JP2022068838A - オスコネクタ用カバー - Google Patents

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耕一郎 豊田
Koichiro Toyoda
智教 平山
Tomonori Hirayama
真明 栗田
Masaaki Kurita
喜典 佐藤
Yoshinori Sato
寛華 西山
Hiroka Nishiyama
雅彦 熊崎
Masahiko Kumazaki
康賢 上原
Koken Uehara
克紀 大熊
Katsunori Okuma
恵 上原
Megumi UEHARA
純次 浮田
Junji Ukita
正知 羽生
Masatomo Hanyu
玲緒 古起
Reo Furuki
誠 臼井
Makoto Usui
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Abstract

【課題】オスコネクタが患者に与える痛みを低減する。カバー装着状態のオスコネクタに対してメスコネクタの接続及び分離を可能にする。カバーがオスコネクタから意図せずに分離するのを防止する。【解決手段】カバー1は、コネクタ主部910及び基端部920を有するコネクタ本体910と、コネクタ主部に着脱可能なキャップ930と、コネクタ本体又はチューブ909とキャップとをつなぐバンド935とを備えたオスコネクタ900に着脱することができる。カバー1は、クッション性材料からなる。カバーは、コネクタ主部を収容可能な収容部10と、オスコネクタのコネクタ主部の周方向に沿って延びる連結部11とを備える。カバーをオスコネクタに装着し且つキャップをコネクタ主部に装着していないとき、コネクタ主部の先端を外界に向かって露出させることができ、且つ、バンドは連結部に対して基端部側に配置される。【選択図】図1A

Description

本発明は、オスコネクタに着脱可能に装着されるオスコネクタ用カバーに関する。
食事を口から摂れなくなった患者に栄養剤や薬剤等を含む液状物を投与する方法として、チューブを介して胃や腸などの消化管に直接液状物を注入する経管栄養が知られている。液状物は定期的に患者に投与する必要があるため、液状物を送るチューブは患者に挿入された状態で患者に留置される。チューブの上流側端にはオスコネクタが設けられている。液状物を投与する際に、オスコネクタは、液状物を貯留した容器(例えばバッグ)に接続されたチューブの下流側端に設けられたメスコネクタに接続される。
オスコネクタは、チューブとともに患者に長期間留置され続ける。患者が寝返りを打った際などに、オスコネクタが患者の顔や体の下敷きになることがある。オスコネクタが硬質材料からなる場合、患者は、オスコネクタによって痛みを感じる可能性がある。更には、オスコネクタが患者の皮膚や軟部組織を持続的に圧迫することによって褥瘡を発生させる可能性がある。
特許文献1には、オスコネクタに着脱可能なカバーが記載されている。カバーは、エラストマーや発泡体などの軟質材料で構成されてもよいと記載されている。経管栄養を行うときを除いてオスコネクタにカバーを装着すれば、オスコネクタが患者の下敷きになったとしても、患者が痛みを感じたり、褥瘡が発生したりする可能性を低減することができる。
特開2018-029753号公報
特許文献1のカバーは、オスコネクタに対してメスコネクタを接続及び分離する際に、オスコネクタから取り外す必要がある。取り外したカバーは、紛失する可能性がある。また、経管栄養を終了後、取り外したカバーをオスコネクタに再装着するのを忘れる可能性がある。
特許文献1のカバーは、オスコネクタを収容することができる凹部を備えている。オスコネクタに対するカバーの着脱は、オスコネクタの先端にキャップを装着した状態で、オスコネクタの軸に直交する方向(半径方向)に沿ってオスコネクタを凹部に対して挿抜することにより行う。オスコネクタにカバーを装着したとき、オスコネクタの半径方向の一側面が、オスコネクタの全長にわたって外界に露出される。カバーは、オスコネクタに対するカバーの着脱が容易であるという利点を有する。その一方で、外力によってカバーがオスコネクタから意図せずに分離してしまう可能性が高い。
本発明の第1の目的は、オスコネクタが患者の下敷きになった場合に患者が感じる痛みを低減することにある。本発明の第2の目的は、カバーをオスコネクタに装着した状態で、オスコネクタに対してメスコネクタを接続及び分離することを可能にすることにある。本発明の第3の目的は、オスコネクタに対して着脱可能なカバーであって、カバーが装着されたオスコネクタを患者に留置したときにカバーがオスコネクタから意図せずに分離する可能性を低減することにある。
本発明のオスコネクタ用カバーは、一端に円筒形状のコネクタ主部を有し、他端に柔軟なチューブが導出された基端部を有するコネクタ本体と、前記コネクタ主部の先端に着脱可能なキャップと、前記コネクタ本体又は前記チューブとキャップとをつなぐバンドとを備えたオスコネクタに着脱することができる。前記カバーは、クッション性を有する材料からなる。前記カバーは、前記コネクタ主部を収容可能な収容部と、前記カバーを前記オスコネクタに装着したとき前記コネクタ主部の周方向に沿って延びるように設けられた連結部とを備える。前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着していないとき、前記カバーは前記コネクタ主部の先端を前記オスコネクタの軸方向に外界に向かって露出させることができ、且つ、前記バンドは前記連結部に対して前記基端部側に配置される。
本発明のカバーは、クッション性を有する材料からなる。カバーの収容部にコネクタ主部が収容されるようにカバーをオスコネクタに装着することができる。従って、本発明のカバーが装着されたオスコネクタが患者の下敷きになった場合に、患者が感じる痛みが低減される。
カバーをオスコネクタに装着し且つキャップをコネクタ主部に装着していないとき、コネクタ主部の先端をオスコネクタの軸方向に外界に向かって露出させることができる。従って、本発明のカバーをオスコネクタに装着した状態で、オスコネクタに対してメスコネクタを接続及び分離することが可能である。
カバーをオスコネクタに装着し且つキャップをコネクタ主部に装着していないとき、バンドは連結部に対して基端部側に配置される。オスコネクタを患者に留置するためにキャップをコネクタ主部に装着すれば、連結部は、コネクタ本体とバンドとによって取り囲まれる。従って、本発明のカバーが装着されたオスコネクタを患者に留置したとき、カバーがオスコネクタから意図せずに分離する可能性は低い。
図1Aは、オスコネクタと本発明の実施形態1にかかるカバーとを示した分解斜視図である。 図1Bは、図1Aの断面斜視図である。 図2Aは、本発明の実施形態1にかかるカバーの前側から見た正面図である。図2Bは、図2Aのカバーの側面図である。 図3Aは、本発明の実施形態1にかかるカバーをオスコネクタに装着し、キャップをコネクタ主部に装着していない状態を示した斜視図である。 図3Bは、図3Aの断面図である。 図4Aは、本発明の実施形態1にかかるカバーをオスコネクタに装着し、キャップをコネクタ主部に装着した状態を前側から見た斜視図である。 図4Bは、図4Aの状態を後ろ側から見た斜視図である。 図4Cは、図4Aの断面図である。 図4Dは、図4Aの正面図である。 図5Aは、本発明の実施形態1にかかるカバーを装着したオスコネクタにメスコネクタを接続した状態を示した斜視図である。 図5Bは、図5Aの断面図である。 図6は、本発明の実施形態2にかかるカバーの斜視図である。 図7Aは、図6のカバーの断面斜視図である。図7Bは、図6のカバーの別の面に沿った断面斜視図である。 図8Aは、図6のカバーの前側から見た正面図である。図8Bは、図6のカバーの第1側面図である。図8Cは、図6のカバーの第2側面図である。 図9Aは、本発明の実施形態2にかかるカバーをオスコネクタに装着し、キャップをコネクタ主部に装着していない状態を示した斜視図である。 図9Bは、図9Aの断面図である。 図9Cは、図9Aの別の面に沿った断面図である。 図10Aは、本発明の実施形態2にかかるカバーをオスコネクタに装着し、キャップをコネクタ主部に装着した状態を示した斜視図である。 図10Bは、図10Aの断面図である。 図11Aは、本発明の実施形態3にかかるカバーの斜視図である。図11Bは、図11Aのカバーの断面斜視図である。 図12Aは、本発明の実施形態3にかかるカバーの別の方向から見た斜視図である。図12Bは、図12Aのカバーの前側から見た正面図である。 図13は、本発明の実施形態3にかかるカバーをオスコネクタに装着し、キャップをコネクタ主部に装着していない状態を示した斜視図である。 図14Aは、本発明の実施形態3にかかるカバーをオスコネクタに装着し、キャップをコネクタ主部に装着した状態を示した斜視図である。 図14Bは、図14Aの断面図である。 図15は、本発明の実施形態4にかかるカバーの斜視図である。 図16Aは、図15のカバーの別の方向から見た斜視図である。図16Bは、図15のカバーの前側から見た正面図である。 図17Aは、本発明の実施形態1にかかるカバーの変形例を示した斜視図である。図17Bは、図17Aのカバーの断面斜視図である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記カバーの軸に沿って見た形状が略弧形状であるカバー本体を更に備えていてもよい。前記連結部は、前記カバー本体の対向する端面をつないでいていてもよい。前記カバー本体と前記連結部とが前記収容部を構成してもよい。かかる態様によれば、カバーの構成を簡単化することができる。なお、「略弧形状」とは、「円弧」のほか、厳密には円弧とはいえない湾曲形状(例えば楕円の一部)を含む。
本発明の一態様では、前記バンドが、前記コネクタ本体から導出されていていてもよい。かかる態様によれば、カバーを当該オスコネクタに装着し、キャップをコネクタ主部に装着すると、バンドは、湾曲して、必然的に連結部をまたぐ。
本発明の一態様では、前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき、前記バンドが前記連結部をまたいで前記コネクタ主部の先端側へ延びてもよい。かかる態様は、カバーが装着されたオスコネクタを患者に留置したとき、カバーがオスコネクタから意図せずに分離する可能性を低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記連結部の外面を底面とする溝を更に備えていてもよい。前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき、前記バンドは前記溝に収容されてもよい。かかる態様は、カバーが装着されたオスコネクタが患者の下敷きになった場合に、オスコネクタのバンドが患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、半径方向に沿った凹部を更に備えていてもよい。前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着していないとき、前記カバーが前記オスコネクタに対して回転しないように前記凹部が前記バンドに係合してもよい。かかる態様によれば、凹部がバンドに係合していれば、その後、キャップをコネクタ主部に装着するときに、カバーをオスコネクタに対して軸周りに位置合わせする必要がない。
