JP2022071697A - タイヤ - Google Patents

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和樹 山口
Kazuki Yamaguchi
祐人 橋本
Yuto Hashimoto
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Abstract

【課題】雪上ブレーキ性能を維持しつつ、優れた雪上旋回性能を発揮し得るタイヤを提供する。【解決手段】車両への装着の向きが指定されたトレッド部2を有するタイヤである。ミドル陸部12は、複数のミドル横溝20に区分された複数のミドルブロック24を含む。ミドル横溝20は、第1溝部21と第2溝部22とを含む。第2溝部22が第1溝部21に対してタイヤ周方向の一方側に位置ずれすることにより、ミドル横溝20は、第1溝部21のエッジと第2溝部22のエッジとの間でタイヤ周方向に沿って延びる縦エッジ25を2つ含む。ミドルブロック24には、第1周方向エッジ24aから延びかつミドルブロック24内に途切れ端26aを有する途切れ溝26が設けられている。途切れ溝26の途切れ端26aは、2つの縦エッジ25よりも第1周方向エッジ24a側に位置している。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤに関する。
下記特許文献1には、ショルダー陸部に複数本のショルダー横溝が設けられ、第1ミドル陸部に複数本の第1ミドル横溝が設けられた空気入りタイヤが提案されている。前記空気入りタイヤは、前記ショルダー横溝及び前記第1ミドル横溝によって、氷路性能の維持及び雪上性能の向上を期待している。
特開2015-013514号公報
近年、冬期での使用を前提としたタイヤには、雪上ブレーキ性能及び雪上旋回性能を向上させることが求められている。一方、近年の車両の運動性能の向上に伴い、タイヤには、雪上旋回性能のさらなる改善が求められている。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、雪上ブレーキ性能を維持しつつ、優れた雪上旋回性能を発揮し得るタイヤを提供することを主たる課題としている。
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、タイヤ赤道よりも前記第1トレッド端側に配されかつ前記周方向溝に区分されたミドル陸部とを含み、前記ミドル陸部は、前記ミドル陸部を横断する複数のミドル横溝に区分された複数のミドルブロックを含み、前記ミドル横溝は、前記第1トレッド端側でタイヤ軸方向に延びる第1溝部と、前記第2トレッド端側でタイヤ軸方向に延びる第2溝部とを含み、前記第2溝部が前記第1溝部に対してタイヤ周方向の一方側に位置ずれすることにより、前記ミドル横溝は、前記第1溝部のエッジと前記第2溝部のエッジとの間でタイヤ周方向に沿って延びる縦エッジを含み、前記ミドルブロックは、前記第1トレッド端側の第1周方向エッジと、前記第2トレッド端側の第2周方向エッジとを含み、前記ミドルブロックには、前記第1周方向エッジから延びかつ前記ミドルブロック内に途切れ端を有する途切れ溝が設けられており、前記途切れ溝の前記途切れ端は、前記縦エッジよりも前記第1周方向エッジ側に位置している。
本発明のタイヤにおいて、前記縦エッジのタイヤ周方向の長さは、前記第1溝部の溝幅の40%~60%であるのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記ミドル横溝の最大の深さは、前記周方向溝の最大の深さの40%~60%であるのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記途切れ溝のタイヤ軸方向の長さは、前記第1溝部のタイヤ軸方向の長さの40%~60%であるのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記ミドルブロックには、2本のサイプがタイヤ軸方向で隣り合うサイプ対が設けられ、前記サイプ対は、前記第1周方向エッジから延びかつ前記ミドルブロック内に途切れ端を有する第1ミドルサイプと、前記第2周方向エッジから延びかつ前記ミドルブロック内に途切れ端を有する第2ミドルサイプとを含むのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記第1ミドルサイプの前記途切れ端から前記第2ミドルサイプの前記途切れ端までのタイヤ軸方向の距離は、前記ミドルブロックのタイヤ軸方向の最大の幅の3%~7%であるのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記第1ミドルサイプの前記途切れ端は、前記縦エッジよりも前記第1周方向エッジ側に位置しているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記ミドルブロックには、前記第2周方向エッジから延び、かつ、前記縦エッジよりも前記第1周方向エッジ側で前記ミドルブロック内に途切れ端を有する第3ミドルサイプが設けられているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記縦エッジは、タイヤ周方向に対して5°以下の角度で延びているのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、車両への装着の向きが指定され、前記第1トレッド端は、車両装着時に車両外側となり、前記トレッド部は、前記周方向溝を介して前記ミドル陸部の前記第1トレッド端側に隣接する外側ショルダー陸部を含み、前記外側ショルダー陸部には、前記外側ショルダー陸部を横断する複数の外側ショルダー横溝が設けられており、トレッド平面視において、前記外側ショルダー横溝のタイヤ軸方向の内端部は、前記途切れ溝のタイヤ軸方向の外端部をタイヤ軸方向に平行に延長した投影領域と重複するのが望ましい。
