JP2022056159A - 熱間圧延機及び熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

熱間圧延機及び熱延鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱延鋼板の表面に転写されるロールマークの発生を簡単な設備構成で抑制できる熱間圧延機及び熱延鋼板の製造方法を提供する。【解決手段】熱間圧延機2は、被圧延材Sを熱間で圧延する。熱間圧延機2は、被圧延材Sを圧延する上下一対のワークロール3aと、各ワークロール3aを支持する上下一対のバックアップロール3bと、各ワークロール3aと各バックアップロール3bとの間に配置された上下一対の中間ロールcとを備えた圧延スタンド21~2nを備える。各中間ロール3sは、軸方向にシフト可能に構成されている。各中間ロール3cの胴長L3cを各ワークロール3aの胴長L3aよりも長くするとともに、各中間ロール3cの表面硬度を各ワークロール3aの表面硬度に対して10HS以上低硬度とする。【選択図】図2

Description

本発明は、被圧延材を熱間で圧延する熱間圧延機及び熱延鋼板の製造方法に関し、特に熱延鋼板の表面に転写されるロールマークの発生を抑制できる熱間圧延機及び熱延鋼板の製造方法に関する。
一般に、熱延鋼板を製造する熱間圧延設備においては、熱間圧延機を用いて被圧延材を圧延して熱延鋼板を製造する。この熱間圧延機には、4Hiの熱間圧延機や6Hiの熱間圧延機などが用いられる。4Hiの熱間圧延機は、被圧延材を圧延する上下一対のワークロールと、各ワークロールを支持する上下一対のバックアップロールとを備えて構成されている。また、6Hiの熱間圧延機は、被圧延材を圧延する上下一対のワークロールと、各ワークロールを支持する上下一対のバックアップロールと、各ワークロールと各バックアップロールとの間に配置された上下一対の中間ロールとを備えて構成されている。
ところで、この熱間圧延機を用いて製造される熱延鋼板には、高い品質が要求され、近年においては、特に熱延鋼板の表面品質に対する高い要求がなされている。例えば、熱延鋼板の表面に形成されるロールマークと呼ばれる微小な凸疵などの発生防止が要求されている。
このロールマークは、ワークロールの表面に微小な窪みが生じてしまい、その窪みが生じたワークロールで被圧延材を圧延することにより、熱延鋼板の表面に微小な凸部が転写されてしまうことにより発生することが多い。ワークロールの表面に微小な窪みが生じる原因は、ワークロールとワークロールに接触するバックアップロールや中間ロールとの間に異物が入り込んでその異物によりワークロールの表面に微小な窪みが生じることが考えられる。
熱延鋼板の表面にロールマークが転写された場合、ロールの突発交換や疵の除去を行わなければならず、ライン稼働率の低下やロール原単位の低下を引き起こすという問題がある。
従来、ロールマークの発生を抑制するものとして、例えば、特許文献1に示す6段圧延機が提案されている。
特許文献1に示す6段圧延機は、作業ロールと補強ロールの間に、軸方向に移動し得るように構成された中間ロールを配置せしめた圧延機において、ロールの表面硬さを補強ロールはHS60~80、中間ロールはHS82~90、作業ロールはHS90~97としたものである。
また、ロールマークの発生を抑制し、優れた表面品質を有する銅及び銅合金の圧延材が得られる圧延機として、従来、例えば、特許文献2に示す圧延機が知られている。
特許文献2に示す圧延機は、銅または銅合金からなる被圧延材を圧延する上下1対のワークロールを有し、これらワークロールをサポートするロールを少なくとも1対以上備えた圧延機である。そして、ワークロールが、その表面のショア硬さが95HS以上の鍛鋼ロールであり、ワークロールと接する中間ロールもしくはバックアップロールの表面のショア硬さが、ワークロールよりも25HS以上40HS以下の範囲で低硬度である。
また、冷間圧延におけるワークロールと中間ロール、若しくはワークロールとバックアップロールの間への異物侵入を防止するものとして、従来、例えば、特許文献3に示す冷間圧延クーラントの圧力制御方法が知られている。
特許文献3に示す冷間圧延クーラントの圧力制御方法は、連続冷間圧延機による冷間圧延の際、疵入りが多い部位が通過する時、通常のロール冷却用および潤滑用クーラント、またはロール冷却と潤滑と同時に異物除去用の高圧クーラント等の冷間圧延クーラントの圧力制御方法である。そして、この圧力制御方法において、連続冷間圧延機のワークロールの出側からの噴出圧力を高めてワークロールと中間ロール、若しくはワークロールとバックアップロールの間への異物侵入を防止するようにしている。
