JP2022068402A - Egrシステム - Google Patents

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JP2022068402A JP2020177047A JP2020177047A JP2022068402A JP 2022068402 A JP2022068402 A JP 2022068402A JP 2020177047 A JP2020177047 A JP 2020177047A JP 2020177047 A JP2020177047 A JP 2020177047A JP 2022068402 A JP2022068402 A JP 2022068402A
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海翔 曹
Haixiang Cao
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Takashi Bessho
伸二 河井
Shinji Kawai
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Abstract

【課題】エンジンの運転状態に依存することなく凝縮水を適期に蒸発させ、凝縮水を蒸発させる箇所の配置の自由度を向上させること。【解決手段】EGRシステムは、エンジン1から排気通路3へ排出される排気の一部をEGRガスとしてEGR通路12を介して吸気通路2へ流してエンジン1へ還流させる。EGRシステムは、EGRガスが流れる吸気通路2及びEGR通路12の少なくとも一方に設けられ、その内部で発生する凝縮水を貯留する凝縮水貯留部41と、凝縮水貯留部41に貯留された凝縮水を加熱し蒸発させるために少なくとも凝縮水貯留部41に設けられ、通電により発熱する発熱被膜42とを備える。凝縮水貯留部41は、それが設けられる吸気通路2及びEGR通路12の少なくとも一方の鉛直方向下側に位置する。【選択図】 図1

Description

この明細書に開示される技術は、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとしてEGR通路を介して吸気通路へ流してエンジンへ還流させるように構成したEGRシステムに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載される「EGRシステム」が知られている。このEGRシステムは、EGR通路にEGRクーラが設けられ、EGRクーラより下流のEGR通路には、EGRガスに含まれる凝縮水を一次的に貯留する貯留機能と、一時的に貯留した凝縮水とEGRガスとを直接接触させることで凝縮水を自然蒸発させる蒸発機能とを有する凝縮水処理装置が設けられる。
特開2018-71394号公報
ところが、特許文献1に記載される凝縮水処理装置では、凝縮水の蒸発にEGRガスの熱を利用しているだけなので、凝縮水の貯留機能の配置に制約があり、蒸発機能を発揮させる時期がエンジンの運転状態に依存し制約を受けていた。このため、凝縮水を任意の位置にて適期に蒸発させることが難しかった。
この開示技術は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンの運転状態に依存することなく凝縮水を適期に蒸発させ、凝縮水を蒸発させる箇所の配置の自由度を向上させることを可能としたEGRシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術は、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとしてEGR通路を介して吸気通路へ流してエンジンへ還流させるように構成したEGRシステムにおいて、EGRガスが流れる吸気通路及びEGR通路の少なくとも一方に設けられ、その内部で発生する凝縮水を貯留するための凝縮水貯留部と、凝縮水貯留部に貯留された凝縮水を加熱し蒸発させるために少なくとも凝縮水貯留部に設けられ、通電により発熱する発熱被膜とを備えたことを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、発熱皮膜は、エンジンの運転状態に依存することなく、通電により発熱させることで凝縮水を加熱し蒸発させる。また、凝縮水貯留部は、それが配置される箇所の温度環境に依存することなく、EGRガスが流れる吸気通路及びEGR通路の少なくとも一方の任意な箇所に設けることが可能となる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の技術は、請求項1に記載の技術において、凝縮水貯留部は、それが設けられる吸気通路及びEGR通路の少なくとも一方の鉛直方向下側に位置することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1に記載の技術の作用に加え、凝縮水貯留部は、それが設けられる吸気通路及びEGR通路の少なくとも一方の鉛直方向下側に配置すればよいので、吸気通路やEGR通路を構成する配管等の形状を設計するだけで得られる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の技術は、請求項1又は2に記載の技術において、エンジンは、複数の気筒を含み、吸気通路は、エンジンの複数の気筒へ吸気を分配するための複数の分岐通路を有する吸気マニホールドを含み、EGR通路は、EGRガスが集まるガスチャンバと、ガスチャンバから複数の分岐通路へEGRガスを分配するための複数のガス分配通路とを有するEGRガス分配器を含み、EGRガス分配器は、吸気マニホールドがエンジンに設けられた状態で、吸気マニホールドの鉛直方向上側に配置され、ガスチャンバの少なくとも一箇所には、ガスチャンバの吸気マニホールドに面する側からその面する側の反対側へ貫通する貫通孔が設けられ、凝縮水貯留部は、貫通孔の周囲の少なくとも一部に位置するガスチャンバに設けられることを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1又は2に記載の技術の作用に加え、EGR通路の終段に位置するEGRガス分配器のガスチャンバにて、凝縮水貯留部に貯留された凝縮水を発熱被膜により蒸発させることが可能となる。また、EGRガス分配器に設けられる貫通孔が、吸気マニホールドに対する工具の操作スペースとして利用可能となる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の技術は、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術において、発熱被膜の温度状態を検出するための温度状態検出手段と、検出される温度状態に基づき発熱被膜への通電を制御するための通電制御手段とを更に備え、通電制御手段は、検出される温度状態の挙動に基づき凝縮水貯留部における凝縮水の有無を判定し、その判定結果に応じて発熱被膜への通電を制御することを趣旨とする。
