JP2022047689A - 作業機械の保持重量測定方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】先端アタッチメントにより保持される被保持物の重量に対応する保持重量を簡素な構成で精度よく測定するための方法及び装置を提供する。【解決手段】提供される方法は、先端アタッチメントをアタッチメント回動軸回りに回動させるアタッチメントシリンダ28の保持側油圧室36の作動油の圧力を抜く圧力抜き動作を行うことと、圧力抜き動作が開始されてから測定条件が満たされた時点でのアタッチメントシリンダ28の保持側油圧室36の作動油の圧力及びモーメント特定物理量をそれぞれ検出保持圧及び検出物理量として検出することと、検出保持圧及び検出物理量に基づいて保持重量を算定する保持重量算定ステップと、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は油圧ショベル等の作業機械における先端アタッチメントに保持された被保持物の重量に対応する保持重量を測定するための方法及び装置に関する。
従来、作業機械の先端アタッチメントに保持されている被保持物の重量またはこれに対応する保持重量を測定するための方法及び装置が知られている。一般には、前記先端アタッチメントとこれを変位させる作業腕とを含む作業装置全体に作用するモーメントを算定して当該モーメントに基づき前記先端アタッチメントに保持される被保持物の重量を特定する方法が知られている。しかし、この方法は前記作業装置全体の姿勢及びこれに作用する荷重を特定するために多数のセンサ及び複雑な演算を要する。さらに、算定の結果に影響する変動要素が多い。例えば、それぞれの油圧シリンダにおける静摩擦力が測定結果に影響を与え、しかも当該静摩擦力のバラツキは大きく正確な特定は難しい。従って、被保持物の重量を高い精度で算定することは難しい。
これに対し、特許文献1には、少ないセンサで被保持物の重量を算定するための装置が開示されている。この装置は、先端アタッチメントであるバケットおよびこれを回動させるバケットシリンダを備えた油圧ショベルに設けられて当該バケットに保持された被保持物、すなわち、当該バケット内に積載されている土砂の重量、を演算する。具体的に、当該装置は、圧力センサと、傾斜センサと、演算手段と、を備える。前記圧力センサは、前記バケットシリンダのボトム圧を保持圧として検出する。前記傾斜センサは、前記バケットが取付けられているアームの傾斜角を検出する。前記演算手段は、前記ボトム圧及び前記傾斜角に基づいて前記バケットシリンダが前記バケットに与えている保持モーメントを演算し、この保持モーメントと前記バケットおよびその中の土砂の重量によるモーメントとの釣り合いから当該土砂の重量を算定する。
特開平10-245874号公報
前記圧力センサにより検出される前記バケットシリンダのボトム圧は、必ずしも前記バケット(作業アタッチメント)に積載された積荷の重量に対応していない。従って、当該ボトム圧に基づいて算定される重量には大きな誤差が含まれるおそれがある。具体的に、前記重量の算定の基礎となるボトム圧の検出は、前記バケットによる掘削動作及び持ち上げ動作が完了して当該バケットのアームに対する姿勢が安定した状態、具体的には、当該バケットが搬送車の荷台の上方の位置に至るまでの旋回動作中、に行われることが多いが、このような旋回動作中では、当該バケットから土砂がこぼれることを防ぐためにオペレータがバケットを掘削方向つまりアームの腹面に近づく方向に動かすようにバケットシリンダを伸長方向にフルストロークさせる傾向がある。このようにフルストロークしている前記バケットシリンダのボトム圧は実際のバケット内の土砂の重量に釣り合う圧力を超えて最高圧(リリーフ圧)にまで至っている可能性が高く、そのボトム圧に基づき算定される重量は実際の積荷重量よりも大きくなる。
また、前記バケットシリンダがフルストロークされていなくても、前記ボトム圧の検出結果には静摩擦力が大きく影響するため、大きな誤差が生じやすい。前記ボトム圧の検出は、アームに対するバケットの姿勢が固定された状態、つまり前記バケットシリンダが静止している状態、で行われることが多く、この場合、前記ボトム圧の測定値には静摩擦力、すなわち、前記バケットシリンダのシリンダ本体に対するピストン及びロッドの静止状態を保とうとする向きの摩擦力、が大きく影響する。この静摩擦力は動摩擦力に比べてバラツキが大きく、その分だけ測定誤差が大きくなる。
以上述べた課題の発生は、先端アタッチメントがバケットである場合に限られない。例えば、当該先端アタッチメントが、被保持物を磁力によって保持する、いわゆるリフティングマグネット、または被保持物を挟持するグラップルである場合にも、当該先端アタッチメントを回動させるためのアタッチメントシリンダの保持圧に基づいて前記被保持物の重量を算定する場合に前記と同様の課題が生じる可能性がある。
本発明は、先端アタッチメントを含む作業装置を備えた作業機械において、前記先端アタッチメントに保持される被保持物の重量に対応する保持重量を簡素な構成で精度よく測定することが可能な方法及び装置を提供することを目的とする。
提供されるのは、作業機械の被保持物の重量に対応する保持重量を測定するための保持重量測定方法である。前記作業機械は、機体と、当該機体に連結される作業装置と、を備える。前記作業装置は、作業装置本体と、先端アタッチメントと、アタッチメントシリンダと、を含む。前記作業装置本体は、前記機体に連結される基端部と、その反対側の先端部と、を含み、前記機体に対して前記先端部を相対変化させるように作動する。前記先端アタッチメントは、前記作業装置本体の前記先端部にアタッチメント回動軸を中心として回動可能となるように装着されるとともに、被保持物を保持することが可能である。前記アタッチメントシリンダは、前記作業装置本体と前記先端アタッチメントとの間に設けられ、前記作業装置本体に対して前記先端アタッチメントを前記アタッチメント回動軸回りに回動させるように伸縮する。前記アタッチメントシリンダは、互いに反対側に位置する一対の油圧室を有し、当該一対の油圧室の一方に作動油が供給されることにより伸長または収縮して前記先端アタッチメントを回動させる。前記保持重量測定方法は、前記先端アタッチメントが前記被保持物を保持した状態で予め設定された測定開始条件が満たされているときに保持側油圧室に供給されている作動油の一部を絞りを通じてタンクに逃がすことにより当該作動油の圧力を抜く圧力抜きステップと、前記圧力抜きステップが開始されてから予め設定された測定条件が満たされた時点での前記アタッチメントシリンダの保持圧及びモーメント特定物理量をそれぞれ検出保持圧及び検出物理量として検出する検出ステップと、前記検出保持圧及び前記検出物理量に基づいて前記保持重量を算定する保持重量算定ステップと、を含む。前記保持圧は、前記保持側油圧室における作動油の圧力である。前記保持側油圧室は、前記一対の油圧室のうちの一方の油圧室であって前記先端アタッチメント及びこれに保持される前記被保持物の重量に抗して前記先端アタッチメントを保持するための作動油が供給される油圧室である。前記モーメント特定物理量は、保持モーメントの半径を特定するために必要な物理量である。前記保持モーメントは、前記保持圧により前記先端アタッチメントに与えられる前記アタッチメント回動軸回りのモーメントである。前記モーメント特定物理量は、例えば、前記アタッチメントシリンダの軸方向の長さであるシリンダ長さである。
また、提供されるのは、前記の作業機械により保持される被保持物の重量に対応する保持重量を測定するための保持重量測定装置であり、保持圧検出器と、物理量検出器と、圧力抜き部と、圧力抜き制御部と、保持重量算定部と、を備える。前記保持圧検出器は、前記アタッチメントシリンダの保持圧を検出する。前記保持圧は、保持側油圧室における作動油の圧力であり、前記保持側油圧室は前記一対の油圧室のうちの一方の油圧室であって前記先端アタッチメント及び前記被保持物の重量によるモーメントに抗して当該先端アタッチメントを保持するための作動油が供給される油圧室である。前記物理量検出器は、モーメント特定物理量を検出する。前記モーメント特定物理量は、前記保持モーメントの半径を特定するために必要な物理量であり、例えば前記アタッチメントシリンダの軸方向の長さであるシリンダ長さである。前記圧力抜き部は、圧力抜き動作を行うように構成される。前記圧力抜き動作は、前記保持側油圧室に供給されている作動油の一部を絞りを通じてタンクに逃がすことにより当該保持側油圧室内の作動油の圧力を抜く動作である。前記圧力抜き制御部は、前記先端アタッチメントが前記被保持物を保持した状態で予め設定された測定開始条件が満たされているときに前記圧力抜き部に前記圧力抜き動作を行わせるように構成される。前記保持重量算定部は、前記圧力抜き動作が開始されてから予め設定された測定条件が満たされた時点での前記保持圧及び前記モーメント特定物理量をそれぞれ検出保持圧及び検出物理量として取得し、前記検出保持圧及び前記検出物理量に基づいて前記保持重量を算定するように構成される。
前記方法及び装置では、前記測定開始条件が満たされてから前記先端アタッチメントの圧力抜きが行われた後の前記アタッチメントシリンダの保持圧に基づいて前記保持重量が算定されるので、従来に比べてより高い精度での保持重量の測定が可能である。具体的に、前記圧力抜きが行われる前の時点では、前記先端アタッチメントの保持圧が前記被保持物の重量に対応する圧力よりも高い圧力(例えばリリーフ圧)まで上昇している可能性があり、この状態での前記保持圧に基づく保持重量の算定は大きな誤差を伴うおそれがある。また、測定時点に至るまでの間に前記アタッチメントシリンダの伸縮動作が停止した状態が継続していると、当該先端アタッチメントシリンダにおける静摩擦力が測定結果に影響を与える。これに対して前記アタッチメントシリンダの絞りを介しての圧力抜きは、前記アタッチメントの保持圧によるモーメントが前記被保持物及び前記先端アタッチメントの重量によるモーメントと釣り合うまで当該保持圧が低下すること、つまり、当該保持圧が前記被保持物の重量に真に対応する圧力に近づくこと、を可能にする。また、前記圧力抜きは前記アタッチメントシリンダに微小な伸縮動作を行わせるため、静摩擦力が測定結果に影響することを有効に抑止する。前記伸縮動作は動摩擦力を伴うが、当該動摩擦力のバラツキは静摩擦力のバラツキに比べて小さい。従って、前記保持側油圧室の圧力抜きは、より精度の高い保持重量の測定を可能にする。
