JP2022047834A - 防振部材及び防振装置 - Google Patents

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光雄 葛川
Mitsuo Kuzukawa
博史 野中
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Abstract

Figure 2022047834000001
【課題】クッション性が高く、特に、被防振体の3軸方向に関しても良好なクッション性を有する防振部材及び防振装置を提供すること。
【解決手段】防振部材は、軸部と、軸部の径方向外方に設けられた係止部と、前記軸部と前記係止部とを接続する膜状部とを有し、前記膜状部は、弾性体からなる。防振装置は、被防振体に連結されるブラケットと、ブラケット及び上記防振部材を介して被防振体を基盤に対して弾性支持するベース部材とを有し、ブラケットに係止された防振部材の軸部がクランププレート及びロアープレートに固着されることで、ブラケットは、防振部材を介してベース部材に懸架される。
【選択図】図2

Description

本発明は、比較的軽量な電子機器等の精密機器に用いられる防振装置及びそのような防振装置に用いられる防振部材に関するものであり、特に、3軸方向に振動が印加され、その3軸方向振動を絶縁しつつ支持する精密機器用の防振装置及びそのような防振装置に用いられる防振部材に関する。
この種の防振装置は、微小振幅、且つ、高周波数領域の振動絶縁が主であり、ゴムのばね定数が低い、すなわち柔らかいクッション性が要求される。また、精密機器向け防振装置においては地上で使用されるものもあるが、宇宙空間で使用されるものもある。特に、宇宙空間で使用される防振装置はロケット等へ搭載するため軽量・小型であることに加え、入力の方向に左右されないクッション性が要求される場合がある。
特許文献1に記載の防振装置は、傾斜状態で支持する3つの支持ブラケットによって被防振体を取り囲むように支持する。各支持ブラケットは、その図6に示されるように、被防振体側ブラケットと支持側ブラケットとの間に弾性部材を介在して支持する。各支持ブラケットは、被防振体が上下方向又は水平方向に変位したときには、傾斜配置された支持ブラケットの弾性部材は、圧縮(引っ張り)及びせん断方向に変形して振動を吸収し、被防振体が回転方向(こじり方向)に変位するときには、傾斜配置された支持ブラケットの弾性部材が圧縮(引っ張り)方向に変形して振動を吸収する。
特許文献2に記載の防振技術は、筒形防振装置としての筒状のゴムブッシュを用いている。このブッシュは、その図6に示されるように、インナ軸部材とアウタ筒部材が連結ゴム弾性体によって相互に弾性連結された構造を有している。アウタ筒部材を保持するブッシュ装着部取付部材を介して支持側に取り付けられ、インナ軸部材がブラケットを介して被防振体側に取り付けられている。2つの筒型防振装置がインナ軸部材の軸方向で相対的に離れて配置されているとともに、この離間して配置された2つの筒型防振装置の間に向かって、インナ軸部材の軸方向、すなわちインナ軸部材の内端が低くなるように傾斜している。重量物である被防振体(エンジン)を傾斜配置されたブッシュの軸方向に長い連結ゴム弾性体で弾性支持し、振動により被防振体が上下方向又は水平方向に変位したときには、インナ軸部材の変位方向側の連結ゴム弾性体は圧縮及びせん断方向に変形し、インナ軸部材の反対側の連結ゴム弾性体は引っ張り及びせん断方向に変形して振動を吸収する。また、被防振体が回転方向(こじり方向)に変位するときには、傾斜配置されたブッシュの連結ゴム弾性体が、インナ軸部材の軸直角方向に変位して、変位方向側の連結ゴム弾性体は圧縮変形し、インナ軸部材の反対側の連結ゴム弾性体は引っ張り方向に変形して振動を吸収する。
特開2015-090130号公報 特開2017-101737号公報
