JP2022054181A - 熱媒体加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱媒体加熱装置において、内部における保水能力を高めることで急激な温度上昇を抑制する。【解決手段】熱媒体加熱装置10において、熱交換部16とハウジング12との間には、第1及び第2流路WC1、WC2とそれぞれ隣接し熱媒体の貯留される第1及び第2貯留室95、113と、前記ハウジング12から前記熱交換部16まで延在して前記第1及び第2流路WC1、WC2と前記第1及び第2貯留室95、113とをそれぞれ隔てる第1~第4隔壁50、54、90、108とを備えている。そして、熱交換部収容箱24の第1箱本体30に形成された第1隔壁50と熱交換部16の第3隔壁90との間、前記熱交換部収容箱24の第1カバー部材32に形成された第2隔壁54と前記熱交換部16の第4隔壁108との間には、それぞれ熱媒体の流通可能な隙間CL1~CL4を有したラビリンス構造を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、熱交換部の内部を流通する熱媒体を発熱体によって加熱して供給するための熱媒体加熱装置に関する。
従来から、車両に搭載される車両用空調装置では、内燃機関を循環する冷却水を加熱用熱交換部へと取り込むことで空気を加熱して暖房運転に利用することが行われている。しかしながら、近年、自動車の動力が高効率化されることによる内燃機関から発生する熱量の減少や、完全な電動化によって内燃機関自体が不要となることにより、車両用空調装置の暖房に利用可能な熱量が不足している。
そこで、上記の課題を解決するために、例えば、特許文献1に開示されるような冷却水を加熱可能な熱媒体加熱装置が知られている。
この熱媒体加熱装置は、通電作用下に発熱するPTCヒータと、該PTCヒータの一面側に密着し内部に第1熱媒体流通路を有した第1熱媒体流通ボックスと、前記PTCヒータの他面側に密着し内部に第2熱媒体流通路を有した第2熱媒体流通ボックスとを備え、前記第1熱媒体流通ボックスと前記第2熱媒体流通ボックスとが上下に接続されている。そして、第1熱媒体流通ボックスに設けられたインレット部から内部へと熱媒体が供給され、第1及び第2熱媒体流通路の上流側から下流側へと流れることで、PTCヒータからの熱によって加熱された後、第1熱媒体流通ボックスに設けられたアウトレット部から外部へと導出される。
特開2017-218117号公報
上述したような熱媒体加熱装置では、例えば、何らかの不具合によって第1及び第2熱媒体流通路内の熱媒体が外部へと流出してしまったり、前記熱媒体を前記熱媒体加熱装置へ循環するための循環ポンプが停止してしまい熱媒体の供給が停止した場合、PTCヒータが加熱し続けることで所定量の熱媒体を内部に保有していないために急激に温度が上昇してしまうこととなる。このような場合には、熱媒体加熱装置を含むシステムにおいて急激な温度上昇を検知することで運転を緊急停止して熱に起因した損傷を防ぐように制御が行われる。
しかしながら、熱媒体の不足に起因して急激に温度が上昇した場合には、その温度上昇を検知してから熱媒体加熱装置を停止するまでの間、継続的に加熱されて損傷してしまうことが懸念される。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、内部における保水能力を高めることで急激な温度上昇を抑制することが可能な熱媒体加熱装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の態様は、通電作用下に加熱する発熱体と、発熱体が内部に設けられる熱交換部と、熱交換部を内部に収容し熱交換部との間に熱媒体が流通する流路を有したハウジングとを備える熱媒体加熱装置において、
熱交換部とハウジングとの間に設けられ流路と隣接して熱媒体の貯留される貯留室と、
ハウジングから熱交換部まで延在して流路と貯留室とを隔てる隔壁と、
を備え、
隔壁は、熱交換部に形成されハウジング側へと延在した第1壁部と、ハウジングに形成され熱交換部側へと延在して第1壁部に接続される第2壁部とを有し、第1壁部の端部と第2壁部の端部との間には、熱媒体が流通可能な隙間を有したラビリンス構造を備えている。
本発明によれば、熱媒体加熱装置を構成するハウジングと熱交換部との間に熱媒体の貯留される貯留室を備え、この貯留室は、熱媒体の流通する流路に隣接し、ハウジングから熱交換部まで延在する隔壁によって隔てられており、隔壁が、熱交換部に形成されハウジング側へと延在した第1壁部と、ハウジングに形成され熱交換部側へと延在して第1壁部に接続される第2壁部からなり、第1壁部の端部と第2壁部の端部との間が、熱媒体の流通可能な隙間を有したラビリンス構造となっている。
従って、熱媒体加熱装置の運転時において、流路を流れる熱媒体の一部を、第1及び第2壁部の間に設けられた隙間を通じて貯留室側へと流入させ貯留室に所定量貯えておくことで、例えば、何らかの原因で、流路における熱媒体の流量(保水量)が減少し、所定の流量で熱媒体が流通している想定で発熱体が加熱し続けている場合であっても、流量の減少を検知して熱媒体加熱装置の運転を停止するまでの間、貯留室に貯えられた熱媒体によって発熱体の加熱に起因した急激な温度上昇を抑制することができる。
