JP2023117113A - 油圧駆動装置及びこれを備えた建設機械 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023117113000001
【課題】速度センサを取り付けることが困難な油圧アクチュエータが複合操作による制御対象に含まれる場合であっても、複合操作による制御対象の油圧アクチュエータの実際の動作速度を目標速度にそれぞれ追従させることが可能な建設機械の油圧駆動装置を提供する。
【解決手段】油圧駆動装置のコントローラ70は、複合操作時において、ポンプ装置の吐出量を第1操作及び第2操作に基づいて調節し、ポンプ装置の吐出圧を第1アクチュエータのメータイン圧力に近づけ且つ第1アクチュエータの動作速度である第1動作速度を第1アクチュエータの目標速度である第1目標速度に近づけるように第2制御弁の開度を絞る。
【選択図】図4

Description

本開示は、油圧駆動装置及びこれを備えた建設機械に関するものである。
一般に、油圧ショベルなどの建設機械は、作動油を吐出する少なくとも一つの油圧ポンプと、当該油圧ポンプから作動油の供給を受けることにより作動する複数の油圧アクチュエータと、複数の油圧アクチュエータを動かすための操作が与えられる複数の操作装置と、を備える。このような建設機械において、二つ以上の油圧アクチュエータを動かすための複数の操作が同時に行われる複合操作時には、作動圧の高い油圧アクチュエータに供給される作動油が少なくなる圧力干渉が生じる場合がある。このような圧力干渉が生じると、作動圧の高い油圧アクチュエータの動作が極端に緩慢になって作業性が著しく低下することがあるため、圧力干渉が生じることを抑制するための技術が提案されている(例えば特許文献1)。
特許文献1は、走行モータと作業アクチュエータとの間の圧力干渉を抑制するための油圧制御装置を開示している。具体的に、この油圧制御装置は、走行操作と作業操作(例えばブーム上げ操作)が同時に行われる複合操作時に、二つの油圧ポンプのポンプラインを連通路によって連通させるとともに、当該連通路の開口量をエンジン回転数に応じて制御する。これにより、走行操作と作業操作の複合操作時に圧力干渉が抑制されるので、作動圧が高い作業アクチュエータの動作が極端に緩慢になることを防止できる。
特開2007-218028号公報
しかしながら、特許文献1に記載の油圧制御装置では、複合操作における走行操作の操作量及び作業操作の操作量に応じた目標速度通りに走行モータ及び作業アクチュエータを動かすこと、すなわち複合操作による制御対象の油圧アクチュエータの動作速度を目標速度にそれぞれ追従させること、までは考慮されていない。
油圧アクチュエータの動作速度を目標速度に調節するためには、例えば当該油圧アクチュエータの実際の動作速度を検出する速度センサを当該油圧アクチュエータ又はその近傍に取り付け、コントローラが速度センサによる検出結果に基づいて当該油圧アクチュエータの動作速度を制御することが考えられる。しかし、建設機械が備える複数の油圧アクチュエータの中には、速度センサを取り付けることが困難な油圧アクチュエータが含まれる場合もある。速度センサの取り付けが難しい油圧アクチュエータが複合操作による制御対象に含まれる場合、コントローラは、当該油圧アクチュエータの動作速度を速度センサによる検出結果に基づいて制御することができない。
本開示は、速度センサを取り付けることが困難な油圧アクチュエータが複合操作による制御対象に含まれる場合であっても、複合操作による制御対象の油圧アクチュエータの実際の動作速度を目標速度にそれぞれ追従させることが可能な油圧駆動装置及びこれを備えた建設機械を提供することを目的とする。
提供されるのは、建設機械の油圧駆動装置であって、作動油を吐出するポンプ装置と、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに供給される前記作動油の流量をそれぞれ制御する第1制御弁及び第2制御弁と、前記第1アクチュエータの目標速度である第1目標速度を決める第1操作が与えられる第1操作装置と、第2操作が与えられる第2操作装置と、前記第1アクチュエータの動作速度である第1動作速度を検出する第1検出器と、前記第1操作と前記第2操作の複合操作時に、前記ポンプ装置の吐出量を前記第1操作及び前記第2操作に基づいて調節し、前記ポンプ装置の吐出圧を前記第1アクチュエータのメータイン圧力に近づけ且つ前記第1動作速度を前記第1目標速度に近づけるように前記第2制御弁の開度を絞る制御指令を与えるコントローラと、を備える。
この油圧駆動装置では、前記複合操作時において、コントローラは、前記ポンプ装置の吐出量を前記第1操作及び前記第2操作に基づいて調節することで、当該ポンプ吐出量を、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに供給されるべき作動油の総量に調節する。また、コントローラは、第2制御弁の開度を絞ることで、第2制御弁における圧力損失を大きくしてポンプ装置の吐出圧を第1アクチュエータのメータイン圧力に近づけ、これにより、例えば第1アクチュエータに供給される作動油が少なくなる圧力干渉の発生を抑制しつつ、第1検出器により検出される第1動作速度を第1目標速度に調節する。第1動作速度が第1目標速度に調節された状態では、第1アクチュエータには第1操作に応じて決まる流量の作動油が供給され、残りの作動油は、第2アクチュエータに供給される。このとき、ポンプ吐出量は第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに供給されるべき作動油の総量に調節されているので、第2アクチュエータに供給される前記残りの作動油の流量は、必然的に、第2操作に応じて決まる流量になる。これにより、前記ポンプ吐出量を第1アクチュエータと第2アクチュエータに適正に分配することができる。従って、この油圧駆動装置は、第2アクチュエータ又はその近傍に当該第2アクチュエータの実際の動作速度を検出するための速度センサを取り付けることが困難である場合でも、複合操作による制御対象である第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの実際の動作速度を第1操作に応じた第1目標速度及び第2操作に応じた第2目標速度にそれぞれ追従させることができる。
前記コントローラは、前記複合操作時において、前記第1アクチュエータの前記メータイン圧力が前記第2アクチュエータのメータイン圧力よりも大きい場合に、前記制御指令を与えるように構成されていることが好ましい。この構成では、コントローラは、必要な時にだけ、すなわち第1アクチュエータのメータイン圧力である第1メータイン圧力が第2アクチュエータのメータイン圧力である第2メータイン圧力よりも大きい時にだけ、第2制御弁の開度を絞る制御指令を与えることができる。具体的には、コントローラは、第2制御弁の開度を絞ることで、第2制御弁における圧力損失を大きくしてポンプ装置の吐出圧を第2メータイン圧力から第1メータイン圧力まで上昇させ、これにより、作動圧の高い第1アクチュエータに供給される作動油が少なくなる圧力干渉の発生を抑制しつつ、第1動作速度を第1目標速度に調節することができる。
前記油圧駆動装置は、前記建設機械の走行速度を検出する走行速度検出器をさらに備え、前記ポンプ装置は可変容量型の油圧ポンプを含み、前記第2アクチュエータは走行モータであり、前記コントローラは、前記複合操作時において、前記走行速度の検出結果に基づいて前記第2アクチュエータの動作速度である第2動作速度を演算し、前記第2動作速度を前記第2操作に応じて決まる第2目標速度に近づけるように前記油圧ポンプの容量を制御することが好ましい。この構成では、例えば、コントローラによる容量指令に対応する理想的なポンプ吐出量と実際のポンプ吐出量との間に誤差が生じている場合であっても、コントローラは、走行速度検出器が検出する検出結果(すなわち建設機械の実際の走行速度)に基づいて第2アクチュエータの実際の動作速度(第2動作速度)を演算し、第2動作速度を第2目標速度に近づけるように油圧ポンプの容量を制御して前記誤差を小さくすることができる。これにより、複合操作による制御対象である第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの実際の動作速度を目標速度により正確に追従させることができる。
