JP2022066706A - フィルムヒータ及びその製造方法 - Google Patents

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Kazutoshi Okubo
英人 森泉
Hideto Moriizumi
毅安 中山
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【課題】立体形状に成形が容易な構成としつつ、断線が防止できる新規な構造を採用することで耐久性に優れた構成のフィルムヒータを提供する。【解決手段】フィルムヒータ1Aは、熱可塑性のベースフィルム2、抵抗線3、カバーフィルム4の順に積層されて一体構造になっており、立体形状に成形可能な構成であって、抵抗線3における波線部3cは、抵抗線3の導体3aが該導体3aの長手方向に沿って蛇行し該導体3aの短手方向に所定振幅で波線形状になった状態でベースフィルム2およびカバーフィルム3に埋設されている。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムヒータ及びその製造方法に関する。
従来、透明な熱可塑性樹脂シートの一方の面に、一本の導電線からなる連続した線状パターンが設けられたフィルムヒータが提案されている(特許文献1:特開2019-169417号公報)。また、構造物の表面に配されるメッシュ状の金属細線を有する面状フィルムヒータが提案されている(特許文献2:国際公開第2015/133217号公報)。
特開2019-169417号公報 国際公開第2015/133217号公報
特許文献1に記載のように直線状部分と折り返し部分とを繰り返す構成のフィルムヒータを対象物に合わせて立体形状に成形しようとすると、膨出した曲がり角などで直線状部分が伸びて断線する虞がある。また、特許文献2に記載のように金属粒子とバインダとからなる金属細線を有する構成は金属接合力が弱いために、抵抗線よりも断線し易い構造である。メッシュ状の金属細線を抵抗線にて形成することも考えられるが、抵抗線をメッシュ状にすることで立体形状に成形し難くなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、立体形状に成形が容易な構成としつつ、断線が防止できる新規な構造を採用することで耐久性に優れた構成のフィルムヒータを提供することを目的とする。
一実施形態として、以下に開示する解決策により、前記課題を解決する。
本発明に係るフィルムヒータは、熱可塑性のベースフィルム、抵抗線、カバーフィルムの順に積層されて一体構造になっており、立体形状に成形可能な構成であって、前記抵抗線における波線部は、前記抵抗線の導体が該導体の長手方向に沿って蛇行し該導体の短手方向に所定振幅で波線形状になった状態で前記ベースフィルムおよび前記カバーフィルムに埋設されていることを特徴とする。
この構成によれば、熱可塑性のフィルムにて抵抗線を内包一体化することで抵抗線から外表面までの樹脂厚みを薄くして立体形状に成形が容易な構成となり、尚且つ、抵抗線における波線部は蛇行した所定振幅で波線形状になっているので、凸部に至る曲がり角や凹部に至る曲がり角などでは波線形状の振幅が小さくなるとともにピッチが大きくなり、この波線形状部分のサイズの変化による緩衝作用によって抵抗線の伸びによる断線を防止できる。
本発明に係るフィルムヒータの製造方法は、熱可塑性のベースフィルム、抵抗線、カバーフィルムの順に積層されて一体構造になっており、立体形状に成形可能なフィルムヒータの製造方法であって、前記抵抗線の導体を進行方向である該導体の長手方向に沿って蛇行させ該導体の短手方向に所定振幅で波線形状に布線して前記ベースフィルムおよび前記カバーフィルムに埋設させることを特徴とする。
