本発明の実施形態について、図1~図21を参照して説明する。なお、本件明細書では、記載の容易化のため、遊技メダルの代わりに遊技に用いる遊技用価値に当たるデータを、適宜、「疑似メダル」と記載する。
(スロットマシンシステム)
まず、スロットマシンシステムについて図1および図2を参照して説明する。図1は本発明の実施形態にかかるスロットマシンSMとカードユニットCUの正面図、図2がスロットマシンシステムを示すブロック図である。
図2に示すように、スロットマシンシステムは、遊技用価値を基に遊技を行うスロットマシンSMと、ホールコンピュータと、管理コンピュータと、スロットマシンSMに隣接して設置され、当該スロットマシンSMと接続されて遊技用価値の貸出及び返却をデータ形式で行うとともに、ホールコンピュータおよび管理コンピュータに各種情報を送信可能に構成されたカードユニットCUと、センタとで構成されている。この実施形態では、カードユニットCUからホールコンピュータへはボーナスの入賞回数やボーナス間のゲーム数などを特定可能な情報等が送信される。また、カードユニットCUから管理コンピュータへは、役物比率等スロットマシンSMの性能に関わる情報等が送信される。スロットマシンSMでは、疑似メダルの枚数がカードユニットCUから枚数データの形式でメダル数制御基板300に送られ、メダル数制御基板300による枚数データ管理により、遊技が実行される。
また、本実施の形態では、スロットマシンシステムにおいて、遊技者が投入した現金の残高に関する残高データ及びスロットマシンSMに貸出可能な遊技者が所持する疑似メダルの枚数(以下、適宜、「持ちメダル数」と記載する。)を示す枚数データ(以下、適宜、「持ちメダル数データ」と記載する。)がカードユニットCUのユニット制御基板500のメモリ502の記憶手段502a(図3参照)に記憶される。また、スロットマシンSMでの遊技に使用可能な遊技者が所持する疑似メダルの枚数(以下、適宜、「遊技メダル数」と記載する。)を示す枚数データ(以下、適宜、「遊技メダル数データ」と記載する。)がスロットマシンSMのメダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302a(図5参照)に記憶される。また、遊技に投入する疑似メダルの枚数(以下、適宜、「投入メダル数」と記載する。)を示す枚数データ(以下、適宜、「投入メダル数データ」と記載する。)がスロットマシンSMの主制御基板100のメモリ102のRAM部(図5参照)に記憶され、遊技で払い出される疑似メダルの枚数(以下、適宜、「払出メダル数」と記載する。)を示す枚数データ(以下、適宜、「払出メダル数データ」と記載する。)がスロットマシンSMの主制御基板100のメモリ102のRAM部(図5参照)に記憶される。
そして、カードユニットCUの貸出スイッチ503a(図1参照)に対する操作により、カードユニットCUからスロットマシンSMに所定の貸出枚数分の疑似メダルの貸出が行われる。この貸出では、カードユニットCUの記憶手段502aに記憶されている残高データまたは持ちメダル数データが、所定の貸出枚数に相当する金額分減算された残高データまたは所定の貸出枚数分減算された持ちメダル数データに書き換えられる。また、スロットマシンSMのメモリ302の記憶手段302a(図5参照)に記憶されている遊技メダル数データが、所定の貸出枚数分加算された遊技メダル数データに書き換えられる。
また、カードユニットCUの返却スイッチ503b(図1参照)に対する操作により、記憶手段502a(図3参照)に記憶されている残高データ及び持ちメダル数データが、カード挿入排出装置504(図3参照)に収容されているメダルカードに記憶されてメダルカードがカード挿入排出装置504の挿入/排出口504a(図1参照)から排出される。そして、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データが、残高「0」を示す残高データ及び枚数「0」を示す持ちメダル数データに書き換えられる。
また、スロットマシンSMのベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8に対する操作により、所定の賭け枚数(投入枚数)分の疑似メダルの賭け(投入)が行われる。この賭けでは、スロットマシンSMのメモリ302の記憶手段302a(図5参照)に記憶されている遊技メダル数データが、所定の賭け枚数分減算された遊技メダル数データに書き換えられ、スロットマシンSMのメモリ102のRAM部(図5参照)に記憶されている投入メダル数データが、所定の賭け枚数分加算された投入メダル数データに書き換えられる。
また、疑似メダルの払出のある役の入賞により、スロットマシンSMから遊技者に対して所定の払出数の疑似メダルの払出が行われる。この払出では、スロットマシンSMのメモリ102のRAM部(図5参照)に記憶されている払出メダル数データが、所定の払出枚数分加算された払出メダル数データに書き換えられ、その後、スロットマシンSMのメモリ302の記憶手段302a(図5参照)に記憶されている遊技メダル数データが、所定の払出数分加算された遊技メダル数データに書き換えられ、この遊技メダル数データに関する加算を確認した後、スロットマシンSMのメモリ102のRAM部(図5参照)に記憶されている払出メダル数データが、所定の払出枚数分減算された払出メダル数データに書き換えられる。
また、メダル数制御基板300と、カードユニットCUとは、図2に示すように、I/F基板90,550を介して双方向で情報のやり取りが行われる。また、I/F基板90,550を介してカードユニットCUからスロットマシンSMに内部電源(カードユニットCUの内部電源)を基にした電源(電圧)が供給される。
(カードユニット)
以下、カードユニットCUの構成の概略について、図1、図3を参照して説明する。
カードユニットCUは、ユニット情報表示装置505、現金投入装置506、カード挿入排出装置504、貸出スイッチ503a、返却スイッチ503b、離席スイッチ503c、ユニット制御基板500、I/F基板550を備えている。また、カードユニットCUは、電源基板(図示省略)や補助電源(図示省略)も備えている。
ユニット情報表示装置505は、ユニット制御基板500のメモリ502の記憶手段502aに記憶されている残高データや持ちメダル数データに基づく遊技者の現金残高(度数)や遊技者の所持する疑似メダル数(持ちメダル数)などを表示するものである。ユニット情報表示装置505は、例えば、複数の7セグメントLEDにより構成されたり、液晶表示器等により構成されたりする。
現金投入装置506は、カードユニットCUから疑似メダルを借り受けるために、現金投入口506aから紙幣等の現金が投入されるものであり、遊技者により投入された現金を検出する。
カード挿入排出装置504は、挿入/排出口504aから所定のID情報が書き込まれたメダルカードが挿入された場合は、当該メダルカードを収納するとともに、返却スイッチ503bが操作された場合は、収容しているメダルカードを挿入/排出口504aから排出するものである。また、カード挿入排出装置504は、離席スイッチ503cが操作された場合は、収容しているメダルカードに書き込まれたID情報を記憶手段502aに記憶して、当該メダルカードを挿入/排出口504aから排出するものである。また、カード挿入排出装置504は、離席スイッチ503cの操作によりメダルカードが排出された後に、挿入/排出口504aからメダルカードが挿入された場合は、メダルカードに書き込まれたID情報と記憶手段502aに記憶されているID情報とを照合し、一致する場合には記憶手段502aからそれに記憶されているID情報を消去して、挿入されたメダルカードを受け付けて収容するものである。一致しない場合には挿入されたメダルカードを受け付けずに挿入/排出口504aから排出するものである。また、カード挿入排出装置504は、離席スイッチ503cの操作によりメダルカードが排出された場合であっても、当該メダルカードに疑似メダルの残りがなかった場合(疑似メダルの投入も含む)については、記憶手段502aに記憶されているID情報と異なるID情報を有する新たなメダルカードが挿入されても、当該メダルカードは排出しない。したがって、この場合は新たなメダルカードを用いて遊技の実行を可能とする。
ユニット制御基板500には、図3に示すように、カードユニットCU全体の制御を行うユニットCPU501及びメモリ502が実装されており、ユニットCPU501は、受付処理手段501a、貸出処理手段501b、第2計数処理手段501c、返却処理手段501d、送受信手段501eとして機能する。
(1)メモリ502、記憶手段502a
メモリ502は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えており、RAM部(揮発性メモリ)に記憶手段502aが形成されている。記憶手段502aは、残高データや持ちメダル数データ、メダル数制御基板300から受け取った記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データ、メダルカードに書き込まれたID情報などを保持するものである。
(2)受付処理手段501a
受付処理手段501aは、メダルカードがカード挿入排出装置504の挿入/排出口504aに挿入されると、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データを、メダルカードに記憶されている金額(金額が「0」の場合もある)分加算した残高データまたは疑似メダルの枚数(枚数が「0」の場合もある)分加算した持ちメダル数データに書き換えて、メダルカードに記憶されている金額または疑似メダルの枚数を「0」にするものである。また、受付処理手段501aは、現金が現金投入装置506の現金投入口506aに投入されると、記憶手段502aに記憶されている残高データを、投入された金額分加算した残高データに書き換えるものである。
(3)貸出処理手段501b
貸出スイッチ503aが操作された場合、スロットマシンSMへ所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号が送受信手段501eによって送信される。貸出処理手段501bは、この信号の送信に基づいて、記憶手段502aに記憶されている残高データまたは持ちメダル数データを、所定の貸出枚数に相当する金額分減算した残高データまたは所定の貸出枚数分減算した持ちメダル数データに書き換えるものである。スロットマシンSMでは、カードユニットCUから送信された所定の貸出枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号がユニット間送受信手段301e(図5参照)により受信される。この際、記憶手段302a(図5参照)に記憶されている遊技メダル数データは、第1計数処理手段301b2により所定の貸出枚数分加算した遊技メダル数データに書き換えられる。なお、貸出処理手段501bは、所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号がスロットマシンSMに送信された場合に記憶手段502aの記憶内容を更新する代わりに、例えば、所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号がスロットマシンSMへ送信され、これに対する応答信号がスロットマシンSMから受信された場合に記憶手段502aの記憶内容を更新するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、記憶手段502aに記憶されている持ちメダル数データに基づく疑似メダルの貸出では、貸出スイッチ503aの操作ごとに所定の貸出枚数分の疑似メダルを貸し出すようにしているが、例えば、貸出スイッチ503aが操作されると、一度に記憶手段502aに記憶されている疑似メダルの全てを貸し出すようにしてもよい。
(4)第2計数処理手段501c
第2計数処理手段501cは、メダル数制御CPU301の第1計数処理手段301b2(図5参照)と協働して、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データの一部または全部をカードユニットCUの記憶手段502aに移す計数処理を行うものである。
具体的には、スロットマシンSMの計数スイッチ31(図1参照)が操作された場合、スロットマシンSMからカードユニットCUに所定の計数の特定を可能にする枚数データに基づく信号がユニット間送受信手段301e(図5参照)を介して送信される。この際、記憶手段302a(図5参照)に記憶されている遊技メダル数データは、第1計数処理手段301b2により所定の計数分減算した遊技メダル数データに書き換えられる。この信号を送受信手段501eが受信した場合、第2計数処理手段501cは、記憶手段502aに記憶されている持ちメダル数データを、所定の計数分加算した持ちメダル数データに書き換える。なお、この実施形態では、計数スイッチ31の押下時間が所定時間に満たない通常押下の場合は疑似メダル1枚の枚数データがカードユニットCU側に送信される。一方、計数スイッチ31の押下時間が所定時間以上の長押しの場合は、疑似メダル50枚の枚数データが所定の間隔(例えば、300ms)でカードユニットCU側に送信される。
(5)返却処理手段501d
返却処理手段501dは、返却スイッチ503bが操作された場合に、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データをカード挿入排出装置504に収容されているメダルカードに記憶させた上で、当該メダルカードを遊技者に返却するものである。
具体的には、メダル数制御基板300から送信される遊技メダル数(記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数)に関する情報、および、主制御基板100とメダル数制御基板300との間で投入処理が行われた疑似メダルの枚数(スロットマシンSMのメモリ102のRAM部(図5参照)に記憶されている投入メダル数データが示す疑似メダルの枚数)に関する情報が共に「0」を示す状態で返却スイッチ503bが操作された場合、返却処理手段501dは、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データをカード挿入排出装置504に収容されているメダルカードに記憶して当該メダルカードをカード挿入排出装置504の挿入/排出口504aから排出するとともに、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データを、残高「0」を示す残高データ及び枚数「0」を示す持ちメダル数データに書き換える。なお、投入処理が行われた疑似メダルの枚数に関する情報、および、メダル数制御基板300から送信される遊技メダル数に関する情報が共に「0」でない場合に返却スイッチ503bが操作された場合は、液晶表示器14やスピーカ15,16などにより、計数(計数スイッチ31)や精算(精算スイッチ33)を促す報知が行われる。
