JP2022071756A - 検査方法および成形物 - Google Patents

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Yoshinobu Ito
善昭 岩本
Yoshiaki Iwamoto
修平 佐伯
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Abstract

Figure 2022071756000001
【課題】本発明は、金属材と樹脂材の接合強度が要求強度を満たしていることを保証することを可能とすることを目的とする。
【解決手段】本発明は、熱可塑性の樹脂材を金属材に押し当てて溶融させる接合装置を用いて、前記樹脂材と前記金属材とを接合した成形物における接合強度の検査方法であって、前記金属材の前記接合装置が接触する領域の外周付近に少なくとも一つの穴が設けられ、前記穴内への溶融した前記樹脂材のはみ出しの有無を確認して前記接合強度を検査する。
【選択図】図11

Description

本発明は、検査方法および成形物に関する。
最近は、例えば自動車を構成する部材として、金属で構成された金属材と樹脂で構成された樹脂材とが接合された材料の使用が知られている。そのため、金属材と樹脂材との接合を行なっている。そして従来は、金属材と樹脂材との接合を、例えば特許文献1のような方法を用いて行っていた。
すなわち、金属材と樹脂材を接合する接合部(金属材側)に中心電極(ロッド電極)と外周電極(リング電極)を当てて両電極間に電流を流すことで接合部の金属材が加熱され、当該金属材とともに加圧されている樹脂材に熱が伝導し、樹脂材が溶融することで金属材と樹脂材が接合される。
特開2018-202692号公報
しかしながら、このような従来の接合方法では、金属材と樹脂材とを接合した成形物について、非破壊検査によって金属材と樹脂材の接合強度に係る検査が行えなかったため、接合強度が要求強度を満たしていることを保証することができなかった。
本発明は、金属材と樹脂材の接合強度が要求強度を満たしていることを保証することを可能とすることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、熱可塑性の樹脂材を金属材に押し当てて溶融させる接合装置を用いて、前記樹脂材と前記金属材とを接合した成形物における接合強度の検査方法であって、前記金属材の前記接合装置が接触する領域の外周付近に少なくとも一つの穴が設けられ、前記穴内への溶融した前記樹脂材のはみ出しの有無を確認して前記接合強度を検査する。
本発明によれば、金属材と樹脂材の接合強度が要求強度を満たしていることを保証することができる。
図1は、実施形態の成形物が自動車のアンダーカバーや後部ドアに使用された例を示す説明図である。 図2は、実施形態の成形物が自動車のアンダーカバーに使用された例を示す説明図である。 図3は、アンダーカバーにおける金属材と樹脂材との接合状態を示す図である。 図4は、実施形態の成形物が自動車の後部ドアに使用された例を示す説明図である。 図5は、接合前の金属材と樹脂材を示す図である。 図6は、金属材と樹脂材を接合する接合装置を示す図である。 図7は、成形物を製造する製造方法を示す図であって、電極が金属材の上方に位置している状態を示す図ある。 図8は、金属材に電極を圧接した状態を示す図である。 図9は、金属材と樹脂材とを接合した状態において、溶融した樹脂材が穴内にはみ出た状態を示す図である。 図10は、接合した形成物から電極を上方に移動させた状態を示す図である。 図11は、金属材と樹脂材とを接合した成形物を示す図である。 図12は、溶融した樹脂材が穴内にはみ出した状態を示す説明図である。 図13は、溶融した樹脂材が穴内にはみ出した状態を横から示す説明図である。 図14は、樹脂材のはみ出しと金属材と樹脂材との接合強度を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により、この発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態の形成体が自動車Cで使用された例を説明するための図である。最近の自動車Cは車体を軽量化するために、従来は金属材10で構成されていた部品や板金の一部が樹脂材20に置き換えられている。そのため、金属材10と樹脂材20が接合された成形物Bが自動車Cに取り付けられる。実施形態の成形物Bは、例えば、自動車Cの下面に装着されるアンダーカバーや、後部ドアに取り付けて使用される。アンダーカバーは、耐熱性を付与するために、一般的に、熱源近傍の一部が金属材10に置き換えられているか、金属材10が重ね合わせされている。