前記コントローラは、前記複合操作時において、前記第1動作速度を前記第1目標速度に近づけるように前記第1制御弁を制御することが好ましい。この構成では、コントローラは、第1動作速度を第1目標速度に近づけるように第2制御弁を制御するだけでなく、第1動作速度を第1目標速度に近づけるように第1制御弁も制御するので、複合操作による制御対象である第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの実際の動作速度を目標速度に迅速に追従させることができる。
前記第1アクチュエータは油圧シリンダであり、前記油圧駆動装置は、前記油圧シリンダがストロークエンドに達したか否かを検出するストロークエンド検出器をさらに備え、前記コントローラは、前記油圧シリンダが前記ストロークエンドに達した場合に、前記ポンプ装置の前記吐出量を前記第2操作に基づいて調節することが好ましい。この構成では、油圧シリンダ(第1アクチュエータ)がストロークエンドに達して作動できない状態になった場合、コントローラは、ポンプ装置の吐出量を第2操作に基づいて調節することで、当該ポンプ吐出量を、第2アクチュエータに供給されるべき作動油の量に調節する。これにより、第2アクチュエータの実際の動作速度と目標速度とのずれが大きくなることが抑制される。
提供される建設機械は、上述した油圧駆動装置と、前記第1アクチュエータにより動かされることが可能な第1可動部と、第2アクチュエータにより動かされることが可能な第2可動部と、を備える。この建設機械では、速度センサを取り付けることが困難な油圧アクチュエータが複合操作による制御対象に含まれる場合であっても、複合操作による制御対象の油圧アクチュエータの実際の動作速度を目標速度にそれぞれ追従させることができる。
本開示によれば、速度センサを取り付けることが困難な油圧アクチュエータが複合操作による制御対象に含まれる場合であっても、複合操作による制御対象の油圧アクチュエータの実際の動作速度を目標速度にそれぞれ追従させることが可能な油圧駆動装置及びこれを備えた建設機械が提供される。
本開示の実施形態に係る建設機械を示す側面図である。 本開示の実施形態に係る油圧駆動装置を示す図である。 前記油圧駆動装置の操作装置に与えられる操作の操作量と目標速度との関係の一例を示すマップである。 前記油圧駆動装置のコントローラによる演算処理の一例を示すフローチャートである。 前記コントローラによる演算処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施形態に係る油圧駆動装置及びこれを備えた建設機械について図面を参照して説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る建設機械100を示す側面図であり、図2は、本開示の実施形態に係る油圧駆動装置を示す図である。本実施形態に係る建設機械100は、油圧ショベルである。この建設機械100は、下部走行体1と、上下に延びるZ軸回りに下部走行体1に対して旋回可能なように下部走行体1に支持される上部旋回体2と、上部旋回体2に支持されるアタッチメント3と、を備える。
下部走行体1は、左右に間隔をおいて配置され、地盤G上において建設機械100を走行させるための左右一対の走行装置1L,1Rと、これらの走行装置1L,1Rを連結する下部フレームと、を備える。走行装置1L,1Rのそれぞれは、前後方向に延びるような形状を有するクローラ走行装置である。走行装置1L,1Rのそれぞれは、前後方向に延びる走行フレーム1Aと、走行フレーム1Aの前端部及び後端部に回転可能に支持されたホイール1B及びホイール1Cと、ホイール1Bとホイール1Cに輪状に架け渡されるエンドレスベルトであるクローラベルト1Dと、を含む。なお、図1において、右走行装置1Rは、左走行装置1Lの奥側に位置している。
上部旋回体2は、下部フレームに対して旋回可能なように下部フレームに支持される上部フレームと、上部フレームに支持されるキャビン及び機械室と、を備える。キャビンには、オペレータが座る運転席などが配置され、機械室には、エンジンなどの種々の機器が配置されている。上部旋回体2は可動部の一例である。
アタッチメント3は、ブーム4、アーム5及び先端アタッチメントを含む。ブーム4は、上部旋回体2に対してブーム4が水平軸回りに回動可能となるように上部旋回体2の上部フレームの前部に支持される基端部と、その反対側の先端部と、を有する。アーム5は、ブーム4に対してアーム5が水平軸回りに回動可能となるようにブーム4の先端部に取り付けられる基端部と、その反対側の先端部と、を有する。先端アタッチメントは、図1に示すバケット6であってもよく、フォーク、グラップル、ブレーカ、圧砕機(破砕機)などの他の先端アタッチメントであってもよい。バケット6は、アーム5に対してバケット6が水平軸回りに回動可能となるようにアーム5の先端部に取り付けられる基端部と、土砂を収容して保持可能な部分である収容部と、バケット6の先端部と、を有する。バケット6の先端部は、掘削用のツースにより構成される。ブーム4、アーム5及び先端アタッチメントのそれぞれは可動部の一例である。また、ブーム4は第1可動部の一例である。
図2に示す本実施形態に係る油圧駆動装置は、少なくとも一つの可変容量型の油圧ポンプ21を含むポンプ装置と、パイロットポンプ22と、複数の油圧アクチュエータと、複数の制御弁と、複数の操作装置と、複数の比例弁と、複数の検出器と、コントローラ70と、を備える。
油圧ポンプ21は、図略のエンジンなどの駆動源により駆動されることにより作動油を吐出するポンプ本体と、レギュレータと、を含む。前記ポンプ本体は、可変のポンプ容量(押しのけ容積)を有する。前記レギュレータは、コントローラ70からの容量指令信号の入力を受けることにより、ポンプ容量が当該容量指令信号に対応した容量になるように前記ポンプ本体を操作する。前記ポンプ装置は、油圧ポンプ21と、図略の油圧ポンプ(以下、第2油圧ポンプと称することがある。)と、を含んでいてもよい。
パイロットポンプ22は、前記エンジンなどの駆動源により駆動されることにより作動油を吐出する。パイロットポンプ22は、エンジンにより駆動されることで複数の制御弁のそれぞれにパイロット圧を供給する。
複数の油圧アクチュエータのそれぞれは、前記ポンプ装置から吐出される作動油の供給を受けることにより作動して当該油圧アクチュエータに対応する可動部を動かす。具体的には、図1及び図2に示すように、複数の油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7と、アームシリンダ8と、バケットシリンダ9と、旋回モータ11と、左右一対の走行モータ12と、を含む。
ブームシリンダ7は、前記ポンプ装置の油圧ポンプ21から吐出される作動油の供給を受けることにより伸縮動作をして当該伸縮動作の方向に対応する方向にブーム4を上部旋回体2に対して起伏動作させる。アームシリンダ8は、前記ポンプ装置から吐出される作動油の供給を受けることにより伸縮動作をして当該伸縮動作の方向に対応する方向にアーム5をブーム4に対して回動させる。バケットシリンダ9は、前記ポンプ装置から吐出される作動油の供給を受けることにより伸縮動作をして当該伸縮動作の方向に対応する方向にバケット6をアーム5に対して回動させる。旋回モータ11は、前記ポンプ装置から吐出される作動油の供給を受けることにより回転して当該回転の方向に対応する方向に上部旋回体2を下部走行体1に対して旋回させる。
