JP2022068092A - 既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物およびその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線用アンテナ等の既存の施設を継続利用しながら、無線用アンテナ柱などの既設柱状体の新設柱状体への建て替えを可能にした鉄骨構造物及びその構築方法を提供する。【解決手段】既設柱状体Aの周囲に立設される複数の支柱2と、支柱2,2間に架設される複数の水平材3および複数の斜材4とから平面視略正三角形の塔状に構築する。支柱2は端部にボルト接合のための接続フランジ2bを設けた規格化された長さの複数本の支柱ユニット2aを長手方向に接合することにより形成する。水平材3は既設柱状体Aの周方向に隣接する各支柱ユニット2a,2aの上端部間に架設する。斜材4は既設柱状体Aの周方向に隣接する各支柱ユニット2a,2aの上端部と下端部間にX形状に架設する。支柱ユニット2a、水平材3および斜材4の長さ、径および/または継手部としての接続フランジ2bとブラケット2cは、規格化された1または複数種の寸法に統一する。【選択図】図1

Description

本発明は、山岳地帯や住宅街などに立設されている通信用アンテナ柱、防災行政無線柱、或は送配電用電柱などの既設柱状体の外側に前記既設柱状体に代わる新設柱状体として構築される鉄骨構造物およびその構築方法に関し、前記既設柱状体に設置された通信用アンテナや送電ケーブル等の既存の施設を継続して利用しながら、通信用アンテナ柱などの前記既設柱状体の建て替えを短期間のうちにきわめて効率的に行えるようにしたものである。
山岳地帯や住宅街に建つ通信用アンテナ柱、防災行政無線柱、送配電用電柱などとして、パンザーマストと呼ばれる鋼板組立柱が利用されている場合があり(「パンザーマスト」は、日鉄建材株式会社の登録商標である)、当該鋼板組立柱は、高張力鋼板などからなる長さ2m程度の直円錐台形の管状に形成された管状部材を、管軸方向に複数継ぎ合せることにより長尺な1本の柱状体に形成されている。
また、鋼板組立柱はスマートな形状と美しい外観を有し、しかも軽いだけでなく、重心が根元に近く、土壌との接地面積が大きいことから、特別な場合を除いて建設に必要な用地は狭くてよく、大掛かりな基礎も必要としない。
このため、特に山岳地帯や住宅街の通信用アンテナ等の各種柱状体として広く利用されていたが、近年、これらの既設柱状体の老朽化が進み、その補強方法や建て替え方法が課題になっていた。
これに関連する技術として、例えば、特許文献1に筒身と筒身を支持する鉄塔とで構成される鉄塔支持型の塔状構造物およびその施工方法の発明が開示されている。簡単に説明すると、基礎から鉛直方向の先端に向けて立ち上がる鉄塔と、前記鉄塔の内側に配置され、前記基礎から立ち上がる単数または複数の筒身と前記鉄塔との間に設けられ、前記筒身の振動を前記支持鉄塔に伝達する支持部材とを備えている。
また、特許文献2には、既存鉄塔の敷地内での新設鉄塔の構築および既設鉄塔の改修を行うことにより、既設鉄塔から新設鉄塔への迅速な機器の盛替えを可能にして鉄塔の機能の中断や阻害を少なくすると共に、既存鉄塔の強度や剛性の増強および既存鉄塔の架構を利用して新築鉄塔または新築架構の効率的構築を可能にした新設鉄塔の構築方法の発明が開示されている。
簡単に説明すると、新設鉄塔用の柱における高さ方向の一部をなす柱部材を既存鉄塔の架構に沿って複数立設し、前記柱部材の間を既存鉄塔の架構と干渉しないように梁及び/又は斜材、すなわち梁と斜材との少なくとも一方で結合し、前記複数の柱部材の上にさらに柱部材を継ぎ足すとともに、これら柱部材の間を前記0同様に結合し、必要により柱部材の前記継ぎ足しと結合を繰り返して、既存鉄塔の架構に沿って新設鉄塔を構築し、かつ既存鉄塔が支持していた電線,アンテナなどの機器を新設鉄塔に移設した後、既存鉄塔を解体撤去する。