その結果、熱媒体を貯留可能な貯留室を備えていない従来の熱媒体加熱装置と比較し、貯留室に熱媒体を貯留して保水能力を高めておくことで、熱媒体加熱装置の運転が停止されるまでの間の急激な温度上昇を好適に抑制し、所定温度に到達するまでの時間を遅らせることができるため、温度上昇に起因した熱媒体加熱装置の損傷を抑制することが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、熱媒体加熱装置を構成するハウジングと熱交換部との間に、流路を流れる熱媒体の一部を貯留可能な貯留室を備え、貯留室と流路とを隔てる隔壁を、熱媒体の流通可能な隙間を有したラビリンス構造とすることで、熱媒体加熱装置の運転時において、流路を流れる熱媒体の一部を、第1及び第2壁部の間に設けられた隙間を通じて貯留室側へと流入させ貯留室に所定量貯えておくことができる。そのため、例えば、何らかの原因で、流路における熱媒体の流量が減少し、所定の流量で熱媒体が流通している想定で発熱体が加熱し続けた場合でも、流量の減少を検知して熱媒体加熱装置の運転を停止するまでの間、発熱体の加熱に起因した急激な温度上昇を貯留室に貯えられた熱媒体によって抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る熱媒体加熱装置の外観斜視図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 図2における第1及び第2貯留室近傍を示す拡大断面図である。 図2のIV-IV線に沿った断面図である。 図4における熱交換部収容箱の拡大断面図である。 図2のVI-VI線に沿った断面図である。
本発明に係る熱媒体加熱装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
この熱媒体加熱装置10は、図1~図3に示されるように、上下方向(矢印A1、A2方向)に分割可能なハウジング12と、該ハウジング12の内部に収容される制御基板14と、該制御基板14に隣接するように配置される熱交換部16と、該熱交換部16の内部に配置される発熱体18とを含む。なお、図1においてハウジング12における導入部20及び導出部22の延在方向を、熱媒体加熱装置10の前後方向(矢印B1、B2方向)とし、該前後方向と直交する該導入部20及び導出部22の離間方向を前記熱媒体加熱装置10の幅方向(矢印C1、C2方向)として以下説明する。また、熱媒体の一例として冷却水が用いられる場合について説明する。
ハウジング12は、図1~図6に示されるように、下部に設けられ導入部20及び導出部22を有した熱交換部収容箱24と、該熱交換部収容箱24の上部に積層され制御基板14の収容される基板収容箱26とを含む。
熱交換部収容箱24は、例えば、樹脂製材料から形成され、下部に第1底壁28を有し上方(矢印A1方向)が開口した第1箱本体30と、該第1箱本体30の上部を塞ぐ第1カバー部材32とを備え、上方から見て前記第1箱本体30及び前記第1カバー部材32が略同一形状となる略矩形状に形成されている。
そして、熱交換部収容箱24には、第1箱本体30の前方側(矢印B1方向)となる側壁34aに、管状に形成された導入部20及び導出部22が設けられる。なお、第1箱本体30は、その前方側となる側壁34a、幅方向一方側(矢印C1方向)となる側壁34b、後方側(矢印B2方向)となる側壁34c、幅方向他方側(矢印C2方向)となる側壁34dとが四方で互いに接合され構成されている。
導入部20及び導出部22は、第1箱本体30の幅方向(矢印C1、C2方向)に離間して側壁34aの幅方向両端近傍にそれぞれ形成されると共に、前記側壁34aに対して略直交するようにそれぞれ前方側(矢印B1方向)へと所定長さだけ突出している。そして、導入部20及び導出部22は、開口した先端部に図示しないチューブ等の配管がそれぞれ接続されると共に、側壁34aに接続された基端が、内部に延在する管孔36を通じて前記熱交換部収容箱24の内部とそれぞれ連通している。
また、第1箱本体30における各側壁34a~34dには、外側へと突出した複数の第1取付ボス38が設けられる。この第1取付ボス38は、側壁34a~34dの延在方向に沿って互いに所定間隔離間するように設けられ、その中央には締結ボルト40の螺合されるねじ孔42(図6参照)が上下方向(矢印A1、A2方向)に貫通するように形成される。
さらに、第1箱本体30の第1底壁28には、図2~図4に示されるように、導入部20に臨む幅方向一方側(矢印C1方向)と導出部22に臨む幅方向他方側(矢印C2方向)とを結び、前記導入部20と前記導出部22との間に熱媒体が流通する第1流路WC1の一部となる第1流路構成部44を備える。
第1流路構成部44は、第1底壁28に対して上方(矢印A1方向)へ膨出した複数の膨出部46と、隣接する2つの膨出部46の間に形成される複数の溝部48と、最も外側となる膨出部46に沿って形成され該膨出部46と各側壁34b、34c、34dとの間に形成される第1隔壁(第2壁部、凸部)50とを備える。なお、ここでは、互いに平行な4本の膨出部46と、該膨出部46の間に3本の溝部48を備える場合について説明する。
膨出部46は、例えば、その延在方向から見て第1底壁28から上方(図2中、矢印A1方向)へ向けて断面円弧状で所定高さで膨出し、前記延在方向と直交する方向に互いに等間隔離間して略平行に形成される。
溝部48は、その延在方向から見て第1底壁28と隣接する2つの膨出部46に囲まれた凹状に形成され、該膨出部46の頂部に対して下方(矢印A2方向)に所定深さとなるように形成されている。すなわち、複数の膨出部46及び溝部48は、その延在方向と直交する方向で交互となるように配置される。
図4に示されるように、第1流路構成部44は、導入部20に臨む幅方向一方側(矢印C1方向)に設けられる上流部位S1と、幅方向中央に設けられ該上流部位S1の下流側に接続される中流部位S2と、導出部22に臨む幅方向他方側(矢印C2方向)に設けられ該中流部位S2の下流側に接続される下流部位S3とから構成される。
