JP2022049144A - 磁歪式トルクセンサ、磁歪式トルクセンサの取付構造及び取付方法 - Google Patents

磁歪式トルクセンサ、磁歪式トルクセンサの取付構造及び取付方法 Download PDF

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潤司 小野
Junji Ono
浩文 白瀧
Hirofumi Shirataki
昌弘 小林
Masahiro Kobayashi
晃大 福田
Akihiro Fukuda
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【課題】小型に構成でき、かつ、取付作業を簡単に行える、磁歪式トルクセンサを実現する。【解決手段】磁歪式トルクセンサ1として、円周方向1個所に不連続部6を有し、かつ、全体が欠円筒形状を有しており、該不連続部6の幅を縮めるように弾性的に縮径可能な、センサ部4を備えるものを使用する。【選択図】図1

Description

本発明は、磁歪式トルクセンサ、磁歪式トルクセンサの取付構造及び取付方法に関する。
たとえば自動車の技術分野においては、自動変速機を構成する回転軸により伝達しているトルクを測定し、その測定結果を利用して、当該変速機の変速制御やエンジンの出力制御を行うことが、従来から行われている。
また、回転軸により伝達しているトルクを測定する技術として、たとえば特開2017-96826号公報(特許文献1)には、当該トルクを、回転軸の周囲に配置した磁歪式トルクセンサにより測定する技術が記載されている。
特開2017-96826号公報
たとえば自動車用の自動変速機では、回転軸の周囲に、歯車などの多くの変速部品が配置されている。このため、回転軸の周囲に確保できる、磁歪式トルクセンサの設置スペースは限られている。
また、磁歪式トルクセンサを回転軸の周囲に配置するために、磁歪式トルクセンサを、ケーシングなどの使用時にも回転しない非回転部材に対し、ボルトを用いて取り付けることも行われている。ただし、磁歪式トルクセンサをボルトを用いて取り付けるためには、たとえば磁歪式トルクセンサにボルト穴を備えた取付フランジを設ける必要があるため、磁歪式トルクセンサが大型化しやすくなる。また、ボルトの締め付け作業も必要になるため、磁歪式トルクセンサの取付作業が面倒になる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、小型に構成でき、かつ、取付作業を簡単に行える、磁歪式トルクセンサを提供することを目的とする。
本発明の磁歪式トルクセンサは、使用時にも回転しない部分に取り付けられた状態で、磁歪特性を有する回転軸の周囲に配置され、前記回転軸に生じる逆磁歪効果を利用して該回転軸が伝達するトルクを測定するものである。
本発明の磁歪式トルクセンサは、円周方向の1個所に不連続部を有し、かつ、全体が欠円筒形状を有しており、前記不連続部の幅を縮めるように弾性的に縮径可能な、センサ部を備える。
本発明の一態様にかかる磁歪式トルクセンサでは、前記センサ部を、外周面の軸方向一方側の端部に、径方向外方に向けて張り出した、外向フランジ状の係合凸部を有するものとすることができる。
この場合には、前記係合凸部を、軸方向一方側の側面に、径方向外側に向かうほど軸方向他方側に向かう方向に傾斜したガイド部を有するものとすることができる。
本発明の磁歪式トルクセンサの取付構造の第一態様は、本発明の磁歪式トルクセンサを、取付孔を有し、かつ、使用時にも回転しない非回転部材に対し取り付けてなる取付構造であって、前記センサ部を前記取付孔の内側に配置した状態で、前記センサ部の外周面を前記取付孔の内周面に弾性的に押し付ける。
本発明の磁歪式トルクセンサの取付構造の第二態様は、前記係合凸部を有する本発明の磁歪式トルクセンサを、取付孔を有し、かつ、使用時にも回転しない非回転部材に対し取り付けてなる取付構造であって、前記センサ部を前記取付孔の内側に配置した状態で、前記センサ部の外周面に備えられた前記係合凸部を、前記取付孔の内周面の軸方向一部に備えられた係合凹部に係合させる。
本発明の磁歪式トルクセンサの取付方法の第一態様は、本発明の磁歪式トルクセンサを、取付孔を有し、かつ、使用時にも回転しない非回転部材に対し取り付けるための取付方法であって、挿入工程と、復元工程とを備える。
