JP2022048922A - バルーンカテーテル - Google Patents
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Abstract
【課題】バルーンを適切に拡張させることができると共に、バルーンが拡張した状態においても血流を確保することができるバルーンカテーテルを提供する。【解決手段】バルーンカテーテルは、環状空間への流体の供給によって筒状に拡張可能な第一バルーン1と、第一バルーン1の筒内に配置され、流体の供給によって拡張可能な第二バルーン2と、第一バルーン1を支持する長尺状のシャフト5と、シャフト5の延在方向において、第一バルーン1の近位側から遠位側への体液の通流を許容する灌流路7と、を備え、第二バルーン2は、拡張することにより第一バルーン1を筒内から付勢可能であり、拡張した状態の第一バルーン1の筒内面と拡張した状態の第二バルーン2の外表面との間に形成された隙間によって灌流路7が形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、バルーンカテーテルに関する。
バルーンカテーテルでは、バルーンを血管内で拡張させると、バルーンの外表面が血管の内壁に圧着する。そのため、バルーンによって血流が断絶されて虚血状態となることがある。特許文献1には、導管型バルーン付きカテーテルが記載されている。このカテーテルでは、貫通する中腔を有するバルーン(すなわち、筒状に拡張したバルーン)の内腔面に、カテーテルが接着固定されている。このカテーテルでは、バルーンを膨張させた際その中心に空洞ができるため、血管内壁を伸展圧迫している状態においても血流が保持される。
特許文献1に記載されているようなカテーテルでは、拡張したバルーンの筒内に当該バルーンの筒形状を筒内から支持する構造などを有していない。そのため、バルーンを拡張させる際に、当該バルーンが所望の形状に拡張せず、もしくは所望の形状から変形してしまい適切な拡張を行えず、血管内壁に対してバルーンの外表面を適切に押し付けることができない場合がある。
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、バルーンを適切に拡張させることができると共に、バルーンが拡張した状態においても血流を確保することができるバルーンカテーテルを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るバルーンカテーテルは、
ドーナツ形状であって、環状空間への流体の供給によって筒状に拡張可能な第一バルーンと、
前記第一バルーンの筒内に配置され、流体の供給によって拡張可能な第二バルーンと、
前記第一バルーンを支持する長尺状のシャフトと、
前記シャフトの延在方向において、前記第一バルーンの近位側から遠位側への体液の通流を許容する灌流路と、を備え、
前記第二バルーンは、拡張することにより前記第一バルーンを筒内から付勢可能であり、
拡張した状態の前記第一バルーンの筒内面と拡張した状態の前記第二バルーンの外表面との間に形成された隙間によって前記灌流路が形成されている。
ドーナツ形状であって、環状空間への流体の供給によって筒状に拡張可能な第一バルーンと、
前記第一バルーンの筒内に配置され、流体の供給によって拡張可能な第二バルーンと、
前記第一バルーンを支持する長尺状のシャフトと、
前記シャフトの延在方向において、前記第一バルーンの近位側から遠位側への体液の通流を許容する灌流路と、を備え、
前記第二バルーンは、拡張することにより前記第一バルーンを筒内から付勢可能であり、
拡張した状態の前記第一バルーンの筒内面と拡張した状態の前記第二バルーンの外表面との間に形成された隙間によって前記灌流路が形成されている。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第一バルーンの筒内に、複数の前記第二バルーンが配置されてもよい。
前記第一バルーンの筒内に、複数の前記第二バルーンが配置されてもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
隣接する前記第二バルーン同士が、拡張した状態で当接してもよい。
隣接する前記第二バルーン同士が、拡張した状態で当接してもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第二バルーンは、前記シャフトの延在方向と直交する断面の形状が楕円形でもよい。
前記第二バルーンは、前記シャフトの延在方向と直交する断面の形状が楕円形でもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第二バルーンは、前記シャフトの延在方向と直交する断面の形状が扇形でもよい。
前記第二バルーンは、前記シャフトの延在方向と直交する断面の形状が扇形でもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第二バルーンは、前記シャフトを支点として拡張し、前記第一バルーンを付勢してもよい。
前記第二バルーンは、前記シャフトを支点として拡張し、前記第一バルーンを付勢してもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第二バルーンを支持するサブシャフトをさらに備え、
前記サブシャフトは、
前記シャフトに離脱可能に係止されており、
前記第二バルーンが拡張すると、前記第一バルーンの筒内において前記シャフトから離脱して離間してもよい。
前記第二バルーンを支持するサブシャフトをさらに備え、
前記サブシャフトは、
前記シャフトに離脱可能に係止されており、
