JP2022054739A - Tvsダイオードおよびtvsダイオードの製造方法 - Google Patents

Tvsダイオードおよびtvsダイオードの製造方法 Download PDF

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【課題】新規な構成のTVSダイオードを提供する。【解決手段】TVSダイオード1は、基板2と、基板の表層部に形成された第1導電型のベース領域6と、ベース領域に形成された第2導電型の第1不純物領域13と、第1不純物領域から間隔を空けて前記ベース領域に形成された第2導電型の第2不純物領域14と、第1不純物領域と第2不純物領域との間に、第1不純物領域および第2不純物領域から間隔を空けてベース領域に形成された第2導電型の第3不純物領域15と、第1不純物領域に電気的に接続されるように、基板上に配置された第1電極と、第2不純物領域に電気的に接続されるように、基板上に配置された第2電極とを含む。【選択図】図5

Description

本発明は、TVSダイオードおよびTVSダイオードの製造方法に関する。
過渡電圧、ESD(Electrostatic Discharge)、ノイズ等を吸収する素子としてTVS(Transient Voltage Suppressor:過渡電圧抑制)ダイオードが知られている。TVSダイオードは、ESD保護用ダイオードともよばれる。TVSダイオードは、一般的には、一対のダイオードが逆直列に接続されたものが採用される(特許文献1参照)。
米国特許第6,015,999号明細書
本発明の目的は、新規な構成のTVSダイオードおよびその製造方法を提供することである。
本発明の一実施形態は、基板と、前記基板の表層部に形成された第1導電型のベース領域と、前記ベース領域に形成された第2導電型の第1不純物領域と、前記第1不純物領域から間隔を空けて前記ベース領域に形成された第2導電型の第2不純物領域と、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に、前記第1不純物領域および前記第2不純物領域から間隔を空けて前記ベース領域に形成された第2導電型の第3不純物領域と、前記第1不純物領域に電気的に接続されるように、前記基板上に配置された第1電極と、前記第2不純物領域に電気的に接続されるように、前記基板上に配置された第2電極とを含む、TVSダイオードを提供する。
この構成では、新規な構成のTVSダイオードが得られる。
本発明の一実施形態では、前記第1不純物領域と、前記ベース領域における前記第1不純物領域と前記第3不純物領域との間の領域である第1ベース領域とによって第1ダイオードが形成され、前記第1ベース領域と前記第3不純物領域とによって前記第1ダイオードに逆直列接続された第2ダイオードが形成され、前記第3不純物領域と、前記ベース領域における前記第3不純物領域と前記第2不純物領域との間の領域である第2ベース領域とによって前記第2ダイオードに逆直列接続された第3ダイオードが形成され、前記第2ベース領域と前記第2不純物領域とによって前記第3ダイオードに逆直列接続された第4ダイオードが形成されている。
本発明の一実施形態では、前記第1不純物領域および前記第2不純物領域の第2導電型不純物濃度が、前記第3不純物領域の第2導電型不純物濃度よりも高い。
本発明の一実施形態では、前記第1不純物領域および前記第2不純物領域の第2導電型不純物濃度が、3×1019cm-3以上、3×1021cm-3以下であり、前記第3不純物領域の第2導電型不純物濃度が、1×1015cm-3以上1×1017cm-3以下である。
本発明の一実施形態では、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間隔が、0.4μm以上1.0μm以下である。
本発明の一実施形態では、前記第1不純物領域と前記第3不純物領域との間隔および前記第2不純物領域と前記第3不純物領域との間隔が、0.05μm以上0.15μm以下である。
本発明の一実施形態では、前記第1不純物領域が複数形成されており、前記第2不純物領域が複数形成されており、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域とが交互に配置されており、前記第1不純物領域とそれに隣接する前記第2不純物領域との間に、当該第1不純物領域および当該第2不純物領域から間隔を空けて前記第3不純物領域が配置されている。
本発明の一実施形態では、前記基板の表面上に形成された表面絶縁膜をさらに含み、前記第1電極は、前記第1不純物領域に電気的に接続されるように、前記表面絶縁膜上に配置された第1電極膜と、前記第1電極膜に電気的に接続された第1外部電極とを含み、前記第2電極は、前記第2不純物領域に電気的に接続されるように、前記表面絶縁膜上に配置された第2電極膜と、前記第2電極膜に電気的に接続された第2外部電極とを含む。
本発明の一実施形態では、前記第1電極膜は、前記基板の表面に沿う方向において前記第1不純物領域から離れて配置された第1パッド部と、前記第1パッド部から前記第1不純物領域の上方領域に延びる第1配線部とを含み、前記第2電極膜は、前記基板の表面に沿う方向において前記第2不純物領域から離れて配置された第2パッド部と、前記第2パッド部から前記第2不純物領域の上方領域に延びる第2配線部とを含む。
本発明の一実施形態では、前記表面絶縁膜には、前記第1配線部と前記第1不純物領域との間に前記第1不純物領域の一部を露出させる第1コンタクト孔が形成され、前記第2配線部と前記第2不純物領域との間に前記第2不純物領域の一部を露出させる第2コンタクト孔が形成されており、前記第1配線部が前記第1コンタクト孔内に埋め込まれた第1導電体を介して、前記第1不純物領域に電気的に接続され、前記第2配線部が前記第2コンタクト孔内に埋め込まれた第2導電体を介して、前記第2不純物領域に電気的に接続されている。
本発明の一実施形態では、前記第1パッド部上に、前記第1外部電極が配置され、前記第2パッド部上に、前記第2外部電極が配置されている。
本発明の一実施形態では、前記第1電極膜および前記第2電極膜がAlCuからなる。
本発明の一実施形態では、前記第1導電体および前記第2導電体がタングステンからなる。
