JP2022069079A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性に優れる電子写真感光体を提供する。【解決手段】電子写真感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層は、単層であり、且つ電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、ポリアリレート樹脂と、樹脂粒子とを含有する。ポリアリレート樹脂は、特定式で表される繰り返し単位(1)、(2)、及び(3)を含む。繰り返し単位(2)の数n2に対する、繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する単層の感光層を備える。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを含む感光層を備える。
特許文献1には、感光層を有する電子写真感光体が記載されている。この感光層のバインダー樹脂は、下記式で表される構造を含むポリアリレート樹脂である。
Figure 2022069079000002
特開2003-322982号公報
しかし、本発明者らの検討により、特許文献1に記載の電子写真感光体は、耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性の点で不十分であることが判明した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性に優れる電子写真感光体を提供することである。また、本発明の別の目的は、電子写真感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上できるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、単層である。前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、ポリアリレート樹脂と、樹脂粒子とを含有する。前記ポリアリレート樹脂は、式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位と、式(3)で表される繰り返し単位とを含む。前記式(2)で表される繰り返し単位の数n2に対する、前記式(1)で表される繰り返し単位の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である。
Figure 2022069079000003
前記式(1)中、R1及びR2は各々メチル基を表し、R3及びR4は互いに結合して炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン基を表すか、或いは、R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R3はメチル基を表し、R4は水素原子、又は炭素原子数2若しくは3のアルキル基を表す。
本発明のプロセスカートリッジは、上記電子写真感光体を備える。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記像担持体の前記表面にトナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像する現像装置と、前記像担持体から被転写体へ前記トナー像を転写する転写装置とを備える。前記像担持体が、上記電子写真感光体である。
本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性に優れる。また、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、電子写真感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る電子写真感光体の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す図である。 図4に示す現像装置の構成の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されず、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、一般式及び化学式を包括的に「式」と記載する。また、式の説明における「各々独立に」は、同一の基を表してもよく異なる基を表してもよいことを意味する。また、本明細書に記載の各成分は、特記なき限り、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、体積中位径(例えば、樹脂粒子の体積中位径)は、例えば、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」)を用いて測定した値である。体積中位径は、コールターカウンター法を用いて体積基準で算出されたメディアン径を意味する。また、粘度平均分子量は、特記なき限り、JIS(日本産業規格)K7252-1:2016に従って測定した値である。
まず、本明細書で用いられる置換基について説明する。ハロゲン原子(ハロゲン基)としては、例えば、フッ素原子(フルオロ基)、塩素原子(クロロ基)、臭素原子(ブロモ基)、及びヨウ素原子(ヨード基)が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数2のアルキル基、及び炭素原子数3のアルキル基は、各々、特記なき限り、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,2,2-トリメチルプロピル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、及び3-エチルブチル基が挙げられる。炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数2のアルキル基、及び炭素原子数3のアルキル基の例は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例として述べた基のうち、該当する炭素原子数を有する基である。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及び炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基は、各々、特記なき限り、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、1-メチルブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、1-エチルプロポキシ基、2-エチルプロポキシ基、1,1-ジメチルプロポキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基、n-ヘキシルオキシ基、1-メチルペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-メチルペンチルオキシ基、4-メチルペンチルオキシ基、1,1-ジメチルブトキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1,3-ジメチルブトキシ基、2,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、3,3-ジメチルブトキシ基、1,1,2-トリメチルプロポキシ基、1,2,2-トリメチルプロポキシ基、1-エチルブトキシ基、2-エチルブトキシ基、及び3-エチルブトキシ基が挙げられる。炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基の例は、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の例として述べた基のうち、該当する炭素原子数を有する基である。
炭素原子数6以上14以下のアリール基、及び炭素原子数6以上10以下のアリール基の各々は、特記なき限り、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、アントリル基、及びフェナントリル基が挙げられる。炭素原子数6以上10以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、及びナフチル基が挙げられる。
炭素原子数2以上6以下のアルケニル基は、特記なき限り、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数2以上6以下のアルケニル基は、1つ以上3つ以下の二重結合を有する。炭素原子数2以上6以下のアルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロぺニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、及びヘキサトリニル基が挙げられる。以上、本明細書で用いられる置換基について説明した。
<第1実施形態:電子写真感光体>
第1実施形態は、電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)に関する。以下、図1~図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る電子写真感光体の構造について説明する。図1~図3は、各々、感光体1の部分断面図を示す。
図1に示すように、感光体1は、例えば、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、単層である。感光体1は、単層の感光層3を備える単層型電子写真感光体である。
図2に示すように、感光体1は、導電性基体2及び感光層3に加えて、中間層4(下引き層)を更に備えてもよい。中間層4は、導電性基体2と感光層3との間に設けられる。図1に示すように、感光層3は導電性基体2上に直接備えられてもよい。或いは、図2に示すように、感光層3は導電性基体2上に中間層4を介して備えられてもよい。
図3に示すように、感光体1は、導電性基体2及び感光層3に加えて、保護層5を更に備えてもよい。保護層5は、感光層3上に設けられる。図3に示すように、保護層5が、感光体1の最表面層として備えられてもよい。しかし、図1及び図2に示すように、感光層3が、感光体1の最表面層として備えられることが好ましい。後述するポリアリレート樹脂(PA)と樹脂粒子とを含有する感光層3が最表面層として備えられることで、感光体1の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性が更に向上する。
感光層3の厚さは、特に限定されないが、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。以上、図1~図3を参照して、感光体1の構造について説明した。
以下、感光体について、更に説明する。感光体が備える感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、ポリアリレート樹脂と、樹脂粒子とを含有する。
(電荷発生剤)
電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン-テルル、セレン-ヒ素、硫化カドミウム、及びアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、及びキナクリドン系顔料が挙げられる。感光層は、1種の電荷発生剤のみを含有してもよく、2種以上の電荷発生剤を含有してもよい。
フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン構造を有する顔料である。フタロシアニン系顔料としては、例えば、金属フタロシアニン、及び無金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、及びクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、チタニルフタロシアニンが好ましい。チタニルフタロシアニンは、式(CG-1)で表される。無金属フタロシアニンは、式(CG-2)で表される。
Figure 2022069079000004
フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型、及びY型結晶(以下、それぞれをα型、β型、及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。
例えば、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンがより好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンが更に好ましく、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンが特に好ましい。
Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、26.2℃にピークを有していない。
CuKα特性X線回折スペクトルは、例えば、次の方法によって測定できる。まず、試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。得られたX線回折スペクトルから主ピークを決定し、主ピークのブラッグ角を読み取る。
電荷発生剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
(バインダー樹脂)
感光層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂を含有する。ポリアリレート樹脂は、式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位と、式(3)で表される繰り返し単位とを含む。式(2)で表される繰り返し単位の数n2に対する、式(1)で表される繰り返し単位の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である。
Figure 2022069079000005
式(1)中、R1及びR2は各々メチル基を表し、R3及びR4は互いに結合して炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン基を表す。或いは、式(1)中、R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R3はメチル基を表し、R4は水素原子、又は炭素原子数2若しくは3のアルキル基を表す。
以下、式(1)、(2)、及び(3)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(1)、(2)、及び(3)と記載することがある。また、繰り返し単位(1)と繰り返し単位(2)と繰り返し単位(3)とを含み、繰り返し単位(2)の数n2に対する繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2が1.0以上であるポリアリレート樹脂を、ポリアリレート樹脂(PA)と記載することがある。
感光層が、ポリアリレート樹脂(PA)を含有することで、感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上できる。その理由は、以下のように推測される。
ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位(1)とエーテル結合(-O-結合)を有する繰り返し単位(2)及び(3)とを含み、且つ比率n1/n2が1.0以上である。このような所定の構造を有するポリアリレート樹脂(PA)が含有されることで、感光層の強度が高くなり、感光体の耐摩耗性及び耐傷性が向上する。また、所定の構造を有するポリアリレート樹脂(PA)は感光層形成用の溶剤に対する溶解性に優れることから、均一で密度の高い感光層を形成できる。この理由からも、感光体の耐摩耗性及び耐傷性が向上する。また、所定の構造を有するポリアリレート樹脂(PA)が含有されることで、感光層の弾性率が高くなり、感光層にトナーの外添剤及び紙粉がめり込み難くなる。その結果、感光層に付着した外添剤及び紙粉が好適にクリーニングされ、感光体の耐フィルミング性が向上する。なお、感光体のフィルミングは、クリーニング後に感光体の表面に残留した外添剤及び紙粉が、感光体の表面に融着する不具合である。
式(1)中のR3及びR4が互いに結合して表す炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン(cycloalkylidene)基としては、シクロペンチリデン基及びシクロヘキシリデン基が挙げられる。シクロペンチリデン基及びシクロヘキシリデン基は、各々、下記式(5)及び(6)で表される二価の基である。炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン基としては、シクロヘキシリデン基が好ましい。
Figure 2022069079000006
式(1)中のR4が表わす炭素原子数2若しくは3のアルキル基としては、エチル基、n-プロピル基、及びイソプロピル基が挙げられる。炭素原子数2若しくは3のアルキル基としては、エチル基又はイソプロピル基が好ましい。
繰り返し単位(1)の好適な例としては、式(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、及び(1-5)で表される繰り返し単位が挙げられる。以下、式(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、及び(1-5)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、及び(1-5)と記載することがある。感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上させるためには、繰り返し単位(1)としては、繰り返し単位(1-5)が好ましい。
Figure 2022069079000007
ポリアリレート樹脂(PA)に含まれる繰り返し単位(2)の数n2に対する、ポリアリレート樹脂(PA)に含まれる繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である。即ち、繰り返し単位(1)の数n1は、繰り返し単位(2)の数n2と等しいか、繰り返し単位(2)の数n2よりも多い。比率n1/n2が1.0以上であると、感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性が向上する。感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上させるためには、比率n1/n2は、1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。同じ理由から、比率n1/n2は、10.0以下であることが好ましく、9.0以下であることがより好ましく、6.0以下であることが更に好ましく、5.0以下であることが特に好ましい。同じ理由から、比率n1/n2は、1.0、1.5、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、9.0、及び10.0から選ばれる2つの値の範囲内であることも好ましい。比率n1/n2は、例えば、プロトン核磁気共鳴分光計を用いてポリアリレート樹脂(PA)の1H-NMRスペクトルを測定し、得られた1H-NMRスペクトルにおける各繰り返し単位に特徴的なピークの比率から算出できる。
ポリアリレート樹脂(PA)としては、下記表1に示すポリアリレート樹脂(PA-a)~(PA-e)が好ましい。ポリアリレート樹脂(PA)としては、下記表2に示すポリアリレート樹脂(PA-1)~(PA-8)がより好ましい。表1及び表2中、「単位(1)」、「単位(2)」、及び「単位(3)」は、各々、繰り返し単位(1)、(2)、及び(3)を示す。表1及び表2中、「n1/n2」は、比率n1/n2を示す。
Figure 2022069079000008
Figure 2022069079000009
ポリアリレート樹脂(PA)としては、式(R-1)~(R-8)で表されるポリアリレート樹脂(以下、それぞれをポリアリレート樹脂(R-1)~(R-8)と記載することがある)が更に好ましい。なお、式(R-1)~(R-8)中、各繰り返し単位の右下に付された数字は、ポリアリレート樹脂に含まれる繰り返し単位の総数に対する、各繰り返し単位の数の百分率(%)を示す。繰り返し単位の総数は、ビスフェノール由来繰り返し単位の数と、ジカルボン酸由来繰り返し単位の数との合計である。また、記載の便宜上、式(R-1)~(R-8)の各々においては、繰り返し単位(3)を2つ記載している。しかし、ポリアリレート樹脂(R-1)~(R-8)の各々に含まれる繰り返し単位の総数に対する、繰り返し単位(3)の数の百分率は、50%(2つの繰り返し単位(3)の右下に付された数字の合計)である。
Figure 2022069079000010
Figure 2022069079000011
Figure 2022069079000012
Figure 2022069079000013
ポリアリレート樹脂(PA)は、1種の繰り返し単位(1)のみを含んでいてもよく、2種以上の繰り返し単位(1)を含んでいてもよい。また、ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(1)、(2)、及び(3)のみを含んでいてもよく、これら以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。また、感光層は、1種のポリアリレート樹脂(PA)のみを含有してもよく、2種以上のポリアリレート樹脂(PA)を含有してもよい。
ポリアリレート樹脂(PA)において、ビスフェノール由来繰り返し単位と、ジカルボン酸由来繰り返し単位とは、隣接して互いに結合している。ビスフェノール由来繰り返し単位は、例えば、繰り返し単位(1)及び(2)である。また、ジカルボン酸由来繰り返し単位は、例えば、繰り返し単位(3)である。ポリアリレート樹脂(PA)は、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、又はブロック共重合体であってもよい。
ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましく、50,000以上であることが更に好ましい。ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量が10,000以上であると、感光体の耐摩耗性が向上する。一方、ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量は、80,000以下であることが好ましく、70,000以下であることがより好ましい。ポリアリレート樹脂(PA)の粘度平均分子量が80,000以下であると、ポリアリレート樹脂(PA)が感光層形成用の溶剤に容易に溶解する。
