JP2022066845A - 簡易診察室 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、空気感染対策だけではなく、飛沫感染対策も十分に行われた簡易診察室および簡易診察室組み立てセットを提供する。【解決手段】簡易診察室100は、第一ブース10と第二ブース20とが区画壁30を挟んで隣り合って設けられ、区画壁30には、腕を貫通可能な貫通穴32が形成されるとともに、少なくとも区画壁30の上下方向中間部において第一ブース10に入った者と第二ブース20に入った者とが対面するための透明領域40が設けられており、簡易診察室100を製造するための簡易診察室組み立てセットは、第一ブース10および第二ブース20の骨組みを構成するフレームと、天井部、床部、側面壁または背面壁(背面壁62a、62b)の少なくとも一方を構成するパネルと、第一ブース10および第二ブース20を区画する区画壁30と、を含む。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1) 2020年9月16日 岡崎市医師会医学講演会(リモート講演会)にて公表 (2) 2020年9月16日 内山順造のFace Bookのサイトに公表 (3) 2020年9月28日 内山順造のFace Bookのサイトに公表
本発明は、簡易な構成の診察室であって、特に感染症患者または感染症が疑われる患者に対し迅速かつ安全に診察等を行うことが可能な簡易診察室、および簡易診察室組み立てセットに関する。
従来、感染症患者または感染症が疑われる患者に対し、診察または検査などの医療処置を行う際、医療従事者は、患者の飛沫を浴びないように防護服やN95マスク(以下、防護服等ともいう)を装着する場合があった。
しかし、防護服等は使い回すことができず、一人の患者の対応が終わると装着していた防護服等を取り外し廃棄する必要がある。そのため感染症が流行し多数の患者に対応する場合、防護服等が不足する場合がある。また厳密に感染を防止するために、防護服等の着脱は非常に注意深く行わなければならず、装着者は多大な労力を要する。また防護服は、飛沫が肌に付着するのを回避し、かつ汚染された空気に触れないような構造になっているため、通気性が悪く熱が籠りがちである。そのため、装着者の体力の消耗が危惧される。
これに対し、特許文献1には、N95マスクを着用することなく、患者から発生した病原体が医療従事者に感染するのを防止するための病原体感染防止システムが提案されている。
上記病原体感染防止システムでは、診察室が、垂下された仕切りにより清浄区域と汚染区域とに分離される。清浄区域は、清浄空気が供給される吹き出し口を有し、医療従事者が着座する空間となる。一方、汚染区域は、汚染空気を外部に排出するための吸い込み口を有し、患者が着座する空間となる。上記仕切りの下端位置は、汚染区域に居る患者の口の高さプラスマイナス20cm程度に調整される。清浄区域に供給された空気は、汚染区域に流入し、吸い込み口より排出される。かかるシステムによれば、清浄区域に居る医療従事者の呼吸域の病原体濃度をN95マスク着用時の濃度以下とすることができる旨、説明されている。
特開2011-229696号公報
上記病原体感染防止システムは、診察時の空気感染については効果を奏し得るが、患者からの飛沫感染および接触感染に対する配慮が不足している点で問題であった。
すなわち、医療従事者と患者との間の仕切りが患者の口の高さプラスマイナス20cmでは、医療従事者の顔、あるいは衣服等に対する患者の飛沫の付着を避けることができない。清浄区域の床面等に飛沫が飛ぶことによって、清浄区域が汚染される場合もある。衣服あるいは床面等に付着した飛沫に含まれるウイルスや細菌(以下、ウイルス等ともいう)は、一定時間生存する。そのため、衣服や靴裏などに付着したウイルス等が、間接的に口や目などに接触して体内に進入する場合がある。
したがって、空気感染対策だけではなく、飛沫感染対策や接触感染対策も十分に行われた診察室の提供が望まれていた。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、空気感染対策だけではなく、飛沫感染対策、および接触感染対策も十分に行われた簡易診察室および簡易診察室組み立てセットを提供するものである。
本発明の簡易診察室は、第一ブースと第二ブースとが区画壁を挟んで隣り合って設けられ、上記区画壁には、腕を貫通可能な貫通穴が形成されるとともに、少なくとも当該区画壁の上下方向中間部において上記第一ブースに入った者と上記第二ブースに入った者とが対面するための透明領域が設けられていることを特徴とする。
また本発明の簡易診察室を製造するための簡易診察室組み立てセットは、第一ブースおよび第二ブースの骨組みを構成するフレームと、天井部、床部および側面壁または背面壁の少なくとも一方を構成するパネルと、第一ブースおよび第二ブースを区画する区画壁と、を含むことを特徴とする。
本発明の簡易診察室は、貫通穴の設けられた区画壁により、医療従事者が入室する第一ブースと、患者が入室する第二ブースとに区画されている。そのため、第一ブースと第二ブースとの間を空気が流通し難く空気感染が防止されるとともに、患者の飛沫が第一ブース内に飛ぶのを阻止することができる。このように空気感染および飛沫感染が防止された環境において、医療従事者は、区画壁に設けられた貫通穴に腕を挿入して、対面する患者に対し安全に診察、検査、または処置などを行うことができる。