特許文献1に記載の技術では、支持ブラケットの厚みを有する弾性部材が傾斜配置されているため、被防振体の上下方向又は水平方向変位であって小変位時は、せん断変形が支配的となり、比較的柔らかいばね特性(低バネ定数)であるが、大変位時は、被防振体側ブラケットと支持側ブラケットとの間が狭くなり弾性部材が圧縮変形され、急激に硬いばね特性(高バネ定数)となる。また、被防振体のこじり方向変位時は、ほぼ弾性部材の厚み方向への変位、すなわち圧縮変形となり、急激に硬いばね特性(高バネ定数)となる。
従って、特許文献1に記載された技術のように、弾性部材の圧縮変形で被防振体をゴム材などの弾性支持する防振装置の場合、小さい変位でも急激にバネ定数が高くなるため、相当硬度の低い弾性部材を使用しない限り、柔らかい、すなわち、クッション性の高い防振装置の実現は難しい。また、弾性部材に過大な引っ張り荷重が印加された場合は、破壊するおそれがある。なお、硬度の低いゴム材などは、一般に強度が低く、破断しやすい。
特許文献2に記載の技術では、インナ軸部材の軸直角方向変位に対してインナ軸部材の変位方向側の連結ゴム弾性体は圧縮変形し、インナ軸部材の反対側の連結ゴム弾性体は引っ張り方向に変形し、インナ軸部材の両側からバネが働くため、硬いばね特性(高バネ定数)となる。さらに、連結ゴム弾性体が軸方向に長く径方向に薄い筒状のゴムブッシュであるため、小変位でも急激に硬いばね特性(高バネ定数)となる。一方、インナ軸部材の軸方向変位に対してはインナ軸部材とアウタ筒部材との間の連結ゴム弾性体がせん断変形となるが、上述のとおり連結ゴム弾性体が軸方向に長く径方向に薄いため、十分な柔軟性は得づらい。
従って、特許文献2に記載された技術のように、軸方向に長く径方向に薄い円筒状のゴムなどの弾性部材で被防振体を弾性支持するブッシュ型の防振装置の場合、相当硬度の低い弾性部材を使用しない限り、柔らかくクッション性の高い防振装置の実現は難しい。
さらに、インナ軸部材の内端が低くなるように傾斜配置されているため、被防振体の回転(こじり)変位した場合、軸直角方向への変位となり、こじり方向においても、ゴムなどを使ったブッシュとしては硬いばね特性(高バネ定数)となる。また、ある程度以上の長さを必要とする円筒状のブッシュを傾斜させて用いるため、取り付けるためのスペースを要すことがある。
以上のような事情に鑑み、本発明は、クッション性が高く、特に、被防振体の3軸方向に関して良好なクッション性を有する防振部材及び防振装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る防振部材は、軸部と、前記軸部の径方向外方に設けられた係止部と、前記軸部と前記係止部とを接続する膜状部とを有し、少なくとも前記膜状部は、弾性体からなる。
本発明では、軸部と係止部を弾性体からなる膜状部で接続するように構成しているため、軸部と係止部とが当該軸部の軸方向にせん断変位する場合、膜状部全体が引っ張り変形することになり、また、軸部が径方向の一方に変位しこれに対向する係止部と近接するように変位する場合、この近接する側に位置する膜状部は圧縮変形することになるが、本発明の膜状部は薄い弾性体で構成されているため容易に座屈して折れ曲がり変形となり圧縮変形による急激なばね定数の上昇は生じない。すなわち、軸部が軸方向に変位する場合、軸部が径方向に変位する場合とも、柔らかいばね特性を示す。従って、本発明に係る防振部材は、いずれの方向の変位においても、そしてこれらの組み合わせ方向に変位する場合であっても良好なクッション性を有する。なお、軸部が係止部に対して変位せず、首振り変位、すなわち、こじり変形する場合でも高いクッション性を有することは言うまでもない。
本発明に係る防振部材では、前記軸部は、弾性体からなることが好ましい。
これにより、膜状部によるクッション性の向上に加え、軸部の弾性変形が可能となるので、さらにクッション性を高めることができる。
本発明に係る防振装置は、上記の防振部材と、被防振体に連結されるブラケットと、前記ブラケット及び前記防振部材を介して前記被防振体を基盤に対して弾性支持するベース部材とを有し、前記ブラケットは、前記防振部材の前記係止部が固定され、前記ベース部材は、前記軸部が固定される。