上記技術の構成によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の作用に加え、通電制御手段は、温度状態検出手段により検出される温度状態の挙動に基づき凝縮水貯留部における凝縮水の有無を判定するので、凝縮水の有無を直接検出する手段を設ける必要がない。また、通電制御手段は、その判定結果に応じて発熱被膜への通電を制御するので、凝縮水が無い状態での無駄な通電が回避される。
請求項1に記載の技術によれば、エンジンの運転状態に依存することなく凝縮水を適期に蒸発させることができ、凝縮水を蒸発させる箇所の配置の自由度を向上させることができる。加えて、EGRガスが流れる吸気通路及びEGR通路の少なくとも一方からエンジンへの凝縮水の吸入を抑制することができる。
請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の技術の効果に加え、EGRガスが流れるEGR通路又は吸気通路の内少なくとも一方に凝縮水貯留部を容易に設け、凝縮水貯留部に凝縮水を収集し、貯留することができる。
請求項3に記載の技術によれば、請求項1又は2に記載の技術の効果に加え、凝縮水貯留部における凝縮水の収集及び発熱被膜による蒸発の機能と、吸気マニホールドに対する工具の操作スペースの確保との両立を図ることができる。
請求項4に記載の技術によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の技術の効果に加え、凝縮水の有無を確認するための構成を簡易化することができ、無駄な通電を回避できる分だけ発熱被膜の耐久信頼性を向上させることができ、無駄な電力消費とエンジンの燃費悪化を抑制することができる。
第1実施形態に係り、エンジンシステムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、EGRガス分配器を設けた吸気マニホールドを背面側から視て示す斜視図。 第1実施形態に係り、EGRガス分配器を設けた吸気マニホールを示す平面図。 第1実施形態に係り、EGRガス分配器を設けた吸気マニホールを示す左側面図。 第1実施形態に係り、EGRガス分配器を設けた吸気マニホールを示す図3のA-A線断面図。 第1実施形態に係り、通電制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、通電制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、通電制御による各種パラメータの挙動を示すタイムチャート。 第2実施形態に係り、EGRガス分配器を設けた吸気マニホールを示す図5に準ずる断面図。 第3実施形態に係り、EGRガス分配器を含む吸気マニホールドを示す斜視図。 第3実施形態に係り、吸気マニホールドを示す正面図。 第3実施形態に係り、吸気マニホールドを示す左側面図。 第3実施形態に係り、吸気マニホールドを示す図11のB-B線断面図。 第3実施形態に係り、吸気マニホールドを示す図11のC-C線断面図。 第3実施形態に係り、第2サブアッシの内側を示す斜視図。 第4実施形態に係り、エンジンシステムを示す概略構成図。 第4実施形態に係り、第1位置に設けられる凝縮水トラップを示す概略図。
以下、EGRシステムをガソリンエンジンシステムに具体化した幾つかの実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[エンジンシステムについて]
図1に、この実施形態のガソリンエンジンシステム(以下、単に「エンジンシステム」と言う。)を概略構成図により示す。自動車に搭載されたエンジンシステムは、複数の気筒を有するエンジン1を備える。このエンジン1は、4気筒、4サイクルのレシプロエンジンであり、ピストン及びクランクシャフト等の周知の構成を含む。エンジン1には、各気筒へ吸気を導入するための吸気通路2と、エンジン1の各気筒から排気を導出するための排気通路3が設けられる。吸気通路2には、その上流側からエアクリーナ9、スロットル装置4及び吸気マニホールド5が設けられる。排気通路3には、その上流側から順に排気マニホールド6及び触媒7が設けられる。触媒7には、排気を浄化するために、例えば、三元触媒が内蔵される。加えて、このエンジンシステムは、排気通路3と吸気通路2との間に設けられた高圧ループタイプの排気還流装置(EGR装置)11を備える。
スロットル装置4は、吸気マニホールド5より上流の吸気通路2に配置され、運転者のアクセル操作に応じてバタフライ式のスロットル弁4aを開度可変に開閉駆動させることで、吸気通路2を流れる吸気量を調節するようになっている。吸気マニホールド5は、主として樹脂材より構成され、エンジン1の直上流にて吸気通路2に配置され、吸気が導入される一つのサージタンク5aと、サージタンク5aに導入された吸気をエンジン1の各気筒へ分配するためにサージタンク5aから分岐した複数(4つ)の分岐通路5bとを含む。
エンジン1には、各気筒に対応して燃料を噴射するための燃料噴射装置(図示略)が設けられる。燃料噴射装置は、燃料供給装置(図示略)から供給される燃料をエンジン1の各気筒へ噴射するように構成される。各気筒では、燃料噴射装置から噴射される燃料と吸気マニホールド5から導入される吸気とにより可燃混合気が形成される。
エンジン1には、各気筒に対応して点火装置(図示略)が設けられる。点火装置は、各気筒で可燃混合気に点火するように構成される。各気筒内の可燃混合気は、点火装置の点火動作により爆発・燃焼し、燃焼後の排気は、各気筒から排気マニホールド6及び触媒7を経て外部へ排出される。このとき、各気筒でピストン(図示略)が上下運動し、クランクシャフト(図示略)が回転することにより、エンジン1に動力が得られる。
[EGRシステムについて]