(6)送受信手段501e
送受信手段501eは、メダル数制御基板300からの各種情報に基づく信号を受信するとともに、メダル数制御基板300に各種情報に基づく信号を送信するものである。メダル数制御基板300から受信する情報としては、疑似メダルの返却枚数(計数分の枚数データ)や、使用可能枚数(記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数)、疑似メダルの総投入枚数、総払出枚数、役物比率等の役比モニタ47に表示される各種比率、エラー関連情報などである。また、メダル数制御基板300に送信する情報としては、疑似メダルの貸出枚数に関する情報などである。なお、送受信手段501eから受け取った遊技メダル数を示す遊技メダル数データ(記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データ)は記憶手段502aに記憶され、これにより、カードユニットCUとメダル数制御基板300の双方で記憶されることになり、両者を利用することにより不正行為に対応することが可能になる。
なお、カードユニットCUからホールコンピュータへは、各種遊技情報が送信される。各種遊技情報は、例えば、前面パネル2の開放状態、疑似メダルの投入枚数に関する情報、疑似メダルの払出枚数に関する情報、エラー発生情報、設定変更中である旨の情報、設定確認状態である旨の情報、ボーナス状態中である旨の情報、入賞・再遊技役・ボーナス役に入賞した旨の情報、各回転リール6L,6M,6Rが停止した旨の情報などである。
(スロットマシン)
続いて、スロットマシンSMの構成の概略について、図1、図4、図5を参照して説明する。
本実施形態におけるスロットマシンSMでは、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の操作により、遊技を開始させるための所定条件を成立させるために疑似メダルの投入が行われる。また、疑似メダルの投入により所定枚数分の賭け数が設定されて所定条件が成立したことを条件として、遊技者によりスタートスイッチ9が操作されると、各々複数個の図柄が配列された複数の回転リール6L,6M,6Rが回転を開始する。また、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により各回転リール6L,6M,6Rが停止する。このときの停止図柄表示結果が所定の入賞態様であれば、予め定められた所定の払出枚数分の疑似メダルの払出が行われることにより1回の遊技が終了する。ここで、疑似メダルの投入とは、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、当該遊技の賭け数に応じたメダル数分減算した遊技メダル数データに書き換え、主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを当該遊技の賭け数に応じたメダル数分加算した投入メダル数データに書き換えることをいう。なお、スタートスイッチ9が操作された場合、主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データは枚数「0」を示す投入メダル数データに書き換えられる。また、疑似メダルの払出とは、当該遊技で入賞した場合に、主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データを、入賞役に応じて設定されたメダル数分加算した払出メダル数データに書き換え、その後、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、入賞役に応じて設定されたメダル数分加算した遊技メダル数データに書き換え、この遊技メダル数データに関する加算を確認した後、主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データを、入賞役に応じて設定されたメダル数分減算した払出メダル数データに書き換えることをいう。
なお、疑似メダルの投入が行われ、遊技メダル数データが減じられた場合であってもスタートスイッチ9の操作が行われるまでは、設定された賭け数を変更することができ、これに応じて賭け数が適宜更新され、スタートスイッチ9を操作すると賭け数として設定された分が遊技に供されることとなる。例えば、規定数として「3」または「1」が設定されている遊技状態において賭け数を設定する場合、最大ベットスイッチ8を操作することで賭け数として「3」が設定されるとともに、遊技メダル数データからは「3」が減じられる。その後、賭け数を「1」に変更する場合、ベットスイッチ7を操作することで賭け数として「1」が設定されるとともに、遊技メダル数データには「2」が戻る(加算される)こととなる。
スロットマシンSMは、例えば、図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシンSMは、前面が開放された箱型の筐体KY(本発明の「筐体」に相当)と、筐体KYの前面に開放自在に取り付けられる(例えば、スロットマシンSMを前方から見た場合の筐体KYの左側に前面パネル2の左側がヒンジにより回転自在に取り付けられる)前面パネル2(本発明の「前面扉」に相当)とを備える。また、スロットマシンSMでは、前面パネル2のほぼ中央高さの位置に操作パネル3(本発明の「操作パネル」に相当)が配設されると共に、この操作パネル3の上方に正面板4が配設されている。そして、この正面板4には横長矩形の表示窓5が設けられている。また、表示窓5の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右回転リール6L,6M,6Rが配置されている。
左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面には、所定の個数の図柄が所定の配列で設けられている。また、左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数の図柄には、種類が異なる複数種類の図柄が含まれている。なお、各回転リール6L,6M,6Rは、複数種類の図柄が印刷されたリールテープが回転リールの周面に貼り付けられて形成されている。また、各回転リール6L,6M,6Rが回転すると、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数種類の図柄が所定の順序でそれぞれ表示窓5に変動表示される。また、各回転リール6L,6M,6Rの回転が停止すると、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれについて、表示窓5の上段、中段および下段のそれぞれに1個ずつの合計3個の図柄が表示されるように設定されている。すなわち、全ての回転リール6L,6M,6Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓5に停止表示される。
また、各回転リール6L,6M,6Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各回転リール6L,6M,6Rには、それぞれステッピングモータにより構成される左、中、右リールモータ27L,27M,27R(図4参照)が連結されている。また、各回転リール6L,6M,6Rを支持する支持枠体が筐体KY内の後壁に固定されて設けられており、各回転リール6L,6M,6Rは支持枠体に支持されて筐体KY内に配設されている。
また、操作パネル3には、図6に示すように、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、レバー状のスタートスイッチ9、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10R、計数スイッチ31、精算スイッチ33、演出スイッチ11(本発明の「演出ボタン」に相当)が設けられている。ここで、スタートスイッチ9、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10R、精算スイッチ33は、操作パネル3が前面パネル2に配置された状態で略前方を向く第1パネル面3aに配置される。また、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、計数スイッチ31、演出スイッチ11は、操作パネル3が前面パネル2に配置された状態で略上方を向く第2パネル面3bに配置される。
ベットスイッチ7は、遊技者が後述するメダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データから1枚分ずつの疑似メダルの投入を指示する操作を行うためのものである。具体的には、ベットスイッチ7の1回の操作により、主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを「1」加算した投入メダル数データに書き換えるとともに、主制御基板100からメダル数制御基板300へ投入枚数「1枚」の特定を可能にする枚数データに基づく信号を送信し、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを「1」減算した遊技メダル数データに書き換えることにより、1枚分の疑似メダルがメダル数制御基板300から主制御基板100に投入されることになる。
最大ベットスイッチ8は、遊技者がメダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入数(規定数:3枚に設定されている)の疑似メダルの投入を指示する操作を行うためのものである。具体的には、最大ベットスイッチ8の操作により、主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数分加算した投入メダル数データに書き換えるとともに、主制御基板100からメダル数制御基板300へ最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号を送信し、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数分減算した遊技メダル数データに書き換えることにより、最大投入数に達するのに要する投入枚数分の疑似メダルがメダル数制御基板300から主制御基板100に投入されることになる。
なお、ベットスイッチ7および最大ベットスイッチ8は、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データにより示されるメダル数が1枚以上である場合に有効化されるように設定されている。また、最大ベットスイッチ8が操作されたときに、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す遊技メダル数が規定数(例えば3枚)よりも少ない場合には、疑似メダルの貸し出しを遊技者に促す報知を行うようにしてもよいし、規定数(例えば3枚)より少ない所定数で遊技できるようにしてもよい。また、そもそもそのような場合には、最大ベットスイッチ8の操作を受付けないようにしてもよい。
計数スイッチ31は、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データに基づいて所定の計数分の疑似メダルをカードユニットCU側に送信する際の指示ボタンとして機能するものである。具体的には、計数スイッチ31の操作により、メダル数制御基板300からユニット制御基板500へ所定の計数の特定を可能にする枚数データに基づく信号を送信し、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを所定の計数分減算した遊技メダル数データに書き換え、ユニット制御基板500のメモリ502の記憶手段502aに記憶されている持ちメダル数データを所定の計数分加算した持ちメダル数データに書き換えることになる。この実施形態では、通常の押下では1枚分(「所定の計数分」に相当)の枚数データの送信の指示となり、長押しでは定期的に50枚分(「所定の計数分」に相当)の枚数データの送信の指示となる。長押しの場合は押下されている間、所定時間ごとに50枚分(「所定の計数分」に相当)の枚数データがカードユニットCUに送信される。なお、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが50枚未満となったときに送信の指示(長押しに基づく送信の指示)となった場合は、残りの全ての枚数分(「所定の計数分」に相当)の枚数データがカードユニットCUに送信される。
精算スイッチ33は、疑似メダルの賭け数が設定されているときに、その賭け数分の疑似メダルを主制御基板100からメダル数制御基板300に戻す際の指示ボタンとして機能するものである。具体的には、精算スイッチ33の操作により、メモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを精算スイッチ33の操作時点での疑似メダルの投入枚数(精算スイッチ33の操作時点でのメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データが示す疑似メダルの投入枚数:以下、適宜、「精算枚数」と記載する。)分減算した投入メダル数データに書き換えるとともに、主制御基板100からメダル数制御基板300へ精算枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号を送信し、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、精算枚数分加算した遊技メダル数データに書き換えることになる。
スタートスイッチ9は、遊技者が各回転リール6L,6M,6Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させる操作を行うためのものである。左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、遊技者が左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる操作を行うためのものである。なお、スタートスイッチ9は、メダル数制御基板300から主制御基板100に所定数分の疑似メダルの投入が行われた後、有効化されるように設定されている。