本発明では、基盤からの振動をクッション性の高い防振部材で吸収しているので、クッション性が高い防振装置を実現できる。
本発明に係る防振装置では、前記ブラケットは、前記防振部材が取り付けられる防振部材係止部と、前記被防振体に連結される連結部とを有し、前記防振部材係止部には、厚み方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔に前記防振部材の前記係止部が固定され、前記ベース部材は、前記基盤に固定される固定部材を有し、前記ベース部材は、前記固定部材に固定されるロアープレートと、スペーサと、前記スペーサにより前記ロアープレートから所定距離離間した状態で固定されるクランププレートとを有し、前記ブラケットに係止された前記防振部材の前記軸部が前記クランププレート及び前記ロアープレートに固定されることで、前記ブラケットは、前記防振部材を介して前記ベース部材に弾性的に支持される。
本発明では、軸部がクランププレートとロアープレートとの間に配置され固定され、そして防振部材がブラケットの貫通穴に係止部により固定されているので、ブラケットの過大変位を抑制することができる。また、クランププレートとロアープレートとにより軸部の両端を固定しているので、軸部を確実に固定できる。さらに、軸部の軸の向きを所望の方向にセットすることで、防振したい方向に応じた膜状部の変形態様を自由にセットできる。
本発明に係る防振装置では、前記防振部材の前記係止部は、前記クランププレート及び/又は前記ロアープレートの方向に突き出る緩衝部を備えている。
これにより、緩衝部がストッパとして機能し、クランププレート及び/又はロアープレートとブラケットの衝撃的な接触を抑制するとともに、緩衝部の突き出し量を調整することで、ブラケットとクランププレート及び/又は前記ロアープレートとのクリアランスを調整できる。
ここで、緩衝部を弾性体で構成し、且つ、係止部と一体に形成することが好ましい。さらに、当該係止部を固定する貫通孔周囲のクランププレート上面及び/又は前記ロアープレート上面の少なくとも一部を覆うように係止部を構成し、このクランププレート上面及び/又は前記ロアープレート上面の係止部に緩衝部を一体に設けることがより好ましい。
本発明に係る防振装置では、前記防振部材は、前記軸部の中心軸が、前記ブラケットに取り付けられる前記被防振体に向かうよう配置されていることが好ましい。
本発明では、膜状部が被防振体に面する構成となるため、ブラケットに固定される係止部に対して軸部が、当該軸部の略軸方向にせん断変位するように被防振体が振動する場合、膜状部全体が主として引っ張り変形することになり、また、軸部が略径方向の一方に変位しこれに対向する係止部と近接/離間するように被防振体が振動する場合、膜状部は主として折れ曲がり変形/引っ張り変形することになる。よって、いずれの場合であっても本発明に係る防振装置は柔らかいばね特性を有し、被防振体の振動を吸収することができる。
本発明に係る防振装置では、前記防振部材は、前記軸部の中心軸が、前記ブラケットに取り付けられる前記被防振体に向かい、且つ、前記被防振体に向かうに従って、基盤から離間するように、配置されていることがより好ましい。
本発明では、軸部の中心軸が、前記ブラケットに取り付けられる前記被防振体に向かい、且つ、前記被防振体に向かうに従って、基盤から離間するよう防振部材が配置されることにより、膜状部が被防振体に対して角度を有して面する構成となる。これにより、ブラケットに固定される係止部に対して軸部が、当該軸部の略軸方向にせん断変位するとともに略径方向の一方に変位しこれに対向する係止部と近接/離間するように被防振体が振動する場合、膜状部全体の引っ張り変形と膜状部の折れ曲がり変形とが同時に生じることになり、また、軸部が、略径方向の一方に変位しこれに対向する係止部と近接/離間するように被防振体が振動する場合、膜状部は折れ曲がり変形/引っ張り変形することになる。なお、被防振体が倒れ振動(こじり振動)する場合には、その倒れ方向に配置された防振部材においては、ブラケットに固定される係止部に対して軸部が、当該軸部の略軸方向にせん断変位するため、膜状部全体が主として引っ張り変形することになる。よって、いずれの場合であっても本発明に係る防振装置は柔らかいばね特性を有し、被防振体の振動を吸収することができる。
