JP2022061387A - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交差移動体の旋回挙動を的確に認識して交差移動体に対する不要な緊急ブレーキを防止することができる車両の走行制御装置を提供する。【解決手段】走行_ECU22は、交差移動体Cに対する緊急ブレーキ制御において、直近の過去設定フレーム数の前半と後半における交差移動体Cの移動方向に基づいて交差移動体Cの疑似ヨーレートγpを算出するとともに、交差移動体Cが設定フレームかけて移動する際の前後加速度及び横加速度を算出し、疑似ヨーレートの絶対値|γp|がヨーレート判定閾値γth以上であり且つ前記前後加速度の絶対値或いは横加速度の絶対値のうちの少なくとも何れか一方が加速度判定閾値ath以上であるとき交差移動体Cが旋回中であると判定て緊急ブレーキの実行をキャンセルする。【選択図】図5

Description

本発明は、障害物との衝突を緊急ブレーキ制御によって回避する機能を備えた車両の走行制御装置に関する。
近年、自動車等の車両においては、ドライバの運転操作の負担を軽減するとともに、安全性の向上を実現することを目的として、ドライバの運転操作を支援するための走行制御装置が実用化されている。この種の走行制御装置では、ドライバによる主体的な運転操作を前提として操舵支援制御や加減速制御を行う走行制御モードや、ドライバの運転操作を必要とすることなく車両を走行させるための走行制御モード(所謂、自動運転モード)についての各種技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
走行制御装置による走行制御は、基本的には、追従車間距離制御(ACC:Adaptive Cruise Control)機能と車線中央維持(ALKC:Active Lane Keep Centering)制御機能等とを備えることによって実現される。そして、このような走行制御により、先行車との車間を維持しつつ走行車線に沿って車両を自動走行させることができる。
さらに、走行制御装置は、カメラやレーダ等の自律センサを用いた走行環境認識装置によって自車両の前方に車両や歩行者等の障害物を認識したとき、当該障害物に対する緊急ブレーキ(AEB(Autonomous Emergency Braking):衝突被害軽減ブレーキ)制御を行い、自車両を障害物の手前で緊急停止させる技術が実用化されている。このようなAEB制御では、一般に、自車両からの直線距離が最も近い障害物上の点を代表点として設定し、当該代表点の手前で自車両を停止させるためのブレーキ制御が行われる。
さらに、近年においては、自車両の前方に存在する障害物のみならず、自車進行路に交差する方向から自車両に接近する交差車両等(交差移動体)の障害物に対しても、緊急ブレーキ(出合頭衝突回避ブレーキ(FCTB:Front Cross Traffic Brake))制御を行う技術が開発されている。このようなFCTB制御では、例えば、交差移動体の走行軌跡から予測進行路が算出され、算出した交差移動体の予測進行路と自車進行路との交差位置が算出される。そして、FCBT制御では、自車両が交差位置に到達するタイミングにおいて、交差移動体が交差位置を基準とする所定の領域に到達することが予測されるとき、緊急ブレーキが実行される。
特開2019-172113号公報
しかしながら、交差移動体は、交差位置の手前において、右左折等により予測進行路から外れて旋回(進路変更)する場合があり、このような場合においても緊急ブレーキが行われると乗員に違和感を与える虞がある。
その一方で、交差移動体は、自車両の進行方向に沿って移動する移動体(先行車両や対向車両等)に比べ、旋回挙動を認識することが困難である。特に、レーダ装置を用いた交差移動体の認識では、レーダ装置の特性上、交差移動体上における代表点の位置が一時的に大きく変化する場合があり、交差移動体の旋回挙動を認識することがより困難となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、交差移動体の旋回挙動を的確に認識して交差移動体に対する不要な緊急ブレーキを防止することができる車両の走行制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様による車両の走行制御装置は、移動体を予め設定されたフレーム周期毎に認識するレーダ装置と、前記レーダ装置により認識した前記移動体の軌跡に基づいて予測進行路を算出する予測進行路算出手段と、前記予測進行路が自車進行路に交差する前記移動体を交差移動体として認定するとともに、前記予測進行路と前記自車進行路との交差位置に基づいて自車両の目標停止位置を設定し、前記目標停止位置に対して前記自車両が現在の自車速で走行した場合に到達する時間を衝突予測時間として算出する衝突予測時間算出手段と、前記交差移動体が前記予測進行路に沿って移動した場合に、前記交差位置において前記自車両が前記交差移動体に衝突する可能性を判定する衝突可能性判定手段と、前記衝突可能性判定手段において前記自車両が前記交差移動体に衝突する可能性があると判定され、且つ、前記衝突予測時間が閾値以下となったとき、前記目標停止位置に前記自車両を停止させるための緊急ブレーキを実行する緊急ブレーキ実行手段と、直近の過去設定フレーム数の前半と後半における前記交差移動体の移動方向に基づいて前記交差移動体の疑似ヨーレートを算出するとともに、前記交差移動体が設定フレームかけて移動する際の前後加速度及び横加速度を算出し、前記疑似ヨーレートの絶対値がヨーレート判定閾値以上であり且つ前記前後加速度の絶対値或いは横加速度の絶対値のうちの少なくとも何れか一方が加速度判定閾値以上であるとき前記交差移動体が旋回中であると判定して前記緊急ブレーキの実行をキャンセルするキャンセル手段と、を備えたものである。
本発明の車両の走行制御装置によれば、交差移動体の旋回挙動を的確に認識して交差移動体に対する不要な緊急ブレーキを防止することができる。
走行制御システムの全体構成図 路車間通信及び車車間通信を示す説明図 ステレオカメラ及びレーダ装置の監視領域を示す説明図 交差移動体に対する緊急ブレーキ制御ルーチンを示すフローチャート 交差移動体の旋回判定サブルーチンを示すフローチャート 自車両と交差移動体との関係を示す説明図 交差移動体上の代表点が変化する場合の一例を示す説明図 交差移動体の予測進行路を示す説明図 交差移動体の軌跡から除外される代表点を示す説明図 代表点の軌跡に基づいて交差移動体の移動方向を算出する際の説明図 代表点の軌跡に基づいて交差移動体の移動方向を算出する際の説明図 代表点の軌跡に基づいて交差移動体の移動方向を算出する際の説明図 代表点の軌跡に基づいて交差移動体の移動方向を算出する際の説明図 代表点の軌跡に基づいて交差移動体の移動方向を算出する際の説明図 代表点の軌跡に基づいて交差移動体の移動方向を算出する際の説明図 代表点の軌跡に基づいて交差移動体の移動方向を算出する際の説明図 交差移動体が旋回する際のヨーレートの経時変化を示す説明図 交差移動体が旋回する際の進行角度の経時変化を示す説明図 交差移動体が予測進行路から逸脱した状態を示す説明図 変形例に係り、交差移動体に対する緊急ブレーキ制御ルーチンを示すフローチャート 同上、旋回判定サブルーチンを示すフローチャート
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、図1は走行制御システムの全体構成図である。図1,2に示すように、本実施形態における走行制御システム1は、複数の車両にそれぞれ搭載された走行制御装置10と、複数の走行制御装置10が無線通信を介して接続されるネットワーク環境NWに設けられる複数の管制装置100と、を有して構成されている。管制装置100は、例えば、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティングによるネットワーク環境、或いは道路付帯設備網によるネットワーク環境のサーバ装置として設けられている。
管制装置100は、各車両の走行制御装置10から送信される道路地図情報を逐次統合して更新し、更新した道路地図情報を各車両に送信する。このため、管制装置100は、道路地図情報統合_ECU101と、送受信機102と、を有して構成されている。
