JP2022065972A - レーザ装置 - Google Patents

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尚史 小川
Hisafumi Ogawa
眞幸 桂川
Masayuki Katsuragawa
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Abstract

【課題】小さなパルスエネルギーで高パルスエネルギーのビームと同等の非線形光学現象または非線形光学過程を実現するレーザ装置を提供する。【解決手段】レーザ装置は、光源と、前記光源から出射されたレーザ光が入射する共振器を構成する第1ミラー及び第2ミラーと、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置される非線形光学媒質と、前記非線形光学媒質と前記第1ミラー及び前記第2ミラーの少なくとも一方との間に配置され実効光学厚みを調整可能である分散媒質と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ装置に関する。
非線形光学過程を利用した波長変換は、直接レーザ発振を得ることが困難な波長域の光を生成するのに特に有用である。一般的に、非線形光学過程は、非常に強い光と物質が相互作用する場合に起きる現象であり、第2高調波発生(SHG:second harmonic generation)、第3高調波発生(THG:third harmonic generation)などが良く知られている。
非線形光学現象が進行する過程で、その非線形光学現象に関与する、入射レーザ光と発生レーザ光に含まれるすべての周波数成分の相対位相関係が所望の関係を満たすように分散媒質の光軸方向の位置または実効的厚みを調整可能にする構成が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許第6628287号公報
非線形光学過程は、一般に高いピーク強度を必要とする。非線形光学現象を起こすために大きなパルスエネルギーまたは非常に短いパルス幅を要することは、産業上の多様な用途への適用の妨げとなっている。
一つの開示の側面では、小さなパルスエネルギーで高パルスエネルギーのビームと同等の非線形光学現象または非線形光学過程を実現するレーザ装置を提供することを目的とする。
開示の一態様では、レーザ装置は、
光源と、
前記光源から出射されたレーザ光が入射する共振器を構成する第1ミラー及び第2ミラーと、
前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置される非線形光学媒質と、
前記非線形光学媒質と前記第1ミラー及び前記第2ミラーの少なくとも一方との間に配置され、実効光学厚みを調整可能である分散媒質と、
を有する。
上記の構成により、小さなパルスエネルギーで高パルスエネルギーのビームと同等の非線形光学現象または非線形光学過程を実現するレーザ装置を提供することができる。
実施形態のレーザ装置の模式図である。 分散媒質の実効的な光学厚みの調整例を示す図である。 分散媒質の実効的な光学厚みの調整例を示す図である。 共振器を構成するミラー間の距離に対して、光が折り返したときに同じ直径に戻るビームウエスト半径をプロットした図である。 共振器を構成するミラー間の距離に対して、光が折り返したときに同じ直径に戻るレイリー長をプロットした図である。 光をN回(N=9)折り返すときのミラーとチャンバーの配置例を示す図である。 図4の配置でのビーム伝搬方向に対するビーム直径の変化を示す図である。
実施形態では、入射光を、非線形光学媒質内でビーム径を細くしぼることで光密度を増大させてピーク強度を高めるとともに、共振器内で1回以上、光を折り返すことで、光と非線形光学媒質との相互作用長を長くすることができる。さらに、共振器内で生じる分散の影響を考慮したうえで、非線形光学過程に関与するすべての周波数間の相対位相関係が所望の関係となるように制御する。これにより、小さいパルスエネルギーで高パルスエネルギーと同等の非線形光学現象または非線形光学過程を実現する。
図1は、実施形態のレーザ装置10の平面模式図である。レーザ装置10は、光源101と、光源101からのレーザ光Linが入射する共振器102を構成する第1ミラー11及び第2ミラー12と、第1ミラー11と第2ミラー12との間に配置される非線形光学媒質13と、非線形光学媒質13と第1ミラー11及び第2ミラー12の少なくとも一方との間に配置され、その実効光学厚みが調整可能である分散媒質16とを有する。この明細書と特許請求の範囲で、「実効光学厚み」とは、実際に光が進む距離(物理長)に媒質の屈折率を乗算したものである。