この構成によれば、抵抗線における波線部を蛇行させ所定振幅で波線形状に布線してカバーフィルムに埋設させることで抵抗線から外表面までの樹脂厚みを薄くして立体形状に成形が容易な構成となる。尚且つ、抵抗線における波線部は蛇行し所定振幅で波線形状になっているので膨出した曲がり角などでは波線形状の振幅が小さくなるとともにピッチが大きくなることによって抵抗線の伸びによる断線を防止できる。
また、布線の際、抵抗線に超音波振動を加えることで抵抗線をカバーフィルムに埋設し易くなるとともにカバーフィルムに密着させることが容易にできる。前記抵抗線の前記カバーフィルムへの埋設度合いは、一例として前記抵抗線の横断面幅の0.4倍超かつ0.7倍未満に設定される。波線部の振幅は布線機の布線プログラミングによって設定される。
前記フィルムヒータは、一例として、真空成形によって対象物に合わせた立体形状に成形される。
前記波線部における振幅は前記導体における横断面幅の0.5倍以上であることが好ましい。また、前記波線部におけるピッチは前記横断面幅の100倍以下であることが好ましい。この構成によれば、膨出した曲がり角などにおける抵抗線の伸びによる断線をより確実に防止できる。前記横断面幅は0.01mm以上であることが好ましい。
また、前記波線部におけるピッチは前記横断面幅の10倍以上であることが好ましい。この構成によれば、波線形状への変形による導体への負荷を十分に軽減できる。自動車エンブレムのカバーや車載ヘッドライトのカバーなど透明度を必要とする用途では、前記横断面幅は0.20mm以下であることが好ましい。
フィルムの透明度を維持する観点からは、前記波線部における振幅は前記導体における横断面幅の3倍以下であることが好ましい。
前記抵抗線は前記導体の外周に絶縁被覆を有することが好ましい。この構成によれば、導体と絶縁被覆の間に配された滑剤の作用によって立体成形の際の導体の内部応力を緩和するので耐久性に優れた構造になる。ここで、前記ピッチは波長と同義である。また、前記抵抗線が丸型の単線の場合の前記横断面幅は直径と同義であり、前記抵抗線が丸型の撚線の場合の前記横断面幅は撚線の直径と同義である。
前記フィルムヒータは平面形状のフィルムヒータであり、前記平面形状のフィルムヒータを対象物に合わせて立体形状に成形した立体形状のフィルムヒータとしてもよい。前記立体形状のフィルムヒータは、一例として電波透過性カバーであり、自動車エンブレムや車載レーダなどに好適な構成となる。また、前記立体形状のフィルムヒータは、一例として融雪カバーであり、車載ヘッドライト、車載テールランプ、車載カメラ、防犯カメラ、信号機、標識などに好適な構成となる。そして、他の前記立体形状のフィルムヒータの例は、採暖カバーであり、洋式便座、衛生器具、採暖器具などの器具に装着して用いられる。
一例として、前記抵抗線は、電路の往来間隔を変更させて配線密度を異ならせている。この構成によれば、電路の単位長さ当たりの抵抗値を一定にして透光度合いや発熱度合いを調整することが容易にできる。一例として、前記抵抗線は、中心導体を有する素線を単数有する単線または前記素線を複数有する撚線である。一例として、前記ベースフィルムおよび前記カバーフィルムは、透明または半透明な材質からなる。一例として、前記ベースフィルムと前記カバーフィルムは互いに融着している。一例として、前記ベースフィルムと前記カバーフィルムとを透明または半透明な材質からなるアクリル接着剤またはエポキシ接着剤にて接着してもよい。一例として、前記ベースフィルムおよび前記カバーフィルムは、ポリカーボネートまたはポリプロピレンからなる。
本発明によれば、熱可塑性のフィルムにて抵抗線を内包一体化することで抵抗線から外表面までの樹脂厚みを薄くして立体形状に成形が容易な構成となり、尚且つ、抵抗線における波線部は蛇行した所定振幅で波線形状になっているので、凸部に至る曲がり角や凹部に至る曲がり角などでは波線形状の振幅が小さくなるとともにピッチが大きくなり、この波線形状部分のサイズの変化による緩衝作用によって抵抗線の伸びによる断線を防止できる。よって、立体形状に成形が容易であるとともに断線が防止できて耐久性に優れた構成のフィルムヒータが実現できる。
