JP2022061727A - スピーカユニットの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の外部への音漏れを抑制しつつ、車両の室内に音を適切に放音することができるスピーカユニットの取付構造を提供する。【解決手段】スピーカユニット1の取付構造は、スピーカと、スピーカの背面を覆い、スピーカの背圧を逃がす開口部21が設けられるエンクロージャ20と、を備えるスピーカユニットを車両に取り付ける構造である。開口部は、車両の室内と隔壁された車両の内部の空間に向けられる。空間内には、開口部から放射された音をスピーカユニットから離れる方向に導く音路300を形成する導音部材50が配置される。【選択図】図7
Description
本発明は、スピーカユニットを車両に取り付ける構造に関する。
従来、車両に搭載される車載用スピーカ装置が知られる(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、スピーカユニットの駆動時における背圧を密閉空間にて閉鎖することを避けるようにした車載用スピーカ装置が開示される。
特許文献1に開示される車載用スピーカ装置においては、車両のドアの一部に車室内と車室外(車外)とを連通するダクトが設けられると共に、このダクトの車室内側開口部にスピーカユニットが取付けられる。スピーカユニットの駆動によって生じる背圧は、ダクトを通じて車外に開放される。このために、ドアのインナーパネルがスピーカユニットの駆動によって生じる背圧を受けることがなくなり、ドアの内装部材の振動に起因するビビリ音の発生を防止することができる。
特許文献1のように、ダクトを介して背圧を車外に開放する構成とすると、車外への音漏れの発生が懸念される。また、車外に通じるダクトを介して、車両のボディより内側に雨水や埃が入り込むことが懸念される。一方で、背圧を密閉空間にて閉鎖することを避けつつ、車外に通じるダクトを無くした場合には、スピーカの背面側からの音の回り込みが発生して、スピーカの正面側から放音される低音が打ち消されることが懸念される。
本発明は、上記の点に鑑み、車両の外部への音漏れを抑制しつつ、車両の室内に音を適切に放音することができるスピーカユニットの取付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のスピーカユニットの取付構造は、スピーカと、前記スピーカの背面を覆い、前記スピーカの背圧を逃がす開口部が設けられるエンクロージャと、を備えるスピーカユニットを車両に取り付ける構造であって、前記開口部は、前記車両の室内と隔壁された前記車両の内部の空間に向けられ、前記空間内には、前記開口部から放射された音を前記スピーカユニットから離れる方向に導く音路を形成する導音部材が配置される構成(第1の構成)になっている。
上記第1の構成のスピーカユニットの取付構造において、前記空間は、前記車両のボディにより前記車両の外部と隔壁される構成(第2の構成)であってよい。
上記第1又は第2の構成のスピーカユニットの取付構造において、前記スピーカユニットは、前記スピーカを2つ有し、前記2つのスピーカは、背面側が対向するとともに結合部材で結合される構成(第3の構成)であってよい。
上記第3の構成のスピーカユニットの取付構造において、前記エンクロージャは、前記2つのスピーカの背面が対向する対向方向に延びる筒状であり、前記開口部は、前記エンクロージャの側面に設けられる構成(第4の構成)であってよい。
上記第4の構成のスピーカユニットの取付構造において、前記車両は、運転席と助手席との左右方向間の床面上に配置され、前後方向に延びるセンターコンソールを有し、前記スピーカユニットは、前記センターコンソールに前記対向方向を左右方向に向けて収容され、前記エンクロージャは、前記開口部を前方に向ける構成(第5の構成)であってよい。
上記第5の構成のスピーカユニットの取付構造において、前記導音部材は、前記床面と共に前記開口部から放射された音を上方に導く前記音路を形成する構成(第6の構成)であってよい。
本発明のスピーカユニットの取付構造によれば、車両の外部への音漏れを抑制しつつ、車両の室内に音を適切に放音することができる。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。X方向は、車両の進行方向と平行な方向であり、+X側が前側、-X側が後側である。Y方向は、車両の進行方向と直交し、運転席に座る運転者から見て左右方向に該当する。+Y側が右側、-Y側が左側である。Z方向は、X方向およびY方向に直交する方向であり、上下方向に該当する。+Z側が上側、-Z側が下側である。ただし、これらの方向は単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定する意図はない。
