JP2022054336A - タイヤ - Google Patents

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茉由子 長谷川
Mayuko Hasegawa
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Abstract

【課題】タイヤのウェット性能とドライ性能とを両立できるタイヤを提供すること。【解決手段】このタイヤ1では、センター陸部32、33が、一方の端部にてセンター陸部32、33のエッジ部に開口すると共に他方の端部にてセンター陸部32、33内で終端する複数の面取サイプ321A、321Bと、センター陸部32、33をタイヤ幅方向に貫通する複数の貫通細溝322A、322Bとを備える。また、貫通細溝322A、322Bが、タイヤ周方向に頂部を向けたV字形状を有すると共にV字形状の一方の辺を面取サイプ321A、321Bに対向させて配置される。また、タイヤ周方向に対する面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の傾斜角θ1と貫通細溝322A、322BのV字形状の前記一方の辺の傾斜角θ2とが、-10[deg]≦θ1-θ2≦10[deg]の関係を有する。【選択図】図2

Description

この発明は、タイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤのウェット性能とドライ性能とを両立できるタイヤに関する。
近年では、タイヤのウェット性能を向上するために、トレッド踏面に対する開口部に面取部を有するサイプ、いわゆる面取サイプが採用されている。かかる構成を採用する従来のタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2018-111451号公報
一方で、タイヤには、タイヤのドライ性能を向上すべき課題もある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤのウェット性能とドライ性能とを両立できるタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかるタイヤは、タイヤ周方向に延在する2本以上の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る一対のショルダー陸部および1列以上のセンター陸部とを備えるタイヤであって、前記センター陸部が、一方の端部にて前記センター陸部のエッジ部に開口すると共に他方の端部にて前記センター陸部内で終端する複数の面取サイプと、前記センター陸部をタイヤ幅方向に貫通する複数の貫通細溝とを備え、前記貫通細溝が、タイヤ周方向に頂部を向けたV字形状を有すると共に前記V字形状の一方の辺を前記面取サイプに対向させて配置され、且つ、タイヤ周方向に対する前記面取サイプのサイプ部の傾斜角θ1と前記貫通細溝の前記V字形状の前記一方の辺の傾斜角θ2とが、-10[deg]≦θ1-θ2≦10[deg]の関係を有する。
この発明にかかるタイヤでは、(1)貫通細溝が面取サイプに対向して配置されるので、タイヤ接地時にて貫通細溝が積極的に閉塞することにより、面取サイプへの接地圧が分散される。これにより、面取サイプの面取部の潰れが抑制されて面取部の排水作用が確保される。これにより、タイヤのウェット性能が確保される。さらに、(2)貫通細溝のV字形状の一方の辺が面取サイプのサイプ部に対して略平行に配置されるので、面取サイプの面取部の潰れが効果的に抑制される。これにより、タイヤのウェット性能が効果的に向上する。また、(3)面取サイプがセンター陸部内で終端するセミクローズド構造を有するので、センター陸部の剛性が確保されて、ドライ路面でのタイヤの操縦安定性能が向上する。また、(4)貫通細溝がV字形状を有するので、センター陸部の剛性が確保される。これらにより、タイヤ接地時におけるセンター陸部の変形が抑制されて、ドライ路面でのタイヤの操縦安定性能が向上する。上記(1)~(4)により、タイヤのウェット性能とドライ路面での操縦安定性能とが両立する利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかるタイヤ1を示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載したタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図3は、図2に記載したタイヤのセンター陸部を示す拡大図である。 図4は、図3に記載したセンター陸部の第一溝ユニットを示す拡大図である。 図5は、図4に記載した第一溝ユニットの面取サイプを示す長手方向の断面図である。 図6は、図4に記載した第一溝ユニットの貫通細溝を示す長手方向の断面図である。 図7は、図4に記載した第一溝ユニットの面取サイプおよび貫通細溝を示す幅方向の断面図である。 図8は、図3に記載したセンター陸部の第二溝ユニットを示す拡大図である。 図9は、この発明の実施の形態にかかるタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図10は、この発明の実施の形態にかかるタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[タイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかるタイヤ1を示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。この実施の形態では、タイヤの一例として、乗用車用空気入りラジアルタイヤについて説明する。
同図において、タイヤ子午線方向の断面は、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面として定義される。また、タイヤ赤道面CLは、JATMAに規定されたタイヤ断面幅の中点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面として定義される。また、タイヤ幅方向は、タイヤ回転軸に平行な方向として定義され、タイヤ径方向は、タイヤ回転軸に垂直な方向として定義される。
また、車幅方向内側および車幅方向外側が、タイヤを車両に装着したときの車幅方向に対する向きとして定義される。また、タイヤ赤道面を境界とする左右の領域が、車幅方向外側領域および車幅方向内側領域としてそれぞれ定義される。また、タイヤが、車両に対するタイヤ装着方向を示す装着方向表示部(図示省略)を備える。装着方向表示部は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸によって構成される。例えば、ECER30(欧州経済委員会規則第30条)が、車両装着状態にて車幅方向外側となるサイドウォール部に車両装着方向の表示部を設けることを義務付けている。
タイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、スチールから成る1本あるいは複数本のビードワイヤを環状かつ多重に巻き廻して成り、ビード部に埋設されて左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数枚のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、80[deg]以上100[deg]以下のコード角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される。)を有する。