成形物Bを構成する金属材10は、電気を通す板状の金属を形状成形した金属材であって、例えばアルミニウムである。また、成形物Bを構成する樹脂材20は、熱可塑性の樹脂で構成された例えば板状の樹脂を形状成形した樹脂成形体である。なお、樹脂は、インジェクション成形によって成形したものであってもよい。成形物Bを構成する金属材10と樹脂材20は、取付位置の形状に合わせて立体的に形成する場合もある。熱可塑性の樹脂材は、例えば、ポリプロピレン(PP)やPPを原材料とした高性能樹脂等が挙げられる。樹脂材20は、金属材10より融点が低い。
図2は、自動車Cを下側から見た図であって、実施形態の成形物Bが自動車Cのアンダーカバーとして使用された例を示す説明図である。図2に示すように、自動車Cは、4個のタイヤTとエンジンEを備えている。エンジンEは燃料を燃焼させることで排気ガスを排出する。排気ガスは、排気管Hを通って自動車Cの後部から大気中に放出される。排気が通過する排気管Hは高温になるため、通常金属材で構成されている。アンダーカバーはこの排気管Hの周辺部に取り付けられており、排気管Hの温度が影響しないように金属材10の被いで覆われており、この被いと樹脂材20とを接合してアンダーカバーが構成される。
図3は、アンダーカバーFとしての成形物Bにおいて、金属材10と樹脂材20との接合状態を示す図である。図3に示しように、実施形態のアンダーカバーFは、金属材10と樹脂材20が接合されて形成される。アンダーカバーFにおいて、金属材10と樹脂材20は、それぞれ固有の立体的形状に形成されている。金属材10と樹脂材20が例えば5か所の接合部Gで接合される。接合部Gは、金属材10および樹脂材20が極力平面形状である位置に形成されている。
図4は、実施形態の成形物Bが自動車Cの後部ドアDの内部構成として使用された例を示す説明図である。図4は、説明のために後部ドアDの一部を切り欠いて内部が見える様にした図である。図4に示すように、ハッチバック式の後部ドアDは、解錠されると上側端部を支点として上方に回動する方式が多い。このような後部ドアDは重量を軽量化する必要がある。そのため、外板およびインナーは樹脂材20で構成され、補強のために外板および(または)インナーに金属材10を接合した成形物Bが使用されている。
ここからは、成形物Bを製造する方法について説明する。なお、実施形態では、一例として、平板状の金属材10と平板状の樹脂材20とを接合する。図5は成形物Bを構成する、接合前の金属材10と樹脂材20を示す図である。図6は、金属材10と樹脂材20を接合する接合装置50を示す図である。図7~図10は、成形物Bの製造方法を段階的に示す図である。図11は、図7~図10に示す方法で金属材10と樹脂材20が接合された成形物Bを示す図である。
図5において、金属材10は平板状(厚さ約1.0mm)の金属である。また樹脂材20は、平板状(厚さ約1.8mm)の樹脂である。金属材10の樹脂材20と接合される、少なくとも接合部G(図6を参照)付近の接合面13は、アンカー加工されており、微小なトンネル状の凹凸が形成されている。また、金属材10には、1または複数(実施形態では2個)の穴11が形成されている。穴11は、樹脂材20との接合中心Pから略等距離に形成される。望ましくは、穴11は、接合中心Pから略等距離に放射状に形成される。穴11は、金属材10の板厚方向を貫通している。実施形態において、穴11は例えば直径約3mmの円柱状に形成される。また、2つの穴11間の距離は例えば約18mmである。
図6は、金属材10と樹脂材20を接合して成形物Bを製造する接合装置50を示す図である。接合装置50は、例えば特許5701414号に記載されているように公知の装置である。接合装置50は、基台40と電極51を備える。基台40は平面状の台である。電極51は基台40に対向する位置に設けられ、基台40に対して昇降可能(図6において上下方向に移動可能)な電極である。電極51は、外周電極52と中心電極53を有する。外周電極52は、中空の円柱状に形成された電極である。外周電極52は、プラス(+)の電極である。中心電極53は、外周電極52の略中心部に位置するポール状の電極である。中心電極53は、マイナス(-)の電極である。
