JP2022047052A - Co基合金及びその粉末 - Google Patents

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JP2022047052A JP2020152756A JP2020152756A JP2022047052A JP 2022047052 A JP2022047052 A JP 2022047052A JP 2020152756 A JP2020152756 A JP 2020152756A JP 2020152756 A JP2020152756 A JP 2020152756A JP 2022047052 A JP2022047052 A JP 2022047052A
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凌平 細見
Ryohei HOSOMI
亮介 越智
Ryosuke Ochi
俊之 澤田
Toshiyuki Sawada
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Abstract

【課題】耐食性、靱性及び硬度に優れた成形品が得られうるCo基合金の提供。【解決手段】Co基合金は、C:1.00質量%以上3.00質量%以下、Cr:25.0質量%以上34.0質量%以下、W:3.0質量%以上15.0質量%以下、Si:0.01質量%以上2.00質量%以下、Mn:0.01質量%以上1.00質量%以下、Cu:0.50質量%以上6.00質量%以下、Fe:0質量%以上10.00質量%以下、Ni:0質量%以上15.00質量%以下、及びMo:0質量%以上15.00質量%以下を含む。残部は、Co及び不可避的不純物である。このCo基合金は、Cuが固溶するマトリクスを含む金属組織を有する。マトリクスにおけるこのマトリクスに固溶するCuの比率Pcuは、1.0質量%以上3.5質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、溶製法、粉末冶金法、粉体肉盛法、レーザー肉盛法、粉末押出法等に適したCo基合金に関する。
Co基合金は、概して耐食性に優れる。このCo基合金に関する種々の改良が、提案されている。
特開2001-288521公報には、C、Si、Cr、W、Fe、Ni、Mo及びWを含むCo基合金が開示されている。このCo基合金の金属ミクロ組織では、マトリクスに共晶炭化物が分散している。この共晶炭化物は、粒状又は塊状を呈している。この共晶炭化物の粒径は、30μm以下である。この金属組織は、塑性加工によって達成されている。このCo基合金は、耐食性及び耐摩耗性に優れている。
特開2016-7632公報には、Ni、Mn、Fe、C、Si、Cr及びMoを含むCo基合金が開示されている。これらの元素は、耐キャビテーション壊食性に寄与しうる。これらの元素はさらに、靱性に寄与しうる。
特開2020-63495公報には、C、Cr、W、Si、Mn、Fe及びNiを含むCo基合金が開示されている。このCo基合金は、耐食性に優れる。
特開2001-288521公報 特開2016-7632公報 特開2020-63495公報
特開2001-288521公報に開示されたCo基合金では、靱性が不十分である。特開2016-7632公報では、硬度が不十分である。特開2020-63495公報に開示されたCo基合金では、耐食性に改善の余地がある。
本発明の目的は、耐食性、靱性及び硬度に優れた成形品が得られうるCo基合金の提供にある。
本発明に係るCo基合金は、
C:1.00質量%以上3.00質量%以下、
Cr:25.0質量%以上34.0質量%以下、
W:3.0質量%以上15.0質量%以下、
Si:0.01質量%以上2.00質量%以下、
Mn:0.01質量%以上1.00質量%以下、
Cu:0.50質量%以上6.00質量%以下、
Fe:0質量%以上10.00質量%以下、
Ni:0質量%以上15.00質量%以下、
及び
Mo:0質量%以上15.00質量%以下
を含む。残部は、Co及び不可避的不純物である。このCo基合金は、Cuが固溶するマトリクスを含む金属組織を有する。このマトリクスにおける、このマトリクスに固溶するCuの比率Pcuは、1.0質量%以上3.5質量%以下である。
金属組織が、h.c.p.構造を有する相であるε相を含んでもよい。好ましくは、この金属組織の全体に対するε相の体積率Pεは、60.0%以下である。
この金属組織が、
(1)マトリクス
及び
(2)上記マトリクスに分散する炭化物
を有してもよい。このマトリクス(1)は、
(1-1)f.c.c.構造を有する相であるγ相
及び/又は
(1-2)h.c.p.構造を有する相であるε相
を含む。炭化物(2)は、
(2-1)M6C系炭化物
(2-2)M7C3系炭化物
