JP2022055472A - モータ駆動制御装置およびモータユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラシレスモータによる高精度な位置決めを可能にする。
【解決手段】回転体37に対して互いに異なる位置に配置された第1系統および第2系統のステータ31,32を有するモータ30を駆動するためのモータ駆動制御装置1は、第1駆動制御信号Sd1に基づいて第1系統のステータ32のコイル34を駆動する第1駆動回路5と、第2駆動制御信号Sd2に基づいて第2系統のステータ32のコイル34を駆動する第2駆動回路6と、モータ30が駆動指令信号Scで指定された動作状態になるように第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2を生成する駆動制御回路2とを備える。駆動制御回路2は、第1系統のステータ31による回転体37の操作量と第2系統のステータ32による回転体37の操作量が相違するように第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2を生成する。
【選択図】図4
【解決手段】回転体37に対して互いに異なる位置に配置された第1系統および第2系統のステータ31,32を有するモータ30を駆動するためのモータ駆動制御装置1は、第1駆動制御信号Sd1に基づいて第1系統のステータ32のコイル34を駆動する第1駆動回路5と、第2駆動制御信号Sd2に基づいて第2系統のステータ32のコイル34を駆動する第2駆動回路6と、モータ30が駆動指令信号Scで指定された動作状態になるように第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2を生成する駆動制御回路2とを備える。駆動制御回路2は、第1系統のステータ31による回転体37の操作量と第2系統のステータ32による回転体37の操作量が相違するように第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2を生成する。
【選択図】図4
Description
本発明は、モータ駆動制御装置及びモータユニットに関する。
従来、高精度な位置決めが可能なモータとして、ステッピングモータやサーボモータが知られている。一方、従来のブラシレスモータは、ステッピングモータのように位置(角度)を保持する機能が無いため、安定して低速で運転することは困難であった。
また、複数の巻線組を有したブラシレスモータにおいて、それぞれの巻線組に対して供給される電力を制御し、各巻線組を協働させて動作させる技術が知られている(特許文献1,2参照)。
本願発明者は、例えば、特許文献1および特許文献2に示されるような複数の巻線組を有するブラシレスモータを用いて、それぞれの巻線組に対して供給される電力を制御することにより、ステッピングモータやサーボモータのような高精度な位置決めを可能にすることを検討した。
具体的には、本願発明者は、上述した複数の巻線組を有するブラシレスモータにおいて、角度検出装置(エンコーダ)によるモータの角度検出結果と目標角度(目標位置)との誤差を小さくするようにフィードバック制御を行うことによって、目標位置でモータを停止させることを検討した。
しかしながら、単にフィードバック制御を用いる方法では、微小な角度誤差や振動が発生してしまうことが明らかとなった。具体的には、ブラシレスモータが目標位置(目標角度)より行き過ぎたり、戻り過ぎたりしてブラシレスモータが振動してしまうため、安定してモータを駆動することが困難であった。
本発明は、上述した課題を解消するためのものであり、ブラシレスモータによる高精度な位置決めを可能にすることを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置は、回転体と、前記回転体を共有し、前記回転体に対して互いに異なる位置に配置された第1系統のステータおよび第2系統のステータとを有するモータを駆動するための装置であって、第1駆動制御信号に基づいて、前記第1系統のステータのコイルを駆動する第1駆動回路と、前記第1駆動制御信号と異なる第2駆動制御信号に基づいて、前記第2系統のステータのコイルを駆動する第2駆動回路と、前記モータの動作の目標状態を指示する駆動指令信号と、前記モータの動作状態の検出結果とに基づいて、前記モータを前記駆動指令信号で指定された動作状態にする、前記第1駆動制御信号と前記第2駆動制御信号とを生成し、前記第1駆動制御信号を前記第1駆動回路に供給するとともに前記第2駆動制御信号を前記第2駆動回路に供給する駆動制御回路と、を備え、前記第1駆動制御信号によって前記第1系統のステータが前記回転体を操作する操作量と前記第2駆動制御信号によって前記第2系統のステータが前記回転体を操作する操作量とが相違することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、ブラシレスモータによる高精度な位置決めが可能となる。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(1,1A~1C)は、回転体(37)と、前記回転体を共有し、前記回転体に対して互いに異なる位置に配置された第1系統のステータ(31)および第2系統のステータ(32)とを有するモータ(30,30D)を駆動するための装置である。本モータ駆動制御装置は、第1駆動制御信号(Sd1)に基づいて、前記第1系統のステータのコイル(34)を駆動する第1駆動回路(5)と、前記第1駆動制御信号と異なる第2駆動制御信号(Sd2)に基づいて、前記第2系統のステータのコイル(34)を駆動する第2駆動回路(6)と、前記モータの動作の目標状態を指示する駆動指令信号(Sc)と、前記モータの動作状態の検出結果(St)とに基づいて、前記モータを前記駆動指令信号で指定された動作状態にする、前記第1駆動制御信号および前記第2駆動制御信号を生成し、前記第1駆動制御信号を前記第1駆動回路に供給するとともに前記第2駆動制御信号を前記第2駆動回路に供給する駆動制御回路(2,2A~2C)と、を備え、前記第1駆動制御信号によって前記第1系統のステータが前記回転体を操作する操作量と前記第2駆動制御信号によって前記第2系統のステータが前記回転体を操作する操作量とが相違することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記第1系統のステータが発生させる第1トルク(T1)と、前記第2系統のステータが発生させる第2トルク(T2)とは、位相が互いに相違してもよい。
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載のモータ駆動制御装置(1A,1B)において、前記駆動制御回路(2A,2B)は、前記駆動指令信号と前記モータの動作状態の検出結果とに基づいて、前記モータの動作状態のずれ量(ΔD,ΔR)を算出する誤差算出部(11A,11B)と、前記ずれ量を小さくするフィードバック制御量(Cfb)を算出するフィードバック制御部(12A,12B)と、オフセット値(Cof)を出力するオフセット付与部(13A,13B)と、前記フィードバック制御量および前記オフセット値に基づいて第1制御量(C1)および第2制御量(C2)を生成する制御量算出部(14A,14B)と、前記第1制御量に基づいて前記第1駆動制御信号を生成する第1信号生成部(15)と、前記第2制御量に基づいて前記第2駆動制御信号を生成する第2信号生成部(16)と、を有し、前記制御量算出部は、前記オフセット値に基づいて、前記第1制御量と前記第2制御量とを相違させてもよい。
〔4〕上記〔3〕に記載のモータ駆動制御装置(1A,1B)において、前記制御量算出部(14,14B)は、前記フィードバック制御量(Cfb)に応じた前記第1制御量(C1)を出力し、前記フィードバック制御量(Cfb)と前記オフセット値(Cof)とを加算した値に応じた前記第2制御量(C2)を出力してもよい。
〔5〕上記〔1〕または〔2〕に記載のモータ駆動制御装置(1C)において、前記駆動制御回路(2C)は、前記駆動指令信号(Sc)と前記モータの動作状態の検出結果(St)とに基づいて、前記モータの動作状態のずれ量(ΔD)を算出する誤差算出部(11C)と、前記ずれ量を小さくするフィードバック制御量(Cfb)を算出するフィードバック制御部(12C)と、前記駆動指令信号によって指定された値に応じた第1フィードフォワード制御量(Cff1)および第2フィードフォワード制御量(Cff2)を算出するフィードフォワード制御部(18)と、オフセット値(Cof)を出力するオフセット付与部(13C)と、前記フィードバック制御量および前記第1フィードフォワード制御量に基づいて第1制御量(C1)を生成し、前記フィードバック制御量および前記第2フィードフォワード制御量に基づいて第2制御量(C2)を生成する制御量算出部(14C)と、前記第1制御量に基づいて前記第1駆動制御信号(Sd1)を生成する第1信号生成部(15)と、前記第2制御量に基づいて前記第2駆動制御信号(Sd2)を生成する第2信号生成部(16)とを有し、前記フィードフォワード制御部は、前記オフセット値に基づいて、前記第1フィードフォワード制御量と前記第2フィードフォワード制御量とを相違させてもよい。
