JP2022057025A - 交流電源の瞬断又は/及び瞬低検知装置 - Google Patents

交流電源の瞬断又は/及び瞬低検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】瞬断又は/及び瞬低の検知には、電圧0V(ゼロクロス点)の検出、交流電源電圧信号半波長分の時間を求めることが重要である。従来では整流回路で全波整流した信号からフォトカプラ1個によるゼロクロス検出していたが、理想波形からのずれによりゼロクロス点および半波長分の時間を高精度に得ることが困難であった。【解決手段】全波整流せずにフォトカプラ2個もちいることにより、整流時の波形ずれやフォトカプラの動作閾値差の影響を最小として、ゼロクロス点を検出できるため、電圧0Vの時間を高精度に得られ、瞬断を高精度に検知できる。ゼロクロス点を高精度に検出できるために瞬低を検知するために必要な半波長分の時間を高精度に検知できる。【選択図】図3

Description

本発明は、交流電圧の瞬断又は/及び瞬低の検知装置に関する。
瞬断とは、商用電源の供給が一時的(半サイクルから1分間)に停止し、交流電圧が0Vまたは中性点基準の電圧が0Vになっている状態をいう。もう一方の瞬低とは、商用電源の供給が完全には停止とはならないが、一時的(半サイクルから1分間)に交流電圧が低下した状態をいう。東京電力の一般商用交流100Vは50Hzのため、半サイクルでは10m秒となる。
瞬断が起きると、生産設備が停止したり、病院の治療用機械が停止したり、PCのハードディスクなどのうち未対策品ではヘッドの退避が間に合わず破壊に至る可能性がある。瞬低の場合もUPSなどの誤作動や、マグネットスイッチ式のモーターが停止する場合がある。そのため、瞬断や瞬低は発生を検知し、必要な機器に対応行動をとらせる必要がある。検知後は、データの退避、電源オフでも影響ないような状態への移行、非常用電源への切り替えなどを速やかに行う。瞬断については電圧0Vの状態が続くため、電圧0Vの瞬間と、その状態の時間的な長さの検知が重要である。また、瞬低については、電圧変動の検知を、半周期ごとに電圧値情報を算出し正常な値から下がっていないかどうかの比較を行う。
従来のゼロクロス検出は、交流電圧を全波整流し、全波整流した出力電圧を入力信号とする一のフォトカプラとを用い、フォトカプラを構成するフォトトランジスタがオフ(コレクタ-エミッタ間が非導通状態)となる期間を計測し、その期間に基づいてゼロクロスポイントを検出する。
文献1に係る技術を、図18を用いて説明する。図18は、フリッカ(蛍光灯やブラウン管などのちらつき)の発生を防止するためにゼロクロスポイントでヒータ(1811)をオンする制御を行うヒータ制御装置(1801)であり、ゼロクロスポイントを検出するゼロクロス検知装置(1802)を有するものである。このヒータ制御装置は、図18の(a)に示すような回路構成を有する。ゼロクロス検知装置(1802)は、電源(1803)から供給される交流電圧を全波整流する整流回路(1804)と、整流回路(1804)の出力電圧を入力信号とするフォトカプラ(1805)を備え、フォトカプラ(1805)は、フォトダイオードD1とフォトトランジスタTr1から構成されており、フォトダイオードD1のアノードが抵抗R1を介して整流回路(1804)の出力に接続され、フォトダイオードD1のカソードはグランドに接続されている。
また、フォトトランジスタTr1のコレクタは、抵抗R2を介して直流電源VDDに接続されるとともにトランジスタTr2のベースに接続され、フォトトランジスタTr1のエミッタはグランドに接続されている。また、トランジスタTr2のコレクタは抵抗R3を介して直流電源VDDに接続されており、トランジスタTr2のエミッタはグランドに接続されている。また、制御部(1806)は、ゼロクロス時間計測手段(1807)、遅延時間算出手段(1809)、遅延手段(1810)を有しており、トランジスタTr2のコレクタとスイッチ部(1808)に接続されている。
また、図18の(b)は交流電源(1803)の電圧波形を示し、図18の(c)はフォトカプラ(1805)の入力信号波形(整流回路(1804)の出力電圧波形)を示している。また、図18の(d)はトランジスタTr2のコレクタ出力の波形を示し、図18の(e)はヒータ制御信号の波形を示している。
そして、交流電源(1803)からの交流電圧(図18の(b))は、整流回路(1804)で全波整流され、全波整流された電圧(図18の(c))は抵抗R1を介してフォトカプラ(1805)の発光ダイオードD1に印加される。これにより、発光ダイオードD1には交流電源(1803)の電圧に比例した順方向電流が流れ、この順方向電流により発光ダイオードD1が発光する。
また、フォトカプラ(1805)のフォトトランジスタTr1は、この発光ダイオードD1からの発光を受けると、ベース電流が流れ、そのコレクタ-エミッタ間が導通する。従って、フォトトランジスタTr1のコレクタの電圧はグランド電圧となるので、トランジスタTr2のベース電流が流れることはなく、トランジスタTr2はオフになり、トランジスタTr2のコレクタの電圧は「H」(直流電源VDDの電圧)になる。
また、交流電源(1803)の電圧の振幅が小さくなると、フォトダイオードD1に流れる順方向電流は小さくなり、フォトダイオードD1の発光量が低下する。そして、フォトダイオードの発光量が低下すると、フォトトランジスタTr1にベース電流が流れなくなり、フォトトランジスタTr1はオフとなる。すると、トランジスタTr2のベースには抵抗R2を介して直流電源VDDからベース電流が流れるので、トランジスタTr2はオンになり、トランジスタTr2のコレクタの電圧は「L」(グランド電圧)になる。
換言すれば、トランジスタTr2がオンになるときの交流電源(1803)の電圧をVthとすると、図18の(c)、図18の(d)に示すように、交流電源(1803)の電圧の絶対値がVthより小さいときに、トランジスタTr2がオンになり、トランジスタTr2のコレクタの電圧は「L」(グランド電圧)になる。また、トランジスタTr2がオンになっている期間、即ち、トランジスタTr2のコレクタの電圧が「L」になっている期間は、交流電源(1803)の電圧波形のゼロクロス付近の期間であるので、この期間をゼロクロス期間と呼称し、このゼロクロス期間を示す信号である図18の(d)に示す信号をゼロクロス信号と呼称する。
そして、このゼロクロス信号は制御部(1806)に入力され、制御部(1806)は遅延手段(1810)により、このゼロクロス信号の立ち下がり時点から遅延時間算出手段(1809)により算出された遅延時間だけ遅延させたヒータ制御信号(図18の(e))をスイッチ部(1808)に出力する。そして、スイッチ部(1808)は与えられたヒータ制御信号をトリガとしてオン制御され、交流電源(1803)からの交流電力がヒータ(1811)に与えられる。
このゼロクロス信号の立ち下がり時点から遅延時間算出手段(1809)により算出された遅延時間だけ遅延させたヒータ制御信号(図18の(e))をスイッチ部(1808)に出力する。そして、スイッチ部(1808)は与えられたヒータ制御信号をトリガとしてオン制御され、交流電源(1803)からの交流電力がヒータ(1811)に与えられる。
ここで、制御部(1806)の遅延時間算出動作は、ヒータ制御装置(1801)に電源が投入されると、即ち、制御部(1806)に電源が投入されると、制御部(1806)は遅延時間算出動作を開始する。次に、ゼロクロス信号を検出したかどうかを判断する。これは、トランジスタTr2のコレクタ出力が「L」になったかどうか、即ち、ゼロクロス信号の立ち下がりを検出したかどうかを判断する。そして、ゼロクロス信号の立ち下がりを検出すると、そのゼロクロス信号の幅の計測に入る。即ち、ゼロクロス信号の立ち下がりから立ち上がりまでの時間をゼロクロス時間計測手段(1807)により計測する。このゼロクロス信号の立ち下がりから立ち上がりまでの時間は、ゼロクロス期間の長さであるので、ゼロクロス時間と呼称する。そして、ゼロクロス時間を計測し終わると、次に遅延時間算出手段(1809)により遅延時間を算出する。一方、ゼロクロス時間が計測できなかった場合は、再度、ゼロクロス信号の検出を始める。
この遅延時間算出手段(1809)による遅延時間の算出は、計測したゼロクロス時間を1/2倍することにより行われる。例えば、図18の(b)に示す交流電圧波形の場合、ゼロクロス時間計測手段(1807)により計測したゼロクロス時間をtとすると、次に制御部(1806)は、遅延時間算出手段(1809)により、ゼロクロス時間tを1/2倍した時間である遅延時間t/2を算出する。そして、制御部(1806)は、遅延手段(1810)により、ゼロクロス期間の開始時点、即ち、ゼロクロス信号が立ち下がったときから、算出した遅延時間t/2だけ遅延させてヒータ制御信号(図18の(e))をスイッチ部(1808)に出力する。以上のように、ゼロクロスポイントを検出し、それに基づいてヒータ制御を行う。
特開2005-123977号公報
特許文献1のヒータ制御装置におけるゼロクロス検知装置では、一見すると正確にゼロクロスポイントを検出しているように思える。しかしながら、実際に整流回路を経由した電圧は、整流に用いるダイオードの動作閾値電圧(一般には約0.6V、製品ごとに多少異なる)などにより、図18の(c)に描かれているような理想的な波形で出力されない。ダイオードの動作閾値電圧が0.6Vの場合、入力電圧波形が+0.6Vから-0.6Vの範囲では整流用ダイオードはONせず、図18の(c)に示すフォトカプラの入力電圧波形(全波整流で折り返した波形)の山と山の間には0Vの平坦な部分が生じてしまう。そのため図18の(d)に示すtは広がってしまい、フォトカプラの動作閾値電圧に加え整流用ダイオードの閾値電圧の影響を受け、高精度にゼロクロスポイントを検出することは困難であるという課題がある。
ゼロクロスポイントを正確に検出し、電圧0Vの時間が所定時間を超えたかを判断することで瞬断を検出できる。ゼロクロスポイントを正確に検出することで、交流電源電圧の周期を正確に把握し、その周期分の電圧信号の積分値から瞬低有無を判断することができる。
そこで、上記課題を解決するために、第一の発明として、交流電源信号を取得する交流電源信号取得部と、
取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力しない第一のフォトカプラと、
取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力せず、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力する第二のフォトカプラと、
前記交流電源信号の任意の時間的区間である信号幅をカウントするためのカウンタと、
第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない間にわたって前記カウンタがカウントした値を示す情報である非受光時間長情報と比較すべき、所定時間長を示す情報である比較時間長情報を保持する比較時間長情報保持部と、
前記非受光時間長情報と、前記比較時間長情報とを比較する比較部と、
比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する比較結果出力部と、
を有する電力瞬断検知装置を提供する。
さらに、第二の発明として、第一の発明を基として、比較時間長情報保持部は、比較時間長情報として複数の比較時間長情報を示す情報を保持する電力瞬断検知装置を提供する。
さらに、第三の発明として、第一又は第二の発明のいずれかを基として、前記第一のフォトカプラは、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力するように構成され、
前記第二のフォトカプラは、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力するように構成され、
「交流電源信号が負正反転する同一のタイミング領域で、第二のフォトカプラの信号がLからHに切り替わる第一タイミングと第一のフォトカプラの信号がHからLに切り替わる第二タイミングと、の時間差」、又は/及び、
「交流電源信号が正負反転する同一のタイミング領域で、第二のフォトカプラの信号がHからLに切り替わる第三タイミングと第一のフォトカプラの信号がLからHに切り替わる第四タイミングと、の時間差」、を取得する時間差取得部と、
取得した時間差の二分の一の時間長である補正時間長を用いて交流電源信号の電圧0のタイミングを取得する電圧0タイミング取得部と、
からなる交流電圧ゼロクロス検出回路構造体をさらに備えた電力瞬断検知装置を提供する。
さらに、第四の発明として、第三の発明を基として、第一のフォトカプラと、第二のフォトカプラとはON遅延時間長が略平等である電力瞬断検知装置を提供する。
さらに、第五の発明として、第三又は第四の発明のいずれかを基として、取得した時間差の複数を統計処理して補正時間長を取得する補正時間長取得部をさらに有する電力瞬断検知装置を提供する。
さらに、第六の発明として、第三から第五の発明のいずれか一を基として、第一のフォトカプラ及び第二のフォトカプラは、フォトカプラONで出力がLとなる電力瞬断検知装置を提供する。
また、第七の発明として、第三から第六の発明のいずれか一を基として、ゼロクロスタイミング取得部は、ゼロクロスタイミングを、交流電源信号が正から負への反転時には、第一のフォトカプラの信号がゼロクロスタイミングの直近でLからHへ立ち上がるタイミングと補正時間長を用いて取得し、交流電源信号が負から正への反転時には、第二のフォトカプラの信号がゼロクロスタイミングの直近でLからHへ立ち上がるタイミングと補正時間長を用いて取得する先取手段を有する電力瞬断検知装置を提供する。
さらに、第一の発明から第七の発明の電力瞬断検知装置に対応したそれぞれの動作方法、同じくそれぞれの動作プログラムも提供する。またそれぞれの動作プログラムは記録媒体に記録されたものであってもよい。
さらに、第八の発明として、交流電源信号を取得する交流電源信号取得部と、
交流電源電圧を降圧するための絶縁トランスを有する電源降圧部と、
前記電源降圧部で降圧した交流を全波整流する交流全波整流部と、
全波整流した波形をAD変換するAD変換部と、
AD変換した半波長分を積分する積分部と
得られた各半波長分の積分値が正常であるか判断するための所定値である比較所定値を保持する比較所定値保持部と、
得られた各半波長分の積分値を保持されている比較所定値と比較し、異常である瞬低状態、正常状態、のいずれであるか判断する異常正常判断部と、
前記判断結果を出力する判断結果出力部と、を有する電力瞬低検知装置であって、
前記交流電源信号取得部は、第一から第七の発明のいずれか一の電力瞬断検知装置と共用するものであることを特徴とする電力瞬低検知装置を提供する。
さらに、第九の発明として、第八の発明を基として、第一から第七の発明のいずれか一の電力瞬断検知装置載の電力瞬断検知装置の有するカウンタが、
AD変換部と積分部と比較所定値保持部と異常正常判断部と判断結果出力部の内の少なくとも一以上と同じマイコン内に機能集積されている電力瞬低検知装置を提供する。
さらに、第十の発明として、第八の発明を基として、半波長分の積分する際に、第三から第七の発明のいずれか一の交流電圧ゼロクロス検出回路構造体で得られたゼロクロスポイントを用いる電力瞬低検知装置を提供する。
さらに、第八の発明から第十の発明の電力瞬低検知装置に対応したそれぞれの動作方法、同じくそれぞれの動作プログラムも提供する。またそれぞれの動作プログラムは記録媒体に記録されたものであってもよい。
本発明により、高精度に瞬断の起きた期間を検知することができる。高精度に瞬低を検知することができる。交流電圧ゼロクロスポイント検出回路構造体を使用すればより高精度に瞬断の起きた期間を検知できる、またはより高精度に瞬低を検知できる。構成要素を兼用することにより安価に瞬断又は/及び瞬低検知装置を提供することができる。