及び
(2-3)M23C6系炭化物
からなる群から選択された1又は2以上を含む。この金属組織の全体に対する炭化物の体積率Pcは、12.0%以上50.0%以下である。
他の観点によれば、本発明に係る粉末の材質は、Co基合金である。このCo基合金は、
C:1.00質量%以上3.00質量%以下、
Cr:25.0質量%以上34.0質量%以下、
W:3.0質量%以上15.0質量%以下、
Si:0.01質量%以上2.00質量%以下、
Mn:0.01質量%以上1.00質量%以下、
Cu:0.50質量%以上6.00質量%以下、
Fe:0質量%以上10.00質量%以下、
Ni:0質量%以上15.00質量%以下、
及び
Mo:0質量%以上15.00質量%以下
を含む。残部は、Co及び不可避的不純物である。このCo基合金は、Cuが固溶するマトリクスを含む金属組織を有する。このマトリクスにおけるこのマトリクスに固溶するCuの比率Pcuは、1.0質量%以上3.5質量%以下である。
本発明に係るCo基合金から得られた成形体は、耐食性、靱性及び硬度に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
本発明に係るCo基合金は、C、Cr、W、Si、Mn及びCuを含んでいる。この合金はさらに、Fe、Ni又はMoを含みうる。残部は、Co及び不可避的不純物である。このCo基合金の金属組織は、マトリクスと、このマトリクスに分散する炭化物とを含みうる。以下、この合金における各元素の役割が詳説される。
[コバルト(Co)]
Coは、マトリクスの主成分である。常温での、Co単体の安定結晶構造は、六方最密充填構造(h.c.p.)である。690K以上の温度での、Co単体の安定結晶構造は、面心立方格子(f.c.c.)である。本発明に係る合金では、マトリクスは、γ相及びε相を有しうる。γ相の結晶構造は、f.c.c.である。ε相の結晶構造は、h.c.p.である。
[炭素(C)]
Cは、Cr及びWと結合して炭化物を形成する。この炭化物は、合金の高硬度に寄与しうる。この観点から、Cの含有率は1.00質量%以上が好ましく、1.30質量%以上がより好ましく、1.50質量%以上が特に好ましい。過剰のCは、合金の靱性を阻害する。優れた靱性の観点から、Cの含有率は3.00質量%以下が好ましく、2.50質量%以下がより好ましく、1.80質量%以下が特に好ましい。
[クロム(Cr)]
Crは、Cと結合して炭化物を形成する。この炭化物は、合金の常温硬さ、高温硬さ、耐摩耗性及び耐食性に寄与しうる。これらの観点から、Crの含有率は25.0質量%以上が好ましく、27.0質量%以上がより好ましく、28.0質量%以上が特に好ましい。過剰のCrは、靱性を阻害する。さらに、過剰のCrは、過剰なε相の生成を招来する。このε相は、成形品の耐食性を損なう。靱性及び耐食性の観点から、Crの含有率は34.0質量%以下が好ましく、32.0質量%以下がより好ましく、31.0質量%以下が特に好ましい。
[タングステン(W)]
Wは、Cと結合して炭化物を形成する。この炭化物は、高温硬さ及び耐摩耗性に寄与しうる。これらの観点から、Wの含有率は3.0質量%以上が好ましく、6.0質量%以上がより好ましく、8.0質量%以上が特に好ましい。過剰のWは、合金の靱性を阻害する。靱性の観点から、Wの含有率は15.0質量%以下が好ましく、12.0質量%以下がより好ましく、10.0質量%以下が特に好ましい。
[ケイ素(Si)]
Siは、合金の耐食性及び切削性に寄与しうる。この観点から、Siの含有率は0.01質量%以上が好ましく、0.50質量%以上がより好ましく、0.90質量%以上が特に好ましい。過剰のSiは、合金の靱性を阻害する。靱性の観点から、Siの含有率は2.00質量%以下が好ましく、1.50質量%以下がより好ましく、1.30質量%以下が特に好ましい。
[マンガン(Mn)]
Mnは、γ相を生成させる。このγ相は、合金の靱性に寄与しうる。この観点から、Mnの含有率は0.01質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましく、0.20質量%以上が特に好ましい。過剰のMnは、合金の強度を阻害する。強度の観点から、Mnの含有率は1.00質量%以下が好ましく、0.80質量%以下がより好ましく、0.50質量%以下が特に好ましい。
[銅(Cu)]
Cuは、本発明に係るCo基合金において、極めて重要な元素である。Co-Cuの二元系状態図から明らかなように、室温においてCuは、Coマトリクスにほとんど固溶しない。一方、本発明者が得た知見によれば、本発明に係る合金においては、マトリクスに2%程度のCuが固溶しうる。従ってCuは、合金の耐食性に寄与しうる。この観点から、Cuの含有率は0.50質量%以上が好ましく、0.80質量%以上がより好ましく、1.00質量%以上が特に好ましい。本発明者が得た知見によれば、Cuが過剰である合金では、Cu相が析出する。このCu相は、合金の硬度を阻害する。硬度の観点から、Cuの含有率は6.00質量%以下が好ましく、4.00質量%以下がより好ましく、2.00質量%以下が特に好ましい。