左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、スタートスイッチ9の操作により回転開始した各回転リール6L,6M,6Rが所定の加速期間が経過して定速回転するようになった後に有効化されるように設定されている。
本実施の形態では、1ゲーム(1回の遊技)に必要な賭け数(所定数)は、1枚、2枚、3枚の3種類が設定されている。また、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれにより複数種類の図柄を可変表示する可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ10L,10M,10Rは、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれに対応して設けられている。
演出スイッチ11は、遊技者が演出に参加する際の指示ボタンとして機能するものである。
また、正面板4の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出を行ったりするための液晶表示器14が設けられている。
また、正面板4の上方の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための上部スピーカ15が設けられている。また、操作パネル3の下方には、装飾画などが表示された下部パネル18が設けられ、この下部パネル18の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための下部スピーカ16が設けられている。
また、前面パネル2の上側の周縁部分に上部ランプ部21が設けられ、前面パネル2の下部パネル18の左右に下部ランプ部22が設けられている。各ランプ部21,22それぞれは、発光ダイオードや有機EL等の発光素子、一般的な電球などの発光手段を備え、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行う。
また、操作パネル3の第2パネル面3bには、図1、図6に示すように、遊技者が所有する疑似メダルの枚数(メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数:遊技メダル数)を表示するための遊技メダル数表示部26(図4、図9参照)、擬似メダルの投入数(主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データが示す疑似メダルの枚数(疑似メダルの投入数(賭け数))を示すためのベット数表示部28(図4、図9参照)、遊技で払い出される疑似メダルの枚数(主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データが示す疑似メダルの枚数)を表示するための払出メダル数表示部30(図4、図9参照)などを表示基板700(図13、図14参照)の一の面(以下、適宜、「表面」と記載する。)700a側に設け、主制御基板100のメモリ102のRAM部の設定値記憶領域102cに記憶されている設定値を表示するための設定値表示部32(図4、図10参照)などを表示基板700の他の面(以下、適宜、「裏面」と記載する。)700b側に設けた表示ユニット1000が配置されている。なお、表示ユニット1000の構成、配置等の詳細については後述する。
(スロットマシンの電気的な構成の概略)
スロットマシンSMの電気的な構成の概略について、図1も参照しつつ図4を参照して説明する。図4はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右回転リール6L,6M,6Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右回転リール6L,6M,6Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号を主制御基板100に出力する。このスロットマシンSMでは、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれに設定された0~20番の図柄のコマ番号のうち、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓5の中段に位置するように構成されている。
設定キースイッチ56は、主制御基板100に設けられており、設定変更キーを設定変更キーシリンダ収容部に配置されたキーシリンダに挿入して回転することによりON、OFFが切り換えられる。リセットスイッチ52は、操作スイッチ基板600に設けられ、設定変更中は1回押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラーを解除するためのスイッチとしても用いられる。
また、このスロットマシンSMでは、遊技の進行に関する制御を行う主制御CPU101が実装された主制御基板100と、主制御基板100から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブ制御CPU201が実装されたサブ制御基板200と、遊技者が所持する疑似メダルの枚数(遊技メダル数)の管理に関わる制御を行うメダル数制御CPU301が実装されたメダル数制御基板300と、遊技の進行に必要な操作手段(例えば、スタートスイッチ9)からの信号が入力される操作スイッチ基板600と、表面700a側に遊技メダル数表示部26、ベット数表示部28及び払出メダル数表示部30が形成され、裏面700b側に設定値表示部32が形成される表示基板700と、図2に示すように、外部機器と通信を行うためのI/F基板90が別々に設けられている。ここで、主制御基板100からサブ制御基板200に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。また、主制御基板100とメダル数制御基板300とは各種の情報が双方向で送信される。
また、主制御基板100とメダル数制御基板300とはBtoB(Board tо Board)接続されている。また、表示基板700と操作スイッチ基板600、操作スイッチ基板600とメダル数制御基板300、主制御基板100とサブ制御基板200とは、いずれもハーネスを介して接続されている。
遊技の進行に必要な操作手段であるスタートスイッチ9、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、ストップスイッチ10L,10M,10Rからの信号ならびに精算スイッチ33、リセットスイッチ52からの信号は、まず操作スイッチ基板600に入力され、ハーネスを介してメダル数制御基板300に入力される。そして、メダル数制御基板300内の配線と、コネクタ接続(BtоB接続)を介して主制御基板100に入力される。計数スイッチ31からの信号は、操作スイッチ基板600に入力され、ハーネスを介してメダル数制御基板300に入力され、さらにメダル数制御CPU301に入力される。なお、スタートスイッチ9やストップスイッチ10L,10M,10Rからの信号が、メダル数制御基板300を介さずに主制御基板100に直接入力されるようにしてもよい。さらに、操作手段(スタートスイッチ9、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、ストップスイッチ10L,10M,10R)、精算スイッチ33、リセットスイッチ52、計数スイッチ31からの信号が、ハーネスを介して主制御基板100に入力され、主制御基板100内の配線と、コネクタ-コネクタ接続(Board to Board接続)を介してメダル数制御基板300に入力されるようにしてもよい。
払出メダル数表示部30の表示に用いられる制御信号(表示データを含む)は、主制御基板100から送信される。このとき、主制御基板100→メダル数制御基板300→操作スイッチ基板600→表示基板700の伝送経路となる。遊技メダル数表示部26の表示に用いられる制御信号(表示データを含む)は、メダル数制御基板300から送信される。このとき、メダル数制御基板300→操作スイッチ基板600→表示基板700の伝送経路となる。ベットスイッチ7又は最大ベットスイッチ8に対する操作信号が操作スイッチ基板600から送信され、このとき、操作スイッチ基板600→メダル数制御基板300→主制御基板100の伝送経路となり、この操作信号に基づくベット数表示部28の表示に用いられる制御信号(表示データを含む)は、主制御基板100から送信され、このとき、主制御基板100→メダル数制御基板300→操作スイッチ基板600→表示基板700の伝送経路となる。設定値表示部32の表示に用いられる制御信号(表示データを含む)は、主制御基板100から送信される。このとき、主制御基板100→メダル数制御基板300→操作スイッチ基板600→表示基板700の伝送経路となる。
役比モニタ47は、各種比率を表示するものであり主制御基板100に設けられる。この実施形態において役比モニタ47は、4個の7セグメントLEDで構成されている。各種比率としては、役物比率、連続役物比率、有利区間比率などがある。役物比率は、疑似メダルの総払出数に対する役物(例えば、ビックボーナス(BB)、チャンスボーナス(CB)、シングルボーナス(SB)など)による払出数の総数が占める割合である。連続役物比率は、疑似メダルの総払出数に対する連続役物(例えば、ビックボーナス(BB)など)による払出数の総数が占める割合である。有利区間比率は、押し順によって疑似メダルの払出数が異なる役(AT役)に当選したときに有利な押し順の報知が許容される有利区間が有る場合に、総遊技数に対する当該有利区間が占める割合である。なお、役比モニタ47は、メダル数制御基板300に設けられていてもよい。また、役比モニタ47を設けずに、各種比率を特定可能な情報をカードユニットCU側に送信するようにしてもよい。
主制御基板100のメモリ102は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、遊技の進行に必要なデータやプログラムなどを記憶するROM部とを備えている(図5参照)。主制御基板100のRAM部は例えば各種フラグ、役抽選結果などを記憶する。また、主制御基板100のROM部は予め設定されたデータ(図5の抽選テーブル102aや停止テーブル102bなど)や遊技機用プログラム(スロットマシンSM用のプログラム)を記憶するものである。
また、主制御基板100の主制御CPU101は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM部に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、主制御CPU101は、抽選手段101e(図5参照)による役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ10L,10M,10R、スタートスイッチ9等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板200(サブ制御CPU201)に送信する。
また、サブ制御基板200のメモリ202は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板200のサブ制御CPU201は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブ制御CPU201は、主制御CPU101から送信されるスロットマシンSMに関する各種の遊技情報に基づいてメモリ202に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板200のサブ制御CPU201は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板200が有するI/Oポートを介して、液晶表示器14やスピーカ15,16などの演出機器の制御を行う。
また、メダル数制御基板300のメモリ302は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、メダル数制御基板300のメダル数制御CPU301は、タイマ割込などの割込機能を有し、遊技者が所持する疑似メダルの枚数を、メモリ302のRAM部(揮発性メモリ)に形成された記憶手段302aに記憶される遊技メダル数データを用いて管理したり、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データに応じた疑似メダルの枚数を遊技メダル数表示部26に表示したりするなどの各種制御を行う。
主制御基板100、サブ制御基板200、メダル数制御基板300、I/F基板90それぞれは、外部から容易にアクセスできないように、カシメ機構を有する個別の基板ケース内に封印されている。不正行為を防止するための各基板の接続方法としては、それぞれに実装されたコネクタにより、直接基板間接続(BtoB接続)する方法、物理的アクセスの他に、電磁波ノイズの影響を抑えるワイヤカバーで被覆された信号線を用いて接続する方法、信号線を遊技者から視認し難い場所から引き回す方法、基板間の通信信号を暗号化する方法、各基板に設けたID情報を、定期的またはエラー発生時にやり取りする方法などがある。なお、基板それぞれに実装されたコネクタにより両基板を接続する場合は、基板の視認性が低下する積層接続ではなく、横並びに接続し、接続箇所を含めた基板ユニットとしてカバーすることでアクセスを困難にするとよい。また、主制御基板100とメダル数制御基板300で個々の基板ケースに収容せず、まとめて一つの基板ケースに収納して封印するようにしてもよい。
(主制御基板)
主制御基板100の機能について図5を参照して説明する。
(1)遊技制御手段101a
遊技制御手段101aは、メダルレスのスロットマシンSMにおいて実行される遊技を制御するためのものである。
