JP2022046548A - 駐車場管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザによる駐車料金の電子決済に対応するため、チケットレス方式およびキャッシュレス方式で運営される複数の駐車場を集中的に管理するシステムを提供する。【解決手段】駐車場を利用するユーザの情報処理端末が、測位部を用いて現在位置を取得し、複数の駐車場のうち現在位置の近傍に位置するものを複数の候補駐車場として選択して情報処理端末の画面上に表示する。その端末は、ユーザがいずれかの駐車場に入場して滞在している状態において、ユーザが、表示されている複数の候補駐車場のうちのいずれかを選択するための選択指示を情報処理端末に対して行うと、現在位置のいずれかの候補駐車場からの距離が許容値以下であることを条件に、そのいずれかの候補駐車場を選択駐車場として選択する。その端末は、その選択駐車場についての駐車料金をサーバから受信し、その駐車料金を電子決済するための決済指示をサーバに送信する。【選択図】図8

Description

本発明は、駐車場を管理する技術に関し、特に、駐車場に課される設備上の負担を軽減する技術に関する。
車両のための複数の駐車スペース(または「車室」ともいう)を有する駐車場が既に広く普及している。この種の駐車場は、目標の駐車スペースへの車両の搬送方式の観点で分類すると、ユーザが自ら車両を運転して目標の駐車スペースに搬送する方式と、パレットやケージを機械的に移動させて車両を機械的に目標の駐車スペースに搬送する機械式とに分類される。
また、その駐車場は、ユーザに無料で貸される場合もあれば、有料で貸される場合もある。有料駐車場は、ユーザに貸す時間の長さという観点で分類すれば、月極めと、時間貸し(「日貸し」を含む。)とに分類される。
時間貸し駐車場は、その管理方式という観点で分類すれば、その駐車場を管理・監視する担当者が現場に常駐している有人式と、そのような担当者が常駐しておらず、散発的に現場に派遣される無人式とに分類される。
また、時間貸し駐車場は、駐車料金の支払い方式という観点で分類すれば、ユーザが入庫時に、予定駐車時間の長さに見合う額の駐車料金を支払う前払い式と、ユーザが出庫時に、実際の駐車時間の長さに見合う額の駐車料金を支払う後払い式とに分類される。
以上説明したいくつかの種類の駐車場を開示している先行技術文献が数件発見された。
特許文献1は、駐車場内に専用の設備を設置することなく、しかも、ユーザが自身の携帯端末を操作することを要求することも場内設備を操作することを要求することもなく、車両に搭載されたGPSとコンピュータと通信装置とを用いて、駐車場に対する入出庫処理を完全に自動化することを可能とする技術を開示しているのである。
具体的には、この特許文献1は、ユーザの通信機器にではなくユーザが乗車する車両に搭載されているGPS型測位機能を用いて車両の現在位置を測定し、その位置がいずれの駐車場位置とも一致しない状態からいずれかの駐車場位置と一致する状態に遷移したら、当該駐車場へのユーザの入場を自動的に検出する一方、その後の車両位置が前記駐車場位置と一致する状態から一致しない状態に遷移したら、当該駐車場からのユーザの退場を自動的に検出する技術を開示している。
また、特許文献2は、駐車場内に無線局を設置することを要求しつつ、ユーザの携帯端末に搭載されたGPSおよび加速度センサを用いてユーザの位置情報と行動情報とを取得し、それら情報を用いて、ユーザが現在滞在している駐車場に対するユーザの入庫および出庫を検出し、駐車場に対する入出庫処理を完全に自動化することを可能とする技術を開示している。
ところで、駐車場の運営形態として既に、前払い時間貸し式というものが知られている。この運営形態によれば、ユーザが車両を駐車場に駐車すべくその駐車場に入庫させる入庫ステージにおいて、ユーザが、その駐車場に駐車することを希望する時間帯である有効駐車時間を時間単位で指定すること、および、その有効駐車時間の長さに見合う額の駐車料金を前払いすることを条件に、ユーザに対し、その駐車場の使用権限を付与する。
特許文献3には、前払い式の駐車場の一従来例が記載されている。この駐車場には、ユーザが駐車料金を前払いするための料金精算装置と、入庫時に正規の駐車料金が支払われていることが出庫時に確認されることを条件に出庫ゲートを開いてユーザの出庫を許可する出庫ゲート管理装置という専用設備が設置されている。
この駐車場を利用するユーザは、その駐車場への入庫時に、その駐車場に車両を連続して駐車しておくことが必要な時間の長さを有効駐車時間として予測し、その有効駐車時間の長さに見合う額の駐車料金を支払う。
特開2001-202542号公報 特開2013-256380号公報 特開2010-250734号公報
特許文献1に記載の技術によれば、理論的には、駐車場に対する入出庫処理を完全に自動化することが可能となる。しかし、この特許文献1に記載の技術を採用するためには、車両が、GPSなどの測位装置(測位機能)と、コンピュータ(信号処理機能)と、外部のサーバとの通信を行うための通信装置(通信機能)とを搭載すること、すなわち、車両の高機能化(例えば知能化)が要求される。
これに対し、特許文献2に記載の技術によれば、車両に特殊な機器を搭載する代わりにユーザの携帯端末であって信号処理機能と通信機能と測位機能と行動検出機能とを有するものが利用される。そのような機能が搭載された携帯端末が普及した今日、この特許文献2に記載の技術によれば、車両の高機能化(例えば知能化)を不可欠とすることなく、駐車場に対する入出庫処理を完全に自動化することが可能となる。
しかし、特許文献1の記載の技術では、携帯端末の位置情報と駐車場の位置情報との関係にしか着目せずに、ユーザが乗車して入場した駐車場を特定しようとするため、システムが誤作動する可能性が高いという実用上の問題があった。
また、特許文献2に記載の技術では、携帯端末の位置情報に加えてユーザの行動情報をにも着目して、ユーザが乗車して入場した駐車場を特定しようとするが、携帯端末の測位精度に限界があるにもかかわらず、着目するユーザの行動情報は、駐車場に固有のものではないため、依然として、システムが誤作動する可能性が高いという実用上の問題があった。
また、特許文献3に記載の前払い式の駐車場を施工する場合には、ユーザが駐車料金を前払いするための料金精算装置と、ユーザがその駐車場から出庫する時刻を監視するとともに前記有効駐車時間の満了前であるか否かを確認する出庫ゲート装置をその駐車場に設置することが必要である。そのため、この駐車場を施工する場合には、高額な設備投資が必要となる。
よって、複数の駐車場のうちのいずれかを選択して利用するユーザの情報処理端末を用いて前記複数の駐車場を管理する技術に関し、特に、駐車場への専用設備の設置を抑制しつつ、駐車場管理システムの誤作動を抑制することを容易にする技術を提供したいという課題がある。
以上の知見を背景にして、本発明は、駐車場を管理する技術に関し、特に、駐車場に課される設備上の負担を軽減する技術を提供することを課題としてなされたものである。
その課題を解決するために、本発明の一側面によれば、ユーザによる駐車料金の電子決済に対応するため、チケットレス方式およびキャッシュレス方式で運営される複数の駐車場を集中的に管理するシステムであって、
前記複数の駐車場によって共有されるサーバであって、各駐車場を利用するユーザの情報処理端末と通信可能であるものを含み、
そのサーバは、
各駐車場についての駐車料金を前記情報処理端末に送信する駐車料金送信部と、
駐車料金を電子決済するための決済指示を前記情報処理端末から受信する決済指示受信部と
を含み、
前記情報処理端末は、
測位部と、
その測位部を用いて取得された前記情報処理端末の現在位置に基づき、前記複数の駐車場のうち前記現在位置の近傍に位置するものを複数の候補駐車場として選択して前記情報処理端末の画面上に表示する候補駐車場表示部と、