基台40に樹脂材20を乗せ、樹脂材20の上に金属材10を乗せる。そして電極51を上方から下方に移動(降下)させ金属材10に接触させる。この動作の詳細について、図7と図8を用いて説明する。図7は、接合する金属材10と樹脂材20を基台40上にセットした状態を示す図である。なお、図7(図8~図10も同様)において、金属材10に設けられた穴11内に溶融した樹脂材20がはみ出したかを示す、穴11付近の拡大図を右下に示す。溶融した樹脂材20が穴11内にはみ出すとは、溶融した樹脂材20が穴11の内部に入り込むことをいう。この状態では、電極51は金属材10の上方に離れて位置している。次に、接合装置50は、電極51を下方に移動させて、金属材10の上面に接触させる。さらに接合装置50は、電極51に対して上方から押し当てて圧力を加える(加圧する)。このため、基台40にセットされた金属材10と樹脂材20は、基台40と電極51との間で電極51によって上下方向に加圧される。図8は、電極51が降下して金属材10と接触し、かつ加圧した状態を示す。この状態で、外周電極52と中心電極53は、金属材10の表面に接触している。中心電極53は、金属材10の接合中心Pの位置に接触する。外周電極52の直径は約13.5mmである。
この状態において、穴11は電極51(外周電極52)より外側に位置している。すなわち、2個の穴11間のピッチ(約18mm)は、電極51(外周電極52)の直径より長く、電極51が金属材10に接触している図8の状態で、その周辺に穴11が見える。なお、中心電極53を接合中心Pと略一致させて接触させることで、電極51が2個の穴11の中間点となるように、金属材10の位置合わせをして電極51を接触させる。
図6の説明に戻る。この状態で、接合装置50は、電極51に通電する。具体的には、接合装置50は、外周電極52をプラスの電位とし、中心電極53をマイナスの電位とする。外周電極52と中心電極53は金属材10と接触しているため、通電に伴い外周電極52から金属材10を通って中心電極53へと電流が流れる。すると、金属材10は内部抵抗を有しているため、金属材10は内部を流れる電流によって加熱される。金属材10において、加熱される加熱領域54は、電極51が金属材10に接触する領域であって、具体的には、金属材10に接触している外周電極52で囲まれる領域である。また金属材10において、加熱領域54を加熱すると、加熱領域54より外周部にも放射状に熱が伝導する。そのため、外周電極52より外側に設けられた穴11の位置も加熱される。
また、通電によって金属材10の加熱領域54が加熱されると、当該熱が加圧されている樹脂材20に伝導する。樹脂材20は、金属材10より融点が低いため、加熱領域54が所定温度以上に加熱されると樹脂材20は接合部G付近において溶融する。溶融した樹脂材20は、金属材10と樹脂材20が加圧されていることから、アンカー処理されて凹凸化した金属材10の表面にしみ込むように浸透して、接合部Gにおいて金属材10と樹脂材20が接合される。なお、接合部Gは、外周電極52とほぼ同等の位置に位置し、接合部Gが占める面積は、外周電極52の内部の面積とほぼ同等である。
また、金属材10は、加熱領域54の外周付近(すなわち、接合部Gの外周付近)両側に穴11を備える。そして、加熱領域54の外周部にも熱が伝導するため、穴11付近の樹脂材20も伝導熱によって溶融する。溶融した樹脂材20は、穴11の内部にはみ出して穴11内に盛り上がる。すなわち、穴11の内部に樹脂材20がはみ出している場合、接合部Gの外周部付近の樹脂材20が溶融していることを示す。接合部Gの外周部付近の樹脂材20が溶融していることは、接合部Gにおいても樹脂材20は溶融していることとすることができる。すなわち、穴11の内部に樹脂材20がはみ出していることが確認できれば、接合部Gにおいて、溶融した樹脂材20が金属材10に形成された凹凸に充分しみ込んでおり、金属材10と樹脂材20は要求強度以上の強固な接合強度で接合できている、とすることができる。
図9は、金属材10と樹脂材20とを接合した成形物Bにおいて、溶融した樹脂材20が穴11内にはみ出た状態を示す図である。図9に示すように、樹脂21は、樹脂材20が溶融して穴11内にはみ出した樹脂である。樹脂21が穴11内にはみ出しているか否かの確認は、詳細は後述するが、人が目視で穴11を見て樹脂21の有無を検査するか、機械によって樹脂21の有無を検査する。