〔6〕上記〔5〕に記載のモータ駆動制御装置(1C)において、前記フィードフォワード制御部(18)は、前記駆動指令信号(Sc)によって指定された値に応じた前記第1フィードフォワード制御量(Cff1)を出力し、前記駆動指令信号(Sc)によって指定された値と前記オフセット値(Cof)を加算した値に応じた前記第2フィードフォワード制御量(Cff2)を出力してもよい。
〔7〕上記〔3〕乃至〔6〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置(1A,1B)において、前記駆動指令信号は、前記モータの目標回転位置を指示し、前記モータの動作状態の検出結果は、前記モータの回転位置の検出結果であってもよい。
〔8〕上記〔3〕乃至〔6〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置(1B)において、前記駆動指令信号(Sc)は、前記モータの目標回転速度を指示し、前記モータの動作状態の検出結果は、前記モータの回転速度の検出結果であってもよい。
〔9〕上記〔8〕に記載のモータ駆動制御装置(1A~1C)において、前記オフセット付与部(13A~13C)は、前記モータの動作状態の目標状態からのずれに基づいて、前記オフセット値(Cof)を算出してもよい。
〔10〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータユニット(100A~100C)は、上記〔1〕乃至〔9〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置(1A~1C)と、前記モータ(30,30D)とを備えることを特徴とする。
〔11〕上記〔10〕に記載のモータユニットにおいて、前記モータ(30D)は、前記回転体としての第1ロータ(37_1)および第2ロータ(37_2)を有し、前記第1ロータと前記第2ロータとは、同軸に連結されていてもよい。
〔12〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ(30,30D)は、回転体(37)と、前記回転体を共有し、前記回転体に対して互いに異なる位置に配置された第1のステータ(31)および第2のステータ(32)と、を有し、前記第1のステータが発生させるトルクと前記第2のステータが発生させるトルクとは、位相が互いに相違することを特徴とする。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
≪モータ駆動制御装置の概要≫
図1は、本発明の一実施の形態に係るモータ駆動制御装置1を備えたモータユニット100の構成を示す図である。
図1に示されるモータユニット100は、モータ30と、モータ30の動作状態を検出するセンサ装置20と、モータ30を駆動するモータ駆動制御装置1とを備えている。
モータ30は、回転体としてのロータ37と、ロータ37を共有する第1系統のステータ31および第2系統のステータ32とを有する。具体的には、モータ30は、ブラシレスDCモータであって、例えば、個別に制御可能な2系統のステータ31,32を備えた10極12スロットの3相ブラシレスDCモータである。なお、モータ30の極数および相数は特に制限されない。
図2は、モータ30の構造を概略的に示す断面図である。図3は、モータ30におけるコイルの結線例を示す図である。
図2に示すように、モータ30は、回転体としての円柱状のロータ37と、第1系統のステータ31と、第2系統のステータ32とを有する。モータ30は、例えば、外側がステータとなり内側がロータとなるインナロータ型のブラシレスDCモータである。
ステータ31,32は、例えば、円筒状のステータコア300から径方向に突出する極歯(ティース)33にコイル(巻線)34が巻回されることによって形成されている。ステータコア300は、例えば、電磁鋼板等の導電体により形成されている。
図2に示すように、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32とは、ロータ37を囲む形態で、交互に配置されている。具体的には、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32とは、電気角が30度ずれるように、ロータ37の周方向に交互に並んで配置されている。
モータ30において、第1系統のステータ31は、U1相、V1相、W1相のコイル34を有し、U1相、V1相、W1相のコイル34は、互いにY結線によって接続されている。同様に、第2系統のステータ32は、U2相、V2相、W3相のコイル34を有し、U2相、V2相、W3相のコイル34は、互いにY結線によって接続されている。また、図3に示すように、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32とは、互いのU相コイル同士、V相のコイル同士、およびW相のコイル同士が並んで配置されている。
なお、モータ30は、内側がステータとなり外側がロータとなるアウタロータ型のブラシレスDCモータのステータであってもよい。
モータ30の周囲には、モータの動作状態を検出するためのセンサ装置20が設けられている。センサ装置20としては、後述するように、モータ30のロータ37の回転位置(回転角度)を検出する角度エンコーダや、モータ30の回転速度を検出するホール素子に加えて、モータ30に流れる電流を検出する電流検出器等を含んでいてもよい。
モータ駆動制御装置1は、モータ30の回転を制御するための装置である。モータ駆動制御装置1は、例えば、モータ30の第1系統のステータ31のコイル34と第2系統のステータ32のコイル34に周期的に矩形波状の駆動電流を流してモータ30(ロータ37)を回転させる。
なお、本発明の実施の形態では、一例として駆動電流が矩形波状であるものとして説明するが、駆動電流は正弦波状や三角波状、のこぎり波状等であってもよく、駆動電流の波形は特に制限されない。
なお、本発明の実施の形態では、一例として駆動電流が矩形波状であるものとして説明するが、駆動電流は正弦波状や三角波状、のこぎり波状等であってもよく、駆動電流の波形は特に制限されない。
図1に示すように、モータ駆動制御装置1は、駆動制御回路2、第1駆動回路5、および第2駆動回路6を有している。なお、図1に示されているモータ駆動制御装置1の構成要素は、全体の一部であり、モータ駆動制御装置1は、図1に示されたものに加えて、他の構成要素を有していてもよい。
第1駆動回路5は、駆動制御回路2から出力される第1駆動制御信号Sd1に基づいて、第1系統のステータ31のコイル34を駆動する回路である。第2駆動回路6は、駆動制御回路2から出力される第2駆動制御信号Sd2に基づいて、第2系統のステータ32のコイル34を駆動する回路である。
第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号である。
第1駆動回路5は、入力された第1駆動制御信号Sd1に基づいて、モータ30の第1ステータ31のU1相、V1相、W1相に対応する各コイル34に通電する。第1駆動回路5は、例えば、インバータ回路を含んで構成されている。より具体的には、第1駆動回路5は、直流電源の両端に設けられた2つのスイッチ素子(例えば、トランジスタ)の直列回路の対が、第1ステータ31の各相(U1相、V1相、W1相)に対してそれぞれ配置されたHブリッジ回路を含んで構成されている。Hブリッジ回路を構成するスイッチ素子同士の接続点に、モータ30の各相の端子が接続されている。
例えば、第1駆動回路5に第1駆動制御信号Sd1としてのPWM信号が入力されたとき、当該PWM信号に応じて第1駆動回路5を構成する各スイッチ素子のオン/オフが切り替えられることにより、モータ30の第1系統のステータ31の各相のコイル34に直流電源から電力が供給され、第1系統のステータ31が励磁される。
第2駆動回路6は、入力された第2駆動制御信号Sd2に基づいて、モータ30の第2ステータ32のU2相、V2相、W2相に対応する各コイル34に通電する。第2駆動回路6は、例えば、第1駆動回路5と同様に、直流電源の両端に設けられた2つのスイッチ素子の直列回路の対が、第2ステータ32の各相(U2相、V2相、W2相)に対してそれぞれ配置されたHブリッジ回路を含んで構成されている。