本発明の実施形態1にかかわる機能ブロック図。 本発明の実施形態1にかかわるフローチャート。 本発明の実施形態1にかかわるハードウェア構成概略図。 本発明の実施形態1の効果を説明する信号波形模式図。 本発明の実施形態2にかかわる機能ブロック図。 本発明の実施形態2のハードウェア構成概略図。 本発明の実施形態3に機能ブロック図。 本発明の実施形態3にかかわるフローチャート。 本発明の実施形態3にかかわるハードウェア構成概略図。 本発明の実施形態4に機能ブロック図。 本発明の実施形態4にかかわるフローチャート。 本発明の実施形態4にかかわるハードウェア構成概略図。 本発明の実施形態5に機能ブロック図。 本発明の実施形態5にかかわるフローチャート。 本発明の実施形態5にかかわるハードウェア構成概略図。 本発明の実施形態5の補正時間長算出を説明する信号波形模式図。 本発明の実施形態1にかかわるマイコンの機能ブロック図。 従来技術の回路構成概略図と回路中の各点の波形模式図 本発明の実施形態8に機能ブロック図。 本発明の実施形態8にかかわるハードウェア構成概略図。 本発明の実施形態8の瞬低検知を説明する信号波形模式図。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施し得る。
なお、以下に記載する各実施形態の機能的構成は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実現することができ、これらについては後述する。また、本明細書に記載の各実施形態は装置として実現できるのみでなく、その一部または全部を動作方法としても実現可能である。また、このような装置の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然に本明細書に記載の各実施形態の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
<実施形態1>
<実施形態1 概要:主に請求項1>瞬断装置:基本
第一の実施形態に関して説明する。第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない時間と、所定の時間長を比較し、所定の比較結果だった時に、その旨を出力する。
<実施形態1 構成>
以下,本発明の実施形態である電力瞬断検知装置について,機能的構成,処理の流れ及び回路構成の順に説明する。
図1は、本実施形態の電力瞬断検知装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。同図に示すように、電力瞬断検知装置(0100)は、交流電源信号取得部(0101)、第一のフォトカプラ(0102)、第二のフォトカプラ(0103)、カウンタ(0104)、比較部(0105)、比較時間長情報保持部(0106)、比較結果出力部(0107)から構成される。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
<実施形態1 交流電源信号取得部(0101)>
「交流電源信号取得部」(0101)は、交流電源信号を取得するように構成される。
本発明での電力瞬断検知装置と、瞬断検知しようとする対象の電源とは、電圧位相がずれないように途中経路の設計に配慮する。
<実施形態1 第一のフォトカプラ(0102)>
「第一のフォトカプラ」(0102)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力しないように構成される。フォトカプラは一般に、発光素子である発光ダイオードと、発光ダイオードの発光を受けてONされるフォトトランジスタなどを一つのパッケージに一体化した素子である。
フォトカプラを用いることで、電流制限抵抗など交流電圧位相へ影響しない構成で電圧を下げた交流電源信号により動作する発光ダイオード部と、ゼロクロスポイント検知のための受光素子であるフォトトランジスタやマイコンなど直流で動作する回路を、交流電源との位相をずらさないようにしたうえで、絶縁して構成できる。
<実施形態1 第二のフォトカプラ(0103)>
「第二のフォトカプラ」(0103)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力せず、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力するように構成される。
本実施例では図1、及び後述する図3において第一のフォトカプラ(0102)と第二のフォトカプラが2個入りフォトカプラとして一体部品として記載されているが、1個ごとの単体の部品を用いて同様の回路構成としてもよい。
<実施形態1 カウンタ(0104)>
「カウンタ」(0104)は、前記交流電源信号の任意の時間的区間である信号幅をカウントするよう構成され、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない間にわたって、その非受光時間長をカウントするように構成される。
カウンタ機能は市販のマイコン内蔵のタイマ/カウンタ機能を使用して構成できる。
<実施形態1 比較時間長情報保持部(0106)>
「比較時間長情報保持部」(0106)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない間にわたって前記カウンタがカウントした値を示す情報である非受光時間長情報と比較すべき、所定時間長を示す情報である比較時間長情報を保持するように構成される。
比較時間長情報としては、対象とする装置に応じた比較時間長情報を保持する。製造工程で情報を設定入力するのではなく、比較時間長情報入力部をさらに設けて、装置の設置場所にて比較時間長情報を決定し、情報を入力し保持するようにしてもよい。
<実施形態1 比較部(0105)>
「比較部」(0105)は、前記非受光時間長情報と、前記比較時間長情報とを比較するように構成される。
カウンタ(0104)の機能を内含した市販マイコンチップを使用すると、簡易に機能を得ることができる。
例えばMicrochip Technology社製マイコンチップPIC16F1シリーズなどである。外部信号を入力信号としてのパルス幅又はHigh-Low1周期分の時間をカウントする機能などを有する。カウントする機能は例えば前記PIC16F1シリーズのある機種では、システム周波数が32MHzの時、1命令の実行に4サイクル必要なためにタイマカウントの周波数は32MHz/4=8MHzとなる。交流電源電圧信号50Hzの1周期時間は20msecであり、前記8MHzで計測すると1周期160000カウントとなり、16ビットメモリ領域を使用するカウンタでは上限65536を超えてしまい測れない。そのためプリスケーラ機能(1,4,8分周から選択)で4分周すると、40000カウントとなり、16ビットカウンタでも計測できるようになる。
また、東日本での一般商用交流単相100V電源(50Hz)において、フォトカプラのON/OFF閾値電圧約0.8Vと0Vの間の時間は、交流電圧波形が理想正弦波とした場合、約25μ秒である。前記8MHzのカウンタで計測すると約200カウント、4分周しても約50カウントとなり十分に計測できる。以下本明細書中で、カウンタで計測した「時間」、「時間長」、「時間差」、「タイミング」などは時間の単位でなくとも、カウンタのカウント数単位又はカウント数から派生したカウント数情報であってもよく、読み替えることができる。
<実施形態1 比較結果出力部(0107)>
「比較結果出力部」(0107)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力するように構成される。
出力部から、正常状態ではH電位が出力され、異常時(瞬断検知時)には回路OFFの時と同じL電位もしくはオープン状態の電位となるほうが好ましい。これは、万一瞬断検知装置自体に何らかの故障が生じた場合、または瞬断検知装置の出力から出力結果を受ける装置(非常電源の切り替え装置など)までの間の回線が断線するなどの事態となった時でも、異常として瞬断時と同じ対応をとることができるようにするためである。瞬断検知時にH電位となるように構成すると、途中回線が断線していた場合などの故障時には瞬断検知信号が届かず、電源切替装置が作動せずに、人工心肺装置など人命にかかわるような装置が停止に至る可能性がある。
<実施形態1 処理の流れ>
図2は、実施形態1の電力瞬断検知装置の動作フローチャート図である。この図で示すように実施形態の電力瞬断検知装置の動作方法では、比較時間長情報保持ステップ(S0201)と、比較ステップ(S0202)と、比較結果出力ステップ(S0203)と、を有する。以下,各ステップについて説明する。
交流電源信号を取得する交流電源信号取得部と、
取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力しない第一のフォトカプラと、
取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力せず、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力するする第二のフォトカプラと、
前記交流電源信号の信号幅をカウントするためのカウンタと、
からなる電力瞬断検知装置において、
比較時間長情報保持ステップ(S0201)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、前記カウンタで非受光時間長と比較すべき比較時間長情報を示す情報を保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップ(S0202)は、交流電源信号を取得する処理を行い、
比較ステップ(S0203)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき比較時間長情報とを比較する処理を行い、
比較結果出力ステップ(S0204)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する処理を行う。
このような一連の処理を電力瞬断検知装置に実行させる動作方法である。
<実施形態1 ハードウェア構成>
本実施形態における電力瞬断検知装置のハードウェア構成について,図を用いて説明する。図3は、実施形態1の電力瞬断検知装置(0300)の回路構成を説明するための概略図である。交流電源(0301)、電流制限抵抗(0302)、2回路入りフォトカプラ(0303)、マイコン(0304)、カウンタ(0305)、ゼロクロス計測用演算(0306)、比較判定(0307)、比較時間長情報保持(0308)、ゼロクロス検出出力(0309)、比較結果出力(0310)などから構成される。
マイコンは一般市販のものを使用するが、本例では前述のPIC16F1シリーズのようにカウンタを内蔵し、パルス生成機能をもった製品の使用を想定している。図17を用いて、マイコンの構成を説明する。マイコン(1700)は、制御回路(1701)、演算回路(1702)、一時記憶に用いるRAMからなるレジスタ(1703)、データを記憶するRAMからなるデータメモリ(1704)、マイコンの各種動作実行のためのクロック発信器(1705)、種種のプログラムを格納する不揮発メモリからなるプログラムメモリ(1706)、各種ポートを制御するポート制御(1707)、マイコンに内蔵された前記クロック発信器(1705)や外付け水晶発振器などのパルスを基にするタイマや、外部入力をトリガにカウントを開始するカウンタ機能を有するカウンタ/タイマ(1708)、外部との通信を行うシリアル通信(1709)、A-D/D-Aコンバータ(1710)などから構成される。
別個のPC上のプログラム開発用ソフトウェアで、C言語などの上級言語やアセンブラなどで記述されたプログラムは、専用の治具を用いて、マイコンに書き込みを行う。書き込まれるプログラムはマイコン内のプログラムメモリ(1706)に格納される。プログラムメモリ(1706)はEEPROMやフラッシュメモリなど、電源供給されなくても記録を保持し、書き換え可能な種類のメモリが使われる。プログラムとしては、フォトカプラから出力される受光信号の取得開始又は取得停止タイミングをトリガとしてカウンタ/タイマ(1708)に取り込みカウンタを動作するプログラム、第一のフォトカプラと第二のフォトカプラの両方から受光信号が得られない非受光時間長を所定時間と比較するプログラム、前記比較結果が所定の比較結果である場合に出力するプログラムなどが格納される。
比較時間長情報(時間単位やクロックのカウント数、又は自然数倍などでもよい)の一例としての比較時間長を使用しカウンタ/タイマ(1709)について説明する。カウンタ/タイマ(1708)は、フォトカプラから出力される受光信号の取得開始または取得停止のタイミングを感知して、トリガとしてカウントを取得する。基準クロック又はその分周クロック信号を取得し、対応するレジスタをカウントアップしていく。カウントアップ中に比較時間長に達したか否かを比較プログラムが比較し、比較時間長に達した場合は、その旨を出力する。比較時間長に達する前に再度受光信号の取得または取得停止を検知したら、カウントを取得するといった動作を行う。正常動作であれば、第一のフォトカプラと第二のフォトカプラの両方から受光信号取得できない非受光時間長は100μ秒に満たない。比較時間長として例えば3m秒(前記8MHzカウンタ使用時では、24000カウント)を設定していた場合、正常時は非受光時間長を比較時間長と比較しても、比較時間長に達しておらず、瞬断とは判断されない。瞬断が発生した場合は、非受光時間長が比較時間長(例えば3m秒)と比較して、比較時間長に達する又は超えた場合、比較時間長と比較し瞬断と判断し、瞬断という検知情報を出力する。
カウンタとパルス生成機能などをマイコン外の部品としても本発明の趣旨には反しない。1個のマイコン内に集積されていたほうが、安価に、小型化でき、利便性が増すため好ましい。
瞬断の検出に関し、本実施形態の構成例の一つである図3の回路中のa、b、c点での波形を示した図4を用いて説明する。一番上のa点の信号波形では正常時の波形を点線で示す。実線は瞬断発生時の波形を模式的に示したものである。瞬断期間tを示した矢印の部分は、瞬断となって電圧0Vとなった期間である。
一般的にPCなどに用いられるCPUではRESET回路という回路を設け、そのDC電源が瞬断により電圧が下がったことを検知して瞬断や瞬低に備える処置をする。しかしRESET回路の瞬断検知では遅く、問題が良く発生する。そのためRESET回路以外に、もっと早く瞬断を検知できる方法が必要となる。PC等電子機器や電気機器では、停電となっても、装置内部構成回路の電気容量などから放出される給電により、停電時に直ちに全回路電圧0Vにはならず、おおよそ数十m秒から100m秒位かけて電圧低下する。CPU動作に必要な電圧を下回る前に、データ退避等の停電に備える処置をするために交流信号半周期程度(50Hz時では10m秒)での瞬断検知が必要となる。半導体製造ラインの露光機用ランプなども20%以上の電圧低下が50から100m秒ほど続くと消灯し、再点灯させて安定化するまで長時間を要する。特に生産ライン用のランプは一定の照度を保てなければ加工精度も安定せず良品製造ができない。そのため10m秒程度での判断が必要である。また病院などでの交流電源切替器(トラブル発生した電源から正常な電源へ切り替える装置)などでは、切り替え後の電源起動と安定化のために、もっと早く検知して4m秒以下位で信号を出すのが良いとされている。そのため3m秒程度での瞬断検知も必要となる。この2種類の時間が、瞬断検知の対象となりうるものの例である。
図3の回路構成では、図4でのb点については、第一のフォトカプラは交流電源電圧信号が正の時ONして受光信号を出力しL電位となり、c点については第二のフォトカプラは交流電源電圧信号が正の時はOFFとなり受光信号として出力せずにH電位となる。
図4のa点の信号のように、最初の正の山の途中で瞬断となり、負の山の途中で復帰した場合、瞬断期間tの開始点では、第一のフォトカプラはON状態が、電圧降下により閾値電圧を下回った時点でOFFとなり、出力信号が出力されなくなりL電位からH電位へ変わる。第二のフォトカプラは瞬断発生時点では交流電源電位が正だったため、もともとOFF状態で受光信号は出力せず、c点はH電位であり、瞬断で電圧が0Vとなっても閾値電圧を越さないためOFF状態が継続し、c点はH電位のままとなる。そのため瞬断期間は第一のフォトカプラ及び第二のフォトカプラの両方から受光信号が出力されずに、b点c点がともにH電位となる。瞬断期間が、交流電源電圧信号(図4のa点信号)の負の期間の最後の方で終了すると、第二のフォトカプラがONし受光信号が出力されc点はL電位となるが、短時間で交流電源電圧信号が負から正に変わり第二のフォトカプラがOFFとなって受光信号が出力されなくなりc点はH電位となる。
図4での瞬断期間終了直後の第一のフォトカプラは、交流電源電圧信号が負のためOFFであり、受光信号は出力されずb点はH電位のまま変わらない。なお第一及び第二のフォトカプラがONした時に出力される受光信号によって、対応するb点c点の電位をL電位ではなくH電位となるように構成することもできる。その場合は図18に示す従来技術のようにトランジスタなどがフォトカプラにつき一つずつは余分に必要となる。