本発明の一態様では、前記キャップは、前記コネクタ主部の先端を覆うことができる円形の封止板と、前記封止板から半径方向外向きに突出したタブとを備えていてもよい。前記バンドは、前記封止板の前記タブとは反対側の位置に接続されていてもよい。前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき、前記タブが前記カバーより半径方向外向きに突出しなくてもよい。キャップに設けられたタブは、コネクタ主部からキャップを取り外すのを容易にする。上記態様は、カバーが装着されたオスコネクタが患者の下敷きになった場合に、オスコネクタのタブが患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記カバーの軸に平行な第3方向に沿った第3外寸法と、前記第3方向に垂直である第1方向に沿った第1外寸法と、前記第1方向及び前記第3方向に垂直な第2方向に沿った第2外寸法とを有していてもよい。前記カバーは、前記第2外寸法及び前記第3外寸法より前記第1外寸法が小さな扁平形状を有していてもよい。かかる態様によれば、オスコネクタに装着したカバーは、寝具等の上で、カバーの第1方向が上下方向になるように向く可能性が高い。従って、カバー及びオスコネクタを、所望する向きに安定的に向かせることができる。
本発明の一態様では、前記基端部は、前記オスコネクタの軸に垂直な長軸を有していてもよい。前記カバーは、前記カバーの前記第2方向を前記基端部の前記長軸に平行にして前記オスコネクタに装着することができてもよい。かかる態様によれば、カバーが装着されたオスコネクタが、カバーの第1方向が上下方向に向いて患者の下敷きになった場合、基端部の長軸は水平方向に向く。これは、基端部が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記連結部は、前記第1方向に平行に延びていていてもよい。かかる態様によれば、カバーが装着されたオスコネクタが、カバーの第1方向が上下方向に向いて患者の下敷きになった場合、バンドは水平方向に突出する。これは、バンドが患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記カバーを前記オスコネクタに装着したとき前記基端部に半径方向に対向するように構成されたスカートを更に備えていてもよい。かかる態様によれば、カバーが装着されたオスコネクタが患者の下敷きになった場合に、オスコネクタの基端部が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記カバーの軸に平行な第3方向に沿った第3外寸法と、前記第3方向に垂直である第1方向に沿った第1外寸法と、前記第1方向及び前記第3方向に垂直な第2方向に沿った第2外寸法とを有していてもよい。前記カバーは、前記第2外寸法及び前記第3外寸法より前記第1外寸法が小さな扁平形状を有していてもよい。前記スカートは、前記第1方向に離間して対向する一対の対向部を備えていてもよい。前記カバーを前記オスコネクタに装着したとき、前記一対の対向部の間に前記基端部が配置されてもよい。かかる態様によれば、カバーが装着されたオスコネクタが、カバーの第1方向が上下方向に向いて患者の下敷きになった場合、基端部の上下に対向部が配置される。これは、基端部が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき前記キャップに半径方向に対向するように構成されたカラーを更に備えていてもよい。かかる態様によれば、カバーが装着されたオスコネクタが患者の下敷きになった場合に、オスコネクタのキャップが患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記カバーの軸に平行な第3方向に沿った第3外寸法と、前記第3方向に垂直である第1方向に沿った第1外寸法と、前記第1方向及び前記第3方向に垂直な第2方向に沿った第2外寸法とを有していてもよい。前記カバーは、前記第2外寸法及び前記第3外寸法より前記第1外寸法が小さな扁平形状を有していてもよい。前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき、前記カラーは前記キャップに前記第1方向に対向してもよい。かかる態様によれば、カバーが装着されたオスコネクタが、カバーの第1方向が上下方向に向いて患者の下敷きになった場合、カラーはキャップに上下方向に対向する。これは、キャップが患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記オスコネクタの前記コネクタ主部と前記基端部との間の段差に係合する係合構造を更に備えていてもよい。かかる態様によれば、カバーをオスコネクタに装着し且つキャップをコネクタ主部に装着していない状態において、カバーがオスコネクタに対して前方(基端部からコネクタ主部へ向く方向)へ移動するのを阻止するのに有利である。
本発明の一態様では、前記オスコネクタに装着された前記カバーを、前記カバーの軸と前記連結部とを含む面に垂直な方向に沿って見たとき、前記コネクタ本体は前記カバーからはみ出さなくてもよい。かかる態様によれば、カバーが装着されたオスコネクタが患者の下敷きになった場合に、コネクタ本体が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
本発明の一態様では、前記収容部に収容された前記コネクタ主部を見ることができるように前記カバーを貫通する貫通孔が前記カバーに設けられていてもよい。かかる態様によれば、例えば、コネクタ主部の外周面に記載された情報を、カバーがオスコネクタに装着された状態で、貫通孔を介して視認することができる。
本発明の一態様では、前記カバーの軸と前記連結部とを含む面に垂直な方向に沿って前記カバーを見たとき、前記カバーは前記カバーの軸に対して非対称であってもよい。かかる態様は、カバーに対してオスコネクタを挿抜する位置を認識するのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記カバーを前記オスコネクタに装着したとき前記基端部に半径方向に対向するように構成されたスカートを更に備えていてもよい。前記カバーの軸と前記連結部とを含む面に垂直な方向に沿って前記カバーを見たとき前記スカートの外周縁が前記カバーの軸に対して非対称になるように、前記カバーに切り欠きが設けられていてもよい。かかる態様によれば、オスコネクタをカバーに挿入するとき、カバーに対してオスコネクタを位置決めするために切り欠きを利用することができる。これは、オスコネクタに対するカバーの装着性の向上に有利である。
本発明の一態様では、前記カバーは、前記カバーの軸に垂直な方向に互いに反対側を向いた一対の側面を備えていてもよい。前記一対の側面のそれぞれは、凸曲面であってもよい。前記一対の側面は平坦面を介して接続されていてもよい。かかる態様は、カバーを金型を用いて成形して製造する場合に、カバーの製造を容易にするのに有利である。
本発明の一態様では、前記カバーの外面に孔が設けられていてもよい。かかる態様は、カバーの軽量化及びカバーのクッション性の調整をするのに有利である。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。各実施形態の説明において引用する図面において、先行する実施形態で引用した図面に示された部材に対応する部材には、当該先行する実施形態の図面で付された符号と同じ符号が付してある。そのような部材については、重複する説明が省略されており、先行する実施形態の説明を適宜参酌すべきである。
本発明において、部材(例えば、カバー、オスコネクタ)の「軸」は、当該部材の中心軸を意味する。「軸」は、部材に含まれる円の中心を通り、且つ/又は、部材に含まれる円筒の中心軸と一致する。軸に直交する直線に沿った方向を「半径方向」という。半径方向において、軸に近い側を「内」側、軸に遠い側を「外」側という。軸の周りを回転する方向を「周方向」という。
(実施形態1)
図1Aは、オスコネクタ900と、オスコネクタ900に装着する直前の本発明の実施形態1にかかるカバー1の斜視図である。図1Bは、図1Aの断面斜視図である。図1Bの断面は、同軸に配置されたカバー1及びオスコネクタ900の軸(図示せず)を含む。以下の説明の便宜のために、図示したようなXYZ直交座標系をカバー1及びオスコネクタ900のそれぞれに対して設定する。Z軸は、カバー1及びオスコネクタ900の軸と平行である。Z軸方向を、単に「軸方向」ということがある。軸方向(Z軸方向)において、Z軸の矢印の側(図1Aにおいて上側)を「前」側、これとは反対側(図1Aにおいて下側)を「後ろ」側という。
最初に、オスコネクタ900について説明する。オスコネクタ900は、経鼻経管栄養に使用される。オスコネクタ900は、一端に円筒形状のコネクタ主部910を備え、他端にチューブ909が導出された基端部920を備えたコネクタ本体901を有する。
図1Bに示されているように、コネクタ主部910は、中空の筒形状を有するオス部材911と、オス部材911を取り囲む外筒915とを有する。オス部材911の外周面912は、オス部材911の先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)である。オス部材911は、外周面912より先端側に、外周面912より大きなテーパ角度を有する先端テーパ面913を有する。オス部材911の先端(特に先端テーパ面913)は、外筒915の先端より、軸方向に突出している。外筒915よりも突出した先端テーパ面913は、キャップ930及びメスコネクタ950(後述する図5A及び図5B参照)のオスコネクタ900に対する接続を容易にする。オス部材911には、その長手方向(Z軸方向)に沿ってオス部材911を貫通する流路919が設けられている。外筒915は、略円筒形状を有し、オス部材911と同軸に、オス部材911から半径方向に離間して配置されている。外筒915のオス部材911に対向する内周面には雌ネジ916が設けられている。
基端部920は、オス部材911と同軸の接続筒921を備える。接続筒921は、中空の筒形状を有し、オス部材911と連通している。図1Aに示されているように、基端部920は、更に、接続筒921を取り囲むように設けられたグリップ部923を備える。本実施形態のグリップ部923は、全体として略四角柱形状を有する。グリップ部923のXY面に垂直な平面に沿った断面形状は、略長方形である。基端部920は、グリップ部923の略長方形の長辺に平行な長軸を有する。長軸は、Y軸に平行である。基端部920の長軸は、オスコネクタ900の軸(当該軸は、オス部材911、外筒915、及び接続筒921の中心軸により規定される。)に直交する平面(XY面)において、基端部920の外寸法が最大となる方向に沿った軸である。長軸及びオスコネクタ900の軸に直交する方向(X軸方向)を基端部920の「厚さ方向」という。基端部920の長軸方向(Y軸方向)に沿った寸法は外筒915の外径とほぼ同じである。基端部920の厚さ方向(X軸方向)に沿った寸法は外筒915の外径より小さく、接続筒921の外径と略同じである。基端部920(グリップ部923)は、YZ面に平行な平坦面であるグリップ面924を有する。作業者は、基端部920を、グリップ面924にて厚さ方向に把持することができる。長軸を有する基端部920は、作業者がオスコネクタ900にその軸周りの回転力を加えるのを容易にする。
