(第1実施形態)
(撮像装置の基本構成)
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。図1は、本発明を実施した撮像装置の実施形態であるカメラ100およびレンズユニット200の構成を説明するブロック図である。なお、図1に示す機能ブロックの1つ以上は、ASICやプログラマブルロジックアレイ(PLA)などのハードウェアによって実現されてもよい。また、CPUやMPU等のプログラマブルプロセッサ(マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ)がソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。したがって、以下の説明において、異なる機能ブロックが動作主体として記載されている場合であっても、同じハードウェアが主体として実現されうる。
図1に図示するように、カメラ100はレンズユニット200を着脱可能な撮像装置である。なお、カメラ100の構成としては、レンズユニット200が一体構造となっているような撮像装置を採用する構成であってもよい。
レンズユニット200は、カメラ100に着脱可能なカメラ用アクセサリであって、複数の光学系によって構成されるレンズ201(撮像光学系)を備えている。レンズ201は、例えば、フォーカスレンズやズームレンズ、シフトレンズなどの複数枚のレンズで構成される。
アポダイゼーションフィルタ(以下、APODAIZATION(APD)フィルタと称す)202は、レンズ201とカメラ100の撮像素子110との間の光路に配された光学フィルタである。APDフィルタ202の光学特性を表す指標として、一般的に光学濃度あるいは光透過率が用いられる。
図2は、本発明に係るAPDフィルタ202の透過率を例示的に説明する図である。APDフィルタ202は、APDフィルタ202の中心に位置する軸(光軸)を基準として、光軸と直交するAPDフィルタ202の径方向において、光の透過率(換言するとフィルタの濃度)が段階的に異なる。具体的に、APDフィルタ202は、光軸に対してフィルタの径方向における外側向けて、徐々に光の透過率(光透過率)が低く、フィルタの濃度は濃い。したがって、APDフィルタ202を介して入射する光束は、光軸に対する径方向において透過する光量が異なる。
APDフィルタ202の光透過率Trと後述する絞り203の開口径に係る絞り値(F値)に基づいて、絞り203の開口径とレンズユニット200の透過率に基づくレンズユニット200の全体の光量を示すT値は、以下の式(1)で表される。
T=F/Tr1/2・・・(1)
なお、式(1)の光透過率Trは絞り203が形成する開口(光束通過開口)内の全領域における平均値とする。
図3は、本発明に係るレンズユニット200における、F値とT値との対応関係を例示的に説明する図であって、横軸は絞り203の開口径に依存するF値(段数)を示し、縦軸はT値(段数)を示している。なお、図3において、例えば、APDフィルタ202を備えていないレンズユニットなど、F値とT値とが一致する場合は、図3において破線で示すように、F値に対するT値の変化は線形となる。
ここで、本実施形態において、光量1段分に相当する明るさの変化は、例えばAPEX(ADDITIVE SYSTEM OF PHOTOGRAPHIC EXPOSURE)システムにおける1Bvに相当する明るさの変化とする。一般的に、絞りの開口径(有効径)が1/√2倍変化するとF値が1段変化し、光量(Bv値)も1段分変化する。しかしながら、本実施形態のAPDフィルタ202のように、絞り204の開放付近の濃度が他の領域よりも濃い(光の透過率が低い)場合、絞り203の開放付近のF値とT値に差が生じる。これは、APDフィルタ202における絞り203の開放付近の領域では、F値が1段分変化する領域でも、APDフィルタ202を透過する光量が1Bv分に満たないためである。なお、F値の1段分の明るさの変化は、APDフィルタ202を備えていないレンズユニットにおける1Bv分の明るさの変化と同義とする。
図3に図示するように、実線で示すレンズユニット200におけるT値とF値の対応関係は、絞り203を絞り込むほど、T値とF値の差が小さくなり、F値が所定の値(図3における8段(8Bv))を超えると、T値とF値は略一致する。これに対して、絞り203の開口径が大きくなる(開放側に遷移させる)ほど、T値とF値の差が大きくなり、例えば、絞り203の開放付近でAPDフィルタ202による減光効果が最大となる。具体的に、本実施形態のレンズユニット200は、APDフィルタ202を備えていないレンズユニットに対して、絞り203の開放付近において、APDフィルタ202を透過する光量が略2段分減少する。
図1に戻り、レンズユニット200は、レンズユニット200を構成する各部を制御するレンズ制御部204を有している。例えば、レンズ制御部204は、絞り駆動部205を介して絞り203の駆動を制御できる。また、レンズ制御部204は、レンズ駆動部206を介してレンズ201の駆動を制御することができる。なお、レンズ制御部204は、後述する端子群を介して、カメラ100のCPU131と接続され、CPU131からの制御指示に応じて、レンズユニット200を制御することができる。
レンズマウント207は、レンズユニット200とカメラ100との物理的な接続機構であると同時に、カメラ100に設けられたカメラマウント102と統制可能であって、カメラ100との通信を行うための端子群を備えている。なお、レンズマウント207を介してレンズユニット200がカメラ100に装着された状態で、レンズユニット200とカメラ100とが通信可能となる。
次に、カメラ100を構成する各部について図1を参照して説明する。撮像素子110は、レンズユニット200を介してカメラ100の内部に導かれた被写体の光束を受光して電気的な画像信号に変換することができる、CMOSやCCD等の電荷蓄積型の固体撮像素子を採用した撮像手段である。撮像素子110で得られる電気信号はアナログ値であるので、デジタル値に変換する機能も合わせ備えている。なお、撮像素子110から出力された画像信号に基づいて、被写体の明るさに関する評価値(測光値)を検出することができる。
シャッター103は、レンズユニット200がカメラ100に装着された状態で、レンズユニット200と撮像素子110の光路上に配された遮光部材であって、シャッター103の状態を制御することで、撮像素子110へ入射する光量を調整できる。なお、本実施形態では、シャッター103を用いて、撮像素子110における露光時間を調節する構成について説明するが、これに限定されるものではない。撮像素子110が、所謂電子シャッター機能を有しており、撮像素子110のリセット、読み出し、蓄積タイミングを調整することで、シャッター103を動作させることなく、露光時間を調節する構成でもよい。