本発明のタイヤにおいて、前記トレッド部は、車両への装着の向きが指定され、前記第1トレッド端は、車両装着時に車両外側となり、前記周方向溝は、前記ミドル陸部の前記第2トレッド端側に隣接する外側クラウン周方向溝を含み、前記外側クラウン周方向溝は、タイヤ周方向の一方側に向かって溝幅が漸減する変幅部をタイヤ周方向に複数含んでいるのが望ましい。
本発明のタイヤは、上記の構成を採用したことによって、雪上ブレーキ性能を維持しつつ、優れた雪上旋回性能を発揮することができる。
本発明の一実施形態のタイヤのトレッド部の展開図である。 図1のミドル陸部の拡大図である。 図2のミドルブロック及びミドル横溝の拡大図である。 図1の内側ミドル陸部の拡大図である。 図4の内側ミドル陸部の横溝及びブロックの拡大図である。 図4のA-A線断面図である。 図5のB-B線断面図である。 図5のC-C線断面図である。 図1の外側ショルダー陸部の拡大図である。 図1の内側ショルダー陸部の拡大図である。 図1のクラウン陸部の拡大図である。 比較例のミドル陸部の拡大図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のタイヤ1のトレッド部2の展開図である。図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、例えば、冬期での使用を前提とした乗用車用の空気入りタイヤとして用いられる。但し、本発明のタイヤ1は、このような態様に限定されるものではない。
本実施形態のタイヤ1は、例えば、車両への装着の向きが指定されたトレッド部2を有する。車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール部等に文字やマークで表示されている(図示省略)。また、トレッド部2は、例えば、非対称パターン(トレッドパターンがタイヤ赤道Cに対して線対称ではないことを指す)に構成されている。但し、本発明のタイヤ1は、このような態様に限定されるものではなく、車両への装着の向きが指定されないものでも良い。
トレッド部2は、第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2を含む。本実施形態において、第1トレッド端T1は、車両装着時に車両外側となり、第2トレッド端T2は、車両装着時に車両内側となる。第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2は、それぞれ、正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置に相当する。
「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「正規荷重」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。また、各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、「正規荷重」は、タイヤの標準装着状態において、1つのタイヤに作用する荷重を指す。前記「標準装着状態」とは、タイヤの使用目的に応じた標準的な車両にタイヤが装着され、かつ、前記車両が走行可能な状態で平坦な路面上に静止している状態を指す。
トレッド部2は、第1トレッド端T1と第2トレッド端T2との間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝3と、周方向溝3に区分された複数の陸部を含む。本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2が4本の周方向溝3に区分された5つの陸部を含む所謂5リブタイヤとして構成されている。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、トレッド部2が3本の周方向溝3と4つの陸部とで構成された所謂4リブタイヤでも良い。
周方向溝3は、例えば、外側クラウン周方向溝5、外側ショルダー周方向溝4、内側クラウン周方向溝6及び内側ショルダー周方向溝7を含む。外側クラウン周方向溝5は、タイヤ赤道Cと第1トレッド端T1との間に設けられている。外側ショルダー周方向溝4は、外側クラウン周方向溝5と第1トレッド端T1との間に設けられている。内側クラウン周方向溝6は、タイヤ赤道Cと第2トレッド端T2との間に設けられている。内側ショルダー周方向溝7は、内側クラウン周方向溝6と第2トレッド端T2との間に設けられている。
周方向溝3は、タイヤ周方向に直線状に延びるものや、ジグザグ状に延びるもの等、種々の態様を採用し得る。本実施形態の具体的な態様は、後述される。
外側ショルダー周方向溝4又は内側ショルダー周方向溝7の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離L1は、例えば、トレッド幅TWの20%~35%である。外側クラウン周方向溝5又は内側クラウン周方向溝6の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離L2は、例えば、トレッド幅TWの3%~15%である。なお、トレッド幅TWは、前記正規状態における第1トレッド端T1から第2トレッド端T2までのタイヤ軸方向の距離である。
周方向溝3の溝幅W1は、少なくとも3mm以上であるのが望ましい。望ましい態様では、周方向溝3の溝幅W1は、トレッド幅TWの2.0%~6.0%である。本実施形態では、4本の周方向溝3の内、内側クラウン周方向溝6が最も大きい溝幅を有している。