左右の走行モータ12のそれぞれは、一対のポートを有する。一対のポートの何れか一方に作動油が供給され、一対のポートの他方から作動油が排出されることで、左右の走行モータ12のそれぞれが回転する。左右の走行モータ12の一方は、前記ポンプ装置の油圧ポンプ21から吐出される作動油の供給を受けることにより回転して当該回転の方向に対応する方向に走行装置のホイール1Cを回転させる。左右の走行モータ12の他方は、前記ポンプ装置(油圧ポンプ21又は前記第2油圧ポンプ)から吐出される作動油の供給を受けることにより回転して当該回転の方向に対応する方向に走行装置のホイール1Cを回転させる。図2では、左右の走行モータ12の他方の図示は省略されている。本実施形態では、ホイール1Cは第2可動部の一例である。また、図2に示す本実施形態では、ブームシリンダ7は、第1アクチュエータの一例であり、左右の走行モータ12の一方(例えば左走行モータ12)は、第2アクチュエータの一例である。
複数の制御弁のそれぞれは、当該制御弁に対応する油圧アクチュエータ(以下、対応油圧アクチュエータと称することがある。)と、前記ポンプ装置の油圧ポンプ21及び前記第2油圧ポンプの一方と、の間に介在し、前記対応油圧アクチュエータに供給される作動油の方向及び流量を制御する。具体的には、複数の制御弁は、ブーム制御弁41と、アーム制御弁と、バケット制御弁と、旋回制御弁と、左右の走行制御弁42と、を含む。図2では、複数の制御弁のうち、ブーム制御弁41と、左右の走行制御弁42の一方と、が図示され、前記アーム制御弁、前記バケット制御弁、前記旋回制御弁、及び左右の走行制御弁42の他方の図示が省略されている。本実施形態では、複数の制御弁は、共通のバルブユニットに組み込まれているが、互いに独立して構成されていてもよい。
図2に示す本実施形態では、ブーム制御弁41は、第1制御弁の一例であり、左右の走行制御弁42の一方(例えば左走行制御弁42)は、第2制御弁の一例である。ブーム制御弁41は、油圧ポンプ21とブームシリンダ7との間に介在し、ブームシリンダ7に供給される作動油の方向及び流量を制御する。図2に示す走行制御弁42は、油圧ポンプ21と走行モータ12との間に介在し、走行モータ12に供給される作動油の方向及び流量を制御する。ブーム制御弁41(第1制御弁)及び走行制御弁42(第2制御弁)は、油圧ポンプ21に対してパラレルに接続されている。
複数の制御弁のそれぞれは、例えばパイロット操作式の3位置方向切換弁により構成されていてもよい。この場合、複数の制御弁のそれぞれは、パイロット圧の入力を受けることが可能な一対のパイロットポートを有する。複数の制御弁のそれぞれの構成を、ブーム制御弁41及び走行制御弁42を例に挙げて具体的に説明すると以下の通りである。
ブーム制御弁41は、一対のパイロットポートの何れにもパイロット圧が入力されないときは中立位置に保たれて油圧ポンプ21とブームシリンダ7との間を遮断する、すなわち、油圧ポンプ21からブームシリンダ7への作動油の供給を遮断するように閉弁する。同様に、走行制御弁42は、一対のパイロットポートの何れにもパイロット圧が入力されないときは中立位置に保たれて油圧ポンプ21と走行モータ12との間を遮断する、すなわち、油圧ポンプ21から走行モータ12への作動油の供給を遮断するように閉弁する。
ブーム制御弁41及び走行制御弁42のそれぞれは、一対のパイロットポートのうちの一方のパイロットポートに作動油が供給されると前記中立位置から前記パイロット圧の大きさに対応したストロークで前記一方のパイロットポートに対応する方向にシフトされる。これにより、ブーム制御弁41は、油圧ポンプ21から吐出される作動油がブームシリンダ7のヘッド側室及びロッド側室の一方に供給されることを許容する油路と、ブームシリンダ7のヘッド側室及びロッド側室の他方から排出される作動油がタンクに戻るのを許容する油路と、を形成する。同様に、走行制御弁42は、油圧ポンプ21から吐出される作動油が走行モータ12の一方のポートに供給されることを許容する油路と、走行モータ12の他方のポートから排出される作動油がタンクに戻るのを許容する油路と、を形成する。
複数の操作装置のそれぞれは、当該操作装置に対応する油圧アクチュエータを動かすためのオペレータによる操作を受ける操作レバー又は操作ペダルと、当該操作の方向及び操作量に対応した操作信号をコントローラ70に入力する操作信号出力部と、を有する。複数の操作装置は、ブーム操作装置51と、アーム操作装置と、バケット操作装置と、旋回操作装置と、左右一対の走行操作装置52と、を含む。図2では、複数の操作装置のうち、ブーム操作装置51と、左右の走行操作装置52の一方と、が図示され、前記アーム操作装置、前記バケット操作装置、前記旋回操作装置、及び左右の走行操作装置52の他方の図示が省略されている。図2に示す本実施形態では、ブーム操作装置51は、第1操作装置の一例であり、左右の走行操作装置52の一方(例えば左走行操作装置52)は、第2操作装置の一例である。
一つの操作レバーが複数の操作レバーの機能を兼ねるようなレバー構造を有していてもよい。例えば、オペレータが着座する運転席の右側前方に配置された右側操作レバーは、前後方向に操作された場合にブーム操作装置51の操作レバーとして機能し、左右方向に操作された場合にバケット操作装置の操作レバーとして機能してもよい。また、運転席の左側前方に配置された左側操作レバーは、前後方向に操作された場合にアーム操作装置の操作レバーとして機能し、左右方向に操作された場合に旋回操作装置の操作レバーとして機能してもよい。レバー構造は、複数の操作レバーを兼ねる組み合わせをオペレータの指示によって任意に変更可能なように構成されていてもよい。左右の走行操作装置52のそれぞれは、操作ペダル及び操作レバーの両方を有していてもよい。複数の操作装置のそれぞれの構成を、ブーム操作装置51及び走行操作装置52を例に挙げて具体的に説明すると以下の通りである。
ブーム操作装置51の操作レバーは、ブーム上げ方向にブーム4を動かすためのオペレータによる操作であるブーム上げ操作と、ブーム下げ方向にブーム4を動かすためのオペレータによる操作であるブーム下げ操作と、を受けることが可能なように構成される。ブーム操作装置51は、その操作レバーにブーム上げ操作又はブーム下げ操作が与えられると、当該操作の大きさ及び当該操作の方向に対応するブーム操作信号をコントローラ70に入力する。ブーム上げ方向は、ブーム4の先端部が地盤から遠ざかる方向であり、ブーム下げ方向は、ブーム4の先端部が地盤に近づく方向である。
走行操作装置52の操作レバー又は操作ペダルは、走行装置のホイール1Cを一方の方向に回転させるためのオペレータによる走行操作と、走行装置のホイール1Cを他方の方向に回転させるためのオペレータによる走行操作と、を受けることが可能なように構成される。図2に示す本実施形態では、ブーム上げ操作は、第1操作の一例であり、左右の走行操作装置52の一方(例えば左走行操作装置52)に与えられる走行操作は、第2操作の一例である。
複数の比例弁は、一対のブーム電磁比例弁81と、一対のアーム電磁比例弁と、一対のバケット電磁比例弁と、一対の旋回電磁比例弁と、一対の左走行電磁比例弁82と、一対の右走行電磁比例弁と、を含む。複数の比例弁のそれぞれは、パイロットポンプ22が吐出するパイロット油(作動油)の圧力をコントローラ70から入力される制御指令に応じて減圧するとともに、減圧された圧力であるパイロット圧が当該比例弁に対応する制御弁のパイロットポートに供給されるように開閉作動する。これにより、複数の制御弁のそれぞれは、パイロット圧が供給されるパイロットポートに対応する方向に、前記パイロット圧の大きさに対応するストロークで開弁する。その結果、ポンプ装置からの作動油が、前記ストロークに対応する流量で当該制御弁に対応する油圧アクチュエータに供給される。
図2では、一対のブーム電磁比例弁81のうち、ブーム上げ操作に対応するブーム電磁比例弁81のみが図示され、ブーム下げ操作に対応するブーム電磁比例弁81の図示は省略されている。また、図2では、一対の左走行電磁比例弁82のうち、走行装置のホイール1Cを一方の方向に回転させるためのオペレータによる走行操作に対応する左走行電磁比例弁82のみが図示され、走行装置のホイール1Cを他方の方向に回転させるためのオペレータによる走行操作に対応する左走行電磁比例弁82の図示は省略されている。また、図2では、一対のアーム電磁比例弁、一対のバケット電磁比例弁、一対の旋回電磁比例弁、及び一対の右走行電磁比例弁の図示は省略されている。