更に、異物の飛び込みによる圧延スタンド内のロール疵入りを防止するものとして、従来、例えば、特許文献4に示す圧延機の異物飛び込み疵防止方法が知られている。
特許文献4に示す圧延機の異物飛び込み疵防止方法では、圧延機スタンドの圧延ロールとバックアップロールとの接触部、圧延ロールと中間ロールとの接触部、中間ロールと中間ロールとの接触部、中間ロールとバックアップロールとの接触部などの近傍にノズルヘッダーを配置し、流体の吹き付けにより形成される流体膜によりロール接触部を胴長方向にわたり覆う。これにより、飛来した異物はこの流体膜により遮断されるため、ロール間に噛み込むことが防止される。
特開昭55-22421号公報 特開2009-113088号公報 特許第3266729号公報 特開2007-21544号公報
しかしながら、これら従来の特許文献1に示す6段圧延機、特許文献2に示す圧延機、特許文献3に示す冷間圧延クーラントの圧力制御方法、及び特許文献4に示す圧延機の異物飛び込み疵防止方法にあっては、以下の問題点があった。
即ち、特許文献1に示す6段圧延機の場合、冷間圧延に適用されるものであり、前述した熱延鋼板を製造する熱間圧延に適用されるものではない。特許文献1に示す6段圧延機のように中間ロールの硬度を作業ロールの硬度よりも低くして両ロール間に硬度差を設けることは作業ロールに疵を発生させない点で有効だが、冷間圧延の原理を熱間圧延にそのまま適用することができない。つまり、熱間圧延機では、冷間圧延機に対し、その圧延荷重が大きい。また、熱間圧延機では、ワークロールの硬度を耐事故性(薄板の熱間圧延では、先尾端バッチ圧延のため絞りせり込み等の通板トラブルが多く、トラブル時にワークロールにクラックが深く形成されてしまう)の観点より、硬くすることができない(冷間圧延機におけるワークロールの硬度:90HS以上、熱間圧延機におけるワークロールの硬度81HS~84HSが一般的)。このため、特許文献1に示す6段圧延機における中間ロールの表面硬度をHS82~90、作業ロールの表面硬度をHS90~97とする技術を熱間圧延機における中間ロールの表面硬度及び作業ロールの表面硬度にそのまま適用することができない。熱間圧延機では、圧延荷重が冷間圧延に対し大きいため、中間ロールの表面硬度を作業ロールの表面硬度に対し低く設定すると、その中間ロールが変形してしまうおそれがある。
また、特許文献2に示す圧延機の場合、被圧延材として、銅または銅合金からなるリードフレーム材を熱間圧延、焼鈍、冷間圧延を経たコイルを対象としている。前述した熱間圧延では、この冷間圧延を経たコイルを圧延する場合と比べてやはり圧延荷重が大きいため、ワークロールと接する中間ロールもしくはバックアップロールの表面のショア硬さを、ワークロールよりも25HS以上40HS以下の範囲で低硬度とする特許文献2に示す技術をそのまま熱間圧延機には適用することができない。
更に、特許文献3に示す冷間圧延クーラントの圧力制御方法の場合、前述した熱間圧延に適用されないばかりか、異物除去用の高圧クーラントをワークロールの出側から噴射する必要があり、その異物除去のための設備構成が複雑となる。
また、特許文献4に示す圧延機の異物飛び込み疵防止方法の場合も、流体の吹き付けにより形成される流体膜によりロール接触部を胴長方向にわたり覆うノズルヘッダーを配置する必要があり、異物噛み込みを防止するための設備構成が複雑となる。
従って、本発明はこれら従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、熱延鋼板の表面に転写されるロールマークの発生を簡単な設備構成で抑制できる熱間圧延機及び熱延鋼板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る熱間圧延機は、被圧延材を熱間で圧延する熱間圧延機であって、前記被圧延材を圧延する上下一対のワークロールと、各ワークロールを支持する上下一対のバックアップロールと、各ワークロールと各バックアップロールとの間に配置された上下一対の中間ロールとを備えた圧延スタンドを備え、前記上下一対の中間ロールの各々を軸方向にシフト可能に構成した熱間圧延機において、各中間ロールの胴長を各ワークロールの胴長よりも長くするとともに、各中間ロールの表面硬度を各ワークロールの