この上流部位S1は、複数の膨出部46及び溝部48が、側壁34aに臨む位置から後方(矢印B2方向)へ向けて一直線状に延在して後方側の側壁34c近傍で幅方向他方側(矢印C2方向)へと緩やかに屈曲して該幅方向に沿って直線状に延在して再び前方側(矢印B1方向)へと緩やかに屈曲して該前方側へ向けて直線状に延在している。
中流部位S2は、上流部位S1の下流側に接続され、複数の膨出部46及び溝部48が、幅方向他方側(矢印C2方向)へ向けて再び緩やかに屈曲した後に幅方向へ所定長さだけ直線状に延在し、幅方向他方側(矢印C2方向)において後方側(矢印B2方向)へと緩やかに屈曲して該後方側へ向けて直線状に延在する。
下流部位S3は、中流部位S2の下流側に接続され、複数の膨出部46及び溝部48が、後方側(矢印B2方向)の側壁34c近傍で幅方向他方側(矢印C2方向)へと緩やかに屈曲して幅方向へ所定長さだけ直線状に延在した後に、再び前方側(矢印B1方向)へ向けて緩やかに屈曲して側壁34aに臨む位置まで該前方側へと直線状に延在している。
すなわち、複数の膨出部46及び溝部48は、図4に示される熱交換部収容箱24の上方から見て、上流部位S1及び下流部位S3が導入部20及び導出部22を有した前方側の側壁34aから後方側(矢印B2方向)へ向けて凹状となる断面略U字状にそれぞれ形成され、一方、幅方向中央部において中流部位S2が、前記後方側の側壁34cから前方側(矢印B1方向)へ向けて凹状となる断面略U字状に形成され、前記導入部20側となる上流部位S1と前記導出部22側となる下流部位S3とが中央に設けられた中流部位S2を介して互いに接続された断面略W字状に形成される。
第1隔壁50は、図2、図3及び図4に示されるように、第1底壁28に対して上方(矢印A1方向)へと所定高さだけ突出し、上流部位S1及び下流部位S3の外側に沿い、且つ、幅方向両側となる側壁34b、34d、後方側の側壁34cに臨むように形成されると共に、中流部位S2の外側に沿って前方側の側壁34aに臨むように形成される。また、第1隔壁50は、最も上方となる先端が徐々に先細状となるようにテーパ状に形成され、同一の断面形状で延在すると共に、後述する熱交換部16の第1ウォータジャケット80の第3隔壁90に臨み、且つ、その挿入溝92へ挿入可能な厚さ寸法で形成される。すなわち、第1隔壁50の先端は、上方に向かって突出した凸状に形成される。
このように、第1流路構成部44は、図4に示されるように、第1箱本体30を上方から見て、複数の膨出部46及び溝部48が複数回折り返すように屈曲して形成され、その外側に沿うように第1隔壁50が形成される。この複数の膨出部46、溝部48及び第1隔壁50は、熱交換部収容箱24の幅方向中央に対して幅方向一方側(矢印C1方向)と幅方向他方側(矢印C2方向)とがそれぞれ対称形状となるように形成されている。
第1カバー部材32は、図1~図3に示されるように、熱交換部収容箱24と同様に樹脂製材料から形成され、ハウジング12の上方から見て、前記熱交換部収容箱24と略同一断面形状となるプレート状に形成され、その外縁部には、熱交換部収容箱24の第1取付ボス38と対応した複数の第1フランジ52が形成される。
そして、第1フランジ52は、第1カバー部材32の上面に対して若干だけ上方(矢印A1方向)へと突出するように形成され、後述する基板収容箱26の第2取付ボス66の下端が当接すると共に、該第1フランジ52の中央には締結ボルト40の挿通される孔部(図示せず)が貫通している。
また、第1カバー部材32には、図2、図3及び図6に示されるように、熱交換部収容箱24に臨む下面に第2隔壁(第2壁部、凸部)54を備える。第2隔壁54は、第1カバー部材32の下面に対して下方(矢印A2方向)に所定高さだけ突出して形成され、最も下方となる先端が徐々に先細状となるようにテーパ状で形成されると共に、同一の断面形状で延在している。さらに、第2隔壁54は、後述する熱交換部16における第2ウォータジャケット82の第4隔壁108に臨み、且つ、その挿入溝110へ挿入可能な厚さ寸法で形成される。
そして、第1カバー部材32は、上述したように第1箱本体30における側壁34a~34dの上端部を覆うように装着されることで、開口した前記上端部が塞がれて内部に空間を有した箱状の熱交換部収容箱24を構成している。また、第1カバー部材32は、その外縁部下面に装着されたシール部材58aが第1箱本体30における側壁34a~34dの上端部に当接することで、熱交換部収容箱24の内部が密閉され熱媒体の外部への流出が防止される。
基板収容箱26は、図1~図3に示されるように、例えば、アルミニウム合金等の金属製材料から形成され、下部に第2底壁56を有し上方(矢印A1方向)が開口した第2箱本体60と、該第2箱本体60の上部を塞ぐ第2カバー部材62とを備え、上方から見て前記第2箱本体60と前記第2カバー部材62とが略同一形状となる略矩形状に形成されると共に、熱交換部収容箱24に対応した略同一断面形状で形成されている。
また、第2箱本体60において四方に配置される各側壁64には、外側へと突出した複数の第2取付ボス66が設けられ、該第2取付ボス66は、熱交換部収容箱24の第1取付ボス38に対応するように側壁64に沿って互いに所定間隔離間するように設けられ、後述する締結ボルト40の挿通される孔部(図示せず)が上下方向に貫通するように形成される。
第2取付ボス66は、基板収容箱26と略同一高さで形成され、該基板収容箱26の下面に対して若干だけ下方(矢印A2方向)へと突出するように形成され、第1カバー部材32の第1フランジ52に対して当接することで、図2及び図3に示されるように、基板収容箱26の下面(面)と第1カバー部材32の上面との間に、上下方向(矢印A1、A2方向)に所定間隔を有したクリアランスが設けられる。換言すれば、第1カバー部材32を含む熱交換部収容箱24と基板収容箱26の一部とが上下方向(矢印A1、A2方向)に非接触となるように積層され連結されている。