この実施形態のEGRシステムは、上記したEGR装置11を備える。EGR装置11は、エンジン1の各気筒から排気通路3へ排出される排気の一部を排気還流ガス(EGRガス)として吸気通路2へ流してエンジン1の各気筒へ還流させるように構成される。EGR装置11は、排気通路3から吸気通路2へEGRガスを流す排気還流通路(EGR通路)12と、EGR通路12を流れるEGRガスを冷却するための排気還流クーラ(EGRクーラ)13と、EGR通路12を流れるEGRガスの流量を調節するための排気還流弁(EGR弁)14と、EGR通路12を流れるEGRガスをエンジン1の各気筒へ分配するために、吸気マニホールド5の各分岐通路5bへEGRガスを分配するための排気還流ガス分配器(EGRガス分配器)15とを備える。EGR通路12は、入口12aと出口12bを含む。その入口12aは、触媒7より上流の排気通路3に接続され、その出口12bは、EGRガス分配器15に接続される。この実施形態で、EGRガス分配器15は、EGR通路12の終段を構成している。EGR通路12において、EGR弁14は、EGRクーラ13より下流に設けられ、EGRガス分配器15は、EGR弁14より下流に設けられる。
このEGR装置11では、EGR弁14が開弁することにより、排気通路3を流れる排気の一部がEGRガスとしてEGR通路12へ流れ、EGRクーラ13、EGR弁14及びEGRガス分配器15を介して吸気マニホールド5の各分岐通路5bへ分配され、更にエンジン1の各気筒へ分配されて還流される。
[EGRガス分配器を設けた吸気マニホールドについて]
図2に、この実施形態のEGRガス分配器15を設けた吸気マニホールド5を背面側から視た斜視図により示す。図3に、EGRガス分配器15を設けた吸気マニホール5を平面図により示す。図4に、EGRガス分配器15を設けた吸気マニホール5を左側面図により示す。図5に、EGRガス分配器15を設けた吸気マニホール5を、図3のA-A線断面図により示す。
この実施形態において、図2~図5に示す状態が、車両にてエンジン1に取り付けられた吸気マニホールド5の配置状態を示し、その上下は図2~図5に示す通りである。吸気マニホールド5は、サージタンク5aと複数の分岐通路5b(一部のみ図示する)の他に、サージタンク5aの入口5cを吸気通路2の配管に接続するための入口フランジ5dと、各分岐通路5bの出口(図示略)をエンジン1へ接続するための出口フランジ5eとを含む。この実施形態で、吸気マニホールド5とEGRガス分配器15は別々に形成され、EGRガス分配器15の完成品が、吸気マニホールド5の完成品に後付けされる。この実施形態で、EGRガス分配器15は、各分岐通路5bへEGRガスを分配するために、各分岐通路5bの上側に配置される。
[EGRガス分配器について]
図2~図5に示すように、この実施形態のEGRガス分配器15は、その外形が上ケーシング31と下ケーシング32により構成される。この実施形態で、上ケーシング31及び下ケーシング32は、それぞれ樹脂材により形成される。EGRガス分配器15は、EGRガスが導入されるガス入口33と、ガス入口33から導入されるEGRガスが集まるガスチャンバ34と、ガスチャンバ34ら分岐され、吸気マニホールド5の各分岐通路5bにそれぞれ連通する複数(4つの)のガス分配通路35(図4、図5には一部を示す。)と、ガス入口33から二股に分岐され、ガスチャンバ34に連通する分岐通路36とを含む。この実施形態では、ガスチャンバ34の長手方向における中央部に、山形に湾曲した湾曲部34aが形成される。
図3、図5に示すように、EGR通路12の一部を構成するEGRガス分配器15において、その内部で発生する凝縮水を貯留するために、ガスチャンバ34には、凝縮水貯留部41が設けられる。この実施形態で、EGRガス分配器15は、吸気マニホールド5がエンジン1に設けられた状態で、吸気マニホールド5の鉛直方向上側に配置される。そして、図2、図3に示すように、ガスチャンバ34の中央部には、ガスチャンバ34の吸気マニホールド5に面する側からその面する側の反対側へ貫通する貫通孔37が設けられる。この実施形態で、凝縮水貯留部41は、その貫通孔37の周囲の一部に位置する湾曲部34aに設けられる。この凝縮水貯留部41は、それが設けられるEGRガス分配器15の湾曲部34aの鉛直方向下側(底部)に位置するように、下ケーシング32に設けられる。凝縮水貯留部41は、所定量の凝縮水が貯まり得る容積を有する。そして、凝縮水貯留部41に貯留された凝縮水を加熱し蒸発させるために、凝縮水貯留部41の底部の内壁には、通電により発熱する発熱被膜42が設けられる。
[発熱被膜の構成について]
発熱被膜42には、それに通電するために一対をなすプラス電極とマイナス電極(それぞれ図示略)が設けられる。そして、これら電極を介して発熱被膜42に通電することにより、発熱被膜42を「100~150℃」に発熱させ、凝縮水貯留部41の底部及び凝縮水を加熱するようになっている。
ここで、発熱被膜42の特性について説明する。発熱被膜42としては、例えば、東洋ドライルーブ株式会社製の「発熱被膜コーティング」を使用することができる。この発熱被膜コーティングは、特殊バインダー内に、各種導通顔料を配合・分散した乾燥性被膜であり、被膜に電極を介して電力を供給することで、被膜全体を発熱させることが可能である。配合した導通顔料(導体)に与えられた電流が、熱エネルギー(ジュール熱)に変化し発熱効率を得ることができる。その特徴は、以下の通りである。(1)低電圧にて発熱特性を発現できること。(2)面状で発熱するため、ニクロム線に比べて均一に発熱すること。(3)薄膜化、軽量化が可能であること。(4)柔軟性に優れ、フィルム形態も可能であること。(5)塗布膜厚、電極長さ、電極間距離等を調整することで、任意の発熱特性が得られること。
[エンジンシステムの電気的構成について]
次に、エンジンシステムの電気的構成の一例について説明する。図1において、このエンジンシステムに設けられる各種センサ等71~78は、エンジン1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成する。エンジン1に設けられる水温センサ71は、エンジン1の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられる回転数センサ72は、エンジン1のクランクシャフトの回転角(クランク角度)を検出すると共に、そのクランク角度の変化(クランク角速度)をエンジン1の回転数(エンジン回転数)NEとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エアクリーナ9の近傍に設けられるエアフローメータ73は、エアクリーナ9を流れる吸気量Gaを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。サージタンク5aに設けられる吸気圧センサ74は、スロットル装置4より下流の吸気通路2(サージタンク5a)における吸気圧力PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。スロットル装置4に設けられるスロットルセンサ75は、スロットル弁4aの開度(スロットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。EGR通路12の入口12aと触媒7との間の排気通路3に設けられる酸素センサ76は、排気中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エアクリーナ9の入口に設けられる吸気温センサ77は、エアクリーナ9に吸入される外気の温度(吸気温度)THAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。運転席に設けられるイグニションスイッチ(IGスイッチ)78は、運転者の操作によるエンジン1の始動又は停止を検出し、その検出信号を出力するようになっている。加えて、発熱被膜42に対して設けられる抵抗センサ79は、発熱被膜42の被膜抵抗値HΩを検出し、その検出信号を出力するようになっている。被膜抵抗値HΩは、発熱被膜42の温度状態に相関する特性を示し、抵抗センサ79は、この開示技術における温度状態検出手段の一例に相当する。