ベルト層14は、複数のベルトプライ141~143を積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。ベルトプライ141~143は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを含む。
一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で15[deg]以上55[deg]以下のコード角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のコード角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される(いわゆるクロスプライ構造)。また、一対の交差ベルト141、142は、カーカス層13のタイヤ径方向外側に積層されて配置される。
ベルトカバー143は、スチールあるいは有機繊維材から成るベルトカバーコードをコートゴムで被覆して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のコード角度を有する。また、ベルトカバー143は、例えば、1本あるいは複数本のベルトカバーコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142の外周面に対してタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成される。また、ベルトカバー143が交差ベルト141、142の全域を覆って配置される。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤ1のトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側からタイヤ幅方向外側に延在して、ビード部のリム嵌合面を構成する。
[トレッド面]
図2は、図1に記載したタイヤ1のトレッド面を示す平面図である。同図は、サマータイヤのトレッド面を示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端であり、寸法記号TWは、タイヤ接地幅である。
図2に示すように、タイヤ1は、3本の周方向主溝21~23と、これらの周方向主溝21~23に区画された4列の陸部31~34とをトレッド面に備える。
周方向主溝21~23は、タイヤ周方向に延在する溝であり、タイヤ全周に渡って連続する環状構造を有する。また、周方向主溝21~23のそれぞれが、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する主溝であり、3.0[mm]以上の最大溝幅および5.0[mm]以上の最大溝深さを有する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における対向する溝壁間の距離として測定される。切欠部あるいは面取部を溝開口部に有する構成では、溝幅方向かつ溝深さ方向に平行な断面視におけるトレッド踏面の延長線と溝壁の延長線との交点を端点として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離として測定される。また、部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「標準リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「MEASURING RIM」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が規定内圧での最大負荷能力の88[%]である。
また、図2において、複数の周方向主溝21~23のうち、タイヤ幅方向の最外側にある周方向主溝21、23をショルダー主溝として定義する。ショルダー主溝は、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域にてそれぞれ定義される。また、ショルダー主溝よりもタイヤ赤道面CL側にある周方向主溝22をセンター主溝として定義する。
図2の構成では、センター主溝22の最大溝幅(図中の寸法記号省略)が、ショルダー主溝21、23のそれぞれの最大溝幅(図中の寸法記号省略)よりも広い。また、周方向主溝の溝幅の総和が、タイヤ接地幅に対して10[%]以上30[%]以下の範囲にある。これにより、トレッド部センター領域の排水性が高まる。
また、図2の構成では、タイヤ赤道面CLから左右のショルダー主溝21、23の溝中心線までの距離(図中の寸法記号省略)が、タイヤ接地幅TWの26[%]以上32[%]以下の範囲にある。
溝中心線は、対抗する溝壁間の距離の中点を接続した仮想線として定義される。
タイヤ接地幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
タイヤ接地端Tは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
また、図2の構成では、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域がショルダー主溝21、23をそれぞれ有し、また、これらのショルダー主溝21、23が、タイヤ赤道面CLを中心として、左右対称に配置されている。また、センター主溝22が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。そして、これらの周方向主溝21~23により、4列の陸部31~34が区画されている。
しかし、これに限らず、2本あるいは4本以上の周方向主溝が配置されても良いし、周方向主溝がタイヤ赤道面CLを中心として左右非対称に配置されても良い(図示省略)。また、周方向主溝がタイヤ赤道面CLから外れた配置されることにより、陸部がタイヤ赤道面CL上に配置されても良い(図示省略)。
また、図2において、複数の陸部31~34のうち、ショルダー主溝21、23に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部31、34をショルダー陸部として定義し、タイヤ幅方向内側の陸部32、33をセンター陸部として定義する。図2のような3本の周方向主溝21~23を備える構成では、一対のショルダー陸部31、34と、一対のセンター陸部32、33とが定義される。また、例えば、2本の周方向主溝を備える構成では単一のセンター陸部が定義され、4本以上の周方向主溝を備える構成では3列以上のセンター陸部が定義される(図示省略)。
また、図2において、センター陸部32、33のそれぞれの最大接地幅Wbが、タイヤ接地幅TWに対して0.10≦Wb/TW≦0.30の範囲にある。
陸部の接地幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときの陸部と平板との接触面におけるタイヤ軸方向の直線距離として測定される。
[センター陸部]
図3は、図2に記載したタイヤ1のセンター陸部32、33を示す拡大図である。図4は、図3に記載したセンター陸部32(33)の第一溝ユニットUAを示す拡大図である。図5は、図4に記載した第一溝ユニットUAの面取サイプ321Aを示す長手方向の断面図であり、図6は、図4に記載した第一溝ユニットUAの貫通細溝322Aを示す長手方向の断面図である。図7は、図4に記載した第一溝ユニットUAの面取サイプ321Aおよび貫通細溝322Aを示す幅方向の断面図である。図8は、図3に記載したセンター陸部32(33)の第二溝ユニットUBを示す拡大図である。なお、図3に記載した第二溝ユニットUBの面取サイプ321Bおよび貫通細溝322Bの構成は、図5~図7に記載した第一溝ユニットUAの面取サイプ321Aおよび貫通細溝322Aと同様であるため、その図示を省略する。