基端部920から、柔軟な中空のチューブ909が導出されている。図1Bに示されているように、チューブ909は、接続筒921に挿入され、接着剤等により接続筒921に固定されている。オス部材911の流路919はチューブ909と連通している。チューブ909は、患者の鼻腔を通って胃又は食道にまで挿入された経鼻カテーテルであってもよい。あるいは、チューブ909は、経鼻カテーテルに接続されたチューブ(延長チューブ)であってもよい。チューブ909の外径は、患者の体格等に応じて適宜変更可能であり、一般に1~5mm程度である。
オスコネクタ900は、更に、キャップ930及びバンド935を備える。キャップ930は、略円板形状の封止板931と、封止板931から突出した円筒形状の封止筒932とを備える。キャップ930(または封止板931)の円形の外周縁から、タブ933が半径方向外向きに突出している。キャップ930の外周縁のタブ933とは反対側の位置から、Y軸と平行に、バンド935が延びている。バンド935は、キャップ930を、コネクタ本体901に固定されたリング937につなぐ。本実施形態では、リング937は、コネクタ主部910と基端部920との間に固定されている。リング937は、外筒915と略同じ外径を有する円環形状を有する。リング937の後端(基端部920側端)は、グリップ面924に対して半径方向外向きに突出した段差905を形成している(後述する図4B参照)。
キャップ930はコネクタ主部910の先端に繰り返し着脱可能である。経鼻経管栄養を行わない場合には、コネクタ主部910にキャップ930を装着した状態で、オスコネクタ900は患者に留置される(後述する図4A参照)。タブ933に指を掛けることにより、コネクタ主部910からのキャップ930の取り外しは容易である。バンド935は、コネクタ主部910から取り外されたキャップ930の紛失を防止する。
コネクタ本体901は、硬質材料を用いて全体を一部品として一体的に成形されうる。硬質材料は、外力によって実質的に変形しない程度の機械的強度(剛性)を有することが好ましい。具体的には、硬質材料として、例えば、ポリプロピレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、硬質ポリ塩化ビニル等の樹脂材料を用いることができる。コネクタ本体901が、別個に製造された複数の部品(例えば、外筒915と、外筒915を除く部分との2部品)を組み合わせて構成されていてもよい。この場合、複数の部品を構成する材料は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ上記硬質材料から選択することができる。
キャップ930、タブ933、バンド935、及びリング937は、コネクタ本体901に比べて変形が容易な軟質材料を用いて、全体を一部品として一体的に成形されうる。キャップ930を含むこれらの一体化品に使用しうる軟質材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の比較的硬質の樹脂材料、あるいは、ゴム(例えば、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム)または熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー)等のゴム弾性を有する軟質の材料(いわゆるエラストマー)を用いることができる。
オスコネクタ900の構成は、例示に過ぎず、特に、メスコネクタ950(後述する図5A、図5B参照)との接続に直接関与しない部分の構成は、適宜変更しうる。例えば、本実施形態では、リング937は、コネクタ主部910と基端部920との間の位置に設けられているが、リング937の位置はこれに限定されない。例えばリング937がコネクタ主部910(外筒915)の先端(前端)と後端(基端部920側端)との間の任意の位置に装着されていてもよく、この場合、コネクタ主部910(外筒915)の後端が、グリップ面924に対して半径方向外向きに突出した段差905を構成する。バンド935をオスコネクタ900に連結するための構成は、リング937に限定されない。例えば、二色成形等により、バンド935の基端がコネクタ主部910に埋め込まれていてもよい。この場合、リング937は不要である。キャップ930の構成も任意に変更しうる。キャップ930がタブ933を備えていなくてもよい。
カバー1について説明する。図2Aはカバー1の前側から見た正面図、図2Bはカバー1の側面図である。
カバー1は、全体として中空の円筒形状を有する。より詳細には、図2Aに示されているように、カバー1は、Z軸に沿って見た形状が略「C」字の円弧形状であるカバー本体15と、カバー本体15のX軸方向に対向する2端面をつなぐ連結部11とを備える。カバー本体15と連結部11とで囲まれたカバー1の内腔は、コネクタ主部910を収容可能な収容部10である。収容部10の内周面は円筒面であり、これは、カバー本体15と連結部11とで構成される。収容部10の当該円筒面の中心軸は、Z軸に平行であり、カバー1の軸(図示せず)を規定する。円筒面の内径は、コネクタ主部910(または外筒915)の外径と略同じかこれより小さいことが好ましい。収容部10の円筒面の内径がコネクタ主部910の外径より小さいと、カバー1をオスコネクタ900に装着したとき(図3A、図3B参照)、カバー1がオスコネクタ900から脱落しにくい。収容部10は、Z軸方向の両側に向かって開口している。カバー本体15の外周面16は、カバー1の軸と同軸の円筒面である。カバー本体15の半径方向の厚みは略一定である。カバー本体15の前端面17a及び後端面17b(図2B参照)は、XY面に平行な平坦面である。カバー本体15のZ軸方向寸法は、オスコネクタ900のコネクタ主部910のZ軸方向寸法と同じかこれより大きいことが好ましく、本実施形態1では、外筒915の先端から段差905までのZ軸方向寸法と略同じである。
連結部11は、カバー本体15より、半径方向の厚みが小さい。このため、連結部11は、カバー本体15の外周面16より半径方向内向きに後退し、連結部11に沿ってZ軸方向に延びた溝12が形成されている。連結部11の外面(半径方向外側を向いた面)は溝12の底面を構成する。また、連結部11は、カバー本体15より、Z軸方向寸法が小さい。詳細には、連結部11は、カバー本体15の後端面17bよりZ軸方向に後退し、後端面17bに、半径方向に沿って延びた凹部18が形成されている(図4B参照)。凹部18は、溝12に接続されている。また、連結部11は、カバー本体15の前端面17aよりZ軸方向に後退している。連結部11のZ軸方向寸法は、コネクタ主部910(または外筒915)の先端からバンド935までのZ軸に沿った長さと同じかこれより小さいことが好ましい。キャップ930をコネクタ主部910の先端に装着しやすくなるからである。
カバー1は、外力によって比較的容易に変形可能であり、且つ、外力を取り除くと直ちに変形前の状態(初期状態)に復元するクッション性(または、弾力性、被圧縮性)を有する材料(以下「クッション性材料」という)からなる。使用しうるクッション性材料としては、制限はないが、フォーム材(スポンジ)が好ましく、例えば、シリコーンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの樹脂材料を例示することができる。中でもポリウレタンフォームが好ましい。あるいは、クッション性材料として、熱可塑性エラストマー、ゴム、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等を用いてもよい。カバー1は、上記の材料を用いて、全体を一部品として一体的に製造することができる。子供がカバー1を誤飲するのを防止するために、苦味成分(例えば安息香酸デナトニウム)をカバー1に塗布してもよい。
オスコネクタ900にカバー1を装着する方法を説明する。
図1A及び図1Bに示すように、カバー1の後端面17bを、キャップ930が装着されていないコネクタ主部910の先端に対向させる。カバー1をオスコネクタ900と同軸に配置する。カバー1の連結部11の向きを、カバー本体15からバンド935が延びる方向(Y軸)に合わせる。そして、コネクタ主部910をカバー1内に挿入する。
図3Aは、オスコネクタ900に装着したカバー1の斜視図である。キャップ930はコネクタ本体901に装着されていない。この状態を、「カバー装着・キャップ非装着状態」という。図3Bは、図3AのYZ面に沿った断面図である。カバー1の収容部10(図1A参照)内にコネクタ主部910(外筒915)及びリング937が収容されている。連結部11は、コネクタ主部910(外筒915)の周方向に沿って延び、且つ、コネクタ主部910(外筒915)に半径方向に対向している。外筒915の先端は、カバー本体15の前端面17aと略同一平面に沿っている。オスコネクタ900の段差905(図1A参照)は、カバー本体15の後端面17bと略同一平面に沿っている(後述する図4B参照)。オスコネクタ900のバンド935は、カバー1の連結部11に対して基端部920側(後ろ側)に位置し、凹部18に収容され、連結部11に対して軸方向に対向(または当接)している。バンド935が連結部11に軸方向に当接することにより、カバー1に対するオスコネクタ900(コネクタ主部910)の挿入深さが制限される。バンド935は、連結部11よりも半径方向外向きに突出するようにY軸に沿って延びている。コネクタ主部910の先端は、カバー1で覆われることなく、軸方向に外界に向かって露出されている。本発明において「コネクタ主部910の先端が軸方向に外界に向かって露出されている」とは、コネクタ主部910を構成するオス部材911の先端及び外筒915の先端が外界に向かって(前方に向かって)露出され、オス部材911の流路919及びオス部材911と外筒915との間の隙間918が外界に向かって(前方に向かって)開放されていることを意味する。このため、図3A及び図3Bの状態(カバー装着・キャップ非装着状態)から、キャップ930をコネクタ主部910の先端に装着することができる。
図4Aは、カバー1をオスコネクタ900に装着し、キャップ930をコネクタ主部910に装着した状態を前側から見た斜視図である。この状態を、「カバー装着・キャップ装着状態」という。図4Bは、図4Aの状態を後ろ側から見た斜視図である。図4Cは図4Aの断面図、図4Dは図4Aの正面図である。
カバー1がオスコネクタ900のコネクタ主部910(または外筒915)の外周面及びリング937の外周面を覆っている。キャップ930は、カバー1の前端面17aよりも前方に突出している。オスコネクタ900の基端部920は、カバー1の後端面17bよりも後方に突出している。
図4Cに示されているように、オスコネクタ900のオス部材911と外筒915との間の隙間918に、キャップ930の封止筒932が挿入されている。封止筒932内にオス部材911が挿入され、封止筒932の内周面がオス部材911の外周面912に液密に密着している。キャップ930は、オスコネクタ900の流路919及び隙間918を塞いでいる。封止板931は、外筒915の外径とほぼ同じ直径を有する。タブ933及びバンド935は、封止板931及び外筒915よりも半径方向外向きに突出している。バンド935は、湾曲しながらカバー1の連結部11をまたいでコネクタ主部910の先端側へ延びている。連結部11は、バンド935と外筒915とによって取り囲まれている。