ポリアリレート樹脂(PA)の製造方法は、特に限定されない。ポリアリレート樹脂(PA)の製造方法として、例えば、ビスフェノール由来繰り返し単位を構成するためのビスフェノールと、ジカルボン酸由来繰り返し単位を構成するためのジカルボン酸とを縮重合させる方法が挙げられる。縮重合させるためには、公知の合成方法(例えば、溶液重合、溶融重合又は界面重合)を採用することができる。
ビスフェノール由来繰り返し単位を構成するためのビスフェノールとしては、例えば、式(BP-1)及び(BP-2)で表される化合物(以下、それぞれを化合物(BP-1)及び(BP-2)と記載することがある)が挙げられる。ジカルボン酸由来繰り返し単位を構成するためのジカルボン酸としては、例えば、式(DC-3)で表される化合物(以下、化合物(DC-3)と記載することがある)が挙げられる。式(BP-1)中のR1、R2、R3、及びR4は、各々、式(1)中のR1、R2、R3、及びR4と同義である。ポリアリレート樹脂(PA)を製造する際に添加する化合物(BP-1)の量と化合物(BP-2)の量とを変更することにより、比率n1/n2を調整できる。
Figure 2022069079000014
ビスフェノール(例えば、化合物(BP-1)及び化合物(BP-2))は、芳香族ジアセテートに誘導体化して使用してもよい。ジカルボン酸(例えば、化合物(DC-3))は、誘導体化して使用してもよい。ジカルボン酸の誘導体の例としては、ジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸ジメチルエステル、ジカルボン酸ジエチルエステル、及びジカルボン酸無水物が挙げられる。ジカルボン酸ジクロライドは、ジカルボン酸が有する2個の「-C(=O)-OH」基が各々「-C(=O)-Cl」基で置換された化合物である。
ビスフェノールとジカルボン酸との縮重合において、塩基及び触媒の一方又は両方を添加してもよい。塩基の例としては、水酸化ナトリウムが挙げられる。触媒の例としては、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、及びトリメチルアミンが挙げられる。
感光層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PA)のみを含有してもよく、これ以外のバインダー樹脂(以下、その他のバインダー樹脂と記載することがある)を更に含有してもよい。その他のバインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(より具体的には、ポリアリレート樹脂(PA)以外のポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、及びポリエーテル樹脂)、熱硬化性樹脂(より具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、及びこれら以外の架橋性熱硬化性樹脂)、及び光硬化性樹脂(より具体的には、エポキシ-アクリル酸系樹脂、及びウレタン-アクリル酸系共重合体)が挙げられる。
(樹脂粒子)
樹脂粒子は、例えばフィラー粒子として、感光層に含有される。感光層がポリアリレート樹脂(PA)とともに樹脂粒子を含有することで、感光層の弾性率が高くなり、感光層にトナーの外添剤及び紙粉がめり込み難くなる。その結果、感光層に付着した外添剤及び紙粉が好適にクリーニングされ、感光体の耐フィルミング性が向上する。また、比較的硬い樹脂粒子が感光層に含有されることで、クリーニングブレードのようなクリーニング部材によって感光層が摩耗されること、及び感光層に傷が発生することを抑制できる。その結果、耐摩耗性及び耐傷性が向上する。
樹脂粒子は、非樹脂粒子(例えば、シリカ粒子又はアルミナ粒子)と比較して、感光層に含有された場合に感光層の弾性率を高めることができる。また、樹脂粒子は、非樹脂粒子と比較して、感光層に含有された場合に感光層の表面摩擦抵抗を低減させることができる。また、樹脂粒子は、非樹脂粒子と比較して、感光層に含有された場合に感光体の電気特性を損ない難い。従って、非樹脂粒子ではなく樹脂粒子を感光層が含有することで、感光体の電気特性を維持しつつ、感光体の耐フィルミング性及び耐摩耗性を向上できる。
樹脂粒子は、バインダー樹脂とは異なる樹脂の粒子であることが好ましく、ポリアリレート樹脂とは異なる樹脂の粒子であることがより好ましく、シリコーン樹脂粒子であることが更に好ましい。シロキサン構造を有するシリコーン樹脂粒子が含有されることによって、感光層の表面摩擦抵抗が更に低減し、感光体の耐摩耗性を更に向上できる。
樹脂粒子の体積中位径(D50)は、0.05μm以上であることが好ましく、0.50μm以上であることがより好ましく、0.60μm以上であることが更に好ましい。また、樹脂粒子の体積中位径(D50)は、5.00μm以下であることが好ましく、3.00μm以下であることがより好ましく、1.00μm以下であることが更に好ましい。樹脂粒子の体積中位径が0.05μm以上5.00μm以下であると、感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性が更に向上する。
樹脂粒子の含有量は、感光層の質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが更に好ましく、2.5質量%以上であることが特に好ましい。また、樹脂粒子の含有量は、感光層の質量に対して、15.0質量%以下であることが好ましく、11.0質量%以下であることがより好ましく、10.0質量%以下であることが更に好ましい。樹脂粒子の含有量が感光層の質量に対して0.01質量%以上15.0質量%以下であると、感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性が更に向上する。また、樹脂粒子の含有量が感光層の質量に対して0.01質量%以上15.0質量%以下であると、感光体の表面の凹凸に起因する画像不良(例えば、黒点のような汚れ)の発生を好適に抑制できる。
樹脂粒子は、球形状であることが好ましい。球形状の樹脂粒子は、針状の樹脂粒子と比較して、感光層形成用の溶剤中で凝集し難い。そのため、樹脂粒子が均一に分散した感光層が好適に形成される。樹脂粒子の形状は、電子顕微鏡を用いて確認できる。
(電子輸送剤)
電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8-トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、及びジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、及びジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。
電子輸送剤の好適な例としては、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、及び(16)で表される化合物(以下、それぞれを電子輸送剤(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、及び(16)と記載することがある)が挙げられる。感光層が、ポリアリレート樹脂(PA)及び樹脂粒子とともに、電子輸送剤(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、又は(16)を含有することで、感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性が更に向上する。
Figure 2022069079000015
式(10)中のQ1及びQ2、式(11)中のQ11、Q12、及びQ13、式(12)中のQ21、Q22、Q23、及びQ24、式(13)中のQ31及びQ32、式(14)中のQ41、Q42、Q43、及びQ44、式(15)中のQ51、Q52、Q53、Q54、Q55、及びQ56、並びに式(16)中のQ61及びQ62は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数2以上6以下のアルケニル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基及びハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。式(15)中のY1及びY2は、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
式(10)中のQ1及びQ2、式(11)中のQ11~Q13、式(12)中のQ21~Q24、式(13)中のQ31及びQ32、式(14)中のQ41~Q44、式(15)中のQ51~Q56、並びに式(16)中のQ61及びQ62は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基及びハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表すことが好ましい。式(15)中のY1及びY2は、酸素原子を表すことが好ましい。
式(10)中のQ1及びQ2、式(11)中のQ11~Q13、式(12)中のQ21~Q24、式(13)中のQ31及びQ32、式(14)中のQ41~Q44、式(15)中のQ51~Q56、並びに式(16)中のQ61及びQ62が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上5以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基が好ましく、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、又は1,1-ジメチルプロピル基が特に好ましい。
式(10)中のQ1及びQ2、式(11)中のQ11~Q13、式(12)中のQ21~Q24、式(13)中のQ31及びQ32、式(14)中のQ41~Q44、式(15)中のQ51~Q56、並びに式(16)中のQ61及びQ62が表す炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基及びハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよい。置換基である炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。炭素原子数6以上14以下のアリール基が置換基で置換される場合、置換基の数は、1つ以上5つ以下であることが好ましく、1つ又は2つであることがより好ましい。炭素原子数1以上6以下のアルキル基及びハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換された炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、又はエチルメチルフェニル基が好ましく、4-クロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、又は2-エチル-6-メチルフェニル基がより好ましい。
電子輸送剤(10)の好適な例としては、式(E-1)で表される化合物が挙げられる。電子輸送剤(11)の好適な例としては、式(E-5)で表される化合物が挙げられる。電子輸送剤(12)の好適な例としては、式(E-7)で表される化合物が挙げられる。電子輸送剤(13)の好適な例としては、式(E-6)で表される化合物が挙げられる。電子輸送剤(14)の好適な例としては、式(E-8)で表される化合物が挙げられる。電子輸送剤(15)の好適な例としては、式(E-2)及び(E-3)で表される化合物が挙げられる。電子輸送剤(16)の好適な例としては、式(E-4)で表される化合物が挙げられる。以下、式(E-1)~(E-8)で表される化合物を、各々、電子輸送剤(E-1)~(E-8)と記載することがある。
