JP2022051207A - リチウム二次電池用負極、その製造方法、及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用負極、その製造方法、及びリチウム二次電池 Download PDF

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Takakiyo Takemoto
昌明 久保田
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Abstract

【課題】被膜の低抵抗と充放電サイクル特性の向上とを実現することが可能なリチウム二次電池用負極を提供する。【解決手段】一つの実施形態によると、リチウム二次電池用負極であって、リチウム金属又はリチウム合金からなる負極活物質層と、前記負極活物質層の表面を被覆する被膜とを備え、前記被膜は、フッ素化合物及びホウ素化合物を含み、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定される前記被膜の表面におけるホウ素の含有量は、0原子%より大きく、1原子%未満であることを特徴とするリチウム二次電池用負極が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池用負極、その製造方法、及びリチウム二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池の用途は、携帯電話等の携帯機器、電動工具、電気自動車等の電源として大きく拡大している。リチウムイオン二次電池は、これらの電源として、高密度化、高性能化、高安全化、長寿命化等が求められている。
このようなリチウムイオン二次電池は、正極と負極との間でリチウムイオンを移動させて充放電を行う。正極は、例えば、正極活物質、導電助剤、及び結着剤を含む正極層と、正極層を担持する正極集電体を備える。正極活物質としては、現在、コバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウムを含む金属酸化物又は金属リン酸化物が実用化され、又は商品化を目指して開発が進められている。負極は、例えば、負極活物質、導電助剤、及び結着剤を含む負極層と、負極層を担持する負極集電体を備える。負極活物質としては、一般的には、黒鉛等の炭素材料が使用されている。
前記リチウムイオン二次電池は、更に正極と負極の間にセパレータが介在されている。セパレータは、一般的にポリオレフィンからなる微孔性薄膜が使用されている。正極、負極及びセパレータを含む極板群は、電池容器内に非水電解質とともに収納されている。非水電解質は、非水溶媒にリチウム塩等の電解質を溶解した非水電解液が一般的に使用されている。その他の非水電解質としては、ゲル状電解液又は固体電解質も注目されている。
リチウムイオン二次電池には、近年、更なる高エネルギー密度化が求められている。ところで、一般的な負極活物質である黒鉛は、理論容量372mAh/gを有している。一方、負極活物質であるリチウム金属は、3860mAh/gの最も高い理論容量を有し、かつ-3.04V(vs.SHE)の最も高い酸化還元電池を有している。このため、現在、高エネルギー密度化のため、リチウム金属を負極活物質として使用するリチウム二次電池の実現のための研究が再び進められている。
しかしながら、リチウム二次電池には、現状、十分な充放電サイクル特性が得られず、早期寿命を迎える問題がある。この原因の具体的な一つには、リチウム金属と、非水電解液との間で副反応が発生して、非水電解液が分解することが挙げられる。これは、リチウム金属が高い反応性を有することに起因する。また、原因の他の一つには、充放電の繰り返しにより、リチウム金属の負極表面からリチウムがデンドライト状に成長するリチウムデンドライトの発生が挙げられる。デンドライト状のリチウムは、正極と負極の間に介在したセパレータを貫通し正極に達し、内部短絡を起こす虞がある。リチウム二次電池を実現化するには、この非水電解液の副反応による分解を抑制し、かつリチウムデンドライトの発生を抑制して、充放電サイクル特性を改善することが必要である。
このような問題を解決するため、非特許文献1及び2に記載されるように、リチウム二次電池のリチウム金属の表面において、SEI(Solid-Electrolyte-Interphase)と呼ばれる膜(SEI被膜)を形成することが知れられている。SEI被膜は、リチウムイオンがリチウム金属上に均一に析出・溶出するのを補助する役割を有し、リチウム金属の表面での非水電解液の分解反応を抑制する等の役割を有している。一方、SEI被膜が必要以上に厚くなると、電池の内部抵抗が増加し、放電容量が低下する一因になる。
非特許文献1及び2には、その被膜成分として、フッ素化合物、特にフッ化リチウムを含むことで、リチウム二次電池の充放電サイクル特性を改善できることが記載されている。