映像信号処理部121は、撮像素子110から転送されるデジタル画像データに対し、ホワイトバランス、色補間、色補正、γ変換、エッジ強調、解像度変換、ノイズ低減や画像の明るさ、コントラスト等の種々の画像処理および解析を行う信号処理手段である。そして処理を行った画像データをメモリ132に出力する。なお、映像信号処理部121が出力したデータは、露出制御、オートフォーカス制御などに利用される。
メモリ132は、映像信号処理部121の出力画像データの他、CPU131が各種処理を行なう際にデータを一時的に記憶する。すなわち、メモリ132は、後述する不揮発性メモリ133から読み出されたプログラムを展開して実行するRAM(RANDO MACCESS MEMORY)として機能する。
不揮発性メモリ133は、カメラ100におけるROM(READ ONLY MEMORY)として機能する不揮発性の記録素子であり、CPU131を動作させるためのプログラムや各種調整パラメータなどが記録されている。
タイミング発生部142は、撮像素子110、映像信号処理部121に対して、各種動作を実行するタイミングを提供するタイミングジェネレーターである。
バス150には、メモリ132や不揮発性メモリ133、後述する、電源160、表示制御部151、タッチパネル156、カード入出力部171、そして、各種のスイッチ類が接続されている。なお、各種のスイッチ類とは、メインスイッチ161、第1レリーズスイッチ162、第2レリーズスイッチ163、操作部164である。操作部164は、例えば、マウスやタッチパッドといったポインティングデバイス、決定ボタン、上下左右ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、などを含む、ユーザ操作を受け付けるための入力デバイスを含む。
電源160は、カメラ100の内部に設けられている各回路に電源供給を行う電源供給手段である。
表示制御部151は、映像信号処理部121から出力された画像データを表示用のアナログ画像データに変換し、表示部153への表示する制御を実行する表示制御手段である。例えば、表示制御部151は、バス150を介したタイミング発生部142からの信号に応じて、メモリ132に保存された表示用画像データをD/A変換部152においてデジタル画像データから表示用のアナログ画像データへと変換する。変換されたアナログ画像データは、液晶表示素子からなるTFTなどの表示部153、若しくはVIDEO出力端子154、HDMI(登録商標)出力端子155などのケーブルを介して外部に設けられた外部表示部(不図示)に表示される。
タッチパネル156は、表示部153と一体的に形成され、表示部153の表面において、ユーザが触れた位置を座標情報として、CPU131に通知する。
カードスロット172は、例えばSDカード等の着脱可能な記録媒体173を差し込み可能である。そして、記録媒体173は、カードスロット172に差し込まれた状態でカード入出力部171と電気的に接続される。この状態で、メモリ132に記録されている画像データを記録媒体173へと記録することが可能である。また、記録媒体173の内部に記録されたデータをカメラ100で読み出すことも可能である。
CPU(CENTRAL PROCESSING UNIT)131は、バス150を介してカメラ100の各部へと接続されており、カメラ100およびカメラ100に装着されたアクセサリの各部を統括的に制御可能な制御手段である。なお、CPU131がカメラ100内の各部の駆動を制御する構成であれば、上述したような各制御部や処理部を設けない構成であってもよい。また、CPU131を設けずに、上述した制御部や処理部がそれぞれ連動して制御(処理)をおこなうことで、カメラ100の各部の駆動を制御する構成であってもよい。以上が、本実施形態に係るカメラシステムの一例である。
(カメラ100の基本動作)
以下、本実施形態に係るカメラ100の基本動作について図1を参照して説明する。まず、ユーザによりメインスイッチ161がオンされることで、電源160はカメラ100を構成する各部へと電源を供給する。
次に、カメラ100を構成する各部へと電源の供給がなされると、レンズユニット200を介してカメラ100の内部への入射した被写体に対応する光束が、撮像素子110に結像される。
次に、撮像素子110から所定のタイミング(例えば1秒間に60回)で画像データが読み出され、各種処理を実行した後にメモリ132のVRAMへ配置する。これにより、撮像素子110から取り込んだ画像データを表示部153に逐次表示(ライブビュー)することができる。
次に、操作部164をユーザが操作することによって、GUIに表示された各種のパラメータの選択と設定を行うことが可能である。例えば、カメラ100において調整可能な露出制御値として、シャッタースピード、絞り値、ISO感度の設定などを行うことが可能である。
次に、第1レリーズスイッチ162(以下SW1)はレリーズボタン(不図示)の第1ストローク(半押し状態)でオンとなり、被写体の撮像準備を開始する。ここで、撮像準備の詳細としては、前述したレンズ制御部204によるレンズ201の駆動制御や、発光制御部181によるストロボ発光制御を必要に応じて実行する。そして、第2レリーズスイッチ163(以下SW2)は、レリーズボタン(不図示)の第2ストローク(全押し状態)でオンとなり、被写体の撮像を開始する。
(レンズ交換時の制御)
以下、本実施形態に係るカメラ100に対して、レンズユニット200を装着する際の制御について、図4に図示するフローチャートを参照して説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る、装着レンズ検出処理に係るフローチャートを示す図である。
なお、カメラ100に装着されたレンズユニットの種類に応じて、レンズユニットが備える部材(例えば、APDフィルタの有無)や、特性(例えば、APDフィルタAPDフィルタの特性)は異なる。すなわち、図3に図示するようなF値とT値の関係は、カメラ100に装着されるレンズユニットの種類(または、APDフィルタの種類)によって変化する。したがって、カメラ100に対して新たにレンズユニットを装着する場合は、レンズユニットの種類に応じて、F値とT値の対応関係を更新する必要がある。
