JP2022060133A - アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法、及びアルミニウム材の接合体 - Google Patents

アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法、及びアルミニウム材の接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】CTSの強度を改善しつつ、CTSの強度バラつきを小さくできるアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法、及びアルミニウム材の接合体を提供する。【解決手段】複数のアルミニウム材を重ね合わせて一対の電極によりスポット溶接するアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法であって、アルミニウム材の板厚をt(mm)としたとき、電極による前記アルミニウム材への加圧力を2(kN)以上、8(kN)以下、溶接電流を25(kA)以上、50(kA)以下にして、30×t(ms)以上、50×t(ms)以下の溶接時間Tmでスポット溶接する。【選択図】図2

Description

本発明は、アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法、及びアルミニウム材の接合体に関する。
アルミニウム材は、鋼材と比較して電気抵抗が小さく熱伝導率が高いため、抵抗スポット溶接を行う際、溶接電流を鋼材の場合の約3倍に相当する電流を通電し、スポット溶接用の電極の加圧力を約1.5倍にする必要がある。このようなアルミニウム材の抵抗スポット溶接においても、鋼材の場合と同様に、溶接継手の接合強度を高くする適切な溶接条件を見出す必要がある。
一般に、スポット溶接継手の接合強度は、引張せん断強度(TSS:Tensile Shear Strength)と、十字引張強さ(CTS:Cross Tension Strength)等で評価され、抵抗スポット溶接を適用した構造の設計においては、TSSとCTSの値が、それぞれバラつきなく一定の範囲で安定していることが求められる。
特開平8-10963号公報 特開2004-98107号公報
しかし、アルミニウム材をスポット溶接する場合、抵抗スポット溶接の打点数が増えてくると、TSSの強度バラつきは略一定であるが、特にCTSの強度バラつきの発生が顕著になる傾向がある。これは、電極の摩耗が進行して電極先端形状が変化し、通電状態が変化するためと考えられる。このように、アルミニウム材をスポット溶接する場合、現状の溶接条件ではCTSの強度バラつきを特定の小さな幅に収めることが難しく、より適切な溶接条件を模索する必要がある。
そこで本発明は、CTSの強度を改善しつつ、CTSの強度バラつきを小さくできるアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法、及びアルミニウム材の接合体を提供することを目的とする。
本発明は、下記の構成からなる。
(1) 複数のアルミニウム材を重ね合わせて一対の電極によりスポット溶接するアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法であって、
前記アルミニウム材の板厚をt(mm)としたとき、
前記電極による前記アルミニウム材への加圧力を2(kN)以上、8(kN)以下とし、
溶接電流を25(kA)以上、50(kA)以下とし、
溶接時間を30×t(ms)以上、50×t(ms)以下として抵抗スポット溶接する、アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
(2) 複数のアルミニウム材が重なり合ってスポット溶接されたアルミニウム材の接合体であって、
前記アルミニウム材の板厚をt(mm)としたとき、
前記アルミニウム材同士の間に形成されたナゲットの前記アルミニウム材同士の接合面に沿った端部から、該ナゲットの中心側と反対側に向けて、前記アルミニウム材の母材の硬度よりも低い前記スポット溶接による熱影響部が2.9×√t(mm)以下の長さで形成されている、アルミニウム材の接合体。
本発明によれば、CTSの強度を改善しつつ、バラつきを小さくしたアルミニウム材の接合体が得られる。