本発明に係る防振装置は、前記被防振体を複数の上記の防振装置により支持して構成される。これにより、被防振体に印加される振動方向に応じて、防振装置を最適位置に配置することができる。
本発明によれば、クッション性が高く、特に、被防振体の3軸方向に関して良好なクッション性を有する防振部材及び防振装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る防振装置の斜視図である。 図1のA-A矢視断面図である。 ブラケットに装着された防振ゴムを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る防振装置の変位時での防振ゴムの変形状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る複数の防振装置によって被防振体を支持する防振装置を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、下記においては、各図における紙面上側を上とし、各図における紙面下側を下として説明するが、特に指定のある場合はこの限りではない。
本実施形態では、防振部材がゴムからなるので、以下では防振部材を防振ゴムと呼んで説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る防振装置の斜視図である。図2は図1のA-A矢視断面図である。図3はブラケットに装着された防振ゴムを示す斜視図である。
防振装置10は、防振ゴム1と、電子部品などを含む精密機器などの被防振体100に連結される典型的には金属製のブラケット2と、ブラケット2及び防振ゴム1を介して被防振体100を基盤Bに対して弾性支持する典型的には金属製のベース部材3とを有する。
防振ゴム1は、軸部11と、軸部11の径方向外方に設けられた係止部12と、軸部11と係止部12とを接続する膜状部13とからなる。
軸部11は、例えば円柱状であり、軸方向の両側に膜状部13より突き出る突き出し部14、14を有する。突き出し部14、14は、典型的には、ベース部材3に係止されて固定される。
係止部12は、軸方向の両側に突き出る緩衝部17、17を一体に有する。この係止部12は、ブラケット2の防振ゴム係止部21の貫通孔24(後述する。)に係止されており、緩衝部17を設けることで貫通孔24の縁部上下面(後述するクランププレート及びロアープレートとの対向面)まで延出することで断面コの字型となり貫通孔24の縁部上下面を押さえる。これにより係止部12をブラケット2に接着することなく、嵌め込み固定することが可能になる。緩衝部17は、図示の如く、ブラケットの上面視で略四角形状としてもよいが円形等の他の形状であっても勿論構わない。
防振ゴム1の膜状部13は、ゴムからなり、膜厚が軸部11及び係止部12の厚さよりも薄く、つまり薄い円環状の弾性体からなる。また、膜状部13は、その膜厚がブラケット2の板厚以下であることが好ましい。また、膜状部13は、厚みよりも径方向長さが長いことが好ましい。本実施形態に係る防振ゴム1では、膜状部13が厚み方向及び径方向に拘束されずに自由に伸縮できるようにその表面はいわば自由な面とされている。
防振ゴム1は、典型的には、軸部11、係止部12及び膜状部13がゴムからなり、加硫成形により一体に形成される。なお、本発明に係る防振部材は、少なくとも膜状部がゴムや樹脂エラストマーなどの弾性体であればよい。軸部11や係止部12は、ゴムなどの弾性体ではなく例えば、金属又は硬質樹脂で形成してもよく、また、軸部11は、筒状であってもよい。
ブラケット2は、防振ゴム1が取り付けられる防振ゴム係止部21と、被防振体100に連結される連結部22とを有する。