また本発明の簡易診察室組み立てセットは、本発明の簡易診察室を容易かつ迅速に増設することを可能とする。
簡易診察室の内部を全体的に見た概略斜視図である。 簡易診察室の外観の概略斜視図である。 簡易診察室の内部を部分的に見た概略斜視図である。 簡易診察室の内部を全体的に見た上面図である。 第二ブース側から区画壁を見た斜視図である。 第二ブース側から区画壁を見た斜視図である。 簡易診察室の内部を全体的に見た概略斜視図である。
以下に、本発明の簡易診察室について図1から図7を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である簡易診察室100の内部を全体的に見た概略斜視図であり、紙面手前側に設けられた出入り口と天井部を図示省略している。図2は、簡易診察室100の外観の概略斜視図である。図3は、簡易診察室100の内部を部分的に見た概略斜視図であり、第一ブース10に居る医療従事者1が第二ブース20に居る患者2に対し、粘液を拭うためのスティック3を用いて検査を実施している様子を示している。図4は、簡易診察室100の内部を全体的に見た上面図である。図5は、第二ブース20側から区画壁30を見た斜視図であり、腕被覆体80を作業台22に載せている状態を示している。図6は、第二ブース20側から区画壁30を見た斜視図であり、腕被覆体80を紐86で釣り上げて裏側面を露出させた状態を示している。図7は、図1に示す簡易診察室100の変形例の内部を全体的に見た概略図である。
本発明、および本発明の説明に関し用いるいくつかの用語について以下に定義する。
ブースとは、横側面および上下面が間仕切りされて外部と区画された空間をいう。
患者とは、疾患している者に限らず、疾患の可能性のある者も含み、医療従事者によって診察、検査、または処置の対象となる者を広く含む。
飛沫とは、患者の咳、くしゃみ、または会話等において発せられた粒子であって、病原体および水分を含む粒子を含む。
エアロゾルとは、飛沫よりも小さく、病原体を含み空気中に漂う微小粒子であって、水分と病原体とを含むもの、および水分が乾燥して実質的に病原体だけが空気中に浮遊しているものを含む。
空気感染とは、エアロゾルを吸い込んで生じる感染を指す。
本発明に関し、特段の断りがない場合、上下方向とは、本発明を設置した状態における天地方向を指し、左右方向および背面とは、第一ブースおよび第二ブースそれぞれにおいて区画壁に対面した者からみた左右および背面を指す。
図1に示すとおり、本発明の簡易診察室100は、第一ブース10と第二ブース20とが区画壁30を挟んで隣り合って設けられる。本実施形態では、第一ブース10を医療従事者が入室する部屋とし、第二ブース20を患者が入室する部屋として説明する。
区画壁30は、腕を貫通可能な貫通穴32が形成されているとともに、少なくとも上下方向中間部であって医療従事者と患者とが対面可能な位置に透明領域40が設けられている。そのため、第一ブース10に入室した医療従事者は、貫通穴32に腕を挿入し、第二ブース20に入室した患者に対し、診察、検査、または処置(以下、単に診察等ともいう)を実施することができる。
かかる構成を備える簡易診察室100は、図3に示すとおり、医療従事者1と患者2とが区画壁30を隔てた空間に居るため、空気感染が発生し難い。また患者2の咳やくしゃみにより飛沫が発生しても、区画壁30によって遮られるため、第一ブース10側が当該飛沫によって汚染されることが防止される。そのため医療従事者1は、患者2に対し安全に診察等を行うことができる。区画壁30には貫通穴32が設けられているので、本発明では、区画壁30の下端を十分に床部に近い位置、あるいは床部上面に隙間なく当接させても診察等を実施することができる。
以下に、本発明について簡易診察室100を例により詳細に説明する。
簡易診察室100は、図2に示すとおり、直方体の小室である第一ブース10および第二ブース20を備える。第一ブース10および第二ブース20は、フレーム56によりなる骨組みにパネル60が設置されてなる外壁および出入口66a、66bを備える。
骨組み56は、金属製、木製あるいは硬質樹脂製などの簡易診察室100の強度を保てる程度の部材から適宜構成される。
第一ブース10、第二ブース20の外壁を構成するパネル60は、背面壁62a、62b、側面壁64a、64b、天井部68a、68b、および床部69a、69bを構成する。各部分におけるパネル60、ならびに天井部68a、68b、および床部69a、69bは、連続した一枚のパネル60から構成されてもよいし、複数のパネル60を並列して構成されてもよい。
ここでパネル60とは、第一ブース10および第二ブース20の外壁を構成し得る板状体である。パネル60は、適度な強度が維持可能な任意の部材から構成され、たとえば樹脂製、木製、金属製の板状体、あるいは任意の部材の積層からなる積層板状体などが例示される。背面壁62a、62b、側面壁64a、64b、天井部68a、68b、および床部69a、69bはそれぞれ、同一部材からなるパネル60で構成されてもよいし、異なる部材からなるパネル60で構成されてもよい。
直方体の小室を2つ備えた簡易診察室100の大きさは特に限定されないが、取扱い性容易であって設置に広いスペースを要しないという観点からは、高さ160cm~200cm程度であって床面積の長辺140cm~170cm程度、短辺70cm~85cm程度にするとよい。尚、ここでいう高さとは床面上面から天井面した面までの距離を指し、床面積の長辺とは、第一ブース10の背面壁62aから第二ブース20の背面壁62bまでの距離を指す。