複数の検出器は、第1圧力センサ61と、一対の第2圧力センサ62と、吐出圧センサ63と、第1速度センサ64と、を含む。複数の検出器のそれぞれは、検出結果に対応する信号である検出信号をコントローラ70に入力する。図2では、一対の第2圧力センサ62のうちの一方のみが図示され、他方の図示は省略されている。
第1圧力センサ61は、ブームシリンダ7のメータイン圧力である第1圧力を検出することが可能な圧力センサである。メータイン圧力は、ブーム制御弁41から出る作動油をブームシリンダ7に導くメータイン油路の圧力である。メータアウト圧力は、ブームシリンダ7から排出される作動油をブーム制御弁41に導くメータアウト油路の圧力である。本実施形態では、第1圧力センサ61は、ブームシリンダ7のヘッド側室に接続される油路の圧力を検出可能なように配置されている。ブームシリンダ7のヘッド側室に接続される油路の圧力は、ブーム操作装置51の操作レバーにブーム上げ操作が与えられたときのブームシリンダ7のメータイン圧力に対応する。
一対の第2圧力センサ62は、左右の走行モータ12の一方(例えば左走行モータ12)のメータイン圧力及びメータアウト圧力を検出することが可能な圧力センサである。メータイン圧力は、走行制御弁42から出る作動油を走行モータ12に導くメータイン油路の圧力である第2圧力である。メータアウト圧力は、走行モータ12から排出される作動油を走行制御弁42に導くメータアウト油路の圧力である。
吐出圧センサ63は、油圧ポンプ21のポンプ圧を検出することが可能な圧力センサである。吐出圧センサ63は、例えば、油圧ポンプ21から作動油が吐出される油路の圧力を検出するように構成されていてもよい。
第1速度センサ64は、ブームシリンダ7の実際の動作速度である第1動作速度を検出することが可能な速度センサである。第1速度センサ64は、第1検出器の一例である。ただし、第1動作速度は、ブームシリンダ7の実際の動作速度に関する他の物理量で代替されることが可能である。前記他の物理量は、例えば、ブームシリンダ7に実際に流入する作動油の流量である流入量であってもよく、ブームシリンダ7から実際に流出する作動油の流量である流出量であってもよく、ブーム4の実際の動作速度であってもよい。前記流入量、前記流出量及び前記ブーム4の動作速度のそれぞれは、ブームシリンダ7の実際の動作速度との相関性が高いので、ブームシリンダ7の実際の動作速度を代替する物理量として用いられることが可能である。
コントローラ70は、例えば、MPUなどの演算処理装置と、メモリと、を含むコンピュータを備える。コントローラ70は、操作判定部と、圧力判定部と、目標値決定部と、ポンプ容量制御部と、弁制御部と、を含む。操作判定部、圧力判定部、目標値決定部、ポンプ容量制御部及び弁制御部のそれぞれは、前記演算処理装置がプログラムを実行することにより実現される。
操作判定部は、複数の操作装置のそれぞれからコントローラ70に入力される操作信号に基づいて、複合操作が行われているか否かを判定する。本実施形態では、複合操作は、ブーム上げ操作と走行操作の両方を含むものである。従って、操作判定部は、ブーム操作装置51からコントローラ70に入力される操作信号であるブーム操作信号と、走行操作装置52からコントローラ70に入力される操作信号である走行操作信号と、に基づいて、ブーム上げ操作と走行操作とが同時に行われているか否かを判定する。
圧力判定部は、第1圧力センサ61からコントローラ70に入力される第1圧力と、第2圧力センサ62からコントローラ70に入力される第2圧力と、に基づいて、最大圧力を判定する。本実施形態では、最大圧力は、第1圧力と第2圧力のうちの大きい方の圧力である。
目標値決定部は、ブームシリンダ7の動作速度の目標である第1目標速度と、走行モータ12の動作速度の目標である第2目標速度と、を決定する。目標値決定部は、ブーム操作装置51からコントローラ70に入力される前記ブーム操作信号に基づいて第1目標速度を決定し、走行操作装置52からコントローラ70に入力される前記走行操作信号に基づいて第2目標速度を決定する。具体的に、本実施形態では、目標値決定部は、ブーム上げ操作の操作量に応じて第1目標速度を決定する。また、目標値決定部は、走行操作、具体的には例えば左走行操作装置52に与えられる走行操作の操作量に応じて第2目標速度を決定する。
図3は、本実施形態に係る油圧駆動装置の操作装置に与えられる操作の操作量と目標速度(目標値)との関係の一例を示すマップである。コントローラ70のメモリは、第1目標速度を決定するための図3のようなマップと、第2目標速度を決定するための図3のようなマップと、を予め個別に記憶している。目標決定部は、前記ブーム操作信号に含まれるブーム上げ操作の操作量に関する情報と、前記マップと、に基づいて、第1目標速度を決定する。また、目標値決定部は、前記走行操作信号に含まれる走行操作の操作量に関する情報と、前記マップと、に基づいて、第2目標速度を決定する。
本実施形態では、第1目標速度は、ブームシリンダ7の目標速度(ブームシリンダ目標速度)である。ただし、第1目標速度は、ブームシリンダ7の目標速度に関する他の物理量で代替されることが可能である。前記他の物理量は、例えば、ブームシリンダ7に流入する作動油の流量の目標である目標流量(目標流入量)であってもよく、ブームシリンダ7から流出する作動油の流量の目標である目標流量(目標流出量)であってもよく、ブーム4の動作速度の目標である目標速度(ブーム目標速度)であってもよい。前記目標流入量、前記目標流出量及び前記ブーム目標速度のそれぞれは、ブームシリンダ目標速度との相関性が高いので、ブームシリンダ目標速度を代替する物理量として用いられることが可能である。
また、本実施形態では、第2目標速度は、走行モータ12の目標速度(走行モータ目標速度)である。ただし、第2目標速度は、走行モータ12の目標速度に関する他の物理量で代替されることが可能である。前記他の物理量は、例えば、走行モータ12に流入する作動油の流量の目標である目標流量(目標流入量)であってもよく、走行モータ12から流出する作動油の流量の目標である目標流量(目標流出量)であってもよく、ホイール1B及びホイール1Cの何れか一方の動作速度の目標である目標速度(ホイール目標速度)であってもよい。前記目標流入量、前記目標流出量及び前記ホイール目標速度のそれぞれは、走行モータ目標速度との相関性が高いので、走行モータ目標速度を代替する物理量として用いられることが可能である。
ポンプ容量制御部は、油圧ポンプ21のレギュレータに容量指令信号を入力する。これにより、油圧ポンプ21のポンプ容量は、前記容量指令信号に対応した容量に調節される。本実施形態では、ポンプ容量制御部は、前記複合操作時で、かつ、第1圧力が第2圧力よりも大きい場合に、油圧ポンプ21の吐出量が第1目標速度と第2目標速度の合計値に対応する値に調節されるような容量指令信号、すなわち、油圧ポンプ21の吐出量がブームシリンダ7を第1目標速度で動作させるために必要な作動油の流量と走行モータ12を第2目標速度で動作させるために必要な作動油の流量との合計値に調節されるような容量指令信号を油圧ポンプ21のレギュレータに入力する。
弁制御部は、複数の制御弁のそれぞれの開度を調節するための制御指令を当該制御弁に対応する比例弁に入力する。具体的には、例えば、弁制御部は、第1圧力と油圧ポンプ21の吐出圧(ポンプ圧)との偏差である圧力偏差をゼロに近づけるとともに第1目標速度と第1動作速度との偏差である第1偏差をゼロに近づけるように走行制御弁42の開度を絞るための制御指令を走行電磁比例弁82(例えば左走行電磁比例弁82)に入力する。
次に、コントローラ70が行う演算制御動作を、図4及び図5のフローチャートを参照しながら説明する。
オペレータがエンジンを始動させるための操作を行うと、コントローラ70は、当該エンジンを始動させる(ステップS1)。エンジン始動後のアイドリング状態では、複数の制御弁は、中立位置に保たれて閉弁している(ステップS2)。
