JP2022056105A - 吸音構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸音構造体の質量、吸音性及び強度の設計を容易にする。【解決手段】第2繊維板層20の第1繊維板層10側の表面には、互いに平行に延びる複数の第1溝条Gaが設けられ、第2繊維板層20の第3繊維板層30側の表面には、複数の第1溝条Gaと交差する方向に互いに平行に延び、複数の第1溝条Gaの少なくとも1つと連通する複数の第2溝条Gbが設けられ、第1繊維板層10の第2繊維板層20側の表面には、互いに平行に延び、複数の第1溝条Gaの少なくとも1つと連通する複数の第3溝条Gcが設けられ、第3繊維板層30の第2繊維板層20側の表面には、互いに平行に延び、複数の第2溝条Gbの少なくとも1つと連通する複数の第4溝条Gdが設けられ、第3繊維板層30の第2繊維板層20と反対側の表面には、複数の第4溝条Gdの連通する複数の貫通孔Hが設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、吸音構造体に関するものである。
ロックウール吸音板は、吸音性だけでなく、不燃性及び断熱性にも優れているので、建築物の天井等によく使用されている。
例えば、特許文献1には、一方向に連続する中空部を有する板材の表面側に中空部に達する表面側吸音孔を設けると共に、板材の裏面側に表面側吸音孔から外れた位置において中空部に達する裏面側吸音孔を設け、板材の裏面に多孔質吸音材を配設してなる化粧吸音体が開示されている。
ところで、上記特許文献1の化粧吸音体は、ケイ酸カルシウム板、合板、ロックウール板、発泡セラミック板等の板材と、ガラスウールマットやロックウールマット等の多孔質吸音材との互いに異なる2種類の材料を積層してなり、質量、吸音性及び強度の設計が容易でないので、改善の余地がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸音構造体の質量、吸音性及び強度の設計を容易にすることにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る吸音構造体は、繊維板からなる順に積層された第1繊維板層、第2繊維板層及び第3繊維板層を備え、上記第2繊維板層の上記第1繊維板層側の表面には、互いに平行に延びるように複数の第1溝条が設けられ、上記第2繊維板層の上記第3繊維板層側の表面には、上記複数の第1溝条と交差する方向に互いに平行に延び、該複数の第1溝条の少なくとも1つと連通するように複数の第2溝条が設けられ、上記第1繊維板層の上記第2繊維板層側の表面には、互いに平行に延び、上記複数の第1溝条の少なくとも1つと連通するように複数の第3溝条が設けられ、上記第3繊維板層の上記第2繊維板層側の表面には、互いに平行に延び、上記複数の第2溝条の少なくとも1つと連通するように複数の第4溝条が設けられ、上記第3繊維板層の上記第2繊維板層と反対側の表面には、上記複数の第4溝条の連通するように複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、第2繊維板層において、第3繊維板層側の表面に互いに平行に延びるように設けられた複数の第2溝条は、第1繊維板層側の表面に互いに平行に延びるように設けられた複数の第1溝条の少なくとも1つと連通している。また、第1繊維板層の第2繊維板層側の表面に互いに平行に延びるように設けられた複数の第3溝条は、第2繊維板層の第1繊維板層側の表面に設けられた複数の第1溝条の少なくとも1つと連通している。また、第3繊維板層の第2繊維板層側の表面に互いに平行に延びるように複数の第4溝条は、第2繊維板層の第3繊維板層側の表面に設けられた複数の第2溝条の少なくとも1つと連通している。そのため、第1繊維板層、第2繊維板層及び第3繊維板層が順に積層された吸音構造体の内部において、第1溝条、第2溝条、第3溝条及び第4溝条が互いに連通する中空空間が形成されている。