まず、CPU131は、カメラ100にレンズユニットが装着されたことを検出し、装着レンズ検出処理を開始し、ステップS401で、カメラ100に装着されたレンズユニットにAPDフィルタが含まれているかを検出する。以降の説明では、カメラ100にAPDフィルタ202を備えるレンズユニット200が装着された場合を想定する。
なお、カメラ100に対するレンズユニットの装着有無は、例えば、カメラマウント102とレンズマウント207に設けられた端子群のうち、任意の端子の電圧変化に基づいて検出する構成であればよい。具体的に、カメラマウント102に設けられた当該端子が示す電圧レベルが、カメラ100に対応するカメラアクセサリが装着されていない状態と該カメラアクセサリが装着された状態で異なる構成であればよい。
また、カメラ100に装着されたカメラアクセサリがAPDフィルタ202を備えたレンズユニット200であるか否かの検出方法としては、例えば、CPU131が、レンズ制御部204へ問い合わせる構成であればよい。なお、上述したカメラ100に対するカメラアクセサリの装着有無の検出時とは異なる端子を用いて、当該端子が示す電圧レベルに基づいて、カメラアクセサリの種類を判定する構成であってもよい。
なお、カメラ100に対するレンズユニットの装着状態の検出はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザが手動でカメラ100に対するカメラアクセサリの装着状態、および、装着されたカメラアクセサリの種類(例えば、レンズユニット200であるか否か)を入力し、CPU131が該入力内容を検出する構成であってもよい。
カメラ100にAPDフィルタ202を備えたレンズユニット200が装着されていない(ステップS401でNO)と判定された場合は、装着レンズ検出処理を終了する。対して、カメラ100にAPDフィルタ202を備えたレンズユニット200が装着されている(ステップS401でYES)と判定された場合はステップS402の処理に進む。
次に、ステップS402でCPU131は、レンズユニット200に対応するT値F値変換テーブルが格納されているか否かを判定する。ここで、T値F値変換テーブルは、レンズユニット(より具体的には、APDフィルタの種類)によって決まるパラメータテーブルであり、詳細については後述する。
本実施形態では、複数のレンズユニットのそれぞれに対応するT値F値変換テーブルをあらかじめ、不揮発性メモリ133に格納している。したがって、カメラ100に装着されたレンズユニットの種類に対応するT値F値変換テーブルが格納されている場合は、外テーブルを読み出すことで、後述するT値F値変換テーブルの生成処理を省略することができる。
不揮発性メモリ133に、レンズユニット200に対応したT値F値変換テーブルが格納されている(ステップS402でYES)と判定された場合、装着レンズ検出処理を終了する。対して、不揮発性メモリ133に、レンズユニット200に対応したT値F値変換テーブルが格納されていない(ステップS402でNO)と判定された場合は、ステップS403の処理に進む。
次に、ステップS403でCPU131は、ユーザが設定可能なT値のリストを生成する。例えば、ユーザが1/3段単位の一定間隔で明るさを変更可能とする場合、1/3段単位で変化するT値のリストを作成することができる。なお、T値のリストとしては、後述する図5で図示するT値の欄と同一である。なお、レンズユニット200を用いて設定可能なT値は、CPU131がレンズ制御部204から読み出すことができる。
次に、ステップS404でCPU131は、ステップS403で生成したT値リストに対応したF値を求め、T値F値変換テーブルを作成する。T値からF値への変換は、T値リストにおける各T値に対して、CPU131が、レンズ制御部204から対応するF値を読み出しF値のリストを生成する。そして、CPU131は、対応するT値とF値のリストに基づいて、T値F値変換テーブルを作成する。図5は、本発明に係るT値F値変換テーブルの一例を示す図であって、ステップS402で読み出すT値F値変換テーブル、または、ステップS403~S404で生成したT値F値変換テーブルに該当する。
なお、予め定められたT値の算出式を不揮発性メモリ133に格納しておき、CPU131が、レンズユニット200の絞り203のF値の段数変化に応じた光量の変化に応じて、T値F値変換テーブルを作成する構成であってもよい。この場合、レンズユニット200側でT値に関する情報を保持しておく必要はないが、カメラ100側の処理負荷の増加し、さらに、APDフィルタ202の光学特性と作成後のT値F値変換テーブルの特性が一致するか否かは不確実である。
また、本実施形態としては、CPU131がT値F値変換テーブルを作成する構成に限定されるものではない。例えば、レンズユニットに設けられたメモリ(不図示)にT値F値変換テーブルを格納しておき、当該レンズユニットがカメラ100に装着された状態で、CPU131がレンズユニットのメモリからT値F値変換テーブルを読み出す構成であってもよい。以上が、本実施形態に係る装着レンズ検出処理である。
なお、図4に図示するフローチャートでは、カメラ100に装着されたカメラアクセサリにAPDフィルタが設けられていない場合にT値F値変換テーブルを参照(生成)しない構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、APDフィルタを備えていないレンズユニットがカメラ100に装着された場合、T値=F値となる変換テーブルを生成する構成であってもよい。
(T値対応レンズユニット装着状態におけるレンズユニット交換時の制御)
以下、本実施形態に係るカメラ100に関し、T値対応のレンズユニット200がカメラ100に装着された状態におけるレンズユニットの交換時の制御方法について、図6を参照して説明する。図6は、本発明に係る、カメラ100にT値対応レンズユニットが装着された状態におけるT値およびF値の表示処理に関するフローチャートである。なお、本実施形態では、T値対応のレンズユニットを、自身の絞り値をT値としてカメラ100への通知が可能なレンズユニットとする。しかしながら、APDフィルタ202を備えるレンズユニット200のように、T値の変化に対してF値が直線的に変化しないレンズユニットを、T値対応のレンズユニットとする構成であってもよい。これは、T値の変化に対してF値が直線的に変化しないレンズユニットがカメラ100に装着された場合、ユーザは、T値あるいはF値の変化を確認できれば、絞り値の変化に対する明るさの変化を容易に把握することができるためである。