<1.スピーカユニット>
図1は、本発明の実施形態に係るスピーカユニット1が取り付けられた車両100の室内101の一部を示す概略図である。図1において、ハンドル102の後方の座席が運転席103である。運転席103の左側の座席が助手席104である。
図1は、本発明の実施形態に係るスピーカユニット1が取り付けられた車両100の室内101の一部を示す概略図である。図1において、ハンドル102の後方の座席が運転席103である。運転席103の左側の座席が助手席104である。
図1に示すように、車両100は、運転席103と助手席104との左右方向間の床面105上に配置されるセンターコンソール106を有する。センターコンソール106は、前後方向に延びる。センターコンソール106は、床面105から上側に突出する箱型状の構造物である。センターコンソール106には、例えばシフトレバー107等が配置される。
センターコンソール106の前方部分は、運転席103や助手席104に座る車両100の乗員が足を置く空間を構成する壁として機能している。スピーカユニット1は、センターコンソール106の前方部分に配置される。すなわち、スピーカユニット1は、運転席103や助手席104に座る乗員の足元に配置される。
なお、本実施形態におけるスピーカユニット1の配置箇所は例示であり、スピーカユニット1の配置箇所は適宜変更されてよい。以下に説明するスピーカユニット1の構成も例示であり、スピーカユニットの構成の変更に合わせて、スピーカユニットの配置箇所も適宜変更されてよい。
図2は、本実施形態のスピーカユニット1の構成を示す概略斜視図である。図3は、図2に示すスピーカユニット1の概略縦断面図である。図2および図3に示すように、スピーカユニット1は、スピーカ10と、エンクロージャ20とを備える。なお、本実施形態のスピーカユニット1は、一例として、主に低音を出力するウーファ又はサブウーファである。
スピーカユニット1は、スピーカ10を2つ有する。2つのスピーカ10の一方が第1スピーカ10aであり、他方が第2スピーカ10bである。なお、スピーカユニットが備えるスピーカの数は、2つに限らず、例えば単数であってもよい。本実施形態では、好ましい形態として、第1スピーカ10aと第2スピーカ10bとは同一の構成である。このため、第1スピーカ10aと第2スピーカ10bとの構成について、第1スピーカ10aを代表例として説明する。
図4は、第1スピーカ10aの構成の詳細を示す図である。第1スピーカ10aは、振動板11と、磁気回路12と、フレーム13とを備える。磁気回路12は、振動板11を振動させる。フレーム13は、振動板11と磁気回路12とを保持する。以下、スピーカ10の説明にあたって、振動板11側を正面側、磁気回路12側を背面側とする。
振動板11は、コーン型であり、少なくとも外縁部がフレーム13に取り付けられ、コーンの頂点側、即ち背面側に駆動コイル(ボイスコイル)14が取り付けられている。駆動コイル14の両端は、不図示のリード線を介して第1スピーカ10aが有する端子と電気的に接続され、駆動コイル14にはオーディオ信号(電気信号)が入力される。
フレーム13の背面には、磁性材料によって形成されたプレート121が取り付けられる。プレート121は、厚みの薄い円環状である。プレート121の背面には円環状のマグネット122が配置され、マグネット122の後面にはヨーク123が配置される。ヨーク123は、円板状のベース面部1231と、ベース面部1231の中心部から正面側へ突出されたセンターポール部1232とを有する。センターポール部1232は、例えば円柱状である。ヨーク123は、ベース面部1231の正面がマグネット122の後面に取り付けられる。フレーム13、プレート121、マグネット122、および、ヨーク123は、正面視において、中心を一致させた状態で結合される。ヨーク123は、センターポール部1232の正面がプレート121の前面と同一面内に位置され、プレート121とセンターポール部1232の間の空間が磁気ギャップ124を形成する。
センターポール部1232の正面側の端部には、駆動コイル14が外嵌される。駆動コイル14は、センターポール部1232の軸方向(図4のY方向)へ変動可能な状態で配置される。駆動コイル14は、少なくとも一部が磁気ギャップ124に位置し、オーディオ信号が入力されると、オーディオ信号による電流と磁気ギャップ124の磁束との相互作用(ローレンツ力)によって振動する。この駆動コイル14の振動に伴って振動板11が振動し、振動板11が周囲の空気を振動させることでオーディオ信号に応じた音を発生させる。駆動コイル14及び振動板11がフレーム13に対して駆動される反作用等によって、フレーム13及び磁気回路12に振動が伝わる。