さらに、図2及び図3に示されるように、第2箱本体60の第2底壁56には、上方(矢印A1方向)へと突出して制御基板14を固定するための固定ボス68が形成されると共に、熱交換部収容箱24側(矢印A2方向)となる第2底壁56の下面には、下方(矢印A2方向)へ向かって突出した複数の放熱フィン70が設けられる。
制御基板14は板状に形成され、固定ボス68の上端に載置された状態で図示しないボルトで固定されることで、基板収容箱26の内部で第2底壁56に対して上方へと所定距離だけ離間して略平行に保持される。そして、制御基板14は、図示しないリード線を介して後述する信号用コネクタ76及び電源用コネクタ78と電気的に接続されている。
放熱フィン70は、第2底壁56の前後方向略中央に設けられ、一定厚さで幅方向(矢印C1、C2方向)に沿って延在すると共に、前記前後方向(矢印B1、B2方向)に互いに等間隔離間して設けられる。また、複数の放熱フィン70は、第2底壁56を間にして基板収容箱26の内部に収容される制御基板14に臨む位置に設けられている。
さらに、放熱フィン70は、第1カバー部材32に臨む下端が該第1カバー部材32に対して上方(矢印A1方向)へと所定距離となるクリアランスだけ離れ、第1カバー部材32に対して非接触に設けられている。
第2カバー部材62は、図1及び図2に示されるように、例えば、基板収容箱26と同様に金属製材料から形成され、ハウジング12の上方から見て、前記基板収容箱26と略同一断面形状となるプレート状に形成されると共に、その外縁部には、第2箱本体60の第2取付ボス66と対応した複数の第2フランジ72が形成される。そして、第2フランジ72の中央には締結ボルト40の挿通される孔部(図示せず)が貫通している。
また、第2カバー部材62の上部には、幅方向他方側(矢印C2方向)となる位置に上方(矢印A1方向)へと膨出したコネクタ接続部74が設けられ、このコネクタ接続部74には、制御基板14に接続され出力信号の取り出される信号用コネクタ76と、熱交換部16における発熱体18に給電するための電源用コネクタ78がそれぞれ貫通するように装着されている。
そして、第2箱本体60における側壁64の上端部を覆うように第2カバー部材62が装着されることで、開口した前記上端部が塞がれ内部に空間を有した箱状の基板収容箱26が構成される。また、上下方向に一直線状に配置された第2フランジ72、第2取付ボス66、第1フランジ52の孔部(図示せず)に締結ボルト40を上方からそれぞれ順に挿通させ、熱交換部収容箱24の第1取付ボス38のねじ孔42へと螺合することで、基板収容箱26と熱交換部収容箱24とが上下方向(矢印A1、A2方向)に積層された状態で共締めされ連結される。さらに、第2箱本体60の上端部に設けられた環状のシール部材58bが第2カバー部材62に当接することで基板収容箱26の内部が密閉される。
熱交換部16は、図2~図6に示されるように、熱交換部収容箱24の内部に収容され、略平行に配置された一組の第1及び第2ウォータジャケット80、82と、前記第1ウォータジャケット80と前記第2ウォータジャケット82との間に配置される発熱体18とを含み、前記第1及び第2ウォータジャケット80、82、前記発熱体18が、ハウジング12の積層方向、すなわち上下方向(矢印A1、A2方向)に積層される。
第1ウォータジャケット80は、例えば、アルミニウム合金等の金属製材料から形成され、平板状に形成された第1ベース部84と、該第1ベース部84に対して下方(矢印A2方向)へと立設した第2流路構成部86とを備え、熱交換部収容箱24の第1底壁28に臨むように配置される。そして、第1ベース部84は、熱交換部収容箱24の断面形状に対応した略矩形状に形成され第1底壁28と略平行に設けられる。
第2流路構成部86は、熱交換部収容箱24の第1流路構成部44と上下に対向するように設けられ、複数の第1突壁88と、最も外側の第1突壁88に対してさらに外側に設けられる第3隔壁(第1壁部、凹部)90とを含み、熱交換部収容箱24の第1流路構成部44との間に第1流路WC1を構成する。
第1突壁88は、第1ベース部84に対して下方(図3中、矢印A2方向)へと所定高さで突出すると共に、その延在方向と直交する方向に等間隔離間して形成される。そして、第1ウォータジャケット80が熱交換部収容箱24へと収容された際、第1突壁88がそれぞれ複数の溝部48に臨むように配置され、且つ、該第1突壁88の下端が前記溝部48に対して上下方向に所定間隔だけ離間して配置される。すなわち、第1突壁88は、熱交換部収容箱24における溝部48の数量と同数、且つ、前記溝部48に対して非接触となるように設けられている。
第3隔壁90は、第1ベース部84に対して下方(矢印A2方向)へと所定高さで突出し、熱交換部収容箱24の第1隔壁50に臨む位置に形成されると共に、その延在方向と直交する厚さ方向中央に挿入溝92を有している。
挿入溝92は、第1ベース部84側(矢印A1方向)に向かって断面矩形状に窪み、且つ、前記延在方向に沿って同一断面形状で形成されると共に、第1隔壁50が内部に挿入可能に形成されている。この挿入溝92は、その延在方向と直交する厚さ寸法が、第1隔壁50の厚さ寸法よりも大きく形成されると共に、上下方向への深さが、前記第1隔壁50の上下方向高さよりも大きく形成されている。
また、第3隔壁90の延在方向に沿った端部には、図4及び図5に示されるように、挿入溝92の内部と外部とが連通するように切り欠かれた切欠部94をそれぞれ備えている。