前記保持重量は、前記被保持物の重量に対応して増減する重量であればよい。例えば、当該保持重量は当該被保持物のみの重量であってもよいし、前記被保持物及びこれを保持する前記先端アタッチメントの重量の総和であってもよい。前者の測定は、例えば、前記先端アタッチメントを用いて運搬車に積載された被保持物の総重量を特定することを可能にする。この場合、前記方法は、前記先端アタッチメントが前記被保持物を保持していない状態で当該先端アタッチメントを保持するための前記アタッチメント回動軸回りのモーメントである初期保持モーメントを測定してこれを記憶する記憶ステップをさらに含み、前記保持重量算定ステップでは、前記初期保持モーメントと前記検出保持圧と前記検出物理量とに基づいて前記保持重量が算定されるのがよい。また、前記装置では、前記保持重量算定部が、前記初期保持モーメントを格納し、当該初期保持モーメントと前記検出保持圧と前記検出物理量とに基づいて前記保持重量を算定するように構成されるのが、よい。
前記作業機械は、例えば、前記アタッチメントシリンダに供給されるべき作動油を吐出する油圧ポンプと、前記油圧ポンプと前記アタッチメントシリンダとの間に介在して当該油圧ポンプから当該先端アタッチメントに供給される作動油の流量を変化させるように作動するコントロールバルブと、をさらに備える。このような作業機械では、前記保持重量測定装置の前記圧力抜き部は、圧力抜きラインと圧力抜き切換弁とを含むのが、よい。前記圧力抜きラインは、前記コントロールバルブをバイパスして前記保持側油圧室を前記タンクに連通するように配置される。前記圧力抜き切換弁は、前記圧力抜きラインに設けられ、閉位置と開位置との間で切換可能となるように構成される。前記圧力抜き切換弁は、前記閉位置では前記圧力抜きラインを遮断する。前記圧力抜き切換弁は、前記開位置では前記圧力抜きラインを開通するラインであって前記絞りを含む絞りラインを形成する。この場合、前記圧力抜き制御部は、前記測定条件が満たされたと判断するまでは前記圧力抜き切換弁を前記閉位置に保持し、前記測定条件が満たされたと判断した以降に前記圧力抜き切換弁を前記開位置に切換えるように、当該圧力抜き切換弁の動作を制御するのが、よい。
前記圧力抜き切換弁は、前記コントロールバルブをバイパスする圧力抜きラインを開閉するものであるので、当該コントロールバルブの動作と独立した圧力抜き動作の実行を可能にする。例えば、前記圧力抜き動作は、前記コントロールバルブのストロークを僅かに変化させることによっても行うことが可能であるが、このようなストロークの制御は難しく、特に圧力抜きのための絞りの開口面積の設定が容易でない。これに対して前記圧力抜きラインとこれに設けられる圧力抜き切換弁との組み合わせは、当該圧力抜き切換弁の開閉切換によって簡単に圧力抜き動作を行うことを可能にする。また、前記圧力抜き切換弁での絞りの開口面積の設定も容易である。
前記作業機械が、アタッチメント操作装置をさらに備え、前記アタッチメント操作装置は前記アタッチメントシリンダを伸縮させるためのアタッチメント操作を受けて前記コントロールバルブに前記アタッチメント操作に対応した開閉動作を行わせるものである場合、前記保持重量測定装置は、操作ロック切換部と、操作ロック制御部と、をさらに備えることが、好ましい。前記操作ロック切換部は、操作ロック状態とロック解除状態とに切換わることが可能である。前記操作ロック状態は、前記アタッチメント操作装置に与えられる前記アタッチメント操作のうち前記コントロールバルブに保持側開弁動作を行わせるアタッチメント操作を無効にして前記コントロールバルブを強制的に閉弁させる状態であり、前記保持側開弁動作は、前記保持側油圧室の圧力すなわち前記保持圧を増大させる方向の前記コントロールバルブの開弁動作である。前記ロック解除状態は、前記アタッチメント操作装置が前記アタッチメント操作に対応した開閉動作を前記コントロールバルブに行わせることを許容する状態である。前記操作ロック制御部は、少なくとも前記測定開始条件が満たされるまでは前記操作ロック切換部を前記ロック解除状態に保ち、前記測定開始条件が満たされた時点から前記圧力抜き部が前記圧力抜き動作を開始するまでの間に前記操作ロック切換部を前記操作ロック状態に切換えるように構成される。
前記操作ロック切換部及び前記操作ロック制御部は、前記圧力抜き動作中に前記アタッチメント操作装置に前記アタッチメント操作が与えられた場合にも正常な保持重量の測定を継続することを可能にする。具体的に、前記圧力抜き動作中にオペレータが前記アタッチメント操作装置にアタッチメント操作を与え、かつ、このアタッチメント操作に対応して前記アタッチメント操作装置が前記コントロールバルブに保持側開弁動作を行わせた場合、前記圧力抜き動作にかかわらず前記アタッチメントシリンダの保持側油圧室の圧力が増大して保持重量の正確な測定を妨げるおそれがある。しかし、前記操作ロック制御部は、当該圧力抜き動作が行われるときには前記操作ロック切換部を前記操作ロック状態にすることにより、オペレータが前記保持側開弁動作のためのアタッチメント操作を行った場合にも前記コントロールバルブを閉弁状態に維持して正常な測定を継続することを可能にする。
前記先端アタッチメントは、例えば、土砂の掘削及び積込みを行うことが可能なバケットが、好適である。この場合、前記保持圧検出器は、前記保持圧として、前記アタッチメントシリンダの前記一対の油圧室のうち前記バケットを掘削方向すなわち当該バケットの刃先を作業装置本体に近づける方向に回動させるための作動油が供給される油圧室(保持側油圧室)の圧力を検出するのが、よい。
前記先端アタッチメントは、あるいは、被保持物を前記アタッチメント回動軸から離れた特定の保持位置に保持するもの、例えば、被保持物を磁力により吸着するものや挟持するものであってもよい。これらの場合も、前記保持圧検出器は、前記保持圧として、前記アタッチメントシリンダの前記一対の油圧室のうち前記保持位置に保持されている前記被保持物の重量及び前記先端アタッチメントの重量によるモーメントに抗して前記先端アタッチメントを保持するための作動油が供給される油圧室(保持側油圧室)の圧力を検出するのが、よい。
以上のように、本発明によれば、先端アタッチメントを含む作業装置を備えた作業機械において、前記先端アタッチメントに保持される被保持物の重量に対応する保持重量を簡素な構成で精度よく測定することが可能な方法及び装置が、提供される。
本発明の第1の実施の形態に係る作業機械である油圧ショベルの側面図である。 前記油圧ショベルの要部であって当該油圧ショベルに搭載される先端アタッチメント及びこれを回動させるためのバケットシリンダであるアタッチメントシリンダを含む部分を示す側面図である。 前記アタッチメントシリンダを駆動するための油圧回路及びこれに付設される保持重量測定装置を示す図である。 前記保持重量測定装置を構成するコントローラの機能構成を示すブロック図である。 前記コントローラにより実行される演算制御動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る作業機械の要部であって先端アタッチメント及びこれを回動させるためのアタッチメントシリンダを含む部分を示す側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る作業機械の要部であって先端アタッチメント及びこれを回動させるためのアタッチメントシリンダを含む部分を示す側面図である。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る作業機械である油圧ショベルを示す。前記油圧ショベルは、下部走行体10と、上部旋回体12と、作業装置14と、を備える。前記下部走行体10は、左クローラ11L及び右クローラ11Rを有する。当該左及び右クローラ11L,11Rが駆動されることにより、前記下部走行体10全体が地面G上を走行することが可能である。前記上部旋回体12は、前記下部走行体10の上に搭載されて当該下部走行体10とともに機体を構成する。前記上部旋回体12は、前記下部走行体10に対して縦方向の旋回軸Z回りに旋回することが可能であり、この旋回に伴って前記作業装置14も前記旋回軸Z回りに旋回する。前記上部旋回体12は、旋回フレーム15と、その上に搭載される複数の要素と、を含む。前記複数の要素は、運転室であるキャブ16と、図略のエンジンを格納するエンジンルーム18と、を含む。
前記作業装置14は、ブーム20と、アーム22と、バケット24と、を含む。前記ブーム20は、基端部とその反対側の先端部とを有する。前記基端部は、上部旋回体12の前端に起伏可能すなわち水平軸を中心として上下方向に回動可能、となるように連結される。前記アーム22は、基端部とその反対側の先端部とを有する。前記基端部は、前記ブーム20の前記先端部に水平軸回りに、つまり上下方向に、回動可能に連結される。
前記ブーム20及び前記アーム22は、作業装置本体を構成する。前記ブーム20の基端部は前記作業装置本体の基端部に相当し、前記アーム22の先端部は前記作業装置本体の先端部に相当する。当該作業装置本体は、前記ブーム20の起伏動作及び前記アーム22の回動動作によって、前記アーム22の先端部及びこれに装着される前記バケット24を前記機体に対して相対変位させる。