図4Dに示されているように、タブ933及びバンド935が、キャップ930(封止板931)からY軸方向に沿って互いに反対向きに突出している。但し、タブ933は、カバー本体15よりも半径方向外側に突出していない。また、バンド935は、カバー1の連結部11に沿った溝12内に収容されており、カバー本体15よりも半径方向外側に実質的に突出していない。即ち、半径方向外側に最も大きく突出しているのは、タブ933及びバンド935ではなく、カバー1(特にそのカバー本体15)である。
図4Aから分かるように、キャップ930及びタブ933はカバー1で覆われていないので、キャップ930をコネクタ主部910から取り外す(図3A及び図3B参照)ことができる。即ち、オスコネクタ900にカバー1を装着したままで、キャップ930を、コネクタ主部910に対して、装着(図4A~図4D参照)及び取り外し(図3A及び図3B参照)を繰り返し行うことができる。キャップ930をコネクタ主部910から分離した状態(図3A及び図3B参照)でオスコネクタ900をカバー1からZ軸に沿って後方に引き出せば、カバー1をオスコネクタ900から分離することができる(図1A及び図1B参照)。カバー1は、オスコネクタ900に対して繰り返し着脱可能である。
カバー1は例えば以下のように使用されうる。
カバー1は、オスコネクタ900に対して任意の時期に装着することができる。例えば、チューブ909(図1A参照)を患者に挿入する前に、カバー1をオスコネクタ900に装着することができる。あるいは、チューブ909を患者に挿入した後、即ち、オスコネクタ900がチューブ909とともに患者に留置されている状態で、カバー1をオスコネクタ900に装着することもできる。キャップ930をコネクタ主部910から分離した状態(図1A及び図1B参照)で、カバー1をオスコネクタ900に装着する(図3A及び図3B参照)。次いで、キャップ930をコネクタ主部910に装着する(図4A~図4D参照)。この状態(カバー装着・キャップ装着状態)で、カバー1は、オスコネクタ900及びチューブ909とともに患者に留置される。オスコネクタ900及びカバー1は、チューブ909を介して患者につながれているが、患者の体表面に固定されることなく、患者からは離間して自由に移動することができる。
経鼻経管栄養を行う場合、キャップ930をコネクタ主部910から分離する(図3A及び図3B参照)。そして、図5Aに示すように、オスコネクタ900にメスコネクタ950を接続する。図5Bは、図5AのYZ面に沿った断面図である。メスコネクタ950は、中空の筒形状を有するメス部材951を備える。メス部材951の内周面952は、メス部材951の先端に近づくにしたがって内径が大きくなるメステーパ面である。メス部材951の外周面には雄ネジ956が設けられている。メス部材951は、オス部材911と外筒915との間の隙間918に挿入される。メス部材951の雄ネジ956は外筒915の雌ネジ916と螺合する。オス部材911はメス部材951に挿入される。オス部材951の外周面(オステーパ面)912とメス部材951の内周面(メステーパ面)952とが液密にテーパ嵌合する。
メスコネクタ950は、更に、メス部材951と同軸の接続筒961を備える。接続筒961から、一対のグリップ部963(図5A及び図5Bでは1つのグリップ部963のみが見える)が半径方向外向きに突出している。グリップ部963は、オスコネクタ900のグリップ部923と同様に、作業者がメスコネクタ950にその軸周りの回転力を加えるのを容易にする。
接続筒961は、中空の筒形状を有し、メス部材951と連通している。柔軟な中空のチューブ959が接続筒961に挿入され、接着剤等により接続筒961に固定されている。チューブ959の基端(図示せず)は、液状物を貯留した容器(例えばバッグ)に接続されている。
図5A及び図5Bの状態で、液状物を、チューブ959、メスコネクタ950、オスコネクタ900、チューブ909に順に流して患者に投与する経鼻経管栄養を行うことができる。
その後、メスコネクタ950をオスコネクタ900から分離する(図3A及び図3B参照)。オスコネクタ900に付着した液状物を拭き取る。キャップ930をコネクタ主部910に装着する(図4A~図4D参照)。オスコネクタ900は、この状態(カバー装着・キャップ装着状態)で、チューブ909とともに患者に留置される。
以上のように、本実施形態1のカバー1は、カバー1をオスコネクタ900に装着し且つキャップ930をコネクタ主部910の先端に装着した状態(カバー装着・キャップ装着状態、図4A~図4D参照)で、オスコネクタ900とともに患者に留置される。カバー1は、コネクタ主部910を収容可能な収容部10を備える。オスコネクタ900において、硬く且つ半径方向外向きに最も大きく突出した部分であるコネクタ主部910(または外筒915)がカバー1内に収容される。カバー1は、コネクタ主部910よりも半径方向外向きに更に突出する。このため、カバー1が装着されたオスコネクタ900が患者の下敷きになったとしても、オスコネクタ900が患者に触れる可能性は低い。しかも、カバー1は、クッション性材料からなるので、患者の体重によって適宜変形する。カバー1が、患者がオスコネクタ900から受ける局所的な圧迫を緩和する。従って、カバー1は、オスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に患者が感じる痛みを低減することができる。オスコネクタ900が患者の下敷きになった状態が継続しても、患者に褥瘡が発生する可能性は低い。
カバー1をオスコネクタ900に装着し且つキャップ930をコネクタ主部910の先端に装着していない状態(カバー装着・キャップ非装着状態、図3A及び図3B参照)では、コネクタ主部910の先端は、オスコネクタ900の軸方向(Z軸方向)に、外界に向かって露出される。このため、上述した従来の特許文献1に記載されたカバーと異なり、カバー1をオスコネクタ900に装着した状態で、オスコネクタ900に対してキャップ930及びメスコネクタ950のいずれをも何度でも接続及び分離をすることができる。経鼻経管栄養を行うためには、コネクタ主部910からキャップ930を取り外し、代わりに、コネクタ主部910(オスコネクタ900)にメスコネクタ950を接続する必要がある。本実施形態1のカバー1を用いれば、経鼻経管栄養を行うのに先立ってカバー1をオスコネクタ900から分離する必要がない。このため、カバー1をオスコネクタ900から分離することによって発生しうる、カバー1の紛失や、カバー1の再装着忘れ等の問題が生じない。カバー装着・キャップ装着状態(図4A~図4D参照)で、キャップ930がコネクタ主部910から脱落したとしても、カバー1をオスコネクタ900から取り外すことなくキャップ930をコネクタ主部910に押し込んでしっかりと再装着することができる。
カバー装着・キャップ非装着状態(図3A及び図3B参照)では、バンド935は連結部11に対して基端部920側に配置される。連結部11は、カバー1がオスコネクタ900に対して後方に移動するのを規制する。その後、キャップ930をコネクタ主部910の先端に装着すれば、バンド935は湾曲して、連結部11をまたいでコネクタ主部910の先端側へ延びる(図4C参照)。連結部11は、コネクタ本体901(特にそのコネクタ主部910)とバンド935とによって取り囲まれる。バンド935は、連結部11(更にはカバー1)がオスコネクタ900に対してZ軸方向に移動するのを規制する。このため、カバー装着・キャップ装着状態のオスコネクタ900(図4A~図4D参照)を患者に留置したときに、カバー1がオスコネクタ900から意図せずに分離する可能性は低い。例えば、カバー装着・キャップ装着状態(図4A~図4D参照)においてチューブ909に引張り力が加えられるなどにより、オスコネクタ900にカバー1から引き出される向き(後ろ向き)の力が加えられても、オスコネクタ900がカバー1に対して位置ずれし、遂にはオスコネクタ900がカバー1から抜け出る可能性は低い。このため、カバー1は、オスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に患者が感じる痛みを確実に低減することができる。
連結部11は、収容部10を規定する内周面の一部を構成する。このため、連結部11は、コネクタ主部910をカバー1内に半径方向に位置決めする機能を有する。また、連結部11は、カバー装着・キャップ装着状態(図4A~図4D参照)では、バンド935に係合することによりカバー1に対してオスコネクタ900を軸方向に位置決めする機能をも有する。連結部11がこれら2つの機能を併せ持つので、カバー1の構成が簡単化されている。
バンド935は、コネクタ本体901の、コネクタ主部910と基端部920との間の位置から導出されている(図1A、図1B参照)。カバー1をオスコネクタ900に装着し、キャップ930をコネクタ主部910の先端に装着すると、バンド935は、湾曲して、必然的に連結部11をまたぐ(図4C参照)。このため、カバー1はこのようなオスコネクタ900と好相性である。
カバー1をオスコネクタ900に装着したとき、連結部11はバンド935に対して前側(コネクタ主部910の先端側)に配置される(図3A及び図3B参照)。これを実現するために、図1A及び図1Bに示されているように、カバー1をオスコネクタ900に着脱するとき、コネクタ主部910は連結部11より後ろ側のカバー1の開口(後端面17b側の開口)に挿抜される。カバー1をオスコネクタ900に着脱するために、カバー1にチューブ909を挿抜する必要はない。このため、既に、オスコネクタ900にチューブ909が接続され且つチューブ909が患者に挿入されている状態で、カバー1をオスコネクタ900に対して着脱することが可能である。例えばカバー1に汚れが付着する等した場合、オスコネクタ900及びチューブ909を患者に留置したままで、カバー1のみを新しいものに交換することが可能である。
カバー1の外周面16に、連結部11に沿った溝12が形成されている(図1A参照)。カバー装着・キャップ装着状態(図4A~図4D参照)では、バンド935は湾曲されて溝12内に収容される。このため、湾曲したバンド935が、コネクタ主部910(または外筒915)の円筒状の外周面から半径方向外向きに突出したとしても、バンド935がカバー1から半径方向外向きに突出するのを抑えることができる。これは、オスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に患者が湾曲したバンド935によって感じる痛みを低減するのに有利である。オスコネクタ900が患者の下敷きになった状態が継続しても、患者に褥瘡が発生する可能性は低い。溝12の半径方向に沿った深さは、バンド935の厚さ(図4Cにおいて、連結部11に半径方向に対向するバンド935の部分の半径方向に沿った寸法)以上であることが好ましい。なお、溝12内に収容されたバンド935は、カバー1から半径方向外向きに突出していないことが好ましいが、わずかに突出していてもよい。バンド935は、コネクタ主部910と異なり軟質で容易に変形可能であるので、バンド935によって患者が感じる痛みは、コネクタ主部910による痛みに比べて小さいからである。