そして、第1ウォータジャケット80が熱交換部収容箱24に収容された際、第3隔壁90が第1隔壁50と上下方向に臨むように配置され、該第1隔壁50が挿入溝92へと挿入されることで、第1及び第3隔壁50、90が上下方向に一直線状に接続されて1つの隔壁を構成する。図3に示される第3隔壁90の厚さ方向において、挿入溝92と第1隔壁50との間に若干の隙間CL1を有し、且つ、前記第3隔壁90の上下方向において、前記挿入溝92の底部と前記第1隔壁50の先端との間にも若干の隙間CL2を有した状態で挿入される。また、第2流路構成部86における複数の第1突壁88が、第1流路構成部44の溝部48にそれぞれ臨むように配置されることで、隣接する2つの第1突壁88の間が熱媒体の流通する第1流路WC1となる。
さらに、熱交換部収容箱24には、図2~図4に示されるように、第1流路WC1の外側に設けられ第1及び第3隔壁50、90からなる隔壁によって該第1流路WC1とは分離された第1貯留室(貯留室)95を備え、この第1貯留室95は、第1及び第2流路構成部44、86との間に形成され所定容積を有した空間となる。そして、熱交換部収容箱24において、隔壁の内側となる第1流路WC1と該隔壁の外側となる第1貯留室95とが、挿入溝92内で第1隔壁50と第3隔壁90との間に設けられた隙間CL1、CL2を通じて連通している。すなわち、第1流路WC1と第1貯留室95とが、第1隔壁50と第3隔壁90との接続部位において、クランク状に形成されたわずかな隙間CL1、CL2からなるラビリンス構造の連通路を通じて互いに連通している。
第2ウォータジャケット82は、図2、図3及び図6に示されるように、第1ウォータジャケット80と同様に、例えば、アルミニウム合金等の金属製材料から形成され、平板状に形成された第2ベース部96と、該第2ベース部96に対して上方(矢印A1方向)へと立設した第3流路構成部98とを備え、熱交換部収容箱24の内部において第1カバー部材32に臨み、且つ、略平行となるように配置される。
第2ベース部96は、第1ウォータジャケット80の第1ベース部84と略同一形状となる略矩形状に形成されると共に、第1ウォータジャケット80に臨む端面には、該第1ウォータジャケット80から離間する方向(矢印A1方向)に窪んで発熱体18の収容される収容室100が設けられる。この収容室100は、例えば、発熱体18の形状に応じて断面矩形状に形成され、該発熱体18の厚さに応じて上方(矢印A1方向)へと所定深さだけ窪んで形成される。
また、第2ベース部96の前方端には、導入部20に臨む位置に形成された第1分流部102と、導出部22に臨む位置に形成された第2分流部104とを備え(図6参照)、前記第1及び第2分流部102、104は、第2ウォータジャケット82を幅方向から見て、前方から後方側(矢印B2方向)に向けて徐々に上下方向(矢印A1、A2方向)へと厚くなるテーパ形状に形成されている。
そして、第2ベース部96は、熱交換部収容箱24に発熱体18が収容された状態で第1ウォータジャケット80の第1ベース部84に当接するように上方に積層されると共に、該第1ベース部84に臨む外縁部下面には、環状のシール部材58cが装着されることで、前記第2ベース部96と前記第1ベース部84との間への熱媒体の浸入が防止される。すなわち、発熱体18側への熱媒体の浸入がシール部材58cによって防止される。
第3流路構成部98は、第1カバー部材32と対向するように設けられ、複数の第2突壁106と、最も外側の第2突壁106に対して外側に設けられる第4隔壁(第1壁部、凹部)108とを含み、第2流路WC2の一部を構成している。
第2突壁106は、第2ベース部96に対して上方(矢印A1方向)へと所定高さで突出すると共に、その延在方向と直交する方向に等間隔離間して形成される。そして、第2ウォータジャケット82が熱交換部収容箱24へと収容された際、第2突壁106がそれぞれ第1カバー部材32の下面に臨むように配置され、且つ、該第2突壁106の上端が前記下面に対して上下方向(矢印A1、A2方向)に所定間隔だけ離間して配置される。すなわち、第2突壁106は、第1カバー部材32に対して非接触となるように設けられている。
第4隔壁108は、図2、図3及び図6に示されるように、第2ベース部96に対して上方(矢印A1方向)へと所定高さで突出し、第1カバー部材32の第2隔壁54に臨む位置に形成されると共に、その延在方向と直交する厚さ方向中央に挿入溝110を有している。
挿入溝110は、第2ベース部96側(矢印A2方向)に向かって断面矩形状に窪み、且つ、前記延在方向に沿って同一断面形状で形成されると共に、第2隔壁54が内部に挿入可能に形成される。この挿入溝110は、その延在方向と直交する厚さ寸法が、第2隔壁54の厚さ寸法よりも大きく形成されると共に、上下方向への深さが、前記第2隔壁54の上下方向高さよりも大きく形成されている。
また、第4隔壁108の延在方向に沿った端部には、挿入溝110の内部と外部とが連通するように切り欠かれた切欠部112(図6参照)をそれぞれ備えている。
そして、第2ウォータジャケット82が熱交換部収容箱24に収容された際、第4隔壁108が第2隔壁54と上下方向に臨むように配置され、該第2隔壁54が挿入溝110へと挿入されることで、第2及び第4隔壁54、108が上下方向に一直線状に接続されて1つの隔壁を構成する。また、第4隔壁108の厚さ方向において、挿入溝110と第2隔壁54との間に若干の隙間CL3を有し、且つ、前記第4隔壁108の上下方向において、前記挿入溝110の底部と前記第2隔壁54の先端との間にも若干の隙間CL4を有した状態で挿入される。さらに、第3流路構成部98における複数の第2突壁106が、第1カバー部材32にそれぞれ臨むように配置されることで、隣接する2つの第2突壁106の間が熱媒体の流通する第2流路WC2となる。
