JP2022056309A - ダイヤフラムバルブ - Google Patents

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優太 小岸
Yuta Kogishi
智紀 山田
Tomonori Yamada
大貴 ▲高▼野
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Abstract

【課題】止水性を向上することが可能なダイヤフラムバルブを提供することを目的とする。【解決手段】ダイヤフラムバルブ10では、応力分散板15は、第1フランジ部21の他部材71と接続される側と反対側の面21bに配置されている。応力分散板15は、第2フランジ部22の他部材75と接続される側と反対側の面22bに配置される。第1フランジ部21は、応力分散板15とともに貫通する第1ボルト81と、第1ボルト81に螺合する第1ナット82によって他部材71と接続される。第2フランジ部22は、応力分散板15とともに貫通する第2ボルト85と、第2ボルト85に螺合する第2ナット86によって他部材75と接続される。第1フランジ部21および第2フランジ部22は、ポリエチレン系樹脂によって形成されている。応力分散板15の各々の厚さが1.5mm以上4mm以下である。【選択図】図5

Description

本発明は、応力分散板を有するダイヤフラムバルブに関する。
従来より、半導体装置又は液晶表示装置等の精密デバイスの製造において、洗浄等の湿式工程で極めて高純度に精製された超純水が用いられている。金属イオン等が所定濃度以上水中に存在していると、ウエハ表面等に金属が吸着することで精密デバイスの品質に悪影響を及ぼすため、超純水中における不純物の制限が徹底して行われている。
超純水への不純物の混入は、超純水の輸送ラインを構成する配管においても生じる。配管の材質としては、ガスバリア性に優れたステンレス鋼等の金属が用いられたこともあるが、配管からの金属溶出の影響を考慮すると、樹脂を用いることが好ましいとされている。
超純水用配管材の材料に用いられる樹脂の中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、半導体分野において、超純水製造装置内の配管や、超純水製造装置からユースポイントへの超純水の輸送用配管として実用化されているものの全てに用いられており、超純水用配管材における技術的標準となっている。
特許文献1ではPVDFが超純水用ダイヤフラムバルブに使用されていることが開示されている。
最近では、半導体チップの集積度向上に伴い回路パターンがますます微細化されてきており、低レベルの不純物に対してもより影響を受けやすくなっている。従って、超純水に対する要求水質は厳格化の一途をたどっている。
また、PVDFは耐薬品性や対汚染性に優れているフッ素樹脂材料として、耐薬用途の配管材にも用いられている。
特許文献2ではPVDFが耐薬用途のダイヤフラムバルブに使用されていることが開示されている。
特開平1-231984 特開2019-184063
PVDF等のフッ素樹脂製配管は、他の一般的な配管に比べ、施工性及びコスト性において不利な点もある。しかしながら、超純水に対する要求水質の厳格化の背景において、フッ素樹脂製配管は要求水質を満たす配管として事実上唯一の選択肢となっている。
本発明者は、敢えて、超純水用バルブの材料を代替することに着目した。例えば、一般的な配管材料として、施工性及びコスト性に優れるポリエチレン系樹脂が用いられている。しかしながら、ポリエチレン系樹脂は長期的な圧縮強度が低く、ボルト締結部をボルトおよびナットで締め付けると時間経過と共にポリエチレンのクリープ変形が起こり、ボルトの締結軸力が低下し、止水性の問題に繋がる。このため、長期的な強度が求められるバルブには現時点ではポリエチレンが使用されていない。
本開示は、止水性を向上することが可能なダイヤフラムバルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の態様に係るダイヤフラムバルブは、第1フランジ部と、第2フランジ部と、ダイヤフラムと、駆動機構と、第1応力分散板と、第2応力分散板と、を備える。第1フランジ部は、流路の入口が形成され、他部材との接続を目的とする。第2フランジ部は、流路の出口が形成され、他部材との接続を目的とする。ダイヤフラムは、流路を開閉する。駆動機構は、ダイヤフラムを駆動することにより流路を閉塞または開放する。第1応力分散板は、第1フランジ部の他部材と接続される側と反対側の第1面に配置されている。第2応力分散板は、第2フランジ部の他部材と接続される側と反対側の第2面に配置される。第1フランジ部は、第1応力分散板とともに貫通する第1ボルトと、第1ボルトに螺合する第1ナットによって他部材と接続される。第1フランジ部は、第2応力分散板とともに貫通する第2ボルトと、第2ボルトに螺合する第2ナットによって他部材と接続される。第1フランジ部および第2フランジ部は、ポリエチレン系樹脂によって形成されている。第1応力分散板および第2応力分散板の各々の厚さが1.5mm以上4mm以下である。
このように、他部材とのボルトとナットによる締結部分に応力分散板を配置することによって、締付による圧縮クリープ変形を抑制することができ、止水性を向上することが可能となる。
また、第1フランジ部および第2フランジ部にポリエチレン系樹脂を用いた場合でも、止水性を向上することができる。
また、応力分散板の厚さを規定することによって、止水性をより向上することが可能となる。
第2の態様に係るダイヤフラムバルブは、第1の態様に係るダイヤフラムバルブであって、第1応力分散板は、第1フランジ部の2つ以上のボルト締結孔に亘るように形成されている。第2応力分散板は、第2フランジ部の2つ以上のボルト締結孔に亘るように形成されている。
このように2つ以上のボルト締結孔に亘るように応力分散板を形成することによって、止水性をより向上することが可能となる。