まず、CPU131は、カメラ100にレンズユニットが装着されたことを検出し、T値対応レンズユニットが装着された状態におけるT値およびF値の表示処理を開始する。なお、カメラ100に対するレンズユニット200の装着検出方法は、前述した装着レンズ検出処理と同一なので、説明は省略する。ステップS601でCPU131は、現在の絞り203の状態に対応するT値を不揮発性メモリ133から読み出し、表示制御部151を介して表示部153に表示するように制御する。
図8(a)は、ステップS601で表示されるユーザインターフェースの表示例であって、図中のアイコン801に示すようにT値が表示される。図8は、本発明に係る表示部153を用いたユーザインターフェースの表示例を説明する図であって、図中の下部に示すアイコンは露出制御に係る各露出制御値を示している。図8(a)は、絞り値としてT値を表示する場合を示し、図8(b)は、絞り値としてF値を表示する場合を例示的に説明している。
次に、ステップS602でCPU131は、レンズユニット200のレンズ制御部204に対し、不揮発性メモリ133に記憶されたT値に基づいて絞り203の駆動を制御する。指示を受けたレンズ制御部204は、絞り駆動部205へ絞り駆動の指示を行い、事前に読み出したT値となるように、絞り駆動部205が絞り203を駆動する。なお、上述したステップS601~S602の処理は、どちらの処理を先に実行してもよく、さらに、各処理を並行して実行してもよい。
次に、ステップS603でCPU131は、不揮発性メモリ133に記憶されたT値に対応する値を算出する。なお、F値の算出方法は、装着レンズ検出処理で前述した通りなので説明は省略する。そして、ステップS604でCPU131は、ステップS603で算出したF値を不揮発性メモリ133に記録する。なお、前述したように、不揮発性メモリ133には先にT値が記録されているため、ステップS604の処理によりT値とF値とが不揮発性メモリ133に記録されることになる。
次に、ステップS605でCPU131は、カメラ100に装着されているレンズユニット200が交換されたか否かを判定する。当該判定は、装着レンズ検出処理において前述したように、各マウントに設けられた任意の端子の電圧変化に基づいて実行する。カメラ100に装着されているカメラアクセサリに変更がない(ステップS605でNO)と判定された場合は、ステップS605の処理を繰り返す。なお、自動露出制御やユーザの手動操作により絞り値の変更が指示された場合は、ステップS601の処理へと戻りS601~S605の処理を繰り返す。
カメラ100に装着されているカメラアクセサリが交換された(ステップS605でYES)と判定された場合は、ステップS606に進む。そして、ステップS606でCPU131は、カメラ100に現在装着されているカメラアクセサリがT値表示に対応した(すなわち、レンズユニット200と同種の)レンズユニットであるか否かを判定する。なお、カメラ100に装着されたカメラアクセサリの種類は、装着レンズ検出処理において前述したように、CPU131が、レンズ制御部204へ問い合わせることで実行される。
ここで、ステップS605~S606の処理は、前述した装着レンズ検出処理におけるステップS401の処理と同一のタイミングで実行する構成でもよく、この場合、処理結果を異なるフローチャートにおいて参照すればよい。なお、ステップS605~S606の処理方法としては、上述したものに限定されるものではなく、例えば、ステップS605の処理を、CPU131とレンズ制御部204とのデータ通信により実現する構成であってもよい。
カメラ100に現在装着されているカメラアクセサリがT値対応のレンズユニットである(ステップS606でYES)と判定された場合は、ステップS607の処理に進む。また、カメラ100に現在装着されているカメラアクセサリがT値非対応のレンズユニットである(ステップS606でNO)と判定された場合は、ステップS612の処理に進む。
ステップS607でCPU131は、前回のステップS604の時点で不揮発性メモリ133に記録されたT値に基づいて、レンズユニット200のレンズ制御部204を介して、絞り駆動を制御する。そして、ステップS608でCPU131は、現在設定されているT値(すなわち、前回のステップS604の時点で不揮発性メモリ133に記録されているT値)を表示部153へ表示させるように制御する。この際の表示例は、前述したように図8(a)と同一である。なお、ステップS601~S602と同様に、ステップS607~S608の処理順は逆転または同一のタイミングであってもよい。ステップS607~S608の処理により、レンズユニットの交換前後で、カメラ100におけるT値の表示が変化することなく、ユーザに違和感を与えることがない。
次に、ステップS609でCPU131は、ステップS607~S608で設定したT値に対応するF値を算出する。F値の算出方法は、装着レンズ検出処理において前述した通りなので、説明は省略する。
次に、ステップS610でCPU131は、ステップS609で算出したF値が、前回のステップS604の時点で不揮発性メモリ133に記録されたF値と異なるか否かを判定する。レンズユニットの交換前後でF値が不一致である(ステップS610でYES)と判定された場合は、記録用にF値を更新し、不揮発性メモリ133に記録し、処理を終了する。レンズユニットの交換前後でF値が一致する場合は、そのまま処理を終了する。
次に、交換後のカメラアクセサリがT値対応のレンズではない場合について説明する。ステップS612でCPU131は、前回のステップS604の時点で不揮発性メモリ133に記録されたF値に基づいて、レンズユニット200のレンズ制御部204を介して、絞り駆動を制御する。そして、ステップS613でCPU131は、現在設定されているF値(すなわち、前回のステップS604の時点で不揮発性メモリ133に記録されているF値)を表示部153へ表示させるように制御し、処理を終了する。図8(b)は、ステップS613で表示されるユーザインターフェースの表示例であって、図中のアイコン802に示すように、F値が表示される。
以上説明したように、カメラ100にT値対応のレンズが装着された状態でカメラアクセサリが交換された場合、交換後のカメラアクセサリがT値対応のレンズであるか否かに依らず、絞りの状態に応じた最適な絞り値を表示することができる。また、カメラ100に装着されたカメラアクセサリが、T値対応のレンズからT値対応のレンズへと交換された場合は、カメラアクセサリの交換前後におけるT値の不一致が発生しないため、ユーザに違和感を与えることを抑制できる。
(T値非対応レンズユニット装着状態におけるレンズユニット交換時の制御)
