JP2022071362A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】装飾図柄を利用して遊技の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】複数種類の第一装飾図柄から選択された第一選択図柄、複数種類の第二装飾図柄から選択された第二選択図柄、複数種類の第三装飾図柄から選択された第三選択図柄、の順で表示される選択図柄の組み合わせにより当否抽選結果が報知される遊技機であって、前記選択図柄は、図柄の種類を示す主要素部Mおよび当該主要素部Mに付随する副要素部Sを有し、前記副要素部Sは複数種類設定されており、前記第一選択図柄および前記第二選択図柄の前記副要素部Sは、新たな当否抽選結果が報知される度にその種類が変化しうるものである一方、前記第三選択図柄の前記副要素部Sは、当該第三選択図柄の種類に関わらず、所定条件に基づいて決定された特定種類のものとされることを特徴とする遊技機1とする。【選択図】図5

Description

本発明は、遊技機に関する。
当否抽選結果を示す装飾図柄(選択図柄)は、図柄の種類を示す数字等の文字と、当該文字に付随するキャラクタを含むものとされることが多い(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2019-198505号公報
本発明が解決しようとする課題は、装飾図柄を利用して遊技の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、複数種類の第一装飾図柄から選択された第一選択図柄、複数種類の第二装飾図柄から選択された第二選択図柄、複数種類の第三装飾図柄から選択された第三選択図柄、の順で表示される選択図柄の組み合わせにより当否抽選結果が報知される遊技機であって、前記選択図柄は、図柄の種類を示す主要素部および当該主要素部に付随する副要素部を有し、前記副要素部は複数種類設定されており、前記第一選択図柄および前記第二選択図柄の前記副要素部は、新たな当否抽選結果が報知される度にその種類が変化しうるものである一方、前記第三選択図柄の前記副要素部は、当該第三選択図柄の種類に関わらず、所定条件に基づいて決定された特定種類のものとされることを特徴とする。
本発明にかかる遊技機によれば、装飾図柄を利用して遊技の趣向性を向上させることが可能である。
遊技機の全体図である。 表示領域に表示される装飾図柄および保留図柄を示した図である。 装飾図柄の様式を説明するための図である。 特定種類の選択方法について説明するための図である。 特定種類を利用した演出(様式変化演出)を説明するための図である。 特定種類を利用した演出に関する具体例1-2を説明するための図(その一)である。 特定種類を利用した演出に関する具体例1-2を説明するための図(その二)である。 特定種類を利用した演出に関する具体例1-3を説明するための図である。 特定種類を利用した演出に関する具体例1-4を説明するための図(その一)である。 特定種類を利用した演出に関する具体例1-4を説明するための図(その二)である。 特定種類を利用した演出に関する具体例1-5を説明するための図である。 特定種類を利用した演出に関する具体例1-6を説明するための図である。 特定種類を利用した演出に関する具体例1-7を説明するための図である。 被覆演出を説明するための図である。 被覆演出に関する具体例2-1を説明するための図である。 被覆演出に関する具体例2-2を説明するための図である。 被覆演出に関する具体例2-5を説明するための図である。
1)遊技機の基本構成
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において、特に明示することなく「画像」というときは、動画および静止画の両方を含むものとする。また、以下で説明する各領域等には、遊技球が検出可能なセンサ(図示せず)が設けられており、当該センサにより各領域に遊技球が進入(入賞)したかどうかが検出される。例えば「○○領域に遊技球が進入(入賞)」とは、厳密には当該○○領域に設けられたセンサが遊技球を検出したことをいうものとする。
遊技機1の筐体には遊技球を発射するための発射装置908が設けられている。発射装置908を操作することで、上皿909aに貯留された遊技球が発射される。いわゆる賞球は上皿909aに払い出され、上皿909aから溢れた遊技球は下皿909bに送られる。
発射された遊技球が到達する遊技領域902は、その手前に位置する透明板を通じて視認される。遊技機1は手前側に遊技領域902が形成される遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、始動領域904(第一始動領域904a、第二始動領域904b)、大入賞領域906、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、大入賞領域906等の入賞領域に進入すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の進入を契機として乱数源から数値(当否抽選情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。
本実施形態では、当該数値が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報が存在する場合には、新たに取得された当否抽選情報は保留情報として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。記憶手段に保留情報が記憶されていることは、保留図柄70として表示される。つまり、保留図柄70は、対応する当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報の存在を示す。
本実施形態では、保留図柄70として、当否抽選結果を報知する報知演出(装飾図柄10(装飾図柄群10g)の変動開始から、当否抽選結果を示す組み合わせで完全に停止する(後述する選択図柄組み合わせが示される)までの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう)は開始されているものの、当否抽選結果の報知は完了していない当否抽選情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄71(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否抽選結果を報知する報知演出が開始されていない当否抽選情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄72が表示される(図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態は同じである。変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。また、変動中保留図柄71が表示されない構成としてもよい。なお、変動前保留図柄72に対応する当否抽選結果の報知が完了する順番(いわゆる保留「消化順」)は、右に位置するものほど早い。
