JP2022072154A - 薬物代謝酵素活性を測定するための放射性フッ素標識画像診断薬 - Google Patents

薬物代謝酵素活性を測定するための放射性フッ素標識画像診断薬 Download PDF

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恵一 川井
Keiichi Kawai
崇隆 國嶋
Munetaka Kunishima
正和 小林
Masakazu Kobayashi
明日香 水谷
Asuka Mizutani
正典 北村
Masanori Kitamura
泰寛 間賀田
Yasuhiro Magata
千恵 鈴木
Chie Suzuki
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Abstract

【課題】18Fの標識率が高く、加えて標識後の薬剤安定性が優れている18F標識メキタジン誘導体の提供。【解決手段】式(I):TIFF2022072154000015.tif4276(式中、Y-は陰イオンを表す。)で示される化合物;前記化合物を含有する代謝機能を測定するための検査薬;及び式:18F-CH2-Y(式中、Yは陰イオンとして脱離しうる基を表す。)で示される化合物をメキタジンと反応させることを含む、前記化合物の製造方法。胆汁排泄された当該化合物の放射性代謝物の量を測定することによって薬物代謝機能を測定するための検査薬。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 電気通信回線発表日:令和2年10月20日 掲載アドレス:https://site2.convention.co.jp/jsnm-jsnmt2020 https://site2.convention.co.jp/jsnm-jsnmt2020/program/program02.pdf
本発明は、薬物代謝酵素活性を測定するための放射性フッ素標識画像診断薬に関する。
薬物は体内に摂取された後、大部分が薬物代謝酵素によって別の化合物に代謝される。この薬物代謝酵素の活性には個人差があることが知られており、活性の高低によって代謝物の量が変化する。そのため、薬剤の投与量が同じであっても、薬効や副作用の発現には個体差が生じる。この薬物代謝酵素活性の個人差を測定することで、必要な薬効を得るとともに副作用を最小限に抑える個人に合わせた薬剤の投与量を決定することができると考えられる。また薬物代謝酵素活性の測定を基にして投与量を決定することは、昨今重要視されている根拠に基づく個別化医療(evidence-based personalized medicine)の観点からも、非常に有効であると思われる。
メキタジン(Mequitazine; 10-[(3RS)-1-azabicyclo[2.2.2]oct-3-ylmethyl]-10H-phenotiazine)は抗ヒスタミン剤として臨床で用いられている薬剤である。また、代表的な薬物代謝酵素であるCYP分子種のうち、比較的個体差が大きいとされているCYP2D6の基質薬剤であることがすでに報告されている(非特許文献1)。
特許文献1には、
次式(II):
Figure 2022072154000001
(式中、Xは放射性核種又は放射性核種標識用キレート部位を表し、Yは陰イオンを表す。)
で示されるメキタジン誘導体が薬物代謝機能を測定するための検査薬として有用であることが記載されており、前記放射性核種として18-フッ素(18F)が記載されている。
特開2016-69311号公報(請求項1及び3)
K. Nakamura, et al.; Oxidation of histamine H1 antagonist mequitazine is catalyzed by cytochrome P450 2D6 in human liver microsomes, J. Pharmacol. Exp. Ther. 1998 Feb; 284(2): 437-442.