[鉄(Fe)]
Feは、成形品の加工性に寄与しうる。この観点から、Feの含有率は0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が特に好ましい。過剰のFeは、合金の耐食性を阻害する。耐食性の観点から、Feの含有率は10.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が特に好ましい。Co基合金が、Feを実質的に含有しない組成を有してもよい。換言すれば、好ましいFeの含有率は、0質量%以上10.0質量%以下である。
[ニッケル(Ni)]
Niは、マトリクスに固溶し、合金の耐食性を高める。この観点から、Niの含有率は0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が特に好ましい。過剰のNiは、合金の硬度を阻害する。硬度の観点から、Niの含有率は15.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が特に好ましい。Co基合金が、Niを実質的に含有しない組成を有してもよい。換言すれば、好ましいNiの含有率は、0質量%以上15.0質量%以下である。
[モリブデン(Mo)]
Moは、Cと結合して炭化物を形成する。本発明者が得た知見によれば、炭化物は、硬度及び耐摩耗性に寄与する。本発明者が得た知見によれば、マトリクスに固溶したMoは、塩酸環境下及びフッ酸環境下におけるマトリクスの溶出を抑制する。換言すれば、Moは、耐食性にも寄与する。Moはさらに、マトリクスに固溶してこのマトリクスの耐食性に寄与しうる。硬度、耐摩耗性及び耐食性の観点から、Moの含有率は0.10質量%以上が好ましく、0.50質量%以上がより好ましく、1.00質量%以上が特に好ましい。過剰のMoは、合金の靱性を阻害する。靱性の観点から、Moの含有率は15.00質量%以下が好ましく、10.00質量%以下がより好ましく、6.00質量%以下が特に好ましい。Co基合金が、Moを実質的に含有しない組成を有してもよい。換言すれば、好ましいMoの含有率は、0質量%以上15.0質量%以下である。
[Mo/C]
Moの一部は炭化物形成に消費され、残余のMoはマトリクスに固溶する。Cの質量含有率に対するMoの質量含有率の比は、1.3以上が好ましい。この比が1.3以上であるCo基合金では、十分な量のMoがマトリクスに固溶する。このCo基合金は、耐食性に優れる。この観点から、この比は1.8以上がより好ましく、2.3以上が特に好ましい。この比は、10.0以下が好ましい。
[酸素(O)]
本発明に係るCo基合金において、Oは不可避的不純物である。合金の耐食性の観点から、Oの質量含有率は200ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、100ppm以下が特に好ましい。
[アルミニウム(Al)]
本発明における合金において、Alは不可避的不純物である。Alは、Ti又はNiと結合し、金属間化合物を形成しうる。この金属間化合物は、合金の靱性を損なう。靱性の観点から、Alの含有率は0.50質量%以下が好ましく、0.40質量%以下がより好ましく、0.35質量%以下が特に好ましい。
[チタン(Ti)]
本発明における合金において、Tiは不可避的不純物である。Tiは、Al又はNiと結合し、金属間化合物を形成しうる。この金属間化合物は、合金の靱性を損なう。靱性の観点から、Tiの含有率は0.50質量%以下が好ましく、0.40質量%以下がより好ましく、0.35質量%以下が特に好ましい。
[金属組織]
Co基合金の金属組織は、
(1)マトリクス
及び
(2)このマトリクスに分散する炭化物
を有している。
[マトリクス]
前述の通り、マトリクスには、Cuが固溶している。Cuが固溶しているマトリクスは、耐食性に優れる。耐食性の観点から、マトリクスの全量に対するこのマトリクスに固溶するCuの量の比率Pcuは、1.0質量%以上が好ましく、1.2質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が特に好ましい。比率Pcuが過剰であると、マトリクス中にCu相が析出する。このCu相は、合金の硬度を阻害する。硬度の観点から、比率Pcuは3.5質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、2.5質量%以下が特に好ましい。
マトリクス(1)は、
(1-1)f.c.c.構造を有する相であるγ相