図1は本発明の実施形態に係るフィルムヒータの例を示す概略の平面図である。 図2は図1におけるII-II線断面図である。 図3は図1におけるIII線で囲んだ部分の拡大図である。 図4は本発明の実施形態に係るフィルムヒータを自動車エンブレムのカバーに適用したときの配置構成を側断面にて模式的に示す構成図である。 図5aは図4におけるVa線で囲んだ部分を正面側から視た拡大図であり、図5bは図4におけるVb線で囲んだ部分を正面側から視た拡大図である。 図6は本発明の実施形態に係るフィルムヒータを製造する製造装置の配置構成を模式的に示す構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。本実施形態のフィルムヒータ1Aは、一例として、対象物に合わせて成形されて電波透過性カバーとして用いられる。また、フィルムヒータ1Aは、対象物に合わせて成形されて融雪カバーとして用いられる。また、フィルムヒータ1Aは、対象物に合わせて成形されて採暖カバーとして用いられる。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
(平面形状のフィルムヒータ)
本実施形態のフィルムヒータ1Aは、一例として、図1に示すように平面形状に製造されたものである。この構成によれば、抵抗線3に布線が容易にできるなど製造上の利点があることに加えて、フィルムヒータ1Aを対象物に合わせて立体成形することで需要数に応じて生産することが容易であるとともに、均質な製品を合理的に製造することが容易にできる。
図1の例では、抵抗線3は配線回路を分岐せずに蛇行しながら所定方向に進行してUターンを繰り返している。フィルムヒータ1Aの端面側には、通電用コネクタ23aと通電用コネクタ23bが配されている。図2に示すように、フィルムヒータ1Aは、熱可塑性のベースフィルム2、抵抗線3、カバーフィルム4の順に積層されて一体構造になっており、立体形状に成形可能な構成である。図1~図3に示すように、抵抗線3における波線部3cは、抵抗線3の導体3aが導体3aの長手方向に沿って蛇行し導体3aの短手方向に振幅Sで波線形状になった状態でベースフィルム2およびカバーフィルム4に埋設されている構成である。ここで、導体3aの長手方向は、抵抗線3を布線する際の進行方向と同義である。また、導体3aの短手方向は、平面視で導体3aの長手方向に対する直交方向になる。
抵抗線3は、一例として、導体3aの外周に樹脂材料からなる絶縁被覆3bを有する。導体3aの材料は用途や目的の発熱量に合わせて各種導電性金属材料を適宜選択できる。具体的には、、銅線、銅合金線、めっき銅線、又はめっき銅合金線を挙げることができる。銅合金材料として、Cu-Ag、Cu-Sn、Cu-Ni等を用いることができる。めっきを施す場合のめっきの種類としては、銀めっき、錫めっき、ニッケルめっき等を好ましく挙げることができる。めっきを設けるか否かは、抵抗線3の端末処理手段に対応して選択されることが好ましい。例えば、抵抗線3を超音波ウエルダーで通電用コネクタ23a,23bに接続する場合は、めっきが設けられていないことが好ましい。はんだ付けで接続する場合は、はんだ付け時の銅の酸化防止のために予めニッケル、はんだ、錫、銀、等のめっきを施しておくことが好ましい。
銅または銅合金からなる導体3aは、抗張力が優れているとともに抵抗値の制御が容易であるので好ましい。抗張力の観点からは、導体3aは、Cu-Ag合金を用いることが特に好ましい。一例として、導体3aの横断面幅Wは0.01mm以上かつ0.20mm以下に設定される。導体3aの横断面幅Wは0.01mm未満にすることでフィルムヒータ1A,1Bを自動車エンブレムのカバーや車載ヘッドライトのカバーなど透明度を必要とする場合には有効であるが、導体3aの加工難度が高くなってしまう。一方、導体3aの横断面幅Wが0.20mm超の場合には、自動車エンブレムのカバーや車載ヘッドライトのカバーなど透明度を必要とする場合にはフィルムヒータ1A,1Bの透明度の低下の虞があり、また、フィルムヒータ1A製造時に皺などの発生が生じやすい。