このスロットマシンSMの遊技では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されて疑似メダルの投入の指示があると、主制御基板100では、メモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データが、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8に応じた疑似メダルの投入枚数分加算された投入メダル数データに書き換えられるとともに、疑似メダルの投入枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号が主制御基板100からメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信される。この信号を受信したメダル数制御基板300では、メモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが、疑似メダルの投入枚数分減算された遊技メダル数データに書き換えられる。このとき、書き換えたことを特定可能な情報に基づく信号が、メダル数制御基板300から主制御基板100に送信され、この信号がメダル管理送受信手段101nにより受信される。また、スタートスイッチ9の操作がされるまでは賭け数の変更が可能であって、これに応じて記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データも更新されることとなる。そして、所定の賭け数が設定された後にスタートスイッチ9が操作されると、メモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データが投入枚数「0」を示す投入メダル数データに書き換えられ、その後、まず、当選か否かを決定する抽選手段101eによる乱数抽選が行われ、ほぼ同時に、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が開始する。
その後に、3個のストップスイッチ10L,10M,10Rのうちの1個が操作されると、左・中・右回転リール6L,6M,6Rのうちの当該操作されたストップスイッチ10L,10M,10Rに対応した回転リールの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作が終了すると、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、所定枚数の疑似メダルの払出、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データの減算を行うことなく次回の遊技を実行可能なリプレイ、などの所定の利益が遊技者に対して付与される。なお、所定枚数の疑似メダルの払出がある場合、主制御基板100では、メモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データを、疑似メダルの払出枚数分加算した払出メダル数データに書き換える。続いて、疑似メダルの払出枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号が主制御基板100からメダル数制御基板300へ送信される。当該信号を受信したメダル数制御基板300では、メモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、疑似メダルの払出枚数分加算した遊技メダル数データに書き換える。そして、遊技メダル数データの書き換えが完了したことの特定を可能にする信号がメダル数制御基板300から主制御基板100へ送信される。当該信号を受信した主制御基板100では、メモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データを、疑似メダルの払出枚数分減算した払出メダル数データに書き換える。
また、遊技制御手段101aは、スロットマシンSMにおいて実行される遊技状態を複数の遊技状態の中から一つの遊技状態に制御するためのものである。
この実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態、ボーナス内部当選状態、ボーナス遊技状態がある。通常遊技状態は、設定変更時やボーナス遊技状態の終了条件(例えば、ボーナス遊技状態での所定回の遊技や払出のある役の所定回の入賞)の成立により設定される遊技状態である。また、ボーナス内部当選状態は、通常遊技状態や有利遊技状態で、ボーナス役を含む当選役グループに当選したが、当該当選した遊技で当該ボーナス役に入賞しなかった場合に設定される遊技状態である。また、ボーナス遊技状態は、ボーナス役を含む当選役グループに当選して当該当選した遊技で当該ボーナス役に入賞した場合、ボーナス内部当選状態で持ち越しているボーナス役に入賞した場合に設定される遊技状態である。なお、スロットマシンSMに用意された遊技状態は上記のものに限定されない。
また、遊技制御手段101aは、スロットマシンSMにおいて実行される遊技区間を複数の遊技区間の中から一つの遊技区間に制御するためのものである。
この実施形態では、遊技区間として非有利区間と有利区間とがあり、有利区間には非出玉区間と出玉区間とがある。非有利区間は、疑似メダルの払出メダル数の異なる複数の小役から構成される当選役グループ(以下、「押し順当選役グループ」と記載する。)に当選した場合に最大の疑似メダルの払出メダル数が得られる小役に入賞する左・中・右ストップスイッチ10L,10M、10Rの正解の押し順を報知する報知演出を許容しない遊技区間であり、遊技者にとって不利な遊技区間である。有利区間は、押し順当選役グループに当選した場合に最大の疑似メダルの払出メダル数が得られる小役に入賞する左・中・右ストップスイッチ10L,10M、10Rの正解の押し順を報知する報知演出を許容する遊技区間であり、遊技者にとって有利な遊技区間である(非有利区間よりも遊技者にとって有利な遊技区間である)。有利区間中の非出玉区間は報知演出が許容されているものの実際には報知演出が行われない遊技区間であり(なお、非出玉区間の内容はこれに限定されるものではなく、例えば出玉区間と比べて報知演出が行われる割合が低い区間であってもよい)、有利区間中の出玉区間は報知演出が許容されていて実際に報知演出が行われる遊技区間である。非有利区間は、設定変更時や有利区間の終了条件(例えば、有利区間での所定回の遊技や所定メダル数の疑似メダルの増加、出玉区間での遊技数セットの消化)の成立により設定される。有利区間内の非出玉区間は、非有利区間で予め定められた当選役グループ(以下、「有利区間移行抽選当選役グループ」と記載する。)の当選を契機として行われる非有利区間から有利区間への移行抽選に当選した場合に設定され、非出玉区間では、出玉区間で遊技する権利がある所定の遊技数からなる遊技数セットの付与抽選(以下、「遊技数セット上乗せ抽選」と記載する。)が行われる。有利区間内の出玉区間は、非出玉区間で、出玉区間への移行条件を満たした後に設定され、出玉区間では遊技数セット上乗せ抽選が行われる。有利区間内の非出玉区間や出玉区間での遊技数セット上乗せ抽選は例えば所定の当選役グループ(以下、「上乗せ抽選当選役グループ」と記載する。)に当選した場合に行われ、選択肢として遊技数セット「0」、「1」がある。なお、選択肢は、「0」、「1」、「2」などであってもよい。なお、スロットマシンSMに用意された有利区間内の区間は上記のものに限定されない。なお、ここでは、左・中・右ストップスイッチ10L,10M、10Rに対する操作態様により有利量の異なる役として、疑似メダルの払出メダル数の異なる役を例に挙げているが、操作態様により次遊技からの遊技状態の移行先が異なる役や、有利区間の上乗せ量(例えば、遊技数セットの付与数)が異なる役等も有利量の異なる役として挙げられる。一例として、次遊技からの遊技状態の行き先が異なる複数の再遊技役から構成され、操作態様によらず必ず当該複数の再遊技役のいずれかの図柄組み合わせが揃うが、操作態様によって図柄組み合わせが揃う再遊技役が異なって次遊技からの遊技状態の行き先が異なることになる当選役グループがある。
(2)設定値設定手段101b
設定値設定手段101bは、所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(総払出枚数÷総メダル投入数×100[%])の調整をするための設定(設定1~設定6)を変更するものである。
ここで、設定値を変更するための設定変更操作の一例について説明する。例えば、スロットマシンSMの電源が投入される前に設定キースイッチ56(設定キー)をON状態にし、電源を投入すると、設定変更処理が開始される。このとき、リセットスイッチ52を1回押すと、電源投入前に設定された設定値から1つ上位の設定値に仮設定される(例えば、設定3から設定4に仮設定)。その後は、リセットスイッチ52を押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。但し、仮設定値が6の場合にリセットスイッチ52を押すと、設定値が1に戻って仮設定される。そして、最後に、スタートスイッチ9のON操作により設定値が確定し、その時の仮設定値がスロットマシンSMの設定値になる。なお、設定値設定手段101bは、設定変更を行った場合は、設定値記憶領域102cに記憶されている設定値を変更後の設定値に書き換える。この設定値記憶領域102cに記憶されている設定値は、表示基板700の裏面700b側に形成された設定値表示部32に表示される。
(3)テーブル選択手段101c
テーブル選択手段101cは、遊技制御手段101aにより制御される遊技の種類(例えば、一般遊技状態、ボーナス遊技状態)、および、設定値設定手段101bにより設定された設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の抽選テーブル102aから1つの抽選テーブルを選択するものである。例えば、一般遊技状態の遊技では、テーブル選択手段101cは、抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1~設定6)に応じて抽選テーブル102a(一般遊技用抽選テーブル)を選択する。
(4)第1投入処理手段101d
第1投入処理手段101dは、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、後述するメダル数制御CPU301の第2投入処理手段301b3と協働して、疑似メダルの投入を行うことにより賭け数を設定して、遊技を開始するための所定条件を成立させるものである。また、第1投入処理手段101dは、精算スイッチ33が操作された場合は、メダル数制御CPU301の第2投入処理手段301b3と協働して一度設定した賭け数のキャンセルを行うものである。また、第1投入処理手段101dは、ベット数表示部28の表示を制御するものであり、具体的には、メモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データに基づいて投入メダル数データが示す投入メダル数が表示されるようにベット数表示部28を制御する。
ベットスイッチ7が操作された場合、第1投入処理手段101dは、メモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを「1」加算した投入メダル数データに書き換えるとともに、投入枚数「1枚」の特定を可能にする枚数データに基づく信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。当該信号を受信したメダル数制御基板300では第2投入処理手段301b3により記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを「1」減算した遊技メダル数データに書き換えた上で、主基板間送受信手段301aにより当該処理の完了信号を主制御基板100に送信し、これにより1枚分の疑似メダルの投入処理が完了する。
最大ベットスイッチ8が操作された場合、第1投入処理手段101dは、メモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数分加算した投入メダル数データに書き換えるとともに、最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。当該信号を受信したメダル数制御基板300では第2投入処理手段301b3により記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数分減算した遊技メダル数データに書き換えた上で、当該処理の完了信号を主制御基板100に送信し、これにより最大投入数に達するのに要する投入枚数分の疑似メダルの投入処理が完了する。なお、最大投入数に達するのに要する投入枚数分の疑似メダルの投入処理は、1枚分の疑似メダルの投入を、最大投入数に達するのに要する投入枚数分繰り返すことにより行うようにしてもよい。
ベットスイッチ7又は最大ベットスイッチ8が操作されて疑似メダルの投入が行われた後、スタートスイッチ9が操作された場合、第1投入処理手段101dは、メモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを、投入枚数「0」を示す投入メダル数データに書き換える。
また、精算スイッチ33が操作された場合、第1投入処理手段101dは、メモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを精算スイッチ33の操作時点の疑似メダルの投入枚数(精算スイッチ33の操作時点でのメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データが示す疑似メダルの投入枚数:以下、適宜、「精算枚数」と記載する。)分減算した投入メダル数データに書き換えるとともに、精算枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。当該信号を受信したメダル数制御基板300では第2投入処理手段301b3により記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、精算枚数分加算した遊技メダル数データに書き換えた上で、当該処理の完了信号を主基板間送受信手段301aにより主制御基板100に送信する。なお、精算枚数分の疑似メダルの精算処理は、1枚分の疑似メダルの精算を、精算枚数分繰り返すことにより行うようにしてもよい。
(5)抽選手段101e
抽選手段101eは、本実施の形態では、スタートスイッチ9の操作を契機に、所定の範囲内(本実施の形態では、例えば、10進数で0~65535)で乱数を発生させて抽出し、抽出した乱数と抽選テーブル102aとを基に、小役、再遊技役、ボーナス役を含む複数の役のいずれかに当選かまたはハズレかの抽選を行うためのものである。
抽選テーブル102aは、抽選手段101eが発生させる所定の範囲内の各乱数について、予め設定されている抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものである。
(6)リール回転制御手段101f
リール回転制御手段101fは、遊技者によるストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作態様と抽選手段101eの抽選結果とに基づき、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行うものである。具体的には、リール回転制御手段101fは、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rのそれぞれに対する操作に基づき、停止テーブル102bを用いて左・中・右回転リール6L,6M,6Rのそれぞれに対する停止制御を行い、左・中・右回転リール6L,6M,6Rのそれぞれにより可変表示される図柄を抽選手段101eの役抽選結果に対応した表示態様で停止させる。