出入口66aは、医療従事者1が第一ブース10に出入りするための出入り口であり、出入口66bは、患者2が第二ブース20に出入りするための出入り口である。出入口66a、66bを個別に設け、第一ブース10の出入口66aを常に清浄に保つことが肝要である。本実施形態では、図2、図4に示すように、出入口66a、66bとして互いに独立の2つのドアが設置されている。一方のドア(出入口66a)には取っ手67aが設けられており、他方のドア(出入口66b)には取っ手67bが設けられており、医療従事者1と患者2とが同じ取っ手を握ることがないように配慮されている。他の態様としてスライド式の扉や、上部から吊り下げてなるシート部材を出入口66a、66bとすることもできる。第一ブース10および第二ブース20の気密性を良好に保つことが可能であるという点からは、出入口66a、66bとして互いに独立の2つのドアが設置される態様が好ましい。
本実施形態では、出入口66a、66bは、側面壁64a、64bに対向する位置に設けられている。変形例として、出入口66a、66bの少なくとも一方が、背面壁に相当する位置に設けられる態様を本発明は包含する。ただし、後述する紫外線ランプ50を設置する場合には、少なくとも出入口66bは、側面壁64bに対向する位置に設けられることが好ましい。
第一ブース10および第二ブース20の床部69a、69bは、板状体であるパネル60から構成されており、その下面側には、移動用車輪90が複数設けられている。移動用車輪90には適宜、ストッパーが設けられるとよい。このように移動用車輪90が設けられた簡易診察室100は、移動が容易であって取り扱い性に優れる。たとえば屋外で使用される簡易診察室100を、夜間あるいは雨天時には屋内に容易に移動させることができる。
一の移動用車輪90とこれに隣り合う他の移動用車輪90との間には、床部69a、69bから下垂するスカート92が設けられており、床部69a、69bの下方と外部との間において空気が流動しにくくなるよう配慮されている。
ところで、フレーム56およびパネル60を用いて構成される簡易診察室100は、後述する区画壁30などを含め、全て組み立て部材として準備することができる。そのため簡易診察室100を構成する部材を揃え、簡易診察室組み立てセットとして取り扱うことができる。
すなわち、本発明は、第一ブース10および第二ブース20の骨組みを構成するフレーム56と、天井部68a、68b、床部69a、69bおよび背面壁62a、62bまたは側面壁64a、64bの少なくとも一方を構成するパネル60と、第一ブース10および第二ブース20を区画する区画壁30とを含む簡易診察室組み立てセットを含む。上記簡易診察室組み立てセットには、適宜、出入り口を構成する扉部材、およびフレーム56同士またはフレーム56とパネル60とを接合するためのネジやボルトなどの接合部材などの任意の部材が含まれてもよい。
上記簡易診察室組み立てセットによれば、フレーム56により骨組みを組み、かかる骨組みに対しパネル60などを設置する簡単な組み立て作業によって簡易診察室100を製造することができる。そのため、たとえば感染症の流行により、通常の診察とは別に感染症患者または感染の疑いのある患者を多数診察する必要が発生した際、迅速に診察室を増設することができる。
尚、本実施形態では、直方体の小室である第一ブース10と第二ブース20とが隣り合って構成される態様の簡易診察室を示すが、本発明はこれに限定されない。たとえば自立する区画壁30に対し、その両面側に布製や樹脂製のシート部材で横側面および上下面が間仕切りされて外部と区画された第一ブースおよび第二ブースを備える態様を本発明は包含する。
次に簡易診察室100の内部について説明する。
簡易診察室100の内部は区画壁30によって2つのスペース(第一ブース10、第二ブース20)に分けられている。
区画壁30は、簡易診察室100の天井から床までを仕切る部材であり、好ましくは、天井部68a、68bの境界から床部69a、69bの境界に亘って設けられるとよい。区画壁30により区画されることによって、第一ブース10と第二ブース20との間における空気の流動が抑制される。区画壁30には、腕を貫通可能な貫通穴32が形成されている。貫通穴32の大きさは特に限定されず、医療従事者1が腕を貫通させて第二ブース20に居る患者2に対し診察等を実施可能な程度の大きさであればよい。本実施形態では、貫通穴32は、左右方向に並列して2つ設けられている。1つの貫通穴32は、1本の腕を挿通するのにちょうどよい大きさとなっている。ただし、図示省略する他の態様として、貫通穴32は、両腕を貫通させて診察等を実施可能な程度の大きさの1つの穴であってもよい。
区画壁30は、少なくとも上下方向中間部であって第一ブース10に居る医療従事者1と第二ブース20に居る患者2とが対面可能な位置に、透明領域40が設けられている。透明領域40は、区画壁30の全体に設けられてもよいし、貫通穴32の上部に設けられてもよいし、貫通穴32を含む領域に設けられてもよい。特に図1などに示すように貫通穴32を含む領域に透明領域40が設けられることで、診察等の際に医療従事者1の視野を十分に確保することができて好ましい。