絶縁被覆3bの材料は、一例としてポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリエステルイミド樹脂である。また、絶縁被覆3bの上にさらに他の樹脂皮膜(融着皮膜等)が設けられているものでもよい。融着皮膜の材料としては、一例としてナイロン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
絶縁被覆3bを設ける場合は、絶縁被覆3bの厚さは特に限定されないが、線径が大きいほど厚く設定し線径が小さいほど薄く設定することが好ましく、1~10μmの範囲内で線径に応じた厚さにすることが好ましい。絶縁被覆3bを設けることにより、単線あたりの絶縁性、耐酸化性、耐候性を向上させることができる。絶縁被覆3bの上に融着皮膜を設ける場合は、融着皮膜の厚さは特に限定されないが、絶縁被覆3bと同様、線径が大きいほど厚く設定し線径が小さいほど薄く設定することが好ましく、1~10μmの範囲内で線径に応じた厚さにすることが好ましい。絶縁被覆3bの上に融着皮膜を設けることにより、布線時の作業性を向上させることができる。
図3に示すように、抵抗線3における波線部3cは、導体3aの長手方向に沿ってピッチPにて蛇行し導体3aの短手方向に振幅Sにて波線形状になっている。
一例として、波線部3cにおける振幅Sは導体3aにおける横断面幅の0.5倍以上かつ3倍以下である。波線部3cにおける振幅Sが導体3aにおける横断面幅の0.5倍未満の場合には、膨出した曲がり角などにおける抵抗線の伸びが大きくなり、製造時の安定性を維持することがやや難しくなる。一方、波線部3cにおける振幅Sが導体3aにおける横断面幅の3倍超の場合には、自動車エンブレムのカバーや車載ヘッドライトのカバーなど透明度を必要とする用途ではその透明度がやや不十分な場合がある。
一例として、波線部3cにおけるピッチPは横断面幅Wの10倍以上かつ100倍以下である。波線部3cにおけるピッチPが横断面幅Wの10倍未満の場合には、波線形状への変形による導体への負荷によって、フィルムヒータ1A,1Bで使用した際の耐久性がやや不十分な場合がある。一方、波線部3cにおけるピッチPが100倍超の場合には、膨出した曲がり角などにおける導体3a自体の伸びが発生しやすくなりフィルムヒータ1A,1Bの形状が所望の形状どおりにならない虞がある。
(立体形状のフィルムヒータ)
本実施形態のフィルムヒータ1Bは、一例として、図4に示すように、平面形状のフィルムヒータ1Aを自動車エンブレムEの外形に合わせて成形して電波透過性カバーとした立体形状のフィルムヒータ1Bである。自動車Fに内蔵されたミリ波レーダ発生装置Rから送出されたミリ波レーダは、自動車エンブレムEを透過しフィルムヒータ1Bを透過して車外に送出される。立体形状のフィルムヒータ1Bは、自動車エンブレムEの外形の凹凸に合わさって装着されている。ベースフィルム2およびカバーフィルム4は、透明または半透明な材質からなり、透明性および電波透過性を有する。本実施形態によれば、フィルムヒータ1Bが装着されていることで、自動車エンブレムEへの着雪や着滴を蒸発または滴下させることができるとともに、ミリ波レーダ発生装置Rから送出されたミリ波レーダの減衰が防止できる。
