JP2022050794A - クラッチの学習制御装置 - Google Patents

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Keisuke Sasaki
陽介 松本
Yosuke Matsumoto
良雄 上野
Yoshio Ueno
玲 永楽
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Abstract

【課題】クラッチの学習時間を短縮することにより、クラッチの係合動作と解放動作とを含む変速時間を短縮することができるクラッチの学習制御装置を提供する。【解決手段】駆動力源と変速機構との間で伝達するトルク容量を変更可能でかつ変速過程で伝達トルク容量を一時的に低下させるクラッチの指示値を学習制御する場合に、そのクラッチの伝達トルク容量の指示値を学習する第1学習制御と、クラッチの出力側に連結された変速機構の変速比を変更するための変速制御が開始されてから指示値の学習が完了するまでの時間が第1学習制御よりも短い第2学習制御とを備え、第1学習制御による指示値の学習の進捗度が、予め定められた所定の進捗度以上の場合に、第2学習制御によって指示値の学習を行うように構成されている(ステップS3)。【選択図】図7

Description

この発明は、所定の二つの回転部材の間で伝達するトルク容量を制御できるクラッチの学習制御装置に関するものである。
特許文献1には、エンジンと自動変速機との間に設けられた摩擦式のクラッチの学習制御装置が記載されている。この学習制御装置は、走行中の変速過渡期にクラッチがトルクを伝達し始める係合開始点を学習するように構成されている。具体的には、自動変速機は、その変速段を変更する場合に、クラッチを解放状態、スリップ状態、解放状態、係合状態の順に切り替えられるように構成されている。そのため、学習制御では、クラッチを解放状態からスリップ状態に切り替える過渡期に、自動変速機の入力回転数を検出することにより、その入力回転数が変化し始めた時点でのクラッチストローク量を係合開始点として学習するように構成されている。
特許文献2には、車両の出荷時にクラッチの係合開始点を学習する制御装置が記載されている。この学習制御装置は、クラッチを完全解放した状態から次第に係合状態にクラッチストローク量を増加していき、エンジン回転数が変化した時点でのクラッチストローク量を係合開始点として学習するように構成されている。さらに、特許文献2に記載された学習制御装置は、エンジン回転数が変化し始める時点でのクラッチストローク量を検出した後に、クラッチを完全解放よりもクラッチストローク量が小さい中間位置に戻し、再度、エンジン回転数が変化し始める時点のクラッチストローク量を検出することにより、係合開始点を複数回検出することにより学習精度を向上させ、かつ検出時間を短縮するように構成されている。
特開2015-025547号公報 特開2002-021881号公報
上述した特許文献1に記載された学習制御装置は、変速過渡期にクラッチの係合開始点を学習するように構成されている。しかしながら、その学習制御は、一つの手段に限られているため、例えば、学習の精度が高い手段や、学習時間の短い手段などの選択の余地がない。したがって、クラッチの係合開始点の学習が比較的高精度になっている場合も、同様の学習制御を実行することになり、変速時間を短縮することができない可能性がある。
また、特許文献2に記載された学習制御装置によれば、クラッチの係合開始点を複数回検出する場合に、その中間位置までクラッチを解放することにより、検出時間を短縮するように構成されている。