JP2022060124A - 開閉体の開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】区間電流基準値更新手段が、区間毎にモータ電流検出手段で検出したモータ電流電圧変換値の当該区間内の最大値である区間内最大電流電圧変換値を求める第1算出手段S15,S35と、区間毎に当該区間における区間内最大電流電圧変換値とその前後の各区間における区間内最大電流電圧変換値との平均値である前後区間平均最大電流電圧変換値を求める第2算出手段S201,S401と、区間毎に区間内最大電流電圧変換値と前後区間平均最大電流電圧変換値のうちの大きい方の値である前後区間比較後最大電流電圧変換値を求める第3算出手段S202,S402を含み、前後区間比較後最大電流電圧変換値に基づいて区間電流基準値を更新する開閉体10の開閉装置1。
【選択図】図5
Description
このような開閉体の開閉装置に用いるモータとしては、従来より、コンデンサラン形の単相100V用誘導モータや三相200V用誘導モータなどの交流モータが多く用いられているが、特許文献1に記載のシャッター開閉装置のように、三相DCブラシレスモータなどの直流モータを用いることもある。そして、この特許文献1にも記載されているように、直流モータを開閉体の開閉装置に用いる場合は、直流モータの回転数が目標回転数になるようなフィードバック制御が一般的に行われている。
このような直流モータを用いた開閉体の開閉装置において、開閉体が障害物に衝突するなどして、開放動作又は閉鎖動作が妨げられると、負荷トルクの変化によって直流モータのモータ電流値が変化するため、このモータ電流値の変化を適切に検出することで障害物の検知が可能になる。
但し、障害物によるモータ電流値の変化は、直流モータの負荷となるシャッター等の開閉体の負荷状態や、開放動作時と閉鎖動作時の違いによって異なることに注意が必要である。
一方、閉鎖動作の通常動作時には、直流モータは回生動作の状態になっており、モータ電流値は回生電流が大きい状態になっている。そして、この状態で障害物によって閉鎖動作が妨げられると、モータ電流は回生電流が減少する方向に変化する。
このため、開放動作及び閉鎖動作のそれぞれの通常動作時に、直流モータが力行動作の状態になっているか回生動作の状態になっているかは、バランスバネの調整具合により異なる。
但し、いずれの場合であっても、障害物によって開放動作又は閉鎖動作が妨げられると、モータ電流は力行電流が増加する方向、及び、回生電流が減少する方向に変化することが分かっている。
つまり、この開閉体の開閉装置は、直流モータのモータ電流の検出値であるモータ電流電圧変換値に基づいて障害物の検知を行い、モータ電流電圧変換値の比較基準となる区間電流基準値を区間電流基準値記憶手段で記憶する一方、その記憶した区間電流基準値を区間電流基準値更新手段によって更新するようになっている。
このようなモータ電流電圧変換値を検出するモータ電流検出手段としては、直流モータを駆動するモータ駆動回路のグランド側と直流電源のグランドとの間に挿入された電流検出抵抗の両端間の電圧を所定の基準電圧値を基準にして差動増幅する差動増幅回路が挙げられる。
直流モータの回生電流が力行電流を上回る場合は、上記の一端(直流電源のグランド)から他端(モータ駆動回路のグランド側)に向けて電流検出抵抗に電流が流れることにより、非反転入力端子に接続された電流検出抵抗の他端の方が反転入力端子に接続された電流検出抵抗の一端よりも電位が低くなるため、差動増幅回路の出力電圧は+2.5Vよりも小さな電圧値となる。そして、この差動増幅回路の出力電圧は、回生電流が大きくなるほど+2.5Vよりも小さな電圧値となる。
また、モータ電流が0のときは、電流検出抵抗の両端間の電位差が0になるため、差動増幅回路の出力電圧は+2.5Vになる。
