JP2022054682A - 二次電池の劣化判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のバッテリが直列に接続されたバッテリ群を備える電源等に適用される。個々のバッテリの充電状態による内部抵抗の違いによる影響をできるだけ緩和し、精度の良い劣化判定が行えるようにした二次電池の劣化判定装置を提供する。【解決手段】各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、計測用電流をバッテリ群に印加する放電回路等の計測用電流印加装置9とを備える。計測値を用いて各バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11を備える。コントローラ11は、交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、または交流成分の電圧の計測値から求められる各バッテリ2の内部抵抗の平均値からの乖離度、またはこれら交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、および内部抵抗の平均値からの乖離度の両方で各バッテリ2の劣化の判定を行う。【選択図】図1
Description
この発明は、データセンタ、携帯電話基地局、またはその他各種の電力安定供給が求められる電源装置における非常用電源等に用いられる二次電池の劣化を判定する劣化判定装置に関する。
データセンタおよび携帯電話基地局等では、電力の安定供給が重要であり、定常時には交流商用電源が用いられるが、交流商用電源が停止した場合の無停電装置として、二次電池を用いた非常用電源が装備される。非常用電源の充電方式としては、充電回路を用いて定常時に微小電流で充電するトリクル充電の形式と、整流器に対して負荷と二次電池を並列に接続し、一定電流を印加して負荷を運転させつつ充電するフロート充電の形式とがある。一般的に非常用電源にはトリクル充電の形式が多く採用されている。
前記非常用電源は、商用電源で駆動される負荷の駆動が可能な電圧と電流が要求され、一つの二次電池であるバッテリの電圧は低く、また容量も小さいため、複数のバッテリが直列接続されたバッテリ群を複数並列に接続した構成とされる。個々のバッテリは、鉛蓄電池やリチウムイオン電池である。
このような非常用電源において、バッテリは劣化によって電圧が低下するため、信頼性確保のために、バッテリの劣化判定を行い、劣化したバッテリを交換しておくことが望まれる。しかし、データセンタ、携帯電話基地局等の大規模な非常用電源における多数のバッテリを精度良く劣化判定できる装置は、提案されるに至っていない。
従来のバッテリの劣化判定の提案例としては、車載バッテリチェッカーとして、バッテリ全体を纏めて計測する提案(例えば、特許文献1)、バッテリにパルス状電圧を印加し、入力電圧と応答電圧とからバッテリの内部インピーダンスを算出する提案(例えば、特許文献2)、バッテリにおける直列接続された個々のセルの内部抵抗を計測し、劣化判定する方法(例えば、特許文献3)等が提案されている。また、バッテリの内部抵抗等の非常に小さな抵抗値を計測するハンディチェッカーとして、交流4端子法バッテリテスタが商品化されている(例えば、非特許文献1)。
前記特許文献1,2では、無線によるデータ送信も提案され、ケーブルの取り回しや手作業の削減、コンピュータによるデータ管理も提案されている。
従来の前記ハンディチェッカー(非特許文献1)は、バッテリが何十、何百と接続された非常用電源では、計測箇所が多くなり過ぎ、実現性がない。
特許文献1,2の技術は、いずれも、バッテリからなる電源の全体を計測するものであり、個々のバッテリ、つまり個々のセルの計測を行うものではない。そのため、劣化判定の精度が低く、また劣化した個々のバッテリを特定することができない。
特許文献1,2の技術は、いずれも、バッテリからなる電源の全体を計測するものであり、個々のバッテリ、つまり個々のセルの計測を行うものではない。そのため、劣化判定の精度が低く、また劣化した個々のバッテリを特定することができない。
特許文献3の技術は、直列接続された個々のセルの内部抵抗を計測することでは、劣化判定の精度向上、および劣化した個々のバッテリを特定する技術に繋がる。
しかし、各電圧センサの基準電位(グランドレベル)は、各セルのマイナス端子電位となる。よって、そのままでは数十~数百個のバッテリが直接接続されたバッテリ群の各バッテリの基準電位が全て異なる。この基準電位の相違への対処は、同文献には開示されていない。一般的には、個々のセルの電位を取得するためには、差動演算で電位差を検出するか、絶縁トランスを使用する必要があり、複雑で高価な構成となる。
しかし、各電圧センサの基準電位(グランドレベル)は、各セルのマイナス端子電位となる。よって、そのままでは数十~数百個のバッテリが直接接続されたバッテリ群の各バッテリの基準電位が全て異なる。この基準電位の相違への対処は、同文献には開示されていない。一般的には、個々のセルの電位を取得するためには、差動演算で電位差を検出するか、絶縁トランスを使用する必要があり、複雑で高価な構成となる。
これらの課題を解消するものとして、特許文献4が提案されている。同文献は、図20に示すように、それぞれ二次電池である複数のバッテリ2が直列接続されたバッテリ群3が複数並列に接続された電源1における前記各バッテリ2の劣化を判定する二次電池の劣化判定装置である。各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、交流成分を含む計測用電流を前記バッテリ群3に印加する計測用電流印加装置(例えば放電回路)9と、前記各電圧センサ7に設けられ計測された交流成分の電圧の計測値を無線で送信するセンサ毎無線通信手段10Aと、前記各センサ毎無線通信手段10Aの送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて各バッテリ2の内部抵抗を算出し、内部抵抗から前記バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11とを備える。
また、同文献には、複数のバッテリ2が直列接続されたバッテリ群3は、図示は省略するが、中間点で上下を分離し、かつすべての中間点を接続して1つの計測用電流印加装置9で制御することで、計測用電流印加装置(放電回路)9のスイッチング素子であるパワー素子の耐圧を下げることについても提案されている。
なお、同図において、後述の実施形態と対応する部分は、同一の符号を付してある。
また、同文献には、複数のバッテリ2が直列接続されたバッテリ群3は、図示は省略するが、中間点で上下を分離し、かつすべての中間点を接続して1つの計測用電流印加装置9で制御することで、計測用電流印加装置(放電回路)9のスイッチング素子であるパワー素子の耐圧を下げることについても提案されている。
なお、同図において、後述の実施形態と対応する部分は、同一の符号を付してある。
また、同図のようなバッテリ群3が複数並列に接続された電源1に対して、交流成分を含む計測用電流を前記バッテリ群3に印加し、内部抵抗から前記バッテリ2の劣化を判定する二次電池の劣化判定装置が、特許文献5~7等においても提案されている。
これら特許文献4~7の劣化判定装置では、劣化判定対象の電源1の全体ではなく、個々のバッテリ2の劣化を判定するため、バッテリ2の劣化をある程度精度良く判定することができる。
これら特許文献4~7の劣化判定装置では、劣化判定対象の電源1の全体ではなく、個々のバッテリ2の劣化を判定するため、バッテリ2の劣化をある程度精度良く判定することができる。
"内部抵抗計測器・バッテリテスタ IW7807 東京デバイセズ"、[online]、東京デバイセズ[平成28年5月30日検索]、インターネット<URL:https://tokyodevices. jp/items/37>
バッテリの内部抵抗は、バッテリの充電状態、つまり満充電に対してどの程度の充電がなされているかによって変化する。各バッテリにつき、常に満充電状態として内部抵抗を測定できれば、前記の充電状態による内部抵抗の違いがあっても正確な内部抵抗の計測が行える。
しかし、複数のバッテリが直列に接続されたバッテリ群では、バッテリ群を構成する個々のバッテリの劣化の程度や固体差等によって、バッテリ群内の個々のバッテリの充電状態に違いが生じる。すなわち、バッテリ群として両端電圧が満充電状態における電圧となるまで充電しておいても、直列接続された個々のバッテリについては満充電状態になっていない物が生じる。そのため、満充電状態におけるバッテリの内部抵抗の基準値に対して、個々のバッテリの内部抵抗を比較し、劣化判断を行うと、満充電状態となっていないバッテリに関して正確な劣化判断が行えないという課題がある。
しかし、複数のバッテリが直列に接続されたバッテリ群では、バッテリ群を構成する個々のバッテリの劣化の程度や固体差等によって、バッテリ群内の個々のバッテリの充電状態に違いが生じる。すなわち、バッテリ群として両端電圧が満充電状態における電圧となるまで充電しておいても、直列接続された個々のバッテリについては満充電状態になっていない物が生じる。そのため、満充電状態におけるバッテリの内部抵抗の基準値に対して、個々のバッテリの内部抵抗を比較し、劣化判断を行うと、満充電状態となっていないバッテリに関して正確な劣化判断が行えないという課題がある。
また、次の課題がある。前記計測用電流印加装置は、スイッチング素子の数Hz~数百Hzのスイッチング動作で充放電を繰り返することで交流成分を得て、直流電圧に重畳させ、その重畳された交流成分の電圧を計測して劣化判断している。この場合、小さな電圧値の違い、例えばミリボルト単位の電圧の計測を行う必要があって、精度の良い電圧計が必要であるうえ、ノイズも乗り易く、精度良く計測することが難しい。そのため、劣化判定装置が高価になると言う課題がある。
この発明の目的は、個々のバッテリの充電状態による内部抵抗の違いの影響をできるだけ緩和し、精度の良い劣化判定が行えるようにした二次電池の劣化判定装置を提供することである。
この発明の他の目的は、耐ノイズに性に優れた精度の良い劣化判定が行える二次電池の劣化判定装置を提供することである。
この発明の他の目的は、耐ノイズに性に優れた精度の良い劣化判定が行える二次電池の劣化判定装置を提供することである。
この発明の第1の二次電池の劣化判定装置は、それぞれ二次電池である複数のバッテリ2が直列接続されたバッテリ群3が複数並列に接続された電源1における前記各バッテリ2の劣化を判定する二次電池の劣化判定装置であって、