以下、本実施形態に係るカメラ100に関し、T値非対応のレンズユニットがカメラ100に装着された状態におけるレンズユニットの交換時の制御方法について、図7を参照して説明する。図7は、本発明に係る、カメラ100にT値対応レンズユニットが装着された状態におけるT値およびF値の表示処理に関するフローチャートである。
まず、CPU131は、カメラ100にレンズユニットが装着されたことを検出し、T値非対応レンズユニットが装着された状態におけるT値およびF値の表示処理を開始する。なお、カメラ100に対するレンズユニットの装着検出方法は、前述した装着レンズ検出処理と同一なので、説明は省略する。ステップS701でCPU131は、現在の絞り203の状態に対応するF値を不揮発性メモリ133から読み出し、表示制御部151を介して表示部153に表示するように制御する。図8(b)は、ステップS701で表示されるユーザインターフェースの表示例であって、図中のアイコン802に示すようにF値が表示される。
次に、ステップS702でCPU131は、不揮発性メモリ133に記憶されたF値に基づいて絞り203の駆動を制御する。指示を受けたレンズユニット側では、事前に読み出したF値となるように、絞りを駆動する。なお、上述したステップS701~S702の処理は、どちらの処理を先に実行してもよく、さらに、各処理を並行して実行してもよい。
次に、ステップS703でCPU131は、カメラ100に装着されているレンズユニットが交換されたか否かを判定する。なお、自動露出制御やユーザの手動操作により絞り値の変更が指示された場合は、ステップS701の処理へと戻りS701~S703の処理を繰り返す。
カメラ100に装着されているカメラアクセサリが交換されたと判定された場合はステップS704に進む。そして、ステップS704でCPU131は、カメラ100に現在装着されているカメラアクセサリがT値表示に対応した(すなわち、レンズユニット200と同種の)レンズユニットであるか否かを判定する。なお、ステップS703~S704の処理は、前述したステップS605~S606と略同一なので、詳しい説明は省略する。
次に、ステップS705でCPU131は、不揮発性メモリ133に記録されている、カメラアクセサリが交換される前に設定されていたF値を読み出す。そして、CPU131は、当該読み出されたF値に基づいて、レンズユニット200のレンズ制御部204を介して、絞り駆動を制御する。
次に、ステップS706でCPU131は、ステップS705で設定したF値に対するT値を算出する。なお、ステップS706でCPU131は、装着レンズ検出処理で前述したように、T値F値変換テーブルに基づいてT値を算出すればよく、詳細な説明は省略する。
次に、ステップS707でCPU131は、ステップS706で算出されたT値(すなわち、現在の絞り203の状態に基づくT値)を表示部153へ表示させるように制御する。この際の表示例は、前述したように図8(a)と同一である。ステップS705~S707の処理により、交換前のレンズユニットのF値に対応し、さらに、交換後のレンズユニット200の状態に応じたT値を、レンズユニットの交換後すぐに表示することができる。なお、ステップS707において、新たに算出したT値と、当該T値の算出に用いた記録済みの(すなわち、レンズユニットの交換前に表示していた)F値を同時に表示する構成であってもよい。
次に、ステップS708でCPU131は、S706で算出したT値を不揮発性メモリ133へ記録し、処理を終了する。なお、ステップS707とステップS708の処理順は逆転する、あるいは、双方を並行して実行してもよい。
次に、ステップS704の判定で、交換後のカメラアクセサリがT値対応レンズではない(本実施形態では、T値非対応レンズである)と判定された場合に関する、絞り値の表示制御について説明する。ステップS709でCPU131は、不揮発性メモリ133に記録されている、カメラアクセサリが交換される前に設定されていたF値を読み出す。そして、CPU131は、当該読み出されたF値に基づいて、レンズユニット200のレンズ制御部204を介して、絞り駆動を制御する。
そして、ステップS710でCPU131は、現在設定されているF値を表示部153へ表示させるように制御し、処理を終了する。ステップS710で表示されるユーザインターフェースの表示例としては、前述した図8(b)と略同一となる。
以上説明したように、本実施形態では、カメラ100にT値非対応のレンズが装着された状態でカメラアクセサリが交換された場合、交換後のカメラアクセサリがT値対応のレンズであれば、交換前のF値に則した最適なT値を表示することができる。したがって、本実施形態に係るカメラ100は、交換前のレンズユニットにおける絞り値の設定に基づき、被写体の明るさに適したT値を設定し、さらに当該T値をユーザに報知することができる。また、交換後のカメラアクセサリがT値非対応のレンズであれば、レンズユニットの交換前後で同一のF値を設定およびユーザに報知することができる。以上説明した構成により、ユーザが意図しない不自然な画像が取得されることを抑制することができる。
(第2実施形態)
(カメラ100の設定条件に応じた絞り値表示処理)
前述した第1実施形態では、T値対応レンズがカメラ100に装着された場合に、T値を優先して表示させるように制御する構成について説明した。これに対して、本実施形態では、種々の判定結果に基づいて、T値とF値のうちで最適な絞り値を表示させるように制御させる構成について図9のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態に係る撮像装置であるカメラ100、およびカメラアクセサリであるレンズユニット200の構成および基本的な駆動方法については、前述した第1実施形態と略同一であるため、各部に付す符号は同一とし、説明は省略する。
図9は、本発明の第2実施形態に係るT値F値表示判定処理を示すフローチャートである。なお、図9に図示するフローチャートに基づく処理は、カメラ100の起動シーケンスや被写体の撮像シーケンスにおけるどのタイミングで実行してもよい。例えば、本実施形態では、カメラ100に装着されるカメラアクセサリの着脱時に図9に図示するフローチャートに沿った処理が実行される場合を想定するが、カメラ100の電源がオンされた際に図9に図示するフローチャートに沿った処理を実行してもよい。