前記第二バルーンが拡張すると、前記第一バルーンの筒内において前記シャフトから離脱して離間してもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第一バルーンは、拡張時の形状が円筒状に形成されており、
前記第一バルーンの軸心は、前記第二バルーンの拡張時の前記サブシャフトの軸心と重複するように配置されてもよい。
前記第一バルーンは、拡張時の形状が円筒状に形成されており、
前記第一バルーンの軸心は、前記第二バルーンの拡張時の前記サブシャフトの軸心と重複するように配置されてもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第一バルーンは、拡張時の形状が円筒状に形成されており、
前記第一バルーンの軸心は、前記シャフトの軸心と重複するように配置されてもよい。
前記第一バルーンは、拡張時の形状が円筒状に形成されており、
前記第一バルーンの軸心は、前記シャフトの軸心と重複するように配置されてもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第二バルーンは、前記第一バルーンの筒内面に固定されてもよい。
前記第二バルーンは、前記第一バルーンの筒内面に固定されてもよい。
本発明に係るバルーンカテーテルでは、更に、
前記第一バルーンの外表面上には薬剤層が形成されてもよい。
前記第一バルーンの外表面上には薬剤層が形成されてもよい。
バルーンを適切に拡張させることができると共に、バルーンが拡張した状態においても血流を確保することができるバルーンカテーテルを提供することができる。
図面に基づいて、本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルについて説明する。本実施形態に係るバルーンカテーテルとしては、人体などの生物の体内に薬剤を送達するために用いられるものを例示している。以下の説明では、バルーンカテーテルが人体の血管内に挿入されて使用される場合を例示して説明する。以下の説明では、人体は生物の一例である。また、血液は体液の一例である。また、血管内壁は生体組織の一例である。また、血管の狭窄部は患部の一例である。
(第一実施形態)
(全体構成の説明)
図1に示すように、本実施形態に係るバルーンカテーテル100(以下、カテーテル100と記載する)は、環状空間1aへの拡張用の流体の供給によって筒状に拡張可能な第一バルーン1と、第一バルーン1の筒内に配置され、流体の供給によって拡張可能な第二バルーン2(図2参照)と、体内に挿入される遠位側において第一バルーン1を支持する長尺状のシャフト5と、シャフト5における近位側に設けられ、第一バルーン1及び第二バルーン2に流体を注入させるポート63を有するカテーテルハブ6(以下、ハブ6と記載する)と、を備えている。詳細は後述するが、本実施形態のバルーンカテーテル100には、シャフト5の延在方向において、第一バルーン1の近位側から遠位側への体液の通流を許容する灌流路7(図2参照)が形成されている。図1では、第一バルーン1及び第二バルーン2が収縮した状態のバルーンカテーテル100を示している。第一バルーン1の外表面には薬剤が担持された薬剤層Dが形成されている。なお、カテーテル100において、近位側とは、長尺状のシャフト5の軸方向(延在方向)において、カテーテル100の使用時に体外に位置する側のことを言う。遠位側とは、長尺状のシャフト5の軸方向において、近位側とは逆の側(カテーテル100の使用時に、体内に位置する側)のことを言う。
(全体構成の説明)
図1に示すように、本実施形態に係るバルーンカテーテル100(以下、カテーテル100と記載する)は、環状空間1aへの拡張用の流体の供給によって筒状に拡張可能な第一バルーン1と、第一バルーン1の筒内に配置され、流体の供給によって拡張可能な第二バルーン2(図2参照)と、体内に挿入される遠位側において第一バルーン1を支持する長尺状のシャフト5と、シャフト5における近位側に設けられ、第一バルーン1及び第二バルーン2に流体を注入させるポート63を有するカテーテルハブ6(以下、ハブ6と記載する)と、を備えている。詳細は後述するが、本実施形態のバルーンカテーテル100には、シャフト5の延在方向において、第一バルーン1の近位側から遠位側への体液の通流を許容する灌流路7(図2参照)が形成されている。図1では、第一バルーン1及び第二バルーン2が収縮した状態のバルーンカテーテル100を示している。第一バルーン1の外表面には薬剤が担持された薬剤層Dが形成されている。なお、カテーテル100において、近位側とは、長尺状のシャフト5の軸方向(延在方向)において、カテーテル100の使用時に体外に位置する側のことを言う。遠位側とは、長尺状のシャフト5の軸方向において、近位側とは逆の側(カテーテル100の使用時に、体内に位置する側)のことを言う。
図2は、第一バルーン1及び第二バルーン2が拡張した状態のバルーンカテーテル100の断面を示している。図2に示すように、第二バルーン2は、拡張することにより第一バルーン1を筒内から付勢することができる。これにより、第一バルーン1を適切に拡張させることができる。拡張した状態の第一バルーン1の筒内面と拡張した状態の第二バルーン2の外表面との間に形成された隙間によって灌流路7が形成されている。この灌流路7の形成により、第一バルーン1が拡張した状態においても血流の確保(灌流)が実現される。