正常時は第一タイミングと第二タイミングの差、又は第三タイミングと第四タイミングの差のように約50μ秒から100μ秒程度の期間のみ、第一のフォトカプラと第二のフォトカプラが両方ともH電位となる。そのため、2つのフォトカプラの出力信号がH電位である期間をマイコンのカウンタで計測した結果を、所定時間、例えば上述した3m秒又は10m秒を基準として用い判断する。所定時間に達したか又は超えていたら瞬断と判断し、瞬断検知信号を出力する。図4の最下段に瞬断検出出力信号の例を示す。両フォトカプラが受光信号を出力しない期間が、回路がOFFの時のOFF電位(L電位をOFF電位としておくのが好ましい)として出力されている。瞬断以外の原因による故障でも瞬断時と同様の処置がとれるようにするためである。市販マイコンとして例えば上述のPIC16F1シリーズなどを用いれば、カウンタ機能が内蔵されており簡易に構成できる。
全波整流器と1個のフォトカプラを用いたゼロクロスポイント検出方法では、整流後の理想ではない波形により瞬断期間開始となりうるゼロクロスポイントの検出がずれる懸念があるが、整流しない交流電源電圧波形を基に2個のフォトカプラを用いて各々が正負、負正の変化を検出することにより、高精度にゼロクロスポイントを算出できる。電圧0Vとなった開始点と終点の時刻が得られるため、加熱用ランプなどに対しては与えることができなかった熱量などを算出して瞬断回復後に補填するよう制御することもできる。
<実施形態2:主に請求項2>複数の比較時間長情報をもつ
<実施形態2 概要>
実施形態2に関して説明する。比較時間長情報保持部に複数の比較時間長情報を保持することを特徴とする。
<実施形態2 構成>
以下,本発明の実施形態である電力瞬断検知装置について,機能的構成,処理の流れ及び回路構成の順に説明する。
図5は実施形態1を基とした実施形態2の機能ブロック図である。比較時間長情報保持部(0506)に複数の比較時間長情報を保持するように構成される。比較時間長情報保持部(0506)以外は実施形態1と同様の為、説明を省略する。
<実施形態2 比較時間長情報保持部(0506)>
「比較時間長情報保持部」(0506)は比較時間長情報として複数の比較時間長情報を示す情報を保持するように構成される。
複数の比較時間長情報としては例えば、上述したように、非常電源等への切り替えに必要な3m秒、またはPC等のCPUなどのデータ退避に必要な10m秒の2種の比較時間長情報などがあるが、保持する比較時間長情報の種別(数)は2つには限定されず、装置構成、目的によって増やしてもよい。比較部(0505)では得られた非受光時間長を複数の比較時間長情報(例えば比較時間長情報1、比較時間長情報2、、、とする)と比較し、所定の比較結果(例えば比較時間長情報に達する又は超えた)であった場合、その旨を出力する。図5では比較部(0505)は一つとして表記しているが、保持する複数の比較時間長情報数に応じて比較部1、比較部2といったように複数の比較部を設けてもよい。さらに保持する複数の比較時間長情報数に対応する比較結果出力部を比較結果出力部1、比較結果出力部2などのように、複数設けてもよい。比較部一つがそれぞれ一つの比較時間長情報の比較をしてもよいし、比較部一つが複数の比較時間長情報を比較してもよく、その組み合わせでもよい。
<実施形態2 処理の流れ>
実施形態2の処理の流れは、実施形態1を基に図2の電力瞬断検知装置の動作フローチャート図を流用して説明する。相違点は比較時間長情報保持ステップが複数の比較時間長情報の情報を保持し、比較部が複数の比較時間長情報と非受光時間長を比較する処理を行う点である。
交流電源信号を取得する交流電源信号取得部と、
取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力しない第一のフォトカプラと、
取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力せず、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力するする第二のフォトカプラと、
前記交流電源信号の信号幅をカウントするためのカウンタと、
からなる電力瞬断検知装置において、
比較時間長情報保持ステップ(S0201)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、前記カウンタで非受光時間長と比較すべき比較時間長情報を示す情報を複数保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップ(S0202)は、交流電源信号を取得する処理を行い、
比較ステップ(S0203)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき複数の比較時間長情報とを比較する処理を行い、
比較結果出力ステップ(S0204)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する処理を行う。
このような一連の処理を電力瞬断検知装置に実行させる動作方法である。
<実施形態2 ハードウェア構成>
本実施形態における電力瞬断検知装置のハードウェア構成について,図を用いて説明する。図6は、実施形態2の電力瞬断検知装置(0600)の回路構成を説明するための概略図である。交流電源(0601)、電流制限抵抗(0602)、2回路入りフォトカプラ(0603)、マイコン(0604)、カウンタ(0605)、比較時間長情報保持(0606)、比較判定1(0607)、比較結果出力1(0608)、比較判定2(0609)、比較結果出力2(0610)などから構成される。
比較時間長情報保持(0606)に複数の比較時間長情報を保持すること、保持する比較時間長情報数に応じて比較判定1(0607)、比較判定2(0609)、比較結果出力1(0608)、比較結果出力2(0610)が設けられていることが差異である。比較判定1,2および比較結果出力1,2が対応する比較時間長情報に対して専用として機能する以外は実施形態1と同様である。使用する市販マイコンによっては、保持する比較時間長情報は2つ以上であってもよい。
また、複数の比較時間長情報を保持し、1つの「比較判定」で複数の比較時間長情報のどれに対して所定の比較結果となるか判定し、所定の比較結果である場合には一つの「比較結果出力」からその旨を出力してもよい。例えば、比較時間長情報が3m秒と10m秒である場合、取得した非受光時間長が、比較時間長情報のいずれかに達するか又は超えたかを比較判定し、例えば3m秒を超えた場合はDC-5V出力、10m秒を超えた場合はDC+5V出力、それ例外はDC0V出力とするなどである。出力端子を2つに分けて出力してもよい。また一つの比較部を設けて複数の比較結果出力を設け、複数の出力端子から出力するようにしてもよい。所定の時間長を複数保持し、応じて比較結果を出せればよいので、比較部や比較結果出力部の構成は図6の構成に限定されない。瞬断検知時の出力電圧値も上記値には限定されない。瞬断検知時にDC0Vを出力する形式でもよい。
複数の所定時間を保持することで、1台の電力瞬断検知装置で複数の瞬断時間長を判断できる。
<実施形態3:主に請求項3>ゼロクロス検出回路構造体を有する
<実施形態3 概要>
実施形態3に関して説明する。実施形態1又は実施形態2を基として、交流電圧ゼロクロス検出回路構造体をさらに備えることを特徴とする。前記交流電圧ゼロクロス検出回路構造体を備えることにより、ゼロクロスポイント(電圧0V)を精度よく得ることができとらえることができ、瞬断の起点と終点をより正確に得ることができる。すなわち瞬断期間を正確に得られる。加熱用ランプなどについては瞬断期間に供給予定だったエネルギーなどを別途算出し補填するなどができるようになる。
<実施形態3 構成>
以下,本発明の実施形態である電力瞬断検知装置について,機能的構成,処理の流れ及び回路構成の順に説明する。
図7は、本実施形態の電力瞬断検知装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。同図に示すように、電力瞬断検知装置(0700)は、交流電源信号取得部(0701)、第一のフォトカプラ(0702)、第二のフォトカプラ(0703)、時間差取得部(0709)、ゼロクロスタイミング取得部(0710)から構成される交流電圧ゼロクロス検出回路構造体(0708)と、カウンタ(0704)、比較部(0705)、比較時間長情報保持部(0706)、比較結果出力部(0707)から構成される。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
<実施形態3 交流電源信号取得部(0701)>
「交流電源信号取得部」(0701)は、交流電源信号を取得するように構成される。
<実施形態3 第一のフォトカプラ(0702)>
「第一のフォトカプラ」(0702)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力するように構成される。フォトカプラは一般に、発光素子である発光ダイオードと、発光ダイオードの発光を受けてONされるフォトトランジスタなどを一つのパッケージに一体化した素子である。
フォトカプラを用いることで、電流制限抵抗など交流電圧位相へ影響しない構成で電圧を下げた交流電源信号により動作する発光ダイオード部と、ゼロクロスポイント検知のための受光素子であるフォトトランジスタやマイコンなど直流で動作する回路を、交流電源との位相をずらさないようにしたうえで、絶縁して構成できる。
<実施形態3 第二のフォトカプラ(0703)>
「第二のフォトカプラ」(0703)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力するように構成される。
本実施例では後述する図10において第一のフォトカプラ(1003a)と第二のフォトカプラ(1003b)が2回路入りフォトカプラ(1003)として一体部品として記載されているが、1個ごとの単体の部品を用いて同様の回路構成としてもよい。
<実施形態3 時間差取得部(0709)>
「時間差取得部」(0709)は、「交流電源信号が負正反転する同一のタイミング領域で、第二のフォトカプラの信号がLからHに切り替わる第一タイミングと第一のフォトカプラの信号がHからLに切り替わる第二タイミングと、の時間差」、又は/及び、「交流電源信号が正負反転する同一のタイミング領域で、第二のフォトカプラの信号がHからLに切り替わる第三タイミングと第一のフォトカプラの信号がLからHに切り替わる第四タイミングと、の時間差」、を取得するように構成される。後述の図10の回路構成概略図に記載あるように、カウンタ機能を内含した市販マイコンチップ(例えばMicrochip Technology社製マイコンチップPIC16F1シリーズなど)を使用すると、簡易に機能を得ることができる。
交流電源信号が正負反転する際には、第一のフォトカプラの信号がLからHに替わるパルスの立ち上がりである第四タイミングをトリガとしてマイコンのカウンタが検出しカウントを開始する。遅れて第二のフォトカプラがHからLに替わるパルスの立ち下がりである第三タイミングをマイコンのカウンタが検出したところでパルス幅のカウントを停止する。時間差取得部(0709)は、この第三タイミングと第四タイミングの間のカウント数を得る。
逆に交流電源信号が負正反転する場合は、第二のフォトカプラの信号がLからHに替わるパルスの立ち上がりである第一タイミングをトリガとしてマイコンのカウンタが検出しカウントを開始し、第一のフォトカプラの信号がHからLに替わるパルスの立ち下りである第二タイミングをマイコンのカウンタが検出したところでパルス幅のカウントを停止する。時間差取得部(0709)は、この第一タイミングと第二タイミングの間のカウント数を得る。
時間差取得部(0709)は、カウンタがカウントする際のカウンタクロック周波数と分周値と、得たカウント数から時間に直して、ゼロクロスタイミング取得部(0710)へ伝達してもよいし、カウント数として伝達してもよい。カウント数のまま伝達したほうが乗算とメモリ収納の処理時間を省略できる。以下本明細書中で、カウンタで計測した「時間」、「時間差」、「タイミング」などは時間の単位でなくとも、カウンタのカウント数単位であってもよく、読み替えることができる。
<実施形態3 ゼロクロスタイミング取得部(0710)>
「ゼロクロスタイミング取得部」(0710)は、取得した時間差情報の二分の一の時間長である補正時間長を用いて交流電源信号の電圧0のタイミングを取得するように構成される。時間差取得部で得られた第一のフォトカプラと第二のフォトカプラのパルスの立ち上がり立ち下りタイミング差である時間差情報を1/2倍し、次の交流電源信号の半周期のゼロクロスポイントの補正に用いる。後述する実施形態でのように、交流電源信号が正負反転する特は、第一のフォトカプラの信号がLからHに替わる第四タイミングに対して、前記の時間差の1/2を加えて、ゼロクロスパルスを補正し出力する。ゼロクロスポイントが、電力需要変動による電源周波数のばらつき等の原因によりずれた場合でも、半周期先に補正を反映できる。
なお、フォトカプラには、内蔵する発光ダイオードの動作閾値電圧および受光するフォトトランジスタの動作閾値電圧に起因して、電圧を0Vから印加してもすぐには受光信号出力開始せず、製品に拠るが約0.8Vに達したところで受光信号を出力し始める。そのため第一のフォトカプラと第二のフォトカプラは交流電圧が0Vから増減開始しても受光信号を開始するまでのON遅延時間を有する。第一のフォトカプラと第二のフォトカプラを単体の組合せで構成した場合は特に、両フォトカプラのON遅延時間が異なる場合がある。両フォトカプラのON遅延時間を装置の使用前に測定し、取得した2つのフォトカプラのON遅延時間長の比(例えばm:n又は1:kなどの比)を示す情報であるフォトカプラON遅延時間比情報を保持するフォトカプラON遅延時間比情報保持部を設け、前記取得した時間長を前記フォトカプラON遅延時間比情報に基づいて分配して補正時間長を求めるようにしてもよい。実施形態3以降の本明細書中の記載において取得した時間長に1/2をかける場合、m:nなどの比に分配すると読み替えることができる。
ゼロクロスパルスの出力の仕方は使用するマイコンの仕様にもよるが、例えば上述のように、第三タイミングと第四タイミング間の時間差または第一タイミングと第二タイミングとの時間差のみをカウンタで計測し、カウンタ値を1/2倍した補正時間長を保持する。交流電源電圧信号のおおよそ半波長分先で第一タイミング又は第四タイミング時のフォトカプラ出力の信号変化をトリガとして、保持した補正時間長相当のカウント値進んだところでゼロクロスパルス信号電位を変化させる方法がある。また、装置起動後又は装置起動後の適当なタイミングで基準タイマカウント値の監視開始し、フォトカプラ出力の変化点(第一から第四タイミング)のカウント値を記録し、その差分を1/2倍して補正時間長を得る。交流電源電圧信号のおおよそ半波長分先で第一タイミング又は第四タイミング時のフォトカプラ出力の信号変化をトリガとして、保持した補正時間長相当のカウント値進んだところでゼロクロスパルス信号電位を変化させる方法などもある。検出開始時に交流電源信号が正であればDC正の所定電圧(例えば+3Vなど)を出力開始し、ゼロクロスタイミング取得部が取得した時間差情報の二分の一の時間長である補正時間長を用いて、半周期後に補正に用いる場合、所定のタイミングで出力中の所定DC電圧を正(H電位)から0V(L電位)にしたりすることで、ゼロクロスクロス検出を出力したりすることができる。また所定のタイミングで短い幅の矩形パルスを、パルスの立ち上がりがゼロクロスポイントになるように出力するなどの方法もあるが、本明細書中では、所定タイミングでゼロクロスパルスの電位を切り替える手法で説明する。
<実施形態3 カウンタ(0704)>
「カウンタ」(0704)は、前記交流電源信号の信号幅をカウントするよう構成され、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、その非受光時間長をカウントするように構成される。正常状態では第一のフォトカプラと第二のフォトカプラがセロクロスポイントを挟んでON、OFFが入れ替わるが、両方ともOFFとなって受光信号を取得されない期間をカウンタ(0704)にてカウントする。
<実施形態3 比較部(0705)>