そして、第3繊維板層において、第2繊維板層と反対側の表面には、第2繊維板層側の表面に設けられた複数の第4溝条の連通するように複数の貫通孔が設けられている。これにより、第3繊維板層の第2繊維板層と反対側の表面に形成された小さな各貫通孔から入射した音は、大きな上記中空空間に導かれることでヘルムホルツ共鳴器が形成され、このヘルムホルツ共鳴器型の吸音機構で吸収されると共に、第1繊維板層、第2繊維板層及び第3繊維板層を構成する繊維板自体の多孔質構造による摩擦により小さくなり、高い吸音性が実現することができる。ここで、吸音構造体において、第1繊維板層に形成する第3溝条、第2繊維板層に形成する第1溝条及び第2溝条、並びに第3繊維板層に形成する第4溝条の各溝条の幅、深さ、間隔を調整するだけで、吸音構造体の質量、吸音性及び強度を設計することができるので、吸音構造体の質量、吸音性及び強度の設計を容易にすることができる。
上記複数の第2溝条と上記複数の第4溝条とは、重なり合うように設けられていてもよい。
上記の構成によれば、第2繊維板層の第3繊維板層側の表面に設けられた複数の第2溝条と、第3繊維板層の第2繊維板層側の表面に設けられた複数の第4溝条とが重なり合っているので、吸音構造体の音が入射する側に溝条の深さの2倍の高さを有する第1の中空空間を形成することができ、貫通孔から入射した音をヘルムホルツ共鳴器型の吸音機構で効率よく吸収することができる。
上記複数の第1溝条と上記複数の第3溝条とは、交差するように設けられていてもよい。
上記の構成によれば、第2繊維板層の第1繊維板層側の表面に設けられた複数の第1溝条と、第1繊維板層の第2繊維板層側の表面に設けられた複数の第3溝条とが交差しているので、吸音構造体の音が入射する側とは反対側に溝条が交差する第2の中空空間を形成することができ、第1の中空空間から入射した音を四方に分けることができる。
上記複数の第1溝条、上記複数の第2溝条、上記複数の第3溝条及び上記複数の第4溝条は、それぞれ間隔が溝幅以下になっていてもよい。
上記の構成によれば、複数の第1溝条、複数の第2溝条、複数の第3溝条及び複数の第4溝条は、それぞれ間隔が溝幅以下になり、見掛け密度が低下するので、軽量化することができると共に、吸音性を向上させることができる。
上記繊維板は、無機繊維板であってもよい。
上記の構成によれば、繊維板が無機繊維板であるので、不燃性を付与することができる。
上記無機繊維板は、ロックウール板であってもよい。
上記の構成によれば、無機繊維板がロックウール板であるので、人が最も感じる周波数帯(250Hz~2000Hz)の残響を抑制することができる。
本発明によれば、第2繊維板層の第1繊維板層側の表面には、互いに平行に延びる複数の第1溝条が設けられ、第2繊維板層の第3繊維板層側の表面には、複数の第1溝条と交差する方向に互いに平行に延び、複数の第1溝条の少なくとも1つと連通する複数の第2溝条が設けられ、第1繊維板層の第2繊維板層側の表面には、互いに平行に延び、複数の第1溝条の少なくとも1つと連通する複数の第3溝条が設けられ、第3繊維板層の第2繊維板層側の表面には、互いに平行に延び、複数の第2溝条の少なくとも1つと連通する複数の第4溝条が設けられ、第3繊維板層の第2繊維板層と反対側の表面には、複数の第4溝条の連通する複数の貫通孔が設けられているので、吸音構造体の質量、吸音性及び強度の設計を容易にすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
《第1の実施形態》
図1~図5は、本発明に係る吸音構造体の第1の実施形態を示している。ここで、図1は、本実施形態の吸音構造体50の斜視図である。
図1~図5は、本発明に係る吸音構造体の第1の実施形態を示している。ここで、図1は、本実施形態の吸音構造体50の斜視図である。
吸音構造体50は、図1に示すように、順に積層された第1繊維板層10、第2繊維板層20及び第3繊維板層30を備えている。ここで、第1繊維板層10、第2繊維板層20及び第3繊維板層30は、例えば、密度150kg/m3~650kg/m3(好ましくは170kg/m3~500kg/m3)程度で厚さ8mm~20mm程度のロックウール板やガラスウール板等の無機繊維板からなり、例えば、酢酸ビニル樹脂系のエマルジョン型の接着剤により各層間が接着されている。