T値F値表示判定処理が開始されると、まず、ステップS901でCPU131は、カメラ100にレンズユニットが装着されている状態であるか否かを判定する。なお、ステップS901の判定におけるレンズユニットとしては、絞りを備え、カメラ100に装着された状態でカメラ100側から絞りの駆動制御が可能なレンズユニットとする。ステップS901で、レンズユニットが装着されていない(ステップS901でNO)と判定された場合、ステップS902でCPU131は、表示部153においてT値およびF値の具体的な値を表示させないように制御する。なお、本実施形態では、ステップS902の処理としては、T値およびF値の表示に対応したレンズユニットが装着されていない状態であることをユーザに報知するために、表示部153の絞り値の表示領域に0もしくは横線を表示する。これ以外にも、T値およびF値の表示に対応したレンズユニットが装着されていない状態であることをユーザに報知できるものであれば、ステップS902の処理としてはどのような構成であってもよい。
次に、ステップS901で、レンズユニットが装着されている(ステップS901でYES)と判定された場合、ステップS903でCPU131は、カメラ100に装着されているレンズユニットからT値とF値の情報が取得可能か否かを判定する。ステップS903の処理において、T値とF値のうちのいずれかの情報のみ取得可能な場合はステップS904の処理に進む。また、ステップS903の処理において、T値とF値に関する情報の双方を取得可能な場合はステップS905の処理に進む。
次に、ステップS904でCPU131は、表示部153の絞り値の表示領域に、カメラ100に装着されているレンズユニットから取得したT値またはF値に関する情報に基づく絞り値を表示する。
次に、ステップS905でCPU131は、カメラ100において現在設定されている絞り値の優先設定方法が、明るさ優先設定(明るさ優先モード)であるか否かを判定する。なお、本実施形態における明るさ優先設定としては、例えば、露出補正が適用されている場合やAEB撮影(露出ブラケット撮影)、発光装置を用いた発光撮影を行う場合など、ユーザにより、被写体が任意の明るさとなるような設定がされている場合を指す。なお、T値及びF値のいずれも表示可能なカメラ100の設定項目として、明るさ優先設定に該当するような、T値を優先的に表示させるような設定項目(第1の撮影条件)を予め備える構成であってもよい。
明るさ優先設定がオンされている(ステップS905でYES)と判定された場合、ステップ906でCPU131は、レンズユニット側から取得したT値に関する情報に基づいて、表示部153の絞り値表示領域に任意のT値を表示させる。なお、ステップS906の処理による表示部153の表示例としては、前述した図8(a)が該当する。
明るさ優先設定がされていない(ステップS905でNO)と判定された場合は、ステップ907に進む。そして、ステップS907でCPU131は、カメラ100において現在設定されている絞り値の優先設定方法が、深度優先設定(深度優先モード)であるか否かを判定する。なお、本実施形態における深度優先設定としては、例えば、カメラ100の撮影モードが絞り優先モード、マニュアルモードである場合や、深度合成モードが設定されている場合など、ユーザが任意の被写界深度を設定する意図が優先される場合を指す。なお、T値及びF値のいずれも表示可能なカメラ100の設定項目として、深度優先設定に該当するような、F値を優先的に表示させるような設定項目(第2の撮影条件)を予め備える構成であってもよい。
なお、本実施形態に係る深度優先設定は、明るさ優先設定よりも、ユーザが意図した被写界深度の設定が可能な撮影条件であればよく、すなわち、明るさ優先設定はよりも被写界深度の設定に係る自由度が高い撮影条件である。対して、本実施形態に係る明るさ優先設定は、被写界深度の調整よりも被写体の明るさに対する露出制御の正確性を優先する撮影条件であって、本実施形態では、ユーザによる被写界深度の任意設定ができない撮影条件が該当する。例えば、撮影モードで区別する場合、カメラが自動で露出制御値を調整するオートモードやプログラムモード、絞り値以外の値をユーザが優先して設定する優先モード(Tv優先モードやSv優先モードなど)が明るさ優先設定に該当する。また、ユーザが任意の絞り値を設定可能な優先モード(Av優先モード)や全ての露出制御値をユーザが手動で設定可能なマニュアルモードなどが深度優先設定に該当する。
なお、明るさ優先設定はよりも被写界深度の設定に係る自由度が高い撮影条件としては、具体的に、被写界深度に関してユーザが設定できる項目が、深度優先設定の方が明るさ優先設定よりも多い構成が想定される。
深度優先設定がオンされている(ステップS907でYES)と判定された場合、ステップ908でCPU131は、レンズユニット側から取得したF値に関する情報に基づいて、表示部153の絞り値表示領域に任意のF値を表示させる。なお、ステップS908の処理による表示部153の表示例としては、前述した図8(b)が該当する。
深度優先設定がされていない(ステップS907でNO)と判定された場合は、ステップ909に進む。例えば、カメラ100にレンズユニット200が装着されている場合など、T値とF値の双方を取得できる場合は、カメラ100で撮像される被写体の明るさをF値よりも正確に示すT値に基づいていて種々の処理(AEやWB調整など)を行うのが好ましい。そこで、ステップS909でCPU131は、レンズユニット側から取得したT値に関する情報に基づいて、表示部153の絞り値表示領域に任意のT値を表示させ、T値F値表示判定処理を終了する。
以上説明したように、本実施系多では、カメラ100へのレンズユニットの装着有無、およびレンズユニットの種類、カメラ100における種々の撮影条件に応じて、ユーザに報知する絞り値の形態を異ならせることができる。したがって、本実施形態に係るカメラ100は、状況に応じた最適な絞り値の表示(報知)が可能であって、絞り値に関する表示(報知)内容により、ユーザに与える違和感を低減することができる。
(第3実施形態)
(画像再生時の絞り値表示処理)
前述した実施形態では、被写体を撮像する際の絞り値の表示処理について説明した。これに対して、本実施形態では、カメラ100にレンズユニット200が装着された状態で被写体を撮像することで得られた画像データを再生する際の絞り値の表示処理について図10を参照して説明する。すなわち、本実施形態では、T値及びF値のいずれの表示(報知)も可能な撮像装置で取得された画像データの再生時における絞り値の表示制御について説明する。