第一バルーン1が患部(本実施形態では、血管の狭窄部分)に到達すると、薬剤層Dが患部に押し当てられるまで、第一バルーン1及び第二バルーン2が拡張される。薬剤層Dが患部に押し当てられることで、薬剤層Dの薬剤が患部へ移行する。第一バルーン1の拡張は、第一バルーン1の環状空間1aに流体を供給することにより行う。流体は、例えばX線電子写真用の造影剤入りの生理食塩水などが挙げられるが、特に限定されない。第一バルーン1が拡張した状態では、灌流路7を血液が流れる。これにより血管下流側における組織の虚血が回避される。
(各部の説明)
図1から図3に示すように、シャフト5は、遠位端及び近位端が開口した管(長尺状の筒体)である外管51と、外管51の内部に配置された管である内管52とを備えている。図1,3に示すように、シャフト5の遠位側には、第一バルーン1が固定されている。内管52は、一部が外管51の管の内部に収容されている。以下では、管の内部のことを、単に管内と記載する。外管51及び内管52は、例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂などの高分子化合物で形成されている。
図1から図3に示すように、シャフト5は、遠位端及び近位端が開口した管(長尺状の筒体)である外管51と、外管51の内部に配置された管である内管52とを備えている。図1,3に示すように、シャフト5の遠位側には、第一バルーン1が固定されている。内管52は、一部が外管51の管の内部に収容されている。以下では、管の内部のことを、単に管内と記載する。外管51及び内管52は、例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂などの高分子化合物で形成されている。
図3に示すように、外管51は、内管52を支持している。なお、図3では、説明のため、内管52を透視して図示している。図2、図4に示すように、外管51の遠位側には第一バルーン1及び第二バルーン2が固定されている。図2に示すように、外管51は、第一バルーン1及び第二バルーン2に、これらを拡張させるための流体を注入等により供給し、もしくは第一バルーン1及び第二バルーン2から当該流体を吸引するためのインフレーションルーメン5a(バルーン用ルーメン)を形成する。本実施形態では、外管51の内部空間であって、内管52の外側の空間がインフレーションルーメン5aである。
図3に示すように、外管51の近位端部(近位側の端部)にはハブ6が接続されている。ハブ6は、体外において第一バルーン1の動作を制御する操作インタフェースである。ハブ6は、シャフト5のインフレーションルーメン5aと連通するポート63を有する。
図4に示すように、外管51の遠位端部(遠位側の端部)であって、第一バルーン1よりも近位側の位置には、第一バルーン1の環状空間1aとシャフト5のインフレーションルーメン5aとを、チューブ11を介して連通接続する貫通孔51aが形成されている。また、外管51の遠位端部であって、第一バルーン1で覆われている位置には、第二バルーン2の内部空間2aとシャフト5のインフレーションルーメン5aとを連通接続する貫通孔51bが形成されている。第一バルーン1及び第二バルーン2には、外管51を介して流体が供給される。
図3に示すように、内管52は、カテーテル100の体内への導入、安定化、位置決めを行うためのガイドワイヤを挿通させるガイドワイヤルーメン5bを形成する。内管52の近位端部は、外管51の開口52aに接続されている。内管52の遠位端部は、外管51の遠位端部よりも遠位側に配置されている。カテーテル100は、内管52に挿通されたガイドワイヤに沿わせて遠位側から体内に挿入される。
図4に示すように、内管52は、外管51の遠位端よりも更に遠位側まで突出している。内管52の遠位端部には、柔軟性の高い高分子材料などで形成されており、カテーテル100による血管の損傷を防止するため先端チップが装着されていてもよい。
図2、図4に示すように、第一バルーン1は、環状空間1aに流体が注入されるとその流体の体積により拡張して円筒状の形状をなす袋状の部材である。図2に示すように、拡張した状態の第一バルーン1は、シャフト5の軸方向と直交する断面の形状がドーナツ形状となっており、第一バルーン1の筒の径方向(以下、単に径方向と記載する場合がある)に厚みのある円筒形状をしている。第一バルーン1の軸心Pは、シャフト5の軸心G(本実施形態では外管51及び内管52の軸心と同じ)に沿わせて配置されることが好ましい。本実施形態では、第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとは重複させている。
第一バルーン1は、ポリアミドなどの弾性のある高分子化合物で形成されたフィルムで形成されている。本実施形態では、第一バルーン1の軸心Pは、シャフト5の軸心Gと重複するように配置されている(図2参照)。
バルーンカテーテル100には、第一バルーン1の環状空間1aと、外管51の貫通孔51aと、を連通接続させる管状のチューブ11が設けられている。第一バルーン1には、チューブ11を介して拡張用の流体が供給される。チューブ11は、一つ以上設けられていればよく、本実施形態では二つ設けられている場合を例示している。チューブ11は、後述する支持体12と同様に、第一バルーン1をシャフト5の外管51に固定する部材としても機能している。チューブ11は、第一バルーン1と一体に形成されていてもよい。
バルーンカテーテル100には、第一バルーン1の遠位端部と、外管51の外表面と、を接続する支持体12が設けられている。支持体12は、第一バルーン1をシャフト5の外管51に固定する部材である。支持体12は、省略されてもよいが、一つ以上設けられていることが好ましい。本実施形態では支持体12が二つ設けられている場合を例示している。支持体12は、第一バルーン1と一体に形成されていてもよい。支持体12に替えて、拡張用の流体が供給排出されるチューブ11を設けてもよい。