以上により、モータ電流が0のときに基準電圧値の+2.5Vになると共に、直流モータの力行電流が大きくなるほど+2.5Vよりも大きな電圧値となり、直流モータの回生電流が大きくなるほど+2.5Vよりも小さな電圧値となるような0V~+5Vの電圧範囲で変化するモータ電流電圧変換値が得られる。
また、開閉体の閉鎖動作時に、この閉鎖動作が障害物によって妨げられた場合も、同様に、通常動作時に直流モータが力行動作の状態と回生動作の状態のいずれの状態になっていても、力行電流が増加する方向、及び、回生電流が減少する方向にモータ電流が変化するため、モータ電流電圧変換値は、その電圧値が大きくなる方向に変化する。
これにより、開放動作と閉鎖動作のいずれであっても、その動作が障害物で妨げられると、モータ電流電圧変換値が大きくなるので、このモータ電流電圧変換値の大きさを指標にして、障害物を検知することができる。
開放動作及び閉鎖動作の各動作中に開閉体の開閉位置に応じて時々刻々と変化する負荷状態の変化に細かく対応するため、分割した区間毎に区間電流基準値を記憶する。
比較係数は、例えば、1より大きい所定の定数を区間毎に定めたものであり、区間電流基準値にこの比較係数を掛けた値とモータ電流電圧変換値とを比較して、モータ電流電圧変換値の方が大きければ、障害物を検知したと判定できる。また、この比較係数は、1通りの値には限定されず、例えば、複数パターンの値を用意して、それらを任意に選択出来るようにしておけば、実機の負荷状態に合わせて、所望の検知感度に調整することが出来る。
経年劣化の影響等による開閉体の負荷状態の変化に対応するため、障害物が検知されない正常動作が行われた場合には、最新の運転時のモータ電流電圧変換値を用いて、区間電流基準値を都度更新する。
第1算出手段では、区間毎にモータ電流検出手段で検出したモータ電流電圧変換値の当該区間内の最大値である区間内最大電流電圧変換値を求める。
障害物によってモータ電流電圧変換値が正常動作時よりも大きくなるのを検出するために、まず、正常動作時に検出した区間毎のモータ電流電圧変換値の区間内の最大値を求めている。
区間内最大電流電圧変換値は、区間毎の大小のばらつきが大きくなるため、ここでは、区間毎に当該区間とその前後の各区間の3つの区間についての区間内最大電流電圧変換値の平均値を求めている。
例えば、前後の区間よりも当該区間の区間内最大電流電圧変換値が大きい場合は、その当該区間の区間内最大電流電圧変換値が前後区間平均最大電流電圧変換値よりも大きくなるので、当該区間の区間内最大電流電圧変換値が前後区間比較後最大電流電圧変換値となる。一方、当該区間の区間内最大電流電圧変換値よりも前後の各区間の区間内最大電流電圧変換値の方が大きい場合は、当該区間の区間内最大電流電圧変換値よりも前後区間平均最大電流電圧変換値が方が大きくなるので、前後区間平均最大電流電圧変換値が前後区間比較後最大電流電圧変換値となる。
これにより、前後区間比較後最大電流電圧変換値は、区間電流基準値を更新するに当たって、前後の区間における区間毎の大小のばらつきを抑えると共に、このばらつきによる小さい値への変化を排除して、より大きい値を採用するようにしている。
そして、区間電流基準値更新手段は、このようにして求めた前後区間比較後最大電流電圧変換値に基づいて区間電流基準値を更新している。
なお、モータ温度検出手段としては、直流モータの内部に取り付けたサーミスタと、その抵抗値を検出するための検出回路が挙げられる。
まず、図1を参照しつつ、シャッターのスラットカーテン10及びシャッター開閉機1の機械的な構造等について説明する。
また、シャッターケース13内には、スラットカーテン10を巻き取るための巻取軸14が支持固定されており、この巻取軸14に巻き取られたスラットカーテン10がシャッターケース13内に収容されるようになっている。