「比較部」(0705)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき比較時間長情報とを比較するよう構成される。実施形態1又は実施形態2と同様の為説明は省略するが、比較時間長情報保持部(0706)が保持する比較されるべき比較時間長情報を、比較部(0705)は参照し、カウンタ(0704)が計測した非受光時間長と比較する。例えば、比較時間長情報に達するか又は超えるかを判断する。
比較結果出力部(0707)は実施形態1又は実施形態2と同様のため、説明を省略する。
<実施形態3 処理の流れ>
<実施形態3 処理の流れ>
図8は、実施形態3の電力瞬断検知装置の動作フローチャート図である。この図で示すように実施形態3の電力瞬断検知装置の動作方法では、比較時間長情報保持ステップ(S0801)と、交流電源信号取得ステップ(S0802)と、第四タイミング取得ステップ(S0803a)と、第三タイミング取得ステップ(S0803b)と、第一タイミング取得ステップ(S0803c)と、第二タイミング取得ステップ(S0803d)と、時間差取得ステップ(S0804)と、ゼロクロスタイミング取得ステップ(S0805)と、比較ステップ(S0806)と、比較結果出力ステップ(S0807)を有する。以下,各ステップについて説明する。
ここで、交流電源波形が正から負に変化するタイミングにおいては、
比較時間長情報保持ステップ(S0801)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、前記カウンタでカウントした非受光時間長を示す情報と比較すべき、比較時間長情報を示す情報とを保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップ(S0802)は交流電源信号を取得する処理を行い、
第四タイミング取得ステップ(S0803a)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力する第一のフォトカプラから、交流電源波形が正から負に変化するタイミングであって後記するタイミングと同じタイミングであって、信号がLからHに立ち上がるタイミングである第四タイミングを取得する処理を行い、
第三タイミング取得ステップ(S0803b)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力する第二のフォトカプラから交流電源波形が正から負に変化する際に信号がHからLに立ち下がるタイミングであって前記したタイミングと同じタイミングである第三タイミングを取得する処理を行い、
時間差取得ステップ(S0804)は、第四タイミングと、第三タイミングとの時間差を示す情報である時間差情報を取得する処理を行い、
ゼロクロスタイミング取得ステップ(S0805)は、この時間差情報と、第三タイミングと第四タイミングよりも後続する任意の第三タイミング又は任意の第四タイミングと、を用いて前記交流電源のゼロクロスタイミングを取得する処理を行い、
比較ステップ(S0806)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき比較時間長情報とを比較する処理を行い、
比較結果出力ステップ(S0807)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する処理を行う。
ここで、交流電源波形が負から正に変化するタイミングにおいては、
比較時間長情報保持ステップ(S0801)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、前記カウンタでカウントした非受光時間長を示す情報と比較すべき、比較時間長情報を示す情報とを保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップ(S0802)は、交流電源信号を取得する処理を行い、
第一タイミング取得ステップ(S0803c)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力する第二のフォトカプラから、交流電源波形が負から正に変化するタイミングであって後記するタイミングと同じタイミングであって、信号がLからHに立ち上がるタイミングである第一タイミングを取得する処理を行い、
第二タイミング取得ステップ(S0803d)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力する第一のフォトカプラから、交流電源波形が負から正に変化する際に、信号がHからLに立ち下がるタイミングであって前記したタイミングと同じタイミングである第二タイミングを取得する処理を行い、
時間差取得ステップ(S0804)では、第一タイミングと、第二タイミングとの時間差を示す情報である時間差情報をも取得する処理を行い、
ゼロクロスタイミング取得ステップ(S0805)では、この時間差情報と、第一タイミングと第二タイミングよりも後続する任意の第一タイミング又は任意の第二タイミングと、を用いて前記交流電源のゼロクロスタイミングを取得する処理を行い、
比較ステップ(S0806)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき比較時間長情報とを比較する処理を行い、
比較結果出力ステップ(S0807)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する処理を行う。
時間差取得ステップ(S0804)後に、得られた時間差情報が正常な範囲内の値か、あきらかに異常とみなせるような値、例えば半波長相当分など、の時には、異常と判断し算出した時間差情報を用いないように構成することもできる。その場合は、前回算出し得られた時間差情報を再度使用したり、予め算出しておいた理想値を暫定補正長として使用したりすることができる。
このような一連の処理を電力瞬断検知装置に実行させる動作方法である。
<実施形態3 ハードウェア構成>
本実施形態における電力瞬断検知装置のハードウェア構成について,図を用いて説明する。図9は、実施形態3の電力瞬断検知装置(0900)の回路構成を説明するための概略図である。交流電源(0901)、電流制限抵抗(0902)、2回路入りフォトカプラ(0903)、マイコン(0904)、カウンタ(0905)、比較時間長情報保持(0906)、比較判定1(0907)、比較結果出力1(0908)、比較判定2(0909)、比較結果出力2(0910)、ゼロクロス計測用演算(0911)、ゼロクロス検出出力(0912)などから構成される。
交流電源(0901)からゼロクロスポイントを検出するために信号を得るが、検出したゼロクロスポイントをもとに交流電源(0901)からの電源の瞬断を判断する。検出に用いたゼロクロスポイント計測用交流電源信号と、比較結果出力1,2との位相がずれないように回路系を構成するのが好ましい。万一所定時間情報よりも遅れて比較結果出力すると瞬断検知が有効とならないためである。
2回路入りフォトカプラ(0903)については、1回路ごとのフォトカプラを使用して構成してもよい。
マイコンは一般市販のものを使用するが、前述のPIC16F1シリーズのようにカウンタを内蔵し、パルス生成機能をもった製品の仕様を想定している。図17を用いて、マイコンの構成を説明する。マイコン(1700)は、制御回路(1701)、演算回路(1702)、一時記憶に用いるRAMからなるレジスタ(1703)、データを記憶するRAMからなるデータメモリ(1704)、マイコンの各種動作実行のためのクロック発信器(1705)、種種のプログラムを格納する不揮発メモリからなるプログラムメモリ(1706)、各種ポートを制御するポート制御(1707)、内蔵クロックや外付け水晶発振器などのパルスを基にするタイマや、外部入力をトリガにカウントを開始するカウンタ機能を有するカウンタ/タイマ(1708)、外部との通信を行うシリアル通信(1709)、A-D/D-Aコンバータ(1710)などから構成される。
別個のPC上のプログラム開発用ソフトウェアで、C言語などの上級言語やアセンブラなどで記述されたプログラムは、専用の治具を用いて、マイコンに書き込みを行う。書き込まれるプログラムはマイコン内のプログラムメモリ(1706)に格納される。プログラムメモリ(1706)はEEPROMやフラッシュメモリなど、電源供給されなくても記録を保持し、書き換え可能な種類のメモリが使われる。プログラムとしては、ゼロクロス検出のための、フォトカプラの出力信号の立ち上がり立ち下りタイミングをトリガとしてカウンタ/タイマ(1708)に取り込みカウンタを動作するプログラム、得られた時間差情報であるカウント数をもとにゼロクロスパルスを生成するプログラムなどが格納される。
フォトカプラの出力信号をカウンタ/タイマ(1708)に入力し、立ち上がり又は立ち下りのタイミングを感知しトリガとして、カウントを開始する。基準クロックのパルス数をカウントし、対応するレジスタをカウントアップしていく。再度立ち上がり又は立ち下がりを検知したら、カウントを中止する。得られたカウント数に対し演算部が1/2をかけ、結果をデータメモリに格納する。1/2かける前のカウント数をメモリ内に保持されている比較時間長情報(例えば3m秒または3m秒相当のカウント数)と比較し、比較時間長情報に達する又は超えた場合、比較時間長情報と比較し瞬断と判断し、瞬断という検知情報を出力する。
カウンタとパルス生成機能などをマイコン外の部品としても本発明の趣旨には反しない。1個のマイコン内に集積されていたほうが、安価に、小型化でき、利便性が増すため好ましい。
図4を用いてゼロクロスポイントの求め方を説明する。図4のa、b、cは、図9の構成の回路中のa、b、cでの信号波形も示す。横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表す。一番上のaは図9のa点すなわち交流電源(0901)での正弦波である電源信号電圧波形を示す。電力瞬断検知装置(0900)が瞬断検知しようとしている対象機器へ供給される交流電源と同じ位相を持つように分岐して得た電圧信号を表すa点が正側の時、2回路入りフォトカプラ(0903)内の第一のフォトカプラ(0903a)に電流が流れ発光ダイオードが点灯し始める。図4の一番上の正弦波波形のうち右側の上に凸の部分に着目すると、図中のゼロクロス(電圧0Vと電圧信号の交叉部)を挟むように配した水平の直線は、第一のフォトカプラ及び第二のフォトカプラのON/OFF閾値電圧を表す。電源信号(a点)が正の期間は第一のフォトカプラ(0903a)内の発光ダイオードが点灯しフォトトランジスタが受光してONし、b点がフォトトランジスタを介して回路の0Vとつながるため、L電位となる。逆に電源信号(a点)が負側となると第一のフォトカプラ(0903a)内の発光ダイオードが点灯しなくなり、フォトトランジスタがOFFするため、b点は抵抗Rを介して直流の正電位であるVcc電位(H電位)が供給されH電位となる。電源信号(a点)が負側の場合、第二のフォトカプラ(0903b)の発光ダイオードが点灯し、フォトトランジスタがONするため、今度はc点がH電位からL電位に替わる。なお両フォトカプラがONした際にb点c点の電位がL電位ではなくH電位になるように回路を構成することもできるが、文献1の技術である図14に示すようにトランジスタなどの部品点数が増える。
電源の交流波形の正負によって第一のフォトカプラ(0903a)と第二のフォトカプラ(0903b)が交互にONし、b点とc点の電位が矩形波状に変化する。前述した第一のフォトカプラ出力、第二のフォトカプラ出力のH電位とL電位との間の切り替わりタイミングである、第一タイミングから第四タイミングを図4に図示している。カウンタ(0905)により、2つの矩形波状のパルスの立ち上がりと立ち下りとの間「第一タイミング-第二タイミング」又は「第四タイミング-第三タイミング」を計測し、タイミング時間差算出を行う。
発光ダイオードがONする閾値電圧、及びフォトトランジスタがONする閾値電圧により、電源信号が負から正、正から負へ切り替わるときに、正しく電圧0VでON/OFFしない。そのため、電源電圧が0Vになる点付近のb点とc点でのパルス波形を比べると、立ち上がり立ち下りに時間差が生じる。時間差、はカウンタでのカウント値の形式であってもよい。以下本明細書中で、カウンタで計測した「時間」、「時間差」、「タイミング」、「時間長」などは時間の単位でなくとも、カウンタのカウント数単位又は、カウント数単位から派生した情報(例えばカウント数の整数倍)などであってもよく、読み替えることができる。カウント数単位又はカウント数から派生した情報の場合に1/2倍する等の処理時に割り切れない場合は、端数を切り上げる又は切り捨てるどちらを採用してもよい。割り切れない場合にどう処理するかあらかじめ定めておくのが好ましい。
得られた時間差をゼロクロス計測用演算(0911)にて1/2をかけた値を用いて、半波長分先のゼロクロスパルスの立ち上がり立ち下りタイミングへ補正をかけ、ゼロクロス検出出力(0912)で出力する。
半波長分先のゼロクロスポイントに補正をかけるとは、例えば電源信号波形が負から正に替わるときに時間差の1/2の値を求め、次に正から負へ替わる半波長分先のゼロクロスポイントの補正に用いることができる、ということである。
また、算出した時間差の1/2の値を蓄積保持し、算出したばかりの値が明らかに異常な値(例えば、半波長分の時間差など)を示す場合には、補正に用いず暫定補正時間長としてあらかじめ設定した値や、前回の値を用いるなど、異常な値を示した時間差の1/2の値を用いない処理をするように構成できる。
交流電源電圧ゼロクロス検出回路構造体を備え、ゼロクロス検出出力(0912)から外部のスイッチ部などへ出力することができる。サイリスタや光MOS-FETリレーなどのスイッチング素子からなるスイッチ部のON/OFFタイミングを、ゼロクロスパルス信号を用いてコントロールすることができる。ゼロクロスポイント(ゼロクロスパルスの立ち上がり又は立ち下り)でスイッチ部をON/OFF作動させることで、出力に対しノイズ発生や突入電流の発生を抑えることができ、かつ位相制御による出力調整において制御の起点をより正確にすることができる。
ゼロクロスポイントをより正確に算出できるとともに、瞬断検知に加え、ゼロクロス検出出力を出力することができる。
<実施形態4:主に請求項4>2つのフォトカプラの特性が略平等
<実施形態4 概要>
実施形態4に関して説明する。実施形態3を基礎として、第一のフォトカプラと、第二のフォトカプラとはON遅延時間長が略平等であるように構成されている。
<実施形態4 構成>
以下,本発明の実施形態である電力瞬断検知装置について,実施形態3を基礎として、機能的構成,処理の流れ及び回路構成の順に説明する。第一のフォトカプラと、第二のフォトカプラ以外は、他の実施形態と同様の為、第一のフォトカプラと、第二のフォトカプラについてのみ説明する。
フォトカプラを構成する発光ダイオードの発光までの閾値電圧、受光素子であるフォトダイオードのONするための閾値電圧のために、0Vから動作閾値電圧に達するまでの時間差により、ゼロクロスポイントからフォトカプラがONし受光信号出力するまでに遅延時間が生じる。逆に動作閾値を超えた電圧から徐々に0Vに向かって電圧が降下していく際には、0V(ゼロクロスポイント)の手前の閾値電圧に達した時にフォトカプラがオフするため、ゼロクロスポイントより前倒しでフォトカプラはONからOFFへ切り替わる。これらのON遅延時間長が2つのフォトカプラ間で略平等であることを実施形態4では特徴とする。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
図7を用いて本実施形態の機能的構成について説明する。
<実施形態4 第一のフォトカプラ(0702)、第二のフォトカプラ(0703)>
「第一のフォトカプラ」(0702)と、「第二のフォトカプラ」(0703)とはON遅延時間長が略平等であるように構成される。
本実施例では図7では、第一のフォトカプラ及び第二のフォトカプラは、1つのパッケージに封止された2回路入りフォトカプラである。例えば東芝デバイス&ストレージ株式会社製フォトカプラTLP2105などを用いることができる。2回路入りの一体型パッケージ品ではなく、1個ごとの単体の部品を用いて同様の回路構成としてもよいが、同じ製造メーカの同じ製造ロットの部品を用いると、経験的に、ON遅延時間長が略平等であるフォトカプラを得やすい。