本発明の一実施形態は、第1導電型のベース領域が形成された表層部を有する基板の前記ベース領域に、互いに間隔を空けて配置された第2導電型の第1不純物領域および第2不純物領域と、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に配置され、前記第1不純物領域および前記第2不純物領域から間隔を空けて配置された第2導電型の第3不純物領域とを形成する第1工程と、前記基板の表面上に表面絶縁膜を形成する第2工程と、前記表面絶縁膜上に、前記第1不純物領域に電気的に接続される第1電極と、前記第2不純物領域に電気的に接続される第2電極とを形成する第3工程とを含み、前記第1工程は、前記ベース領域に、第2導電型の不純物を注入し、熱処理することによって、前記ベース領域の表層部に第2導電型領域を形成する工程と、前記ベース領域の表面における前記第3不純物領域を形成すべき領域を覆うマスク用絶縁膜を形成した後、当該マスク用絶縁膜をマスクとして、第1導電型の不純物を前記第2導電型領域に注入し、熱処理することによって、前記第2導電型領域からなる前記第3不純物領域を形成する工程と、前記ベース領域の表層部に、前記マスク用絶縁膜をマスクとして、第2導電型の不純物を注入し、熱処理することによって、前記第1不純物領域および前記第2不純物領域を形成する工程とを含む、TVSダイオードの製造方法を提供する。
本発明の一実施形態では、前記第3不純物領域を形成する工程は、前記第1導電型の不純物が前記第2導電型領域における前記マスクの下方領域に注入されやすくするために、前記第1導電型の不純物が前記ベース領域の表面に対して斜め方向に注入される。
本発明の一実施形態では、前記ベース領域の表面に対する前記第1導電型の不純物の注入角度が45度である。
本発明の一実施形態では、前記第3工程は、前記表面絶縁膜に、前記第1不純物領域の一部を露出させる第1コンタクト孔と、前記第2不純物領域の一部を露出させる第2コンタクト孔とを形成する工程と、前記第1コンタクト孔に第1導電体を埋め込むと同時に前記第2コンタクト孔に第2導電体を埋め込む工程と、前記表面絶縁膜上に電極膜を形成する工程と、前記電極膜を選択的にエッチングすることによって、前記第1導電体を介して前記第1不純物領域に電気的に接続される第1電極膜と、前記第2導電体を介して前記第2不純物領域に電気的に接続される第2電極膜とを形成する工程とを含む。
本発明の一実施形態では、前記第3工程は、前記第1電極膜上に、前記第1電極膜と電気的に接続された第1外部電極を形成する工程と、前記第2電極膜上に、前記第2電極膜と電気的に接続された第2外部電極を形成する工程とをさらに含む。
図1は、本発明の一実施形態に係るTVSダイオードの模式的な斜視図である。 図2は、図1のTVSダイオードの模式的な平面図である。 図3は、図2のIII-III線(図7のIII-III線)に沿う模式的な断面図である。 図4は、図2のIV-IV線(図7のIV-IV線)に沿う模式的な断面図である。 図5は、図2のV-V線(図7のV-V線)に沿う模式的な断面図である。 図6は、図3のVI-VI線に沿う方向から見た模式的な平面図ある。 図7は、図6のA部を拡大して示す部分拡大平面図である。 図8は、図7の平面図から基板の表面上に形成されている部分を省略した模式的な平面図である。 図9Aは、図1のTVSダイオードの製造工程の一部を示す図である。 図9Bは、図9Aの次の工程を示す図である。 図9Cは、図9Bの次の工程を示す図である。 図9Dは、図9Cの次の工程を示す図である。 図9Eは、図9Dの次の工程を示す図である。 図9Fは、図9Eの次の工程を示す図である。 図9Gは、図9Fの次の工程を示す図である。 図9Hは、図9Gの次の工程を示す図である。 図9Iは、図9Hの次の工程を示す図である。 図9Jは、図9Iの次の工程を示す図である。 図9Kは、図9Jの次の工程を示す図である。 図9Lは、図9Kの次の工程を示す図である。 図9Mは、図9Lの次の工程を示す図である。 図9Nは、図9Mの次の工程を示す図である。 図9Oは、図9Nの次の工程を示す図である。 図9Pは、図9Oの次の工程を示す図である。 図9Qは、図9Pの次の工程を示す図である。 図10は、本実施形態のシミュレーションモデルを示す模式的な断面図である。 図10は、比較例のシミュレーションモデルを示す模式的な断面図である。 図12は、本実施形態のシミュレーションモデルの電圧-電流特性を示すグラフである。 図13は、本実施形態のシミュレーションモデルの電圧-容量特性を示すグラフである。 図14は、比較例のシミュレーションモデルの電圧-電流特性を示すグラフである。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るTVSダイオードの模式的な斜視図である。図2は、図1のTVSダイオードの模式的な平面図である。図3は、図2のIII-III線(図7のIII-III線)に沿う模式的な断面図である。図4は、図2のIV-IV線(図7のIV-IV線)に沿う模式的な断面図である。図5は、図2のV-V線(図7のV-V線)に沿う模式的な断面図である。
図6は、図3のVI-VI線に沿う方向から見た模式的な平面図ある。図7は、図6のA部を拡大して示す部分拡大平面図である。図8は、図7の平面図から基板の表面上に形成されている部分を省略した模式的な平面図である。図7では、第3不純物領域15が省略されている。
図1~図5を参照して、TVSダイオード1は、略直方体形状の基板2を含む。基板2は、シリコン基板であってもよい。基板2の長手方向に沿う長辺の長さL1は、例えば0.4mm~2mmである。短手方向に沿う短辺の長さL2は、例えば0.2mm~2mmである。基板2の厚さTは、例えば0.1mm~0.5mmである。この実施形態では、L1は0.9mm程度であり、L2は0.5mm程度であり、Tは0.3mm程度である。
基板2は、第1主面3と、その反対側に位置する第2主面4と、第1主面3と第2主面4とを接続する側面5A~5Dを有している。基板2の第1主面3および第2主面4は、いずれも第1主面3の法線方向から見た平面視において、長方形状に形成されている。基板2の側面5A~5Dには、基板の長手方向に沿って延びる一対の長手側面5A,5Bと、基板2の短手方向に沿って延びる一対の短手側面5C,5Dとが含まれる。
平面視において、基板2の各角部は面取りされることによって、コーナ面2a、2b、2c,2dに形成されている。コーナ面2a、2b、2c,2dのうち、基板2の側面5Bと側面5Dとを接続するコーナ面2cの幅は、他のコーナ面2a,2b,2cの幅よりも長く形成されている。
基板2には、基板2の第1主面3から露出するように、p型のベース領域6が形成されている。この実施形態では、基板2の第1主面3から第2主面4までの基板2の厚さ方向全体に亘ってp型不純物が導入されている。これにより、ベース領域6が基板2の全域に形成されており、かつ、基板2がp型基板と見なせる態様とされている。p型不純物は、例えば、ボロン(B)である。
基板2の第1主面3上には第1外部電極7と、第2外部電極8とが配置されている。第1外部電極7は、基板2の長手方向の一方側端部(側面5C側の端部)に配置されている。第2外部電極8は、基板2の長手方向の他方側端部(側面5D側の端部)に配置されている。