Xue-Qiang Zhangら, "Fluoroethylene Carbonate Additives to Render Uniform Li Deposits in Lithium Metal Batteries", Advanced Functional Materials, 2017, 27, 1605989 Yanxia Yuanら, "Regulating Li deposition by constructing LiF-rich host for dendrite-free lithium metal anode", Energy Storage Materials 16, 2019, p.411-418
しかしながら、非特許文献1及び2に開示されたリチウム二次電池では、この被膜の抵抗を低減し、かつ更なる充放電サイクル特性の改善が要求されていた。
本発明は上記課題を解決し、負極表面に良質な被膜を備えることで、被膜の低抵抗化と充放電サイクル特性の向上とを同時に実現することが可能な、リチウム二次電池用負極、その製造方法、及びリチウム二次電池を提供するものである。
上記の課題を解決するために、一つの実施形態によると、リチウム二次電池用負極であって、リチウム金属又はリチウム合金からなる負極活物質層と、前記負極活物質層の表面を被覆する被膜とを備え、前記被膜は、フッ素化合物及びホウ素化合物を含み、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定される前記被膜の表面におけるホウ素の含有量は、0原子%より大きく、1原子%未満であることを特徴とするリチウム二次電池用負極が提供される。
上記の課題を解決するために、一つの実施形態によると、平板状の金属基材に溶質としてフッ素化合物及びホウ素化合物を含むめっき液を用いて60℃以上の温度で電気めっきを行い、リチウム金属又はリチウム合金からなる電析膜と、前記電析膜の表面を被覆して配置され、その表面におけるホウ素の含有量が0原子%より大きく、1原子%未満である被膜とを形成することを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法が提供される。
上記の課題を解決するために、一つの実施形態によると、上記リチウム二次電池用負極を備えることを特徴とするリチウム二次電池が提供される。
本発明によれば、被膜の低抵抗化と充放電サイクル特性の向上とを同時に実現することが可能な、リチウム二次電池用負極、その製造方法、及びリチウム二次電池を提供できる。
図1は、実施形態に係るコイン型のリチウム二次電池の一例を示す断面図である。 図2は、実施例1の負極において、XPSにより測定した(a)B1sスペクトル、(b)F1sスペクトルを示す図である。 図3は、比較例1の負極において、XPSにより測定した(a)B1sスペクトル、(b)F1sスペクトルを示す図である。 図4は、実施例1~4及び比較例1~2の負極において、XPSにより測定した被膜表面のホウ素(B)含有量と、サイクル数との相関を示す図である。 図5は、実施例1~4及び比較例1~2の負極において、XPSにより測定した被膜表面のホウ素(B)含有量と、直流抵抗(DCIR)との相関を示す図である。 図6は、参考例1のリチウム金属電析膜の一部のSEM写真である。 図7は、参考例2のリチウム金属電析膜の一部のSEM写真である。
以下、実施形態に係るリチウム二次電池用負極を詳細に説明する。
<負極>
負極は、リチウム金属又はリチウム合金からなる負極活物質層と、前記負極活物質層の少なくとも一方の面を被覆する被膜とを備えている。
リチウム合金としては、例えば、アルミニウム-リチウム系合金、ケイ素-リチウム系合金、スズ-リチウム系合金等を用いることができる。
いくつかの実施形態において、負極は、負極集電体と、当該負極集電体の一方又は両方の面に形成された負極活物質層のリチウム金属又はリチウム合金と、負極活物質層の表面を被覆する被膜とを備えている。負極活物質層は、リチウム金属又はリチウム合金からなる圧延箔、電析膜、又はそれらの組み合わせであってよい。
いくつかの実施形態において、負極は、別途の負極集電体を備えず、リチウム金属又はリチウム合金からなる圧延箔である負極活物質層と、その片面又は両面を被覆する被膜を備えている。負極活物質層は、リチウム金属又はリチウム合金からなる圧延箔と、その表面を被覆する電析膜であってよい。
負極集電体は、特に限定されるものではなく、公知又は市販のものを用いることができる。例えば、銅又は銅合金からなる圧延箔、電解箔等を用いることができる。
被膜は、フッ素化合物及びホウ素化合物を含んでいる。また、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定される被膜の表面におけるホウ素の含有量は、0原子%より大きく、1原子%未満である。なお、被膜の表面とは、被膜の最表面から深さが数nm~10nmの範囲を指す。