本発明者らが、リアルタイム薬物代謝酵素活性を核医学画像診断によって定量することを目的とし、ポジトロン断層法(PET)用核種を有する化合物として、特許文献1に記載の前記式(II)においてX18F-CH-であり、Yが臭化物イオンである化合物(以下「18F-FMQ」という。)を合成したところ、18Fの標識率が低く、加えて標識後の薬剤安定性も満足できるものではなかった。
本発明の課題は、18Fの標識率が高く、加えて標識後の薬剤安定性が優れている18F標識メキタジン誘導体を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)次式(I):
Figure 2022072154000002
(式中、Yは陰イオンを表す。)
で示される化合物。
(2)前記(1)に記載の化合物を含有する代謝機能を測定するための検査薬。
(3)胆汁排泄された前記(1)に記載の化合物の放射性代謝物の量を測定することによって薬物代謝機能を測定するための前記(2)に記載の検査薬。
(4)次式: 18F-CH-Y
(式中、Yは陰イオンとして脱離しうる基を表す。)
で示される化合物をメキタジンと反応させることを含む、前記(1)に記載の化合物の製造方法。
本発明によれば、18Fの標識率が高く、加えて標識後の薬剤安定性が優れている18F標識メキタジン誘導体を提供することができ、リアルタイム薬物代謝酵素活性を核医学画像診断によって定量することができる。
図1は18F-FMQの精製時のHPLCクロマトグラムである。 図2は18F-FMQの純度検定のHPLCクロマトグラムである。 図3は18F-FMMQの精製時のHPLCクロマトグラムである。 図4は18F-FMMQの純度検定のHPLCクロマトグラムである。 図5はin vitro代謝物分析の結果を示す図である。 図6はin vitroでの代謝阻害検討の結果を示す図である。
本発明の前記式(I)で示される化合物は、CYP2D6が代謝酵素となるヒスタミンH1拮抗薬メキタジンのアザビシクロ[2.2.2]オクタン環の窒素原子に放射性核種18Fを導入したものである。
前記式(I)で示される化合物は、(i)肝臓で代謝される、(ii)代謝物のみが胆汁排泄される、(iii)代謝物が放射性であるという条件を満たすものである。
したがって、代謝機能をイメージングで捉えることができる。
前記式(I)において、Yで表される陰イオンとしては、例えば臭化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン、メタンスルホナートイオン、パラトルエンスルホナートイオン、トリフルオロメタンスルホナートイオン、四フッ化ホウ酸イオン、好ましくは臭化物イオンが挙げられる。
前記式(I)で示される化合物は、
次式: 18F-CH-Y
(式中、Yは陰イオンとして脱離しうる基を表す。)
で示される化合物をメキタジンと反応させることにより製造することができる。
例えば、前記式(I)においてYが臭化物イオンである化合物(以下「18F-FMMQ」という。)は、次のようにして製造することができる。
Figure 2022072154000003
すなわち、18F-フルオロメチルブロミド(bromofluoromethane)とメキタジンとを110℃で10分間反応させることにより製造することができる。
18F-フルオロメチルブロミドの代わりに、18F-フルオロメチルクロリド、18F-フルオロメチルヨージド、18F-フルオロメチルトシラート、18F-フルオロメチルメシラートなどの放射性核種18Fを導入した化合物を用いることもできる。また、18F-フルオロメチルブロミドを用いて前記式(I)においてYが臭化物イオンである化合物を合成した後、イオン交換等によって臭化物イオンを塩化物イオン、ヨウ化物イオンなどの他の対アニオンに変換することができる。
本発明の検査薬によれば、ヒトの体深部の組織における代謝機能を測定する場合に、非侵襲的なイメージングも可能である。また、特定の代謝酵素による代謝以降に複数の代謝物が存在しても、代謝酵素活性をイメージングすることができる。
本発明の検査薬の投与経路としては、静脈内、皮内、皮下、経口、経粘膜、及び直腸投与などが挙げられる。
本発明の検査薬の投与形態としては、投与経路に適した剤形であれば、注射剤、液剤、錠剤等から適宜選択すればよく、本発明の作用及び効果を損なわない限り、薬学的に許容される担体、又は剤形によって当該技術分野において一般的に使用される添加剤を更に含んでもよい。添加剤として、例えば、着色剤、保存剤、風味剤、香り改善剤、呈味改善剤、甘味剤、又は安定剤、その他薬学的に許容される添加剤を含有することができる。
本発明の検査薬の投与量は、投与方法、投与する化合物ならびに患者の年齢、性別及び体重によって、適宜決定すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)18F標識メキタジン誘導体の合成