図1は、アルミニウム材を溶接するスポット溶接機の概略構成図である。 図2の(A)は、溶接電流の波形及び電極による加圧力を示すタイミングチャートであり、(B)は溶接電流の波形の拡大図である。 図3は、アルミニウム材をスポット溶接した溶接継手における、ナゲット径に対するCTSの分布を示すグラフである。 図4の(A)~(C)は、通電条件を異ならせた溶接電流及び加圧力の波形の例を示すタイミングチャートである。 図5は、図4の各条件(A)~(C)でスポット溶接した溶接継手のCTSの試験結果を示すグラフである。 図6は、通常通電と短時間通電との条件でスポット溶接した溶接継手における、CTSの試験後のナゲット付近の外観写真、及び断面写真を示す説明図である。 図7は、硬度測定位置を示す説明図である。 図8は、ナゲット端部近傍における硬度分布の測定結果を示す説明図である。 図9は、試験に用いるアルミニウム溶接継手の平面図である。 図10は、加圧力P1を3kNとした試験例1~3についてのCTSの測定結果を示すグラフである。 図11は、加圧力P1を5kNとした試験例4~9についてのCTSの測定結果を示すグラフである。 図12は、加圧力P1を7kNとした試験例10~12についてのCTSの測定結果をそれぞれ示すグラフである。 図13、溶接時間を横軸とした場合の試験例1~12のCTS平均値から3σを減じた値を示すグラフである。 図14は、試験例13,14についての、ナゲット径に対するTSSの分布を示すグラフである。 図15は、試験例15と試験例16の溶接継手のナゲット径に対するCTSの分布を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、アルミニウム材を溶接するスポット溶接機の概略構成図である。
スポット溶接機11は、一対の電極13,15と、一対の電極13,15に接続された溶接トランス部17と、溶接トランス部17に電源部18からの溶接電力を供給する制御部19と、一対の電極13,15を軸方向に移動させる電極駆動部20とを備える。制御部19は、電流値、溶接時間、電極の加圧力、通電タイミング、加圧タイミングを統合的に制御する。
スポット溶接機11は、一対の電極13,15の間に、アルミニウム材である第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との少なくとも2枚の板材を重ね合わせて挟み込む。そして、電極駆動部20による電極13,15の駆動によって、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とを板厚方向に加圧する。この加圧状態で、制御部19からの指令に基づいて溶接トランス部17が電極13,15間で通電する。これにより、電極13,15に挟まれた第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との間にナゲット25が形成され、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23が一体化されたアルミニウム溶接継手(接合体)が得られる。
上記例では2枚のアルミニウム板を接合してアルミニウム溶接継手27を得ているが、本発明は2枚のアルミニウム板を接合する場合に限らず、3枚以上のアルミニウム板を接合する場合にも好適に用いられる。
一対の電極13,15は、それぞれ電極内部に冷却部を備える。冷却部の冷却方式は特に限定されないが、図1に示す構成では、電極13(15も同様)に形成された凹部に冷却用パイプが配置され、冷却用パイプから水等の冷却媒体が供給されることで、電極13(15)が冷却される。
第1アルミニウム板21及び第2アルミニウム板23のアルミニウム材、及び3枚以上用いる場合の各アルミニウム板を構成するアルミニウム材は、任意の材質のアルミニウム、又はアルミニウム合金とすることができる。具体的には、5000系、6000系、7000系、2000系、4000系のアルミニウム合金のほか、3000系、8000系のアルミニウム合金や1000系(純アルミ)のアルミニウムを採用することができる。各アルミニウム板は、同一の材質であってもよく、上記した材質を組み合わせたものであってもよい。2000系、6000系、7000系の熱処理型合金を用いる場合には、溶接時の入熱によって低下した強度を熱処理によって元の強度に戻すことでき、高強度な接合体が得られる。
第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23(さらに他のアルミニウム板を用いる場合はそのアルミニウム板を含む)の板厚は、自動車の骨格部材などの構造部材の用途では0.5mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましい。各アルミニウム板の板厚は等しくてもよく、いずれか一方が他方より厚くてもよい。また、アルミニウム材の形態は、上記したアルミニウム板(圧延板)に限らず、押出材や鍛造材、鋳造材であってもよい。
以下、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との2枚のアルミニウム板を接合する態様を説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
制御部19は、所定のタイミングで溶接トランス部17から一対の電極13,15間に通電させる。