例えば、第2駆動回路6に第2駆動制御信号Sd2としてのPWM信号が入力されたとき、当該PWM信号に応じて第2駆動回路6を構成する各スイッチ素子のオン/オフが切り替えられることにより、モータ30の第2系統のステータ32の各相のコイル34に直流電源から電力が供給され、第2系統のステータ32が励磁される。
また、第1駆動回路および第2駆動回路は、例えば、図示されない転流センサまたはセンサレス転流信号によって、一定方向のトルクを発生するように励磁状態を切り替え可能に構成されている。
なお、第1駆動回路5および第2駆動回路6は、入力された第1駆動制御信号Sd1または第2駆動制御信号Sd2に基づいてインバータ回路(Hブリッジ回路)を駆動するプリドライブ回路(不図示)を有していてもよい。プリドライブ回路は、入力された第1駆動制御信号Sd1または第2駆動制御信号Sd2を、インバータ回路(Hブリッジ回路)を構成する各スイッチ素子(トランジスタ)が駆動可能な電力レベルの信号に変換して、各スイッチ素子を駆動する回路である。
駆動制御回路2は、例えば、モータ駆動制御装置1の外部(例えば上位装置)から入力された指令と、モータ30の近傍に設けられたセンサ装置20によって検出されたモータ30の動作状態の検出結果とに基づいて、モータ30の駆動を制御する回路である。
駆動制御回路2は、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM,ROM、およびフラッシュメモリ等の各種記憶装置と、カウンタ(タイマ)、A/D変換回路、D/A変換回路、クロック発生回路、および入出力インターフェース回路等の周辺回路とがバスや専用線を介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置であり、例えば、マイクロコントローラ(MCU:Micro Controller Unit)である。
図1に示すように、駆動制御回路2は、モータ30の駆動を制御するための機能ブロックとして、制御部3と状態監視部4を有している。制御部3および状態監視部4は、例えば、上述したプログラム処理装置においてCPUがメモリに記憶されているプログラムに従って各種演算処理を実行し、その処理結果に基づいて周辺回路を制御することによって、実現される。
状態監視部4は、センサ装置20によるモータ30の動作状態の検出結果に基づいて、モータ30の動作状態を示す状態検出信号Stを生成する。制御部3は、外部から入力される、モータ30の動作の目標状態を指示する駆動指令信号Scと、状態監視部4によって生成された状態検出信号Stとに基づいて、モータ30が駆動指令信号Scで指定された動作状態になるように、第1駆動制御信号Sd1(例えばPWM信号)を生成して第1駆動回路5に供給するとともに第2駆動制御信号Sd2(例えばPWM信号)を生成して第2駆動回路6に供給する。
駆動制御回路2は、モータ30を安定して動作させるために、第1系統のステータ31によるロータ37に対する操作量と第2系統のステータ32によるロータ37に対する操作量とが相違するように、第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2を生成してモータ30を駆動する。これにより、特に、モータ30を所望の回転位置で停止させる場合やモータ30を低速で運転させる場合において、モータ30の動作の安定性を向上させることが可能となる。以下、駆動制御回路2について、幾つか実施の形態を例示して、駆動制御回路2の具体的な構成および動作について説明する。
≪実施の形態1≫
図4は、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aの構成を示す図である。
図4は、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aの構成を示す図である。
図4には、外部から指定された所望の回転位置(回転角度)でモータ30が停止するように制御する角度制御機能を備えたモータ駆動制御装置1Aおよびモータユニット100Aを実現するための駆動制御回路2Aの構成例が示されている。
図4において、センサ装置20Aは、モータ30の回転角度を検出する角度エンコーダである。以下、センサ装置20Aを「角度エンコーダ20A」とも称する。角度エンコーダ20Aは、モータ30(ロータ37)の回転角度(回転位置)に応じた信号を出力する。角度エンコーダ20Aは、インクリメンタル形のエンコーダであってもよいし、アブソリュート型のエンコーダであってもよく、角度エンコーダ20Aの構成および検出方式は特に制限されない。
駆動制御回路2Aには、駆動指令信号Scとして、モータ30の回転角度(回転位置)を指定する角度指令信号が、外部(例えば上位装置)から入力される。角度指令信号は、モータ30の目標となる回転角度(目標回転角度)の情報を含んでいる。本実施の形態では、駆動指令信号Scを「角度指令信号Sc」とも称する。
駆動制御回路2Aは、制御部3として、誤差算出部11A、フィードバック制御部12A、オフセット付与部13A、制御量算出部14A、第1信号生成部15、および第2信号生成部16を有し、状態監視部として回転位置検出部4Aを有する。
上述したように、駆動制御回路2Aは、例えば、マイクロコントローラ等のプログラム処理装置であり、駆動制御回路2Aを構成する各機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置においてCPUがメモリに記憶されているプログラムに従って各種演算処理を実行し、その処理結果に基づいて周辺回路を制御することによって、実現される。
回転位置検出部4Aは、角度エンコーダ20Aから出力された信号に基づいて、状態検出信号Stとしての、モータ30(ロータ37)の回転角度(回転位置)を示す回転角度信号を生成する。本実施の形態では、状態検出信号Stを「回転角度信号St」とも称する。
誤差算出部11Aは、駆動指令信号Scと状態検出信号Stとに基づいて、駆動指令信号Scで指定されたモータ30の動作状態と状態検出信号Stによって示されるモータ30の動作状態とのずれを表す誤差ΔDを算出する。具体的に、誤差算出部11Aは、駆動指令信号としての角度指令信号Scによって指定されたモータ30の目標回転角度(Sc)と、回転角度信号Stによって示されるモータ30の実際の回転角度(St)との差を算出し、誤差ΔD(=Sc-St)として出力する。
フィードバック制御部12Aは、誤差算出部11Aによって算出された誤差ΔDを小さくするための制御量(以下、「フィードバック制御量」とも称する。)Cfbを算出する機能部である。例えば、フィードバック制御部12Aは、PI制御演算あるいはPID制御演算によって誤差ΔDがゼロになるようにフィードバック制御量Cfbを算出し、出力する。
オフセット付与部13Aは、オフセット値Cofを出力する機能部である。
ここで、オフセット値Cofとは、第1駆動回路5に対する第1制御量C1と第2駆動回路6に対する第2制御量C2とを互いに相違させるための値である。
ここで、オフセット値Cofとは、第1駆動回路5に対する第1制御量C1と第2駆動回路6に対する第2制御量C2とを互いに相違させるための値である。
制御量算出部14Aは、フィードバック制御部12Aによって算出されたフィードバック制御量Cfbおよびオフセット付与部13Aから出力されたオフセット値Cofに基づいて、第1系統のステータ31に対するトルク指令値としての第1駆動制御信号Sd1を生成するための第1制御量C1と、第2系統のステータ32に対するトルク指令値としての第2駆動制御信号Sd2を生成するための第2制御量とを生成する機能部である。
制御量算出部14Aは、オフセット値Cofに基づいて、第1制御量C1と第2制御量C2とを相違させる。例えば、制御量算出部14Aは、フィードバック制御量Cfbを第1制御量C1として出力し、フィードバック制御量Cfbとオフセット値Cofとを加算した値を第2制御量C2として出力する。
第1信号生成部15は、制御量算出部14Aから出力された第1制御量C1に基づいて、第1駆動制御信号Sd1を生成する機能部である。第2信号生成部16は、制御量算出部14Aから出力された第2制御量C2に基づいて、第2駆動制御信号Sd2を生成する機能部である。
第1信号生成部15は、例えば、制御量算出部14Aから出力された第1制御量C1に基づいて、U1相、V1相、W1相のPWM信号のデューティ比を算出し、算出したデューティ比を有する3相のPWM信号を生成して、第1駆動制御信号Sd1として出力する。第1駆動制御信号Sd1は、第1系統のステータ31に対するトルク指令値として第1駆動回路5に入力される。
同様に、第2信号生成部16は、例えば、制御量算出部14Aから出力された第2制御量C2に基づいて、U2相、V2相、W2相のPWM信号のデューティ比を算出し、算出したデューティ比を有する3相のPWM信号を生成して、第2駆動制御信号Sd2として出力する。第2駆動制御信号Sd2は、第2系統のステータ32に対するトルク指令値として第2駆動回路6に入力される。