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特図1および特図2の一方に相当する保留図柄70に関していえば、一つの変動中保留図柄71と、最大四つの変動前保留図柄72が表示されることがある(図2参照)。
本実施形態では、記憶手段に第一変動前保留情報(特図1保留)と第二変動前保留情報(特図2保留)の両方が記憶されているときには、第二変動前保留情報に対応する当否抽選結果(特図2抽選の結果)の報知が優先的に実行される(「特図2保留優先消化」である)。
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される装飾図柄10(図2参照)によって当否抽選結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の装飾図柄10を含む装飾図柄群10g(左装飾図柄群10gL、中装飾図柄群10gC、右装飾図柄群10gR)が変動を開始し、最終的に各装飾図柄群10gから一の装飾図柄10が選択されて停止する。各装飾図柄群10gが選択された一の装飾図柄10を選択図柄15とする(選択図柄15は、装飾図柄10の下位概念ということである)と、左装飾図柄群10gL、中装飾図柄群10gC、右装飾図柄群10gRのそれぞれから選択されて示される左選択図柄15L、中選択図柄15C、右選択図柄15Rの組み合わせ(選択図柄組み合わせ)により当否抽選結果が報知されるということである。大当たりに当選している場合には選択図柄組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ種類の選択図柄15(装飾図柄10)の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。
なお、上述した通り、選択図柄15は装飾図柄10の下位概念であるため、特に「選択図柄」として説明した場合を除き、以下での装飾図柄10に関する説明は、選択図柄15にもあてはまるものとする。
2)装飾図柄(選択図柄)の構成およびこれを利用した演出
2-1)装飾図柄(選択図柄)の様式
装飾図柄10は主要素部Mを有する(図3参照)。主要素部Mは、装飾図柄10の種類を示す部分である。本実施形態における主要素部Mは「数字」を含む部分である。同じ数字であれば装飾図柄10の種類は同じであり、異なる数字であれば装飾図柄10の種類は異なる。数字のフォント等が異なるものであっても、同じ数字であれば装飾図柄10の種類は同じであるとする。なお、「数字」以外の文字等を含むものを主要素部Mとしてもよい。当該文字の一致、不一致により、装飾図柄10の種類の一致、不一致が決まるものとする。本実施形態における主要素部Mは、数字の「1」~「7」のいずれかを含むものである。つまり、本実施形態では、七種類の装飾図柄10が存在する。装飾図柄群10gは、当該数字の順に表示領域911の上下方向略中央に到達するように変動表示される。
少なくとも一部の装飾図柄10(詳細を後述する複合様式で表される装飾図柄10)は、主要素部Mに付随する副要素部Sを有する(図3(b)参照)。本実施形態における副要素部SはキャラクタA~Gのいずれかを表したものである。キャラクタには、人物(アニメのキャラクタのような空想上の人物を含む)を表したものだけでなく、物等を表したものを含むとする。また、副要素部Sとする概念はキャラクタ以外にも設定可能とである。キャラクタの種類は、主要素部M(数字)の種類と同じ七種である。なお、同じキャラクタを表していると遊技者が把握可能な範囲で、各キャラクタの態様は変化しうるものとしてもよい。
装飾図柄10の様式は、大まかに単純様式(図3(a)参照)と複合様式(図3(b)参照)に区分けされる。単純様式は、主要素部Mを有するものの副要素部Sを有さないものである。複合様式は、主要素部Mおよびそれに付随する副要素部Sを有するものである。つまり、単純様式と複合様式は、副要素部Sの有無の点において異なる。ただし、上述した通り、装飾図柄10の種類は主要素部M(数字)に基づいて決まるものであるため、単純様式で表された装飾図柄10の数字と、複合様式に表された装飾図柄10の数字が同じであれば、両者は同じ種類の図柄であるとする。つまり、装飾図柄10の種類の異同は、主要素部Mの異同によって決まるものとする。
複合様式は、通常複合様式(図3(b-1)参照)と特定複合様式(図3(b-2)参照)に区分けされる。通常複合様式は、主要素部Mと副要素部Sの対応関係が決められたものである。具体的には、数字の「1」に「キャラクタA」が、数字の「2」に「キャラクタB」が、数字の「3」に「キャラクタC」が・・・数字の「7」に「キャラクタG」が対応づけられた関係にある。つまり、通常複合様式は、装飾図柄10の種類の変化に応じ、副要素部S(キャラクタ)の種類も変化するというものである。後述するように、本実施形態では、左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rが当該通常複合様式とされる。なお、本実施形態とは異なり、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rとで、副要素部Sが重複しない構成としてもよい。例えば、左装飾図柄10Lの「1」にはキャラクタAが、「2」にはキャラクタBが・・・「7」にはキャラクタGがそれぞれ対応づけられたものとし、右装飾図柄10Rの「1」にはキャラクタHが、「2」にはキャラクタIが・・・「7」にはキャラクタNが対応づけられたものを通常複合様式としてもよい。
特定複合様式は、装飾図柄10(主要素部M)の種類に関わらず、副要素部Sが特定種類とされたものである。つまり、特定複合様式にて表される装飾図柄10は、主要素部M(数字)の種類がいずれであっても、特定種類の副要素部Sとされる(図3(b-2)に示した例は、キャラクタFが特定種類とされた場合のものである)。かかる点において、特定複合様式は通常複合様式と異なる。