図5aは図4におけるVa線で囲んだ部分を正面側から視た拡大図であり、図5bは図4におけるVb線で囲んだ部分を正面側から視た拡大図である。Va線で囲んだ部分は自動車エンブレムEの中央部に至る比較的平坦な部分に対応しており、Vb線で囲んだ部分は自動車エンブレムEの周辺部に至る曲がり角に対応している。図5aに示すように比較的平坦なエリアの抵抗線3における波線部3cの振幅S1は比較的大きくてピッチP1は比較的小さい。これに対して、図5bに示すように曲がり角に対応するエリアの抵抗線3における波線部3cの振幅S2は比較的小さくてピッチP2は比較的大きい。つまり、本実施形態によれば、凸部に至る曲がり角や凹部に至る曲がり角などでは、波線形状の振幅SはS1からS2に変化して振幅が小さくなるとともに、波線形状のピッチPはP1からP2に変化してピッチが大きくなるので、この波線形状部分のサイズの変化による緩衝作用によって抵抗線3の伸びによる断線を防止できる。
(製造方法)
続いて、本実施形態に係るフィルムヒータの製造方法について、以下に説明する。
図6は、本実施形態に係るフィルムヒータを製造する製造装置の配置構成を模式的に示す構成図である。布線機12は、抵抗線3を熱可塑性のベースフィルム2に所定パターンで布線する装置である。布線機12の上流側にはベースフィルム供給機11が配されており、布線機12の下流側にはカバーフィルム供給機13と貼り合わせ機14が配されている。ベースフィルム供給機11は、一例としてテンションローラを有し、当該テンションローラの位置によってベースフィルム2の張力を一定範囲内に保っている。カバーフィルム供給機13についても同様である。
ベースフィルム供給機11によって熱可塑性のベースフィルム2を供給して、布線機12によって抵抗線3を布線し、カバーフィルム供給機13によって熱可塑性のカバーフィルム4を供給しつつ、貼り合わせ機14によってベースフィルム2とカバーフィルム4とを互いに貼り合わせて、その後、切断機によって所定サイズに切断して平面形状のフィルムヒータ1Aにする。
平面形状のフィルムヒータ1Aにした後、対象物に合わせた型を有する真空成形機16にフィルムヒータ1Aをセットし、真空引きしつつ加熱して立体形状に真空成形して、立体形状のフィルムヒータ1Bにする。その後、必要に応じて、トムソン型にてトリミングする。また、用途によっては、インモールド成形してベースフィルム2に樹脂を射出し、フィルムヒータ1Bの内側を対象物に合わせた所望の形状にする。そして、通電用のハーネスを取付加工する。
ベースフィルム2は、透明または半透明の熱可塑性樹脂からなり、一例として、ポリカーボネート、またはポリプロピレンから構成される。ベースフィルム2の厚みは、一例として25μm以上250μm以下に設定される。カバーフィルム4についても同様である。好ましくは、ベースフィルム2とカバーフィルム4とは同一材質かつ同一厚みに設定される。一例として、コロナ放電照射によってベースフィルム2の表面を改質してもよい。また、ベースフィルム2の表面を改質することに加えて、コロナ放電照射によってカバーフィルム4の表面を改質することもある。一例として、ベースフィルム2とカバーフィルム4は熱圧着する。また一例として、ベースフィルム2とカバーフィルム4を接着剤にて接着する場合があり、この場合はベースフィルム2の表面改質面に接着剤を塗工し、溶剤成分を揮発させて乾燥させる。接着剤の塗工厚みは、一例として10μm以上40μm以下に設定される。接着剤は、一例として、透明または半透明のアクリル系感圧性接着剤を用いる。
続いて、抵抗線3を熱可塑性のベースフィルム2に所定パターンで布線する。抵抗線3の種別は用途や目的の形態に合わせて適宜選択できる。一例として、フィルムヒータ1Aやフィルムヒータ1Bを電波透過性カバーに適用する場合には、抵抗線3として単線を用いることで、透明性をより向上させることが容易にできる。また一例として、フィルムヒータ1Aやフィルムヒータ1Bを採暖器具に適用する場合には、抵抗線3として撚線を用いることで、使用時に生じる撓みを緩和し耐久性を向上させることが容易にできる。