図2に示すように、第二バルーン2は、流体を注入されるとその流体の体積により拡張して柱状の形状をなす袋状の部材である。第二バルーン2の延在方向は、シャフト5の軸方向に沿わせて配置されている。第二バルーン2は、ポリアミドなどの弾性のある高分子化合物で形成されたフィルムで形成されている。第二バルーン2は、第一バルーン1を拡張させる際に拡張される。第二バルーン2は、本実施形態では、第一バルーン1の拡張と同時に拡張される。第二バルーン2は、第一バルーン1の筒内に配置されている。より具体的に、本実施形態の第二バルーン2は、第一バルーン1の筒内の空間内に収容されている。
図2に示すように、第二バルーン2は、少なくともシャフト5と第一バルーン1の筒の内周面(以下、単に第一バルーン1の筒内面と記載する場合がある)とに当接している。第二バルーン2の内部空間2aは、貫通孔51bを介してシャフト5のインフレーションルーメン5aと連通接続されており、インフレーションルーメン5aを通じて拡張用の流体が供給される。
第二バルーン2は、シャフト5を支点として拡張し、第一バルーン1を筒内から筒の径方向外側(以下、単に径方向外側と記載する場合がある)に向けて付勢している(以下では、第二バルーン2が第一バルーン1を筒内から径方向外側に向けて付勢することを、単に第二バルーン2による付勢と記載する場合がある)。換言すれば、第二バルーン2は、シャフト5と第一バルーン1との間に挟み込まれるように拡張し、第一バルーン1を付勢することができる。これにより、第一バルーン1を拡張させる際に、第一バルーン1を所望の形状に拡張させることを実現し、また、所望の形状から変形してしまい適切な拡張が行えないことを抑制することができる。その結果、血管内壁に対する第一バルーン1の外表面の均一な押し付けを実現し、適切な拡張を実現できる。特に本実施形態では第一バルーン1の軸心Pと、シャフト5の軸心Gとは重複させているため、血管内壁に対する第一バルーン1の外表面のより適切な押し付けを実現できる。また、第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとを重複させることにより、第一バルーン1の変形が防止され、血管内壁に対して局所的な押圧力が加わることを防止できる。
図2に示すように、本実施形態において拡張した状態の第二バルーン2は、シャフト5の軸方向と直交する断面の形状が楕円形状となっており、当該楕円の長軸が第一バルーン1の周方向(シャフト5の周方向と同じ)に沿うように配置されている。これにより、第一バルーン1の筒内面に対して第二バルーン2の外表面を広く当接させた状態とすることができるため、第二バルーン2による付勢に際し、第一バルーン1を径方向外側に向けて安定して付勢することができる。またこれにより、第一バルーン1の変形が防止され、血管内壁に対して局所的な押圧力が加わることを防止できる。
第二バルーン2は、第一バルーン1の筒内に一つ以上配置される。図2では、4つの第二バルーン2が第一バルーン1の筒内に配置されている場合を例示している。それぞれの第二バルーン2の形状は、本実施形態では同一であり、これら第二バルーン2は、シャフト5の周方向において等間隔で配置されている。
第二バルーン2は、複数設けられることが好ましく、3つ、乃至、本実施形態のごとく4つ設けられると更に好ましい。第二バルーン2を複数配置することで、第二バルーン2による付勢に際し、第一バルーン1の筒内面を均等に付勢して血管内壁に対して第一バルーン1の筒外面を均等に押し付けることができる。また、第二バルーン2を複数配置することで、隣接する第二バルーン2,2同士を拡張した状態で当接させることができる。これにより、隣接する第二バルーン2,2同士が互いに支えあうようにすることができるので、第二バルーン2の位置を安定化させることができる。そのため、第二バルーン2は、位置を安定させた状態で第一バルーン1の内周面を付勢することができるため、第一バルーン1を拡張させる際に、第一バルーン1を所望の形状に拡張させることを実現できる。また、所望の形状から変形してしまい適切な拡張が行えないという不具合を抑制することができる。これらにより、血管内壁に対する第一バルーン1の筒外面の適切な押し付けを実現できる。また、第二バルーン2を複数配置して複数の第二バルーン2で第一バルーン1の筒内面を付勢することで、第一バルーン1の拡張力を高めることができる。これにより、血管を強く押し広げることが可能となる。
第二バルーン2は、第一バルーン1の筒内面に対して固定されることが好ましく、本実施形態では、第二バルーン2は、第一バルーン1の筒内面に対して溶着、接着等により固定されている。図2では、第一バルーン1の筒内面に対して当接している第二バルーン2の外表面のうち、シャフト5の周方向における中央部分に、第二バルーン2を第一バルーン1に固定した固定部13が形成されている。固定部13は、シャフト5の軸心方向に沿い、第二バルーン2の近位端部から遠位端部にわたり形成されている。第一バルーン1の筒内面に対して第二バルーン2を固定部13により固定することで、第二バルーン2が第一バルーン1を付勢する位置を安定させることができるため、第一バルーン1を拡張させる際に、第一バルーン1を所望の形状に拡張させることを実現し、また、所望の形状から変形してしまい適切な拡張が行えないことを抑制することができる。その結果、血管内壁に対する第一バルーン1の筒外面の適切な押し付けを実現できる。