前記各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、
交流成分を含む計測用電流を前記バッテリ群3に印加する計測用電流印加装置9と、
前記電圧センサ7で計測された交流成分または直流成分または交流成分と直流成分の両方の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段10と、
前記センサ通信手段10の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて前記各バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11とを備え、
前記コントローラ11は、受信した交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、または前記受診した交流成分の電圧の計測値から求められる前記各バッテリ2の内部抵抗の平均値からの乖離度、またはこれら交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、および前記内部抵抗の平均値からの乖離度の両方から前記各バッテリ2の劣化の判定を行う。
前記各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、
交流成分を含む計測用電流を前記バッテリ群3に印加する計測用電流印加装置9と、
前記電圧センサ7で計測された交流成分または直流成分または交流成分と直流成分の両方の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段10と、
前記センサ通信手段10の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて前記各バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11とを備え、
前記コントローラ11は、受信した交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、または前記受診した交流成分の電圧の計測値から求められる前記各バッテリ2の内部抵抗の平均値からの乖離度、またはこれら交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、および前記内部抵抗の平均値からの乖離度の両方から前記各バッテリ2の劣化の判定を行う。
なお、この明細書で言う交流成分は、電圧の大きさが繰り返し変化する成分であり、電圧の向きが常に一定であっても良く、例えばリップル電流やパルス電流であっても良い。前記「バッテリ2」は、複数のセルが直列接続されたものであっても、セル単独であってもよい。前記計測用電流印加装置9は、放電回路であっても充電回路であってもよい。前記乖離度は、前記電圧または内部抵抗にばらつきがある場合における、平均値からのずれ量であり、電圧または抵抗の単位であってもよく、また電圧または抵抗の定められたずれ量に対する割合であってもよい。
この構成によると、前記コントローラ11は、受信した交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、または前記受診した交流成分の電圧の計測値から求められる前記各バッテリ2の内部抵抗の平均値からの乖離度、またはこれら交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、および前記内部抵抗の平均値からの乖離度の両方から前記各バッテリ2の劣化の判定を行う。このように平均値からの乖離度で劣化の判定を行うため、複数のバッテリ2が直列に接続されたバッテリ群3において、個々のバッテリ2の劣化の程度や固体差等によって個々のバッテリ2の充電状態に違いが生じていても、満充電状態におけるバッテリ2の内部抵抗や電圧を基準値として劣化判定を行う場合に比べて、個々のバッテリ2の劣化の判定を精度良く行える。
乖離度で劣化の判定を行う場合、計測時にバッテリ2を必ずしも満充電させておく必要がないと言う利点も得られ、また平均値に対する相対的な計測で良いため、電圧計についても、広範な計測を高い分解能で行える物でなくてもよく、比較的に簡易な構成の物で済むと言う利点も得られる。
また、劣化判定対象の電源1の全体ではなく、個々のバッテリ2の劣化を判定するようにし、またその判定については、交流成分を含む計測用電流を印加し、送信した前記電圧の計測値と前記電流センサ8の計測値とを用いて各バッテリ2の内部抵抗を算出し、内部抵抗から前記バッテリ2の劣化を判定するため、精度良く劣化を判定することができる。バッテリ2の内部抵抗は、バッテリ2の容量、つまり劣化の程度と密接な関係があり、内部抵抗が分かれば、バッテリ2の劣化を精度良く判定できる。
乖離度で劣化の判定を行う場合、計測時にバッテリ2を必ずしも満充電させておく必要がないと言う利点も得られ、また平均値に対する相対的な計測で良いため、電圧計についても、広範な計測を高い分解能で行える物でなくてもよく、比較的に簡易な構成の物で済むと言う利点も得られる。
また、劣化判定対象の電源1の全体ではなく、個々のバッテリ2の劣化を判定するようにし、またその判定については、交流成分を含む計測用電流を印加し、送信した前記電圧の計測値と前記電流センサ8の計測値とを用いて各バッテリ2の内部抵抗を算出し、内部抵抗から前記バッテリ2の劣化を判定するため、精度良く劣化を判定することができる。バッテリ2の内部抵抗は、バッテリ2の容量、つまり劣化の程度と密接な関係があり、内部抵抗が分かれば、バッテリ2の劣化を精度良く判定できる。
この発明の第2の二次電池の劣化判定装置は、それぞれ二次電池である複数のバッテリ2が直列接続されたバッテリ群3が複数並列に接続された電源1における前記各バッテリ2の劣化を判定する二次電池の劣化判定装置であって、
前記各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、
直流成分を含む計測用電流を各バッテリ群3毎に印加する計測用電流印加装置9と、
前記電圧センサ7で計測された直流成分の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段10と、
前記電圧センサ通信手段10の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて各バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11とを備え、
前記コントローラ11は、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリ2の劣化の判定を行う。
前記計測用電流印加装置9は、前記計測用電流の直流成分を与え続ける間隔を、少なくとも確実に直流として取り扱うことが可能な時間だけ、例えば数十秒~数分間、または1時間程度、または数日程度、連続的に前記各バッテリ群3に印加する。
前記各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、
直流成分を含む計測用電流を各バッテリ群3毎に印加する計測用電流印加装置9と、
前記電圧センサ7で計測された直流成分の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段10と、
前記電圧センサ通信手段10の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて各バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11とを備え、
前記コントローラ11は、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリ2の劣化の判定を行う。
前記計測用電流印加装置9は、前記計測用電流の直流成分を与え続ける間隔を、少なくとも確実に直流として取り扱うことが可能な時間だけ、例えば数十秒~数分間、または1時間程度、または数日程度、連続的に前記各バッテリ群3に印加する。
直流に重畳された交流成分の電圧を計測して劣化判断する場合、小さな電圧値の違い、例えばミリボルト単位の電圧の計測を行う必要があって、精度の良い電圧計が必要であるうえ、ノイズも乗り易く、精度良く計測することが難しい。しかし、バッテリ2が劣化した場合、その劣化による内部抵抗の増加は、印加された直流成分の電圧にも明確に現れる。そのため、直流成分の電圧値を計測することによっても、バッテリ2の劣化の程度が判定できる。また、直流成分で劣化判定を行うため、ノイズが載ることによる判定精度の低下がない。このように、広範囲の検出が高い分解能で検出される電圧計が不要で、耐ノイズに性にも優れた二次電池の劣化判定装置となる。
前記第1の発明に係る交流成分による劣化判定に加えて、第2の発明に係る直流成分による劣化判定を加えてもよい。
すなわち、前記第1の発明において、前記コントローラ11は、前記各バッテリ2の劣化の判定につき、前記各乖離度からの判定に加えて、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリ2の劣化の判定を行う処理を含むようにしてもよい。
第1の発明に係る交流成分による劣化判定に加えて、第2の発明に係る直流成分による劣化判定を加えると、第2の発明における耐ノイズ性に優れた劣化判定が行え、より一層精度の良い劣化判定が行える。
前記交流成分による劣化判定と前記直流成分による劣化判定とは、両方の劣化判定の結果を総合して最終的な劣化判定を行うようにしてもよく、またいずれか片方の劣化判定を主に用い、もう片方の劣化判定を補助的に用いるようにしてもよい。
前記計測用電流印加装置9は、交流成分による劣化判定用と直流成分による劣化判定用とに別々に設けてもよく、また同じ計測用電流印加装置9を用い、直流成分による劣化判定用時は、スイッチング動作の時間間隔を大きくしてもよい。
すなわち、前記第1の発明において、前記コントローラ11は、前記各バッテリ2の劣化の判定につき、前記各乖離度からの判定に加えて、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリ2の劣化の判定を行う処理を含むようにしてもよい。
第1の発明に係る交流成分による劣化判定に加えて、第2の発明に係る直流成分による劣化判定を加えると、第2の発明における耐ノイズ性に優れた劣化判定が行え、より一層精度の良い劣化判定が行える。