以下において、平面視において、ベース領域6の長さ中央部の領域を、セル形成領域10ということにする。セル形成領域10は、後述するように、複数のTVSダイオードセル(以下、「ダイオードセル」という。)が形成される領域である。平面視において、ベース領域6におけるセル形成領域10の外側の2つの領域のうち、基板2の側面5C側の領域を第1セル接続領域11といい、基板2の側面5D側の領域を第2セル接続領域12ということにする。第1セル接続領域11は、セル形成領域10に形成されたダイオードセルを第1外部電極7に接続する第1電極膜31のパッド部33が配置される領域であり、第2セル接続領域12は、セル形成領域10に形成されたダイオードセルを第2外部電極8に接続する第2電極膜32のパッド部35が配置される領域である。
図3、図4、図5および図8を参照して、ベース領域6におけるセル形成領域10の表層部には、第1外部電極7に電気的に接続される複数のn型の第1不純物領域13と、第2外部電極8に電気的に接続される複数のn型の第2不純物領域14とが形成されている。
複数のn型の第1不純物領域13は、平面視において、基板2の長手方向に沿って延びるように設けられており、基板2の短手方向に間隔を空けて配列されている。複数のn型の第2不純物領域14は、平面視において、基板2の長手方向に沿って延びるように設けられており、基板2の短手方向に間隔を空けて配列されている。第1不純物領域13と第2不純物領域14とは、基板2の短手方向に交互に配列されており、全体としてストライプ状をなしている。図8では、明瞭化のために、第1不純物領域13および第2不純物領域14にクロスハッチングを付して示している。
第1不純物領域13および第2不純物領域14は、同一の深さおよび同一のn型不純物濃度で形成されていてもよい。第1不純物領域13および第2不純物領域14のn型不純物は、例えば、ヒ素(As)である。第1不純物領域13および第2不純物領域14の各n型不純物濃度は、3×1019cm-3以上3×1021cm-3以下であることが好ましい。第1不純物領域13および第2不純物領域14は、いずれも、図8に示す平面視で同一形状および同一面積で形成されている。第1不純物領域13および第2不純物領域14は、平面視で基板2の長手方向に延び、四隅が切除された長方形状(角が面取りされた長方形状)に形成されている。
ベース領域6の表層部には、n型の第3不純物領域15が形成されている。第3不純物領域15は、基板2の表層部において、第1不純物領域13およびその周囲部と第2不純物領域14およびその周囲部とを除いた領域のほぼ全域に形成されている。図8では、明瞭化のために、第3不純物領域15にハッチングを付して示している。
第3不純物領域15は、平面視において、隣り合う第1不純物領域13と第2不純物領域14との間に配置された主要領域15Aと、各主要領域15Aの両端から基板2の第1主面4に沿って延びた延長領域15Bとを含む。主要領域15Aは、セル形成領域10内において、隣り合う第1不純物領域13と第2不純物領域14との間に基板2の長手方向に延び、当該第1不純物領域13および当該第2不純物領域14から間隔を空けて配置されている。
延長領域15Bは、平面視において、セル形成領域10内において各主要領域15Aの一端部が連結された第1延長領域と、セル形成領域10内において各主要領域15Aの他端部が連結された第2延長領域と、第1セル接続領域11のほぼ全域に形成され第1延長領域と繋がる第3延長領域と、第2セル接続領域12のほぼ全域に形成され第2延長領域と繋がる第4延長領域とからなる。
第3不純物領域15のn型不純物は、例えば、ヒ素(As)である。第3不純物領域15のn型不純物濃度は、第1不純物領域13および第2不純物領域14のn型不純物濃度よりも低い。第3不純物領域15のn型不純物濃度は、1×1015cm-3以上1×1017cm-3以下であることが好ましい。
隣り合う第1不純物領域13および第2不純物領域14の間隔W1は、0.4μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上0.9μm以下であることがより好ましい。この実施形態では、間隔W1は、0.7μm程度である。第1不純物領域13と第3不純物領域15との間隔W2および第2不純物領域14と第3不純物領域15との間隔W3は、0.05μm以上0.15μm以下であることが好ましい。この実施形態では、間隔W2および間隔W3は、0.1μm程度である。
図5を参照して、隣り合う第1不純物領域13および第2不純物領域14と、その間の第3不純物領域15と、それらの間のベース領域6とによってTVSダイオードセル(以下、「ダイオードセル」という。)が構成されている。1つのダイオードセルは、逆直列に接続された4つのpn接合ダイオードD1~D4を含んでいる。
具体的には、第1不純物領域13と、ベース領域6における第1不純物領域13と第3不純物領域15との間の領域(以下、「第1ベース領域6」という。)との間に、第1のpn接合部が形成されている。この第1のpn接合部によって、第1不純物領域13をカソードとし、第1ベース領域6をアノードとする第1pn接合ダイオードD1が形成されている。
第1ベース領域6と第3不純物領域15との間に、第2のpn接合部が形成されている。この第2のpn接合部によって、第1ベース領域6をアノードとし、第3不純物領域15をカソードとする第2pn接合ダイオードD2が形成されている。第1pn接合ダイオードD1および第2pn接合ダイオードD2は、第1ベース領域6を介して逆直列に接続されている。
第3不純物領域15と、ベース領域6における第3不純物領域15と第2不純物領域14との間の領域(以下、「第2ベース領域6」という。)との間に、第3のpn接合部が形成されている。この第3のpn接合部によって、第3不純物領域15をカソードとし、第2ベース領域6をアノードとする第3pn接合ダイオードD3が形成されている。第2pn接合ダイオードD2および第3pn接合ダイオードD3は、第3不純物領域15を介して逆直列に接続されている。
第2ベース領域6と第2不純物領域14との間に、第4のpn接合部が形成されている。この第4のpn接合部によって、第2ベース領域6をアノードとし、第2不純物領域14をカソードとする第4pn接合ダイオードD4が形成されている。第3pn接合ダイオードD3および第4pn接合ダイオードD4は、第2ベース領域6を介して逆直列に接続されている。つまり、1つのダイオードセルは、npnpn構造を有している。
セル形成領域10には、ダイオードセルが複数形成されている。複数のダイオードセルは、後述する第1導電体23、第2導電体24、第1電極膜31および第2電極膜32によって並列に接続される。