及び/又は
(1-2)h.c.p.構造を有する相であるε相
を含んでいる。
[ε相]
ε相は、靱性に劣る。ε相の量が過大であると、成形品の耐久性及び切削性が阻害される。これらの観点から、ε相の体積率Pεは、金属組織全体の60.0%以下が好ましく、40.0%以下がより好ましく、20.0%以下が特に好ましい。体積率Pε(%)は、下記の数式によって算出される。
Pε = Xε ・ 100
この数式において、Xεは、ε相の体積比である。体積比Xεは、下記数式によって算出される。
Figure 2022047052000001

この数式においてXcは、後述されるM6C系炭化物、M7C3系炭化物及びM23C6系炭化物の合計の、金属組織全体に対する比である。
[炭化物]
Co基合金の金属組織が含みうる炭化物(2)として、
(2-1)M6C系炭化物
(2-2)M7C3系炭化物
及び
(2-3)M23C6系炭化物
が挙げられる。M6C系の炭化物として、Co3W3Cが挙げられる。M7C3系の炭化物として、Cr7C3が挙げられる。M23C6系の炭化物として、Cr23C6が挙げられる。金属組織が、M6C系炭化物、M7C3系炭化物及びM23C6系炭化物の全てを含んでよく、いずれか2種を含んでもよく、いずれか1種を含んでもよい。
M6C系炭化物、M7C3系炭化及びM23C6系炭化物は、塩酸に溶出しにくい。この炭化物を適量含有する合金は、耐食性に優れる。耐食性の観点から、金属組織全体に対する、M6C系炭化物、M7C3系炭化及びM23C6系炭化物の合計の体積率Pcは、12.0%以上が好ましく、15.0%以上がより好ましく、17.0%以上が特に好ましい。過剰な炭化物は、合金の靱性を損なう。靱性の観点から、体積率Pcは50.0%以下が好ましく、40.0%以下がより好ましく、35.0%以下が特に好ましい。体積率Pc(%)は、下記の数式によって算出される。
Pc = Xc ・ 100
この数式において、Xcは、炭化物の体積比である。体積比Xcは、成形体(焼結体)の断面組織が反射電子像で撮影されることで、算出される。この算出には、画像解析ソフトが用いられる。
[合金の製造]
本発明に係るCo基合金は、溶解法、鋳造法、粉末冶金法、粉砕法等によって製造されうる。合金の靱性の観点から、粉末冶金法が好ましい。粉末冶金法に採用される粉末は、好ましくは、アトマイズ法によって得られる。
[粉末]
本発明は、粉末にも向けられる。本発明に係る粉末の材質は、前述のCo基合金である。このCo基合金は、
C:1.00質量%以上3.00質量%以下、
Cr:25.0質量%以上34.0質量%以下、
W:3.0質量%以上15.0質量%以下、
Si:0.01質量%以上2.00質量%以下、
Mn:0.01質量%以上1.00質量%以下、
Cu:0.50質量%以上6.00質量%以下、
Fe:0質量%以上10.00質量%以下、
Ni:0質量%以上15.00質量%以下、
及び
Mo:0質量%以上15.00質量%以下
を含んでいる。残部は、Co及び不可避的不純物である。このCo基合金は、Cuが固溶するマトリクスを含む金属組織を有している。このマトリクスにおけるこのマトリクスに固溶するCuの比率Pcuは、1.0質量%以上3.5質量%以下である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1-14及び比較例19-31]
所定の組成の金属を溶解し、溶湯を得た。この溶湯を、不活性ガス雰囲気中で溶解し、窒素ガスアトマイズに供し、粉末を得た。この粉末を分級に供し、粒子径を500μm以下に調整した。この粉末を、カプセルに充填し、このカプセルを密封した。この粉末を1170℃の熱間静水圧プレス処理(HIP)に供し、実施例1-14及び比較例19-31のバルクを得た。
[実施例31-33]
アーク溶解法を用いた溶製法により、実施例15-18のバルクを得た。
[比率Pcuの測定]
バルクから、試験片(10mm×10mm×14mm)を得た。この試験片を走査型電子顕微鏡(SEM)での観察に供した。4000倍の反射電子像にて、マトリクス領域に対してEDS分析を行って、マトリクスに固溶するCuの量の比率Pcuを得た。この結果が、下記の表1-3に示されている。
[硬度]
バルクのロックウェル硬さ(HRC)を測定した。この結果が、下記の表1-3に示されている。硬度が45HRC以上であることが、好ましい。
[衝撃値]
バルクから、試験片(10R2mmCノッチ)を得た。この試験片をシャルピー衝撃試験に供し、衝撃値を測定した。この結果が、下記の表1-3に示されている。衝撃値が5J/cm以上である合金は、靱性に優れる。
[耐食性]
バルクから、試験片(10mm×10mm×14mm)を得た。この試験片を、耐食試験に供した。試験の条件は、以下の通りである。
溶液:10%塩酸水溶液
温度:40℃
時間:10時間