陸部は、周方向溝3に区分されたミドル陸部12を含む。ミドル陸部12は、例えば、外側ショルダー周方向溝4と外側クラウン周方向溝5との間に区分されている。これにより、ミドル陸部12は、車両装着時にタイヤ赤道よりも車両外側に位置する。但し、本発明が、車両への装着の向きが指定されないタイヤに適用された場合、ミドル陸部12は、上記の位置に限定されるものではない。
さらに、本実施形態の陸部は、外側ショルダー陸部11、クラウン陸部13、内側ミドル陸部14及び内側ショルダー陸部15を含む。外側ショルダー陸部11は、外側ショルダー周方向溝4のタイヤ軸方向外側に区分されており、第1トレッド端T1を含む。クラウン陸部13は、外側クラウン周方向溝5と内側クラウン周方向溝6との間に区分されている。内側ミドル陸部14は、内側ショルダー周方向溝7と内側クラウン周方向溝6との間に区分されている。内側ショルダー陸部15は、内側ショルダー周方向溝7のタイヤ軸方向外側に区分されており、第2トレッド端T2を含む。
図2には、ミドル陸部12の拡大図が示されている。図2に示されるように、ミドル陸部12は、ミドル陸部12をタイヤ軸方向に横断する複数のミドル横溝20に区分された複数のミドルブロック24を含む。
図3には、ミドル横溝20及びミドルブロック24の拡大図が示されている。図3に示されるように、ミドル横溝20は、第1トレッド端T1側でタイヤ軸方向に延びる第1溝部21と、第2トレッド端T2側でタイヤ軸方向に延びる第2溝部22とを含む。また、第2溝部22が第1溝部21に対してタイヤ周方向の一方側に位置ずれすることにより、ミドル横溝20は、第1溝部21のエッジ21aと第2溝部22のエッジ22aとの間でタイヤ周方向に沿って延びる縦エッジ25を含む。
ミドルブロック24は、第1トレッド端T1側の第1周方向エッジ24aと、第2トレッド端T2側の第2周方向エッジ24bとを含む。また、ミドルブロック24には、第1周方向エッジ24aから延びかつミドルブロック24内に途切れ端26aを有する途切れ溝26が設けられている。本発明では、途切れ溝26の途切れ端26aは、縦エッジ25よりも第1周方向エッジ24a側に位置している。本発明のタイヤ1は、上記の構成を採用したことによって、雪上ブレーキ性能を維持しつつ、優れた雪上旋回性能を発揮することができる。その理由としては、以下のメカニズムが推察される。
ミドル陸部12には、旋回時に大きな接地圧が作用するため、ミドル陸部12に配された各溝は、雪上性能への寄与が大きい。このため、本発明では、ミドル陸部12に配された溝の規定されている。
ミドル横溝20は、雪上走行時、内部で雪を押し固めて雪柱を形成し、これをせん断することにより反力(以下、このような反力を雪柱せん断力という場合がある。)を発生させ、ひいては雪上ブレーキ性能を高めることができる。また、ミドル横溝20が上述の縦エッジ25を含むことにより、タイヤ軸方向にも大きな雪柱せん断力が発揮され、ひいては雪上旋回性能が向上する。
また、途切れ溝26も、外側ショルダー周方向溝4と協働して、雪上走行時に大きな雪柱せん断力を発揮し、雪上ブレーキ性能及び雪上旋回性能を向上させる。
さらに、本発明では、途切れ溝26が縦エッジ25よりも第1周方向エッジ24a側で途切れているため、途切れ溝26と第1溝部21との間のブロック片27が、ミドル横溝20の2つの縦エッジ25を支点としてタイヤ周方向に撓み易くなる。これにより、ミドルブロックに作用する接地圧の変化によって、第1溝部21開閉し易くなる。このような作用は、2つの縦エッジ25付近で雪が詰まるのを抑制でき、優れた雪上旋回性能を持続して発揮できる。本発明では、このようなメカニズムにより、雪上ブレーキ性能を維持しつつ、優れた雪上旋回性能を発揮することができると推察される。
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤに、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
図1に示されるように、外側ショルダー周方向溝4は、例えば、一定の溝幅で直線状に延びている。一方、外側クラウン周方向溝5は、タイヤ周方向の一方側に向かって溝幅が漸減する変幅部5aをタイヤ周方向に複数含んでいる、同様に、内側クラウン周方向溝6も、タイヤ周方向の一方側に向かって溝幅が漸減する変幅部6aをタイヤ周方向に複数含んでいる。内側ショルダー周方向溝7も、タイヤ周方向の一方側に向かって溝幅が漸減する変幅部7aをタイヤ周方向に複数含んでいる。変幅部を含んだ周方向溝3は、内部で雪を強く押し固めることができ、雪上旋回性能を高めるのに役立つ。
望ましい態様では、外側クラウン周方向溝5の変幅部5aは、第1タイヤ周方向(本明細書の各図では上向きである。)に向かって溝幅が漸減している。また、内側クラウン周方向溝6の変幅部6a及び内側ショルダー周方向溝7の変幅部7aは、第1タイヤ周方向とは反対向きの第2タイヤ周方向(本明細書の各図では下向きである。)に向かって溝幅が漸減している。このような変幅部の配置は、加速時及び減速時のいずれでも周方向溝3内で固い雪柱を形成できる。
図3に示されるように、ミドル横溝20は、タイヤ軸方向に対して第1方向(本明細書の各図では、右上がりである。)に傾斜している。ミドル横溝20のタイヤ軸方向に対する角度(第1溝部21及び第2溝部22の角度である。)は、例えば、45°以下であり、望ましくは15~25°である。このようなミドル横溝20は、雪上ブレーキ性能のみならず、雪上旋回性能の向上にも役立つ。
ミドル横溝20の溝幅W3は、例えば、ミドルブロック24のタイヤ軸方向の最大の幅W2の15%~25%である。本実施形態では、第1溝部21の溝幅と第2溝部22の溝幅とが同じである。また、ミドル横溝20の最大の深さは、周方向溝3の最大の深さの40%~60%である。このようなミドル横溝20は、雪上性能とドライ路面での操縦安定性(以下、単に操縦安定性という場合がある)をバランス良く向上させる。