光源101は、特に高パルスエネルギーの光や極短パルス幅の光を出力する能力をもつ必要はなく、共振器102に光を入射することのできる任意のレーザダイオードであってもよい。また、光源101を用いずに、光ファイバ等で外部からレーザ光Linを共振器102に入射してもよい。
共振器102を構成する第1ミラー11と第2ミラー12の位置は変更可能であり、2つのミラー間の距離dは調整可能である。後述するように、第1ミラー11と第2ミラー12の間の距離dを変えることで、ビームウエスト径、レイリー長、及び相互作用長を可変できる。
第1ミラー11と第2ミラー12は、共振器102に入射した光が2つのミラー間を折り返すときに、入射したときの直径がミラー面で維持されるように設置されている。換言すると、共振器102は、第1ミラー11と第2ミラー12の間で光が複数回折り返されても、折り返し点でビーム径がほぼ一定に維持される安定共振器である。安定共振器の内部に非線形光学媒質13を配置して、入射光のビームウエストを細く絞りながら反復させることで、ピーク強度の増大を達成し、かつ、相互作用長またはレイリー長を長くすることができる。
第1ミラー11と第2ミラー12はそれぞれ、所定の曲率の凹面111と凹面121を有する。凹面111と凹面121の間で、反射された光は所定の位置にて、ビーム径が絞られる。凹面111と凹面121は、高反射膜でコートされていてもよい。凹面111と凹面121のいずれか一方で、高反射膜の一部に反射防止領域を形成して、モニタ光Lmoの透過部105を設けてもよい。ここで高反射とは、入射した光の90%以上を反射することをいう。
第1ミラー11と第2ミラー12の間に、非線形光学媒質13が配置されている。図1の構成例では、第1ミラー11と第2ミラー12は大気中に配置され、気体または液体の非線形光学媒質13が容器15内に封入されている。容器15に収容される非線形光学媒質13は、水素ガス、窒素ガス、希ガス、六フッ化硫黄(SF6)などである。
容器15は、第1ミラー11と対向する面に第1の透過部151を有し、第2ミラー12と対向する面に第2の透過部152を有する。第1の透過部151と第2の透過部152は、透明な窓部として容器15の一部に形成されていてもよい。
第1ミラー11と第2ミラー12の間を折り返す光は、第1の透過部151または第2の透過部152を通過して非線形光学媒質13の中を伝搬し、第2の透過部152または第1の透過部151を通過して、非線形光学媒質13から出る。第1ミラー11の凹面111と、第2ミラー12の凹面121によって、反復する光のビーム径は、非線形光学媒質13の内部で入射時よりも細く絞られる。
非線形光学媒質13の内部でビームウエストが細く絞られることで、ビームウエストで光密度が増大してピーク強度が高くなり、レーザ光と非線形光学媒質13との相互作用が生じる。小さいパルスエネルギーの光を共振器102に入射する場合でも、非線形光学媒質13の中にビームウエストが存在するように設計することで、非線形光学現象を効率的に起こすことができる。
第1ミラー11と非線形光学媒質13の間と、第2ミラー12と非線形光学媒質13の間の少なくとも一方に、分散媒質16が配置されている。分散媒質16は、その屈折率が周波数または波長に依存する媒質であり、固体、液体、気体を問わない。
図1の例では、大気中で固体の分散媒質16が用いられているが、低屈折率のプラスチック薄膜や光学薄膜で形成されたケーシング内に、気体または液体の分散媒質を充填して用いてもよい。固体の分散媒質16を用いる場合は、ガラス、ケイ酸塩、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム等であってもよいし、ポリ塩化ビニル等の高分子またはプラスチックであってもよい。
分散媒質16の実効光学厚みは、共振器102内の全光パスで生じる分散の影響を考慮したうえで、非線形光学過程に関与するすべての周波数成分の間の相対位相関係が所望の関係になるように決定されている。共振器102内で生じる分散の影響は、たとえば、容器15の第1の透過部151と第2の透過部152を光が通過するときに受ける分散の影響、第1ミラー11の凹面111と第2ミラー12の凹面121で光が反射されるときに受ける分散の影響などである。
分散媒質16の実効光学厚みは、上述したように、光が分散媒質16を通る距離に屈折率を掛け合わせたものである。光が分散媒質16中を通る距離を調整可能にするために、分散媒質16として分散プレートや、1対のくさび型パーツ、電気光学変調素子等の組み合わせを用いることができる。