ユーザがいずれかの駐車場に入場して滞在している状態において、ユーザが、前記画面上に表示されている複数の候補駐車場のうちのいずれかを選択するための選択指示を前記情報処理端末に対して行うと、前記現在位置の前記いずれかの候補駐車場からの距離が許容値以下であることを条件に、そのいずれかの候補駐車場を選択駐車場として選択する駐車場選択部と、
その選択駐車場についての駐車料金を前記サーバから受信する駐車料金受信部と、
前記選択駐車場について受信した駐車料金を電子決済するための決済指示を前記サーバに送信する決済指示送信部と
を含む駐車場管理システムが提供される。
また、本発明の第1のアスペクトによれば、発券機も精算機も用いることなく、ユーザによる前払い駐車料金の電子決済に対応するため、チケットレス方式、精算機レス方式およびキャッシュレス方式で運営される複数の駐車場を集中的に管理するシステムであって、
前記複数の駐車場を集中的に管理する管理サーバであって、いずれかの駐車場を利用するユーザの情報処理端末と遠距離無線通信可能であるものと、
前記情報処理端末と通信可能な決済サーバであって、ユーザからの決済指示に応じ、駐車料金を電子決済するための処理を行うものと
を含み、
前記情報処理端末は、
測位部と、
ユーザが車両と共に前記複数の駐車場のうちのいずれかに入庫した入庫ステージにおいて、前記測位部の測位結果に基づき、ユーザが入庫前に選択可能であったいずれかの駐車場のうち、ユーザが滞在している可能性が他の駐車場より高い駐車場を特定し、その特定された駐車場を選択駐車場として選択することを可能とする駐車場選択部と、
前記管理サーバから前記選択駐車場についての前払い駐車料金の額を取得する料金取得部と、
その取得された額で前記前払い駐車料金を電子決済するための決済指示を前記決済サーバに送信する決済指示部と
を含む駐車場管理システムが提供される。
ここに、前記管理サーバは、前記決済指示が前記決済サーバに送信された後、前記選択駐車場へのユーザの入庫が許可されたことを表す入庫許可データを前記情報処理端末に送信する入庫許可データ送信部を含んでもよい。
また、本発明の第2のアスペクトによれば、発券機も精算機も用いることなく、ユーザによる前払い駐車料金の電子決済に対応するため、チケットレス方式、精算機レス方式およびキャッシュレス方式で運営される複数の駐車場を集中的に管理するシステムであって、
前記複数の駐車場を集中的に管理する管理サーバであって、いずれかの駐車場を利用するユーザの情報処理端末と遠距離無線通信可能であるものと、
前記情報処理端末と通信可能な決済サーバであって、ユーザからの決済指示に応じ、駐車料金を電子決済するための処理を行うものと
を含み、
前記情報処理端末は、
測位部と、
ユーザが車両と共に前記複数の駐車場のうちのいずれかに入庫した入庫ステージにおいて、前記測位部の測位結果に基づき、ユーザが入庫前に選択可能であったいずれかの駐車場のうち、ユーザが滞在している可能性が他の駐車場より高い駐車場を特定し、その特定された駐車場を選択駐車場として選択することを可能とする駐車場選択部と、
前記選択駐車場を特定するための駐車場情報を前記管理サーバに送信する駐車場情報送信部と
を含み、
前記管理サーバは、前記駐車場情報を受信すると、その駐車場情報によって特定される駐車場に応じ、駐車時間の長さに見合う額の前払い駐車料金を表す料金データであって、複数の駐車時間と複数の前払い駐車料金との関係を表すものを前記情報処理端末に送信する料金データ送信部を含み、
前記情報処理端末は、さらに、
前記料金データを受信すると、ユーザからの入力に基づき、前記複数の前払い駐車料金のうちのいずれかを選択する料金選択部と、
その選択された前払い駐車料金を電子決済するための決済指示を前記決済サーバに送信する決済指示部と
を含む駐車場管理システムが提供される。
ここに、前記管理サーバは、さらに、前記決済指示が前記決済サーバに送信された後、前記選択駐車場へのユーザの入庫が許可されたことを表す入庫許可データを前記情報処理端末に送信する入庫許可データ送信部を含んでもよい。
また、本発明の第1側面によれば、発券機も精算機も用いることなく、ユーザによる前払い駐車料金の電子決済に対応するため、チケットレス方式、精算機レス方式およびキャッシュレス方式で運営される複数の駐車場を集中的に管理するシステムであって、
前記複数の駐車場を集中的に管理する管理サーバであって、いずれかの駐車場を利用するユーザの情報処理端末と遠距離無線通信可能であるものと、
前記情報処理端末と通信可能な決済サーバと
を含み、
前記情報処理端末は、
ユーザからの入力に基づき、前記複数の駐車場のうちのいずれかを選択駐車場として選択する駐車場選択部と、
前記選択駐車場についての前払い駐車料金を取得する料金取得部と、
前記前払い駐車料金を電子決済するために必要な決済情報を前記決済サーバに送信する決済情報送信部と
を含み、
前記決済サーバは、前記情報処理端末から受信した決済情報に基づき、前記前払い駐車料金を電子決済する駐車場管理システムが提供される。
また、本発明の第2側面によれば、発券機も精算機も用いることなく、ユーザによる前払い駐車料金の電子決済に対応するため、チケットレス方式、精算機レス方式およびキャッシュレス方式で運営される複数の駐車場を集中的に管理するシステムであって、
前記複数の駐車場を集中的に管理する管理サーバであって、いずれかの駐車場を利用するユーザの情報処理端末と遠距離無線通信可能であるものと、
前記情報処理端末と通信可能な決済サーバと
を含み、
前記情報処理端末は、
前記複数の駐車場のうちユーザによって選択された選択駐車場を特定するための駐車場情報を前記管理サーバに送信する駐車場情報送信部と、
前記選択駐車場におけるユーザの車両を特定するための車両情報を前記管理サーバに送信する車両情報送信部と、
前記選択駐車場についての前払い駐車料金を取得する料金取得部と、
前記前払い駐車料金を電子決済するために必要な決済情報を前記決済サーバに送信する電子決済情報送信部と
を含み、
前記管理サーバは、前記情報処理端末から受信した駐車場情報によって特定される駐車場IDに関連付けて、前記情報処理端末から受信した車両情報をメモリに保存する情報保存部を含み、
前記決済サーバは、前記情報処理端末から受信した決済情報に基づき、前記前払い駐車料金を電子決済する電子決済部を含み、
前記管理サーバが、前記電子決済が完了すると、ユーザに前記選択駐車場を利用する権限が付与されたことを表す信号を前記情報処理端末に送信する利用権限付与部を含むことと、前記決済サーバが、前記電子決済が完了すると、そのことを表す決済完了信号を前記情報処理端末に送信する決済完了信号送信部を含むこととのうちの少なくとも一方を採用する駐車場管理システムが提供される。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 複数の前払い式駐車場のうちのいずれかを選択して利用するユーザの情報処理端末と前記複数の駐車場を集中的に管理する管理サーバとを用いて前記複数の駐車場を管理する方法であって、
前記情報処理端末および/または前記管理サーバが、ユーザが車両と共にいずれかの駐車場に入庫する入庫ステージにおいて、前記情報処理端末の位置取得部を用いて取得された現在位置に基づき、前記複数の駐車場のうち前記現在位置の近傍に位置するものを複数の候補駐車場として選択し、それら候補駐車場を前記情報処理端末の画面上に表示する駐車場表示工程と、
前記情報処理端末および/または前記管理サーバが、ユーザが、いずれかの駐車場を選択するための第1指示を前記情報処理端末に対して行うと、前記複数の候補駐車場のうちのいずれかを、ユーザが利用したい利用駐車場として選択する駐車場選択工程と、
前記情報処理端末および/または前記管理サーバが、ユーザが、前記利用駐車場の希望駐車時間の長さに見合う額の前払い駐車料金の支払指示と、ユーザおよび/または車両に固有の識別情報の入力とを前記情報処理端末に対して行うと、ユーザが前記利用駐車場に入庫する権限をユーザに付与する入庫許可工程と、
前記情報処理端末および/または前記管理サーバが、ユーザの車両が前記利用駐車場から出庫する出庫ステージにおいて、ユーザが前記利用駐車場からの出庫を確認するための第2指示を前記情報処理端末に対して行うと、ユーザが前記車両と共に前記利用駐車場から出庫したことを確認する出庫確認工程と