次に、接合装置50は、電極51への通電を停止して、電極51を上方に移動(上昇)させる。図10は、接合した成形物Bから電極51を上方に移動させた状態を示す図である。図10に示すように、金属材10の表面には、電極51によって通電された際に外周電極52によって生じたリング状の痕跡12が形成される。痕跡12の直径は、外周電極52の直径と略同じで約13.5mmである。また、穴11内には、はみ出した樹脂21が確認できる。電極51への通電を停止すると、金属材10は外気等によって冷却される。溶融して金属材10の凹凸間に入り込んだ樹脂材20は、外気等によって冷却されて凝固する。また、穴11内にはみ出した樹脂21は、穴11内で凝固する。
図11は、このようにして金属材10と樹脂材20を接合した成形物Bを示す図である。図11に示すように、成形物Bは、金属材10と樹脂材20とが接合部Gにおいて接合中心Pを中心に接合されている。成形物Bは、痕跡12が形成される。接合部Gの外周部付近であって、痕跡12の外側の位置には、2個の穴11が形成される。穴11は、金属材10が成形される段階で成形される。成形物Bにおいて、接合部Gにおいて樹脂材20が充分溶融した場合には、金属材10と樹脂材20とが充分に接合され、かつ接合部Gの周辺に充分熱が伝導することで穴11付近の樹脂も溶融し、穴11内にはみ出した樹脂21が形成される。この場合、成形物Bを構成する金属材10と樹脂材20は、要求強度を満たす接合強度で強固に接合される。逆に、成形物Bにおいて、接合部Gでの金属材10と樹脂材20とが充分に接合されていない場合には、穴11付近にまで充分熱が伝導せず、穴11付近の樹脂材20が充分に溶融しないため、穴11にはみ出した樹脂21は形成されない。この場合、成形物Bを構成する金属材10と樹脂材20は、要求強度を超えている保証はない。
図12および図13は、穴11内に樹脂21がはみ出した状態を示す図である。図12は、穴11内に樹脂21がはみ出した状態を示す平面説明図であり、図13は、図12におけるA-A断面した断面説明図である。図12および図13に示すように、穴11付近の樹脂材20が溶融した場合には、穴11の内部には、はみ出した樹脂21が形成される。樹脂21は穴11内にはみ出した状態で凝固する。すなわち、穴11内にはみ出した樹脂21は、金属材10や樹脂材20が冷えた場合、穴11の内部ではみ出した状態を維持する。
樹脂21は、穴11内の接合部Gに近い側に生成されることが多い。これは、穴11にはみ出す樹脂21が加熱領域54から伝導した熱によって樹脂材20が接合部Gから外側へと溶融するためである。なお、樹脂21は、穴11内全体にはみ出ていてもいい。電極51における金属材10への通電電力量が多い場合、接合部Gに位置する樹脂材20、および接合部Gの外周付近に位置する樹脂材20が略同時に溶融することがある。このような場合、樹脂21は、穴11内全体にはみ出す可能性がある。
なお、実施形態では、2個の穴11を設けた。穴11は、痕跡12の周りに均等に複数個(望ましくは2個~4個程度)設けることが望ましい。樹脂材20は、加熱領域54から放射状に溶融すると強い接合強度を得ることができる。そのため、複数個の穴11を痕跡12の周りに均等に設け、各穴11に溶融した樹脂21がはみ出ているか、一部の穴11にしか樹脂21がはみ出ていないかで、樹脂材20が放射状に均等に溶融しているかを確認することができる。
次に、成形物Bにおける金属材10と樹脂材20との接合強度と、樹脂21の穴11内へのはみ出しの有無との関係について説明する。公知の強度評価方法である「引張せん断評価方法」を用いて、成形物Bにおいて接合された金属材10と樹脂材20とを引っ張り測定をおこなった。その結果を図14に示す。図14は、穴11内への樹脂21のはみ出しと、金属材10と樹脂材20との接合強度を示すグラフである。同グラフにおいて、横軸が電極51による金属材10への通電時間を示し、縦軸が引せん断強度(金属材10と樹脂材20との接合強度)を示す。なお、通電時間以外のパラメータとして、次の条件下で評価を行った。すなわち、電極51による金属材10と樹脂材20への加圧力は2.5キロニュートン(kN)であり、電極51が金属材10に接合して、外周電極52から中心電極53に流す接合電流値は2000アンペア(A)である。