Figure 2022069079000016
Figure 2022069079000017
電子輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上150質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、30質量部以上70質量部以下であることが更に好ましい。感光層は、1種の電子輸送剤のみを含有してもよく、2種以上の電子輸送剤を含有してもよい。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’-テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’-テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’-テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’-テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、及びジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体)、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5-ジ(4-メチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール)、スチリル系化合物(例えば、9-(4-ジエチルアミノスチリル)アントラセン)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1-フェニル-3-(p-ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、及びトリアゾール系化合物が挙げられる。
正孔輸送剤の好適な例としては、式(20)、(21)、(22)、(23)、及び(24)で表される化合物(以下、それぞれを正孔輸送剤(20)、(21)、(22)、(23)、及び(24)と記載することがある)が挙げられる。感光層が、ポリアリレート樹脂(PA)及び樹脂粒子とともに、正孔輸送剤(20)、(21)、(22)、(23)、又は(24)を含有することで、感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性が更に向上する。
Figure 2022069079000018
Figure 2022069079000019
式(20)中、R11、R12、R13、及びR14は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表す。a1、a2、a3、及びa4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
式(20)中、a1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR11は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。a2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR12は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。a3が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR13は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。a4が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR14は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。
式(20)中、R11、R12、R13、及びR14は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基又はエチル基を表すことがより好ましい。a1、a2、a3、及びa4は、各々独立に、1以上3以下の整数を表すことが好ましく、1を表すことがより好ましい。
式(21)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R24、R25、及びR26は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。b1、b2、及びb3は、各々独立に、0又は1を表す。
式(21)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましい。R21、R22、及びR23は、エテニル基又はブタジエニル基に対して、フェニル基のメタ位に結合することが好ましい。R24、R25、及びR26は、各々、水素原子を表すことが好ましい。b1、b2、及びb3は、何れも0を表すか、何れも1を表すことが好ましい。
式(22)中、R31、R32、及びR33は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。R34は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は水素原子を表す。d1、d2、及びd3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
式(22)中、d1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR31は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。d2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR32は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。d3が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR33は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。
式(22)中、R34は、水素原子を表すことが好ましい。d1、d2、及びd3は、各々、0を表すことが好ましい。
式(23)中、R41、R42、R43、R44、R45、及びR46は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。R47及びR48は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。e1、e2、e3、及びe4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。e5及びe6は、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。e7及びe8は、各々独立に、0又は1を表す。
式(23)中、e1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR41は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。e2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR42は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。e3が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR43は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。e4が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR44は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。e5が2以上4以下の整数を表すとき、複数のR45は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。e6が2以上4以下の整数を表すとき、複数のR46は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。
式(23)中、R41~R46は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基又はエチル基を表すことが更に好ましい。R47及びR48は、水素原子を表すことが好ましい。e1、e2、e3、及びe4は、各々独立に、0以上2以下の整数を表すことが好ましく、e1及びe2が0を表しe3及びe4が2を表すことがより好ましい。e5及びe6は、0を表すことが好ましい。e7及びe8は、何れも0を表すか、何れも1を表すことが好ましい。
式(24)中、R50及びR51は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。R52、R53、R54、R55、R56、R57、及びR58は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表す。f1及びf2は、各々独立に、0以上2以下の整数を表す。f3及びf4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
式(24)中、f3が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR50は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。f4が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR51は、互いに同一の基を表してもよく、異なる基を表してもよい。
式(24)中、R50及びR51は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましい。R52及びR53は、各々、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表すことが好ましい。R54~R58は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことが好ましい。f1及びf2は、何れも0を表すか、何れも1を表すか、何れも2を表すことが好ましい。f3及びf4は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
50及びR51が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R52及びR53が表す炭素原子数1以上6以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基としては、フェニル基、又は炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されたフェニル基が好ましい。炭素原子数1以上3以下のアルキル基で置換されたフェニル基としては、メチルフェニル基が好ましく、4-メチルフェニル基がより好ましい。R54~R58が表わす炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、又はn-ブチル基を表すことが好ましい。R54~R58が表わす炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基がより好ましい。