を含む駐車場管理方法。
(2) 前記駐車場選択工程は、前記入庫ステージにおいて、前記情報処理端末の現在位置の前記利用駐車場からの距離が許容値以下でないと、前記第1指示をアクセプトしない状態で実施され、
前記出庫確認工程は、前記出庫ステージにおいて、前記情報処理端末の現在位置の前記利用駐車場からの距離が前記許容値以下であるか否かを問わず、前記第2指示をアクセプトする状態で実施される(1)項に記載の駐車場管理方法。
(3) 前記駐車場選択工程が、前記入庫ステージにおいて、前記情報処理端末の現在位置の前記利用駐車場からの距離が許容値以下でないと、前記第1指示をアクセプトしない状態で実施されることと、前記出庫確認工程が、前記情報処理端末の現在位置の前記利用駐車場からの距離が前記許容値以下であるか否かを問わず、前記第2指示をアクセプトする状態で実施されることとのうちの少なくとも一方が採用される(1)項に記載の駐車場管理方法。
(4) さらに、前記情報処理端末および/または前記管理サーバが、ユーザが、前記希望駐車時間の満了前に、前記希望駐車時間を延長するための第3指示と、前記希望駐車時間の延長に見合う額の延長料金の支払指示とを前記情報処理端末に対して行うと、前記希望駐車時間を延長する延長工程を含む(1)ないし(3)項のいずれかに記載の駐車場管理方法。
(5) 前記延長工程は、前記利用駐車場からの距離が前記許容値以下であるか否かを問わず、前記第3指示をアクセプトする状態で実施される(4)項に記載の駐車場管理方法。
(6) 前記識別情報は、ユーザID、ユーザの車両の識別番号、および前記駐車場の複数の車室のうちユーザの車両が入庫する車室の識別番号のうちの少なくとも一つを含む(1)ないし(5)項のいずれかに記載の駐車場管理方法。
(7) 前記識別情報は、互いに異なる複数の実体であってユーザに関連するものをそれぞれ識別する複数種類の識別情報の組合せを含む(1)ないし(6)項のいずれかに記載の駐車場管理方法。
本項における複数種類の識別情報の組合せを用いれば、1種類の識別情報を用いる場合より、ユーザや車両を認証する際のセキュリティが向上する。ここに、「互いに異なる複数の実体であってユーザに関連するもの」としては、例えば、ユーザ本人、ユーザの車両、前記駐車場の複数の車室のうちユーザが利用するもの、ユーザの情報処理端末などがある。
(8) (1)ないし(7)項のいずれかに記載の情報処理端末を実現するためにその情報処理端末のコンピュータによって実行されるプログラム。
本出願書類中、「プログラム」という用語は、例えば、それの機能を果たすためにコンピュータにより実行される指令の組合せを意味するように解釈したり、それら指令の組合せのみならず、各指令に従って処理されるファイルやデータをも含むように解釈することが可能であるが、それらに限定されない。
また、このプログラムは、それ単独でコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとしたり、他のプログラムと共にコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとすることができるが、それらに限定されない。後者の場合、本項に係るプログラムは、データを主体とするものとすることができるが、それに限定されない。
(9) (1)ないし(7)項のいずれかに記載の管理サーバを実現するためにその管理サーバのコンピュータによって実行されるプログラム。
(10) (8)または(9)項に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
本出願書類中、「記録媒体」という用語によって表される記録媒体は種々な形式を採用可能であり、例えば、フレキシブル・ディスク等の磁気記録媒体、CD、CD-ROM等の光記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、ROM等のアンリムーバブル・ストレージ等のいずれかを採用し得るが、それらに限定されない。
図1は、本発明の例示的な一実施形態に従う駐車場管理システムによって集中的に管理される複数の駐車場のうちの一つを例示的に示す平面図である。 図2は、図1に示す複数の車室の一部を、それら車室内にそれぞれ車両が停止している状態で示す平面図である。 図3は、図1に示す駐車場管理システムにおいて、各駐車場にいるユーザの携帯端末と、遠隔地にある管理センタ内の管理サーバとが互いに通信する様子の一例を示す斜視図である。 図4は、図3に示すユーザの携帯端末と同図に示す管理サーバとの間での遠距離双方向通信を概念的に表す図である。 図5は、図4に示す携帯端末を概念的に表す機能ブロック図である。 図6は、図4に示す管理サーバを概念的に表す機能ブロック図である。 図7は、前記駐車場管理システムによって実現される例示的な駐車シーケンスを概念的に表すタイムチャートである。 図8は、前記駐車場管理システムにおいて、ユーザがある駐車場において入庫処理を行うことを支援するために携帯端末、管理サーバおよび決済サーバによってそれぞれ実行されるプログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。 図9は、前記駐車場管理システムにおいて、ユーザがある駐車場に入庫した後、ユーザからの延長リクエストに応答し、有効駐車時間を延長するために携帯端末、管理サーバおよび決済サーバによってそれぞれ実行されるプログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。 図10は、前記駐車場管理システムにおいて、ユーザがある駐車場に入庫した後、ユーザが出庫処理を行うことを支援するために携帯端末、管理サーバおよび決済サーバによってそれぞれ実行されるプログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。 図11は、図6に示す管理サーバのメモリに保存される管理リストを概念的に表す図である。
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態の一つを図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1および図2を参照するに、本発明の例示的な一実施形態に従う駐車場管理システム(以下、単に「システム」という。)10は、各々、複数台の車両(自動車、自転車および自動二輪車を含むが、図2に示す例においては、自動車)が駐車可能な複数の駐車場20(図1には、それら駐車場20のうちの代表的な駐車場20のみが図示されている)を管理するためのシステムである。
このシステム10においては、本発明の例示的な実施形態に従う駐車場管理方法であって、複数人のユーザの携帯端末(前記「情報処理端末」の一例)90との通信により、遠隔地にある管理サーバ50が複数の駐車場20を集中的に管理するものが実施される。
一例においては、このシステム10が、ユーザが自身の携帯端末90を駐車券代わりに用い、かつ、予定された駐車時間(希望駐車時間、有効駐車時間)の長さに見合う額の前払い駐車料金を支払うことを条件に、ユーザが駐車場20を利用することを許可する。
図1には、駐車場20が平面図で示されている。その駐車場20は、複数台の車両の同時駐車を可能にする複数の車室(前記駐車スペースの一例)22を有する。この駐車場20には、唯一の入出庫口24(入庫口でもあるし出庫口でもある)が存在する。図2には、複数の車室22のうちの一部が、各車室22に車両が停止している状態で示されている。
この駐車場20は、無人式であり、さらに、この駐車場20には、駐車場20の入出庫口24からの不正車両の出庫を阻止するために適宜開閉するゲート装置も、車室22からの不正車両の出庫を阻止するために適宜出没する車止め装置も、運転者であるユーザに対し、駐車券をユーザに対して発行するための発券機およびユーザが駐車料金を精算するための精算機も設置されていない。