しかしながら、特許文献2に記載された学習制御を変速過渡期に行うとすると、変速時間が長くなる可能性があり、また、クラッチの係合開始点の学習が比較的高精度になっている場合も、同様の学習制御を実行することになり、変速時間を短縮することができない可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、クラッチの学習時間を短縮することにより、クラッチの係合動作と解放動作とを含む変速時間を短縮することができるクラッチの学習制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、駆動力源と、変速機構と、前記駆動力源と前記変速機構との間で伝達するトルク容量を変更できかつ前記変速機構の変速比を変更する間に前記伝達するトルク容量を一時的に低下させるように構成されたクラッチとを備え、前記伝達するトルク容量を一時的に低下させている間に前記クラッチに指示する伝達トルク容量の指示値を学習するように構成されたクラッチの学習制御装置において、前記クラッチの伝達トルク容量を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記指示値を学習する第1学習制御と、前記変速機構の変速比を変更するための変速制御が開始されてから前記指示値の学習が完了するまでの時間が前記第1学習制御よりも短い第2学習制御とを備え、前記第1学習制御による前記指示値の学習の進捗度が、予め定められた所定の進捗度以上の場合に、前記第2学習制御によって前記指示値の学習を行うように構成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、変速機構の変速過渡期に動作するクラッチの伝達トルク容量の指示値を学習する第1学習制御と第2学習制御とを備え、それらの学習制御のうちの変速制御が開始されてから指示値の学習が完了するまでの時間が長い第1学習制御によりクラッチの指示値を学習する。また、その学習の進捗度が予め定められた所定の進捗度以上の場合に、第2学習制御によって指示値を学習することにより、指示値の学習時間を短縮することができる。その結果、指示値の学習時間を考慮した変速制御の時間を短縮することができる。
この発明の実施形態における車両の一例を説明するための模式図である。 摩擦クラッチの伝達トルク容量を低下させている過程での指示値の変化と、それに伴うエンジン回転数の変化を説明するためのタイムチャートである。 第1学習制御を説明するためのタイムチャートである。 第2学習制御を説明するためのタイムチャートである。 第1釣り合いトルクと第2釣り合いトルクとの相関関係を示すグラフである。 入力トルクと、各釣り合いトルクとの関係を示すグラフである。 指示トルクの学習の進捗度に応じて指示トルクを学習するための制御を切り替える例を説明するためのフローチャートである。 指示トルクの学習の進捗度に応じて、第1学習制御で指示トルクを検出する期間を連続的に短縮する例を示す図である。 指示トルクの学習の進捗度に応じて、第1学習制御で指示トルクを検出する期間をステップ的に短縮する例を示す図である。
この発明の実施形態における車両Veの一例を図1を参照して説明する。図1に示す車両Veは、エンジン(Eng)1とリヤモータ(RrーMG)2との動力により後輪3を駆動するとともに、フロントモータ(Fr-MG)4の動力により前輪5を駆動するように構成された四輪駆動のハイブリッド車両である。
エンジン1は、従来知られているガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの種々のエンジンを採用することができ、吸入空気量や、燃料噴射量などを制御することにより出力トルクを制御できるように構成されている。
リヤモータ2およびフロントモータ4は、従来知られている電気自動車やハイブリッド車両の駆動力源として設けられたモータと同様に構成することができ、通電される電力に応じた駆動トルクを出力することに加えて、その回転数を低下させるようにトルクを出力することで、回転軸の動力の一部を電力に変換する発電機としての機能を備えている。これらのモータ2,4は、例えば、ロータに永久磁石を備えた永久磁石式の同期モータなどによって構成することができる。
