JP2022042000A - 容器 - Google Patents

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Mihoko Yoshida
友弥 森城
Yuya Moriki
雅也 中村
Masaya Nakamura
潤 鈴木
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Abstract

【課題】環境負荷が小さく、意匠性に優れ、紙層の内部における層間剥離を抑制することが可能な容器を提供する。【解決手段】内容物を収容する胴部を有する容器であって、胴部は、中間層を形成する紙層12と、紙層12の内側に積層された内側樹脂層11と、紙層12の外側に積層された外側樹脂層13とを有する積層体10から形成され、紙層12には、胴部の全体にわたって複数の貫通穴14が形成され、複数の貫通穴14において内側樹脂層11と外側樹脂層13とが接着されている。【選択図】図1

Description

本発明は、容器に関する。
特許文献1には、最内面のシーラント層と接合される接合層を最外面に有する円筒状の積層フィルムから構成された筒状部材と、天面部に設けられた天面部材と、底面部に設けられた底面部材とを備え、自立性を有する筒状容器が記載されている。
特許文献2には、少なくとも紙を基材とし、基材の表裏に透視可能なフィルムを配置した側面を備え、側面に基材のない窓部を設けた液体用紙容器が記載されている。
特開2020-1715号公報 特開2015-98339号公報
近年、容器包装におけるプラスチックの使用量を削減し、紙やセロファン等の生分解性材料の使用量を増大させる試みがなされている。しかし、従来、プラスチック容器が使用されていた分野において、紙やセロファン等で代替しようとすると、プラスチックによる高級感のある意匠性を再現することが容易でなかった。
また、容器の基材に紙を用いる場合は、紙層に層間剥離が発生する恐れがあった。例えば、紙層を筒状に形成した場合、筒の長さ方向また周方向で紙層の端部が露出する等して、紙層が劣化するおそれがある。また、紙層の端部でなくても、しごき等の外力が作用したときに、層間剥離によって紙層が劣化するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、環境負荷が小さく、意匠性に優れ、紙層の層間剥離を抑制することが可能な容器を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、内容物を収容する胴部を有する容器であって、前記胴部は、中間層を形成する紙層と、前記紙層の内側に積層された内側樹脂層と、前記紙層の外側に積層された外側樹脂層とを有する積層体から形成され、前記紙層には、前記胴部の全体にわたって複数の貫通穴が形成され、前記複数の貫通穴において前記内側樹脂層と前記外側樹脂層とが接着されていることを特徴とする容器を提供する。
前記内側樹脂層および前記外側樹脂層が、それぞれ、接着性樹脂層またはシーラント樹脂層から形成されていてもよい。
前記積層体が、少なくとも片面に印刷層を有する印刷基材層と、前記印刷基材層を前記紙層の外側から前記紙層に接着する接着性樹脂層とを有してもよい。
前記胴部の内面または外面に、前記貫通穴の形状に対応した凹凸を有してもよい。
前記積層体が、前記胴部の内面を形成する第1シーラント樹脂層と、前記胴部の外面を形成する第2シーラント樹脂層とを有し、前記胴部は、周方向の両端部において、前記胴部の内面と前記胴部の外面とを接合して筒状に形成されていてもよい。
前記胴部が筒状であり、前記胴部の長さ方向の少なくとも一方の端部に、成形部材または端面部材が接合されていてもよい。
前記成形部材または前記端面部材が、内容物を取り出すための開口部を有してもよい。
本発明によれば、環境負荷が小さく、意匠性に優れ、紙層の層間剥離を抑制することが可能な容器を提供することができる。
積層体の例を示す断面図である。 印刷基材層を有する積層体の例を示す断面図である。 (a)~(d)積層体における貫通穴のパターンを例示する平面図である。 第1実施例の容器を示す正面図である。 第2実施例の容器を示す正面図である。 第3実施例の容器を示す正面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。図1および図2は、実施形態の積層体10,100の例を示す。また、図3(a)~(d)は、積層体10,100における貫通穴14のパターンを例示する平面図である。