第3の態様に係るダイヤフラムバルブは、第1または第2の態様に係るダイヤフラムバルブであって、第1応力分散板が第1面と接する面積は、第1面の面積の50%以上である。第2応力分散板が第2面と接する面積は、第2面の面積の50%以上である。
このように応力分散板の設置面積が、設置面の50%以上に設定することによって、止水性をより向上することが可能となる。
第4の態様に係るダイヤフラムバルブは、第1~第3のいずれかの態様に係るダイヤフラムバルブであって、第1応力分散板および第2応力分散板の各々の材質がステンレス鋼である。
このようにステンレス鋼で形成することによって、止水性をより向上することが可能となる。
第5の態様に係るダイヤフラムバルブは、第1~第4のいずれかの態様に係るダイヤフラムバルブであって、第1ボルトおよび第2ボルトの各々の材質のヤング率が200GPa以下である。
このように、第1ボルトおよび第2ボルトの材質のヤング率を200GPa以下に設定することによって、止水性を向上することができる。
第6の態様に係るダイヤフラムバルブは、第1~第5のいずれかの態様に係るダイヤフラムバルブであって、第1ボルトおよび第2ボルトの各々の材質がステンレス鋼である。
このようにステンレス鋼で形成することによって、止水性をより向上することが可能となる。
第7の態様に係るダイヤフラムバルブは、第1~第6のいずれかの態様に係るダイヤフラムバルブであって、第1ボルトおよび第2ボルトの各々の材質がSUS304である。
このようにヤング率が比較的小さいSUS304を用いることによって、ヤング率がSUS304より大きい材料製のボルトを用いた場合と比較して、同じ締付トルクでボルトを締め付けたときに、締め付けによって生じるボルトの伸びはSUS304製のボルトの方が大きくなる。この影響により、ダイヤフラムのフランジ部のボルト締結穴の付近に存在するポリエチレン系樹脂の圧縮による陥没が小さくなる。その結果、ボルトの軸力が長期にわたってより維持され、一定時間経過後もトルクの保持率が高くなると考察される。
第8の態様に係るダイヤフラムバルブは、第1~第7のいずれかの態様に係るダイヤフラムバルブであって、ダイヤフラムバルブの用途が、超純水用途または耐薬用途である。
本態様に係るダイヤフラムバルブは、長期的な止水性を向上することができるため、超純水用途または耐薬用途に用いることが可能である。
本開示によれば、止水性を向上することが可能なダイヤフラムバルブを提供することができる。
本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブの外観斜視図 本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブの部分断面構成図 本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブの弁本体11を示す斜視図。 本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブの断面図。 本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブが他部材と接続された状態を示す正面図。 (a)本開示にかかる実施の形態の応力分散板を示す正面図、(b)本開示にかかる実施の形態の応力分散板を示す正面図。 (a)2つの応力分散板が配置された面を示す正面図、(b)2つの応力分散板が配置された面を示す正面図。 本開示に係る実施の形態のダイヤフラムバルブが他部材と接続された状態を示す正面図。 図8Aにおいて他部材と第1フランジ部の接続を分解した図。 (a)流路が閉鎖された状態を示す模式断面図、(b)流路が開放された状態を示す模式断面図。
以下、本開示に係る実施の形態のダイヤフラムバルブについて説明する。
<1.構造>
図1は、本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブ10の外観斜視図である。図2は、本実施の形態のダイヤフラムバルブ10の部分断面構成図である。
本実施の形態のダイヤフラムバルブ10は、図1および図2に示すように、弁本体11と、ダイヤフラム12(隔膜ともいう)と、ボンネット13と、駆動機構14と、応力分散板15(図4参照)を備えている。
弁本体11の第1フランジ部21と第2フランジ部22に他部材のフランジと配管が接続され、弁本体11には流体が流れる流路24が形成されている。ダイヤフラム12は、流路24を開放または遮断する。ボンネット13は、ダイヤフラム12を覆うように弁本体11に取付けられている。駆動機構14は、その一部がボンネット13内に配置されており、ダイヤフラム12を駆動する。応力分散板15は第1フランジ部21または第2フランジ部22の他部材と接続される側と反対側に設置されている(後述する図4参照)。
(弁本体)
図3は、弁本体11を示す斜視図である。図4は、ダイヤフラムバルブの10の断面図である。図4は、図1のAA´間の矢視断面図である。図5は、ダイヤフラムバルブが他部材と接続された状態の配管構造を示す正面図である。なお、図4では、応力分散板15の位置を示すために、ボルト等で固定されていないが応力分散板15を配置した状態を示す。
弁本体11には、施工性と低溶出性の観点からPE(ポリエチレン)が使用される。PEは重合される際に使用される触媒種を変更することで所望の特性に変更することができる。使用される触媒の例としてチーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒、酸化クロム触媒等の重合触媒が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂は、必要に応じてα-オレフィンと共重合させても良い。ポリエチレン系樹脂に対して共重合させるα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-ブテン-1-ヘキセン、1-ブテン-4-メチル-1-ペンテン、1-ブテン-1-オクテン等が挙げられる。