コントローラ70の操作判定部は、複数の操作装置の少なくとも一つにオペレータによる操作が与えられたか否かを判定する(ステップS3)。オペレータによる操作が与えられていない場合には(ステップS3においてNO)、アイドリング状態が維持される(ステップS2)。オペレータによる操作が与えられた場合には(ステップS3においてYES)、操作判定部は、予め定められた特定の複合操作が行われているか否か、具体的には、ブーム上げ操作と走行操作とが同時に行われているか否かを判定する(ステップS4)。操作判定部は、ブーム操作装置51からコントローラ70に入力される操作信号であるブーム操作信号と、走行操作装置52からコントローラ70に入力される操作信号である走行操作信号と、に基づいて、ブーム上げ操作と走行操作とが同時に行われているか否かを判定する。前記特定の複合操作が行われていない場合(ステップS4においてNO)、コントローラ70は、図5に示すフローチャートの処理を実行する。図5については後述する。
一方、前記特定の複合操作が行われている場合(ステップS4においてYES)、コントローラ70の目標値決定部は、第1目標速度及び第2目標速度を決定する(ステップS5)。具体的には、目標値決定部は、ブーム操作装置51に与えられるブーム上げ操作の操作量に応じて第1目標速度、すなわちブームシリンダ7の目標速度を算出し、走行操作装置52に与えられる走行操作の操作量に応じて第2目標速度、すなわち走行モータ12の目標速度を算出する。なお、第1目標速度及び第2目標速度のそれぞれは、上述した目標流量で代替されてもよい。
コントローラ70は、第1速度センサ64により検出されたブームシリンダ7の実際の動作速度である実速度(第1実速度)に関する検出信号の入力を受ける(ステップS6)。なお、第1実速度に関する検出信号は、ブームシリンダ7に実際に流入する作動油の流量(実流量)で代替されてもよい。
コントローラ70のポンプ容量制御部は、第1目標速度と第1実速度との偏差である第1偏差をゼロに近づけるように油圧ポンプ21のポンプ容量を調節するためのフィードバック制御値を演算する(ステップS7)。具体的には、例えば、ポンプ容量制御部は、下記の式(1)と、前記第1偏差と、を用いて第1容量指令値(第1容量指令信号)を演算する。下記式(1)において、「u」は、第1容量指令値であり、「Kp」、「Ki」、「Kd」は、PIDゲイン(比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲイン)であり、「e」は、第1偏差である。
Figure 2023117113000002
コントローラ70の弁制御部は、第1目標速度と第1実速度との偏差である第1偏差をゼロに近づけるようにブーム制御弁41の開度を調節するためのフィードバック制御値を演算する(ステップS8)。具体的には、例えば、弁制御部は、上記の式(1)と、前記第1偏差と、を用いて第1開度指令値(第1開度指令信号)を演算する。そして、弁制御部は、当該第1開度指令値をブーム電磁比例弁81に入力する。上記式(1)において、「u」は、第1開度指令値であり、PIDゲインは、ポンプ容量のフィードバック制御のためのPIDゲインとは異なる値であり、ブーム制御弁41の開度に関するフィードバック制御のために調整された値である。
コントローラ70のポンプ容量制御部は、走行操作装置52に与えられる走行操作の操作量に応じて油圧ポンプ21のポンプ容量を増減させる(ステップS9)。具体的には、例えば、ポンプ容量制御部は、コントローラ70のメモリに予め記憶されたマップに基づいて、ポンプ容量のうちの走行操作の操作量に対応する容量(第2容量指令値)を決定する。当該マップは、例えば走行操作の操作量と、走行操作の操作量に対応する容量と、の関係を表すものである。ポンプ容量制御部は、第1容量指令値と、第2容量指令値と、を合計した合計容量指令値を演算し、当該合計容量指令値を油圧ポンプ21のレギュレータに入力する。これにより、油圧ポンプ21の吐出量が前記第1目標速度と前記第2目標速度の合計値に対応する値、すなわちブームシリンダ7及び走行モータ12に供給されるべき作動油の総量に調節される。
コントローラ70は、第1圧力センサ61により検出された第1圧力及び第2圧力センサ62により検出された第2圧力に関する検出信号の入力を受ける(ステップS10)。
コントローラ70の圧力判定部は、第1圧力センサ61からコントローラ70に入力される第1圧力と、第2圧力センサ62からコントローラ70に入力される第2圧力と、に基づいて、最大圧力(最大メータイン圧力値)を判定する(ステップS11)。本実施形態では、最大圧力は、第1圧力と第2圧力のうちの大きい方の圧力である。
第1圧力が最大圧力である場合(ステップS11:第1圧力>第2圧力)、コントローラ70は、吐出圧センサ63により検出された油圧ポンプ21のポンプ圧(吐出圧)に関する検出信号の入力を受ける(ステップS12)。
コントローラ70の弁制御部は、第1圧力と油圧ポンプ21のポンプ圧との偏差である圧力偏差をゼロに近づけるとともに第1目標速度と第1実速度との偏差である第1偏差をゼロに近づけるように走行制御弁42の開度を絞る(ステップS13~S16)。具体的には次の通りである。
弁制御部は、前記圧力偏差をゼロに近づけるように走行制御弁42の開度を調節するための圧力に関するフィードバック制御値である圧力フィードバック制御値を演算する(ステップS13)。具体的には、例えば、弁制御部は、上記の式(1)と、前記圧力偏差と、を用いて圧力フィードバック制御値を演算する。上記式(1)において、「u」は、圧力フィードバック制御値であり、PIDゲインは、上述したPIDゲインとは異なる値であり、圧力に関するフィードバック制御のために調整された値である。
次に、弁制御部は、前記第1偏差をゼロに近づけるように走行制御弁42の開度を調節するための速度に関するフィードバック制御値である速度フィードバック制御値を演算する(ステップS14)。具体的には、例えば、弁制御部は、上記の式(1)と、前記第1偏差と、を用いて速度フィードバック制御値を演算する。上記式(1)において、「u」は、速度フィードバック制御値であり、PIDゲインは、上述したPIDゲインとは異なる値であり、速度に関するフィードバック制御のために調整された値である。
次に、弁制御部は、圧力フィードバック制御値と速度フィードバック制御値とを合計した合計値である第2開度指令値を演算する(ステップS15)。そして、弁制御部は、演算された第2開度指令値を出力する(ステップS16)。すなわち、弁制御部は、当該第1開度指令値を走行電磁比例弁82に入力する。コントローラ70は、上述したステップS3以降の処理を繰り返し実行する(ステップS17)。
コントローラ70がステップS13~S16の処理を行って走行制御弁42の開度が絞られることで、走行制御弁42における圧力損失を大きくして油圧ポンプ21の吐出圧を第2圧力から第1圧力まで上昇させ、これにより、作動圧の高いブームシリンダ7に供給される作動油が少なくなる圧力干渉の発生を抑制しつつ、第1実速度を第1目標速度に調節する。第1実速度が第1目標速度に調節された状態では、ブームシリンダ7にはブーム上げ操作の操作量に応じて決まる流量の作動油が供給され、残りの作動油は、走行モータ12に供給される。このとき、油圧ポンプ21の吐出量は前記合計値に対応する値に調節されているので、走行モータ12に供給される前記残りの作動油の流量は、必然的に、走行操作の操作量に応じて決まる流量になる。これにより、油圧ポンプ21の吐出量をブームシリンダ7と走行モータ12に適正に分配することができる。従って、本実施形態に係る油圧駆動装置は、走行モータ12又はその近傍に当該走行モータ12の実際の動作速度を検出するための速度センサを取り付けることが困難である場合でも、複合操作による制御対象であるブームシリンダ7及び走行モータ12の実際の動作速度をブーム上げ操作の操作量に応じた目標速度(第1目標速度)及び走行操作の操作量に応じた目標速度(第2目標速度)にそれぞれ追従させることができる。
速度センサを取り付けることが困難な理由は次の通りである。例えば、走行モータ12は地面に近い位置に設置されるので、この走行モータ12又はその近傍に当該走行モータ12の動作速度を検出するための速度センサを設置する場合、当該速度センサの防水を確保することが難しい。