図5に示すように、第一バルーン1は、拡張していない状態で、第一バルーン1が拡張した場合(図2参照)よりも細い外径の略円柱状になるように、シャフト5の外管51に巻き付けるようにして折り畳まれている。第二バルーン2は、第一バルーン1と共にシャフト5に巻き付けられている。本実施形態では、第一バルーン1及び第二バルーン2の図5に示す状態を、単に、第一バルーン1及び第二バルーン2が収縮した状態と記載する場合がある。
折り畳まれた第一バルーン1は、径方向へ突出するように羽根状に形状付けられた複数の羽根部17を形成されている。羽根部17は、第一バルーン1の軸方向(シャフト5の軸方向と同じ)に沿って延びる折り目によって形成されており、それぞれの羽根部17は、シャフト5の周方向における同じ向きに寝かせてシャフト5に巻き付けるように畳み込まれている。本実施形態の羽根部17は一例として2枚であり、第一バルーン1の周方向において等間隔に配置されている。羽根部17は、第一バルーン1に流体が供給されると、第一バルーン1の拡張に伴って開く。
図2に示すように、拡張した状態の第一バルーン1の筒内面と、拡張した状態の、隣接する第二バルーン2,2の外表面との間には、シャフト5の軸方向に貫通する灌流路7としての隙間が形成されている。本実施形態では、4つの灌流路7が形成されている。
灌流路7は、第一バルーン1よりも近位側から第一バルーン1よりも遠位側への血液の灌流を実現する灌流ルーメンとして機能する。以下では、第一バルーン1よりも近位側から第一バルーン1よりも遠位側への血液の灌流を単に灌流と記載する。
図5に示すように、第一バルーン1が収縮した状態では、灌流路7(図2参照)となる隙間は閉じている。このように、灌流路7がチューブなどの別部材ではなく隙間によって形成されており、第一バルーン1が収縮した状態では閉じることで、収縮した状態の第一バルーン1の外径を小さくして、例えば細い血管などの体内に挿入しやすくすることができる。
灌流路7の内壁となる第一バルーン1の筒内面や第二バルーン2の外表面には、抗血栓性コーティングをすることが好ましい。抗血栓性コーティングにより、灌流路7での血栓の生成を抑制できる。抗血栓性コーティングとしては、例えばヘパリン塗布やフッ素やシリコーン系のコーティング剤によるコーティングが挙げられるが、医療用に用いられる成分であれば種類は問わない。
図2、図4及び図5に示すように、第一バルーン1の筒外面には、生体に作用する薬剤(化合物)を含み、薄い層状に担持された薬剤層Dが形成されている。薬剤層Dは、本実施形態では、第一バルーン1の筒外面の大部分に形成されているが、当該外表面の一部のみに形成してもよく、第一バルーン1の筒外面全体に形成してもよい。薬剤層Dは、薬剤のみで形成されるものに限られず、第一バルーン1に担持するための基材や賦形剤、患部で徐放性を得るための添加物や、患部での溶解や吸収を促進するための添加物などを含みうる。薬剤層Dに含まれる薬剤は、一種類の薬剤に限られず、複数の種類の化合物を含みうる。本実施形態で用いられる薬剤としては、パクリタキセルなどを例示できる。
(使用方法の説明)
カテーテル100の使用方法を説明する。
カテーテル100の使用方法を説明する。
ガイドワイヤ及び挿入シースを患者の血管内に挿入した後、カテーテル100を、遠位側から挿入シースを介して血管内に挿入する。
図6Aに示すように、血管9内において第一バルーン1が患部91に到達したら、図6Bに示すように、第一バルーン1及び第二バルーン2を治療に必要な所定の大きさまで拡張させる。第一バルーン1及び第二バルーン2が拡張した状態の第一バルーン1等の断面は図2に示すとおりである。第一バルーン1の拡張により薬剤層Dが血管9の患部91に接すると、薬物が患部91に移行する。第一バルーン1が拡張している間、灌流路7により血液は灌流されて、血管9内の血流Fは維持される。
第一バルーン1が拡張している間も血液が灌流されることで、血管9の下流側の組織は虚血や壊死を免れる。これにより、バルーン1の拡張状態の長時間の維持が可能となることから、薬剤層Dの薬剤の供給量を増大可能とし、また、薬剤を患部91に確実に移行させることができるため、治療成績が向上する。また、第二バルーン2の支持により第一バルーン1が均等に拡張するため、薬剤層Dを血管内壁に均等に当接させて、薬剤を患部91にむらなくに移行させることができるため治療成績が向上する。
治療に必要な所定期間、第一バルーン1及び第二バルーン2を拡張させて、薬剤層Dが血管内壁に接する状態を維持した後、第一バルーン1及び第二バルーン2を縮小させる。第一バルーン1及び第二バルーン2が縮小した後、カテーテル100を体外へ引き抜く。そして、ガイドワイヤ及び挿入シースを体外へ引き抜き、止血等を行い、治療を終了する。
(第二実施形態)
第一実施形態では、第二バルーン2は、シャフト5の軸方向と直交する断面の形状が楕円形状となっており、当該楕円の長軸が第一バルーン1の周方向(シャフト5の周方向と同じ)に沿うように配置されている場合を説明した。そして、4つの第二バルーン2が第一バルーン1の筒内に配置されており、隣接する第二バルーン2,2同士を拡張した状態で当接させて、隣接する第二バルーン2,2同士が互いに支えあうようにする場合を説明した。また、第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとは重複している場合を説明した。第二実施形態では、第一バルーン1の軸心Pの位置や第二バルーン2の形状、個数及び配置の態様が第一実施形態と異なり、その他は第一実施形態と同じである。以下では第一実施形態との相違点を中心に説明する。
