ぼさなければ特に限定されず、顔料及び/又は染料を含む組成物により形成することができる。
顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、ペリレン系、キナクリドン系等の顔料が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系、キノン系、シアニン系、フタロシアニン系、インジゴ系等の染料が挙げられる。
非変色層用の組成物は、油溶性樹脂、増量剤、溶剤等を必要に応じて含むことができる。油溶性樹脂、増量剤、溶剤としては、上述と同様のもの等が挙げられ、それぞれ1種又は2種以上で用いることができる。
非変色層を形成する方法としては、特に限定されず、上記変色層と同様の公知の塗布方法、印刷方法等を用いることができる。また、非変色層の厚さは、インジケータの種類に応じて適宜設定することができる。
本発明のインジケータは、変色層の視認性を高めるために、下地層として変色しない非変色層を有することもできる。非変色層としては、変色層での酸塩基反応に影響を及ぼさなければ特に限定されず、顔料及び/又は染料を含む組成物により形成することができる。
顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、ペリレン系、キナクリドン系等の顔料が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系、キノン系、シアニン系、フタロシアニン系、インジゴ系等の染料が挙げられる。
非変色層用の組成物は、油溶性樹脂、増量剤、溶剤等を必要に応じて含むことができる。油溶性樹脂、増量剤、溶剤としては、上述と同様のもの等が挙げられ、それぞれ1種又は2種以上で用いることができる。
非変色層を形成する方法としては、特に限定されず、上記変色層と同様の公知の塗布方法、印刷方法等を用いることができる。また、非変色層の厚さは、インジケータの種類に応じて適宜設定することができる。
本発明では、変色層と非変色層とをどのように組み合わせてもよい。例えば、変色層の変色により初めて変色層と非変色層の色差が識別できるように変色層及び非変色層を形成したり、あるいは、変色によって初めて変色層及び非変色層との色差が消滅したりするように形成することもできる。本発明では、特に変色によって初めて変色層と非変色層との色差が識別できるように変色層及び非変色層を形成することが好ましい。
色差を識別できるようにする場合には、例えば変色層の変色により初めて文字、図柄及び記号の少なくとも一種が現れるように変色層及び非変色層を形成すればよい。本発明では、文字、図柄及び記号は、変色を知らせる全ての情報を包含する。これらの文字等は、使用目的等に応じて適宜デザインすればよい。
また、変色前における変色層と非変色層とを互いに異なる色としてもよい。例えば、両者を実質的に同じ色とし、変色後に初めて変色層と非変色層との色差(コントラスト)が識別できるようにしても良い。
本発明において、層構成の好ましい態様としては、例えば、(i)変色層が、基材の少なくとも一方の主面上に隣接して形成されているインジケータ、(ii)基材上に、前記非変色層及び前記変色層が順に形成されており、前記非変色層が前記基材の主面上に隣接して形成されており、前記変色層が前記非変色層の主面上に隣接して形成されているインジケータ、が挙げられる。
色差を識別できるようにする場合には、例えば変色層の変色により初めて文字、図柄及び記号の少なくとも一種が現れるように変色層及び非変色層を形成すればよい。本発明では、文字、図柄及び記号は、変色を知らせる全ての情報を包含する。これらの文字等は、使用目的等に応じて適宜デザインすればよい。
また、変色前における変色層と非変色層とを互いに異なる色としてもよい。例えば、両者を実質的に同じ色とし、変色後に初めて変色層と非変色層との色差(コントラスト)が識別できるようにしても良い。
本発明において、層構成の好ましい態様としては、例えば、(i)変色層が、基材の少なくとも一方の主面上に隣接して形成されているインジケータ、(ii)基材上に、前記非変色層及び前記変色層が順に形成されており、前記非変色層が前記基材の主面上に隣接して形成されており、前記変色層が前記非変色層の主面上に隣接して形成されているインジケータ、が挙げられる。
(オーバーコート層)
本発明のインジケータは、必要に応じて、オーバーコート層を有していてもよい。
当該オーバーコート層は、インジケータの最外層に配置される。そのため、基材上に変色層のみを有する場合、基材上に変色層と非変色層を有する場合のいずれにおいても(例えば上記(i)、(ii)の層構成)、変色層に隣接してオーバーコート層が形成されて、インジケータの最外層に配置される。
当該オーバーコート層を有することにより、インジケータの変色層が外気に直接接触するのを抑制して、インジケータの変色感度を制御(変色速度をさらに抑制)することができる。また、オーバーコート層の形成により変色層の塗膜強度を高めることもできる。
本発明のインジケータは、必要に応じて、オーバーコート層を有していてもよい。