本実施形態における区画壁30は、透明領域40の上方および下方が不透明領域(上部不透明領域321、下部不透明領域322)となっている。後述する紫外線ランプ50を第二ブース20に設置する態様において、紫外線が第一ブース10に照射される量を軽減する観点から、このように透明領域40を区画壁30の上下方向中間部に限定することが好ましい。本実施形態では、透明領域40の幅寸法は、区画壁30の幅寸法に等しい。
本実施形態における第二ブース20には、貫通穴32より下方であって、区画壁30の第二ブース20側の面に沿って左右方向に延在する作業台22が設けられている。作業台22は、第一ブース10に居る医療従事者1が貫通穴32に貫通させた腕を載せ、あるいは検査に用いた検査用品など(たとえば図3に示すスティック3を収容していた収容体5など)を置くことができる台として使用することができる。また図示省略するが、作業台22に廃棄物容器を設置することで、第二ブース20において使用した検査用品等を第一ブース10に持ち込むことなく廃棄することができる。作業台22は、設置姿勢が固定されていてもよいし、裏面側に蝶番とストッパーを設けるなどして、面方向を水平方向から上下方向に変更するよう折り畳み可能に設置されてもよい。
貫通穴32は、図1に示すように単なる穴であってもよい。この場合には、貫通穴32に腕を貫通させて治療等を実施した医療従事者1は、貫通穴32から腕を抜いた後、アルコールなどで腕や手のひらを十分に消毒すればよい。あるいは、使い捨ての手袋を嵌めて貫通穴32に腕を挿通させて、治療等の後に当該手袋を破棄することで対応することも可能である。
ただし、貫通穴32から第二ブース20側に進入した医療従事者1の腕が患者2の飛沫およびエアロゾルに汚染されることを良好に防止するという観点からは、図3に示すとおり、貫通穴32から第二ブース20側に伸長する腕被覆体80が設けられることが好ましい。貫通穴32に挿入した腕が腕被覆体80で覆われることで、患者2の飛沫およびエアロゾルが当該腕に付着することを確実に防止することができる。
ここで腕被覆体80は、貫通穴32から挿通された腕を少なくとも被覆することができればよく、長手袋のように先端に図示省略する手袋部が設けられてもよい。
ただし、添え付けの手袋部に手を挿入した場合、細かい作業が行い難くなることを考慮すると、腕被覆体80は、両端開口の筒状体であることが好ましい。当該筒状体の一端(基端開口84)は貫通穴32に取り付けられ、他端(先端開口82)から手のひらを露出させることができる。この場合、手には予め使い捨ての医療用手袋を嵌めておけば、手のひら部分に対し直接に患者の飛沫が付着することを避けることができる。たとえば、医療用手袋を予め二重に装着し、筒状体である腕被覆体80の先端開口82から手のひらを露出させ、治療等終了後、表面の手袋を第二ブース20内において外して廃棄し、汚染されていない内側の手袋を付けた状態で腕被覆体80および貫通穴32から腕を抜いた後、当該内側の手袋を外すことで、患者2からの直接の感染をより厳密に防止することができる。
腕被覆体80を構成する部材は特に限定されないが、適度な柔軟性と良好なガスバリヤ性を有し、かつ非透水性である樹脂シートなどが好適である。また腕被覆体80の内側面に、綿繊維や化学繊維などからなる生地を積層させ使用者の使用感を向上させてもよい。
腕被覆体80の基端開口84は、貫通穴32に対ししっかりと固定されていてもよいし、着脱可能に取り付けられていても良い。基端開口84を着脱可能に取り付ける手段は特に限定されない。たとえば、第一ブース10側の貫通穴32の外縁に取付部81aを設け、一方、腕被覆体80の基端開口84外縁に被取付部81bを設け、取付部81aに被取付部81bを取り付けてもよい。取付部81aおよび被取付部81bは、任意の取付手段であればよく、たとえば面ファスナー、スライドファスナー、ホック、ボタンなどが例示される。
次に第一ブース10について説明する。第一ブース10は、医療従事者1が入る空間である。医療従事者1は立ったまま第二ブース20に居る患者2に対し診察等を行ってもよいが、通常は椅子4を用いて座って診察等を行う。そのため、上述する区画壁30に設けられる貫通穴32および透明領域40も、医療従事者1が座ることを前提とした高さに形成されるとよい。
第一ブース10は、常に清浄な環境を保つことが望まれる。そのため、本実施形態の簡易診察室100は、第一ブース10内を陽圧状態に維持し外部の空気を第一ブース10に流入させないために、陽圧装置70が取り付けられている。図1では背面壁62aの上方に陽圧装置70を取り付けた例を具体的に示したが、陽圧装置70の取り付け位置はこれに限定されない。陽圧装置70は、第一ブース10に対し清浄な空気を供給できる装置であればよく、たとえば、換気扇、送風機、扇風機などが挙げられる。
陽圧装置70から吹き込まれた空気は、貫通穴32を通って第二ブース20に流動する。これに加え、供給される空気の量が多ければ、第一ブース10を構成する部材間の隙間からも空気は外部に漏れ出る場合がある。いずれにしても外部(第二ブース20を含む)よりも高い圧力が維持された第一ブース10は、隣り合う第二ブース20および外部から意図しない空気が流入することがなく、清浄な環境が保たれる。そのため第一ブース10に入り診察等を行う医療従事者1は、第二ブース20に入った患者2から発生されたエアロゾルにより空気感染することが良好に防止される。
次に第二ブースについて説明する。第二ブース20は、患者2が入る空間である。患者2は、医療従事者1と同様に椅子4に腰掛け、第一ブース10に入った医療従事者1から治療等を受ける。