第1溝部21のタイヤ軸方向の長さL3は、ミドルブロック24の前記幅W2の望ましくは30%以上、より望ましくは40%以上であり、望ましくは70%以下、より望ましくは60%以下である。第2溝部22のタイヤ軸方向の長さも、上述の第1溝部21の長さL3の範囲に規定されるのが望ましい。
2つの縦エッジ25は、例えば、タイヤ周方向に平行に延びる仮想面でミドルブロック24をタイヤ軸方向に3等分したときの中央の部分に含まれるのが望ましい。縦エッジ25のタイヤ周方向に対する角度は、例えば、10°以下であり、望ましくは5°以下である。さらに望ましい態様として、本実施形態の縦エッジ25は、タイヤ周方向に対して平行に配されている。このような縦エッジ25は、雪上走行時、タイヤ軸方向に大きな反力を提供し、雪上旋回性能を確実に向上させる。
ミドル横溝20内で固い雪柱を形成するために、2つの縦エッジ25は、タイヤ軸方向の距離が小さいのが望ましい。このため、2つの縦エッジ25の間のタイヤ軸方向の距離は、望ましくは10mm以下、より望ましくは5mm以下である。本実施形態では、前記距離が実質的に0とされている。したがって、トレッド平面視において、2つの前記縦エッジ25は、同一の直線上に位置している。
1つの縦エッジ25のタイヤ周方向の長さL4は、第1溝部21の溝幅W3aの望ましくは30%以上、より望ましくは40%以上であり、望ましくは70%以下、より望ましくは60%以下である。このような縦エッジ25は、ミドル横溝20の排水性を維持しつつ、上述の効果を発揮できる。
途切れ溝26は、例えば、外側ショルダー周方向溝4から途切れ端26aに向かって溝幅が漸減している。途切れ溝26の最大の溝幅W4は、例えば、ミドル横溝20の溝幅W3よりも小さい。具体的には、途切れ溝26の前記溝幅W4は、ミドル横溝20の溝幅W3の60%~90%である。このような途切れ溝26は、雪上性能と操縦安定性とをバランス良く高めるのに役立つ。
途切れ溝26は、例えば、前記第1方向に傾斜している。途切れ溝26のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、45°以下であり、望ましくは10~25°である。
途切れ溝26のタイヤ軸方向の長さL5は、第1溝部21のタイヤ軸方向の長さL3の望ましくは30%以上、より望ましくは40%以上であり、望ましくは70%以下、より望ましくは30%以下である。
図2に示されるように、ミドルブロック24には、複数のミドルサイプ30が設けられている。ミドルサイプ30は、例えば、前記第1方向に傾斜している。ミドルサイプ30のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、15~25°である。サイプが波状に延びている場合、前記角度は、サイプの両端を結ぶ仮想直線のタイヤ軸方向に対する角度を指すものとする。
本明細書において、「サイプ」とは、微小な幅を有する切れ込み要素であって、互いに向き合う2つのサイプ壁の間の幅が0.6mm以下のものを指す。サイプの前記幅は、望ましくは0.1~0.5mmであり、より望ましくは0.2~0.4mmである。本実施形態のサイプは、その全深さに亘って、前記幅が上述の範囲とされている。サイプには、幅が上述の範囲よりも大きい面取り開口部や、フラスコ底部が連なっても良い。
本実施形態の各サイプは、例えば、トレッド平面視において波状に延びている。この場合、サイプのピークトゥピークの振幅は、0.80~1.20mmであるのが望ましい。また、サイプの波長は、2.0~5.0mmであるのが望ましい。但し、このような態様に限定されるものではなく、各サイプは、直線状に延びるものでも良い。また、望ましい態様では、各サイプは、その横断面においても波状に延びる所謂3Dサイプとして構成されている。このような各サイプは、互いに向き合うサイプ壁が接触したときに、陸部の剛性を維持するのに役立ち、ドライ路面での操縦安定性を高めるのに役立つ。
ミドルサイプ30の少なくとも1本は、第1周方向エッジ24a又は第2周方向エッジ24bから延びかつミドルブロック24内に途切れ端を有する。このようなミドルサイプ30は、ミドルブロック24の剛性を維持しつつ、雪上ブレーキ性能を向上させることができる。
本実施形態のミドルブロック24には、2本のサイプがタイヤ軸方向で隣り合うサイプ対29が設けられている。このサイプ対29は、第1ミドルサイプ31及び第2ミドルサイプ32を含んでいる。第1ミドルサイプ31は、第1周方向エッジ24aから延びかつミドルブロック24内に途切れ端31aを有する。前記途切れ端31aは、例えば、縦エッジ25よりも第1周方向エッジ24a側に位置している。第2ミドルサイプ32は、第2周方向エッジ24bから延びかつミドルブロック24内に途切れ端32aを有する。このようなサイプ対29は、氷上でのブレーキ性能の向上にも役立つ。
第1ミドルサイプ31の途切れ端31aから第2ミドルサイプ32の途切れ端32aまでのタイヤ軸方向の距離L6(図3に示す)は、ミドルブロック24のタイヤ軸方向の最大の幅W2の3%~7%である。このようなサイプ対29は、ミドルブロック24の剛性を維持しつつ、サイプ長さを十分に確保することができる。
ミドルブロック24には、第3ミドルサイプ33が設けられている。第3ミドルサイプ33は、第2周方向エッジ24bから延びかつ2つの縦エッジ25よりも第1周方向エッジ24a側でミドルブロック24内に途切れ端33aを有する。第3ミドルサイプ33のタイヤ軸方向の長さは、例えば、ミドルブロック24の前記幅W2の60%~80%である。このような第3ミドルサイプ33は、氷上性能及び雪上性能を向上させるのに役立つ。
第3ミドルサイプ33の最大の深さは、第1ミドルサイプ31の最大の深さよりも大きく、第2ミドルサイプ32の最大の深さよりも大きい。第3ミドルサイプ33の最大の深さは、例えば、第1ミドルサイプ31又は第2ミドルサイプ32の最大の深さの130%~150%である。このような第3ミドルサイプ33は、第1ミドルサイプ31及び第2ミドルサイプ32よりも開き易く、氷上性能をより一層向上させる。