正孔輸送剤(20)の好適な例としては、式(H-11)で表される化合物が挙げられる。正孔輸送剤(21)の好適な例としては、式(H-6)及び(H-7)で表される化合物が挙げられる。正孔輸送剤(22)の好適な例としては、式(H-4)で表される化合物が挙げられる。正孔輸送剤(23)の好適な例としては、式(H-9)及び(H-10)で表される化合物が挙げられる。正孔輸送剤(24)の好適な例としては、式(H-1)、(H-2)、(H-3)、(H-5)、及び(H-8)で表される化合物が挙げられる。以下、式(H-1)~(H-11)で表される化合物を、各々、正孔輸送剤(H-1)~(H-11)と記載することがある。
Figure 2022069079000020
Figure 2022069079000021
Figure 2022069079000022
Figure 2022069079000023
Figure 2022069079000024
Figure 2022069079000025
Figure 2022069079000026
Figure 2022069079000027
正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、30質量部以上120質量部以下であることがより好ましく、50質量部以上90質量部以下であることが更に好ましい。また、感光層は、1種の正孔輸送剤のみを含有してもよく、2種以上の正孔輸送剤を含有してもよい。
(添加剤)
感光層は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項消光剤、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、ワックス、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤、及びレベリング剤が挙げられる。
(材料の組み合わせ)
感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上させるためには、ポリアリレート樹脂がポリアリレート樹脂(PA-a)~(PA-e)、(PA-1)~(PA-8)、及び(R-1)~(R-8)の何れかであり、樹脂粒子がシリコーン樹脂粒子であることが好ましい。同じ理由から、電子輸送剤及びポリアリレート樹脂の組み合わせが、表3に示す組み合わせNo.a-1~a-12、b-1~b-15、及びc-1~c-15の各々であり、樹脂粒子がシリコーン樹脂粒子であることが好ましい。同じ理由から、正孔輸送剤及びポリアリレート樹脂の組み合わせが、表4に示す組み合わせNo.d-1~d-15、e-1~e-18、及びf-1~f-18の各々であり、樹脂粒子がシリコーン樹脂粒子であることが好ましい。同じ理由から、電子輸送剤、正孔輸送剤、及びポリアリレート樹脂の組み合わせが、表5に示す組み合わせNo.g-1~g-25、h-1~h-28、及びi-1~i-28の各々であり、樹脂粒子がシリコーン樹脂粒子であることが好ましい。同じ理由から、これらの組み合わせの材料と、電荷発生剤であるY型チタニルフタロシアニンとを感光層が含有することが好ましい。なお、表3~表5中、「No.」は「組み合わせNo.」を示し、「ETM」は「電子輸送剤」を示し、「HTM」は「正孔輸送剤」を示し、「樹脂」は「ポリアリレート樹脂」を示し、「H-2,4,5,6」は、「正孔輸送剤(H-2)、(H-4)、(H-5)、又は(H-6)」を示す。
Figure 2022069079000028
Figure 2022069079000029
Figure 2022069079000030
(導電性基体)
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料のなかでも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状及びドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。
(中間層)
中間層(下引き層)は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇を抑制できる。
無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄、及び銅)の粒子、金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、及び酸化亜鉛)の粒子、及び非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。
中間層用樹脂の例は、既に述べたその他のバインダー樹脂の例と同じである。中間層及び感光層を良好に形成するためには、中間層用樹脂は、感光層に含有されるバインダー樹脂と異なることが好ましい。中間層は、添加剤を含有してもよい。中間層に含有される添加剤の例は、感光層に含有される添加剤の例と同じである。
(感光体の製造方法)
次に、感光体の製造方法の一例を説明する。感光体の製造方法は、感光層形成工程を含む。感光層形成工程では、感光層を形成するための塗布液(以下、感光層用塗布液と記載することがある)を調製する。感光層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、塗布した感光層用塗布液に含有される溶剤の少なくとも一部を除去して感光層を形成する。感光層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、樹脂粒子と、溶剤とを含有する。感光層用塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、樹脂粒子とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。
感光層用塗布液に含有される溶剤は、感光層用塗布液に含有される各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n-ヘキサン、オクタン、及びシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、及びクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、及びジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル、及び酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。
感光層用塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、棒状音波発振子、又は超音波分散器を用いることができる。
感光層用塗布液を塗布する方法は、感光層用塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、及びバーコート法が挙げられる。
感光層用塗布液に含有される溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理の温度は、例えば、40℃以上150℃以下である。熱処理の時間は、例えば、3分以上120分以下である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に含んでいてもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
<第2実施形態:画像形成装置>
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図4は、画像形成装置100の構成の一例を示す図である。画像形成装置100は、例えば、タンデム方式のカラープリンターである。
図4に示すように、画像形成装置100は、制御部10、操作部20、給紙部30、搬送部40、トナー補給部50、画像形成部60、転写装置70、定着装置80、及び排出部90を備える。
制御部10は、画像形成装置100が備える各部の動作を制御する。制御部10は、プロセッサー(不図示)及び記憶部(不図示)を備える。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)を備える。記憶部は、半導体メモリーのようなメモリーを備え、HDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。プロセッサーは、制御プログラムを実行することによって、画像形成装置100の動作を制御する。記憶部は、制御プログラムを記憶している。
操作部20は、ユーザーからの指示を受け付ける。操作部20は、ユーザーからの指示を受け付けると、ユーザーからの指示を示す信号を制御部10へ送信する。この結果、画像形成装置100による画像形成動作が開始される。
給紙部30は、給紙カセット31、及び給紙ローラー群32を有する。給紙カセット31は、複数枚の記録媒体P(例えば、用紙)を収容可能である。給紙ローラー群32は、給紙カセット31に収容された記録媒体Pを1枚ずつ搬送部40へ給紙する。
搬送部40は、ローラー及びガイド部材を備える。搬送部40は、給紙部30から排出部90まで延在する。搬送部40は、画像形成部60及び定着装置80を経由するように、給紙部30から排出部90まで記録媒体Pを搬送する。
トナー補給部50は、画像形成部60にトナーを補給する。トナー補給部50は、第1装着部51Y、第2装着部51C、第3装着部51M、及び第4装着部51Kを備える。
第1装着部51Yには第1トナーコンテナ52Yが、装着される。同様に、第2装着部51Cには第2トナーコンテナ52Cが、第3装着部51Mには第3トナーコンテナ52Mが、第4装着部51Kには第4トナーコンテナ52Kが装着される。
第1トナーコンテナ52Y、第2トナーコンテナ52C、第3トナーコンテナ52M、及び第4トナーコンテナ52Kには、トナーがそれぞれ収容される。第2実施形態において、第1トナーコンテナ52Yには、イエロートナーが収容される。第2トナーコンテナ52Cには、シアントナーが収容される。第3トナーコンテナ52Mには、マゼンタトナーが収容される。第4トナーコンテナ52Kには、ブラックトナーが収容される。
画像形成部60は、露光装置61、第1画像形成ユニット62Y、第2画像形成ユニット62C、第3画像形成ユニット62M、及び第4画像形成ユニット62Kを備える。
第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kの各々は、帯電装置63、現像装置64、像担持体65、クリーニング装置66、及び除電装置67を有する。
なお、第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kの構成は、トナー補給部50から補給されるトナーの種類が異なるのみで、他の構成は同じである。従って、図4において、第2画像形成ユニット62C~第4画像形成ユニット62Kが有する各構成については、符号を省略して示している。
像担持体65は、第1実施形態の感光体1である。第1実施形態において述べたように、第1実施形態の感光体1は、耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性に優れる。従って、第2実施形態の画像形成装置100は、像担持体65である感光体1の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上できる。