エンジン1の出力軸6にリヤモータ2が連結され、その出力軸7に摩擦クラッチ8を介してリヤ変速機構(RrーT/M)9が連結されている。この摩擦クラッチ8が、この発明の実施形態における「クラッチ」に相当するものであって、油圧アクチュエータや電磁アクチュエータによって伝達するトルク容量を制御できるように構成されている。すなわち、摩擦クラッチ8は、リヤモータ2の出力軸7とリヤ変速機構9の入力軸10とを連結する係合状態と、リヤモータ2の出力軸7とリヤ変速機構9の入力軸10とを切り離した解放状態と、リヤモータ2の出力軸7とリヤ変速機構9の入力軸10との間で所定のトルクを伝達しつつ、それらの回転軸7,10が相対回転できるようにしたスリップ状態とを設定できるように構成されている。なお、これらの回転軸7,10が、この発明の実施形態における「二つの回転部材」に相当する。
また、ここに示すリヤ変速機構9は、複数の変速段を設定することができる有段式の変速機構であって、そのリヤ変速機構9には、それぞれの変速段を設定するための図示しない噛み合い式のクラッチ(以下、ドグクラッチと記す)が複数設けられている。そして、リヤ変速機構9の出力軸11に、リヤデファレンシャルギヤユニット12を介して一対の後輪3が連結されている。
なお、フロントモータ4には、フロントモータ4の運転点を変更するためのフロント変速機構13が連結されている。このフロント変速機構13は、変速比が「1」となる直結段と、変速比が「1」よりも大きい減速段との二つの変速段を設定することができる有段式の変速機構や、三つ以上の変速段(増速段を含む)を設定することができる有段式の変速機構、あるいは変速比を連続的に変更できる無段式の変速機構など種々の変速機構を採用することができる。そして、フロント変速機構13の出力軸14には、フロントデファレンシャルギヤユニット15を介して一対の前輪5が連結されている。
上述したエンジン1、各モータ2,4、各変速機構9,13、および摩擦クラッチ8を制御するための電子制御装置(以下、ECUと記す)16を備えている。このECU16は、この発明の実施形態における「コントローラ」に相当するものであり、従来知られている電子制御装置と同様に、マイクロコンピュータを主体に構成され、入力されるデータや予め記憶されているデータなどに基づいて演算を行い、その演算結果に応じた信号を、エンジン1、各モータ2,4、各変速機構9,13、および摩擦クラッチ8に出力するように構成されている。
ECU16には、例えば、アクセルペダルの操作量を検出するセンサ、車速を検出するセンサ、エンジン回転数を検出するセンサ、各モータ2,4の回転数を検出するセンサ、リヤ変速機構9の入力回転数を検出するセンサなどが電気的に接続されている。
また、ECU16には、例えば、アクセルペダルの操作量と車速とに基づいてエンジン1への燃料噴射量や吸入空気量を定めるためのマップや、各モータ2,4に通電する電力を定めるためのマップ、あるいは各変速機構9,13の変速段(変速比)を定めるためのマップなどが記憶されている。
つぎに、リヤ変速機構9の変速段(変速比)を変更する変速制御について簡単に説明する。リヤ変速機構9は、上述したように複数のドグクラッチを備え、それらのドグクラッチから選択されたドグクラッチを係合することにより所定の変速段を設定する。言い換えると、噛み合っているドグクラッチを解放するとともに、他のドグクラッチを係合させることにより変速が行われる。そのようにドグクラッチを解放する場合には、ドグクラッチの噛み合い面に作用する摩擦力を低下させるために摩擦クラッチ8の伝達トルク容量を低下させる。したがって、リヤ変速機構9の変速制御は、まず、摩擦クラッチ8の伝達トルク容量を所定トルクまで低下させ、その後に、噛み合っているドグクラッチを解放し、変速後の変速段を設定するためのドグクラッチを係合し、更にその後に、摩擦クラッチ8の伝達トルク容量を完全係合できるトルク容量まで増加させる。
ここで、変速するために摩擦クラッチ8の伝達トルク容量を一時的に低下させる際における指示値の変化とエンジン回転数の変化とについて説明する。図2には、摩擦クラッチ8の伝達トルク容量を低下させている過程での指示値(以下、指示トルクと記す)Tc_opの変化と、それに伴うエンジン回転数Neの変化を示している。なお、以下では、摩擦クラッチ8の入力トルクTinは一定に保たれているものとして説明する。また、その入力トルクTinは、エンジン1やリヤモータ2の制御量に基づいて求めることができる。