前記挿入工程では、前記センサ部を、前記不連続部の円周方向幅を縮めるように弾性的に縮径して前記取付孔に挿入する。
前記復元工程では、前記センサ部を、前記取付孔の内側で弾性的に復元させる。
本発明の磁歪式トルクセンサの取付方法の第二態様は、軸方向一方側の側面に前記ガイド部を備えた前記係合凸部を有する本発明の磁歪式トルクセンサを、取付孔を有し、かつ、使用時にも回転しない非回転部材に対し取り付けるための取付方法であって、挿入工程と、復元工程とを備える。
前記挿入工程では、前記係合凸部に備えられた前記ガイド部を、前記取付孔の開口縁部に対し軸方向に押し付けることで、前記センサ部を、前記不連続部の幅を縮めるように弾性的に縮径して前記取付孔に挿入する。
前記復元工程では、前記係合凸部を、前記取付孔の内周面の軸方向一部に備えられた係合凹部の径方向内側に位置させた状態で、前記センサ部を前記取付孔の内側で弾性的に復元させて、前記係合凸部を前記係合凹部に係合させる。
本発明によれば、小型に構成でき、かつ、取付作業を簡単に行える、磁歪式トルクセンサを実現できる。
図1は、実施の形態の第1例にかかる磁歪式トルクセンサを、図示しないケーシングに取り付け、回転軸の周囲に配置した状態を示す、模式図である。 図2は、図1のA-A線断面模式図である。 図3は、図2のB―B線断面図である。 図4は、実施の形態の第1例にかかる磁歪式トルクセンサのセンサ部を模式的に示す、斜視図である。 図5は、コイル部材を展開した状態で示す模式図であり、(A)は第1の検出コイル及び第4の検出コイルを示す図であり、(B)は第2の検出コイル及び第3の検出コイルを示す図である。 図6は、実施の形態の第1例にかかる磁歪式トルクセンサの測定部の1例を示す、回路図である。 図7は、実施の形態の第1例にかかる磁歪式トルクセンサの取付方法を説明するために示す、断面模式図である。 図8は、実施の形態の第2例を示す、図4に相当する図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1~図7を用いて説明する。
〔磁歪式トルクセンサの構造〕
本例の磁歪式トルクセンサ1は、使用時にも回転しない非回転部材であるケーシング2に取り付けられた状態で、磁歪特性を有する回転軸3の周囲に配置され、回転軸3が伝達するトルクを測定するものである。
磁歪式トルクセンサ1は、センサ部4と、ハーネス5と、測定部17とを備える。
センサ部4は、円周方向の1個所にスリット状の不連続部6を有し、全体が欠円筒形状を有する。このため、センサ部4は、該センサ部4の軸方向から見た端面形状が、C字形である。また、センサ部4は、不連続部6の幅を縮めるように弾性的に縮径可能である。
センサ部4は、コイル部材7と、該コイル部材7の径方向外側を覆うように配置されたバックヨーク8と、該バックヨーク8の径方向外側を覆うように配置された覆い部材9とを備える。
コイル部材7は、ボビン10と、該ボビン10に巻き付けられた絶縁電線からなる複数(本例では4つ)の検出コイル11a~11dとを備える。ボビン10は、センサ部4をケーシング2に取り付けた状態で、回転軸3と同軸に配置される。このため、ボビン10の内周面と回転軸3の外周面との間には、円周方向にわたり一定の隙間が形成される。
ボビン10は、全体が欠円筒形状を有しており、非磁性体材料である樹脂材料から造られている。ボビン10の外周面には、ボビン10の軸方向に対して所定角度(図示の例では+45度)だけ傾斜した複数の第1傾斜溝12aと、ボビン10の軸方向に対して第1傾斜溝12aとは反対方向に所定角度(図示の例では-45度)だけ傾斜した複数の第2傾斜溝12bとが備えられている。なお、第1傾斜溝12a及び第2傾斜溝12bのそれぞれの傾斜角度は、任意に設定することができる。
複数の検出コイル11a~11dのうち、第1の検出コイル11a及び第4の検出コイル11dのそれぞれは、ボビン10の外周面に備えられた第1傾斜溝12aに沿って絶縁電線を巻き付けてなる。これに対し、複数の検出コイル11a~11dのうち、第2の検出コイル11b及び第3の検出コイル11cのそれぞれは、ボビン10の外周面に備えられた第2傾斜溝12bに沿って絶縁電線を巻き付けてなる。