連結部22は、基盤Bに対して略平行な水平面23を有し、この水平面23は、被防振体100を保持する。本実施形態においては、防振ゴム係止部21は防振ゴム1を前記水平面23に対して傾斜角度約60度に保持するように構成しているが、要求される特性に応じて、傾斜角度は、0度~90度で任意に設定してよい。但し、確実に柔らかいばね特性が得られるよう膜状部13の折り曲げ変形を生じやすくするため、傾斜角度として1度~89度に設定すること、すなわち、傾斜状態で保持することが好ましい。なお、図1及び図3において、符号25は被防振体100を取り付けるためのボルト穴を示している。
防振ゴム係止部21には、厚み方向に貫通する例えば丸い貫通孔24が設けられ、貫通孔24の内周面及び貫通孔24の孔近傍領域に防振ゴム1が加硫接着成形される。なお、防振ゴム1はブラケット2とは別に形成して貫通孔24の縁部に嵌め込む構成としてもよい。十分な係止力が得られる場合は、接着を省くことができる。本発明に係るブラケット2は、防振ゴム係止部21の全周が固定されていることが好ましいが、上記の態様には限定されない。例えば、貫通孔24ではなく貫通溝などであって構わない。
ベース部材3は、基盤Bに固定される固定部材31と、固定部材31に固定されるロアープレート32と、サイドプレート33と、サイドプレート33によりロアープレート32から所定距離離間した状態で固定されるクランププレート34とを有する。ここにおいて、サイドプレート33は、ロアープレート32とクランププレート34を所定距離離間させて保持するためのスペーサとして機能するものである。なお、図1において、符号38は基盤Bに取り付けるためのボルト穴を示している。また、符号37は固定部材31とロアープレート32とサイドプレート33とクランププレート34とを固定するためのボルトを示している。サイドプレート33は、ロアープレート32及び/又はクランププレート34と一体としてもよい。
なお、本発明に係るベース部材3は、防振ゴム1の軸部11が固定されればよく、上記の態様に限定されない。例えば、軸部11が金属等の硬質材製である場合には、ベース部材3は軸部11の両端を固定してもよいが、軸部11の一端のみを固定するように構成してもよい。
ブラケット2に係止された防振ゴム1の軸部11がクランププレート34及びロアープレート32に固定されることで、ブラケット2は防振ゴム1を介してベース部材3に弾性的に支持される。軸部11の端部の固定は、典型的には、ロアープレート32に凹部35及びクランププレート34に凹部36を設け、軸部11の端部を凹部35及び凹部36に嵌め込んで構成する。
本実施形態では、軸部11の端部を凹部35及び凹部36に嵌め込んだだけで接着しない構成とすることで、軸部11の端部が凹部35及び凹部36の底面に拘束されないため、許容される範囲で凹部35及び凹部36内を動くことができ、よりクッション性を高めることができ、また応力の集中を避けることができる。この場合、例えば、サイドプレート33の厚みを薄くして、ゴムからなる軸部11に予圧縮を付与する構成とすることができる。この場合、軸部11の拘束力が上昇するとともに、予圧縮により軸部11の外周面が拡径するため膜状部13の内周側から外周に向けて予圧縮が印加されることになる。これにより膜状部13が軸部11の軸方向に変形しやすくなる。すなわち、膜状部13の軸方向変形及び折り曲げ変形がより柔らかくなる。
なお、本発明に係る防振装置は、軸部11の端部と凹部35及び凹部36とを接着するように構成することもできる。この場合には、接着により軸部11の端部の変形を制限するので全体としては硬くなる(高バネ定数)が、凹部35及び凹部36の深さを浅くしてもよく、また、十分な固定力が得られれば、凹部を形成しなくともよい。
ここで、図4は防振ゴム1の変形状態を示す図であり、図4(a)は緩衝部17がロアープレート32に接触しない程度の変位時を示し、図4(b)は緩衝部17がロアープレート32に接触する大変位時を示している。
これらの図において、矢印は被防振体の変位の方向を示している。