帯電装置63、現像装置64、クリーニング装置66、及び除電装置67は、像担持体65の周面に沿って配置される。第2実施形態において、像担持体65は、図4の矢印R1で示す方向(時計回り方向)に回転する。
帯電装置63は、像担持体65の表面(周面)を帯電させる。帯電装置63は、像担持体65を放電によって所定の極性に均一に帯電させる。第2実施形態において、帯電装置63は、像担持体65を正の極性に帯電させる。帯電装置63は、例えば、帯電ローラーである。
露光装置61は、帯電した像担持体65の表面を露光する。詳しくは、露光装置61は、帯電した像担持体65の表面にレーザー光を照射する。これにより、像担持体65の表面に静電潜像が形成される。
現像装置64には、トナー補給部50からトナーが補給される。現像装置64は、トナー補給部50から補給されたトナーを、像担持体65の表面に供給する。この結果、像担持体65の表面に形成された静電潜像が、トナー像として現像される。
第2実施形態において、第1画像形成ユニット62Yが有する現像装置64は、第1トナーコンテナ52Yと接続する。従って、第1画像形成ユニット62Yが有する現像装置64には、イエロートナーが補給される。よって、第1画像形成ユニット62Yが有する像担持体65の表面には、イエロートナー像が形成される。
同様に、第2画像形成ユニット62Cが有する現像装置64、第3画像形成ユニット62Mが有する現像装置64、及び第4画像形成ユニット62Kが有する現像装置64は、各々、第2トナーコンテナ52C、第3トナーコンテナ52M、及び第4トナーコンテナ52Kと接続する。従って、第2画像形成ユニット62Cが有する現像装置64、第3画像形成ユニット62Mが有する現像装置64、及び第4画像形成ユニット62Kが有する現像装置64には、各々、シアントナー、マゼンタトナー、及びブラックトナーが補給される。よって、第2画像形成ユニット62Cが有する像担持体65の表面、第3画像形成ユニット62Mが有する像担持体65の表面、及び第4画像形成ユニット62Kが有する像担持体65の表面には、各々、シアントナー像、マゼンタトナー像、及びブラックトナー像が形成される。
クリーニング装置66は、クリーニング部材661を有する。後述する一次転写ローラー71による転写後に、クリーニング装置66は、像担持体65の表面に付着しているトナーを回収する。詳しくは、クリーニング装置66は、像担持体65の表面にクリーニング部材661を圧接させて、像担持体65の表面に付着したトナーを回収する。クリーニング部材661は、例えば、クリーニングブレードである。
除電装置67は、像担持体65の表面に除電光を照射して、像担持体65の表面を除電する。
転写装置70は、像担持体65から、被転写体である記録媒体Pへ、トナー像を転写する。詳しくは、転写装置70は、第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kが有する各像担持体65の表面に形成された各トナー像を、記録媒体Pに重ねて転写する。第2実施形態において、転写装置70は、二次転写方式(中間転写方式)によって、各トナー像を、記録媒体Pに重ねて転写する。転写装置70は、4つの一次転写ローラー71、中間転写ベルト72、駆動ローラー73、従動ローラー74、及び二次転写ローラー75を有する。
中間転写ベルト72は、4つの一次転写ローラー71、駆動ローラー73、及び、従動ローラー74に張架された無端ベルトである。中間転写ベルト72は、駆動ローラー73の回転に応じて駆動する。図4において、中間転写ベルト72は、反時計回りに周回する。従動ローラー74は、中間転写ベルト72の駆動に応じて回転駆動する。
第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kは、中間転写ベルト72の下面と対向して配置される。第2実施形態において、第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kは、中間転写ベルト72の下面の駆動方向Dの上流側から下流側に向けて第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kの順で配置される。
各一次転写ローラー71は、中間転写ベルト72を介して各像担持体65に対向して配置され、各像担持体65に向けて押圧されている。このため、各一次転写ローラー71によって、各像担持体65の表面に形成されたトナー像が、中間転写ベルト72に順次転写される。第2実施形態において、中間転写ベルト72には、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、及びブラックトナー像がこの順で重ねて転写される。以下、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、及びブラックトナー像が重ねられたトナー像を「積層トナー像」と記載する場合がある。
二次転写ローラー75は、中間転写ベルト72を介して駆動ローラー73に対向して配置される。二次転写ローラー75は、駆動ローラー73に向けて押圧されている。これにより、二次転写ローラー75と駆動ローラー73との間に転写ニップが形成される。記録媒体Pが転写ニップを通過する際に、二次転写ローラー75によって、中間転写ベルト72上の積層トナー像が記録媒体Pに転写される。第2実施形態において、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、及びブラックトナー像がこの順で、上層から下層となるように記録媒体Pに転写される。積層トナー像が転写された記録媒体Pは、搬送部40によって定着装置80へ向けて搬送される。
定着装置80は、加熱部材81、及び加圧部材82を備える。加熱部材81、及び加圧部材82は互いに対向して配置され、定着ニップを形成する。画像形成部60から搬送された記録媒体Pは、定着ニップを通過することにより所定の定着温度で加熱されながら、加圧される。この結果、積層トナー像が記録媒体Pに定着する。記録媒体Pは、搬送部40によって定着装置80から排出部90へ向けて搬送される。
排出部90は、排出ローラー対91及び排出トレイ93を有する。排出ローラー対91は、排出口92を介して排出トレイ93へ記録媒体Pを搬送する。排出口92は、画像形成装置100の上部に形成される。
次に、図5を参照して、現像装置64の構成について詳細に説明する。図5は、現像装置64の構成の一例を示す図である。詳しくは、図5は、第1画像形成ユニット62Yが有する現像装置64を示す。なお、図5では、理解を容易にするために像担持体65を、2点鎖線で図示している。第2実施形態において、現像装置64は、二成分現像剤を使用する二成分現像方式で且つタッチダウン現像方式を採用している。
図4を参照して既に説明したように、現像装置64の現像容器640は、第1トナーコンテナ52Yに接続する。従って、現像装置64の現像容器640には、トナー補給口640hを介して、イエロートナーが補給される。
図5に示すように、現像装置64は、現像容器640の内部に現像ローラー641、磁気ローラー642、第1攪拌スクリュー643、第2攪拌スクリュー644、及びブレード645を有する。詳しくは、現像ローラー641は、磁気ローラー642と対向して配置される。磁気ローラー642は、第2攪拌スクリュー644と対向して配置される。ブレード645は、磁気ローラー642と対向して配置される。
現像容器640は、仕切り壁640cによって第1攪拌室640aと第2攪拌室640bとに区画される。仕切り壁640cは、現像ローラー641の軸方向に延びる。第1攪拌室640aと第2攪拌室640bとは、仕切り壁640cの長手方向の両端の外方において連通している。
第1攪拌室640aには、第1攪拌スクリュー643が配置される。第1攪拌室640aには、磁性体であるキャリアが収容されている。第1攪拌室640aには、非磁性体であるトナーが、トナー補給口640hを介して補給される。図5に示す例では、第1攪拌室640aには、イエロートナーが補給される。
第2攪拌室640bには、第2攪拌スクリュー644が配置される。第2攪拌室640bには、磁性体であるキャリアが収容されている。
第1攪拌スクリュー643及び第2攪拌スクリュー644によって、イエロートナーはキャリアと攪拌される。この結果、キャリア、及びイエロートナーを含有する二成分現像剤が構成される。
第1攪拌スクリュー643及び第2攪拌スクリュー644は、第1攪拌室640aと第2攪拌室640bとの間で、二成分現像剤を循環させながら攪拌する。この結果、キャリアとの摩擦によってトナーが所定の極性に帯電する。第2実施形態において、トナーは、正の極性に帯電する。
磁気ローラー642は、非磁性の回転スリーブ642aと、マグネット体642bとによって構成される。マグネット体642bは、回転スリーブ642aの内部に固定して配置される。マグネット体642bは、複数の磁極を含む。二成分現像剤は、マグネット体642bの磁力によって、磁気ローラー642に吸着する。この結果、磁気ローラー642の表面に磁気ブラシが形成される。
第2実施形態において、磁気ローラー642は、図5の矢印R3で示す方向(反時計回り方向)に回転する。磁気ローラー642は、回転することによって磁気ブラシをブレード645と対向する位置まで搬送する。ブレード645は、磁気ローラー642との間にギャップ(隙間)が形成されるように配置されている。従って、磁気ブラシの厚さがブレード645によって規定される。ブレード645は、磁気ローラー642と現像ローラー641とが対向する位置よりも磁気ローラー642の回転方向の上流側に配置される。
現像ローラー641及び磁気ローラー642には、所定の電圧が印加される。所定の電圧が印加されて、現像ローラー641と磁気ローラー642との間が所定の電位差になると、二成分現像剤に含まれるイエロートナーが現像ローラー641に移行する。この結果、イエロートナーから成るトナー薄層が現像ローラー641の表面に形成される。
現像ローラー641は、図5の矢印R2で示す方向(反時計回り方向)に回転する。これにより、表面に形成されたトナー薄層が像担持体65と対向する位置まで搬送され、像担持体65に付着される。このようにして、現像装置64は、キャリアとの摩擦により帯電したトナーを、像担持体65の表面に供給する。
以上、図5を参照して、第1画像形成ユニット62Yが有する現像装置64について説明した。第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kの各々が有する現像装置64の構成は、トナー補給部50から補給されるトナーの種類が異なるのみで、他の構成は同じである。従って、第2画像形成ユニット62C~第4画像形成ユニット62Kが有する現像装置64の構成については、説明を省略する。
以上、図4及び図5を参照して画像形成装置の一例について説明したが、画像形成装置は、上記画像形成装置100に限定されない。上記画像形成装置100はカラー画像形成装置であったが、画像形成装置はモノクロ画像形成装置であってもよい。この場合、画像形成装置は、例えば画像形成ユニットを1つだけ備えていればよい。また、上記画像形成装置100はタンデム方式を採用していたが、画像形成装置は例えばロータリー方式を採用してもよい。帯電装置63として帯電ローラーを例に挙げて説明したが、帯電装置は帯電ローラー以外の帯電装置(例えば、スコロトロン帯電器、帯電ブラシ、又はコロトロン帯電器)であってもよい。上記画像形成装置100は二成分現像剤を使用する二成分現像方式を採用していたが、画像形成装置は一成分現像剤を使用する一成分現像方式を採用してもよい。上記画像形成装置100はタッチダウン現像方式を採用していたが、画像形成装置はタッチダウン現像方式以外の現像方式(例えば、現像ローラーを備えず、磁気ローラーが現像ローラーも兼ねる現像方式)を採用してもよい。上記画像形成装置100は中間転写方式を採用していたが、画像形成装置は直接転写方式を採用してもよい。画像形成装置が直接転写方式を採用する場合、像担持体65が記録媒体Pに接触しながら、像担持体65から記録媒体Pにトナー像が直接転写される。クリーニング部材661としてクリーニングブレードを例に挙げて説明したが、クリーニング部材はクリーニングローラーであってもよい。また、画像形成装置は、クリーニング装置66を備えていなくてもよい。また、上記第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kは除電装置を備えていたが、画像形成ユニットは除電装置を備えていなくてもよい。