図3~図7を参照して、基板2の第1主面3には、表面絶縁膜20が形成されている。表面絶縁膜20は、基板2の第1主面3のほぼ全域を覆っている。したがって、表面絶縁膜20は、平面視において基板2の第1主面3に整合する四角形状に形成されている。表面絶縁膜20は、酸化膜(SiO膜)および窒化膜(SiN膜)のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。また、表面絶縁膜20は、例えば、0.1μm~2μmの厚さを有していてもよい。
表面絶縁膜20には、第1不純物領域13の一部を露出させる第1コンタクト孔21と、第2不純物領域14の一部を露出させる第2コンタクト孔22とが形成されている。第1コンタクト孔21は、平面視で第1不純物領域13の長さ方向に沿って延びた長方形状であり、第1不純物領域13の中央部を露出させている。第2コンタクト孔22は、平面視で第2不純物領域14の長さ方向に沿って延びた長方形状であり、第2不純物領域14の中央部を露出させている。
第1コンタクト孔21には、第1導電体23が埋め込まれている。第1導電体23は、例えばタングステン(W)からなり、第1不純物領域13(第1pn接合ダイオードD1のカソード)に接触している。第2コンタクト孔22には、第2導電体24が埋め込まれている。第2導電体24は、例えばタングステン(W)からなり、第2不純物領域14(第4pn接合ダイオードD4のカソード)に接触している。
表面絶縁膜20の上には、第1電極膜31および第2電極膜32が互いに間隔を空けて形成されている。図7においては、明確化のため、第1電極膜31および第2電極膜32に、ドットのハッチングを付して示している。
第1電極膜31は、第1パッド部33と、複数の第1配線部34とを一体的に含む。第2電極膜32は、第2パッド部35と、複数の第2配線部36とを一体的に含む。
第1パッド部33は、平面視長方形状に形成されており、第1セル接続領域11の上方に配置されている。第2パッド部35は、平面視長方形状に形成されており、第2セル接続領域12の上方に配置されている。
複数の第1配線部34は、第1パッド部33に対して櫛歯状に形成されている。複数の第1配線部34は、セル形成領域10において、それぞれ、複数の第1不純物領域13を一対一対応で覆うように、基板2の長手方向に沿って第1パッド部33から第2パッド部35に向かって直線状に引き出されている。各第1配線部34は、第1不純物領域13の幅よりも狭く形成されている。第1配線部19は、第1導電体23の表面に接触しており、第1導電体23を介して第1不純物領域13に電気的に接続されている。
複数の第2配線部36は、第2パッド部35に対して櫛歯状に形成されている。複数の第2配線部36は、それぞれ、複数の第2不純物領域14を一対一対応で覆うように、基板2の長手方向に沿って第2パッド部35から第1パッド部33へ向かって直線状に引き出されている。各第2配線部36は、第2不純物領域14の幅よりも狭く形成されている。第2配線部36は、第2導電体24の表面に接触しており、第2導電体24を介して第2不純物領域14に電気的に接続されている。
第1配線部34および第2配線部36は、平面視において、隙間(スリット)37(図7参照)を挟んで互いに噛み合うように配置されている。この隙間37によって、第1配線部34と第2配線部36とは、電気的に絶縁されている。第1電極膜31および第2電極膜32は、例えば、AlCu膜であってもよい。
図1~図5を参照して、表面絶縁膜20の上には、絶縁層40が形成されている。絶縁層40は、第1電極膜31および第2電極膜32を被覆している。絶縁層40は、表面絶縁膜20上に形成された第1絶縁膜41と、第1絶縁膜41上に形成された第2絶縁膜42とを含む。第1絶縁膜41は、例えば、酸化膜(SiO膜)および窒化膜(SiN膜)のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。この実施形態では、第1絶縁膜41は、SiN膜からなる。
第2絶縁膜42は、例えば、ポリイミド等の絶縁性樹脂を含んでいてもよい。また、絶縁層40は、例えば、1μm~10μmの厚さを有していてもよい。この実施形態では、例えば、第1絶縁膜41の厚さが0.5μm~2μmであり、第2絶縁膜42の厚さが0.5μm~8μmであってもよい。
絶縁層40には、第1開口43および第2開口44が形成されている。第1開口43は、第1パッド部33における基板2の側面5C側の一部を露出させている。第2開口44は、パッド部35における基板2の側面5D側の一部を露出させている。
第1開口43内には、第1外部電極7が形成されている。第1外部電極7は、第1開口43内において第1パッド部33(第1電極膜31)に電気的に接続されている。これにより、第1外部電極7は、第1電極膜31を介して各第1不純物領域13と電気的に接続されている。また、第1外部電極7は、TVSダイオード1をフリップチップ実装(表面実装)するときの端子として機能するので、第1外部端子と称されてもよい。
第1外部電極7は、絶縁層40から突出するように形成されている。第1外部電極7は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよい。複数の金属膜は、第1電極膜31側からこの順に積層されたNi膜、Pd膜、Au膜を含んでいてもよい。
第2開口44内には、第2外部電極8が形成されている。第2外部電極8は、第2開口44内において第2パッド部35(第2電極膜32)に電気的に接続されている。これにより、第2外部電極8は、第2電極膜32を介して各第2不純物領域14と電気的に接続されている。また、第2外部電極8は、TVSダイオード1をフリップチップ実装(表面実装)するときの端子として機能するので、第2外部端子と称されてもよい。
第2外部電極8は、絶縁層40から突出するように形成されている。第2外部電極8は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよい。複数の金属膜は、第2電極膜32側からこの順に積層されたNi膜、Pd膜、Au膜を含んでいてもよい。
図1および図2を参照して、第1外部電極7は、平面視において、基板2の短手方向に長い長方形状に形成されている。第1外部電極7は、基板2の角部に配置される角部が面取りされることによって、当該1対の角部に、基板2の角部に対向するコーナ面51を有している。
第2外部電極8は、平面視において、基板2の短手方向に長い長方形状に形成されている。第2外部電極8は、基板2の角部に配置される角部が面取りされることによって、当該1対の角部に、基板2の角部に対向するコーナ面52、53を有している。コーナ面52、53のうち、基板2の側面5A側のコーナ面52の幅は、第1外部電極7のコーナ面51の幅とほぼ等しい。基板2の側面5B側のコーナ面53(基板2のコーナ面2cに対応するコーナ面53)の幅は、コーナ面52の幅よりも長い。