図2Aと図2Bは、分散媒質16の実効光学厚みの調整例を示す。図2Aでは、プレート状、または直方体の分散媒質16を、光軸OXに対して傾けることで、実効光学厚みtを変えている。図2Bのように、一対のくさび型のパーツを組み合わせた分散媒質16を用いるときは、くさび型のパーツの少なくとも一方を、他方に対してくさびの稜線に沿った方向に相対的に動かす。これにより、分散媒質16の入射面と出射面の位置、及び実効光学厚みtを制御することができる。
図1のように、光軸OXに対して回転可能な分散媒質16のみを用いてもよいし、くさび型ペアの分散媒質16と組み合わせてもよい。あるいは、くさび型のパーツのペアを組み合わせた分散媒質16のみを用いてもよい。分散媒質16の実効光学厚みtを調整することができれば、どのような構成であってもよい。
分散媒質16の位置と実効光学厚みtは、非線形光学過程に関与するすべての周波数成分、すなわち、入射レーザ光に含まれる複数の周波数成分と、非線形光学媒質13の中で新たに生成される1以上の周波数成分の間の相対位相関係が、所定の相互作用長において所望の関係となるように決定される。より具体的には、非線形光学媒質13の入射面と、非線形光学媒質13の出射面とで、すべての周波数成分が位相整合条件を満たすように、分散媒質16の位置と実効光学厚みtは選択される。
共振器102への入射側に、第1光学系17と、第2光学系18の少なくとも一方が配置されていてもよい。第1光学系17は、たとえばレンズ171とレンズ172を含み、共振器102に入射するレーザ光Linの横モードを、共振器102の横モードと一致するように調整する。ここで、横モードが「一致」するとは、共振器102の中心を通る光路と厳密に同一になることを意味するのではなく、共振器102に入射するレーザ光Linのビームウエスト径及びレイリー長が、共振器102によって定められるビームウエスト径及びレイリー長と概ね整合し、ビーム伝搬方向に対するビーム径の変化が同じになることを意味する。
第1光学系17は、横モードマッチング手段として機能するとともに、共振器102に入射したレーザ光Linのビームウエスト径及びレイリー長が、共振器102によって定められるビームウエスト径及びレイリー長と概ね整合するように、調整される。
第2光学系18は、共振器102へのレーザ光Linの入射角θを制御する。第2光学系18として、ミラー、リフレクタ等を用いることができる。共振器102への入射角θは共振器102の光軸、または第1ミラー11と第2ミラー12の中心間を結ぶ軸に対するレーザ光Linの入射角である。入射角θを調整することで、共振器102の内部でのレーザ光の折り返しの回数を変えることができる。
第1光学系17で横モードが調整されたレーザ光Linは、第2光学系18によって、所定の入射角θで共振器102の内部へ導かれる。レーザ光Linには、1以上の周波数成分が含まれている。たとえば、波長800nmのポンプ光と、波長1200nmの信号光が含まれていてもよい。
共振器102に入射した光は、入射側のミラー、たとえば第2ミラー12の凹面121で反射され、ビーム径が細くしぼられた状態で非線形光学媒質13の中を通過して、第1ミラー11の凹面111に入射する。凹面111で反射された光は、再度、ビーム径が細く絞られた状態で非線形光学媒質13を通過して、第2ミラー12の凹面121で反射される。光が非線形光学媒質13と相互作用する過程で、新たな周波数成分が生成される。
入射レーザ光に含まれる複数の周波数成分、及び非線形光学媒質13中で新たに生成される周波数成分はすべて、互いに10THz以上異なっていることが望ましい。非線形光学過程に関与するすべての周波数成分の間に10THz以上の差をもたせることで、出力光Loutは、10THz以上の間隔の離散的なスペクトルを有する。
共振器102内で、光をN回(Nは1以上の整数)折り返すことで、非線形光学媒質13の内部でビームウエストが細く絞られる場合でも、相互作用長またはレイリー長を伸ばすことができる。光が共振器102内で反復する過程で、光の一部をモニタ光Lmoとして透過部105から取り出して、光強度をモニタリングしてもよい。
共振器102内をN回折り返した光は、出力光Loutとして共振器102から取り出される。出力光Loutには非線形光学過程に関与したすべての周波数成分が含まれており、10THz以上の間隔をもつ離散的なスペクトルが得られる。第1の透過部151と第2の透過部152による分散の影響や、反射で生じる分散の影響を考慮して分散媒質16の実効光学厚みtが決定されているので、出力光Loutに含まれるすべての周波数成分の間の相対位相関係は、所望の位相関係になっている。
図3Aは、共振器102を構成するミラー間の距離dに対して、光が折り返すときに同じ直径に戻るビームウエスト半径(w)をプロットした図である。点線が波長1200nmの光の集光特性、実線は波長800nmの光の集光特性である。図3Bは、共振器102を構成するミラー間の距離dに対して、光が折り返すときに同じ直径に戻るレイリー長をプロットした図である。レイリー長は、ビームの断面積がビームウエスト断面積の2倍になるときのビームウエストからの距離であり、ビームの拡散を無視し得る距離である。