<第3実施形態:プロセスカートリッジ>
次に、図4を引き続き参照して、本発明の第3実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。第3実施形態のプロセスカートリッジは、第1画像形成ユニット62Y~第4画像形成ユニット62Kの各々に相当する。プロセスカートリッジは、像担持体65を備える。像担持体65は、第1実施形態の感光体1である。第1実施形態において述べたように、第1実施形態の感光体1は、耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性に優れる。従って、第3実施形態のプロセスカートリッジは、像担持体65である感光体1の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上できる。
プロセスカートリッジは、像担持体65に加えて、帯電装置63、現像装置64、クリーニング装置66、及び除電装置67からなる群から選択される少なくとも1つ(例えば、1つ以上4つ以下)を更に備える。プロセスカートリッジは、転写装置70(特に、一次転写ローラー71)を更に備えていてもよい。プロセスカートリッジは、露光装置61を更に備えていてもよい。プロセスカートリッジは、画像形成装置100に対して着脱自在に設計される。そのため、プロセスカートリッジは取り扱いが容易であり、像担持体65の感度特性等が劣化した場合に、像担持体65を含めて容易かつ迅速に交換することができる。以上、図4を参照して、第3実施形態のプロセスカートリッジについて説明した。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
まず、感光体の感光層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、電子輸送剤、正孔輸送剤、バインダー樹脂、及びフィラー粒子を準備した。
(電荷発生剤)
電荷発生剤として、第1実施形態で述べたY型チタニルフタロシアニンを準備した。
(電子輸送剤)
電子輸送剤として、第1実施形態で述べた電子輸送剤(E-1)~(E-8)の各々を準備した。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤として、第1実施形態で述べた正孔輸送剤(H-1)~(H-11)を準備した。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂として、第1実施形態で述べたポリアリレート樹脂(R-1)~(R-8)を準備した。ポリアリレート樹脂(R-1)~(R-8)の粘度平均分子量は、60000であった。
また、比較例で使用するバインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(R-A)及び(R-B)、ポリカーボネート樹脂(R-C)、並びにポリアリレート樹脂(R-D)、(R-E)、及び(R-G)も準備した。ポリアリレート樹脂(R-A)及び(R-B)、ポリカーボネート樹脂(R-C)、並びにポリアリレート樹脂(R-D)、(R-E)、及び(R-G)の各々は、下記式(R-A)、(R-B)、(R-C)、(R-D)、(R-E)、及び(R-G)で表される。なお、各繰り返し単位の右下に付された数字は、樹脂に含まれる繰り返し単位の総数に対する、各繰り返し単位の数の百分率(単位:%)を示す。ポリアリレート樹脂(R-A)及び(R-B)、ポリカーボネート樹脂(R-C)、並びにポリアリレート樹脂(R-D)、(R-E)、及び(R-G)の粘度平均分子量は、60000であった。
Figure 2022069079000031
Figure 2022069079000032
Figure 2022069079000033
Figure 2022069079000034
(フィラー粒子)
フィラー粒子として、表6に示すフィラー粒子(F-1)~(F-6)を準備した。なお、フィラー粒子(F-1)~(F-4)は樹脂粒子であり、フィラー粒子(F-5)~(F-6)は樹脂粒子ではない。
Figure 2022069079000035
<感光体の製造>
(感光体(A-1)の製造)
電荷発生剤であるY型チタニルフタロシアニン2.0質量部、正孔輸送剤(H-1)70.0質量部、電子輸送剤(E-1)50.0質量部、バインダー樹脂であるポリアリレート樹脂(R-1)100.0質量部、フィラー粒子(F-1)5.9質量部、及び溶剤であるテトラヒドロフラン500.0質量部を、棒状音波発振子を用いて20分間混合し、分散液を得た。目開き5μmのフィルターを用いて、分散液を濾過し、感光層用塗布液を得た。ディップコート法により、導電性基体(アルミニウム製のドラム状支持体)上に、感光層用塗布液を塗布し、120℃で50分間熱風乾燥させた。このようにして、導電性基体上に感光層(膜厚30μm)を形成し、感光体(A-1)を得た。感光体(A-1)において、導電性基体上に単層の感光層が直接備えられていた。感光体(A-1)の質量に対するフィラー粒子の含有率は、計算式「(フィラー粒子の含有率)=100×(フィラー粒子の質量)/[(電荷発生剤の質量)+(正孔輸送剤の質量)+(電子輸送剤の質量)+(バインダー樹脂の質量)+(フィラー粒子の質量)]=100×5.9/(2.0+70.0+50.0+100.0+5.9)」から、2.6質量%と算出された。
(感光体(A-2)~(A-31)及び(B-1)~(B-8)の製造)
表7~表9に示す電子輸送剤、正孔輸送剤、バインダー樹脂、及びフィラー粒子を使用したこと、及び感光層の質量に対するフィラー粒子の含有率が表7~表9に示す値になるような量でフィラー粒子を添加したこと以外は、感光体(A-1)の製造と同じ方法で、感光体(A-2)~(A-31)及び(B-1)~(B-8)の各々を製造した。なお、感光体(A-2)~(A-28)及び(B-1)~(B-8)の製造においては、5.9質量部のフィラー粒子を添加した。感光体(A-29)の製造においては、11.7質量部のフィラー粒子を添加した。感光体(A-30)の製造においては、23.3質量部のフィラー粒子を添加した。感光体(A-31)の製造においては、27.4質量部のフィラー粒子を添加した。
(感光体(B-9)の製造)
ポリアリレート樹脂(R-1)をポリアリレート樹脂(R-2)に変更したこと、及びフィラー粒子を使用しなかったこと以外は、感光体(A-1)の製造と同じ方法で、感光体(B-9)を製造した。
<評価>
得られた感光体(A-1)~(A-31)及び(B-1)~(B-9)の各々に対して、以下に示す方法により、耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を評価した。これらの評価には、用紙(アスクル株式会社販売「Askul Multipaper Super Economy+」)を使用した。また、これらの評価を行う評価機として、画像形成装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS-C5250DN」)の改造機を使用した。この評価機は、帯電装置として、導電性カーボンを分散させたエピクロルヒドリン樹脂から構成された帯電ローラーを備えていた。帯電ローラーの帯電極性は正極性であり、帯電ローラーの印加電圧は直流電圧であった。また、この評価機は、二成分現像方式、及び中間転写方式を採用していた。また、この評価機は、クリーニングブレード、及び除電装置を備えていた。
<耐摩耗性の評価>
耐摩耗性の評価は、温度23℃且つ相対湿度50%RHの環境下で行った。感光体の感光層の膜厚T1を測定した。次いで、感光体を評価機に搭載した。評価機を用いて、5万枚の用紙に、画像I(印字率5%の文字画像)を連続して印刷した。印刷後に、感光体の感光層の膜厚T2を測定した。なお、膜厚T1及びT2の測定には、渦電流膜厚計(株式会社ケツト科学研究所製「LH-373」)を使用した。そして、式「摩耗量=T1-T2」から、感光層の摩耗量(単位:μm)を求めた。求めた摩耗量を、表7~表9に示す。摩耗量が少ないほど、感光体の耐摩耗性が優れていることを示す。
<耐フィルミング性及び耐傷性の評価>
上記耐摩耗性を評価した後の感光体を、評価機に搭載した。温度23℃且つ相対湿度50%RHの環境下で、評価機を用いて、5万枚の用紙に、画像I(印字率5%の文字画像)を連続して印刷した。次いで、評価機を用いて、1枚の用紙に、画像II(ハーフトーン画像及び白地画像を含む画像)を印刷し、得られた画像を第1評価用画像とした。
第1評価用画像を得た後に、評価機から感光体を取り出した。肉眼で感光体の表面を観察し、感光体の表面における傷及びフィルミングの発生の有無を確認した。肉眼観察後、再び感光体を評価機に搭載した。
次いで、温度10℃且つ相対湿度15%RHの環境下で、評価機を用いて、5万枚の用紙に、画像I(印字率5%の文字画像)を連続して印刷した。次いで、評価機を用いて、1枚の用紙に、画像II(ハーフトーン画像及び白地画像を含む画像)を印刷し、得られた画像を第2評価用画像とした。
第1評価用画像及び第2評価用画像を観察し、フィルミングに由来する画像不良の有無を確認した。フィルミングに由来する画像不良は、例えば、ダッシュマーク、及びカブリである。ダッシュマークは、用紙の搬送方向に対して平行に配列した黒点である。感光体の表面においてフィルミングが発生した面積が広くなる程、形成画像において、ダッシュマークを起点としたカブリが発生する。感光体の表面の確認結果、並びに第1評価用画像及び第2評価用画像の画像不良の確認結果から、下記基準に基づき、耐フィルミング性及び耐傷性を評価した。耐フィルミング性及び耐傷性の評価結果を、表7~表9に示す。
評価A(特に良好):感光体の表面に、傷及びフィルミングの両方が発生していなかった。また、第1評価用画像及び第2評価用画像の両方において、画像不良が発生していなかった。
評価B(良好):感光体の表面に、傷及びフィルミングの少なくとも一方が発生していた。しかし、第1評価用画像及び第2評価用画像の両方において、画像不良が発生していなかった。
評価C(不良):感光体の表面に、傷及びフィルミングの少なくとも一方が発生していた。第2評価用画像において、画像不良が発生していた。しかし、第1評価用画像において、画像不良が発生していなかった。
評価D(特に不良):感光体の表面に、傷及びフィルミングの少なくとも一方が発生していた。また、第1評価用画像及び第2評価用画像の両方で、画像不良が発生していた。
表7~表9における用語の意味は、次のとおりである。「CGM」は、電荷発生剤を示す。「CG-1」は、Y型チタニルフタロシアニンを示す。「ETM」は、電子輸送剤を示す。「HTM」は、正孔輸送剤を示す。「樹脂」は、バインダー樹脂を示す。「n1/n2」は、繰り返し単位(2)の数n2に対する、繰り返し単位(1)の数n1の比率n1/n2を示す。「フィラー」は、フィラー粒子を示す。「フィラー」欄の「含有率」は、感光層の質量に対するフィラー粒子の含有率(単位:wt%、即ち質量%)を示す。「フィルミング・傷」は、耐フィルミング性及び耐傷性の評価結果を示す。「-」は、該当する材料を使用していないこと、又は該当する値がないことを示す。