このような第1外部電極7および第2外部電極8によれば、第1外部電極7および第2外部電極8のうち、第2外部電極8のみに幅の異なるコーナ面53が形成されているので、第1外部電極7と第2外部電極8とを容易に判別することができる。例えば、第1外部電極7と第2外部電極8とをカメラで撮像して得られた画像を画像処理することによって、第1外部電極7と第2外部電極8とを容易に判別することができる。
なお、基板2の角部のうち、第2外部電極8側の1つの角部のみに幅の異なるコーナ面2cが形成されていることからも、第1外部電極7と第2外部電極8とを容易に判別することができる。
第1外部電極7、第1電極膜31および第1導電体23は、本発明の「第1電極」の一例であり、第2外部電極8、第2電極膜32および第2導電体24は、本発明の「第2電極」の一例である。
図9A~図9Pは、図1のTVSダイオード1の製造工程の一例を説明するための工程図である。図9A~図9PJは、図5の切断面に対応する断面図である。
TVSダイオード1を製造するには、図9Aを参照して、基板2が用意される。基板2は、例えば、ボロン(B)を含むp型シリコン基板である。基板2の比抵抗は、例えば、30Ωcm程度である。基板2は、第1主面3と、その反対側に位置する第2主面4と、第1主面3および第2主面4を接続する側面5A~5Dとを有している。
次に、図9Bに示すように、熱酸化によって、基板2の第1主面3に第1酸化膜(220Å厚)61が形成される。
次に、図9Cに示すように、p型不純物(この例ではボロン)が第1酸化膜61を介して基板2内に注入された後、熱処理が行われる。これにより、基板2にp型のベース領域6が形成される。
次に、図9Dに示すように、n型不純物(この例ではリン)が第1酸化膜61を介して基板2内に注入された後、熱処理が行われる。これにより、ベース領域6の表層部の全域にn型領域62が形成される。
次に、図9Eに示すように、第1酸化膜61上に第2酸化膜(2000Å厚)63が形成される。第2酸化膜63は、例えばNSG(Non Doped Silicate Glass)膜であり、例えばCVD法によって形成される。以下において、第1酸化膜61と第2酸化膜63との積層膜を「酸化膜64」ということにする。
次に、図9Fに示すように、基板2の第1主面3における第3不純物領域15を形成すべき領域を覆うように、酸化膜64上にレジスト膜(図示略)が形成され、このレジスト膜をマスクとして、酸化膜64がプラズマエッチングされる。これにより、酸化膜64のうち、レジスト膜で覆われていない部分が除去される。これにより、基板2の第1主面3における第3不純物領域15を形成すべき領域(より正確には、第3不純物領域15を形成すべき領域よりも若干大きな領域)のみが、酸化膜64によって覆われる。酸化膜64は、本発明の「マスク用絶縁膜」の一例である。
次に、図9Gに示すように、n型領域62の露出面を覆うように犠牲酸化膜(190Å厚)65が形成される。
次に、図9Hに示すように、酸化膜64をマスクとして、p型不純物(この例ではボロン)が犠牲酸化膜65を介して基板2内に注入された後、熱処理が行われる。この際、p型不純物がマスク(酸化膜64)の下方領域に注入されやすくするために、基板2の第1主面3に対してp型不純物が斜め方向に注入される。p型不純物の注入角度は、例えば、基板2の第1主面3に対して45度に設定される。これにより、n型領域62のうち、酸化膜64によって覆われていない領域分と、酸化膜64によって覆われている領域における周縁部がp型となり、ベース領域6の一部となる。これにより、n型領域62のうち、酸化膜64によって覆われている領域における周縁部を除いた領域がn型領域62として残り、このn型領域62によって第3不純物領域15が形成される。なお、基板2の第1主面3に対してp型不純物を垂直に注入してもよい。
次に、図9Iに示すように、酸化膜64をマスクとして、n型不純物(この例ではヒ素)が犠牲酸化膜65を介して基板2内に注入された後、熱処理が行われる。図9Iの工程では、例えば、n型不純物は、基板2の第1主面3に対して垂直に注入される。
図9Hの工程において、基板2の第1主面3に対してp型不純物が斜め方向に注入されている。また、ボロンの拡散速度に対してヒ素の拡散速度は遅い。これにより、ベース領域6の表層部には、第3不純物領域15における隣り合う主要領域15Aの間に、それらの主要領域15Aから間隔を空けてn型領域が形成される。隣り合う2つのn型領域のうちの一方によって第1不純物領域13が形成され、他方によって第2不純物領域14が形成される。これにより、基板2の短手方向に交互に配置された複数の第1不純物領域13と複数の第2不純物領域14が形成される。
なお、図9Hの工程において、基板2の第1主面3に対してp型不純物を垂直方向に注入した場合においても、ボロンの拡散速度に対してヒ素の拡散速度は遅いので、ベース領域6の表層部には、隣接する2つの第3不純物領域15の主要領域15Aの間に、それらの主要領域15Aから間隔を空けてn型領域が形成される。
次に、図9Jに示すように、露出した表面全体に、NSG膜(3000Å厚)が形成された後、TEOS膜(テトラエトキシシラン膜、7000Å厚)が形成される。そして、窒素処理が行われる。これにより、基板2の第1主面3上に、酸化膜からなる表面絶縁膜20が形成される。
次に、図9Kに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、表面絶縁膜50に、第1コンタクト孔21および第2コンタクト孔22が形成される。
次に、図9Lに示すように、例えば、スパッタ法によって、露出した表面全体を覆うように、例えば、タングステン(W)からなる導電体膜66が形成される。
次に、図9Mに示すように、導電体膜66の表面が表面絶縁膜50の表面と面一になるまで、導電体膜66がエッチングされることにより、第1コンタクト孔21に埋め込まれた第1導電体23と、第2コンタクト孔22に埋め込まれた第2導電体24とが得られる。
次に、図9Nに示すように、例えば、スパッタ法によって、露出した表面全体を覆うように、例えば、AlCuからなる電極膜67が形成される。
次に、図9Oに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、電極膜67が、所望の形状にパターニングされる。これにより、第1電極膜31(33,34)および第2電極膜32(35,36)が形成される。
次に、図9Pに示すように、例えばCVD法によって、第1電極膜31および第2電極膜32を覆うように窒化膜が堆積されることにより、第1絶縁膜41が形成される。