道路地図境情報統合_ECU101は、送受信機102を通じて複数の車両から収集した道路地図情報を統合して、道路上の車両を取り巻く道路地図情報を逐次更新する。道路地図情報は、例えば、ダイナミックマップからなり、主として道路情報を構成する静的情報及び準静的情報と、主として交通情報を構成する準動的情報及び動的情報と、の4層の情報を有する。
静的情報は、例えば、道路や道路上の構造物、車線情報、路面情報、恒久的な規制情報等、1ヶ月以内の更新頻度が求められる情報によって構成されている。
準静的情報は、例えば、道路工事やイベント等による交通規制情報、広域気象情報、渋滞予測等、1時間以内での更新頻度が求められる情報によって構成されている。
準動的情報は、例えば、観測時点における実際の渋滞状況や走行規制、落下物や障害物等、一時的な走行障害状況、実際の事故状態、狭域気象情報など、1分以内での更新頻度が求められる情報によって構成されている。
動的情報は、例えば、移動体の間で送信・交換される情報や現在示されている信号の情報、交差点内の歩行者・二輪車情報、交差点を直進する車両情報等、1秒以内での更新頻度が求められる情報によって構成されている。
このような道路地図情報は、各車両から次の情報を受信するまでの周期で維持・更新され、更新された道路地図情報は送受信機102を通じて各車両に適宜送信される。
走行制御装置10は、車外の走行環境を認識するためのユニットとして、走行環境認識ユニット11及びロケータユニット12を有する。また、走行制御装置10は、走行制御ユニット(以下、「走行_ECU」と称す)22と、エンジン制御ユニット(以下、「E/G_ECU」と称す)23と、パワーステアリング制御ユニット(以下、「PS_ECU」と称す)24と、ブレーキ制御ユニット(以下、「BK_ECU」と称す)25と、を備える。これら各制御ユニット22~25は、走行環境認識ユニット11及びロケータユニット12と共に、CAN(Controller Area Network)等の車内通信回線を介して接続されている。
走行環境認識ユニット11は、例えば、車室内前部の上部中央に固定されている。この走行環境認識ユニット11は、メインカメラ11aおよびサブカメラ11bからなる車載カメラ(ステレオカメラ)と、画像処理ユニット(IPU)11cと、第1の走行環境認識部11dと、を有している。
メインカメラ11a及びサブカメラ11bは、例えば、自車両Mの前方の実空間をセンシングする自律センサである。これらメインカメラ11a及びサブカメラ11bは、例えば、車幅方向中央を挟んで左右対称な位置に配置され、自車両Mの前方領域Af(図3参照)を異なる視点からステレオ撮像する。
IPU11cは、両カメラ11a,11bで撮像した自車両Mの前方の前方走行環境画像情報を所定に画像処理し、対応する対象の位置のズレ量から求めた距離情報を含む前方走行環境画像情報(距離画像情報)を生成する。
第1の走行環境認識部11dは、IPU11cから受信した距離画像情報などに基づき、自車両Mの周辺の道路を区画する車線区画線を求める。
また、第1の走行環境認識部11dは、自車両が走行する走行路(自車走行レーン)の左右を区画する区画線の道路曲率[1/m]、および左右区画線間の幅(車線幅)を求める。この道路曲率、および車線幅の求め方は種々知られているが、例えば、第1の走行環境認識部11dは、道路曲率を前方走行環境画像情報に基づき輝度差による二値化処理にて、左右の区画線を認識し、最小二乗法による曲線近似式などにて左右区画線の曲率を所定区間毎に求める。
また、第1の走行環境認識部11dは、距離画像情報に対して所定のパターンマッチングなどを行い、道路に沿って存在するガードレール、縁石、および、自車両Mの周辺の道路上に存在する歩行者、二輪車、二輪車以外の車両等の立体物の認識を行う。ここで、第1の走行環境認識部11dにおける立体物の認識では、例えば、立体物の種別、立体物までの距離、立体物の速度、立体物と自車両Mとの相対速度などの認識が行われる。なお、このように車載カメラからの画像に基づいて認識した立体物を、カメラオブジェクト(カメラOBJ)と称する。
さらに、第1の走行環境認識部11dには、自律センサとして、複数のレーダ装置(例えば、左前側方レーダ装置11fl、右前側方レーダ装置11fr、左後側方レーダ装置11rl、及び、右後側方レーダ装置11rr)が接続されている。
左前側方レーダ装置11fl及び右前側方レーダ装置11frは、例えば、フロントバンパの左右側部に各々設けられている。これら左前側方レーダ装置11fl及び右前側方レーダ装置11frは、上述したカメラ11a,11bからの画像では監視することのできない自車両Mの左右斜め前方及び側方の領域Afl,Afr(図3参照)を監視する。なお、左前側方レーダ装置11fl及び右前側方レーダ装置11frは、各領域Afl,Afrの一部が、カメラ11a,11bによる領域Afと重畳するように配置されている。
左後側方レーダ装置11rl及び右後側方レーダ装置11rrは、例えば、リヤバンパの左右側部に各々設けられている。これら左後側方レーダ装置11rl及び右後側方レーダ装置11rrは、上述した左前側方レーダ装置11fl及び右前側方レーダ装置11frでは監視することのできない自車両Mの左右側方から後方にかけての領域Arl,Arr(図3参照)を監視する。なお、左後側方レーダ装置11rl及び右後側方レーダ装置11rrは、各領域Arl,Arrの一部が、互いに重畳すると共に、各領域Afl,Afrとそれぞれ重畳するように配置されている。
各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、ミリ波レーダ、レーザ・レーダ、ライダー(LIDER:Light Detection and Ranging)等を備えて構成されている。各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、予め設定されたフレーム周期毎に、水平方向にレーダ波(電波やレーザビーム等)を発射し、発射したレーダ波の反射波を受信する。これにより、各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、自車両Mの周囲に存在する立体物上の複数の反射点を検出する。そして、各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、検出した複数の反射点の位置(自車両Mとの相対位置)及び移動速度等を解析してグルーピング処理することにより立体物を認識する。また、各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、認識した立体物上の反射点のうち、自車両Mに直線距離が最も近い反射点を当該立体物の代表点Pr(図6参照)として設定する。そして、各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrは、代表点Prに関する情報として、例えば、当該代表点Prに対応する反射点の位置及び移動速度Vr(図6参照)等を認識するとともに、反射点の分布から算出される立体物の大きさを認識する。なお、このように各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrにおいて認識した立体物を、レーダオブジェクト(レーダOBJ)と称する。
このように各レーダ装置11fl,11fr,11rl,11rrにおいて認識されたレーダOBJに関する情報は、第1の走行環境認識部11dに入力される。これにより、第1の走行環境認識部11dでは、自車両Mの前方に存在する先行車等のみならず、自車両Mの側方に存在する並走車両、交差点等において自車進行路に交差する方向から自車両Mに接近する交差車両、及び、自車両Mの後方に存在する後続車両等の各種移動体についても立体物として認識することが可能となっている。
ここで、第1の走行環境認識部11dは、認識したカメラOBJ及びレーダOBJの位置を、例えば、自車両Mの中心を原点Oとする直交座標系(自車両Mの前後方向をZ軸、自車両Mの車幅方向をX軸とする座標系:図3参照)の座標に変換する。