本発明者らが被膜について鋭意検討したところ、被膜がフッ素化合物とホウ素化合物を共に含み、XPSを用いて測定される被膜の表面のホウ素含有量を上記範囲に規定することによって、非水電解質の副反応による分解を抑制でき、被膜の抵抗を低減できることを見出した。非水電解液の副反応での分解を抑制することによって、当該負極が組み込まれる電池の充放電サイクル特性を改善できる。また、被膜の副反応による分解を抑制することによって、被膜の膜厚を薄くでき、被膜の抵抗を低減することができる。これにより、当該負極が組み込まれる電池の内部抵抗を低減でき、電池を高容量化することができる。
XPSを用いて測定される被膜の表面のホウ素含有量が1原子%を超えると、負極表面におけるリチウムデンドライトの発生を抑制することができる一方、非水電解質の副反応による分解を十分に抑制することができないため充放電サイクル特性が劣化する虞がある。
前記ホウ素の含有量は、好ましくは0.3原子%以上、1原子%未満であり、更に好ましくは、0.5原子%以上、0.7原子%以下である。前記ホウ素の含有量が上記範囲にすることによって、被膜の抵抗を更に低減することができ、充放電サイクル特性を更に改善できるため好ましい。
被膜のホウ素化合物は、リチウムホウ素化合物であれば特に限定されないが、上記効果が顕著に得られるため、好ましくはリチウムメタボレート(LiBO)である。被膜のフッ素化合物は、リチウムフッ素化合物であれば特に限定されないが、上記効果が顕著に得られるため、好ましくはフッ化リチウム(LiF)である。
被膜が含む元素は、例えば、F、B、C、O、S、Li、Nなどである。
被膜が含む物質は、LiBO、LiF、LiCO、ROCOLi(ここで、Rはアルキル基)、LiN、LiS、金属Li、LiOが挙げられる。
被膜が含む元素の種類及び含有量は、X線光電子分光(XPS)で測定することができる。XPSは、一般的に、X線を試料に照射することによって固体内の準位に対応したエネルギーの電子を励起し、真空中に放出された光電子の運動エネルギーの運動エネルギーを測定する分析法である。各元素の各軌道準位は固有の結合エネルギー値を有するため、元素分析できる。また、元素は結合状態によって結合エネルギーが変化するため、光電子ピーク範囲の化学シフトから元素が化合物であるか分析できる。また、光電子の取り出し角度を小さくすることで、測定深さを小さくでき、試料のごく表面付近の情報を得ることができる。
被膜がフッ素原子及びホウ素原子を含むことは、ホウ素1sスペクトルのピークの有無、フッ素1sスペクトルのピークの有無によって測定することができる。XPSスペクトルにおいて、ホウ素1sスペクトルは、結合エネルギー(Binging energy)185eV~200eVの範囲にピーク有する。また、フッ素1sスペクトルは、結合エネルギー680eV~694eVの範囲にピークを有する。
前記被膜の表面におけるホウ素の含有量は、上記ピーク全体の積分値として算出することができる。
また、フッ素原子及びホウ素原子が被膜中でどの化合物として存在しているかは、フッ素1sスペクトル及びホウ素1sスペクトルの化学シフトを文献値と比較することで判定することができる。例えば、フッ素原子がLiFとして存在する場合、フッ素1sスペクトルは、結合エネルギー約685eVに頂点を有するピークを描く。例えば、ホウ素原子がLiBOとして存在する場合、ホウ素1sスペクトルは、結合エネルギー約191.5eVに頂点を有するピークを描く。
測定装置は、例えば、日本電子株式会社製、JPS-9010MXを使用することができる。測定は、例えば、X線源Al-Kα線、管電流10mA、印加電圧10kV、試料との距離5mm、高真空環境下(10-5Pa以下)で行うことができる。また、光電子取り出し角度は、例えば20°~90°、好ましくは35°~55°で測定できる。
被膜は、好ましくは5nm~200nmの膜厚を有している。被膜の膜厚が当該範囲であると、被膜の抵抗を低減することができ、当該負極が組み込まれる電池の内部抵抗を低減できる。
いくつかの実施形態において、負極は、平板状の金属基材に溶質としてフッ素化合物及びホウ素化合物を含むめっき液を用いて60℃以上の温度で電気めっきを行い、リチウム金属又はリチウム合金からなる電析膜と、前記電析膜の表面を被覆して配置され、その表面におけるホウ素の含有量が0原子%より大きく、1原子%未満である被膜とを形成することによって製造することができる。
金属基材は、例えば、上述する負極集電体、或いはリチウム金属又はリチウム合金からなる圧延箔からなる。
電気めっき法は、一般的に、外部電源を用いて、被めっき物の表面に金属を析出させる方法である。電気めっき法としては、めっきしたい物質を含む、溶液(めっき液)、溶融塩、固体電解質を使用する方法が挙げられる。電気めっき法としては、めっき液を使用する方法が好ましい。
金属基材は、例えば、アルミニウム金属又はアルミニウム合金等の負極集電体に一般的に使用される金属材料、或いは、リチウム金属又はリチウム合金から形成されてよい。金属基材は、好ましくは、リチウム金属又はリチウム合金から形成される。