図2の(A)は、溶接電流の波形及び電極による加圧力P1,P2を示すタイミングチャートであり、(B)は溶接電流の波形の拡大図である。
一対の電極13,15によって2枚のアルミニウム板に加圧力P1を負荷するスクイズ時間Tsの後、加圧力P1を維持したまま溶接電流を線形で電流値Iまで増加させるアップスロープ時間Tuを経て、電流値Iを所定の時間Tcで通電し続ける。
アルミニウム板の溶接においては、鉄系材料の場合と比較して、ナゲットが大きくなる傾向があり、溶融したアルミニウムがアルミニウム板の表面で飛散する現象が発生しやすい。アップスロープ時間Tuを設けることで、このような現象を抑制する効果が期待できる。
この電流値Iで通電する時間Tcは、簡易的には溶接時間とみなせる。しかし、実際には溶接電流が電流値Iよりも小さくても、2枚のアルミニウム板の溶接は開始していると考えられる。そこで、図2の(B)に示すように、実効的な溶接時間Tmを定義する。アップスロープ時間Tuにおいても2枚のアルミニウム板の溶接が開始しているものとし、斜線で表す溶接電流の積分値に相当するアップスロープ時間Tuの半値を、通電時間Tcに加えた時間、すなわち、Tc+Tu/2を溶接時間Tmと定義する。この溶接時間Tmで接合強度を評価することで、溶接の実態をより正確に反映できる。
制御部19は、スクイズ時間Tsにおいて、電極駆動部20に第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とを電極13,15によって所定の加圧力P1で挟み込むための制御信号を出力する。このスクイズ時間Tsの後、制御部19は、溶接トランス部17に対して、第1アルミニウム板21及び第2アルミニウム板23を溶接する溶接電流(電流値I)を、アップスロープ時間Tuの後、所定の通電時間Tcにわたって流す制御信号を出力する。溶接トランス部17が電極13と電極15との間で通電すると、電極13,15に挟まれた第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との間にナゲットが形成される。これにより、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とが一体化されたアルミニウム溶接継手(接合体)27が得られる。
第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23とには、電極13,15によって、厚方向の加圧力P1がスクイズ時間Ts、アップスロープ時間Tu及び通電時間Tcにわたって負荷される。そして通電時間Tcの経過後、電極13,15は、2枚のアルミニウム板を加圧力P1より大きい加圧力P2で加圧される。
次に、通電時間がCTSの強度バラつきに影響を及ぼすことついて説明する。
図3は、アルミニウム材をスポット溶接した溶接継手における、ナゲット径に対するCTSの分布を示すグラフである。
ここでは、板厚2mmの6000系アルミニウム合金材(T4処理)を、電極径φ19mm、先端曲率R100mmのクロム銅製の電極間に挟み込み、溶接電流の電流値Iを25kA,33kA,40kAとし、加圧力P1を5kNとした。溶接時間Tmは、一般的に慣用される通常の時間(以降は「通常通電」という)であるTm=190msと、通常時間より短い時間(以降は「短時間通電」という)であるTm=90msとの2種類を設定した。
図3から、短時間通電の溶接時間Tmで溶接した溶接継手は、通常通電の溶接時間Tmで溶接した溶接継手に比べて、CTSの強度バラつきが小さくなっていることがわかる。
次に、溶接時間を異ならせた場合の溶接継手の性状について説明する。
図4の(A)~(C)は、通電条件を異ならせた溶接電流及び加圧力の波形の例を示すタイミングチャートである。
(A)に示す条件は、スクイズ時間Tsを100ms、アップスロープ時間Tuを20ms、通電時間Tcを80msとして図2に示した溶接時間Tmを90msにした短時間通電の場合である。(B)に示す条件は、スクイズ時間Tsを100ms、アップスロープ時間Tuを20ms、通電時間Tcを180msとして溶接時間Tmを190msにした通常通電の場合である。また、(C)の条件は、(B)の条件に加えて、電流値が線形で減少するダウンスロープ時間Tdを設けている。ダウンスロープ時間Tdは400msとした。なお、ダウンスロープ時間Tdを設けることで、溶接に起因する割れの発生を抑制すると考えられるが、ダウンスロープ時間Tdは溶接時間Tmに含めない。
図4の(A)~(C)において、通電時間Tcにおける溶接電流の電流値Iは、いずれも40kAである。電極間の加圧力は、スクイズ時間Ts、アップスロープ時間Tu及び通電時間TcにおいてP1=5kNとし、これらの時間経過後は、より大きい加圧力P2=8kNとしている。