図2の構成では、2列のセンター陸部32、33のそれぞれが、第一面取サイプ321A;331Aおよび第一貫通細溝322A;332Aから成る複数の第一溝ユニットUAと、第二面取サイプ321B;331Bおよび第二貫通細溝322B;332Bから成る複数の第二溝ユニットUBとを備える。ここでは、2列のセンター陸部32、33が同一の構造を有するため、一例として、車幅方向外側のセンター陸部32の溝ユニットUA、UBについて詳細に説明し、車幅方向内側のセンター陸部33の溝ユニットUA、UBについては、その説明を省略する。
面取サイプ321A、321Bは、図3に示すように、一方の端部にてセンター陸部32のエッジ部に開口すると共に他方の端部にてセンター陸部32内で終端する。また、第一溝ユニットUAの第一面取サイプ321Aがセンター陸部32の一方のエッジ部に開口し、第二溝ユニットUBの第二面取サイプ321Bがセンター陸部32の他方のエッジ部に開口する。また、第一および第二の溝ユニットUA、UBがタイヤ周方向に交互に配列されることにより、第一および第二の面取サイプ321A、321Bがタイヤ周方向に千鳥状に配列される。
また、図4および図8において、第一および第二の面取サイプ321Aおよび第二面取サイプ321Bのそれぞれが、サイプ部3211および面取部3212を有する。
サイプ部3211は、トレッド踏面に形成された切り込みであり、0.5[mm]以上1.5[mm]以下の最大幅W11(図4および図8参照)および2.0[mm]以上かつ周方向主溝21の最大溝深さHg以下の最大深さH11(図5参照)を有する。
サイプ部のサイプは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面におけるサイプの開口幅として測定される。
サイプ部の深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面からサイプ底までの距離として測定される。
面取部3212は、トレッド踏面におけるサイプ部3211の少なくとも一方のエッジ部に形成されて、トレッド踏面とサイプ部3211の壁面とを平面あるいは曲面で接続する。また、面取部3212は、1.0[mm]以上の最大幅(図中の寸法記号省略)および最大深さH12(図5参照)を有するものとして定義され、1.0[mm]未満の最大幅および最大深さを有する微小なエッジ加工部を含まない。また、図7の構成では、面取部3212がいわゆるC面取であるが、面取部3212の形状は当業者自明の範囲内で適宜選択できる。また、面取部3212の最大深さH12が、サイプ部3211の最大深さH11に対して0.10≦H12/H11≦0.85の範囲にあり、好ましくは0.20≦H12/H11≦0.50の範囲にある。
面取部3212の深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から面取部3212とサイプ部3211との境界部までの距離として測定される。
また、図4および図8において、面取サイプ321A、321Bの最大幅W1、すなわちサイプ部3211および面取部3212の総幅の最大値が、サイプ部3211の最大幅W11に対して2.00≦W1/W11≦6.00の範囲にある。また、図5において、面取サイプ321A、321Bの最大深さH1が、周方向主溝21の最大溝深さHgに対して0.40≦H1/Hg≦0.80の範囲にある。なお、面取サイプ321A、321Bの最大深さH1は、サイプ部3211の最大深さH11に等しい。
面取サイプ321A、321Bの幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態としたときのトレッド踏面にて、サイプ部3211の長手方向に対して垂直な方向における面取サイプ321A、321Bの開口幅として測定される。
例えば、図4および図8の構成では、面取サイプ321A、321Bが、いわゆる片側面取構造を有し、サイプ部3211の一方のエッジ部にのみ面取部3212を有している。また、面取サイプ321Aの面取部3212が、サイプ部3211の左右のエッジ部のうち後述する貫通細溝322A、322B側のエッジ部に形成されている。これにより、センター陸部32の接地特性が高まる。しかし、これに限らず、面取部3212が、サイプ部3211の左右のエッジ部のそれぞれに形成されても良い(図示省略)。
また、図4および図8の構成では、面取サイプ321A、321Bが直線形状を有している。しかし、これに限らず、面取サイプ321A、321Bが、例えば緩やかな円弧形状あるいはS字形状を有しても良い(図示省略)。また、図4および図8の構成では、面取部3212がサイプ部3211の長手方向の全域に渡って形成されている。しかし、これに限らず、面取部3212がサイプ部3211の長手方向の一部、より具体的には60[%]以上の部分、好ましくは80[%]以上の部分に形成されていれば足りる。このとき、図4および図8に示すように、面取部3212がセンター陸部32のエッジ部に開口することを要する。これにより、面取部3212による排水性の向上作用が確保される。
また、図4および図8において、タイヤ周方向に対する面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の傾斜角θ1が、30[deg]≦θ1≦60[deg]の範囲にあり、好ましくは35[deg]≦θ1≦55[deg]の範囲にあり、より好ましくは40[deg]≦θ1≦50[deg]の範囲にある。また、タイヤ周方向に隣り合う面取サイプ321A、321Bの傾斜角θ1、θ1の差が、-5[deg]以上5[deg]以下の範囲にある。したがって、タイヤ周方向に隣り合う面取サイプ321A、321Bが略平行かつ千鳥状に配置される。
面取サイプ321A、321Bの傾斜角θ1は、面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の両端を通る仮想直線とタイヤ周方向とのなす角度として測定される。
また、図4および図8において、タイヤ幅方向における面取サイプ321A、321Bサイプ部3211の延在距離D11が、センター陸部32の最大接地幅Wbに対して0.40≦D11/Wb≦0.90の範囲にあり、好ましくは0.60≦D11/Wb≦0.80の範囲にある。
サイプ部3211の延在距離D11は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、センター陸部32のエッジ部からサイプ部3211の終端部までのタイヤ幅方向の距離として測定される。
また、図3において、タイヤ周方向に隣り合う面取サイプ321A、321Bの周方向距離P2’が、第一面取サイプ321Aのピッチ長P2に対して0.35≦P2’/P2≦0.65の範囲あり、好ましくは0.40≦P2’/P2≦0.60の範囲ある。したがって、第一面取サイプ321Aおよび第二面取サイプ321Bがタイヤ周方向に略等間隔で配列される。
面取サイプ321A、321Bの周方向距離P2’は、面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の両端を通る仮想直線をそれぞれ作図し、これらの仮想線とセンター陸部32の中心線(図4参照)との交点のタイヤ周方向の距離として測定される。
貫通細溝322A、322Bは、図3に示すように、V字形状ないしはL字形状を有し、センター陸部32をタイヤ幅方向に貫通する。また、貫通細溝322A、322Bが、V字形状の頂部T1(図4参照)をタイヤ周方向に向けて配置される。具体的には、V字形状を構成する二辺がタイヤ周方向に対して相互に逆方向に傾斜することにより、V字形状の頂部T1がタイヤ周方向の一方向に突出する。また、第一溝ユニットUAの第一貫通細溝322Aが、タイヤ周方向の一方(図中下方)に凸となるV字形状を有し、第二溝ユニットUBの第二貫通細溝322Bがタイヤ周方向の他方(図中上方)に凸となるV字形状を有する。また、第一および第二の溝ユニットUA、UBがタイヤ周方向に交互に配列されることにより、第一および第二の貫通細溝322A、322BがV字形状の凸方向を交互に反転させて配列される。