特定種類は、遊技者が任意に選択可能である。本実施形態では、待機状態(報知演出が実行されていない状態をいう)にて操作手段を操作することでキャラクタA~Gのうちから好みのキャラクタを選択することができる。当該好みのキャラクタ(選択キャラクタ)に対応する副要素部Sの種類が「特定種類」となる。遊技者に選択させるための方法はどのようなものであってもよいから詳細な説明を省略する。本実施形態では、操作手段として設けられる十字キー(カーソル移動)と押しボタン(決定)の操作により、キャラクタA~Gのうちのいずれかを選択することができる(図4参照)。なお、本実施形態では、電源ON時に、いずれかのキャラクタが自動的に選択キャラクタとして設定される。つまり、遊技者が上記選択を行わなくてもいずれかのキャラクタが選択キャラクタとして設定される。電源ON時に予め決まったキャラクタが選択キャラクタとされる(デフォルトのキャラクタが決まっている)設定としてもよいし、電源ON時の抽選によりいずれのキャラクタが選択キャラクタとされるのかが決まる(デフォルトのキャラクタが決まっていない)設定としてもよい。このように、特定種類は、遊技者が選択したキャラクタに対応するものであるから、特定複合様式の装飾図柄10は、遊技者の好みのキャラクタを含むものであるといえる。
なお、報知演出中に、特定種類の選択を促す演出(選択演出)が発生するようにしてもよい。
2-2)特定種類を利用した演出
一の当否抽選結果を報知する報知演出中(一変動中)にて、複数の装飾図柄群10gの少なくともいずれかである対象装飾図柄群に含まれる各装飾図柄10の様式が、特定複合様式および単純様式の一方から他方に変化することがある。当該変化が発生する演出が様式変化演出である(以下、様式変化演出が発生する報知演出(変動)を、対象報知演出と称することもある)。本実施形態では、中装飾図柄群10gCが対象装飾図柄群とされる(中装飾図柄10Cが対象装飾図柄とされる)。つまり、様式変化演出では、中装飾図柄群10gCに含まれる各中装飾図柄10Cの様式が、特定複合様式および単純様式の一方から他方に変化する。
本実施形態では、対象装飾図柄群以外の装飾図柄群、すなわち左装飾図柄群10gLと右装飾図柄群10gRに含まれる各装飾図柄10(左装飾図柄10L、右装飾図柄10R)の様式は、通常複合様式とされる。
また、対象報知演出では、左装飾図柄群10gLから選択された左選択図柄15L、右装飾図柄10Rから選択された右選択図柄15R、中装飾図柄群10gCから選択された中選択図柄15C、の順で選択図柄15が表示される。つまり、左→右→中の順で選択図柄15が決定されて当否抽選結果(選択図柄組み合わせ)が報知された確定状態に至る。対象装飾図柄群(対象装飾図柄)である中装飾図柄群10gC(中装飾図柄10C)から選択される中選択図柄15Cは、三つの選択図柄15のうち最後に表示される選択図柄15ということである。選択図柄15が示される順(停止順)に「第一」、「第二」、「第三」を付せば、左装飾図柄10L(左装飾図柄群10gL)および左選択図柄15Lは第一装飾図柄(第一装飾図柄群)および第一選択図柄、右装飾図柄10R(右装飾図柄群10gR)および右選択図柄15Rは第二装飾図柄(第二装飾図柄群)および第二選択図柄、中装飾図柄10C(中装飾図柄群10gC)および中選択図柄15Cは第三装飾図柄(第三装飾図柄群)および第三選択図柄、ということになる。
対象報知演出は、次のように進行する。なお、以下の通り進行する対象報知演出は、リーチ(第一選択図柄と第二選択図柄が同じ種類のものとなることをいう)が成立せずにはずれが報知される(いわゆる「どはずれ」となる)ケースのものである。まず、三つの装飾図柄群10gが変動した状態(図5(a)参照)から左装飾図柄群10gLの変動が停止して、左選択図柄15Lが表示される(図5(b)参照)。左選択図柄15Lは、通常複合様式にて表示される。次いで、右装飾図柄群10gRの変動が停止して、右選択図柄15Rが表示される(図5(c)参照)。右選択図柄15Rは、通常複合様式にて表示される。
少なくとも左選択図柄15Lおよび右選択図柄15Rが示される時点までは、中装飾図柄群10gCに含まれる各中装飾図柄10Cは、単純様式で変動表示されている(第一状態)(図5(a)~(c)参照)。当該第一状態の後、特定複合様式(キャラクタFが特定種類とされているとする)で変動表示された状態(第二状態)に移行する(図5(d)参照)。そして、当該中装飾図柄群10gCの変動が停止して中選択図柄15Cが特定複合様式にて示された状態(第三状態)に至る(図5(e)参照)。このように、対象装飾図柄群である中装飾図柄群10gCに含まれる中装飾図柄10Cは、変動中に単純様式から特定複合様式に変化する。そして、特定複合様式とされた状態は、中選択図柄15Cとして示されるまで維持される。中選択図柄15Cが示されることで全ての選択図柄15が示され(選択図柄組み合わせが示され)、当否抽選結果が報知される確定状態に至るところ、当該確定状態を含む期間中(対象報知演出の結末を含む期間中)は特定複合様式とされるということである。
最終的に、表示領域911の左から左選択図柄15L、中選択図柄15C、右選択図柄15Rの順で並ぶように選択図柄組み合わせが表示される(図5(e)参照)。つまり、幅方向にて、左選択図柄15Lと右選択図柄15Rの間に中選択図柄15Cが位置するものとなるため、中選択図柄15Cが最も表示領域911の中央側の「目立つ」位置に表示されるということになる。
上記対象報知演出は、「どはずれ」のケースのものであるが、「リーチ」が成立するケース(「リーチ」後はずれとなるケース、「リーチ」後大当たりとなるケースの両方を含む)にも同様に制御することができる。ただし、「どはずれ」となるケースにおいてのみ対象報知演出が発生しうる構成としてもよい。
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、一の当否抽選結果を報知する報知演出(対象報知演出)にて、中装飾図柄群10gC(対象装飾図柄群)に含まれる各中装飾図柄10Cの様式が、単純様式から特定複合様式に変化するという斬新で面白みのあるものである。
特定複合様式の装飾図柄10は、遊技者が選択した特定種類の副要素部S(好みのキャラクタ)を含むものであるから、対象報知演出においては選択図柄15にて当否抽選結果が確定的に示される時点(遊技者が注目するであろう時点)にて遊技者が選択した特定種類の副要素部Sを毎回見ることができる。