カバー1の後端面17bに、半径方向に沿った凹部18が設けられている。凹部18は溝12に接続され、両者は連続している。カバー装着・キャップ非装着状態のとき、バンド935は凹部18に収容される(図3A及び図3B参照)。凹部18は、バンド935に係合して、カバー1がオスコネクタ900に対して軸周りに回転するのを規制する。その後、バンド935が凹部18に収容された状態でキャップ930をコネクタ主部910に装着すれば、バンド935は溝12に確実に収容される。カバー1をオスコネクタ900に装着したときにバンド935を凹部18に係合させておけば(図3A及び図3B参照)、その後、キャップ930をコネクタ主部910に装着するときに、カバー1をオスコネクタ900に対して軸周りに位置合わせする必要がない。
カバー装着・キャップ装着状態(図4A~図4D参照)において、キャップ930のタブ933はカバー1より半径方向外向きに突出しない。これは、オスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に患者がタブ933によって感じる痛みを低減するのに有利である。オスコネクタ900が患者の下敷きになった状態が継続しても、患者に褥瘡が発生する可能性は低い。
カバー装着・キャップ装着状態(図4A~図4D参照)において、キャップ930及び基端部920は、カバー1よりも軸方向(Z軸方向)に突出している(図4A~図4C参照)。しかしながら、オスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に患者がキャップ930及び基端部920によって痛みを感じる可能性は低い。これは、オスコネクタ900が患者の下敷きになる場合、通常、オスコネクタ900の長軸(外寸法が最大になる方向に沿った軸、即ちZ軸)は水平方向に向き、カバー1がキャップ930及び基端部920よりも半径方向外向きに突出しているからである。
実施形態1は例示に過ぎず、実施形態1を適宜変更することができる。
本実施形態1では、カバー1の連結部11と前端面17aとの間に、Z軸方向の段差が形成されていたが(図1A参照)、この段差は本発明では必須ではない。例えば、連結部11と前端面17aとがXY面に平行な共通する一平面に沿っていてもよい。
カバー1が凹部18を有していなくてもよい。例えば、連結部11と後端面17bとがXY面に平行な共通する一平面に沿っていてもよい。連結部11のZ軸方向寸法は、カバー本体15のZ軸方向寸法と同じであってもよい。
カバー本体15のZ軸方向寸法は適宜変更することができる。カバー本体15のZ軸方向寸法は、コネクタ主部910(または外筒915)のZ軸方向寸法より大きいことが好ましく、外筒915の先端からリング937の下端(または段差905)までのZ軸方向寸法以上であることがより好ましい。これは、相対的に硬質の材料からなるコネクタ主部910(または外筒915)が患者に触れる可能性が低下するからである。従って、カバー1をオスコネクタ900に装着したとき、コネクタ主部910(または外筒915)はカバー本体15の前端面17aから前方に向かって突出しないことが好ましく、また、リング937(または段差905)はカバー本体15の後端面17bから後方に向かって突出しないことが好ましい。カバー1が基端部920の一部または全部を半径方向に覆うように、カバー1をオスコネクタ900に装着したときにカバー1がリング937(または段差905)を越えて後方に延びていてもよい。但し、本発明では、カバー1をオスコネクタ900に装着したとき、コネクタ主部910(または外筒915)の先端がカバー本体15の前端面17aから前方に向かって突出していてもよい。また、カバー1をオスコネクタ900に装着したとき、リング937(または段差905)がカバー本体15の後端面17bから後方に向かって突出していてもよい。コネクタ主部910(または外筒915)及び/又はリング937(または段差905)がカバー本体15から軸方向に突出していても、カバー本体15から突出した部分の突出長がわずかであれば、オスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に、当該突出した部分が患者に触れる可能性は低いからである。また、相対的に軟質の材料からなるリング937が患者に触れたとしても、患者がリング937によって感じる痛みは相対的に小さい。
カバー本体15の外周面16のZ軸に沿って見た形状は、円形である必要はなく、例えば後述する実施形態2のカバー本体215と同様に略楕円形であってもよい。この場合、実施形態2と同様に、略楕円形の長軸上に連結部11が配置されることが好ましい。
カバー1が、後述する実施形態2のカバー2が有する貫通孔19を備えていてもよい。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2にかかるカバー2の斜視図である。図7AはYZ面に沿ったカバー2の断面斜視図、図7BはXZ面に沿ったカバー2の断面斜視図である。図8Aはカバー2の前側から見た正面図、図8BはX軸に沿って見たカバー2の側面図、図8CはY軸に沿って見たカバー2の側面図である。
図8Aに示されているように、カバー2は、Z軸に沿って見た形状が略「C」字の弧形状であるカバー本体215と、カバー本体215のX軸方向に対向する2端面をつなぐ連結部11とを備える。カバー本体215と連結部11とで囲まれたカバー2の内腔は、コネクタ主部910を収容可能な収容部10である。収容部10の内周面は円筒面であり、これは、カバー本体215と連結部11とで構成される。収容部10の当該円筒面の中心軸は、Z軸に平行であり、カバー2の軸(図示せず)を規定する。連結部11に沿ってZ軸方向に延びた溝12が形成されている。連結部11の外面(半径方向外側を向いた面)が溝12の底面を構成する。カバー2は、以下に詳述するように、カバー1と形状において異なる。
カバー2は、カバー本体215から後方に向かって延びたスカート220を備える。スカート220は、XY面に沿った断面形状が略「U」字であり、略「U」字の断面形状は、XY面においてカバー本体215と同じ側(Y軸の矢印とは反対側、以下「連結部11側」という)に向かって開放されている。スカート220のうち、X軸方向に、互いに離間し且つ対向している部分は、対向部221である。一対の対向部221間の隙間は、連結部11側及び後方に向かって開放されており、また、収容部10、溝12、及び凹部18と連通している。一対の対向部221の互いに対向する面(対向部221の内面)は、YZ面に平行な略平坦面である。一対の対向部221間のX軸方向に沿った間隔は、オスコネクタ900の基端部920(またはグリップ部923、図1A参照)の厚さ方向寸法と略同じであり、また、溝12及び凹部18のX軸方向内寸法と同じであり、収容部10を規定する円筒面の内径よりより小さい。このため、収容部10と対向部221との間に、X軸方向の内寸法の差に依拠した段差面225が形成されている(図7A、図7B参照)。段差面225は、XY面に平行な平坦面である。
カバー2は、カバー本体215から前方に向かって突出した一対のカラー230を更に備える。カラー230は、Y軸に沿って延びたリブである。一対のカラー230は、X軸方向に、互いに離間し且つ対向している。一対のカラー230間の隙間は、前方に向かって開放されており、また、収容部10及び溝12と連通している。
カバー本体215には、カバー本体215をX軸方向に貫通する貫通孔219が形成されている。貫通孔219は、収容部10と外界とを連通させている。
図8A~図8Cに示されているように、カバー2の外観形状は、全体として、Y軸方向に沿った第2外寸法L2及びZ軸方向に沿った第3外寸法L3に比べてX軸方向に沿った第1外寸法L1が小さな扁平形状を有する(L1<L2、L1<L3)。X軸方向外側に向いた2側面216は、いずれもドーム状に膨らんだなめらかな凸曲面である。2側面216は、カバー2の軸を含むYZ面に対して対称である。
カバー2は、実施形態1で説明したオスコネクタ900(図1A及び図1B参照)に着脱することができる。スカート220(または一対の対向部221間)にオスコネクタ900のコネクタ主部910を挿抜することにより、カバー2をオスコネクタ900に着脱することができる。実施形態1とは異なり、X軸に沿って見たとき、カバー2の軸に対して連結部11側において、カバー2の軸に対して斜めにコネクタ主部910を挿抜することができる。一対の対向部221間の間隔は、コネクタ主部910(外筒915)の外径より小さい。しかしながら、カバー2はクッション性材料からなるので、コネクタ主部910がスカート220を通過するとき、一対の対向部221間の間隔が拡大するように、スカート220は容易に変形する。
図9Aは、オスコネクタ900に装着したカバー2の斜視図である。キャップ930はコネクタ主部910に装着されていない(カバー装着・キャップ非装着状態)。図9BはYZ面に沿った図9Aの断面図、図9CはXZ面に沿った図9Aの断面図である。カバー2の収容部10(図7A、図7B、図8A参照)内にコネクタ主部910(外筒915)及びリング937が収容されている。連結部11は、コネクタ主部910(外筒915)に半径方向に対向している。オスコネクタ900の段差905(図1A参照)は、カバー2の段差面225(図7B、図7C参照)とZ軸方向に対向(または当接)している。カバー2に設けられた貫通孔219を介してコネクタ主部910(外筒915)が外界に露出されている。オスコネクタ900のバンド935は、カバー2の連結部11に対して基端部920側(後ろ側)に位置し、凹部18に収容され、連結部11に対して軸方向に対向(または当接)している。バンド935は、連結部11よりも半径方向外向きに突出するようにY軸に沿って延びている。オスコネクタ900の基端部920は、スカート220内(または一対の対向部221間)に配置され、スカート220によって実質的に覆われている。基端部920のグリップ面924(図1A参照)にスカート220(または対向部221)がX軸方向に対向している。基端部920から導出されたチューブ909が、スカート220(または一対の対向部221間)からZ軸に沿って導出されている。一対のカラー230がコネクタ主部910(外筒915)の先端よりも前方に向かって突出している。但し、実施形態1と同様に、コネクタ主部910の先端は、カバー2で覆われることなく、軸方向に外界に向かって(前方に向かって)露出されている。X軸方向に沿って見たとき、コネクタ本体901は、カバー2の外周縁からはみ出すことなく、カバー2内に収容されている。図9A~図9Cの状態(カバー装着・キャップ非装着状態)から、キャップ930をコネクタ主部910に装着することができる。
図10Aは、カバー2をオスコネクタ900に装着し、キャップ930をコネクタ主部910に装着した状態(カバー装着・キャップ装着状態)を上方から見た斜視図である。図10Bは、図10AのYZ面に沿った断面図である。
図10Bに示されているように、バンド935は、カバー2の連結部11に沿った溝12内に収容され、湾曲しながらカバー2の連結部11をまたいでコネクタ主部910の先端側へ延びている。連結部11は、バンド935と外筒915とによって取り囲まれている。半径方向外向きに最も大きく突出しているのは、タブ933及びバンド935ではなく、カバー2である。X軸に沿って見たとき、キャップ930の一部を除いて、オスコネクタ900はカバー2の外周縁からはみ出していない。