このエンジンシステムは、同システムの制御を司る電子制御装置(ECU)80を更に備える。ECU80には、各種センサ等71~79がそれぞれ接続される。また、ECU80には、EGR弁14と発熱被膜42の他、インジェクタ(図示略)及びイグニションコイル(図示略)が接続される。ECU80は、この開示技術における通電制御手段の一例に相当する。周知のようにECU80は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を備える。メモリには、各種制御に関する所定の制御プログラムが格納される。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ等71~79の検出信号に基づき、所定の制御プログラムに基づいて燃料噴射制御、点火時期制御、EGR制御及び発熱被膜42に対する通電制御等を実行するようになっている。
この実施形態で、ECU80は、EGR制御において、エンジン1の運転状態に応じてEGR弁14を制御するようになっている。具体的には、ECU80は、エンジン1の停止時、アイドル運転時及び減速運転時には、EGR弁14を全閉に制御し、それ以外の運転時には、その運転状態に応じて目標EGR開度を求め、EGR弁14をその目標EGR開度に制御するようになっている。このときEGR弁14が開弁されることにより、エンジン1から排気通路3へ排出される排気の一部が、EGRガスとしてEGR通路12、EGRクーラ13、EGR弁14及びEGRガス分配器15等を介して吸気通路2(吸気マニホールド5)へ流れ、エンジン1の各気筒へ還流される。また、ECU80は、EGR制御において、エンジン1の始動後に冷却水温度THWが所定のEGR開始水温度となったときにEGRを開始するようになっている。
[発熱被膜に対する通電制御について]
次に、EGRガス分配器15に設けられる発熱被膜42に対する通電制御について説明する。図6、図7に、その通電制御の内容をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、ECU80は、IGスイッチ78からの検出信号に基づき、イグニション(IG)オン、すなわちエンジン1が始動を開始したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ110へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ290へ移行する。
ステップ100で、ECU80は、吸気温センサ77及び水温センサ71の検出値に基づき吸気温度THAと冷却水温度THWを取り込むと共に、抵抗センサ79の検出値に基づき発熱被膜42の通電前の被膜抵抗値HΩを取り込む。
次に、ステップ120で、ECU80は、通電前の被膜抵抗値HΩが所定値AΩより小さいか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ130へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ190へ移行する。
ステップ130では、冷却水温度THWが、EGRを開始するための所定の許可冷却水温度THWespより低いか否かを判断する。この実施形態では、許可冷却水温度THWespを、例えば「40℃」に設定することができる。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ140へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ200へ移行する。
ステップ140で、ECU80は、凝縮水の蒸発が完了したことを示す蒸発完了フラグXEDが「0」か否か、すなわち蒸発が未完了であるか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ150へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ190へ移行する。
ステップ150で、ECU80は、発熱被膜42への通電をオンする。
次に、ステップ160で、ECU80は、発熱被膜42の被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsを取り込む。ECU80は、例えば、発熱被膜42への通電開始後における単位時間当たりの被膜抵抗値HΩの上昇率を、被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsとして求め、取り込むことができる。この被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsは、後述するように発熱被膜42の温度状態の挙動を反映して変化する(図8参照)。
次に、ステップ170で、ECU80は、被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsが所定値ΔCΩより大きいか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、発熱被膜42の温度上昇率が大きく、凝縮水が凝縮水貯留部41から無くなったものとして処理をステップ180へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、発熱被膜42の温度上昇率が小さく、凝縮水が凝縮水貯留部41に有るものとして処理をステップ240へ移行する。
ステップ180では、ECU80は、蒸発完了フラグXEDを「1」に、蒸発開始フラグXESを「0」に、沸騰フラグXBOを「0」にそれぞれ設定する。