前記交流成分による劣化判定と前記直流成分による劣化判定とは、両方の劣化判定の結果を総合して最終的な劣化判定を行うようにしてもよく、またいずれか片方の劣化判定を主に用い、もう片方の劣化判定を補助的に用いるようにしてもよい。
前記計測用電流印加装置9は、交流成分による劣化判定用と直流成分による劣化判定用とに別々に設けてもよく、また同じ計測用電流印加装置9を用い、直流成分による劣化判定用時は、スイッチング動作の時間間隔を大きくしてもよい。
前記コントローラ11は、前記直流成分の電圧の計測値を比較する場合に、その比較の前記基準値を、絶対的な値としてもよく、また前記各バッテリ2の前記直流成分の電圧の計測値の平均値とし、前記受信した直流成分の電圧の計測値の前記平均値からの乖離で前記劣化の判定を行うようにしてもよい。
直流電圧の絶対的な値で直流電圧の変化を検出しようとすると、高精度な検出を行うには、広範囲の検出が行えてかつ分解能にも優れた電圧計が必要となる。これに対し、直流成分の電圧の計測値の平均値からの電圧の乖離度で劣化の判定を行うようにすれば、前記平均値を基準としてバッテリ2の劣化による電圧の変化が予想される範囲の電圧を計測可能な電圧計を用いればよく、広範囲な検出は不要となる。そのため、簡易な構成の電圧計で足り、コスト低下が図れる。
前記第1の発明および第2の発明に係る二次電池の劣化判定装置において、前記バッテリ群3を互いに直列に並ぶ複数のバッテリ群区分体3aに区分し、各バッテリ群区分体3aの両端間に前記計測用電流印加装置9を設けてもよい。
例えば、バッテリ群3を2つのバッテリ群区分体3aに区分した場合は、両バッテリ群区分体3a間の区分点Pと前記バッテリ群3の正負の各端部との間に前記計測用電流印加装置9を設ける。バッテリ群3を3つ以上の前記バッテリ群区分体3aに区分する場合においては、さらに隣合う前記区分点P間毎に前記計測用電流印加装置9を設ける。前記バッテリ群3を2つのバッテリ群区分体3aに区分するについては、区分点Pをバッテリ群3の中点(バッテリ群3を2つに等分する点)とすることが好ましいが、必ずしも中点でなくてもよい。
例えば、バッテリ群3を2つのバッテリ群区分体3aに区分した場合は、両バッテリ群区分体3a間の区分点Pと前記バッテリ群3の正負の各端部との間に前記計測用電流印加装置9を設ける。バッテリ群3を3つ以上の前記バッテリ群区分体3aに区分する場合においては、さらに隣合う前記区分点P間毎に前記計測用電流印加装置9を設ける。前記バッテリ群3を2つのバッテリ群区分体3aに区分するについては、区分点Pをバッテリ群3の中点(バッテリ群3を2つに等分する点)とすることが好ましいが、必ずしも中点でなくてもよい。
このようにバッテリ群3を複数のバッテリ群区分体3aに区分し、バッテリ群区分体3a毎に一つの計測用電流印加装置9を設けた場合、個々のバッテリ群区分体3aの両端間に計測用電流印加装置9を設けた回路が、互いに独立した閉回路となるため、バッテリ群3やバッテリ群区分体3aの相互間に放電電流の回り込みが発生することが、より一層確実に回避される。そのため、個々のバッテリ2の劣化状況を、より一層正確に測定することができる。また、バッテリ群3が複数のバッテリ群区分体3aに分割されることで、計測用電流印加装置9を構成するパワー素子からなるスイッチング素子27の耐圧を下げることができる。
この発明において、前記計測用電流印加装置9が、パワー素子からなるスイッチング素子27と電流制限抵抗26とで構成される放電回路であってもよい。
具体的に説明すると、例えば前記計測用電流印加装置9が放電回路で構成されて電流制限抵抗26を用いる場合、電流制限抵抗26は、バッテリ2の内部抵抗に比べて十分大きいため、バッテリ内部抵抗が劣化により変化しても電流値への影響はほとんどない。そのため、複数のバッテリ群3が並列接続されていても、電流値を放電回路(計測用電流印加装置9)の位置で測定し、バッテリ群3の並列個数で割った値を個々のバッテリ2の測定用電流とすることが出来る。
例えば、電流制限抵抗26を20~30Ωとした場合、バッテリ内部抵抗は数m~10mΩ程度であるため、10mΩとして150個直列接続で1.5Ωである。3並列であれば0.5となり、電流制限抵抗26に比べ小さい。ここで10%の抵抗が劣化により内部抵抗が2倍になったとしても、0.55Ωであり、総インピーダンスは20.5Ωが20.55Ωとなる程度であり、測定用電流への影響は小さい。そのため、電流センサ8を共通としてもよい。
具体的に説明すると、例えば前記計測用電流印加装置9が放電回路で構成されて電流制限抵抗26を用いる場合、電流制限抵抗26は、バッテリ2の内部抵抗に比べて十分大きいため、バッテリ内部抵抗が劣化により変化しても電流値への影響はほとんどない。そのため、複数のバッテリ群3が並列接続されていても、電流値を放電回路(計測用電流印加装置9)の位置で測定し、バッテリ群3の並列個数で割った値を個々のバッテリ2の測定用電流とすることが出来る。
例えば、電流制限抵抗26を20~30Ωとした場合、バッテリ内部抵抗は数m~10mΩ程度であるため、10mΩとして150個直列接続で1.5Ωである。3並列であれば0.5となり、電流制限抵抗26に比べ小さい。ここで10%の抵抗が劣化により内部抵抗が2倍になったとしても、0.55Ωであり、総インピーダンスは20.5Ωが20.55Ωとなる程度であり、測定用電流への影響は小さい。そのため、電流センサ8を共通としてもよい。
この発明において、前記センサ通信手段10が、前記電圧センサ7で計測された直流成分の電圧の計測値を無線で通信する構成であってもよい。
バッテリ群3を構成する直列に接続されたバッテリ2が多数であっても、例えば数十~数百であっても、無線で送信するため、個々の電圧センサ7の基準電位(グランドレベル)がいずれも共通化でき、基準電位を気にする必要がない。そのため、差動演算や絶縁トランスの必要がない。また、複数ある個々の電圧センサ7の計測値を無線で送信するため、複雑な配線の必要がない。これらにより、簡単で安価な構成とできる。
バッテリ群3を構成する直列に接続されたバッテリ2が多数であっても、例えば数十~数百であっても、無線で送信するため、個々の電圧センサ7の基準電位(グランドレベル)がいずれも共通化でき、基準電位を気にする必要がない。そのため、差動演算や絶縁トランスの必要がない。また、複数ある個々の電圧センサ7の計測値を無線で送信するため、複雑な配線の必要がない。これらにより、簡単で安価な構成とできる。
この発明の第1の二次電池の劣化判定装置は、それぞれ二次電池である複数のバッテリが直列接続されたバッテリ群が複数並列に接続された電源における前記各バッテリの劣化を判定する二次電池の劣化判定装置であって、前記各バッテリに個別に接続された複数の電圧センサと、交流成分を含む計測用電流を前記バッテリ群に印加する計測用電流印加装置9と、前記電圧センサで計測された交流成分または直流成分または交流成分と直流成分の両方の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段と、前記センサ通信手段の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて前記各バッテリの劣化を判定するコントローラとを備え、前記コントローラは、受信した交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、または前記受診した交流成分の電圧の計測値から求められる前記各バッテリの内部抵抗の平均値からの乖離度、またはこれら交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度および前記内部抵抗の平均値からの乖離度の両方から前記各バッテリの劣化の判定を行うため、個々のバッテリの充電状態による内部抵抗の違いによる影響をできるだけ緩和し、精度の良い劣化判定が行える。
この発明の第2の二次電池の劣化判定装置は、それぞれ二次電池である複数のバッテリが直列接続されたバッテリ群が複数並列に接続された電源における前記各バッテリの劣化を判定する二次電池の劣化判定装置であって、前記各バッテリに個別に接続された複数の電圧センサと、直流成分を含む計測用電流を前記各バッテリ群毎、または前記各バッテリ群を直列に並ぶ複数のバッテリ群区分体毎に印加する計測用電流印加装置と、前記電圧センサで計測された直流成分の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段と、前記電圧センサ通信手段の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて各バッテリの劣化を判定するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリの劣化の判定を行うようにするため、耐ノイズに性にも優れた精度の良い劣化判定が行える。
この発明の二次電池の劣化判定装置の第1の実施形態を、図1ないし図3と共に説明する。図1において、劣化判定対象の電源1は、データセンタ、携帯電話基地局、またはその他各種の電力安定供給が求められる電源装置における非常用電源である。この電源1は、それぞれ二次電池である複数のバッテリ2が直列接続されたバッテリ群3を複数有し、これらバッテリ群3が並列に接続され負荷4に接続される。各バッテリ2は、一つのセルであっても良く、また複数のセルが直列接続されたものであっても良い。
この非常用の電源1は、負荷4の正負の端子に接続された主電源5の正負の端子5A,5Bのうち、正の端子5Aには充電回路6とダイオード15とを介して接続され、負の端子5Bには直接に接続されている。ダイオード15は非常用の電源1から負荷4に電流を流す向きで、充電回路6と並列に接続されている。主電源5は、例えば交流商用電源に整流回路および平滑回路(いずれも図示せず)介して接続されて直流電力に変換する直流電源等からなる。
非常用の電源1の正電位は、主電源5の正電位と同等もしくは低く、通常は負荷4には流れないが、主電源5が停止または機能低下すると、主電源5側の電位が低下することから、非常用の電源1に蓄電した電荷により、ダイオード15を介して負荷4に給電される。なお、上記のように充電回路6を接続した充電形式は、トリクル充電形式と呼ばれる。
非常用の電源1の正電位は、主電源5の正電位と同等もしくは低く、通常は負荷4には流れないが、主電源5が停止または機能低下すると、主電源5側の電位が低下することから、非常用の電源1に蓄電した電荷により、ダイオード15を介して負荷4に給電される。なお、上記のように充電回路6を接続した充電形式は、トリクル充電形式と呼ばれる。