第1の検出コイル11a及び第4の検出コイル11dは、回転軸3の軸方向に対して所定角度(図示の例では+45度)だけ傾斜した第1方向での、回転軸3の透磁率変化を検出する。第2の検出コイル11b及び第3の検出コイル11cは、回転軸3の軸方向に対して第1方向とは反対側に所定角度(図示の例では-45度)だけ傾斜した第2方向での、回転軸3の透磁率変化を検出する。検出コイル11a~11dを構成する絶縁電線は、ハーネス5を介して、後述する測定部17に電気的に接続される。
バックヨーク8は、全体が欠円筒形状を有しており、たとえば鉄などの磁性体材料(強磁性体材料)から造られている。バックヨーク8には、コイル部材7を構成するボビン10が内嵌固定されている。バックヨーク8は、検出コイル11a~11dで生じた磁束が外部に漏れるのを抑制する機能を有する。
本例では、コイル部材7の周囲を覆い部材9により覆っている。覆い部材9は、全体が欠円筒形状を有しており、たとえば、エポキシ樹脂や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、PA(ポリアミド)、PPA(ポリフタルアミド)などの熱可塑性樹脂から造られている。覆い部材9は、バックヨーク8を覆うように樹脂をモールド成形することにより造られる。なお、覆い部材9をエポキシ樹脂製とする場合には、該覆い部材9の周囲をさらに熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂部材により覆うこともできる。本例では、このような覆い部材9が、センサ部4の外周面を構成している。
センサ部4は、外周面の軸方向一方側の端部に、径方向外方に向けて張り出した外向フランジ状の係合凸部13を有する。係合凸部13は、センサ部4の外周面に、不連続部6が備えられた部分を除いて、円周方向に連続して設けられている。係合凸部13は、略台形状の断面形状を有しており、軸方向一方側の側面に、径方向外側に向かうほど軸方向他方側に向かう方向に傾斜したガイド部14を有している。
センサ部4は、外周面の軸方向他方側の端部に、径方向外側に向けて張り出した外向フランジ状の位置決め凸部15を有する。位置決め凸部15は、センサ部4の外周面に、不連続部6が備えられた部分を除いて、円周方向に連続して設けられている。位置決め凸部15は、矩形状の断面形状を有している。なお、位置決め凸部の断面形状を、係合凸部13の断面形状と同じにすることもできる。位置決め凸部15の軸方向一方側の側面から係合凸部13の軸方向他方側の側面までの軸方向寸法は、後述する取付孔22に備えられた係合凹部23の軸方向位置との関係で決定する。
センサ部4は、外周面の軸方向中間部に、円筒面状の押付面16を有している。言い換えれば、押付面16は、センサ部4の軸方向に関して係合凸部13と位置決め凸部15との間に備えられている。
磁歪式トルクセンサ1は、上述のように、センサ部4を、コイル部材7とバックヨーク8と覆い部材9とから構成している。このため、コイル部材7(ボビン10)の円周方向一部に備えられた不連続部と、バックヨーク8の円周方向一部に備えられた不連続部と、覆い部材9に備えられた不連続部との、円周方向に関する位相は一致している。そして、コイル部材7とバックヨーク8と覆い部材9とのそれぞれの不連続部により、センサ部4の不連続部6が構成されている。
ハーネス5は、検出コイル11a~11dを構成する絶縁電線と後述する測定部17とを、電気的に接続するもので、センサ部4の軸方向他方側の端面から軸方向に引き出されている。ただし、本発明を実施する場合に、ハーネスを、センサ部4を構成する位置決め凸部15から径方向外側に引き出すこともできる。
測定部17は、図6に示すように、検出コイル11a~11dのそれぞれのインダクタンスの変化を検出することで、回転軸3が伝達するトルクを測定する。測定部17は、ブリッジ回路18と、発振器19と、電圧測定装置(ロックイン増幅器)20と、トルク演算部21とを備える。