抵抗線3における絶縁被覆3bは用途や目的の形態に合わせて適宜形成できる。一例として、自己融着可能な融着被膜を更に有する絶縁被覆3bを備えた抵抗線3は、抵抗線3とベースフィルム2の密着性がより向上するので、ベースフィルム2を所望の立体形状に変形させるときの抵抗線3の追従性を向上させることが容易にできる。また一例として、自己融着可能な融着被膜を更に有する絶縁被覆3bを備えた素線を複数配して構成される撚線からなる抵抗線3は、素線同士の空隙が絶縁被覆3bによって埋まるので、所望の抵抗値としつつ、抵抗線3とベースフィルム2の密着性をより向上させることができる。一例として、抵抗線3を導体3aおよび酸化膜からなる素線のみにした場合は、フィルムヒータ1Aやフィルムヒータ1Bの厚みをより薄くすることができる。
抵抗線3は、電路の往来間隔を変更させて配線密度を異ならせている。つまり、抵抗線3は配線回路を分岐せずに形成している。そして、抵抗線3における電路の往来間隔を狭くすることで電路の往来間隔を狭くした部位の発熱量を大きくしており、また、抵抗線3における電路の往来間隔を広くすることで電路の往来間隔を広くした部位の発熱量を小さくするとともに、透光度合いを高めている。この構成によれば、抵抗線3における電路の単位長さ当たりの抵抗値を一定にできるとともに、電波透過度合い、透光度合い、発熱度合いをそれぞれ調整することが容易にできる。
一例として、押圧ローラなど押圧手段によって加熱しながら加圧することで、ベースフィルム2とカバーフィルム4とを互いに貼り合わせる。ベースフィルム2とカバーフィルム4とを互いに貼り合わせた後は、所定サイズに適宜切断してフィルムヒータ1Aにする。
続いて、フィルムヒータ1Aを対象物に合わせた型にセットし、カバーフィルム4におけるベースフィルム2と貼り合わせていない表側から真空引きしつつ加熱軟化させることで対象物に合わせた立体形状に成形して、フィルムヒータ1Bにする。または、成形ステップS5は、フィルムヒータ1Aを対象物に合わせた型にセットし、ベースフィルム2におけるカバーフィルム4と貼り合わせていない裏側から空気圧で加圧しつつ加熱軟化させることで対象物に合わせた立体形状に成形して、フィルムヒータ1Bにする。ベースフィルム2およびカバーフィルム4がポリカーボネートからなる場合、加熱温度は一例として180℃以上200℃以下に設定される。ベースフィルム2およびカバーフィルム4がポリプロピレンからなる場合、加熱温度は一例として160℃以上170℃以下に設定される。そして、必要に応じて、通電用のコネクタや引き出し線を取付加工する。
続いて、本実施形態に係るフィルムヒータ1Bの各実施例と比較例について、以下に説明する。
抵抗線3は、横断面幅Wで断面丸形状の銅線からなる導体3aを有しており、導体3aの外周に厚さ4μmのポリウレタン樹脂からなる絶縁被覆3bが形成されている。ベースフィルム2およびカバーフィルム4は厚みが0.18mmの透明なポリカーボネートフィルムである。
フィルムヒータ1Bの製造方法は上述のとおりである。ベースフィルム2の表面に抵抗線3を所定配線パターンで布線しながら超音波でベースフィルム2を発熱させて、発熱によって軟化したベースフィルム2の表面に抵抗線3を直径の約半分まで埋め込んだ。その後、カバーフィルム4の表面を加熱した状態で、ベースフィルム2における抵抗線3が半分埋め込まれた面に貼り合わせてフィルムヒータ1Aを作製した。その後、フィルムヒータ1Aを半球状の型にセットし、真空引きしつつ加熱軟化させることで対象物の半球体に合わせた立体形状に成形して、フィルムヒータ1Bを作製した。実施例1~22は、抵抗線3の導体3aが長手方向に沿って蛇行し短手方向に所定振幅で波線形状になった状態でベースフィルム2およびカバーフィルム4に埋設されて波線部3cが形成されている。比較例1は、波線部3cに対応するエリアは、抵抗線3の導体3aが長手方向に真直ぐに進行し振幅ゼロの状態でベースフィルム2およびカバーフィルム4に埋設されている。
各試料の評価条件は次のとおりである。