また、この実施形態では、外力の影響によるアクチュエータに対する負荷の変動にも対応できる。前記外力としては、例えば、先端アタッチメントがバケット6から別の先端アタッチメントに交換された場合にブームシリンダ7に作用する圧力の増減量を挙げることができる。また、前記外力としては、例えば走行時に先端アタッチメントが地面などに接したときにブームシリンダ7に作用する圧力の増減量を挙げることができる。このような外力によるアクチュエータに対する負荷の変動が生じた場合であっても、本実施形態に係る油圧駆動装置は、複合操作による制御対象である第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの実際の動作速度を第1操作に応じた目標速度及び第2操作に応じた目標速度にそれぞれ追従させることができる。
一方で、第2圧力が最大圧力である場合(ステップS11:第2圧力>第1圧力)には、油圧ポンプ21のポンプ圧(吐出圧)の検出(ステップS12)および走行制御弁42の開度を調節するためのフィードバック制御値の演算(ステップS13)は行われない。その理由は、走行制御弁42における圧力損失を大きくして油圧ポンプ21の吐出圧を上昇させなくとも、ブームシリンダ7に作動油を供給できるからである。また、フィードバック制御値の演算(ステップS13)が行われないことに伴って、コントローラ70はステップS14~S16の制御も行わない。
この場合、ブームシリンダ7に供給されるべき作動油の量は、ステップS8において、第1開度指令値がブーム電磁比例弁81に入力される段階でコントローラ70によって調節(管理)される。さらに、走行モータ12に供給されるべき作動油の量は、ステップS9において、油圧ポンプ21の吐出量が前記第1目標速度と前記第2目標速度の合計値に対応する値、すなわちブームシリンダ7及び走行モータ12に供給されるべき作動油の総量に調節されることで、コントローラ70によって調節(管理)される。したがって、第2圧力が最大圧力である場合においても、複合操作による制御対象である第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの実際の動作速度を第1操作に応じた目標速度及び第2操作に応じた目標速度にそれぞれ追従させることができる。
次に、図5に示すフローチャートについて説明する。ステップS4において、操作判定部が前記特定の複合操作が行われていないと判定すると(ステップS4においてNO)、コントローラ70は、図5に示すフローチャートの処理を実行する。
コントローラ70の操作判定部は、ブーム上げ操作が行われているか否かを判定する(ステップS21)。コントローラ70は、ブーム上げ操作が行われている場合(ステップS21においてYES)、ステップS22~S27の処理を実行し、ブーム上げ操作が行われていない場合(ステップS21においてNO)、ステップS31~S38の処理を実行する。
ブーム上げ操作が行われている場合(ステップS21においてYES)、コントローラ70の目標値決定部は、第1目標速度を決定する(ステップS22)。具体的には、目標値決定部は、ブーム操作装置51に与えられるブーム上げ操作の操作量に応じて第1目標速度、すなわちブームシリンダ7の目標速度を算出する。なお、第1目標速度は、上述した目標流量で代替されてもよい。
コントローラ70は、第1速度センサ64により検出されたブームシリンダ7の実際の動作速度である実速度(第1実速度)に関する検出信号の入力を受ける(ステップS23)。なお、第1実速度に関する検出信号は、ブームシリンダ7に実際に流入する作動油の流量(実流量)で代替されてもよい。
コントローラ70のポンプ容量制御部は、第1目標速度と第1実速度との偏差である第1偏差をゼロに近づけるように油圧ポンプ21のポンプ容量を調節するためのフィードバック制御値を演算する(ステップS24)。このステップS24の処理は、上述したステップS7の処理と同様である。
コントローラ70の弁制御部は、第1目標速度と第1実速度との偏差である第1偏差をゼロに近づけるようにブーム制御弁41の開度を調節するためのフィードバック制御値を演算する(ステップS25)。具体的には、例えば、弁制御部は、上述したステップS8の処理と同様に第1開度指令値(第1開度指令信号)を演算する。そして、弁制御部は、当該第1開度指令値をブーム電磁比例弁81に入力する(ステップS26)。コントローラ70は、上述したステップS3以降の処理を繰り返し実行する(ステップS27)。
一方、ブーム上げ操作が行われておらず走行操作が行われている場合(ステップS21においてNO)、コントローラ70の目標値決定部は、第2目標速度を決定する(ステップS31)。具体的には、目標値決定部は、走行操作装置52に与えられる走行操作の操作量に応じて第2目標速度、すなわち走行モータ12の目標速度を算出する。なお、第2目標速度は、上述した目標流量で代替されてもよい。
コントローラ70のポンプ容量制御部は、走行操作装置52に与えられる走行操作の操作量に応じて油圧ポンプ21のポンプ容量を増減させる(ステップS32)。具体的には、例えば、ポンプ容量制御部は、上述したステップS9の処理と同様に、コントローラ70のメモリに予め記憶されたマップに基づいて、走行操作の操作量に対応するポンプ容量(第2容量指令値)を決定する。ポンプ容量制御部は、第2容量指令値を油圧ポンプ21のレギュレータに入力する。これにより、油圧ポンプ21の吐出量が前記第2目標速度に対応する値、すなわち走行モータ12に供給されるべき作動油の流量に調節される。
コントローラ70は、第2圧力センサ62により検出された第2圧力に関する検出信号の入力を受ける(ステップS33)。
コントローラ70の圧力判定部は、第2圧力センサ62からコントローラ70に入力される第2圧力に基づいて、最大圧力(最大メータイン圧力値)を判定する(ステップS34)。この場合、最大圧力は、第2圧力である。
コントローラ70は、吐出圧センサ63により検出された油圧ポンプ21のポンプ圧(吐出圧)に関する検出信号の入力を受ける(ステップS35)。
コントローラ70の弁制御部は、第2圧力と油圧ポンプ21のポンプ圧との偏差である第2圧力偏差をゼロに近づけるように走行制御弁42の開度を調節する(ステップS36,S37)。具体的には次の通りである。
弁制御部は、前記第2圧力偏差をゼロに近づけるように走行制御弁42の開度を調節するためのフィードバック制御値である第2圧力フィードバック制御値を演算する(ステップS36)。具体的には、例えば、弁制御部は、上記の式(1)と、前記第2圧力偏差と、を用いて第2圧力フィードバック制御値を演算する。上記式(1)において、「u」は、第2圧力フィードバック制御値であり、PIDゲインは、上述したPIDゲインとは異なる値であり、このフィードバック制御のために調整された値である。
次に、弁制御部は、第2圧力フィードバック制御値を第2開度指令値として出力する(ステップS37)。すなわち、弁制御部は、当該第2開度指令値を走行電磁比例弁82に入力する。コントローラ70は、上述したステップS3以降の処理を繰り返し実行する(ステップS38)。
なお、本実施形態に係る油圧駆動装置は、図略のアンロード弁をさらに備えていてもよい。このアンロード弁は、図2において油圧ポンプ21から吐出される作動油が制御弁41,42及びアクチュエータ7,12をバイパスしてタンクに直接戻ることを許容するアンロードラインに設けられたバルブである。このアンロード弁は、開弁することによりその開度に対応した流量で前記作動油が前記アンロードラインを流れることを可能にする。図4のフローチャートのステップS4の処理において、前記特定の複合操作が行われている場合(ステップS4においてYES)、コントローラ70は、前記アンロード弁を閉じる制御(アンロード弁閉制御)を行うことが好ましい。
[変形例]
以上、本開示の実施形態に係る油圧駆動装置について説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例を含む。