なお、「車両」なる用語の定義について付言するに、「車両」なる用語は、自動車のみならず、自転車、自動二輪車等、あらゆる種類の移動体を包含する用語として解釈すべきである。
図1に示すように、駐車場20の敷地には、2種類の駐車区画が存在する。それは、各車両のユーザに対し、1日単位で車室22を貸し出すための区画(一時預り区画または日貸し用区画)と、各車両のユーザに対し、事前の契約を前提に、1月単位で車室22を貸し出すための区画(月極用区画)とである。以下、単に「駐車場20」というときには、この駐車場20のうち、一時預り区画のみを意味する。
このシステム10は、その駐車場管理方式として前述の集中管理方式を採用している。具体的には、図3に示すように、各駐車場20に居る各ユーザの携帯端末90と、複数の駐車場20を集中的に管理する管理センタ40に設置される管理サーバ50とを備えている。
管理センタ40は、駐車場管理者(例えば、駐車場20として使用される土地の所有者であって自らその駐車場20を管理するもの、他人の土地の所有者からその土地を駐車場20として管理することを委託される駐車場管理会社)によって運営される。
ユーザの携帯端末90は、ユーザによって携帯されるとともに無線通信機能を有するデバイス、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、PDAなどである。
携帯端末90は、前述の「情報処理端末」の一例であるが、常時ユーザによって携帯されるとは限らないタイプの情報処理端末である。携帯端末90は、車両外においてはユーザによって携帯されるかもしれないが、車両内においてはユーザによって携帯されないかもしれない。
図4に示すように、携帯端末90は、必須の機能として、宇宙空間内に存在する複数の人工衛星からのGPS(Global Positioning System、グローバル・ポジショニング・システム)信号を受信し、携帯端末90の現在の地図上位置(地上位置)を測定する測位機能を有する。
さらに、携帯端末90は、任意選択的な態様においては、GPS信号(場外発信機の一例)に加えて、基地局(場外発信機の別の例)の位置座標を表す信号や、駐車場20に設置される発信機(「場内発信機」ともいう)30からの信号であって各発信機30に固有の発信機IDを表すものも受信する。
この任意選択的な態様においては、携帯端末90が、各発信機30から受信した信号によって表される発信機IDを、それに対応する駐車場IDであって当該発信機30が設置されているはずである駐車場30を識別するものに、両者間の対応関係を表すように予め定義されたルール(例えば、変換テーブル)に従って変換する。
その結果、携帯端末90は、今回検知した発信機30を他の発信機30から識別してその今回検知した発信機30の位置(例えば、地図上位置、設置されている駐車場の位置など)を測定し、および/または、今回の発信機30から受信した信号の強度を測定することにより、その発信機30と携帯端末90との間の距離を測定する。
発信機30は、一般に、識別信号としてのビーコン信号を発信するビーコン装置、無線標識などの名称でも知られている装置である。この発信機30は、一例においては、原信号を変調することにより、対応する発信機ID(または駐車場ID)を表す識別信号を生成し、その生成された識別信号を、IR信号、Bluetooth(登録商標)信号、NFC(近距離無線通信)信号などとして局地的に発信する。
図4に示すように、携帯端末90は、管理センタ40の管理サーバ50との間で遠距離双方向無線通信を行う。また、発信機30が駐車場20に設置されている態様においては、図4に示すように、携帯端末90は、ユーザが現在訪問している駐車場20に設置されている発信機30から前述の識別信号を、発信機30との接触状態または非接触状態で、近距離一方向無線通信方式で受信する。
図2に示すように、ユーザは、携帯端末90を車内において操作することにより、測位のための受信(GPS受信、基地局からの受信、場内発信機30からの受信など)を行ったり、管理サーバ50と通信することが可能である。この態様によれば、ユーザは、入庫(前払い駐車の場合の決済を含む)および出庫(後払い駐車の場合の決済を含む)のための携帯端末90に対する操作を車内で行うことができ、寒暖、風雨等の天候によって煩わされずに済む。
これに対し、図3に示すように、ユーザは、携帯端末90を車外において操作することにより、測位のための受信を行ったり、管理サーバ50と通信することが可能である。この態様は、例えば、ユーザが携帯端末90を場外発信機30に接近してかざしたり接触したりすることが必要である場合に有意義である。
次に、機能ブロック図である図5を参照して携帯端末90のハードウエア構成を説明するに、携帯端末90は、プロセッサ130およびそのプロセッサ130によって実行される複数のプログラム(「アプリケーション」ともいう)を記憶するメモリ132を有するコンピュータ134を主体として構成されている。
この携帯端末90は、さらに、情報を表示する表示部(例えば、液晶ディスプレイ)136と、発信機30および管理サーバ50からの信号を受信する受信部138と、信号を生成してその信号を管理サーバ50に送信する送信部140とを有する。
この携帯端末90は、さらに、ユーザからデータやコマンドを入力するための入力部150を有する。
その入力部150は、例えば、所望の情報(例えば、コマンド、データなど)を携帯端末90に入力するためにユーザによって操作可能な操作部を有する。その操作部としては、ユーザによって操作可能なアイコン(例えば、仮想的なボタンであり、例えば、後述の入庫ボタン、出庫ボタン、延長リクエスト・ボタンなど)を表示するタッチスクリーン、ユーザによって操作可能な物理的な操作部(例えば、キーボード、キーパッド、ボタン、スイッチなど)、音声を感知するマイクなどがあるが、これらに限定されない。
この携帯端末90は、さらに、GPS(衛星測位システム)受信機152を有する。GPS受信機152は、よく知られているように、複数のGPS衛星から複数のGPS信号を受信し、それらGPS信号に基づき、GPS受信機152の地球上における位置(緯度、経度および高度)を三角測量によって測定する。
なお、これに代わるかまたはこれに加えて、携帯端末90は、地球上における位置(緯度および経度)を、複数の基地局の位置を用いて三角測量によって測定してもよい。
すなわち、携帯端末90のうち、測位部(前記「位置取得部」の一例)は、各々場外発信機としての、GPS測位部もしくは基地局測位部であってもよく、または、場内発信機30であってもよいのである。
この携帯端末90は、さらに、自身の加速度(例えば、携帯端末90が並進運動する際の加速度)を検出する加速度センサ154を内蔵している。その加速度センサ154は、携帯端末90に搭載されているため、携帯端末90と一体的に振動し、その結果、加速度センサ154自体に作用する加速度を、携帯端末90に作用する加速度と等価なものとして検出する。
この加速度センサ154の型式は、例えば、半導体ピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型などである。一例においては、この加速度センサ154が、X軸、Y軸およびZ軸という3軸方向の加速度Gx,Gy,Gzを個々に検出し、それら3つの検出値Gx,Gy,Gzの合成値Grとして1つの代表加速度を出力するように設計することが可能である。
この加速度センサ154は、ユーザが携帯端末90を携帯している場合には、そのユーザに作用する加速度に近似するものを検出し、また、そのユーザが車両に乗車している場合には、その車両に作用する加速度(例えば、前後方向加速度、前後方向減速度)に近似するものを検出する。
なお、携帯端末90に作用する加速度は、理論的には、上述のGPS信号に基づいて測定された位置の時間微分を行って速度を計算し、さらに、その速度の時間微分を行うことによって計算することが可能である。しかし、精度の点では、加速度センサ154によって検出された加速度の方が優れている可能性がある。いずれにしても、この加速度センサ154は、車両の軸加速度を検出または推定によって取得する加速度取得部の一例なのである。