実施形態1と同様に、キャップ930をコネクタ主部910から取り外す(図9A~図9C参照)ことができる。即ち、オスコネクタ900にカバー2を装着したままで、キャップ930を、コネクタ主部910に対して、装着(図10A及び図10B参照)及び取り外し(図9A~図9C参照)を繰り返し行うことができる。キャップ930をコネクタ主部910から分離した状態(図9A~図9C参照)でオスコネクタ900をスカート220(または一対の対向部221間)から引き出せば、カバー2をオスコネクタ900から分離することができる。カバー2は、オスコネクタ900に対して繰り返し着脱可能である。
カバー2は、実施形態1のカバー1と同様に使用することができる。カバー2は、カバー2をオスコネクタ900に装着し且つキャップ930をコネクタ主部910に装着した状態(カバー装着・キャップ装着状態、図10A及び図10B参照)で、患者に留置される。経鼻経管栄養を行う場合、キャップ930をコネクタ主部910から分離する(図9A~図9C参照)。そして、図示を省略するが、オスコネクタ900にメスコネクタ950(図5A及び図5B参照)を接続する。経鼻経管栄養を終了後、メスコネクタ950をオスコネクタ900から分離し(図9A~図9C参照)、代わりにキャップ930をコネクタ主部910に装着する(図10A及び図10B参照)。オスコネクタ900は、この状態(カバー装着・キャップ装着状態)で、チューブ909とともに患者に留置される。
本実施形態2のカバー2は、収容部10を構成するカバー本体215から後方に向かって延びたスカート220を備える。オスコネクタ900は、スカート220(または一対の対向部221間)を介してカバー2に挿抜される。より詳細には、オスコネクタ900は、コネクタ主部910及び基端部920の順にスカート220に挿入される。その後、オスコネクタ900は、基端部920及びコネクタ主部910の順にスカート220から引き出される。
カバー2をオスコネクタ900に装着したとき、スカート220は基端部920に半径方向に対向する。このため、カバー2が装着されたオスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に、基端部920が患者に触れる可能性は実施形態1より更に低い。スカート220は、カバー2が装着されたオスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に、基端部920が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
カバー2は、更に、カバー本体215から前方に向かって延びた一対のカラー230を備える。カバー装着・キャップ装着状態(図10A及び図10B参照)において、一対のカラー230は、キャップ930をその間に挟んで、キャップ930に半径方向に対向する。このため、カバー2が装着されたオスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に、キャップ930が患者に触れる可能性は実施形態1より更に低い。カラー230は、カバー2が装着されたオスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に、キャップ930が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
このように、本実施形態2のカバー2は、カバー本体215に加えて、スカート220及びカラー230を備える。このため、カバー2は、オスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に患者が感じる痛みを更に低減することができる。オスコネクタ900が患者の下敷きになった状態が継続しても、患者に褥瘡が発生する可能性は更に低下する。
一対のカラー230間の間隔は、前方に向かって大きくなる。このため、作業者は、カバー装着・キャップ装着状態(図10A及び図10B参照)において、キャップ930(封止板931)及びタブ933に容易にアクセスすることができる。コネクタ主部910からキャップ930を取り外す作業が容易である。
カバー装着・キャップ装着状態(図10A及び図10B参照)において、タブ933はカバー2の前端面17aからZ軸方向に離間する(図10B参照)。このため、前端面17aからカラー230が前方に向かって突出しているにもかかわらず、キャップ930をコネクタ主部910から分離するためにタブ933に指を掛けるのが容易である。
実施形態1と同様に、カバー2をオスコネクタ900に装着し且つキャップ930をコネクタ主部910の先端に装着していない状態(カバー装着・キャップ非装着状態、図9A~図9C参照)では、コネクタ主部910の先端は、オスコネクタ900の軸方向(Z軸方向)に、外界に向かって露出される。このため、カバー2をオスコネクタ900に装着した状態で、オスコネクタ900に対してキャップ930及びメスコネクタ950のいずれをも何度でも接続及び分離をすることができる。
実施形態1と同様に、カバー装着・キャップ非装着状態(図9A~図9C参照)では、バンド935は連結部11に対して基端部920側に配置される。その後、キャップ930をコネクタ主部910の先端に装着すれば、バンド935は湾曲して、連結部11をまたいでコネクタ主部910の先端側へ延びる(図10B参照)。連結部11は、コネクタ本体901(特にそのコネクタ主部910)とバンド935とによって取り囲まれる。カバー装着・キャップ装着状態のオスコネクタ900(図10A及び図10B参照)を患者に留置したときに、カバー2がオスコネクタ900から意図せずに分離する可能性は低い。
カバー2は、収容部10とスカート220(またはその対向部221)との間に、段差面225(係合構造)を備える。段差面225は、カバー2をオスコネクタ900に装着したとき、オスコネクタ900の段差905にZ軸方向に係合する。段差905は、カバー装着・キャップ非装着状態(図9A~図9C参照)において、カバー2がオスコネクタ900に対して前方へ移動するのを阻止するように機能する。このため、例えば、経鼻経管栄養を行うためにキャップ930をコネクタ主部910から分離したとき、カバー2がオスコネクタ900から意図せずに脱落するのを防止できる。また、オスコネクタ900にメスコネクタ950を接続して経鼻経管栄養を行っている状態において、カバー2がメスコネクタ950側へ移動するのを防止できる。
段差面225は、収容部10とスカート220との間のX軸方向の内寸法の差に依拠して形成されている。この段差面225が、オスコネクタ900が係合する係合構造として機能する。このため、係合構造を特別に設ける必要がない。これは、カバー2の構造を簡単化するのに有利である。
カバー2は、Y軸方向に沿った第2外寸法L2及びZ軸方向に沿った第3外寸法L3よりX軸方向に沿った第1外寸法L1が小さな扁平形状を有している(図8A~図8C参照)。従って、カバー装着・キャップ装着状態(図10A及び図10B参照)において、カバー2(図10A及び図10B参照)は、寝具等の上で、相対的に小さな外寸法を有するカバー2のX軸方向が上下方向になるように向く可能性が高い。
カバー2は、カバー2のY軸が基端部920の長軸(即ち、オスコネクタ900のY軸)と平行になるようにオスコネクタ900に装着される。このため、寝具等の上で、カバー2のX軸が上下方向に向いたとき、基端部920(グリップ部923)の長軸は水平方向と平行になる。これは、基端部920(グリップ部923)の長軸が上下方向と平行になる場合に比べて、患者の下敷きになったオスコネクタ900の基端部920が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
カバー2のスカート220は、X軸方向に対向する一対の対向部221を備える。カバー2をオスコネクタ900に装着したとき、一対の対向部221の間に基端部920が配置される。このため、寝具等の上で、カバー2のX軸が上下方向に向いたとき、基端部920に対して上下に対向部221が配置される。これは、カバー2が装着されたオスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に、基端部920が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
カバー2は、X軸方向に対向した一対のカラー230を備える。カバー装着・キャップ装着状態(図10A及び図10B参照)において、一対のカラー230の間にキャップ930が配置される。このため、寝具等の上で、カバー2のX軸が上下方向に向いたとき、キャップ930に対して上下にカラー230が配置される。これは、カバー2が装着されたオスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に、キャップ930が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
連結部11は、X軸方向に延び、X軸方向に対向するカバー本体215の端面をつなぐ(図8A参照)。このため、カバー装着・キャップ装着状態のオスコネクタ900(図10A及び図10B参照)が、カバー2のX軸が上下方向に向いて患者の下敷きになった場合、バンド935は水平方向に突出する。これは、バンド935が上下方向に突出する場合に比べて、バンド935が患者に与える痛みを低減するのに有利である。同様に、封止板931に設けられたタブ933も、水平方向に突出する。これは、タブ933が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
オスコネクタ900に装着されたカバー2をX軸に沿って見たとき、コネクタ本体901はカバー2の外周縁からはみ出さない(図10B参照)。このため、カバー装着・キャップ装着状態のオスコネクタ900(図10A及び図10B参照)が、カバー2のX軸方向を上下方向にして患者の下敷きになった場合に、硬質のコネクタ本体901が患者に触れる可能性は更に低減する。これは、オスコネクタ900が患者の下敷きになった場合にコネクタ本体901が患者に与える痛みを低減するのに有利である。
貫通孔19を介して内腔10に収容されたオスコネクタ900(特にコネクタ主部910)を視認することができる(図9A、図9C、図10A参照)。コネクタ主部910(外筒915)の外周面に、オスコネクタ900またはチューブ909の寸法等に関する情報が記載されている場合がある。このような場合に、カバー2をオスコネクタ900に装着した状態で、貫通孔19を介して当該情報を視認することができる。なお、貫通孔19の数は2つである必要はなく、1つであってもよい。本発明では、貫通孔19を省略してもよい。
実施形態2は例示に過ぎず、実施形態2を適宜変更することができる。
例えば、オスコネクタ900に装着されたカバー2をX軸に沿って見たとき、基端部の一部がスカート220の外周縁からはみ出してもよい。カバー装着・キャップ装着状態のオスコネクタ900(図10A及び図10B参照)をX軸に沿って見たとき、カラー230によってキャップ930が見えなくてもよい。
オスコネクタ900に係合することができるカバー2の係合構造は、オスコネクタ900の段差905(図1A参照)に係合する段差面225(図6B、図6C参照)に限定されない。例えば、係合構造は、オスコネクタ900の基端部920(特にそのグリップ部923)の後端にZ軸方向に係合してもよい。