特開2014-55437号公報 特開2003-74213号公報 特開2011-220074号公報 特開2018-112039号公報
しかし、特許文献1および特許文献2の発明は、いずれも平面視方形状に構築されているため、特に地震時や防風時における横方向の荷重に対して変形しやすく構造的に劣る恐れがあり、このため内側に火打ち材や水平ブレース等を配置して補強する必要があり、必然的に部材数と構築時の作業工数等が増え、コストが嵩む等の課題があった。
また、特許文献1の発明は、地震時や防風時における鉄塔と筒身間の相対変位を抑え、かつ地震時や防風時のエネルギーを吸収するための減衰機構を備えているため、その維持管理に余計なコストと労力を必要とした。
さらに、特許文献2の発明は平面視方形状を成しているうえに、上端方向に徐々に小径を成しているため、構成部材として長さや径の異なるもの等、種類の異なる部材を多数手配する必要があった。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、通信用アンテナや送配電用ケーブル等の既存の施設を継続して利用しながら、これら既設柱状体の新設柱状体への建て替えを短期間のうちにきわめて効率的に行えるようにした鉄骨構造物およびその構築方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、通信用アンテナ柱、防災行政無線柱または送配電用電柱などとして利用されている各種既設柱状体の周囲に構築され、前記既設柱状体を前記既設柱状体に替わる新設の通信、防災、送配電等の柱状体として利用される鉄骨構造物およびその構築方法の発明である。
本発明は、既設柱状体の周囲に立設される複数の支柱と、前記支柱間に架設される複数の水平材および複数の斜材とから平面視略正三角形の塔状に構築される鉄骨構造物であって、前記支柱は、端部にボルト接合のための継手部を設けた規格化された長さの複数本の支柱ユニットを長手方向に接合することによって形成されており、前記水平材は前記既設柱状体の周方向に隣接する各支柱ユニットの上端部間に架設され、前記斜材は前記既設柱状体の周方向に隣接する各支柱ユニットの上端部と下端部間にX形状に架設されていることを特徴とするものである。
平面視略正三角形の塔状に構築された鉄骨構造物は、支柱ユニット、水平材および斜材の使用量が少ないながらも高い自立性と安定性を有する塔状構造物とすることができ、特に地震時や暴風雨時の横方向の荷重に対して変形しにくく構造的に安定し、それ自体が通信用アンテナ柱や防災行政無線柱、或いは送配電用電柱などの鉄骨構造物として成立し、また、既設柱状体を周囲から強固に支持補強する補強構造物としても成立する。
また、平面視的にも各部材が外力に対してトラス構造をなすことにより、各部材の小断面化による軽量化が可能であり、また各部材の小断面化に比して耐震、耐風性能/耐力を増大させることができ、さらに限られた狭い敷地内にも建設が可能なことにより敷地の拡張や新たに用地を確保する必要もない。
また、前記支柱ユニット、前記水平材および前記斜材の長さ、径および/または継手部を規格化された1または複数種の寸法、構造に統一することで、規格化された在来の仮設足場等と同様に、各部材の製作、現地への運搬と現地における保管等の管理等が容易となる。
また、設計の簡略化、現地でのほぼ人力のみによる構築、施工工程数の削減による施工時間の短縮、施工ミスの低減、さらには施工の簡略化による工事の安全性の増進等が可能であり、また、増築と減築(必要に応じた高さ調整)が容易に可能で建築の自由度が高い。また、重機や熟練工を必要とせず、職種を絞ることができる。
また、前記支柱ユニットを鋼管とその端部に設けた継手部から形成し、前記水平材と前記斜材は鋼管、形鋼(アングル材等)または鉄筋とその端部に設けたボルト接合用の継手部とから形成することで、各部材の軽量化が図れると共に、各部材どうしの接合が容易となる。継手部としては、例えば、接合用のボルト孔やピン孔等有する接続フランジ(プレート)またはガセットプレート等は加工等が容易で好ましい。