なお、本実施形態に係る撮像装置であるカメラ100、およびカメラアクセサリであるレンズユニット200の構成および基本的な駆動方法については、前述した第1実施形態と略同一であるため、各部に付す符号は同一とし、説明は省略する。また、本実施形態では、カメラ100で画像データを再生表示する場合を一例に説明するが、カメラ100とは異なる電子機器で画像データを再生表示する場合でも、以降で説明する画像再生時の絞り値表示処理は適用可能である。例えば、撮像装置で取得された画像データを、種々の方法に基づいて読み出し可能な外部の電子機器(例えば、PCなど)で再生する場合にも、以降で説明する画像再生時の絞り値表示処理は適用可能である。
図10は、本発明の第3実施形態に係る画像再生時の絞り値表示処理を示すフローチャートである。図10に図示するように、カメラ100において、任意の画像データの再生指示がされたことに応じて、ステップS1001でCPU131は、記録媒体173の内部に記録された画像データのコンテンツをメモリ132に読み込む。読み込みが完了すればステップS1002へ進む。なお、記録媒体173に読み込み可能な画像データが記録されていない場合は、現在実行されている再生時の絞り値表示処理を終了する。ここで、本実施形態では、ステップS1001の処理において、被写体を撮像する際の撮影条件が図11(a)に図示するような場合に得られた画像データが、記録媒体173に記録されている場合を想定する。図11の詳細な説明については後述する。
次に、ステップS1202でCPU131は、メモリ132に展開されたコンテンツのデータを解析し、コンテンツの種別を判定する。そして、CPU131は、判定結果に基づいて、コンテンツ種別が動画像であるかを判定する。なお、本実施形態におけるコンテンツとは、ファイルフォーマットやコーデックなどを示し、例えば、画像データが静止画像または動画像のいずれであるかを判定可能とする。
先に読み出した画像データが動画像ではない(ステップS1002でNO)と判定された場合、ステップS1001で読み出されたコンテンツに対応する画像データは静止画像であるため、ステップS1003に進む。そして、ステップS1003でCPU131は、メモリ132に展開されたコンテンツデータを解析し、メタデータからF値に関する情報を取得する。そして、ステップS1004でCPU131は、ステップS1003で取得したF値に関する情報に基づいて、表示制御部151に表示指示を行い、表示部153の絞り値表示領域に任意のF値を表示させる。
ここで、図11は、本発明に係る画像データ再生時の絞り値表示処理による表示部の表示例を説明する図である。図11に該当する各図の説明は後述する。図11(e)は、ステップS1004の処理により表示部153に表示される表示例である。図11(e)に図示するように、他のコンテンツを示すアイコンと合わせて絞り値表示領域にF値を示すアイコン1105が表示される。
次に、先に読み出した画像データが動画像である(ステップS1002でYES)と判定された場合、ステップS1005でCPU131は、先に読み出したコンテンツが、メタデータの規格としてT値に非対応の動画像(MP4動画)であるか否かを判定する。なお、本実施形態では、メタデータの規格の1つであって、T値の表示等に非対応の動画像のファイルフォーマットとしてMP4を例に出しているが、当該T値の表示に非対応のファイルフォーマットとしてこれに限定されるものではない。
先に読み出したコンテンツがMP4動画に該当しない(ステップS1005でNO)と判定された場合、ステップS1001で読み出されたコンテンツに対応する画像データは、T値に対応した動画像であるため、ステップS1006に進む。そして、ステップS1006でCPU131は、メモリ132に展開されたコンテンツデータを解析し、メタデータからT値に関する情報を取得する。そして、ステップS1007でCPU131は、ステップS1006で取得したT値に関する情報に基づいて、表示制御部151に表示指示を行い、表示部153の絞り値表示領域に任意のT値を表示させる。図11(b)は、ステップS1007の処理により表示部153に表示される表示例である。図11(b)に図示するように、他のコンテンツを示すアイコンと合わせて絞り値表示領域にT値を示すアイコン1102が表示される。
次に、先に読み出したコンテンツがMP4動画に該当する(ステップS1005でYES)と判定された場合、ステップS1008でCPU131は、メモリ132に展開されたコンテンツデータを解析し、メタデータからF値に関する情報を取得する。なお、ステップS1008でF値に関する情報を取得するのは、ステップS1008の判定に進んだ場合には、先に読み出したコンテンツデータに被写体を撮像した際のT値に関する情報が記録されていないと判定できるためである。
次に、ステップS1009でCPU131は、T値とF値との変換情報を示す変換テーブルに関するデータを読み出し可能か否かを判定する。例えば、レンズユニット200がカメラ100に装着されている場合、カメラ100は、レンズユニット200側のいずれかに格納されたT値F値変換テーブルに基づいて、被写体を撮像した際のT値を算出することができる。そこで、本実施形態では、当該変換テーブルを読み出し可能な場合は、変換テーブルと先に読み出したコンテンツデータに含まれるF値に関する情報に基づいて、被写体を撮像した際のT値を画像表示に用いる。
T値F値変換テーブルを利用可能である(ステップS1009でYES)と判定された場合はステップS1010に進む。そして、ステップS1010でCPU131は、メモリ132に展開されたコンテンツデータを解析して得たF値に関する情報とT値F値変換テーブルとに基づいて、対応するT値を算出する。なお、T値F値変換テーブルを用いたT値の算出方法については、前述した第1実施形態と略同一の方法を用いるため、説明は省略する。
次に、ステップS1011でCPU131は、表示制御部151に表示指示を行い、表示部153の絞り値表示領域に、ステップS1008の処理で求めたF値と、ステップS1010で算出したT値とを合わせて表示させる。図11(c)は、ステップS1011の処理により表示部153に表示される表示例である。図11(c)に図示するように、他のコンテンツを示すアイコンと合わせて絞り値表示領域にF値およびT値を示すアイコン1103が表示される。
なお、本実施形態では、T値F値変換テーブルに基づいてT値を算出可能な場合は、再生対象の画像データのコンテンツデータに含まれるF値に続く括弧内に、変換テーブルに基づいて算出されたT値を表示する。F値に対するT値の表示方法についてはこれに限定されるものではないが、本実施形態では、T値F値変換テーブルに基づいてT値を算出した場合と、後述する他の計算式に基づいてT値を算出した場合とで、表示部153におけるT値の表示方法を異ならせる。これは、それぞれの方法で算出されたT値の正確性を反映させた表示方法を採用するためである。例えば、図11(c)で図示する表示例よりも、後述する図11(d)で図示する表示例の方が、演算により求められるT値の正確性が低い。なお、図11(d)に図示する表示例に該当するT値の算出方法については後述する。