カバーが係合構造(段差面225)を備えていなくてもよい。例えば、スカート220内に、収容部10と連続する円筒面が形成されていてもよい。
カバー2が、スカート220及びカラー230のうちのいずれか一方を備えていなくてもよい。カバー2がカラー230を備えていない場合、カバー装着・キャップ非装着状態のオスコネクタ900をX軸及び/又はY軸に沿って見たとき、コネクタ主部の一部がカバーで覆われることなく、外界に向かって露出されてもよい。
カバー2の外観形状は、任意に変更できる。
例えば、カバーの外観形状は、X軸方向に沿った第1外寸法L1が相対的に小さな扁平形状に限定されない。例えば、X軸方向に沿った第1外寸法L1とY軸方向に沿った第2外寸法L2とが略同じであってもよい。具体的には、カバー2の外観形状は、円柱、多角柱(例えば四角柱、六角柱)、立方体、球、ラグビーボール形などであってもよい。このような形状のカバーは、寝具等の上で、そのX軸方向が常に上下方向に向くとは限らない。しかしながら、カバーの半径方向寸法(厚み)を大きくすることにより、カバーの向きにかかわらず、コネクタ900が患者の下敷きになった場合に患者が感じる痛みを低減することが可能である。
カバー2のX軸に沿って見た形状も、卵形(または楕円形)、矩形、菱形、六角形、八角形、陸上競技のトラック形などであってもよい。一般に、コネクタ900の長軸方向は、その軸方向であることから、カバー2は、その軸方向(Z軸方向)に長軸を有することが好ましい。
オスコネクタ900にメスコネクタ950を接続したとき、カラー230がメスコネクタ950と半径方向に対向するように、カラー230が前方に向かって更に長く延びていてもよい。
カラー230が、カバー本体215の前端面17aに沿って略「U」字状(または略「C」字状)に連続していてもよい。
一対のカラー230間の隙間は、軸方向において一定であってもよく、あるいは、前方に向かって小さくなっていてもよい。カラー230が、その先端に向かって、カバーの軸に近づくように湾曲していてもよい。例えば、カバー装着・キャップ非装着状態のオスコネクタ900をカバーの軸に沿って見たとき、コネクタ主部910の一部又は全部がカラー230で覆われてもよい。この場合であっても、カバーはクッション性材料からなるので、カラー230を半径方向外向きに変形させてコネクタ主部910の先端を軸方向に外界に向かって露出させることができる。従って、上記実施形態2と同様に、カバーをオスコネクタ900に装着した状態で、オスコネクタ900に対してキャップ300及びメスコネクタ950を接続及び分離することが可能である。
本実施形態2は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が、本実施形態2にも適用される。
(実施形態3)
図11Aは、本発明の実施形態3にかかるカバー3の斜視図である。図11Bは、YZ面に沿ったカバー3の断面斜視図である。図12Aは、カバーの別の方向から見た斜視図である。図12Bは、カバー3の前側から見た正面図である。図13は、オスコネクタ900に装着したカバー3の斜視図である。キャップ930はコネクタ主部910に装着されていない(カバー装着・キャップ非装着状態)。図14Aは、カバー3をオスコネクタ900に装着し、キャップ930をコネクタ主部910に装着した状態(カバー装着・キャップ装着状態)を示した斜視図である。図14Bは、図14AのYZ面に沿った断面図である。
本実施形態3では、カバー3のスカート220に切り欠き323が設けられている。切り欠き323は、X軸に沿って見たとき、対向部221の外周縁に凹曲線を形成する(図14B参照)。切り欠き323は、X軸に沿って見たとき、カバー3の軸(これは、円筒状の収容部10の軸と一致する)に対して連結部11側であって、連結部11より後方に配置されている。対向部221の外周縁から収容部10までの距離は、切り欠き323の位置において、ほぼ最小となる。
カバー3は、実施形態2のカバー2と同様に、実施形態1で説明したオスコネクタ900(図1A及び図1B参照)に着脱することができる。着脱は、スカート220(または一対の対向部221間)にオスコネクタ900(特にコネクタ主部910)を挿抜することにより行う。
上述した実施形態2のカバー2は、X軸に沿って見たとき、カバー2の軸(これは、円筒形状を有する収容部10の中心軸によって規定される)に対して対称であった(図8B参照)。このため、X軸に沿って見ただけでは、カバー2のどちら側(図8Bの右側または左側)に連結部11があるのかが不明である。軸周りにカバー2をわずかに回転させて、連結部11を確認する必要がある。
これに対して、本実施形態3のカバー3は、X軸に沿って見たとき、カバー3の軸に対して非対称である。連結部11は、カバー3の軸に対して切り欠き323と同じ側に配置されている。従って、カバー3にオスコネクタ900を挿入する場合、例えば、右手でオスコネクタ900を持ち、左手でカバー3を、切り欠き323がオスコネクタ900側(右側)を向くように持てばよい。カバー3からオスコネクタ900を引き出す場合には、例えば左手でカバー3を、切り欠き323を右側に向けて持ち、右手で切り欠き323を介して基端部920を掴めばよい。このように、切り欠き323は、X軸に沿ってカバー3を見るだけで、カバー3に対してオスコネクタ900を挿抜する位置を認識するのを可能にする。
カバー3にオスコネクタ900を挿入する場合、切り欠き323によって形成された対向部221の外周縁の凹曲線に、コネクタ主部910を押し当てることができる。一対の対向部221間の間隔より大径のコネクタ主部910が対向部221の外周縁に沿って滑ることなく、コネクタ主部910を対向部221に位置決めすることができる。このため、オスコネクタ900に対するカバー3の装着性が向上する。
更に、カバー3をオスコネクタ900に装着する場合、切り欠き323の位置からコネクタ主部910をカバー3に挿入すれば、コネクタ主部910を収容部10に最短距離で到達させることができる。同様に、カバー3をオスコネクタ900から分離する場合、コネクタ主部910を切り欠き323に向かって移動させれば、コネクタ主部910を収容部10から最短距離で引き出すことができる。このように、オスコネクタ900に対してカバー3を着脱するときの目印として切り欠き323を利用することにより、一対の対向部221間を、これより大径のコネクタ主部910が通過する距離が短くなる。このため、オスコネクタ900に対するカバー3の着脱性が向上する。
図12Aに示されているように、カバー3は、その外面に平坦面327を備える。平坦面327は、Y軸方向において、連結部11(または溝12)とは反対側の位置に設けられている。平坦面327は、XZ面に平行な平面である。それぞれが凸曲面である一対の側面216は、平坦面327を介して連結されている。平坦面327は、カバー3を金型を用いて成形して製造する場合に、カバー3の製造を容易にするのに有利である。その理由は以下の通りである。
本発明のカバーは、金型内で樹脂材料を射出成形することにより製造することができる。当該金型は、複数の金型ピースを組み合わせて構成される。この場合、金型ピースの位置ずれや、隣り合う金型ピース間に隙間が生じることがある。これらは、成形後のカバーにバリを生じさせうる。本実施形態3では、隣り合う金型ピースの突き合わせ面(一般にパーティング面と呼ばれる)が平坦面327上に配置されるように、金型を設計することができる。これにより、上記の位置ずれや隙間が生じにくい金型の製造が容易になり、カバーにバリが発生するのを抑えることができる。
本実施形態3の平坦面327は、XZ面に平行であるが、これに限定されない。一般に、平坦面327は、カバー3を成形する金型の分割方向(例えばX軸方向、即ち連結部11の延び方向)に平行であることが好ましい。
カバー3が、実施形態2のカバー2が有していた貫通孔19を備えていてもよい。
本実施形態3は、上記を除いて実施形態1,2と同じである。実施形態1,2の説明が、本実施形態3にも適用される。
(実施形態4)
図15は、本発明の実施形態4にかかるカバー4の斜視図である。図16Aは、カバー4の別の方向から見た斜視図である。図16Bは、カバー4の前側から見た正面図である。
本実施形態4のカバー4は、その外観形状において実施形態3のカバー3と異なる。図16Aをカバー3を示す図12Aと比較すれば容易に理解できるように、カバー4では、平坦面427(カバー3の平坦面327に相当する)のX軸方向寸法が縮小されている。凸曲面である一対の側面216が連結部11(または溝12)とは反対側に延び、細い平坦面427に接続されている。このため、図16Bを図8A及び図12Bと比較すれば分かるように、連結部11(または溝12)とは反対側のカバー4の外面は、尖った角部がない、実質的になめらかな凸曲面である。カバー4は、カバー4が装着されたオスコネクタ900が患者の下敷きになった場合に、患者が感じる痛みを低減するのに有利である。
カバー4が、実施形態2のカバー2が有していた貫通孔19を備えていてもよい。
本実施形態4は、上記を除いて実施形態3と同じである。実施形態3の説明、及び、実施形態3に適用される実施形態1,2の説明が、本実施形態4にも適用される。
上記の実施形態1~4は例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態1~4に限定されず、適宜変更することができる。
カバーに設けられる連結部11の数は、1つに限定されない。例えば、カバーが、その軸に対して対称に配置された2つの連結部11を有していてもよい。この場合、カバーが、その軸に対して2回回転対称(軸周りに180度回転させると回転前と一致する形状)であってもよい。カバーが複数の連結部11を備える場合、オスコネクタ900にカバーを装着するときに、オスコネクタ900に対するカバーの軸周りの位置合わせが簡単化される。
本発明のカバーの外面には、実施形態2の貫通孔(第1孔)19(図6、図7A、図7B参照)以外に、孔(第2孔)が設けられていてもよい。図17A及び図17Bは、実施形態1のカバー1の外面に多数の孔119が設けられたカバー1’を示す。孔119は、Z軸方向に沿ってカバー1’(特にそのカバー本体15)を貫通している。Z軸に沿って見たとき、孔119は、それぞれが正六角形の平面視形状を有し、カバー本体15にハニカム状に配置されている。本発明のカバーの外面に設けることができる孔は、孔119に限定されない。図17A及び図17Bでは孔119はカバー1’を貫通した貫通孔であるが、本発明のカバーに設けられうる孔はカバーを貫通していない非貫通孔(いわゆる盲孔)であってもよい。非貫通孔の深さは任意であり、孔の開口径に比べて孔の深さが深くてもよく、または浅くてもよい。孔の平面視形状は、正六角形に限定されず、例えば円形や任意の多角形(四角形、八角形など)であってもよい。孔の配置は、ハニカム配置に限定されない。孔は、カバー本体15以外のカバーの外面(例えば連結部11)に設けられていてもよい。孔は、Z軸に略垂直な端面(17aまたは17b)以外のカバーの外面(例えば、図1Aのカバー1の外周面16)に設けられていてもよい。孔は、Z軸方向以外の任意の方向(例えば半径方向)に沿って延びていてもよい。孔の数は任意である。複数の孔がカバーに均等に配置されている必要はなく、カバーの特定の領域のみに配置されていていもよい。このような孔をカバーの外面に設けることは、カバーの外寸法や外観形状を実質的に変更することなく、カバーの軽量化及びカバーのクッション性の調整をするのに有利である。実施形態2~4のカバー2~4の外面に、上記と同様の孔を設けてもよい。