第一のフォトカプラ(0702)と第二のフォトカプラ(0703)のON遅延時間長が略平等である方が、「第一タイミング-第二タイミングの時間差」、又は「第三タイミング-第四タイミングの時間差」をカウンタで求め、その時間差情報に1/2をかけてゼロクロスポイントを算出する際に、算出した値の精度の向上が期待できる。前記時間差情報は、第一のフォトカプラと第二のフォトカプラのON遅延時間長又は/及びON前倒時間長の和である。交流電源電圧が、ゼロクロスポイントを中心に対象である場合、フォトカプラ動作する閾値電圧から電圧0V(ゼロクロス)と、電圧0Vからフォトカプラ動作する電圧までの時間が略同一になるためである。
そのため1個ごとのフォトカプラを用いる場合は、判定基準を設け、前記ON遅延時間長が略平等なフォトカプラを選別してから使用することが好ましい。
2回路入りフォトカプラの場合、発光ダイオードおよびフォトトランジスタは同一メーカで製造され近い特性を持っていることが期待できる。また、1個ごとのフォトカプラを別々に基板上にはんだ付け実装した場合のように、実装時の熱履歴や搭載抵抗や基板上配線負荷などによるフォトカプラ間のばらつきが増加の懸念がない。
実施形態4の処理の流れと、ハードウェア構成に関しては実施形態3と同様の為、説明を省略する。
第一のフォトカプラと、第二のフォトカプラとのON遅延時間長が略平等であることにより、交流電源電圧の正負切り替わりタイミング付近での、第一のフォトカプラと第二のフォトカプラの信号が、LとH間で切り替わるタイミングの時間差に占める両者の割合を同等にでき、高精度にゼロクロスポイントを算出できる。
<実施形態5:主に請求項5>補正時間長取得部
<実施形態5 概要>
実施形態5に関して説明する。実施形態3または4を基礎として、取得した時間差の複数を統計処理して補正時間長を取得するように補正時間長取得部を設けたものである。
<実施形態5 構成>
以下,本発明の実施形態5の電力瞬断検知装置について,実施形態3を基礎として、機能的構成,処理の流れ及び回路構成の順に説明する。なお実施形態4を基にしても同様の効果が得られる。
図10は、本実施形態の電力瞬断検知装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。同図に示すように、電力瞬断検知装置(1000)は、交流電源信号取得部(1001)、第一のフォトカプラ(1002)、第二のフォトカプラ(1003)、時間差取得部(1009)、補正時間長取得部(1011)、ゼロクロスタイミング取得部(1010)から構成される交流電圧ゼロクロス検出回路構造体(1008)と、カウンタ(1004)、比較部(1005)、比較時間長情報保持部(1006)、比較結果出力部(1007)から構成される。補正時間長取得部(1011)以外は実施形態3と同様の為、説明を省略する。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
<実施形態5 補正時間長取得部(1011)>
「補正時間長取得部」(1010)は取得した時間差の複数を統計処理して補正時間長を取得するように構成される。
交流電源信号が電圧0Vとなるゼロクロスポイント又はそのタイミングであるゼロクロスタイミングは、ノイズなどの外乱により理想的な正弦波状の波形に対しばらつきを持つ。より正確なゼロクロスポイントを得るには、直近のばらつきを把握し、そのばらつきを基にゼロクロスポイントへ補正をかけることを行う。補正をかけるには、例えば電源信号波形が負から正に替わるときに補正時間長を求め、次に正から負へ替わる半波長分後のゼロクロスポイントを求める時に用いることができる。
その際、前記「第一タイミングと第二タイミングの時間差」又は「第三タイミングと第四タイミングの時間差」に1/2をかけて求めた補正時間長を蓄積保持し、それまでの平均を出して補正時間長とすることもできる。過去の全データではなく所定回数を設定し過去の所定回数分だけを保持して平均を出し、一番古いデータを破棄するなどの方法もとることができる。所定回数分溜まるまでは、今まで溜まった回数分のみの補正時間長を基に平均して補正時間長と定める、又は所定回数分溜まるまでは平均せずに都度算出した補正時間長をそのまま使用するなどの対応をとることができる。また、半波長分後のゼロクロスポイントの補正に用いる場合でも、その前の所定回数のばらつきを求め、予想される最大値最小値(例えば6σ相当)を外れた場合はノイズ等外乱が入ったとして、その値を除外し、前回と同じ値を暫定補正時間長として使用する、又は予め設定した理想値を暫定補正時間長として使用する、又はゼロクロス検出自体を行わないようにすることができる。外乱等の有無の判定にt検定など他の統計的手法を使用してもよい。
補正時間長を、過去の補正時間長も用いて算出する場合、開始直後所定回数分溜まるまでは補正時間長を得られないが、その場合は1回分の補正時間長をもちいるか、所定回数経るまでは補正を行わないなどの方法があり適宜選択設定できる。過去の補正時間長も用いて補正時間長を算出する場合、または妥当性検証する場合に、どのくらいまで過去の補正時間長を使用するかは、例えば補正時間長のばらつきが小さい場合に補正時間長数を減らし、ばらつきが大きい場合に補正時間長数を増やす、または計算に用いるマイコンが処理しなければならない他の作業の負荷が大きくなった場合には補正時間長数を動的に減らす、負荷が減った場合には動的に元の数に戻すなどの対応をとることができる。
本実施形態の電力瞬断検知装置(1000)は、正常時にはゼロクロスポイントの検出をし続ける。図4を用いてゼロクロスポイントの検出、補正時間長の取得方法について説明する。実施形態1での図3の構成の回路と、本実施形態5での図12の構成の回路において、地点a、b、cでの波形は同等の為、図4を用いて説明する。図4の横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表す。一番上のaは図12のa点すなわち交流電源(1201)での正弦波である電源信号波形を示す。電力瞬断検知装置(1200)が供給元の交流電源と同じ位相を持つように分岐して得た電圧信号を表すa点が正側の時、2回路入りフォトカプラ(1203)内の第一のフォトカプラ(1203a)に電流が流れ発光ダイオードが点灯し始める。図中のa点の信号波形図において、0Vを挟むように配した水平の2本の直線は、第一のフォトカプラ及び第二のフォトカプラのON/OFF閾値電圧を表す。電源信号(a点)が正の期間は第一のフォトカプラ(1203a)内の発光ダイオードが点灯しフォトトランジスタが受光してONし受光信号が出力され、b点がフォトトランジスタを介して接地され、L電位となる。逆に電源信号(a点)が負側となると第一のフォトカプラ(1203a)内の発光ダイオードが点灯しなくなり、フォトトランジスタがOFFし受光信号が出力されなくなるため、b点は抵抗Rを介して直流の正電位であるVcc電位(H電位)が供給されH電位となる。電源信号(a点)が負側の場合、第二のフォトカプラ(1203b)の発光ダイオードが点灯し、フォトトランジスタがONし受光信号が出力されるため、今度はc点がH電位からL電位に替わる。なおフォトカプラがONした際にb点c点の電位がL電位ではなくH電位になるように回路を構成することもできるが、文献1の技術である図18に示すようにトランジスタなどの部品点数が増える。
電源の交流波形の正負によって第一のフォトカプラと第二のフォトカプラが交互にONしb点とc点の電位が矩形波状に変化する。前述した第一のフォトカプラ出力、第二のフォトカプラ出力のH電位L電位の切り替わりタイミングである、第一タイミングから第四タイミングを図4に示す。カウンタ(1205)により、2つの矩形波状のパルスの立ち上がり立ち下り間「第一タイミング-第二タイミング」又は「第三タイミング-第四タイミング」を計測し、タイミング時間差算出を行う。
発光ダイオードがONする閾値電圧、及びフォトトランジスタがONする閾値電圧により、電源信号が負から正、正から負へ切り替わるときに、正しく電圧0VでON/OFFしない。そのため、電源電圧が0Vになるゼロクロスポイント近傍でのb点とc点のパルス波形を比べると、立ち上がり立ち下りに時間差を生じる。
得られた時間差をゼロクロス計測用演算(1206)にて1/2をかけた値を用いて、半波長分先のゼロクロスパルスの立ち上がり立ち下りタイミングへ補正をかける。
半波長分先のゼロクロスポイントに補正をかけるとは、例えば電源信号波形が負から正に替わるときに時間差tの1/2の値を求め、次に正から負へ替わる半波長分先のゼロクロスポイントの補正に用いることができる、ということである。なお半波長分先へ補正を適用する場合、半波長分の自然数倍先に適用してもよく、半波長分の自然数倍先に適用すると読み替えてもよい。
また、算出した時間差情報の1/2の値を蓄積保持し、算出したばかりの値が明らかに異常な値(例えば、半波長分の時間差情報など)を示す場合には、補正に用いない、前回の値を用いるなど、異常な値を示した時間差情報の1/2の値を用いない処理をするように構成できる。得られた補正時間長が妥当かどうかを、統計的手法で判別するようにしてもよい。ノイズなどの外乱の影響によりずれたものを除外することができる。
なお複数の補正時間長により統計処理し、次の半波長先または半波長の自然数倍先へ補正する場合、保持する複数の補正時間長、および取得し合わせて統計処理を行おうとする時間差に関しては、1/2をかける前の値で統計処理を行うなど、妥当性の評価を行ってもよく、補正をかけるために必要となる直前のみ1/2をかけて補正時間長を算出してもよい。すべての補正時間長に1/2をかけた後で保持すると、割り切れない場合に切り上げ又は切り捨てによる誤差が蓄積する可能性があり、また1/2するための処理負荷が増えるためである。
ゼロクロス検出出力を電力瞬断検知装置(1200)外へ出力する。サイリスタや光MOS-FETリレーなどのスイッチング素子からなるスイッチ部のON/OFFタイミングはゼロクロスパルス信号を基準とすれば、同じ交流電源電圧信号を用いるヒータなどの機器をコントロールできる。ゼロクロスポイント(ゼロクロスパルスの立ち上がり又は立ち下り)でスイッチ部をON/OFF作動させることで、出力に対しノイズ発生や突入電流の発生を抑えることができ、かつ位相制御による出力調整において制御の起点をより正確にすることができる。
<実施形態5 処理の流れ>
図11は、実施形態3の電力瞬断検知装置の動作フローチャート図である。この図で示すように実施形態の電力瞬断検知装置の動作方法では、比較時間長情報保持ステップ(S1101)と、交流電源信号取得ステップ(S1102)と、第四タイミング取得ステップ(S1103a)と、第三タイミング取得ステップ(S1103b)と、第一タイミング取得ステップ(S1103c)と、第二タイミング取得ステップ(S1103d)と、時間差取得ステップ(S1104)と、補正時間長取得ステップ(S1105)と、ゼロクロスタイミング取得ステップ(S1106)と、比較ステップ(S1107)と、比較結果出力ステップ(S1108)を有する。以下,各ステップについて説明する。
ここで、交流電源波形が正から負に変化するタイミングにおいては、
比較時間長情報保持ステップ(S1101)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、前記カウンタでカウントした非受光時間長を示す情報と比較すべき、比較時間長情報を示す情報とを保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップ(S1102)は交流電源信号を取得する処理を行い、
第四タイミング取得ステップ(S1103a)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力する第一のフォトカプラから、交流電源波形が正から負に変化するタイミングであって後記するタイミングと同じタイミングであって、信号がLからHに立ち上がるタイミングである第四タイミングを取得する処理を行い、
第三タイミング取得ステップ(S1103b)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力する第二のフォトカプラから交流電源波形が正から負に変化する際に信号がHからLに立ち下がるタイミングであって前記したタイミングと同じタイミングである第三タイミングを取得する処理を行い、
時間差取得ステップ(S1104)は、第四タイミングと、第三タイミングとの時間差を示す情報である時間差情報を取得する処理を行い、
補正時間長取得ステップ(S1105)は、取得した時間差の複数を統計処理して補正時間長を取得する処理を行い、
ゼロクロスタイミング取得ステップ(S1106)は、この時間差情報と、第三タイミングと第四タイミングよりも後続する任意の第三タイミング又は任意の第四タイミングと、を用いて前記交流電源のゼロクロスタイミングを取得する処理を行い、
比較ステップ(S1107)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき比較時間長情報とを比較する処理を行い、
比較結果出力ステップ(S1108)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する処理を行う。
ここで、交流電源波形が負から正に変化するタイミングにおいては、
比較時間長情報保持ステップ(S1101)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、前記カウンタでカウントした非受光時間長を示す情報と比較すべき、比較時間長情報を示す情報とを保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップ(S1102)は、交流電源信号を取得する処理を行い、
第一タイミング取得ステップ(S1103c)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力する第二のフォトカプラから、交流電源波形が負から正に変化するタイミングであって後記するタイミングと同じタイミングであって、信号がLからHに立ち上がるタイミングである第一タイミングを取得する処理を行い、
第二タイミング取得ステップ(S1103d)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力する第一のフォトカプラから、交流電源波形が負から正に変化する際に、信号がHからLに立ち下がるタイミングであって前記したタイミングと同じタイミングである第二タイミングを取得する処理を行い、
時間差取得ステップ(S1104)では、第一タイミングと、第二タイミングとの時間差を示す情報である時間差情報をも取得する処理を行い、
補正時間長取得ステップ(S1105)は、取得した時間差の複数を統計処理して補正時間長を取得する処理を行い、
ゼロクロスタイミング取得ステップ(S1106)では、この時間差情報と、第一タイミングと第二タイミングよりも後続する任意の第一タイミング又は任意の第二タイミングと、を用いて前記交流電源のゼロクロスタイミングを取得する処理を行い、
比較ステップ(S1107)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき比較時間長情報とを比較する処理を行い、
比較結果出力ステップ(S1108)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する処理を行う。
補正時間長取得ステップ(S1105)内に、過去取得した補正時間長を保持する補正時間長保持サブステップを設けてもよい。さらに、時間差取得ステップで得られ、補正時間長取得ステップで算出した1/2をかけた値が、妥当な範囲に入る値かどうかを判断する補正時間長判断ステップを設けるのが好ましい。t検定等の統計的手法を用い判断する。妥当な値であれば、補正時間長として用い、妥当でなければ、暫定補正時間長出力ステップにて暫定補正時間長を出力する。暫定補正時間長は理想値から定めたものでもよいし、前回使用した補正時間長を使用するなどの選択をできる。ただし暫定補正時間長を使用した場合は、その値は保持しない。次回補正時間長を求めるために統計的手法を用いる際に、誤ったデータとなるためである。
このような一連の処理を電力瞬断検知装置に実行させる動作方法である。
<実施形態5 ハードウェア構成>
本実施形態における電力瞬断検知装置のハードウェア構成について,図を用いて説明する。図12は、実施形態5の電力瞬断検知装置(1200)の回路構成を説明するための概略図である。交流電源(1201)、電流制限抵抗(1202)、2回路入りフォトカプラ(1203)、マイコン(1204)、カウンタ(1205)、比較時間長情報保持(1206)、比較判定1(1207)、比較結果出力1(1208)、比較判定2(1209)、比較結果出力2(1210)、ゼロクロス計測用演算(1211)、ゼロクロス検出出力(1212)、ゼロクロス計測用演算(1211)内の補正時間長取得(1213)などから構成される。