浜松医科大学光尖端医学教育センターの医療用サイクロトロン(住友重機、HM12S)及び多目的合成装置(住友重機、Cupid)を用いてPET用核種18Fでの合成を行った。
1.18F-FMQの合成
18F-FMQは以下に示す3段階の反応を経て合成された。
(1)1段階目 18F-α-フルオロ-α’-ブロモ-p-キシレンの合成(Zuoquan Zhao, et al.; Highly efficient one-pot labeling of new phosphonium cations with fluorine-18 as potential PET agents for myocardial perfusion imaging, Mol. Pharm. 2014 Nov 3; 11(11): 3823-3831)
18Fイオン製造原料のターゲット水(18O-HO)を30μAで30分間照射した後、18O(p,n)18F反応により得られた18Fイオンを含むターゲット水をSep-Pak QMAカートリッジ(Waters、WAT023525)に通水し、18Fイオンを吸着させた。吸着させた18Fイオンは1.5mg/0.3mLのKCO(SIGMA-ALDRICH、367877-50G)水溶液と2.0mg/1.0mLのK.222(Merck Millipore、8.10647.0001)CHCN溶液の混和溶液で反応容器へ溶出した。
溶出液を110℃で乾固させた後、1mLの無水CHCNを加え濃縮乾固して溶媒を除去した。こうして得られた反応容器に1.0mg/0.5mLのα,α’-ジブロモ-p-キシレン(TCI、D0216)CHCN溶液を添加し、100℃で10分間反応させた後、溶媒を濃縮乾固した。
Figure 2022072154000004
(2)2段階目 18F-FMQの合成
得られた18F-α-フルオロ-α’-ブロモ-p-キシレンに3.2mg/0.5mLのメキタジンCHCN溶液を添加し、110℃で10分間反応させた。
Figure 2022072154000005
(3)3段階目 副生成物の除去
反応の過程で得られたBr体は目的化合物の精製を困難にしたため、phthalimide potassium salt(TCI、P0403)を用いたガブリエル反応(T. Takahashi, et al.; Improved synthesis of pure [18F]fluoro-compounds for PET studies from bromo-compounds, Appl. Radiat. Isot. 2003 May; 58(5): 557-566)によりBr体の除去を行った。
2段階目の反応終了後、2.7mg/0.5mLのphthalimide potassium salt DMF(関東化学、11392-25)溶液を添加し、110℃で10分間反応させた。その後0.5mLの20mMリン酸塩緩衝液(pH7.3)を加えHPLCに導入して保持時間13.0-13.5分に検出されたRIピーク分取した。
HPLC分取後、高濃度メタノールの溶媒置換のため、固相抽出にて精製した。分取条件と固相抽出条件をそれぞれ表1と表2に示す。固相抽出終了後、Ar気流下でエタノールを濃縮し生理食塩水で希釈した。
Figure 2022072154000006
Figure 2022072154000007
2.18F-FMQの純度検定及び安定性試験
精製した18F-FMQの純度検定はHPLC(Shimadzu)を使用した。検出器はUV(SPD-20A、Shimadzu)、RI(BIOSCAN)を使用し、クロマトグラムはLabSolutions(Shimadzu)を使用して解析した。純度検定の条件を表3に示す。
Figure 2022072154000008
3.18F-FMMQの合成
18F-FMMQは以下に示す2段階の反応を経て合成された。
(1)1段階目 18F-フルオロメチルブロミドの合成(PET用放射性薬剤の製造及び品質管理-合成と臨床使用への手引き-、第5版、PET化学ワークショップ、高橋和弘/豊原潤/籏野健太郎、2015年2月6日第1刷発行、p.80-84)
18Fイオン製造原料のターゲット水(18O-HO)を30μAで30分間照射した後、18O(p,n)18F反応により得られた18Fイオンを含むターゲット水をSep-Pak QMAカートリッジに通水し、18Fイオンを吸着させた。吸着させた18Fイオンは1.5mg/0.3mLのKCO水溶液と2.0mg/1.0mLのK.222 CHCN溶液の混和溶液で反応容器へ溶出した。
溶出液を110℃で乾固させた後、1mLの無水CHCNを加え濃縮乾固して溶媒を除去した。こうして得られた第1反応容器に100μLのジブロモメタン(ナカライテスク、22413-62)を混和した1mLの無水CHCNを加え、110℃で5分間反応させた。