なお、後述するように、レーダ装置からの情報に基づいて交差移動体との衝突回避のための緊急ブレーキ制御を行う本実施形態において、ロケータユニット12(及び、管制装置100)は、必須の構成要件ではなく、適宜省略することが可能である。この場合、ロケータユニット12に設けられている加速度センサ14、車輪速センサ15、ジャイロセンサ16等の各種センサは、第1の走行環境認識部11d或いは走行_ECU22等に接続される。
同様に、レーダ装置からの情報に基づいて交差移動体との衝突回避のための緊急ブレーキ制御を行う本実施形態において、ステレオカメラ(メインカメラ11a及びサブカメラ11b)及びIPU11cは、必須の構成要件ではなく、適宜省略することが可能である。
ロケータユニット12は、道路地図上の自車位置を推定するものであり、自車位置を推定するロケータ演算部13を有している。このロケータ演算部13の入力側には、自車両Mの前後加速度を検出する前後加速度センサ14、前後左右各車輪の回転速度を検出する車輪速センサ15、自車両の角速度または角加速度を検出するジャイロセンサ16、複数の測位衛星から発信される測位信号を受信するGNSS受信機17など、自車両Mの位置(自車位置)を推定するに際して必要とするセンサ類が接続されている。また、ロケータ演算部13には、管制装置100との間で情報の送受信(路車間通信:図2中の一点鎖線参照)を行うとともに、他車両との間で情報の送受信(車車間通信:図2中の二点鎖線参照)を行うための送受信機18が接続されている。
また、ロケータ演算部13には、高精度道路地図データベース19が接続されている。高精度道路地図データベース19は、HDDなどの大容量記憶媒体であり、高精度な道路地図情報(ダイナミックマップ)が記憶されている。この高精度道路地図情報は、自車両Mの走行制御を行う際に必要とする情報として、例えば、上述の道路地図情報統合_ECU101において逐次更新される道路地図情報と同様の情報を有する。すなわち、高精度度道路地図情報は、主として道路情報を構成する静的情報及び準静的情報と、主として交通情報を構成する準動的情報及び動的情報と、からなる4層の情報を有する。
ロケータ演算部13は、地図情報取得部13aと、自車位置推定部13bと、第2の走行環境認識部13cと、を備えている。
地図情報取得部13aは、例えばドライバが自動運転に際してセットした目的地に基づき、現在地から目的地までのルート地図情報を高精度道路地図データベース19に格納されている地図情報から取得する。
また、地図情報取得部13aは、取得したルート地図情報(ルート地図上の車線データ)を自車位置推定部13bへ送信する。自車位置推定部13bは、GNSS受信機17で受信した測位信号に基づき自車両Mの位置座標を取得する。また、自車位置推定部13bは、取得した位置座標をルート地図情報上にマップマッチングして、道路地図上の自車位置を推定すると共に自車走行路(走行車線)を区画する左右の車線区画線を認識し、道路地図データに記憶されている走行車線中央の道路曲率を取得する。
また、自車位置推定部13bは、トンネル内走行などのようにGNSS受信機17の感度低下により測位衛星からの有効な測位信号を受信することができない環境において、車輪速センサ15で検出した車輪速に基づき求めた車速、ジャイロセンサ16で検出した角速度、及び前後加速度センサ14で検出した前後加速度に基づいて自車位置を推定する自律航法に切換えて、道路地図上の自車位置を推定する。
さらに、自車位置推定部13bは、上述のようにGNSS受信機17で受信した測位信号或いはジャイロセンサ16等で検出した情報等に基づいて道路地図上の自車位置を推定すると、推定した道路地図上の自車位置に基づき、自車両Mが走行中の走行路の道路種別等を判定する。
第2の走行環境認識部13cは、送受信機18を通じた外部通信(路車間通信、及び、車車間通信)により取得した道路地図情報を用い、高精度道路地図データベース19に格納された道路地図情報を最新の状態に更新する。この情報更新は、静的情報のみならず、準静的情報、準動的情報、及び、動的情報についても行われる。これにより、道路地図情報は、車外との通信により取得した道路情報及び交通情報を含んで構成され、道路上を走行する車両等の移動体の情報が略リアルタイムで更新される。
また、第2の走行環境認識部13cは、走行環境認識ユニット11により認識した走行環境情報に基づいて道路地図情報の検証を行い、高精度道路地図データベース19に格納された道路地図情報を最新の状態に更新する。この情報更新は、静的情報のみならず、準静的情報、準動的情報、及び、動的情報についても行われる。これにより、走行環境認識ユニット11により認識した道路上を走行する車両等の移動体の情報については、リアルタイムで更新される。
そして、このように更新された道路地図情報は、送受信機18を通じた路車間通信及び車車間通信により、管制装置100及び自車両Mの周辺車両等に対して送信される。
また、第2の走行環境認識部13cは、更新された道路地図情報のうち、自車位置推定部13bにおいて推定した自車位置を中心とする設定範囲の道路地図情報を、第2の走行環境情報として認識する。ここで、第2の走行環境認識部13cにより認識される第2の走行環境情報の範囲は、第1の走行環境認識部11dにより認識される第1の走行環境情報よりも広域であり、例えば、自車位置を中心とする半径1kmの範囲の道路地図情報が第2の走行環境情報として認識される。
走行環境認識ユニット11の第1の走行環境認識部11dで認識した第1の走行環境情報、及び、ロケータユニット12の第2の走行環境認識部13cで認識した第2の走行環境情報などは、走行_ECU22により読込まれる。また、走行_ECU22の入力側には、ドライバが自動運転(走行制御制御)のオン/オフ切換等を行うモード切換スイッチ、ドライバによる運転操作量としての操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ、ドライバによる運転操作量としてのブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキセンサ、ドライバによる運転操作量としてのアクセルペダルの踏込量を検出するアクセルセンサ、及び、自車両Mに作用するヨーレートを検出するヨーレートセンサ等の各種スイッチ・センサ類が接続されている(何れも図示せず)。
走行_ECU22には、運転モードとして、手動運転モードと、走行制御制御のためのモードである第1の走行制御モード及び第2の走行制御モードと、退避モードと、が設定されている。これらの各運転モードは、モード切換スイッチに対する操作状況等に基づき、走行_ECU22において選択的に切換可能となっている。
ここで、手動運転モードとは、ドライバによる保舵を必要とする運転モードであり、例えば、ドライバによるステアリング操作、アクセル操作およびブレーキ操作などの運転操作に従って、自車両Mを走行させる運転モードである。
また、第1の走行制御モードも同様に、ドライバによる保舵を必要とする運転モードである。すなわち、第1の走行制御モードは、ドライバによる運転操作を反映しつつ、例えば、E/G_ECU23、PS_ECU24、BK_ECU25などの制御を通じて、主として、先行車追従制御(ACC:Adaptive Cruise Control)と、車線中央維持(ALKC:Active Lane Keep Centering)制御および車線逸脱抑制(Active Lane Keep Bouncing)制御と、を適宜組み合わせて行うことにより、目標走行経路に沿って自車両Mを走行させる、いわば半自動運転モードである。
また、第2の走行制御モードとは、ドライバによる保舵、アクセル操作およびブレーキ操作を必要とすることなく、例えば、E/G_ECU23、PS_ECU24、BK_ECU25などの制御を通じて、主として、先行車追従制御と、車線中央維持制御および車線逸脱抑制制御とを適宜組み合わせて行うことにより、目標ルート(ルート地図情報)に従って自車両Mを走行させる自動運転モードである。
退避モードは、例えば、第2の走行制御モードによる走行中に、当該モードによる走行が継続不能となり、且つ、ドライバに運転操作を引き継ぐことができなかった場合(すなわち、手動運転モード、または、第1の走行制御モードに遷移できなかった場合)に、自車両Mを路側帯などに自動的に停止させるためのモードである。