カバーが装着されるオスコネクタ900の構成は、上記の実施形態に限定されない。オスコネクタに応じてカバーを適宜変更してもよい。例えば、キャップ930において、タブ933は、封止板931から半径方向に突出するのではなく、封止板931からキャップ930の軸に沿って突出していてもよい。キャップ930にタブ933が設けられていなくてもよい。キャップ930の封止板931は、外筒915の外径より大きな外径を有していてもよい。キャップ930をコネクタ主部910に装着したとき(図4C、図10B、図14B参照)、オス部材911の流路919に挿入されて、オス部材911の内周面に液密に密着する突起(封止突起)が、キャップ930に設けられていてもよい。キャップ930は、この封止突起を備える場合、封止筒932を更に備えていてもよく、あるいは、備えていなくてもよい。バンド935はコネクタ本体901から導出されていなくてもよい。例えば、バンド935の基端にリング937と同様のリング(環状体)を設け、当該リングにチューブ909を挿入してもよい。この場合、リングはチューブ909の長手方向に沿って自由に移動できてもよく、あるいは、移動できなくてもよい。グリップ部923は、略四角柱形状を有している必要はなく、例えば円筒形状の接続筒921から長軸方向(Y軸方向)に沿って互いに反対向きに延びた一対の薄板であってもよい。あるいは、グリップ部923が、接続筒921を取り囲む円筒形状を有していてもよい。基端部920が、グリップ部923を備えずに、単に円筒形状の接続筒921のみで構成されていてもよい。コネクタ本体901の全体が硬質材料で構成されている必要はない。例えば、メスコネクタ950との接続に直接関与しない部分(例えば基端部920)が、比較的変形が容易な軟質材料で構成されていてもよい。
上記の実施形態のカバーは、経鼻経管栄養に使用されるオスコネクタ900に着脱されたが、本発明はこれに限定されない。本発明のカバーが適用されるオスコネクタは、患者に留置されるチューブに設けられる任意のオスコネクタであってもよい。具体的には、当該オスコネクタは、例えば経鼻チューブ以外の経管栄養に使用されるチューブに設けられるオスコネクタであってもよい。あるいは、患者に留置されるチューブに接続されるチューブ(延長チューブ)の上流側端に設けられるオスコネクタであってもよい。本発明のカバーは、患者に留置されないオスコネクタに適用されてもよい。
本発明は、医療分野において広範囲に利用することができる。中でも、本発明は、患者に留置されるチューブの上流側端に設けられるオスコネクタに着脱可能に装着されるカバーとして利用することができる。
1,1’,2,3,4 カバー
10 収容部
11 連結部
12 溝
15 カバー本体
18 凹部
119 孔
216 カバーの側面
219 貫通孔
220 スカート
221 対向部
225 段差面(係合構造)
230 カラー
323 切り欠き
327,427 平坦面
900 オスコネクタ
901 コネクタ本体
905 コネクタの段差
909 チューブ
910 コネクタ主部
920 基端部
923 グリップ部
924 グリップ面(基端部の長軸に沿った面)
930 キャップ
931 封止板
933 タブ
935 バンド
L1 第1外寸法
L2 第2外寸法
L3 第3外寸法

Claims (21)

  1. 一端に円筒形状のコネクタ主部を有し、他端に柔軟なチューブが導出された基端部を有するコネクタ本体と、前記コネクタ主部の先端に着脱可能なキャップと、前記コネクタ本体又は前記チューブとキャップとをつなぐバンドとを備えたオスコネクタに着脱することができるオスコネクタ用カバーであって、
    前記カバーは、クッション性を有する材料からなり、
    前記カバーは、前記コネクタ主部を収容可能な収容部と、前記カバーを前記オスコネクタに装着したとき前記コネクタ主部の周方向に沿って延びるように設けられた連結部とを備え、
    前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着していないとき、前記コネクタ主部の先端を前記オスコネクタの軸方向に外界に向かって露出させることができ、且つ、前記バンドは前記連結部に対して前記基端部側に配置されることを特徴とするオスコネクタ用カバー。
  2. 前記カバーは、前記カバーの軸に沿って見た形状が略弧形状であるカバー本体を更に備え、
    前記連結部は、前記カバー本体の対向する端面をつなぎ、
    前記カバー本体と前記連結部とが前記収容部を構成する請求項1に記載のオスコネクタ用カバー。
  3. 前記バンドは、前記コネクタ本体から導出されている請求項1又は2に記載のオスコネクタ用カバー。
  4. 前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき、前記バンドが前記連結部をまたいで前記コネクタ主部の先端側へ延びる請求項1~3のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  5. 前記カバーは、前記連結部の外面を底面とする溝を更に備え、
    前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき、前記バンドは前記溝に収容される請求項1~4のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  6. 前記カバーは、半径方向に沿った凹部を更に備え、
    前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着していないとき、前記カバーが前記オスコネクタに対して回転しないように前記凹部が前記バンドに係合する請求項1~5のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  7. 前記キャップは、前記コネクタ主部の先端を覆うことができる円形の封止板と、前記封止板から半径方向外向きに突出したタブとを備え、
    前記バンドは、前記封止板の前記タブとは反対側の位置に接続されており、
    前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき、前記タブが前記カバーより半径方向外向きに突出しない請求項1~6のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  8. 前記カバーは、前記カバーの軸に平行な第3方向に沿った第3外寸法と、前記第3方向に垂直である第1方向に沿った第1外寸法と、前記第1方向及び前記第3方向に垂直な第2方向に沿った第2外寸法とを有し、
    前記カバーは、前記第2外寸法及び前記第3外寸法より前記第1外寸法が小さな扁平形状を有する請求項1~7のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  9. 前記基端部は、前記オスコネクタの軸に垂直な長軸を有し、
    前記カバーは、前記カバーの前記第2方向を前記基端部の前記長軸に平行にして前記オスコネクタに装着することができる請求項8に記載のオスコネクタ用カバー。
  10. 前記連結部は、前記第1方向に平行に延びる請求項8又は9に記載のオスコネクタ用カバー。
  11. 前記カバーは、前記カバーを前記オスコネクタに装着したとき前記基端部に半径方向に対向するように構成されたスカートを更に備える請求項1~10のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  12. 前記カバーは、前記カバーの軸に平行な第3方向に沿った第3外寸法と、前記第3方向に垂直である第1方向に沿った第1外寸法と、前記第1方向及び前記第3方向に垂直な第2方向に沿った第2外寸法とを有し、
    前記カバーは、前記第2外寸法及び前記第3外寸法より前記第1外寸法が小さな扁平形状を有し、
    前記スカートは、前記第1方向に離間して対向する一対の対向部を備え、
    前記カバーを前記オスコネクタに装着したとき、前記一対の対向部の間に前記基端部が配置される請求項11に記載のオスコネクタ用カバー。
  13. 前記カバーは、前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき前記キャップに半径方向に対向するように構成されたカラーを更に備える請求項1~12のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  14. 前記カバーは、前記カバーの軸に平行な第3方向に沿った第3外寸法と、前記第3方向に垂直である第1方向に沿った第1外寸法と、前記第1方向及び前記第3方向に垂直な第2方向に沿った第2外寸法とを有し、
    前記カバーは、前記第2外寸法及び前記第3外寸法より前記第1外寸法が小さな扁平形状を有し、
    前記カバーを前記オスコネクタに装着し且つ前記キャップを前記コネクタ主部に装着したとき、前記カラーは前記キャップに前記第1方向に対向する請求項13に記載のオスコネクタ用カバー。
  15. 前記オスコネクタの前記コネクタ主部と前記基端部との間の段差に係合する係合構造を更に備える請求項1~14のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  16. 前記オスコネクタに装着された前記カバーを、前記カバーの軸と前記連結部とを含む面に垂直な方向に沿って見たとき、前記コネクタ本体は前記カバーからはみ出さない請求項1~15のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  17. 前記収容部に収容された前記コネクタ主部を見ることができるように前記カバーを貫通する貫通孔が前記カバーに設けられている請求項1~16のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  18. 前記カバーの軸と前記連結部とを含む面に垂直な方向に沿って前記カバーを見たとき、前記カバーは前記カバーの軸に対して非対称である請求項1~17のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  19. 前記カバーは、前記カバーを前記オスコネクタに装着したとき前記基端部に半径方向に対向するように構成されたスカートを更に備え、
    前記カバーの軸と前記連結部とを含む面に垂直な方向に沿って前記カバーを見たとき前記スカートの外周縁が前記カバーの軸に対して非対称になるように、前記カバーに切り欠きが設けられている請求項18に記載のオスコネクタ用カバー。
  20. 前記カバーは、前記カバーの軸に垂直な方向に互いに反対側を向いた一対の側面を備え、
    前記一対の側面のそれぞれは、凸曲面であり、
    前記一対の側面は平坦面を介して接続されている請求項1~19のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
  21. 前記カバーの外面に孔が設けられている請求項1~20のいずれか一項に記載のオスコネクタ用カバー。
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