Figure 2022072154000009
(2)2段階目 18F-FMMQの合成
第1反応容器での反応が終了した後、He気流下(50mL/min)でSep-Pak Silicaカートリッジ(Waters、WAT020520)を4個直列接続し、カートリッジ出口をRIモニタリングしつつ排気を行った。Silica出口にてRIモニタが放射能を検出した後、第2反応容器への回路を開放し、事前に調製しておいた3.2mg/mLのメキタジンCHCN溶液を含む第2反応容器へバブリングし18F-フルオロメチルブロミドを捕集した。バブリングは第2反応容器内のRIカウントが最大になるタイミングで終了した。
110℃で10分間反応させた後、1mLの20mMリン酸塩緩衝液(pH7.3)を加えHPLCに導入して保持時間10-11分に検出されたRIピークを分取した。分取条件は表1に示した18F-FMQのHPLC分取条件と同様である。HPLC分取後の溶液を110℃でエバポレーションし1.0mLの生理食塩水で回収した。
Figure 2022072154000010
4.18F-FMMQの純度検定及び安定性試験
精製した18F-FMMQの純度検定はHPLC(Shimadzu)を使用した。検出器はUV(SPD-20A、Shimadzu)、RI(BIOSCAN)を使用し、クロマトグラムはLabSolutions(Shimadzu)を使用して解析した。純度検定の条件を表4に示す。
Figure 2022072154000011
5.結果
(1)18F-FMQの合成
18F-FMQ精製時のHPLCクロマトグラムを図1に示す。同一条件における18Fイオンの保持時間は2.5分であり、5分、6分が副生成物、13.5分が18F-FMQであった。各RIピーク下面積を算出し標識率を算出した結果、標識率47.9±5.4%(n=3)の18F-FMQが得られた。
(2)18F-FMQの純度検定及び安定性試験
純度検定のHPLCクロマトグラムを図2に示す。18F-FMQのピークは5分に確認できた。更に、18Fイオンは同一条件にて2.5分にRIピークが確認できるところ、図2からは18F-FMQ以外のRIピークが確認できない。これらのピーク下面積比より放射化学的純度95%以上の高い18F-FMQの精製ができた。
また、常温における安定性試験においては、分取後生理食塩水で保存していた18F-FMQは時間経過に伴い2時間後にはおよそ30%の純度低下をきたすことが分かった。しかし生理食塩水を濃縮せずエタノールで保存中での分解は時間経過によらず確認できなかった。
(3)18F-FMMQの合成
18F-FMMQの精製時のHPLCクロマトグラムを図3に示す。同一条件における18Fイオンの保持時間は2.5分であり、6.5分が第一段階生成物、10.0分が18F-FMMQであった。各RIピーク下面積を算出し標識率を算出した結果、標識率82.6±2.6%(n=3)の18F-FMMQが得られた。
(4)18F-FMMQの純度検定及び安定性試験
純度検定のHPLCクロマトグラムを図4に示す。18F-FMMQのピークは7.5分に確認できた。更に、18Fイオンは同一条件にて2.5分にRIピークが確認できるところ、図4からは18F-FMMQ以外のRIピークが確認できない。これらのピーク下面積比より放射化学的純度99%以上の非常に高い18F-FMMQの精製ができた。
また、常温における安定性試験においては、分取後生理食塩水で保存していた18F-FMMQは分取後1時間後においても放射化学的純度99%以上と非常に安定であることが確認できた。
6.考察
本実施例では、薬物代謝酵素活性の定量を目指した新規放射性医薬品としてメキタジンのPET核種18F標識を試みた。
本実施例において合成した18F-FMQは標識率47.9±5.4%(n=3)で合成され、放射化学的純度95%以上の18F-FMQの精製に成功した。しかし生理食塩水で常温において保存していると2時間後までに標識体の30%が分解された。しかしエタノールを添加することにより分解は抑えられるものの短期間においての保存方法を検討する必要があると考えられる。18F-FMMQは標識率82.6±2.6%(n=3)で合成され、放射化学的純度99%以上の非常に高い18F-FMMQの精製に成功した。更に、常温において1時間後まで標識体の分解は確認できず、短期間においては非常に安定性が高いことが確認された。
(実施例2)In vitro代謝物分析及びin vivo代謝物分析
18F-FMMQを使用してin vitro代謝物分析及びin vivo代謝物分析を行った。
1.In vitro代謝物分析
In vitro検討において、下記を混和して60分間反応させたものを分析した。
・マウス肝臓ホモジネート(SCIDマウス)