この第2流路WC2は、第1流路WC1と同様に、導入部20に臨む幅方向一方側(矢印C1方向)に設けられる上流部位S1と、幅方向中央に設けられ該上流部位S1の下流側に接続される中流部位S2と、導出部22に臨む幅方向他方側(矢印C2方向)に設けられ該中流部位S2の下流側に接続される下流部位S3とから構成されており、前記第1流路WC1と略同一形状となる断面略W字状に形成される。
さらに、熱交換部収容箱24には、第2流路WC2の外側に設けられ第2及び第4隔壁54、108からなる隔壁によって該第2流路WC2とは分離された第2貯留室(貯留室)113を備え、この第2貯留室113は、第1カバー部材32と第3流路構成部98との間に形成され所定容積を有した空間となる。
そして、熱交換部収容箱24において、隔壁の内側となる第2流路WC2と該隔壁の外側となる第2貯留室113とが、挿入溝110内で第2隔壁54と第4隔壁108との間に設けられた隙間CL3、CL4を通じて連通している。すなわち、第2流路WC2と第2貯留室113とが、第2隔壁54と第4隔壁108との接続部位において、クランク状に形成されたわずかな隙間CL3、CL4からなるラビリンス構造の連通路を通じて互いに連通している。
上述したように、熱交換部16は、図4~図6に示されるように、第1ウォータジャケット80と熱交換部収容箱24との間で第1流路WC1が構成され、第2ウォータジャケット82と第1カバー部材32との間で第2流路WC2が構成されており、発熱体18を中央に挟んで第1流路WC1が下方(矢印A2方向)、第2流路WC2が上方(矢印A1方向)となるように配置される。また、第1及び第2流路WC1、WC2の上流端が、熱交換部収容箱24の内部に形成され導入部20に臨む導入室114と連通し、前記第1及び第2流路WC1、WC2の下流端は、熱交換部収容箱24の内部に形成され導出部22に臨む導出室116と連通している。
そして、導入部20から導入室114へと導入される熱媒体は、該導入室114に配置された第1分流部102によって徐々に上下方向(矢印A1、A2方向)へと分流され第1及び第2流路WC1、WC2へと導かれる。一方、第1及び第2流路WC1、WC2の下流端まで流れた熱媒体は、導出部22に臨む導出室116に配置された第2分流部104によって上下方向中央へと合流するように導かれて導出部22へと流れる。
発熱体18は、例えば、図2及び図3に示されるように、略長方形状のPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ等の熱電素子からなり、その上下に形成された発熱面が第1電極118及び第2電極120に当接した状態で挟持されている。この発熱体18は、第1及び第2電極118、120と共に第2ウォータジャケット82の収容室100内に収容され、第1ウォータジャケット80の第1ベース部84によって挟持されることで、前記第1ウォータジャケット80と前記第2ウォータジャケット82との間に保持される。
また、発熱体18には、第1及び第2電極118、120の端部に複数の端子122(図6参照)が設けられ、該端子122が制御基板14に対して電気的に接続されると共に、図示しないリード線を介してそれぞれ電源用コネクタ78と電気的に接続される。換言すれば、複数の端子122を介して発熱体18と制御基板14とが電気的に接続されている。
そして、発熱体18は、電源用コネクタ78から端子122を通じて第1及び第2電極118、120へと通電がなされることで第1及び第2ウォータジャケット80、82に臨む一対の発熱面がそれぞれ発熱する。
上述した熱交換部16は、図2及び図3に示されるように、第1ウォータジャケット80、発熱体18及び第2ウォータジャケット82が上下方向(矢印A1、A2方向)に積層された状態で図示しないボルトによって一体的に締結され、熱交換部収容箱24の内部へと収容されている。
本発明の実施の形態に係る熱媒体加熱装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、ここでは、図示しない車両における内燃機関等からの冷却水(熱媒体)を加熱し、加熱された冷却水を該車両に搭載される車両用空調装置へと供給する場合について説明する。
先ず、図示しない内燃機関等から配管を通じて導入部20へと冷却水が供給され、該冷却水は、前記導入部20の管孔36を通じて熱交換部収容箱24の内部へと導入される。また、同時に、図示しないコントローラからの制御信号によって電源用コネクタ78から制御基板14、端子122、第1及び第2電極118、120を通じて発熱体18へと通電がなされ、該発熱体18の発熱面が発熱することで、該発熱面に当接した第1及び第2ウォータジャケット80、82の第1及び第2ベース部84、96がそれぞれ加熱される。
そして、熱交換部収容箱24の内部において、冷却水は、第1分流部102によって熱交換部16における第1及び第2流路WC1、WC2へ向けて上下に分流され、下方となる前記第1ウォータジャケット80の第1流路WC1に沿って上流部位S1から中流部位S2を経て下流部位S3へと流れることで、発熱体18から第1ベース部84(図2参照)へと伝達された熱によって前記冷却水が加熱される。一方、上方となる第2流路WC2へと供給された冷却水は、第1流路WC1と同様に上流部位S1から中流部位S2を経て下流部位S3へと流れることで、発熱体18から第2ベース部96へと伝達された熱によって同様に加熱される。