第二ブースは、感染患者または感染の可能性が疑われる患者が入るため、空気が汚染される可能性が高い。そのため本実施形態の簡易診察室100は、第二ブース20内を陰圧状態にして外部に汚染された空気が漏れ出ないようにするため、陰圧装置72が取り付けられている。図1では背面壁62bの上方に陰圧装置72を取り付けた例を具体的に示したが、陰圧装置72の取り付け位置はこれに限定されない。陰圧装置72は、第二ブース20の空気を外部に流動させて内部を陰圧にさせることができる装置であればよく、たとえば、換気扇、送風機、扇風機などが挙げられる。尚、陰圧装置72は汚染された可能性のある空気を外部に流動するため、ウイルス等を捕捉可能なフィルタ(たとえばHEPAフィルタ)などが取り付けられていることが好ましい。
以上に述べるとおり、第一ブース10に陽圧装置70を有し、かつ第二ブース20に陰圧装置72を有する簡易診察室100は、第一ブース10内の圧力を第二ブース20内の圧力よりも高く維持することができる。そのため、常に、第一ブース10側から第二ブース20側に気体(空気)を流動させることができ、第一ブース10の中にいる医療従事者1が、第二ブース20の内部の汚染された空気によって、感染することが良好に防止される。
また先端開口82を備える腕被覆体80を用いる場合、一般的には、当該開口から第一ブース10内にウイルス等が進入しないように腕被覆体80の基端開口84付近を十分にアルコールなどによって消毒する必要がある。しかし、上述のとおり、常に第一ブース10から第二ブース20に対し空気が流動する態様では、腕被覆体80の基端開口84から先端開口82に向けて空気が流動する。そのため、当該先端開口82から第一ブース10側にウイルス等が進入することを良好に防止することができる。
上述するとおり本実施形態の簡易診察室100は、第一ブース10に居る医療従事者1が第二ブース20に居る患者2から感染しないよう種々の配慮がなされている。
ところで、感染症が流行した場合、医療従事者1は、複数の患者に対し診察等を実施しなければならない場合がある。この場合、第二ブース20には、複数の患者2が入れ代わり立ち代わりに入ることになる。したがって後から入室した患者2が、前に診察等を受けた患者の飛沫等で汚染された第二ブース20内を触り接触感染することを防止する必要がある。
たとえば、一人の患者2が第二ブース20に入り、診察等を受けた場合、第二ブース20側の区画壁30、作業台22、床部60b、出入り口部66bなどにウイルスや細菌が付着している可能性が高い。したがって、患者2が第二ブース20から出た後、その第二ブース20の内部をアルコールなどの消毒剤で入念に消毒して清浄な状態にする必要がある。この状態であれば次の患者2が第二ブース20に入っても、先に診察等を受けた患者2から感染することは避けられる。
しかし、毎回、診察等が終わるごとに第二ブース20を消毒する作業は、非常に労力および時間がかかり複数患者の迅速な診察等の妨げとなる。しかも消毒作業を行う者(以下、消毒作業者ともいう)は、完全防護服で行わなければならず、心身の疲労度合いが大きく、かつ完全防護服の消費量も大量となる虞がある。またそればかりでなく、患者2が第二ブース20を出た後すぐに消毒を始めると、第二ブース20内部の汚染された空気(エアロゾル)を吸って、消毒作業者が空気感染する虞がある。そのため、消毒作業者は、第二ブース20の内部の空気が陰圧装置72などによって清浄な空気に入れ替わるまでしばらく待ってから清掃を行わなければならず、この点も、複数患者の迅速な診察等の妨げとなる。
これに対し、本実施形態の簡易診察室100は、第二ブース20に紫外線ランプ50が設けられており、任意のタイミングで第二ブース20の内部を紫外線照射することができる。これによって、第二ブース20の内部の細菌を死滅させ、またウイルスを不活化することができ、従来行っていたアルコール消毒を割愛することができる。そのため、従来のように消毒作業者の労力を要せず、第二ブース20の消毒のために完全防護服を着用する必要もない。したがって、紫外線ランプ50の設置により、安全に診察等を行うという本発明の所期の課題がより一層十分に達成される上、複数の患者に対し迅速に診察等を実施することができる。
また、紫外線ランプ50の照射により空気中の酸素がオゾンに変化することが知られている。そこで、区画壁30、側面壁64b、背面壁62b、出入口66b、天井部68b、床部69bからなる小室の第二ブース20において、当該小室を構成するこれらの部材間を目視で隙間が確認できない程度にぴったりと接触させ密封性の高い構造とし、この中で紫外線ランプ50を照射するとよい。これによって、紫外線ランプ50の照射により発生したオゾンは、陰圧装置72により排出される以外は、第二ブース20内に滞留するため、紫外線自体の作用に加えオゾンの殺菌効果やウイルス不活化効果も享受することができ、第二ブース20内を清浄にするための時間をより短縮することができる。
紫外線ランプ50は第二ブース20の内側面などに直接取り付けることもできるが、図1に示すように、第二ブース20の内側面に鏡面反射材(鏡面反射シート54)を設置し、その上に紫外線ランプ50を設置することが望ましい。これによって、紫外線を鏡面反射させて、さらに高い紫外線照射効果を発揮させることができる。