また、各支柱ユニットの端部に支柱ユニットどうしを接続する際の端部位置決め部材が取り付けられていることで、各段の支柱ユニットを建て込む際に上下支柱ユニット接続部の位置合わせを容易に行うことができる。
端部位置決め部材としては、例えば、支柱ユニットの端部に内接可能な板状体(プレート)または筒状体などで、その先端の一部が支柱ユニットの端部から突出する状態で支柱ユニットの端部に取り付けてあればよい。また、支柱ユニット端部から突出する部分が徐々に小径に形成してあれば、接合される他方の支柱ユニットの端部に挿入し易くなり、接続部の位置合わせはさらに容易になる。
また、前記支柱ユニットは、当該支柱ユニットの上方に立ち上る仮設用支柱が脱着可能に取り付く固定手段を備え、当該固定手段としては、例えば、各支柱ユニットの側面部に当該支柱ユニットの軸方向および周方向に等間隔(20~30cm程度)に溶接したナット等を用いることができる。固定手段としてインサートナット等を用いてもよい。
これにより、仮設用支柱或いは広告用看板などの工作物を、前記ナットに螺合されるボルトを備えたボルト付きクランプ(図示省略)等によって脱着可能に取り付けることかできる。仮設用支柱には架設用単管パイプ等を利用することができる。
また、このナットに昇降用の足掛けボルトを脱着可能に螺合して取り付けることができる。
なお、支柱ユニットの両側部に一対のナットを対称に取り付け、足掛けボルトは支柱ユニットを水平に貫通させ、その両側の固定ナットに締め付けて取り付けることにより確実に取り付けることができる。
本発明は、通信用アンテナ柱、防災行政無線柱または送電用電柱などの既設柱状体の建て替えに際し、特に通信用アンテナや送配電用ケーブル等の、既設柱状体に設置されている既存の施設を継続して利用しながら、既設柱状体の新設鉄塔への建て替えを短期間のうちにきわめて効率的に行うことができる。
また、前記支柱ユニット、前記水平材および前記斜材の長さ、径および/または継手部を規格化された1または複数種の寸法に統一することで、規格化された在来の仮設足場等と同様に、製作、運搬、さらに現地における管理等が容易となり、また現地における構築をほぼ人力のみで行うことができ、重機や熟練工等を必要としない。
また、前記支柱ユニットを鋼管とその端部に設けた継手部から形成し、前記水平材と前記斜材は鋼管、形鋼または鉄筋とその端部に設けたボルト接合用の継手部とから形成することで、軽量化により現地への運搬ルートの確保や重機の導入の必要もなく、特にアクセスの困難な山岳地帯や車両の入りにくい住宅密集地に建つ通信用アンテナ柱や防災行政無線柱などの各種既設柱状体の新設柱状体への建て替えを容易に行うことができる。
既設柱状体の周囲に構築された鉄骨構造物を図示したものであり、図(a)は正面図、図(b)は平面図である。 図1に図示する鉄骨構造物の柱脚部を図示したものであり、図(a)は各支柱の柱脚部の正面図、図(b)は図(a)におけるイ-イ線断面図である。 図1に図示する鉄骨構造物の各支柱ユニット同士の接続部を図示したものであり、図(a)は正面図、図(b)は図(a)におけるロ-ロ線断面図である。 図1に図示する鉄骨構造物の最上段の支柱ユニットを図示したものであり、図(a),(b)はその一部正面図、図(c)は図(b)におけるハ-ハ線断面図である。 端部位置決め部材を備えた支柱ユニットの端部を図示したものであり、図(a)は端部の縦断面図、図(b)は端部の底面図、図(c)は斜視図である。 端部位置決め部材を備えた支柱ユニットの端部を図示したものであり、図(a)は端部の縦断面図、図(b)は端部の底面図である。 図(a),(b),(c)は、図1に図示する鉄骨構造物の構築方法の作業手順を示す正面図である。