詳細には、発熱体18は、第1及び第2流路WC1、WC2の略全域にわたるように第1及び第2ベース部84、96に対して接触しているため、前記発熱体18から生じる熱によって冷却水が前記第1及び第2流路WC1、WC2に沿って上流部位S1から下流部位S3へと流れることで連続的に加熱されることとなる。
また、冷却水が第1流路WC1に沿って流れる際に、該冷却水の一部が、第1隔壁50と第3隔壁90との間に形成された隙間CL1、CL2を通じて外側の第1貯留室95へと流入し、一方、第2流路WC2に沿って冷却水が流れる際、該冷却水の一部が、第2隔壁54と第4隔壁108との間に形成された隙間CL3、CL4を通じて外側の第2貯留室113へと流入する。これにより、冷却水の一部が、それぞれ第1及び第2貯留室95、113へと貯留されていくと共に、該第1及び第2貯留室95、113内に残存している空気が、第3及び第4隔壁90、108の切欠部94、112から挿入溝92、110を通じて導出部22側へと移動することで該導出部22から外部へと好適に排出される。
そして、冷却水の一部は、第1及び第2流路WC1、WC2から第1~第4隔壁50、54、90、108の間の隙間CL1~CL4を通じて連続的に流入していき、第1及び第2貯留室95、113をそれぞれ満たす。
この際、第1及び第2流路WC1、WC2から第1及び第2貯留室95、113への冷却水の流入は、第1及び第3隔壁50、90との間の隙間CL1、CL2、第2及び第4隔壁54、108との間の隙間CL3、CL4がそれぞれクランク状となったラビリンス構造となっているため、急激に大流量で流入することがなくわずかな流入量となるように行われる。
最後に、発熱体18からの熱によって熱交換部16における第1流路WC1及び第2流路WC2内を流れる冷却水が所定温度まで連続的に加熱された後に、その下流部位S3から第2分流部104によってそれぞれ導出室116へと導かれることで合流し、導出部22から図示しない配管を通じて、例えば、図示しない車両用空調装置へと供給される。
次に、例えば、配管からの漏れや熱媒体(冷却水)を供給するための供給装置の不具合等の原因によって第1及び第2流路WC1、WC2内の冷却水が所定流量よりも減少した場合について説明する。
先ず、熱媒体加熱装置10における第1及び第2流路WC1、WC2を流れる冷却水の流量が減少した場合であっても、図示しないコントローラの制御作用下に発熱体18は予め設定され正常な流量で冷却水が流れている想定で前記冷却水を加熱し続ける。そのため、冷却水が所望の温度よりも上昇してしまい、この温度上昇に伴って熱交換部収容箱24及び基板収容箱26が加熱され、該基板収容箱26に収容された制御基板14が加熱されてしまうこととなる。従って、図示しない温度検出手段によって急激な温度上昇を検知した後に、図示しないコントローラから制御基板14へと制御信号を出力し、発熱体18への通電を停止すると共に、熱媒体加熱装置10の運転を緊急停止する制御が行われる。
このような場合において、温度上昇が急激であるために冷却水の流量不足に起因して制御基板14が加熱され始めてから熱媒体加熱装置10の運転を停止するまでに時間差が生じることがある。これに対し、上述した熱媒体加熱装置10では、運転中に第1及び第2流路WC1、WC2以外となる第1及び第2貯留室95、113に予め所定量で満たされた冷却水を備えているため、貯留室を備えていない従来の熱媒体加熱装置と比較し、第1及び第2貯留室95、113に貯えられた冷却水によって発熱体18が発熱し続けた場合の急激な温度上昇を抑制することができ、例えば、制御基板14に熱害が生じてしまう所定温度へと到達するまでの時間を遅らせることができる。
その結果、熱媒体加熱装置10において、何らかの原因で冷却水等の熱媒体が所望の流量で供給されず発熱体18による加熱が継続された場合であっても、第1及び第2貯留室95、113の内部に貯留された冷却水によって急激な温度上昇を抑制し、制御基板14の温度上昇を抑制することで、該温度上昇に起因した熱媒体加熱装置10の損傷を抑制することが可能となる。
換言すれば、熱媒体加熱装置10の運転時において、常に冷却水が所定量で貯えられる第1及び第2貯留室95、113を備えることで、第1及び第2流路WC1、WC2を流通する熱媒体が減少した場合であっても、前記熱媒体加熱装置10の内部が無水状態となってしまうまでの時間を延ばすことができる。
以上のように、本実施の形態では、冷却水等の熱媒体を加熱して供給可能な熱媒体加熱装置10において、ハウジング12内に収容される熱交換部16と該ハウジング12との間には、前記熱媒体の流通する第1及び第2流路WC1、WC2と隣接して該熱媒体を貯留可能な第1及び第2貯留室95、113がそれぞれ設けられ、前記第1流路WC1と前記第1貯留室95とを隔てる第1及び第3隔壁50、90が、それぞれ熱交換部収容箱24及び前記熱交換部16の第1ウォータジャケット80において上下方向(矢印A1、A2方向)に延在するように形成されている。また、第2流路WC2と第2貯留室113とを隔てる第2及び第4隔壁54、108が、それぞれ第1カバー部材32及び前記熱交換部16の第2ウォータジャケット82において上下方向(矢印A1、A2方向)に延在するように形成されている。そして、第1隔壁50と第3隔壁90との間、第2隔壁54と第4隔壁108との間には、それぞれ熱媒体の流通可能な隙間CL1~CL4を有したラビリンス構造を備えている。
従って、第1及び第2流路WC1、WC2を流通する熱媒体の一部が、第1及び第3隔壁50、90の間の隙間CL1、CL2、第2及び第4隔壁54、108の間の隙間CL3、CL4を通じてそれぞれ第1及び第2貯留室95、113側へと流入することで、熱媒体加熱装置10の運転時において、前記第1及び第2貯留室95、113の内部に所定量の熱媒体を予め貯えておくことが可能となる。