この携帯端末90は、さらに、任意選択的に、図示しないが、携帯端末90に曝される光(例えば、太陽光)を検出する光センサ、携帯端末90に曝される音(例えば、車両のエンジン音)を検出する音センサ、携帯端末90に対する物体(例えば、車両)の接近を検出する近接センサなどを内蔵することが可能である。
次に、機能ブロック図である図6を参照して管理サーバ50のハードウエア構成を説明するに、管理サーバ50は、プロセッサ160およびそのプロセッサ160によって実行される複数のアプリケーションを記憶するメモリ162を有するコンピュータ164を主体として構成されている。
この管理サーバ50は、さらに、情報を表示する表示部(例えば、液晶ディスプレイ)166と、携帯端末90からの信号を受信する受信部168と、信号を生成してその信号を携帯端末90に送信する送信部170と、時計172とを有する。この管理サーバ50は、発信機30からの受信を直接的には行わず、事実上、携帯端末90を介して行うことになる。
<駐車シーケンスの例>
図7には、システム10を用いて実現される駐車シーケンスの一例がタイムチャートで表されている。以下、具体的に説明する。
同図に示す駐車シーケンスにおいては、ユーザが車両をある駐車場20に入庫させた後、有効駐車時間の満了前に、ユーザが携帯端末90に対して出庫操作(例えば、携帯端末90の画面上に表示される仮想的な「出庫ボタン」をユーザがタップする(その他にも、例えば、タッチする、押圧する、選択する、音声指示する)という操作)を行った後、ユーザが自身の車両に乗車して駐車場20から退場する(出庫する)。
入庫ステージは、ユーザが、入庫(車両が駐車場に進入すること)を目的として、ある駐車場20に入場する行為によって開始し、その駐車場20から退場する行為によって終了する。ユーザが駐車リクエスト(または入庫リクエスト)を携帯端末90に対して入力すると、そのタイミングで、または、それより後のタイミングで、有効駐車時間のうちの残存時間の減算(カウントダウン)が開始されるとともに実駐車時間の増加(カウントアップ)が開始される。
これに対し、出庫ステージは、ユーザが、出庫(車両が駐車場から退出すること)を目的として、前記入庫が行われた駐車場20に入場する行為によって開始し、その駐車場20から退場する行為によって終了する。
同図に示す駐車シーケンスにおいては、有効駐車時間の満了前にユーザが駐車場20から退場し、その退場に先立ち、ユーザは前記出庫操作を行う。その結果、実駐車時間は、「入庫(駐車リクエストの発生、入庫操作)」を始点とし、「出庫操作」を終点とする。そのため、この駐車シーケンスにおいては、出庫ステージにおけるユーザの退場(車両と一緒に)が、実際の出庫(実出庫)を意味することになる。
<入庫処理>
図8には、携帯端末90によって実行される入庫処理プログラムと、管理サーバ50によって実行される入庫処理プログラムと、決済サーバ60によって実行される決済プログラムとが示されている。
携帯端末90の入庫処理プログラムは、ユーザが入庫のためにいずれかの駐車場20内に入場し、かつ、その駐車場20内のいずれかの、空いている車室22内にユーザが車両を入庫させたときに、ユーザによって手動で起動させられるか、または、自動的に起動することが望ましい。
ここに、前記入庫処理プログラムが自動的に起動するようにするために、例えば、携帯端末90が、いずれかの駐車場20内に携帯端末90の、測定された現在位置が存在するか否かを判定し、存在すると判定した後に、携帯端末90の位置が所定時間以上変化しない(または、その変化量が基準値以下である)場合に、車両がいずれかの車室22に入庫したと判定し、携帯端末90が前記入庫処理プログラムを自動的に起動させることが可能である。
これと同様にして、前記出庫処理プログラムを自動的に起動させることが可能である。
図8に示すように、携帯端末90は、ステップS101において、ユーザからの手や音声での入力(ログイン・リクエスト)に応じ、管理サーバ50が運営するウェブサイトにログインするためのリクエストをユーザIDと共に管理サーバ50に送信する。そのログイン・リクエストを受信すると、管理サーバ50は、携帯端末90と管理サーバ50との間に通信を確立する。
なお、本実施形態においては、ユーザおよび車両を特定するために、ユーザに、ユーザIDと車番とを携帯端末90に入力することが強制されるが、車番のみが入力されるようにしてもよい。なぜなら、車両とユーザとが1対1の関係にあるのであれば、車番によって車両が特定されれば、ひいては、ユーザも特定されることになるからである。
続いて、管理サーバ50は、ステップS201において、管理センタ40が集中的に管理している複数の駐車場(管理下駐車場)20の地図上位置(経緯度)を表す複数の駐車場データ(個別駐車場位置データ)をメモリ162において検索し、それによって取得された複数の駐車場データを携帯端末90に送信する。
その後、携帯端末90は、ステップS102において、GPS受信機152が外部から受信したGPS信号(または場内発信機30から受信した識別信号)に基づき、ユーザの現在位置(経緯度)を測定する。
続いて、携帯端末90は、ステップS103において、管理サーバ50から受信した複数の駐車場データによって表される複数の駐車場(管理下駐車場)20のうち、前記測定された現在位置からの距離が許容値(例えば、100m、200m、300m、400m、500mなど。「設定値」ともいう。)以下であるものを抽出し、それにより、前記複数の駐車場(管理下駐車場)20が、ユーザによって利用されることが地理的情報から単純に予想される複数の候補駐車場20に絞り込まれる。
その後、携帯端末90は、ステップS104において、全体地図のうち、現在位置の近傍に位置する部分地図を画面上に表示する。
続いて、携帯端末90は、ステップS105において、前記複数の候補駐車場20をそれぞれ表す複数のマーカ、例えば、ピンを、それぞれ対応する候補駐車場20の位置に関連付けて、前記部分地図上にオーバーレイされるように画面上に表示する。
続いて、携帯端末90は、ステップS106において、ユーザが、画面上に表示されている複数の候補駐車場20のうちのいずれかを、例えば、対応するマーカまたはピンをタップすることにより、自身が利用したい駐車場20として選択する。
その選択のみに応答するか、または、追加的なユーザからの入力(例えば、画面上で「入庫ボタン」をタップすることなど)に応答し、携帯端末90は、その選択された駐車場20の識別情報としての駐車場IDをユーザIDおよび入庫リクエストと共に管理サーバ50に送信する。ここに、「いずれかの駐車場を選択するためのユーザの操作」または「入庫ボタンをタップするというユーザの操作」は、前記「第1指示(駐車場を選択するための選択用操作)」の一例である。
ユーザは、携帯端末90の画面上に表示されている複数の候補駐車場20の中からしか、利用したい駐車場20を選択できない。すなわち、前記複数の駐車場(管理下駐車場)20のうち、ユーザの現在位置、正確には、携帯端末90の現在位置から遠方に位置するものの中からは、ユーザは、利用したい駐車場20を選択できない。
一方、入庫ステージにおいては、ユーザは自身の携帯端末90と共に自身の車両に乗車している状態でいずれかの駐車場(利用したい駐車場)20に入場するのが通常である。
よって、ユーザが、上述のように絞り込まれた複数の候補駐車場20の中からしか、利用したい駐車場20をユーザが選択できないということは、ユーザは、本人が実際に入庫している可能性が高いいずれかの駐車場20という現場においてしか、入庫処理を行うことができないように自ずと制限されるということを意味する。したがって、本実施形態によれば、駐車場20に関する場所認証(ユーザが現在、実際にいずれの駐車場20に滞在しているのかの判別)が行われ、ユーザは、本人が現在、実際に滞在している可能性の高い駐車場20しか利用できないこととなる。