図4の防振ゴム1は、図示せぬ被防振体の変位に伴いブラケット2が下方に変位することで防振ゴム1の係止部12も下方へ変位する。これにより、膜状部13の軸部11の下方側に位置する膜状部13aは、下方且つロアープレート32側へ引っ張り変形し、膜状部13の軸部11の上方側に位置する膜状部13bは、下方且つロアープレート側へ折り曲げ変形する。さらに、軸部11は、膜状部13bの圧縮力を受けるとともに膜状部13aの引っ張り力を受けて、下方へ変形する。つまり、防振ゴム1全体が変形することで、ブラケット2の変位を受けている。
図4(a)の場合と図4(b)の場合とを比較すると、大変位時を示す図4(b)は、図4(a)に比べて、ブラケット2がより大きく変位している。図4(a)の膜状部13bが、圧縮変形が主体であるのに対し、図4(b)の膜状部13bは、ロアープレート32側への変位が大きくなることで折り曲げ変形となっていることがわかる。つまり、図4(b)の矢印方向の下方への大変位時には、本実施形態に係る防振ゴム1が傾斜配置されているため、係止部12と軸部11によって上側の膜状部13bが圧縮されるとともに軸方向に変形されるので、上側の膜状部13bは座屈して折れ曲がり変形する。折れ曲がり変形より、上側の膜状部13bの圧縮による反発力の発生、すなわちバネ定数が高くなることを回避でき、クッション性を高くできる。
上述のとおり、軸部11自体が変形可能な弾性体であるので、被防振体100の変位時には、膜状部13である円環状膜状弾性体の変形に加えて軸部11も変形し、より低ばね化が可能となり、より高いクッション性を付与できる。
本実施形態に係る防振装置10では、防振ゴム1は薄い円環状の弾性体である膜状部13が軸部11又は係止部12に印加される振動を吸収し支持している。従って、軸部11が径方向に変位する場合、変位方向と逆側の膜状部13は引っ張り荷重を、変位方向側の膜状部13は圧縮荷重を受けるが、膜状部13が薄い円環状の弾性体であることから、荷重を受ける体積が小さく、バネ定数も低くなる。その際、例えば膜状部13の膜断面の膜厚を膜状部13の径方向長さよりも小さくして、径方向の変位時に膜状部13に折れ曲がり変形が生じやすくなるように構成してもよく、その場合には、よりバネ定数は低くなる。また、軸部11の軸方向に変位する場合には、膜状部13全体の変形で変位を吸収することになるが、この場合、膜状部13が薄い膜状のゴムであるので、せん断変形ではなく引っ張り変形となり、バネ定数は低くなる。よって、本実施形態に係る防振装置10は、軸部11のいずれの方向、つまり、径方向、軸方向、径方向と軸方向が合成された方向においても低いバネ定数を示し、すなわちクッション性が高い。
また、本実施形態に係る防振装置10では、軸部11の径方向の過大な変位は軸部11と係止部12と一体に構成された緩衝部17との接触で制限できる。また、軸部11の軸方向の変位は軸部11とロアープレート32の凹部35及びクランププレート34の凹部36とのクリアランス、つまりこれらの間のスペース調整で制限することができる。また、軸部11の軸方向の過大な変位はロアープレート32及びクランププレート34の緩衝部17の当接面がストッパとして機能し、膜状部13の破断を抑えることができる。
本実施形態に係る防振装置10の防振ゴム1は、図2に示したように、防振ゴム1の軸部11の中心軸11aが、ブラケット2に取り付けられる被防振体100に向かい、且つ、被防振体100に向かうに従って、基盤Bから離間するよう配置されている。つまり、防振ゴム1の膜状部13である円環状膜状弾性体の表面は基盤Bに対して傾斜しており、その傾斜面は下方に向かうに従って被防振体100との距離が短くなるように、防振ゴム1が傾斜して配置されている。
これにより、被防振体100が上下方向に振動する場合、軸部11の略軸方向にせん断変位するとともに軸部11の略径方向の一方に変位し、軸部11に対向する係止部12と近接/離間するように変位する。このとき膜状部13の全体の引っ張り変形と膜状部13の折れ曲がり変形とが同時に生じることになり、防振ゴム1が示すばね特性は、防振ゴム1の膜状部13の径方向バネと軸方向バネとの合成となる。
また、被防振体100が図2における紙面手前から奥の方向(以下、本実施形態において「横方向」という。)に振動する場合、軸部11が横方向に変位しこれに対向する係止部12と近接/離間するように変位する。このとき、膜状部13は折れ曲がり変形/引っ張り変形することになる。