図5は、図4の各々の条件(A)~(C)でスポット溶接した溶接継手のCTSの試験結果を示すグラフである。ここでは、ナゲット径の狙い値を6√t(8.5mm)として、各条件で10回試験した結果を示している。これによれば、(A)の条件の短時間通電による溶接継手のCTSの強度バラつきは、(B),(C)の条件の通電による結果と比較して小さく抑えられている。
図6は、通常通電と短時間通電との条件でスポット溶接した溶接継手における、CTSの試験後のナゲット付近の外観写真、及び断面写真を示す説明図である。
通常通電の場合、断面写真に示すように、ナゲットの端部からナゲット表面に沿って一方アルミニウム板(図6の上側)が剥離し、その剥離領域が、外観写真に示すようにナゲットの周方向に連続して生じている。また、一方のアルミニウム板は、ナゲットから剥離した部分(薄肉部)で破断している。
そして、短時間通電の場合、ナゲット表面の剥離は殆ど生じず、断面写真に示すように、ナゲット端部からアルミニウム板が破断している。そのため、通常通電の場合に比べて高い引張強度が確保される。
ここで、溶接後のビッカース硬さと熱影響部について説明する。
図4の(A)~(C)の各条件でスポット溶接された溶接継手のビッカース硬さを測定した。図7は、硬度測定位置を示す説明図である。
図7に示すナゲット25の端部(位置NL)から、反ナゲット中心側に向けて、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との界面26から第1アルミニウム板21側に板厚方向に距離S(S=0.6mm)を隔てた矢印Dの線上において硬度分布を測定した。測定した結果から得られる熱影響部(HAZ:Heat-Affected Zone)の長さを表1に示す。
Figure 2022060133000002
測定された硬度分布は、(A)短時間通電、(B)通常通電、(C)通常通電+ダウンスロープの各条件で、ナゲット25に近い領域が他の領域よりも低硬度になる傾向を有していた。この低硬度となった領域が熱影響部である。つまり、スポット溶接時の入熱の影響により、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23は変性しており、所定の範囲で熱影響部が形成される。この熱影響部のビッカース硬さは、第1アルミニウム板21、第2アルミニウム板23の母材のビッカース硬さより低下しており、熱影響部は溶接強度の低下をもたらす要因となる。
(A)の短時間通電の条件の場合、熱影響部の長さは、(B)、(C)の条件の熱影響部の長さと比較して短くなった。これは、(A)の短時間通電の場合の溶接強度が、(B),(C)の条件の場合よりも高いことを意味している。
熱影響部の長さは、第1アルミニウム板21と第2アルミニウム板23との板厚t(mm)によって変化する。好ましい熱影響部の長さは、2.9×√t(mm)以下、より好ましくは2.5×√t(mm)以下、さらに好ましくは2.1×√t(mm)以下である。
このような熱影響部の長さを持つアルミニウム材の接合体は、CTSの強度バラつきが小さく、所定の溶接強度が確保されている。また、接合体を引張試験した場合には、界面破断にならず、安定してプラグ破断となり、接合強度の向上が図れる。
以上より、通常通電の場合(溶接時間Tm=190ms)と短時間通電の場合(溶接時間Tm=90ms)とを比較した場合、短時間通電の場合が通常通電の場合に比べて、CTSの強度バラつきが小さく、かつ溶接強度が大きくなる傾向を示すことが理解される。
この傾向は、ナゲット端部におけるアルミニウム材の硬度分布に起因すると考えられる。そこで、試験片を通常通電した場合と、短時間通電した場合とで、それぞれの試験片の硬度分布を更に詳細に測定した。
硬度測定には、マイクロビッカース硬さ試験機を用いて、試験荷重を100gf、保持時間を15秒、測定ピッチを板厚方向及び板の長手方向に0.3mmとした。
また、試験片及び溶接条件は次のとおりである。
材料:6000系アルミニウム合金(T4処理)、板厚t=2mm
板組:同種2枚板組
電極:R型電極、電極径φ19mm、先端曲率半径100mm
電極材質:クロム銅
図8は、ナゲット端部近傍における硬度分布の測定結果を示す説明図である。
図8に示す点線は、ナゲットの外縁を表している。通常通電+ダウンスロープの場合は、ナゲットの端部にビッカース硬さが45Hv~55Hvとなる領域が発現しているが、短時間通電の場合は、ナゲットの端部を含むナゲットの外周縁のビッカース硬さが60Hv以上となり、ナゲット内部のビッカース硬さより高くなっている。そのため、通常通電+ダウンスロープの場合には、ナゲットの端部に低荷重で応力が集中し、ナゲットの外周縁に沿ったき裂(剥離)が生じやすくなると考えらえる。
一方、短時間通電の場合には、ナゲットの端部での局所的な強度低下が少なく、応力の集中が緩和され、その結果、ナゲットに沿ったき裂(剥離)が生じずに、アルミニウム材側にき裂が発生すると考えられる。その場合、アルミニウム材の破断が板厚の厚い位置で生じるため、破断強度が通常通電の場合よりも高くなる。