前記バケット24は、本発明に係る先端アタッチメントに相当し、前記作業装置本体の先端部すなわち前記アーム22の先端部にアタッチメント回動軸回りに回動可能に取付けられる。前記アタッチメント回動軸は、作業装置14の長手方向と直交する水平方向、つまり左右方向、に延びる。従って、前記バケット24は前記アーム22に対して上下方向に回動可能である。具体的に、前記バケット24はアタッチメントピン23を介して前記アーム22の先端部に連結され、前記アタッチメントピン23の中心軸が前記アタッチメント回動軸に相当する。
前記バケット24は、地面Gを構成する土砂の掘削及び積込みを行うことが可能である。具体的に、当該バケット24は、容器状のバケット本体と、当該バケット本体の先端に設けられた刃先25と、を有する。前記刃先25は、地面Gに突き刺さってこれを掘削することが可能である。
前記油圧ショベルは、複数の油圧アクチュエータをさらに備える。当該複数の油圧アクチュエータのそれぞれは、作動油の供給を受けることにより作動して駆動対象を動かす。当該複数の油圧アクチュエータは、旋回モータと、左右一対の走行モータと、複数の作業アクチュエータと、を含む。前記左右一対の走行モータは、前記左クローラ11L及び前記右クローラ11Rにそれぞれ連結され、当該左及び右クローラ11L,11Rを駆動してこれらに走行動作を行わせる。前記旋回モータは前記上部旋回体12に連結され、前記下部走行体11に対して前記上部旋回体12及びこれに搭載される前記作業装置14を旋回させる。前記複数の作業アクチュエータは、前記作業装置14を動かすものであり、ブームシリンダ26と、アームシリンダ27と、アタッチメントシリンダ(この実施の形態ではバケットシリンダ)28と、を含む。
前記ブームシリンダ26は、前記ブーム20を起伏させるための油圧シリンダである。具体的に、当該ブームシリンダ26は、当該ブームシリンダ26の伸縮に伴って前記ブーム20が起伏するように前記ブーム20と前記上部旋回体12との間に配置される。
前記アームシリンダ27は、前記ブーム20に対して前記アーム22を回動させるための油圧シリンダである。具体的に、当該アームシリンダ27は、当該アームシリンダ27の伸縮に伴って前記アーム22が前記ブーム20に対して回動するように前記アーム22と前記ブーム20との間に配置される。
前記アタッチメントシリンダ28は、前記アーム22に対して前記先端アタッチメントである前記バケット24を回動させるための油圧シリンダである。具体的に、当該アタッチメントシリンダ28は、当該アタッチメントシリンダ28の伸縮に伴って前記バケット24が前記ブーム20に対して前記アタッチメント回動軸回りに回動するように、前記アーム22と前記バケット24とに連結される。
図2は、前記アタッチメントシリンダ28と駆動伝達機構40の詳細を示す。前記駆動伝達機構40は、前記アタッチメントシリンダ28の推力を先端アタッチメントである前記バケット24に伝達して当該バケット24を回動させるように構成される。
前記アタッチメントシリンダ28は、シリンダ本体30と、ピストン32と、ロッド34と、を含む。前記シリンダ本体30は、円筒状のシリンダ室を囲む。前記ピストン32は、前記シリンダ本体30内に装填されて前記シリンダ室をボトム室36とその反対側のロッド室38とに区画する。前記ロッド34は前記ピストン32から前記ロッド室38を貫通するように軸方向に延び、前記シリンダ本体30の外側に突出する。
前記ボトム室36及び前記ロッド室38は軸方向について互いに反対の側に位置する一対の油圧室に相当する。当該一対の油圧室のいずれかに作動油が供給されることにより前記アタッチメントシリンダ28が伸長または収縮する。具体的に、前記アタッチメントシリンダ28は、前記ボトム室36に作動油が供給されることにより、前記ロッド室38内の作動油の排出を伴いながら伸長する。つまり、前記シリンダ本体30からの前記ロッド34の突出量が増加する。逆に、前記アタッチメントシリンダ28は、前記ロッド室38に作動油が供給されることにより、前記ロッド室38内の作動油の排出を伴いながら収縮する。つまり、前記シリンダ本体30からの前記ロッド34の突出量が減少する。
前記アタッチメントシリンダ28は、軸方向の両端部を有し、当該両端部が前記アーム22と前記バケット24とにそれぞれ連結される。具体的に、前記アタッチメントシリンダ28の両端部の一方は、シリンダ基端部である。当該シリンダ基端部は、前記シリンダ本体30の両端部のうちの一方の端部であって前記ボトム室36に近い側の端部(以下「ボトム側端部」と称する。)により、構成される。前記ボトム側端部は、図1に示されるシリンダ基端ピン29を介して前記アーム22の背面に回動可能に連結される。前記アタッチメントシリンダ28の両端部の他方は、シリンダ先端部であり、前記ロッド34の先端部により構成される。当該シリンダ先端部は、前記駆動伝達機構40を介して前記バケット24に連結される。
前記駆動伝達機構40は、前記アタッチメントシリンダ28の伸縮方向の動きを前記バケット24の前記アタッチメント回動軸回りの回動に変換する。この実施の形態において、前記駆動伝達機構40は、図2に示される第1リンク41及び第2リンク42を含むリンク機構である。
前記第1リンク41は、前記ロッド34の先端部と前記バケット24とを相互に連結するアタッチメントリンク(この第1の実施の形態ではバケットリンク)である。当該第1リンク41は、当該第1リンク41の長手方向について両端部を有する。当該両端部のうちの一方の端部が前記ロッド34の先端部にロッド先端ピン44を介して回動可能に連結され、他方の端部が前記バケット24にピン46を介して回動可能に連結されている。
前記第2リンク42は、前記ロッド34の先端部と前記アーム22の先端部とを相互に連結するアイドルリンクである。当該第2リンク42は、当該第2リンク42の長手方向について両端部を有する。当該両端部のうちの一方の端部が前記ロッド34の先端部に前記ロッド先端ピン44を介して回動可能に連結され、他方の端部が前記アーム22の先端部にアーム先端ピン48を介して回動可能に連結されている。
前記駆動伝達機構40は、前記アタッチメントシリンダ28が伸長すると前記第1及び第2リンク41,42の回動を伴って前記バケット24を掘削方向に回動させ、逆に前記アタッチメントシリンダ28が収縮すると前記第1及び第2リンク41,42の逆向きの回動を伴って前記バケット24を開放方向に回動させる。前記掘削方向は、前記バケット24の刃先25が前記アーム22の腹面に近づく方向であり、前記アーム22の腹面は当該アーム22が前方に延びる姿勢で下を向く面である。従って、前記掘削方向は図2では反時計回り方向である。前記開放方向は前記掘削方向と逆の方向であり、図2では時計回り方向である。
図3は、前記油圧ショベルに搭載される油圧回路のうち前記アタッチメントシリンダ28の駆動に寄与する部分を示す。前記油圧回路は、前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに作動油を供給しかつその供給の方向及び流量を制御する機能を有する。具体的に、当該油圧回路は、前記アタッチメントシリンダ28の駆動のための要素として、図3に示される油圧ポンプ50、コントロールバルブ52及びアタッチメント操作装置(この実施の形態ではバケット操作装置)54を含む。
前記油圧ポンプ50は、前記アタッチメントシリンダ28に供給されるべき作動油を吐出する。具体的に、当該油圧ポンプ50は、前記図略のエンジンの出力軸に連結され、当該エンジンによって駆動されることによりタンク51内の作動油を吸入して吐出口より吐出する。
前記コントロールバルブ52は、前記油圧ポンプ50の前記吐出口と前記アタッチメントシリンダ28との間に介在し、当該油圧ポンプ50から当該アタッチメントシリンダ28に供給される作動油の方向及び流量を変化させるように開閉動作する。具体的に、この実施の形態に係る前記コントロールバルブ52は、図略の第1パイロットポート及び第2パイロットポートを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁により構成され、図3に示される中立位置PN、第1駆動位置P1及び第2駆動位置P2を有する。前記コントロールバルブ52は複数のポートを有し、当該複数のポートは、前記油圧ポンプ50の吐出口に接続されるポンプポートと、前記アタッチメントシリンダ28の前記ボトム室36にボトム側油路56を介して接続されるボトム側ポートと、前記アタッチメントシリンダ28の前記ロッド室38にロッド側油路58を介して接続されるロッド側ポートと、を含む。前記ボトム側油路56及び前記ロッド側油路58にはそれぞれリリーフ弁57,59が設けられている。
前記第1及び第2パイロットポートのいずれにもパイロット圧が供給されないとき、前記コントロールバルブ52は前記中立位置PN(図3では中央位置)に保たれる。この中立位置PNに保たれている前記コントロールバルブ52は、前記油圧ポンプ50と前記アタッチメントシリンダ28との連通を遮断して前記油圧ポンプ50の吐出口を前記タンク51に直接連通する油路を形成する。すなわち、前記中立位置PNに保持されている前記コントロールバルブ52は、前記油圧ポンプ50から前記アタッチメントシリンダ28への作動油の供給を阻止する閉弁状態にある。
前記第1パイロットポートにパイロット圧が供給されると、前記コントロールバルブ52は前記中立位置PNから前記パイロット圧の大きさに対応したストロークで前記第1駆動位置(図3では左側位置)P1にシフトされる、すなわち開弁される。この第1駆動位置P1にシフトされた前記コントロールバルブ52は、前記油圧ポンプ50の吐出口とボトム側油路56とを相互に接続するとともに前記ロッド側油路58を前記タンク51に連通する油路を形成する。この油路は前記ストロークに対応した(つまり前記パイロット圧の大きさに対応した)開口面積を有する。従って、前記第1駆動位置P1にシフトされた前記コントロールバルブ52は、前記油圧ポンプ50から吐出された作動油が前記パイロット圧の大きさに対応した流量で前記アタッチメントシリンダ28の前記ボトム室36に供給されることを許容するとともに、前記アタッチメントシリンダ28の前記ロッド室38から排出された作動油が前記タンク51に戻ることを許容し、これにより、前記アタッチメントシリンダ28が前記パイロット圧の大きさに対応した速度で伸長することを可能にする。