本実施形態のミドルブロック24には、第1溝部21と途切れ溝26との間に、ディンプル34が設けられている。このディンプル34は、タイヤ周方向に縦長の楕円形のエッジで囲まれた領域が凹んでいる。このようなディンプル34は、ミドルブロック24の剛性を適度に緩和し、ミドル横溝20や途切れ溝26に雪が詰まるのを抑制するのに役立つ。
図4には、内側ミドル陸部14の拡大図が示されている。図4に示されるように、内側ミドル陸部14は、複数の横溝35で区分された複数のブロック36を含む。
図5には、内側ミドル陸部14の横溝35及びブロック36の拡大図が示されている。図5に示されるように、ブロック36は、その踏面の両側に配された外側周方向エッジ36a及び内側周方向エッジ36bと、横溝35よりも小さい溝幅で外側周方向エッジ36aから内側周方向エッジ36bまで延びる1本の横細溝38と、幅が0.6mm以下の複数の横サイプ40とを含む。本実施形態のブロック36は、外側周方向エッジ36aが内側周方向エッジ36bよりもタイヤ赤道C側に位置している。
横細溝38の溝幅W5は、1.0~2.0mmである。また、横細溝38の最大の深さは、横溝35の最大の深さの40%~60%である。
横サイプ40は、外側周方向エッジ36aから内側周方向エッジ36bまで延びるフルオープンサイプ41と、外側周方向エッジ36a又は内側周方向エッジ36bから延び、かつ、ブロック36内に途切れ端42aを有するセミオープンサイプ42とを含む。
図6には、図4のA-A線断面図が示されている。図6に示されるように、フルオープンサイプ41の最大の深さd3は、横細溝38の最大の深さd2よりも大きく、かつ、横溝35の最大の深さd1 よりも小さい。同様に、セミオープンサイプ42の最大の深さd4は、横細溝38の最大の深さd2よりも大きく、かつ、横溝35の最大の深さd1より小さい。本実施形態では、内側ミドル陸部14のブロック36の構成により、氷上性能を維持しつつ、雪上性能及びドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。その理由としては、以下のメカニズムが推察される。
図4に示されるように、横溝35及びこれに連通する周方向溝3は、固い雪柱を形成でき、雪上性能を向上させるのに役立つ。また、溝幅が1.0~2.0mmかつ深さが横溝35の40%~60%の横細溝38は、ブロック36の剛性低下を最小限にしつつ、雪柱を形成できるため、雪柱せん断力を提供する。したがって、雪上性能及びドライ路面での操縦安定性が向上する。
一方、フルオープンサイプ41及びセミオープンサイプ42は、エッジ成分を提供し、氷上性能を維持する。とりわけ、セミオープンサイプ42は、ブロック36の剛性を維持しつつ、エッジ成分を提供するため、氷上性能及び操縦安定性をバランス良く向上させる。
図6に示されるように、フルオープンサイプ41及びセミオープンサイプ42の深さが上述のように特定されることにより、ブロック36の剛性が維持されつつ、横溝35と横細溝38との間のブロック片37が横溝35側に倒れ易くなる。これにより、接地圧の変化によって横細溝38が開閉し易くなる。このような作用により、溝幅が小さい横細溝38であっても、固い雪柱を形成でき、しかも、溝内に雪柱が詰まるのを抑制できるため、雪上性能が向上する。本実施形態では、このようなメカニズムにより、氷上性能を維持しつつ、雪上性能及びドライ路面での操縦安定性を向上させることができると推察される。
図5に示されるように、横溝35は、例えば、前記第1方向に傾斜して直線状に延びている。横溝35のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、15~25°である。
横溝35の最大の深さは、例えば、ミドル横溝20の最大の深さよりも大きい。横溝35の前記深さは、例えば、周方向溝3の最大の深さの80%~120%である。本実施形態では、横溝35の前記深さと周方向溝3の前記深さとが同一とされる。
横細溝38は、例えば、前記第1方向に傾斜して直線状に延びている。横細溝38のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、15~25°である。望ましい態様では、横溝35と横細溝38との角度差が5°以下であり、本実施形態ではこれらが平行とされている。このような横細溝38は、氷上及び雪上でのブレーキ性能及び旋回性能をバランス良く向上させる。
図4に示されるように、複数のブロック36は、横細溝38で区分された第1ブロック片43及び第2ブロック片44を含む。また、複数のブロック36の少なくとも1つは、第1ブロック片43と第2ブロック片44とが実質的に同じタイヤ周方向の長さを有している。「実質的に同じ」とは、第1ブロック片43のタイヤ周方向の長さが、第2ブロック片44のタイヤ周方向の長さの90%~110%である態様を含む。以下、このようなブロックを等分ブロック46という場合がある。なお、図5で示されるブロック36は、等分ブロック46である。
等分ブロック46において、第1ブロック片43及び第2ブロック片44のそれぞれに、フルオープンサイプ41及びセミオープンサイプ42が1本ずつ設けられている。この場合、フルオープンサイプ41は、横細溝38と隣接して設けられている。セミオープンサイプ42は、横溝35とフルオープンサイプ41との間に設けられている。
複数のブロック36の少なくとも1つは、第1ブロック片43のタイヤ周方向の長さが第2ブロック片44のタイヤ周方向の長さと異なる。以下、このようなブロックを不等分ブロック47という場合がある。本実施形態の不等分ブロック47は、例えば、第2ブロック片44のタイヤ周方向の長さが、第1ブロック片43のタイヤ周方向の長さの50%~80%程度である。