弁本体11には上記のPEを主成分とした材料を使用した。主成分とは、質量基準で最も含有量の多い成分をいう。主成分とは、少なくとも含有量が50%である成分である。
弁本体は、図3および図4に示すように、第1フランジ部21と、第2フランジ部22と、中央部23と、流路24と、を有する。
第1フランジ部21と第2フランジ部22と中央部23は、一体的に形成されており、流路24は、図4に示すように、第1フランジ部21、中央部23および第2フランジ部22にわたって形成されている。
第1フランジ部21には、他部材71のフランジ72および配管73が接続される。第1フランジ部21は、図4に示すように、流体が弁本体11に流入する入口24aが形成された第1フランジ面21aと、第1フランジ面21aの反対側である弁本体11側の面21b(第1面の一例)と、第1フランジ面21aから面21bまで貫通したボルト締結穴21c(図5参照)と、を有する。ボルト締結穴21cは、図1に示すように、入口24aの周囲に複数個形成されており、本実施の形態では例えば4つ形成されている。
他部材71は、図5に示すように、配管73と、配管73の端に配置されたフランジ72と、を有する。フランジ72は、弁本体11の第1フランジ面21aに接触するフランジ面72aと、フランジ面72aの反対側の面72bと、フランジ面72aから面72bまで貫通したボルト締結穴72cと、を有する。ボルト締結穴72cは、フランジ面72aに形成された配管73への入口の周囲に複数個形成されており、本実施の形態では例えば4つ形成されている。
フランジ面72aが第1フランジ面21aと対向し、ボルト締結穴21cとボルト締結穴72cが対向するように他部材71が第1フランジ部21に対して配置された状態で、他部材71のフランジ72は第1フランジ部21に接続される。なお、第1フランジ部21とフランジ72の間にパッキン等が配置される方が好ましい。
第1フランジ部21と他部材71のフランジ72は、第1ボルト81と第1ナット82を用いて接続される。第1ボルト81は、第1フランジ部21のボルト締結穴21cとフランジ72のボルト締結穴72cに挿入される。ボルト締結穴21cとボルト締結穴72cを貫通した第1ボルト81の先端に第1ナット82が螺合される。これによって、第1フランジ部21とフランジ72が第1ボルト81と第1ナット82によって締結される。
フランジ72の面72bには第1ボルト81のヘッドが配置され、第1フランジ部21の面21b側には第1ナット82が配置されている。また、第1ナット82と弁本体11(詳しくは、面21b)の間には後述の応力分散板15が配置される。第1フランジ部21の面21bに配置される応力分散板15が、第1応力分散板の一例に対応する。
第2フランジ部22には、他部材75のフランジ76および配管77が接続される。第2フランジ部22は、図4に示すように、弁本体11から流体が排出される出口24bが形成された第2フランジ面22aと、第2フランジ面22aの反対側である弁本体11側の面22b(第2面の一例)と、第2フランジ面22aから面22bまで貫通したボルト締結穴22c(図5参照)と、を有する。ボルト締結穴22cは、出口24bの周囲に複数個形成されており、本実施の形態では例えば4つ形成されている。
他部材75は、図5に示すように、配管77と、配管77の端に配置されたフランジ76と、を有する。フランジ76は、弁本体11の第2フランジ面22aに接触するフランジ面76aと、フランジ面76aの反対側の面76bと、フランジ面76aから面76bまで貫通したボルト締結穴76cと、を有する。ボルト締結穴76cは、フランジ面76aに形成された配管77への入口の周囲に複数個形成されており、本実施の形態では例えば4つ形成されている。
フランジ面76aが第2フランジ面22aと対向し、ボルト締結穴22cとボルト締結穴76cが対向するように他部材75が第2フランジ部22に対して配置された状態で、他部材75のフランジ76は第2フランジ部22に接続される。なお、第2フランジ部22とフランジ76の間にパッキン等が配置される方が好ましい。
第2フランジ部22と他部材75のフランジ76は、第2ボルト85と第2ナット86を用いて接続される。第2ボルト85は、第2フランジ部22のボルト締結穴22cとフランジ76のボルト締結穴76cに挿入される。ボルト締結穴22cとボルト締結穴76cを貫通した第2ボルト85の先端に第2ナット86が螺合される。これによって、第2フランジ部22とフランジ76が第2ボルト85と第2ナット86によって締結される。
フランジ76の面76bには第2ボルト85のヘッドが配置され、第2フランジ部22の面22b側には第2ナット86が配置されている。また、第2ナット86と弁本体11(詳しくは、面22b)の間には後述の応力分散板15が配置される。第2フランジ部22の面22bに配置される応力分散板15が、第2応力分散板の一例に対応する。
第1ボルト81と、第2ボルト85の材質は鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属によって形成することができるが、止水性を長期間維持する観点からステンレス鋼によって形成することが望ましい。
ステンレス鋼としては、SUS303、SUS304、SUS316、SUS310S、SUS410、SUS430等が挙げられる。なお、SUS303、SUS304、およびSUS316のヤング率は193GPaであり、SUS310S、SUS410、およびSUS430のヤング率は、200GPaである。これより、第1ボルト81と第2ボルト85の材質のヤング率は、200GPa以下である方が好ましい。
第1ナット82と第2ナット86の材質は鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属によって形成することができる。