逆に、前記第2パイロットポートにパイロット圧が供給されると、前記コントロールバルブ52は前記中立位置PNから前記パイロット圧の大きさに対応したストロークで前記第2駆動位置(図3では右側位置)P2にシフトされる、すなわち開弁される。この第2駆動位置P2にシフトされた前記コントロールバルブ52は、前記油圧ポンプ50の吐出口とロッド側油路58とを相互に接続するとともに前記ボトム側油路56を前記タンク51に連通する油路を形成する。この油路は前記ストロークに対応した(つまり前記パイロット圧の大きさに対応した)開口面積を有する。従って、前記第2駆動位置P2にシフトされた前記コントロールバルブ52は、前記油圧ポンプ50から吐出された作動油が前記パイロット圧の大きさに対応した流量で前記アタッチメントシリンダ28の前記ロッド室38に供給されることを許容するとともに、前記アタッチメントシリンダ28の前記ボトム室36から排出された作動油が前記タンク51に戻ることを許容し、これにより、前記アタッチメントシリンダ28が前記パイロット圧の大きさに対応した速度で収縮することを可能にする。
前記アタッチメント操作装置(この実施の形態ではバケット操作装置)54は、前記キャブ16内のオペレータによるアタッチメント操作(この実施の形態ではバケット操作)を受けることが可能であるとともに、当該アタッチメント操作に対応した開閉動作を前記コントロールバルブ52に行わせるように、構成されている。つまり、当該アタッチメント操作装置54は、前記コントロールバルブ52を通じての前記オペレータによる前記バケット24の操作を可能にする。
具体的に、当該アタッチメント操作装置54は、アタッチメント操作弁(この実施の形態ではバケット操作弁)60と、第1パイロットライン61と、第2パイロットライン62と、を含む。前記アタッチメント操作弁60は、いわゆるリモコン弁により構成され、操作レバー64とパイロット弁66とを含む。前記第1パイロットライン61は、前記パイロット弁66と前記コントロールバルブ52の前記第1パイロットポートとを相互に接続するように配置される。前記第2パイロットライン62は、前記パイロット弁66と前記コントロールバルブ52の前記第2パイロットポートとを相互に接続するように配置される。
前記操作レバー64は、前記キャブ16内の運転席の近傍の位置、より詳しくは当該運転席に着座する前記オペレータによるアタッチメント操作を受けることが可能な位置、に配置される。前記アタッチメント操作は、例えば、前記操作レバー64を当該操作レバー64が起立した中立位置から互いに異なる第1方向及び第2方向のいずれかに倒伏させる操作である。
前記パイロット弁66は、前記操作レバー64に与えられる前記アタッチメント操作に対応した開弁動作を行うように、当該操作レバー64と相互に連結されている。前記パイロット弁66は、入力ポートと一対の出力ポートとを有する。前記入力ポートは図略のパイロット油圧源に接続される。当該パイロット油圧源は、例えばパイロットポンプであり、当該パイロットポンプは前記エンジンにより駆動されて前記タンク51内の作動油をパイロット油として吐出する。前記一対の出力ポートは、前記第1及び第2パイロットライン61,62を介して前記第1及び第2パイロットポートにそれぞれ接続される。
前記パイロット弁66は、前記操作レバー64に対して前記第1方向のアタッチメント操作が与えられると、前記パイロット油圧源から前記第1パイロットライン61を通じて前記第1パイロットポートにパイロット圧が入力されることを許容するように開弁する。前記パイロット弁66は、逆に、前記操作レバー64に対して前記第2方向のアタッチメント操作が与えられると、前記パイロット油圧源から前記第2パイロットライン62を通じて前記第2パイロットポートにパイロット圧が入力されることを許容するように開弁する。前記パイロット弁66の開弁の度合いは前記アタッチメント操作の大きさであるアタッチメント操作量に対応する。従って、当該アタッチメント操作量に対応した大きさのパイロット圧が前記パイロット油圧源から前記第1パイロットポートまたは前記第2パイロットポートに供給される。
前記油圧ショベルには、さらに、保持重量を測定するための保持重量測定装置が搭載される。前記保持重量は、先端アタッチメントに保持される被保持物の重量に対応する重量である。この実施の形態では、前記バケット24による地面Gの掘削動作によって当該バケット24に積み込まれる土砂の重量が前記保持重量、つまり測定対象となる重量、に相当する。
具体的に、この実施の形態に係る前記保持重量測定装置は、図3に示される保持圧検出器68、シリンダ長さ検出器69、圧力抜き部70、操作ロック切換部72及びコントローラ80を含む。
前記保持圧検出器68は、前記アタッチメントシリンダ28の保持圧PHを検出する。前記保持圧PHは、前記アタッチメントシリンダ28の保持側油圧室における作動油の圧力である。前記保持側油圧室は前記アタッチメントシリンダ28の一対の油圧室のうちの一方の油圧室であって、先端アタッチメント及び被保持物の重量に抗して先端アタッチメントを保持するための作動油が供給される油圧室である。この実施の形態に係る前記保持側油圧室は、前記ボトム室36及びロッド室38のうち前記バケット24及びその積載物(土砂)に作用する重力に抗して当該バケット24を保持するための作動油が供給される油圧室、つまり前記ボトム室36、である。従って、前記保持圧検出器68は、前記ボトム室36内の作動油の圧力であるボトム圧を検出するように配置される。当該保持圧検出器68は、例えば圧力センサにより構成されることが可能である。
前記シリンダ長さ検出器69は、前記アタッチメントシリンダ28の軸方向の長さであるシリンダ長さを検出する。当該シリンダ長さ検出器69は、例えば前記アタッチメントシリンダ28の伸縮方向のストロークを検出するストロークセンサにより構成されることが可能である。
前記シリンダ長さは、本発明に係るモーメント特定物理量に相当する。前記モーメント特定物理量は、保持モーメントMHの半径Rを特定するために必要な物理量である。前記保持モーメントMHは、前記アタッチメントシリンダ28の前記保持圧PHに基づくモーメントであって、前記先端アタッチメントであるバケット24に作用する前記アタッチメント回動軸回りのモーメントである。例えば、図2に示されるように、前記アタッチメントシリンダ28の保持圧PHによる保持力、すなわち前記ロッド先端ピン44及びこれに連結される第1及び第2リンク41,42の端部に加えられる前記アタッチメントシリンダ28の伸長方向の推力、をFHとすると、前記保持モーメントMHの半径Rは、前記保持力Fと平行でかつ前記アタッチメント回動中心軸を通る直線と当該保持力Fとの距離に相当する。この半径Rは、前記シリンダ長さに基づいて幾何学的に算定されることが可能である。
前記モーメント特定物理量は、前記シリンダ長さに限定されない。当該シリンダ特定物理量は、例えば、前記アーム22に対して前記第2リンク(アイドラリンク)42がなす角度であってもよい。すなわち、当該角度に基づいても前記保持モーメントMHの半径Rを特定することが可能である。この場合、物理量検出器は、例えば、前記角度を検出する角度センサによって構成されることが可能である。
前記圧力抜き部70は、圧力抜き動作を行うように構成される。前記圧力抜き動作は、前記保持側油圧室である前記ボトム室36に供給されている作動油の一部を絞りを通じて前記タンク51に逃がすことにより当該ボトム室36内の作動油の圧力、すなわちボトム圧、を抜く動作である。
前記圧力抜き部70は、この実施の形態では、圧力抜きライン73と圧力抜き切換弁74とを含む。
前記圧力抜きライン73は、前記コントロールバルブ52をバイパスして前記ボトム室36を前記タンク51に連通するように配置される。具体的に、この実施の形態に係る前記圧力抜きライン73は、前記ボトム側油路56の途中から分岐して前記タンク51に至っている。
前記圧力抜き切換弁74は、前記圧力抜きライン73に設けられ、閉位置と開位置との間で切換可能となるように構成される。前記圧力抜き切換弁74は、前記閉位置(図3では左側位置)では前記圧力抜きライン73を遮断して圧力抜き動作を阻止する。前記圧力抜き切換弁74は、前記開位置(図3では右側位置)では前記圧力抜きライン73を開通するラインであって前記絞りを含む絞りラインを形成し、これにより前記圧力抜き動作を可能にする。前記絞りの開口面積は、当該絞りを通じての作動油の逃がしにより前記ボトム圧が真の保持圧、つまり前記バケット24を前記土砂の重量に抗して保持する圧力、に近づく程度まで降下するように、設定される。
前記圧力抜き切換弁74は、この実施の形態では、ソレノイド75を有する電磁切換弁により構成される。当該圧力抜き切換弁74は、前記ソレノイド75に圧力抜き指令が入力されない(励磁電流が流されない)ときは前記閉位置を保ち、前記ソレノイド75に前記圧力抜き指令が入力されると(励磁電流が流されると)前記開位置に切換えられる。
前記操作ロック切換部72は、前記アタッチメント操作装置54に組み込まれ、操作ロック状態とロック解除状態とに切換わることが可能である。前記操作ロック状態は、前記アタッチメント操作装置54に与えられる前記アタッチメント操作のうち前記コントロールバルブ52に保持側開弁動作を行わせるアタッチメント操作を無効にして前記コントロールバルブ52を強制的に閉弁させる状態である。前記保持側開弁動作は、前記保持側油圧室(この実施の形態では前記ボトム室36)の圧力を増大させる方向の前記コントロールバルブ52の開弁動作であり、この実施の形態では前記中立位置PNから前記第1駆動位置P1へのストロークを増大させる方向の動作である。前記ロック解除状態は、前記アタッチメント操作装置54が前記アタッチメント操作に対応した開閉動作を前記コントロールバルブ52に行わせることを許容する状態、つまりアタッチメント操作装置54が本来の動作を行うことを許容する状態、である。