さらに、走行_ECU22は、上述の各運転モードにおいて、自車両Mと衝突する可能性の高い車両等の障害物に対し、適宜、緊急ブレーキ(AEB(Autonomous Emergency Braking):衝突被害軽減ブレーキ、FCTB(Front Cross Traffic Brake):出合頭衝突回避ブレーキ等)制御を行う。なお、これらの緊急ブレーキ制御は、基本的には、第1の走行環境情報に基づいて行われ、緊急ブレーキ制御のうち、FCTB制御はレーダOBJに基づいて行われる。
例えば、障害物として自車進行路上に先行車両や対向車両等が認識されている場合、走行_ECU22は、障害物の後端から自車両M側に設定距離Δz(例えば、障害物から自車両M側に30cm)だけオフセットさせた位置に目標停止位置Ptを設定する。また、走行_ECU22は、目標停止位置Ptに対する衝突予測時間TTC(Time To Collision)を算出する。この衝突予測時間TTCとしては、例えば、自車両Mから目標停止位置Ptまでの距離を、自車両Mと障害物との相対速度で除算した値が算出される。そして、走行_ECU22は、算出した衝突予測時間TTCが閾値Tth以下であるとき、当該障害物に対する緊急ブレーキを作動させる。
また、例えば、障害物として交差車両等の移動体(交差移動体C)が認識されている場合、走行_ECU22は、交差移動体Cの移動軌跡等に基づいて交差移動体Cの予測進行路Ppを算出し、自車進行路と交差移動体Cの予測進行路Ppとの交差位置Pcを算出する(図6参照)。そして、走行_ECU22は、交差位置Pcから自車両M側に設定距離Δz(例えば、交差位置Pcから自車両M側に30cm)だけオフセットさせた位置に目標停止位置Ptを設定する(図6参照)。また、走行_ECU22は、目標停止位置Ptに対し、自車両Mが現在の自車速Vmで走行した場合に到達する時間を衝突予測時間TTCとして算出する。すなわち、交差移動体Cに対する緊急ブレーキ制御では、衝突予測時間TTCとして、例えば、自車両Mから目標停止位置Ptまでの距離を、自車速Vmで除算した値が算出される。また、走行_ECU22は、自車両Mと交差移動体Cとの相対位置関係、自車速Vm、及び、交差移動体Cの速度Vc等に基づき、交差位置Pcにおいて自車両Mが交差移動体Cに衝突する可能性を判定する。そして、走行_ECU22は、自車両Mが交差移動体Cに衝突する可能性があり、且つ、衝突予測時間TTCが閾値Tth以下であるとき、当該障害物に対する緊急ブレーキを作動させる。
ここで、自車両Mが交差移動体Cに衝突するか否かの判定は、例えば、交差移動体Cの速度Vcに基づいて衝突予測時間TTC経過後の交差移動体Cの予測位置を算出し、交差移動体Cの予測位置が交差位置Pcを基準として設定される衝突予測領域内に存在するか否かを調べることにより行うことが可能である。或いは、自車両Mが交差移動体Cに衝突するか否かの判定は、例えば、交差位置Pcから自車両Mまでの距離をLm、交差位置Pcから交差移動体Cまでの距離をLcとした場合に、距離Lmと距離Lcとの比率(Lm/Lc)が、自車速Vmと交差移動体Cの速度Vcとの比率(Vm/Vc)に対し、所定の誤差範囲内で一致するか否かを調べることにより行うことが可能である。
ところで、交差移動体Cに対する緊急ブレーキ制御においては、乗員に与える違和感を低減するため、交差移動体Cが交差位置Pcの手前で旋回等によって進路変更する場合には、緊急ブレーキの実行をキャンセルすることが望ましい。
そこで、走行_ECU22は、交差移動体Cの直近の過去設定フレーム数(例えば16フレーム)における代表点Prの軌跡に基づいて、交差移動体Cの擬似的なヨーレート(疑似ヨーレート)γpを算出する。また、走行_ECU22は、交差移動体Cが設定フレーム(例えば、8フレーム)かけて移動する際の移動速度Vrの変化から、交差移動体Cの前後加速度alo及び横加速度alaを算出する。そして、走行_ECU22は、疑似ヨーレートの絶対値|γp|が予め設定されたヨーレート判定閾値γth以上であり、且つ、交差移動体Cの前後加速度の絶対値|alo|或いは横加速度の絶対値|ala|の少なくとも何れか一方が予め設定された加速度判定値ath以上であるとき、交差移動体Cが旋回中であると判定する。そして、走行_ECU22は、交差移動体Cが旋回中であると判定した場合に、緊急ブレーキの実行をキャンセルする。
すなわち、例えば、図6に示すように自車両Mの右側から接近する交差移動体Cが自車方向に旋回する場合、自車両Mを基準とする座標系(z-x座標系:図3参照)において、鋳掛け上、z軸方向の加速度(前後加速度alo)が増加し、x軸方向の加速度(横加速度ala)がマイナス方向に増加する。従って、交差移動体Cが旋回している場合には、前後加速度の絶対値|alo|及び横加速度の絶対値|ala|がともに増加する。そこで、走行_ECU22は、疑似ヨーレートγpのみならず、前後加速度の絶対値|alo|及び横加速度の絶対値|ala|も考慮して交差移動体Cの旋回を判定する。
ここで、レーダ装置が交差移動体Cの反射点のうち自車両Mに最も近い反射点を代表点Prとして検出する構成である場合、例えば、図7に示すように、特に、交差移動体Cが旋回等する際に、交差移動体C上における代表点Prの位置が変化する場合がある。このような場合、実際の交差移動体Cの挙動に対し、代表点Prの軌跡が乖離する(不安定となる)ことが想定される。
そこで、交差移動体Cの旋回判定に万全を期すため、走行_ECU22は、交差移動体Cが旋回中であると判定された後は、疑似ヨーレートの絶対値|γp|がヨーレート判定閾値γth未満の状態、或いは、前後加速度の絶対値|alo|及び横加速度の絶対値|ala|が加速度閾値ath未満の状態の少なくとも何れか一方の状態となっても、所定の条件を満たす場合には、交差移動体Cが旋回中であるとの判定を維持し、緊急ブレーキに対するキャンセルを維持する。
すなわち、走行_ECU22は、例えば、交差移動体Cの直近の代表点Prに基づいて、交差移動体Cの進行方向を算出し、予測進行路Ppに対する進行角度θを算出する。そして、走行_ECU22は、進行角度の絶対値|θ|が予め設定された角度判定閾値θth以上であるとき、交差移動体Cが旋回中であるとの判定を維持し、緊急ブレーキに対するキャンセルを維持する。
また、走行_ECU22は、例えば、所定幅を有する逸脱判定領域Adを予測進行路Ppに沿って設定する。そして、走行_ECU22は、交差移動体Cの代表点Prが逸脱判定領域Ad外に存在するとき、交差移動体Cが旋回中であるとの判定を維持し、緊急ブレーキに対するキャンセルを維持する。
このように、本実施形態において、走行_ECU22は、予測進行路算出手段、衝突予測時間算出手段、衝突可能性判定手段、緊急ブレーキ実行手段、及び、キャンセル手段としての機能を実現する。
E/G_ECU23の出力側には、スロットルアクチュエータ35が接続されている。このスロットルアクチュエータ35は、エンジンのスロットルボディに設けられている電子制御スロットルのスロットル弁を開閉動作させるものであり、E/G_ECU23からの駆動信号によりスロットル弁を開閉動作させて吸入空気流量を調整することで、所望のエンジン出力を発生させる。
PS_ECU24の出力側には、電動パワステモータ36が接続されている。この電動パワステモータ36は、ステアリング機構にモータの回転力で操舵トルクを付与するものであり、自動運転では、PS_ECU24からの駆動信号により電動パワステモータ36を制御動作させることで、現在の走行車線の走行を維持させる車線中央維持制御、および自車両Mを隣接車線へ移動させる車線変更制御(追越制御などのための車線変更制御)が実行される。
BK_ECU25の出力側には、ブレーキアクチュエータ37が接続されている。このブレーキアクチュエータ37は、各車輪に設けられているブレーキホイールシリンダに対して供給するブレーキ油圧を調整するもので、BK_ECU25からの駆動信号によりブレーキアクチュエータ37が駆動されると、ブレーキホイールシリンダにより各車輪に対してブレーキ力が発生し、強制的に減速される。