つまり、本アルミニウム部材の抵抗スポット溶接方法においては、
アルミニウム材の板厚をt(mm)としたとき、
電極によるアルミニウム材への加圧力を2(kN)以上、8(kN)以下とし、
溶接電流を25(kA)以上、50(kA)以下とし、
溶接時間を30×t(ms)以上、50×t(ms)以下として抵抗スポット溶接すればよい。
上記の条件で短時間通電を行う場合には、ナゲット近傍のアルミニウム材の硬度低下が抑制され、ナゲットに沿ったき裂(剥離)の進展を防止できる。これにより、アルミニウム材は母材強度に近い強度が確保され、通常通電の場合に比べて高い溶接強度を確保できる。また、加圧力を上記範囲に設定することで、溶接時における溶融アルミニウムの飛び散り(チリ)の発生を防止できる。
なお、上記は、6000系のアルミニウム合金の場合であるが、5000系のアルミニウム合金等の非熱処理系合金の場合も同様である。5000系のアルミニウム合金を用いる場合には、高い溶接性で、高強度かつ耐食性の良好な接合体が得られる。
以上説明した傾向について、溶接時の加圧力P、溶接電流の電流値I、溶接時間Tm、アルミニウム材の板厚t等の各条件を変更し、種々の供試片による試験結果を確認した。
図9は、試験に用いるアルミニウム溶接継手(接合体)の平面図である。
アルミニウム溶接継手は、JIS Z 3137に準拠した十字引張試験片であり、ここでは、熱処理型の6000系アルミニウム合金材(T4処理)からなる2枚のアルミニウム板を十字型に組み合わせ、互いの重なり部をスポット溶接することにより得た。
アルミニウム板の寸法は、幅Wが50mm、長さLが150mm、厚さtが2mmであり、重ね代を50mmとした。スポット溶接機11(図1)に用いる一対の電極13,15は、クロム銅製のR形電極であって、電極径が19mm、先端曲率半径が100mmである。
溶接時間Tmで電極13と電極15との間に通電すると、電極13,15に挟まれた2枚のアルミニウム板の間に、図9に示すようにナゲット25が形成される。これにより、2枚のアルミニウム板が一体化されたアルミニウム溶接継手(接合体)が得られる。
表2は、図9に示す形状のアルミニウム溶接継手を作製する試験例1~12の溶接条件を示している。ここでは、加圧力P1を3kN(試験例1~3),5kN(試験例4~9),7kN(試験例10~12)とし、溶接時間Tmを65ms,90msの短時間通電と、115ms~190msの通常通電とした。溶接電流は、溶接時間に応じてナゲットサイズを揃えるために、35kA~45kAの範囲で設定した。
Figure 2022060133000003
図10は、加圧力P1を3kNとした試験例1~3についてのCTSの測定結果を示すグラフである。図11は、加圧力P1を5kNとした試験例4~9についてのCTSの測定結果を示すグラフである。図12は、加圧力P1を7kNとした試験例10~12についてのCTSの測定結果を示すグラフである。各試験例においては、複数回測定した結果をプロットしている。
いずれの加圧力の場合でも、溶接時間Tmが短い場合にCTSの強度バラつきが小さくなる傾向を示している。
図13は、溶接時間を横軸とした場合の試験例1~12のCTS平均値から3σを減じた値を示すグラフである。
CTS平均値から3σ(σ:標準偏差)で表されるバラつきを減じた値は、その試験条件において発現する最低CTS値とみなせる。つまり、殆どの試験結果は、±3σの範囲内に収まり、その範囲内の最低値である-3σの値(絶対値はCTS-3σ)は、実質的に発現し得る最低CTS強度を意味する値である。図13からは、溶接時間Tmが短いほどCTSが大きな値となる頻度が増加していることが認められ、高い接合強度が安定して得られる傾向があることがわかる。好ましいCTS平均値から3σを減じた値は板厚やナゲット径の大きさに依存するが、1.4×t(kN)以上であることが好ましく、より好ましくは1.6×t(kN)以上、さらに好ましくは1.8×t(kN)以上である。また、総じて3kN以上であることが好ましい。
以上の試験例はアルミニウム材の板厚が2mmの場合であるが、アルミニウム材の板厚を1mmとした場合も同様の傾向が認められた。
次に、溶接時間の短縮がTSSに及ぼす影響について確認した結果を示す。
表3は、アルミニウム溶接継手の試験例13,14の溶接条件を示している。試験例13,14におけるアルミニウム溶接継手は、アルミニウム板の幅Wが40mm、長さLが125mm、板厚tが2mmであり、重ね代は40mmである。その他の条件は試験例1~12の場合と同様である。試験例13は溶接時間Tmを65msとした短時間通電の場合であり、試験例14は溶接時間Tmを190msとした通常通電の場合である。いずれの場合もアップスロープ時間を設けており、ダウンスロープ時間は設けていない。試験例13,14では、溶接電流を変化させて互いに異なるナゲット径にしている。
Figure 2022060133000004