次に、ステップ120、ステップ140又はステップ180から移行してステップ190で、ECU80は、発熱被膜42への通電をオフし、処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ130から移行してステップ200では、ECU80では、EGR開始後の積算時間TIMEを取り込む。ECU80は、EGR開始後にこの積算時間TIMEを計測するようになっている。
つぎに、ステップ210で、ECU80は、蒸発完了フラグXEDが「0」か否か、すなわち凝縮水の蒸発が未完了であるか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、凝縮水が未だ有るものとして処理をステップ150へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、凝縮水が凝縮水貯留部41から無くなったものとして処理をステップ220へ移行する。
ステップ220では、ECU80は、積算時間TIMEが所定値Dsを経過したか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ230へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ100へ戻す。
ステップ230では、ECU80は、蒸発完了フラグXED、蒸発開始フラグXES及び沸騰フラグXBOをそれぞれ「0」に設定し、処理をステップ150へ移行する。
一方、ステップ170から移行してステップ240では、ECU80は、沸騰フラグXBOが「0」か否か、すなわち凝縮水が沸騰(蒸発)していないか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ250へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ280へ移行する。
ステップ250では、ECU80は、被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsが所定値Δ0Ωとほぼ等しいか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、凝縮水が沸騰中であるものとして処理をステップ260へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、凝縮水が蒸発中であるものとして処理をステップ270へ移行する。
ステップ260で、ECU80は、沸騰フラグXBOを「1」に設定し、処理をステップ100へ戻す。
ステップ270で、ECU80は、蒸発開始フラグXESを「1」に設定し、処理をステップ100へ戻す。
また、ステップ240から移行してステップ280では、ECU80は、被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsが所定値ΔCΩより大きいか否かを判断する。ECU80は、この判断結果が肯定となる場合は、凝縮水の蒸発が完了し、凝縮水が凝縮水貯留部41から無くなったものとして処理をステップ180へ移行し、この判断結果が否定となる場合は、凝縮水が沸騰中で、凝縮水が凝縮水貯留部41に有るものとして処理をステップ100へ戻す。
一方、ステップ100から移行してステップ290では、ECU80は、エンジン1を停止させる(燃料供給を停止(燃料カット)したり、混合気への点火を停止したりする。)。
次に、ステップ300では、ECU80は、発熱被膜42への通電をオフする。
次に、ステップ310では、ECU80は、蒸発完了フラグXEDを「0」に、蒸発開始フラグXESを「0」に、沸騰フラグXBOを「0」にそれぞれ設定する。
次に、ステップ320で、ECU80は、ECU80の起動を停止させた後、処理をステップ100へ戻す。
上記した通電制御によれば、ECU80は、検出される被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bs(温度状態の挙動)に基づき凝縮水貯留部41における凝縮水の有無を判定し、その判定結果に応じて発熱被膜42への通電を制御するようになっている。
[通電制御による各種パラメータの挙動について]
図8に、上記した通電制御による各種パラメータ((a)発熱被膜への通電、(b)蒸発開始フラグXES、(c)沸騰フラグXBO、(d)蒸発完了フラグXED、(e)被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bs、(f)被膜抵抗値HΩ)の挙動をタイムチャートにより示す。図8(e)及び(f)において、実線は凝縮水貯留部41に凝縮水が有る場合を示し、破線は凝縮水貯留部41に凝縮水が無い場合を示す。
図8に示すように、時刻t1にて、(a)発熱被膜への通電がオンになると、(e)被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsが一旦急増し減少し始める。また、(f)被膜抵抗値HΩが上昇し始める。また、その直後の時刻t2にて、蒸発開始フラグXESが「1」設定される。
ここで、凝縮水貯留部41に凝縮水が有る場合は、時刻t3にて、(e)被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsの減少が「0」に達し、(f)被膜抵抗値HΩの増加が「100℃」の温度に対応する所定値RΩに達すると、(c)沸騰フラグXBOが「1」に設定される。
その後、凝縮水貯留部41の凝縮水が発熱被膜42の加熱により蒸発すると、時刻t4にて、(e)被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsが「0」から一旦急増し、(f)被膜抵抗値HΩが所定値RΩから急増する。また、その直後の時刻t5にて、(b)蒸発開始フラグXESが「0」に、(c)沸騰フラグXBOが「0」に、(d)蒸発完了フラグXEDが「1」にそれぞれ設定される。時刻t3~時刻t4は、凝縮水が沸騰(蒸発)する沸騰期間Tbを示す。
これに対し、凝縮水貯留部41に凝縮水が無い場合は、時刻t3にて、(e)被膜抵抗値特性ΔHΩ/Bsの減少が「0」に達することはなく、(f)被膜抵抗値HΩの増加が所定値RΩを超えて増加し続ける。