一方、駐車場20については、空いている車室22が存在するのか、満室であるのかの判定が省略されている。そのため、ユーザには、利用したい駐車場20に実際に行ってそれの満空状態を自ら判断することが要求される。それにもかかわらず、ユーザが、利用したい駐車場20から離れた任意の場所でその駐車場20を予約することを許可すると、実際には満室の駐車場20をユーザが予約してしまう可能性がある。そのため、本実施形態においては、ユーザが、利用したい駐車場20から離れた任意の場所でその駐車場20を予約することが禁止されている。
その結果、携帯端末90は、事実上、利用したい駐車場20から離れた位置において、ユーザが入庫リクエストを携帯端末90に入力しようとしても、その入庫リクエストをアクセプトしないことになる。同様に、利用したい駐車場20から離れた位置において、ユーザは、その駐車場20を携帯端末90上で選択することさえできない。
なお、携帯端末90の最新の現在位置、すなわち、ユーザの最新の現在位置を、ステップS102の実行後のユーザの移動量の多少にかかわらず正確に測定するために、携帯端末90は、例えば、ステップS106を実行する直前に前記測位部を用いて最新の現在位置を取得し、その現在位置と、前記複数の候補駐車場20のそれぞれの代表地点との間の距離を測定し、いずれの距離も前記許容値以下である場合に、ステップS106の実行を許可するように設計することが望ましい。ステップS106の実行が許可されないと、ユーザは、利用したい駐車場20を利用する権限を付与されない。
これに代えて、携帯端末90は、例えば、ステップS106を実行した直後に前記測位部を用いて最新の現在位置を取得し、その現在位置と、前記複数の候補駐車場20のうちユーザによって仮に選択されたものの代表地点との間の距離を測定し、その距離が許容値以下である場合には、ユーザによる駐車場20の仮の選択を有効にする一方、前記距離が前記許容値より長い場合には、ユーザによる駐車場20の仮の選択を無効にするように設計することが望ましい。仮の選択が無効にされると、ユーザは、利用したい駐車場20を利用する権限を付与されない。
前記駐車場IDを携帯端末90から受信すると、管理サーバ50は、ステップS202において、駐車場IDに対応する駐車場情報をメモリ162において検索する。ここに、「駐車場情報」は、該当する駐車場20の名称、所在地、料金表データなどを含んでいる。その検索後、管理サーバ50は、その検索によって取得された駐車場情報を携帯端末90に送信する。
その後、携帯端末90は、ステップS107において、管理サーバ50から受信した駐車場情報のうち料金表データを除くものを画面上に表示する。
続いて、携帯端末90は、ステップS108において、管理サーバ50から受信した駐車場情報のうち料金表データを画面上に表示する。料金表データは、今回の駐車場20に駐車する時間(有効駐車時間、希望駐車時間)の長さと駐車料金(前払い料金)との関係を表している。結局、携帯端末90の画面上には、複数の駐車時間と複数の料金とがそれぞれ視覚的に互いに関連付けて表示されることになる。
その後、携帯端末90は、ステップS109において、ユーザからの入力に応じ、複数の料金のうちのいずれかを選択する。
続いて、携帯端末90は、ステップS110において、ユーザが自身の車両の車番(車両ナンバープレートの番号であって、例えば、4桁の数字)を携帯端末90に入力することを支援するためのウェブページを携帯端末90の画面上に表示する。これに対してユーザが自身の車両の車番を入力する。ここに、「車番」は、前述の「ユーザおよび/または車両に固有の識別情報」の一例であり、別の例は、車両に固有の画像データであってユーザが携帯端末90に内蔵されたデジタルカメラで撮影したものである。
続いて、携帯端末90は、ステップS111において、ユーザからの入力内容の最終確認をユーザに求めるため、現在時刻を入庫時刻として計測し、前記選択された料金の額に見合う長さの有効駐車時間が入庫時刻に加算されて予定出庫時刻を計算し、その予定出庫時刻と、前記入力車番とを画面上に表示する。その表示内容をユーザが確認した旨の入力が携帯端末90に対して行われると、そのことを表す確認済表示データおよびユーザIDと共に、入庫時刻、予定出庫時刻、車番および料金(前払い駐車料金)を含む駐車必要情報を管理サーバ50に送信する。入庫時刻、予定出庫時刻、車番および料金は、携帯端末90のメモリ132に保存される。
その駐車必要情報を携帯端末90から受信すると、管理サーバ50は、ステップS203において、駐車必要情報に含まれる入庫時刻をユーザIDに関連付けてメモリ162に保存する。
続いて、管理サーバ50は、ステップS204において、駐車必要情報に含まれる予定出庫時刻をユーザIDに関連付けてメモリ162に保存する。
その後、管理サーバ50は、ステップS205において、駐車必要情報に含まれる車番をユーザIDに関連付けてメモリ162に保存する。
なお、入庫時刻の測定および/または予定出庫時刻の計算は、携帯端末90においてではなく管理サーバ50において行ってもよい。
また、入庫時刻は、所定のイベントの出現時刻として測定され、例えば、携帯端末90が入庫リクエストを送信するというイベント、管理サーバ50が入庫リクエストを受信するというイベント、ユーザがいずれかの駐車場20を選択するというイベント、ユーザが前記最終確認を行うというイベント、ユーザの決済が完了するというイベントなどの複数のイベントのうちのいずれかの出現時刻と等しい時刻として測定してもよい。
ステップS111の実行後、携帯端末90は、ステップS112において、ユーザからの入力(決済リクエスト)に応じ、電子決済のための処理ステージに移行する。具体的には、携帯端末90は、決済リクエストを決済サーバ60に送信する。
その後、決済サーバ60は、ステップS301において、ユーザによる電子決済を支援するための決済用ウェブページを表す決済画面データを決済サーバ60のメモリにおいて検索し、その結果取得された決済画面データを携帯端末90に送信する。
続いて、携帯端末90は、ステップS113において、決済サーバ60から受信した決済画面データに基づき、決済用ウェブページを画面上に表示する。
その後、携帯端末90は、ステップS114において、その決済用ウェブページに対してユーザが電子決済のための情報(ユーザIDを含む)を入力すると、その決済情報を決済指示(決済リクエスト、電子決済リクエスト)およびユーザIDと共に決済サーバ60に送信する。ここに、「決済指示」は、前記「支払指示」の一例である。
その後、決済サーバ60は、ステップS302において、携帯端末90から受信した決済情報に基づいて電子決済を行い、それが完了すると、そのことを表す決済完了データを携帯端末90に送信し、その際、その決済完了データをユーザIDと共に管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS206において、今回のユーザに、今回の駐車場20を利用する権限を付与し、それにより、ユーザの入庫を許可する。
続いて、管理サーバ50は、ステップS207において、図11に示す管理リストであってメモリ162に記録されているものに、前述のユーザID、車番、入庫時刻および予定出庫時刻ならびに後述の出庫確認の有無についてのそれぞれのデータを登録する。その登録後、管理サーバ50は、入庫が許可されたことを表す入庫許可データを携帯端末90に送信する。
その入庫許可データを管理サーバ50から受信すると、携帯端末90は、ステップS115において、入庫が許可されたことを表すメッセージを画像または音声により出力する。
なお、図8に示す例においては、ステップS301およびS302が、決済サーバ60によって実行される前述の決済プログラムを構成する。この決済プログラムは、入庫処理のためであるか延長リクエスト処理のためであるか出庫処理のためであるかを問わず、同じプログラムである。ただし、説明の便宜上、図9および図10には、ステップS302のみ示されている。
<延長リクエスト処理>