第1フランジ部21と第2フランジ部22は、図3および図4に示すように対向して配置されており、第1フランジ面21aと第2フランジ面22aは、図4に示すように、互いに対向して平行になるように形成されている。また、入口24aの位置と出口24bの位置も対向している。
中央部23は、図4に示すように、第1フランジ部21と第2フランジ部22の間に設けられている。中央部23は、第1フランジ部21への接続部分23aと、第2フランジ部22への接続部分23bと、を有している。上述した面21bは、第1フランジ部21の中央部23側であって接続部分23aの周囲の面のことである。面21bは、第1フランジ面21aと平行な部分のことである。また、上述した面22bは、第2フランジ部22の中央部23側であって接続部分23bの周囲の面のことである。面22bは、第2フランジ面22aと平行である。
中央部23は、開口部31aが中央に形成された第1面31を有している。第1面31は、図3および図4に示すように、略平面状であり、第1フランジ面21aと第2フランジ面22aに対して垂直に形成されている。開口部31aは、図3に示すように、その周縁が湾曲して形成されている。開口部31aの周縁に沿うように、凸部34が形成されている。この凸部34の内側にダイヤフラム12が配置される。また、第1面31には、開口部31aの周囲に、複数のボルト孔32が形成されている。
なお、入口24aから出口24bを結ぶ線に沿った方向を第1方向Xとし、第1方向Xに対して垂直且つ第1面31と平行な方向を第2方向Yとし、第1面31に対して垂直な方向を第3方向Zとする。第1方向Xは、第1フランジ面21aと第2フランジ面22aに対して垂直な直線に沿った方向ともいえる。
流路24は、図4に示すように、入口24aから出口24bまで形成されている、壁部33は、流路24の中央に第1面31に向かって突出して形成されている。壁部33は、流路24に傾斜を形成するように、流路24の内面が第1面31に向かって緩やかに盛り上がって形成されている。上述の開口部31aは、壁部33に対応する位置に形成されている。壁部33の第1面31側の先端面33aには、後述するダイヤフラム12が圧接する。
流路24は、第1フランジ部21の入口24aから壁部33まで形成されている入口側流路241と、第2フランジ部22の出口24bから壁部33まで形成されている出口側流路242と、入口側流路241と出口側流路242を連通する連通部243とを有する。
入口側流路241は、図4に示すように、第1面31と垂直な方向の幅(第3方向Zにおける幅)が壁部33に向かうに従って狭くなっている。一方、入口側流路241は、第1面31と平行な方向の幅(第2方向Yにおける幅)は壁部33に向かうに従って広くなっている(図2参照)。
出口側流路242は、第2フランジ部22の出口24bから壁部33まで形成されている。出口側流路242は、図4に示すように、第1面31と垂直な方向の幅(第3方向Zにおける幅)が壁部33に向かうに従って狭くなっている。一方、出口側流路242は、第1面31と平行な方向の幅(第2方向Yにおける幅)は壁部33に向かうに従って広くなっている。
連通部243は、流路24のうち壁部33の第1面31側の部分であり、入口側流路241と出口側流路242とを連通する。
(ダイヤフラム12)
ダイヤフラム12は、図2および図4に示すように開口部31aを塞ぐように第1面31に配置されており、ダイヤフラム本体41と、係合部材42とを有している。
ダイヤフラム本体41の材質は、ゴム状の弾性体であれば良く、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素化ポリエチレン、フッ素ゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等が好適な材料として挙げられ、クリーン性が高いPTFEを用いている。
また、ダイヤフラム本体41には強度の高い補強布がインサートされていても良く、補強布はナイロン製であることが望ましい。これは、ダイヤフラムバルブ10の閉時にダイヤフラム本体41に流体圧がかかったときにダイヤフラム本体41の変形や破損を防止することが可能となるため好ましい。
図2および図4に示すように、ダイヤフラム本体41の外周縁部43は、後述するボンネット13と弁本体11によって挟まれている。
ダイヤフラム12が後述する駆動機構14によって下方に移動し、壁部33の先端面33aに当接することによって連通部243を閉鎖して流路24が閉じられる、また、ダイヤフラム12が駆動機構14によって上方に移動し、先端面33aからが離間することによって流路24が開放される。
(ボンネット13)
ボンネット13は、弁本体11と同様に、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、HT(耐熱塩化ビニル管)、PP(ポリプロピレン)、またはPVCF(ポリフッ化ブニリデン)、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフロオロエチレン等の樹脂、または、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレス等の金属、または磁器等によって形成することができ、施工性とコストの観点からPE(ポリエチレン)を用いる方が好ましい。
ボンネット13は、図1および図2に示すように、弁本体11の第1面31に、第3ボルト88および第3ナット(図示せず)によって固定されている。ボンネット13は、ダイヤフラム12を介して開口部31aを覆うように設けられている。
ボンネット13は、図2および図4に示すように、第1面31に対応する開口13aを有しており、開口13aに対向する位置に後述するスリーブ62およびステム63が配置される貫通孔13bを有している。
(駆動機構14)
駆動機構14は、コンプレッサ61と、スリーブ62と、ステム63と、ハンドル64とを有する。