図2におけるt0時点は、変速開始前であって、指示トルクTc_opは最大値に維持されている。したがって、エンジン回転数Neは、車速と変速段の変速比とに応じた回転数に維持されている。
この状態で変速開始の判断が成立すると、指示トルクTc_opを低下させ始める。具体的には、t1時点では、まず、指示トルクTc_opが、摩擦クラッチ8の入力トルクTinよりも大きい所定トルクまでステップ的に低下させられる。それに伴って、摩擦クラッチ8の実際の伝達トルク容量は、t1時点から次第に低下する。なお、t1時点では、指示トルクTc_opが、入力トルクTinよりも高いため、摩擦クラッチ8はスリップしない。つまり、エンジン回転数Neは、車速と変速段の変速比とに応じた回転数に維持されている。
摩擦クラッチ8の実際の伝達トルク容量が指示トルクTc_opまで低下する推定時間が経過すると(t2時点)、指示トルクTc_opを入力トルクTinまで比例的に低下させ始め、その後(t3時点)、摩擦クラッチ8が確実にスリップするように予め定められた所定の変化率で、指示トルクTc_opを低下させる。このように指示トルクTc_opを連続的に低下させることにより、t3時点以降に、実際の伝達トルク容量が入力トルクTin以下となり、その結果、エンジン回転数Neが増加し始める。
摩擦クラッチ8がスリップしたと判断し得る程度までエンジン回転数Neが増加すると(t4時点)、入力トルクTinと釣り合うように指示トルクTc_opをステップ的に増加させる。一方、実際の伝達トルク容量は、指示トルクTc_opに対して不可避的に遅れて増加するため、t4時点以降も、エンジン回転数Neが僅かに増加する。そのため、t4時点以降は、エンジン回転数Neの目標回転数と実際の回転数(以下、実回転数と記す)との差に基づいて指示トルクTc_opをフィードバック制御する。その結果、エンジン回転数Neは、増減を繰り返しつつ、目標回転数に収束する。そして、エンジン回転数Neが目標回転数に収束してから所定時間が経過したことを条件に、摩擦クラッチ8がスリップしたと判定して、以降の制御、すなわちドグクラッチを解放させる制御に移行する。
一方、指示トルクTc_opと実際の伝達トルク容量との関係は、摩擦クラッチ8の個体差や経年劣化によって異なる。そのため、この発明の実施形態におけるクラッチの学習制御装置は、上述したように変速時に摩擦クラッチ8の伝達トルク容量を低下させている過程で、指示トルクTc_opを学習補正するように構成されている。より具体的には、指示トルクTc_opを学習補正する第1学習制御と第2学習制御との少なくとも二つの学習制御を備え、その学習の程度(進捗度)に応じて学習補正する制御を切り替えるように構成されている。
図3には、第1学習制御を説明するためのタイムチャートを示してあり、実線は、目標エンジン回転数Ne_tgtおよび伝達トルク容量の指示値Tc_opを示し、破線は、実際のエンジン回転数Ne_curおよび入力トルクTinを示し、学習制御を行った後における指示トルクTc_opを一点鎖線で示してある。上述したように摩擦クラッチ8がスリップしたと判断し得る程度までエンジン回転数Neが増加すると(t4時点)、指示トルクTc_opを入力トルクTinに向けてステップ的に増加させる。その場合に、指示トルクTc_opに応じた実際の伝達トルク容量が、意図した伝達トルク容量よりも大きいと、摩擦クラッチ8がトルクを伝達し始め、その結果、エンジン回転数Neが車速に応じた回転数に変化し始める。なお、摩擦クラッチ8を解放状態とした後における目標エンジン回転数Ne_tgtは、車速およびリヤ変速機構9の変速比に応じたエンジン回転数よりも所定回転数、高回転数となるように定められており、その回転数差を維持するように摩擦クラッチ8の伝達トルク容量が定められている。したがって、摩擦クラッチ8が、意図した伝達トルク容量よりも大きなトルクを伝達すると、それに伴ってエンジン回転数Neが低下し、それとは反対に、摩擦クラッチ8が、意図した伝達トルク容量よりも小さなトルクを伝達すると、それに伴ってエンジン回転数Neが増加する。