図14に示すように、分岐点Xより通電時間が短い場合(グラフにおいて、分岐点Xより左側の状態)は、穴11内への樹脂21のはみ出しがなかった。この場合、引せん断強度は要求強度を満たしている場合もあるが要求強度を満たしてない場合もある(ばらつきがある)。これに対して、通電時間が分岐点X以上の場合(グラフにおいて、分岐点Xを含め分岐点Xより右側の状態)は、すべて穴11内への樹脂21のはみ出しがあった。そしてこの場合、引せん断強度はすべて要求強度を満たしていた。すなわち、このグラフによれば、穴11内への樹脂21のはみ出しがあった場合には、当該成形物Bにおける金属材10と樹脂材20との接合強度は要求強度を満たしているほど強固であるといえる(要求強度を満たしていることを保証できる)。逆に、穴11内への樹脂21のはみ出しがない場合には、当該成形物Bにおける金属材10と樹脂材20との接合強度は要求強度を満たしているとはいえない場合がある(要求強度を満たしていることの保証はできない)。
ここからは、成形物Bにおける接合強度の検査方法について説明する。成形物Bにおける接合強度の検査方法とは、上記図7~図10に示す製造方法によって製造された成形物Bにおいて、金属材10と樹脂材20の接合強度が要求強度を満たしているか、を検査する方法である。成形物Bにおける接合強度の検査方法は2種類ある。
第1の検査方法は、人の目視による検査方法である。人が目視する検査方法は次の順で行う。
(1)図7の製造工程を経て製造された成形物Bに形成された穴11を人が目視する。
(2)穴11内にはみ出した樹脂21の有無を確認する。
(3)(2)の検査によって穴11内に樹脂21がはみ出ていることを確認した場合には、当該成形物Bにおける金属材10と樹脂材20の接合強度は要求強度を満たしていることが保証できるとして、検査合格とする。穴11内に樹脂21がはみ出ていることを確認できない場合には、当該成形物Bにおける金属材10と樹脂20の接合強度は要求強度を満たしていることが保証できないとして検査不合格とする。このようにして、人は、成形物Bにおける金属材10と樹脂材20の接合強度を検査する。
なお、穴11が複数設けられている場合、そのうちの一つでも内部に樹脂21がはみ出している場合に要求強度を満たしていることが保証できるとするか、すべてではないが複数(例えば3個の穴11のうちの2個)の穴11内に樹脂21がはみ出している場合に要求強度を満たしていることが保証できるとするか、すべての穴11内に樹脂21がはみ出している場合にのみ要求強度を満たしていることが保証できるとするか、は、例えば成形物Bを使用する場所や環境によって適宜判断して変更すればよい。
第2の検査方法は、機械による検査方法である。例えば成形物Bの製造ラインにおいて、接合装置50、あるいは、別の検査装置に、図7~図10の方法で製造された成形物Bについて、例えば図10の工程の後に検査工程を設ける。検査工程においては、例えば複数のカメラ(立体撮像カメラが望ましい)で穴11内を立体的に撮像するようにする。機会による検査方法は次の順で行う。
(1)カメラで穴11内を撮像する。
(2)撮像した画像に基づいて、穴11にはみ出した樹脂21の有無を検査する。この検査は、例えば撮像した画像を解析して、穴11内部における盛り上がりの変化の有無を検査する。穴11内部に盛り上がりの変化があった場合には、穴11内に樹脂21のはみ出しがあることを検知(確認)する。穴11内部に盛り上がりの変化がない場合には、穴11内に樹脂21のはみ出しがあることを検知しない。
(3)穴11内への樹脂21のはみ出しを検知した場合には、検査装置(検査装置は接合装置50であってもよい)は、当該成形物Bについて、金属材10と樹脂材20の接合強度は要求強度を満たしていることが保証できるとして、検査合格とする。また、穴11内に樹脂21がはみ出を検知しない場合には、当該成形物Bにおける金属材10と樹脂材20の接合強度は要求強度を満たしていることが保証できないとして、検査不合格とする。
(4)検査合格の場合、検査装置は当該成形物Bを合格の場所に搬送する。検査不合格の場合は、検査装置は当該成形物Bを不合格の場所に搬送する。このように、検査装置は、成形物Bにおける金属材10と樹脂材20の接合強度を検査をし、検査合格の成形物Bと検査不合格の成形物Bを自動的に振り分ける。
なお、穴11が複数設けられている場合、そのうちの一つでも内部に樹脂21がはみ出している場合に樹脂21を検知したとするか、すべてではないが複数(例えば3個の穴11のうちの2個)の穴11内に樹脂21がはみ出している場合に樹脂21を検知したとするか、すべての穴11内に樹脂21がはみ出している場合にのみ樹脂21を検知したとするか、は、例えば成形物Bを使用する場所や環境によって検査装置を適宜設定すればよい。