次に、交差車両等の交差移動体に対する緊急ブレーキ制御について、図4に示す緊急ブレーキ制御ルーチンのフローチャートに従って詳細に説明する。このルーチンは、設定時間毎に繰り返し実行されるものである。なお、本実施形態において、交差移動体に対する緊急ブレーキ制御は、基本的には、レーダOBJのみを対象として行われる。
ルーチンがスタートすると、先ず、ステップS101において、走行_ECU22は、各レーダ装置によって認識した各立体物(移動体)のの予測進行路を算出する。すなわち、走行_ECU22は、例えば、移動体を認識してから現在までの代表点Prの軌跡(設定フレーム周期毎に読み込んだ代表点Prの軌跡)に基づいて移動体の進行方向を算出する。この移動体の進行方向は、例えば、代表点Prの軌跡の移動平均を算出することにより、或いは、代表点Prの軌跡の最小二乗法を用いて直線または曲線近似することにより求めることができる。そして、走行_ECU22は、例えば、算出した進行方向を移動体の前方に延長することにより、予測進行路Ppを算出する(図8参照)。
この予測進行路Ppの算出に際し、走行_ECU22は、移動体の移動方向に対して逆走する方向に認識された代表点Prを除外する。すなわち、自車両Mに最も近い反射点を代表点Prとして認識する構成のレーダ装置による移動体認識においては、移動体上に認識される代表点Prの位置は、自車両Mから見た移動体の相対位置や方向等に応じて変化する。従って、例えば、自車両Mと移動体との相対位置の変化により、前フレームにおいて移動体の前面に認識されていた代表点Prが、次フレームにおいて移動体の側面に移動した場合、移動体の代表点Prの位置が実際の移動量よりも大きく変化し、見かけ上、進行方向に対して後退する位置に認識され得る(例えば、図9中のPr(n-4)参照)。そこで、走行_ECU22は、このような代表点Prを軌跡から除外する。
続くステップS102において、走行_ECU22は、現在認識されている移動体の中に、予測進行路Ppが自車進行路と交差する車両等の移動体(交差移動体C)が存在するか否かを調べる。
そして、ステップS102において、予測進行路Ppが自車進行路と交差する移動体が存在しないと判定した場合、走行_ECU22は、そのままルーチンを抜ける。
一方、ステップS102において、予測進行路Ppが自車進行路と交差する移動体が存在すると判定した場合、走行_ECU22は、当該移動体を交差移動体Cとして認定した後、ステップS103に進む。
ステップS102からステップS103に進むと、走行_ECU22は、交差移動体Cに対して自車両Mを停止させるための目標停止位置Ptを設定する。すなわち、走行_ECU22は、交差移動体Cの予測進行路Ppの軌跡と、自車進行路とが交差する位置(交差位置Pc)を算出する。そして、走行_ECU22は、交差位置Pcから自車両M側に設定距離Δzだけオフセットさせた位置に目標停止位置Ptを設定する。
続くステップS104において、走行_ECU22は、交差移動体Cに対する衝突予測時間TTCを算出する。すなわち、走行_ECU22は、自車両Mから目標停止位置Ptまでの距離を自車速Vmで除算した値を、衝突予測時間TTCとして算出する。
続くステップS105において、走行_ECU22は、交差位置Pcにおいて自車両Mが衝突する可能性を判定する。
すなわち、ステップS105において、走行_ECU22は、衝突予測時間TTC経過後の交差移動体Cの予測位置を交差移動体Cの進行方向の速度Vcに基づいて算出する。また、走行_ECU22は、交差位置Pcを基準として交差移動体Cの予測進行路Ppに沿った所定範囲を衝突予測領域として設定する。そして、走行_ECU22は、交差移動体Cの予測位置が衝突予測領域内に存在する場合には、自車両Mが交差移動体Cに衝突する可能性があると判定する。
或いは、ステップS105において、走行_ECU22は、交差位置Pcから自車両Mまでの距離Lmと交差位置Pcから交差移動体Cまでの距離Lcとの比率(Lm/Lc)、及び、自車速Vmと交差移動体Cの速度Vcとの比率(Vm/Vc)を算出する。そして、走行_ECU22は、距離の比率(Lm/Lc)が速度の比率(Vm/Vc)に対して所定の誤差範囲内で一致する場合には、自車両Mが交差移動体Cに衝突する可能性があると判定する。
なお、上述の各判定において、衝突予測領域の範囲、及び、誤差範囲は、交差移動体Cに一般的に想定される前後方向の長さ(例えば、交差移動体Cが車両であると仮定した場合の一般的な車長等)に基づいて設定されるものである。
ステップS105からステップS106に進むと、走行_ECU22は、上述のステップS105において自車両Mが交差移動体Cと衝突する可能性があると判定されたか否かを調べる。
そして、ステップS105において自車両Mが交差移動体Cと衝突する可能性がないと判定されている場合、走行_ECU22は、ステップS106から、そのままルーチンを抜ける。
一方、ステップS105において自車両Mが交差移動体Cと衝突する可能性があると判定されている場合、走行_ECU22は、ステップS106からステップS107に進み、交差移動体Cが旋回中であるか否かの判定を行う。すなわち、交差移動体Cの予測進行路Ppは、移動体(交差移動体C)を認識してから現在までの代表点Prの軌跡に基づいて算出されるマクロ的なものであるため、当該予測進行路Ppに基づく判定では、交差移動体Cの旋回状態を速やかに判定することが困難な場合がある。そこで、走行_ECU22は、交差移動体Cの旋回状態を別途判定する。
この交差移動体Cの旋回判定は、例えば、図5に示す交差移動体の旋回判定サブルーチンのフローチャートに従って行われる。
サブルーチンがスタートすると、走行_ECU22は、ステップS201において、交差移動体Cに現在作用することが想定されるヨーレート(疑似ヨーレート)を算出する。
この疑似ヨーレートの算出において、走行_ECU22は、直近の過去設定フレーム数の代表点Pr(例えば、直近の過去16フレームの代表点Pr(n)~Pr(n-15))を抽出する。そして、走行_ECU22は、例えば、現時点からカウントして前半の8フレームの代表点Pr(n)~Pr(n-7)の軌跡に基づいて現在の交差移動体Cの移動方向を算出するとともに、それ以降の後半の8フレームの代表点Pr(n-8)~Pr(n-15)の軌跡に基づいて8フレーム前の交差移動体Cの移動方向を算出する。
例えば、図10に示すように、走行_ECU22は、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向を、最小二乗法を用いて直線近似することにより算出することが可能である。なお、図示しないが、交差移動体Cが代表点Pr(n-8)からPr(n-15)まで移動する間の移動方向についても同様である。
或いは、走行_ECU22は、例えば、図11~図13に示すように、各フレーム間の角度の移動平均に基づいて交差移動体Cの移動方向を算出することも可能である。
図11に示す例は、1フレーム間の角度の移動平均を用いて、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向を算出するものである。すなわち、走行_ECU22は、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n-6)までの方向(ベクトルV(n-7,n-6))、代表点Pr(n-6)から代表点Pr(n-5)までの方向(ベクトルV(n-6,n-5))、…、代表点Pr(n-1)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-1,n))をそれぞれ求め、これらの各方向の平均値(移動平均)を、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向として算出することが可能である。なお、図示しないが、交差移動体Cが代表点Pr(n-8)からPr(n-15)まで移動する間の移動方向についても同様である。