また、図3に示すように、貫通細溝322A;322Bが、V字形状の一方の辺を近傍の面取サイプ321A;321Bに対向させて配置される。また、第一溝ユニットUAの第一貫通細溝322AがV字形状の凸側を第一面取サイプ321Aに対向させて配置され、第二溝ユニットUBの第二貫通細溝322BがV字形状の凹側を第二面取サイプ321Bに対向させて配置される。また、第一および第二の溝ユニットUA、UBがタイヤ周方向に交互に配列されることにより、V字形状の凸側を第一面取サイプ321Aに対向させた第一貫通細溝322Aと、V字形状の凹側を第二面取サイプ321Bに対向させた第二貫通細溝322Bとがタイヤ周方向に交互に配列される。
また、図4および図8において、貫通細溝322A;322BのV字形状の前記一方の辺(すなわち面取サイプ321A、321Bに対向する辺)の傾斜角θ2が、面取サイプ321A;321Bの傾斜角θ1に対して-10[deg]≦θ1-θ2≦10[deg]の関係を有し、好ましくは-5[deg]≦θ1-θ2≦5[deg]の関係を有する。したがって、貫通細溝322A;322BのV字形状の前記一方の辺が、面取サイプ321A;321Bに対して略平行に配置される。
V字形状の前記一方の辺の傾斜角θ2は、前記一方の辺の溝中心線とセンター陸部32のエッジ部およびV字形状の頂部T1との交点を通る仮想直線とタイヤ周方向とのなす角度として測定される。
上記の構成では、(1)貫通細溝322A、322Bが面取サイプ321A、321Bに対向して配置されるので、タイヤ接地時にて貫通細溝322A、322Bが積極的に閉塞することにより、面取サイプ321A、321Bへの接地圧が分散される。すると、面取サイプのみを備える構成(図示省略)と比較して、面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れが抑制されて面取部3212の排水作用が確保される。これにより、タイヤのウェット性能が確保される。さらに、(2)貫通細溝322A、322BのV字形状の一方の辺(特に図4および図8におけるサイプ部3221)が面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211に対して略平行(-10[deg]≦θ1-θ2≦10[deg])に配置されるので、両者が平行でない構成(図示省略)と比較して、面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れが効果的に抑制される。これにより、タイヤのウェット性能が効果的に向上する。また、(3)面取サイプ321A、321Bがセンター陸部32、33内で終端するセミクローズド構造を有するので、陸部を貫通するオープン構造の面取サイプを備える構成(図示省略)と比較して、センター陸部32、33の剛性が確保されて、ドライ路面でのタイヤの操縦安定性能が向上する。また、(4)貫通細溝322A、322BがV字形状を有するので、直線形状の貫通細溝を備える構成(図示省略)と比較して、センター陸部32、33の剛性が確保される。これらにより、タイヤ接地時におけるセンター陸部32、33の変形が抑制されて、ドライ路面でのタイヤの操縦安定性能が向上する。上記(1)~(4)により、タイヤのウェット性能とドライ路面での操縦安定性能とが両立する。
また、図4および図8において、貫通細溝322A、322BのV字形状の屈曲角αが、80[deg]≦α≦150[deg]の範囲にあり、好ましくは95[deg]≦α≦105[deg]の範囲にある。
V字形状の屈曲角αは、貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1と左右の開口端部とを接続した2つの仮想直線のなす角度として測定される。
また、貫通細溝322A;322BのV字形状の前記一方の辺から面取サイプ321A;321Bのサイプ部3211までの距離Daが、面取サイプ321A;321Bのサイプ部3211の最大幅W11(図4および図8参照)に対して0.20≦Da/W11≦30の範囲にあり、好ましくは3.0≦Da/W11≦20の範囲にある。また、距離Daが、センター陸部32の最大接地幅Wbに対して0.05≦Da/Wb≦1.00の範囲にあり、好ましくは0.15≦Da/Wb≦0.50の範囲にある。距離Daが、4.0[mm]≦Da≦15.0[mm]の範囲にあることが好ましい。また、面取サイプ321A;321Bのサイプ部3211の長手方向の60[%]以上の部分が上記した距離Daの条件を満たすことを要する。
距離Daは、面取サイプ321A;321Bのサイプ部3211の溝中心線から貫通細溝322A;322BのV字形状の前記一方の辺の溝中心線までの距離として測定される。
また、図3に示すように、単一の貫通細溝322A;322Bが、タイヤ周方向に隣り合う一対の面取サイプ321A、321Bの間に配置される。ここで、一対の面取サイプ321A、321Bのうち貫通細溝322A;322Bに対して近い位置に配置された近接面取サイプ321A;321Bと、貫通細溝322A;322Bに対して遠い位置に配置された遠隔面取サイプ321B;321Aとを定義する。図3の構成では、第一溝ユニットUAの第一貫通細溝322Aが第一溝ユニットUAの第一面取サイプ321Aに対する近接面取サイプとして定義され、第二溝ユニットUBの第二貫通細溝322Bが遠隔サイプとして定義される。同様に、第二溝ユニットUBの第二貫通細溝322Bが第二溝ユニットUBの第二面取サイプ321Bに対する近接面取サイプとして定義され、第一溝ユニットUAの第一貫通細溝322Aが遠隔サイプとして定義される。
このとき、遠隔面取サイプ321B;321Aのサイプ部3211(図4および図8参照)の中心線から貫通細溝322A;322Bの中心線までの距離Dbの最大値Db_maxが、近接面取サイプ321A;321Bのサイプ部3211の中心線から貫通細溝322A;322Bの中心線までの距離Daの最大値Da_maxに対して1.50≦Db_max/Da_max≦12.0の範囲にあり、好ましくは2.00≦Db_max/Da_max≦6.00の範囲にある。かかる構成では、貫通細溝322A;322Bが隣り合う一対の面取サイプ321A、321Bの間で偏って配置されることにより、近接面取サイプ321A;321Bの面取部3212の潰れが効果的に抑制されてタイヤのウェット性能が向上し、同時に、貫通細溝322A;322Bから遠隔面取サイプ321B;321Aまでの接地領域が確保されてタイヤのドライ操縦安定性能が向上する。
例えば、図3の構成では、上記のように、第一および第二の溝ユニットUA、UBがタイヤ周方向に交互に配列され、また、第一および第二の貫通細溝322A、322BがV字形状の凸方向を交互に反転させて配列されている。また、第一溝ユニットUAが第一面取サイプ321Aを第一貫通細溝322AのV字形状の凸側に有し、第二溝ユニットUBが第二面取サイプ321Bを第二貫通細溝322BのV字形状の凹側に有することにより、面取サイプ321A、321Bと貫通細溝322A、322Bとがタイヤ周方向に交互に配列されている。また、第一および第二の溝ユニットUA、UBがタイヤ周方向に所定間隔で配置されることにより、タイヤ周方向に隣り合う一対の面取サイプ321A、321Bが、1つの貫通細溝322A;322Bに対して相互に異なる距離Da、Dbに配置されている。