この二次電池の劣化判定装置は、このような電源1における各バッテリ2の劣化を判定する装置である。この二次電池の劣化判定装置は、前記各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、交流成分を含む計測用電流を前記バッテリ群3に印加する計測用電流印加装置9と、各電圧センサ7毎に設けられ計測した交流成分の電圧の計測値を無線で送信するセンサ通信手段10と、前記各電圧センサ通信手段10の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて前記各バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11とを備える。コントローラ11は、この実施形態では、主コントローラ11Aとデータサーバ13とで構成される。前記計測用電流印加装置9は、各バッテリ群3に設けられている。この他に、バッテリ群3に流れる電流を検出する電流センサ8が設けられている。
前記コントローラ11は、概要を説明すると、受診した交流成分の電圧の計測値から求められる前記各バッテリの内部抵抗の平均値からの乖離度でバッテリ2の劣化を判定する乖離度判定部11bbとを備える。乖離度判定部11bbは、主コントローラ11Aに設けられている。内部抵抗の平均値を求める平均値演算部13a(図2参照)、および平均値からの乖離度を求める乖離度演算部13bはデータサーバ13に設けられている。
なお、コントローラ11は、受信した交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度を求め、この電圧の計測値の平均値からの乖離度でバッテリ2の劣化を判定するようにしてもよい。その場合、データサーバ13の平均値演算部13aは受信した交流成分の電圧の計測値の平均値を演算し、乖離度演算部13bは電圧の計測値の平均値からの乖離度を求め、主コントローラ11Aに設けられた乖離度判定部11bbは、前記電圧の計測値の平均値からの乖離度によってバッテリ2の劣化を判定する。
また、コントローラ11は、前記内部抵抗の平均値からの乖離度と、前記電圧の計測値の平均値からの乖離度との両方を用いてバッテリ2の劣化を判定するようにしてもよい。その場合、データサーバ13の前記平均値演算部13aは、電圧の計測値の平均値、および内部抵抗の平均値の両方を演算する。乖離度演算部13bは、前記内部抵抗の平均値からの乖離度、および前記電圧の計測値の平均値からの乖離度の両方を演算する。主コントローラ11Aに設けられた乖離度判定部11bbは、前記内部抵抗の平均値からの乖離度と、前記電圧の平均値からの乖離度との両方を用いてバッテリ2の劣化を判定する。両方を用いる判定の形態としては、内部抵抗の乖離度と電圧の乖離度のうち、適宜定められた基準でいずれか大きい方、またはいずれか小さい方の乖離度で判定するようにしても、また両方の乖離度の平均で判定するようにしてもよい。
前記「乖離度」は、内部抵抗の場合は抵抗の単位、電圧の場合は電圧の単位としてもよく、また適宜設定された内部抵抗または電圧の想定最大値等の基準値を「乖離度1」とし、「0.4」等の割合(無単位)としてもよい。
また、コントローラ11は、前記内部抵抗の平均値からの乖離度と、前記電圧の計測値の平均値からの乖離度との両方を用いてバッテリ2の劣化を判定するようにしてもよい。その場合、データサーバ13の前記平均値演算部13aは、電圧の計測値の平均値、および内部抵抗の平均値の両方を演算する。乖離度演算部13bは、前記内部抵抗の平均値からの乖離度、および前記電圧の計測値の平均値からの乖離度の両方を演算する。主コントローラ11Aに設けられた乖離度判定部11bbは、前記内部抵抗の平均値からの乖離度と、前記電圧の平均値からの乖離度との両方を用いてバッテリ2の劣化を判定する。両方を用いる判定の形態としては、内部抵抗の乖離度と電圧の乖離度のうち、適宜定められた基準でいずれか大きい方、またはいずれか小さい方の乖離度で判定するようにしても、また両方の乖離度の平均で判定するようにしてもよい。
前記「乖離度」は、内部抵抗の場合は抵抗の単位、電圧の場合は電圧の単位としてもよく、また適宜設定された内部抵抗または電圧の想定最大値等の基準値を「乖離度1」とし、「0.4」等の割合(無単位)としてもよい。
前記計測用電流印加装置9を設けるにつき、この実施形態では、各バッテリ群3は互いに直列に並ぶ2つのバッテリ群区分体3a,3aに区分され、これらバッテリ群区分体3a,3a間の区分点Pとバッテリ群3の両側の端部との間、つまり個々のバッテリ群区分体3aの両端の端子間に、前記計測用電流印加装置9が設けられている。バッテリ群3は、3つ以上のバッテリ群区分体3aに区分してもよく、その場合も、個々のバッテリ群区分体3aの両端の端子間に、前記計測用電流印加装置9が設けられる。なお、 バッテリ群3を区分せずに、一つのバッテリ群3に対して一つの計測用電流印加装置9を設けてもよい。
前記計測用電流印加装置9は、電源1の個々のバッテリ群3に電流を印加する放電回路または充電回路からなる。バッテリ群3が複数のバッテリ群区分体3aに分割されている場合は、前記計測用電流印加装置9は、個々のバッテリ群区分体3aに電流を印加する放電回路または充電装置からなる。計測用電流印加装置9は、バッテリ群3またはバッテリ群区分体3aの正負の端子間に接続され、パルス状ないし正弦波状に変化する交流成分を有する電流、例えばリップル電流を電源1に与える。
計測用電流印加装置9は、この実施形態では、バッテリ群区分体3aの両端の端子間を接続する回路部分に介在した電流制限抵抗26とスイッチング素子27の直列回路からなる放電回路である。スイッチング素子27は、パワー素子であり、図の例ではMOS型電解効果トランジスタが用いられている。
計測用電流印加装置9は、この実施形態では、バッテリ群区分体3aの両端の端子間を接続する回路部分に介在した電流制限抵抗26とスイッチング素子27の直列回路からなる放電回路である。スイッチング素子27は、パワー素子であり、図の例ではMOS型電解効果トランジスタが用いられている。
電流検出手段には電流センサ8を用い、個々のバッテリ群区分体3aに、つまりバッテリ群区分体3aの両端間を接続して計測用電流印加装置9が介在した回路部分毎に電流センサ8が設けられている。
電流センサ8は、各バッテリ群3にそのバッテリ群区分体3a毎に設けられ、対応するバッテリ群3の主コントローラ11Aに配線で接続される。その電流の計測値は図2の前記転送部11abから電圧計測値と共にデータサーバ13に転送される。
電流センサ8は、各バッテリ群3にそのバッテリ群区分体3a毎に設けられ、対応するバッテリ群3の主コントローラ11Aに配線で接続される。その電流の計測値は図2の前記転送部11abから電圧計測値と共にデータサーバ13に転送される。
電圧センサ7は、電圧の交流成分と直流成分の検出を行うセンサであり、図2に示すように、センサ機能部7aと演算制御部7bとを有する。センサ機能部7aは、電圧検出素子等からなる。演算制御部7bは、与えられたコマンドを実行する制御部7baと、コマンドに対してセンサ機能部7aの計測の開始を、定められた時間だけ遅延させる遅延部7bbと、前記センサ機能部7aで検出した交流電圧のアナログの検出値を、ディジタル信号による実効値または平均値に変換する変換部7bcとが設けられている。ここで言う「平均値」は、個々のバッテリ2における交流電圧の平均値である。電圧センサ7は、この他に直流電圧を検出する直流検出部7cを有し、直流検出部7cで検出した直流成分の検出値も、前記センサ通信手段10から送信される。なお、直流検出部7cはセンサ機能部7aが兼ねるようにしても良い。また、各電圧センサ7は、前記遅延部7bbにより、または他の手段により、予め送信順が送信遅延時間で設定されており、計測値を、設定された順に送信遅延時間後に順次送信する。
また、この実施形態では、バッテリ2の周囲の温度やバッテリの温度を計測する温度センサ18が設けられ、電圧センサ7と、温度センサ18と、センサ通信手段10とでセンサユニット17を構成している。温度センサ18の検出温度は、電圧センサ7の前記実効値または平均値による電圧計測値と共に、センサ通信手段10でコントローラ11へ送信される。
前記主コントローラ11Aは、バッテリ群3毎に1台ずつ対応して設けられている。各主コントローラ11は、図1に示すように通信網12を介してデータサーバ13およびモニタ14に接続されている。通信網12は、この実施形態ではLANからなり、ハブ12aを有している。通信網12は広域通信網であっても良い。データサーバ13は、前記通信網12や他の通信網により、遠隔地のパーソナルコンピュータ(図示せず)等と通信可能であり、どこからでもデータ監視できる。前記各主コントローラ11Aと、データサーバ13と、通信網12とで、コントローラ11が構成される。
主コントローラ11Aは、図2に示すように通信手段11aと演算制御手段11bとを備える。
通信手段11aは、各電圧センサ7と無線通信を行う機能と、通信網12を介してデータサーバ13と通信を行う機能とを有し、各電圧センサ7のセンサ通信手段10から送信された検出値を受信する受信部11aaと、受信部11aaで受信した計測値を通信網12へ転送する転送部11abと、各電圧センサ7のセンサ通信手段10に無線で送信開始等のコマンドを送信するコマンド送信部11acと、待機部11adとを有している。コマンド送信部11acおよび受信部11aaの無線送受は、アンテナ19を介して行われる。
通信手段11aは、各電圧センサ7と無線通信を行う機能と、通信網12を介してデータサーバ13と通信を行う機能とを有し、各電圧センサ7のセンサ通信手段10から送信された検出値を受信する受信部11aaと、受信部11aaで受信した計測値を通信網12へ転送する転送部11abと、各電圧センサ7のセンサ通信手段10に無線で送信開始等のコマンドを送信するコマンド送信部11acと、待機部11adとを有している。コマンド送信部11acおよび受信部11aaの無線送受は、アンテナ19を介して行われる。
前記コマンド送信部11acは、自己でコマンドを生成しても良いが、この実施形態では、データサーバ13から送信された計測開始コマンドに応答して各電圧センサ7のセンサ通信手段10へ前記計測開始コマンドを転送する。
なお、コントローラ11または電流センサ8に、この電流センサ8の計測値を実効値または平均値に換算する換算部(図示せず)が設けられている。
なお、コントローラ11または電流センサ8に、この電流センサ8の計測値を実効値または平均値に換算する換算部(図示せず)が設けられている。