図1~図7は、本発明の一実施形態であり、鉄骨構造物1は、既設柱状体Aの周囲に立設された複数の支柱2,2と、隣接する各支柱2,2間に架設された複数の水平材3および斜材4とから中央に既設柱状体Aを内包し、かつ既設柱状体Aに沿ってほぼ鉛直に立ち上がる平面視略正三角形状に構築されている。
支柱2は複数の支柱ユニット2aから構成され、水平材3は鋼管またはH形鋼や溝形鋼、或いは山形鋼(アングル材)等の形鋼から形成され、さらに斜材4は丸鋼や異形鉄筋などの鉄筋から形成されている。
支柱ユニット2aは同一径、同一長さの鋼管から形成され、各支柱ユニット2aの端部に支柱ユニット建込み時の端部位置決め部材2dが取り付けられている。なお、支柱ユニット2aの径は、支柱2の長さに応じて上段方向に一段乃至複数段おきに段階的に小径となるように形成されていてもよい。
端部位置決め部材2dは、支柱ユニット2aの端部に内接する板状体(プレート)であって、その一端側が支柱ユニット2aの端部から突出する状態で支柱ユニット2aの端部内周に溶接等によって取り付けられている。また、端部位置決め部材2dの突出部分に先端方向に徐々に小幅となるようなテーパが形成されている。
なお、端部位置決め部材2dとしては、他に複数の板状体(プレート)から十字形に形成されたものや(図6参照)、支柱ユニット2aの端部に内接可能な短い筒状または柱状に形成されたもの等があり、いずれも先端突出部部分に先端方向に徐々に小幅となるようなテーパが形成されている。
このような構成において、下段側支柱ユニット2aの上端部に上段側支柱ユニット2aを建て込む際に、端部位置決め部材2dの突出部分を他方の支柱ユニット2aの端部に差し込むことにより上下支柱ユニット2a,2a間の接続部の位置決めをきわめて簡単に行うことができる。
なお、図5の例では、端部位置決め部材2dは上段側の支柱ユニット2aの下端部に取り付けられているが、上下支柱ユニット2aのいずれの端部に取り付けられていてもよい。
また、各支柱ユニット2aの側部に後述する仮設用支柱B(図7参照)や昇降用の足掛けボルトC(図1、3、7参照)、或いは看板などの工作物(図示省略)を脱着可能に取り付けるための固定手段5が取り付けられている。
固定手段5には通常のナット(以下「ナット」)を用いることができ、ナット5は各支柱ユニット2aの側面部に支柱ユニット2aの軸方向および周方向に等間隔(20~30cm程度)に溶接することにより複数取り付けられている。
そして、仮設用支柱Bや看板などの工作物やその他の付属設備は、ナット5に螺合されるボルトを備えたボルト付きクランプ(図示省略)等によって脱着可能に取り付けることかできる。
足掛けボルトCは、ナット5に直接螺合して脱着可能に取り付けることができる。また、ナット5としてインサートナットを用いることができる。
また、支柱ユニット2aの両側部にナット5,5を対称に取り付け、ボルト付きクランプや足掛けボルトCは、支柱ユニット2aを水平に貫通させ、両側部のナット5,5に螺合することにより、きわめて安定した状態に取り付けることができる。
各支柱2の一段目の支柱ユニット2aは、基礎6の上に建て付けられ、基礎6に複数のアンカーボルト7によって鉛直に固定されている。
基礎6は、3本の支柱2を1つの基礎版で支える複合基礎、または支柱2ごとに支える独立基礎として造成されている。なお、複合基礎とする場合は、既設柱状体Aの既設基礎13と一体に造成され、必要に応じて基礎鉄筋を新たに配筋することにより補強されている。
二段目以降の各支柱ユニット2aは、下段側支柱ユニット2aの上端部に順に建て込まれ、二段目の支柱ユニット2aは一段目の支柱ユニット2aの上端部に、二段目以降の各支柱ユニット2aは、下段側支柱ユニット2aの上端部にそれぞれ順に建て込まれている。
そして、各支柱ユニット2aの端部に、継手部として鍔状に取り付けられた接続フランジ2b,2b同士を複数の接続ボルト8によって互いに締結することにより、各上下支柱ユニット2a,2aの端部同士が互いに接合されている。