(7)判定手段101g
判定手段101gは、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により全ての回転リール6L,6M,6Rが停止したときの停止図柄の表示態様を判定するものである。本実施の形態では、各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかが判定手段101gにより判定される。なお、入賞と判定される表示態様は、当選役毎に異なる表示態様が予め定められている。
(8)第1払出処理手段101h
第1払出処理手段101hは、判定手段101gの判定結果が疑似メダルの払い出しがある役のいずれかの入賞態様であった場合に、後述するメダル数制御CPU301の第2払出処理手段301b4と協働して、当該役に応じた疑似メダルを払い出すことにより、遊技者に利益を付与するものである。判定手段101gの判定結果が疑似メダルの払い出しにかかる表示態様であった場合は、第1払出処理手段101hは、メモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データを、疑似メダルの払出枚数分加算した払出メダル数データに書き換える。続いて、疑似メダルの払出枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号が主制御基板100からメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。当該信号を受信したメダル数制御基板300では第2払出処理手段301b4によりメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、疑似メダルの払出枚数分加算した遊技メダル数データに書き換えた上で、当該処理の完了信号を主制御基板100に送信する。当該信号を受信した主制御基板100では、第1払出処理手段101hは、メモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データを疑似メダルの払出枚数分減算した払出メダル数データに書き換える。これにより払出処理が完了する。なお、払出枚数分の疑似メダルの払出処理は、1枚分の疑似メダルの払出を、払出枚数分繰り返すことにより行うようにしてもよい。
(9)エラー検知手段101i
エラー検知手段101iは、通常の状態とは異なる異常な状態が発生している状態、いわゆるエラーが発生したか否かを検知するものである。
(10)払出メダル数表示制御手段101j
払出メダル数表示制御手段101jは、払出メダル数表示部30の表示を制御するものである。具体的には、払出メダル数表示制御手段101jは、当選役に入賞した際、払出メダル数表示部30に当該入賞役に設定された疑似メダルの払出数(メモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データが示す疑似メダルの枚数)が表示されるように払出メダル数表示部30を制御する。また、払出メダル数表示制御手段101jは、エラー検知手段101iによりエラーの発生が検知された場合、払出メダル数表示部30に検知したエラーに対して予め定められた識別番号が表示されるように払出メダル数表示部30を制御する。
(11)コマンド作成手段101k
コマンド作成手段101kは、抽選手段101eの役抽選結果に関する情報、一般遊技状態やボーナス遊技状態などの遊技状態の種類に関する情報、各回転リール6L,6M,6Rの回転・停止状態、第1払出処理手段101hによる疑似メダルの払出状態などの種々の情報をサブ制御基板200(サブ制御CPU201)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段101kにより生成されたコマンドは、後述するコマンド送信手段101mによりサブ制御基板200に送信される。サブ制御基板200では、主制御基板100から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板200において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段101kにより作成される。
(12)コマンド送信手段101m
コマンド送信手段101mは、主制御基板100からサブ制御基板200へ、コマンド作成手段101kにより作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。
(13)メダル管理送受信手段101n
メダル管理送受信手段101nは、メダル数制御基板300に各種情報に基づく信号を送信するとともに、メダル数制御基板300からの各種情報に基づく信号を受信するものである。メダル数制御基板300に送信する情報としては、例えば、入賞役に関する情報やベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8の操作に関する情報、疑似メダルの投入に関する情報、疑似メダルの払い出しに関する情報、主制御CPU101のID番号、役物比率などの各種比率を含む遊技機情報などである。また、メダル数制御基板300から受信する情報としては、例えば、疑似メダルの投入に関する情報、疑似メダルの払出に関する情報などである。
(14)操作等管理手段101p
操作等管理手段101pは、遊技の進行に関わる操作手段の操作を有効化するか、あるいは非有効化するかを管理するものである。
(15)遊技履歴情報管理手段101q
遊技履歴情報管理手段101qは、遊技の進行に応じて遊技履歴情報を集計するものである。例えば、遊技履歴情報として、総投入数(電源ONから再遊技を含まずに累積した投入数)、総払出数(電源ONから再遊技を含まずに累積した払出数)、MY(電源ON以降算出される最大MY)、役物払出数(電源ONから累積した役物の作動による払出数)、連続役物払出数(電源ONから累積した第一種特別役物の差動による払出数)、役物比率(役物払出数÷総払出数×100[%])、連続役物比率(連続役物払出数÷総払出数×100[%])、有利区間比率、指示込役物比率、役物等状態比率などがある。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板200の機能について図5を参照して説明する。
(1)コマンド受信手段201a
コマンド受信手段201aは、主制御基板100のコマンド送信手段101mにより送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段201aは、主制御基板100から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板200が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段201b
演出内容決定手段201bは、コマンド受信手段201aにより受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、抽選手段101eの役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器14に表示される動画を決定したり、スピーカ15,16から流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22の光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
そして、演出内容決定手段201bは、決定した演出内容に関するデータを含む信号を液晶表示制御手段201cおよび音声制御手段201dに送信する。
(3)液晶表示制御手段201c
液晶表示制御手段201cは、演出内容決定手段201bから送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器14に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。例えば、液晶表示制御手段201cは演出内容決定手段201bから送信されるデータに基づいて上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別にフラッシュさせる。
(4)音声制御手段201d
音声制御手段201dは、演出内容決定手段201bから送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ15,16から音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。例えば、音声制御手段201dは、演出内容決定手段201bから送信されるデータに基づいてスピーカ15から再遊技役の入賞音を鳴らしたり、スピーカ16からメダルの投入音を鳴らしたりする。
(メダル数制御基板)
次に、メダル数制御基板300の機能について図5を参照して説明する。
(1)記憶手段302a
記憶手段302aは、メモリ302のRAM部(揮発性メモリ)に形成され、遊技者が所持する疑似メダル(遊技メダル数)を示す遊技メダル数データを記憶するものである。
(2)主基板間送受信手段301a
主基板間送受信手段301aは、主制御基板100から送信される、疑似メダルの投入枚数に関する情報や、入賞役にかかる疑似メダルの払出数に関する情報などの各種情報に基づく信号や、主制御CPU101のID番号、役物比率などの各種比率を含む遊技機情報などを受信するとともに、主制御基板100からの疑似メダルの投入枚数に関する情報や払出枚数に関する情報に対する応答信号を主制御基板100に送信するものである。主基板間送受信手段301aは、主制御基板100から送信される情報に基づく信号を受信すると、情報の種類に応じてメダル数制御基板300が備える各機能に通知を行う。
(3)遊技メダル数管理手段301b
遊技メダル数管理手段301bは、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数の管理を行うものであり、借受処理手段301b1と、第1計数処理手段301b2と、第2投入処理手段301b3と、第2払出処理手段301b4とを備える。
a)借受処理手段301b1
借受処理手段301b1は、カードユニットCUとの間で疑似メダルの借受処理を行うものである。具体的には、カードユニットCUの貸出スイッチ503aが操作された場合、カードユニットCUのユニット制御基板500からスロットマシンSMのメダル数制御基板300に所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号が送信され、この信号が後述するユニット間送受信手段301eにより受信される。この信号がユニット間送受信手段301eにより受信された場合、借受処理手段301b1は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、所定の貸出枚数分加算した遊技メダル数データに書き換える。また、借受処理手段301b1は、所定の貸出枚数分増加した遊技メダル数データに書き換えたときは、貸出受領結果応答信号をユニット間送受信手段301eを介してカードユニットCUに送信する。ユニット制御基板500では、貸出受領結果応答信号が送受信手段501eにより受信された場合、貸出処理手段501bにより、記憶手段502aに記憶されている持ちメダル数データを、所定の貸出枚数分減算した持ちメダル数データに書き換える。
b)第1計数処理手段301b2
第1計数処理手段301b2は、カードユニットCUの第2計数処理手段501cと協働して、記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データの一部または全部をカードユニットCU側に移す計数処理を行うものである。具体的には、スロットマシンSMの計数スイッチ31が操作された場合、スロットマシンSMのメダル数制御基板300からカードユニットCUのユニット制御基板500に所定の計数の特定を可能にする枚数データに基づく信号がユニット間送受信手段301eを介して送信される。この信号がユニット間送受信手段301eにより送信された場合、第1計数処理手段301b2は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、所定の計数分減算した遊技メダル数データに書き換える。ユニット制御基板500では、この信号が送受信手段501eにより受信された場合、第2計数処理手段501cにより、記憶手段502aに記憶されている持ちメダル数データを、所定の計数分加算した加算した持ちメダル数データに書き換える。
この実施形態では、所定の計数分としては、計数スイッチ31の押下時間が所定時間に満たない通常押下の場合は疑似メダル1枚、計数スイッチ31の押下時間が所定時間以上の長押しの場合は疑似メダル50枚となっている。なお、長押しの場合は、計数スイッチ31の押下中、所定の間隔(例えば、300ms)で疑似メダル50枚がカードユニットCUに送信される。これに伴い、所定の間隔(例えば、300ms)毎に、第1計数処理手段301b2は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、疑似メダル50枚分を減算した遊技メダル数データに書き換え、第2計数処理手段501cは、記憶手段502aに記憶されている持ちメダル数データを、疑似メダル50枚分を加算した持ちメダル数データに書き換える。
c)第2投入処理手段301b3
第2投入処理手段301b3は、主制御CPU101の第1投入処理手段101dと協働して、疑似メダルの投入を行うことにより賭け数を設定して、遊技を開始するための所定条件を成立させるものである。また、第2投入処理手段301b3は、主制御CPU101の第1投入処理手段101dと協働して一度設定した賭け数のキャンセルを行うものである。
ベットスイッチ7が操作された場合、主制御基板100で第1投入処理手段101dによりメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを「1」加算した投入メダル数データに書き換えるとともに、投入枚数「1枚」の特定を可能にする枚数データに基づく信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。当該信号を主基板間送受信手段301aが受信した場合、第2投入処理手段301b3は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数を、「1」減算した遊技メダル数データに書き換え、当該処理の完了信号を主基板間送受信手段301aを介して主制御基板100に送信し、これにより1枚分の疑似メダルの投入処理が完了する。