コンプレッサ61はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)等によって形成されており、ダイヤフラム12と連結されている。ダイヤフラム本体41には係合部材42が埋め込まれており、係合部材42は弁本体11の反対側(非接液面側)に突出している。係合部材42の突出した部分がコンプレッサ61に係合されて、コンプレッサ61とダイヤフラム12は連結されている。
スリーブ62は、ボンネット13の貫通孔13bに支持されている。スリーブ62の内側にはネジ形状が形成されている。
ステム63は、スリーブ62の内側に配置されており、外周に形成されたネジ形状がスリーブ62の内側に形成されたネジ形状と螺合している。ステム63のボンネット13の内側に配置される端には、コンプレッサ61が固定されている。
コンプレッサ61は、弁本体11側においてダイヤフラム12と係合され、弁本体11と反対側においてステム63と固定されている。
ハンドル64は、ステム63のボンネット13の外側に位置する部分の外周部に係合されている。
(応力分散板15)
応力分散板15は、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレス鋼等の強度のある金属、または磁器等によって形成することができ、強度と施工性を両立する観点からステンレス鋼が好ましい。ステンレス鋼はSUS304、SUS316、SUS303、SUS317、SUS403等を用いることができる。
応力分散板15は図5に示すように弁本体11と第1ナット82の間および弁本体11と第2ナット86の間に第1ボルト81および第2ボルト85を用いて固定されている。
図6(a)および図6(b)は、応力分散板15を示す平面図である。
図6(a)および図6(b)に示すように、1つ当たりの応力分散板15は、第1フランジ部21または第2フランジ部22の2つ以上のボルト締結穴21cまたはボルト締結穴22cにまたがった形状である。
図6(a)に示す応力分散板15は、略半円形状である。応力分散板15の半径形状の中心部は円形状に切り欠き15bが形成されている。
図7(a)は、2つの応力分散板15が配置された面21bを示す正面図である。図7(a)は、図1に示す矢印Bに沿って視た図であり、矢印Bは、第1方向Xと平行な方向である。なお、図7(a)では、説明のために応力分散板15にドットを付して示している。
図7(a)に示すように、2つの応力分散板15が円形状を形成するように隣り合った状態で、面21bに配置される。隣り合う2つの応力分散板15の切り欠き15bには、中央部23の第1フランジ部21への接続部分23a(図4参照)が通っている。
1つの応力分散板15には、2つのボルト穴15aが形成されており、ボルト穴15aは面21bのボルト締結穴21cに対向する。図5に示すように、フランジ72のボルト締結穴72c、第1フランジ部21のボルト締結穴21c、および応力分散板15のボルト穴15aを通して第1ボルト81が挿入され、ボルト穴15aから突出した第1ボルト81の先端に第1ナット82が螺合されている。応力分散板15は、第1ナット82と面21bによって挟まれている。
図7(b)は、2つの応力分散板15が配置された面22bを示す正面図である。図7(b)は、図1に示す矢印Cに沿って視た図であり、矢印Cは、第1方向Xと平行な方向である。なお、図7(b)では、説明のために応力分散板15にドットを付して示している。
図7(b)に示すように、2つの応力分散板15が円形状を形成するように隣り合った状態で、面22bに配置される。隣り合う2つの応力分散板15の切り欠き15bには、中央部23の第2フランジ部22への接続部分23b(図4参照)が通っている。
1つの応力分散板15には、2つのボルト穴15aが形成されており、面22bのボルト締結穴22cに対向する。フランジ76のボルト締結穴76c、第2フランジ部22のボルト締結穴22c、および応力分散板15のボルト穴15aを通して第2ボルト85が挿入され、ボルト穴15aから突出した第2ボルト85の先端に第2ナット86が螺合されている。応力分散板15は、第2ナット86と面22bによって挟まれている。
このように、本実施の形態では、他部材のフランジをダイヤフラムバルブのフランジ部に接続する際のボルトとナットの締結による応力を分散するために応力分散部が設けられている。この応力分散部は、例えば、図6(a)に示した半円状の2つの部材(応力分散板15)で構成されているが、図6(b)のように2つの半円状の応力分散板15を連結部15cにおいてネジ等で連結させた1つの部材であっても良い。
応力分散板15の面積は、ボルトの締結による応力を分散させるため、第1フランジ部21の中央部23側の面21bの面積、または第2フランジ部22の中央部23側の面22bの面積の50%以上、更に好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。
応力分散板15の厚さはボルトの締結軸力に耐えることができ、かつ施工性に問題が無いように、1.5mm以上4mm以下に設定される。
なお、図5を用いて他部材との接続について説明したが、これに限らなくてもよい。例えば、図8Aに示すように他部材71´、75´と接続されてもよい。図8Aに示す他部材71´は、図5に示す配管構造の他部材71と比較してフランジ72´の径が第1フランジ部21の径よりも小さく形成されている(小面座といえる)。また、図8Aに示す他部材75´は、図5の他部材75と比較してフランジ76´の径が第2フランジ部22の径よりも小さく形成されている。なお、図8Aに示す構成では、弁本体11の中央部23´の接続部23a´、23b´も、図5よりも細く形成されている。
図8Aに示す構成では、他部材71´は、押圧部材91、第1ボルト81および第1ナット82によって第1フランジ部21に接続されている。また、他部材75´は、押圧部材92、第2ボルト85および第2ナット86によって第2フランジ部22に接続されている。