図3に示すように、本実施形態では、2つのスピーカ10a、10bは、背面側が対向するとともに結合部材30で結合される。詳細には、第1スピーカ10aのヨーク123の背面と、第2スピーカ10bのヨーク123の背面とが左右方向に対向する。結合部材30は、左右方向に延び、左右の端部の一方が第1スピーカ10aのヨーク123の背面(左面)に固定され、左右の端部の他方が第2スピーカ10bのヨーク123の背面(右面)に固定される。
結合部材30は、例えばアルミニウム合金、ステンレス鋼、黄銅等の金属で構成される。結合部材30は、剛性の高い合成樹脂で構成されてもよい。結合部材30は、低周波域の振動を十分に伝達し、高周波域の振動を伝達し難い材料で構成することが好ましい。結合部材30は、単一の部材ではなく、それぞれ別の材料で構成された複数の部品を組み合わせた構成であってもよい。また、結合部材30は、本実施形態では左右方向に延びる円柱状であるが、これに限らず、例えば、両端部に比べて中央部の方が、直径が大きく設けられる形状等であってもよい。
本実施形態では、第1スピーカ10aと第2スピーカ10bとが互いに背面を対向させて配置されているため、同一のオーディオ信号を入れて同時に音を発生しようとした場合、2つのスピーカ10a、10bは相反する方向に振動することになる。本実施形態では、2つのスピーカ10a、10bが結合部材30で結合されているために、2つのスピーカ10a、10bの相反する振動を相殺することができる。すなわち、本実施形態の構成によれば、大きくて重いエンクロージャ構造を採用しなくても不要な振動を抑制することができ、ビビリ音の発生を抑制することができる。また、本実施形態では、スピーカを車両100の外部に通じるダクトに配置しなくてもビビリ音の発生を抑制することができる。
エンクロージャ20は、スピーカ10の背面を覆う。詳細には、エンクロージャ20は、第1スピーカ10aおよび第2スピーカ10bの背面を覆う。エンクロージャ20は、2つのスピーカ10a、10bの背面が対向する対向方向に延びる筒状である。エンクロージャ20、第1スピーカ10aおよび第2スピーカ10bの背面に加えて結合部材30も覆う。
エンクロージャ20には、スピーカ10の背圧を逃がす開口部21が設けられる。本実施形態では、開口部21は、エンクロージャ20の側面に設けられる。このような構成とすることにより、背面側を対向してさせる2つのスピーカ10a、10bの両方に対して共通に背圧を逃す機能を有する開口を設けることができる。開口部21が設けられることにより、2つのスピーカ10a、10bに対して背面容積を確保することができ、低音の出力が低下することを抑制することができる。
詳細には、エンクロージャ20は、左右方向に延びる円筒状のエンクロージャ本体部20aと、エンクロージャ本体部の側面から前方に突出するダクト部20bとを有する。エンクロージャ本体部20aは、ダクト部20bが設けられるために、詳細には、断面C字状である。エンクロージャ本体部20aは、2つのスピーカ10a、10bの背面側および結合部材30を収容する。
ダクト部20bは、エンクロージャ本体部20a左右方向の全範囲に亘って設けられ、エンクロージャ本体部20aの周方向の一部の範囲に設けられる。ダクト部20bの前端は開口しており、ダクト部20bは上述の開口部21を形成する。開口部21は、エンクロージャ本体部20aの内部の空間と繋がっており、2つのスピーカ10a、10bの背圧をエンクロージャ20の外部に逃がすことができる。
その他、スピーカユニット1は、緩衝材41およびスペーサ部材42等を備える。第1スピーカ10aおよび第2スピーカ10bのそれぞれにおいて、フレーム13の背面に、それぞれ環状の緩衝材41が接合されている。緩衝材41の背面には、スペーサ部材42が接合されている。緩衝材41は、弾性を有し、フレーム13が振動した場合にフレーム13と接している面の近傍が部分的に弾性変形する。このため、緩衝材41を設けることによって、フレーム13の振動がスペーサ部材42に伝わることを抑制することができる。このように緩衝材41は、フレーム13を保持し、且つ、フレーム13から伝わる振動を減衰させる弾性を有した部材である。緩衝材41は、例えば、ポリオレフィンフォーム(PEF)等の発泡体やシリコーン樹脂等で構成される。なお、スペーサ部材42は、ダクト部20bの左右の側壁を構成する。
本実施形態では、スピーカ10は、磁気回路12とボイスコイル14とを備える動電型スピーカとしたが、スピーカの形式はこれに限られない。スピーカは、例えば固定電極と振動板との間に高電圧の音響信号を印可して静電気力で振動板を振動させる静電型スピーカであってもよいし、圧電素子や磁歪素子を備えたアクチュエータで振動板を振動させる圧電型・磁歪型スピーカであってもよい。例えば、スピーカが静電型スピーカである場合には、2つのスピーカの固定電極同士を向かい合わせて結合部材30により結合すればよい。また、例えば、スピーカが圧電型・磁歪型スピーカである場合には、アクチュエータの背面同士を向かい合わせて結合部材30により結合すればよい。