選択図柄15が示される順で考えると、左選択図柄15L(第一選択図柄)および右選択図柄15R(第二選択図柄)は、通常複合様式にて示されるのであるから、両選択図柄15の副要素部Sは新たな当否抽選結果の報知の度にその種類が変化しうる(選択図柄15の種類(主要素部M)に応じて変化する)ということになる。一方、最後に示される中選択図柄15C(第三選択図柄)の副要素部Sは、中選択図柄15Cの種類(主要素部Mの種類)に関わらず、特定種類のものとされるということになる。つまり、最後に中選択図柄15Cが示されることにより選択図柄組み合わせが判明して当否抽選結果が確定的に示されることになるから、中選択図柄15Cは遊技者が最も注目するであろう図柄であるところ、当該中選択図柄15Cの副要素部Sが予め定められた特定種類のものとなるようにしている。
そして、当該特定種類(キャラクタ)は、遊技者が選択した好みのものであるところ、遊技者が最も注目するであろう図柄にて特定種類の副要素部Sが表示されることとなる。
また、本実施形態では、最後に示される選択図柄15が中選択図柄15Cであって、左選択図柄15Lや右選択図柄15Rに比して目立つ位置(表示領域911の中央側)に表示されるものである。つまり、遊技者が選択した特定種類の副要素部Sが目立つ位置に表示されることになる。
上記特定種類を利用した演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○具体例1-1
特定種類(キャラクタ)は遊技者の選択により決定されるものであることを説明したが、その他の条件に基づき決定されるものとしてもよい。例えばRTC(リアルタイムクロック)を備え、当該RTCにより得られる実時間(暦)等に応じて特定種類が変化するものとする。時間単位で特定種類が変化するものとすれば、遊技中に特定種類が変化するという遊技性が実現される。日(月、年)単位で特定種類が変化するものとすれば、遊技する日(月、年)に応じて特定種類が変化するという遊技性が実現される。
○具体例1-2
上述した通り、複数種類のそれぞれは、互いに異なる種類の対象(上記実施形態ではキャラクタ)を表すものとされている。副要素部Sとして表示されうる同じ種類の対象(キャラクタ)を表す画像として、態様が異なる複数の図柄画像が設定されている構成とする。例えば、キャラクタAを表す画像として図柄画像A1~A10の十種類が、キャラクタBを表す画像として図柄画像B1~B10の十種類が、・・・キャラクタGを表す画像として図柄画像G1~G10の十種類が設定された構成とする(図6参照)。なお、対象(キャラクタ)毎に対応する図柄画像の種類の数が異なっていてもよい。
これを前提とし、対象報知演出にて、中装飾図柄10C(中選択図柄15C)の副要素部Sとして表示される特定種類の図柄画像の態様が変化するものとする。つまり、対象報知演出を通じて中選択図柄15Cの副要素部Sが特定種類とされることは保たれるが、当該特定種類の副要素部Sを表す図柄画像の態様が変化するものとする。例えば、キャラクタCが特定種類とされているときに、中装飾図柄10Cが単純様式で表示された第一状態(図7(a)参照)から第二状態に移行し、当該第二状態においては副要素部Sとして図柄画像C1を有する中装飾図柄10Cが表示され(図7(b)参照)、その後の第三状態においては副要素部Sとして図柄画像C6を有する中選択図柄15Cが表示される(図7(c)参照)ものとする。つまり、第二状態にて表示される図柄画像と第三状態(確定状態)にて表示される図柄画像の態様が異なるものとする。
このようにすることで、対象報知演出(一変動中)にて、特定種類の対象を表す画像を複数見ることができる遊技性が実現される。遊技者の選択により特定種類が決まるのであれば、好みの対象(キャラクタ)を表す画像を複数見ることができるということになる。
○具体例1-3(具体例1-2をより具体化した例)
第二状態中に図柄画像の態様が変化する構成としてもよい。例えば、キャラクタCが特定種類とされているときに、第二状態の当初は副要素部Sとして図柄画像C1を有する中装飾図柄10Cが表示され(図8(a)参照)、第三状態に至るよりも前に図柄画像C3を有する中装飾図柄10Cに変化し(図8(b)参照)、第三状態に至ることを契機として副要素部Sとして図柄画像C6を有する中選択図柄15Cが表示される(図8(c)参照)ものとする。このようにすることで、対象報知演出(一変動中)に見ることができる図柄画像の数が増えることになる。
本例のようにする場合、第二状態にて表示される中装飾図柄10C(主要素部M)の種類が変化する(いわゆるコマ送りがなされる)度に図柄画像の態様が変化するものとしてもよい。例えば、第二状態にて「4」の中装飾図柄10Cが表示された後、「5」の中装飾図柄10Cが表示された状態に移行し、最終的に第三状態にて「6」の中選択図柄15Cが表示されるようなコマ送り(「4」→「5」→「6」のコマ送り)がなされるものとする。この場合、「4」の中装飾図柄10Cが副装飾部として図柄画像C1を有し(図8(a)参照)、「5」の中装飾図柄10Cが副装飾部として図柄画像C3を有し(図8(b)参照)、「6」の中選択図柄15Cが副装飾部として図柄画像C6を有する(図8(c)参照)ものとする。このようにすることで、コマ送りの度に副装飾部(図柄画像)の態様が変化するという図柄の変動態様となる。
○具体例1-4(具体例1-2、具体例1-3をより具体化した例)
同じ種類の対象を表す複数の図柄画像が系統別に区分けされているものとする。例えば、キャラクタAを表す図柄画像A1~A10は「A1~A5」の五つが同系統であり、「A6~A10」の五つが同系統である(「A1~A5」と「A6~A10」は別系統である)とする。その他のキャラクタを表す図柄画像も同様であるとする(図9参照)。各キャラクタについて、三つ以上の系統が設定されていてもよい。
上述した通り、対象報知演出(一変動中)においては、異なる態様の複数の図柄画像が表示されるところ、当該複数の図柄画像は同じ系統に属するものとされる。つまり、同じ対象報知演出においては、別系統の図柄画像が表示されることはないものとする。例えば、キャラクタAが特定種類とされているときに、第二状態において副要素部Sとして図柄画像A6を有する中装飾図柄10Cが表示された場合(図10(b)参照)には、第三状態においては副要素部Sとして図柄画像A7~A10のいずれかを有する中選択図柄15Cが表示される(A1~A5は表示されない)(図10(c)参照)こととなる。
「系統」は種々の観点から設定することができる。遊技者が同系統・別系統を把握可能であればよい。例えば、キャラクタの所定部位(例えばキャラクタの服)が同じ色(同系色)であるものを同系統とし、異なる色のものを別系統とすることが考えられる。また、図柄画像A1~A5はキャラクタAの同じ画像を基としたものである(図柄画像A6~A10は図柄画像A1~A5とは異なる画像を基としたものである)が、その大きさが異なる(例えばA1→A5にかけて次第にキャラクタAが大きくなる(アップになる))といったように、同系統の画像は基となる画像が同じであるものの、別系統の画像は基となる画像が異なるといった設定とすることが考えられる。