交流電源(1201)からゼロクロスポイントを検出するために信号を得るが、検出したゼロクロスポイントをもとに交流電源(1201)からの電源の瞬断を判断する。検出に用いたゼロクロスポイント計測用の交流電源信号と、比較結果出力1,2との位相がずれないように回路系を構成するのが好ましい。万一所定時間情報よりも遅れて比較結果出力すると瞬断検知が有効とならないためである。
2回路入りフォトカプラ(1203)については、1回路ごとのフォトカプラを使用して構成してもよい。
補正時間長取得(1213)がゼロクロス計測用演算(1211)内に設けられたことが図9の例と異なる。補正時間長取得(1207)は、上述したように、過去の補正時間長を取得後、蓄積保持し、保持された直前の所定の回数分の補正時間長から次の補正時間長を求めたり、半波長前の直前の補正時間長を過去所定回数分の補正時間長を基に異常値か否かを判別し、正常範囲であれば次のゼロクロスポイント算出時に補正時間長として使用したりするといった使い方もできる。
実施形態3に対し、実施形態5では、ゼロクロスポイントの算出に対し、取得した時間差の複数を統計処理知って補正時間長を取得することにより、より高精度にゼロクロスポイントを決定することができる。得られたゼロクロスポイントを基に他の機器のスイッチの制御などに用いるゼロクロス検出出力をより正確な値として出すことができる。
<実施形態6:主に請求項6>:フォトカプラONで出力がL
<実施形態6 概要>
実施形態6に関して説明する。実施形態3から実施形態5のいずれか一を基礎として、第一のフォトカプラ及び第二のフォトカプラは、フォトカプラONで出力がLとなるように電力瞬断検知装置を構成するものである。
<実施形態6 構成>
以下,本発明の実施形態6の電力瞬断検知装置について,実施形態3を基礎として説明する。実施形態4又は5を基礎としても同様の効果が得られる。機能的構成,処理の流れ及び回路構成の順に説明する。
機能的構成は実施形態3と同様である。図7を流用して説明する。図7に示すように、電力瞬断検知装置(0700)は、交流電源信号取得部(0701)、第一のフォトカプラ(0702)、第二のフォトカプラ(0703)、時間差取得部(0709)、ゼロクロスタイミング取得部(0710)から構成される交流電圧ゼロクロス検出回路構造体(0708)と、カウンタ(0704)、比較部(0705)、比較時間長情報保持部(0706)、比較結果出力部(0707)から構成される。実施形態3と異なる部分について説明する。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
<実施形態6 第一のフォトカプラ(0702)>
「第一のフォトカプラ」(0702)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力するように構成されるのに加え、さらに、フォトカプラONで出力信号がLとなるように構成される。
<実施形態6 第二のフォトカプラ(0703)>
「第二のフォトカプラ」(0703)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力するように構成されるのに加え、さらに、フォトカプラONで出力信号がLとなるように構成される。
フォトカプラONでHとなるように回路を構成することも可能だが、図14の先行技術である文献1の回路に示すように、フォトカプラの出力(受光素子側)にトランジスタ1個、抵抗1個追加することで達成できる。本願発明の場合、フォトカプラを2個使うため、トランジスタと抵抗を各2個追加が必要となり、部品点数が増えコストが増える問題がある。そのため、フォトカプラONで出力がLとなるように構成するほうが好ましい。
<実施形態6 時間差取得部(0704)>
「時間差取得部」(0704)は、「交流電源信号が負正反転する同一のタイミング領域で、第二のフォトカプラがOFFして出力信号がLからHに切り替わる第一タイミングと第一のフォトカプラがONして出力信号がHからLに切り替わる第二タイミングと、の時間差」、又は/及び、
「交流電源信号が正負反転する同一のタイミング領域で、第二のフォトカプラがONして出力信号がHからLに切り替わる第三タイミングと第一のフォトカプラがOFFして出力信号がLからHに切り替わる第四タイミングと、の時間差」、を取得するように構成される。
<実施形態6 処理の流れ>
処理の流れも実施形態3とほぼ同様である。実施形態3の電力瞬断検知装置の動作フローチャート図である図8を流用して説明する。この図で示すように実施形態6の交流電圧ゼロクロス検出回路構造体の動作方法では、電力瞬断検知装置の動作方法では、比較時間長情報保持ステップ(S0801)と、交流電源信号取得ステップ(S0802)と、第四タイミング取得ステップ(S0803a)と、第三タイミング取得ステップ(S0803b)と、第一タイミング取得ステップ(S0803c)と、第二タイミング取得ステップ(S0803d)と、時間差取得ステップ(S0804)と、ゼロクロスタイミング取得ステップ(S0805)と、比較ステップ(S0806)と、比較結果出力ステップ(S0807)を有する。以下,各ステップについて実施形態3と異なる部分について説明する。
ここで、交流電源波形が正から負に変化するタイミングにおいては、
交流電源信号取得ステップ(S0801)は制御予定の部品へ供給される交流電源から分岐した交流電源信号を取得する処理を行い、
第四タイミング取得ステップ(S0802a)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じてONして出力信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じてOFFして出力信号Hを出力する第一のフォトカプラから交流電源波形が正から負に変化するタイミングであって後記するタイミングと同じタイミングであって、第一のフォトカプラがOFFして出力信号がLからHに立ち上がるタイミングである第四タイミングを取得する処理を行い、
第三タイミング取得ステップ(S0802b)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じてOFFして出力信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じてONして出力信号Lを出力する第二のフォトカプラから交流電源波形が正から負に変化する際に、第二のフォトカプラがONして出力信号がHからLに立ち下がるタイミングであって前記したタイミングと同じタイミングである第三タイミングを取得する処理を行う。
時間差取得ステップ(S0803)では、第四タイミングと、第三タイミングとの時間差を示す情報である時間差情報を取得する処理を行い、
ゼロクロスタイミング取得ステップ(S0804)では、この時間差情報と、第三タイミングと第四タイミングよりも後続する任意の第三タイミング又は任意の第四タイミングと、を用いて前記交流電源のゼロクロスタイミングを取得する処理を行う。
ここで、交流電源波形が負から正に変化するタイミングにおいては、
交流電源信号取得ステップ(S0801)は制御予定の部品へ供給される交流電源から分岐した交流電源信号を取得する処理を行い、
第一タイミング取得ステップ(S0802c)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じてOFFして出力信号電位Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じてONして出力信号電位Lを出力する第二のフォトカプラから、交流電源波形が負から正に変化するタイミングであって後記するタイミングと同じタイミングであって、第二のフォトカプラがOFFし出力信号がLからHに立ち上がるタイミングである第一タイミングを取得する処理を行い、
第二タイミング取得ステップ(S0802d)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じてONして出力信号電位Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じてOFFして出力信号電位Hを出力する第一のフォトカプラから、交流電源波形が負から正に変化する際に、第一のフォトカプラの出力信号がHからLに立ち下がるタイミングであって前記したタイミングと同じタイミングである第二タイミングを取得する処理を行い、
時間差取得ステップ(S0803)では、第一タイミングと、第二タイミングとの時間差を示す情報である時間差情報をも取得する処理を行い、
ゼロクロスタイミング取得ステップ(S0804)では、この時間差情報と、第一タイミングと第二タイミングよりも後続する任意の第一タイミング又は任意の第二タイミングと、を用いて前記交流電源のゼロクロスタイミングを取得する処理を行う。
時間差取得ステップ(S0803)後に、得られた時間差情報が正常な範囲内の値か、あきらかに異常とみなせるような値、例えば半波長相当分などの場合には、異常と判断し算出した時間差情報を用いないように構成することもできる。その場合は、前回算出し得られた時間差情報を再度使用したり、時間差がなかったとして0として処理したりすることができる。
このような一連の処理を交流電圧ゼロクロス検出回路構造体に実行させる動作方法である。
<実施形態6 ハードウェア構成>
本実施形態における構造体のハードウェア構成について,実施形態3を示す図9を流用して説明する。第一のフォトカプラ又は第二のフォトカプラがONした際(すなわち、発光ダイオードが点灯し、フォトトランジスタが受光してONした時)、図9では図中のb点またはc点がH電位からL電位に替わるように、回路が構成されている。なおフォトカプラがONした際にb点又はc点の電位がL電位ではなくH電位になるように回路を構成することもできるが、文献1の技術である図18に示すようにトランジスタや抵抗などの部品点数が増えるため、図9のような構成の方が好ましい。
<実施形態7:主に請求項5>:先取手段
<実施形態7 概要>
実施形態7に関して説明する。実施形態3から実施形態6のいずれか一を基礎として、ゼロクロスタイミングを、交流電源信号が正から負への反転時には、第一のフォトカプラの信号がゼロクロスタイミングの直近でLからHへ立ち上がるタイミングと補正時間長を用いて取得し、交流電源信号が負から正への反転時には、第二のフォトカプラの信号がゼロクロスタイミングの直近でLからHへ立ち上がるタイミングと補正時間長を用いて取得する先取手段をゼロクロスタイミング取得部に設けたものである。
<実施形態7 構成>
以下,本発明の実施形態7の電力瞬断検知装置について,実施形態5を基礎として、機能的構成,処理の流れ及び回路構成の順に説明する。実施形態3,4、6を基としても同様の効果が得られる。
図13は、本実施形態の電力瞬断検知装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。同図に示すように、電力瞬断検知装置(1300)は、交流電源信号取得部(1301)、第一のフォトカプラ(1302)、第二のフォトカプラ(1303)、時間差取得部(1309)、補正時間長取得部(1311)、ゼロクロスタイミング取得部(1310)と、ゼロクロスタイミング取得部(1310)内に設けた先取手段(1312)から構成される交流電圧ゼロクロス検出回路構造体(1308)と、カウンタ(1304)、比較部(1305)、比較時間長情報保持部(1306)、比較結果出力部(1307)から構成される。先取手段(1312)以外は実施形態3と同様の為、説明を省略する。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
<実施形態7 先取手段(1312)>
「先取手段」(1312)はゼロクロスタイミングを、交流電源信号が正から負への反転時には、第一のフォトカプラの信号がLからHへ立ち上がるタイミングを用いて取得し、交流電源信号が負から正への反転時には、第二のフォトカプラがLからHへ立ち上がるタイミングを用いて取得するように、ゼロクロスタイミング取得部(1310)内に構成される。
図16は実施形態7での電力瞬断検知装置の回路の各地点(図15の回路図中のa、b、c参照)での信号波形を示したものである。図16を用いて先取手段(1312)について説明する。
縦軸上のF,D,F,Dはゼロクロスポイントを表す。交流電源信号が負から正になるときがF(n=0、1、)、正から負になるときがDn(n=0、1、)である。FとDの両側のA、B、C、Eはそれぞれ、図に示すように第一のフォトカプラ、第二のフォトカプラのON/OFF閾値電圧に達する点を示す。
例えば交流電源信号が負から正に変わるF0点付近においては、第二のフォトカプラがOFFし出力が変化したA0と、第一のフォトカプラがONし出力が変化したB0の間の時間差tを補正時間長取得部(1311)にて求め、そのtの1/2を、次の半波長での交流電源信号の正から負への立ち下がりでの第一のフォトカプラがOFFし出力がLからHに替わるタイミングに加算することでゼロクロスタイミング(すなわちゼロクロスポイント)を実時間より早く得ることができる。
交流電源信号が正から負へ変わるD0点付近において、第一のフォトカプラがOFFし出力が変化したC0と、第二のフォトカプラがONし出力が変化したE0の間の時間差tを補正時間長取得部(1311)にて求める。得られたtの1/2を、次の半波長での交流電源信号の負から正への立ち上がりでの第二のフォトカプラがOFFし出力がLからHに替わるタイミングに加算することでゼロクロスタイミング(すなわちゼロクロスポイント)を、実際にゼロクロスポイントに達するよりも早く得ることができる。
マイコンの動作としては例えば、C0での第一のフォトカプラの出力が信号Lから信号Hに変わった時点をトリガとしてカウンタでのカウントを開始し、E0での第二のフォトカプラの出力が信号Hから信号Lに変わるところをトリガとしてカウンタでのカウントを中断する。得られたカウント値に1/2をかけ、保持されている過去の補正時間長(カウント値)の所定個数を用いて平均のカウント値を補正時間長として算出する。半波長分先のA1で第二のフォトカプラの出力が信号Lから信号Hへ変わったタイミングから、算出した補正時間長(カウント値)を経た時点でゼロクロスパルス信号電位をLからHへ変える、といった動作である。
第一のフォトカプラと第二のフォトカプラのON遅延時間長又は/及びON前倒時間長が略平等であれば、時間差(例えばt)に占める両フォトカプラの寄与が同等となり、補正時間長とした時間差に1/2をかけた値の精度が向上する。
第一のフォトカプラ又は第二のフォトカプラの出力信号がHからLに替わるタイミングをTnaとし、第二のフォトカプラ又は第一のフォトカプラの出力信号がLからHに替わるタイミングをTnbとする。nは任意時間を起点として1から始まり、フォトカプラの出力信号が替わるタイミングに番号を振って区別するためのものである。T1a、T1b、T2a、T2b、、、T(n-1)a、T(n-1)b、Tna、Tnb、T(n+1)a、T(n+1)b、と続く。前記タイミング間の時間差をtnと置くと、tnは次式で表せる。
n=Tnb―Tna
n回時点でのタイミング間の時間差の平均値Δtnは、
(t1+t2+t3+…+tn-2+tn-1+tn)/n = Δtn となる。
時間差を1/2して補正時間長を算出すると、
Δtn/2=Δtn'
半波長先のゼロクロスポイントは以下の式で求められる。
Zero(n+1)=T(n+1)a+Δtn'
n回時点でのタイミング間の時間差を基に補正時間長を求める際に、n個の平均値を算出したが、n回時点から過去へ所定回数分k遡るとしてもよい。1≦k<nとなる。nが大きくなると過去補正時間長のデータ保持メモリ領域が増え処理の負荷も増えるためである。
次に、得られた補正時間長Δtn'の妥当性の検証を、t検定を例として説明する。
検証に用いるサンプル数をm個とする。(1≦m<n)
t検定でのt値は、
t=(m個の平均-Δtn')/(標準偏差/√m)
と表せる。
p値を算出し、有意水準として一般的に用いられる5%以下となれば妥当と判断する。
検定に用いる補正時間長の個数mは、補正時間長のずれが小さい場合や、マイコンの他の処理も含めて負荷が大きくなった場合にはmを動的に減らすなどしてもよい。