<2.スピーカユニットの取付構造>
以上に説明した本実施形態のスピーカユニット1を車両に取り付ける構造(スピーカユニットの取付構造)について、詳細に説明する。
以上に説明した本実施形態のスピーカユニット1を車両に取り付ける構造(スピーカユニットの取付構造)について、詳細に説明する。
本実施形態では、図1に示すように、スピーカユニット1は、センターコンソール106に、2つのスピーカ10a、10bの対向方向を左右方向に向けて収容される。詳細には、スピーカユニット1は、センターコンソール106の内部に配置される。センターコンソール106には、左右方向に貫通する貫通孔106aが2つ設けられる。第1スピーカ10aおよび第2スピーカ10bは、いずれも、正面側が貫通孔106aを介して車両100の室内101内に露出する。すなわち、振動板11が貫通孔106aを介して室内101に露出する。なお、各スピーカ10a、10bには、振動板11を覆う、音孔を有するカバーが取り付けられていてもよい。この場合には、当該カバーが貫通孔106aを介して車両100の室内101内に露出する構成とすればよい。
本実施形態では、一例として、2つのスピーカ10a、10bの正面側の一部が、貫通孔106aを介して車両100の室内101に突出する。このような構成の場合、貫通孔106aの内壁とスペーサ部材42との間にできる隙間を埋める目的で、弾性を有する部材が配置されることが好ましい。また、スピーカユニット1は、例えば、センターコンソール106の内側の床面105等に取り付けられる不図示の支持部材により支持されることが好ましい。
図5は、スピーカユニット1の取付構造の概略を示す模式図である。図5は、スピーカユニット1を左(助手席104側)から見た場合の図である。また、図5においては、センターコンソール106を構成する壁材は省略されている。すなわち、図5は、センターコンソール106の内側の様子が示されている。
図5に示すように、スピーカユニット1の開口部21は、車両100の室内101と隔壁された車両100の内側の空間200に向けられる。空間200は、車両100の外部(外側の空間)とは隔壁されており、その意味で車両100の内側に存在する。このような構成とすれば、開口部21から放射された音が車両100の外部に漏れることを防止することができる。
詳細には、エンクロージャ20は、開口部21を前方に向ける。このような構成とすることにより、車両100の前方に設けられる、室内101と車両100の外部との間の空間200を有効利用して、スピーカユニット1から放射される音の適正化を図ることができる。
詳細には、空間200は、センターコンソール106を構成する壁材、および、車両100のダッシュボード110(図1参照)を構成する壁材によって室内101と隔壁されている。
また、空間200は、車両100のボディにより車両100の外部と隔壁されている。これにより、車両100の室内101と、車両100のボディとの間の空間を有効利用してスピーカユニット1から放射される音の適正化を図ることができる。本実施形態では、空間200は、車両100の床面105を構成するフロアパネル108と、エンジンルームとの境界を構成するダッシュパネル(トゥボード)109により、車両100の外部と隔壁されている。
なお、フロアパネル108およびダッシュパネル109は、車両100のボディを構成するパーツである。また、フロアパネル108には、その上面にマットが配置されることがある。そのような場合には、フロアパネル108は、マットを含む構成であってよい。すなわち、床面105は、マットの上面であってもよい。
図5に示すように、空間200内には、開口部21から放射される音をスピーカユニット1から離れる方向に導く音路300(図7参照)を形成する導音部材50が配置される。別の言い方をすると、導音部材50は、開口部21から放射された音が、車両100の室内101におけるスピーカ10a、10b近傍に戻ることを抑制する部材である。このような構成とすることにより、開口部21から放射された音とスピーカ10a、10bの正面から放射された音とが干渉することを抑制することができる。すなわち、スピーカユニット1により、車両100の室内101に音を適切に放音することができる。
図6は、導音部材50の構成を示す概略斜視図である。導音部材50は、例えば、板金を加工して形成することができる。ただし、導音部材50は、金属に限らず、樹脂等で形成してもよい。図6に示すように、導音部材50は、本体部51と、一対の側壁部52とを有する。