このように、この実施形態では、凝縮水貯留部41における凝縮水の有無を、発熱被膜42への通電時に被膜抵抗値HΩの挙動(温度状態の挙動)に基づき判定している。ここで、図8に示すように、発熱被膜42への通電初期(加熱初期)の温度状態の挙動は、凝縮水が有ると上昇が遅くなる。また、加熱により凝縮水が蒸発しているときは、温度状態の挙動は、一定値を保つようになる。この一定値は標高によって変化する。更に、凝縮水の蒸発が完了すると、温度状態の挙動は、再度上昇し、その上昇が速くなる。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRシステムの構成によれば、EGR通路12を流れるEGRガスは、その終段に位置するEGRガス分配器15に導入され、ガスチャンバ34に集まり、複数のガス分配通路35から吸気マニホールド5の各分岐通路5bへ分配され、エンジン1の各気筒へ分配されて還流される。ここで、EGRガス分配器15のガスチャンバ34にEGRガスと共に流れ込んだ凝縮水や、ガスチャンバ34で発生した凝縮水が問題になる。この実施形態では、ガスチャンバ34の凝縮水貯留部41に凝縮水を貯留し、貯留した凝縮水を、発熱被膜42を通電により発熱させて加熱し蒸発させる。その蒸気は、EGRガスと共にエンジン1の各気筒へ吸入され、排気ガスと共に外部へ排出されることになる。
この実施形態の構成によれば、発熱皮膜42は、エンジン1の運転状態に依存することなく、通電により発熱させることで凝縮水を加熱し蒸発させる。また、凝縮水貯留部41は、それが配置される箇所の温度環境に依存することなく、EGR通路12における任意な箇所(EGRガス分配器15のガスチャンバ34)に設けることが可能となる。このため、エンジン1の運転状態に依存することなく凝縮水を適期に蒸発させることができ、凝縮水を蒸発させる箇所の配置の自由度を向上させることができる。加えて、EGRガス分配器15からエンジン1への凝縮水の吸入を抑制することができる。
この実施形態では、凝縮水貯留部41に貯留した凝縮水を発熱被膜42により加熱し蒸発させるので、凝縮水貯留部41に排出弁を設けて適期に開弁し貯留した凝縮水を排出させる必要がない。このため、排出弁をエンジン1の運転状態に合わせて開弁させる必要もなく、凝縮水の排出先を考慮する必要も全くない。
この実施形態の構成によれば、凝縮水貯留部41は、それが設けられるEGRガス分配器15の鉛直方向下側に配置すればよいので、EGRガス分配器15を構成するケーシング31,32の形状を設計するだけで得られる。このため、EGR通路12に凝縮水貯留部41を容易に設け、凝縮水貯留部41に凝縮水を収集し、貯留することができる。
この実施形態の構成によれば、EGR通路12の終段に位置するEGRガス分配器15のガスチャンバ34にて、凝縮水貯留部41に貯留された凝縮水を発熱被膜42により蒸発させる。また、EGRガス分配器15に設けられる貫通孔37が、吸気マニホールド5に対する工具の操作スペースとして利用可能となる。このため、凝縮水貯留部41における凝縮水の収集及び発熱被膜42による蒸発の機能と、吸気マニホールド5に対する工具の操作スペースの確保との両立を図ることができる。
この実施形態の構成によれば、ECU80(通電制御手段)は、抵抗センサ79(温度状態検出手段)により検出される被膜抵抗値HΩ(温度状態)の挙動に基づき凝縮水貯留部41における凝縮水の有無を判定するので、凝縮水の有無を直接検出する手段を設ける必要がない。また、ECU80(通電制御手段)は、その判定結果に応じて発熱被膜42への通電を制御するので、凝縮水が無い状態での無駄な通電が回避される。このため、凝縮水の有無を確認するための構成を抵抗センサ79等により簡易化することができ、無駄な通電を回避できる分だけ発熱被膜42の耐久信頼性を向上させることができ、無駄な電力消費とエンジン1の燃費悪化を抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素につては、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
[吸気マニホールドとEGRガス分配器について]
この実施形態では、EGRガス分配器15に加え、吸気マニホールド5にも発熱被膜を設けた点で第1実施形態と構成が異なる。図9に、EGRガス分配器15を設けた吸気マニホールド5を、図5に準ずる断面図により示す。図9に示すように、この実施形態では、EGRガス分配器15のガスチャンバ34に凝縮水貯留部41が設けられ、その底部に発熱被膜42が設けられる。これに加え、吸気通路2の一部を構成し、EGRガスが流れる吸気マニホールド5には、その内部で発生する凝縮水を貯留するために、サージタンク5aに別の凝縮水貯留部44が設けられる。この実施形態で、吸気マニホールド5がエンジン1に設けられた状態で、サージタンク5aは鉛直方向下側に配置される。この実施形態で、サージタンク5aの底部が凝縮水貯留部44となっている。そして、この凝縮水貯留部44に貯留された凝縮水を加熱し蒸発させるために、この凝縮水貯留部44の底部の内壁にも、別の発熱被膜45が設けられる。
そして、この実施形態では、ECU80は、EGRガス分配器15の発熱被膜42を通電制御するときに、吸気マニホールド5の発熱被膜45を同様に制御するようになっている。
従って、この実施形態の構成によれば、第1実施形態の作用及び効果に加え、次のような作用及び効果が得られる。すなわち、EGRガスが流れる吸気マニホールド5(吸気通路)の各分岐通路5bで発生する凝縮水についても、サージタンク5aの凝縮水貯留部44に収集し、通電により発熱被膜45を発熱させることで凝縮水を加熱し蒸発させる。このため、EGRガスが流れる吸気マニホールド5(吸気通路)からエンジン1への凝縮水の吸入を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図面を参照して詳細に説明する。この実施形態では、EGRガス分配器を設けた吸気マニホールドの構成と、そのEGRガス分配器における凝縮水貯留部及び発熱被膜の配置の点で前記各実施形態と異なる。
[吸気マニホールドについて]
図10に、この実施形態のEGRガス分配器51を含む吸気マニホールド52を斜視図により示す。図10において、吸気マニホールド52の手前側を正面と規定する。図11に、吸気マニホールド52を正面図により示す。図12に、吸気マニホールド52を左側面図により示す。図13に、吸気マニホールド52を図11のB-B線断面図により示す。図14に、吸気マニホールド52を図11のC-C線断面図により示す。
この吸気マニホールド52は、図10~図14に示す状態が、エンジン(図示略)に取り付けられる状態を示し、その垂直方向及び水平方向は図10~図14に示す通りである。この吸気マニホールド52は、全体がほぼ樹脂材により形成され、サージタンク53と、そのサージタンク53から分岐する複数(4つ)の分岐通路54とを備える。各分岐通路54は、サージタンク53から並列に同一方向へ伸び、湾曲して形成される。