次に、実施の形態1に係るモータ30の動作原理について、図を用いて説明する。
図5A、図5B、および図5Cは、モータ30において、第1系統のステータ31および第2系統のステータ32がロータ37に発生させるトルクを説明するための図である。
図5A、図5B、および図5Cにおいて、横軸はモータ30(ロータ37)の回転角度〔°〕を表し、縦軸はトルク〔N・m〕を表している。図5Aには、一例として、モータ30(ロータ37)に外部負荷(外部トルクTo=0.2〔N・m〕)が加わっている場合に、第1系統のステータ31によってロータ37に発生するトルクT1と、第2系統のステータ32によってロータ37に発生するトルクT2とが示されている。図5Bには、図5Aのグラフにおいて第2系統側のトルクT2の極性を反転させたときのグラフが示されている。図5Cには、図5Bのグラフの領域501が拡大して示されている。
実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1Aにおいて、例えば、上位装置から回転角度の目標値(目標回転角度)を指示する角度指令信号Scが駆動制御回路2に入力された場合、制御部3Aが、目標回転角度と角度エンコーダ20Aによって計測されたモータ30の実際の回転角度との誤差ΔDが小さくなるように第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2を生成し、第1駆動回路5と第2駆動回路6にそれぞれ供給する。第1駆動回路5および第2駆動回路6は、入力された第1駆動制御信号Sd1または第2駆動制御信号Sd2にしたがって、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32を駆動することにより、モータ30の回転角度が目標回転角度に一致するようにロータ37を回転させる。
モータ30の回転角度が目標回転角度に一致したとき、制御部3は、モータ30を目標回転角度で静止させるため、第1系統のステータ31によってロータ37に発生するトルクT1と第2系統のステータ32によってロータ37に発生するトルクT2とを合成した平均トルクTaが、ロータ37に加わっている外部負荷によるトルク(外部トルク)Toと釣り合うように、第1駆動制御信号Sd1と第2駆動制御信号Sd2を生成する。
例えば、図5Aに示すように、制御部3は、第1系統のステータ31のトルクT1と第2系統のステータ32のトルクT2が互いに方向が逆であり、トルクT1とトルクT2との差分が外部トルクToの大きさと等しくなるように、第1駆動回路5および第2駆動回路6に対するトルク指令値としての第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2を生成する。
このとき、上述したように、第1系統のステータ31に対する第1制御量C1と第2系統のステータ32に対する第2制御量C2は、共に、モータ30の目標回転角度と実際の回転角度との誤差ΔD(フィードバック制御量Cfb)に応じて変化する値である。その一方で、第2制御量C2は、フィードバック制御量Cfbにオフセット値Cofが加算された値であり、第1制御量C1とは異なる値となっている。
そのため、第1制御量C1に基づいて生成される第1駆動制御信号Sd1と第2制御量C2に基づいて生成される第2駆動制御信号Sd2は、互いに異なるトルク指令値となって、第1系統側の第1駆動回路5と第2系統側の第2駆動回路6にそれぞれ供給される。
その結果、図5Aに示すように、第1系統のステータ31によるロータ37のトルクT1(操作量)と第2系統のステータ31によるロータ37のトルクT2(操作量)とは、オフセット値Cofに相当するトルク差ΔTが生じる。このオフセット値Cofに相当するトルク差ΔTが、モータ30を目標回転角度で停止させるときの安定性を向上させる。
ここで、本実施の形態に係る駆動制御回路2Aによるモータ制御の比較例として、回転角度のフィードバック制御のみによってモータ30の回転角度を制御する場合を考える。 この場合、モータ30の回転角度が目標回転角度に到達した時点で、ロータ37に負荷が加わっていない場合には、外部トルクToがゼロとなるので、第1系統のステータ31および第2系統のステータ32によってロータ37に発生するトルクもゼロとなる。すなわち、モータ30において、駆動制御回路2Aが回転角度の誤差ΔDとして検出可能な大きさの回転角度のずれが生じない限り、フィードバック制御が働かず、第1系統のステータ31および第2系統のステータ32によってロータ37に発生するトルクはゼロとなる。
その一方で、何らかの原因で、モータ30のロータ37が回転位置にずれが生じ、駆動制御回路2Aが回転角度の誤差ΔDを検出した場合には、フィードバック制御が作動して、モータ30のロータ37を目標回転角度の位置まで引き戻す大きなトルクTaを発生させることができる。
このように、単純な回転角度のフィードバック制御のみによってモータ30を所望の回転角度で停止させる場合、駆動制御回路2Aが回転角度の誤差ΔDが検出できなければ、ロータ37を目標回転角度で静止させるトルクが発現しない。その結果、モータ30は、目標回転角度の付近でロータ37が行ったり来たりすることを繰り返すことになり、目標回転角度で安定して静止できない可能性がある。
これに対し、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aは、第1駆動回路5と第2駆動回路6に対するトルク指令値の基礎となる第1制御量C1と第2制御量C2との間に、オフセット値Cofに基づく差を持たせているので、モータ30の回転角度が目標回転角度に到達した時点でロータ37に負荷が加わっていない場合(外部トルクToがゼロの場合)であっても、第1系統のステータ31および第2系統のステータ32によってロータ37にトルクを発生させることができる。
このとき、外部トルクToがゼロであるため、第1系統のステータ31によるトルクT1と第2系統のステータ32によるトルクT2とは互いに方向が反対で、且つ大きさが等しいトルクとなり、ロータ37から外部に出力されるトルク(外部トルクToと釣り合うように発現するトルク)はゼロとなる。
これにより、単純な回転角度のフィードバック制御のみによってモータ30を目標回転角度で停止させた場合のように、ロータ37が目標回転角度の付近で行ったり来たりすることを繰り返すことはなく、ロータ37を目標回転角度で安定して静止させることが可能となる。以下、この原理について更に詳細に説明する。
一般的に、ブラシレスモータのトルクにはトルクリップルが生じる。すなわち、歪の無い誘起電圧を有する理想的なブラシレスモータを完全な正弦波で駆動しない限り、ブラシレスモータは、ロータの回転位置によってロータに発生するトルクの値が変動する。例えば、図5Aに示すように、第1系統のステータ31のトルクT1は、第1駆動回路5に対する第1制御量C1に相当するトルク指令値Ttg1を基準として、ロータ37の回転角度に依存して変動する特性となる。同様に、第2系統のステータ32のトルクT2は、第2駆動回路6に対する第2制御量C2に相当するトルク指令値Ttg2を基準として、ロータ37の回転角度に依存して変動する特性となる。
また、図2および図3に示したように、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32とは、モータ30内においてロータ37の回転角度に対して互いに異なる位置に配置されているので、図5Aおよび図5Bに示すように、第1系統のステータ31のトルクT1と第2系統のステータ32のトルクT2とは、位相(ロータ37の回転角度に対する位相)が互いに相違する特性となる。
例えば、モータ30のロータ37が回転角度=225の点Pで停止している場合を考える。この場合、図5Bおよび図5Cに示すように、点Pにおいて、第1系統のステータ31のトルクT1と第2系統のステータ32のトルクT2とは、大きさが同じ値で方向が逆であるため、釣り合っており、モータが外部に発生するトルクはゼロである。
この場合において、何等かの原因でロータ37が点Pの位置から左右の何れかの方向にずれたとすると、第1系統のステータ31のトルクT1と第2系統のステータ32のトルクT2との間に差が生じるため、第1系統のステータ31のトルクT1と第2系統のステータ32のトルクT2とが一致するようにロータ37が点Pの位置に戻る。すなわち、ロータ37には、第1系統のステータ31のトルクT1と第2系統のステータ32のトルクT2との差に応じた保持トルクが発生し、この保持トルクによって、ロータ37は点Pの位置に静止するように制御される。
この保持トルクは、上述したオフセット値Cofに相当するトルク差ΔTの二分の一の値にトルクリップル率を乗じた値となる。上述した回転角度のフィードバック制御が働かないような微小な回転角度のずれが生じた場合であっても、この保持トルクは発生するので、ロータ37を目標回転角度で安定して静止させることが可能となる。