継手部としての接続フランジ2bは矩形板状または円形板状に形成され、各支柱ユニット2aの端部に溶接によって取り付けられている。また、接続フランジ2bの各コーナ部に接続ボルト8が貫通するボルト孔が形成されている。
なお、接続フランジ2bは、矩形板状または円形板状のいずれの形状であってもよいが、矩形状であれば加工が容易であり、また、大形のプレートを複数にカットして製作する際に材料の無駄が発生しにくく、また重ねられた上下接続フランジ2b,2bの四隅をそれぞれ接続ボルト8でボルト締結するだけで上下支柱ユニット2a,2aどうしを確実かつ容易に接続することができる。
水平材3は全て同一径、同一長さに形成され、隣接する支柱2,2の各段の支柱ユニット2a,2aの上端部間に水平に架設され、かつ両端部が支柱ユニット2a,2aの上端部に接合されている。
その際、各支柱ユニット2a,2aの上端部と水平材3の両端部に、それぞれ継手部として取り付けられたブラケット2cとガセットプレート2eどうしが複数の接続ボルト8によって接続されている。
斜材4は全て同一径、同一長さに形成され、隣接する支柱2,2の各段の支柱ユニット2a,2aの上端部と下端部との間にX形状に架設され、かつ両端部が支柱ユニット2a,2aの上端部と下端部にそれぞれ接合されている。
その際、各支柱ユニット2aの上下両端部と各斜材4の上下両端部に、それぞれ継手部として取り付けられたブラケット2cとガセットプレート2eどうしが複数の接続ボルト8によって接続されている。
なお、各支柱2の支柱ユニット2aと水平材3および斜材4は、既設柱状体Aの高さに応じて上方に自由に増設することができ、これにより、既設柱状体Aの高さに合わせた最適高さの鉄骨構造物を構築することができる。
なお、各支柱ユニット2a,2a間の接続部、各支柱ユニット2aの上端部と各水平材3の端部との接続部、各支柱ユニット2a,2aの上下両端部と各斜材4の上下両端部との接続部が全て同一構造に規格化して統一することで、これらの各部材間の接合を容易に行うことができる。
そして、既設柱状体Aの上端部に据え付けられている既存の通信用アンテナや避雷針、送電用ケーブル等の既存の施設を鉄骨構造物1の上端部に付け替えることで、鉄骨構造物1を既設柱状体Aに替わる新設柱状体として利用することができる。
なお、図1において、構築された鉄骨構造物1の支柱2の上端部に避雷針9と携帯用アンテナ10が設置され、各支柱2の中間部にパラボラアンテナ11が設置されている。
避雷針9は、支柱2の上端部に接続された支柱ユニット2aの上端接続フランジ2bに設置され、携帯用アンテナ10とパラボラアンテナ11は、各支柱2の上端部と中間部に接続された支柱ユニット2aに取付け金物12を介して設置され、360°の方向の送受信に対応できるようになっている。
取付け金物12は、支柱ユニット2aと平行に配置されたポール12aと当該ポール12aの上下両端部にそれぞれ水平に取り付けられた取付けプレート12b,12bを備え、また、ポール12aと上下取付けプレート12b,12bは、取扱いが容易なように溶接等によって予め一体的に形成されている。
また、取付け金物12は、上下取付けプレート12b,12bを支柱ユニット2aの上下ブラケット2b,2bに重ね、複数の接続ボルト8によってボルト締結することにより取り付けられている。
なお、取付け金物12は、各支柱2の高さ方向の任意の位置に接続された支柱ユニット2に取り付けることができ、これにより避雷針9、携帯電話用アンテナ10、パラボラアンテナ11等の付属設備は、鉄骨構造物の高さ方向の任意の位置に容易に設置し、また、設置位置を自変更することも自由にできる。
携帯用アンテナ10とパラボラアンテナ11は、取付け金物12のポール12aにクランプ等の取付け金具(図示省略)によって脱着可能に取り付けられている。
次に、既設柱状体Aの周囲に鉄骨構造物1を構築する手順を図7に基いて説明する。