図14は、試験例13,14についての、ナゲット径に対するTSSの分布を示すグラフである。
図14によれば、TSSはナゲット径が小さいほどTSSも低下している。しかし、溶接時間Tmが65msであっても190msであっても、ナゲット径と相関に殆ど差が見られなかった。つまり、溶接時間Tmを短縮してもTSSには悪影響を及ぼさないことがわかる。
次に、非熱処理系のアルミニウム合金製の試験片により溶接継手を作製し、この溶接継手のCTSの強度を測定した結果を説明する。
試験片及び溶接条件は次のとおりである。
材料:5000系アルミニウム合金、板厚t=2mm
板組:同種2枚板組
電極:R型電極、電極径19mm、先端曲率半径100mm
電極材質:クロム銅
表4は、上記のアルミニウム溶接継手の試験例15,16の溶接条件を示している
試験例15,16におけるアルミニウム溶接継手は、アルミニウム板の幅Wが50mm、長さLが150mm、板厚tが2mmのJIS Z 3137に準拠した試験片である。
Figure 2022060133000005
試験例15は、図2の(A)に示す加圧力及び溶接電流の波形において、加圧力P1を5kN、加圧力P2は8kNとし、スクイズ時間Tsを100ms、アップスロープ時間Tuを20ms、通電時間Tcを80msとして溶接時間Tmを90msにした短時間通電の条件で、溶接電流の電流値Iを26.0~32.5kAの範囲で複数回溶接した。
試験例16は、試験例15の通電時間Tcを180msとして溶接時間Tmを190msにした通常通電の条件で、溶接電流の電流値Iを25.0~30.0kAの範囲で複数回溶接した。その他の条件は試験例15と同様である。
図15は、試験例15と試験例16の溶接継手のナゲット径に対するCTSの分布を示すグラフである。
図15から、短時間通電の溶接時間Tmで溶接した溶接継手は、通常通電の溶接時間Tmで溶接した溶接継手に比べて、ナゲット径が小さくても、約3.7kN以上のCTS強度を有し、ナゲット径が4√t以上では4kN以上のCTS強度を維持できていることが分かる。つまり、短時間通電の場合は、通常通電の場合よりも溶接条件の裕度が広く、より安定して必要サイズのナゲットを形成できる。そして、通常通電の場合では、ナゲット径が7mmまでシェア破断のままであるが、短時間通電の場合では、ナゲット径が5mm以上でプラグ破断となり、ナゲット径が7mm以下では、短時間通電の方が相対的に高い強度となる傾向であった。このように、プラグ破断を維持できる限界のナゲット径は、短時間通電の場合が通常通電の場合よりも小さくなり、短時間通電の方がより小さなナゲット径でもCTSの強度を高められることが分かる。
以上のように、短時間通電の場合には、ナゲット径が4√tであっても十分なCTSの強度が得られ、破断形態はプラグ破断となる。
以上説明した各試験例の結果から、複数のアルミニウム材を重ね合わせ、一対の電極でスポット溶接するアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法において、溶接時間を所定の短い範囲に抑えることにより、優れたアルミニウム材の接合体を安定して得ることの知見を得た。電極によるアルミニウム材への加圧力は、一般的な2(kN)以上、8(kN)以下の範囲でよく、溶接電流は、溶接時間に応じて一般的な25(kA)以上又は30(kA)以上で、且つ50(kA)以下の範囲に設定すればよい。
適切な溶接時間は、板厚t(mm)に依拠しており、板厚が大きくなるほど適切な溶接時間は長くなる。各試験例の結果から、適切な溶接時間は30×t(ms)以上、50×t(ms)以下の範囲に設定すべきことが導き出せる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 複数のアルミニウム材を重ね合わせて一対の電極によりスポット溶接するアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法であって、
前記アルミニウム材の板厚をt(mm)としたとき、
前記電極による前記アルミニウム材への加圧力を2(kN)以上、8(kN)以下とし、
溶接電流を25(kA)以上、50(kA)以下とし、
溶接時間を30×t(ms)以上、50×t(ms)以下として抵抗スポット溶接する、アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、CTSを改善しつつ、強度バラつきを小さくでき、良好なスポット溶接を安定して実現できる。
(2) 前記溶接時間は、アップスロープ時間を含む、(1)に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、溶接時間を、溶接の実態を反映した適切な時間に算出できる。
(3) 前記アルミニウム材は熱処理型アルミニウム合金である、(1)又は(2)に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、溶接時の入熱によって低下した強度を熱処理によって元の強度に戻すことでき、高強度な接合体が得られる。