図3Aと図3Bで、第1ミラー11の凹面111と、第2ミラーの凹面121の曲率半径は150mm、入射レーザ光に含まれるポンプ光の波長は800nmである。図3Aと図3Bから、ミラー間の距離dを変えることで、ビームウエスト半径(または直径)とレイリー長を制御できることがわかる。
図1の配置構成で、ミラー間の距離dを300mmに近づけることで、集光位置でのビーム直径を0.12mm(ビームウエスト半径は0.06mm)まで絞ることができる。
折り返しのない典型的な構成では、レイリー長とのバランスから、ビーム直径が0.3mm~0.4mmであることが多い。これに比べて、実施形態の構成を採用することで、ビーム半径を典型的な構成の約1/3に絞って、ビーム断面積を、約1/9まで小さくすることができる。換言すると、ビームウエストでの光密度を約9倍にすることができる。
波長λでのレイリー長Zrは、ビームウエスト半径wを用いて、
Zr=πw/λ
と表される。断面積が1/9になることで、レイリー長Zrも1/9になるが、実施形態の構成でビームを9回折り返すことで、折り返しのない典型的な構成と同等の相互作用長を得ることができる。つまり、およそ1ケタ低いパルスエネルギーで、折り返しのない典型的な構成と同等の効果を得ることができる。
図4は、レーザ光を9回折り返す場合の、レーザ装置10の具体的な配置例を示す。図3Aと図3Bの結果に基づいて、波長800nmのポンプ光を入射する場合、第1ミラー11と第2ミラー12の間の距離dを297.3mmに設定する。このミラー間の距離dのときに、ビームウエストの直径は0.12mm、レイリー長は14mmである。容器15の光軸方向の長さL1は、30mmに設定する。第1の透過部151または第2の透過部152を通って容器15内の非線形光学媒質13に入射した光は、拡散する前に、ピーク強度が高められた状態で非線形光学媒質13と相互作用する。
図4では、容器15の全体が、真空チャンバー21内に配置されている。ビームが細く絞られる容器15の近傍を真空にすることで、容器15を断熱でき、空気放電も防止できる。真空チャンバー21の光軸方向の長さL2は、たとえば132mmである。9回の折り返しパスで、レーザ光を出力する最後のパスを除く8つの折り返しパスに、それぞれ適切な角度で分散媒質16が配置されている。
図4の配置設計により、共振器102に入射した光を、非線形光学媒質13中のビームウエスト位置で光密度を格段に高め、かつ、N回の折り返しでレイリー長をN倍(Nは1以上の整数)にして、相互作用長を伸ばすことができる。
図5は、図4の配置設計において、ビームの伝搬方向に対するビーム径の変化をプロットした図である。横軸はZ位置、すなわち伝搬方向の距離である。縦軸はビーム直径である。周期的に表れるグレーの領域は、容器15がカバーする範囲Rcellである。
共振器102に入射した光は、第1ミラー11の凹面111、または第2ミラー12の凹面121によって集光され、容器15の内部でビームウエストが最小になる。容器15の内部でのビームウエストの直径w0(w0=2×w)は、0.12mmである。共振器102内で光が折り返すたびに、ビーム直径は入射レーザ光の直径に戻って、それ以上は拡散しない。このことより、第1ミラー11と第2ミラー12で、安定共振器が形成されていることがわかる。
周回型の共振器でビームウエストの直径が、たとえば0.3~0.4mmに絞られる典型構成と比較して、非線形光学媒質13の中で光密度を約9倍に高めることができ、およそ1ケタ低いパルスエネルギーで、同じ非線形光学効果を得ることができる。
ビームウエストの直径を細く絞ることでレイリー長も短くなるが、共振器102内を折り返す回数N(図5の例ではN=9)を適切に設定することで、相互作用長を確保することができる。
以上、特定の構成例に基づいて本発明を説明してきたが、本発明は上記の構成例に限定されない。第1ミラー11と第2ミラー12の凹面111、及び121の曲率半径は150mmに限定されず、共振器102の内部に配置される非線形光学媒質13の中でビームウエストが絞られる現実的な範囲、たとえば100mm~200mmの範囲で、適宜、設定され得る。
共振器102内での光の折り返し回数Nは9回に限定されず、第2光学系18の制御により、必要な相互作用長を確保するための任意の回数に設定可能である。容器15の第1の透過部151と第2の透過部152を、容器15に入射する光の入射角がブリュースター角になるように角度調整して、反射ロスを低減してもよい。ブリュースター角θbは、P偏波の反射がゼロになる角度であり、θb=tan-1(n2/n1)を満たす角度である。ここで、n1は入射前の媒質(たとえば空気)での光の屈折率、n2は第1の透過部151または第2の透過部152を通過する光の屈折率である。