次に、図9Qに示すように、第1絶縁膜41上に感光性ポリイミドが塗布されて第2絶縁膜42が形成される。そして、第1開口43および第2開口44に対応するパターンで第2絶縁膜42が露光・現像される。次に、第2絶縁膜42をマスクとして第1絶縁膜41がエッチングされて、第1開口43および第2開口44が形成される。これにより、第1開口43および第2開口44を有する絶縁層40が形成される。
最後に、第1開口43および第2開口44を埋めるように、Ni膜、Pd膜およびAu膜が順にめっき成膜されて、第1外部電極7および第2外部電極8が形成される。これにより、図1~図8に示すようなTVSダイオード1が得られる。
以下において、本実施形態のnpnpn構造のTVSダイオード1に対して、n型の第3不純物領域15を備えていないnpn構造のTVSダイオードを比較例ということにする。
本実施形態のTVSダイオード1の特性を、図10に示すシミュレーションシミュモデルを用いて測定した。また、比較例の特性を、図11に示すシミュレーションシミュモデルを用いて測定した。
図10を参照して、実施形態のシミュレーションシミュモデル101は、第1主面103と第2主面104とを有する基板102を備えている。基板102には、第1主面103から露出するようにp型のベース領域106が形成されている。ベース領域106の表層部には、n型の第1不純物領域113と、n型の第2不純物領域114と、n型の第3不純物領域115とが形成されている。第1不純物領域113と第2不純物領域114とは第1間隔W1を空けて形成されている。
第3不純物領域115は、第1不純物領域113と第2不純物領域114との間に、第1不純物領域113および第2不純物領域114から間隔を空けて配置されている。第3不純物領域115と第1不純物領域113との間隔W2を第2間隔といい、第3不純物領域115と第2不純物領域114との間隔W3を第3間隔ということにする。
基板102の第1主面103は、表面絶縁膜120によって覆われている。表面絶縁膜120には、第1不純物領域113の一部を露出させる第1コンタクト孔121と、第2不純物領域114の一部を露出させる第2コンタクト孔122が形成されている。第1コンタクト孔121には、第1不純物領域113と接触する第1導電体123が埋め込まれており、第2コンタクト孔122には、第2不純物領域114と接触する第2導電体124が埋め込まれている。
図11を参照して、比較例のシミュレーションシミュモデル201は、第1主面203と第2主面204とを有する基板202を備えている。基板202には、第1主面203から露出するようにp型のベース領域206が形成されている。ベース領域206の表層部には、n型の第1不純物領域213と、n型の第2不純物領域214とが形成されている。第1不純物領域213と第2不純物領域214とは第4間隔W4を空けて形成されている。
基板202の第1主面203は、表面絶縁膜220によって覆われている。表面絶縁膜220には、第1不純物領域213の一部を露出させる第1コンタクト孔221と、第2不純物領域214の一部を露出させる第2コンタクト孔222が形成されている。第1コンタクト孔221には、第1不純物領域213と接触する第1導電体223が埋め込まれており、第2コンタクト孔222には、第2不純物領域214と接触する第2導電体224が埋め込まれている。
比較例のシミュレーションシミュモデル201では、隣り合う第1不純物領域213および第2不純物領域214と、それらの間のベース領域206とによってTVSダイオードセルが構成されている。このTVSダイオードセルは、逆直列に接続された2つのpn接合ダイオードD11~D12を含んでいる。
具体的には、第1不純物領域213と、第1不純物領域213と第2不純物領域214との間のベース領域206との間に、第1のpn接合部が形成されている。この第1のpn接合部によって、第1不純物領域213をカソードとし、ベース領域206をアノードとする第1pn接合ダイオードD11が形成されている。
第1不純物領域213と第2不純物領域214との間のベース領域206と、第2不純物領域214との間に、第2のpn接合部が形成されている。この第2のpn接合部によって、ベース領域206をアノードとし、第2不純物領域214をカソードとする第2pn接合ダイオードD12が形成されている。第1pn接合ダイオードD11および第2pn接合ダイオードD12は、ベース領域206を介して逆直列に接続されている。つまり、比較例のTVSダイオードセルは、npn構造を有している。
比較例は、例えば、基板202にp型のベース領域206を形成した後、フォトリソグラフィによって第1不純物領域213および第2不純物領域214を形成すべき領域以外の領域にレジスト膜を形成し、レジスト膜をマスクとして、ベース領域206にn型不純物(例えばヒ素)を注入することによって形成される。
図12は、本実施形態の電圧-電流特性を示すグラフである。図12において、横軸は、第1導電体123と第2導電体124との間の電圧値VR[V]であり、縦軸は第1導電体123と第2導電体124との間の電流値IR[A]である。
図12の曲線aは、第1間隔W1が0.5μmである場合の電圧-電流特性を示すグラフである。図12の曲線bは、第1間隔W1が0.6μmである場合の電圧-電流特性を示すグラフである。図12の曲線cは、第1間隔W1が0.7μmである場合の電圧-電流特性を示すグラフである。図12の曲線dは、第1間隔W1が0.8μmである場合の電圧-電流特性を示すグラフである。図12の曲線eは、第1間隔W1が0.9μmである場合の電圧-電流特性を示すグラフである。第2間隔W2および第3間隔W3は、0.1μm程度に設定されている。
ただし、このシミュレーションでは、第3不純物領域114を形成すべき領域を覆うマスク(図9Fの酸化膜64に相当する)の幅を、第1間隔L1として設定している。
図12のグラフから、本実施形態では、第1間隔L1が0.5μm以上0.9μm以下では、ブレークダウン電圧が比較的低くかつリーク電流が低い特性が得られることがわかる。したがって、第1間隔L1が0.4μm以上1.0μm以下の範囲では、ブレークダウン電圧が比較的低くかつリーク電流が低い特性が得られると推定される。
ブレークダウン電圧が比較的低いのは、n型の第1不純物領域13とn型の第2不純物領域13との間に、n型の第3不純物領域15が存在するため、n型の第3不純物領域15が存在しない場合に比べて、pn接合部の空乏層の広がりが抑えられるからであると考えられる。
また、本実施形態では、第1間隔W1が変化しても、電圧-電流特性がさほど変化しないことがわかる。これは、本実施形態の製造方法では、第1間隔W1が変化したとしても、第3不純物領域15の幅がそれに応じて変化するため、第2間隔W2および第3間隔W3がさほど変化しないからだと考えられる。したがって、本実施形態では、良好な特性を有するTVSダイオードを安定して製造することが可能である。