(4) 前記アルミニウム材は非熱処理型アルミニウム合金である、(1)又は(2)に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、高い溶接性で、高強度かつ耐食性の良好な接合体が得られる。
(5) CTSの平均値から3σで表されるバラつきを減じた値が、1.4×t(kN)以上となるように抵抗スポット溶接する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の抵抗スポット溶接方法。
このアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法によれば、高い接合強度が安定して得られる。
(6) 複数のアルミニウム材が重なり合ってスポット溶接されたアルミニウム材の接合体であって、
前記アルミニウム材の板厚をt(mm)としたとき、
前記アルミニウム材同士の間に形成されたナゲットの前記アルミニウム材同士の接合面に沿った端部から、該ナゲットの中心側と反対側に向けて、前記アルミニウム材の母材の硬度よりも低い前記スポット溶接による熱影響部が2.9×√t(mm)以下の長さで形成されている、アルミニウム材の接合体。
このアルミニウム材の接合体よれば、CTSを改善しつつ、CTSの強度バラつきが小さくなる。
(7) 前記ナゲットの外周縁におけるビッカース硬さが、前記ナゲットの内部におけるビッカース硬さより高い、(6)に記載のアルミニウム材の接合体。
このアルミニウム材の接合体よれば、ナゲットの外周縁に沿ったアルミニウム材の剥離を防止でき、高い接合強度が得られる。
(8) CTS平均値から3σで表されるばらつきを減じた値は、1.4×t(kN)以上である、(6)又は(7)に記載のアルミニウム材の接合体。
このアルミニウム材の接合体によれば、高い接合強度が安定して得られる。
11 スポット溶接機
13 電極
15 電極
17 溶接トランス部
18 電源部
19 制御部
20 電極駆動部
21 第1アルミニウム板(アルミニウム材)
23 第2アルミニウム板(アルミニウム材)
25 ナゲット(スポット溶接部)

Claims (8)

  1. 複数のアルミニウム材を重ね合わせて一対の電極によりスポット溶接するアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法であって、
    前記アルミニウム材の板厚をt(mm)としたとき、
    前記電極による前記アルミニウム材への加圧力を2(kN)以上、8(kN)以下とし、
    溶接電流を25(kA)以上、50(kA)以下とし、
    溶接時間を30×t(ms)以上、50×t(ms)以下として抵抗スポット溶接する、アルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
  2. 前記溶接時間は、アップスロープ時間を含む、
    請求項1に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
  3. 前記アルミニウム材は熱処理型アルミニウム合金である、請求項1又は2に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
  4. 前記アルミニウム材は非熱処理型アルミニウム合金である、請求項1又は2に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
  5. CTSの平均値から3σで表されるバラつきを減じた値が、1.4×t(kN)以上となるように抵抗スポット溶接する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のアルミニウム材の抵抗スポット溶接方法。
  6. 複数のアルミニウム材が重なり合ってスポット溶接されたアルミニウム材の接合体であって、
    前記アルミニウム材の板厚をt(mm)としたとき、
    前記アルミニウム材同士の間に形成されたナゲットの前記アルミニウム材同士の接合面に沿った端部から、該ナゲットの中心側と反対側に向けて、前記アルミニウム材の母材の硬度よりも低い前記スポット溶接による熱影響部が2.9×√t(mm)以下の長さで形成されている、アルミニウム材の接合体。
  7. 前記ナゲットの外周縁におけるビッカース硬さが、前記ナゲットの内部におけるビッカース硬さより高い、請求項6に記載のアルミニウム材の接合体。
  8. CTS平均値から3σで表されるばらつきを減じた値は、1.4×t(kN)以上である、
    請求項6又は7に記載のアルミニウム材の接合体。
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