第1の透過部151または第2の透過部152をブリュースター角で配置することで、光損失を抑制することができる。また、凹面111を有する第1ミラー11と、凹面121を有する第2ミラー12を用いることによる非点収差の影響を低減することができる。
実施形態のレーザ装置10では、パルスエネルギーが小さく、パルス繰り返しの高い汎用的なレーザダイオードを光源101として利用することができる。平均出力パワーは、パルスエネルギーと繰り返し周波数の積で表されることから、低エネルギーのパルスを入射する場合でも、繰り返し周波数を高めて、平均出力パワーを上げることができる。
実施形態のレーザ装置10は、非線形光学過程による波長変換、高調波発生、光パラメトリック発生(和周波発生)、光パラメトリック増幅(差周波発生)、ラマン散乱による波長シフトなどに用いることができる。また、10THz以上の間隔をもつ離散スペクトルを出力する際に、離散スペクトルに含まれる各周波数の間の相対位相関係を所望の位相関係に調整することができる。このためレーザ装置10は、半導体リソグラフィなど、高品質のレーザ発振を直接得ることが困難な波長域で高い平均出力パワーのコヒーレント光を要する産業分野で、特に有用である。
10 レーザ装置
11 第1ミラー
111 凹面
12 第2ミラー
121 凹面
13 非線形光学媒質
15 容器
151 第1の透過部
152 第2の透過部
17 第1光学系
18 第2光学系
101 光源
102 共振器
105 透過部

Claims (9)

  1. 光源と、
    前記光源から出射されたレーザ光が入射する共振器を構成する第1ミラー及び第2ミラーと、
    前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間に配置される非線形光学媒質と、
    前記非線形光学媒質と前記第1ミラー及び前記第2ミラーの少なくとも一方との間に配置され、実効光学厚みを調整可能である分散媒質と、
    を有する、レーザ装置。
  2. 前記レーザ光は、複数の周波数で構成されるレーザ光であり、
    前記複数のレーザ光は、それぞれの周波数が10THz以上異なる、請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記非線形光学媒質は気体または液体であり、
    前記非線形光学媒質を収納し、前記第1ミラーの側に配置される第1の透過部と、前記第2ミラーの側に配置される第2の透過部と、を備える容器をさらに有し、
    前記レーザ光は、前記第1の透過部、及び前記第2の透過部を透過して前記非線形光学媒質の内部を通過する、請求項2に記載のレーザ装置。
  4. 前記分散媒質の前記実効光学厚みは、前記レーザ光に含まれる周波数成分、または前記非線形光学媒質の中で生成される周波数成分の相対位相関係を、前記第1の透過部、及び前記第2の透過部による分散の影響を含めて、所望の関係になるように調整可能である、請求項3に記載のレーザ装置。
  5. 前記レーザ光は、前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間でN回(Nは1以上の整数)折り返され、前記非線形光学媒質を通過して、前記共振器から出力される、請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザ装置。
  6. 前記第1ミラーと前記第2ミラーの少なくとも一方は、位置が可変であり、
    前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間の距離を変えることで、前記非線形光学媒質を通過するレーザ光のビームウエスト径またはレイリー長を調整可能である、請求項1~5のいずれか1項に記載のレーザ装置。
  7. 前記第1ミラーと前記第2ミラーは凹面ミラーである、請求項1~6のいずれか1項に記載のレーザ装置。
  8. 前記レーザ光のビームウエスト径及びレイリー長を、前記共振器によって定められるビームウエスト径及びレイリー長に整合させる第1光学系
    をさらに有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のレーザ装置。
  9. 前記レーザ光の前記共振器への入射角度を調整する第2光学系
    をさらに有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のレーザ装置。
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