この実施の形態に係る前記操作ロック切換部72は、操作ロック切換弁76と、パイロット圧逃がしライン78と、を有する。
前記操作ロック切換弁76は、前記第1パイロットライン61の途中に設けられ、操作ロック位置とロック解除位置とに切換わることが可能である。前記操作ロック切換弁76は、前記ロック解除位置(図3では左側位置)では前記第1パイロットライン61を開通し、前記アタッチメント操作弁60から前記第1パイロットライン61を通じて前記コントロールバルブ52の第1パイロットポートに前記第1方向のアタッチメント操作に対応したパイロット圧が供給されることを許容する。前記操作ロック切換弁76は、前記操作ロック位置(図3では右側位置)では前記第1パイロットライン61を遮断するとともに前記第1パイロットポートを前記パイロット圧逃がしライン78を通じてタンク51に連通し、これにより、前記アタッチメント操作弁60から前記第1パイロットライン61を通じて前記コントロールバルブ52の第1パイロットポートにアタッチメント操作に対応したパイロット圧が供給されることを阻止して前記コントロールバルブ52を強制的に閉弁させる、つまり中立位置PNに保つ。
前記操作ロック切換弁76は、この実施の形態では、ソレノイド77を有する電磁切換弁により構成される。当該操作ロック切換弁76は、前記ソレノイド77に操作ロック指令が入力されない(具体的には励磁電流が流されない)ときは前記ロック解除位置を保ち、前記ソレノイド77に前記操作ロック指令が入力されると(励磁電流が流されると)前記操作ロック位置に切換えられる。
前記操作ロック状態は、少なくとも前記保持側開弁動作を阻止する状態であればよく、その反対側の開弁動作(ロッド室38の作動油の圧力を増大させる方向の開弁動作;中立位置PNから第2駆動位置P2へのストロークを増大させる動作)の阻止の有無は問わない。この実施の形態に係る操作ロック切換部72は、前記反対側の開弁動作は許容するように構成されている。
前記コントローラ80は、例えばマイクロコンピュータにより構成されることが可能であり、前記保持重量を測定するための要素として、図4に示すような測定開始時期判定部82、圧力抜き指令部84、操作ロック指令部86及び保持重量算定部88を含む。
前記測定開始時期判定部82は、測定開始時期が到来したか否かの判定を行う。前記測定開始時期は、前記保持重量の測定を開始すべき時期であり、具体的には予め設定された測定開始条件が満たされることになった時点である。つまり、前記測定開始時期判定部82は、前記測定開示条件が満たされているか否かの判定を行う。
前記測定開始条件は、好ましくは、アーム22に対する先端アタッチメント(バケット24)の姿勢が安定した状態にあると判断することを可能にする条件に設定される。具体的に、図1に示される油圧ショベルの場合、前記バケット24による掘削動作及びブーム20の起立による持ち上げ動作が完了した後、そのままの姿勢で上部旋回体12の旋回動作が行われ、前記バケット24がダンプトラック等の運搬車の直上の位置に達した時点で前記バケット24から前記運搬車への土砂の積込みが行われるから、前記保持重量の測定は前記旋回動作中に行われることが好ましい。従って、前記測定開始条件は、少なくとも前記掘削動作が完了していること、より好ましくは前記持ち上げ動作が完了して前記旋回動作が開始されたこと、に設定されるのがよい。
前記圧力抜き指令部84は、本発明に係る圧力抜き制御部に相当するものであり、前記圧力抜き切換弁74に適当なタイミングで圧力抜き指令を入力することにより、前記圧力抜き部70による圧力抜き動作の制御を行う。具体的に、前記圧力抜き指令部84は、少なくとも前記測定開始条件が満たされるまでの間は前記圧力抜き指令の入力を停止して前記圧力抜き切換弁74を前記閉位置に保つ。一方、前記圧力抜き指令部84は、前記測定開始条件が満たされることになった時点(測定開始時期)以降に前記圧力抜き切換弁74に前記圧力抜き指令を入力して当該圧力抜き切換弁74を開位置に切換える。
前記操作ロック指令部86は、本発明に係る操作ロック制御部に相当するものであり、前記操作ロック切換弁76に適当なタイミングで操作ロック指令を入力することにより、操作ロックの切換の制御を行う。具体的に、前記操作ロック指令部86は、前記測定開始条件が満たされるまでの間は前記操作ロック指令の入力を停止して前記操作ロック切換弁76を前記ロック解除位置に保つ。一方、前記操作ロック指令部86は、前記測定開始条件が満たされることになった時点(測定開始時期)で前記操作ロック切換弁76に前記操作ロック指令を入力して当該操作ロック切換弁76を前記操作ロック位置に切換える。
前記圧力抜き指令部84は、前記操作ロック指令部86から前記操作ロック切換弁76に前記操作ロック指令が入力されると同時に、あるいは当該入力から少し遅れたタイミングで、前記圧力抜き切換弁74への前記圧力抜き指令の入力を開始する。このことは、前記保持側開弁動作のためのアタッチメント操作が確実にロックされた状態で前記圧力抜き動作が行われることを可能にする。換言すれば、圧力抜き動作の途中に前記アタッチメント操作が行われた場合に当該アタッチメント操作に対応して実際にコントロールバルブ52が保持側開弁動作を行ってしまうことを防ぐ。
前記保持重量算定部88は、前記圧力抜き動作が開始されてから予め設定された測定条件が満たされた時点で前記保持圧検出器68及び前記シリンダ長さ検出器69によりそれぞれ検出される前記保持圧PH及び前記シリンダ長さをそれぞれ検出保持圧及び検出シリンダ長さ(検出物理量)として取得し、当該検出保持圧及び当該検出シリンダ長さに基づいて前記保持重量(この実施の形態ではバケット24に積み込まれた土砂の重量)を算定する。
前記測定条件は、例えば、前記圧力抜き動作が開始されてから予め設定された圧力抜き抜き時間が経過すること、に設定される。前記圧力抜き時間は、前記圧力抜き動作が開始されてから前記保持圧(この実施の形態ではボトム圧)PHが前記土砂の重量に対応する圧力まで降下するために必要な時間に設定される。当該圧力抜き時間は、前記圧力抜き切換弁74における絞りの開口面積にもよるが、例えば1秒程度である。
前記保持重量算定部88は、表示装置90に接続されている。前記表示装置90は、表示画面を有する。前記表示装置90は、当該表示画面に表示される内容がオペレータにより視認されることが可能となるように前記キャブ16内に配置される。
次に、前記コントローラ80により行われる具体的な演算制御動作を図5のフローチャートを参照しながら説明する。
前記コントローラ80の前記測定開始時期判定部82は、前記測定開始時期が到来したか否か、つまり予め設定された測定開始条件が満たされているか否か、を判定する(ステップS2)。当該測定開始条件が満たされるまでは(ステップS2でNO)、前記保持重量測定装置は図3に示されるような初期状態に維持される。具体的に、圧力抜き部70の圧力抜き切換弁74は閉位置に保たれ、操作ロック切換部72の操作ロック切換弁76はロック解除位置に保たれる。従って、コントロールバルブ52には、アタッチメント操作弁60の操作レバー64に与えられたアタッチメント操作に対応するパイロット圧が入力され、アタッチメントシリンダ28のボトム室36には油圧ポンプ50から吐出される作動油が通常通り供給される。
前記測定開始時期が到来した時点で(ステップS2でYES)、前記コントローラ80の操作ロック指令部86は前記操作ロック切換弁76に操作ロック指令を入力して当該操作ロック切換弁76を操作ロック位置に切換える(ステップS4)。これにより、コントロールバルブ52に保持側開弁動作を行わせるためのアタッチメント操作は無効となり、当該コントロールバルブ52は基本的に閉弁状態に保たれる。前記測定開始時期が到来した時点とは、例えば、油圧ショベルの動作が掘削動作及び持ち上げ動作から旋回動作に移行したという測定開始条件が満たされることになった時点である。
前記アタッチメント操作の無効化は、以降の測定動作中に前記アタッチメント操作により保持圧PHが高められて正常な保持重量の測定を妨げることを防ぐ。特に、オペレータは、前記バケット24内に土砂を積み込んだ後、旋回動作中に当該バケット24から土砂が零れるのを防ぐために当該バケット24を掘削方向に動かす操作(つまり前記保持側開弁動作に対応する操作)を行う傾向があるため、このような操作を無効にしてコントロールバルブ52を閉弁状態にすることは正確な測定を行う上で有効である。
前記操作ロック指令の入力と同時に、もしくはこれに続いて、前記コントローラ80の圧力抜き指令部84は、圧力抜き部70の圧力抜き切換弁74に圧力抜き指令を入力し、これにより当該圧力抜き切換弁74を開位置に切換える、つまり開弁させる(ステップS6)。当該開位置に切換えられた圧力抜き切換弁74は、ボトム側油路56内の作動油の一部が絞りを通じてタンク51に逃がされることを許容し、これにより、アタッチメントシリンダ28のボトム室36の圧力であるボトム圧が抜かれることを可能にする。
前記圧力抜きは、前記ボトム圧が実際の保持重量に対応する圧力に近づくことを可能にし、これにより、当該ボトム圧に基づいて精度の高い保持量の測定が行われることを可能にする。具体的に、前記掘削動作及び前記持ち上げ動作では、前記バケット24を掘削方向に回動させるべく前記アタッチメントシリンダ28が伸長方向にフルストロークするようなアタッチメント操作が行われていることが多く、その場合には前記ボトム室36内の圧力は前記保持重量に相当する圧力を超えた高圧(例えばリリーフ弁57の設定圧であるリリーフ圧に相当する最高圧)に達している可能性がある。また、アタッチメントシリンダ28のピストン32がフルストロークの位置にまで達していてそれ以上動かない状態にあると、当該アタッチメントシリンダ28における静摩擦力(シリンダ本体30に対してピストン32及びロッド34を静止状態に保とうとする摩擦力)が測定結果に大きく影響するおそれがある。これに対し、前記圧力抜き部70による圧力抜き動作は、前記ボトム室36内の圧力が前記保持重量に見合う圧力まで降下することを可能にする。このとき、前記シリンダ本体30に対して前記ピストン32及び前記ロッド34が動摩擦力に抗しながら変位するが、当該動摩擦力のバラツキは前記静摩擦力のバラツキに比べると著しく小さいため、この点においても測定精度の向上が期待できる。