その結果、何らかの原因で熱媒体加熱装置10の第1及び第2流路WC1、WC2における熱媒体の流量が減少し、所定の流量で熱媒体が流通している想定で発熱体18が加熱し続けた場合であっても、該発熱体18の加熱による急激な温度上昇を検知して熱媒体加熱装置10の運転を停止するまでの間、第1及び第2貯留室95、113に予め所定量の熱媒体を貯留して保水能力を高めておくことで急激な温度上昇を抑制することができる。
そのため、貯留室を備えていない従来の熱媒体加熱装置と比較し、第1及び第2貯留室95、113の冷却水によって発熱体18が発熱し続けた場合の温度上昇を抑制し、例えば、制御基板14に熱害が生じてしまう所定温度へと到達するまでの時間を遅らせることができるため、温度上昇に起因した熱媒体加熱装置10の損傷を抑制することが可能となる。
また、熱交換部16を構成する第1及び第2ウォータジャケット80、82の第3及び第4隔壁90、108にそれぞれ凹状に窪んだ挿入溝92、110を形成し、熱交換部収容箱24の第1箱本体30に形成され前記第3隔壁90に接続される第1隔壁50、前記熱交換部収容箱24の第1カバー部材32に形成され前記第4隔壁108に接続される第2隔壁54を、それぞれ挿入溝92、110へ挿入可能な凸状に形成している。
これにより、熱交換部収容箱24の内部に熱交換部16を収容することで、第1隔壁50と第3隔壁90、第2隔壁54と第4隔壁108とをそれぞれ容易且つ確実に接続でき、しかも、両者の間に隙間CL1~CL4を有したラビリンス構造とし、内側に形成される第1及び第2流路WC1、WC2と、第1~第4隔壁50、54、90、108の外側に設けられる第1及び第2貯留室95、113とを前記隙間CL1~CL4を通じて連通させることができる。
その結果、第1及び第2流路WC1、WC2を流れる熱媒体を第1及び第2貯留室95、113に対して容易且つ円滑に貯留することができ、例えば、前記第1及び第2流路WC1、WC2を流れる熱媒体が流出して所望の流量を確保できない場合であっても、第1及び第2貯留室95、113に貯えられた熱媒体によって温度上昇を緩やかとし、時間をかせぐことが可能となる。
さらに、挿入溝92、110を有した第3及び第4隔壁90、108において、その延在方向に沿った端部にそれぞれ切欠部94、112を設けることにより、導入部20から熱交換部収容箱24の内部へと熱媒体を導入する際、該熱媒体の導入方向に対して奥側となる第1及び第2貯留室95、113内に残存した空気を、前記切欠部94、112から挿入溝92、110を通じて導出部22側へと移動させることで外部へと好適に排出することが可能となる。
従って、第1及び第2貯留室95、113内に残存した空気を切欠部94、112及び挿入溝92、110を通じて円滑に排出できるため、該空気が内部にとどまって熱媒体の第1及び第2貯留室95、113への導入の妨げとなってしまうことが回避され、前記熱媒体を所望の流量で円滑に第1及び第2流路WC1、WC2から第1及び第2貯留室95、113へと供給することが可能となる。
なお、本発明に係る熱媒体加熱装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…熱媒体加熱装置 12…ハウジング
14…制御基板 16…熱交換部
18…発熱体 24…熱交換部収容箱
26…基板収容箱 50…第1隔壁
54…第2隔壁 90…第3隔壁
92、110…挿入溝 94、112…切欠部
95…第1貯留室 108…第4隔壁
113…第2貯留室 CL1、CL2、CL3、CL4…隙間
WC1…第1流路 WC2…第2流路

Claims (5)

  1. 通電作用下に加熱する発熱体と、該発熱体が内部に設けられる熱交換部と、前記熱交換部を内部に収容し該熱交換部との間に熱媒体が流通する流路を有したハウジングとを備える熱媒体加熱装置において、
    前記熱交換部と前記ハウジングとの間に設けられ前記流路と隣接して前記熱媒体の貯留される貯留室と、
    前記ハウジングから前記熱交換部まで延在して前記流路と前記貯留室とを隔てる隔壁と、
    を備え、
    前記隔壁は、前記熱交換部に形成され前記ハウジング側へと延在した第1壁部と、前記ハウジングに形成され前記熱交換部側へと延在して前記第1壁部に接続される第2壁部とを有し、前記第1壁部の端部と前記第2壁部の端部との間には、前記熱媒体が流通可能な隙間を有したラビリンス構造を備えている、熱媒体加熱装置。
  2. 請求項1記載の熱媒体加熱装置において、
    前記第1及び第2壁部のいずれか一方の端部には、前記第1及び第2壁部の他方から離間する方向へ窪んだ凹部が設けられ、前記他方の端部には該凹部側へと突出し前記凹部に嵌合される凸部が設けられる、熱媒体加熱装置。
  3. 請求項2記載の熱媒体加熱装置において、
    前記凹部の一部には切欠部が設けられる、熱媒体加熱装置。
  4. 請求項3記載の熱媒体加熱装置において、
    前記切欠部は、前記凹部を有する前記第1及び第2壁部のいずれか一方の延在方向に沿った延在方向端部に設けられる、熱媒体加熱装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の熱媒体加熱装置において、
    前記凹部は、前記第1及び第2壁部のいずれか一方の延在方向に沿って形成され、前記凸部は、前記第1及び第2壁部の他方の延在方向に沿って形成される、熱媒体加熱装置。
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