ブリッジ回路18は、第1の検出コイル11aと、第2の検出コイル11bと、第3の検出コイル11cと、第4の検出コイル11dとを環状に接続してなる。発振器19は、第1の検出コイル11aと第2の検出コイル11bとの接点Aと、第3の検出コイル11cと第4の検出コイル11dとの接点Bとの間に、交流電圧を印加する。電圧測定装置20は、第1の検出コイル11aと第3の検出コイル11cとの接点Cと、第2の検出コイル11bと第4の検出コイル11dとの接点Dとの間の電圧を検出する。トルク演算部21は、電圧測定装置20の出力信号に基づいて、回転軸3が伝達するトルクを演算する。
本例の磁歪式トルクセンサ1を用いて、回転軸3が伝達するトルクを測定するには、発振器19により、A点とB点との間に交流電圧を印加し、検出コイル11a~11dのそれぞれに交流電流を流す。すると、検出コイル11a~11dのそれぞれには、円周方向に隣り合う1対の検出コイル同士で互いに逆向きの電流が流れる。この結果、検出コイル11a~11dの周囲に交流磁界が発生し、交流磁界の磁束の一部が回転軸3の表層部を通過する。この状態で、回転軸3にトルクが加わると、逆磁歪効果により、回転軸3は、軸方向に対して+45度の方向の透磁率が増加(又は減少)し、軸方向に対して-45度の方向の透磁率が減少(又は増加)する。このため、第1の検出コイル11a及び第4の検出コイル11dでは、インダクタンスが減少(又は増加)し、第2の検出コイル11b及び第3の検出コイル11cでは、インダクタンスが増加(又は減少)する。この結果、電圧測定装置20で検出される電圧の値が変化するため、トルク演算部21は、この電圧の値をもとに、回転軸3が伝達するトルクを演算する。
一方、回転軸3がトルクを伝達していない状態では、検出コイル11a~11dのそれぞれのインダクタンスは互いに等しくなる。このため、電圧測定装置20で検出される電圧は0になる。
本例の磁歪式トルクセンサ1のセンサ部4は、使用状態で、回転軸3の周囲に配置される。回転軸3は、たとえば、自動車のパワートレインを構成する、自動変速機の回転軸、デファレンシャルギヤの回転軸、プロペラシャフト、ドライブシャフトなどである。回転軸3は、磁歪特性を有する材料である、SCr420(クロム鋼)、SCM420(クロムモリブデン鋼)、SNCM420(ニッケルクロムモリブデン鋼)などの鋼(鉄合金)製で、円柱状又は円筒状に構成されている。
回転軸3には、外周面のうちで、センサ部4の内周面と対向する部分に、ショットピーニング処理を施し、磁歪特性を改善した改質層を形成することもできる。このような改質層を形成すれば、磁歪式トルクセンサ1によるトルク測定の感度及びヒステリシスを改善することができる。
〔磁歪式トルクセンサの取付方法及び取付構造〕
本例の磁歪式トルクセンサ1は、非回転部材であるケーシング2に対し取り付けた状態で使用する。ケーシング2は、たとえば自動変速機のケーシングであり、回転軸3を軸方向に挿通可能な取付孔22を有する。取付孔22は、図示の例では、軸方向両側が開口した貫通孔である。ただし、本発明を実施する場合には、取付孔は、少なくとも軸方向他方側(センサ部4の挿入口側)が開口していれば良い。
取付孔22は、内周面の軸方向一方側の端部に、軸方向他方側に隣接する部分に比べて内径寸法の大きい、係合凹部23を全周にわたり有している。係合凹部23は、略台形状の断面形状を有する。係合凹部23は、センサ部4の外周面に備えられた係合凸部13よりも、大きな軸方向寸法を有している。取付孔22の内周面のうち、係合凹部23の軸方向他方側には、円筒面状の被押付面24を有している。被押付面24の内径寸法は、軸方向にわたり一定であり、取付孔22の軸方向他方側の開口縁部の内径寸法と同じである。図7の(A)に示すように、被押付面24の内径寸法d24は、センサ部4の自由状態での係合凸部13の外径寸法D13よりも小さく、かつ、センサ部4の自由状態での押付面16の外径寸法D16よりもわずかに小さい(d24<D16<D13)。また、被押付面24の内径寸法d24は、センサ部4を不連続部6の幅がゼロになるまで縮径した状態での、係合凸部13の外径寸法よりも大きい。
本例では、上述のようなケーシング2の取付孔22に、磁歪式トルクセンサ1のセンサ部4を取り付けるために、次の挿入工程と、復元工程とを行う。
〈挿入工程〉
先ず、図7の(A)に示すように、磁歪式トルクセンサ1を、ケーシング2の取付孔22の同軸上でかつ軸方向他方側に配置する。この際、磁歪式トルクセンサ1のハーネス5(図1参照)は、センサ部4の軸方向に関して、ケーシング2の反対側に向けて配置する。