図13は、本実施形態の電圧-容量特性を示すグラフである。第1間隔W1は、0.7μmに設定されている。図13において、横軸は、第1導電体123と第2導電体124との間の電圧値VR[V]であり、縦軸は第1導電体123と第2導電体124との間の容量[pF]である。
図13のグラフから、本実施形態では、端子間容量を低くするできることがわかる。
図14は、比較例の電圧-電流特性を示すグラフである。図14において、横軸は、第1導電体223と第2導電体224との間の電圧値VR[V]であり、縦軸は第1導電体223と第2導電体224との間の電流値IR[A]である。
図4の曲線gは、第4間隔W4が0.2μmである場合の電圧-電流特性を示すグラフである。図4の曲線hは、第4間隔W4が0.3μmである場合の電圧-電流特性を示すグラフである。図4の曲線iは、第4間隔W4が0.4μmである場合の電圧-電流特性を示すグラフである。
ただし、このシミュレーションでは、第1不純物領域213および第2不純物領域214を形成すべき領域以外の領域を覆うレジスト膜の幅を、第4間隔L4として設定している。
図14のグラフから、第4間隔W4が0.3μmである場合に、本実施形態と同様な電圧-電流特性が得られることがわかる。しかしながら、露光装置としてi線ステッパを用いたとしても、第4間隔L4を0.3μmに調整することは困難である。
また、比較例では、第4間隔W4の微小な変化によって、電圧-電流特性が大きく変化することがわかる。したがって、比較例では、本実施形態と同様な特性を有するTVSダイオードを安定して製造することが困難である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。例えば、前述の実施形態では、第1コンタクト孔23に第1電極膜31とは異なる材料の第1導電体23が埋め込まれ、第2コンタクト孔24に第2電極膜32とは異なる材料の第2導電体24が埋め込まれている。しかし、第1コンタクト孔23に第1電極膜31と同じ材料の導電体が埋め込まれ、第2コンタクト孔24に第2電極膜32と同じ材料の第2導電体24が埋め込まれてもよい。この場合、第1電極膜31の一部が第1コンタクト孔23に埋め込まれ、第2電極膜32の一部が第2コンタクト孔24に埋め込まれてもよい。
また、前述の実施形態では、絶縁層40には、第1外部電極7を第1パッド部33に接続するための第1開口43と、第2外部電極8を第2パッド部35に接続するための第2開口44とが形成されている。しかし、第1外部電極7を第1パッド部33に接続するための第1開口部は、複数の第1開口部を含んでいてもよい。この場合、第1外部電極7は、絶縁層40上に複数の第1開口部を覆うようにして形成された平板上の頂部と、頂部の下面から複数の第1開口部内に延びて第1パッド部33に接触する複数の脚部とから構成される。この場合、複数の第1開口部は、中央開口部と、中央開口部の周囲に配置されかつ中央開口部よりも横断面の小さな複数の周辺開口部とを含んでいてもよい。
同様に、第2外部電極8を第2パッド部35に接続するための第2開口部は、複数の第2開口部を含んでいてもよい。この場合、第2外部電極8は、絶縁層40上に複数の第2開口部を覆うようにして形成された平板上の頂部と、頂部の下面から複数の第2開口部内に延びて第2パッド部35に接触する複数の脚部とから構成される。この場合、複数の第2開口部は、中央開口部と、中央開口部の周囲に配置されかつ中央開口部よりも横断面の小さな複数の周辺開口部とを含んでいてもよい。
また、前述の実施形態において、p型のベース領域6の導電型と、n型の第1不純物領域13、n型の第2不純物領域14およびn型の第3不純物領域15の各導電型とを反転してもよい。つまり、p型の部分をn型とし、n型の部分をp型としてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
1 TVSダイオード
2 基板
2a,2b,2c,2d コーナ面
3 第1主面
4 第2主面
5A~5D 側面
6 ベース領域
7 第1外部電極
8 第2外部電極
10 セル形成領域
11 第1セル接続領域
12 第2セル接続領域
13 第1不純物領域
14 第2不純物領域
15 第3不純物領域
15A 主要領域
15B 延長領域
20 表面絶縁膜
21 第1コンタクト孔
22 第2コンタクト孔
23 第1導電体
24 第2導電体
31 第1電極膜
32 第2電極膜
33 第1パッド部
34 第1配線部
35 第2パッド部
36 第2配線部
37 隙間
40 絶縁層
41 第1絶縁膜
42 第2絶縁膜
43 第1開口
44 第2開口
51,52,53 コーナ面
61 第1酸化膜
62 n型領域
63 第2酸化膜
64 酸化膜
65 犠牲酸化膜
66 導電体膜
67 電極膜
101,201 シミュレーションシミュモデル
102,202 基板
103,203 第1主面
104,204 第2主面
106,206 ベース領域
113,213 第1不純物領域
114,214 第2不純物領域
115 第3不純物領域
120,220 表面絶縁膜
121,221 第1コンタクト孔
122,222 第2コンタクト孔
123,223 第1導電体
124,224 第1導電体
D1,D11 第1ダイオード
D2,D12 第2ダイオード
D3 第3ダイオード
D4 第4ダイオード

Claims (18)

  1. 基板と、
    前記基板の表層部に形成された第1導電型のベース領域と、
    前記ベース領域に形成された第2導電型の第1不純物領域と、
    前記第1不純物領域から間隔を空けて前記ベース領域に形成された第2導電型の第2不純物領域と、
    前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に、前記第1不純物領域および前記第2不純物領域から間隔を空けて前記ベース領域に形成された第2導電型の第3不純物領域と、
    前記第1不純物領域に電気的に接続されるように、前記基板上に配置された第1電極と、
    前記第2不純物領域に電気的に接続されるように、前記基板上に配置された第2電極とを含む、TVSダイオード。
  2. 前記第1不純物領域と、前記ベース領域における前記第1不純物領域と前記第3不純物領域との間の領域である第1ベース領域とによって第1ダイオードが形成され、
    前記第1ベース領域と前記第3不純物領域とによって前記第1ダイオードに逆直列接続された第2ダイオードが形成され、
    前記第3不純物領域と、前記ベース領域における前記第3不純物領域と前記第2不純物領域との間の領域である第2ベース領域とによって前記第2ダイオードに逆直列接続された第3ダイオードが形成され、