当該オーバーコート層は、インジケータの最外層に配置される。そのため、基材上に変色層のみを有する場合、基材上に変色層と非変色層を有する場合のいずれにおいても(例えば上記(i)、(ii)の層構成)、変色層に隣接してオーバーコート層が形成されて、インジケータの最外層に配置される。
当該オーバーコート層を有することにより、インジケータの変色層が外気に直接接触するのを抑制して、インジケータの変色感度を制御(変色速度をさらに抑制)することができる。また、オーバーコート層の形成により変色層の塗膜強度を高めることもできる。
オーバーコート層としては、上記酸化還元色素の酸化還元反応を阻害しない限り特に限定されず、樹脂を含む組成物により形成することができる。
当該樹脂としては、特に限定されないが、例えば上記油溶性樹脂と同様のもの等が挙げられ、1種又は2種以上で用いることができる。
当該樹脂としては、特に限定されないが、例えば上記油溶性樹脂と同様のもの等が挙げられ、1種又は2種以上で用いることができる。
オーバーコート層用の組成物は、溶剤等を必要に応じて含むことができる。例えば、上記樹脂は、溶剤に溶解して使用することができる。溶剤としては、上述と同様のもの等が挙げられ、1種又は2種以上で用いることができる。
オーバーコート層を形成する方法としては、特に限定されず、上記変色層と同様の公知の塗布方法、印刷方法等を用いることができる。
また、オーバーコート層の厚さは、特に限定されないが、印刷物の取扱いの観点から、500nm~2mm程度が好ましく、1~100μm程度がより好ましい。
オーバーコート層を形成する方法としては、特に限定されず、上記変色層と同様の公知の塗布方法、印刷方法等を用いることができる。
また、オーバーコート層の厚さは、特に限定されないが、印刷物の取扱いの観点から、500nm~2mm程度が好ましく、1~100μm程度がより好ましい。
(粘着層)
本発明のインジケータは、必要に応じて、基材裏面(変色層形成面とは逆面)に粘着層を有していてもよい。基材裏面に粘着層を有することにより、本発明のインジケータを対象物に確実に固定することができる。
粘着層の成分としては、特に限定されず、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等が挙げられる。また、粘着層の厚さは、インジケータの種類に応じて適宜設定することができる。
本発明のインジケータは、必要に応じて、基材裏面(変色層形成面とは逆面)に粘着層を有していてもよい。基材裏面に粘着層を有することにより、本発明のインジケータを対象物に確実に固定することができる。
粘着層の成分としては、特に限定されず、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等が挙げられる。また、粘着層の厚さは、インジケータの種類に応じて適宜設定することができる。
(インジケータ)
本発明のインジケータの形状は特に限定されず、公知のインジケータに採用されている形状を幅広く用いることができる。
本発明のインジケータの形状は特に限定されず、公知のインジケータに採用されている形状を幅広く用いることができる。
本発明のインジケータの製造方法としては、特に限定されないが、例えば上述のように、各原料を混合、撹拌して、経時変色性インジケータ用組成物を作製し、この組成物を用いて、基材上に変色層を形成することにより、インジケータを製造することができる。
得られたインジケータは、脱酸素した空間や脱酸素した雰囲気で使用するまで保存し、使用開始時に大気に暴露することが好ましい。このように脱酸素した雰囲気で保存することにより、インジケータの初期色が保たれ、インジケータの使用開始時に変色を開始させることができる。
脱酸素した空間や脱酸素した雰囲気でインジケータを保存する方法としては、特に限定されないが、例えば、金属(アルミニウム等)を蒸着したプラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル等)袋の中に、例えば脱酸素剤(三菱ガス化学社製のエージレス等)を同封するか、又は、袋の内部を窒素置換や真空状態にして、酸素が含まれない状態でインジケータを保存する方法等が挙げられる。また、インジケータの少なくとも変色層を有する側の面に、金属(アルミニウム等)を蒸着したフィルム(材質:ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル等)を設けることにより、インジケータの少なくとも変色層側の面を密閉して、脱酸素雰囲気に近い状態でインジケータを保存する方法等が挙げられる。この場合、インジケータの両面に、金属蒸着フィルムを設けることが好ましい。さらに、上記方法を組み合わせてインジケータを保存する方法も挙げられる。
インジケータの片面又は両面に金属蒸着フィルムを設ける方法としては、特に限定されないが、例えば、粘着層等を介して貼り付けること等により行うことができる。また、粘着層としては、特に限定されず、上記粘着層と同様のもの等が挙げられる。