(1)最初に、既設柱状体Aの周囲に基礎6を造成する。基礎6は各支柱2を1つの基礎版で支える複合基礎としてもよく、支柱2ごとに支える独立基礎としてもよい。複合基礎とする場合は、既設柱状体Aの既設基礎13と一体に造成し、必要に応じて補強鉄筋を配筋して補強する。
(2)次に、既設柱状体Aの周囲に、各支柱2,2の一段目の支柱ユニット2a,2aを建て込む。各支柱ユニット2a,2aは、基礎6の上に既設柱状体Aの周方向に間隔をおいて建て込み、複数のアンカーボルト7によって基礎6に固定して自立させる。
(3)次に、一段目の各支柱ユニット2a,2a間に複数の水平材3と斜材4をそれぞれ架設し、そして、各水平材3と各斜材4の両端部を両側の支柱ユニット2a,2aの上下両端部にそれぞれ接続ボルト8によって接合する。これで鉄骨構造物1の一段目は充分な強度を有して自立することができる(図(a)参照)。
(4)次に、一段目の支柱ユニット2aの側部に当該支柱ユニット2aの上方に立ち上がる仮設用支柱Bを取り付ける。仮設用支柱Bは、支柱ユニット2aの側部に取り付けられたナット5に螺合されるボルト付きクランプ(図示省略)等によって脱着可能に取り付ける。
(5)次に、仮設用支柱Bを用いて二段目の支柱ユニット2aを一段目の支柱ユニット2aの上端部まで吊り上げる。この場合、例えば、仮設用支柱Bの上端部に人力でも移動可能な小型巻上げ装置(ウィンチ)を取り付けて二段目の支柱ユニット2aを吊り上げる。
(6)次に、吊上げた二段目の支柱ユニット2a,2aをそれぞれ一段目の各支柱ユニット2a,2aの上端部に建て込み、そして、一段目の各支柱ユニット2aの上端部に二段目の支柱ユニット2aの下端部を接続ボルト8によって接合する(図(b)参照)。
(7)次に、二段目の水平材3と斜材4をそれぞれ、小型巻上げ装置(ウィンチ)を用いて吊り上げ、二段目の各支柱ユニット2a,2a間に架設し、各水平材3と斜材4の両端部を支柱ユニット2a,2aに接続ボルト8によって接合する。これで鉄骨構造物1の一段目と二段目は一体化され、充分な強度を有して自立することができる(図(a)参照)。
(8)以下、同様にして三段目、四段目の各支柱ユニット2a,2aを吊り上げては建て込み、当該支柱ユニット2a,2a間に水平材3と斜材4を吊り上げては架設することにより各段を順に組み上げて鉄骨構造物1の全体を完成させる。
そして、既設柱状体Aの上端部に支持されている通信用アンテナや送電用ケーブル等の既存の施設を鉄骨構造物1の上端部に付け替えることで、鉄骨構造物1への建て替えは完了する。
既設柱状体Aは、鉄骨構造物1の構築が完了した後に、解体するが、自然倒壊しない程度に鉄骨構造物1によって保持することにより、既設柱状体Aの解体撤去費用を節約することができる。
なお、下段側支柱ユニット2aの上端部に上段側支柱ユニット2aを建て込む際に、端部位置決め部材2dの突出部分を他方の支柱ユニット2aの端部に差し込むことにより上下支柱ユニット2a,2a間の接続部の位置決めを簡単に行うことができ、上下支柱ユニット2a,2a間を接続ボルト8によって容易に接合することができる。
また、仮設用支柱Bと巻上げ装置は、各段の支柱ユニット2aの立設、水平材3および斜材4の架設が完了すると共に、上段へと順に付け替えて使用することができる。
本発明は、山岳地帯や住宅街に立つ通信用アンテナ電柱、防災行政無線柱、送配電用電柱などの各種既設柱状体の新設柱状体への建て替えを、通信用アンテナや送電用ケーブル等の既存施設を継続して利用しながら、きわめて効率的に行うことができる。
1 鉄骨構造物(既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物)
2 支柱
2a 支柱ユニット
2b 接続フランジ(継手部)
2c ブラケット(継手部)
2d 端部位置決め部材
2e ガセットプレート(継手部)
3 水平材
4 斜材
5 ナット(固定手段)
6 基礎
6a 既設基礎
7 アンカーボルト
8 接続ボルト
9 避雷針
10 携帯用アンテナ
11 パラボラアンテナ
12 取付け金物