紫外線ランプ50は、紫外線を照射可能な光源である。具体的には、蛍光灯型の紫外線ランプ、LED型の紫外線ランプなどが挙げられる。またキセノンを光源とするキセノン紫外線あるいはパルスドキセノン紫外線を発生する紫外線ランプもウイルスの不活化等に有効である。紫外線ランプ50の形状は特に限定せず、図示するように長尺の紫外線ランプ50であってもよいし、図示省略する球状の紫外線ランプ50であってもよい。ここでいう紫外線とは、波長が10nm以上400nm以下の電磁波を指す。細菌の死滅およびウイルスの不活化の効果が高いという観点からは、10nm以上280nm以下の波長の紫外線が好ましく、100nm以上280nm以下の紫外線がより好ましく、200nm以上280nm以下の紫外線であることがさらに好ましい。
紫外線ランプ50のスイッチ52は、第二ブース20内部以外の任意の箇所に設置するとよい。たとえば図3に示すとおり、第一ブース10内にスイッチ52を設けることが好ましい。第一ブース10の内部にいる医療従事者1が、第二ブース20から患者2が出ていったことを確認し速やかにスイッチ52をONにして紫外線照射を開始し、所定時間経過後にOFFにし、次の患者を速やかに第二ブース20に受け入れることができる。この場合、区画壁30は、紫外線減衰部材で構成された透明領域40と、透明領域40の上方および下方に設けられた不透明領域(上部不透明領域321、下部不透明領域322)とから構成されることが好ましい。かかる区画壁30を備えることで、第二ブース20に設置された紫外線ランプ50をONにしたとき、紫外線が第一ブース10に到達する量を最小限に抑えることができる。そのため医療従事者1は、第一ブース10に居ながらにして紫外線ランプ50のON、OFF操作をすることができ、紫外線照射のたびに第一ブース10を出入りするという煩わしさから解放される。
上記紫外線減衰部材とは、透明性を確保しつつ、紫外線を減衰させる機能を有する部材であればよい。たとえば紫外線減衰部材の例として、適度な厚みの透明樹脂板(より具体的にはアクリル樹脂板など)、または任意の部材で形成された透明の板状体の表面に透明な紫外線吸収フィルムが貼られたものなどを挙げることができる。また紫外線減衰部材で透明領域40を構成する代わりに、区画壁30の第一ブース10側に透明領域40を覆う開け閉め可能なカーテンや扉を設けてもよい。
より効率的に、かつより短時間に第二ブース20の内部を紫外線照射して細菌の殺菌またはウイルスの不活化を図るためには、以下の態様が好ましい。
即ち、図4に示すとおり、本実施形態において第二ブース20は、区画壁30に対向する背面壁62b、区画壁30と背面壁62bとを亘る左右いずれか一方側に設けられた側面壁64b、側面壁64bに対向する面に設けられた出入口66b、天井部68b、および床部69bを有する直方体の小室である。かかる第二ブース20において、患者2の顔が対向する区画壁30の第二ブース20側の面および患者2が直接に触れて開け閉めを行う出入口66bが最も患者2によって汚染されやすく汚染面となりやすい。そこで、直方体の小室である第二ブース20内において、区画壁30および出入口66bそれぞれの面方向に対し平行な方向に伸長する長尺の紫外線ランプ(背面側紫外線ランプ50B、側面側紫外線ランプ50A)を設置するとよい。各汚染面の面方向と平行な方向に伸長する長尺の紫外線ランプを配置することで、当該汚染面に直進または直進に近い角度で紫外線を入射させ、これによって、より高い殺菌効果およびウイルス不活化効果を発揮させることができる(図4参照)。
また本発明者の検討によれば、紫外線ランプ50と汚染面との距離も、紫外線照射効果に大きな影響を与えることがわかっている。より具体的には、第二ブース20において、背面壁62bおよび側面壁64bそれぞれに紫外線ランプ50(背面側紫外線ランプ50B、側面側紫外線ランプ50A)が設けられ、区画壁30の汚染中心と背面壁62bに設けられた紫外線ランプ50(背面側紫外線ランプ50B)の中心との距離、および出入口66bの汚染中心と側面壁64bに設けられた紫外線ランプ50(側面側紫外線ランプ50A)の中心との距離が、いずれも50cm以上100cm以下であることが好ましい。
ここで区画壁30の汚染中心とは、区画壁30において、2つの貫通穴32の中心を結ぶ直線の2分の1の地点より10cm上方の地点を指し、出入口66bの汚染中心とは、出入口66bの室内側に設けられた開閉のための取っ手67bを指す。また紫外線ランプ50の中心とは、長尺の紫外線ランプ50の長さ方向2分の1の箇所を指す。尚、紫外線ランプ50が複数の球状のランプであって、一方方向に配列されている場合には、配列された球状のランプ全体を1つの紫外線ランプ50ととらえ、その一端から他端までの2分の1の箇所を紫外線ランプ50の中心とする。
紫外線ランプ50と汚染面との距離を50cm以上100cm以下にすることで、非常に高い紫外線照射効果を発揮させ、短時間(たとえば1分~10分程度)で第二ブース20内を清浄にすることが可能である。結果として、紫外線照射を短時間で完了させ、診察等の回転を速くすることができる。
以上のとおり、上記距離が、50cm以上100cm以下となるよう、第二ブース20内に紫外線ランプ50を設置することが好ましく、換言すると、このような距離を確保できるよう第二ブース20の寸法を設計するとよい。
より具体的には、たとえば、図1に示すように、直方体の小室である第二ブース20内において、背面壁62bおよび側面壁64bの上下方向中間領域に、紫外線ランプ50(背面側紫外線ランプ50B、側面側紫外線ランプ50A)を配置することができる。かかる設置態様では、上述する数値範囲の距離を確保しやすく、紫外線照射効率が高い。