表面硬度に対して10HS以上低硬度とすることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る熱間圧延機は、被圧延材を熱間で圧延する熱間圧延機であって、前記被圧延材を圧延する上下一対のワークロールと、各ワークロールを支持する上下一対のバックアップロールとを備えた圧延スタンドを備え、前記上下一対のワークロールの各々を軸方向にシフト可能に構成した熱間圧延機において、各バックアップロールの表面硬度を各ワークロールの表面の硬度に対して10HS以上低硬度とすることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る熱延鋼板の製造方法は、前述の熱間圧延機を用いて被圧延材を圧延して熱延鋼板を製造することを要旨とする。
本発明に係る熱間圧延機及び熱延鋼板の製造方法によれば、熱延鋼板の表面に転写されるロールマークの発生を簡単な設備構成で抑制できる熱間圧延機及び熱延鋼板の製造方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る熱間圧延機を備えた熱間圧延設備の概略構成図である。 図1に示す熱間圧延機の各圧延スタンドにおける中間ロールのシフト動作を示し、(a)は中間ロールが第1状態にある場合の概略構成図、(b)は中間ロールが第2状態にある場合の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る熱間圧延機を備えた熱間圧延設備の概略構成図である。 図3に示す熱間圧延機の各圧延スタンドにおけるワークロールのシフト動作を示し、(a)はワークロールが第1状態にある場合の概略構成図、(b)はワークロールが第2状態にある場合の概略構成図である。 実施例と比較例の疵程度の割合を比較して示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態に係る熱間圧延機を備えた熱間圧延設備の概略構成が示されている。
図1に示す熱間圧延設備1は、被圧延材としての鋼板(薄板)Sを熱間で圧延するもので、加熱炉(図示せず)で加熱され、粗圧延された鋼板Sを仕上圧延する熱間圧延機(仕上圧延機)2を備えている。熱間圧延機2で圧延された鋼板Sは、図示しない冷却設備で冷却され、熱延鋼板が製造される。
熱間圧延機2は、鋼板Sの搬送方向上流側から下流側に向けて複数台(本実施形態ではn台)の圧延スタンド2~2を備えている。各圧延スタンド2~2は、6Hiから成る圧延機で、鋼板Sを圧延する上下一対のワークロール3aと、各ワークロール3aを支持する上下一対のバックアップロール3bと、各ワークロール3aと各バックアップロール3bとの間に配置された上下一対の中間ロール3cとを備えている。
そして、各中間ロール3cは、被圧延材としての鋼板Sの板クラウンを制御するため、図2(a),(b)に示すように、各中間ロール3cの軸方向に移動量δ1だけシフト可能に構成されている。つまり、各中間ロール3cは図2(a)にある第1状態から図2(b)にある第2状態に至るまで軸方向に移動量δ1だけシフトし、また、図2(b)にある第2状態から図2(a)にある第1状態に至るまで軸方向に移動量δ1だけシフト可能となっている。
ここで、鋼板Sを圧延する各ワークロール3aの表面硬度は、圧延荷重やロール使用トン数などの圧延条件や耐事故性を考慮し、75HS~90HSとすることが好ましい。
各中間ロール3cの表面硬度について、次に説明する。
各ワークロール3aと接触回転する中間ロール3cの表面硬度は、圧延荷重やロール使用トン数などの圧延条件によるワークロール3aと中間ロール3c間の最大接触応力から設定し、最良のロール原単位と歩留まりロスを達成できる硬度とすることが望ましい。
一方、熱間圧延機2は、特許文献1に示すような冷間圧延機と異なり、鋼板Sを高荷重圧下するものであり、ワークロール3aと中間ロール3c間の接触面圧過大による操業トラブルを防止するため、一般的には、中間ロール3cの表面硬度はワークロール3aと同等またはワークロール3aよりも硬度が高く設定されている場合が多い。
しかし、中間ロール3cの表面硬度をワークロール3aの表面硬度と同等またはそれより高くすると、ワークロール3aとワークロール3aに接触する中間ロール3cとの間に異物が入り込んだ際に、その異物によりワークロール3aの表面に微小な窪みが生じることがある。ワークロール3aの表面に微小な窪みが生じると、その窪みが生じたワークロール3aで鋼板Sを圧延することにより、熱延鋼板の表面に微小な凸部が転写されてしまい、熱延鋼板の表面にロールマークが形成されることになる。