電気めっき法は、めっき浴を使用する方法を使用してもよいが、好ましくは作用極及び対極をそれらの間にセパレータを介在させて配置した二電極式セルを使用する方法が使用される。当該セパレータには、後述するめっき液を含侵する。このような方法によれば、負極表面に、均一な被膜を形成することができ、リチウムデンドライトの発生を抑制することができる。
電気めっき時の電流密度は、好ましくは一定に印加されるが、電流印加と停止を繰り返してもよい。この電流密度は、好ましくは0.01mAcm-2~10mAcm-2である。電流密度が1mAcm-2である場合、電流印加時間は例えば1分~30分である。
電気めっき時の温度は、高温である60℃以上の温度で行うことが好ましい。このような温度で電気めっきを行うことで、電析膜を構成するリチウム金属の平均粒径を増加させ、その比表面積の大きくできる。この結果、電析膜と非水電解質との接触面積を小さくすることができ、負極表面での非水電解液の分解を更に抑制することができる。電気めっき時の温度は、より好ましくは、60℃以上120℃以下で行う。
めっき液は、フッ素化合物及びフッ素化合物と、それら化合物を溶解させる溶媒を含む。めっき液は、好ましくは、ホウ素化合物をめっき液の溶質の総量に対して10mol%以下の割合で含む。これにより、XPSを用いて測定される被膜の表面におけるホウ素の含有量を0原子%より大きく、1原子%未満にすることが容易になる。
めっき液は、ホウ素化合物を、めっき液の溶質の総量に対して、より好ましくは0.9mol%~10mol%、更に好ましくは2.8mol%~5.0mol%含む。めっき液のホウ素化合物の含有量を上記範囲にすることによって、形成される被膜の抵抗を更に低減することができ、充放電サイクル特性を更に改善できるため好ましい。
めっき液は、例えば、溶媒1mol、フッ素化合物1molと、ホウ素化合物を0.01mol~0.1mol以下の割合で含有する。
溶媒としては、炭酸プロピレン、ジメチルエーテル、テトラグライム、トリグライム、スルホラン、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネート等を用いることができる。溶媒としては、これらの単体又は複数の混合物を用いることができる。溶媒には、好ましくは、テトラグライム、トリグライムを用いることができる。
フッ素化合物としては、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、及びトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(リチウムトリフラート)等を用いることができる。フッ素化合物としては、これらの単体又は複数の混合物を用いることができる。フッ素化合物には、好ましくは、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを用いることができる。
ホウ素化合物としては、水素化ホウ素リチウム、リチウムビス オキサレートボラート、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、及び四フッ化ホウ酸リチウム等を用いることができる。ホウ素化合物としては、これらの単体又は複数の混合物を用いることができる。ホウ素化合物には、好ましくは、水素化ホウ素リチウムを用いることができる。
負極は、例えば、以下の製造方法で作製される。
負極を、二電極式セルを使用する電解めっきによって作製する。二電極式セルは、例えば後述する図1のコイン式セルの構造を有する。外装体内には、2枚のリチウム金属箔(作用極及び対極)をそれらの間にセパレータを介在させて配置する。セパレータには、めっき液を含侵する。めっき液のホウ素化合物は、めっき液の溶質の総量に対して、10モル%以下の割合で含む。二電極式セルを、60℃にてセル温度を一定にする。60℃の温度環境下で、作用極と対極との間に定電流を流して、対極上にリチウム金属電析膜及び被膜を形成する。めっき後の負極は、洗浄用溶剤によって洗浄する。洗浄後の負極は、乾燥させ、洗浄用溶剤を完全に取り除く。
なお、電解めっき後には、上述するように、洗浄用溶剤によって負極表面を洗浄することが好ましい。洗浄後の負極は、乾燥させ、洗浄用溶剤を完全に取り除くことが好ましい。この乾燥は、例えば、100℃の恒温槽で24時間行われる。この洗浄及び乾燥によって、負極表面上の有機系の不純物が取り除かれ、負極表面での充放電反応が均一になる。これにより、負極表面上でのリチウムデンドライトの発生を抑制することができる。
洗浄用溶剤としては、ジメチルエーテル、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びテトラヒドロフラン等を用いることができる。
<リチウム二次電池>
以下、実施形態に係るリチウム二次電池は、上述した負極、正極、セパレータ及び非水電解質を備え、これらを組み立てることで作製できる。
正極は、正極集電体と、当該正極集電体の一方又は両方の面に形成され、正極活物質を含む正極層とを備える。
正極集電体は、特に限定されるものではなく、公知又は市販のものを使用することができる。正極集電体は、例えば、アルミニウム等の金属箔等である。