演算制御手段11bは、CPUとそのプログラム等で構成され、電流印加制御部11baと、前記乖離度からバッテリ2の劣化の判定を行う乖離度判定部11bbとを有する。電流印加制御部11baは、計測用電流印加装置9(図1)を制御する手段であり、電流印加制御部11baにおける前記スイッチング素子27の開閉の指令を行う。
乖離度判定部11bbは、各バッテリ2の抵抗値の平均値からの乖離度で個々のバッテリ2の劣化の判定を行う。前記平均値と乖離度は、後に説明するように、電圧センサ7で計測された電圧と、電流センサ8で検出された電流により、データサーバ13に記憶された各種のデータを用い、データサーバ13によって行われる。
乖離度判定部11bbは、前記乖離度のしきい値が設定され、データサーバ13で算出された内部抵抗の乖離度がしきい値以上であると劣化と判定する。前記しきい値は、複数、例えば2~3段階に設けられ、複数段階の劣化判定を行う。
乖離度判定部11bbは、この他に、前記通信網12を介して、または専用の配線を介して判定結果をモニタ14に表示させる機能を有する。なお、前記内部抵抗および乖離度の算出は、主コントローラ11Aの乖離度判定部11bbが行うようにしてもよい。
乖離度判定部11bbは、前記乖離度のしきい値が設定され、データサーバ13で算出された内部抵抗の乖離度がしきい値以上であると劣化と判定する。前記しきい値は、複数、例えば2~3段階に設けられ、複数段階の劣化判定を行う。
乖離度判定部11bbは、この他に、前記通信網12を介して、または専用の配線を介して判定結果をモニタ14に表示させる機能を有する。なお、前記内部抵抗および乖離度の算出は、主コントローラ11Aの乖離度判定部11bbが行うようにしてもよい。
データサーバ13は、平均値演算部13aと、乖離度演算部13bと、コマンド送信部13cと、データ各格納部13dとを有する。
平均値演算部13aは、コントローラ11から受診した交流電圧値(実行値または平均値)と、直流電圧値(セル電圧)と、検出温度と、電流値(実行値または平均値)とを用い、定められた計算式に従ってバッテリ2の内部抵抗を算出する。この後、一つのバッテリ群3aを構成する全てのバッテリ2の内部抵抗の平均値を計算する。平均値は、バッテリ群区分体3aを構成する全てのバッテリ2の内部抵抗の平均値としてもよい。計算した個々のバッテリ2の内部抵抗は、平均値演算部13aまたはデータ格納部13dに記憶しておく。検出温度は、バッテリ2の内部抵抗の温度補正に用いられる。内部抵抗演算部13aは、データサーバ13に設ける代わりにコントーラ11に設け、内部抵抗の算出を、コントローラ11で行うようにしてもよい。
乖離度演算部13bは、個々のバッテリ2の内部抵抗の前記平均値からの乖離度を演算する。個々のバッテリ2の内部抵抗には、前記平均値演算部13aで演算した値を用いる。なお、個々のバッテリ2の内部抵抗は、乖離度演算部13bで演算し、平均値演算部13aは乖離度演算部13bで演算した内部抵抗の平均値を演算するようにしてもよい。
コマンド送信部13cは、コントローラ11へ計測開始コマンドを送信する。データ各格納部13dは、コントローラ11から送信された電圧計測値などのデータを格納する。例えば、図1に示すように、交流電圧値(実効値)、直流電圧値(セル電圧)、温度、電流値(実効値)、演算結果となる内部抵抗等を記憶しておく。
平均値演算部13aは、コントローラ11から受診した交流電圧値(実行値または平均値)と、直流電圧値(セル電圧)と、検出温度と、電流値(実行値または平均値)とを用い、定められた計算式に従ってバッテリ2の内部抵抗を算出する。この後、一つのバッテリ群3aを構成する全てのバッテリ2の内部抵抗の平均値を計算する。平均値は、バッテリ群区分体3aを構成する全てのバッテリ2の内部抵抗の平均値としてもよい。計算した個々のバッテリ2の内部抵抗は、平均値演算部13aまたはデータ格納部13dに記憶しておく。検出温度は、バッテリ2の内部抵抗の温度補正に用いられる。内部抵抗演算部13aは、データサーバ13に設ける代わりにコントーラ11に設け、内部抵抗の算出を、コントローラ11で行うようにしてもよい。
乖離度演算部13bは、個々のバッテリ2の内部抵抗の前記平均値からの乖離度を演算する。個々のバッテリ2の内部抵抗には、前記平均値演算部13aで演算した値を用いる。なお、個々のバッテリ2の内部抵抗は、乖離度演算部13bで演算し、平均値演算部13aは乖離度演算部13bで演算した内部抵抗の平均値を演算するようにしてもよい。
コマンド送信部13cは、コントローラ11へ計測開始コマンドを送信する。データ各格納部13dは、コントローラ11から送信された電圧計測値などのデータを格納する。例えば、図1に示すように、交流電圧値(実効値)、直流電圧値(セル電圧)、温度、電流値(実効値)、演算結果となる内部抵抗等を記憶しておく。
なお、上記構成において、主コントローラ11Aと計測用電流印加装置9の前記スイッチング素子27とは、同一ケース45(図1)に入れた一体のコントローラユニットとして構成しても良い。計測用電流印加装置9の電流制限抵抗26は、前記コントローラユニットに組み込んでもよいが、適用する電源1の電圧や蓄電電力等によって適切な抵抗値が異なるため、前記コントローラユニットに組み込まずに外付けとすることが好ましい。
また、この実施形態ではコントローラ11を主コントローラ11Aとデータサーバ13とに分けたが、分けることなく、データサーバ13が持つ機能を主コントローラ11Aに持たせて一つのコントローラ11としてもよい。また一つの基板等で構成される一つのコントローラ11に、前記主コントローラ11Aとデータサーバ13との区別なく設けてもよい。
また、この実施形態ではコントローラ11を主コントローラ11Aとデータサーバ13とに分けたが、分けることなく、データサーバ13が持つ機能を主コントローラ11Aに持たせて一つのコントローラ11としてもよい。また一つの基板等で構成される一つのコントローラ11に、前記主コントローラ11Aとデータサーバ13との区別なく設けてもよい。
上記構成の劣化判定装置の動作を説明する。図3は、その動作の一例である。データサーバ13は、コマンド送信部11cから計測開始コマンドを送信する(ステップS1)。計測開始コマンドを送信は、各主コントローラ11Aに対して計測時間をずらせて行うように順次送信しても、また同時に送信してもよい。
各主コントローラ11Aは、データサーバ13から計測開始コマンド受信し(ステップS2)、各電圧センサ7のセンサ通信手段10、および電圧センサ7へ計測開始コマンドを送信する(ステップS3)。主コントローラ11Aから電圧センサ7への計測開始コマンドの送信は、バッテリ群3を構成する複数のバッテリ群区分体3a毎に、そのバッテリ群区分体3aを構成する全ての電圧センサ7を同時に行う。
この送信以降の処理と並行して、待機部11adにより待機時間の終了判定(ステップS20)および待機時間のカウント(ステップS22)を行う。設定された待機時間が終了すると、計測用電流印加装置9により電流の印加を行う(ステップS21)。この電流の印加は、計測用電流印加装置9が放電回路であれば放電の開始、充電装置であれば充電の開始を行う。
各主コントローラ11Aは、データサーバ13から計測開始コマンド受信し(ステップS2)、各電圧センサ7のセンサ通信手段10、および電圧センサ7へ計測開始コマンドを送信する(ステップS3)。主コントローラ11Aから電圧センサ7への計測開始コマンドの送信は、バッテリ群3を構成する複数のバッテリ群区分体3a毎に、そのバッテリ群区分体3aを構成する全ての電圧センサ7を同時に行う。
この送信以降の処理と並行して、待機部11adにより待機時間の終了判定(ステップS20)および待機時間のカウント(ステップS22)を行う。設定された待機時間が終了すると、計測用電流印加装置9により電流の印加を行う(ステップS21)。この電流の印加は、計測用電流印加装置9が放電回路であれば放電の開始、充電装置であれば充電の開始を行う。
ステップS3で送信された計測開始コマンドは、対応するバッテリ群区分体3aを構成する全数の電圧センサ7が受信し(ステップS4)、各電圧センサ7は、自己の計測遅延時間の終了を待って(ステップS5)、バッテリ2のDC電圧(端子間電圧)を計測する(ステップS6)。この後、電圧センサ7は、待機時間の終了を待って(ステップS7)、バッテリ2のAC電圧を計測する(ステップS8)。AC電圧の計測については、直接の計測値を実効電圧または平均電圧に換算し、その換算値を計測値として出力する。電流の印加を行う過程(ステップS21)はバッテリ2のAC電圧を計測する過程(ステップS8)のタイミング合わすように設定することが望ましい。
計測したDC電圧およびAC電圧は、センサ通信手段10により無線で送信し(ステップS9)、主コントローラ11Aが無線で受信する(ステップS10)。主コントローラ11Aは、受信したDC電圧およびAC電圧を、電流センサ8および温度センサ18(図2)の検出値と共に、データサーバ13へLAN等の通信網12で送信する(ステップS11)。データサーバ13は、順に送信される各電圧センサ7等のセンサのデータを受信してデータ格納部13dに格納する(ステップS12)。前記無線送信のステップS9からデータサーバ13によるデータ格納(ステップS12)までは、個々のバッテリ群区分体3aまたはバッテリ群3の全電圧センサ7のデータの受信および格納が終了するまで行う。
この受信および格納の終了(ステップS12)の後、その終了信号のデータサーバ13から主コントローラ11Aへの送信、および主コントローラ11Aの電流印加制御信号の出力によって、前記計測用電流印加装置9の電流印加をオフにし(ステップS16)、データサーバ13では平均値演算部13aで各バッテリ2の内部抵抗を演算し、各バッテリ2の内部抵抗の平均値を求め、かつ乖離度演算部13bによって、各バッテリ2の内部抵抗の乖離度を演算する(ステップS13)。ここで、電流の印加を行う過程(ステップS21)はAC電圧を計測する過程(ステップS8)の間だけとすることが最も低消費電力となることから、AC電圧を計測する過程(ステップS8)の終了に合わせて電流印加をオフ(ステップS16)してもよい。