本実施形態の不等分ブロック47において、第1ブロック片43には、フルオープンサイプ41及びセミオープンサイプ42が1本ずつ設けられている。この第1ブロック片43において、フルオープンサイプ41は、横細溝38と隣接して設けられている。セミオープンサイプ42は、横溝35とフルオープンサイプ41との間に設けられている。
不等分ブロック47の第2ブロック片44には、1本のセミオープンサイプ42のみが設けられている。
本実施形態では、内側ミドル陸部14が上述の等分ブロック46及び不等分ブロック47をそれぞれ複数含むことにより、内側ミドル陸部14が接地するときの打音をホワイトノイズ化させており、優れたノイズ性能を発揮することができる。
フルオープンサイプ41及びセミオープンサイプ42は、例えば、前記第1方向に傾斜している。フルオープンサイプ41及びセミオープンサイプ42のタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、15~25°である。
図6に示されるように、フルオープンサイプ41の最大の深さd3は、横溝35の最大の深さd1の70%~90%である。このようなフルオープンサイプ41は、ブロック36の剛性を維持しつつ、氷上性能を高めるのに役立つ。
図7には、図5のB-B線断面図が示されている。図7に示されるように、フルオープンサイプ41は、内側ショルダー周方向溝7側の端部において底部が隆起した浅底部41aを含む。浅底部41aの深さd5は、フルオープンサイプ41の最大の深さd3の30%~40%である。このようなフルオープンサイプ41は、ブロック36の剛性を維持しつつ、氷上性能を高めることができる。なお、本実施形態の各サイプは、3Dサイプとして構成されているため、サイプ壁が凹凸を有するが、本明細書の図7のようなサイプ壁を示す各図において、前記凹凸は省略されている。
図4に示されるように、本実施形態では、外側周方向エッジ36aが内側周方向エッジ36bよりもタイヤ赤道C側に位置し、各セミオープンサイプ42は、外側周方向エッジ36aに連通している。これにより、セミオープンサイプ42は、タイヤ赤道C側が開き易くなり、内側クラウン周方向溝6に雪が詰まるのを抑制できる。
セミオープンサイプ42は、例えば、ブロック36のタイヤ軸方向の中心位置を横切っている。セミオープンサイプ42のタイヤ軸方向の長さは、例えば、ブロック36のタイヤ軸方向の最大の幅の70%~95%である。
図6に示されるように、セミオープンサイプ42の最大の深さd4は、フルオープンサイプ41の最大の深さd3よりも小さい。セミオープンサイプ42の前記深さd4は、例えば、横溝35の最大の深さd1の50%~65%である。このようなセミオープンサイプ42は、ブロック36の剛性を維持しつつ、氷上性能を高めることができる。
図8には、図5のC-C線断面図が示されている。図8に示されるように、セミオープンサイプ42は、途切れ端42a側に、底部が隆起した浅底部42bを含む。より望ましい態様において、セミオープンサイプ42は、前記浅底部42bよりも外側周方向エッジ36a側で底部が隆起した中央浅底部42cを含む。このようなセミオープンサイプ42は、ブロック36の剛性をさらに確実に維持することができ、優れた操縦安定性が発揮される。
図5に示されるように、本実施形態のブロック36には、セミオープンサイプ42と内側ショルダー周方向溝7との間に、ディンプル48が設けられている。このディンプル48は、タイヤ周方向に縦長の楕円形のエッジで囲まれた領域が凹んでいる。このようなディンプル48は、ブロック36の剛性を適度に緩和し、その周辺の溝に雪が詰まるのを抑制することができる。
図9には、外側ショルダー陸部11の拡大図が示されている。図9に示されるように、外側ショルダー陸部11は、例えば、複数の外側ショルダー横溝50で区分された複数の外側ショルダーブロック51を含む。
外側ショルダー横溝50は、例えば、内側溝分50aと外側溝部50bとを含んでいる。内側溝分50aは、例えば、外側ショルダー周方向溝4に連通し、かつ、前記第1方向に傾斜している。外側溝部50bは、例えば、内側溝分50aの第1トレッド端T1側に連通し、かつ、タイヤ軸方向に対して前記第1方向とは逆向きの第2方向に傾斜している。このような内側溝分50a及び外側溝部50bを含む外側ショルダー横溝50は、雪上ブレーキ性能及び雪上旋回性能をバランス良く向上させる。
内側溝分50aのタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、5~15°である。また、外側溝部50bのタイヤ軸方向に対する角度は、例えば、5~15°である。外側溝部50bは、外側ショルダー陸部11のタイヤ軸方向の中心位置を横切っている。外側溝部50bのタイヤ軸方向の長さL7は、例えば、外側ショルダー陸部11のタイヤ軸方向の幅W6の60%~80%である。
トレッド平面視において、外側ショルダー横溝50のタイヤ軸方向の内端部50cは、途切れ溝26のタイヤ軸方向の外端部26bをタイヤ軸方向に平行に延長した投影領域と重複する。このような外側ショルダー横溝50は、途切れ溝26と協働して固い雪柱を形成し、雪上性能をより一層向上させる。
外側ショルダーブロック51には、複数の第1外側ショルダーサイプ53及び複数の第2外側ショルダーサイプ54が設けられている。本実施形態の第1外側ショルダーサイプ53は、例えば、外側ショルダー周方向溝4に連通しかつ外側ショルダーブロック51内で途切れている。第2外側ショルダーサイプ54は、例えば、第1外側ショルダーサイプ53のタイヤ軸方向外側に設けられており、両端が外側ショルダーブロック51内で途切れている。このような第1外側ショルダーサイプ53及び第2外側ショルダーサイプ54は、ドライ路面での操縦安定性と氷上性能とをバランス良く向上させる。
より望ましい態様では、1つの外側ショルダーブロック51内において、第2外側ショルダーサイプ54の本数は、第1外側ショルダーサイプ53の本数よりも少ないのが望ましい。このようなサイプの配置は、第1トレッド端T1付近の偏摩耗を抑制するのに役立つ。