前記圧力抜き動作が開始された後、前記コントローラ80の保持重量算定部88は、予め設定された測定条件が満たされた時点、この実施の形態では当該圧力抜き動作の開始から予め設定された圧力抜き時間が経過した時点(ステップS8でYES)、において前記保持圧検出器68及び前記シリンダ長さ検出器69によりそれぞれ検出されている保持圧及びシリンダ長さをそれぞれ検出保持圧及び検出シリンダ長さとして記憶する(ステップS10)。そして、前記保持重量算定部88は、前記検出保持圧及び前記検出シリンダ長さに基づいて保持重量を算定する(ステップS12)。
前記保持重量は、この実施の形態ではバケット24に積み込まれている土砂の重量であり、例えば以下に説明するような原理により算定されることが可能である。
図2は、バケット重心G1及び土砂重心G2の位置を示している。前記バケット重心G1は、前記バケット24に土砂が積み込まれていない空の状態での当該バケット24の重心であり、前記土砂重心G2は、前記バケット24に積み込まれる土砂について推定される当該土砂の重心である。前記バケット24の重量をW1、前記土砂の重量(この実施の形態では前記保持重量に相当する重量)をW2、アタッチメント回動軸(アタッチメントピン23の中心軸)から前記バケット重心G1及び前記土砂重心G2までの水平距離をそれぞれL1,L2とすると、前記バケット重量W1及び前記土砂重量W2に起因して発生するバケット重量モーメントMW1及び使用時重量モーメントMW2はそれぞれ次式で表される。
MW1=W1×L1 …(1)
MW2=W1×L1+W2×L2 …(2)
前記バケット重量モーメントMW1は、前記バケット24に土砂が積み込まれていない空の状態での前記バケット重量W1によるアタッチメント回動軸回りのモーメントであり、前記使用時重量モーメントMW2は前記バケット24に実際に土砂が積み込まれている状態での前記バケット重量W1及び前記土砂重量W2の双方によるアタッチメント回動軸回りのモーメントである。いずれのモーメントも、バケット24に対して当該バケット24を開放方向に回動させる向き、図2では時計回り方向、に作用する。
前記水平距離L1,L2は、測定が行われるときにアーム22に対してバケット24がとり得るであろうと想定される姿勢及びその姿勢で推定される前記土砂の形状から設定されることが可能である。このように想定された水平距離と実際の測定時における水平距離との間にずれが存する可能性があるが、当該ずれは小さく、保持重量の測定値に与える影響は小さい。
前記(2)式から前記(1)式を差し引くことにより、保持重量に相当する前記土砂重量W2を求めるための次式が得られる。
W2=(MW2-MW1)/L2 …(3)
一方、前記バケット重量W1及び前記土砂重量W2によるモーメントMW1,MW2にそれぞれ抗して前記バケット24を図2に示される姿勢に保持するための初期保持モーメントMH1及び使用時保持モーメントMH2は、次式で表される。
MH1=FH1×R1×μd …(4)
MH2=FH2×R2×μd …(5)
前記保持モーメントMH1,MH2はいずれも前記アタッチメントシリンダ28により与えられる保持力FHに基づくものであり、当該保持力FH1,FH2は、前記バケット24が空である初期状態及び当該バケット24に土砂が積み込まれている使用状態のそれぞれにおける前記アタッチメントシリンダ28の伸長方向の推力に相当する。また、R1,R2は前記初期保持モーメントMH1及び前記使用時保持モーメントMH2のモーメント半径Rであり、μdは前記アタッチメントシリンダ28において発生する動摩擦力を特定する動摩擦係数である。
前記モーメント半径R1,R2は、上述のように、前記保持力(シリンダ推力)FH1,FH2と平行でかつ前記アタッチメント回動中心軸を通る直線と当該保持力FH1,FH2との距離に相当し、前記シリンダ長さに基づいて幾何学的に算定されることが可能である。
前記動摩擦係数μdは、アタッチメントシリンダ28について予め測定されることが可能である。当該動摩擦係数μdにはバラツキがあるが、その大きさは静摩擦係数のバラツキに比べると小さい。
前記推力FH1,FH2は、前記ボトム室36に面する前記ピストン32の受圧面積をApとすると次式で表される。
FH1=PH1×Ap …(6)
FH2=PH2×Ap …(7)
ここで、PH1は、バケット24が空の状態において検出される保持圧(ボトム圧)PH、すなわち初期保持圧である。この初期保持圧PH1及び前記初期保持モーメントMH1の半径R1は、例えば工場内で予め検出され、あるいは測定前の初期設定モードで取得されることが可能である。従って、前記初期保持モーメントMH1(=FH1×R1×μd)は既知の値として予め前記保持重量算定部88に格納されることが可能である。これに対し、PH2は、バケット24に実際に土砂が積み込まれている状態において保持圧検出器68により検出される保持圧であって、前記測定条件が満たされた時点で検出される保持圧、つまり、前記検出保持圧である。
前記初期保持モーメントMH1及び前記使用時保持モーメントMH2がそれぞれ前記バケット重量モーメントMW1及び使用時重量モーメントMW2と釣り合うことから、次式が得られる。
MW1=MH1 …(8)
MW2=MH2=FH2×R2×μd …(9)
(8),(9)式を前記(3)式に代入し、さらに、(9)式のFH2について(7)式を代入すると、次式が得られる。
W2=(PH2×Ap×R2×μd-MH1)/L2 …(10)
従って、保持重量算定部88は、前記検出保持圧PH2と、前記検出シリンダ長さに対応するモーメント半径R2と、予め格納された前記初期保持モーメントMH1と、に基づき、前記保持重量に相当する土砂重量W2を算定することが可能である。
前記保持重量算定部88は、前記土砂重量(保持重量)W2に基づき、オペレータに対して表示すべき情報である表示情報を生成し、これを表示装置90に入力してその表示画面に表示させる。前記表示情報は、この実施の形態では、総積込み重量が設定された運搬車に対してあとどれぐらいの土砂を積込みことが可能であるかについての情報であり、例えば残り積込み重量、及び/又は残り積込み回数である。当該表示情報は、バケット24から運搬車に土砂を積み込む度に測定される前記土砂重量W2の積算により取得されることが可能である。
以上のようにして1回の測定動作が完了した後、前記圧力抜き指令部84は前記圧力抜き指令を解除して前記圧力抜き切換弁74を前記開位置から前記閉位置に戻す(ステップS16)。また、前記操作ロック指令部86は前記操作ロック指令を解除して前記操作ロック切換弁76を前記操作ロック位置から前記ロック解除位置に戻す(ステップS18)。前記測定動作は、前記バケット24により掘削された土砂を運搬車に積み込む度に実行される。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような形態も包含する。
(A)先端アタッチメント及びアタッチメントシリンダの保持圧について
本発明に係る先端アタッチメントは前記バケット24に限定されない。本発明は、作業装置本体の先端部に装着されながら特定の保持位置に被保持物を保持することが可能な種々の先端アタッチメントについて広く適用されることが可能である。また、アタッチメントシリンダの保持圧は、必ずしもボトム圧であるとは限らず、当該アタッチメントシリンダと前記先端アタッチメントとの位置関係によって特定される。
具体的に、本発明は例えば以下に説明する第2の実施の形態及び第3の実施の形態も包含する。
図6は、前記第2の実施の形態に係る作業機械の要部を示す。この作業機械は、前記第1の実施の形態に係る油圧ショベルにおいて、前記バケット24に代えてリフティングマグネット100がアーム22の先端に装着されたものである。前記リフティングマグネット100は、磁性材料を含む被保持物92を磁力による吸引によって保持する先端アタッチメントである。
前記リフティングマグネット100は、前記バケット24と同様、アタッチメントピン23を介してその中心軸であるアタッチメント回動軸回りに回動可能となるように前記アーム22に装着される。前記リフティングマグネット100は、アタッチメントシリンダ28によって回動させられることが可能となるように当該アタッチメントシリンダ28のロッド34の先端に駆動伝達機構40を介して連結されている。前記駆動伝達機構40は、前記第1の実施の形態に係る駆動伝達機構40と同様に第1リンク41及び第2リンク42を含む。
前記リフティングマグネット100は、アタッチメント本体102と、連結部104と、吸着部106と、を含む。前記アタッチメント本体102は、図略のマグネットを内蔵し、当該マグネットは被保持物92を吸引するための磁力を生成する。前記連結部104は、前記アタッチメント本体102の上面から上向きに突出し、前記アーム22の先端部及び前記駆動伝達機構40に連結される。具体的に、当該連結部104は、前記アーム22に前記アタッチメントピン23を介して回動可能に連結されるとともに、前記駆動伝達機構40の前記第1リンク41にピン46を介して回動可能に連結されている。前記吸着部106は、使用時に下を向く吸着面を有し、前記マグネットが生成する磁力によって前記吸着面上に前記被保持物92を吸着する。