図10~図14に示すように、サージタンク53には、同タンク53内へ吸気を導入するための吸気入口(図示略)が設けられ、その吸気入口の外周に入口フランジ55が設けられる。入口フランジ55には、周知のスロットル装置が装着される。また、各分岐通路54の下流端には、エンジンの各吸気ポートへ吸気を導出するための複数(4つ)の吸気出口56が設けられる。吸気出口56の外周には、出口フランジ57が設けられる。出口フランジ57は、エンジン(エンジンブロック)に接続される。各分岐通路54の湾曲部の内側には、各分岐通路54のそれぞれにEGRガスを分配するためのEGRガス分配器51が設けられる。
[EGRガス分配器について]
図10~図14に示すように、この実施形態で、EGRガス分配器51を含む吸気マニホールド52は、大きく分けて第1サブアッシ61と第2サブアッシ62により構成される。図15に、第2サブアッシ62の内側を斜視図により示す。EGRガス分配器51は、これら二つのサブアッシ61,62を接合することで構成される。
第1サブアッシ61は、主として樹脂材により構成され、前述したサージタンク53及び各分岐通路54等を含む。第1サブアッシ61には、第2サブアッシ62が接合される接合代(図示略)と、EGRガス分配器51を構成する凹部(図示略)が形成される。
第2サブアッシ62は、樹脂材により構成されるケーシング64と、そのケーシング64の内側に設けられる発熱被膜65とを含む。図13~図15において、EGRガス分配器51の内部には、2点鎖線で囲んで示すように凝縮水貯留部66が設けられる。発熱被膜65は、この凝縮水貯留部66に貯留された凝縮水を加熱し蒸発させるために凝縮水貯留部66に設けられる。図10~図14に示すように、第2サブアッシ62は、EGRガスが導入されるガス入口68と、ガス入口68から導入されるEGRガスを集合させると共に複数の分岐通路54を横切るよう配置されるガスチャンバ69と、ガスチャンバ69ら分岐され、各分岐通路54へそれぞれ連通する複数(4つの)のガス分配通路70(図11、図13参照。)とを含む。
図13~図15に示すように、凝縮水貯留部66は、それが設けられるケーシング64の鉛直方向下側(最下部)に位置するように設けられる。詳しくは、図13~図15に2点鎖線で囲んで示す凝縮水貯留部66は、ガスチャンバ69の最下部に対応するケーシング64の底部に配置される。発熱被膜65は、凝縮水貯留部66の中にて、ケーシング64の内壁に設けられる。そして、EGRガス分配器51が設けられる吸気マニホールド52がエンジンに取り付けられた状態で、発熱被膜65は、ケーシング64の鉛直方向の地側(下側)、すなわちガスチャンバ69の底部の内壁に配置される。また、ガス分配通路70は、ガスチャンバ69の天側(上側)に配置される。発熱被膜65は、前記各実施形態と同様にECU80に電気的に接続され、ECU80により通電が制御されるようになっている。通電制御のための構成は、第1実施形態のそれに準ずる。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRシステムの構成によれば、第1実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。加えて、この実施形態の構成によれば、凝縮水貯留部66がガスチャンバ69の最下部に対応するケーシング64の底部に配置され、ガス分配通路70がガスチャンバ69の上側に配置されるので、凝縮水貯留部66に貯留された凝縮水がガス分配通路70へ流れることがない。このため、EGRガス分配器51からエンジン1への凝縮水の吸入をほぼ完全に無くすことができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[EGRガスが流れる吸気通路について]
この実施形態では、エンジンシステムにおいて凝縮水貯留部と発熱被膜が設けられる箇所の点で前記各実施形態と異なる。前記各実施形態では、主としてEGRガス分配器15,51(EGR通路)のガスチャンバ34,69に設けられる凝縮水貯留部41,66と発熱被膜42,65及び通電に関する電気的構成と、その通電制御に関する構成について説明した。これに対し、この実施形態では、凝縮水貯留部と発熱被膜が、EGRガス分配器15ではなく、EGRガスが流れる吸気通路2又はEGR通路12に設けられる場合について説明する。
図16に、エンジンシステムを概略構成図により示す。図16に示すように、このエンジンシステムは、エンジン1の吸気通路2と排気通路3に過給機8が設けられ、その吸気通路2と排気通路3との間に低圧ループタイプのEGR装置17が設けられる。過給機8は、吸気通路2に設けられるコンプレッサ8aと、排気通路3に設けられるタービン8bと、コンプレッサ8aとタービン8bを一体回転させる回転軸8cとを含む。コンプレッサ8aは、スロットル装置4よりも上流の吸気通路2に配置される。コンプレッサ8aより上流の吸気通路2には、吸気絞り弁18とエアクリーナ9が設けられる。タービン8bは、排気マニホールド6と触媒7との間の排気通路3に配置される。サージタンク5aには、インタークーラ10が設けられる。EGR装置17を構成するEGR通路12は、その入口12aが触媒7より下流の排気通路3に接続され、その出口12bは、コンプレッサ8aと吸気絞り弁18との間の吸気通路2に接続される。EGR通路12には、EGRクーラ13とEGR弁14が設けられる。
図16において、後述する凝縮水トラップ47(図17参照)を設けるのに好ましい位置P1,P2,P3を二点鎖線で囲んで示す。すなわち、第1位置P1は、EGR通路12の出口12bからコンプレッサ8aまでの間の吸気通路2であり、第2位置P2は、コンプレッサ8aからスロットル装置4までの間の吸気通路2であり、第3位置P3は、EGR弁14からEGR通路12の出口12bまでの間のEGR通路である。この実施形態では、第1位置P1~第3位置P3のうち少なくとも一箇所に凝縮水トラップ47を設けることができる。
[凝縮水トラップの構成について]
図17には、一例として、第1位置P1に設けられる凝縮水トラップ47を概略図により示す。凝縮水トラップ47は、凝縮水を集めて貯留するためのトラップ槽48と、トラップ槽48の底部に設けられる発熱被膜49と、トラップ槽48を吸気通路2に連通させる連通路50と、吸気通路2から連通路50へ凝縮水を流下させるために吸気通路2に形成された傾斜部2aとを含む。トラップ槽48は、所定の容積を有し、吸気通路2から連通路50を介して流下する凝縮水を集めて貯留するようになっている。トラップ槽48は、この開示技術の凝縮水貯留部の一例に相当する。EGR通路12の出口12bから吸気通路2へEGRガスが流入するときに発生する凝縮水は、傾斜部2a、連通路50を介してトラップ槽48へ流下する。この凝縮水トラップ47では、トラップ槽48に貯留された凝縮水を発熱皮膜49により加熱し蒸発させるようになっている。この実施形態でも、発熱被膜49はECU80に電気的に接続され、ECU80により通電が制御されるようになっている。通電制御のための構成は、第1実施形態のそれに準ずる。凝縮水トラップ47を第2位置P1又は第3位置P3に設けた場合も、上記と同様に構成することができる。