正極層は、正極活物質、導電助剤、及び結着材を含む。
正極活物質は、リチウム二次電池の正極活物質として一般に使用される化合物であれば、特に限定されない。正極活物質は、リチウムを吸蔵及び放出することが可能なリチウム含有化合物である。
正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウムコバルト複合酸化物、マンガン酸リチウム(LiMnO、LiMn)等のリチウムマンガン複合酸化物、ニッケル酸リチウム(LiNiO)等のリチウムニッケル複合酸化物、コバルト鉄酸リチウム(LiCo0.5Fe0.5)等のリチウムコバルト鉄複合酸化物、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(Li(NiCoyMn1-x-y)O(0<x<1、0<y<1))等のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、リン酸マンガン鉄リチウム(LiMnFe1-xPO)(0<x<1)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウム鉄リン複合酸化物、リン酸コバルトリチウム(LiCoPO)、硫黄(S)、及びリン酸マンガンリチウム(LiMnPO)が挙げられる。正極活物質は、これらの単体又は複数の混合物であってよい。
導電助剤は、特に限定されるものではなく、公知又は市販のものを使用することができる。導電助剤は、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、炭素繊維、活性炭、黒鉛等が挙げられる。導電助剤は、これらの単体又は複数の混合物であってよい。
結着材は、特に限定されるものではなく、公知又は市販のものを使用することができる。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びアクリル樹脂等が挙げられる。接着材は、これらの単体又は複数の混合物であってよい。
正極は、例えば、以下の方法で作製することができる。まず、正極活物質、導電助剤及び結着剤を溶剤に分散させて正極ペーストを調製する。次に、正極集電体の一方又は両方の面に正極ペーストを塗布した後、例えば真空下、高温で乾燥して正極層を形成することにより正極を作製する。
非水電解質は、リチウム二次電池で一般に用いられるものを使用することができる。非水電解質は、液体状である場合、非水溶媒及び電解質を含む。
非水溶媒は、好ましくは、環状カーボネート及び鎖状カーボネートを主成分として含む。環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、及びブチレンカーボネート(BC)等が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、及びエチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。
電解質は、特に限定されるものではなく、公知又は市販のものを使用することができる。電解質としては、例えば、LiPF、LiAsF、LiBF、LiCFSO、LiN(C2m+1SO)(C2n+1SO)(m、nは1以上の整数)、LiC(C2p+1SO)(C2q+1SO)(C2r+1SO)(p、q、rは1以上の整数)、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム等が挙げられる。電解質は、これらの単体又は複数の混合物であってよい。電解質は、非水溶媒に対して、0.1~1.5mol/L、好ましくは0.5~1.5mol/Lの濃度で溶解してよい。
非水電解液は、電解質に少なくともホウ素化合物を含むことが特に好ましい。ホウ素化合物としては、水素化ホウ素リチウム、リチウムビス オキサレートボラート、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、及び四フッ化ホウ酸リチウム等を用いることができる。ホウ素化合物としては、これらの単体又は複数の混合物を用いることができる。ホウ素化合物を含むことで、負極表面上の被膜を安定化することができ、非水電解液の副反応での分解を抑制し、低抵抗である被膜の効果を安定的に得ることができる。
セパレータは、特に限定されるものではなく、公知又は市販のものを使用することができる。セパレータは、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂の微多孔膜又は不織布である。微多孔膜又は不織布は、単層構造であっても、多層構造であってもよい。
リチウム二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、角形、扁平型等が挙げられる。
以下、図面を参照して、実施形態に係るリチウム二次電池を説明する。図1は、コイン型のリチウム二次電池の一例を示す断面図である。