また、図12に示す例は、直近の代表点Pr(n)に対して重み付けして、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向を算出するものである。すなわち、走行_ECU22は、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-7,n))、代表点Pr(n-6)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-6,n))、…、代表点Pr(n-1)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-1,n))をそれぞれ求め、これらの各方向の平均値(移動平均)を、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向として算出することが可能である。なお、図示しないが、交差移動体Cが代表点Pr(n-8)からPr(n-15)まで移動する間の移動方向についても同様である。
また、図13に示す例は、最も過去の代表点Pr(n-7)に対して重み付けして、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向を算出するものである。すなわち、走行_ECU22は、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n-6)までの方向(ベクトルV(n-7,n-6))、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n-5)までの方向(ベクトルV(n-7,n-5))、…、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-7,n))をそれぞれ求め、これらの各方向の平均値(移動平均)を、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向として算出することが可能である。なお、図示しないが、交差移動体Cが代表点Pr(n-8)からPr(n-15)まで移動する間の移動方向についても同様である。
或いは、走行_ECU22は、例えば、図14~図16に示すように、各フレーム間の移動距離の総和に基づいて交差移動体Cの移動方向を算出することも可能である。
図14に示す例は、1フレーム間の距離の総和のベクトルから、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向を算出するものである。すなわち、走行_ECU22は、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n-6)までの方向(ベクトルV(n-7,n-6))、代表点Pr(n-6)から代表点Pr(n-5)までの方向(ベクトルV(n-6,n-5))、…、代表点Pr(n-1)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-1,n))をそれぞれ求め、これらのベクトルを順次繋ぎ合わせた際の始点から終点までの方向を、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向として算出することが可能である。なお、図示しないが、交差移動体Cが代表点Pr(n-8)からPr(n-15)まで移動する間の移動方向についても同様である。
また、図15に示す例は、直近の代表点Pr(n)に対して重み付けして、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向を算出するものである。すなわち、走行_ECU22は、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-7,n))、代表点Pr(n-6)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-6,n))、…、代表点Pr(n-1)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-1,n))をそれぞれ求め、これらのベクトルを順次繋ぎ合わせた際の始点から終点までの方向を、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向として算出することが可能である。なお、図示しないが、交差移動体Cが代表点Pr(n-8)からPr(n-15)まで移動する間の移動方向についても同様である。
また、図16に示す例は、最も過去の代表点Pr(n-7)に対して重み付けして、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向を算出するものである。すなわち、走行_ECU22は、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n-6)までの方向(ベクトルV(n-7,n-6))、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n-5)までの方向(ベクトルV(n-7,n-5))、…、代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)までの方向(ベクトルV(n-7,n))をそれぞれ求め、これらのベクトルを順次繋ぎ合わせた際の始点から終点までの方向を、交差移動体Cが代表点Pr(n-7)から代表点Pr(n)まで移動する間の移動方向として算出することが可能である。なお、図示しないが、交差移動体Cが代表点Pr(n-8)からPr(n-15)まで移動する間の移動方向についても同様である。
これらのうちの何れかの方法により交差移動体Cの直近における前半及び後半の移動方向を算出すると、走行_ECU22は、後半の移動方向に対する前半の移動方向の変化量(角度の変化量)を前半のフレーム数(例えば、8フレーム)で除算することにより、交差移動体Cに作用するヨーレート(疑似ヨーレート)γp[deg/8f]を算出する。さらに、走行_ECU22は、フレーム周期を用いて、疑似ヨーレートγpの単位系を[deg/8f]から[deg/s]へと単位変換する。
なお、代表点Prの検出位置が一時的に大きく変化する場合等に対応するため、このような疑似ヨーレートγpの算出は、複数パターン行うことが可能である。例えば、走行_ECU22は、前半8フレームの移動方向と後半8フレームの移動方向の変化量に基づく疑似ヨーレートγpの算出、前半8フレームの移動方向と後半7フレームの移動方向の変化量に基づく疑似ヨーレートγpの算出、及び、前半8フレームの移動方向と後半6フレームの移動方向の変化量に基づく疑似ヨーレートγpの算出を行うことが可能である。
続くステップS202において、走行_ECU22は、ステップS201において算出した疑似ヨーレートの絶対値|γp|が予め設定されたヨーレート判定閾値γth以上であるか否かを調べる。なお、疑似ヨーレートγpの算出が複数パターン行われている場合は、全ての疑似ヨーレートの絶対値|γp|がヨーレート判定閾値γth以上であるか否かの判定が行われる。
そして、ステップS202において、疑似ヨーレートの絶対値|γp|がヨーレート判定閾値γth未満であると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS205に進む。
一方、ステップ202において、疑似ヨーレートの絶対値|γp|がヨーレート判定閾値γth以上であると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS203に進む。
ステップS202からステップS203に進むと、走行_ECU22は、交差移動体Cの前後加速度alo及び横加速度alaを算出する。すなわち、走行_ECU22は、例えば、現在の代表点Pr(n)の移動速度Vr(n)と、設定フレーム前(例えば、8フレーム前)の代表点Pr(n-7)の移動速度Vr(n-7)と、の速度差を設定フレーム数(例えば、8フレーム)で除算した値に基づいて、前後加速度alo[m/8f2]及び横加速度ala[m/8f2]を算出する。そして、走行_ECU22は、算出した前後加速度alo及び横加速度alaの単位系を[m/8f2]から[m/s2]へと単位変換する。
続くステップS204において、走行_ECU22は、ステップS203において算出した前後加速度の絶対値|alo|或いは横加速度の絶対値|ala|のうちの少なくとも何れか一方が予め設定された加速度判定閾値ath以上であるか否かを調べる。