[EGRシステムの作用及び効果について]
以上説明したこの実施形態のEGRシステムの構成によれば、第1位置P1及び第2位置P2では、発熱被膜49は、エンジン1の運転状態に依存することなく、通電により発熱させることで凝縮水を加熱し蒸発させる。また、トラップ槽48は、それが配置される箇所の温度環境に依存することなく、EGRガスが流れる吸気通路2における任意な箇所に設けることが可能となる。このため、エンジン1の運転状態に依存することなく凝縮水を適期に蒸発させることができ、凝縮水を蒸発させる箇所の配置の自由度を向上させることができる。加えて、EGRガスが流れる吸気通路2からエンジン1への凝縮水の吸入を抑制することができる。
一方、第3位置P3では、発熱被膜49は、エンジン1の運転状態に依存することなく、通電により発熱させることで凝縮水を加熱し蒸発させる。また、トラップ槽48は、それが配置される箇所の温度環境に依存することなく、EGR通路12における任意な箇所に設けることが可能となる。このため、エンジン1の運転状態に依存することなく凝縮水を適期に蒸発させることができ、凝縮水を蒸発させる箇所の配置の自由度を向上させることができる。加えて、EGR通路12から吸気通路2への凝縮水の流入を抑制することができる。
なお、この開示技術は前記各実施形態に限定されるものではなく、開示技術の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記第1実施形態では、抵抗センサ79により発熱被膜42の温度状態を検出するための温度状態検出手段を構成したが、温度センサにより温度状態検出手段を構成することもできる。
(2)前記第2実施形態では、ガスチャンバ34に設けられる凝縮水貯留部41に発熱被膜42を設けると共に、サージタンク5aに設けられる凝縮水貯留部44に発熱被膜45を設けた。これに対し、ガスチャンバには凝縮水貯留部と発熱被膜を設けず、サージタンクのみに凝縮水貯留部と発熱被膜を設けてもよい。
(3)前記各実施形態では、凝縮水貯留部41,44,66及びトラップ槽48を構成するケーシング32,64等の底部の内壁に発熱被膜42,45,49,65を設けたが、ケーシング等を構成する底部の外壁に発熱被膜を設けることもできる。
(4)前記各実施形態では、凝縮水貯留部41,44,66及びトラップ槽48のみに発熱被膜42,45,49,65を設けたが、凝縮水貯留部に加え、凝縮水貯留部の近傍の通路にも発熱被膜を設けることができる。例えば、第1実施形態では、ガスチャンバ34の凝縮水貯留部41を構成しない部位や、ガスチャンバ34より上流の分岐通路36にも発熱被膜を設けることができる。
(5)前記第2実施形態では、EGRガス分配器15と吸気マニホールド5の両方に凝縮水貯留部41,44と発熱被膜42,45を設けたので、EGRガス分配器15の発熱被膜42と吸気マニホールド5の発熱被膜45を同時に通電したり、別々のタイミングで通電したりすることができる。
この開示技術は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンにおいてEGRガスが流れる吸気通路やEGR通路に利用することができる。
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
5 吸気マニホールド(吸気通路)
5a サージタンク
5b 分岐通路
12 EGR通路
15 EGRガス分配器(EGR通路)
32 下ケーシング
34 ガスチャンバ
35 ガス分配通路
37 貫通孔
41 凝縮水貯留部
42 発熱被膜
44 凝縮水貯留部
45 発熱被膜
48 トラップ槽(凝縮水貯留部)
49 発熱被膜
51 EGRガス分配器
52 吸気マニホールド
54 分岐通路
64 ケーシング
65 発熱被膜
66 凝縮水貯留部
69 ガスチャンバ
70 ガス分配通路
79 抵抗センサ(温度状態検出手段)
80 ECU(通電制御手段)

Claims (4)

  1. エンジンから排気通路へ排出される排気の一部をEGRガスとしてEGR通路を介して吸気通路へ流して前記エンジンへ還流させるように構成したEGRシステムにおいて、
    前記EGRガスが流れる前記吸気通路及び前記EGR通路の少なくとも一方に設けられ、その内部で発生する凝縮水を貯留するための凝縮水貯留部と、
    前記凝縮水貯留部に貯留された凝縮水を加熱し蒸発させるために少なくとも前記凝縮水貯留部に設けられ、通電により発熱する発熱被膜と
    を備えたことを特徴とするEGRシステム。
  2. 請求項1に記載のEGRシステムにおいて、
    前記凝縮水貯留部は、それが設けられる前記吸気通路及び前記EGR通路の少なくとも一方の鉛直方向下側に位置する
    ことを特徴とするEGRシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のEGRシステムにおいて、
    前記エンジンは、複数の気筒を含み、
    前記吸気通路は、前記エンジンの複数の前記気筒へ吸気を分配するための複数の分岐通路を有する吸気マニホールドを含み、
    前記EGR通路は、前記EGRガスが集まるガスチャンバと、前記ガスチャンバから複数の前記分岐通路へ前記EGRガスを分配するための複数のガス分配通路とを有するEGRガス分配器を含み、
    前記EGRガス分配器は、前記吸気マニホールドが前記エンジンに設けられた状態で、前記吸気マニホールドの鉛直方向上側に配置され、前記ガスチャンバの少なくとも一箇所には、前記ガスチャンバの前記吸気マニホールドに面する側からその面する側の反対側へ貫通する貫通孔が設けられ、前記凝縮水貯留部は、前記貫通孔の周囲の少なくとも一部に位置する前記ガスチャンバに設けられる
    ことを特徴とするEGRシステム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のEGRシステムにおいて、
    前記発熱被膜の温度状態を検出するための温度状態検出手段と、
    検出される前記温度状態に基づき前記発熱被膜への通電を制御するための通電制御手段と
    を更に備え、
    前記通電制御手段は、検出される前記温度状態の挙動に基づき前記凝縮水貯留部における凝縮水の有無を判定し、その判定結果に応じて前記発熱被膜への通電を制御する
    ことを特徴とするEGRシステム。
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