○具体例1-5
上述した通り、第三状態にて、中選択図柄15Cの副要素部Sは特定種類とされる。当該特定種類の副要素部Sを含む画像(以下、特定画像40と称する)が、表示領域911の全体に表示されるものとする(図11(b)参照)。特定画像40を表す画像レイヤは、左選択図柄15Lの主要素部Mおよび副要素部S、右選択図柄15Rの主要素部Mおよび副要素部S)および中選択図柄15Cの主要素部Mを表す画像レイヤよりも後とされる。また、特定画像40を表す画像レイヤは、背景画像(通常時に表示される通常背景画像60(図11(a)参照。なお、図11以外の図面においては通常背景画像60の図示を省略している))を表す画像レイヤよりも前とされる。なお、通常背景画像60は、第一状態や第二状態にて変動する各装飾図柄10(各装飾図柄群10g)の背景として表示されるものである。
このようにすることで、第三状態(対象報知演出に対応する当否抽選結果が報知された時点)においては、特定画像40は中選択図柄15Cの副要素部Sを表しつつも、各選択図柄15の背景として表示されたかのような態様となる。つまり、第一状態や第二状態における図柄背景(通常背景画像60)とは別の図柄背景が第三状態(確定状態)にて表示されるかのような態様となる。これにより、対象報知演出では、当否抽選結果を確定的に示す状態にて特殊な背景が表示されるように見えるため、当否抽選結果の報知が強調されることになる。
○具体例1-6
上記実施形態では、左装飾図柄10L(左選択図柄15L)および右装飾図柄10R(右選択図柄15R)は、通常複合様式とされる。そのため、図柄(主要素部M)の種類に応じて、副要素部Sの種類は決まる。一方、中装飾図柄10C(中選択図柄15C)は、図柄(主要素部M)の種類に関わらず副要素部Sが特定種類とされる(特定複合様式とされる)。例えば、図12の「参考図」として示すように、左装飾図柄10L(左選択図柄15L)または右装飾図柄10R(右選択図柄15R)として「1」の図柄が表示される場合、当該「1」の図柄の副要素部SとしてキャラクタAが表示されるところ、仮に特定種類がキャラクタAであるとした場合には、中装飾図柄10C(中選択図柄15C)として「1」の図柄が表示されなくても副要素部S(特定種類)としてキャラクタAが表示されてしまうため、キャラクタAを含む図柄が同じ種類なのではないかと勘違いしてしまう(混同してしまう)おそれがある。このようなおそれを低減するため、左装飾図柄10L(左選択図柄15L)および右装飾図柄10R(右選択図柄15R)の副要素部Sとして、特定種類と同じ種類のものが表示されないように設定する。具体的には次の通りである。
副要素部Sとなりうる候補として、キャラクタA~Hの八種を用意する(図12(a)参照)。つまり、装飾図柄10(選択図柄15)の種類の数(七種)よりも多い候補を用意する。そして、左装飾図柄10L(左選択図柄15L)および右装飾図柄10R(右選択図柄15R)の全ては、特定種類とされたキャラクタ以外のキャラクタが副要素部Sとされるようにする。例えば、キャラクタDが特定種類とされたとする。その場合には、通常複合様式とされる左装飾図柄10L(左選択図柄15L)および右装飾図柄10R(右選択図柄15R)の「1」にはキャラクタAが、「2」にはキャラクタBが、「3」にはキャラクタCが、「4」にはキャラクタEが、「5」にはキャラクタFが、「6」にはキャラクタGが、「7」にはキャラクタHが対応づけられたものとする(図12(b)の上参照)。このようにすることで、左装飾図柄10L(左選択図柄15L)および右装飾図柄10R(右選択図柄15R)としてキャラクタDを含むものが表示されることはなくなる。つまり、特定複合様式とされる中装飾図柄10C(中選択図柄15C)(図12(b)の下参照)と同じキャラクタ(特定種類の副要素部S)が表示されることはなくなる。
○具体例1-7
上述した通り、左選択図柄15Lと右選択図柄15Rが同じ種類となることが「リーチ」として設定されている。リーチのうち、主要素部Mが「7」である選択図柄15によるリーチが成立した場合には、その他の主要素部M(その他の数字)である選択図柄15によるリーチのいずれが成立した場合よりも、当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)が高い設定とする。
これを前提とし、特定種類と同じ種類のものが、主要素部Mが「7」である左選択図柄15L(左装飾図柄10L)および右選択図柄15R(右装飾図柄10R)の副要素部Sとして設定される構成とする。例えば、キャラクタBが特定種類とされるのであれば、通常複合様式(左選択図柄15L(左装飾図柄10L)および右選択図柄15R(右装飾図柄10R))の主要素部Mが「7」である図柄の副要素部SはキャラクタBとされる(図13(a)参照)。なお、特定種類がキャラクタBであるから、特定複合様式(中選択図柄15C(中装飾図柄10C))の副要素部Sは全てキャラクタBである(図13(b)参照)。
このようにすることの作用は次の通りである。上記の通り、「7」のリーチは他の数字のリーチよりも高信頼度であるから、「7」のリーチは他の数字のリーチよりも成立しにくい。ひいては、左選択図柄15Lや右選択図柄15Rとして「7」の図柄が表示されにくいということである。そのため、キャラクタBが特定種類とされた例に則していえば、左選択図柄15Lや右選択図柄15RとしてキャラクタBの副要素部Sが表示されにくくなる。よって、中選択図柄15CとしてキャラクタB(特定種類)の副要素部Sが表示されることで、左選択図柄15Lや右選択図柄15Rの副要素部Sと、中選択図柄15Cの副要素部Sが同じ種類となってしまう頻度が低下する。ゆえに、図柄の種類が異なるにもかかわらず、左選択図柄15Lや右選択図柄15Rと中選択図柄15Cの副要素部Sが同じ種類となって混同するおそれがある状況となる頻度が低下する。
2-3)被覆演出
装飾図柄10を利用した演出として被覆演出が実行される。被覆演出は、表示領域911に被覆画像50が表示される演出である。本実施形態では、表示領域911の全体に被覆画像50が表示される。被覆画像50は、表示領域911に表示される複数の装飾図柄10(選択図柄15)のうちのいずれかである対象装飾図柄(対象選択図柄)を覆うものである。本実施形態における被覆演出では、中装飾図柄10C(中選択図柄15C)が対象装飾図柄(対象選択図柄)とされる。一方、対象装飾図柄(対象選択図柄)以外の装飾図柄10(選択図柄15)は、非対象装飾図柄(非対象選択図柄)とされる。つまり、本実施形態では、左装飾図柄10L(左選択図柄15L)および右装飾図柄10R(右選択図柄15R)が非対象装飾図柄(非対象選択図柄)とされる。