・NADPH生成系(CYPのエネルギー源)
・リン酸塩緩衝液
・標識RI(18F-FMMQ)
代謝反応へのCYPの関与を確認するためにNADPH生成系を添加しなかったサンプルは代わりに精製水を添加した。
(タイムコースの測定)
Figure 2022072154000012
NADPH生成系の調製
(1)133.3mM Glucose-6-phosphate 18.2mg/milliQ 536μL
(2)12.2mM β-NADP+ 4.5 mg/milliQ 482.4μL
(3)1M MgCl 53.6μL
(4)1U/mL Glucose-6-phosphate dehydrogenase 10.72μL
[{(1)+(2)}+(3)]+(4)
l8F-FMMQ代謝物分析の結果、マウス肝臓ホモジネート中でCYPによる放射性代謝物の生成を確認した(図5のM1及びM2参照)。
2.In vitroでの代謝阻害検討
In vitro検討において、下記を混和して60分間反応させたものを分析した。
・マウス肝臓ホモジネート(SCIDマウス)
・NADPH生成系(CYPのエネルギー源)
・リン酸塩緩衝液
・各CYPの特異的阻害剤
・標識RI(18F-FMMQ)
各反応での代謝物の割合を算出(代謝物が複数ある場合はその合計)し、阻害剤を添加していないNADPH(+)のサンプルを基準にした阻害率を算出した。
Figure 2022072154000013
結果を図6に示す。CYP2D6に特異的阻害効果があるparoxetine負荷において著明な阻害効果が得られた。
3.In vivo検討(イメージング)
In vivo検討において、撮像した画像で関心領域を設定し集積を比較した。18F-FMMQ投与1時間前にCYP2D6の特異的阻害剤であるparoxetineを腹腔投与して、正常マウスと阻害剤負荷マウス(CYP2D6活性低下モデル)とで比較した。対象臓器は肝臓、胆汁排泄(小腸、胆嚢、腸管上部)、腎臓とした。
イメージングではscidマウスにおいて投与後30分までの間に肝臓の集積がparoxetine負荷により増加し胆汁排泄量が減少していた。
4.In vivo検討(体内分布)
In vivo検討において、投与後の体内分布を比較した。18F-FMMQ投与1時間前にCYP2D6の特異的阻害剤であるparoxetineを腹腔投与して、正常マウスと阻害剤負荷マウス(CYP2D6活性低下モデル)とで比較した。
体内分布ではddYマウスにおいてparoxetine負荷により肝臓(5分、10分で有意水準0.05)の集積が増加し、胆嚢(10分、15分で有意水準0.05)及び小腸(内容物含む:15分で有意水準0.01)において集積が低下した。この結果はscidマウスイメージングと同様の傾向を示していた。
5.Ex vivo検討(scidマウス1-3:normal、scidマウス4-6:paroxetine負荷)
18F-FMMQ投与後15分で屠殺し胆嚢・肝臓を摘出した。肝臓は湿重量(100mg程度)の3倍Krebs-Ringerリン酸塩緩衝液(KRPB)を加えホモジナイズした。遠心分離(4℃、15000rpm、5分)で上清のみを回収した。上清250μLにエタノールを200μL添加した後、過塩素酸溶液を50μL添加した。再度遠心分離(4℃、15000rpm、5分)にて上清を回収し、HPLC分析した。胆嚢は10μLのエタノールで希釈しscidマウス1-3とscidマウス4-6で合わせてHPLC分析した。HPLC付属のガンマカウンタの検出限界以下であったため、30秒間隔で廃液を回収しオートウェルガンマカウンタで1分間ずつ測定した。
CYP2D6特異的阻害剤paroxetineを負荷したCYP2D6阻害モデルマウスへl8F-FMMQを投与し、15分後に摘出した肝臓と胆汁中に含まれる放射性物質を分析した結果、正常マウスと比較して肝臓では未変化体が増加し、胆汁中では放射性代謝物の集積が低下した。
以上の結果から18F-FMMQは肝臓中のCYP2D6活性を胆嚢の経時的集積曲線の変化として捉えられる新規画像診断薬としての有用性が示された。

Claims (4)

  1. 次式(I):
    Figure 2022072154000014
    (式中、Yは陰イオンを表す。)
    で示される化合物。
  2. 請求項1記載の化合物を含有する代謝機能を測定するための検査薬。
  3. 胆汁排泄された請求項1記載の化合物の放射性代謝物の量を測定することによって薬物代謝機能を測定するための請求項2記載の検査薬。
  4. 次式: 18F-CH-Y
    (式中、Yは陰イオンとして脱離しうる基を表す。)
    で示される化合物をメキタジンと反応させることを含む、請求項1記載の化合物の製造方法。
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