また別の態様として、図7に示すように、背面壁62bの上端に沿って背面側紫外線ランプ50Bを設置し、同様に側面壁64bの上端に沿って側面側紫外線ランプ50Aを設置してもよい。このように上方に紫外線ランプ50を設置することで、紫外線ランプ50と人や物とが接触してランプが破損することが防止される。またこのように上部に紫外線ランプ50を設けたとしても、上述する数値範囲の距離を十分に確保可能である。尚、側面側紫外線ランプ50Aは、側面壁64bの上端に沿って天井部68bに設けられてもよく、また背面側紫外線ランプ50Bは背面壁62bの上端に沿って天井部68bに設けられてもよい。図7では、背面壁62bの透明領域40に対向する位置に、さらに紫外線ランプ50(背面側紫外線ランプ50B’)を設け、より十分に区画壁30の表面の殺菌またはウイルスの不活化を可能としている。
もちろん、上述する数値範囲の距離を確保して紫外線ランプ50を設置した場合、汚染面だけでなく、第二ブース20の内部全体が紫外線により清浄化されることはいうまでもない。
また上述のとおり汚染面に対し、対向する位置に設置された紫外線ランプ50に加え、他の任意の位置に紫外線ランプ50を設置してもよい。たとえば図1に示すように区画壁30の上部不透明領域321に中央紫外線ランプ50Cを設置し、あるいは天井部68bに紫外線ランプ50を設置(図示省略)してもよく、あるいは図7に示すように作業台22の下部に紫外線ランプ50(作業台下紫外線ランプ50D)を設置してもよい。
尚、第二ブース20において出入り口が背面側に設けられた場合には、上述のように汚染面(取っ手67b)に対向する位置に紫外線ランプ50を設置し難い。そのため、紫外線ランプ50の効果的な設置位置を確保するとい観点からは、出入口66bは、側面壁64bに対向する位置に設けられることが好ましい。
また、第二ブース20において紫外線照射を行っている最中に、併せて腕被覆体80にも紫外線を照射して清浄にするとよい。たとえば図5に示すように、紫外線照射中、腕被覆体80を作業台22に載せることで露出した腕被覆体80の上面側は、紫外線に良好に照射される。また腕被覆体80の任意の箇所(図面では、先端開口82)に紐86の端部を取り付け、貫通穴32よりも上方において区画壁30に設けられた小孔88に紐86を予め通しておいてもよい。紐86を第一ブース10側から引っ張ることで図6に示すように腕被覆体80の裏面側を露出させることができる。この状態で紫外線照射すれば、腕被覆体80の裏面側にも良好に紫外線を照射することができる。腕被覆体80は、診察等を行う際、最も患者2に近くなるため飛沫が付着する虞が高い。そのため、このように上面側だけでなく裏面側も清浄にできることは好ましい。
以上に本発明の実施態様である簡易診察室100を説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば各図に示す特定の構成を他の図に示す態様に変更または追加等してよく、また長尺の紫外線ランプの替りに一方方向に球状の紫外線ランプを配列させてもよい。
また長尺の紫外線ランプを配置する際、各壁面に1本の紫外線ランプを配置してもよいし、2本以上の紫外線ランプを配置してもよい。
また本発明の簡易診察室を用いて診察、検査、処置などを実施するために必要な他の構成を適宜付加してもよい。たとえば、図示省略する室内灯を第一ブースおよび/または第二ブースに設けてもよい。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)第一ブースと第二ブースとが区画壁を挟んで隣り合って設けられ、
前記区画壁には、腕を貫通可能な貫通穴が形成されるとともに、少なくとも当該区画壁の上下方向中間部において前記第一ブースに入った者と前記第二ブースに入った者とが対面するための透明領域が設けられていることを特徴とする簡易診察室。
(2)前記第二ブースには、紫外線ランプが設けられている上記(1)に記載の簡易診察室。
(3)前記第一ブース内に、前記紫外線ランプのスイッチが設けられているとともに、
前記区画壁の前記透明領域が、紫外線減衰部材で構成されている上記(2)に記載の簡易診察室。
(4)前記第二ブースが、前記区画壁に対向する背面壁、前記区画壁と前記背面壁とを亘る左右いずれか一方側に設けられた側面壁、前記側面壁に対向する面に設けられた出入り口、天井部、および床部を有する直方体の小室であり、
当該第二ブース内において、前記区画壁および前記出入り口それぞれの面方向に対し平行な方向に伸長する長尺の紫外線ランプが設けられている上記(2)または(3)に記載の簡易診察室。
(5)前記第二ブースが、前記区画壁に対向する背面壁、前記区画壁と前記背面壁とを亘る左右いずれか一方側に設けられた側面壁、前記側面壁に対向する面に設けられた出入り口、天井部、および床部を有する直方体の小室であり、
当該第二ブースにおいて、前記背面壁および前記側面壁それぞれに紫外線ランプが設けられており、前記区画壁の汚染中心と前記背面壁に設けられた前記紫外線ランプの中心との距離、および前記出入り口の汚染中心と前記側面壁に設けられた前記紫外線ランプの中心との距離が50cm以上100cm以下である上記(2)から(4)のいずれか一項に記載の簡易診察室。
(6)前記第一ブースは陽圧装置を有し、
前記第二ブースは陰圧装置を有し、
前記第一ブース内の圧力を前記第二ブース内の圧力よりも高く維持する上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の簡易診察室。