また、スラットカーテン10及びガイドレール11に近接する建築物の壁面には、シャッター開閉機1の制御部3に電気的に接続された押ボタンスイッチボックス4が設置されている。押ボタンスイッチボックス4には、上昇(開放)ボタンPBU、下降(閉鎖)ボタンPBD及び停止ボタンPBSが設けられおり、各ボタンの操作に従って、スラットカーテン10の開放動作(上昇)、閉鎖動作(下降)及び停止が行われる。
なお、図1において説明したシャッターの構造は、主として、いわゆる重量シャッター等のバネ併用式でないシャッターの構造を示すものであるが、本発明を適用した開閉装置であるシャッター開閉機は、このようなバネ併用式でないシャッター用に限られず、巻き取り部にバランスバネを設けた軽量バランスシャッター等のバネ併用式シャッター用のシャッター開閉機に本発明を適用しても良い。
既に説明したように、シャッター開閉機1は、スラットカーテン10の開閉動作を行うための直流モータ2(三相DCブラシレスモータ)と、この直流モータ2を制御する制御部3とを備えている。また、直流モータ2の内部には、直流モータ2のローター(図示しない)の磁石の回転位置を検出するための3つのホール素子又はホールICからなるホールセンサ2bと、直流モータのモータ温度を検出するためのサーミスタ2cが取り付けれらている。
また、マイクロプロセッサ3aは、上記のEEPROM3fのほかにも、自身の内部に揮発性メモリの内部RAM3a1を有しており、各種データの一時記憶や演算に、この内部RAM3a1が使用されるほか、EEPROM3fから読み出した各種設定値も内部RAM3a1に展開されて使用される。
なお、モータ駆動回路3cと整流平滑回路3bで生成された直流電源とを接続するに当たっては、IPMのハイサイド側素子のコレクタ側(又はドレイン側)の共通ラインであるモータ駆動回路3cの高電圧側は、整流平滑回路3bで生成された直流電源の正極側に直結しているのに対し、IPMのローサイド側素子のエミッタ側(又はソース側)の共通ラインであるモータ駆動回路3cのグランド側は、次述するモータ電流検出回路3dの一部をなす抵抗値Rfの電流検出抵抗3d1を介して、整流平滑回路3bで生成された直流電源の負極側(グランド)に接続している。
オペアンプ3d2の正極電源端子は、図示しない制御用電源回路で生成された制御用電源の+5Vに接続しており、オペアンプ3d2の負極電源端子は、同じく制御用電源のグランド(0V)に接続している。そして、この制御電源のグランドは、整流平滑回路3bで生成された直流電源のグランドと接続されて、同電位になっている。
一方、モータ駆動回路3cのグランド側に接続された電流検出抵抗3d1の他端については、上記の入力抵抗と同じ抵抗値Raの抵抗を介してオペアンプ3d2の非反転入力端子に接続している。また、この非反転入力端子は、抵抗値2Rbの2つの抵抗によって制御用電源の+5Vとグランド(0V)にもそれぞれ接続しており、これら2つの抵抗は、制御用電源の+5Vと0Vの間を抵抗分圧する形になっている。オペアンプ3d2の入力端子は入力インピーダンスが高いため、抵抗値2Rbの2つの抵抗によって+5V電圧が抵抗分圧された結果、オペアンプ3d2の非反転入力端子は+2.5Vにオフセットされる。そして、非反転入力端子を+2.5Vにすることで、差動増幅回路による増幅が正常に行われる範囲では、反転入力端子もほぼ+2.5Vで動作することになる。これにより、差動増幅回路の出力電圧は、+2.5Vを基準電圧値として、0V~+5Vの電圧範囲内で変化することになる。
なお、2つの抵抗の抵抗値2Rbは、これらを並列接続したときの合成抵抗が上記の帰還抵抗の抵抗値Rbに一致するようにしたものである。