本体部51は、上下方向に対して直交する矩形平板状の本体第1部分51aと、本体第1部分51aの前端から前方斜め上方に湾曲しながら延びる本体第2部分51bと、本体第2部分51bの前端から前方斜め上方に延びる平板状の本体第3部分51cとを有する。一対の側壁部52は、本体部51の左右端に配置され、平板状である。各側壁部52は、本体第1部分51aから下方に延びる側壁第1部分52aと、本体第2部分51bから前方斜め下方に延びる側壁第2部分52bと、本体第3部分51cから前方に延びる側壁第3部分52cとを有する。
導音部材50は、ダクト部20bに取り付けられる。取付手法としては、例えば螺子止めや接着が用いられてよい。詳細には、導音部材50の本体第1部分51aがダクト部20bの上面に重ねられる。一対の側壁部52は、ダクト部20bを左右から挟む。各側壁部52は、一部がフロアパネル108により構成される床面105と接触し、他の一部がダッシュパネル109の内面109aと接触する構成となっている。より詳細には、各側壁部52の一部は、床面105に接触しながら床面105に沿う方向に延びる。各側壁部52の他の一部は、ダッシュパネル109の内面109aに接触しながら当該内面109aに沿う方向に延びる。
なお、本実施形態では、ダクト部20bの下面の少なくとも前端部は、床面105に接触している。また、本実施形態では、上下方向において、側壁部52が開口部21の上端から下方の途中位置までしか延びていないが、開口部21の上端から下端まで延びる構成としてもよい。
図7は、導音部材50の作用について説明するための模式図である。図7は、スピーカユニット1の左右方向の中央位置に該当する箇所で切断した縦断面を模式的に示した図である。図7に示す白抜きの矢印は、開口部21から放射される音の流れを示す。
図7に示すように、導音部材50は、床面105と共に開口部21から放射された音を上方に導く音路300を形成する。導音部材50が設けられたことにより、開口部21から放射された音をスピーカユニット1から離れた、空間200の上方(ダッシュボード110内部に上方)に導くことができる。
開口部21から放射される音には、スピーカ10a、10bの正面側から放射する音と逆位相となる音が含まれる。スピーカ10a、10bの近くにおいて、開口部21から放射された音が空間200内から室内101へと漏れると、当該漏れた音はスピーカ10a、10bの正面から放音される音を打ち消してしまうことがある。この点、本実施形態の構成によれば、開口部21から放射された音は、空間200のスピーカユニット1から離れた上方に導かれるために、たとえ、空間200から室内101へと漏れたとしても、音漏れが発生する位置はスピーカ10a、10bから離れた位置となる。このために、本実施形態においては、スピーカ10a、10bの正面から放射される音が、開口部21から放射される音の室内101への漏れ込みによって打ち消される可能性を低くすることができる。すなわち、スピーカ10a、10bから適正な音を室内101に放射することができる。
なお、本実施形態では、詳細には、導音部材50は、床面105およびダッシュパネル109の内面109aと共に開口部21から放射された音を上方に導く音路300を形成する。ただし、導音部材が、いずれの要素と組となって、音をスピーカユニット1から遠ざける音路を形成するかは、スピーカユニット1が配置される空間の構成によって適宜変更されてよい。また、場合によっては、導音部材単独で、開口部21から放射された音をスピーカユニット1から遠ざける音路を形成する構成としてもよい。
また、本実施形態では、空間200内において、スピーカユニット1の上にはHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning )400が配置される。HVAC400の存在により、開口部21から放射された音は、後方に回り込み難く、ダッシュボード110内の上方に導かれる。この点を考慮して、導音部材50が上方に延びる量は、HVAC400の下部までとなっている。ただし、例えばHVAC400のような大きな構造物がない場合には、導音部材50は、図7に示す位置より上方に延びる構成としてよい。
また、本実施形態では、導音部材50がスピーカユニット1に取り付けられる構成としたが、導音部材50は、空間200内に配置されるスピーカユニット1以外の構造物に取り付けられてもよい。例えば、導音部材50は、HVAC400に取り付けられてもよい。
また、本実施形態では、スピーカユニット1が、車両100の前方の空間に配置される構成としたが、この構成に限る趣旨ではない。例えば、スピーカユニットは、車両100の後方や側方等の他の空間に配置されてもよい。このような場合においても、以上で説明したような構成の導音部材を用いることで、スピーカユニットから良好な音を放音することができる。