第1繊維板層10の第2繊維板層20側の表面(図中の上面)には、図1に示すように、互いに平行に延び、後述する複数の第1溝条Gaと連通するように複数の第3溝条Gcが設けられている。なお、本実施形態では、複数の第1溝条Gaと連通するように設けられた複数の第3溝条Gcを例示したが、複数の第3溝条Gcは、複数の第1溝条Gaの少なくとも1つと連通していてもよい。
第2繊維板層20の第1繊維板層10側の表面(図中の下面)には、図1に示すように、互いに平行に延びるように複数の第1溝条Gaが設けられている。ここで、複数の第1溝条Gaと複数の第3溝条Gcとは、図1に示すように、直交するように設けられている。また、第2繊維板層20の第3繊維板層30側の表面(図中の上面)には、図1に示すように、複数の第1溝条Gaと直交する方向に互いに平行に延び、複数の第1溝条Gaと連通するように複数の第2溝条Gbが設けられている。なお、本実施形態では、複数の第1溝条Gaと連通するように設けられた複数の第2溝条Gbを例示したが、複数の第2溝条Gbは、複数の第1溝条Gaの少なくとも1つと連通していてもよい。
第3繊維板層30の第2繊維板層20側の表面(図中の下面)には、図1に示すように、互いに平行に延び、複数の第2溝条Gbと連通するように複数の第4溝条Gdが設けられている。ここで、複数の第4溝条Gdと複数の第2溝条Gbとは、図1に示すように、重なり合うように設けられている。また、第3繊維板層30の第2繊維板層20と反対側の表面(図中の上面)には、図1に示すように、複数の第4溝条Gdの連通するように複数の貫通孔H(例えば、直径0.5mm~2mm程度)が設けられている。なお、本実施形態では、複数の第2溝条Gbと連通するように設けられた複数の第4溝条Gdを例示したが、複数の第4溝条Gdは、複数の第2溝条Gbの少なくとも1つと連通していてもよい。ここで、第1溝条Ga、第2溝条Gb、第3溝条Gc及び第4溝条Gdは、例えば、その溝幅が9mm~15mm程度であり、その溝深さが5mm~9mm程度であり、その溝ピッチが溝幅の1.5倍~5倍程度である。
上述した吸音構造体50は、第3繊維板層30に形成された複数の貫通孔Hから入射した音を、第1溝条、第2溝条、第3溝条及び第4溝条が互いに連通する中空空間に導くことでヘルムホルツ共鳴器が形成され、このヘルムホルツ共鳴器型の吸音機構で吸収させると共に、第1繊維板層、第2繊維板層及び第3繊維板層を構成する繊維板自体の多孔質構造による摩擦により小さくして、吸音するように構成されている。
次に、本実施形態の吸音構造体50において、具体的に行った実験について説明する。ここで、図2は、吸音構造体50の実施例1として作製した吸音構造体50aの断面図である。また、図3は、吸音構造体50の実施例2として作製した吸音構造体50bの断面図である。また、図4は、吸音構造体50の比較例として作製した吸音構造体150の断面図である。また、図5は、吸音構造体50の実施例1(吸音構造体50a)、実施例2(吸音構造体50b)及び比較例(吸音構造体150)の実験結果を示す表である。
<実施例1>
3枚の基準厚さ9mmのロックウール板(密度0.34g/cm3)に12mmの溝幅で5mmの溝深さで50mmの溝ピッチで溝条(Ga、Gb、Gc、Gd)を形成し、それらを積層一体化して、図2に示すような吸音構造体50aを作成した。
3枚の基準厚さ9mmのロックウール板(密度0.34g/cm3)に12mmの溝幅で5mmの溝深さで50mmの溝ピッチで溝条(Ga、Gb、Gc、Gd)を形成し、それらを積層一体化して、図2に示すような吸音構造体50aを作成した。
<実施例2>