そして、ステップS204において、前後加速度の絶対値|alo|或いは横加速度の絶対値|ala|の少なくとも何れか一方が加速度判定閾値ath以上であると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS210に進み、交差移動体Cが旋回中であると判定した後、サブルーチンを抜ける。
一方、ステップS204において、前後加速度の絶対値|alo|及び横加速度の絶対値|ala|が加速度判定閾値ath未満であると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS205に進む。
ステップS202或いはステップS204からステップS205に進むと、走行_ECU22は、交差移動体Cに対して過去に旋回を判定していたか否かを調べる。
そして、ステップS205において、過去に旋回を判定していない場合、走行_ECU22は、ステップS211に進み、交差移動体Cが旋回中でないと判定した後、サブルーチンを抜ける。
一方、ステップS205において、過去に旋回を判定していたと場合、走行_ECU22は、ステップS206に進み、交差移動体Cの予測進行路Ppに対する進行角度θを算出する。
すなわち、走行_ECU22は、移動体(交差移動体C)を認識してから現在までの代表点Prの軌跡に基づいて算出される交差移動体Cの移動方向に対し、現在の交差移動体Cの移動方向(即値)の角度を進行角度θとして算出する。現在の交差移動体Cの移動方向としては、例えば、上述のステップS201において算出された直近の前半の移動方向を用いることが可能である。
ステップS206からステップS207に進むと、走行_ECU22は、交差移動体Cの進行角度の絶対値|θ|が予め設定された角度判定閾値θth(例えば、13°)以上であるか否かを調べる(図18参照)。
そして、ステップS207において、交差移動体Cの進行角度の絶対値|θ|が角度判定閾値θth以上であると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS210に進み、交差移動体Cが旋回中であるとの判定を維持した後、サブルーチンを抜ける。
一方、ステップS207において、交差移動体Cの進行角度の絶対値|θ|が角度判定閾値θth未満であると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS208に進む。
ステップS207からステップS208に進むと、走行_ECU22は、交差移動体Cの予測進行路Ppの両側に予め設定された幅を有する逸脱判定領域Adを設定する(図19参照)。
続くステップS209において、走行_ECU22は、交差移動体Cの代表点Prが逸脱判定領域Ad外に存在するか否かに基づき、交差移動体Cが予測進行路Ppから逸脱しているか否かを調べる。
そして、ステップS209において、代表点Prが逸脱判定領域Ad外に存在し、交差移動体Cが予測進行路Ppから逸脱していると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS210に進み、交差移動体Cが旋回中であるとの判定を維持した後、サブルーチンを抜ける。
一方、ステップS209において、代表点Prが逸脱判定領域Ad内に存在し、交差移動体Cが予測進行路Ppから逸脱していないと判定した場合、走行_ECU22は、ステップS211に進み、交差移動体Cが旋回中でないと判定した後、サブルーチンを抜ける。
図4のメインルーチンにおいて、ステップS107からステップS108に進むと、走行_ECU22は、交差移動体Cが旋回中であるか否かについて調べる。
そして、ステップS108において、交差移動体Cが旋回中である場合、走行_ECU22は、そのままルーチンを抜ける。すなわち、走行_ECU22は、後述する緊急ブレーキを実行することなくキャンセルする。
一方、ステップS108において、交差移動体Cが旋回中でないと判定した場合、走行_ECU22は、ステップS109に進む。
ステップS108からステップS109に進むと、走行_ECU22は、衝突予測時間TTCが閾値Tth以下であるか否かを調べる。
そして、ステップS109において、衝突予測時間TTCが閾値Tthよりも大きいと判定した場合、走行_ECU22は、そのままルーチンを抜ける。
一方、ステップS109において、衝突予測時間TTCが閾値Tth以下であると判定した場合、走行_ECU22は、ステップS110に進み、緊急ブレーキを実行した後、ルーチンを抜ける。すなわち、走行_ECU22は、自車両Mから目標停止位置Ptまでの距離と自車速Vmとに基づいて、自車両Mを目標停止位置Ptに停止させるための目標減速度を算出する。そして、走行_ECU22は、BK_ECU25を通じて目標減速度を用いたブレーキ制御を行う。
このような実施形態によれば、走行_ECU22は、交差移動体Cの予測進行路Ppと自車進行路との交差位置に基づいて自車両Mの目標停止位置Ptを設定し、目標停止位置Ptに対して自車両Mが現在の自車速Vmで走行した場合に到達する時間を衝突予測時間TTCとして算出するとともに、交差移動体Cが予測進行路Ppに沿って移動した場合に、交差位置Pcにおいて自車両Mが交差移動体Cに衝突する可能性を判定し、自車両Mが交差移動体Cに衝突する可能性があると判定され、且つ、衝突予測時間TTCが閾値Tth以下となったとき、目標停止位置Ptに自車両Mを停止させるための緊急ブレーキを実行する緊急ブレーキ制御において、直近の過去設定フレーム数の前半と後半における交差移動体Cの移動方向に基づいて交差移動体Cの疑似ヨーレートγpを算出するとともに、交差移動体Cが設定フレームかけて移動する際の前後加速度及び横加速度を算出し、疑似ヨーレートの絶対値|γp|がヨーレート判定閾値γth以上であり且つ前記前後加速度の絶対値或いは横加速度の絶対値のうちの少なくとも何れか一方が加速度判定閾値ath以上であるとき交差移動体Cが旋回中であると判定して緊急ブレーキの実行をキャンセルする。これにより、交差移動体Cの旋回挙動を的確に認識して交差移動体Cに対する不要な緊急ブレーキを防止することができる。
すなわち、交差移動体Cの代表点Prの軌跡に基づいて交差移動体Cの疑似ヨーレートγpを算出するとともに、交差移動体Cの速度の変化に基づいて交差移動体Cの前後加速度及び横加速度を算出し、これらに基づいて交差移動体Cの旋回を判定することにより、交差移動体Cの旋回挙動を的確に認識することができる。
また、交差移動体Cの旋回を一旦判定した後は、交差移動体Cの予測進行路Ppに対する進行角度の絶対値|θ|が角度判定閾値θth以上であるとき、或いは、交差移動体Cの代表点Prが予測進行路Ppに沿って設定した逸脱判定領域Ad外に存在する場合に、交差移動体Cが旋回中であるとの判定を維持することにより、代表点Prの検出位置のバラツキ等に対しても安定的に交差移動体Cの旋回判定を行うことができる。
次に、本実施形態の変形例について、図20,21を参照して説明する。ここで、本変形例では、交差移動体Cの疑似ヨーレートγpに加え、自車両Mのヨーレートγmを考慮して、交差移動体Cの相対的な旋回を判定するものである。すなわち、本変形例では、交差移動体Cのみならず、自車両Mの旋回も考慮してキャンセル判定を行うものである。なお、上述の実施形態と同様の点については、適宜説明を省略する。
本変形例において、走行_ECU22は、例えば、図20に示すように、ステップS107において、交差移動体Cのみならず自車両Mの含めた旋回判定を行う。
すなわち、ステップS107において、図21のサブルーチンがスタートすると、走行_ECU22は、交差移動体Cの疑似ヨーレートγpを算出すると共に、自車両Mのヨーレートγmを算出する。
この自車両Mのヨーレートγmとしては、例えば、図示しないヨーレートセンサからの信号が用いられる。或いは、自車両Mのヨーレートγmは、直近の設定フレーム(例えば、8f)の期間における、自車両Mの移動距離、及び、移動方向の変化量に基づいて算出することが可能である。
そして、ステップS201からステップS202に進むと、走行_ECU22は、交差移動体Cの疑似ヨーレートの絶対値|γp|と自車両Mのヨーレートの絶対値|γm|の和が、ヨーレート判定閾値γth以上であるか否かを調べる。