前記吸着部106の前記吸着面は、保持位置を特定することが可能な形状を有する。前記保持位置は、前記吸着面上において前記被保持物92が保持されるべき位置(当該被保持物92の重心の位置)である。前記吸着面は、具体的には、一対の案内面107,108を含む。当該一対の案内面107,108は、基準線109を挟んでその左右両側に配置される。前記基準線109は、例えば、前記アタッチメント回動軸と平行な直線(図6では紙面の奥行方向に延びる直線)であり、当該基準線109の直下方に前記保持位置がある。前記一対の案内面107,108は、当該案内面107,108の何れかに当接する前記被保持物92を前記保持位置に案内する形状、具体的には前記基準線109に向かって上向きに傾斜する形状、を有する。前記吸着面は、あるいは、上向きに凸の曲面であってもよい。
前記保持位置は、前記アタッチメント回動軸から離れた位置であり、この実施の形態では図6に示されるような使用時の姿勢において前記アタッチメント回動軸よりも前側(図6では左側)に設定されている。このことは、前記作業機械の実質的な作業半径の拡大を可能にする。
この第2の実施の形態に係る保持重量測定装置は、前記第1の実施の形態に係る測定装置と同様の構成を有し、保持重量として前記被保持物92の重量を測定するものである。この第2の実施の形態に係る測定装置も保持圧検出器68を含む。しかし、この保持圧検出器68は、前記第1の実施の形態に係る保持圧検出器68とは逆に、アタッチメントシリンダ28のボトム圧ではなくロッド圧、つまり前記アタッチメントシリンダ28のロッド室38における作動油の圧力、を保持圧PHとして検出するように配置される。理由は以下のとおりである。
前記保持位置は前記アタッチメント回動軸よりも前側にあるため、当該保持位置に保持される被保持物92の重量W2により使用時にリフティングマグネット100に作用するモーメントMW2は当該リフティングマグネット100の吸着面を後ろに向かせる方向のモーメント、図6では反時計回り方向のモーメント、となる。従って、このモーメントMW2に抗してリフティングマグネット100を図6に示される姿勢に保持するようにアタッチメントシリンダ28がリフティングマグネット100に加えるべきモーメント、すなわち使用時保持モーメントMH2、は図6において時計回り方向のモーメントであり、アタッチメントシリンダ28の収縮方向の推力によるモーメントである。当該収縮方向の推力は前記アタッチメントシリンダ28のロッド室38への作動油の供給により生成される。従って、この第2の実施の形態では前記ロッド室38が保持側油圧室であり、当該ロッド室38内の作動油の圧力が前記保持圧PHとして検出されるべき圧力である。換言すれば、ロッド圧である保持圧PHと、前記使用時保持モーメントMH2の半径を特定するためのモーメント特定物理量(例えばシリンダ長さ)と、に基づき、前記第1の実施の形態の土砂重量と同様に、前記被保持物92の重量W2が保持重量として算定されることが可能である。
この第2の実施の形態では、例えば図6に示されるように、使用時に前記アタッチメントシリンダ28がフルストロークされる可能性は前記バケット24に比べると小さい。しかし、このようにアタッチメントシリンダ28がフルストロークされない場合でも、測定前の圧力抜き動作は、アタッチメントシリンダ28に微小な変位を生じさせてバラツキの大きな静摩擦力を解消することによって、測定精度の向上に寄与することが可能である。
図7は、前記第3の実施の形態に係る作業機械の要部を示す。この作業機械は、前記第1の実施の形態に係る油圧ショベルにおいて、前記バケット24に代えてグラップル110がアーム22の先端に装着されたものである。前記グラップル110は、木材等の被保持物92を掴んで保持する先端アタッチメントである。
前記グラップル110もアタッチメントピン23を介してその中心軸であるアタッチメント回動軸回りに回動可能となるように前記アーム22に装着され、アタッチメントシリンダ28によって回動させられることが可能となるように当該アタッチメントシリンダ28のロッド34の先端に駆動伝達機構40を介して連結されている。
前記グラップル110は、アタッチメント本体112と、連結部114と、一対の把持爪116と、把持シリンダ118と、を含む。前記連結部114は、前記第2の実施の形態に係る前記連結部104と同様、前記アタッチメント本体112の上面から上向きに突出し、前記アーム22の先端に前記アタッチメントピン23を介して回動可能に連結されるとともに、前記駆動伝達機構40の第1リンク41にピン46を介して回動可能に連結されている。
前記一対の把持爪116は、前記把持シリンダ118により、開位置と、図7に示される閉位置と、の間で開閉方向に駆動される。前記一対の把持爪116は、前記閉位置では被保持物92を挟持し、前記開位置では前記閉位置よりも互いに左右方向に離れて前記被保持物92をリリースする。具体的に、前記一対の把持爪116のそれぞれは、基端部とその反対側の爪端部とを有し、前記基端部よりも少し先端側にずれた部位が回動軸117を介して前記アタッチメント本体112に連結される。前記一対の把持爪116は、それぞれが前記回動軸117を中心として前記アタッチメント回動軸と平行な軸回りに互いに逆向きに回動することにより、開閉動作をする。
前記把持シリンダ118は、油圧シリンダにより構成され、その軸方向に伸縮することにより前記一対の把持爪116に開閉動作を行わせるように、当該一対の把持爪116に連結される。前記把持シリンダ118は、その伸縮方向が前記アタッチメント回動軸と直交する前後方向となる横向き姿勢で前記アタッチメント本体112に内蔵される。前記把持シリンダ118は、軸方向の両端部を有し、当該両端部が前記一対の把持爪116の基端部にそれぞれ回動可能でかつ当該把持爪116の長手方向に相対変位可能に連結されている。
前記グラップル110が前記被保持物92を保持する位置である保持位置は、図7に示されるように前記一対の把持爪116により挟持される被保持物92の重心位置である。この実施の形態に係る保持位置も、前記第2の実施の形態に係る保持位置と同様、前記アタッチメント回動軸(アタッチメントピン23の中心軸)よりも前側にあり、アタッチメントシリンダ28による保持モーメントMHは当該アタッチメントシリンダ28の収縮方向の推力に基づく。従って、この第3の実施の形態に係る保持圧検出器68も、前記第2の実施の形態に係る保持圧検出器68と同様、前記アタッチメントシリンダ28のロッド圧を保持圧PHとして検出するように当該アタッチメントシリンダ28に取付けられる。
この第3の実施の形態においても、使用時の姿勢において前記アタッチメントシリンダ28は必ずしも収縮方向にフルストロークされないが、測定前の圧力抜き動作は、アタッチメントシリンダ28に微小な変位を生じさせることにより、バラツキの大きな静摩擦力を解消することで測定精度の向上に寄与することが可能である。
(B)保持重量及び初期保持モーメントについて
本発明の測定対象である保持重量は、被保持物の重量に対応した重量であればよく、必ずしも被保持物の重量そのものでなくてもよい。例えば、長期にわたる使用によるアタッチメントシリンダまたは作業装置の疲労の診断を目的として先端アタッチメントの重量と被保持物との総和(第1の実施の形態ではバケット重量W1と土砂重量W2との総和)が保持重量として測定されてもよい。この場合、前記第1の実施の形態と異なり、保持重量算定部は必ずしも初期保持モーメントを格納する必要はない。当該初期保持モーメントは、前記先端アタッチメントが被保持物を保持していない状態で当該先端アタッチメントをその自重に抗してアタッチメントシリンダの推力により保持するためのモーメントであり、前記バケット重量W1のみによるモーメントに対応するモーメントである。
一方、保持重量算定部が予め前記初期保持モーメントを格納する態様において、当該保持重量算定部に格納されるべき当該初期保持モーメントはアタッチメントシリンダの前記初期保持圧に基づいて算定されるものに限られない。例えば、前記第1の実施の形態に係る前記初期保持モーメントMH1は、バケット重量W1に起因する逆向きのバケット重量モーメントMW1と釣り合うべきものであり、当該バケット重量モーメントMW1はバケット重量W1とアタッチメント回動軸からのバケット重心G1の水平距離L1との積であるから(MW1=W1×L1)であるから、当該積が前記初期保持モーメントMH1として前記保持重量算定部に格納されてもよい。
(C)圧力抜き動作について
本発明に係る圧力抜き動作が開始される時期は、適宜設定されることが可能である。前記第1の実施の形態では、測定開始条件が満たされた時点で操作ロックが行われ、その後に圧力抜き動作が開始されるが、当該操作ロックは省略されてもよいし、当該圧力抜き動作は測定開始条件が満たされた時点で開始されてもよい。また、当該圧力抜き動作は必ずしも被保持物の積込動作の度に毎回行われなくてもよい。例えば、上述のようにアタッチメントシリンダがフルストロークした場合にその保持側油圧室の圧力と実際の保持重量に対応する圧力とのずれが大きくなることから、アタッチメントシリンダがフルストロークした場合にのみ前記圧力抜き動作を行うような制御が実行されてもよい。
前記測定条件、つまり、前記圧力抜き動作を開始した後の検出保持圧及び検出物理量を採用する時期を決定するための条件、も適宜設定されることが可能である。前記第1の実施の形態に係る測定条件は、圧力抜き動作を開始してから所定の圧力抜き時間が経過することであるが、例えば保持圧検出器により検出される保持圧の降下速度が一定以下になったことが測定条件に設定されてもよい。
(D)圧力抜きについて