以下、過去10個の補正時間長を用いてt検定する場合を例として説明するが、10個には限定されず、もっと多くても減らしてもよい。図6での一番左時点のゼロクロスポイントF0は回路動作開始時点の為、まだ補正時間長を算出されていない。第一のフォトカプラ出力と第二のフォトカプラ出力の波形の変化点A0,B0はそれぞれのフォトカプラのON/OFF閾値による。2回路入りフォトカプラであれば、ON/OFF閾値が略平等であると期待できる。A、B、C、Eでの時間(カウント値)をA、B、C、Eを表記すると、各ゼロクロスポイントでの時間差情報(カウント値)を1/2したTFn、TDnは次の式で表される。
TF0=(B0-A0)/2
TF1=(B1-A1)/2

TFn=(Bn-An)/2 n=1,2,3、…

TD0=(E0-C0)/2
TD1=(E1-C1)/2

TDn=(En-Cn)/2 n=1,2,3、…
それぞれの平均値の推定について、過去10サンプル分を参照する場合、
補正時間長のばらつきの上限下限推定値を求めると下記のようになる。
TFnL,H=TFn±t(10-1,0.05)×(VF/(10-1))(1/2)
TDnL,H=TDn±t(10-1,0.05)×(VD/(10-1))(1/2)
t(10-1,0.05)は、補正時間長Δtn'の過去10サンプル、有意水準5%でのt検定の検定量を表し、VF、VDはそれぞれの分散値を表す。従って、上2式ではTFnLはFn点で算出した補正時間長を基にばらついた際の下限推定値、TFnHはばらついた際の上限推定値を表す。過去10個分の平均値とのずれを加減した範囲に入っているかの検証という形となる。
補正時間長TFnおよびTDnをAn及びCnに加算した値が、ゼロクロスポイントになる。
Fn点で得られた補正時間長TFnの下限推定値、上限推定値から、F点の半波長先のEn点は、Cn点に対して下式の範囲にあることが期待される。またBn点も同様に半波長前のDn点で得られた補正時間長TDnの下限推定値、上限推定値から下式の範囲にあることが期待される。
Cn+2TFnL<En<Cn+2TFnH
An+TDn-1L<Bn<An+2TDn-1H
上式の範囲内に収まっていない場合には、FまたはD点ではノイズ等外乱が発生したと見なして、統計処理で算出した値によるゼロクロスパルスの補正行わない。
上記の場合、暫定的な補正時間長を適用するが、理想値から定めた暫定補正時間長を用いる、又は前回の補正時間長を適用するなどから、予め処置を決めておく。算出した補正時間長での補正を行わなかった場合、暫定補正時間長を適用しても、その値の保持はしない。次に補正時間長の算出と、算出した補正時間長の妥当性評価のために、保持されている過去の補正時間長を基に統計処理して算出する際に使用しないためである。
上記説明にて有意水準5%としたのは不良率5%に相当する(良品95%であり2σ相当)。不良率5%に対し、見逃し率は通常約2倍と見込まれるので10%となる。そのため10回分を参照すれば、大きく外れるものは排除できるものと考えられる。
なお過去10回分の補正時間長を参照したが、10回には限定されない。統計処理を行う場合には、サンプル数が多いほうがより正確なばらつきが得られ精度が向上する。しかしサンプル数を多くすると、変動が起こっても補正がかかり始めるのが遅れることや、保持するデータ数が増えメモリ領域が増えること、算出時に一時使用するメモリ量も増え部品コストが増加する。またCPUの計算負荷が増えて、計算に時間を要するようになるなどのデメリットもあり、精度とのトレードオフとなる。マイコンの計算負荷を監視し統計的手法に用いる過去の補正時間長を参照する回数を動的に変化させてもよい。その際には最小数と最大数の範囲を決めておくとよい。また電源信号波形が外乱などの影響を受けて、得られた時間差に1/2をかけた値が使用できない事態の発生頻度に応じて、参照する補正時間長の過去の回数分を増減させてもよい。一般的には統計処理のサンプル数は30個前後が妥当ではあるが、サンプル数は設計者が適宜選択できる。
<実施形態7 処理の流れ>
図14は、実施形態7の電力瞬断検知装置の動作フローチャート図である。この図で示すように実施形態7の電力瞬断検知装置の動作方法では比較時間長情報保持ステップ(S1401)と、交流電源信号取得ステップ(S1402)と、第四タイミング取得ステップ(S1403a)と、第三タイミング取得ステップ(S1403b)と、第一タイミング取得ステップ(S1403c)と、第二タイミング取得ステップ(S1403d)と、時間差取得ステップ(S1404)と、補正時間長取得ステップ(S1405)と、ゼロクロスタイミング取得ステップ(S1406)と、ゼロクロスタイミング取得ステップ(S1406)内に設けた先取サブステップ(S1407)と、比較ステップ(S1408)と、比較結果出力ステップ(S1409)を有する。以下,各ステップについて説明する。
ここで、交流電源波形が正から負に変化するタイミングにおいては、
比較時間長情報保持ステップ(S1401)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、前記カウンタでカウントした非受光時間長を示す情報と比較すべき、比較時間長情報を示す情報とを保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップ(S1402)は交流電源信号を取得する処理を行い、
第四タイミング取得ステップ(S1403a)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力する第一のフォトカプラから、交流電源波形が正から負に変化するタイミングであって後記するタイミングと同じタイミングであって、信号がLからHに立ち上がるタイミングである第四タイミングを取得する処理を行い、
第三タイミング取得ステップ(S1403b)は、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力する第二のフォトカプラから交流電源波形が正から負に変化する際に信号がHからLに立ち下がるタイミングであって前記したタイミングと同じタイミングである第三タイミングを取得する処理を行い、
時間差取得ステップ(S1404)は、第四タイミングと、第三タイミングとの時間差を示す情報である時間差情報を取得する処理を行い、
補正時間長取得ステップ(S1405)は、取得した時間差の複数を統計処理して補正時間長を取得する処理を行い、
ゼロクロスタイミング取得ステップ(S1406)内に設けた先取サブステップ(S1407)は、ゼロクロスタイミングを、交流電源信号が正から負への反転時には、第一のフォトカプラの信号がゼロクロスタイミングの直近でLからHへ立ち上がる第四タイミングと補正時間長を用いて取得する処理を行い、
比較ステップ(S1408)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき比較時間長情報とを比較する処理を行い、
比較結果出力ステップ(S1409)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する処理を行う。
ここで、交流電源波形が負から正に変化するタイミングにおいては、
比較時間長情報保持ステップ(S1401)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない場合に、前記カウンタでカウントした非受光時間長を示す情報と比較すべき、比較時間長情報を示す情報とを保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップ(S1402)は、交流電源信号を取得する処理を行い、
第一タイミング取得ステップ(S1403c)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力する第二のフォトカプラから、交流電源波形が負から正に変化するタイミングであって後記するタイミングと同じタイミングであって、信号がLからHに立ち上がるタイミングである第一タイミングを取得する処理を行い、
第二タイミング取得ステップ(S1403d)では、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力する第一のフォトカプラから、交流電源波形が負から正に変化する際に、信号がHからLに立ち下がるタイミングであって前記したタイミングと同じタイミングである第二タイミングを取得する処理を行い、
時間差取得ステップ(S1404)では、第一タイミングと、第二タイミングとの時間差を示す情報である時間差情報をも取得する処理を行い、
補正時間長取得ステップ(S1405)は、取得した時間差の複数を統計処理して補正時間長を取得する処理を行い、
ゼロクロスタイミング取得ステップ(S1406)内に設けた先取サブステップ(S1407)は、ゼロクロスタイミングを、交交流電源信号が負から正への反転時には、第二のフォトカプラの信号がゼロクロスタイミングの直近でLからHへ立ち上がる第一タイミングと補正時間長を用いて取得する処理を行い、
比較ステップ(S1408)は、第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない非受光時間長と、前記比較すべき比較時間長情報とを比較する処理を行い、
比較結果出力ステップ(S1409)は、比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する処理を行う。
補正時間長取得ステップ(S1405)内に、過去取得した補正時間長を保持する補正時間長保持サブステップを設けてもよい。さらに、時間差取得ステップで得られ、補正時間長取得ステップで算出した1/2をかけた値が、妥当な範囲に入る値かどうかを判断する補正時間長判断ステップを設けるのが好ましい。t検定等の統計的手法を用い判断する。妥当な値であれば、補正時間長として用い、妥当でなければ、暫定補正時間長出力ステップにて暫定補正時間長を出力する。暫定補正時間長は理想値から定めたものでもよいし、前回使用した補正時間長を使用するなどの選択をできる。ただし暫定補正時間長を使用した場合は、その値は保持しない。次回補正時間長を求めるために統計的手法を用いる際に、誤ったデータとなるためである。
このような一連の処理を電力瞬断検知装置に実行させる動作方法である。
<実施形態7 ハードウェア構成>
本実施形態における電力瞬断検知装置のハードウェア構成について,図を用いて説明する。図15は、実施形態7の電力瞬断検知装置(1500)の回路構成を説明するための概略図である。交流電源(1501)、電流制限抵抗(1502)、2回路入りフォトカプラ(1503)、マイコン(1504)、カウンタ(1505)、比較時間長情報保持(1506)、比較判定1(1507)、比較結果出力1(1508)、比較判定2(1509)、比較結果出力2(1510)、ゼロクロス計測用演算(1511)、ゼロクロス検出出力(1512)、ゼロクロス計測用演算(1511)内の補正時間長取得(1513)、ゼロクロス検出出力(1512)内の先取手段(1514)などから構成される。
交流電源(1501)からゼロクロスポイントを検出するために信号を得るが、検出したゼロクロスポイントをもとに交流電源(1501)からの電源の瞬断を判断する。検出に用いたゼロクロスポイント計測用の交流電源信号と、比較結果出力1,2との位相がずれないように回路系を構成するのが好ましい。万一所定時間情報よりも遅れて比較結果出力すると瞬断検知が有効とならないためである。2回路入りフォトカプラ(1503)については、1回路ごとのフォトカプラを使用して構成してもよい。
本実施形態7では、瞬断期間の検知起点となりうるゼロクロスポイントの算出に対し、得られた補正時間長を、交流電源電圧波形の半波長先に適用することにより、実際にゼロクロス(電圧0V)となる時間より先んじてゼロクロスポイントを決定することができる。
<先取手段の別例>
実施形態1から7までにおいて、第一のフォトカプラと第二のフォトカプラの立ち上がりと立ち下り間の時間(図16でのt、t、t)をカウンタで計測してきたが、第一のフォトカプラの出力信号と第二のフォトカプラの出力信号の周期を計測するようにしてもよい。図16を用いて説明する。例えば起動後からの経過カウント数を監視し、第一のフォトカプラの出力が信号Hから信号Lに替わるB0点のカウント数を記録し、信号Lの期間をカウント計測する。次に出力が信号Lから信号Hに替わるC0点のカウント数を記録し、信号Hの期間をカウント計測する。同様にB1、C1点のカウント数を記録する。第二のフォトカプラの出力信号に対しても同様にA0、E0、A1、E1点などのカウント数を計測記録する。
第一のフォトカプラと第二のフォトカプラの立ち上がりと立ち下がりの時間差は、t=(B0点のカウント数―A0点のカウント数)によってカウント数として得られる。補正時間長はt/2として得られる。実施形態7と同様に得られた補正時間長t/2を、半波長先の第一のフォトカプラの出力が信号Lから信号Hに替わるC0点に加えてゼロクロスパルスを生成することができる。また、フォトカプラの出力信号波形の信号Hの期間、信号Lの期間のカウント数を記録していることにより、例えばD0点付近での補正時間長t/2を算出した後にF1点へ適用する際、過去に取得した第一のフォトカプラのH期間カウント数をC0点のカウント数に加算し前記補正時間長t/2を減算することで、F1点付近のゼロクロスポイントを求めることができる。商用単相交流電源ではゼロクロスポイントのばらつきは80μ秒程度だが、半周期分の時間10m秒から補正時間長計算に要した時間を引いた時間分(ほぼ10m秒)先んじてゼロクロスポイントを求めることができる。L期間カウント数を基にD1点付近のゼロクロスポイントを求める際も、B1点のカウント数にL期間カウント数を加算し、補正時間長t/2を加算することで得られる。第二のフォトカプラを用いた場合も同様に求めることができる。どちらかだけを使用したり、両方別個に使用して得た値を比較したり、実施形態7の算出方法と比較することで、より正確な値とすることができる。
<実施形態8 主に請求項10から12>:瞬低検知
<実施形態8 概要>
実施形態8は、実施形態1から7のいずれか一を基礎として、瞬低検知機能も同時に併せ持つように構成するものである。
<実施形態6 構成>
実施形態8に関して、実施形態7を基礎として説明する。実施形態1から6を基としても同様の効果負が得られる。図19は本実施形態の交流電源の瞬断及び瞬低検知装置(1900)の実施の形態を示す機能ブロック図を用いて説明する。図19に示すように、交流電源の瞬断及び瞬低検知装置(1900)は、交流電源信号取得部(1901)、第一のフォトカプラ(1902)、第二のフォトカプラ(1903)、時間差取得部(1909)、補正時間長取得部(1911)、ゼロクロスタイミング取得部(1910)、ゼロクロスタイミング取得部(1910)内に設けた先取手段(1912)、カウンタ(1904)、比較部(1905)、比較結果出力部(1907)、電圧降下部(1913)、交流全波整流部(1914)、AD変換部(1915)、積分部(1916)、比較所定値保持部(1917)、異常正常判断部(1918)、判断結果出力部(1919)、マイコン(1920)から構成される。瞬断検知機能を構成する交流電源信号取得部(1901)、第一のフォトカプラ(1902)、第二のフォトカプラ(1903)、時間差取得部(1909)、補正時間長取得部(1911)、ゼロクロスタイミング取得部(1910)、ゼロクロスタイミング取得部(1910)内に設けた先取手段(1912)、カウンタ(1904)、比較部(1905)、比較結果出力部(1907)、は実施形態7と同様の為説明を省略する。
なお、上記機能ブロックは本発明を実施するための一例であって、本発明が克服すべき課題及びその効果と矛盾しない範囲において適宜その機能を省略したり、新たな機能を付加したりしてよい。
<実施形態8 電圧降下部(1913)>
「電圧降下部」(1913)は、交流電源電圧を降圧するための絶縁トランスを有するように構成される。
元の交流電源信号一般商用交流電源であれば85Vから264Vくらいまでの値であり、マイコン等の電子機器にとっては高圧の為、取扱可能な数Vレベルまで降圧させるために絶縁降圧トランスを用いる。トランスのコイルの誘導リアクタンスにより位相が遅れるが、瞬低検知に関しては許容されうる範囲である。
<実施形態8 交流全波整流部(1914)>
「交流全波整流部」(1914)は、前記電源降圧部(1913)で降圧した交流を全波整流するように構成される。交流の全波整流可能なダイオードやその他一般的な技術を用いて整流を行う。
<実施形態8 AD変換部(1915)>
「AD変換部」(1915)は、全波整流した波形をAD変換するように構成される。
後述の積分部で交流の半波長分の面積計算のために積分できるよう、AD変換を行う。使用するマイコンのADコンバータの精度にもよるが10ビット程度のコンバータが好ましい。