被覆演出は、三つの装飾図柄10(選択図柄15)が表示されている(露出した)状態(図14(a)参照)にて発生しうる。本実施形態では、左選択図柄15Lおよび右選択図柄15Rが表示された状態で、中装飾図柄群10gC(中装飾図柄10C)が変動中、すなわち中選択図柄15Cが決まっていない状態で発生する(なお、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rが表示された状態で発生するものとしてもよい)。被覆画像50は、対象装飾図柄である中装飾図柄10Cを覆うのに対し、非対象装飾図柄(非対象選択図柄)である左選択図柄15Lおよび右選択図柄15Rは覆わない。つまり、左選択図柄15Lおよび右選択図柄15Rは、被覆画像50の手前に重なるように表示された状態となる(図14(b)参照)。なお、被覆画像50が表示された状態において、中装飾図柄10C(遊技者には視認できない)は、被覆画像50の後方に重なっているように見える状態ともいえる。被覆画像50を表す画像レイヤが、中装飾図柄10Cを表す画像レイヤよりも手前に、左選択図柄15Lおよび右選択図柄15Rを表す画像レイヤよりも後に設定されることで、上記のような状況を作り出すことができる。当該状況は、対象装飾図柄が「選択的」に被覆画像50に覆われた状況(選択的被覆状態)であるといえる。なお、被覆画像50は、保留図柄70は覆わないものとされる。そのため、被覆画像50が表示されている状態においても遊技者は保留数を把握することができる。
その後、被覆画像50が消去されることで、対象装飾図柄である中装飾図柄10Cが被覆画像50に被覆された状態が解消される。遊技者には、中装飾図柄10Cが再び露出したようにみえる(図14(c)参照)。なお、本実施形態では、被覆画像50が消去されることで露出する図柄は中選択図柄15Cである。つまり、被覆画像50が消去されるとともに当否抽選結果が報知された状態(確定状態)に至る。
本実施形態における被覆演出は、対象装飾図柄である中装飾図柄10Cの種類(中装飾図柄10Cの主要素部M)が変化する演出である。当該中装飾図柄10Cに着目すると、被覆演出は次のように進行する演出であるといえる。被覆画像50が表示される前の段階では、変化前の中装飾図柄10Cが表示(露出)された状態(先露出状態)にある(図14(a)参照)。その後、被覆画像50が表示され、中装飾図柄10Cが選択的に覆われた状態(選択的被覆状態)となる(図14(b)参照)。そして、被覆画像50が消去され、変化後の中装飾図柄10Cが表示(露出)された状態(後露出状態)に至る(図14(c)参照)。先露出状態における中装飾図柄10C(先の図柄)の種類と、後露出状態における中装飾図柄10C(本実施形態では中選択図柄15C)(後の図柄)の種類は異なる。つまり、中装飾図柄10Cに関し、先の図柄→後の図柄の種類変化が生じる。
このように、本実施形態における被覆演出は、対象装飾図柄である中装飾図柄10Cが選択的に被覆画像50に覆われる演出である。仮に、表示される全ての装飾図柄10が覆われる(二以上の装飾図柄10が覆われる)構成であると、いずれの装飾図柄10が演出の対象であるか分かりにくいところ、本実施形態における被覆演出では対象装飾図柄である中装飾図柄10Cが被覆画像50に覆われ、非対象装飾図柄(非対象選択図柄)である左装飾図柄10L(左選択図柄15L)および右装飾図柄10R(右選択図柄15R)は被覆画像50に覆われないため、演出の対象となる装飾図柄10が分かりやすい。
上記被覆演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○具体例2-1
上記実施形態における被覆演出は、対象装飾図柄である中装飾図柄10Cの種類が変化する(先の図柄→後の図柄の種類変化が生じる)ものであることを説明したが、このような変化が生じないケースが発生しうる構成としてもよい。つまり、先の図柄と後の図柄の種類が同じであるケースが発生しうるものとしてもよい。換言すれば、被覆演出は、対象装飾図柄である中装飾図柄10Cの種類が変化する可能性を示唆するものであって、その種類が変化する結末(変化結末)に至るケース(図15(a)→(b)→(c-1)というように進行するケース)もあれば、その種類が変化しない結末(非変化結末)に至るケース(図15(a)→(b)→図15(c-2)というように進行するケース)もある設定とする。
変化結末および非変化結末の一方が他方に比して有利な結末である設定とするとよい。例えば、変化結末に至る場合には「チャンス目」(主要素部Mの数字が左から順目に並ぶことが一例として例示できる)が構築される(図15(c-1)参照)一方、非変化結末に至る場合には当該「チャンス目」が構築されない(図15(c-2)参照)設定とすることが考えられる。「チャンス目」が構築されることは、当該チャンス目が構築された報知演出に対応する当否抽選結果や、それ以降に報知される当否抽選結果の大当たり信頼度が高まったことを示唆する演出等として発生するものとすることができる。
本例のようにする場合、被覆画像50の態様(図15(b)参照)により、変化結末に至る(非変化結末に至る)蓋然性が示唆されるものとすることもできる。例えば、被覆画像50として黒色を呈するものが表示された場合よりも、被覆画像50として赤色を呈するものが表示された場合の方が、変化結末に至る蓋然性が高いという設定とすることが考えられる。
○具体例2-2
上述した通り、被覆演出は、被覆画像50が表示されていない先露出状態から被覆画像50が表示された選択的被覆状態に移行するものであるところ、被覆画像50は、非対象装飾図柄側から対象装飾図柄側に向かって次第に広がるように表示されることで選択的被覆状態に至るようにする。上記実施形態のように、中装飾図柄10Cが対象装飾図柄であり、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rが非対象装飾図柄であるのであれば、被覆画像50は表示領域911の外側から中央に向かって次第にその大きさを大きくするように表示されるものとする(図16参照)。
このようにした場合、先露出状態から選択的被覆状態に至るまでを経時的にみれば、被覆画像50の手前に非対象装飾図柄(左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10R)が重なった状態(図16(b)参照)が先に訪れた後、被覆画像50に対象装飾図柄(中装飾図柄10C)が覆われた状態(選択的被覆状態)(図16(c)参照)に至るという流れとなる。