Figure 2022069079000036
Figure 2022069079000037
Figure 2022069079000038
表7~表8に示すように、感光体(A-1)~(A-31)の感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、ポリアリレート樹脂と、樹脂粒子(より具体的には、フィラー粒子(F-1)~(F-4)のうちの1種)とを含有していた。ポリアリレート樹脂は、ポリアリレート樹脂(PA)(より具体的には、ポリアリレート樹脂(R-1)~(R-8)のうちの1種)であった。
一方、表9に示すように、感光体(B-1)~(B-6)の感光層は、ポリアリレート樹脂(PA)を含有していなかった。表9に示すように、感光体(B-7)の感光層は、フィラー粒子(F-5)を含有していたが、フィラー粒子(R-5)は樹脂粒子ではなかった。表9に示すように、感光体(B-8)の感光層は、フィラー粒子(F-6)を含有していたが、フィラー粒子(R-6)は樹脂粒子ではなかった。表9に示すように、感光体(B-9)の感光層は、樹脂粒子を含有していなかった。
表7~表9に示すように、感光体(A-1)~(A-31)の摩耗量は、感光体(B-1)~(B-9)と比較して小さく、耐摩耗性が良好であった。また、感光体(A-1)~(A-31)の耐フィルミング性及び耐傷性は、感光体(B-1)~(B-5)及び(B-7)~(B-9)と比較して優れていた。
以上のことから、感光体(A-1)~(A-31)を包含する本発明に係る感光体は、耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性に優れることが示された。また、このような感光体を備えるため、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、感光体の耐摩耗性、耐フィルミング性、及び耐傷性を向上できると判断される。
本発明に係る感光体及びプロセスカートリッジは、画像形成装置に利用できる。本発明に係る画像形成装置は、記録媒体に画像を形成するために利用できる。
1 :感光体(電子写真感光体)
2 :導電性基体
3 :感光層
61 :露光装置
63 :帯電装置
64 :現像装置
65 :像担持体
66 :クリーニング装置
67 :除電装置
70 :転写装置
100 :画像形成装置
P :記録媒体

Claims (16)

  1. 導電性基体と、感光層とを備え、
    前記感光層は、単層であり、
    前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、ポリアリレート樹脂と、樹脂粒子とを含有し、
    前記ポリアリレート樹脂は、式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位と、式(3)で表される繰り返し単位とを含み、前記式(2)で表される繰り返し単位の数n2に対する、前記式(1)で表される繰り返し単位の数n1の比率n1/n2は、1.0以上である、電子写真感光体。
    Figure 2022069079000039
    (前記式(1)中、
    1及びR2は各々メチル基を表し、R3及びR4は互いに結合して炭素原子数5又は6のシクロアルキリデン基を表すか、或いは、
    1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を表し、R3はメチル基を表し、R4は水素原子、又は炭素原子数2若しくは3のアルキル基を表す。)
  2. 前記式(1)で表される繰り返し単位は、式(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、又は(1-5)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022069079000040
  3. 前記式(1)で表される繰り返し単位は、前記式(1-5)で表される繰り返し単位である、請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記樹脂粒子の体積中位径は、0.05μm以上5.00μm以下である、請求項1~3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記樹脂粒子の含有量は、前記感光層の質量に対して、0.01質量%以上15.0質量%以下である、請求項1~4の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記樹脂粒子は、シリコーン樹脂粒子である、請求項1~5の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記電子輸送剤は、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、又は(16)で表される化合物を含む、請求項1~6の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022069079000041
    (前記式(10)中のQ1及びQ2、前記式(11)中のQ11、Q12、及びQ13、前記式(12)中のQ21、Q22、Q23、及びQ24、前記式(13)中のQ31及びQ32、前記式(14)中のQ41、Q42、Q43、及びQ44、前記式(15)中のQ51、Q52、Q53、Q54、Q55、及びQ56、並びに前記式(16)中のQ61及びQ62は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数2以上6以下のアルケニル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基及びハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、
    前記式(15)中のY1及びY2は、各々独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。)
  8. 前記電子輸送剤は、式(E-1)、(E-2)、(E-3)、(E-4)、(E-5)、(E-6)、(E-7)、又は(E-8)で表される化合物を含む、請求項1~7の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022069079000042
    Figure 2022069079000043
  9. 前記正孔輸送剤は、式(20)、(21)、(22)、(23)、又は(24)で表される化合物を含む、請求項1~8の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022069079000044
    Figure 2022069079000045
    (前記式(20)中、R11、R12、R13、及びR14は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表し、a1、a2、a3、及びa4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、
    前記式(21)中、R21、R22、及びR23は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R24、R25、及びR26は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、b1、b2、及びb3は、各々独立に、0又は1を表し、
    前記式(22)中、R31、R32、及びR33は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R34は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は水素原子を表し、d1、d2、及びd3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、
    前記式(23)中、R41、R42、R43、R44、R45、及びR46は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、R47及びR48は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、e1、e2、e3、及びe4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、e5及びe6は、各々独立に、0以上4以下の整数を表し、e7及びe8は、各々独立に、0又は1を表し、
    前記式(24)中、R50及びR51は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、R52、R53、R54、R55、R56、R57、及びR58は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表し、f1及びf2は、各々独立に、0以上2以下の整数を表し、f3及びf4は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。)
  10. 前記正孔輸送剤は、式(H-1)、(H-2)、(H-3)、(H-4)、(H-5)、(H-6)、(H-7)、(H-8)、(H-9)、(H-10)、又は(H-11)で表される化合物を含む、請求項1~9の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2022069079000046
    Figure 2022069079000047
    Figure 2022069079000048
    Figure 2022069079000049
    Figure 2022069079000050
    Figure 2022069079000051
    Figure 2022069079000052
    Figure 2022069079000053
  11. 前記電荷発生剤は、チタニルフタロシアニンを含む、請求項1~10の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  12. 請求項1~11の何れか一項に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ。
  13. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光装置と、
    前記像担持体の前記表面にトナーを供給して、前記静電潜像をトナー像として現像する現像装置と、
    前記像担持体から被転写体へ前記トナー像を転写する転写装置とを備え、
    前記像担持体が、請求項1~11の何れか一項に記載の電子写真感光体である、画像形成装置。
  14. 前記像担持体の前記表面に付着している前記トナーを回収するクリーニング装置、及び前記像担持体の前記表面を除電する除電装置の一方又は両方を更に備える、請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記帯電装置は、帯電ローラーである、請求項13又は14に記載の画像形成装置。
  16. 前記現像装置は、キャリアとの摩擦により帯電した前記トナーを、前記像担持体の前記表面に供給する、請求項13~15の何れか一項に記載の画像形成装置。
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