また、図4および図8に示すように、V字形状の頂部T1が、センター陸部32の中心線に対してタイヤ幅方向にオフセットして配置される。また、センター陸部32の中心線から貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1までの距離Dtが、センター陸部32の最大接地幅Wbに対して0.10≦Dt/Wb≦0.40の範囲にあり、好ましくは0.25≦Dt/Wb≦0.75の範囲にある。かかる構成では、貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1が面取サイプ321A;321Bの本体に対してタイヤ幅方向の反対側の領域に配置されるので、面取サイプ321A、321Bに対向するV字形状の上記一方の辺の延在長さを拡張できる。これにより、面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れを効果的に抑制できる。
また、図4および図8の構成では、貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1と周方向主溝21に対する面取サイプ321A、321Bの開口端部とが、センター陸部32の中心線を境界とする相互に異なる領域に配置される。したがって、貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1が、面取サイプ321A、321Bに対してタイヤ幅方向の反対側の領域に配置される。また、図4および図8の構成では、貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1が、センター陸部32内での面取サイプ321A、321Bの終端部に対してタイヤ幅方向にオフセットして配置される。これにより、センター陸部32の剛性がタイヤ幅方向に均一化されている。
例えば、図3の構成では、第一溝ユニットUAの第一貫通細溝322Aと第二溝ユニットUBの第二貫通細溝322Bとが、長辺および短辺を接続して成るV字形状を有し、また、相互に点対称な構造を有している。また、上記のように、第一および第二の溝ユニットUA、UBがタイヤ周方向に交互に配列されている。このため、隣り合う貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1が、タイヤ幅方向で相互に逆方向に偏在している。
また、図3の構成では、図4および図6~図8に示すように、貫通細溝322A、322Bが、サイプ部3221および浅底部3222を有する。
サイプ部3221は、トレッド踏面に形成された切り込みであり、0.5[mm]以上1.5[mm]以下の最大幅W21(図4および図8参照)および2.0[mm]以上かつ周方向主溝21の最大溝深さHg以下の最大深さH21(図6参照)を有することにより、タイヤ接地時に閉塞する。また、図6に示すように、サイプ部3221の最大深さH21が、周方向主溝21の最大溝深さHgよりも浅い。また、図7において、貫通細溝322A、322Bのサイプ部3221の最大深さH21が、面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の最大深さH11に対して-5.0[mm]≦H21-H11≦5.0[mm]の関係を有する。また、貫通細溝322A、322Bのサイプ部3221の最大深さH21が、面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の最大深さH11に対して0.10≦(H21/H11)≦10.0の関係を有することが好ましい。上記下限により、貫通細溝322A、322Bによる面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れの抑制作用が確保され、上記上限により、貫通細溝322A、322Bの最大深さH21が過大となることに起因するセンター陸部32の剛性の低下が抑制される。
図4および図8の構成では、サイプ部3221がトレッド踏面への開口部に面取部を備えていない。かかる構成では、タイヤ接地時に噛み合うサイプ部3221の壁面の面積が大きいので、タイヤ接地時におけるセンター陸部32の剛性が適正に確保される。一方で、サイプ部3221がトレッド踏面への開口部に1.0[mm]未満の最大幅および最大深さを有する微小なエッジ加工部を有しても良い(図示省略)。かかる構成としても、タイヤ接地時におけるサイプ部3221の噛み合いが適正に確保される。
また、図4および図8に示すように、貫通細溝322A、322Bのサイプ部3221が、面取サイプ321A、321Bに対向して配置される。また、貫通細溝322A、322Bのサイプ部3221と面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211とが、略平行に延在してセンター陸部32のエッジ部に開口する。
また、図4および図8に示すように、タイヤ幅方向における貫通細溝322A、322Bのサイプ部3221の延在距離D21が、面取サイプ321A、321Bの延在距離D11に対して0.60≦D21/D11≦1.50の範囲にあり、好ましくは0.80≦D21/D11≦1.20の範囲にある。
浅底部3222は、0.5[mm]以上1.5[mm]以下の最大幅W22(図4および図8参照)および0.2[mm]以上2.0[mm]未満の最大深さH22(図6参照)を有する。また、図6に示すように、浅底部3222の最大深さH22が、周方向主溝21の最大溝深さHgおよびサイプ部3221の最大深さH21よりも浅く設定され、具体的には、H22/Hg≦0.20の範囲にあることが好ましい。また、図4および図8において、浅底部3222の最大幅W22が、サイプ部3221の最大幅W21に対して0.80≦W22/W21≦1.50の範囲にある。例えば、図4および図8の構成では、浅底部3222の最大幅W22が、サイプ部3221の最大幅W21よりも広く、1.10≦W22/W21≦1.50の関係を有することにより、浅底部3222の排水作用が高められている。しかし、これに限らず、浅底部3222の最大幅W22がサイプ部3221の最大幅W21に対して同等以下であっても良い(図示省略)。
浅底部3222の深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から浅底部3222の最大深さ位置までの距離として測定される。
また、図4および図8に示すように、貫通細溝322A、322BがV字形状の頂部T1を浅底部3222に有し、したがって、貫通細溝322A、322Bが浅底部3222で屈曲する。
例えば、図4および図8の構成では、貫通細溝322A、322Bが直線形状のサイプ部3221とV字形状の浅底部3222とを接続して成り、サイプ部3221および浅底部3222がセンター陸部32の左右のエッジ部にそれぞれ開口している。また、貫通細溝322A、322Bが直線形状の長辺および短辺を接続して成るV字形状を有し、サイプ部3221がV字形状の長辺の一部を構成し、浅底部3222がV字形状の屈曲部および短辺を構成している。また、例えば、V字形状の長辺が緩やかな円弧形状あるいはS字形状を有しても良い(図示省略)。また、図4および図8の構成では、図6に示すように、サイプ部3221が浅底部3222の端部から延在している。しかし、これに限らず、サイプ部3221が浅底部3222の溝底から延在することにより、サイプ部3221と浅底部3222とがタイヤ幅方向に相互にオーバーラップしても良い(図示省略)。
なお、図4の構成では、上記のように、貫通細溝322A、322Bがサイプ部3221および浅底部3222を接続して成る構造を有している。また、サイプ部3221が上記した所定の最大幅W21、最大深さH21および延在距離D21(図4、図6および図8参照)を有することにより、貫通細溝322A、322Bによる面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れの抑制作用が適正に確保される。特に、サイプ部3221がタイヤ接地時に閉塞するサイプであることにより、タイヤ接地時に開口する溝を有する構成と比較して、センター陸部32の剛性が確保される。また、浅底部3222がサイプ部3221を延長してセンター陸部32のエッジ部に開口することにより、貫通細溝322A、322Bの排水作用が適正に確保される。