t4時点以降における指示トルクTc_opは、実際のエンジン回転数Ne_curと目標エンジン回転数Ne_tgtとの偏差に基づいてフィードバック制御されるように構成されている。したがって、実際のエンジン回転数Ne_curが目標エンジン回転数Ne_tgtを超えて上昇することにより、指示トルクTc_opが増加し、またその後に、実際のエンジン回転数Ne_curが目標回転数Ne_tgt未満となると、指示トルクTc_opが低下させられる。このような指示トルクTc_opの増減を繰り返すことにより、実際のエンジン回転数Ne_curが目標回転数Ne_tgtに収束する。
t5時点で、実際のエンジン回転数Ne_curが目標回転数Ne_tgtに収束したと判断すると、t5時点から予め定められた所定時間、実際のエンジン回転数Ne_curが目標回転数Ne_tgtに追従するように継続して指示トルクTc_opを制御する。これは、実際のエンジン回転数Ne_curが目標回転数Ne_tgtに収束したとしても外乱や、実際の伝達トルク容量の僅かな変化などに応じて実際のエンジン回転数Ne_curと目標回転数Ne_tgtとに回転数差が生じるため、実際の伝達トルク容量が入力トルクTinに釣り合う指示トルクTc_opを正確に判断するためである。
そして、第1学習制御は、上記のように所定時間、実際のエンジン回転数Ne_curが目標回転数Ne_tgtに追従するように制御される指示トルクTc_opの平均値または近似値と、入力トルクTinとの差を求め、その差に基づいて指示トルクTc_opを学習補正する。なお、上述した第1学習制御を実行して補正された指示トルクTc_opを出力すると、図3に一点鎖線で示すように、t4時点での指示トルクTc_opの立ち上がりが小さくなり、その結果、実際のエンジン回転数Ne_curが目標エンジン回転数Ne_tgtに収束するまでの時間を短縮することができる。
一方、第2学習制御は、摩擦クラッチ8がスリップしたと判断し得る回転数まで、実際のエンジン回転数Ne_curが変化した時点での指示トルクTc_opに応じて、指示トルクTc_opを学習するように構成されている。図4には、第2学習制御を説明するためのタイムチャートを示している。上述したようにt3時点から指示トルクTc_opを所定の変化率dT/dtで低下させる。その結果、t6時点で、実際の伝達トルク容量(以下、分担トルクTcと記す)が、入力トルクTin以下となって、摩擦クラッチ8がスリップし始める。その結果、エンジン回転数Neは次第に増加して、t4時点で、摩擦クラッチ8の差回転数(すなわち、エンジン回転数Neとリヤ変速機構9の入力回転数)が所定差ωとなる。なお、t6時点における指示トルクTc_opを、Tslip1と示す。
そのようにエンジン回転数Neが増加し続けている間も指示トルクTc_opは、継続して所定の変化率dT/dtで低下させているため、t4時点では、指示トルクTc_opが、Tslip2まで低下している。この指示トルクTc_opの変化量(Tslip1-Tslip2)は、指示トルクTc_opの変化率dT/dtとスリップしている時間tslipとを乗算した値と同一であり、また、その変化量と摩擦クラッチ8の差回転数ωとに相関関係がある。これらをまとめて式(1)に示してある。
Tslip1-Tslip2=dT/dt・tslip=I・dω/dt …(1)
ここで、Iは、エンジン1やリヤモータ2などの摩擦クラッチ8の入力側の部材と一体に回転する部材のトータルの慣性モーメントであって、エンジン1やリヤモータ2などの構造に基づいて予め求められた固定値である。
上式(1)をtslipについて求めると式(2)になる。
tslip=√(2Iω/(dT/dt)) …(2)
したがって、式(2)で求められたtslipを、式(1)に代入することにより、Tslip1を求めることができ、そのTslip1が、入力トルクTinと釣り合う指示トルクTc_opとなる。したがって、t4時点で、指示トルクTc_opを、Tslip1まで増加させる。