本発明に係る圧力抜き動作は、前記圧力抜きライン73と前記圧力抜き切換弁74との組み合わせにより行われるものに限定されない。本発明に係る圧力抜き動作は、前記コントロールバルブ52のストロークを僅かに変化させることによって行われてもよい。例えば、コントロールバルブ52に入力されるパイロット圧がアタッチメント操作にかかわらず測定用の適当なパイロット圧に強制的に調節されることによって前記圧力抜き動作が実行されてもよい。ただし、このようなコントロールバルブ52の微妙なストロークの制御は難しく、特に圧力抜きのための絞りの開口面積の設定は容易でないのに対し、前記圧力抜きライン73と前記圧力抜き切換弁74との組み合わせは、当該圧力抜き切換弁74の開閉切換によって簡単に圧力抜き動作を行うことを可能にする。また、前記圧力抜き切換弁74での絞りの開口面積の設定も容易である。
10 下部走行体(機体)
12 上部旋回体(機体)
14 作業装置
20 ブーム(作業装置本体)
22 アーム(作業装置本体)
23 アタッチメントピン
24 バケット(先端アタッチメント)
28 アタッチメントシリンダ
36 ボトム室(油圧室)
38 ロッド室(油圧室)
50 油圧ポンプ
52 コントロールバルブ
54 アタッチメント操作装置
68 保持圧検出器
69 シリンダ長さ検出器(物理量検出器)
70 圧力抜き部
72 操作ロック切換部
73 圧力抜きライン
74 圧力抜き切換弁
76 操作ロック切換弁
80 コントローラ
82 測定開始時期判定部
84 圧力抜き指令部(圧力抜き制御部)
86 操作ロック指令部(操作ロック制御部)
88 保持重量算定部
92 被保持物
100 リフティングマグネット(先端アタッチメント)
110 グラップル(先端アタッチメント)

Claims (8)

  1. 機体と当該機体に連結される作業装置とを備えた作業機械であって、前記作業装置は、前記機体に連結される基端部とその反対側の先端部とを含み前記機体に対して前記先端部を相対変位させるように作動する作業装置本体と、前記作業装置本体の前記先端部にアタッチメント回動軸を中心として回動可能となるように装着されるとともに被保持物を保持することが可能である先端アタッチメントと、前記作業装置本体と前記先端アタッチメントとの間に設けられて前記作業装置本体に対して前記先端アタッチメントを前記アタッチメント回動軸回りに回動させるように伸縮するアタッチメントシリンダと、を含み、前記アタッチメントシリンダは、互いに反対側に位置する一対の油圧室を有し、当該一対の油圧室の一方に作動油が供給されることにより伸長または収縮して前記先端アタッチメントを回動させる作業機械により保持される前記被保持物の重量に対応する保持重量を測定するための保持重量測定方法であって、
    前記先端アタッチメントが前記被保持物を保持した状態で予め設定された測定開始条件が満たされているときに前記一対の油圧室のうちの一方の油圧室であって前記先端アタッチメント及びこれに保持される前記被保持物の重量に抗して前記先端アタッチメントを保持するための作動油が供給される油圧室である保持側油圧室に供給されている作動油の一部を絞りを通じてタンクに逃がすことにより当該作動油の圧力を抜く圧力抜きステップと、
    前記圧力抜きステップが開始されてから予め設定された測定条件が満たされた時点での前記アタッチメントシリンダの前記保持側油圧室における作動油の圧力である保持圧及び前記保持圧により前記先端アタッチメントに与えられる前記アタッチメント回動軸回りのモーメントである保持モーメントの半径を特定するために必要な物理量であるモーメント特定物理量をそれぞれ検出保持圧及び検出物理量として検出する検出ステップと、
    前記検出保持圧及び前記検出物理量に基づいて前記保持重量を算定する保持重量算定ステップと、を含む、保持重量測定方法。
  2. 請求項1記載の保持重量測定方法であって、前記保持重量は前記被保持物のみの重量であり、前記保持重量測定方法は、前記先端アタッチメントが前記被保持物を保持していない状態で当該先端アタッチメントを保持するための前記アタッチメント回動軸回りのモーメントである初期保持モーメントを測定してこれを記憶する記憶ステップをさらに含み、前記保持重量算定ステップでは、前記初期保持モーメントと前記検出保持圧と前記検出物理量とに基づいて前記保持重量が算定される、保持重量測定方法。
  3. 機体と当該機体に連結される作業装置とを備えた作業機械であって、前記作業装置は、前記機体に連結される基端部とその反対側の先端部とを含み前記機体に対して前記先端部を相対変位させるように作動する作業装置本体と、前記作業装置本体の前記先端部にアタッチメント回動軸を中心として回動可能となるように装着されるとともに被保持物を保持することが可能である先端アタッチメントと、前記作業装置本体と前記先端アタッチメントとの間に設けられて前記作業装置本体に対して前記先端アタッチメントをアタッチメント回動軸回りに回動させるように伸縮するアタッチメントシリンダと、を含み、前記アタッチメントシリンダは、互いに反対側に位置する一対の油圧室を有し、当該一対の油圧室の一方に作動油が供給されることにより伸長または収縮して前記先端アタッチメントを回動させる作業機械に設けられ、当該作業機械により保持される前記被保持物の重量に対応する保持重量を測定するための保持重量測定装置であって、
    前記アタッチメントシリンダの前記一対の油圧室のうちの一方の油圧室であって前記先端アタッチメント及び前記被保持物の重量に抗して前記先端アタッチメントを保持するための作動油が供給される油圧室である保持側油圧室における作動油の圧力である保持圧を検出する保持圧検出器と、
    前記保持圧により前記先端アタッチメントに与えられる前記アタッチメント回動軸回りのモーメントである保持モーメントの半径を特定するために必要な物理量であるモーメント特定物理量を検出する物理量検出器と、
    前記保持側油圧室に供給されている作動油の一部を絞りを通じてタンクに逃がすことにより当該保持側油圧室内の作動油の圧力を抜く圧力抜き動作を行うように構成された圧力抜き部と、
    前記先端アタッチメントが前記被保持物を保持した状態で予め設定された測定開始条件が満たされているときに前記圧力抜き部に前記圧力抜き動作を行わせる圧力抜き制御部と、
    前記圧力抜き動作が開始されてから予め設定された測定条件が満たされた時点での前記保持圧及び前記モーメント特定物理量をそれぞれ検出保持圧及び検出物理量として取得し、前記検出保持圧及び前記検出物理量に基づいて前記保持重量を算定する保持重量算定部と、を備える保持重量測定装置。
  4. 請求項3記載の保持重量測定装置であって、前記保持重量は、前記被保持物のみの重量であり、前記保持重量算定部は、前記先端アタッチメントが前記被保持物を保持していない状態で当該先端アタッチメントを保持するための前記アタッチメント回動軸回りのモーメントである初期保持モーメントを格納し、当該初期保持モーメントと前記検出保持圧と前記検出物理量とに基づいて前記保持重量を算定するように構成される、保持重量測定装置。
  5. 請求項3または4記載の保持重量測定装置であって、前記作業機械は、前記アタッチメントシリンダに供給されるべき作動油を吐出する油圧ポンプと、前記油圧ポンプと前記アタッチメントシリンダとの間に介在して当該油圧ポンプから当該先端アタッチメントに供給される作動油の流量を変化させるように作動するコントロールバルブと、をさらに備え、前記圧力抜き部は、前記コントロールバルブをバイパスして前記保持側油圧室を前記タンクに連通するように配置された圧力抜きラインと、前記圧力抜きラインに設けられ、閉位置と開位置との間で切換可能であり、前記閉位置では前記圧力抜きラインを遮断し、前記開位置では前記圧力抜きラインを開通するラインであって前記絞りを含む絞りラインを形成する圧力抜き切換弁と、を含み、前記圧力抜き制御部は、前記測定条件が満たされたと判断するまでは前記圧力抜き切換弁を前記閉位置に保持し、前記測定条件が満たされたと判断した以降に前記圧力抜き切換弁を前記開位置に切換えるように、当該圧力抜き切換弁の動作を制御する、保持重量測定装置。
  6. 請求項5記載の保持重量測定装置であって、前記作業機械は、前記アタッチメントシリンダを伸縮させるためのアタッチメント操作を受けて前記コントロールバルブに前記アタッチメント操作に対応した開閉動作を行わせるアタッチメント操作装置をさらに備え、前記保持重量測定装置は、前記アタッチメント操作装置に与えられる前記アタッチメント操作のうち前記コントロールバルブに前記保持圧を増大させる方向の開弁動作である保持側開弁動作を行わせるアタッチメント操作を無効にして前記コントロールバルブを強制的に閉弁させる操作ロック状態と前記アタッチメント操作装置が前記アタッチメント操作に対応した開閉動作を前記コントロールバルブに行わせることを許容するロック解除状態とに切換わることが可能な操作ロック切換部と、少なくとも前記測定開始条件が満たされるまでは前記操作ロック切換部を前記ロック解除状態に保ち、前記測定開始条件が満たされた時点から前記圧力抜き部が前記圧力抜き動作を開始するまでの間に前記操作ロック切換部を前記操作ロック状態に切換えるように構成される操作ロック制御部と、を含む、保持重量測定装置。
  7. 請求項3~6のいずれかに記載の保持重量測定装置であって、前記先端アタッチメントは、土砂の掘削及び積込みを行うことが可能なバケットであり、前記保持圧検出器は、前記保持圧として、前記アタッチメントシリンダの前記一対の油圧室のうち前記バケットを掘削方向に回動させるための作動油が供給される油圧室の圧力を検出する、保持重量測定装置。
  8. 請求項3~6のいずれかに記載の保持重量測定装置であって、前記先端アタッチメントは、被保持物を前記アタッチメント回動軸から離れた特定の保持位置に保持するものであり、前記保持圧検出器は、前記保持圧として、前記アタッチメントシリンダの前記一対の油圧室のうち前記保持位置に保持されている前記被保持物の重量及び前記先端アタッチメントの重量によるモーメントに抗して前記先端アタッチメントを保持するための作動油が供給される油圧室の圧力を検出する、保持重量測定装置。
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