3枚の基準厚さ9mmのロックウール板(密度0.34g/cm3)に12mmの溝幅で5mmの溝深さで25mmの溝ピッチで溝条(Ga、Gb、Gc、Gd)を形成し、それらを積層一体化して、図3に示すような吸音構造体50bを作成した。ここで、吸音構造体50bでは、図3に示すように、複数の第1溝条Ga、複数の第2溝条Gb、複数の第3溝条Gc及び複数の第4溝条Gdの間隔がその溝幅以下になっている。
3枚の基準厚さ9mmのロックウール板(密度0.34g/cm3)に12mmの溝幅で5mmの溝深さで25mmの溝ピッチで溝条(Ga、Gb、Gc、Gd)を形成し、それらを積層一体化して、図3に示すような吸音構造体50bを作成した。ここで、吸音構造体50bでは、図3に示すように、複数の第1溝条Ga、複数の第2溝条Gb、複数の第3溝条Gc及び複数の第4溝条Gdの間隔がその溝幅以下になっている。
<比較例>
3枚の基準厚さ9mmのロックウール板(密度0.34g/cm3)に3mmの溝幅で5mmの溝深さで所定の溝ピッチで溝条(Ga、Gb、Gc、Gd)を形成し、それらを積層一体化して、図4に示すような吸音構造体150を作成した。なお、実施例1及び2では、第1溝条Ga及び第2溝条Gbが直交して配置されているが、本比較例では、第1溝条Ga及び第2溝条Gbが平行に配置されている。具体的に吸音構造体150では、図4に示すように、第1繊維板層110及び第3繊維板層130に18mmの溝ピッチで第3溝条Gc及び第4溝条Gdが形成され、第2繊維板層120に36mmの溝ピッチで第1溝条Ga及び第2溝条Gbを形成され、第1溝条Gaが第3溝条Gcに1つおきに重なり合い、第2溝条Gbが第4溝条Gdに1つおきに重なり合っている。
3枚の基準厚さ9mmのロックウール板(密度0.34g/cm3)に3mmの溝幅で5mmの溝深さで所定の溝ピッチで溝条(Ga、Gb、Gc、Gd)を形成し、それらを積層一体化して、図4に示すような吸音構造体150を作成した。なお、実施例1及び2では、第1溝条Ga及び第2溝条Gbが直交して配置されているが、本比較例では、第1溝条Ga及び第2溝条Gbが平行に配置されている。具体的に吸音構造体150では、図4に示すように、第1繊維板層110及び第3繊維板層130に18mmの溝ピッチで第3溝条Gc及び第4溝条Gdが形成され、第2繊維板層120に36mmの溝ピッチで第1溝条Ga及び第2溝条Gbを形成され、第1溝条Gaが第3溝条Gcに1つおきに重なり合い、第2溝条Gbが第4溝条Gdに1つおきに重なり合っている。
以上のように作製した吸音構造体50a、50b及び150について、切削率を算出し、以下に示すように、見掛け密度、熱伝導率、曲げ破壊荷重(曲げ強度、曲げヤング率)、吸音率を測定した。
~見掛け密度の測定~
見掛け密度は、吸音構造体50a、50b及び150の質量を見かけの体積で除して算出した。
見掛け密度は、吸音構造体50a、50b及び150の質量を見かけの体積で除して算出した。
~熱伝導率の測定~
熱伝導率は、JIS A 1412-2に準拠して、25℃の温度で測定した。
熱伝導率は、JIS A 1412-2に準拠して、25℃の温度で測定した。
~曲げ破壊荷重の測定~
曲げ破壊荷重は、JIS A 1408に準拠して測定し、その曲げ破壊荷重に基づいて、曲げ強度及び曲げヤング率を算出した。ここで、曲げ破壊荷重は、(株)島津製作所製オートグラフを用いて、試験速度(載荷ヘッドスピード)20mm/分、曲げスパン405mmで測定した。また、加圧棒は、試験体に形成された溝条と直交するように配置させた(図4中の左右方向)。なお、複数の溝条が直交する場合には、層数の多い溝条と直交するように配置させた(図2及び図3中の左右方向)。
曲げ破壊荷重は、JIS A 1408に準拠して測定し、その曲げ破壊荷重に基づいて、曲げ強度及び曲げヤング率を算出した。ここで、曲げ破壊荷重は、(株)島津製作所製オートグラフを用いて、試験速度(載荷ヘッドスピード)20mm/分、曲げスパン405mmで測定した。また、加圧棒は、試験体に形成された溝条と直交するように配置させた(図4中の左右方向)。なお、複数の溝条が直交する場合には、層数の多い溝条と直交するように配置させた(図2及び図3中の左右方向)。