力行電流が流れる場合は、直流モータ2が電動機として動作して、電力を消費する場合であり、図2において実線矢印の方向、すなわち、整流平滑回路3bで生成した直流電源からモータ駆動回路3cに向かう方向に力行電流が流れる。
一方、回生電流が流れる場合は、直流モータ2が発電機として動作して、電源に電力を返す場合であり、図2において破線矢印の方向、すなわち、モータ駆動回路3cから整流平滑回路3bで生成した直流電源に戻る方向に回生電流が流れる。
直流モータの回生電流が力行電流を上回る場合は、上記の一端(整流平滑回路3bで生成された直流電源のグランド)から他端(モータ駆動回路3cのグランド側)に向けて電流検出抵抗3d1に電流が流れることにより、オペアンプ3d2の非反転入力端子に接続された電流検出抵抗3d1の他端の方がオペアンプ3d2の反転入力端子に接続された電流検出抵抗3d1の一端よりも電位が低くなるため、差動増幅回路の出力電圧は、基準電圧値の+2.5Vよりも小さな電圧値となる。そして、この差動増幅回路の出力電圧は、回生電流が大きくなるほど、基準電圧値の+2.5Vよりも小さな電圧値となる。
また、直流モータ2のモータ電流が0のときは、電流検出抵抗3d1の両端間の電位差が0になるため、差動増幅回路の出力電圧は、基準電圧値の+2.5Vになる。
なお、図2において実線矢印の力行電流の向きに流れる電流の大きさをIとすると、差動増幅回路であるモータ電流検出回路3dの出力電圧は、(I×Rf)×(Rb/Ra)+2.5Vとなる。
このモータ電流電圧変換値は、マイクロプロセッサ3aのA/D入力ポートの1つであるA/D入力1に入力される。
図3は、本実施形態に係るシャッター開閉機1の開放動作の処理全体を示すフローチャートである。また、図4は、本実施形態に係るシャッター開閉機1の開放動作時の障害物検知処理を示すフローチャートである。さらに、図5は、本実施形態に係るシャッター開閉機1の開放動作時の区間電流基準値更新処理を示すフローチャートである。これらのフローチャートは、いずれも制御部3のマイクロプロセッサ3aが実行する制御プログラムの処理内容を示すものである。
また、軽量バランスシャッター等のバネ併用式シャッター用のシャッター開閉機の場合は、開放動作の通常動作時に、直流モータが力行動作の状態になっているか回生動作の状態になっているかは、バランスバネの調整具合により異なるが、いずれの場合であっても、障害物によって開放動作が妨げられると、モータ電流は力行電流が増加する方向、及び、回生電流が減少する方向に変化する。これにより、モータ電流電圧変換値は、上記の場合と同じく、電圧値が大きくなる方向に変化する。
まず、ステップS161では、開放動作中の現在の区間に対応する区間電流基準値をメモリから参照する。この区間電流基準値は、障害物検知の際に、区間毎のモータ電流電圧変換値との比較基準となる値であり、電源を遮断した時のために不揮発性メモリのEEPROM3fに記憶されていると共に、このEEPROM3fから読み出した値がマイクロプロセッサ3aの内部RAM3a1に展開されて記憶されている。このステップS161では、内部RAM3a1に記憶した値を参照する。
モータ電流電圧変換値が、比較係数を区間電流基準値に掛けた値以上の場合は、ステップS17において、障害物検知あり(Yes)と判定し、ステップS21に進んで、直流モータ2の停止処理を行う。そして、これにて、開放動作の処理が終了となる。
一方、モータ電流電圧変換値が、比較係数を区間電流基準値に掛けた値未満の場合は、ステップS17において、障害物検知なし(No)と判定し、ステップS18に進む。
一方、停止操作信号又は全開位置のいずれかを検出した場合(Yes)は、ステップS19に進んで、直流モータ2の停止処理を行う。そして、この場合は、障害物を検知することなく、開放動作が正常終了した場合であり、さらに、ステップS20に進み、図5のステップS201~ステップS204に詳細を示す開放動作時の区間電流基準値更新処理を行う。