他部材71´と第1フランジ部21の接続を例に挙げて説明する。図8Bは、他部材71´と、第1フランジ部21の接続を分解した図である。図8Bに示すように、他部材71´は、フランジ72´と配管73´を有している。フランジ72´は、第1フランジ面21aと対向するフランジ面72a´と、フランジ面72a´と反対側の面72b´を有している。フランジ72´には、フランジ72と異なりボルト締結穴72cが設けられていない。
押圧部材91は、フランジ72´を第1フランジ面21aに押圧する。押圧部材91は、配管73´が挿通する貫通孔91dを有する板状の部材である。押圧部材91は、フランジ72´の面72b´を押圧する押圧面91aと、押圧面91aと反対側の面91bと、押圧面91aから面91bまで形成されたボルト締結穴91cとを有する。押圧部材91のボルト締結穴91c、第1フランジ部21のボルト締結穴21cおよび応力分散板15のボルト穴15aに第1ボルト81が挿入され、第1ボルト81のボルト穴15aから突出した先端に第1ナット82が螺合される。第1ナット82を締めることによって、押圧部材91がフランジ72´を第1フランジ部21に押し付ける。第1ボルト81のヘッドが、押圧部材91の面91bに配置され、第1ナット82が第1フランジ部21の面21b側に配置され、第1ナット82と第1フランジ部21の間には、応力分散板15が配置されている。
このように、小面座のフランジ72´が設けられた他部材71´であっても第1フランジ部21に接続することができる。
また、他部材75と第2フランジ部22の接続も同様である。
他部材75´は、フランジ76´と配管77´を有している。フランジ76´は、第2フランジ面22aと対向するフランジ面76a´と、フランジ面76a´と反対側の面76b´を有している。フランジ76´には、フランジ76と異なりボルト締結穴76cが設けられていない。
押圧部材92は、フランジ76´を第2フランジ面22aに押圧する。押圧部材92は、配管77´が挿通する貫通孔92dを有する板状の部材である。押圧部材92は、フランジ76´の面76b´を押圧する押圧面92aと、押圧面92aと反対側の面92bと、押圧面92aから面92bまで形成されたボルト締結穴92cとを有する。押圧部材92のボルト締結穴92c、第2フランジ部22のボルト締結穴22cおよび応力分散板15のボルト穴15aに第2ボルト85が挿入され、第2ボルト85のボルト穴15aから突出した先端に第2ナット86が螺合される。第2ナット86を締めることによって、押圧部材92がフランジ76´を第2フランジ部22に押し付ける。第2ボルト85のヘッドが、押圧部材92の面92bに配置され、第2ナット86が第2フランジ部22の面22b側に配置され、第2ナット86と第2フランジ部22の間には、応力分散板15が配置されている。
このように、小面座のフランジ76´が設けられた他部材75´であっても第2フランジ部22に接続することができる。
<2.動作>
次に、本実施の形態のダイヤフラムバルブ10の動作について説明する。図9(a)および図9(b)は、ダイヤフラム12の動作を模式的に示す図である。
図9(a)に示すような流路24が開放されている状態から、流路24を閉じる方向にハンドル64を回転させると、ハンドル64の回転に従って、ステム63が流路24側に移動する。ステム63の移動とともに、ステム63の端に固定されたコンプレッサ61も流路側に移動する。
コンプレッサ61の流路24側への移動により、ダイヤフラム12は、図9(b)に示すように、壁部33側に凸に湾曲し、壁部33の先端面33aに圧接される。
これによって、ダイヤフラムバルブ10の流路24が遮断された状態となる。
一方、ハンドル64を開方向に回転させると、ハンドル64の回転に従ってステム63が流路24とは反対側に移動する。ステム63の移動とともにコンプレッサ61も移動し、コンプレッサ61と係合されたダイヤフラム12の中央部分が図9(a)に示すように移動する。
これによって、ダイヤフラムバルブ10の流路24が開放された状態となる。
<3.用途>
(超純水用途)
本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブ10は、超純水の輸送配管に用いることができる。具体的には、本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブ10は、超純水製造装置内の配管、超純水製造装置からユースポイントに超純水を輸送する配管、及びユースポイントからの超純水返送用配管等に用いることができる。
本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブ10は、超純水に対する要求水質が特に厳格な、原子力発電用水配管、若しくは、医薬品の製造工程、半導体素子又は液晶、より好ましくは半導体素子の製造工程における洗浄などの湿式処理工程で用いられる超純水の輸送配管に用いられることが好ましい。当該半導体素子としても、より高い集積度を有するものが好ましく、具体的には、最小線幅65nm以下の半導体素子の製造工程で用いられることがより好ましい。半導体製造に使用される超純水の品質等に関する規格としては、例えばSEMIF75が挙げられる。
(耐薬用途)
本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブ10は、薬液の輸送配管に用いることができる。化学工場、半導体製造分野、液晶製造分野、食品分野など、腐食性の強い流体や汚染防止が要求される流体の輸送配管に用いられることができる。
半導体の製造工程では、シリコンウエハ(基板)表面を希釈した薬液で洗浄する処理等が行われる。これは、パーティクルや金属汚染物、酸化膜等を除去することを目的としており、複数種の薬液や純水を適当な比率で混合した処理液が使用される。処理液には、APM(アンモニアと過酸化水素水と純水)、HPM(塩酸と過酸化水素水と純水)、DHF(フッ酸と純水)、SPM(硫酸と過酸化水素水)等が挙げられる。