主コントローラ11Aの乖離度判定部11bbは、演算された内部抵抗の乖離度を、適宜定められた第1しきい値と比較し(ステップS14)、第1しきい値よりも小さい場合は、バッテリ2が正常であると判定する(ステップS15)。第1しきい値よりも小さくない場合は、さらに第2しきい値と比較し(ステップS17)、第2しきい値より小さい場合、注意を喚起する警報である警告を出力する(ステップS18)。第2しきい値よりも小さくない場合は、警告よりも強い知らせである警報を出力する(ステップS19)。前記警報および警告は、モニタ14(図1)で表示する。正常な場合は、モニタ14に正常である旨を表示しても、また特に表示しなくても良い。前記モニタ14による警報および警告の表示は、例えば定められたアイコン等のマークにより行っても、所定部位の点灯等で行っても良い。このようにして、非常用の電源1の全てのバッテリ2の劣化判定を行う。
この二次電池の劣化判定装置によると、各バッテリ2の内部抵抗の平均値からの乖離度で各バッテリ2の劣化の判定を行うため、複数のバッテリ2が直列に接続されたバッテリ群において、個々のバッテリ2の劣化の程度や固体差等によって個々のバッテリ2の充電状態に違いが生じていても、満充電状態におけるバッテリ2の内部抵抗や電圧を基準値として劣化判定を行う場合に比べて、個々のバッテリ2の劣化の判定を精度良く行える。バッテリ群3のうちのバッテリ群区分体3a毎に前記平均値を求めてその平均値からの劣化の判断を行う場合も、前記と同様に個々のバッテリ2の劣化の判定を精度良く行える。
乖離度で劣化の判定を行う場合、計測時にバッテリ2を必ずしも満充電させておく必要がないという利点も得られ、また平均値に対する相対的な計測で良いため、電圧計センサ7についても、広範な計測を高い分解能で行える物でなくてもよく、比較的に簡易な構成の物で済むという利点も得られる。
また、劣化判定対象の電源1の全体ではなく、個々のバッテリ2の劣化を判定するようにし、かつその判定については、交流成分を含む計測用電流を印加し、送信した前記電圧の計測値と前記電流センサ8の計測値とを用いて各バッテリ2の劣化を判定するため、精度良く劣化を判定することができる。バッテリ2の内部抵抗は、バッテリ2の容量、つまり劣化の程度と密接な関係があり、内部抵抗が分かれば、バッテリ2の劣化を精度良く判定できる。
乖離度で劣化の判定を行う場合、計測時にバッテリ2を必ずしも満充電させておく必要がないという利点も得られ、また平均値に対する相対的な計測で良いため、電圧計センサ7についても、広範な計測を高い分解能で行える物でなくてもよく、比較的に簡易な構成の物で済むという利点も得られる。
また、劣化判定対象の電源1の全体ではなく、個々のバッテリ2の劣化を判定するようにし、かつその判定については、交流成分を含む計測用電流を印加し、送信した前記電圧の計測値と前記電流センサ8の計測値とを用いて各バッテリ2の劣化を判定するため、精度良く劣化を判定することができる。バッテリ2の内部抵抗は、バッテリ2の容量、つまり劣化の程度と密接な関係があり、内部抵抗が分かれば、バッテリ2の劣化を精度良く判定できる。
また、この実施形態の場合、各バッテリ群3を複数のバッテリ群区分体3aに区分し、バッテリ群区分体3a毎に計測用電流印加装置9のスイッチング素子27を開閉し、計測用電流の放電を行うようにしたため、複数のバッテリ群3の相互間、および複数のバッテリ群区分体3aの相互間で計測用電流の回り込みを生じることなく、個々のバッテリ2の電圧を測定することができて、個々のバッテリ2の劣化状態の判定が精度良く行える。また、バッテリ群3を複数のバッテリ群区分体3aに区分して計測用電流を印加するようにしたため、計測用電流印加装置9を構成するパワー素子であるスイッチング素子27が耐圧の低いもので済む。
さらに、主コントローラ11Aをバッテリ群3毎に設けたため、バッテリ群区分体3a毎に別々にバッテリ電圧を計測する制御が簡単に行える。
さらに、主コントローラ11Aをバッテリ群3毎に設けたため、バッテリ群区分体3a毎に別々にバッテリ電圧を計測する制御が簡単に行える。
各電圧センサ7は、無線通信によりディジタル信号でデータの受け取り、受け渡しをするため、数十から数百個のバッテリ2を備える非常用の電源1であっても、各バッテリ2につき、電気的に基準電位(グランドレベル)を気にする必要がない。そのため、差動演算や絶縁トランスの必要がない。また、複数ある個々の電圧センサ7の計測値を無線で送信するため、複雑な配線の必要がない。これらにより、簡単で安価な構成とできる。
また、各電圧センサ7の計測した前記計測値を、ディジタル信号で表される実効値または平均値に変換し、送信するため、電圧波形の信号を送る場合に比べて飛躍的に送信データ量が少なくて済む。バッテリ2の内部抵抗の算出は実効値または平均値で精度良く行える。
バッテリ2の内部抵抗の算出については、電圧の計測だけであっても、電流を一定値に仮定することなどで可能ではあるが、バッテリ2に実際に流れる電流を計測し、電圧と電流との両方を求めることで、内部抵抗をより一層精度良く算出することができる。
電流センサ8は、バッテリ群区分体3a毎に設けたため、バッテリ群区分体3a毎に流れる電流を精度良く検出することができる。
バッテリ2の内部抵抗の算出については、電圧の計測だけであっても、電流を一定値に仮定することなどで可能ではあるが、バッテリ2に実際に流れる電流を計測し、電圧と電流との両方を求めることで、内部抵抗をより一層精度良く算出することができる。
電流センサ8は、バッテリ群区分体3a毎に設けたため、バッテリ群区分体3a毎に流れる電流を精度良く検出することができる。
前記主コントローラ11Aは、前記各電圧センサ7の各センサ通信手段10に計測開始コマンドを送信し、このコマンドによって電圧センサ2の計測を開始させるため、多数存在する各電圧センサ2の計測開始タイミングを整えることができる。
この場合に、前記主コントローラ11Aは、前記各電圧センサ7に計測開始コマンドを同時にシリアル伝送またはパラレル伝送で送信し、各電圧センサ7は、計測開始遅延時間経過後に同時に計測を行う。計測終了後、前記主コントローラ11Aは、順に前記各電圧センサ7にデータ送信の要求コマンドを送信し、コマンドを受けた電圧センサ7がデータを送信し、以上を繰り返すことで、データ通信を行ってもよい。この実施形態において、前記主コントローラ11Aは、データ送信要求コマンドの送信から一定時間後に、データ受信できなかった前記電圧センサ7に対し再送信要求を行うようにして良い。
別の例として、各電圧センサ7毎に定められた計測開始遅延時間だけ経過後に計測を行うようにする場合は、各センサ通信手段10へ同時に計測開始コマンドを送信しても、多数ある各電圧センサ7の計測を、無線送受に支障がないように順に行い、送信することができる。例えば、送信開始コマンドはグローバルコマンドであり、電圧センサ7は同時に取得する。
この場合に、前記主コントローラ11Aは、前記各電圧センサ7に計測開始コマンドを同時にシリアル伝送またはパラレル伝送で送信し、各電圧センサ7は、計測開始遅延時間経過後に同時に計測を行う。計測終了後、前記主コントローラ11Aは、順に前記各電圧センサ7にデータ送信の要求コマンドを送信し、コマンドを受けた電圧センサ7がデータを送信し、以上を繰り返すことで、データ通信を行ってもよい。この実施形態において、前記主コントローラ11Aは、データ送信要求コマンドの送信から一定時間後に、データ受信できなかった前記電圧センサ7に対し再送信要求を行うようにして良い。
別の例として、各電圧センサ7毎に定められた計測開始遅延時間だけ経過後に計測を行うようにする場合は、各センサ通信手段10へ同時に計測開始コマンドを送信しても、多数ある各電圧センサ7の計測を、無線送受に支障がないように順に行い、送信することができる。例えば、送信開始コマンドはグローバルコマンドであり、電圧センサ7は同時に取得する。
前記主コントローラ11Aは、前記計測開始コマンドの送信から一定時間後に、データ受信できなかった前記電圧センサ7に対し再送信要求を行う。何らかの一時的な送信の障害等により、一部の電圧センサ7のセンサ通信手段10で計測開始コマンドを受信できない場合がある。そのような場合でも、前記再送信要求を行うことで、電圧を計測して送信でき、電源の全てのバッテリ2の電圧計測値を得ることができる。計測開始コマンドを受信できたか否かは、主コントローラ11A側で、電圧の計測値が受信されたか否かを判断することで行えば良い。
主コントローラ11Aは、前記のように計測開始コマンドを同時に送信するのではなく前記各電圧センサ7のセンサ通信手段10に個別にデータ要求コマンドを送信し、順にデータを受信するようにしても良い。この構成の場合、電圧センサ7側に遅延部7bbが不要となり、電圧センサ7側の構成が簡素化される。
前記主コントローラ11Aは、算出した前記内部抵抗の前記乖離度の大きさに応じて複数段階の警報を出力するため、バッテリ交換の必要性の緊急度がわかり、無駄なバッテリ交換を行うことなく、保守の計画や準備が円滑かつ迅速に行える。
前記主コントローラ11Aは、算出した前記内部抵抗の前記乖離度の大きさに応じて複数段階の警報を出力するため、バッテリ交換の必要性の緊急度がわかり、無駄なバッテリ交換を行うことなく、保守の計画や準備が円滑かつ迅速に行える。
以下、この発明における他の各実施形態を説明する。これらの実施形態において、特に説明する事項の他は、第1の実施形態と同様である。対応する図の対応箇所には同一符号が付してある。
図4,図5は、第2の実施形態を示す。この実施形態は、複数設けられた全てのバッテリ群3の全てのバッテリ群区分体3aに対して設けられた計測用電流印加装置9の制御および各バッテリ2の劣化の判定を、一つの主コントローラ11Aで行うようにしている。換言すれば、図1の実施形態における3つの主コントローラ11Aが行う処理を、一つの主コントローラ11Aで行うようにしている。
この構成の場合、主コントローラ11Aが一つで済むため、それだけ構成が簡素化される。
この構成の場合、主コントローラ11Aが一つで済むため、それだけ構成が簡素化される。
図6に示す実施形態は、図1に示す第1の実施形態において、電流センサ8を省略し、電流を演算によって求めるようにした例である。この例では、バッテリ群3の両端間に電圧計測用抵抗30(30a,30b)を設けると共に、バッテリ群3の両端間の電圧と前記電圧計測用抵抗30の抵抗値とから電流を演算する電流演算手段8Aaを主コントローラ11Aに設け、これら電圧計測用抵抗30と電流演算手段8Aaとで電流検出手段8Aを構成している。
すなわち、(バッテリ群3の両端電圧)/(電圧計測用抵抗30の抵抗値)、から演算によって、バッテリ群3に流れる電流を求める。電圧計測用抵抗30の抵抗値は固定値であり、各主コントローラ11Aまたはデータサーバ13にパラメータ入力しておく。バッテリ群3の両端電圧は計測する。計測は電流を印加するタイミングでも、電流を流す前に予め測定しておいてもよい。両端電圧は分圧方式でも、各バッテリ2のDC電圧測定値の和をとってもよい。