なお、この保持トルクは、図5Cに示すように、第1系統のステータ31のトルクT1と第2系統のステータ32のトルクT2との差に基づいて発生するので、この差が適切に生じるようにするために、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32を、モータ30内においてロータ37に対して互いに異なる位置に配置しておく必要がある。
以上、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aによれば、回転角度に係るフィードバック制御に基づく第1系統のステータ31の制御量と第2系統のステータ32の制御量(トルク指令値)の間にオフセット値Cofに基づく差を設けているので、第1系統のステータ31によるロータ37に対する操作量と第2系統のステータ32によるロータ37に対する操作量とを相違させることができる。
これにより、モータが目標回転角度で指定された位置で停止している場合においても、ロータ37に対して、第1系統のステータ31によるトルクT1と第2系統のステータ32によるトルクT2とを同時に生じさせることができる。その結果、回転角度に係るフィードバック制御が働かないような微小なロータの変動が生じた場合であっても、2つの位相の異なるトルクT1,T2のトルクの差に応じた力によってモータ30を目標回転角度で指定された位置で静止させることができるので、ブラシレスモータによる高精度な位置決めが可能となる。
また、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aによれば、回転角度に係るフィードバック制御に基づく第1系統のステータ31の第1制御量C1と第2系統のステータ32の第2制御量C2の間にオフセット値Cofに基づく差を設けているので、第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2としてのPWM信号のデューティ比によるトルクの微調整が容易となる。
一般に、無負荷状態のモータ(ブラシレスモータ)を静止あるいは低速回転させる場合、モータの駆動回路としてのインバータ回路(Hブリッジ回路)は、微小なトルクを高精度でロータに発生させる必要がある。
モータ制御において、インバータ回路は、入力された駆動制御信号としてのPWM信号のデューティ比に応じてスイッチ素子のオン/オフを切り替えて、モータのコイルの通電を制御することにより、ロータに発生するトルクを調整している。
しかしながら、PWM信号のデューティ比が小さい範囲では、Hブリッジ回路を構成するスイッチ素子としてのMOSトランジスタの特性のばらつきやHブリッジ回路の貫通保護のために設定されるデッドタイムにより、インバータ回路は、入力されたPWM信号のデューティ比に応じた適切なコイルの通電切替を行うことができず、高精度なトルクの調整が困難な場合が多い。
しかしながら、PWM信号のデューティ比が小さい範囲では、Hブリッジ回路を構成するスイッチ素子としてのMOSトランジスタの特性のばらつきやHブリッジ回路の貫通保護のために設定されるデッドタイムにより、インバータ回路は、入力されたPWM信号のデューティ比に応じた適切なコイルの通電切替を行うことができず、高精度なトルクの調整が困難な場合が多い。
これに対し、本実施の形態に係る駆動制御回路2Aによれば、第1系統のステータ31の第1制御量C1と第2系統のステータ32の第2制御量C2の間にオフセット値Cofに基づく差を設けているので、単に第1駆動制御信号Sd1または第2駆動制御信号Sd2のデューティ比に比例したトルクを発生させるのではない。すなわち、本実施の形態に係る駆動制御回路2Aによれば、第1駆動制御信号Sd1に基づくトルクT1と第2駆動制御信号Sd2に基づくトルクT2とのトルク差によってロータ37の出力トルクを発生させるので、ロータ37に微小なトルクを発生させるために、第1駆動制御信号Sd1および第2駆動制御信号Sd2のデューティ比を小さくする必要がない。
したがって、駆動制御回路2Aによれば、Hブリッジ回路を構成するスイッチ素子としてのMOSトランジスタの特性のばらつきやHブリッジ回路のデッドタイムによらず、高精度なトルクの調整が可能となる。
したがって、駆動制御回路2Aによれば、Hブリッジ回路を構成するスイッチ素子としてのMOSトランジスタの特性のばらつきやHブリッジ回路のデッドタイムによらず、高精度なトルクの調整が可能となる。
なお、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aにおいて、オフセット付与部13Aは、モータ30の動作状態の目標状態からのずれに基づいて、オフセット値Cofを算出してもよい。例えば、オフセット付与部13Aは、モータ30の実際の回転角度と目標回転角度との差が小さい程、オフセット値Cofが大きくなるように、オフセット値Cofを算出してもよい。
これによれば、モータ30の回転角度が目標回転角度から大きく離れている場合には、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32によって同一方向にトルクを発生させて、速やかにロータ37の回転角度を目標回転角度に速やか近づけることが可能となる。また、モータ30の回転角度が目標回転角度に近づいた場合には、第1系統のステータ31によるトルクT1と第2系統のステータ32によるトルクT2との差によって、ロータ37を目標回転角度で安定して静止させることが可能となる。
また、第1系統のステータ31の第1制御量C1と第2系統のステータ32の第2制御量C2の間にオフセット値Cofに基づく差を設けているので、静止あるいは低速回転中であっても、それぞれのステータに対して電流が印加され続けた状態となる。そのため、静止あるいは低速回転から、通常の回転状態に切り替える際に、過剰な始動電流を流す必要がなく、円滑な起動が可能となる。
また、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32とを設け、それぞれを個別に駆動させることができるので、第1系統のステータと第2系統のステータの何れか一方が破損した場合であっても、一方のステータを用いてモータを駆動することが可能となるので、モータに冗長性を持たせることができる。
実施の形態1に係る駆動制御回路2Aにおいて、フィードバック制御量Cfbとオフセット値Cofとを加算した値を第2制御量C2として出力しているが、これに限られない。例えば、フィードバック制御量Cfbとオフセット値Cofとを加算した値を第1制御量C1として出力してもよい。また、オフセット値を複数有し、第1制御量C1と第2制御量C2の両方を、オフセット値が加算された値として出力してもよい。また、フィードバック制御量Cfbとオフセット値Cofとを加算した値を第1制御量C1として出力し、フィードバック制御量Cfbとオフセット値Cofとを減算した値を第1制御量C2として出力してもよい。
≪実施の形態2≫
図6は、実施の形態2に係る駆動制御回路2Bの構成を示す図である。
図6には、外部から指定された所望の回転速度でモータ30が回転するように制御する速度制御機能を備えたモータ駆動制御装置1Bおよびモータユニット100Bを実現するための駆動制御回路2Bの構成例が示されている。
図6は、実施の形態2に係る駆動制御回路2Bの構成を示す図である。
図6には、外部から指定された所望の回転速度でモータ30が回転するように制御する速度制御機能を備えたモータ駆動制御装置1Bおよびモータユニット100Bを実現するための駆動制御回路2Bの構成例が示されている。
図6において、センサ装置20Bは、モータ30のロータ37の回転に応じた検出信号を生成する。センサ装置20Bは、例えば、ホール(HALL)素子である。以下、センサ装置20Bを「ホール素子20B」とも称する。
なお、センサ装置20Bとして、感度の高いロータリーエンコーダやタコジェネレータ等の装置を用いることにより、駆動精度を更に向上させることが可能となる。
なお、センサ装置20Bとして、感度の高いロータリーエンコーダやタコジェネレータ等の装置を用いることにより、駆動精度を更に向上させることが可能となる。
ホール素子20Bは、モータ30の第1系統のステータ31と第2系統のステータ32にそれぞれ対応して設けられている。ホール素子20Bは、それぞれ、ロータ37の磁極を検出し、ロータ37の回転に応じて電圧が変化するホール信号を出力する。
駆動制御回路2Bには、駆動指令信号Scとして、モータ30の回転速度(回転数)を指定する速度指令信号が、外部(例えば上位装置)から入力される。速度指令信号は、モータ30の目標となる回転速度(目標回転速度)の情報を含んでいる。本実施の形態では、駆動指令信号Scを「速度指令信号Sc」とも称する。