本開示にかかる実施の形態のダイヤフラムバルブ10はAPM(アンモニアと過酸化水素水と純水)、HPM(塩酸と過酸化水素水と純水)、DHF(フッ酸と純水)、SPM(硫酸と過酸化水素水)等の輸送配管として用いられることが好ましい。
<4.他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、第1ナット82と面21bの間に応力分散板15が配置されているが、これに限らず第1ナット82と第1ボルト81のヘッドの位置が逆であってもよい。すなわち、図5の配管構造の例で述べると、第1ナット82がフランジ72の面72bに配置され、第1ボルト81のヘッドと面21bの間に応力分散板15が配置されていてもよい。同様に、第2ナット86と面22bの間に応力分散板15が配置されていなくてもよく、第2ナット86と第2ボルト85のヘッドの位置が逆であってもよい。すなわち、第2ナット86がフランジ76の面76bに配置され、第2ボルト85のヘッドと面22bの間に応力分散板15が配置されていてもよい。なお、図8Aの配管構造の場合も同様である。
(B)
上記実施の形態では、1つの応力分散板15には、2つのボルト穴15aが形成されているが、これに限られるものではない。例えば、3つ以上であってもよい。なお、第1フランジ部21のボルト締結穴21cおよび第2フランジ部22のボルト締結穴22cの数も4つに限られるものではない。
(C)
上記実施の形態では、面21bおよび面22bに2枚の応力分散板15または2枚の応力分散板15が連結された1つの応力分散部材が配置されているが、ボルト締結穴21cおよびボルト締結穴22cの数が5つ以上の場合は、3枚以上の応力分散板15が面21bおよび面22bに配置されていてもよい。
(D)
上記実施の形態では、応力分散板15は、面21bおよび面22bの外形に沿うように円形状に形成されているが、円形状に限らなくてもよい。
(E)
上記実施の形態のダイヤフラムバルブ10では、駆動部の一例として手動式のハンドル64が設けられているが、空気駆動式または電気駆動式の駆動部によってステム63が駆動されてもよい。
次に、本開示にかかる実施の形態について実施例を用いて説明する。
[弁本体構成]
ダイヤフラムバルブ10の弁本体11は以下材料を用いて、常用の成形方法によって射出成形される。
HB534N(日本ポリエチレン社製)
[応力分散板構成]
実施例1~2および比較例1~3では、材質がSUS304の応力分散板15の厚さtを5.0mm、3.0mm、2.0mm、1.0mm、0mm(応力分散板無し)に変更したダイヤフラムバルブを用いた。
用意した応力分散板の面積占有率を測定した。面積占有率とは応力分散板15の面積を第1フランジ部21の中央部23側の面21bの面積で除した値である。
[応力緩和試験]
以下の要領に従い、ダイヤフラムバルブのフランジ部(例えば、第1フランジ部21)の応力緩和試験を実施した。
1)バンドソーを用いてダイヤフラムバルブのフランジ部のみを切削し、フランジ切削片を用意した。
2)M16ボルト(材質:SCM435)4本を用いて、ボルトの頭部側から順に応力分散板、フランジ切削片、パッキン(積水化学工業社製・エスロンPTFEパッキン 50A JIS10K(PP50))、およびステンレス鋼製管フランジ(MIEテクノ社製・SUSF304-TRFF-10K-50A)を連結させたサンプルを用意した。以下、本サンプルを“応力緩和試験用サンプル”と呼ぶ。
3)応力緩和試験用サンプルを一軸試験機(株式会社オリエンテック社製・RTF-2430-W-XL-S)にセットした後、応力緩和試験用サンプルのボルトに一軸試験機の昇降板を接触させ、43.75kNの初期荷重を応力緩和試験用サンプルのボルトに負荷した。
4)初期荷重の負荷後、一軸試験機の昇降板の高さを3時間固定させ、一軸試験機に負荷される荷重を計測した。
[評価]
表1は、実施例1、2および比較例1~3のダイヤフラムバルブについて、3時間経過後の負荷荷重と、負荷荷重保持割合と、施工性の判定結果を示す。
負荷荷重保持割合とは、3時間経過後の負荷荷重を、初期の負荷荷重で除した値である。応力分散板が設置可能な場合は施工性を〇、設置不可の場合は施工性を×とした。
負荷荷重保持割合が85%以上かつ施工性が〇の場合を良好(〇)とし、負荷荷重保持割合が85%未満または施工性が×の場合を不良(×)とした。
Figure 2022056309000002

実施例1では応力分散板厚さtが2.0mmのダイヤフラムバルブを用いて負荷荷重の評価および施工性の評価を行った。実施例1のダイヤフラムバルブでは負荷荷重保持割合は89.5%となり、施工性は〇となり、判定は良好となった。
実施例2では応力分散板厚さtが3.0mmのダイヤフラムバルブを用いて負荷荷重の評価および施工性の評価を行った。実施例2のダイヤフラムバルブでは負荷荷重保持割合は94.3%となり、施工性は〇となり、判定は良好となった。
比較例1では応力分散板を除いたダイヤフラムバルブを用いて負荷荷重の評価および施工性の評価を行った。比較例1のダイヤフラムバルブでは負荷荷重保持割合は52.6%となり、施工性は〇となり、判定は不良となった。
比較例2では応力分散板厚さtが1.0mmのダイヤフラムバルブを用いて負荷荷重の評価および施工性の評価を行った。比較例2のダイヤフラムバルブでは負荷荷重保持割合は57.4%となり、施工性は〇となり判定は不良となった。
比較例3では応力分散板厚さtが5.0mmのダイヤフラムバルブを用いて施工性の評価を行った。比較例3のダイヤフラムバルブでは施工性は×となり、判定は不良となった。
[長期締付トルク測定]
以下の要領に従い、ダイヤフラムバルブのフランジ部(例えば、第1フランジ部21)の長期締付トルク評価を実施した。