<3.留意事項>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態および変形例のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態および変形例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態および変形例の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態および変形例のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態および変形例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態および変形例の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
1・・・スピーカユニット
10・・・スピーカ
10a・・・第1スピーカ
10b・・・第2スピーカ
20・・・エンクロージャ
21・・・開口部
30・・・結合部材
50・・・導音部材
100・・・車両
101・・・室内
108・・・フロアパネル(車両のボディの一部)
109・・・ダッシュパネル(車両のボディの一部)
200・・・空間
300・・・音路
10・・・スピーカ
10a・・・第1スピーカ
10b・・・第2スピーカ
20・・・エンクロージャ
21・・・開口部
30・・・結合部材
50・・・導音部材
100・・・車両
101・・・室内
108・・・フロアパネル(車両のボディの一部)
109・・・ダッシュパネル(車両のボディの一部)
200・・・空間
300・・・音路
Claims (6)
- スピーカと、
前記スピーカの背面を覆い、前記スピーカの背圧を逃がす開口部が設けられるエンクロージャと、
を備えるスピーカユニットを車両に取り付ける構造であって、
前記開口部は、前記車両の室内と隔壁された前記車両の内部の空間に向けられ、
前記空間内には、前記開口部から放射された音を前記スピーカユニットから離れる方向に導く音路を形成する導音部材が配置される、スピーカユニットの取付構造。 - 前記空間は、前記車両のボディにより前記車両の外部と隔壁される、請求項1に記載のスピーカユニットの取付構造。
- 前記スピーカユニットは、前記スピーカを2つ有し、
前記2つのスピーカは、背面側が対向するとともに結合部材で結合される、請求項1又は2に記載のスピーカユニットの取付構造。 - 前記エンクロージャは、前記2つのスピーカの背面が対向する対向方向に延びる筒状であり、
前記開口部は、前記エンクロージャの側面に設けられる、請求項3に記載のスピーカユニットの取付構造。 - 前記車両は、運転席と助手席との左右方向間の床面上に配置され、前後方向に延びるセンターコンソールを有し、
前記スピーカユニットは、前記センターコンソールに前記対向方向を左右方向に向けて収容され、
前記エンクロージャは、前記開口部を前方に向ける、請求項4に記載のスピーカユニットの取付構造。 - 前記導音部材は、前記床面と共に前記開口部から放射された音を上方に導く前記音路を形成する、請求項5に記載のスピーカユニットの取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020169847A JP2022061727A (ja) | 2020-10-07 | 2020-10-07 | スピーカユニットの取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020169847A JP2022061727A (ja) | 2020-10-07 | 2020-10-07 | スピーカユニットの取付構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022061727A true JP2022061727A (ja) | 2022-04-19 |
Family
ID=81210575
Family Applications (1)
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JP2020169847A Pending JP2022061727A (ja) | 2020-10-07 | 2020-10-07 | スピーカユニットの取付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022061727A (ja) |
-
2020
- 2020-10-07 JP JP2020169847A patent/JP2022061727A/ja active Pending
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A621 | Written request for application examination |
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