区間内最大電流電圧変換値は、区間毎の大小のばらつきが大きくなるため、このステップS201では、区間毎に当該区間とその前後の各区間の3つの区間についての区間内最大電流電圧変換値の平均値である前後区間平均最大電流電圧変換値を求めている。
前後の区間よりも当該区間の区間内最大電流電圧変換値が大きい場合は、当該区間の区間内最大電流電圧変換値が前後区間比較後最大電流電圧変換値となる。一方、当該区間の区間内最大電流電圧変換値よりも前後の各区間の区間内最大電流電圧変換値の方が大きい場合は、前後区間平均最大電流電圧変換値が前後区間比較後最大電流電圧変換値となる。
これにより、前後区間比較後最大電流電圧変換値は、前後の区間における区間毎の大小のばらつきを抑えると共に、このばらつきによる小さい値への変化を排除して、より大きい値を採用することになる。
そして、続くステップS204で、このようにして求めた前後区間比較後最大電流電圧変換値に基づいて、メモリ(マイクロプロセッサ3aの内部RAM3a1、及び、EEPROM3fの両方)に記憶した開放動作時の区間毎の区間電流基準値を更新する。そして、これにて、開放動作の処理が終了となる。
なお、ステップS203は、図5において破線で示すように、本発明の必須構成要素では無いが、このステップS203を設けることで、更新した区間電流基準値が動作毎のばらつきを抑えた値となり、より適切に障害物の検知を行うことができる。
図6は、本実施形態に係るシャッター開閉機1の閉鎖動作の処理全体を示すフローチャートである。また、図7は、本実施形態に係るシャッター開閉機1の閉鎖動作時の障害物検知処理を示すフローチャートである。さらに、図8は、本実施形態に係るシャッター開閉機1の開放動作時の区間電流基準値更新処理を示すフローチャートである。これらのフローチャートは、いずれも制御部3のマイクロプロセッサ3aが実行する制御プログラムの処理内容を示すものである。そして、これらは、図3~図5の開放動作時の各処理を閉鎖動作時の処理に置き換えたものである。よって、図3~図5と同様の部分については、簡単に説明を行う。
さらに、続くステップS34では、モータ電流検出回路3dによって、閉鎖動作中のモータ電流電圧変換値を検出する。
また、軽量バランスシャッター等のバネ併用式シャッター用のシャッター開閉機の場合は、閉鎖動作の通常動作時に、直流モータが力行動作の状態になっているか回生動作の状態になっているかは、バランスバネの調整具合により異なるが、いずれの場合であっても、障害物によって閉鎖動作が妨げられると、モータ電流は力行電流が増加する方向、及び、回生電流が減少する方向に変化する。これにより、モータ電流電圧変換値は、上記の場合と同じく、電圧値が大きくなる方向に変化する。
つまり、閉鎖動作の通常動作時に、直流モータが力行動作の状態になっているか回生動作の状態になっているかにかかわらず、上記のいずれの場合も、障害物によって閉鎖動作が妨げられると、モータ電流電圧変換値は、電圧値が大きくなる方向に変化する。これは、開放動作時も閉鎖動作時も同じである。
そして、続くステップS36では、図7のステップS361~ステップS364に詳細を示す閉鎖動作時の障害物検知判定処理を行う。
まず、ステップS361では、閉鎖動作中の現在の区間に対応する区間電流基準値をメモリから参照する。
次いで、ステップS362では、閉鎖動作中の現在の区間に対応する比較係数を区間電流基準値に掛けた値を求める。
さらに、続くステップS363では、直流モータ2のモータ温度を検出し、このモータ温度に応じて、モータ電流電圧変換値を補正する。なお、このステップS363は、図7において破線で示すように、本発明の必須構成要素では無いが、このステップS363を設けることで、開放動作時と同様、より適切に障害物の検知を行うことができる。