~吸音率の測定~
吸音率は、ISO354に準拠して、インパルス応答を用いた残響室法吸音率を測定した。ここで、残響室法吸音率の測定は、小型残響室(室表面積26.5m2、室容積8.9m3)を用いて、中心周波数400Hz~5kHzの1/3オクターブ帯域毎で行った。なお、図5の表中の吸音率は、残響室法で測定したN.R.C(250Hz、500Hz、1kHz及び2kHzにおける吸音率の算術平均値)である。
吸音率は、ISO354に準拠して、インパルス応答を用いた残響室法吸音率を測定した。ここで、残響室法吸音率の測定は、小型残響室(室表面積26.5m2、室容積8.9m3)を用いて、中心周波数400Hz~5kHzの1/3オクターブ帯域毎で行った。なお、図5の表中の吸音率は、残響室法で測定したN.R.C(250Hz、500Hz、1kHz及び2kHzにおける吸音率の算術平均値)である。
実験結果としては、図5の表から分かるように、繊維板層に溝条を形成して切削率を高くすると、見掛け密度及び曲げ強度が次第に低下し、吸音率が高くなった。これにより、各繊維板層に溝条を形成して、各繊維板層の切削率を調整することにより、吸音構造体の質量、吸音性及び強度を設計することができることが分かった。
以上説明したように、本実施形態の吸音構造体50によれば、第2繊維板層20において、第3繊維板層30側の表面に互いに平行に延びるように設けられた複数の第2溝条Gbは、第1繊維板層10側の表面に互いに平行に延びるように設けられた複数の第1溝条Gaと連通している。また、第1繊維板層10の第2繊維板層20側の表面に互いに平行に延びるように設けられた複数の第3溝条Gcは、第2繊維板層20の第1繊維板層10側の表面に設けられた複数の第1溝条Gaと連通している。また、第3繊維板層30の第2繊維板層20側の表面に互いに平行に延びるように複数の第4溝条Gdは、第2繊維板層20の第3繊維板層30側の表面に設けられた複数の第2溝条Gbと連通している。そのため、第1繊維板層10、第2繊維板層20及び第3繊維板層30が順に積層された吸音構造体50の内部において、第1溝条Ga、第2溝条Gb、第3溝条Gc及び第4溝条Gdが互いに連通する中空空間が形成されている。そして、第3繊維板層30において、第2繊維板層20と反対側の表面には、第2繊維板層20側の表面に設けられた複数の第4溝条Gdの連通するように複数の貫通孔Hが設けられている。これにより、第3繊維板層30の第2繊維板層20と反対側の表面に形成された小さな各貫通孔Hから入射した音は、大きな上記中空空間に導かれることでヘルムホルツ共鳴器が形成され、このヘルムホルツ共鳴器型の吸音機構で吸収されると共に、第1繊維板層10、第2繊維板層20及び第3繊維板層30を構成する繊維板自体の多孔質構造による摩擦により小さくなり、高い吸音性が実現することができる。ここで、吸音構造体50において、第1繊維板層10に形成する第3溝条Gc、第2繊維板層20に形成する第1溝条Ga及び第2溝条Gb、並びに第3繊維板層30に形成する第4溝条Gdの各溝条の幅、深さ、間隔を調整するだけで、吸音構造体50の質量、吸音性及び強度を設計することができるので、吸音構造体50の質量、吸音性及び強度の設計を容易にすることができる。
また、本実施形態の吸音構造体50によれば、第2繊維板層20の第3繊維板層30側の表面に設けられた複数の第2溝条Gbと、第3繊維板層30の第2繊維板層20側の表面に設けられた複数の第4溝条Gdとが重なり合っているので、吸音構造体50の音が入射する側に溝条Gb及びGdの深さの2倍の高さを有する第1の中空空間を形成することができ、貫通孔Hから入射した音をヘルムホルツ共鳴器型の吸音機構で効率よく吸収することができる。
また、本実施形態の吸音構造体50によれば、第2繊維板層20の第1繊維板層10側の表面に設けられた複数の第1溝条Gaと、第1繊維板層10の第2繊維板層20側の表面に設けられた複数の第3溝条Gcとが交差しているので、吸音構造体50の音が入射する側とは反対側に溝条Ga及びGcが交差する第2の中空空間を形成することができ、第1の中空空間から入射した音を四方に分けることができる。