耐久性の評価は、直径10mmのガラス棒に曲面部分のフィルムを巻き付けて戻すという操作を5回繰り返した後、巻き付ける方向を90度変えて巻き付けて戻すという操作を5回繰り返して行った。屈曲耐性試験前後での各試料の抵抗値の変化率、すなわち、試験後の抵抗値を試験前の抵抗値で除算した数値が1に近いほど優れているとして、数値が1.1未満のときはAランクとし、数値が1.1以上かつ1.5未満のときはBランクとし、数値が1.5以上かつ2.0未満のときはCランクとし、数値が2.0以上のときはDランクとした。
透明性の評価は、外観を目視確認する官能評価で行い、フィルム中の抵抗線の見え方が目立たないほど優れているとして、目立たないときはAランクとし、やや目立つときはBランクとし、目立つときはCランクとした。ここでの官能評価は自動車用途の場合のミリ波レーダ透過性測定を想定したものである。
製造安定性の評価は、各試料数10個に対して、立体成形した状態における皺や形状異常の有無の外観チェック及び通電チェックを行い、合格した個数が10個に近いほど優れているとして、合格数が9個以上のときはAランクとし、合格数が7~8個のときはBランクとし、合格数が4~6個のときはCランクとし、合格数が3個以下のときはDランクとした。
各試料における抵抗線の構成および評価結果を表1に示す。
Figure 2022066706000002
表1に示すように、比較例1は耐久性と製造安定性がDランクであったのに対して、実施例1~22は耐久性と透明性と製造安定性のいずれもCランク以上であった。実施例2~8、実施例11~16、および実施例18~22は耐久性と透明性と製造安定性のいずれもBランク以上であり、従来技術と比較して特に優れていることが判明した。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
1A フィルムヒータ(平面形状のフィルムヒータ)
1B フィルムヒータ(立体形状のフィルムヒータ)
2 ベースフィルム
3 抵抗線、3a 導体、3b 絶縁被覆、3c 波線部
4 カバーフィルム
10 フィルムヒータの製造装置
11 ベースフィルム供給機
12 布線機
13 カバーフィルム供給機
14 貼り合わせ機
15 切断機
16 真空成形機
P ピッチ
S 振幅
W 横断面幅

Claims (7)

  1. 熱可塑性のベースフィルム、抵抗線、カバーフィルムの順に積層されて一体構造になっており、立体形状に成形可能な構成であって、
    前記抵抗線における波線部は、前記抵抗線の導体が該導体の長手方向に沿って蛇行し該導体の短手方向に所定振幅で波線形状になった状態で前記ベースフィルムおよび前記カバーフィルムに埋設されていること
    を特徴とするフィルムヒータ。
  2. 前記波線部における振幅は前記導体における横断面幅の0.5倍以上かつ3倍以下であること
    を特徴とする請求項1記載のフィルムヒータ。
  3. 前記波線部におけるピッチは前記横断面幅の10倍以上かつ100倍以下であること
    を特徴とする請求項2記載のフィルムヒータ。
  4. 前記横断面幅は0.01mm以上かつ0.20mm以下であること
    を特徴とする請求項2または3記載のフィルムヒータ。
  5. 前記抵抗線は前記導体の外周に絶縁被覆を有すること
    を特徴とする請求項1~4のいずれか一項記載のフィルムヒータ。
  6. 請求項1~5のいずれか一項記載のフィルムヒータは平面形状のフィルムヒータであり、前記平面形状のフィルムヒータを対象物に合わせて立体形状に成形した立体形状のフィルムヒータ。
  7. 熱可塑性のベースフィルム、抵抗線、カバーフィルムの順に積層されて一体構造になっており、立体形状に成形可能なフィルムヒータの製造方法であって、
    前記抵抗線の導体を進行方向である該導体の長手方向に沿って蛇行させ該導体の短手方向に所定振幅で波線形状に布線して前記ベースフィルムおよび前記カバーフィルムに埋設させること
    を特徴とするフィルムヒータの製造方法。
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