コイン型のリチウム二次電池1は、正極2と、負極3と、それら正極2及び負極3の間に配置されたセパレータ4とを備える。これら正極2、負極3及びセパレータ4は、下部側に位置する第1外部端子5と上部側に位置する第2外部端子6の間に収納されている。当該第1外部端子5及び当該第2外部端子6の当接部位は、ガスケット7により絶縁されている。
正極2は、第1外部端子5の内面に位置してそれと接続される正極集電体21と、当該正極集電体21のセパレータ4と対向する面に設けられた正極層22とから構成されている。負極3は、第2外部端子6の内面に位置してそれと接続される負極集電体31と、当該負極集電体31のセパレータ4と対向する面に設けられた、負極活物質層32と、その表面の被膜(図示せず)とから構成されている。セパレータ4は、例えば非水電解質を含浸している。第2外部端子6は、その端部がその下端及び両側面をガスケット7で包んだ状態で第1外部端子5内に挿入され、下部側の第1外部端子5の開口端をガスケット7側に湾曲させて第2外部端子6を第1外部端子5にカシメ固定するとともに、第1外部端子5及び第2外部端子6の当接部位をガスケット7により絶縁している。
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明する。
[実施例及び比較例]
[実施例1の負極の作製]
被膜を有するリチウム金属は、二電極式セルを使用する電解めっきによって作製した。厚さ600μmのリチウム金属箔を使用して、コイン型の二電極式セルを作製した。コイン型の二電極式セルは、図1に示す構造を有する。外装体内には、正極及び負極に代えて、2枚のリチウム金属箔(作用極及び対極)をそれらの間にセパレータを介在させて配置した。各リチウム金属箔の電極面積は、1.54cmである。セパレータは、セルガード社製のClelgard(登録商標)2400を使用した。セパレータには、めっき液を含侵した。めっき液は、テトラグライムからなる溶媒1molに対して、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドであるフッ素化合物を1mol、水素化ホウ素リチウムであるホウ素化合物を0.01mol溶解して調製した。めっき液は、ホウ素化合物をめっき液の溶質の総量に対して、0.99mol%の割合で含む。めっき液のフッ素化合物は、めっき液の溶質の総量に対して99.01モル%以下の割合で含む。二電極式セルは、リチウム金属箔2枚と、セパレータと、めっき液とを用いて、アルゴン雰囲気下で常法により組立てた。
次に、二電極式セルを60℃以上の恒温槽内に一定時間載置して、セル温度を一定にした。次に、60℃の温度環境下で、作用極と対極との間に電流密度1mAcm-2の定電流を30分間流して、対極上にリチウム金属からなる電析膜及び被膜を形成した。電解めっきで被膜を形成したリチウム金属は、アルゴン雰囲気下で、ジメチルエーテルである洗浄用溶剤によって洗浄した。洗浄後の被膜を有するリチウム金属は、100℃の恒温槽で24時間乾燥させて、洗浄用溶剤を完全に取り除いた。以上の工程により、実施例1の被膜を有するリチウム金属を作製した。実施例1の被膜を有するリチウム金属は、リチウム金属とリチウム金属電析膜とからなる負極活物質層と、負極活物質層の表面を被覆する被膜とを備えている。
[実施例2~4の負極の作製]
実施例2、3、及び4の被膜を有するリチウム金属は、めっき液の水素化ホウ素リチウムの含有量を、それぞれ0.03mol、0.05mol及び0.1molに変更すること以外は、前記実施例1の負極の作製方法と同様な方法により作成した。実施例2、3、及び4のめっき液は、ホウ素化合物をめっき液の溶質の総量に対して、それぞれ2.91mol%、4.76mol%、及び9.09mol%の割合で含む。
[比較例1~3の負極の作製]
比較例1の被膜を有するリチウム金属は、めっき液がホウ素化合物を含まないこと以外、前記実施例1の負極と同様な方法により作成した。
比較例2の被膜を有するリチウム金属は、めっき液の水素化ホウ素リチウムの含有量を0.2molに変更すること以外、前記実施例1と同様の方法により作成した。
比較例3の被膜を有するリチウム金属は、めっき液がフッ素化合物を含まず、水素化ホウ素リチウムの含有量を1molに変更すること以外、前記実施例1と同様な方法により作成した。
比較例1、2、及び3のめっき液は、ホウ素化合物をめっき液の溶質の総量に対して、それぞれ0mol%、16.7mol%、及び100mol%の割合で含む。
[試験セルの組立]
各実施例1~4及び比較例2の作製した被膜を有するリチウム金属2枚を使用して、コイン型の対称セルを試験セルとして作製した。コイン型の対称セルは、図1に示す構造を有する。外装体内には、2枚の被膜を有するリチウム金属をそれらの間にセパレータを介在させて配置した。各被膜を有するリチウム金属の電極面積は、1.54cmである。セパレータは、セルガード社製のClelgard(登録商標)2400を使用した。セパレータには、非水電解液を含侵した。非水電解液は、EC/DME(1/1vol%)である非水溶媒に、LiPFである電解質を1mol/L混合して調製した。試験セルは、被膜を有するリチウム金属2枚と、セパレータと、非水電解質とを用いて、アルゴン雰囲気下で常法により組立てた。