従って、本実施形態に係る熱間圧延機2においては、各中間ロール3cの表面硬度を各ワークロール3aの表面硬度に対して10HS以上低硬度としている。
一方、各中間ロール3cの表面硬度を各ワークロール3aの表面硬度に対し低硬度とすると、圧延荷重が高荷重であることから、各中間ロール3cが変形してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態に係る熱間圧延機2においては、軸方向にシフト可能に構成された各中間ロール3cの胴長L3cを各ワークロール3aの胴長L3aよりも長くすることで、各中間ロール3cと各ワークロール3aとの接触長をワークロール3aの胴長L3aと同一の長さだけ確保し、ワークロール3aと中間ロール3c間の接触面圧を下げ、各中間ロール3cの表面硬度を各ワークロール3aの表面硬度に対して下げることを可能としている。
これにより、ワークロール3aと中間ロール3cとの間で異物を噛み込むことにより熱延鋼板の表面に転写されるロールマークの発生を抑制でき、熱延鋼板の歩留まり向上を図ることができ、ワークロール3aの異常組み換え数の削減により操業ロスを削減することが可能となる。
なお、特許文献3のように異物除去用の高圧クーラントをワークロールの出側から噴射する必要もなく、また、特許文献4のように異物噛み込みを防止するためのノズルヘッダーを配置する必要もなく、熱延鋼板の表面に転写されるロールマークの発生を簡単な設備構成で抑制できる。
ここで、各中間ロール3cの表面硬度を、各ワークロール3aの表面硬度に対して10HS以上低硬度とすると、熱延鋼板におけるロール疵発生率が0.6%となり、そうでない場合と比べてロール疵発生率が0.4%減少する。
また、各中間ロール3cの表面硬度は、各ワークロール3aの表面硬度に対して15HS以上低硬度とすることがより好ましい。これにより、熱延鋼板におけるロール疵発生率が0.4%とさらに減少する。
一方、各中間ロール3cの表面硬度の下限値は、各ワークロール3aの表面硬度に対して25HS低硬度、絶対値で60HSとすることが好ましい。各中間ロール3cの表面硬度をこれよりも低下させると、中間ロール3cとワークロール3a間の接触面圧過大による焼き付きの発生や過大な摩耗、スポーリングを発生させる要因となり、ロールコストの増加を招く。
なお、各各中間ロール3cの表面硬度の調整は、ロール製造時の焼入れ条件、焼きなまし条件を適宜設定することにより行われる。また、各中間ロール3cの硬度設計においては、ロール使用の有効径から硬度低下分を考慮し、廃却径においても、使用下限硬度を下回らない範囲で設定することで、最も効果が得られる。
また、各中間ロール3cの胴長L3cは、各中間ロール3cが第1状態から第2状態に至るまで、また、第2状態から第1状態に至るまで軸方向に移動量δ1だけシフトするときのいずれの状態にあっても、各中間ロール3cと各ワークロール3aの接触長がワークロール3aの胴長L3aと同一の長さだけ確保できる長さとする。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る熱間圧延について図3及び図4を参照して説明する。図3には、本発明の第2実施形態に係る熱間圧延機を備えた熱間圧延設備の概略構成が示されている。図4には、図3に示す熱間圧延機の各圧延スタンドにおけるワークロールのシフト動作を示されている。
図3に示す熱間圧延設備11は、図1に示す熱間圧延機2と同様に、被圧延材としての鋼板(薄板)Sを熱間で圧延するもので、加熱炉(図示せず)で加熱され、粗圧延された鋼板Sを仕上圧延する熱間圧延機(仕上圧延機)12を備えている。熱間圧延機12で圧延された鋼板Sは、図示しない冷却設備で冷却され、熱延鋼板が製造される。
熱間圧延機12は、鋼板Sの搬送方向上流側から下流側に向けて複数台(本実施形態ではn台)の圧延スタンド12~12を備えている。各圧延スタンド12~12は、図1に示す熱間圧延機2の圧延スタンド2~2と異なり、4Hiからなる圧延機で、鋼板Sを圧延する上下一対のワークロール13aと、各ワークロール13aを支持する上下一対のバックアップロール13bとから構成されている。