図10には、内側ショルダー陸部15の拡大図が示されている。図10に示されるように、内側ショルダー陸部15には、複数の内側ショルダー横溝55及び複数の内側ショルダー途切れ溝56が設けられている。
内側ショルダー横溝55は、例えば、内側ショルダー陸部15をタイヤ軸方向に横断している。本実施形態の内側ショルダー横溝55は、例えば、内側ショルダー周方向溝7から前記第1方向に傾斜して延びる第1傾斜溝部55aと、前記第1傾斜溝部55aに連なり、前記第2方向に傾斜して延びる第2傾斜溝部55bとを含む。このような内側ショルダー横溝55は、雪上ブレーキ性能と雪上旋回性能とをバランス良く向上させる。
第1傾斜溝部55aのタイヤ軸方向の長さL8は、例えば、内側ショルダー陸部15のタイヤ軸方向の幅W7の20%~50%であるのが望ましい。
トレッド平面視において、内側ショルダー横溝55のタイヤ軸方向の内端部55cは、内側ミドル陸部14に設けられた横細溝38をその長さ方向に沿って延長した領域と重複するのが望ましい。このような内側ショルダー横溝55は、横細溝38と協働して固い雪柱を形成し、雪上性能を高める。
内側ショルダー途切れ溝56は、内側ショルダー周方向溝7に連通しかつ内側ショルダー陸部15内に途切れ端56aを有する。本実施形態の内側ショルダー途切れ溝56は、第1傾斜溝部55aに沿って延びる部分と、第2傾斜溝部55bに沿って延びる部分とを含む。このような内側ショルダー途切れ溝56は、内側ショルダー陸部15の偏摩耗を抑制しつつ、雪上性能及び氷上性能を向上させる。
トレッド平面視において、内側ショルダー途切れ溝56のタイヤ軸方向の内端部56bは、内側ミドル陸部14に設けられた横溝35をその長さ方向に沿って延長した領域と重複するのが望ましい。
内側ショルダー陸部15は、複数の内側ショルダー横溝55に区分された複数の内側ショルダーブロック57を含む。内側ショルダーブロック57には、第1内側ショルダーサイプ58及び第2内側ショルダーサイプ59が設けられている。
本実施形態の第1内側ショルダーサイプ58は、例えば、内側ショルダー周方向溝7に連通しかつ内側ショルダーブロック57内で途切れている。第2内側ショルダーサイプ59は、例えば、第1内側ショルダーサイプ58のタイヤ軸方向外側に設けられており、両端が内側ショルダーブロック57内で途切れている。このような第1内側ショルダーサイプ58及び第2内側ショルダーサイプ59は、内側ショルダーブロック57の剛性を維持しつつ、氷上性能を高めることができる。
図11には、クラウン陸部13の拡大図が示されている。図11に示されるように、クラウン陸部13は、複数のクラウン横溝60で区分された複数のクラウンブロック61を含んでいる。
クラウン横溝60は、クラウン陸部13をタイヤ軸方向に横断している。本実施形態のクラウン横溝60は、例えば、第1クラウン溝部60a及び第2クラウン溝部60bを含んでいる。第1クラウン溝部60aは、例えば、外側クラウン周方向溝5に連通し、前記第1方向に傾斜している。第2クラウン溝部60bは、例えば、内側クラウン周方向溝6に連通し、前記第2方向に傾斜している。このようなクラウン横溝60は、内部で雪を強く押し固めることができ、雪上ブレーキ性能をより一層高めることができる。
第1クラウン溝部60aの第1トレッド端T1側の外端部は、例えば、ミドル横溝20の第2溝部22をその長さ方向に沿って延長した領域と重複している。第2クラウン溝部60bの第2トレッド端T2側の外端部64は、例えば、内側ミドル陸部14に設けられた横溝35の内側クラウン周方向溝6側の端部をタイヤ軸方向に平行に延長した領域と重複している。
クラウンブロック61には、第1クラウン途切れ溝62及び第2クラウン途切れ溝63が設けられている。第1クラウン途切れ溝62は、例えば、クラウン横溝60から延びかつクラウンブロック61内で途切れている。第2クラウン途切れ溝63は、内側クラウン周方向溝6から延びかつクラウンブロック61内で途切れている。このような第1クラウン途切れ溝62及び第2クラウン途切れ溝63は、クラウンブロック61の剛性を適度に緩和し、クラウン横溝60や内側クラウン周方向溝6に雪が詰まるのを抑制できる。
クラウンブロック61には、複数のクラウンサイプ65が設けられている。クラウンサイプ65は、例えば、前記第2方向に傾斜している。
図1に示されるように、トレッド部2のランド比は、例えば、60%~75%であるのが望ましい。なお、本明細書において、ランド比とは、トレッド部の溝を全て埋めた仮想接地面の総面積に対する、トレッド部2の実際の接地面の総面積の割合を意味する。このようなトレッド部2は、氷上性能を維持しつつ、雪上性能及び操縦安定性を向上させる。
同様の観点から、トレッド部2を構成するトレッドゴムのゴム硬度は、例えば、45~65°である。ここで、前記ゴム硬度は、JIS-K6253に基づきデュロメータタイプAにより、23℃の環境下で測定されたデュロメータA硬さを指す。
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
図1の基本トレッドパターンを有するサイズ195/65R15のタイヤが、表1~2の仕様に基づき試作された。比較例として、図12に示されるミドル陸部aを有するタイヤが試作された。図12に示されるように、比較例のミドル陸部aには、直線状に延びる複数のミドル横溝bが設けられている。比較例のミドル横溝bは、本発明の第1溝部及び第2溝部を備えておらず、2つのエッジが直線状に延びている。比較例のタイヤは、上述の構成を除き、図1に示されるものと実質的に同じパターンを有している。各テストタイヤについて、雪上ブレーキ性能及び雪上旋回性能がテストされた。各テストタイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
装着リム:15×6.0JJ