最大ベットスイッチ8が操作された場合、主制御基板100で第1投入処理手段101dによりメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数分加算した投入メダル数データに書き換えるとともに、最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。当該信号を主基板間送受信手段301aが受信した場合、第2投入処理手段301b3は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、最大投入数に達するのに要する疑似メダルの投入枚数分減算した遊技メダル数データに書き換え、当該処理の完了信号を主基板間送受信手段301aを介して主制御基板100に送信し、これにより最大投入数に達するのに要する投入枚数分の疑似メダルの投入処理が完了する。なお、最大投入数に達するのに要する投入枚数分の疑似メダルの投入処理は、1枚分の疑似メダルの投入を、最大投入数に達するのに要する投入枚数分繰り返すことにより行うようにしてもよい。
また、精算スイッチ33が操作された場合、主制御基板100で第1投入処理手段101dによりメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データを精算スイッチ33の操作時点の疑似メダルの投入枚数(精算スイッチ33の操作時点でのメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データが示す疑似メダルの投入枚数:精算枚数)分減算した投入メダル数データに書き換えるとともに、精算枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。当該信号を主基板間送受信手段301aが受信した場合、第2投入処理手段301b3は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、精算枚数分加算した遊技メダル数データに書き換え、当該処理の完了信号を主基板間送受信手段301aを介して主制御基板100に送信し、精算枚数分の疑似メダルの精算処理が完了する。なお、精算枚数分の疑似メダルの精算処理は、1枚分の疑似メダルの精算を、精算枚数分繰り返すことにより行うようにしてもよい。
d)第2払出処理手段301b4
第2払出処理手段301b4は、判定手段101gの判定結果が疑似メダルの払い出しがある役のいずれかの入賞態様であった場合に、主制御CPU101の第1払出処理手段101hと協働して、当該役に応じた疑似メダルを払い出すことにより、遊技者に利益を付与するものである。
判定手段101gの判定結果が疑似メダルの払い出しにかかる表示態様(小役等の払い出しがある役の入賞態様)であった場合は、主制御基板100で第1払出処理手段101hによりメモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データを、疑似メダルの払出枚数分加算した払出メダル数データに書き換え、続いて、疑似メダルの払出枚数の特定を可能にする枚数データに基づく信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。当該信号を主基板間送受信手段301aが受信した場合、第2払出処理手段301b4は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、払出枚数分加算した遊技メダル数データに書き換え、当該処理の完了信号を主基板間送受信手段301aを介して主制御基板100に送信する。当該信号を受信した主制御基板100では、第1払出処理手段101hは、メモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データを疑似メダルの払出枚数分減算した払出メダル数データに書き換える。これにより、払出枚数分の疑似メダルの払出処理が完了する。なお、払出枚数分の疑似メダルの払出処理は、1枚分の疑似メダルの払出を、払出枚数分繰り返すことにより行うようにしてもよい。
(4)遊技メダル数表示制御手段301c
遊技メダル数表示制御手段301cは、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを基に、当該遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数が遊技メダル数表示部26に表示されるように、遊技メダル数表示部26の制御を行うものである。
(5)ユニット間送受信手段301e
ユニット間送受信手段301eは、疑似メダルの投入枚数や払出枚数に関する情報、スロットマシンSMで発生しているエラーに関する情報、役比モニタ47の表示される各種比率に関する情報、計数スイッチ31の操作に基づく計数分の枚数データを特定可能な情報、スロットマシンSMの固有の情報などの種々の情報をカードユニットCUに送信するとともに、貸出スイッチ503aの操作に基づいてカードユニットCUから送信される貸出枚数分の枚数データを特定可能な情報を受信するものである。
上記したスロットマシンSMのメダル数制御CPU301とカードユニットCUのユニットCPU501間の通信はシリアル通信により実施され、上記したスロットマシンSMの主制御CPU101とスロットマシンSMのメダル数制御CPU301間の通信はパラレル通信により実施される。なお、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301とカードユニットCUのユニットCPU501間の通信はシリアル通信に限定されるものではなく、また、スロットマシンSMの主制御CPU101とスロットマシンSMのメダル数制御CPU301間の通信はパラレル通信に限定されるものではない。
(表示ユニット)
スロットマシンSMが備える表示ユニット1000について図9~図16を参照して説明する。
まず、図9~図12を参照して表示ユニット1000の表示内容等について説明する。なお、図9は表示ユニット1000の正面図であり、図10は表示ユニット1000の背面図であり、図11は図10の表示ユニット1000の左側面図であり、図12は表示ユニット1000の背面側の斜視図である。
表示ユニット1000(本発明の「表示ユニット」に相当)には、表示基板700(本発明の「表示基板」に相当)の一の面(表面)700a(本発明の「一の面」に相当)側(表示ユニット1000の表面1000a側)に、遊技メダル数表示部26、払出メダル数表示部30、ベット数表示部28、投入指示表示部29a、スタート指示表示部29b、リプレイ表示部29cが設けられ(図9、図11参照)、表示基板700の他の面(表面700aと反対側の面:裏面)700b(本発明の「他の面」に相当)側(表示ユニット1000の裏面1000b側)に、設定値表示部32が設けられている(図10、図11、図12参照)。
表示ユニット1000の表面1000a側に設けられた遊技メダル数表示部26は、遊技者が所有する遊技メダルの枚数(遊技メダル数)、つまり、メダル数制御基板300のメモリ302の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数を表示面に表示する表示部であって、5桁の表示が可能になっている。各桁は8の字状に配置されたセグメントが個別に表示点灯されるように構成されている。
表示ユニット1000の表面1000a側に設けられた払出メダル数表示部30は、遊技で払い出される疑似メダルの枚数(払出枚数)、つまり、主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている払出メダル数データが示す疑似メダルの枚数を表示面に表示する表示部であって、3桁の表示が可能になっている。各桁は8の字状に配置されたセグメントが個別に表示点灯されるように構成されている。
表示ユニット1000の表面1000a側に設けられたベット数表示部28は、投入された疑似メダルの枚数(投入数)、つまり、主制御基板100のメモリ102のRAM部に記憶されている投入メダル数データが示す疑似メダルの枚数を表示面に表示する表示部であって、個別に表示点灯されるように構成された1BET表示部28aa、2BET表示部28ab及び3BET表示部28acを備える。疑似メダルの投入数が「0」枚の場合には表示部28aa~28acのいずれも表示点灯せず、「1」枚の場合には1BET表示部28aaのみが表示点灯し、「2」枚の場合には2BET表示部28abのみが表示点灯し、「3」枚の場合には3BET表示部28acのみが表示点灯する。
表示ユニット1000の表面1000a側に設けられた投入指示表示部29aはベットスイッチ7又は最大ベットスイッチ8の操作の指示を表示面に表示する表示部であり、スタート指示表示部29bはスタートスイッチ9の操作の指示を表示面に表示する表示部であり、リプレイ表示部29cは再遊技の表示を表示面に表示する表示部である。
図11に示すように、表示ユニット1000の表面1000aと、表示基板700の表面700aとは略平行にある。つまり、表示ユニット1000の表面1000a側の遊技メダル数表示部26、払出メダル数表示部30、ベット数表示部28、投入指示表示部29a、スタート指示表示部29b、リプレイ表示部29cの各表示面は、表示基板700の表面700aに対して傾斜していない(略平行である)。
表示ユニット1000は、図6に示すように、各表示部26、28、29a~29c(図9参照)、30の表示面(表示内容)がスロットマシンSMの外側から視認可能となり、当該表示ユニット1000が操作パネル3の第2パネル面3bからスロットマシンSMの外側に出ないように、図8に示すように、前面パネル2の裏側から後述する支持具ユニット2000を介して、操作パネル3の第2パネル面3bに形成された開口3cに対応するスロットマシンSMの内側に取り付けられて配置される。
表示ユニット1000がスロットマシンSMの内側に配置された状態では、図6に示すように、各表示部26、28、29a~29c、30の各表示面を含む表示ユニット1000の表面1000aは、操作パネル3の第2パネル面3bよりも下方側に位置しており、表示ユニット1000の表面1000aと操作パネル3の第2パネル面3bなどとにより凹部3dが形成される(凹部3dについて図19も参照)。スロットマシンSMでは、図6に示すように、この凹部3dを塞ぐように透光性のある透光性パネル3000が操作パネル3の第2パネル面3bに配置される。透光性のある透光性パネル3000が凹部3dを塞ぐように配置された状態では、操作パネル3の上面側で、操作パネル3の第2パネル面3bを上方から見た場合の凹部3dと当該凹部3dの周辺を含む領域部分に段差が形成されないようになっている。
表示ユニット1000の裏面1000b側に設けられた設定値表示部32は、主制御基板100のメモリ102のRAM部の設定値記憶領域102cに記憶されている設定値を表示面に表示する表示部であって、1桁の表示が可能になっている。桁は8の字状に配置されたセグメントが個別に表示点灯されるように構成されている。
図11、図12に示すように、表示ユニット1000の設定値表示部32の設定値を表示する表示面32aは、表示基板700の裏面700bに対して傾斜している。
図7に示すように、表示ユニット1000は、設定値表示部32の表示面32a(表示内容)は前面パネル2を開けた状態で視認可能となるようにスロットマシンSMの内側に配置されている。
なお、各表示部26、28、29a~29c、30が本発明の「第1表示部」に相当し、設定値表示部32が本発明の「第2表示部」に相当する。また、各表示部26、28、29a~29c、30の表示面が本発明の「第1表示面」に相当し、設定値表示部32の表示面32aが本発明の「第2表示面」に相当する。また、各表示部26、28、29a~29c、30の表示情報が本発明の「第1情報」に相当し、設定値表示部32の表示情報が本発明の「第2情報」に相当する。
続いて、図13~図16を参照して表示ユニット1000の構造等について説明する。図13は表示ユニット1000の正面側から見た表示ユニット1000の分解斜視図であり、図14は表示ユニット1000の背面側から見た表示ユニット1000の分解斜視図であり、図15は表示基板700と第2カバー部材1300との対向するそれぞれの面が見えるようにした表示ユニット1000の一部構成部品の分解斜視図であり、図16は図10のA-A’矢視断面図である。
表示ユニット1000は、図13、図14に示すように、表示基板700と、第1カバー部材1100と、第1シール部材1200と、第2カバー部材1300と、第2シール部材1400とを備える。
第1シール部材1200は、表示ユニット1000の表面1000a側の表示面を形成するものである。第1シール部材1200には、図13、図14に示すように、遊技メダル数表示部26を構成する表示情報部26a(図9の遊技メダル数表示部26の表示情報参照)と、ベット数表示部28を構成する表示情報部28a(図9のベット数表示部28の表示情報参照)と、払出メダル数表示部30を構成する表示情報部30a(図9の払出メダル数表示部30の表示情報参照)と、投入指示表示部29aを構成する表示情報部29aa(図9の投入指示表示部29aの表示情報参照)、スタート指示表示部29bを構成する表示情報部29ba(図9のスタート指示表示部29bの表示情報参照)、リプレイ表示部29cを構成する表示情報部29ca(図9のリプレイ表示部29cの表示情報参照)が形成されている。
より具体的には、第1シール部材1200は、透明なシートに、粘着剤を塗布して形成されるとともに、印刷によって光を透過する透過領域と、光を遮断する非透過領域とに区画される。上述の表示情報部26a、表示情報部28a、表示情報部30a、表示情報部29aa、表示情報部29ba、表示情報部29caは、透過領域に相当する。
表示基板700の表面700aには、図13に示すように、LED群26b、LED群28b、LED29ab~29cb、LED群30bが配置されている。LED群26bは、遊技メダル数表示部26を構成する部品であり、第1シール部材1200の表示情報部26aの各桁の各セグメントに対応するLEDを含む。また、LED群28bは、ベット数表示部28を構成する部品であり、第1シール部材1200の表示情報部28aの各「1BET」、「2BET」、「3BET」に対応するLEDを含む。LED群30bは、払出メダル数表示部30を構成する部品であり、第1シール部材1200の表示情報部30aの各桁の各セグメントに対応するLEDを含む。LED29ab~29cbは表示部29a~29cを構成する部品であり、第1シール部材1200の表示情報部29aa~29aaに対応するLEDである。