分圧方式の場合は、基準電位(GND)を基準とし、中間点より低電圧側は、中間点とGND間を抵抗分圧して求める。高電圧側は、高電圧部とGND間を抵抗分圧して求めた電位から低電圧側の測定結果を引くことで求めることが出来る。ここで抵抗分圧には、1MΩ程度の高抵抗を用いてバッテリ2の漏れ電流を小さくする。高電圧側も高電圧部と中間点間に低電圧側の抵抗分圧に用いた抵抗値と同等の抵抗を配置しバッテリの負荷のバランスをとる。
分圧方式の場合は、基準電位(GND)を基準とし、中間点より低電圧側は、中間点とGND間を抵抗分圧して求める。高電圧側は、高電圧部とGND間を抵抗分圧して求めた電位から低電圧側の測定結果を引くことで求めることが出来る。ここで抵抗分圧には、1MΩ程度の高抵抗を用いてバッテリ2の漏れ電流を小さくする。高電圧側も高電圧部と中間点間に低電圧側の抵抗分圧に用いた抵抗値と同等の抵抗を配置しバッテリの負荷のバランスをとる。
前記電圧計測用抵抗30として、具体的には、複数のバッテリ群3の並列接続体の一箇所で、分圧抵抗30a,30bを設けており、これら分圧抵抗30a,30bの中間の電圧VHが、前記中点となる区分点Pの電圧となる。また、個々のバッテリ群3毎に、負側のバッテリ群区分体3aの両端間に分圧抵抗30c,30dを設け、バッテリ群区分体3aの中間の電圧VL1,VL2,VL3を求めようにしている。
この構成の場合、電気部品として高価な電流計を省略できるので、コスト低下を図ることができる。
図7に示す実施形態は、図4,5と共に説明した実施形態において、バッテリ群3を複数のバッテリ群区分体3aに区分せずに、計測用電流印加装置9によりバッテリ群3の全体に前記計測用電流を印加するように構成した例である。
この構成の場合、バッテリ群区分体3aに区分することによる利点は得られないが、平均値からの乖離度によって劣化の判定をすることで、個々のバッテリ2の充電状態による内部抵抗の違いによる影響をできるだけ緩和し、精度の良い劣化判定が行えると言う効果は前記と同様に得られる。
なお、この実施形態は、図20と共に説明した従来の二次電池の劣化判定装置において、個々のバッテリ2の内部抵抗または電圧で劣化を判定する構成に代えて、内部抵抗または交流成分の電圧の平均値からの乖離度によって劣化の判定をするようにした構成に相当する。
この構成の場合、バッテリ群区分体3aに区分することによる利点は得られないが、平均値からの乖離度によって劣化の判定をすることで、個々のバッテリ2の充電状態による内部抵抗の違いによる影響をできるだけ緩和し、精度の良い劣化判定が行えると言う効果は前記と同様に得られる。
なお、この実施形態は、図20と共に説明した従来の二次電池の劣化判定装置において、個々のバッテリ2の内部抵抗または電圧で劣化を判定する構成に代えて、内部抵抗または交流成分の電圧の平均値からの乖離度によって劣化の判定をするようにした構成に相当する。
図8は、さらに他の実施形態を示し、この発明の第2の二次電池の劣化判定装置(直流利用)に対応する。この劣化判定装置は、それぞれ二次電池である複数のバッテリ2が直列接続されたバッテリ群3が複数並列に接続された電源1における前記各バッテリ2の劣化を判定する二次電池の劣化判定装置であって、
前記各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、
直流成分を含む計測用電流を各バッテリ群3毎に印加する計測用電流印加装置9と、
前記電圧センサ7で計測された直流成分の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段10と、
前記電圧センサ通信手段10の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて各バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11とを備え、
前記コントローラ11は、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリ3の劣化の判定を行う。
前記各バッテリ2に個別に接続された複数の電圧センサ7と、
直流成分を含む計測用電流を各バッテリ群3毎に印加する計測用電流印加装置9と、
前記電圧センサ7で計測された直流成分の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段10と、
前記電圧センサ通信手段10の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて各バッテリ2の劣化を判定するコントローラ11とを備え、
前記コントローラ11は、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリ3の劣化の判定を行う。
劣化判定対象の電源1は、データセンタ、携帯電話基地局、またはその他各種の電力安定供給が求められる電源装置における非常用電源である。前記バッテリ群3の並列接続体は負荷4に接続される。各バッテリ2は、一つのセルであっても良く、また複数のセルが直列接続されたものであっても良い。
前記非常用の電源1は、負荷4の正負の端子に接続された主電源5の正負の端子5A,5Bのうち、正の端子5Aには充電回路6とダイオード15とを介して接続され、負の端子5Bには直接に接続されている。ダイオード15は非常用の電源1から負荷4に電流を流す向きで、充電回路6と並列に接続されている。主電源5は、例えば交流商用電源に整流回路および平滑回路(いずれも図示せず)介して接続されて直流電力に変換する直流電源等からなる。
非常用の電源1の正電位は、主電源5の正電位よりも低く、通常は負荷4には流れないが、主電源5が停止または機能低下すると、主電源5側の電位が低下することから、非常用の電源1に蓄電した電荷により、ダイオード15を介して負荷4に給電される。なお、上記のように充電回路6を接続した充電形式は、トリクル充電形式と呼ばれる。
非常用の電源1の正電位は、主電源5の正電位よりも低く、通常は負荷4には流れないが、主電源5が停止または機能低下すると、主電源5側の電位が低下することから、非常用の電源1に蓄電した電荷により、ダイオード15を介して負荷4に給電される。なお、上記のように充電回路6を接続した充電形式は、トリクル充電形式と呼ばれる。
前記センサ通信手段10は、電圧センサ7毎に設けられ、電圧センサ7の計測値を無線で送信する。
計測用電流印加装置9は、例えば図2の例に示す電流制限抵抗26とスイッチング素子27の直列回路からなる放電回路であり、バッテリ群3の両端の端子間を接続する回路部分に介在する。前記スイッチング素子27は、パワー素子であり、図の例ではMOS型電解効果トランジスタが用いられている。
計測用電流印加装置9は、例えば図2の例に示す電流制限抵抗26とスイッチング素子27の直列回路からなる放電回路であり、バッテリ群3の両端の端子間を接続する回路部分に介在する。前記スイッチング素子27は、パワー素子であり、図の例ではMOS型電解効果トランジスタが用いられている。
コントローラ11は、例えばCPUとそのプログラムと、電子回路等によって構成される。コントローラ11は、電流印加制御部9aと、対センサ通信手段21と、判定部22とを備える。なお、コントローラ11は、前記各実施形態と同様に、主コントローラ11Aとサーバ13とに分けてもよい。
電流印加制御部9aは、前記計測用電流印加装置9のスイッチング素子の開閉を制御する手段であり、前記計測用電流の直流成分を与え続ける間隔を、その与えられた計測用電流が少なくとも確実に直流として取り扱うことが可能な時間だけ、例えば数十秒~数分間、または1時間程度、または数日程度、スイッチオンとする。
対センサ通信手段22は、電源1の個々のバッテリ2に対して設けられたセンサ通信手段10から、電圧の計測値を無線で受信する手段であり、適切な受信のために必要となるセンサ通信手段10との信号の送受や、受信タイミングの制御等を行う機能を備える。
電流印加制御部9aは、前記計測用電流印加装置9のスイッチング素子の開閉を制御する手段であり、前記計測用電流の直流成分を与え続ける間隔を、その与えられた計測用電流が少なくとも確実に直流として取り扱うことが可能な時間だけ、例えば数十秒~数分間、または1時間程度、または数日程度、スイッチオンとする。
対センサ通信手段22は、電源1の個々のバッテリ2に対して設けられたセンサ通信手段10から、電圧の計測値を無線で受信する手段であり、適切な受信のために必要となるセンサ通信手段10との信号の送受や、受信タイミングの制御等を行う機能を備える。
判定部22は、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリ2の劣化の判定を行う。例えば前記電圧の計測値が基準値を超えると、そのバッテリ2が劣化していると判定する。前記「基準値」は設計により適宜定められる値である。前記「基準値」は、絶対的な固定値であってもよく、またバッテリ群3または電源1を構成する全てバッテリ2の前記電圧の計測値を前記基準値とし、基準値からの計測値の乖離度で劣化の判定を行うようにしてもよい。
図9~図11は、バッテリ2(具体的にはセル)に一定の時間間隔t(図示の例ではt=1時間)で一定の電圧を印加した場合における、バッテリ2の電圧と内部抵抗のとの関係例を示す。図9は正常時、図10は劣化初期、図11は劣化状態をそれぞれ示す。横軸は時間、縦軸は電圧(mmv)および内部抵抗(Ω)を示す。縦軸に付した数字は、前記電圧と内部抵抗とに共通である。すなわち、共通となるように、セル電圧の曲線と内部抵抗の曲線を示している。
同図から分かるように、同じ電圧の計測用電流を印加しても、内部抵抗が大きい場合、バッテリ(セル)2の電圧の変化が明確に大きくなっている。内部抵抗が大きいことは、バッテリ(セル)2の劣化が進んでいることを示す。
したがって、コントローラ11が受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較することで、各バッテリ2の劣化の判定を行うことができる。
したがって、コントローラ11が受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較することで、各バッテリ2の劣化の判定を行うことができる。