図9には、携帯端末90によって実行される延長リクエスト処理プログラムと、管理サーバ50によって実行される延長リクエスト処理プログラムと、決済サーバ60によって実行される決済プログラムとが示されている。
図9に示すように、携帯端末90は、ステップS121において、ユーザからの手や音声での入力(例えば、画面上で「延長リクエスト・ボタン」をタップすることなど)に応じ、有効駐車時間を、その満了前に延長するための延長リクエストを車番と共に(またはユーザIDおよび車番と共に)管理サーバ50に送信する。携帯端末90は、有効駐車時間の満了後にあっては、ユーザから延長リクエストが入力されてもそれをアクセプトせず、拒絶する。ここに、「延長リクエスト・ボタンをタップするというユーザの操作」は、前記「第3指示(有効駐車時間を延長するための延長リクエスト用操作)」の一例である。
延長リクエスト処理においては、入庫処理とは異なり、駐車場20に関する場所認証は行われない。そのおかげで、ユーザは、利用中の駐車場20から離れた任意の場所で有効駐車時間の延長リクエストおよび延長料金の支払いを行うことができる。
その結果、携帯端末90は、利用中の駐車場20から離れた位置において、ユーザが延長リクエストを携帯端末90に入力すれば、その延長リクエストをアクセプトすることになる。
その延長リクエストを受信すると、管理サーバ50は、ステップS221において、携帯端末90から受信した車番と、図11に示す管理リストに登録されている複数の車番とを照合し、受信した車番に一致する車番が登録済であるか否かを判定する。登録済であれば、該当する駐車場20に対応する料金表データ(支払済みの料金の額に見合う長さの有効駐車時間からの延長時間の長さとその延長料金の額との関係)をメモリ162において検索し、その結果取得された料金表データを携帯端末90に送信する。
続いて、携帯端末90は、ステップS122において、受信した料金表データを画面上に表示する。
その後、携帯端末90は、ステップS123において、ユーザがいずれかの延長時間を選択すると、その選択結果に応じて更新された予定出庫時刻を計算し、メモリ132に保存した後、その予定出庫時刻を表すデータを延長リクエストと共に管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS222において、その受信した予定出庫時刻をメモリ162に保存する。
その後、携帯端末90は、ステップS124において、ユーザからの入力(決済リクエスト)に応じ、電子決済のための処理ステージに移行する。具体的には、携帯端末90は、決済リクエストを決済サーバ60に送信する。その後、決済サーバ60は、前記決済画面データを携帯端末90に送信する。
続いて、携帯端末90は、ステップS125において、決済サーバ60から受信した決済画面データに基づき、決済用ウェブページを画面上に表示する。
その後、携帯端末90は、ステップS126において、その決済用ウェブページに対してユーザが電子決済のための情報(ユーザIDを含む)を入力すると、その決済情報を決済指示(決済リクエスト)およびユーザIDと共に決済サーバ60に送信する。
その後、決済サーバ60は、ステップS302において、携帯端末90から受信した決済情報に基づいて電子決済を行い、それが完了すると、そのことを表す決済完了データを携帯端末90に送信し、その際、その決済完了データをユーザIDと共に管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS223において、ユーザによる有効駐車時間の延長を許可する。
続いて、管理サーバ50は、ステップS224において、図11に示す管理リストにおいて、予定出庫時刻を、延長後のものが反映されるように更新する。その更新後、管理サーバ50は、有効駐車時間の延長が許可されたことを表す延長許可データを携帯端末90に送信する。
その延長許可データを管理サーバ50から受信すると、携帯端末90は、ステップS127において、有効駐車時間が延長されたという事実と更新された予定出庫時刻とを画面上に表示するかおよび/またはスピーカによって音声出力する。
<出庫処理>
図10には、携帯端末90によって実行される出庫処理プログラムと、管理サーバ50によって実行される出庫処理プログラムと、決済サーバ60によって実行される前記決済プログラムとが示されている。
図10に示すように、携帯端末90は、ステップS141において、ユーザからの手または音声での入力(例えば、画面上で「出庫ボタン」をタップすることなど)に応じ、出庫リクエストを車番と共に(またはユーザIDおよび車番と共に)管理サーバ50に送信する。ここに、「出庫ボタンをタップするというユーザの操作」は、前記「第2指示(出庫を確認するための出庫操作)」の一例である。
出庫処理においては、入庫処理とは異なり、駐車場20に関する場所認証は行われない。そのため、ユーザは、利用中の駐車場20から離れた任意の場所で出庫処理を行うことができる。
その結果、携帯端末90は、利用中の駐車場20から離れた位置において、ユーザが出庫リクエストを携帯端末90に入力すれば、その出庫リクエストをアクセプトすることになる。
しかし、このようなユーザの出庫操作は、実際には車両が駐車場20に駐車し続けているにもかかわらず、あたかも実際に出庫したユーザになりすまし、ユーザが管理サーバ50に虚偽の通知を行うことに等しいから、不正行為に該当する。
これに対し、管理センタ40は、作業者を定期的に駐車場20に派遣して、その作業者は、予定出庫時刻を経過してもなお駐車場20に駐車されている車両を、それの車番と、前記管理リスト中の車番であって予定出庫時刻を経過しているものとを照合することによって摘発する。そのため、ユーザは、その摘発に対する罪悪感や羞恥心から、上述のような不正行為を自制しようとすることが期待される。
前記出庫リクエストを受信すると、管理サーバ50は、ステップS241において、携帯端末90から受信した車番と、図11に示す管理リストに登録されている複数の車番とを照合し、受信した車番に一致する車番が登録済であるか否かを判定する。登録済であれば、管理サーバ50は、ステップS242において、現在時刻を測定し、それと等しい時刻として出庫時刻を決定する。
その後、管理サーバ50は、ステップS243において、前記管理リストを参照することにより、該当する予定出庫時刻が、前記決定された出庫時刻より過去であるか否か、すなわち、実際駐車時間が有効駐車時間を超過しているか否かを判定する。
今回は、実際駐車時間が有効駐車時間を超過していないと仮定すると、ステップS243の判定がNOとなり、管理サーバ50は、ステップS244において、ユーザが車両を今回の駐車場20から出庫したことを確認する。
続いて、管理サーバ50は、ステップS245において、図11に示す管理リストを、該当する車番についての出庫確認が存在することを表すように更新し、さらに、出庫確認が完了したことを表す出庫確認データを携帯端末90に送信する。
その出庫確認データを管理サーバ50から受信すると、携帯端末90は、ステップS145において、出庫が確認されたという事実を画面上に表示するかおよび/またはスピーカによって音声出力する。
これに対し、今回は、実際駐車時間が有効駐車時間を超過していると仮定すると、ステップS243の判定がYESとなり、管理サーバ50は、ステップS246において、実際の出庫時刻と予定出庫時刻との差に基づき、ユーザが追加的に支払うべき追加料金の額を計算する。一例においては、追加料金が、ユーザにペナルティを課す意味において、前述の延長料金より高額となるように計算される。
その後、管理サーバ50は、ステップS247において、その追加料金の支払いをユーザに請求することを表す追加料金請求データを携帯端末90に送信する。
その追加料金請求データを受信すると、携帯端末90は、ステップS142において、ユーザからの入力(決済リクエスト)に応じ、電子決済のための処理ステージに移行する。具体的には、携帯端末90は、決済リクエストを決済サーバ60に送信する。その後、決済サーバ60は、前記決済画面データを携帯端末90に送信する。