また、被防振体100が図2における軸部11の中心軸11aに沿う方向(以下、本実施形態において「こじり方向」という。)に振動する場合、軸部11が当該軸部11の略軸方向にせん断変位するため、膜状部13の全体が主として引っ張り変形することになる。
よって、被防振体100が上下方向に振動するときは、膜状部13の圧縮側においてその内周側とその外周側がずれた状態で変位するので、圧縮変形とならず、膜状部13の圧縮側が折れ曲がり変形となり、ばね定数を低くすることができる。また、被防振体100が横方向に振動するときは、膜状部13の圧縮側において、膜状部13が円環状膜状弾性体で構成されているので、折れ曲がり変形となり、ばね定数を低くすることができる。被防振体100がこじり方向に振動するときは、膜状部13が主として引っ張り変形となり、ばね定数を低くすることができる。従って、いずれの場合であっても、つまり3軸方向に対してより柔らかく振動を吸収することができる。
本実施形態に係る防振装置10は、防振ゴム1の係止部12が軸方向の両側に弾性体からなる緩衝部17、17を有し、各緩衝部17、17に対向して所定の間隔をおいてロアープレート32及びクランププレート34が配置されているので、緩衝部17がストッパとして機能し、ロアープレート32及びクランププレート34とブラケット2のメタル接触を抑えるとともに緩衝部17の突出量でロアープレート32及びクランププレート34とのクリアランスを調整することができる。
上記の実施形態では、防振ゴム1の軸部11の中心軸11aが、ブラケット2に取り付けられる被防振体100に向かい、且つ、被防振体100に向かうに従って、基盤Bから離間するよう配置されていたが、当該実施形態の一変形例として、図2に示した防振装置10において、防振ゴム1の軸部11の中心軸11aがブラケット2に取り付けられる被防振体100に向かい、且つ、基盤Bに平行となるように配置してもよい。つまり、防振ゴム1の膜状部13である円環状薄膜弾性体が被防振体100に面する構成としてもよい。これにより、被防振体100の上下方向/鉛直軸周りの回転方向振動は、膜状部13である円環状薄膜弾性体の径方向変位で吸収する。この場合、膜状部13である円環状膜状弾性体の圧縮側は膜状部13が薄膜であることから、折り曲げ変形し圧縮変形とはなり難い。また、水平方向振動は膜状部13である円環状膜状弾性体の軸方向変位で吸収し、こじり方向振動は、膜状部13である円環状膜状弾性体の径方向及び軸方向変位で吸収することができる。また、被防振体100の上下方向振動、つまり防振ゴム1の径方向振動は、破断に強い径方向変位で吸収することができる。なお、膜状部13である膜状円環状弾性体はその厚みと径方向の長さを適宜調整して、防振したい振動方向に適するバネ定数に調整することができる。
図5は本発明の一実施形態に係る、複数の防振装置によって被防振体を支持する防振装置を示す斜視図である。
この防振装置110は、精密機器などの被防振体100を中心に3つの防振装置10を配置して構成される。
この防振装置110では、被防振体100の重心をZ軸に沿って通る仮想線を重心線111とするとき、各防振装置10の軸部11の中心軸11aが重心線111と交差するように各防振装置10が配置されており、この場合、特に、Z軸方向の振動を好適に吸収することができる。
上記に加え、3つの防振装置10を被防振体100の重心位置から均等距離、且つ、それぞれ同等荷重を受荷するように配置することで、好適にZ軸方向振動を吸収するとともに、Z軸周り振動、X軸、Y軸方向振動など、あらゆる方向の振動に好適に対応することができる。この場合、宇宙空間など、振動方向が一定しない環境において、いずれの方向でも柔らかく振動を吸収することが可能であり、好ましい。