以下の表1には、実施例1~4及び比較例1~3の被膜を有するリチウム金属(負極)の作製時のめっき液の組成、下記被膜の組成評価での被膜に含まれる原子の存在量[原子%]、及び被膜のフッ素化合物の有無の測定結果を示す。
Figure 2022051207000002
<被膜の組成評価>
実施例1~4及び比較例1~3の負極の被膜表面の組成の評価をXPSによって行った。測定装置には、X線光電子分光(XPS)装置(日本電子株式会社製、JPS-9010MX)を使用した。測定は、X線源Al-Kα線、管電流10mA、印加電圧10kV、試料との距離5mm、高真空環境下(10-5Pa以下)で行った。また、光電子取り出し角度は、45°で測定した。
まず、実施例1~4及び比較例1~3の負極の被膜表面のホウ素原子の定量分析、及びフッ素原子の有無の判定を、XPSによって行った。
ホウ素原子の含有量[原子%]は、結合エネルギー185eV~200eVの範囲にピーク有するホウ素1sスペクトルを測定し、そのピーク全体の積分値として算出することができる。表1には、被膜に含まれる元素の含有量を、ホウ素:その他の元素[原子%]として示す。また、フッ素原子の有無の判定は、結合エネルギー680eV~694eVの範囲にピークを有するフッ素1sスペクトルを測定し、そのピークの有無によって判定することができる。表1には、フッ素原子の有無の判定結果を示す。
表1の結果より、実施例1~4の負極の被膜表面には、ホウ素の含有量が0原子%より大きく、1原子%未満であることが確認された。一方、比較例1~3の負極の被膜表面には、ホウ素の含有量が上記特定の範囲内にないことが確認された。
また、実施例1~4及び比較例1~2の負極の被膜表面には、フッ素化合物が存在することが確認された。一方、比較例3の負極の被膜表面には、フッ素化合物が存在しないことが確認された。
また、実施例1及び比較例1の負極の被膜表面の定性分析を、XPSによって行った。
図2は、実施例1の負極の表面におけるB1sピーク及びF1sピークの結果を示す。
図2(a)の結果より、実施例1の負極表面の被膜では、ホウ素(B)1sスペクトルにおいて、結合エネルギー191.5eVに頂点を有するピークが確認され、文献値との比較により、ホウ素化合物であるLiBOが存在することが確認された。また、図2(b)の結果より、フッ素(F)1sスペクトルにおいて、結合エネルギー約685eVに頂点を有するピークが確認され、文献値との比較により、フッ素化合物であるLiFが存在することが確認された。
一方、図3(a)の結果より、ホウ素(B)1sスペクトルにおいて、ピークが確認されず、ホウ素原子が存在しないことが確認された。また、図3(b)の結果より、比較例1の負極表面の被膜では、同様の手法により、フッ素化合物であるLiFが存在することが確認された。
<充放電サイクル試験>
実施例1~4、比較例1~2の各試験セルに対して、充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル試験は、常温環境下で行った。なお、比較例3の試験セルは、被膜の抵抗が大きいため内部抵抗が大きく、試験を行うに適さなかった。
まず、各試験セルは、電流密度1mAcm-2で30分間、定電流充電を行った。次に、各試験セルは、電流密度1mAcm-2で30分間、定電流放電を行った。この充放電を1サイクルとして、充放電サイクルを繰り返して、各試験セルの寿命サイクル数を測定した。なお、寿命サイクル数は、短絡したとき寿命であると判断して測定した。
この結果を図4に示す。図4の結果より、実施例1~4の試験セルは、特に被膜の表面におけるホウ素の含有量が0原子%より大きく、1原子%未満であることによって、100サイクル数以上の良好な充放電サイクル特性が得られた。
一方、被膜の表面におけるホウ素の含有量が0原子量%である比較例1、及びホウ素の含有量が1原子%以上の比較例2では、良好な充放電サイクル特性が得られなかった。
<抵抗評価試験>
実施例1~4、比較例1~2の各試験セルに対して、抵抗評価試験を行った。抵抗評価試験は、常温環境下で行った。なお、比較例3の試験セルは、被膜の抵抗が大きいため内部抵抗が大きく、試験を行うに適さなかった。
まず、各試験セルは、初期状態の初期電圧値(E)を測定した。次に、各試験セルに対して、電流密度(I)1mAcm-2で定電流を流して、電圧が一定になることを確認した。次に、一定の電圧値(E)と初期電圧値(E)と電流密度(I)とから、以下の(1)式によって直流抵抗(R)を算出した。
R=(E-E)/I … (1)
なお、各試験セルは、対称セルであるため、Eは0Vであった。
この結果を図5に示す。図5の結果より、実施例1~4の試験セルは、特に被膜の表面におけるホウ素の含有量が0原子%より大きく、1原子%未満であることによって、10Ω以下の低い直流抵抗が得られた。