(A)変形例1
前記油圧駆動装置は、建設機械100の実際の走行速度を検出することが可能な走行速度検出器65(図1参照)をさらに備えていてもよい。この変形例1では、前記実施形態と同様に、第2アクチュエータは、建設機械100の走行に用いられる走行モータ12である。コントローラ70は、前記複合操作時において、走行速度検出器65が検出する検出結果に基づいて走行モータ12の実際の動作速度である第2実速度を演算する。そして、コントローラ70のポンプ容量制御部は、前記第2目標速度と前記第2実速度との偏差である第2偏差をゼロに近づけるように油圧ポンプ21の容量を制御する。
この変形例1では、例えば、コントローラ70による容量指令に対応する理想的なポンプ吐出量と実際のポンプ吐出量との間に誤差が生じている場合であっても、コントローラ70は、走行速度検出器65が検出する検出結果(すなわち建設機械の実際の走行速度)に基づいて走行モータ12の実際の動作速度である第2動作速度(第2実速度)を演算し、第2目標速度と第2実速度との第2偏差をゼロに近づけるように油圧ポンプ21の容量を制御して前記誤差を小さくすることができる。これにより、複合操作による制御対象である第1アクチュエータ(例えばブームシリンダ7)及び第2アクチュエータ(走行モータ12)の実際の動作速度を目標速度により正確に追従させることができる。
走行速度検出器65は、建設機械100の実際の走行速度を検出することが可能なものであればよく、具体的な構造は特に限定されない。走行速度検出器65は、例えば、建設機械100の位置を測定するための測位システムを用いて建設機械100の実際の走行速度を検出することが可能なセンサであってもよい。測位システムとしては、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)などの衛生測位システムを挙げることができるが、測位システムは、衛生測位システム以外のものであってもよい。走行速度検出器65は、前記測位システムからの信号を受信することが可能なセンサにより構成される。また、走行速度検出器65は、加速度センサにより構成されていてもよく、この場合、コントローラ70は、加速度センサから入力される検出結果(加速度)を時間で積分することにより建設機械100の走行速度を演算することができる。
(B)変形例2
前記油圧駆動装置は、第1アクチュエータとしての油圧シリンダがストロークエンドに達したか否かを検出可能なストロークエンド検出器66(図2参照)をさらに備えていてもよい。この変形例2では、コントローラ70は、複合操作時において、油圧シリンダ(例えばブームシリンダ7)がストロークエンドに達した場合に、油圧ポンプ21の吐出量を第2目標速度に対応する値に調節する。この変形例2では、複合操作時において、油圧シリンダがストロークエンドに達して作動できない状態になった場合、油圧ポンプ21の吐出量が第2目標速度に対応する値に調節されるので、第2アクチュエータ(例えば走行モータ12)の実際の動作速度と目標速度とのずれが大きくなることが抑制される。
また、この変形例2では、コントローラ70は、複合操作時において、油圧シリンダがストロークエンドに達した場合に、前記アンロード弁閉制御をオフにすることが好ましい。言い換えると、コントローラ70は、複合操作時において、油圧シリンダがストロークエンドに達した場合に、前記アンロード弁が閉じた状態からアンロード弁を開く制御を行うことが好ましい。
(C)建設機械について
本開示に係る建設機械は、必ずしも油圧ショベルに限られず、クレーン、ブルドーザーなどの建設機械であってもよい。
(D)制御弁について
本開示に係る制御弁は、操作装置に与えられる操作に応じて開弁動作をすることが可能なものであればよく、3位置のパイロット切換弁、に限定されない。本開示に係る制御弁は、例えば、2位置切換弁であってもよく、また、電磁切換弁であってもよい。
(E)操作装置について
前記実施形態では、操作装置が電気式の操作装置により構成される場合の回路構成を示している。また、操作装置のそれぞれは、リモコン弁を備えた操作装置(図示省略)により構成されていてもよい。この場合、リモコン弁の2次圧(パイロット圧)を検出する圧力センサからパイロット圧に関する操作信号がコントローラ70に入力される。
(F)第1アクチュエータ及び第2アクチュエータについて
前記実施形態では、第1アクチュエータがブームシリンダであり、第2アクチュエータが走行モータであるが、第1アクチュエータと第2アクチュエータの組み合わせは、前記実施形態に限られず、第1アクチュエータは、ブームシリンダ以外の油圧アクチュエータであってもよく、第2アクチュエータは、走行モータ以外の油圧アクチュエータであってもよい。具体的には、第2アクチュエータは、バケット6以外の先端アタッチメント、具体的には例えばフォーク、グラップル、圧砕機(破砕機)などのオプション先端アタッチメントを動かすためのものであってもよい。これらのオプション先端アタッチメントを動かすためのアクチュエータ又はその近傍には、速度センサを取り付けることが困難である。具体的には次の通りである。アーム5の先端に取り付けられる先端アタッチメントがバケット6である場合、このバケット6はアーム5に対して比較的狭い角度範囲内で回動する動作を行うだけであるので、バケットシリンダ9の動作速度を検出するための速度センサをバケット6又はその近傍に設置することは可能である。しかし、先端アタッチメントが例えばフォークのようにアーム5の長手方向に沿った回転軸の回りに回転可能なものである場合、速度センサのためのケーブルを、相対的に回転動作する部材に配線することが難しい。
(G)3つ以上の操作を含む複合操作について
前記実施形態では、コントローラは、第1操作及び第2操作が同時に行われる複合操作時において、第1アクチュエータのメータイン圧力が第2アクチュエータのメータイン圧力よりも大きい場合に、ポンプ装置の吐出量を第1操作及び第2操作に基づいて調節し、ポンプ装置の吐出圧を第1アクチュエータのメータイン圧力に近づけ且つ第1実速度を第1目標速度に近づけるように第2制御弁の開度を絞るが、複合操作は、第1操作及び第2操作を含む3つ以上の操作が同時に行われるものであってもよい。
以下では、複合操作による制御対象が3つの油圧アクチュエータである変形例について具体的に説明する。すなわち、この変形例は、複合操作としてオペレータにより3つの操作が同時に与えられるケースである。前記3つの油圧アクチュエータのそれぞれは、前記ポンプ装置から吐出される作動油の供給を受けることにより作動して当該アクチュエータに対応する可動部を動かす。前記ポンプ装置は、少なくとも油圧ポンプ21を含み、油圧ポンプ21と前記第2油圧ポンプとを含んでいてもよい。
前記3つの油圧アクチュエータは、速度センサを取り付けることが可能な2つの油圧アクチュエータと、速度センサを取り付けることが困難な1つの油圧アクチュエータと、を含む。以下では、速度センサを取り付けることが可能な油圧アクチュエータのことを取付可能アクチュエータと称し、速度センサを取り付けることが困難な油圧アクチュエータのことを取付不可アクチュエータと称する。2つの取付可能アクチュエータの一方は、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9又は旋回モータ11であってもよい。2つの取付可能アクチュエータの他方は、2つの取付可能アクチュエータの一方とは異なるアクチュエータであり、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9又は旋回モータ11であってもよい。取付不可アクチュエータは、例えば、走行モータ12であってもよく、バケット6以外の先端アタッチメント(例えばフォーク、グラップル、圧砕機などのオプション先端アタッチメント)を動かすための油圧アクチュエータであってもよい。