そして、磁歪式トルクセンサ1を、ケーシング2に対し軸方向一方側に相対移動させ、図7の(B)に示すように、センサ部4の係合凸部13に備えられたガイド部14を、取付孔22の軸方向他方側の開口縁部に対し、軸方向一方側に向けて押し付ける。ここで、ガイド部14は、径方向外側に向かうほど軸方向他方側に向かう方向に傾斜しているため、ガイド部14を取付孔22の軸方向他方側の開口縁部に押し付けることで、センサ部4には、該センサ部4を縮径させようとする力が作用する。これにより、センサ部4を、不連続部6の幅を縮めるように縮径させて、センサ部4の軸方向一方側部を取付孔22の内側に押し込む。この際、係合凸部13の外径寸法D13aは、被押付面24の内径寸法d24と等しくなる(D13a=d24)。また、不連続部6の幅寸法H6aは、センサ部4の自由状態での不連続部6の幅寸法Hよりも小さくなる(H6a<H)。
〈復元工程〉
次いで、図7の(C)に示すように、係合凸部13の外周面を被押付面24に対し、弾性的に押し付けながら軸方向に摺接させ、磁歪式トルクセンサ1を、ケーシング2に対し軸方向一方側に相対移動させる。すると、係合凸部13が被押付面24から係合凹部23の径方向内側に位置した状態で、係合凸部13の拘束が解除され、図7の(D)に示すように、センサ部4が取付孔22の内側で弾性的に復元する。
これにより、係合凸部13の外径寸法が、被押付面24の内径寸法d24よりも大きくなる。そして、係合凸部13が、係合凹部23の内側に進入し、係合凹部23に対し係合する。また、センサ部4の外周面に備えられた円筒面状の押付面16が、取付孔22の内周面に備えられた円筒面状の被押付面24に対し弾性的に押し付けられる。さらに、センサ部4の外周面の軸方向他方側の端部に備えられた位置決め凸部15が、ケーシング2の軸方向他方側の側面のうち、取付孔22の開口部の周囲に存在する部分に対し係合する。これにより、センサ部4が、取付孔22の内側にそれ以上進入することが防止され、ケーシング2に対する磁歪式トルクセンサ1の軸方向に関する位置決めが図られる。また、この状態で、不連続部6の幅寸法H6bは、センサ部4の自由状態での不連続部6の幅寸法Hよりもわずかに小さくなる(H6b<H)。
本例では、ケーシング2の取付孔22に、磁歪式トルクセンサ1のセンサ部4を取り付けた状態で、センサ部4のうち、軸方向他方側の端部を除いた、軸方向一方側の端部から軸方向中間部にわたる範囲が、取付孔22の内側に配置される。そして、センサ部4の外周面に備えられた円筒面状の押付面16を、取付孔22の内周面に備えられた円筒面状の被押付面24に対し弾性的に押し付けている。これにより、センサ部4は、取付孔22にがたつきなく内嵌支持される。このため、センサ部4が、ケーシング2に対して、センサ部4の直径方向に相対変位したり、相対回転したりすることを防止できる。
また、係合凸部13を係合凹部23の内側に進入させて、係合凸部13を係合凹部23に係合させている。具体的には、係合凸部13の軸方向他方側の側面を、係合凹部23の内面のうち軸方向一方側を向いた側面(段差面)に対して係合させている。これにより、センサ部4が取付孔22から軸方向他方側に抜け出ることを防止している。別の言い方をすれば、磁歪式トルクセンサ1が、ケーシング2に対して、軸方向他方側に相対変位することを防止している。なお、係合凸部13の外周面を、係合凹部23の底面に対し、弾性的に押し付けることもできるし、係合凸部13の外周面と係合凹部23の底面との間に、隙間を設けることもできる。
さらに、位置決め凸部15を、ケーシング2の軸方向他方側の側面のうち、取付孔22の開口部の周囲に存在する部分に対し係合させている。これにより、センサ部4が、取付孔22に対して、軸方向一方側にそれ以上進入することを防止している。別の言い方をすれば、磁歪式トルクセンサ1が、ケーシング2に対して、軸方向一方側に相対変位することを防止している。
以上のように本例では、磁歪式トルクセンサ1を、ケーシング2に対して、センサ部4の直径方向及び軸方向の相対変位を防止し、かつ、相対回転を防止した態様で、取り付けることができる。
以上のような本例では、磁歪式トルクセンサ1を小型に構成でき、かつ、磁歪式トルクセンサ1の取付作業を簡単に行うことができる。