図12の実施形態は、図8の実施形態において、各バッテリ群3を、互いに直列に並ぶ複数のバッテリ群区分体3aに区分し、各バッテリ群区分体3aの両端間に前記計測用電流印加装置9を設けている。具体的には両バッテリ群区分体3a間の区分点Pと前記バッテリ群3の正負の各端部との間に前記計測用電流印加装置9を設ける。なお、バッテリ群3を3つ以上の前記バッテリ群区分体3aに区分する場合においては、さらに隣合う前記区分点P間毎に前記計測用電流印加装置9を設ける。前記バッテリ群3を2つのバッテリ群区分体3aに区分するについては、区分点Pをバッテリ群3の中点(バッテリ群を2つに等分する点)とすることが好ましいが、必ずしも中点でなくてもよい。その他の構成は、図8の実施形態と同様である。
このようにバッテリ群3を複数のバッテリ群区分体3aに区分し、バッテリ群区分体3a毎に一つの計測用電流印加装置9を設けた場合、個々のバッテリ群区分体3aの両端間に計測用電流印加装置9を設けた回路が、互いに独立した閉回路となるため、バッテリ群3やバッテリ群区分体3aの相互回に放電電流の回り込みが発生することが、より一層確実に回避される。そのため、個々のバッテリ2の劣化状況を、より一層正確に測定することができる。また、バッテリ群3が複数のバッテリ群区分体3aに分割されることで、計測用電流印加装置9を構成するパワー素子からなるスイッチング素子27の耐圧を下げることができる。
図13~図15に示す実施形態は、図1の実施形態において、コントローラ11に、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリ2の劣化の判定を行う機能を追加した例である。具体的には、図1の実施形態において、主コントローラ11Aに、図14の直流利用判定部11bcと、総合劣化判定部11dとを加え、かつ電流印加制御部11baに、図1の実施形態と同様に計測用電流印加装置9を制御する機能に加えて、直流として取り扱うことが可能な時間だけ、例えば数十秒~数分間、または1時間程度、または数日程度、連続的に前記各バッテリ群3に印加する機能を持たせている。
電流印加制御部11baは、直流利用判定部11bcで判定するために計測用電流印加装置9でバッテリ群3に電流を印加する処理と、乖離度判定部11bbで判定するために計測用電流印加装置9でバッテリ群3に電流を印加する処理とは、時間をずらせて行う。例えば、直流利用判定部11bcによる電源1の各バッテリ2の劣化判定が完了した後
に 、乖離度判定部11bbによる劣化判定を行うようにしている。
に 、乖離度判定部11bbによる劣化判定を行うようにしている。
乖離度判定部11bbは、図1の実施形態と同様の判定を行う。
直流利用判定部は11bcは、例えば図12または図13の例と同様に劣化の判定を行う。
直流利用判定部は11bcは、例えば図12または図13の例と同様に劣化の判定を行う。
総合劣化判定部11dは、直流利用判定部11bcの判定結果と、乖離度判定部11bbの判定結果との両方を用いて、バッテリ2の劣化の判定を行う。
例えば、図15に示すように、直流利用判定部11bcによる判定を行い(ステップR1)、その後、乖離度判定部11bにより交流成分を利用した前記乖離度による劣化判定(ステップR2)を行い、総合劣化判定部11bdによる総合劣化判定(ステップR3)を行う。総合劣化判定(ステップR3)は、例えば直流利用判定部11bcと乖離度判定部11bとの両方で劣化していると判定されたバッテリ2を劣化と判断するようにしてもよく、また直流利用判定部11bcと乖離度判定部11bとのいずれか一方で劣化と判定されたバッテリ2を劣化と判定するようにしてもよい。また、直流利用判定部11bcによる劣化判定と乖離度判定部11bによる劣化判定とに、重みつけを行って総合劣化判断を行うようにしてもよい。
このように、直流成分利用劣化判定と、交流成分利用劣化判定とを併用することで、より精度の良い劣化判定や、広範な面から判定が行える。
例えば、図15に示すように、直流利用判定部11bcによる判定を行い(ステップR1)、その後、乖離度判定部11bにより交流成分を利用した前記乖離度による劣化判定(ステップR2)を行い、総合劣化判定部11bdによる総合劣化判定(ステップR3)を行う。総合劣化判定(ステップR3)は、例えば直流利用判定部11bcと乖離度判定部11bとの両方で劣化していると判定されたバッテリ2を劣化と判断するようにしてもよく、また直流利用判定部11bcと乖離度判定部11bとのいずれか一方で劣化と判定されたバッテリ2を劣化と判定するようにしてもよい。また、直流利用判定部11bcによる劣化判定と乖離度判定部11bによる劣化判定とに、重みつけを行って総合劣化判断を行うようにしてもよい。
このように、直流成分利用劣化判定と、交流成分利用劣化判定とを併用することで、より精度の良い劣化判定や、広範な面から判定が行える。
なお、総合劣化判定部11bdは、直流利用判定部11bcと乖離度判定部11bbの一部として設けてもよい。例えば、直流利用判定部11bcによる劣化判定の後、乖離度判定部11bbによる劣化判定を行う場合に、直流利用判定部11bcで劣化と判定されたバッテリ2を記憶しておき、直流利用判定部11bcで劣化と判定されたバッテリ2のみ乖離度判定部11bbで劣化と判定するようにしてもよい。
図18,図19に示す実施形態は、図16、図7の実施形態に係る二次電池の劣化判定装置において、乖離度判定部11bbによる平均値からの乖離度で劣化判断を行う処理に代えて、内部抵抗演算部13eで演算された内部抵抗を、交流利用判定部11beにより、設定された基準値と比較して劣化の判定を行うようにしている。その他は、図18,図19の実施形態と同様である。
この例では、例えば、図19のステップS14,S17により劣化として判定して警告(ステップ18)や警報(ステップ19)を行う場合に、直流利用判定部11bcで劣化と判定されたバッテリ2のみ、警告(ステップ18)や警報(ステップ19)のステップに移るようにしてもよい。
この構成の場合も、直流成分利用劣化判定と、交流成分利用劣化判定とを併用することで、より精度の良い劣化判定や、広範な面から判定が行える。
この構成の場合も、直流成分利用劣化判定と、交流成分利用劣化判定とを併用することで、より精度の良い劣化判定や、広範な面から判定が行える。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電源、2…バッテリ、3…バッテリ群、3a…バッテリ群区分体、4…負荷、5…主電源、5A,5B…端子、6…充電回路、7…電圧センサ、8…電流センサ、8A…電流検出手段、9…計測用電流印加装置、9a…計測用電流印加装置、10…センサ通信手段、11…コントローラ、11A…主コントローラ、11bb…乖離度判定部、12…通信網、13…データサーバ、13a…平均値演算部、13…乖離度演算部、14…モニタ、19…アンテナ、22…判定部、26…電流制限抵抗、42…電流制限抵抗、P…区分点
Claims (7)
- それぞれ二次電池である複数のバッテリが直列接続されたバッテリ群が複数並列に接続された電源における前記各バッテリの劣化を判定する二次電池の劣化判定装置であって、 前記各バッテリに個別に接続された複数の電圧センサと、
交流成分を含む計測用電流を前記バッテリ群に印加する計測用電流印加装置と、
前記電圧センサで計測された交流成分または直流成分または交流成分と直流成分の両方の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段と、
前記センサ通信手段の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて前記各バッテリの劣化を判定するコントローラとを備え、
前記コントローラは、受信した交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、または前記受診した交流成分の電圧の計測値から求められる前記各バッテリの内部抵抗の平均値からの乖離度、またはこれら交流成分の電圧の計測値の平均値からの乖離度、および前記内部抵抗の平均値からの乖離度の両方から前記各バッテリの劣化の判定を行う二次電池の劣化判定装置。 - それぞれ二次電池である複数のバッテリが直列接続されたバッテリ群が複数並列に接続された電源における前記各バッテリの劣化を判定する二次電池の劣化判定装置であって、 前記各バッテリに個別に接続された複数の電圧センサと、
直流成分を含む計測用電流を前記各バッテリ群毎、または前記各バッテリ群を直列に並ぶ複数のバッテリ群区分体毎に印加する計測用電流印加装置と、
前記電圧センサで計測された直流成分の電圧の計測値を送信するセンサ通信手段と、
前記電圧センサ通信手段の送信した前記計測値を受信し、この受信した計測値を用いて各バッテリの劣化を判定するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリの劣化の判定を行う二次電池の劣化判定装置。 - 請求項1に記載の二次電池の劣化判定装置において、前記コントローラは、前記各バッテリの劣化の判定につき、前記各乖離度からの判定に加えて、前記受信した直流成分の電圧の計測値を基準値と比較して前記各バッテリの劣化の判定を行う処理を含む二次電池の劣化判定装置。
- 請求項2または請求項3に記載の二次電池の劣化判定装置において、前記コントローラは、前記直流成分の電圧の計測値を比較する基準値を、前記各バッテリの前記直流成分の電圧の計測値の平均値とし、前記受信した直流成分の電圧の計測値の前記平均値からの乖離度で前記劣化の判定を行う二次電池の劣化判定装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の二次電池の劣化判定装置において、前記バッテリ群を互いに直列に並ぶ複数のバッテリ群区分体に区分し、各バッテリ群区分体の両端間に前記計測用電流印加装置を設けた二次電池の劣化判定装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池の劣化判定装置において、前記計測用電流印加装置が、パワー素子からなるスイッチング素子と、電流制限抵抗とで構成される放電回路である二次電池の劣化判定装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の二次電池の劣化判定装置において、前記センサ通信手段が、前記電圧センサで計測された直流成分の電圧の計測値を無線で通信する二次電池の劣化判定装置。
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JP2020161848A JP2022054682A (ja) | 2020-09-28 | 2020-09-28 | 二次電池の劣化判定装置 |
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