第一実施形態では、第二バルーン2は、シャフト5の軸方向と直交する断面の形状が楕円形状となっており、当該楕円の長軸が第一バルーン1の周方向(シャフト5の周方向と同じ)に沿うように配置されている場合を説明した。そして、4つの第二バルーン2が第一バルーン1の筒内に配置されており、隣接する第二バルーン2,2同士を拡張した状態で当接させて、隣接する第二バルーン2,2同士が互いに支えあうようにする場合を説明した。また、第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとは重複している場合を説明した。第二実施形態では、第一バルーン1の軸心Pの位置や第二バルーン2の形状、個数及び配置の態様が第一実施形態と異なり、その他は第一実施形態と同じである。以下では第一実施形態との相違点を中心に説明する。
図7に示すように、第一バルーン1の軸心Pは、シャフト5の軸心Gに沿わせて配置されるが、第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとは重複していない。第一バルーン1は、筒内面の一部がシャフト5に溶着などにより固定されている。図8に示すように、第一バルーン1は、チューブ11(図4参照)を介さずに、貫通孔51aを介した流体の供給が可能となっている。
第二バルーン2は、シャフト5の軸方向に直交する断面が十字架状形状(漢字の十の字形状)に形成されている。第二バルーン2の十字架状形状の交点部分は第一バルーン1の軸心Pに沿わせて(本実施形態では重複させて)配置されている。第二バルーン2の十字架状形状における、3つの端部は、第一バルーン1の筒内面に当接して付勢しており、残りの端部はシャフト5を介して第一バルーン1の筒内面を付勢している。これらにより、第二バルーン2による付勢に際し、第二バルーン2は、第一バルーン1の軸心Pを中心として第一バルーン1を筒内から径方向外側に向けて4つの端部で均等に付勢して、血管内壁に対して第一バルーン1の筒外面を均等に押し付けることができる。
本実施形態では、第二バルーン2のシャフト5に接続されていない端部は第一バルーン1の筒内面に溶着等により固定されており、固定部13を形成している。第一バルーン1の筒内面に対して第二バルーン2を固定部13により固定することで、第二バルーン2が第一バルーン1を付勢する位置を安定させることができるため、第一バルーン1を拡張させる際に、第一バルーン1を所望の形状に拡張させることを実現し、また、所望の形状から変形してしまい適切な拡張が行えないことを抑制することができる。その結果、血管内壁に対する第一バルーン1の筒外面の適切な押し付けを実現できる。
なお、第二バルーン2の十字架状形状における、第一バルーン1の径方向外側の4つの端部のうち、一端はシャフト5に接続されている。図8に示すように、第二バルーン2(図7参照)には、第一実施形態と同様に貫通孔51bを介した流体の供給が可能となっている。
(第三実施形態)
第一実施形態では、シャフト5が、外管51と、外管51の内部に配置された管である内管52とを備えており、第一バルーン1及び第二バルーン2には、外管51を介して流体が供給される場合を説明した。また、第一実施形態では、第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとは重複している場合を説明した。第三実施形態では、第一バルーン1及び第二バルーン2に供給する流体が同じ外管51を介して供給されていない点及び第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとが重複していない点で第一実施形態と異なり、その他は第一実施形態と同じである。以下では第一実施形態との相違点を中心に説明する。
第一実施形態では、シャフト5が、外管51と、外管51の内部に配置された管である内管52とを備えており、第一バルーン1及び第二バルーン2には、外管51を介して流体が供給される場合を説明した。また、第一実施形態では、第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとは重複している場合を説明した。第三実施形態では、第一バルーン1及び第二バルーン2に供給する流体が同じ外管51を介して供給されていない点及び第一バルーン1の軸心Pとシャフト5の軸心Gとが重複していない点で第一実施形態と異なり、その他は第一実施形態と同じである。以下では第一実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、図9から図11に示すように、一つの第二バルーン2が、第一バルーン1の筒内に配置され、且つ、シャフト5とは別の管である一つのサブシャフト55に支持されている。図9から図11では、第二バルーン2が一つの場合を例示しているが第二バルーン2は複数個でもよい。第二バルーン2を複数個設ける場合、第二バルーン2の個数に対応させてサブシャフト55の本数を増加させてもよい。
本実施形態では、拡張した状態の第二バルーン2はシャフト5の軸方向に直交する断面が楕円形状に形成されており、当該楕円の軸心がサブシャフト55の軸心X及び第一バルーン1の軸心Pと重複するように配置されている。つまり、第一バルーン1は、その軸心Pが第二バルーン2の拡張時のサブシャフト55の軸心Xと重複するように、配置されている。図9では、第二バルーン2の楕円形状の断面の長軸方向における両端部にそれぞれ固定部13が形成されている。なお、図9は、図10のIX-IX矢視断面図である。
サブシャフト55は、第二バルーン2を拡張させるための流体を供給し、もしくは第二バルーン2から当該流体を吸引するためのインフレーションルーメンを形成する。サブシャフト55は、シリコーンやフッ素樹脂などの高分子化合物で形成されている。
サブシャフト55の近位端部は例えばハブ6(図3参照)に接続されている。サブシャフト55への流体の供給は、ポート63(図3参照)とは別のポートをハブ6に設け、当該ポートを介して行うことができる。