そして、ステップS202において、走行_ECU22は、疑似ヨーレートの絶対値|γp|とヨーレートの絶対値|γm|の和がヨーレート判定閾値γth以上であると判定した場合にはステップS203に進み、疑似ヨーレートの絶対値|γp|とヨーレートの絶対値|γm|の和がヨーレート判定閾値γth未満であると判定した場合にはステップS205に進む。なお、このステップS202の処理において、交差移動体Cの疑似ヨーレートの絶対値|γp|及び自車両Mのヨーレートの絶対値|γm|それぞれを、ヨーレート判定閾値γthと比較し、疑似ヨーレートの絶対値|γp|或いはヨーレート|γm|の少なくとも何れか一方がヨーレート閾値γth以上である場合にステップS203に進むようにしてもよい。
以下、ステップS203からステップS209までは、上述の図5で示した処理と同様の処理が行われる。これにより、ステップS210では交差移動体C或いは自車両Mのうちの少なくとも何れか一方が旋回中である旨の判定がなされ、ステップS211では交差移動体C及び自車両Mが旋回中でない旨の判定がなされる。
そして、図20のメインルーチンにおいて、ステップS107からステップS108に進むと、走行_ECU22は、交差移動体Cと自車両Mとが交差しない方向に相対的に旋回中であるか否かを調べる。
そして、ステップS108において、交差移動体Cと自車両Mとが相対的に旋回中である場合、走行_ECU22は、そのままルーチンを抜ける。
一方、ステップS108において、交差移動体Cと自車両Mとが相対的に旋回中でないと判定した場合、走行_ECU22は、ステップS109に進む。これにより、必要に応じて、緊急ブレーキ制御が実行される。
このような変形例によれば、緊急ブレーキがキャンセルされるケースを拡張することができる。
なお、上述の実施形態においては、交差移動体Cに対して自車両Mを停止させるブレーキ制御のみを対象に説明を行ったが、その前段階で行われる予備的なブレーキ制御及び警報制御についても同様の処理を行うことが可能である。
ここで、上述の実施形態において、走行環境認識ユニット11、ロケータユニット12、走行_ECU22、E/G_ECU23、PS_ECU24、BK_ECU25、及び、道路地図情報統合_ECU101は、CPU,RAM,ROM、不揮発性記憶部等を備える周知のマイクロコンピュータ、及びその周辺機器で構成されており、ROMにはCPUで実行するプログラムやデータテーブル等の固定データ等が予め記憶されている。なお、プロセッサの全部若しくは一部の機能は、論理回路あるいはアナログ回路で構成してもよく、また各種プログラムの処理を、FPGAなどの電子回路により実現するようにしてもよい。
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。例えば、上述の実施形態においては、自車両Mが前進しているときの緊急ブレーキ制御を例に説明したが、自車両Mが後進しているときの緊急ブレーキ制御に対しても適用することが可能である。
また、例えば、上述の実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
1 … 走行制御システム
10 … 走行制御装置
11 … 走行環境認識ユニット
11a … メインカメラ
11b … サブカメラ
11c … IPU
11d … 第1の走行環境認識部
11fl … 左前側方レーダ装置
11fr … 右前側方レーダ装置
11rl … 左後側方レーダ装置
11rr … 右後側方レーダ装置
12 … ロケータユニット
13 … ロケータ演算部
13a … 地図情報取得部
13b … 自車位置推定部
13c … 第2の走行環境認識部
14 … 前後加速度センサ
15 … 車輪速センサ
16 … ジャイロセンサ
17 … GNSS受信機
18 … 送受信機
19 … 高精度道路地図データベース
22 … 走行_ECU
23 … E/G_ECU
24 … PS_ECU
25 … BK_ECU
35 … スロットルアクチュエータ
36 … 電動パワステモータ
37 … ブレーキアクチュエータ
100 … 管制装置
101 … 道路地図情報統合_ECU
102 … 送受信機

Claims (5)

  1. 移動体を予め設定されたフレーム周期毎に認識するレーダ装置と、
    前記レーダ装置により認識した前記移動体の軌跡に基づいて予測進行路を算出する予測進行路算出手段と、
    前記予測進行路が自車進行路に交差する前記移動体を交差移動体として認定するとともに、前記予測進行路と前記自車進行路との交差位置に基づいて自車両の目標停止位置を設定し、前記目標停止位置に対して前記自車両が現在の自車速で走行した場合に到達する時間を衝突予測時間として算出する衝突予測時間算出手段と、
    前記交差移動体が前記予測進行路に沿って移動した場合に、前記交差位置において前記自車両が前記交差移動体に衝突する可能性を判定する衝突可能性判定手段と、
    前記衝突可能性判定手段において前記自車両が前記交差移動体に衝突する可能性があると判定され、且つ、前記衝突予測時間が閾値以下となったとき、前記目標停止位置に前記自車両を停止させるための緊急ブレーキを実行する緊急ブレーキ実行手段と、
    直近の過去設定フレーム数の前半と後半における前記交差移動体の移動方向に基づいて前記交差移動体の疑似ヨーレートを算出するとともに、前記交差移動体が設定フレームかけて移動する際の前後加速度及び横加速度を算出し、前記疑似ヨーレートの絶対値がヨーレート判定閾値以上であり且つ前記前後加速度の絶対値或いは前記横加速度の絶対値のうちの少なくとも何れか一方が加速度判定閾値以上であるとき前記自車両と前記交差移動体とが相対的に旋回中であると判定して前記緊急ブレーキの実行をキャンセルするキャンセル手段と、を備えたことを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 前記キャンセル手段は、前記交差移動体が相対的に旋回中であると判定した後は、前記疑似ヨーレートの絶対値が前記ヨーレート判定閾値未満の状態、或いは、前記前後加速度の絶対値及び前記横加速度の絶対値が前記加速度判定閾値未満の状態の少なくとも何れか一方であっても、前記交差移動体の前記予測進行路に対する進行角度の絶対値が角度判定閾値以上であるとき、前記交差移動体が旋回中であるとの判定を維持し、前記緊急ブレーキに対するキャンセルを維持することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
  3. 前記キャンセル手段は、前記交差移動体が相対的に旋回中であると判定した後は、前記疑似ヨーレートの絶対値が前記ヨーレート判定閾値未満の状態、或いは、前記前後加速度の絶対値及び前記横加速度の絶対値が前記加速度判定閾値未満の状態の少なくとも何れか一方の状態であっても、前記交差移動体の代表点が前記予測進行路に沿って設定した逸脱判定領域外に存在するとき、前記交差移動体が旋回中であるとの判定を維持し、前記緊急ブレーキに対するキャンセルを維持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の走行制御装置。
  4. 前記キャンセル手段は、前記交差移動体の前記疑似ヨーレートの絶対値が前記ヨーレート判定閾値未満であっても、前記自車両のヨーレートの絶対値と前記疑似ヨーレートの絶対値の和が前記ヨーレート判定閾値以上或いは前記自車両の前記ヨーレートの絶対値が前記ヨーレート判定閾値以上であり且つ前記前後加速度の絶対値或いは前記横加速度の絶対値のうちの少なくとも何れか一方が加速度判定閾値以上であるとき前記自車両と前記交差移動体とが相対的に旋回中であると判定して前記緊急ブレーキの実行をキャンセルすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両の走行制御装置。
  5. 前記キャンセル手段は、前記交差移動体の前記代表点の各フレーム間の移動距離の総和に基づいて前記直近の過去設定フレーム数の前半と後半における前記交差移動体の移動方向を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の車両の走行制御装置。
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