上述したように第2学習制御では、入力トルクTinとの相関関係を求めていない。したがって、指示トルクTc_opを学習補正するためには、入力トルクTinと指示トルクTc_opとの相関関係を求めている第1学習制御の補正値を用いることになる。具体的には、まず、入力トルクTinに釣り合うように第1学習制御によって求められた指示トルクTc_op(以下、第1釣り合いトルクTc_op1と記す)と、第2学習制御によって求められた指示トルクTc_op(以下、第2釣り合いトルクTc_op2と記す)とを一連の変速動作中にそれぞれ求め、それぞれの釣り合いトルクTc_op1,Tc_op2と、それらの釣り合いトルクTc_op1,Tc_op2を求めた時点での入力トルクTinとをECU16に記憶する。このような動作を複数回行い、指示トルクTc_opを学習できる程度のデータをECU16に格納する。
続いて、第1釣り合いトルクTc_opと第2釣り合いトルクTc_op2との相関関係を求める。図5には、その相関関係を求めるためのグラフを示してある。なお、図5における横軸には、第2釣り合いトルクTc_op2を採り、縦軸には、第1釣り合いトルクTc_op1を採ってある。
図5に示す例では、「○」のシンボルでプロットしてある通り、第1釣り合いトルクTc_op1の値が、第2釣り合いトルクTc_op2よりも高い値となっている。したがって、第1釣り合いトルクTc_op1の近似値と第2釣り合いトルクTc_op2との差から、第1補正値を求める。
さらに、上述したように第1学習制御により求められる入力トルクTinと、第1釣り合いトルクTc_op1との差から、第2補正値を求め、それらの第1補正値と第2補正値とに基づいて第2釣り合いトルクTc_op2を学習補正する。すなわち、第2補正値は、第1学習制御によって求められる補正値と同様である。なお、図6は、入力トルクTinと、各釣り合いトルクTc_op1,Tc_op2との関係を示すグラフであり、図6における横軸に、入力トルクTinを採り、縦軸に、各釣り合いトルクTc_op1,Tc_op2を採り、第1釣り合いトルクTc_op1を、「×」のシンボルでプロットし、第2釣り合いトルクTc_op2を、「○」のシンボルでプロットしてある。
上述したように第2学習制御は、第1学習制御により求められた第1釣り合いトルクTc_op1を用いて指示トルクTc_opを学習するように構成され、また、第1釣り合いトルクTc_op1がECU16に既に記憶されているとすれば、リヤ変速機構9の変速を開始する判断が成立してから指示トルクTc_opの学習が完了するまでの時間が、第2学習制御の方が第1学習制御よりも短い。すなわち、第2学習制御で指示トルクTc_opを学習した方が、第1学習制御で指示トルクTc_opを学習するよりも、変速過渡期における指示トルクTc_opを学習するために要する時間を短縮することができる。したがって、この発明の実施形態におけるクラッチの学習制御装置は、指示トルクTc_opの学習の進捗度に応じて指示トルクTc_opを学習するための制御を変更するように構成されている。
その制御の一例を図7に示してある。図7に示す例では、まず、第1学習制御による指示トルクTc_opの学習の進捗度が、予め定められた所定の進捗度以上であるか否かを判断する(ステップS1)。このステップS1は、例えば、ECU16に記憶された第1釣り合いトルクTc_op1の数や、第1学習制御を実行する回数などをカウントして判断してもよく、あるいは第1学習制御における指示トルクTc_opと入力トルクTinとの差が所定差以下になったことなどを条件に判断してもよい。すなわち、ステップS1では、第1学習制御によって指示トルクTc_opが学習されることにより、学習された指示トルクTc_opを出力することで、摩擦クラッチ8の伝達トルク容量が許容される伝達トルク容量となるような精度となっているか否かを判断する。
指示トルクTc_opの学習の進捗度が、所定の進捗度未満であることによりステップS1で否定的に判断された場合は、第1学習制御による指示トルクTc_opの学習を継続して(ステップS2)、このルーチンを一旦終了する。
それとは反対に、指示トルクTc_opの学習の進捗度が、所定の進捗度以上であることによりステップS1で肯定的に判断された場合は、第2学習制御による指示トルクTc_opの学習に切り替えて(ステップS3)、このルーチンを一旦終了する。なお、第2学習制御による上記第2補正値は、既に実行された第1学習制御による補正値を用いればよく、そのため、ステップS3が実行された場合は、図2におけるt4時点で、リヤ変速機構9に設けられたドグクラッチの解放制御に切り替えられる。