第1カバー部材1100と第2カバー部材1300とは表示基板700を収容する収容ケースを構成するものである。なお、第1カバー部材1100と第2カバー部材1300とにより構成される収容ケースが本発明の「カバー部材」に相当する。
また、第1カバー部材1100及び第2カバー部材1300は、PC(ポリカーボネート)や、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)等に代表される熱可塑性樹脂素材に、着色用顔料を添加したものを材料として射出成型にて形成され、光透過性を有さないものとなっている。
第1カバー部材1100では、表示基板700の表面700aと対向する面と反対側の面(以下、「第1外面」と記載する。)1100aに、第1シール部材1200が貼付される(図13、図16参照)。
第1カバー部材1100には、図13、図14、図16に示すように、LED群26bの各LEDにより発せられた光を、LED群26bに対向する面(以下、「第1内面」と記載する。)1100bから第1外面1100a(第1シール部材1200の表示情報部26aの対応するセグメント位置)に導くスリット群26cが第1カバー部材1100に一体に形成されている。このスリット群26cは遊技メダル数表示部26の一部を形成する。また、第1カバー部材1100には、図13、図14、図16に示すように、LED群30bの各LEDにより発せられた光を、第1内面1100bから第1外面1100a(第1シール部材1200の表示情報部30aの対応するセグメント位置)に導くスリット群30cが第1カバー部材1100に一体に形成されている。このスリット群30cは払出メダル数表示部30の一部を形成する。また、第1カバー部材1100には、LED群28bの各LEDにより発せられた光を、第1内面1100bから第1外面1100a(第1シール部材1200の表示情報部28aの対応するベット数位置)に導くスリット群28cが第1カバー部材1100に一体に形成されている(図13参照)。このスリット群28cはベット数表示部28の一部を形成する。また、第1カバー部材1100には、LED29ab~29cbにより発せられた光を、第1内面1100bから第1外面1100a(第1シール部材1200の表示情報部29aa~29caの対応する位置)に導くスリット29ac~29ccが第1カバー部材1100に一体に形成されている。このスリット29ac~29ccは表示部29a~29cの一部を形成する。
第2シール部材1400は、表示ユニット1000の裏面1000b側の表示面(設定値表示部32の表示面32a)を形成するものである。第2シール部材1400には、図13、図14に示すように、設定値表示部32を構成する表示情報部32b(図10の設定値表示部32の表示情報参照)が形成されている。
より具体的には、第2シール部材1400は、透明なシートに、粘着剤を塗布して形成されるとともに、印刷によって光を透過する透過領域と、光を遮断する非透過領域とに区画される。上述の表示情報部32bは、透過領域に相当する。
表示基板700の裏面700bには、図14、図16に示すように、LED群32cが配置されている。LED群32cは、設定値表示部32を構成する部品であり、第2シール部材1400の表示情報部32bの桁の各セグメントに対応するLEDを含む。
第2カバー部材1300では、表示基板700の裏面700bと対向する面と反対側の面(以下、「第2外面」と記載する。)1300a(表示基板700の表面700aと平行な面)に対して傾斜した面(以下、「傾斜面」と記載する。)1300c(本発明の「傾斜面」に相当)に、第2シール部材1400が貼付される(図14、図16参照)。
第2カバー部材1300には、図13~図16に示すように、LED群32cの各LEDにより発せられた光を、第2カバー部材1300に一体に形成されたLED群32cに対向する面(以下、「第2内面」と記載する。)1300bから第2カバー部材1300に一体に形成された傾斜面1300c(第2シール部材1400の表示情報部32bの対応するセグメント位置)に導くスリット群32dが第2カバー部材1300に一体に形成されている。このスリット群30cは設定値表示部32の一部を形成する。なお、スリット群32dは本発明の「導光部」に相当する。
表示ユニット1000が組み立てられた状態で、図16に示すように、スリット群32dの各スリットのLED群32cに対向する側のスリット面(第2カバー部材1300のスリット群32dが形成される第2カバー部材1300の第2内面1300b)を含む面SAの方が、第2カバー部材1300の第1外面1300aを含む面SBよりも、表示基板700の裏面700b側に位置する。つまり、スリット群32dの各スリットは、第2カバー部材1300の第1外面1300aを含む面SBよりも表示基板700の裏面700b側にオフセットした位置を基端として設けられる。
(支持具ユニット)
スロットマシンSMが備える支持具ユニット2000について図17~図19を参照して説明する。図17(a),(b)それぞれ支持具ユニット2000の正面図、平面図であり、図18(a),(b)はそれぞれ上斜め方向から見た斜視図、下斜め方向から斜視図であり、図19は図18のB-B’断面図である。
支持具ユニット2000は、表示ユニット1000を操作パネル3にスロットマシンSMの内側から取り付けるのに用いるものである。
また、支持具ユニット2000は、PC(ポリカーボネート)や、ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)等に代表される熱可塑性樹脂素材を材料として射出成型にて形成される。
なお、本実施形態においては、支持具ユニット2000を操作パネル3に取り付けた後に、表示ユニット1000を支持具ユニット2000に取り付ける場合について記載する。
支持具ユニット2000は、矩形枠状の上板部2001と、上板部2001の下方に延在するとともに、上板部2001に剛性を持たせる第1側板部2002及び第2側板部2004と、同じく上板部2001の下方に延在するとともに、表示ユニット1000を支持するフック部2100(本発明の「支持具」に相当)を備える。
上板部2001には、段差部2001aと、当該段差部2001aの内側に形成された矩形状をした開口2001bと、円形をした開口2001cとがある。支持具ユニット2000は、段差部2001aと開口2001bとを含む部分が操作パネル3の開口3c(図6参照)に、開口2001bが操作パネル3の開口3e(図6参照)に対応する位置になるように、前面パネル2の背面側から取り付けられる。
また、図19に示すように、支持具ユニット2000の段差部2001aに透光性パネル3000が配置され、この配置された状態では支持具ユニット2000の上板面2001dと透光性パネル3000の上面3000aとは略同一面上に存在する。また、スロットマシンSMが組み立てられた状態では、透光性パネル3000は上述した凹部3dを塞ぐように配置され、この配置された状態では操作パネル3の第2パネル面3bと支持具ユニット2000の上板面2001dと透光性パネル3000の上面3000aとはそれらの間で隙間がないように略同一面上に存在する。
スロットマシンSMが組み立てられた状態では、図19に示すように、支持具ユニット2000の開口2001bと表示ユニット1000の表面1000aとが対向する位置関係にある。これにより、スロットマシンSMが組み立てられた状態では、表示ユニット1000の表面1000aに表示された情報(遊技メダル数、払出メダル数など)は透光性パネル3000を介して見ることができるようになっている。
スロットマシンSMが組み立てられた状態では、精算スイッチ33は、その一部が支持具ユニット2000の開口2001c及び操作パネル3の開口3e(図6参照)を挿通してスロットマシンSM外に出るようになっている。
支持具ユニット2000が前面パネル2に取り付けられた状態では、支持具ユニット2000の第2側板部2004の反対側が前面パネル2側である。第2側板部2004には、当該第2側板部2004の外側に突出した突出部2005が設けられており、突出部2005の先端付近には貫通孔2005aが設けられており、詳細は省略するが、ねじ(不図示)を貫通孔2005aに通し、このねじを前面パネル2に設けられたねじ穴に挿入することによって、支持具が前面パネル2に取り付けられる。
フック部2100は、図18(b)を基準として、つまり、前面パネル2に取り付けられた状態の支持具ユニット2000をスロットマシンSMの後方側からスロットマシンSMの前方側を見た場合に、支持具ユニット2000の開口2001bの右側から上板部2001の下方に延在する1つの第1フック部2003と、支持具ユニット2000の開口2001bの左側から上板部2001の下方に延在する2つの第2フック部2006、2007と、を備える。
第1フック部2003は、基端側(上板部2001側)が薄肉に形成されており、作業者がその先端部分に力を加えることにより、図18(b)を基準として、左右方向に弾性変形可能に形成されている。
また、第1フック部2003の延在方向の略中間位置には、第2フック部2006、2007側に向かって略90度突出した段部を有し、この段部によって表示ユニット1000を載置する載置部2008が形成されている。
第2フック部2006、2007は、図18(b)を基準として、支持具ユニット2000の開口2001bの左側に位置し、前後方向に並ぶように配置されている。
また、第2フック部2006、2007は、それぞれの先端が第1フック部2003に向かって略90度折れ曲がっており、これにより、第1フック部2003側の載置部2008とともに、表示ユニット1000を載置する載置部2006a及び載置部2007aがそれぞれ形成されている。
支持具ユニット2000が前面パネル2に取り付けられた状態では、第2フック部2007の載置部2007aの上面(開口2001b側の面)2007aaの方が第2フック部2006の載置部2006aの上面(開口2001b側の面)2006aaよりも下方に位置し、且つ、第2フック部2007の載置部2007aの上面2007aaと第2フック部2006の載置部2006aの上面2006aaとが同一平面上になるように、第2フック部2006,2007それぞれは形成されている。
第1フック部2003の載置部2008の底面(開口2001b側の面)とフック部2007の載置部2007aの上面2007aaとフック部2006の載置部2006aの上面2006aaとを含む平面とが同一平面となっている。
表示ユニット1000は、その表面1000aが開口2001b側になるように、第2フック部2006の載置部2006aの上面2006aa、第2フック部2007の載置部2007aの上面2007aa、第1フック部2003の載置部2008の底面に載せられる。これにより、表示ユニット1000は、支持具ユニット2000におけるフック部2100を介して、操作パネル3の第2パネル面3bの開口3cに対応するスロットマシンSMの内側に、操作パネル3の第2パネル面3bの開口3cからスロットマシンSMの外側にはみ出さないように、配置される。
また、表示ユニット1000は、支持具ユニット2000におけるフック部2100によって、図20(b)の角Θ2をもってスロットマシンSMに装着される。詳細については後述する。
(演出スイッチ11の操作面11aと表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)との配置関係)
続いて、演出スイッチ11の操作面11aと表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)との配置関係について図20を参照して説明する。図20(a)は地面に対して図1に示すスロットマシンSMを略水平に設置した場合における演出スイッチ11の右側面図であり、図20(b)は地面に対して図1に示すスロットマシンSMを略水平に設置した場合における表示ユニット1000の右側面図である。
図20(a)に示すように、演出スイッチ11の操作面11aにおける前面パネル2側の位置PA1から前面パネル2の前方側の位置PA2に向かう方向と、z軸方向とのなす角をΘ1とする。
図20(b)に示すように、表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)における前面パネル2側の位置PB1から前面パネル2の前方側の位置PB2に向かう方向と、z軸方向(鉛直方向)とのなす角をΘ2とする。
この実施形態では、Θ1>Θ2となる関係、つまり、表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)における前面パネル2側の位置PB1から前面パネル2の前方側の位置PB2に向かう方向の方が、演出スイッチ11の操作面11aにおける前面パネル2側の位置PA1から前面パネル2の前方側の位置PA2に向かう方向よりも、鉛直に近くなっている。
表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)における前面パネル2側の位置PB1から前面パネル2の前方側の位置PB2に向かう方向の方が、演出スイッチ11の操作面11aにおける前面パネル2側の位置PA1から前面パネル2の前方側の位置PA2に向かう方向よりも鉛直に近くし、さらに、表示ユニット1000が操作パネル3の第2パネル面3bからスロットマシンSM外部に出ないようにすることにより、表示ユニット1000の表面1000aと操作パネル3の第2パネル面3bなどとにより上記の凹部3dが形成される。この凹部3dを透光性パネル3000により覆うことによって、操作パネル3の上面側で、操作パネル3の第2パネル面3bを上方から見た場合の凹部3dと当該凹部3dの周辺を含む領域部分に段差が形成されないようになっている。
また、図20に示すように、第2外面1300aに対する傾斜面1300cの傾斜角をΘ3とし、傾斜面1300cにおける前面パネル2側の位置PC1から前面パネル2の前方側の位置PC2に向かう方向と、z軸方向とのなす角をΘ4とする。このとき、Θ4=Θ2-Θ3となり、設定値が表示させる傾斜面1300cは設定値が表示させる面を傾斜させない場合に比べて、Θ2だけ鉛直に近くなる。
そして、傾斜面1300cは、y軸方向(水平方向)から鉛直に近くなればなるほど、作業者にとって見やすい角度となる。つまり、Θ4の角度が小さくなればなるほど、作業者にとって見やすい角度となる。