<実施形態8 積分部(1916)>
「積分部」(1916)は、AD変換した半波長分を積分するように構成される。
積分部はAD変換した半波長分のうち電圧0相当で挟まれた区間を積分する。積分の際に、
該当する半波長に相当する両側のゼロクロスポイントを、交流電圧ゼロクロス検出回路構造体により算出し、その間の時間長をもって積分するようにしてよい。この方法の方が、積分区間が正確となり、より好ましい。
<実施形態8 比較所定値保持部(1917)>
「比較所定値保持部」(1917)は、得られた各半波長分の積分値が正常であるか判断するための所定値である比較所定値を保持するように構成される。
瞬低(すなわち異常)か、正常かを判断するための判断基準としての所定値を保持する。例えば正常時の80%を下回ると瞬低と判断される、などである。判断結果を必要とする装置によって、影響を受ける瞬低のレベルは異なるため、対象装置によって選択設定できるようにすることもできる。
<実施形態8 異常正常判断部(1918)>
「異常正常判断部」(1918)は、得られた各半波長分の積分値を保持されている比較所定値と比較し、異常である瞬低状態、正常状態、のいずれであるか判断するように構成される。
判断は、半波長分の積分結果を比較して行うため、半波長分の時間ごとに行われる。そのため、現時点で瞬低が発生したとしても半波長分後に瞬低と判断され、正常に復帰した場合も半波長後に正常復帰と判断される。
異常である瞬低状態、正常状態かを判断するが、前述のように判断結果を必要とする装置によって判断基準が異なるため、選択設定された比較所定値によって判断するよう切り替えができるほうが好ましい。
瞬断は発生からほぼ遅延なく検知が始まるが、瞬低は半波長後から積分計算をおこなう。そのため両フォトカプラからの受光信号が出力されない非受光期間があり、瞬断の懸念がある場合は瞬断が起きたと判断し、瞬断検知の出力を行い瞬低検知の処理は行わないようにしたほうが好ましい。例えば瞬断検知装置から瞬断検知した場合、瞬低検知装置へも瞬低検知処理の中止のための割り込み処理を行うなどである。または、前記比較用の判断基準としての所定値として下限値も所持し、下限値に達する又は下回った場合には瞬低検知を行わないとすることもできる。
<実施形態8 判断結果出力部(1919)>
「判断結果出力部」(1919)は、前記判断結果を出力するように構成される。
判断結果が異常(瞬低)の場合は、出力をオープン(OFF電位)とし、正常時はON(H電位)とするほうが好ましい。瞬低は異常事態であり、瞬低検知の故障や、検出結果を伝達する途中回線の断線などの事態を想定すると、異常という結果が伝達されないよりは、機器等の異常も含めて異常という伝達が行われるほうが、損害が少ないと考えられるからである。
<実施形態8 交流電源信号取得部(1901)>
「交流電源信号取得部部」(1901)は、実施形態1から7のいずれか一の電力瞬断検知装置と共用するものであるように構成される。
瞬断検知装置と、少なくとも交流電源信号取得部を、瞬低検知装置は共用する。機能的には、マイコンのカウンタ機能が、瞬断検知装置のカウンタとして機能し、かつ瞬低検知装置のAD変換部と積分部と比較所定値保持部と異常正常判断部と判断結果出力部のうちの少なくとも一つの機能も果たすように構成すれば、部品点数を削減して、瞬断と瞬低を一つの装置で検出できるように構成できる。
さらに瞬低検知装置が瞬低判断のために整流した交流波形の半波長分の積分を行う際、瞬断検知装置が瞬断の検出に利用している交流波形のゼロクロスポイントで積分範囲を決めるのに用いることにより、積分結果の精度を向上することができる。全波整流した際、ゼロクロスポイント付近では整流用ダイオードの動作閾値に応じた時間の電圧0V期間があるため、ゼロクロスポイントを正確に算出することが難しいためである。
<実施形態8 処理の流れ>
本実施形態の処理の流れは、
比較所定値保持ステップでは、得られた各半波長分の積分値が正常であるか判断するための所定値である比較所定値を保持する処理を行い、
交流電源信号取得ステップでは、交流電源信号を取得する処理を行い、
電圧降下ステップでは、絶縁トランスにより交流電源電圧を降圧する処理を行い、
交流全波整流ステップでは、前記電源降圧ステップで降圧した交流を全波整流する処理を行い、
AD変換ステップでは、全波整流した波形をAD変換する処理を行い、
積分ステップでは、AD変換した半波長分を積分する処理を行い、
異常正常判断ステップでは、得られた各半波長分の積分値を保持されている比較所定値と比較し、異常である瞬低状態、正常状態、のいずれであるか判断する処理を行い、
判断結果出力ステップでは、前記判断結果を出力する処理を行う。
このような一連の処理を電力瞬低検知装置に実行させる動作方法である。
<実施形態8 ハードウェア構成>
本実施形態における電力瞬低検知装置のハードウェア構成について,回路構成の概略を記した図20を用いて説明する。交流電源(2001)、電流制限抵抗(2002)、2回路入りフォトカプラ(2003)、マイコン(2004)、カウンタ(2005)、比較時間長情報保持(2006)、比較判定1(2007)、比較結果出力1(2008)、比較判定2(2009)、比較結果出力2(2010)、ゼロクロス計測用演算(2011)、ゼロクロス検出出力(2012)、ゼロクロス計測用演算(2011)内の補正時間長取得(2013)、ゼロクロス検出出力(2012)内の先取手段(2014)、絶縁トランス(2015)、全は整流器(2016)、ADコンバータ(2017)、積分器(2018)、積分値比較(2019)、比較所定値保持(2020)、比較結果出力(2021)などから構成される。
瞬低検知装置の動作に関し図20と図21を使用して説明する。
瞬断検知用の構成部材と共用する交流電源(2001)から交流電源信号を受ける。信号波形は図21の一番上のグラフのような正弦波になる。左から半波長ごとに、正常、異常、異常、正常、正常とした場合を表している。交流波形上下の水平の点線は、正常時の波形の上下端の位置を示す。絶縁トランス(2015)にて数Vレベルまで降圧する。全波整流器(2016)で全波整流すると、図20中のADコンバータ入力側のe点の波形を図21の上から3つ目に示す。交流波形が全て正電圧側に整流されている。異常値のある部分が瞬低期間である。図21では異常と書かれた山2つ分となる。山と山の間の谷間の部分に隙間がほぼない状態で図を記載しているが、一般的にダイオードの動作閾値電圧が約0.6Vあるため、100μ秒程度の電圧0Vの期間が生じている。全波整流した波形をADコンバータ(2017)にて変換する。得られた値を積分器(2018)にて積分する。積分は上述した電圧0Vの区間を起点とし、再び0Vの区間となるまでの間に対して行う。電圧0Vに近い当たりでの波形のひずみによっては、実際のゼロクロスポイントから偏ってずれた期間を積分する可能性がある。積分した結果を比較所定値保持(2020)に収めた比較所定値と比較し正常値が異常値かを積分値比較(2019)にて比較判断する。判断した結果を比較結果出力(2021)から瞬低検知出力として出力する。出力の際は正常時がON(H電位)で、異常時がOFF(L電位:オープン)とするのが好ましい。
瞬断検知装置とマイコンの機能的に兼用可能な部分を兼用することにより、絶縁トランスと全波整流器を追加するだけで部品点数少なく、両機能を兼用する装置を得ることができる。さらに、積分器(2018)で積分する際に瞬断検知装置内の交流電圧ゼロクロス検出回路構造体からのゼロクロスポイントに関するゼロクロス検出出力を使用して、直近積分しようとしている半波長分の両端のゼロクロスポイント間の時間差(カウント差)を得て積分すると積分区間が、より正確となって精度が向上する、
<実施形態9>:3相交流の場合
<実施形態9 概要>
実施形態9は、単相交流を対象とした実施形態1から8までを基に、3相交流へ適用するものである。なお、単相から他の相(2相交流他)へも同様に展開できる。
<実施形態9 構成>
3相交流に対しての瞬断検知又は/及び瞬低検知装置は単相用のものを3つ各相または異なる2相間毎の3つの組合せに対して用いることで構成できる。瞬断検知又は/及び瞬低検知に当たって、1つの相又は1種類の2相間電圧に対して検知装置を設けることもできるが、3つ各相または異なる2相間毎の3つの組合せに対応する検知装置を3種備えたほうがより正確に検知できる。3相のうち1相の配線が断線する可能性もありうるためである。
電力瞬断検知装置…0300
交流電源…0301
電流制限抵抗…0302
2回路入りフォトカプラ…0303
第一のフォトカプラ…0303a
第二のフォトカプラ…0303b
マイコン…0304
カウンタによるパルス測定…0305
ゼロクロス計測用演算…0306
比較判定…0307
比較時間長情報保持…0308
ゼロクロス検出出力…0309
比較結果出力…0310

Claims (12)

  1. 交流電源信号を取得する交流電源信号取得部と、
    取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力しない第一のフォトカプラと、
    取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力せず、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力する第二のフォトカプラと、
    前記交流電源信号の任意の時間的区間である信号幅をカウントするためのカウンタと、
    第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない間にわたって前記カウンタがカウントした値を示す情報である非受光時間長情報と比較すべき、所定時間長を示す情報である比較時間長情報を保持する比較時間長情報保持部と、
    前記非受光時間長情報と、前記比較時間長情報とを比較する比較部と、
    比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する比較結果出力部と、
    を有する電力瞬断検知装置。
  2. 比較時間長情報保持部は、比較時間長情報として複数の比較時間長情報を示す情報を保持する請求項1に記載の電力瞬断検知装置。
  3. 前記第一のフォトカプラは、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Lを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Hを出力するように構成され、
    前記第二のフォトカプラは、取得した交流電源信号が正である場合に応じて信号Hを出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて信号Lを出力するように構成され、
    「交流電源信号が負正反転する同一のタイミング領域で、第二のフォトカプラの信号がLからHに切り替わる第一タイミングと第一のフォトカプラの信号がHからLに切り替わる第二タイミングと、の時間差」、又は/及び、
    「交流電源信号が正負反転する同一のタイミング領域で、第二のフォトカプラの信号がHからLに切り替わる第三タイミングと第一のフォトカプラの信号がLからHに切り替わる第四タイミングと、の時間差」、を取得する時間差取得部と、
    取得した時間差の二分の一の時間長である補正時間長を用いて交流電源信号の電圧0のタイミングを取得するゼロクロスタイミング取得部と、
    からなる交流電圧ゼロクロス検出回路構造体をさらに備えた請求項1又は、請求項2に記載の電力瞬断検知装置。
  4. 第一のフォトカプラと、第二のフォトカプラとはON遅延時間長が略平等である請求項3に記載の電力瞬断検知装置。
  5. 取得した時間差の複数を統計処理して補正時間長を取得する補正時間長取得部をさらに有する請求項3又は請求項4に記載の電力瞬断検知装置。
  6. 第一のフォトカプラ及び第二のフォトカプラは、フォトカプラONで出力がLとなる請求項3から請求項5のいずれか一に記載の電力瞬断検知装置。
  7. ゼロクロスタイミング取得部は、ゼロクロスタイミングを、交流電源信号が正から負への反転時には、第一のフォトカプラの信号がゼロクロスタイミングの直近でLからHへ立ち上がるタイミングと補正時間長を用いて取得し、交流電源信号が負から正への反転時には、第二のフォトカプラの信号がゼロクロスタイミングの直近でLからHへ立ち上がるタイミングと補正時間長を用いて取得する先取手段を有する請求項3から請求項6のいずれか一に記載の電力瞬断検知装置。
  8. 交流電源信号を取得する交流電源信号取得部と、
    取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力しない第一のフォトカプラと、
    取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力せず、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力するする第二のフォトカプラと、
    前記交流電源信号の任意の時間的区間である信号幅をカウントするためのカウンタと、
    からなる電力瞬断検知装置の動作方法であって、
    第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない間にわたって前記カウンタがカウントした値を示す情報である非受光時間長情報と比較すべき、所定時間長を示す情報である比較時間長情報を保持する比較時間長情報保持ステップと、
    前記非受光時間長情報と、前記比較時間長情報とを比較する比較ステップと、
    比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する比較結果出力ステップと、
    を有する計算機である電力瞬断検知装置の動作方法。
  9. 交流電源信号を取得する交流電源信号取得部と、
    取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力し、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力しない第一のフォトカプラと、
    取得した交流電源信号が正である場合に応じて受光信号を出力せず、取得した交流電源信号が負である場合に応じて受光信号を出力するする第二のフォトカプラと、
    前記交流電源信号の任意の時間的区間である信号幅をカウントするためのカウンタと、
    からなる電力瞬断検知装置の動作プログラムであって、
    第一のフォトカプラからも第二のフォトカプラからも受光信号が取得されない間にわたって前記カウンタがカウントした値を示す情報である非受光時間長情報と比較すべき、所定時間長を示す情報である比較時間長情報を保持する比較時間長情報保持ステップと、
    前記非受光時間長情報と、前記比較時間長情報とを比較する比較ステップと、
    比較結果が所定の比較結果である場合にその旨を出力する比較結果出力ステップと、
    を計算機である電力瞬断検知装置に読取実行可能なプログラム。
  10. 交流電源信号を取得する交流電源信号取得部と、
    交流電源電圧を降圧するための絶縁トランスを有する電源降圧部と、
    前記電源降圧部で降圧した交流を全波整流する交流全波整流部と、
    全波整流した波形をAD変換するAD変換部と、
    AD変換した半波長分を積分する積分部と
    得られた各半波長分の積分値が正常であるか判断するための所定値である比較所定値を保持する比較所定値保持部と、
    得られた各半波長分の積分値を保持されている比較所定値と比較し、異常である瞬低状態、正常状態、のいずれであるか判断する異常正常判断部と、
    前記判断結果を出力する判断結果出力部と、を有する電力瞬低検知装置であって、
    前記交流電源信号取得部は、請求項1から7のいずれか一に記載の電力瞬断検知装置と共用するものであることを特徴とする電力瞬低検知装置。
  11. 請求項1から7に記載の電力瞬断検知装置の有するカウンタが、
    AD変換部と積分部と比較所定値保持部と異常正常判断部と判断結果出力部の内の少なくとも一以上と同じマイコン内に機能集積されている請求項10記載の電力瞬低検知装置。
  12. 半波長分の積分する際に、請求項3から7のいずれか一に記載の交流電圧ゼロクロス検出回路構造体で得られたゼロクロスポイントを用いる、請求項10記載の電力瞬低検知装置。
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