腐食減量を試験前の試験片の表面積及び時間で除して、腐食度を算出した。この結果が、下記の表1-3に示されている。腐食度が5g/m・h以下であることが、好ましい。
Figure 2022047052000002
Figure 2022047052000003
Figure 2022047052000004
比較例19に係る合金では、Cが過少なので、炭化物の体積率Pcが小さい。従ってこの合金では、硬度が十分ではない。
比較例20に係る合金では、Cが過剰なので、炭化物の体積率Pcが大きい。従ってこの合金では、靭性が十分ではない。
比較例21に係る合金では、Crが過少である。従ってこの合金では、硬度及び耐食性が十分ではない。
比較例22に係る合金では、Crが過剰である。従ってこの合金では、靭性が十分ではない。
比較例23に係る合金では、Wが過少である。従ってこの合金では、硬度が十分ではない。
比較例24に係る合金では、Wが過剰である。従ってこの合金では、靭性が十分ではない。
比較例25に係る合金では、Siが過剰である。従ってこの合金では、靭性が十分ではない。
比較例26に係る合金では、Mnが過剰である。従ってこの合金では、靭性が十分ではない。
比較例27に係る合金は、Cuが過少なので、過剰のε相を含んでいる。従ってこの合金では、耐食性が十分ではない。
比較例28に係る合金では、Cuが過剰である。従ってこの合金では、硬度が十分ではない。
比較例29に係る合金では、Feが過剰である。従ってこの合金では、耐食性が十分ではない。
比較例30に係る合金では、Niが過剰である。従ってこの合金では、硬度が十分ではない。
比較例31に係る合金では、Moが過剰なので、炭化物の体積率Pcが大きい。従ってこの合金では、靭性が十分ではない。
実施例1-18に係る合金は、諸性能に優れている。この結果から、本発明の優位性は明かである。
以上説明されたCo基合金は、耐食性が要求される種々の用途に適している。

Claims (4)

  1. C:1.00質量%以上3.00質量%以下、
    Cr:25.0質量%以上34.0質量%以下、
    W:3.0質量%以上15.0質量%以下、
    Si:0.01質量%以上2.00質量%以下、
    Mn:0.01質量%以上1.00質量%以下、
    Cu:0.50質量%以上6.00質量%以下、
    Fe:0質量%以上10.00質量%以下、
    Ni:0質量%以上15.00質量%以下、
    及び
    Mo:0質量%以上15.00質量%以下
    を含んでおり、
    残部がCo及び不可避的不純物であり、
    Cuが固溶するマトリクスを含む金属組織を有しており、
    上記マトリクスにおけるこのマトリクスに固溶するCuの比率Pcuが、1.0質量%以上3.5質量%以下であるCo基合金。
  2. 上記金属組織がh.c.p.構造を有する相であるε相を含んでおり、
    上記金属組織の全体に対する上記ε相の体積率Pεが、60.0%以下である請求項1に記載のCo基合金。
  3. 上記金属組織が、
    (1)マトリクス
    及び
    (2)上記マトリクスに分散する炭化物
    を有しており、
    上記マトリクス(1)が、
    (1-1)f.c.c.構造を有する相であるγ相
    及び/又は
    (1-2)h.c.p.構造を有する相であるε相
    を含んでおり、
    上記炭化物(2)が
    (2-1)M6C系炭化物
    (2-2)M7C3系炭化物
    及び
    (2-3)M23C6系炭化物
    からなる群から選択された1又は2以上を含んでおり、
    上記金属組織の全体に対する上記炭化物の体積率Pcが、12.0%以上50.0%以下である請求項1又は2に記載のCo基合金。
  4. その材質がCo基合金であり、
    上記Co基合金が、
    C:1.00質量%以上3.00質量%以下、
    Cr:25.0質量%以上34.0質量%以下、
    W:3.0質量%以上15.0質量%以下、
    Si:0.01質量%以上2.00質量%以下、
    Mn:0.01質量%以上1.00質量%以下、
    Cu:0.50質量%以上6.00質量%以下、
    Fe:0質量%以上10.00質量%以下、
    Ni:0質量%以上15.00質量%以下、
    及び
    Mo:0質量%以上15.00質量%以下
    を含んでおり、
    残部がCo及び不可避的不純物であり、
    Cuが固溶するマトリクスを含む金属組織を有しており、
    上記マトリクスにおけるこのマトリクスに固溶するCuの比率Pcuが、1.0質量%以上3.5質量%以下である粉末。
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