すなわち、本例では、磁歪式トルクセンサ1を構成するセンサ部4を、円周方向1個所に不連続部6を有し、かつ、全体を欠円筒状に構成している。また、センサ部4を、不連続部6の幅を縮めるように弾性的に縮径可能に構成している。このため、センサ部4を縮径した状態で、ケーシング2の取付孔22の内側に挿入し、該取付孔22の内側で弾性的に復元させることで、センサ部4を取付孔22に対して容易に取り付けることができる。したがって、本例の磁歪式トルクセンサ1は、ケーシング2に取り付けるために、従来構造のようにボルト穴を備えた取付フランジを設ける必要がない。このため、本例の磁歪式トルクセンサ1は、小型に構成することができる。また、磁歪式トルクセンサ1の取付作業では、ボルトを締め付ける作業も不要である。したがって、磁歪式トルクセンサ1の取付作業を簡単に行うことができる。
本例では、センサ部4の外周面に備えられた係合凸部13を、取付孔22の内周面に備えられた係合凹部23に係合させるため、センサ部4が、取付孔22から軸方向他方側に抜け出ることを防止できる。
また、係合凸部13の軸方向一方側の側面に備えられたガイド部14を、取付孔22の軸方向他方側の開口縁部に対し軸方向に押し付けることで、センサ部4を縮径させることができる。このため、磁歪式トルクセンサ1の取付作業時に、センサ部4を軸方向に押圧すれば足り、軸方向とは別にセンサ部4を縮径させる方向に力を作用させる必要がない。このため、磁歪式トルクセンサ1の取付作業の自動化を図りやすくなるとともに、取付作業のさらなる簡易化を図れる。
また、センサ部4の外周面に備えられた位置決め凸部15を、ケーシング2の軸方向他方側の側面のうち、取付孔22の開口部の周囲に存在する部分に係合させている。このため、磁歪式トルクセンサ1の取付作業時に、センサ部4が、取付孔22の内側にそれ以上進入することを防止でき、ケーシング2に対する磁歪式トルクセンサ1の軸方向に関する位置決めを図ることができる。このため、この面からも、磁歪式トルクセンサ1の取付作業の自動化を図りやすくなるとともに、取付作業のさらなる簡易化を図れる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図8を用いて説明する。本例では、実施の形態の第1例と同様の構成要素には、実施の形態の第1例と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本例では、センサ部4aの外周面の軸方向一方側の端部に、円周方向に関して間欠的に複数(図示の例では3つ)の係合凸部13aを備えている。複数の係合凸部13aは、円周方向に均等に配置されている。また、複数の係合凸部13aのそれぞれは、軸方向一方側の側面にガイド部14を備えている。
以上のような本例の場合にも、磁歪式トルクセンサ1をケーシング2(図3参照)に取り付けた状態で、係合凸部13aのそれぞれを、取付孔22の内周面に備えられた係合凹部23(図3参照)に係合させることで、センサ部4aが、取付孔22から軸方向他方側に抜け出ることを防止できる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
なお、本例の変形例として、取付孔の内周面に、円周方向に関して間欠的に複数の係合凹部を設け、それぞれの係合凹部に対して、係合凸部を係合させれば、ケーシングに対してセンサ部が円周方向に相対回転するのを確実に防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、発明の技術思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
たとえば、本発明を実施する場合に、測定部の構成は、実施の形態の第1例で説明した構成に限定されない。測定部を構成するブリッジ回路のうち、2つの検出コイルを抵抗に置き換えて使用することができる。また、センサ部を構成するコイル部材に代えて、たとえば、ホール素子、ホールIC、MR素子、GMR素子、AMR素子、TMR素子、MI素子などの磁気検出素子を備えた磁気センサを使用することもできる。