本発明のインジケータは、例えば、使用開始前は上記のように保存し、使用開始時に金属蒸着プラスチック袋からインジケータを取り出す、及び/又は、インジケータの金属蒸着フィルムをはがすこと等により、インジケータを適用させた製品と同じ環境下に置くことができる。
脱酸素した空間や脱酸素した雰囲気でインジケータを保存する方法としては、特に限定されないが、例えば、金属(アルミニウム等)を蒸着したプラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル等)袋の中に、例えば脱酸素剤(三菱ガス化学社製のエージレス等)を同封するか、又は、袋の内部を窒素置換や真空状態にして、酸素が含まれない状態でインジケータを保存する方法等が挙げられる。また、インジケータの少なくとも変色層を有する側の面に、金属(アルミニウム等)を蒸着したフィルム(材質:ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル等)を設けることにより、インジケータの少なくとも変色層側の面を密閉して、脱酸素雰囲気に近い状態でインジケータを保存する方法等が挙げられる。この場合、インジケータの両面に、金属蒸着フィルムを設けることが好ましい。さらに、上記方法を組み合わせてインジケータを保存する方法も挙げられる。
インジケータの片面又は両面に金属蒸着フィルムを設ける方法としては、特に限定されないが、例えば、粘着層等を介して貼り付けること等により行うことができる。また、粘着層としては、特に限定されず、上記粘着層と同様のもの等が挙げられる。
本発明のインジケータは、例えば、使用開始前は上記のように保存し、使用開始時に金属蒸着プラスチック袋からインジケータを取り出す、及び/又は、インジケータの金属蒸着フィルムをはがすこと等により、インジケータを適用させた製品と同じ環境下に置くことができる。
本発明のインジケータの用途は、特に限定されないが、例えば食品、医薬品、防虫剤、除湿剤、消臭剤等、使用期限がある製品等に適用することが好適に挙げられる。
(印刷物)
本発明の印刷物は、上記経時変色性インジケータ用組成物を含む印刷層を有するものである。
本発明組成物を印刷する対象物としては、製品管理されるべき製品等が挙げられる。製品としては、特に限定されないが、例えば食品、医薬品、防虫剤、除湿剤、消臭剤等、使用期限があるもの等が挙げられる。
本発明組成物を製品に直接印刷できる場合は、直接印刷すればよく、製品に直接印刷できない場合は、その製品の外装袋等に印刷すればよい。
当該印刷物を脱酸素雰囲気で保存する場合も、上記インジケータと同様にして保存することができる。
本発明の印刷物は、上記経時変色性インジケータ用組成物を含む印刷層を有するものである。
本発明組成物を印刷する対象物としては、製品管理されるべき製品等が挙げられる。製品としては、特に限定されないが、例えば食品、医薬品、防虫剤、除湿剤、消臭剤等、使用期限があるもの等が挙げられる。
本発明組成物を製品に直接印刷できる場合は、直接印刷すればよく、製品に直接印刷できない場合は、その製品の外装袋等に印刷すればよい。
当該印刷物を脱酸素雰囲気で保存する場合も、上記インジケータと同様にして保存することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1~4、比較例1~2)
下記表1に示す組成の各原料を混合、撹拌し、経時変色性インジケータ用組成物を作製した。この組成物を、スクリーン印刷機を用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、乾燥(70℃×15分間)して、当該フィルム上に30~50μmの変色層を有するインジケータを作製した。
作製したインジケータは、脱酸素剤(エージレス、三菱ガス化学製)と共に、バリアフィルム(エコシアールVA106、東洋紡製)の袋内に同封して、室温で7日間放置し、無色に変色させてから使用した。なお、使用したメチレンブルーは、還元剤により還元された状態では無色を示し、酸素により酸化されると青色を示す。
下記表1に示す組成の各原料を混合、撹拌し、経時変色性インジケータ用組成物を作製した。この組成物を、スクリーン印刷機を用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、乾燥(70℃×15分間)して、当該フィルム上に30~50μmの変色層を有するインジケータを作製した。
作製したインジケータは、脱酸素剤(エージレス、三菱ガス化学製)と共に、バリアフィルム(エコシアールVA106、東洋紡製)の袋内に同封して、室温で7日間放置し、無色に変色させてから使用した。なお、使用したメチレンブルーは、還元剤により還元された状態では無色を示し、酸素により酸化されると青色を示す。
表1記載の各成分の説明は、以下のとおり。
メチレンブルー(富士フィルム和光純薬)
アスコルビン酸(富士フィルム和光純薬)
トコフェロール100(油溶性)(日清オイリオ):トコフェロール
RM-21A(水溶性)(三菱ケミカルフーズ):ローズマリー抽出物/デキストリン