    前記第2ベース領域と前記第2不純物領域とによって前記第3ダイオードに逆直列接続された第4ダイオードが形成されている、請求項1に記載のTVSダイオード。
  3. 前記第1不純物領域および前記第2不純物領域の第2導電型不純物濃度が、前記第3不純物領域の第2導電型不純物濃度よりも高い、請求項1または2に記載の、TVSダイオード。
  4. 前記第1不純物領域および前記第2不純物領域の第2導電型不純物濃度が、3×1019cm-3以上、3×1021cm-3以下であり、
    前記第3不純物領域の第2導電型不純物濃度が、1×1015cm-3以上、1×1017cm-3以下である、請求項3に記載のTVSダイオード。
  5. 前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間隔が、0.4μm以上1.0μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のTVSダイオード。
  6. 前記第1不純物領域と前記第3不純物領域との間隔および前記第2不純物領域と前記第3不純物領域との間隔が、0.05μm以上0.15μm以下である、請求項5に記載のTVSダイオード。
  7. 前記第1不純物領域が複数形成されており、
    前記第2不純物領域が複数形成されており、
    前記第1不純物領域と前記第2不純物領域とが交互に配置されており、
    前記第1不純物領域とそれに隣接する前記第2不純物領域との間に、当該第1不純物領域および当該第2不純物領域から間隔を空けて前記第3不純物領域が配置されている、請求項1~6のいずれかに記載のTVSダイオード。
  8. 前記基板の表面上に形成された表面絶縁膜をさらに含み、
    前記第1電極は、前記第1不純物領域に電気的に接続されるように、前記表面絶縁膜上に配置された第1電極膜と、前記第1電極膜に電気的に接続された第1外部電極とを含み、
    前記第2電極は、前記第2不純物領域に電気的に接続されるように、前記表面絶縁膜上に配置された第2電極膜と、前記第2電極膜に電気的に接続された第2外部電極とを含む、請求項1~7のいずれかに記載のTVSダイオード。
  9. 前記第1電極膜は、前記基板の表面に沿う方向において前記第1不純物領域から離れて配置された第1パッド部と、前記第1パッド部から前記第1不純物領域の上方領域に延びる第1配線部とを含み、
    前記第2電極膜は、前記基板の表面に沿う方向において前記第2不純物領域から離れて配置された第2パッド部と、前記第2パッド部から前記第2不純物領域の上方領域に延びる第2配線部とを含む、請求項8に記載のTVSダイオード。
  10. 前記表面絶縁膜には、前記第1配線部と前記第1不純物領域との間に前記第1不純物領域の一部を露出させる第1コンタクト孔が形成され、前記第2配線部と前記第2不純物領域との間に前記第2不純物領域の一部を露出させる第2コンタクト孔が形成されており、
    前記第1配線部が前記第1コンタクト孔内に埋め込まれた第1導電体を介して、前記第1不純物領域に電気的に接続され、
    前記第2配線部が前記第2コンタクト孔内に埋め込まれた第2導電体を介して、前記第2不純物領域に電気的に接続されている、請求項9に記載のTVSダイオード。
  11. 前記第1パッド部上に、前記第1外部電極が配置され、
    前記第2パッド部上に、前記第2外部電極が配置されている、請求項10に記載のTVSダイオード。
  12. 前記第1電極膜および前記第2電極膜がAlCuからなる、請求項11に記載のTVSダイオード。
  13. 前記第1導電体および前記第2導電体がタングステンからなる、請求項12に記載のTVSダイオード。
  14. 第1導電型のベース領域が形成された表層部を有する基板の前記ベース領域に、互いに間隔を空けて配置された第2導電型の第1不純物領域および第2不純物領域と、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に配置され、前記第1不純物領域および前記第2不純物領域から間隔を空けて配置された第2導電型の第3不純物領域とを形成する第1工程と、
    前記基板の表面上に表面絶縁膜を形成する第2工程と、
    前記表面絶縁膜上に、前記第1不純物領域に電気的に接続される第1電極と、前記第2不純物領域に電気的に接続される第2電極とを形成する第3工程とを含み、
    前記第1工程は、
    前記ベース領域に、第2導電型の不純物を注入し、熱処理することによって、前記ベース領域の表層部に第2導電型領域を形成する工程と、
    前記ベース領域の表面における前記第3不純物領域を形成すべき領域を覆うマスク用絶縁膜を形成した後、当該マスク用絶縁膜をマスクとして、第1導電型の不純物を前記第2導電型領域に注入し、熱処理することによって、前記第2導電型領域からなる前記第3不純物領域を形成する工程と、
    前記ベース領域の表層部に、前記マスク用絶縁膜をマスクとして、第2導電型の不純物を注入し、熱処理することによって、前記第1不純物領域および前記第2不純物領域を形成する工程とを含む、TVSダイオードの製造方法。
  15. 前記第3不純物領域を形成する工程は、前記第1導電型の不純物が前記第2導電型領域における前記マスク用絶縁膜の下方領域に注入されやすくするために、前記第1導電型の不純物が前記ベース領域の表面に対して斜め方向に注入される、請求項14に記載のTVSダイオードの製造方法。
  16. 前記ベース領域の表面に対する前記第1導電型の不純物の注入角度が45度である、請求項15に記載のTVSダイオードの製造方法。
  17. 前記第3工程は、
    前記表面絶縁膜に、前記第1不純物領域の一部を露出させる第1コンタクト孔と、前記第2不純物領域の一部を露出させる第2コンタクト孔とを形成する工程と、
    前記第1コンタクト孔に第1導電体を埋め込むと同時に前記第2コンタクト孔に第2導電体を埋め込む工程と、
    前記表面絶縁膜上に電極膜を形成する工程と、
    前記電極膜を選択的にエッチングすることによって、前記第1導電体を介して前記第1不純物領域に電気的に接続される第1電極膜と、前記第2導電体を介して前記第2不純物領域に電気的に接続される第2電極膜とを形成する工程とを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載のTVSダイオードの製造方法。
  18. 前記第3工程は、
    前記第1電極膜上に、前記第1電極膜と電気的に接続された第1外部電極を形成する工程と、
    前記第2電極膜上に、前記第2電極膜と電気的に接続された第2外部電極を形成する工程とをさらに含む、請求項17に記載のTVSダイオードの製造方法。
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