そして、各ワークロール13aは、被圧延材としての鋼板Sの板クラウンを制御するため、図4(a),(b)に示すように、各ワークロール13aの軸方向に移動量δ2だけシフト可能に構成されている。つまり、各ワークロール13aは図4(a)にある第1状態から図4(b)にある第2状態に至るまで軸方向に移動量δ2だけシフトし、また、図4(b)にある第2状態から図4(a)にある第1状態に至るまで軸方向に移動量δ2だけシフト可能となっている。
ここで、鋼板Sを圧延する各ワークロール3aの表面硬度は、圧延荷重やロール使用トン数などの圧延条件や耐事故性を考慮して、75HS~85HSとすることが好ましい。
各バックアップロール13bの表面硬度について、次に説明する。
各ワークロール13aと接触回転するバックアップロール13bbの表面硬度は、圧延荷重やロール使用トン数などの圧延条件によるワークロール13aとバックアップロール13b間の最大接触応力から設定し、最良のロール原単位と歩留まりロスを達成できる硬度とすることが望ましい。
一方、熱間圧延機12は、前述したように冷間圧延機と異なり、鋼板Sを高荷重圧下するものであり、ワークロール13aとバックアップロール13b間の接触面圧過大による操業トラブルを防止するため、一般的には、バックアップロール13bの表面硬度はワークロール13aと同等またはワークロール13aよりも硬度が高く設定されている場合が多い。
しかし、バックアップロール13bの表面硬度をワークロール13aの表面硬度と同等またはそれより高くすると、ワークロール13aとワークロール13aに接触するバックアップロール13bとの間に異物が入り込んだ際に、その異物によりワークロール13aの表面に微小な窪みが生じることがある。ワークロール13aの表面に微小な窪みが生じると、その窪みが生じたワークロール13aで鋼板Sを圧延することにより、熱延鋼板の表面に微小な凸部が転写されてしまい、熱延鋼板の表面にロールマークが形成されることになる。
従って、本実施形態に係る熱間圧延機2においては、各バックアップロール13bの表面硬度を各ワークロール13aの表面硬度に対して10HS以上低硬度としている。
一方、各バックアップロール13bの表面硬度を各ワークロール13aの表面硬度に対し低硬度とすると、圧延荷重が高荷重であることから、各バックアップロール13bが変形してしまうおそれがある。
ここで、図4(a),(b)に示す各ワークロール13aの移動量(シフト量)δ2は、図2(a),(b)に示す6Hi圧延機の各ワークロール3aの移動量(シフト量)δ1に対して小さく設定されている。このため、軸方向にシフト可能に構成された各ワークロール13aの胴長L13aを各バックアップロール13bの胴長L13bとほぼ同一にしたとしても、各バックアップロール13bと各ワークロール13aとの接触長は図4(a)に示す第1状態から図4(b)に示す第2状態に至るまでバックアップロール13bの胴長L13bとほぼ同一の長さだけ確保できる。これにより、ワークロール13aとバックアップロール13b間の接触面圧を下げ、各バックアップロール13bの表面硬度を各ワークロール13aの表面硬度に対して下げることを可能としている。
これにより、ワークロール13aとバックアップロール13bとの間で異物を噛み込むことにより熱延鋼板の表面に転写されるロールマークの発生を抑制でき、熱延鋼板の歩留まり向上を図ることができ、ワークロール13aの異常組み換え数の削減により操業ロスを削減することが可能となる。
一方、各バックアップロール13bの表面硬度の下限値は、各ワークロール13aの表面硬度に対して25HS低硬度、絶対値で60HSとすることが好ましい。各バックアップロール13bの表面硬度をこれよりも低下させると、バックアップロール13bとワークロール13a間の接触面圧過大による焼き付きの発生や過大な摩耗の要因となり、ロールコストの増加を招く。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、第1実施形態に係る熱間圧延機2は複数の圧延スタンド2~2、第2実施形態に係る熱間圧延機12は複数の圧延スタンド12~12を備えているが、スタンド数はそれぞれ1つであってもよい。