MOWITAL PVB-B30H(クラレ):ポリビニルブチラール
エトセル10(日新化成):エチルセルロース
ジョンクリル690(BASF):スチレン-アクリル樹脂
SH200オイル100CS(デュポン・東レ):シリコーンオイル
メチレンブルー(富士フィルム和光純薬)
アスコルビン酸(富士フィルム和光純薬)
トコフェロール100(油溶性)(日清オイリオ):トコフェロール
RM-21A(水溶性)(三菱ケミカルフーズ):ローズマリー抽出物/デキストリン
MOWITAL PVB-B30H(クラレ):ポリビニルブチラール
エトセル10(日新化成):エチルセルロース
ジョンクリル690(BASF):スチレン-アクリル樹脂
SH200オイル100CS(デュポン・東レ):シリコーンオイル
また、上記インジケータを用いて下記試験を行い、その結果を表1に示した。
変色性試験:まず、初期色の色度を測定した。次いで、インジケータを20℃×65%環境下で放置し、一定時間ごとに、インジケータの変色層の色度を測定し、初期色との色度の差を求めた。
上記試験における色度の測定は、コニカミノルタ製蛍光分光濃度計FD-5を用いて行った。
変色性試験:まず、初期色の色度を測定した。次いで、インジケータを20℃×65%環境下で放置し、一定時間ごとに、インジケータの変色層の色度を測定し、初期色との色度の差を求めた。
上記試験における色度の測定は、コニカミノルタ製蛍光分光濃度計FD-5を用いて行った。
色度の差(色差)ΔE*abは、下記式により算出して求めた。
ΔE*ab=[(L*2-L*1)2+(a*2-a*1)2+(b*2-b*1)2]1/2
なお、初期色と一定時間経過後の色度との色差は、インジケータの変色層の初期色の色度をL*1、a*1、b*1、一定時間経過後の色度をL*2、a*2、b*2として求めた。
また、ΔE*abが6.5以上であると変色が明確に認識できる。
ΔE*ab=[(L*2-L*1)2+(a*2-a*1)2+(b*2-b*1)2]1/2
なお、初期色と一定時間経過後の色度との色差は、インジケータの変色層の初期色の色度をL*1、a*1、b*1、一定時間経過後の色度をL*2、a*2、b*2として求めた。
また、ΔE*abが6.5以上であると変色が明確に認識できる。
表1の結果から、実施例1~4では、インジケータは、印刷後の初期色は無色であったが、20℃×65%で放置後すぐに大きく変色することなく、初期色と一定時間経過後の色度のΔE*abは経時的に大きくなり、その変色の程度から時間経過の程度を認識することができ、経時変色性インジケータとして適していた。
一方、比較例1のインジケータ用組成物は、水溶性酸化防止剤を使用しているため、変色速度抑制効果が殆ど無く、20℃×65%で放置後30分以内に大きく変色し、経時変色性インジケータとして適していなかった。比較例2のインジケータ用組成物は、水酸基を有さない油溶性樹脂を使用しているため、水溶性の酸化還元色素との相互作用が弱く、20℃×65%で放置後すぐに変色し、経時変色性インジケータとして適していなかった。
一方、比較例1のインジケータ用組成物は、水溶性酸化防止剤を使用しているため、変色速度抑制効果が殆ど無く、20℃×65%で放置後30分以内に大きく変色し、経時変色性インジケータとして適していなかった。比較例2のインジケータ用組成物は、水酸基を有さない油溶性樹脂を使用しているため、水溶性の酸化還元色素との相互作用が弱く、20℃×65%で放置後すぐに変色し、経時変色性インジケータとして適していなかった。
Claims (11)
- 酸化還元色素、還元剤、油溶性酸化防止剤及び油溶性樹脂を含む、経時変色性インジケータ用組成物。
- 前記油溶性酸化防止剤は、トコフェロール、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤及びジブチルヒドロキシトルエンから選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
- 前記油溶性酸化防止剤の含有量は、前記酸化還元色素1重量部に対して、5~30重量部である、請求項1又は2に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
- 前記還元剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、還元糖及び金属塩から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
- 前記還元剤の含有量は、前記酸化還元色素1重量部に対して、8~100重量部である、請求項1~4のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
- 前記油溶性樹脂は、セルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラールから選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