また、本実施形態の吸音構造体50(50b)によれば、複数の第1溝条Ga、複数の第2溝条Gb、複数の第3溝条Gc及び複数の第4溝条Gdは、それぞれ間隔が溝幅以下になっており、見掛け密度が低下するので、軽量化することができると共に、吸音性を向上させることができる。
また、本実施形態の吸音構造体50によれば、繊維板が無機繊維板であるので、不燃性を付与することができる。
また、本実施形態の吸音構造体50によれば、無機繊維板がロックウール板であるので、人が最も感じる周波数帯(250Hz~2000Hz)の残響を抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、第1繊維板層、第2繊維板層及び第3繊維板層が順に積層された3層の吸音構造体を例示したが、本発明は、繊維板層が4層以上の吸音構造体等にも適用することができる。
上記実施形態では、第1繊維板層、第2繊維板層及び第3繊維板層が順に積層された3層の吸音構造体を例示したが、本発明は、繊維板層が4層以上の吸音構造体等にも適用することができる。
上記実施形態では、ロックウール板等の無機繊維板からなる吸音構造体を例示したが、本発明は、インシュレーションボード等の有機繊維板からなる吸音構造体等にも適用することができる。
上記実施形態では、矩形状の各繊維板層の辺に沿って溝条が設けられた吸音構造体を例示したが、溝条は、矩形状の各繊維板層の辺に対して斜めに設けられていてもよい。
以上説明したように、本発明は、吸音構造体の質量、吸音性及び強度の設計を容易にすることができるので、極めて有用である。
Ga 第1溝条
Gb 第2溝条
Gc 第3溝条
Gd 第4溝条
H 貫通孔
10 第1繊維板層
20 第2繊維板層
30 第3繊維板層
50 吸音構造体
Gb 第2溝条
Gc 第3溝条
Gd 第4溝条
H 貫通孔
10 第1繊維板層
20 第2繊維板層
30 第3繊維板層
50 吸音構造体
Claims (6)
- 繊維板からなり、順に積層された第1繊維板層、第2繊維板層及び第3繊維板層を備え、
上記第2繊維板層の上記第1繊維板層側の表面には、互いに平行に延びるように複数の第1溝条が設けられ、
上記第2繊維板層の上記第3繊維板層側の表面には、上記複数の第1溝条と交差する方向に互いに平行に延び、該複数の第1溝条の少なくとも1つと連通するように複数の第2溝条が設けられ、
上記第1繊維板層の上記第2繊維板層側の表面には、互いに平行に延び、上記複数の第1溝条の少なくとも1つと連通するように複数の第3溝条が設けられ、
上記第3繊維板層の上記第2繊維板層側の表面には、互いに平行に延び、上記複数の第2溝条の少なくとも1つと連通するように複数の第4溝条が設けられ、
上記第3繊維板層の上記第2繊維板層と反対側の表面には、上記複数の第4溝条の連通するように複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする吸音構造体。 - 請求項1に記載された吸音構造体において、
上記複数の第2溝条と上記複数の第4溝条とは、重なり合うように設けられていることを特徴とする吸音構造体。 - 請求項1又は2に記載された吸音構造体において、
上記複数の第1溝条と上記複数の第3溝条とは、交差するように設けられていることを特徴とする吸音構造体。 - 請求項1~3の何れか1つに記載された吸音構造体において、
上記複数の第1溝条、上記複数の第2溝条、上記複数の第3溝条及び上記複数の第4溝条は、それぞれ間隔が溝幅以下になっていることを特徴とする吸音構造体。 - 請求項1~4の何れか1つに記載された吸音構造体において、
上記繊維板は、無機繊維板であることを特徴とする吸音構造体。 - 請求項5に記載された吸音構造体において、
上記無機繊維板は、ロックウール板であることを特徴とする吸音構造体。
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