モータ電流電圧変換値が、比較係数を区間電流基準値に掛けた値以上の場合は、ステップS37において、障害物検知あり(Yes)と判定し、ステップS41に進んで、直流モータ2の停止処理を行う。そして、これにて、閉鎖動作の処理が終了となる。
一方、モータ電流電圧変換値が、比較係数を区間電流基準値に掛けた値未満の場合は、ステップS37において、障害物検知なし(No)と判定し、ステップS38に進む。
一方、停止操作信号又は全閉位置のいずれかを検出した場合(Yes)は、ステップS39に進んで、直流モータ2の停止処理を行う。そして、この場合は、障害物を検知することなく、閉鎖動作が正常終了した場合であり、さらに、ステップS40に進み、図8のステップS401~ステップS404に詳細を示す閉鎖動作時の区間電流基準値更新処理を行う。
続くステップS402では、閉鎖動作時の区間毎に、ステップS35の処理を通じて記憶した区間内最大電流電圧変換値と、ステップS401で求めた前後区間平均最大電流電圧変換値のうちの大きい方の値である前後区間比較後最大電流電圧変換値を求める。
そして、続くステップS404で、このようにして求めた前後区間比較後最大電流電圧変換値に基づいて、メモリに記憶した開放動作時の区間毎の区間電流基準値を更新する。そして、これにて、閉鎖動作の処理が終了となる。
本実施形態では、直流モータ2に取り付けられたホールセンサ2b、及び、制御部3のホールセンサ信号入力回路3gが本発明の位置検出部に相当する。また、制御部3のモータ電流検出回路3d、並びに、マイクロプロセッサ3aが実行するステップS14、及び、ステップS34が本発明のモータ電流検出手段に相当し、マイクロプロセッサ3aの内部RAM3a1、及び、制御部3のEEPROM3fが本発明の区間電流基準値記憶手段に相当する。
例えば、実施形態では、モータ電流をモータ電流電圧変換値に変換して検出するモータ電流検出手段として、図2に示すようなオペアンプ(演算増幅器)を用いた差動増幅回路で構成されるモータ電流検出回路3dを示したが、これは一例であり、同様にモータ電流電圧変換値を検出出来る回路であれば、他の構成の回路を用いても良い。
また、上記の差動増幅回路を直流モータの1相当たり1組ずつ計3組設けて、直流モータの各相のモータ電流を別々に検出する回路を用いる構成とした場合には、それらの回路による検出結果をマイクロプロセッサの演算によって合成したものを、本発明のモータ電流検出手段により検出したモータ電流電圧変換値としても良い。
2 直流モータ
2b ホールセンサ(位置検出部)
2c サーミスタ(モータ温度検出手段)
3 制御部
3a マイクロプロセッサ
3a1 内部RAM(区間電流基準値記憶手段)
3b 整流平滑回路
3c モータ駆動回路
3d モータ電流検出回路(モータ電流検出手段)
3e 押ボタン入力回路
3f EEPROM(区間電流基準値記憶手段)
3g ホールセンサ信号入力回路(位置検出部)
3h サーミスタ入力回路(モータ温度検出手段)
4 押ボタンスイッチボックス
10 スラットカーテン(開閉体)
11 ガイドレール
12 まぐさ部
13 シャッターケース
14 巻取軸
15 駆動伝達系
DO 開放方向
DC 閉鎖方向
PBU 上昇(開放)ボタン
PBD 下降(閉鎖)ボタン
PBS 停止ボタン
S14,S34 モータ電流検出手段
S16(S161~S164)~S17,S36(S361~S364)~S37 障害物検知手段
S15,S20(S201~S204),S35,S40(S401~S404) 区間電流基準値更新手段
S15,S35 第1算出手段
S201,401 第2算出手段
S202,402 第3算出手段