図1に示す6Hiからなる圧延スタンド(圧延スタンド数は7つ)を有する熱間圧延機2において、実施例では、ワークロール3aの表面硬度を82HSとし、ワークロール3aと接触回転する中間ロール3cの表面硬度を72HSとし、ワークロール3aと中間ロール3cの表面硬度差を10HSに設定して圧延を行った。ワークロール3a及び中間ロール3cのそれぞれの表面硬度は、ワークロール3a及び中間ロール3cのそれぞれの表面において胴長方向に沿って均等間隔の5点についてショア硬さで測定し、平均した値を測定値とした。この結果、熱延鋼板の表面に発生する凸状のロールマークの発生率が、ワークロール3aと中間ロール3cの表面硬度差が無い場合の比較例と比較して40%削減した。なお、ワークロール3aの表面硬度及び中間ロール3cの表面硬度をそれぞれ種々変えた条件にて圧延をした結果、中間ロール3cの表面硬度をワークロール3aの表面硬度に対して10HS以上低硬度とすると、ロール疵発生率が0.6%以下、中間ロール3cの表面硬度をワークロール3aの表面硬度に対して15HS以上低硬度とすると、ロール疵発生率が0.4%以下であることを確認した。
また、実施例では、ロールマークが発生した場合でも、鋼板表面に転写する凸疵の程度が低減した(図5参照)。即ち、ワークロール3aと中間ロール3cに表面硬度差がない比較例の場合と、当該表面硬度差を10HSとした実施例の場合とを比較すると、表面硬度差を10HSとすることで、鋼板表面の凸疵高さ50μmより高く80μm以下のA程度の疵がなくなり、凸疵高さ30μm以下のC程度の疵割合が支配的となった(図5参照)。
また、実施例では、中間ロール3cの胴長L3cはワークロール3aの胴長L3aよりも長く、中間ロール3cが第1状態から第2状態に至るまで、また、第2状態から第1状態に至るまで軸方向に移動量δ1だけシフトするときのいずれの状態にあっても(図2(a),(b)参照)、中間ロール3cとワークロール3aの接触長がワークロール3aの胴長L3aと同一の長さだけ確保できる長さとした。使用後の中間ロール3cの表面には、微小クラックやチッピング等の疵はなく、ロール使用量における板クラウンにおいても十分な能力を達成した。
また、図3に示す4Hiからなる圧延スタンド12~12を有する熱間圧延機12において、ワークロール13aの表面硬度及びバックアップロール13bの表面硬度をそれぞれ種々変えた条件にて圧延をした結果、バックアップロール13bの表面硬度をワークロール13aの表面硬度に対して10HS以上低硬度とすると、ロール疵発生率が40%削減し、バックアップロール13bの表面硬度をワークロール13aの表面硬度に対して15HS以上低硬度とすると、ロール疵発生率が60%削減することを確認した。
1 熱間圧延設備
2 熱間圧延機
~2 圧延スタンド
3a ワークロール
3b バックアップロール
3c 中間ロール
11 熱間圧延設備
12 熱間圧延機
12~12 圧延スタンド
13a ワークロール
13b バックアップロール
S 鋼板(被圧延材)

Claims (5)

  1. 被圧延材を熱間で圧延する熱間圧延機であって、前記被圧延材を圧延する上下一対のワークロールと、各ワークロールを支持する上下一対のバックアップロールと、各ワークロールと各バックアップロールとの間に配置された上下一対の中間ロールとを備えた圧延スタンドを備え、前記上下一対の中間ロールの各々を軸方向にシフト可能に構成した熱間圧延機において、
    各中間ロールの胴長を各ワークロールの胴長よりも長くするとともに、各中間ロールの表面硬度を各ワークロールの表面硬度に対して10HS以上低硬度とすることを特徴とする熱間圧延機
  2. 各中間ロールの表面硬度を各ワークロールの表面の硬度に対して15HS以上低硬度とすることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延機。
  3. 各ワークロールの表面硬度を75HS~90HSとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱間圧延機。
  4. 被圧延材を熱間で圧延する熱間圧延機であって、前記被圧延材を圧延する上下一対のワークロールと、各ワークロールを支持する上下一対のバックアップロールとを備えた圧延スタンドを備え、前記上下一対のワークロールの各々を軸方向にシフト可能に構成した熱間圧延機において、
    各バックアップロールの表面硬度を各ワークロールの表面硬度に対して10HS以上低硬度とすることを特徴とする熱間圧延機。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の熱間圧延機を用いて被圧延材を圧延して熱延鋼板を製造することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
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