一方、被膜の表面におけるホウ素の含有量が0原子量%である比較例1、及びホウ素の含有量が1原子%以上の比較例2では、良好な抵抗値を得ることができなかった。
<リチウム電析温度の確認試験>
参考例1及び2として、作用極に銅箔、対極にリチウム金属を使用して、コイン式電池の二電極式セルを試験セルとして作製した。コイン型の対称セルは、図1に示す構造を有する。外装体内には、作用極及び対極をそれらの間にセパレータを介在させて配置した。
セパレータは、セルガード社製のClelgard(登録商標)2400を使用した。セパレータには、非水電解液を含侵した。非水電解液は、テトラグライムである溶媒1molに対して、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである電解質を1mol混合して調製した。
次に、参考例1では、二電極式セルを60℃の恒温槽内に一定時間載置して、セル温度を一定にした。次に、60℃の温度環境下で、作用極と対極との間に電流密度1mAcm-2の定電流を120分間流して、作用極上にリチウム金属電析膜を形成した。
一方、参考例2では、二電極式セルを30℃以上の恒温槽内に一定時間載置して、セル温度を一定にした。次に、30℃の温度環境下であること以外、参考例1と同様に、作用極状にリチウム金属電析膜を形成した。
続いて、当該リチウム金属電析膜の表面を、SEM(JEOL社製、JSM-6490A)を用いて観察した。図6及び7は、それぞれ、参考例1及び2のリチウム金属電析膜の一部のSEM写真である。
その結果、図6及び7に示すように、参考例1の当該リチウム金属電析膜では、参考例2のそれと比較して、電析膜を構成するリチウム金属の平均粒径が顕著に大きくなることが確認された。これにより、60℃以上の温度で電気めっきを行うことで、電析膜の表面積を大きくでき、その比表面積の大きくできることが確認された。
なお、本発明の実施形態について、具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく種々の変更が可能である。
1…リチウム二次電池、2…正極、21…正極集電体、22…正極層、3…負極、31…負極集電体、32…負極活物質層、4…セパレータ、5…第1外部端子、6…第2外部端子、7…ガスケット

Claims (9)

  1. リチウム二次電池用負極であって、
    リチウム金属又はリチウム合金からなる負極活物質層と、
    前記負極活物質層の表面を被覆する被膜と
    を備え、
    前記被膜は、フッ素化合物及びホウ素化合物を含み、
    X線光電子分光法(XPS)を用いて測定される前記被膜の表面におけるホウ素の含有量は、0原子%より大きく、1原子%未満であることを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  2. 前記被膜の前記ホウ素化合物は、リチウムメタボレート(LiBO)であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用負極。
  3. 前記被膜の前記フッ素化合物は、フッ化リチウム(LiF)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用負極。
  4. 前記被膜の膜厚は、5nm~200nmであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極。
  5. 平板状の金属基材に溶質としてフッ素化合物及びホウ素化合物を含むめっき液を用いて60℃以上の温度で電気めっきを行い、リチウム金属又はリチウム合金からなる電析膜と、前記電析膜の表面を被覆して配置され、その表面におけるホウ素の含有量が0原子%より大きく、1原子%未満である被膜とを形成することを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法。
  6. 前記金属基材はリチウム金属又はリチウム合金からなることを特徴とする請求項5に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
  7. 前記めっき液は、前記ホウ素化合物を前記めっき液の溶質の総量に対して10mol%以下の割合で含むことを特徴とする請求項5又は6に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
  8. 前記めっき液の前記ホウ素化合物は、水素化ホウ素リチウムであることを特徴とする請求項6又は7に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
  9. 請求項1~4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用負極を備えることを特徴とするリチウム二次電池。
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