サブシャフト55は、その軸心Xが第二バルーン2の軸心と重複するように第二バルーン2を貫通させる配置されており、サブシャフト55に設けた貫通孔55x(図10参照)を介して流体を第二バルーン2に供給可能となっている。このように、シャフト5と別に、第二バルーン2を支持するサブシャフト55を設けることで、シャフト5に複数のバルーン(第一バルーン1及び一つ以上の第二バルーン2)を接合する必要が無くなり、カテーテル100の構造を単純化することができる。また、シャフト5と別に、第二バルーン2に流体を供給可能なサブシャフト55を設けることで、シャフト5に加える加工を減らす(例えば、内部に形成するルーメンを減らす)ことができるため、シャフト5の強度低下を回避することができる。
サブシャフト55は、図10に示すように、第二バルーン2が固定されているバルーン固定部55bと、このバルーン固定部55bよりも近位側と遠位側に位置しシャフト5に溶着などにより固定されているシャフト固定部55a,55aと、を備える。サブシャフト55におけるシャフト固定部55a,55aとバルーン固定部55bとの間の部分は、仮固定部55cである。バルーン固定部55bには、第二バルーン2の内部空間2aとサブシャフト55のインフレーションルーメンとを連通接続する貫通孔55xが形成されている。仮固定部55cは、第一バルーン1及び第二バルーン2が拡張する前は、図11に示すように弱い点溶着などによりシャフト5に固定されており、第一バルーン1及び第二バルーン2が拡張すると、図10に示すように、シャフト5から離脱して離間する。なお、仮固定部55cは、シャフト5に離脱可能に係止されていればよく、例えば、接着や貼付など、点溶着以外の方法で係止されてもよい。第二バルーン2の外表面のうち第一バルーン1の筒内面に当接する部分は、第一バルーン1の筒内面に溶着等により固定されていてもよい。
図12は、第一バルーン1及び第二バルーン2が拡張する前における、シャフト5及びサブシャフト55を、サブシャフト55が位置する側から見た上面図である。図12に示すように、仮固定部55cは、シャフト5から離脱してから離間可能となるように、例えばシャフト5の軸方向において蛇行する態様でシャフト5に対して離脱可能に固定(例えば、弱い点溶着)されている。仮固定部55cは、第一バルーン1及び第二バルーン2が拡張すると、第二バルーン2の拡張力によりシャフト5から剥離され、第二バルーン2の拡張に伴って蛇行部分が延びてシャフト5から離間する。なお、仮固定部55cは、蛇行する態様に限られず、弾性変形可能な材料で形成してもよい。このようにサブシャフト55を、第一バルーン1及び第二バルーン2の拡張に伴ってシャフト5から離間するように構成することで、拡張前(巻き付けて折り畳んだ状態)の第一バルーン1の外径を小さくして体内に挿入しやすくすることができる。
〔別実施形態〕
(1)上記第一実施形態では、第二バルーン2は、少なくともシャフト5と第一バルーン1の筒内面とに当接しており、シャフト5を支点として拡張し、第一バルーン1を筒内から径方向外側に向けて付勢している場合を説明した。しかし、第二バルーン2はシャフト5を支点として拡張し、第一バルーン1を筒の内側から径方向外側に向けて付勢できればよく、必ずしもシャフト5に当接させる必要はない。例えば、シャフト5が第二バルーン2を貫通し、シャフト5が第二バルーン2を支持してもよい。
(1)上記第一実施形態では、第二バルーン2は、少なくともシャフト5と第一バルーン1の筒内面とに当接しており、シャフト5を支点として拡張し、第一バルーン1を筒内から径方向外側に向けて付勢している場合を説明した。しかし、第二バルーン2はシャフト5を支点として拡張し、第一バルーン1を筒の内側から径方向外側に向けて付勢できればよく、必ずしもシャフト5に当接させる必要はない。例えば、シャフト5が第二バルーン2を貫通し、シャフト5が第二バルーン2を支持してもよい。
(2)上記第一実施形態では、第二バルーン2を複数配置することで、隣接する第二バルーン2,2同士を拡張した状態で当接させ、これにより、隣接する第二バルーン2,2同士が互いに支えあうようにし、第二バルーン2の位置を固定して、第二バルーン2の位置を安定させた状態で、第二バルーン2に第一バルーン1の筒内面を付勢させる場合を説明したが、隣接する第二バルーン2,2同士を拡張した状態で当接させることは必須ではない。
(3)上記第一実施形態では、第二バルーン2は、シャフト5の軸方向と直交する断面の形状が楕円形状となっており、当該楕円の長軸が第一バルーン1の周方向(シャフト5の周方向と同じ)に沿うように配置されている場合を説明した。しかし、第二バルーン2におけるシャフト5の軸方向と直交する断面の形状は楕円形状に限られず、例えば、図13に示すように扇形状としてもよい。ここで言う扇形状とは、第一バルーン1の周方向に沿って延びる湾曲帯形状を含む意味である。この場合、扇の頂点側をシャフト5に接続し、扇の円弧側を第一バルーン1の筒内面に当接させる。これにより、第一バルーン1の筒内面に対して第二バルーン2の外表面を広く当接させた状態とすることができるため、第二バルーン2による付勢に際し、第一バルーン1を径方向外側に向けて安定して付勢することができる。図13では、扇の円弧側を第一バルーン1の筒内面に溶着等により固定した固定部13とした場合を示している。