駆動制御回路2Bは、制御部3Bとして、誤差算出部11B、フィードバック制御部12B、オフセット付与部13B、制御量算出部14B、第1信号生成部15、および第2信号生成部16を有し、状態監視部として回転速度検出部4Bを有する。
上述したように、駆動制御回路2Bは、例えば、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aと同様に、マイクロコントローラ等のプログラム処理装置である。駆動制御回路2Bを構成する上述した各機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置においてCPUがメモリに記憶されているプログラムに従って各種演算処理を実行し、その処理結果に基づいて周辺回路を制御することによって、実現される。
回転速度検出部4Bは、ホール素子20Bから出力された信号に基づいて、状態検出信号Stとしての、モータ30(ロータ37)の回転速度(回転数)を示す回転速度信号を生成する。本実施の形態では、状態検出信号Stを「回転角度信号St」とも称する。
誤差算出部11Bは、駆動指令信号としての速度指令信号Scによって指定されたモータ30の目標回転速度(Sc)と、回転速度信号Stによって示されるモータ30の実際の回転速度(St)との差を算出し、誤差ΔR(=Sc-St)として出力する。
フィードバック制御部12Bは、誤差算出部11Bによって算出された誤差ΔRが小さくなるようするためのフィードバック制御量Cfbを算出する機能部である。例えば、フィードバック制御部12Bは、PI制御演算によって誤差ΔRがゼロになるようにフィードバック制御量Cfbを算出し、出力する。
オフセット付与部13Bは、実施の形態1に係るオフセット付与部13Aと同様に、オフセット値Cofを出力する。制御量算出部14Bは、実施の形態1に係る制御量算出部14Aと同様に、フィードバック制御量Cfbを第1制御量C1として出力し、フィードバック制御量Cfbとオフセット値Cofとを加算した値を第2制御量C2として出力する。
第1信号生成部15は、制御量算出部14Bから出力された第1制御量C1に応じたデューティ比のPWM信号を生成し、第1駆動制御信号Sd1として第1駆動回路5に供給する。第2信号生成部16は、制御量算出部14Bから出力された第2制御量C2に応じたトルク指令値を生成し、第2駆動制御信号Sd2として第2駆動回路6に供給する。
上述の構成を有する駆動制御回路2Bによれば、回転速度に係るフィードバック制御に基づく第1系統のステータ31の第1制御量C1と第2系統のステータ32の第2制御量C2の間にオフセット値Cofに基づく差を設けているので、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aと同様に、トルクの微調整が容易となる。
すなわち、駆動制御回路2Bは、モータ30を低速度で回転させるために微小なトルクを発生させる必要がある場合であっても、第1駆動制御信号Sd1に基づくトルクT1と第2駆動制御信号Sd2に基づくトルクT2とのトルク差によってロータ37の出力トルクを発生させるので、Hブリッジ回路を構成するスイッチ素子としてのMOSトランジスタの特性のばらつきやHブリッジ回路のデッドタイムによらず、高精度なトルクの調整が可能となる。これにより、低い回転速度においても、モータ30を安定して回転させることが可能となる。
なお、実施の形態2に係る駆動制御回路2Bにおいて、オフセット付与部13Bは、モータ30の回転速度と目標回転速度との差が小さい程、オフセット値が大きくなるようにオフセット値Cofを算出してもよい。
これによれば、モータ30の回転速度が目標回転速度から大きく離れている場合には、第1系統のステータ31と第2系統のステータ32によって同一方向にトルクを発生させて、速やかにロータ37の回転速度を目標回転速度に速やか近づけることが可能となる。また、モータ30の回転角度が目標回転速度に近づいた場合には、第1系統のステータ31によるトルクT1と第2系統のステータ32によるトルクT2との差によって、高精度なトルク制御を行うことにより、ロータ37を目標回転速度で安定して回転させることが可能となる。
≪実施の形態3≫
図7は、実施の形態3に係る駆動制御回路2Cの構成を示す図である。
図7は、実施の形態3に係る駆動制御回路2Cの構成を示す図である。
図7には、外部から指定された所望の回転位置(回転角度)でモータ30が停止するように制御する角度制御機能を備えたモータ駆動制御装置1Cおよびモータユニット100Cを実現するための駆動制御回路2Cの構成例が示されている。
実施の形態3に係る駆動制御回路2Cは、フィードバック制御に加えて、フィードフォワード制御を行う点において、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aと相違する。
具体的に、駆動制御回路2Cは、制御部3Cとして、誤差算出部11C、フィードバック制御部12C、オフセット付与部13C、フィードフォワード制御部18、制御量算出部14C、第1信号生成部15、および第2信号生成部16を有し、状態監視部として回転位置検出部4Aを有する。
駆動制御回路2Cは、例えば、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aと同様に、マイクロコントローラ等のプログラム処理装置である。駆動制御回路2Cを構成する上述した各機能ブロックは、例えば、上述したプログラム処理装置においてCPUがメモリに記憶されているプログラムに従って各種演算処理を実行し、その処理結果に基づいて周辺回路を制御することによって、実現される。
なお、実施の形態3に係る駆動制御回路2Cの構成要素のうち、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aと同様の構成要素については、説明を省略する。
フィードフォワード制御部18は、駆動指令信号としての角度指令信号Scによって指定された目標回転角度に応じた第1フィードフォワード制御量Cff1および第2フィードフォワード制御量Cff2を算出する機能部である。り、PD制御演算が実行可能な制御装置によって実現することができる。
フィードフォワード制御部18は、オフセット値Cofに基づいて第1フィードフォワード制御量Cff1と第2フィードフォワード制御量Cff2とを相違させる。例えば、フィードフォワード制御部18は、角度指令信号Scによって指定された目標回転角度に応じた第1フィードフォワード制御量Cff1を出力し、角度指令信号Scによって指定された目標回転角度とオフセット値Cofとを加算した値Cxに応じた第2フィードフォワード制御量Cff2を出力する。
制御量算出部14Cは、フィードバック制御量Cfbと第1フィードフォワード制御量Cff1とに基づいて第1制御量C1を生成し、フィードバック制御量Cfbと第2フィードフォワード制御量Cff2とに基づいて第2制御量C2を生成する機能部である。
例えば、制御量算出部14Cは、フィードバック制御量Cfbと第1フィードフォワード制御量Cff1とを加算した値を第1制御量C1として出力し、フィードバック制御量Cfbと第2フィードフォワード制御量Cff2とを加算した値を第2制御量C2として出力する。
上述の構成を有する駆動制御回路2Cによれば、フィードバック制御に加えてフィードフォワード制御も行うので、モータ30の回転角度が目標回転角度から大きく離れている場合であっても、速やかに目標回転角度に到達させることが可能となる。
また、駆動制御回路2Cによれば、第1系統側のフィードフォワード制御量Cff1と第2系統側のフィードフォワード制御量Cff2とを設けることにより、フィードバック制御系のみを設けた場合に比べ、応答性を高めることができる。
なお、実施の形態3においては、フィードフォワード制御部に対してオフセットを付与しているが、これに限られない。例えば、誤差ΔDに対してオフセットを付与する等、フィードバック制御系にオフセットを付与してもよい。また、制御量算出部14Cに対してオフセットを付与し、フィードバック制御量Cfbと第1フィードフォワード制御量Cff1とを加算した値に、さらにオフセットを付与した値を第1制御量C1として出力してもよい。また、フィードバック制御量Cfbと第2フィードフォワード制御量Cff2とを加算した値に、さらにオフセットを付与した値を第2制御量C2として出力してもよい。あるいは、第1制御量C1と第2制御量C2のそれぞれをオフセットが付与された値として出力をしてもよい。