(7)前記貫通穴から前記第二ブース側に伸長する腕被覆体が設けられている上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の簡易診察室。
(8)前記腕被覆体は、両端開口の筒状体である上記(7)に記載の簡易診察室。
(9)前記第二ブースには、前記貫通穴より下方であって、前記区画壁の前記第二ブース側の面に沿って左右方向に延在する作業台が設けられている上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の簡易診察室。
(10)上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の簡易診察室を製造するための簡易診察室組み立てセットであって、
第一ブースおよび第二ブースの骨組みを構成するフレームと、天井部、床部および側面壁または背面壁の少なくとも一方を構成するパネルと、第一ブースおよび第二ブースを区画する区画壁と、を含むことを特徴とする簡易診察室組み立てセット。
1・・・医療従事者
2・・・患者
3・・・スティック
4・・・椅子
5・・・収容体
10・・・第一ブース
20・・・第二ブース
22・・・作業台
30・・・区画壁
32・・・貫通穴
40・・・透明領域
50・・・紫外線ランプ
50A・・・側面側紫外線ランプ
50B・・・背面側紫外線ランプ
50C・・・中央紫外線ランプ
50D・・・作業台下紫外線ランプ
52・・・スイッチ
54・・・鏡面反射シート
56・・・フレーム
60・・・パネル
62a、62b・・・背面壁
64a、64b・・・側面壁
66a、66b・・・出入り口
67a、67b・・・取っ手
68a、68b・・・天井部
69a、69b・・・床部
70・・・陽圧装置
72・・・陰圧装置
80・・・腕被覆体
81a・・・取付部
81b・・・被取付部
82・・・先端開口
84・・・基端開口
86・・・紐
88・・・小孔
90・・・移動用車輪
92・・・スカート
100・・・簡易診察室
321・・・上部不透明領域
322・・・下部不透明領域


本発明の簡易診察室は、第一ブースと第二ブースとが区画壁を挟んで隣り合って設けられ、上記区画壁には、腕を貫通可能な貫通穴が形成されるとともに、少なくとも当該区画壁の上下方向中間部において上記第一ブースに入った者と上記第二ブースに入った者とが対面するための透明領域が設けられていることを特徴とする。

Claims (10)

  1. 第一ブースと第二ブースとが区画壁を挟んで隣り合って設けられ、
    前記区画壁には、腕を貫通可能な貫通穴が形成されるとともに、少なくとも当該区画壁の上下方向中間部において前記第一ブースに入った者と前記第二ブースに入った者とが対面するための透明領域が設けられていることを特徴とする簡易診察室。
  2. 前記第二ブースには、紫外線ランプが設けられている請求項1に記載の簡易診察室。
  3. 前記第一ブース内に、前記紫外線ランプのスイッチが設けられているとともに、
    前記区画壁の前記透明領域が、紫外線減衰部材で構成されている請求項2に記載の簡易診察室。
  4. 前記第二ブースが、前記区画壁に対向する背面壁、前記区画壁と前記背面壁とを亘る左右いずれか一方側に設けられた側面壁、前記側面壁に対向する面に設けられた出入り口、天井部、および床部を有する直方体の小室であり、
    当該第二ブース内において、前記区画壁および前記出入り口それぞれの面方向に対し平行な方向に伸長する長尺の紫外線ランプが設けられている請求項2または3に記載の簡易診察室。
  5. 前記第二ブースが、前記区画壁に対向する背面壁、前記区画壁と前記背面壁とを亘る左右いずれか一方側に設けられた側面壁、前記側面壁に対向する面に設けられた出入り口、天井部、および床部を有する直方体の小室であり、
    当該第二ブースにおいて、前記背面壁および前記側面壁それぞれに紫外線ランプが設けられており、前記区画壁の汚染中心と前記背面壁に設けられた前記紫外線ランプの中心との距離、および前記出入り口の汚染中心と前記側面壁に設けられた前記紫外線ランプの中心との距離が50cm以上100cm以下である請求項2から4のいずれか一項に記載の簡易診察室。
  6. 前記第一ブースは陽圧装置を有し、
    前記第二ブースは陰圧装置を有し、
    前記第一ブース内の圧力を前記第二ブース内の圧力よりも高く維持する請求項1から5のいずれか一項に記載の簡易診察室。
  7. 前記貫通穴から前記第二ブース側に伸長する腕被覆体が設けられている請求項1から6のいずれか一項に記載の簡易診察室。
  8. 前記腕被覆体は、両端開口の筒状体である請求項7に記載の簡易診察室。
  9. 前記第二ブースには、前記貫通穴より下方であって、前記区画壁の前記第二ブース側の面に沿って左右方向に延在する作業台が設けられている請求項1から8のいずれか一項に記載の簡易診察室。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の簡易診察室を製造するための簡易診察室組み立てセットであって、
    第一ブースおよび第二ブースの骨組みを構成するフレームと、天井部、床部および側面壁または背面壁の少なくとも一方を構成するパネルと、第一ブースおよび第二ブースを区画する区画壁と、を含むことを特徴とする簡易診察室組み立てセット。
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