本例のようにすることで、対象装飾図柄、非対象装飾図柄、被覆画像50の前後関係(あくまで仮想的な前後関係)をより分かりやすく示すことができる。すなわち、非対象装飾図柄(三者のうち最も前に見える)と対象装飾図柄(三者のうち最も後に見える)の間に被覆画像50が存在するという印象がより強くなる。
○具体例2-3
二以上の装飾図柄10が対象装飾図柄とされる設定としてもよい。例えば、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rが対象装飾図柄とされ、中装飾図柄10Cが非対象装飾図柄とされるものとする。選択的被覆状態においては、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rが被覆画像50に覆われ、中装飾図柄10Cが被覆画像50の手前に重なるように表示された状態とする。
この場合、被覆演出を経て、二以上の対象装飾図柄の少なくともいずれかの種類が変化するものとするとよい。全ての対象装飾図柄の種類が必ず変化するものとしてもよい。
○具体例2-4
被覆演出は、対象装飾図柄のコマ送りに利用することができる。つまり、対象装飾図柄として主要素部Mが「1」の図柄が表示された状態で被覆演出が発生し、「2」の図柄に変化する(一コマ送られる)、「2」の図柄が表示された状態で被覆演出が発生し「3」の図柄に変化する(一コマ送られる)、・・・といった事象が発生するものとする。
かかる被覆演出を用いたコマ送りは、上記具体例1-3にて説明した演出(コマ送りがなされる度に図柄画像の態様が変化する演出)に適用することもできる。つまり、被覆画像50が表示されて対象装飾図柄(中装飾図柄10C)が覆われ、露出したときには、副要素部Sとして表示される図柄態様が被覆画像50に覆われる前とは異なるものとなっている演出とする。
○具体例2-5
被覆演出にて、保留図柄70の態様が変化する保留変化演出が発生しうるものとする。すなわち、被覆演出の発生を経て、表示されている保留図柄70の少なくとも一つ(対象保留図柄70T)の態様が、当該対象保留図柄70Tに対応する当否抽選結果について大当たり信頼度が高まる方向に変化する場合があるものとする。具体的には次の通りである。
先露出状態においては、保留図柄70(対象保留図柄70Tを含む全ての保留図柄70)は露出した状態にある(図17(a)参照)。その後、選択的被覆状態にて、被覆画像50に保留図柄70(対象保留図柄70Tを含む全ての保留図柄70)が覆われた状態となる(図17(b)参照)。そして、後露出状態に移行して保留図柄70が露出した状態になる。先露出状態での対象保留図柄70Tよりも後露出状態での対象保留図柄70Tの方が、大当たり信頼度が高い態様となるようにする(図17(c)参照)。なお、対象保留図柄70Tの態様が変化する結末に至る場合もあれば、変化しない結末に至る場合もある設定としてもよい。つまり、被覆演出の発生(被覆画像50の表示)が、対象保留図柄70Tの態様変化の可能性を示唆するに留まる設定としてもよい。
上記例とは異なり、選択的被覆状態にて、対象保留図柄70Tは被覆画像50に覆われるものの、対象保留図柄70T以外の保留図柄70は被覆画像50に覆われない(露出した状態のままである)構成としてもよい。このようにすることで、対象保留図柄70T(保留変化演出の対象となる保留図柄70)が明確になるという利点がある。
3)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にかかる遊技機1はぱちんこ遊技機であるが、ぱちんこ遊技機特有の構成を前提とした点を除き、回胴式遊技機等のその他の遊技機にも適用可能である。
4)上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
・手段1-1
表示領域を有する表示手段と、複数種類の装飾図柄を含む複数の装飾図柄群のそれぞれから選択されて前記表示領域に表示される選択図柄の組み合わせにより当否抽選結果を報知する報知手段と、前記装飾図柄の様式を、図柄の種類を示す主要素部および当該主要素部に付随する副要素部を有する複合様式、および、前記主要素部を有するものの前記副要素部を有さない単純様式とすることが可能な図柄制御手段と、を備え、前記副要素部は複数種類設定されており、所定条件に基づいて当該複数種類のうちのいずれかが特定種類として設定され、前記複合様式のうち、前記副要素部が前記特定種類とされたものが特定複合様式とされ、一の当否抽選結果を報知する報知演出にて、複数の前記装飾図柄群の少なくともいずれかである対象装飾図柄群に含まれる各装飾図柄の様式が、前記特定複合様式および前記単純様式の一方から他方に変化する場合があることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、報知演出中(変動中)に装飾図柄の様式が特定複合様式および単純様式の一方から他方に変化するという斬新で面白みのあるものである。
・手段1-2
前記特定種類は、遊技者が任意に選択可能であることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、特定複合様式の装飾図柄が表示される度に、遊技者が選択した(好みの)特定種類の副要素部を見ることができる。
・手段1-3
前記対象装飾図柄群から選択された前記選択図柄は、前記特定複合様式で表示されることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が最も注目するであろう選択図柄の表示時に、特定種類の副要素部を見ることができる。
・手段1-4
一の当否抽選結果を報知する報知演出において、前記対象装飾図柄群に含まれる各装飾図柄が前記単純様式で変動表示される第一状態の後、前記特定複合様式で変動表示された第二状態に移行し、その後当該変動が停止することで当該対象装飾図柄群から選択された前記選択図柄が前記特定複合様式で表示された第三状態に至ることを特徴とする手段1-1から手段1-3のいずれかに記載の遊技機。
上記のように、対象装飾図柄群の変動中に単純様式から特定複合様式に変化し、それが当否抽選結果が確定的に示される(選択図柄が示される)ときまで維持される構成とすることが考えられる。
・手段1-5
複数種類の前記副要素部のそれぞれは、互いに異なる種類の対象を表すものとされ、前記副要素部として表示されうる同じ種類の対象を表す画像として、態様が異なる複数の図柄画像が設定されており、一の当否抽選結果を報知する報知演出において、前記第二状態にて前記特定種類の前記副要素部として表示される前記図柄画像と、前記第三状態にて前記特定種類の前記副要素部として表示される前記図柄画像とは、同じ種類の対象を表すものであるが態様が異なるものとされることを特徴とする手段1-4に記載の遊技機。