しかし、これに限らず、貫通細溝322A、322Bのサイプ部3221が、センター陸部32を貫通しても良い(図示省略)。例えば、図4および図8において、サイプ部3221が浅底部3222の溝底に沿って延在してセンター陸部32を貫通しても良い(図示省略)。また、このとき、浅底部3222が、サイプ部3221を底上げして構成されても良い(図示省略)。また、浅底部3222が省略されて、サイプ部3221が単体でセンター陸部32を貫通しても良い(図示省略)。また、貫通細溝322A、322Bが、上記した最大幅W21および最大深さH21を有することを条件として、タイヤ接地時に閉塞しなくとも良い。
また、図3の構成では、センター陸部32が、1.5[mm]を超える最大幅をもつラグ溝を備えておらず、また、かかるラグ溝によりタイヤ周方向に分断されていない。また、面取サイプ321A、321Bがセンター陸部32を貫通しないセミクローズド構造を有し、貫通細溝322A、322Bがタイヤ接地時に閉塞するサイプ部3221を有することにより、センター陸部32がタイヤ周方向に連続する接地面をもつリブである。これにより、トレッド部センター領域の剛性が確保されて、タイヤの操縦安定性能が確保される。
また、図3の構成では、左右のセンター陸部32、33が、同一構造を有している。具体的に、一方のセンター陸部32の面取サイプ321A;321Bと他方のセンター陸部33の面取サイプ321A;321Bとが、タイヤ周方向に対して同一方向に傾斜している。また、左右のセンター陸部32、33のそれぞれにおいて、第一溝ユニットUAの第一面取サイプ321A、すなわちV字形状を有する第一貫通細溝322Aの凸側に配置された第一面取サイプ321Aが、センター陸部32、33の車幅方向外側のエッジ部に開口している。また、左右のセンター陸部32、33の溝ユニットUA、UBがタイヤ周方向にピッチをずらして配置されることにより、一方のセンター陸部32の面取サイプ321A、321Bが、他方のセンター陸部33の面取サイプ321A、321Bの延長線(図示省略)上に配置されている。このように、左右のセンター陸部32、33が非対称な構造を有している。
しかし、これに限らず、左右のセンター陸部32、33が、タイヤ赤道面CLを中心とする左右線対称なトレッドパターン、タイヤ赤道面CL上に中心点をもつ点対称なトレッドパターン、あるいは、タイヤ回転方向に方向性を有するトレッドパターンを有しても良い(図示省略)。
[ショルダー陸部]
図2において、ショルダー陸部31、34は、複数のラグ溝311、341を備える。図2の構成では、ショルダー陸部31、34がタイヤ接地面内にて点対称な構造を有するため、ここでは、車幅方向外側のショルダー陸部31の構成について説明し、車幅方向内側のショルダー陸部34については、その説明を省略する。
ラグ溝311は、タイヤ幅方向に延在する横溝であり、2.0[mm]以上の最大溝幅および3.0[mm]以上の最大溝深さを有することにより、タイヤ接地時に開口して溝として機能する。また、タイヤ周方向に対するラグ溝311の傾斜角(図中の寸法記号省略)が80[deg]以上100[deg]以下の範囲にあり、また、センター陸部の面取サイプ321A、321Bの傾斜角θ1よりも大きい。これにより、トレッド面全域の剛性分布が適正化される。
また、ラグ溝311が、セミクローズド構造を有し、一方の端部にてタイヤ接地端Tに開口し、他方の端部にてショルダー陸部31の接地面内で終端する。また、複数のラグ溝311がタイヤ周方向に所定間隔で配列される。また、ショルダー陸部31のラグ溝311のピッチ長P1が、センター陸部32の第一面取サイプ321A(すなわちショルダー主溝21側に開口する面取サイプ321A)のピッチ長P2に対して2.0≦P1/P2≦6.0の関係を有し、好ましくは3.5≦P1/P2≦4.5の関係を有する。また、図2の構成では、ショルダー陸部31のラグ溝の総数が、センター陸部32のすべての面取サイプ321A、321Bの総数に対して2倍に設定されている。
また、ショルダー陸部31が、複数のサイプ(図中の寸法記号省略)を備える。具体的には、ショルダー陸部31が、セミクローズド構造を有すると共に隣り合うラグ溝311の間に配置された複数の第一サイプと、ラグ溝311の終端部からタイヤ幅方向に延在してショルダー主溝21に開口する複数の第二サイプとを備える。また、これらのサイプが、ラグ溝311に対して略平行に延在する。
[効果]
以上説明したように、このタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する2本以上の周方向主溝21~23と、周方向主溝21~23に区画されて成る一対のショルダー陸部31、34および1列以上のセンター陸部32、33とを備える(図2参照)。また、センター陸部32、33が、一方の端部にてセンター陸部32、33のエッジ部に開口すると共に他方の端部にてセンター陸部32、33内で終端する複数の面取サイプ321A、321Bと、センター陸部32、33をタイヤ幅方向に貫通する複数の貫通細溝322A、322Bとを備える(図3参照)。また、貫通細溝322A、322Bが、タイヤ周方向に頂部を向けたV字形状を有すると共にV字形状の一方の辺を面取サイプ321A、321Bに対向させて配置される。また、タイヤ周方向に対する面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の傾斜角θ1(図4参照)と貫通細溝322A、322BのV字形状の前記一方の辺の傾斜角θ2とが、-10[deg]≦θ1-θ2≦10[deg]の関係を有する。
かかる構成では、(1)貫通細溝322A、322Bが面取サイプ321A、321Bに対向して配置されるので、タイヤ接地時にて貫通細溝322A、322Bが積極的に閉塞することにより、面取サイプ321A、321Bへの接地圧が分散される。すると、面取サイプのみを備える構成(図示省略)と比較して、面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れが抑制されて面取部3212の排水作用が確保される。これにより、タイヤのウェット性能が確保される。さらに、(2)貫通細溝322A、322BのV字形状の一方の辺(特に図4および図8におけるサイプ部3221)が面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211に対して略平行(-10[deg]≦θ1-θ2≦10[deg])に配置されるので、両者が平行でない構成(図示省略)と比較して、面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れが効果的に抑制される。これにより、タイヤのウェット性能が効果的に向上する。また、(3)面取サイプ321A、321Bがセンター陸部32、33内で終端するセミクローズド構造を有するので、陸部を貫通するオープン構造の面取サイプを備える構成(図示省略)と比較して、センター陸部32、33の剛性が確保されて、ドライ路面でのタイヤの操縦安定性能が向上する。また、(4)貫通細溝322A、322BがV字形状を有するので、直線形状の貫通細溝を備える構成(図示省略)と比較して、センター陸部32、33の剛性が確保される。これらにより、タイヤ接地時におけるセンター陸部32、33の変形が抑制されて、ドライ路面でのタイヤの操縦安定性能が向上する。上記(1)~(4)により、タイヤのウェット性能とドライ路面での操縦安定性能とが両立する利点がある。