本発明にかかる磁歪式トルクセンサを、自動車のパワートレインに組み込んで使用する場合に、組み込み対象となる装置は、特に問わない。たとえば、オートマチックトランスミッション(AT)、ベルト式無段変速機、トロイダル型無段変速機、オートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)、ダブルクラッチトランスミッション(DCT)などの車側の制御で変速を行うトランスミッション、又はトランスファーを対象とすることができる。また、対象となる車両の駆動方式(FF、FR)も、特に問わない。
また、本発明の磁歪式トルクセンサは、自動車のパワートレインに限らず、風車、鉄道車両、圧延機、工作機械、建設機械、農業機械、家庭用電気器具など、各種機械装置に組み込んで使用することができる。
1 磁歪式トルクセンサ
2 ケーシング
3 回転軸
4、4a センサ部
5 ハーネス
6 不連続部
7 コイル部材
8 バックヨーク
9 覆い部材
10 ボビン
11a 第1の検出コイル
11b 第2の検出コイル
11c 第3の検出コイル
11d 第4の検出コイル
12a 第1傾斜溝
12b 第2傾斜溝
13、13a 係合凸部
14 ガイド部
15 位置決め凸部
16 押付面
17 測定部
18 ブリッジ回路
19 発振器
20 電圧測定装置
21 トルク演算部
22 取付孔
23 係合凹部

Claims (7)

  1. 使用時にも回転しない部分に取り付けられた状態で、磁歪特性を有する回転軸の周囲に配置され、前記回転軸に生じる逆磁歪効果を利用して該回転軸が伝達するトルクを測定する、磁歪式トルクセンサであって、
    円周方向の1個所に不連続部を有し、かつ、全体が欠円筒形状を有しており、前記不連続部の幅を縮めるように弾性的に縮径可能な、センサ部を備える、
    磁歪式トルクセンサ。
  2. 前記センサ部は、外周面の軸方向一方側の端部に、径方向外方に向けて張り出した外向フランジ状の係合凸部を有する、請求項1に記載した磁歪式トルクセンサ。
  3. 前記係合凸部は、軸方向一方側の側面に、径方向外側に向かうほど軸方向他方側に向かう方向に傾斜したガイド部を有する、請求項2に記載した磁歪式トルクセンサ。
  4. 請求項1~3のうちのいずれか1項に記載した磁歪式トルクセンサを、取付孔を有し、かつ、使用時にも回転しない非回転部材に対し取り付けてなる、磁歪式トルクセンサの取付構造であって、
    前記センサ部を前記取付孔の内側に配置した状態で、前記センサ部の外周面を前記取付孔の内周面に弾性的に押し付けている、
    磁歪式トルクセンサの取付構造。
  5. 請求項2又は請求項3に記載した磁歪式トルクセンサを、取付孔を有し、かつ、使用時にも回転しない非回転部材に対し取り付けてなる、磁歪式トルクセンサの取付構造であって、
    前記センサ部を前記取付孔の内側に配置した状態で、前記センサ部の外周面に備えられた前記係合凸部を、前記取付孔の内周面の軸方向一部に備えられた係合凹部に係合させている、
    磁歪式トルクセンサの取付構造。
  6. 請求項1~3のうちのいずれか1項に記載した磁歪式トルクセンサを、取付孔を有し、かつ、使用時にも回転しない非回転部材に対し取り付けるための、磁歪式トルクセンサの取付方法であって、
    前記センサ部を、前記不連続部の円周方向幅を縮めるように弾性的に縮径して前記取付孔に挿入する、挿入工程と、
    前記センサ部を、前記取付孔の内側で弾性的に復元させる、復元工程と、
    を備える磁歪式トルクセンサの取付方法。
  7. 請求項3に記載した磁歪式トルクセンサを、取付孔を有し、かつ、使用時にも回転しない非回転部材に対し取り付けるための、磁歪式トルクセンサの取付方法であって、
    前記係合凸部に備えられた前記ガイド部を、前記取付孔の開口縁部に対し軸方向に押し付けることで、前記センサ部を、前記不連続部の幅を縮めるように弾性的に縮径して前記取付孔に挿入する、挿入工程と、
    前記係合凸部が、前記取付孔の内周面の軸方向一部に備えられた係合凹部の径方向内側に位置した状態で、前記センサ部を前記取付孔の内側で弾性的に復元させ、前記係合凸部を前記係合凹部に係合させる、復元工程と、
    を備える磁歪式トルクセンサの取付方法。
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