この変形例に係る油圧駆動装置は、3つの圧力センサと、2つの速度センサと、を備える。3つの圧力センサは、2つの取付可能アクチュエータのメータイン圧力を検出する2つの圧力センサと、取付不可アクチュエータのメータイン圧力を検出する圧力センサと、を含む。2つの速度センサは、2つの取付可能アクチュエータの一方の実際の動作速度を検出することが可能なセンサと、2つの取付可能アクチュエータの他方の実際の動作速度を検出することが可能なセンサと、を含む。
この変形例では、コントローラ70の圧力判定部は、前記3つの圧力センサから入力される検出結果に基づいて、前記実施形態と同様に最大圧力の判定を行う。この変形例では、最大圧力は、3つの圧力センサにより検出される3つの圧力のうち最も大きい圧力である。
まず、2つの取付可能アクチュエータの何れかのメータイン圧力が最大である第1のケースについて説明する。この第1のケースにおいて、メータイン圧力が最大である取付可能アクチュエータのことを最大圧アクチュエータと称し、2つの取付可能アクチュエータのうちメータイン圧力が低い方のアクチュエータのことを低圧アクチュエータ(第3アクチュエータ)と称する。この第1のケースでは、最大圧アクチュエータは、前記実施形態における第1アクチュエータ(例えば、図2のブームシリンダ7)に相当するアクチュエータであり、取付不可アクチュエータは、前記実施形態における第2アクチュエータ(例えば、図2の走行モータ12)に相当するアクチュエータである。
コントローラ70のポンプ容量制御部は、3つの操作が同時に行われる複合操作時に、ポンプ装置の吐出量を3つの操作に基づいて調節する。すなわち、ポンプ容量制御部は、ポンプ装置の吐出量を、最大圧アクチュエータ(第1アクチュエータ)、取付不可アクチュエータ(第2アクチュエータ)及び低圧アクチュエータ(第3アクチュエータ)に供給されるべき作動油の総量に調節する。
また、コントローラ70の弁制御部は、例えば図4のステップS8の処理と同様に、最大圧アクチュエータ(第1アクチュエータ)の第1目標速度と実際の動作速度である第1実速度との第1偏差をゼロに近づけるように最大圧アクチュエータに対応する制御弁の開度を調節するためのフィードバック制御値を演算し、そのフィードバック制御値を最大圧アクチュエータに対応する電磁比例弁に入力する。最大圧アクチュエータの第1実速度が第1目標速度に調節された状態では、最大圧アクチュエータにはその操作装置に与えられる第1操作に応じて決まる流量の作動油が供給され、残りの作動油の流量は、取付不可アクチュエータ(第2アクチュエータ)に供給される作動油の流量と、低圧アクチュエータ(第3アクチュエータ)に供給される作動油の流量と、を足した値になる。
また、コントローラ70の弁制御部は、低圧アクチュエータ(第3アクチュエータ)の目標速度である第3目標速度と実際の動作速度である第3実速度との第3偏差をゼロに近づけるように低圧アクチュエータに対応する制御弁の開度を調節するためのフィードバック制御値を演算し、そのフィードバック制御値を低圧アクチュエータに対応する電磁比例弁に入力する。低圧アクチュエータの第3実速度が第3目標速度に調節された状態では、低圧アクチュエータにはその操作装置に与えられる操作に応じて決まる流量の作動油が供給され、残りの作動油は、取付不可アクチュエータ(第2アクチュエータ)に供給される。これにより、取付不可アクチュエータには、その操作装置に与えられる操作に応じて決まる流量の作動油が供給される。
次に、取付不可アクチュエータ(第2アクチュエータ)のメータイン圧力が最大である第2のケースについて説明する。この第2のケースにおいても、コントローラ70のポンプ容量制御部は、3つの操作が同時に行われる複合操作時に、ポンプ装置の吐出量を3つの操作に基づいて調節する。すなわち、ポンプ容量制御部は、ポンプ装置の吐出量を、2つの取付可能アクチュエータ及び1つの取付不可アクチュエータに供給されるべき作動油の総量に調節する。
この第2のケースでは、コントローラ70の弁制御部は、2つの取付可能アクチュエータのうちメータイン圧力の低い方のアクチュエータ(低圧アクチュエータ)についてその動作速度(実速度)が目標速度になるように、例えば図4のステップS8の処理と同様のフィードバック制御を行う。これにより、低圧アクチュエータの実速度が目標速度に調節される。次いで、弁制御部は、2つの取付可能アクチュエータのうちメータイン圧力の高い方のアクチュエータ(高圧アクチュエータ)についてその動作速度(実速度)が目標速度になるように、例えば図4のステップS8の処理と同様のフィードバック制御を行う。2つの取付可能アクチュエータの動作速度(実速度)が目標速度にそれぞれ調節された状態では、2つの取付可能アクチュエータのそれぞれには、操作に応じて決まる流量の作動油が供給され、残りの作動油は、取付不可アクチュエータ(第2アクチュエータ)に供給される。これにより、取付不可アクチュエータには、その操作装置に与えられる操作に応じて決まる流量の作動油が供給される。
7 :ブームシリンダ
12 :走行モータ
21 :油圧ポンプ
41 :ブーム制御弁
42 :走行制御弁
51 :ブーム操作装置
52 :走行操作装置
61 :第1圧力センサ
62 :第2圧力センサ
63 :吐出圧センサ
64 :第1速度センサ
65 :走行速度検出器
66 :ストロークエンド検出器
70 :コントローラ
100 :建設機械

Claims (6)

  1. 作動油を吐出するポンプ装置と、
    第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、
    前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに供給される前記作動油の流量をそれぞれ制御する第1制御弁及び第2制御弁と、
    前記第1アクチュエータの目標速度である第1目標速度を決める第1操作が与えられる第1操作装置と、
    第2操作が与えられる第2操作装置と、
    前記第1アクチュエータの動作速度である第1動作速度を検出する第1検出器と、
    前記第1操作と前記第2操作の複合操作時に、前記ポンプ装置の吐出量を前記第1操作及び前記第2操作に基づいて調節し、前記ポンプ装置の吐出圧を前記第1アクチュエータのメータイン圧力に近づけ且つ前記第1動作速度を前記第1目標速度に近づけるように前記第2制御弁の開度を絞る制御指令を与えるコントローラと、を備える、建設機械の油圧駆動装置。
  2. 前記コントローラは、前記複合操作時において、前記第1アクチュエータの前記メータイン圧力が前記第2アクチュエータのメータイン圧力よりも大きい場合に、前記制御指令を与える、請求項1に記載の建設機械の油圧駆動装置。
  3. 前記建設機械の走行速度を検出する走行速度検出器をさらに備え、
    前記ポンプ装置は可変容量型の油圧ポンプを含み、
    前記第2アクチュエータは走行モータであり、
    前記コントローラは、前記複合操作時において、前記走行速度の検出結果に基づいて前記第2アクチュエータの動作速度である第2動作速度を演算し、前記第2動作速度を前記第2操作に応じて決まる第2目標速度に近づけるように前記油圧ポンプの容量を制御する、請求項1又は2に記載の建設機械の油圧駆動装置。
  4. 前記コントローラは、前記複合操作時において、前記第1動作速度を前記第1目標速度に近づけるように前記第1制御弁を制御する、請求項1~3の何れか1項に記載の建設機械の油圧駆動装置。
  5. 前記第1アクチュエータは、油圧シリンダであり、
    前記油圧駆動装置は、前記油圧シリンダがストロークエンドに達したか否かを検出するストロークエンド検出器をさらに備え、
    前記コントローラは、前記油圧シリンダが前記ストロークエンドに達した場合に、前記ポンプ装置の前記吐出量を前記第2操作に基づいて調節する、請求項1~4の何れか1項に記載の建設機械の油圧駆動装置。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載の前記油圧駆動装置と、前記第1アクチュエータにより動かされることが可能な第1可動部と、第2アクチュエータにより動かされることが可能な第2可動部と、を備えた建設機械。
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