本発明は、上記の実施形態には限定されず、その技術思想の範囲内で変形や応用が可能であり、その変形又は応用しての実施も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、図5では、円柱状の被防振体100を例示しているが、本発明はこれに限定されない。また、各防振装置10の軸部11の中心軸11aが被防振体100の重心線111と1点で交差するものであるが、重心線111上の複数点で交差するようにしてもよく、本発明はそれに限定されない。さらに、上記の防振装置110が被防振体100を中心に3つの防振装置10を配置して構成されていたが、本発明はこれに限定されず、2つ以上の複数の防振装置を配置すればよい。また、図5に示した防振装置110は、被防振体100の下部より支持しているが、これに限定されず、例えば、ブラケット2を上下逆に配置したり、第2のブラケットを介すなどして上部、あるいは、側面で支持するように構成してもよい。
1 :防振ゴム(防振部材)
2 :ブラケット
3 :ベース部材
10 :防振装置
11 :軸部
11a :中心軸
12 :係止部
13 :膜状部
14 :突き出し部
17 :緩衝部
21 :防振ゴム係止部(防振部材係止部)
22 :連結部
23 :水平面
24 :貫通孔
31 :固定部材
32 :ロアープレート
33 :サイドプレート
34 :クランププレート
35 :凹部
36 :凹部
100 :被防振体
110 :防振装置
111 :重心線

Claims (8)

  1. 軸部と、
    前記軸部の径方向外方に設けられた係止部と、
    前記軸部と前記係止部とを接続する膜状部とを有し、
    少なくとも前記膜状部は、弾性体からなる
    防振部材。
  2. 請求項1に記載の防振部材であって、
    前記軸部は、弾性体からなる
    防振部材。
  3. 請求項1又は2に記載の防振部材と、
    被防振体に連結されるブラケットと、
    前記ブラケット及び前記防振部材を介して前記被防振体を基盤に対して弾性支持するベース部材とを有し、
    前記ブラケットは、前記防振部材の前記係止部が固定され、
    前記ベース部材は、前記軸部が固定される
    防振装置。
  4. 請求項3に記載の防振装置であって、
    前記ブラケットは、前記防振部材が取り付けられる防振部材係止部と、前記被防振体に連結される連結部とを有し、前記防振部材係止部には、厚み方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔に前記防振部材の前記係止部が固定され、
    前記ベース部材は、前記基盤に固定される固定部材を有し、前記ベース部材は、前記固定部材に固定されるロアープレートと、スペーサと、前記スペーサにより前記ロアープレートから所定距離離間した状態で固定されるクランププレートとを有し、
    前記ブラケットに係止された前記防振部材の前記軸部が前記クランププレート及び前記ロアープレートに固定されることで、前記ブラケットは、前記防振部材を介して前記ベース部材に弾性的に支持される
    防振装置。
  5. 請求項4項に記載の防振装置であって、
    前記防振部材の前記係止部は、前記クランププレート及び/又は前記ロアープレートの方向に突き出る緩衝部を備えている
    防振装置。
  6. 請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載の防振装置であって、
    前記防振部材は、前記軸部の中心軸が、前記ブラケットに取り付けられる前記被防振体に向かうよう配置されている
    防振装置。
  7. 請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載の防振装置であって、
    前記防振部材は、
    前記軸部の中心軸が、前記ブラケットに取り付けられる前記被防振体に向かい、且つ、前記被防振体に向かうに従って、基盤から離間するように、
    配置されている
    防振装置。
  8. 前記被防振体を複数の請求項3乃至7のうちいずれか1項に記載の防振装置により支持して構成される
    防振装置。
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