12a ポール
12b 取付けプレート
13 既設基礎
A 既設柱状体
B 仮設用支柱
C ボルト付きクランプや足掛けボルト

Claims (9)

  1. 既設柱状体の周囲に立設される複数の支柱と、前記支柱間に架設される複数の水平材および複数の斜材とから平面視略正三角形の塔状に構築される鉄骨構造物であって、前記支柱は、端部にボルト接合のための継手部を設けた規格化された長さの複数本の支柱ユニットを長手方向に接合することによって形成されており、前記水平材は前記既設柱状体の周方向に隣接する各支柱ユニットの上端部間に架設され、前記斜材は前記既設柱状体の周方向に隣接する各支柱ユニットの上端部と下端部間にX形状に架設されていることを特徴とする鉄骨構造物。
  2. 請求項1記載の既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物において、前記支柱ユニット、前記水平材および前記斜材の長さ、径および/または継手部は、規格化された1または複数種の寸法に統一されていることを特徴とする鉄骨構造物。
  3. 請求項1または2記載の既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物において、前記支柱ユニットは鋼管とその端部に設けた継手部から形成されていることを特徴とする鉄骨構造物。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物において、前記水平材と前記斜材は鋼管、形鋼または鉄筋とその端部に設けたボルト接合用の継手部とから形成されていることを特徴とする鉄骨構造物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物において、前記支柱ユニットの端部に支柱ユニットどうし接続時の端部位置決め部材が取り付けられていることを特徴とする鉄骨構造物。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物において、前記支柱ユニットは、前記支柱ユニットの上方に立ち上がる仮設用支柱が脱着可能に取り付く固定手段を備えていることを特徴とする鉄骨構造物。
  7. 請求項6記載の既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物において、前記固定手段は、昇降用の足掛けボルトおよび工作物が脱着可能に取り付く固定手段を兼ねていることを特徴とする鉄骨構造物。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の既設柱状体の周囲に構築される鉄骨構造物の構築方法であって、以下の工程からなることを特徴とする鉄骨構造物の構築方法。
    (1)前記既設柱状体の周囲に、前記支柱の一段目の支柱ユニットを前記既設柱状体の周囲に間隔をおいて立設する工程。
    (2)前記一段目の支柱ユニット間に、一段目の水平材と斜材をそれぞれ架設する工程。
    (3)一段目の支柱ユニットの側部に当該支柱ユニットの上方に立ち上がる仮設用支柱を取り付ける工程。
    (4)前記仮設用支柱を用いて二段目の支柱ユニットを前記一段目の支柱ユニットの上端部まで吊り上げる工程。
    (5)前記一段目の支柱ユニットの上端部に前記二段目の支柱ユニットをボルト接合により立設する工程。
    (6)前記二段目の各支柱ユニット間に前記二段目の水平材と斜材をそれぞれ架設する工程。
    (7)以下、同様にして三段目、四段目の支柱ユニットを立設し、かつ三段目、四段目の水平材と斜材をそれぞれ架設する工程。
  9. 請求項8記載の鉄骨構造物の構築方法において、前記鉄骨構造物の構築が完了した後に、前記既設柱状体を解体することを特徴とする既設柱状体から新設鉄骨構造物への建て替え方法。
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