(4)上記第二実施形態では、第二バルーン2は、シャフト5の軸方向に直交する断面が十字架状形状に形成されている場合を説明したが、第二バルーン2の形状はこれに限られない。例えば、第二バルーン2は、図14、図15に示すように、シャフト5の軸方向に直交する断面が、直線状(図14参照)や豆形状(図15参照)であり、当該断面の長手方向が、第一バルーン1の径方向に沿わせて配置されてもよい。また、第二バルーン2は、図14及び図15に示す断面形状に限られず、シャフト5の軸方向に直交する断面が、楕円形状などのオーバル形状であってもよい。このように第二バルーン2を形成することで、第二バルーン2におけるシャフト5の軸方向に直交する断面積を減少せしめ、灌流路7の断面積を大きくして血液の灌流を促進することができる。
図14では、第二バルーン2の直線状の断面の長手方向における一端側の端部に固定部13が形成されており、他端側の端部はシャフト5に接続されて拡張用の流体の供給を可能とされた場合を示している。この場合、灌流路7は2つ形成される。
図15では、第二バルーン2の豆形状の断面の長手方向における両端部にそれぞれ固定部13が形成されており、短手方向における一端側の凹部がシャフト5に接続されて拡張用の流体の供給排出を可能とされた場合を示している。この場合、灌流路7は3つ形成される。
(5)上記実施形態では、第一バルーン1の筒外面には薬剤層Dが形成されている場合を説明したが、薬剤層Dは必須ではない。例えば、血管の狭窄部分を拡張する治療は、薬剤を用いずに第一バルーン1の拡張のみでも行える。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、バルーンカテーテルに適用できる。
1 :第一バルーン
1a :環状空間
2 :第二バルーン
5 :シャフト
5a :インフレーションルーメン
5b :ガイドワイヤルーメン
6 :ハブ
7 :灌流路
9 :血管
11 :チューブ
12 :支持体
13 :固定部
17 :羽根部
51 :外管
51a :貫通孔
51b :貫通孔
52 :内管
52a :開口
55 :サブシャフト
55a :シャフト固定部
55b :バルーン固定部
55c :仮固定部
63 :ポート
91 :患部
100 :カテーテル
D :薬剤層
F :血流
G :軸心
P :軸心
X :軸心
1a :環状空間
2 :第二バルーン
5 :シャフト
5a :インフレーションルーメン
5b :ガイドワイヤルーメン
6 :ハブ
7 :灌流路
9 :血管
11 :チューブ
12 :支持体
13 :固定部
17 :羽根部
51 :外管
51a :貫通孔
51b :貫通孔
52 :内管
52a :開口
55 :サブシャフト
55a :シャフト固定部
55b :バルーン固定部
55c :仮固定部
63 :ポート
91 :患部
100 :カテーテル
D :薬剤層
F :血流
G :軸心
P :軸心
X :軸心
Claims (11)
- ドーナツ形状であって、環状空間への流体の供給によって筒状に拡張可能な第一バルーンと、
前記第一バルーンの筒内に配置され、流体の供給によって拡張可能な第二バルーンと、
前記第一バルーンを支持する長尺状のシャフトと、
前記シャフトの延在方向において、前記第一バルーンの近位側から遠位側への体液の通流を許容する灌流路と、を備え、
前記第二バルーンは、拡張することにより前記第一バルーンを筒内から付勢可能であり、
拡張した状態の前記第一バルーンの筒内面と拡張した状態の前記第二バルーンの外表面との間に形成された隙間によって前記灌流路が形成されているバルーンカテーテル。 - 前記第一バルーンの筒内に、複数の前記第二バルーンが配置されている請求項1に記載のバルーンカテーテル。
- 隣接する前記第二バルーン同士が、拡張した状態で当接している請求項2に記載のバルーンカテーテル。
- 前記第二バルーンは、前記シャフトの延在方向と直交する断面の形状が楕円形である請求項1から3のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
- 前記第二バルーンは、前記シャフトの延在方向と直交する断面の形状が扇形である請求項1又は2に記載のバルーンカテーテル。
- 前記第二バルーンは、前記シャフトを支点として拡張し、前記第一バルーンを付勢する請求項1から5のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
- 前記第二バルーンを支持するサブシャフトをさらに備え、
前記サブシャフトは、
前記シャフトに離脱可能に係止されており、
前記第二バルーンが拡張すると、前記第一バルーンの筒内において前記シャフトから離脱して離間する請求項1から6のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。 - 前記第一バルーンは、拡張時の形状が円筒状に形成されており、
前記第一バルーンの軸心は、前記第二バルーンの拡張時の前記サブシャフトの軸心と重複するように配置されている請求項7に記載のバルーンカテーテル。 - 前記第一バルーンは、拡張時の形状が円筒状に形成されており、
前記第一バルーンの軸心は、前記シャフトの軸心と重複するように配置されている請求項1から7のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。 - 前記第二バルーンは、前記第一バルーンの筒内面に固定されている請求項1から9のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
- 前記第一バルーンの外表面上には薬剤層が形成されている請求項1から10のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
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