S203,403 指定回数平均手段
S163,S363 障害物検知温度補正手段
Claims (3)
- 開放方向及び閉鎖方向の双方向に動作可能に支持された開閉体の開閉動作を行うための直流モータと、
該直流モータの回転に連動して前記開閉体の開閉位置を検出する位置検出部と、
前記開放方向への開放動作及び前記閉鎖方向への閉鎖動作の各動作時における前記直流モータの回転数がそれぞれ目標回転数になるようにフィードバック制御を行いつつ、前記位置検出部で検出した位置情報に基づいて前記直流モータを制御する制御部とを備えた開閉体の開閉装置であって、
前記制御部は、
前記直流モータに流れるモータ電流を所定の電圧範囲内の電圧値となるモータ電流電圧変換値に変換して検出するモータ電流検出手段と、
前記開閉体の動作範囲である全開位置と全閉位置との間を所定の区間に分割して、前記開放動作及び前記閉鎖動作の各動作時について前記開閉体の開閉位置に対応する前記区間毎の前記モータ電流電圧変換値との比較基準となる区間電流基準値を記憶する区間電流基準値記憶手段と、
前記開放動作及び前記閉鎖動作の各動作時について前記モータ電流検出手段で検出した前記モータ電流電圧変換値と前記区間電流基準値記憶手段で記憶した前記区間電流基準値とを前記区間毎にあらかじめ定めた比較係数を用いて比較した比較結果に基づいて前記開放動作及び前記閉鎖動作を妨げる障害物を検知する障害物検知手段と、
前記開放動作及び前記閉鎖動作の各動作の開始から終了までの間に前記障害物検知手段で障害物が検知されなかった場合に、当該開放動作及び当該閉鎖動作の各動作中に前記モータ電流検出手段で検出した前記モータ電流電圧変換値を用いて前記区間電流基準値記憶手段で記憶した前記区間電流基準値を更新する区間電流基準値更新手段とを有し、
前記モータ電流電圧変換値は、前記モータ電流が0のときを前記電圧範囲内の所定の基準電圧値として、前記直流モータの力行電流が大きくなるほど前記基準電圧値よりも大きな電圧値となる一方、前記直流モータの回生電流が大きくなるほど前記基準電圧値よりも小さな電圧値となるようになっていて、
前記区間電流基準値更新手段は、
前記区間毎に前記モータ電流検出手段で検出した前記モータ電流電圧変換値の当該区間内の最大値である区間内最大電流電圧変換値を求める第1算出手段と、
前記区間毎に当該区間における前記区間内最大電流電圧変換値とその前後の各区間における前記区間内最大電流電圧変換値との平均値である前後区間平均最大電流電圧変換値を求める第2算出手段と、
前記区間毎に前記第1算出手段で求めた前記区間内最大電流電圧変換値と前記第2算出手段で求めた前記前後区間平均最大電流電圧変換値のうちの大きい方の値である前後区間比較後最大電流電圧変換値を求める第3算出手段とを含み、
前記前後区間比較後最大電流電圧変換値に基づいて前記区間電流基準値を更新する
開閉体の開閉装置。 - 請求項1に記載の開閉体の開閉装置であって、
前記区間電流基準値更新手段は、
前記区間電流基準値を更新する際に、前記第3算出手段で求めた前記区間毎の前記前後区間比較後最大電流電圧変換値を最新の動作を含んだ過去の指定回数分の動作について平均する指定回数平均手段を含む
開閉体の開閉装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の開閉体の開閉装置であって、
前記制御部は、
前記直流モータのモータ温度を検出するモータ温度検出手段を有し、
前記障害物検知手段は、
前記モータ電流電圧変換値と前記区間電流基準値とを前記比較係数を用いて比較する際に、前記モータ温度検出手段で検出した前記モータ温度に応じて補正を行う障害物検知温度補正手段を含む
開閉体の開閉装置。
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