続いて、携帯端末90は、ステップS143において、決済サーバ60から受信した決済画面データに基づき、決済用ウェブページを画面上に表示する。
その後、携帯端末90は、ステップS144において、その決済用ウェブページに対してユーザが電子決済のための情報(ユーザIDを含む)を入力すると、その決済情報を決済指示(決済リクエスト)およびユーザIDと共に決済サーバ60に送信する。
その後、決済サーバ60は、ステップS302において、携帯端末90から受信した決済情報に基づいて電子決済を行い、それが完了すると、そのことを表す決済完了データを携帯端末90に送信し、その際、その決済完了データをユーザIDと共に管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS248において、ユーザによる追加料金の支払いを確認し、ユーザによる出庫を確認する。続いて、管理サーバ50は、ステップS245に移行し、上述の処理が実行される。
[上述の実施形態によって得られるいくつかの例示的な効果]
1.駐車場管理者が駐車場20の設備に関して負担すべき費用および労力の軽減
本実施形態によれば、駐車場20に設置された設備を利用する代わりにユーザの携帯端末90を利用することにより、入庫のための手続、出庫のための手続および駐車時間延長のための手続を行うことができる。
したがって、本実施形態によれば、駐車場20に設置される設備の製造または購入、設置および保守点検に必要な費用および労力の削減が容易となる。
2.入庫ステージにおける駐車場20の誤選択の防止
本実施形態によれば、いずれかの駐車場20の選択を、携帯端末90の測位機能を利用しつつも、最終的な選択は、ユーザの操作に依存するため、測位機能の精度不足に起因した駐車場20の誤選択が確実に防止される。
3.満空状態が監視されない駐車場20を利用するユーザの不快感を軽減する。
本実施形態においては、駐車場20の満空状態が監視されないため、ユーザは、利用したい駐車場20に実際に行って自ら目視して空室22を探すことを要求される。その要求を顕在化させるために、ユーザは、利用したい駐車場20から離れた位置においては、入庫のための手続、すなわち、いわゆる駐車場20の予約を携帯端末90に対して行うことが禁止される。
その結果、利用したい駐車場20の遠方においてその駐車場20を予約したが、実際にその駐車場20に到着すると空室22が存在せず、駐車できないためにユーザが不快感を覚えてしまうという事態が回避される。
4.ユーザが出庫操作を行うことが可能である場所を選択する際の自由度が高い。
本実施形態によれば、ユーザは任意の場所で出庫操作を携帯端末90に対して行うことができる。そして、有効駐車時間の満了前であれば、追加料金の支払いなしで、正常な出庫操作が可能であり、一方、有効駐車時間の満了後であれば、追加料金さえ支払えば、正常な出庫操作が可能である。
このように、本実施形態によれば、駐車場20の位置においてユーザが不注意で出庫操作を懈怠した場合、その駐車場20から離れた場所で出庫操作を携帯端末90に対して行うことが可能であり、ユーザにとって便利である。
なお付言するに、上述の実施形態は、本発明を、ユーザの携帯端末90であってユーザによって携帯される場合と携帯されずに車内に載置される場合とがあるものを本発明における「ユーザ情報処理端末」として用いる通信環境に適用した場合のいくつかの具体例であるが、これに代えて、本発明は、例えば、ユーザの車両に搭載されたコンピュータであって通信機能と車両挙動情報取得機能とを有するものを本発明における「ユーザ情報処理端末」として用いる通信環境に適用することも可能である。
すなわち、本発明における「ユーザ情報処理端末」は、ユーザによって携帯されることを予定された種類の情報処理端末であっても車両に搭載される種類の情報処理端末であってもよいのである。
さらに付言するに、本実施形態において、携帯端末90において実行されていた処理の全部または一部をその代わりに管理サーバ50において実行してもよいし、逆に、管理サーバ50において実行されていた処理の全部または一部をその代わりに携帯端末90において実行してもよい。実行されるべき処理がいずれのデバイスで実行されるのかは、そのときの事情、例えば、取り扱われるデータの量や種類、各デバイスの処理速度および記憶容量などによって決まるのが通常であるからである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の概要]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。

Claims (8)

  1. ユーザによる駐車料金の電子決済に対応するため、チケットレス方式およびキャッシュレス方式で運営される複数の駐車場を集中的に管理するシステムであって、
    前記複数の駐車場によって共有されるサーバであって、各駐車場を利用するユーザの情報処理端末と通信可能であるものを含み、
    そのサーバは、
    各駐車場についての駐車料金を前記情報処理端末に送信する駐車料金送信部と、
    駐車料金を電子決済するための決済指示を前記情報処理端末から受信する決済指示受信部と
    を含み、
    前記情報処理端末は、
    測位部と、
    その測位部を用いて取得された前記情報処理端末の現在位置に基づき、前記複数の駐車場のうち前記現在位置の近傍に位置するものを複数の候補駐車場として選択して前記情報処理端末の画面上に表示する候補駐車場表示部と、
    ユーザがいずれかの駐車場に入場して滞在している状態において、ユーザが、前記画面上に表示されている複数の候補駐車場のうちのいずれかを選択するための選択指示を前記情報処理端末に対して行うと、前記現在位置の前記いずれかの候補駐車場からの距離が許容値以下であることを条件に、そのいずれかの候補駐車場を選択駐車場として選択する駐車場選択部と、
    その選択駐車場についての駐車料金を前記サーバから受信する駐車料金受信部と、
    前記選択駐車場について受信した駐車料金を電子決済するための決済指示を前記サーバに送信する決済指示送信部と
    を含む駐車場管理システム。
  2. 前記測位部は、GPS信号、前記情報処理端末の無線通信のための基地局からの位置信号または各駐車場に設置される発信機からの固有信号に基づき、前記情報処理端末の現在位置を測定する請求項1に記載の駐車場管理システム。
  3. 前記情報処理端末は、ユーザによって携帯される種類の情報処理端末または車両に搭載される種類の情報処理端末である請求項1または2に記載の駐車場管理システム。
  4. 前記サーバは、ユーザによる電子決済を支援するための決済用ウェブページを表す決済画面データをメモリにおいて検索し、その結果取得された決済画面データを前記情報処理端末に送信し、
    その情報処理端末は、前記サーバの前記送信部から受信した決済画面データに基づき、前記決済用ウェブページを前記画面上に表示する請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車場管理システム。
  5. 前記サーバは、各駐車場への入出庫を前記複数の駐車場について集中的に管理する管理サーバを含み、さらに、選択的に、前記駐車料金を電子決済するための決済サーバを含む請求項1ないし4のいずれかに記載の駐車場管理システム。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の情報処理端末として機能するために実行されるプログラム。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載のサーバとして機能するために実行されるプログラム。
  8. 請求項6または7に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
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