上述したように摩擦クラッチ8の指示トルクTc_opの学習の進捗度が所定の進捗度以上となった場合に、第2学習制御による指示トルクTc_opの学習に切り替えることにより、指示トルクTc_opの学習時間を短縮することができる。その結果、指示トルクTc_opの学習時間を考慮したリヤ変速機構9の変速制御の時間を短縮することができる。
また、第1学習制御は、エンジン回転数が目標回転数に収束する指示トルクTc_opと、入力トルクTinとを比較して指示トルクTc_opを学習しているのに対して、第2学習制御は、理論値として求められた指示トルクTc_opに基づいて学習しているため、学習精度は、第1学習制御の方が、第2学習制御よりも高い。そのため、第1学習制御を予め実行し、学習精度が向上した後に第2学習制御を行うことにより学習精度を早期に向上させることができる。
なお、この発明の実施形態における第1学習制御および第2学習制御は、上述した各学習制御に限定されない。例えば、上述した第1学習制御による指示トルクTc_opの学習の進捗度に応じて、第1学習制御で指示トルクTc_opを検出する期間を図8に示すように連続的に短縮してもよく、あるいは図9に示すように進捗度に応じて第1学習制御で指示トルクTc_opを検出する期間をステップ的に短縮してもよい。そのように第1学習制御で指示トルクTc_opを検出する期間を変更する場合には、指示トルクTc_opを検出する期間が長い学習制御が、この発明の実施形態における「第1学習制御」に相当し、指示トルクTc_opを検出する期間が短い学習制御が、この発明の実施形態における「第2学習制御」に相当する。
また、上述した制御例における所定の進捗度は、例えば、車種に応じて定めてもよく、あるいは、スポーツモードとエコモードとを切り替えるなど、車両の特性を変更できる車両の場合には、選択されているモードに応じて変更してもよい。
さらに、工場出荷時や補機バッテリーをクリアした後などのECU16が初期化された時点や、走行距離などに応じて予め定められた強制的に学習を行うタイミング、あるいは定常走行している場合などの変速時間が長くなることが許容されるタイミングなどに、第1学習制御の進捗度をクリアするなどして、再度、第1学習制御による指示トルクTc_opの学習を行うように構成してもよい。
なお、比較的多くの学習制御が行われて、入力トルクTinに釣り合う指示トルクTc_opの精度が向上している場合には、第1学習制御や第2学習制御を行わなくてもよい。その場合には、図2におけるt3時点、あるいはt3時点から僅かに遅れて、リヤ変速機構9に設けられたドグクラッチを解放させる制御が実行される。
1 エンジン
2 リヤモータ
3 後輪
6,7,11,14 出力軸
8 摩擦クラッチ
9 リヤ変速機構
16 電子制御装置(ECU)
Ve 車両

Claims (1)

  1. 駆動力源と、変速機構と、前記駆動力源と前記変速機構との間で伝達するトルク容量を変更できかつ前記変速機構の変速比を変更する間に前記伝達するトルク容量を一時的に低下させるように構成されたクラッチとを備え、
    前記伝達するトルク容量を一時的に低下させている間に前記クラッチに指示する伝達トルク容量の指示値を学習するように構成されたクラッチの学習制御装置において、
    前記クラッチの伝達トルク容量を制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、
    前記指示値を学習する第1学習制御と、前記変速機構の変速比を変更するための変速制御が開始されてから前記指示値の学習が完了するまでの時間が前記第1学習制御よりも短い第2学習制御とを備え、
    前記第1学習制御による前記指示値の学習の進捗度が、予め定められた所定の進捗度以上の場合に、前記第2学習制御によって前記指示値の学習を行うように構成されている
    ことを特徴とするクラッチの学習制御装置。
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