このようにすることで、一の報知演出(一の変動中)に特定種類の副要素部として表示される図柄画像を複数見ることができる。
・手段1-6
同じ種類の対象を表す複数の前記図柄画像は、系統別に区分けされており、一の当否抽選結果を報知する報知演出において、前記第二状態にて前記特定種類の前記副要素部として表示される前記図柄画像と、前記第三状態にて前記特定種類の前記副要素部として表示される前記図柄画像とは、同じ系統に属するものとされることを特徴とする手段1-5に記載の遊技機。
一の報知演出(一の変動中)に表示される複数の図柄画像は、統一感のあるものとすることが好ましい。
・手段1-7
前記第三状態にて、前記対象装飾図柄群から選択された前記選択図柄が有する前記副要素部を含む画像は、前記表示領域の全体に表示されることを特徴とする手段1-4から手段1-6のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、選択図柄が有する副要素部を含む画像を、背景のように機能させることができる。
・手段2-1
複数種類の第一装飾図柄から選択された第一選択図柄、複数種類の第二装飾図柄から選択された第二選択図柄、複数種類の第三装飾図柄から選択された第三選択図柄、の順で表示される選択図柄の組み合わせにより当否抽選結果が報知される遊技機であって、前記選択図柄は、図柄の種類を示す主要素部および当該主要素部に付随する副要素部を有し、前記副要素部は複数種類設定されており、前記第一選択図柄および前記第二選択図柄の前記副要素部は、新たな当否抽選結果が報知される度にその種類が変化しうるものである一方、前記第三選択図柄の前記副要素部は、当該第三選択図柄の種類に関わらず、所定条件に基づいて決定された特定種類のものとされることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、最後に示される第三選択図柄(遊技者が最も注目するであろう選択図柄)の副要素部が特定種類のものとされるという斬新かつ面白みのあるものである。
・手段2-2
前記特定種類は、遊技者が任意に選択可能であることを特徴とする2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が最も注目するであろう第三選択図柄が示される度に、遊技者が選択した(好みの)特定種類の副要素部を見ることができる。
・手段2-3
前記第一選択図柄および前記第二選択図柄の前記副要素部として、前記特定種類と同じ種類のものが表示されないように設定されていることを特徴とする2-1または2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、副要素部の種類が同じとなることで、第一選択図柄や第二選択図柄とは異なる種類の第三選択図柄が示されたにもかかわらず、同じ種類であると混同してしまうおそれが低減される。
・手段2-4
前記第一選択図柄と前記第二選択図柄の間に前記第三選択図柄が表示されることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、特定種類の副要素部が目立つ位置に表示されることになる。
・手段3-1
当否判定結果を示す装飾図柄を表示する表示手段と、前記表示手段に表示される複数の前記装飾図柄のうちのいずれかである対象装飾図柄を覆う被覆画像が表示され、前記対象装飾図柄以外の前記装飾図柄である非対象装飾図柄が前記被覆画像の手前に重なるように表示される選択的被覆状態を含む被覆演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、演出の対象となる装飾図柄(対象装飾図柄)を分かりやすく示すことが可能である。
・手段3-2
前記被覆演出は、前記対象装飾図柄の種類が変化する演出であって、変化前の前記対象装飾図柄が露出する先露出状態と、当該先露出状態の後の状態である前記選択的被覆状態と、当該選択的被覆状態の後の状態であって変化後の前記対象装飾図柄が露出する後露出状態と、を含むものであることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
上記の通り、対象装飾図柄の種類を変化させる演出として被覆演出を用いることができる。
・手段3-3
前記被覆画像が、前記非対象装飾図柄側から前記対象装飾図柄側に向かって次第に広がるように表示されることで前記選択的被覆状態に至ることを特徴とする手段3-1または手段3-2に記載の遊技機。
このようにすることで、対象装飾図柄、非対象装飾図柄、被覆画像の前後関係(仮想的な前後関係)をより分かりやすく示すことができる。
1 遊技機
10 装飾図柄(10L左装飾図柄 10C中装飾図柄 10R右装飾図柄)
10g 装飾図柄群(10gL左装飾図柄群 10gC中装飾図柄群 10gR右装飾図柄群)
15 選択図柄(15L左選択図柄 15C中選択図柄 15R右選択図柄)
M 主要素部
S 副要素部
40 特定画像
50 被覆画像
91 表示装置
911 表示領域

Claims (4)

  1. 複数種類の第一装飾図柄から選択された第一選択図柄、複数種類の第二装飾図柄から選択された第二選択図柄、複数種類の第三装飾図柄から選択された第三選択図柄、の順で表示される選択図柄の組み合わせにより当否抽選結果が報知される遊技機であって、
    前記選択図柄は、図柄の種類を示す主要素部および当該主要素部に付随する副要素部を有し、
    前記副要素部は複数種類設定されており、
    前記第一選択図柄および前記第二選択図柄の前記副要素部は、新たな当否抽選結果が報知される度にその種類が変化しうるものである一方、
    前記第三選択図柄の前記副要素部は、当該第三選択図柄の種類に関わらず、所定条件に基づいて決定された特定種類のものとされる
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記特定種類は、遊技者が任意に選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第一選択図柄および前記第二選択図柄の前記副要素部として、前記特定種類と同じ種類のものが表示されないように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記第一選択図柄と前記第二選択図柄の間に前記第三選択図柄が表示されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
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