また、本実施形態では、カメラ100で画像データを再生する場合について例示的に説明したが、外部の電子機器でも、T値F値変換テーブルを利用可能な場合は、ステップS1010~S1011の処理を実行する構成であってもよい。
次に、T値F値変換テーブルを利用可能ではない(ステップS1009でNO)と判定された場合、ステップS1012でCPU131は、前述した第1実施形態の式(1)に基づいてT値を算出する。
次に、ステップS1013でCPU131は、ステップS1008の処理で得たF値が絞りの開放付近の値であるか否かを判定する。ここで、第1実施形態で説明したように、例えば、レンズユニット200など、絞りの開放側において、F値の変化に対してT値の変化が一定ではない場合があり、式(1)に基づいてF値からT値を算出しても、正確なT値が得られないからである。なお、本実施形態では、絞りの開放F値から2段分小絞りとなるF値の範囲を絞りの開放付近の値とする。
再生対象の画像データにおけるF値が開放付近ではない(ステップS1013でNO)と判定された場合、ステップS1014でCPU131は、前述したステップS1011と同様に、表示部153の絞り値表示領域に、F値とT値とを合わせて表示させる。すなわち、ステップS1014でCPU131は、図11(c)に図示するように、F値に続く括弧内に式(1)に基づいて算出されたT値を表示する。
対して、再生対象の画像データにおけるF値が開放付近である(ステップS1013でYES)と判定された場合は、ステップS1015に進む。そしてステップS1025でCPU131は、表示制御部151に表示指示を行い、ステップS1008で求めたF値とステップS1012で算出したT値を合わせて表示部153に表示させるように制御する。図11(d)は、ステップS1015の処理により表示部153に表示される表示例である。図11(d)に図示するように、他のコンテンツを示すアイコンと合わせて絞り値表示領域にF値およびT値を示すアイコン1104が表示される。
前述したように、ステップS1015の処理を実行する場合、撮影時のF値は開放付近に該当するため、ステップS1008で得られたF値に対して、ステップS1012で算出したT値の正確性が低い。そこで、本実施形態では、ステップS1015の処理におけるT値の表示方法は、ステップS1011やS1014などの処理と異なり、T値をグレー表示する。すなわち、ステップS1015におけるT値の表示は参考値であって、その旨をユーザに報知するために、他の場合と比較してT値の表示方法を異ならせる。以上が、本実施形態における、画像データの再生時の絞り値表示処理である。
以上説明したように、本実施系多では、画像データを再生する際に、画像データに対応するコンテンツデータに応じて、ユーザに報知する絞り値の形態を異ならせることができる。したがって、本実施形態に係るカメラ100は、画像データの再生時であっても、状況に応じた最適な絞り値の表示(報知)が可能であって、絞り値に関する表示(報知)内容により、ユーザに与える違和感を低減することができる。特に、被写体を撮像する際と、撮像した画像を再生する際とで、絞り値の表示形態の不一致になることを抑制することで、画像データの再生時において、ユーザに与える違和感を低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。例えば、前述した実施形態では、例えば、レンズユニット200がAPDフィルタ202を備える構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カメラ100に着脱可能なレンズアダプタの内部にAPDフィルタを備える構成であってもよい。この場合、レンズアダプタが前述した端子群を備え、カメラ100がレンズアダプタ、またはレンズアダプタを介したレンズユニットから、T値とF値との変換情報を読み出す構成であってもよい。
また、前述した実施形態では、APDフィルタ202を用いて、光軸に対する径方向における光の透過率を異ならせる構成について説明したが、これに限定されるものではない。光軸に対する径方向における光の透過率を異ならせることができれば、APDフィルタ202以外の光学部材を用いる構成にも前述した実施形態は適用可能である。
また、前述した実施形態では、カメラ100の表示部153など、撮像装置に設けられたメインモニタに絞り値に関する情報を表示する構成について言及したが、これに限定されるものではない。例えば、EVF(ELECTRICAL VIEW FINDER)や撮像装置の上部カバーに設けられた情報表示部など、メインモニタ以外の表示部に、T値やF値などの絞り値に関する情報を表示する構成であってもよい。
また、前述した実施形態では、CPU131を中心として撮像システムを構成する各部が互いに連携して動作することで、装置全体としての動作を制御する構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、前述した各図に図示したフローに従った(コンピュータ)プログラムを予めカメラ100の不揮発性メモリ133などに記憶しておく。そして、当該プログラムを、CPU131などが実行することで、撮像システム全体に係る動作を制御するような構成であってもよい。また、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。また、プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記録媒体でもあってもよい。
また、前述した実施形態では、本発明を実施する撮像装置の一例としてデジタルカメラを想定して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、デジタルビデオカメラやスマートフォンなどの可搬デバイスやウェアラブル端末、セキュリティーカメラなど、種々の撮像装置を採用する構成であってもよい。さらに、前述したように、画像データの再生時の絞り値の表示処理に関しては、撮像機能を備えていないPCなどの電子機器で実施する構成を採用してもよい。
(その他の実施形態)
また本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現できる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現できる。