仮に、Θ2の角度が図20(a)のΘ1のように大きくなった場合、換言すると、表示ユニット1000が、支持具ユニット2000におけるフック部2100によって、図20(b)のΘ2の角度をもってスロットマシンSMに装着されない場合、Θ4の角度を小さくするためには、相対的にΘ3の角度を大きくする必要がある。Θ3の角度を大きくすると、図16で示したLED群32cと、表示情報部32bと、の間の距離のばらつきが、LED群32cを構成する各LEDによって大きくなり、表示情報部32bの各セグメント同士の明るさが異なって見えてしまい、作業者が数値の誤認をする恐れがある。
本実施形態においては、上述のように、表示ユニット1000が、支持具ユニット2000におけるフック部2100によって、図20(b)のΘ2の角度をもってスロットマシンSMに装着されるため、上記作業者の数値の誤認を防止できる。
以上のことから、この実施形態によれば、表示ユニット1000を、操作パネル3の第2パネル面3bからスロットマシンSMの外側に出ないように、前面パネル2の裏側から当該操作パネル3に対応するスロットマシンSMの内側に配置することにより、スロットマシンSMの部品を配置するためのスロットマシンSM側のスペースを効率良く利用することが可能になる。
また、表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)における前面パネル2側の位置PB1から当該前面パネル2の前方側の位置PB2に向かう方向の方を、演出スイッチ11の操作面11aにおける前面パネル2側の位置PA1から当該前面パネル2の前方側の位置PA2に向かう方向よりも、鉛直に近くして大きくすることにより、表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)における前面パネル2側の位置PB1から当該前面パネル2の前方側の位置PB2に向かう方向と表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)を見た人(例えば、遊技者)の視線方向とのなす角を90度に近づけることができ、当該人が表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)に表示されている情報(遊技メダル数、払出メダル数など)を見やすくすることができる。
また、表示ユニット1000を、操作パネル3の第2パネル面3bからスロットマシンSMの外側に出ないように、前面パネル2の裏側から当該操作パネル3に対応するスロットマシンSMの内部に配置し、且つ、表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)における前面パネル2側の位置PB1から当該前面パネル2の前方側の位置PB2に向かう方向の方を、演出スイッチ11の操作面11aにおける前面パネル2側の位置PA1から当該前面パネル2の前方側の位置PA2に向かう方向よりも、鉛直に近くした場合、操作パネル3の第2パネル面3bと表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)などとにより凹部3dが形成される。この場合に、凹部3dに対して何らの対策も施さなければ、遊技者が触れることが多い操作パネル3の第2パネル面3b上に窪みができることになり、この窪みの部分を除菌や清掃がしにくく、衛生上良くないという問題が生じる。一方で、上記のように凹部3dを透光性パネル3000で塞ぐことにより、表示ユニット1000の表面1000a(情報の表示面)に表示されている情報(遊技メダル数、払出メダル数など)の視認性の低下を抑えつつ、操作パネル3の第2パネル面3bを含む操作パネル3の面をなるべく平らにすることができて、当該操作パネル3の面を除菌や清掃がしやすくなって衛生上の問題を解決できる。
また、表示ユニット1000の表示基板700の表面700a側で遊技メダル数や払出メダル数などの表示を行い、裏面700b側で設定値の表示を行うようになっており、遊技メダル数や払出メダル数などの情報の表示と設定値の表示に共通の表示基板700を利用するため、スロットマシンSMの部品を配置するためのスロットマシンSM内側のスペースを更に効率良く利用することが可能になる。
また、表示ユニット1000の設定値表示部32の設定値を表示する表示面32aを表示基板700の裏面700bに対して傾斜させて、表示面32aにおける前面パネル2側から当該前面パネル2を閉じた状態での当該前面パネル2の後方側に向かう方向を鉛直方向に近づけることにより、表示面32aにおける前面パネル2側から当該前面パネル2を閉じた状態での当該前面パネル2の後方側に向かう方向と表示面32aを見た人(例えば、ホール管理者)の視線方向とのなす角を90度に近づけることができ、当該人が表示ユニットの表示面32aに表示されている設定値を見やすくすることができる。
また、表示ユニット1000を収容する収容ケースを構成する一方の第2カバー部材1300に、傾斜面1300c及びスリット群32dを一体に形成することにより、部品点数の増加を抑えてコストの低減を図ることができる。
この場合において、先に述べたように、表示ユニット1000は、支持具ユニット2000におけるフック部2100によって、図20(b)の角Θ2をもってスロットマシンSMに装着される。そのため、先に述べたように、作業者が表示情報部32bの数値を誤認することを防止できる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記した実施形態における遊技メダル数表示部26及び払出メダル数表示部30の表示制御に関する電気的構成は図21に示すようなものであってもよい。
(全体的な構成)
表示ユニット1000で表示される情報は、主制御基板100及びメダル数制御基板300から送信されたデータに基づくものである。具体的には、ベット数表示部28、投入指示表示部29a、スタート指示表示部29b、リプレイ表示部29c、払出メダル数表示部30、設定値表示部32(以下、これらをメイン系表示部ともいう)に表示される情報は、主制御基板100からメイン表示用信号Sig1として送信されたデータに基づいて表示され、遊技メダル数表示部26に表示される情報はメダル数制御基板300から遊技メダル数表示用信号Sig2として送信されたデータに基づいて表示される。
メイン表示用信号Sig1は、主制御基板100から出力され、メダル数制御基板300、操作スイッチ基板600を通過して、表示基板700へ入力する信号であり、払出メダル数表示部30などに表示される情報の元となるシリアルデータを主制御基板100から表示基板700へ伝送するための信号である。
遊技メダル数表示用信号Sig2は、メダル数制御基板300から出力され、操作スイッチ基板600を通過して、表示基板700へ入力する信号であり、遊技メダル数表示部26に表示される情報の元となるシリアルデータをメダル数制御基板300から表示基板700へ伝送するための信号である。
主制御基板100とメダル数制御基板300との基板間にはメイン表示用信号Sig1を伝送するためのシリアルデータ用信号線L1が接続され、メダル数制御基板300と操作スイッチ基板600との基板間および操作スイッチ基板600と表示基板700との基板間には、メイン表示用信号Sig1を伝送するためのシリアルデータ用信号線L2及びシリアルデータ用信号線L3と、遊技メダル数表示用信号Sig2を伝送するためのシリアルデータ用信号線L4及びシリアルデータ用信号線L5とがそれぞれ接続されている。
また、表示基板700上の電子部品を駆動させるための電力は、図示しない電源基板により生成され、メダル数制御基板300を通過し、メダル数制御基板300と操作スイッチ基板600との基板間に接続された電源用の配線V1を介して操作スイッチ基板600に入力し、操作スイッチ基板600上にある変圧回路(不図示)によって表示基板700上の電子部品を駆動させるのに適切な電圧(5V)に変圧された後、操作スイッチ基板600と表示基板700との基板間に接続された電源用の配線V2を介して表示基板700に供給される。
(表示基板の構成)
表示基板700には、コネクタ701、ノイズフィルタ702,703、波形整形用IC704、遊技メダル数表示部用IC705、メイン系表示部用IC706、LED群26b,30b、トランジスタTr1,Tr2,Tr11,Tr12などの電子部品が配設され、表示基板700に形成された配線とともに回路が構成されている。なお、図に示した回路図は、回路の動作原理を簡潔に説明するため、主要な部品のみを記載し、一部の部品については省略をしている。
表示基板700は、表示基板700の表面700a側及び裏面700b側の両面に電子部品が配設される両面実装を行っている。
表示基板700の表面700a側は、表面側の情報表示に関わるLED群26b,30bを構成するLEDや該LEDを点灯及び消灯の切替えに用いられるトランジスタTr1,Tr2,Tr11,Tr12などが配設されており、表示基板700の裏面700b側は、裏面700b側の情報表示に関わるLEDや該LEDを点灯及び消灯の切替えに用いられるトランジスタTrの他に、コネクタ701、ノイズフィルタ702,703、波形整形用IC704、遊技メダル数表示部用IC705、メイン系表示部用IC706などの主要部品が配設されている。
コネクタ701は、入力端子と出力端子とを備え、入力端子に入力した信号や電力を出力端子より出力する。
コネクタ701の入力端子には、メイン表示用信号Sig1及び遊技メダル数表示用信号Sig2を伝送するシリアルデータ用信号線L3,L5や表示基板700に電力を供給するための電源用の配線V2が接続され、コネクタ701の出力端子を介して、メイン表示用信号Sig1及び遊技メダル数表示用信号Sig2の各信号が表示基板700上の回路に入力されるとともに電力が表示基板700上の回路に供給される。
ノイズフィルタ702,703は、信号に重畳したノイズを除去するためのもので、表示基板上の回路をうちメイン表示用信号Sig1及び遊技メダル数表示用信号Sig2の各信号が伝送される信号ライン上に配設される。
ノイズフィルタ702,703の配設位置は、メイン表示用信号Sig1及び遊技メダル数表示用信号Sig2が表示基板700に入力する入口に該当するコネクタ701の近くとしている。このため、表示基板700に至るまでに各信号Sig1,Sig2にノイズが重畳したとしても、その影響が表示基板700上の回路に広く及ぶことを抑制することができる。
具体的には、コネクタ701の出力端子と表示基板700上に形成された配線との接続点P1,P11とノイズフィルタ702,703の入力端子と表示基板700上に形成された配線との接続点P2,P21とが接続され、コネクタ701の出力端子から出力されるメイン表示用信号Sig1、遊技メダル数表示用信号Sig2は、表示基板700上の他の電子部品と接続されることなく、ノイズフィルタ702,703の入力端子に入力されるように回路が構成されている。
また、接続点P1と接続点P2との間の配線及び接続点P11と接続点P21の間の配線は、いずれも、距離が最短となるよう、直線状の配線が表示基板700上に形成されている。
波形整形用IC704は、信号電圧を適切なものとするためのもので、遊技メダル数表示部用IC705やメイン系表示部用IC706の入力端子INに入力する電圧が適切なものとなるように調整するためのものである。例えば、仮に遊技メダル数表示部用IC705やメイン系表示部用IC706の電源電圧(5V)よりも高い電圧が入力端子INに入力してしまうと、ラッチアップが発生し、遊技メダル数表示部用IC705やメイン系表示部用IC706が破壊されてしまうので、このようなことが発生しないように、波形整形用IC704は入力端子INに入力する信号の電圧を入力端子INに対する信号電圧として設計上許容された電圧の範囲内となるように調整する役割を担っている。
メイン系表示部用IC706は、メイン表示用信号Sig1をIN端子より入力し、メイン表示用信号Sig1により伝送されたシリアルデータに基づいて、出力端(O11,O12,・・・,O17)側に接続された払出メダル数表示部30などのメイン系表示部を構成するLED群30bの各LEDの点灯及び消灯を制御するためのものである。
メイン系表示部用IC706の出力端O1及びO2は、それぞれトランジスタTr11、Tr12のベース端子に接続されており、出力端O1及びO2からの信号に基づき、コレクタ-エミッタ間の導通及び非導通が切替えられるようになっている。
また、メイン系表示部用IC706の出力端O11は、発光ダイオードLED51と発光ダイオードLED61のカソード側と接続されており、発光ダイオードLED51,LED61のアノード側に電圧が印加されているときに出力端O11の出力の有無を切り替えることで、発光ダイオードLED51,LED61に電流が流れる状態と流れない状態とを切り替え可能としている。
具体的には、発光ダイオードLED51,61に電流が流れない状態にするには出力端O11をオンとして出力端O11の電圧が5Vとなるように制御し発光ダイオードLED51,61のアノード側とカソード側との電位差を小さくし、発光ダイオードLED51,61に電流が流れる状態にするには出力端O11をオフとして出力端O11の電圧を0V付近となるように制御し発光ダイオードLED51,61のアノード側とカソード側との電位差を大きくする。
メイン系表示部用IC706は、トランジスタTr11,Tr12に接続されている出力端O1,O2からの出力と発光ダイオードLED51~LED57,LED61~LED67のカソード側に接続されている出力端O11,O12、・・・,O17からの出力とを組み合わせて発光ダイオードLED51~LED57,LED61~LED67の点灯及び消灯を切り替える。
例えば、発光ダイオードLED51を点灯させる場合には、出力端O1からの出力信号によりトランジスタTr11のコレクタ-エミッタ間を導通状態とし、出力端O11の電圧が0Vとなるようにして発光ダイオードLED51のアノード側からカソード側へ電流が流れるようにする。
遊技メダル数表示部用IC705は、遊技メダル数表示用信号Sig2をIN端子より入力し、遊技メダル数表示用信号Sig2により伝送されたシリアルデータに基づいて、出力端(O11,O12,・・・,O17)側に接続された遊技メダル数表示部26を構成するLED群26bの各LEDの点灯及び消灯を制御するためのものである。
遊技メダル数表示部用IC705が遊技メダル数表示部26を構成するLED群26bの各LEDの点灯及び消灯を制御するための仕組みは、メイン系表示部用IC706が払出メダル数表示部30などのメイン系表示部を構成するLED群30bの各LEDの点灯及び消灯を制御するためのものと同様であるため、説明は省略する。
また、上記した各実施形態では、スロットマシンを対象として説明したが、これに限定されるものではなく、パチンコ機などの他の遊技機にも適用することができる。
また、上記実施形態や上記変形例等の内容を適宜組み合わせることができる。
そして、パチンコホールなどの遊技場に設置される遊技機に本発明を広く適用することができる。