1)M16ボルト4本を用いて、ボルトの頭部側から順にステンレス鋼製管フランジ(MIEテクノ社製・SUSF304-TRFF-10K-50A)、パッキン(積水化学工業社製・エスロンPTFEパッキン 50A JIS10K(PP50))、ダイヤフラムバルブのフランジ部、応力分散板およびM16ナットを連結させたサンプルを用意した。
2)M16スパナおよびデジタルトルクレンチを用いて、M16ボルト4本をそれぞれ35N・mで締め付けた。
3)23℃の恒温環境下にてサンプルを1,500時間静置させた。
4)M16スパナおよびデジタルトルクレンチを用い、増し締め法によって1,500時間経過後の4本のボルトの締付トルクを測定した。
表2は、実施例3~4および比較例4~7のダイヤフラムバルブについて、1,500h時間経過後の締付トルク(4本のボルトの締付トルクの平均値)および締付トルク保持率を示す。
締付トルクの保持率とは、1,500時間経過後の締付トルクを、初期の締付トルク(35N・m)で除した値である。
締付トルクの保持率が50%以上かつ施工性が○の場合を良好(○)とし、締付トルクの保持率が50%未満または施工性が×の場合を不良(×)とした。
Figure 2022056309000003
表2に示すように、厚みが1.5mm以上4mm以下である応力分散板を備えたダイヤフラムバルブ(実施例3-6)では締付トルクの保持率が良好な値となり、止水性を向上させることができた。
一方、応力分散板を備えていないダイヤフラムバルブ(比較例4,5)または厚みが1.5mm以下である応力分散板を備えたダイヤフラムバルブ(比較例6)では十分な締付トルクの保持率を得ることができなかった。
また、厚みが5mmである応力分散板を備えたダイヤフラムバルブ(比較例7)では締付トルクの保持率は良好な値となったものの施工性は×となり、判定は不良となった。
さらに、実施例3と実施例4との比較、および実施例5と実施例6との比較から示されるように、材質としてSUS304のボルトを用いた方がSCM435のボルトを用いた時と比べて締付トルクの保持率がより良好な値となる。この要因として、以下の内容が推測される。
すなわち、SUS304の方がSCM435と比較してヤング率が小さく、同じ締付トルクでボルトを締め付けた場合に、締め付けによって生じるボルトの伸びはSUS304製のボルトの方が大きい。この影響により、ダイヤフラムのフランジ部のボルト締結穴(例えば、ボルト締結穴21c)付近に存在するポリエチレン系樹脂の圧縮による陥没が小さくなる。その結果、ボルトの軸力が長期にわたってより維持され、一定時間経過後もトルクの保持率が高くなると考察される。
以上のように、ポリエチレン系樹脂によって形成されたダイヤフラムバルブに関し、ボルト締結部に応力分散板を設置することで、超純水用バルブとしての機能を損なわず、ボルトの締め付けによる圧縮クリープ変形を抑制でき、止水性を維持可能なことを見出した。
本開示のダイヤフラムバルブは、止水性を向上することが可能な効果を有し、超純水用途および耐薬用途等に利用することができる。
10 :ダイヤフラムバルブ
15 :応力分散板
21 :第1フランジ部
21b :面
22 :第2フランジ部
22b :面
24 :流路
24a :入口
24b :出口
71 :他部材
75 :他部材

Claims (8)

  1. 流路の入口が形成され、他部材との接続を目的とする第1フランジ部と、
    前記流路の出口が形成され、他部材との接続を目的とする第2フランジ部と、
    前記流路を開閉するダイヤフラムと、
    前記ダイヤフラムを駆動することにより前記流路を閉塞または開放する駆動機構と、
    前記第1フランジ部の他部材と接続される側と反対側の第1面に配置された第1応力分散板と、
    前記第2フランジ部の他部材と接続される側と反対側の第2面に配置された第2応力分散板と、を備え、
    前記第1フランジ部は、前記第1応力分散板とともに貫通する第1ボルトと、前記第1ボルトに螺合する第1ナットによって他部材と接続され、
    前記第1フランジ部は、前記第2応力分散板とともに貫通する第2ボルトと、前記第2ボルトに螺合する第2ナットによって他部材と接続され、
    前記第1フランジ部および前記第2フランジ部は、ポリエチレン系樹脂によって形成されており、
    前記第1応力分散板および前記第2応力分散板の各々の厚さが1.5mm以上4mm以下である、
    ダイヤフラムバルブ。
  2. 前記第1応力分散板は、前記第1フランジ部の2つ以上のボルト締結孔に亘るように形成され、
    前記第2応力分散板は、前記第2フランジ部の2つ以上のボルト締結孔に亘るように形成されている、請求項1に記載のダイヤフラムバルブ。
  3. 前記第1応力分散板が前記第1面と接する面積は、前記第1面の面積の50%以上であり、
    前記第2応力分散板が前記第2面と接する面積は、前記第2面の面積の50%以上である、
    請求項1または2に記載のダイヤフラムバルブ。
  4. 前記第1応力分散板および前記第2応力分散板の各々の材質がステンレス鋼である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のダイヤフラムバルブ。
  5. 前記第1ボルトおよび前記第2ボルトの各々の材質のヤング率が200GPa以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のダイヤフラムバルブ。
  6. 前記第1ボルトおよび前記第2ボルトの各々の材質がステンレス鋼である、請求項1~5のいずれか1項に記載のダイヤフラムバルブ。
  7. 前記第1ボルトおよび前記第2ボルトの各々の材質がSUS304である、請求項1~6のいずれか1項に記載のダイヤフラムバルブ。
  8. 前記ダイヤフラムバルブの用途が、超純水用途または耐薬用途である、
    請求項1~7のいずれか1項に記載のダイヤフラムバルブ。
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