タイヤ内圧:前輪200kPa、後輪200kPa
テスト車両:排気量1500cc、前輪駆動車
タイヤ装着位置:全輪
<雪上ブレーキ性能>
上記テスト車両で雪上走行したときのブレーキ性能が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例を100とする評点であり、数値が大きい程、雪上ブレーキ性能が優れていることを示す。
<雪上旋回性能>
上記テスト車両で雪上走行したときの旋回性能が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例を100とする評点であり、数値が大きい程、雪上旋回性能が優れていることを示す。
テストの結果が表1~2に示される。
Figure 2022071697000002
Figure 2022071697000003
表1に示されるように、本発明のタイヤは、雪上ブレーキ性能を維持しつつ、優れた雪上旋回性能を発揮していることが確認できた。
2 トレッド部
12 ミドル陸部
20 ミドル横溝
21 第1溝部
22 第2溝部
24 ミドルブロック
24a 第1周方向エッジ
24b 第2周方向エッジ
25 縦エッジ
26a 途切れ端
26 途切れ溝
T1 第1トレッド端
T2 第2トレッド端

Claims (11)

  1. トレッド部を有するタイヤであって、
    前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、タイヤ赤道よりも前記第1トレッド端側に配されかつ前記周方向溝に区分されたミドル陸部とを含み、
    前記ミドル陸部は、前記ミドル陸部を横断する複数のミドル横溝に区分された複数のミドルブロックを含み、
    前記ミドル横溝は、前記第1トレッド端側でタイヤ軸方向に延びる第1溝部と、前記第2トレッド端側でタイヤ軸方向に延びる第2溝部とを含み、
    前記第2溝部が前記第1溝部に対してタイヤ周方向の一方側に位置ずれすることにより、前記ミドル横溝は、前記第1溝部のエッジと前記第2溝部のエッジとの間でタイヤ周方向に沿って延びる縦エッジを含み、
    前記ミドルブロックは、前記第1トレッド端側の第1周方向エッジと、前記第2トレッド端側の第2周方向エッジとを含み、
    前記ミドルブロックには、前記第1周方向エッジから延びかつ前記ミドルブロック内に途切れ端を有する途切れ溝が設けられており、
    前記途切れ溝の前記途切れ端は、前記縦エッジよりも前記第1周方向エッジ側に位置している、
    タイヤ。
  2. 前記縦エッジのタイヤ周方向の長さは、前記第1溝部の溝幅の40%~60%である、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ミドル横溝の最大の深さは、前記周方向溝の最大の深さの40%~60%である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記途切れ溝のタイヤ軸方向の長さは、前記第1溝部のタイヤ軸方向の長さの40%~60%である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記ミドルブロックには、2本のサイプがタイヤ軸方向で隣り合うサイプ対が設けられ、
    前記サイプ対は、前記第1周方向エッジから延びかつ前記ミドルブロック内に途切れ端を有する第1ミドルサイプと、前記第2周方向エッジから延びかつ前記ミドルブロック内に途切れ端を有する第2ミドルサイプとを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記第1ミドルサイプの前記途切れ端から前記第2ミドルサイプの前記途切れ端までのタイヤ軸方向の距離は、前記ミドルブロックのタイヤ軸方向の最大の幅の3%~7%である、請求項5に記載のタイヤ。
  7. 前記第1ミドルサイプの前記途切れ端は、前記縦エッジよりも前記第1周方向エッジ側に位置している、請求項5又は6に記載のタイヤ。
  8. 前記ミドルブロックには、前記第2周方向エッジから延び、かつ、前記縦エッジよりも前記第1周方向エッジ側で前記ミドルブロック内に途切れ端を有する第3ミドルサイプが設けられている、請求項5ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
  9. 前記縦エッジは、タイヤ周方向に対して5°以下の角度で延びている、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤ。
  10. 前記トレッド部は、車両への装着の向きが指定され、
    前記第1トレッド端は、車両装着時に車両外側となり、
    前記トレッド部は、前記周方向溝を介して前記ミドル陸部の前記第1トレッド端側に隣接する外側ショルダー陸部を含み、
    前記外側ショルダー陸部には、前記外側ショルダー陸部を横断する複数の外側ショルダー横溝が設けられており、
    トレッド平面視において、前記外側ショルダー横溝のタイヤ軸方向の内端部は、前記途切れ溝のタイヤ軸方向の外端部をタイヤ軸方向に平行に延長した投影領域と重複する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のタイヤ。
  11. 前記トレッド部は、車両への装着の向きが指定され、
    前記第1トレッド端は、車両装着時に車両外側となり、
    前記周方向溝は、前記ミドル陸部の前記第2トレッド端側に隣接する外側クラウン周方向溝を含み、
    前記外側クラウン周方向溝は、タイヤ周方向の一方側に向かって溝幅が漸減する変幅部をタイヤ周方向に複数含んでいる、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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