なお、実施の形態3においては、フィードフォワード制御部に対してオフセットを付与しているが、これに限られない。例えば、誤差ΔDに対してオフセットを付与する等、フィードバック制御系にオフセットを付与してもよい。また、制御量算出部14Cに対してオフセットを付与し、フィードバック制御量Cfbと第1フィードフォワード制御量Cff1とを加算した値に、さらにオフセットを付与した値を第1制御量C1として出力してもよい。また、フィードバック制御量Cfbと第2フィードフォワード制御量Cff2とを加算した値に、さらにオフセットを付与した値を第2制御量C2として出力してもよい。あるいは、第1制御量C1と第2制御量C2のそれぞれをオフセットが付与された値として出力をしてもよい。
なお、実施の形態3に係る駆動制御回路2Cにおいて、オフセット付与部13Cは、実施の形態1に係る駆動制御回路2Aと同様に、モータ30の回転角度と目標回転角度との差が小さい程、オフセット値が大きくなるようにオフセット値Cofを算出してもよい。
≪モータ駆動制御装置の適用例≫
次に、上述した実施の形態1,2,3に係るモータ駆動制御装置1A~1Cの適用例について説明する。
図8は、実施の形態1~3に係るモータ駆動制御装置1A~1Cの適用例としての飛行装置の一例を示す図である。
図8に示す飛行装置50は、モータ52によってプロペラ51を回転させることにより、自律飛行が可能なマルチロータの回転翼機であり、所謂ドローンである。
飛行装置50には撮像装置(カメラ)54が搭載されている。撮像装置54は、雲台55によって支持されている。雲台55は、撮像装置54を飛行装置50に支持するとともに、撮像装置54の撮像方向(カメラの角度)を調整するための装置である。雲台55は、撮像装置54の角度を調整するための駆動源としてモータ30を備えている。本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1A~1Cは、雲台55の撮像装置54の角度を調整するモータ30の駆動制御装置として適用することができる。
これによれば、飛行装置50の飛行時に撮像装置54が振動した場合であっても、迅速かつ適切な方向に撮像装置54の角度を調整したり、撮像装置54の角度を適切に停止させたりすることができるので、安定した撮影を実現することが可能となる。
なお、モータ駆動制御装置1A~1Cは、空撮用ドローン用途に限ることはなく、安定した停止や低速駆動を行う用途であれば、測距装置等などの別の装置に搭載されたモータの駆動制御装置として適用することができる。
図9は、実施の形態1~3に係るモータ駆動制御装置1A~1Cの別の適用例としてのリニアモータの一例を示す図である。
実施の形態1,2,3に係るモータ駆動制御装置1A~1Cは、上述した回動型のモータ30だけではなく、例えば、図9に示すような直動型のモータの駆動制御装置として適用することも可能である。
図9に示すモータ60は、例えば、第1系統のコイルと第2系統のコイルとが互いに隣接して配置されたリニアモータである。具体的には、モータ60は、基板61と、基板61上に配置された、基板61の面方向に移動可能なテーブル64とを有する。テーブル64の内部には、複数の磁石63が、テーブル64が延在する方向(テーブル64の移動方向)に沿って極性が交互に異なるように並んで配置されている。
基板61の表面には、第1ステータ31および第2ステータ32が、テーブル64のマグネットと対向し、且つテーブル64の移動方向に沿って交互に配置されている。
本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1A~1Cは、モータ60の第1ステータ31および第2ステータ32のコイルを駆動する駆動制御装置として用いることができる。モータ駆動制御装置1A~1Cによって第1ステータ31および第2ステータ32の各コイルの通電を制御することにより、第1ステータ31および第2ステータ32から磁力を発生させ、その磁力とマグネットの磁力との反発力によってテーブル64を移動させるリニアモータを実現することができる。また、モータ駆動制御装置1A~1Cによれば、移動するテーブル64を任意の位置で安定して停止させたり、テーブル64を低速で安定して移動させたりすることが可能となる。
なお、モータ60において、第1系統のステータ31のコイルと第2系統のステータ32のコイルとは隣接して配置せずに、それぞれのコイルからの磁束が相殺されないように配置してもよい。また、図9には、モータ60として、磁石63を有するテーブル64が移動する構造の直動型モータを例示したが、これに限られない。例えば、モータ60は、テーブル64の代わりに鉄心が移動する構造の直動型のモータであってもよい。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態において、モータ駆動制御装置1A~1Cによる駆動対象のモータとして、一つのロータを共有する2系統のステータ31,32を備えたモータ30を例示したが、これに限られない。以下、モータ駆動制御装置1A~1Cによる駆動対象のモータの別の一例について、図を用いて説明する。
図10は、実施の形態1~3に係るモータ駆動制御装置1A~1Cによって駆動可能なモータの別の一例を示す図である。
図10に示されるモータ30Dは、2つのモータを有し、2つのモータのロータ同士が同軸に連結された構造を有している。具体的には、モータ30Dは、第1モータ35_1と、第2モータ35_2と、カップリング装置70と、センサ装置20とを備えている。
第1モータ35_1は、ロータ37_1と、ロータ37_1の周囲を囲む形態で配置されたステータ31Dとを有している。ロータ37_1は、例えば円柱状の回転可能な出力軸38_1と、出力軸38_1の外周面に固定された磁石39_1とを有する。ステータ31Dは、コイル34_1と、コイル34_1が巻回されたステータコア300_1とを有する。
また、第2モータ35_2は、ロータ37_2と、ロータ37_2の周囲を囲む形態で配置されたステータ32Dとを有している。ロータ37_2は、例えば円柱状の回転可能な出力軸38_2と、出力軸38_2の外周面に固定された磁石39_2とを有する。ステータ32Dは、コイル34_2と、コイル34_2が巻回されたステータコア300_2とを有する。
第1モータ35_1の出力軸38_1の一端には、センサ装置20としての角度エンコーダが接続されており、当該角度エンコーダは、出力軸38_1の回転角度を検出する。
カップリング装置70は、第1モータ35_1と第2モータ35_2とを連結するための装置である。具体的に、カップリング装置70は、第1モータ35_1の出力軸38_1と第2モータ35_2の出力軸38_2とが同軸、且つ出力軸38_1と出力軸38_2とが一体となって回動可能に、出力軸38_1と出力軸38_2を固定する。
なお、モータ30Dでは、第1モータ35_1のトルクと第2モータ35_2のトルクの、出力軸38_1,38_2の回転角度に対する位相が互いに相違するように、ステータ31D,32Dが配置されている。
図10に示すモータ30Dによれば、第1モータ35_1と第2モータ35_2とを、一つの回転軸を有し、回転軸の回転角度に対する位相が互いに異なる2つのトルクを発生させる一つのモータを実現することができる。モータ30Dを本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1A~1Cに接続することにより、上述したモータ30と同様に制御することが可能である。
このような構成とすることによって、複数のモータを同軸上に接続したうえで、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1A~1Cを接続するだけで、回転軸を停止あるいは低速駆動させることが可能となり、汎用性が高くなる。
なお、第1モータ35_1の出力軸38_1と第2モータ35_2の出力軸38_2とは、回転軸線が一致していればよく、必ずしもカップリング装置70で接続されていなくてもよい。センサ装置20としての角度エンコーダは、第1モータ35_1側にのみ設けられる場合に限られず、第1モータ35_1側および第2モータ35_2側の両側に設けられていてもよい。
1,1A~1C…モータ駆動制御装置、2,2A~2C…駆動制御回路、2,2A,2B,2C…駆動制御回路、3,3A,3B,3C…制御部、4…状態監視部、4A…回転位置検出部、4B…回転速度検出部、5…第1駆動回路、6…第2駆動回路、11A~11C…誤差算出部、12A~12C…フィードバック制御部、13A~13C…オフセット付与部、14A~14C…制御量算出部、15…第1信号生成部、16…第2信号生成部、18…フィードフォワード制御部、20…センサ装置、20A…角度エンコーダ、20B…ホール素子、30,30D…モータ、31…第1ステータ、31D…ステータ、32…第2ステータ、32D…ステータ、33…極歯(ティース)、34,34_1,34_2……コイル(巻線)、35_1…第1モータ、35_2…第2モータ、37…ロータ(回転体)、37_1…第1ロータ、37_2…第2ロータ、38_1,38_2…出力軸、39_1,39_2…磁石、50…飛行装置、51…プロペラ、52…モータ、54…撮像装置、55…雲台、60…モータ、61…基板、63…磁石、64…テーブル、70…カップリング装置、100,100A~100C…モータユニット、300,300_1,300_2…ステータコア、C1…第1制御量、C2…第2制御量、Cfb…フィードバック制御量、Cff1…第1フィードフォワード制御量、Cff2…第2フィードフォワード制御量、Cof…オフセット値、Sc…駆動指令信号、Sd1…第1駆動制御信号、Sd2…第2駆動制御信号、St…状態検出信号、ΔD,ΔR…誤差。