- さらに非変色色素を含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物。
- 基材上に、請求項1~7のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物を含む変色層を有する経時変色性インジケータ。
- さらに非変色層を有する、請求項8に記載の経時変色性インジケータ。
- さらにオーバーコート層を有する、請求項8又は9に記載の経時変色性インジケータ。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の経時変色性インジケータ用組成物を含む印刷層を有する印刷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020182443A JP2022072800A (ja) | 2020-10-30 | 2020-10-30 | 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020182443A JP2022072800A (ja) | 2020-10-30 | 2020-10-30 | 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022072800A true JP2022072800A (ja) | 2022-05-17 |
Family
ID=81604597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020182443A Pending JP2022072800A (ja) | 2020-10-30 | 2020-10-30 | 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022072800A (ja) |
-
2020
- 2020-10-30 JP JP2020182443A patent/JP2022072800A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3217824B2 (ja) | 酸素検知機能を有する包装材料 | |
EP1609488A1 (en) | Indicator for plasma sterilization and packaging material for sterilization | |
WO2012080704A1 (en) | Indicator, application thereof and related products | |
JPH05149942A (ja) | 酸素検知機能を有する包装材料 | |
JP2022072800A (ja) | 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ | |
TW201840966A (zh) | 氧檢測劑及氧檢測劑的製造方法 | |
JP6191217B2 (ja) | 酸素インジケーター | |
JP2003322648A (ja) | 酸素インジケーター | |
JP7320256B2 (ja) | 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ | |
JP2001192592A (ja) | 酸素インジケーター用インキ組成物および酸素インジケーター | |
JP7218904B2 (ja) | 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ | |
CN110903692B (zh) | 一种高稳定色变指示装置 | |
JP2022024313A (ja) | 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ | |
JP2007187556A (ja) | 酸素インジケーター用インキ並びに包装材料 | |
JP5011873B2 (ja) | 酸素インジケーター | |
JP2022172809A (ja) | 経時変色性インジケータ用組成物及びそれを用いた経時変色性インジケータ | |
JP4888042B2 (ja) | 酸素インジケーターインキ組成物、酸素インジケーターおよび包装材料 | |
JPH05209871A (ja) | 酸素検知剤 | |
JPH06222050A (ja) | 酸素検知紙 | |
JP2008128641A (ja) | 酸素インジケーターおよび包装材料 | |
JPH0317553A (ja) | 酸素インジケーターラベル | |
JP6816856B2 (ja) | 酸素検知用組成物および酸素検知体 | |
JP2008088201A (ja) | 酸素インジケーター用インキ及びこれを用いた包装材料 | |
JP7271892B2 (ja) | 酸素インジケーターおよび酸素インジケーターラベル | |
JPH04151556A (ja) | 酸素インジケーターラベル |