また、このタイヤ1では、タイヤ周方向に対する面取サイプ321A、321Bの傾斜角θ1(図4および図8参照)が、30[deg]≦θ1≦60[deg]の範囲にある。上記下限により、面取サイプ321A、321Bの排水作用が適正に確保される利点がある。また、上記上限により、面取サイプがタイヤ周方向に対して略垂直に配置される構成(図示省略)と比較して、面取サイプ321A、321Bの延在長さを効率的に確保できる利点がある。
また、このタイヤ1では、タイヤ幅方向における面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の延在距離D11が、センター陸部32の最大接地幅Wbに対して0.40≦D11/Wb≦0.90の関係を有する(図4および図8参照)。上記下限により、面取サイプ321A、321Bの延在距離D11が適正に確保されて、面取サイプ321A、321Bの排水作用が適正に確保される利点がある。また、上記上限により、延在距離D11が過大となることに起因するセンター陸部32の剛性の低下が抑制される利点がある。
また、このタイヤ1では、面取サイプ321A、321Bが、サイプ部3211の左右のエッジ部のうち対抗する貫通細溝322A、322B側のエッジ部のみに面取部3212を有する(図4および図8参照)。かかる構成では、面取サイプ321A、321Bが片側面取り構造を有すると共に面取部3212がサイプ部3211と近傍の貫通細溝322A、322Bとの間、すなわち隣り合う面取サイプ321A、321Bおよび貫通細溝322A、322Bに区画されたセンター陸部32の踏面の狭い領域に配置されるので、センター陸部32の踏面の広い領域の接地面積が確保されて、ドライ路面でのタイヤの操縦安定性能が向上する利点がある。
また、このタイヤ1では、面取サイプ321A、321Bの最大幅W1および面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の最大幅W11が、2.00≦W1/W11≦6.00および0.5[mm]≦W11≦1.5[mm]の条件を満たす(図4および図8参照)。これにより、面取サイプ321A、321Bの機能が適正に確保される利点がある。
また、このタイヤ1では、貫通細溝322A、322BのV字形状の前記一方の辺から面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211までの距離Daが、面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211の最大幅W11に対して0.20≦Da/W11≦30の範囲にある(図4および図8参照)。記下限により、貫通細溝322A、322Bからサイプ部3211までの距離Daが確保されて、面取サイプ321A、321Bと貫通細溝322A、322Bとの間の領域の偏摩耗が抑制される。また、上記上限により、貫通細溝322A、322Bによる面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れの抑制作用が適正に確保される利点がある。
また、このタイヤ1では、貫通細溝322A、322Bが、0.5[mm]以上1.5[mm]以下の最大幅W2(図4および図8参照)および2.0[mm]以上かつ周方向主溝21の最大溝深さHg以下の最大深さH2(図6参照)を有する。これにより、貫通細溝322A、322Bの機能が適正に確保される利点がある。
また、このタイヤ1では、単一の貫通細溝322A;322Bが、タイヤ周方向に隣り合う一対の面取サイプ321A、321Bの間に配置される(図3参照)。また、一対の面取サイプ321A、321Bのうち貫通細溝322A;322Bに対して近い位置に配置された近接面取サイプ321A;321Bと、貫通細溝322A;322Bに対して遠い位置に配置された遠隔面取サイプ321B;321Aとが定義される。このとき、遠隔面取サイプ321B;321Aのサイプ部3211の中心線から貫通細溝322A、322Bの中心線までの距離Dbの最大値Db_maxが、近接面取サイプ321A;321Bのサイプ部3211の中心線から貫通細溝322A、322Bの中心線までの距離Daの最大値Da_maxに対して1.50≦Db_max/Da_max≦12.0の範囲にある。かかる構成では、貫通細溝322A;322Bが隣り合う一対の面取サイプ321A、321Bの間で偏って配置されることにより、近接面取サイプ321A;321Bの面取部3212の潰れが効果的に抑制されてタイヤのウェット性能が向上し、同時に、貫通細溝322A;322Bから遠隔面取サイプ321B;321Aまでの接地領域が確保されてタイヤのドライ操縦安定性能が向上する利点がある。
また、このタイヤ1では、貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1が、センター陸部32の中心線に対してタイヤ幅方向にオフセットして配置される(図4および図8参照)。また、センター陸部32の中心線を境界とする一方の領域に面取サイプ321A;321Bの開口端部が配置されると共に、他方の領域に貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1が配置される。また、センター陸部32の中心線から貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1までの距離Dtが、センター陸部32の最大接地幅Wbに対して0.10≦Dt/Wb≦0.40の範囲にある。かかる構成では、貫通細溝322A、322BのV字形状の頂部T1が面取サイプ321A;321Bの本体に対してタイヤ幅方向の反対側の領域に配置されるので、面取サイプ321A、321Bに対向するV字形状の上記一方の辺の延在長さを拡張できる。これにより、面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れを効果的に抑制できる利点がある。
また、このタイヤ1では、貫通細溝322A、322Bが、タイヤ接地時に閉塞するサイプ部3221と当該サイプ部3221よりも浅い浅底部3222とを接続して成ると共に、サイプ部3221をV字形状の前記一方の辺に有する(図4および図8参照)。これにより、貫通細溝322A、322Bのサイプ部3221が面取サイプ321A、321Bのサイプ部3211に対向して配置されて、面取サイプ321A、321Bの面取部3212の潰れを効果的に抑制できる利点がある。
また、このタイヤ1は、面取サイプ321A;321Bおよび貫通細溝322A;322Bら成る第一および第二の溝ユニットUA、UBを備える(図3参照)。また、第一溝ユニットUAの面取サイプ321Aが、センター陸部32の一方のエッジ部に開口し、第二溝ユニットUBの面取サイプ321Bが、センター陸部32の他方のエッジ部に開口する。また、第一溝ユニットUAと第二溝ユニットUBとが、タイヤ周方向に交互に配列される。かかる構成では、セミクローズド構造を有する面取サイプ321A、321Bが、タイヤ周方向に千鳥状に配置されてセンター陸部32の左右のエッジ部に交互に開口する。これにより、センター陸部32のエッジ部の剛性が均一化される利点がある。
また、このタイヤ1では、タイヤ周方向に隣り合う貫通細溝322A、322Bが、V字形状の向きを相互に逆方向に向けて配置される(図3参照)。これにより、センター陸部32の剛性が均一化されて、タイヤ接地時にセンター陸部32に作用する外力が分散される利点がある。
[適用対象]
この実施の形態では、上記のように、タイヤの一例として空気入りタイヤについて説明した。しかし、これに限らず、この実施の形態に記載された構成は、他のタイヤに対しても、当業者自明の範囲内にて任意に適用できる。他のタイヤとしては、例えば、エアレスタイヤ、ソリッドタイヤなどが挙げられる。