Claims (12)
- 回転体と、前記回転体を共有し、前記回転体に対して互いに異なる位置に配置された第1系統のステータおよび第2系統のステータとを有するモータを駆動するための、モータ駆動制御装置であって、
第1駆動制御信号に基づいて、前記第1系統のステータのコイルを駆動する第1駆動回路と、
前記第1駆動制御信号と異なる第2駆動制御信号に基づいて、前記第2系統のステータのコイルを駆動する第2駆動回路と、
前記モータの動作の目標状態を指示する駆動指令信号と、前記モータの動作状態の検出結果とに基づいて、前記モータを前記駆動指令信号で指定された動作状態とする、前記第1駆動制御信号と前記第2駆動制御信号とを生成し、前記第1駆動制御信号を前記第1駆動回路に供給するとともに前記第2駆動制御信号を前記第2駆動回路に供給する駆動制御回路と、を備え、
前記第1駆動制御信号によって前記第1系統のステータが前記回転体を操作する操作量と前記第2駆動制御信号によって前記第2系統のステータが前記回転体を操作する操作量とが相違する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
前記第1系統のステータが発生させる第1トルクと、前記第2系統のステータが発生させる第2トルクとは、位相が互いに相違する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1または2に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、
前記駆動指令信号と前記モータの動作状態の検出結果とに基づいて、前記モータの動作状態のずれ量を算出する誤差算出部と、
前記ずれ量を小さくするフィードバック制御量を算出するフィードバック制御部と、
オフセット値を出力するオフセット付与部と、
前記フィードバック制御量および前記オフセット値に基づいて第1制御量および第2制御量を生成する制御量算出部と、
前記第1制御量に基づいて前記第1駆動制御信号を生成する第1信号生成部と、
前記第2制御量に基づいて前記第2駆動制御信号を生成する第2信号生成部と、を有し、
前記制御量算出部は、前記オフセット値に基づいて、前記第1制御量と前記第2制御量とを相違させる
モータ駆動制御装置。 - 請求項3に記載のモータ駆動制御装置において、
前記制御量算出部は、前記フィードバック制御量に応じた前記第1制御量を出力し、前記フィードバック制御量と前記オフセット値とを加算した値に応じた前記第2制御量を出力する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1または2に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、
前記駆動指令信号と前記モータの動作状態の検出結果とに基づいて、前記モータの動作状態のずれ量を算出する誤差算出部と、
前記ずれ量を小さくするフィードバック制御量を算出するフィードバック制御部と、
前記駆動指令信号によって指定された値に応じた第1フィードフォワード制御量および第2フィードフォワード制御量を算出するフィードフォワード制御部と、
オフセット値を出力するオフセット付与部と、
前記フィードバック制御量および前記第1フィードフォワード制御量に基づいて第1制御量を生成し、前記フィードバック制御量および前記第2フィードフォワード制御量に基づいて第2制御量を生成する制御量算出部と、
前記第1制御量に基づいて前記第1駆動制御信号を生成する第1信号生成部と、
前記第2制御量に基づいて前記第2駆動制御信号を生成する第2信号生成部と、を有し、
前記フィードフォワード制御部は、前記オフセット値に基づいて、前記第1フィードフォワード制御量と前記第2フィードフォワード制御量とを相違させる
モータ駆動制御装置。 - 請求項5に記載のモータ駆動制御装置において、
前記フィードフォワード制御部は、前記駆動指令信号によって指定された値に応じた前記第1フィードフォワード制御量を出力し、前記駆動指令信号によって指定された値と前記オフセット値を加算した値に応じた前記第2フィードフォワード制御量を出力する
モータ駆動制御装置。 - 請求項3乃至6の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動指令信号は、前記モータの目標回転位置を指示し、
前記モータの動作状態の検出結果は、前記モータの回転位置の検出結果である
モータ駆動制御装置。 - 請求項3乃至6の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動指令信号は、前記モータの目標回転速度を指示し、
前記モータの動作状態の検出結果は、前記モータの回転速度の検出結果である
モータ駆動制御装置。 - 請求項8に記載のモータ駆動制御装置であって、
前記オフセット付与部は、前記モータの動作状態の目標状態からのずれに基づいて、前記オフセット値を算出する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1乃至9の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置と、
前記モータと、を備える
モータユニット。 - 請求項10に記載のモータユニットにおいて、
前記モータは、前記回転体としての第1ロータおよび第2ロータを有し、
前記第1ロータと前記第2ロータとは、同軸に連結されている
モータユニット。 - 回転体と、
前記回転体を共有し、前記回転体に対して互いに異なる位置に配置された第1のステータおよび第2のステータと、を有し、
前記第1のステータが発生させるトルクと前記第2のステータが発生させるトルクとは、位相が互いに相違する
モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020162922A JP2022055472A (ja) | 2020-09-29 | 2020-09-29 | モータ駆動制御装置およびモータユニット |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020162922A JP2022055472A (ja) | 2020-09-29 | 2020-09-29 | モータ駆動制御装置およびモータユニット |
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JP2022055472A true JP2022055472A (ja) | 2022-04-08 |
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ID=80998431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020162922A Pending JP2022055472A (ja) | 2020-09-29 | 2020-09-29 | モータ駆動制御装置およびモータユニット |
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JP (1) | JP2022055472A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024029158A1 (ja) * | 2022-08-04 | 2024-02-08 | 株式会社日立製作所 | 交流電動機の制御装置及びこれを備えた電気自動車、並びに電動航空機 |
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2020
- 2020-09-29 JP JP2020162922A patent/JP2022055472A/ja active Pending
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WO2024029158A1 (ja) * | 2022-08-04 | 2024-02-08 | 株式会社日立製作所 | 交流電動機の制御装置及びこれを備えた電気自動車、並びに電動航空機 |
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