以上説明したように、実施形態の検査方法は、熱可塑性の樹脂材20を金属材10に押し当てて溶融させる接合装置50を用いて、樹脂材20と金属材10とを接合した成形物Bにおける接合強度の検査方法であって、金属材10の接合装置50が接触する加熱領域54の外周付近に少なくとも一つの穴11が設けられ、穴11内への溶融した樹脂21のはみ出しの有無を確認して接合強度を検査する、ことを特徴とする。この検査方法を用いれば、穴11に樹脂21がはみ出していることが確認した場合には成形物Bの金属材10と樹脂材20の接合強度が要求強度を満たしているとすることができるため、金属材10と樹脂材20の接合強度が要求強度を満たしていることを保証することが可能となる。
また、実施形態の成形物Bは、熱可塑性の樹脂材20を金属材10に押し当てて溶融させる接合装置50を用いて、樹脂材20と金属材10とを接合した成形物Bであって、金属材10の接合装置50が接触する加熱領域54の外周付近に少なくとも一つの穴11が形成され、当該穴11内に溶融した樹脂21がはみ出している。このような成形物Bは、金属材10と樹脂材20の接合強度が要求強度を満たしている。そのため、このような成形物Bに基づいて、金属材10と樹脂材20の接合強度が要求強度を満たしていることを保証することが可能となる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
例えば、実施形態では、検査装置による穴11内への樹脂21のはみ出しの検査を、カメラで撮像した画像に基づいて行うようにした。しかしながらこれに限らず、例えば、光学センサによって穴11内への樹脂21のはみ出しの検査を行うようにしてもよい。この場合、発光部から発光された光が穴11の内部に照射され、光学センサが穴11からの反射光を受光して解析し、穴11への樹脂21のはみ出しの検査を行う。例えば、発光してから反射光を受光するまでの時間が所定時間より短いかを解析することで、検査装置は、穴11に樹脂21が存在するかを検査する。反射光を受光するまでの時間が所定時間より短い場合は、検査装置は、穴11に樹脂21が存在することを検知する。
また、実施形態では、成形物Bを自動車Cの一部の構成として説明した。しかしながらこれに限らず、成形物Bは自動車C以外に設けられたものであってもよい。
また、実施形態では、アンダーカバーFや後部ドアDについて成形物Bに係る金属材10と樹脂材20の接合について説明した。しかしながらこれに限らず、アンダーカバーFや後部ドアD以外の部分について成形物Bに係る金属材10と樹脂材20の接合を行うようにしてもよい。また、図4に示すように、外板を構成する樹脂材20と金属材10との接合に本発明を用いることもできる。この場合、外見上の問題から、外部から見えない位置において集中的に金属材10と樹脂材20を接合するか、外部から見える場所で金属材10と樹脂材20を接合する箇所には、当該位置の金属材10には穴11を設けないようにし、外部から見えない位置での金属材10と樹脂材20を接合する箇所のみ金属材10に穴11を設けるようにしてもよい。
10 金属材
11 穴
12 痕
20 樹脂材
21 樹脂
40 基台
50 接合装置
51 電極
52 外周電極
53 中心電極
54 加熱領域
B 成形物
C 自動車
D 後部ドア
E エンジン
F アンダーカバー
G 接合部
H 排気管
P 接合中心
T タイヤ
X 分岐点

Claims (4)

  1. 熱可塑性の樹脂材を金属材に押し当てて溶融させる接合装置を用いて、前記樹脂材と前記金属材とを接合した成形物における接合強度の検査方法であって、
    前記金属材の前記接合装置が接触する領域の外周付近に少なくとも一つの穴が設けられ、前記穴内への溶融した前記樹脂材のはみ出しの有無を確認して前記接合強度を検査する、
    ことを特徴とする検査方法。
  2. 前記金属材の前記樹脂材との接合面は、凹凸状に形成されている、
    請求項1に記載の検査方法。
  3. 熱可塑性の樹脂材を金属材に押し当てて溶融させる接合装置を用いて、前記樹脂材と前記金属材とを接合した成形物であって、
    前記金属材の前記接合装置が接触する領域の外周付近に少なくとも一つの穴が形成され、
    前記穴内に溶融した前記樹脂材がはみ出している、
    ことを特徴とする成形物。
  4. 前記金属材の前記樹脂材との接合面は、凹凸に形成される、
    請求項3に記載の成形物。
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