図9および図10は、この発明の実施の形態にかかるタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)ウェット制動性能および(2)ドライ操縦安定性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ195/60R17の試験タイヤがJATMAの規定リムに組み付けられ、この試験タイヤにJATMAの規定内圧および規定荷重が付与される。また、試験タイヤが、試験車両である乗用車の総輪に装着される。
(1)ウェット制動性能に関する評価は、試験車両が水深1[mm]で散水したアスファルト路を走行し、初速度40[km/h]からの制動距離が測定される。そして、測定結果に基づいて比較例を基準(100)とした指数評価が行われる。評価は、その数値が大きいほど好ましい。
(2)ドライ操縦安定性能に関する評価では、試験車両がテストコースを走行し、専門のテストドライバーがレーンチェンジ性能やコーナリング性能などに関してフィーリング評価を行う。この評価は比較例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
実施例の試験タイヤは、図1および図2の構成を備え、2列のセンター陸部32、33のそれぞれが面取サイプ321A;321Bおよび貫通細溝322A;322Bから成る複数組の溝ユニットUA;UBを備える。また、面取サイプ321A、321Bが直線形状を有し、貫通細溝322A、322Bがタイヤ周方向に頂部を向けたV字形状を有する。また、ショルダー主溝21、23が8.9[mm]の最大溝幅および7.1[mm]の最大溝深さHg(図5参照)を有し、センター主溝22が8.8[mm]の最大溝幅および9.6[mm]の最大溝深さを有する。タイヤ接地幅TWが146[mm]であり、センター陸部32、33の接地幅Wbが23[mm]である。また、実施例1では、貫通細溝322A、322Bが一定の深さをもってセンター陸部32を貫通する貫通サイプ(図示省略)であり、浅底部3222を有していない。一方で、実施例9では、貫通細溝322A、322Bが図4~図8に記載したサイプ部3221および浅底部3222から成る。また、図4における比P2’/P2が0.50であり、距離Da+Dbの平均値が35[mm]である。
比較例の試験タイヤは、実施例1の構成において、面取サイプ321A、321Bおよび貫通細溝322A、322Bがタイヤ幅方向に平行に延在する直線形状を有している(図示省略)。
試験結果が示すように、実施例の試験タイヤでは、タイヤのウェット制動性能およびドライ操縦安定性能が両立することが分かる。
1 タイヤ;11 ビードコア;12 ビードフィラー;13 カーカス層;14 ベルト層;141、142 交差ベルト;143 ベルトカバー;15 トレッドゴム;16 サイドウォールゴム;17 リムクッションゴム;21、22 周方向主溝;31、34 ショルダー陸部;311 ラグ溝;32、33 センター陸部;321A 第一面取サイプ;321B 第二面取サイプ;322A 第一貫通細溝;322B 第二貫通細溝;3211 サイプ部;3212 面取部;3221 サイプ部;3222 浅底部;UA 第一溝ユニット;UB 第二溝ユニット

Claims (12)

  1. タイヤ周方向に延在する2本以上の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る一対のショルダー陸部および1列以上のセンター陸部とを備えるタイヤであって、
    前記センター陸部が、一方の端部にて前記センター陸部のエッジ部に開口すると共に他方の端部にて前記センター陸部内で終端する複数の面取サイプと、前記センター陸部をタイヤ幅方向に貫通する複数の貫通細溝とを備え、
    前記貫通細溝が、タイヤ周方向に頂部を向けたV字形状を有すると共に前記V字形状の一方の辺を前記面取サイプに対向させて配置され、且つ、
    タイヤ周方向に対する前記面取サイプのサイプ部の傾斜角θ1と前記貫通細溝の前記V字形状の前記一方の辺の傾斜角θ2とが、-10[deg]≦θ1-θ2≦10[deg]の関係を有することを特徴とするタイヤ。
  2. タイヤ周方向に対する前記面取サイプの傾斜角θ1が、30[deg]≦θ1≦60[deg]の範囲にある請求項1に記載のタイヤ。
  3. タイヤ幅方向における前記面取サイプのサイプ部の延在距離D11が、前記センター陸部の最大接地幅Wbに対して0.40≦D11/Wb≦0.90の関係を有する請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. 前記面取サイプが、前記サイプ部の左右のエッジ部のうち前記貫通細溝側のエッジ部のみに面取部を有する請求項1~3のいずれか一つに記載のタイヤ。
  5. 前記面取サイプの最大幅W1および前記面取サイプの前記サイプ部の最大幅W11が、2.00≦W1/W11≦6.00および0.5[mm]≦W11≦1.5[mm]の条件を満たす請求項1~4のいずれか1つに記載のタイヤ。
  6. 前記貫通細溝の前記V字形状の前記一方の辺から前記面取サイプのサイプ部までの距離Daが、前記面取サイプのサイプ部の最大幅W11に対して0.20≦Da/W11≦30の範囲にある請求項1~5のいずれか一つに記載のタイヤ。
  7. 前記貫通細溝が、0.5[mm]以上1.5[mm]以下の最大幅および2.0[mm]以上かつ前記周方向主溝の最大溝深さ以下の最大深さを有する請求項1~6のいずれか一つに記載のタイヤ。
  8. 単一の前記貫通細溝が、タイヤ周方向に隣り合う一対の前記面取サイプの間に配置され、
    前記一対の面取サイプのうち前記貫通細溝に対して近い位置に配置された近接面取サイプと、前記貫通細溝に対して遠い位置に配置された遠隔面取サイプとが定義され、且つ、
    前記遠隔面取サイプのサイプ部の中心線から前記貫通細溝の中心線までの距離Dbの最大値Db_maxが、前記近接面取サイプのサイプ部の中心線から前記貫通細溝の中心線までの距離Daの最大値Da_maxに対して1.50≦Db_max/Da_max≦12.0の範囲にある請求項1~7のいずれか一つに記載のタイヤ。
  9. 前記貫通細溝の前記V字形状の前記頂部が、前記センター陸部の中心線に対してタイヤ幅方向にオフセットして配置されることにより、前記センター陸部の中心線を境界とする一方の領域に前記面取サイプの開口端部が配置されると共に他方の領域に前記貫通細溝の前記V字形状の前記頂部が配置され、且つ、
    前記センター陸部の中心線から前記貫通細溝の前記V字形状の前記頂部までの距離Dtが、前記センター陸部の最大接地幅Wbに対して0.10≦Dt/Wb≦0.40の範囲にある請求項1~8のいずれか一つに記載のタイヤ。
  10. 前記貫通細溝が、タイヤ接地時に閉塞するサイプ部と前記サイプ部よりも浅い浅底部とを接続して成ると共に、前記サイプ部を前記V字形状の前記一方の辺に有する請求項1~9のいずれか一つに記載のタイヤ。
  11. 前記面取サイプおよび前記貫通細溝から成る第一および第二の溝ユニットを備え、
    前記第一溝ユニットの前記面取サイプが、前記センター陸部の一方のエッジ部に開口し、
    前記第二溝ユニットの前記面取サイプが、前記センター陸部の他方のエッジ部に開口し、且つ、
    前記第一溝ユニットと前記第二溝ユニットとが、タイヤ周方向に交互に配列される請求項1~10のいずれか一つに記載のタイヤ。
  12. タイヤ周方向に隣り合う前記貫通細溝が、前記V字形状の向きを相互に逆方向に向けて配置される請求項1~11のいずれかに記載のタイヤ。
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