図1または図2に示すように、実施形態の積層体10,100は、中間層となる紙層12に、積層体10,100の全体にわたって複数の貫通穴14が形成されている。貫通穴14は、紙層12の内面と外面との間を貫通している。積層体10,100は、紙層12に加えて、少なくとも、紙層12の内側に積層された内側樹脂層11と、紙層12の外側に積層された外側樹脂層13,17とを有する。内側樹脂層11および外側樹脂層13,17は、貫通穴14を閉鎖している。
内側は、胴部に内容物が収容される空間に近い側であり、外側は、胴部に内容物が収容される空間から遠い側である。内側の面を内面、外側の面を外面といい、さらに、内面と外面とを合わせて両面という場合がある。
実施形態の容器は、積層体10,100から形成された胴部を有する。貫通穴14は、胴部の全体にわたって分布している。積層体10,100の厚さ方向の両面は、それぞれ胴部の内面および外面を形成することができる。積層体10,100から胴部を形成する際、積層体10,100の内面に他の層を積層して、当該他の層から胴部の内面が形成されてもよい。また、積層体10,100の外面に他の層を積層して、当該他の層から胴部の外面が形成されてもよい。これらの他の層としては、コーティング層、カバーフィルム層等が挙げられる。
積層体10,100は、貫通穴14の内部において、内側樹脂層11と外側樹脂層13,17とが接着された接着部15を有する。接着部15が、内側樹脂層11と外側樹脂層13,17との溶着により形成されてもよい。内側樹脂層11または外側樹脂層13,17のいずれかが接着性樹脂層である場合には、接着性樹脂層の接着力により、接着部15が形成されてもよい。このように、接着部15において、内側樹脂層11と外側樹脂層13,17とが直接接してもよく、内側樹脂層11と外側樹脂層13,17との間に介在させる接着剤により接着部15が形成されてもよい。以下の説明では、内側樹脂層11と外側樹脂層13,17とを総称して、樹脂層11,13,17という場合がある。
貫通穴14の内部に樹脂層11,13,17からなる接着部15が形成されることにより、紙層12の層間剥離を抑制することができる。例えば、積層体10,100から胴部の形状および寸法に裁断する場合、積層体10,100の端部に沿う方向で、紙層12が連続せず、紙層12の部分と、貫通穴14の内部に接着部15が形成された部分とが交互に繰り返している。これにより、積層体10,100の端部における紙層12の強度を向上することができる。
接着部15が形成された貫通穴14は、必ずしも積層体10,100の端部上に存在しなくてもよく、積層体10,100の端部の近傍であってもよい。また、積層体10,100の端部以外の領域においても、積層体10,100の全体にわたって、接着部15が形成された貫通穴14が分布する。これにより、しごき等の外力が積層体10,100に作用しても、紙層12の層間剥離が抑制され、容器の強度を向上することができる。
積層体10,100は、胴部を形成するための原反として利用することができる。胴部用の原反は、一枚から多数の胴部を形成できる面積を有してもよい。原反のうち、胴部が形成される領域に貫通穴14および接着部15が形成されていればよい。胴部が形成されない領域、例えば、原反を裁断して胴部を形成する際に裁断屑となる領域では、貫通穴14または接着部15の形成を省略してもよい。
紙層12の厚さ方向に交差する面内で、貫通穴14の部分を含む紙層12の全面積のうち、貫通穴14の面積が占める割合(面積比)は、例えば1~99%程度、あるいは10~90%程度が挙げられる。貫通穴14の面積比が大きいほど、接着部15が形成される面積比が大きくなるので、紙層12を補強する効果が向上する。貫通穴14を除く紙層12の面積比が大きいほど、紙の使用量を向上し、樹脂の使用量を削減することができる。貫通穴14の面積比の具体例としては、特に限定されないが、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、あるいはこれらの中間値または近傍の値が挙げられる。
紙層12の厚さ方向に交差する面内における複数の貫通穴14のパターンは特に限定されず、規則的でもよく、不規則でもよい。特定の個数の貫通穴14を含む単位領域の範囲内では、貫通穴14を規則性が乏しいように配置しながら、胴部の所定の方向に単位領域を規則的に繰り返してもよい。積層体10,100が長尺のウェブを形成する場合は、搬送方向(MD)、幅方向(TD)、または斜め方向に貫通穴14のパターンを繰り返してもよい。胴部が円筒状、角筒状等の筒状である場合は、胴部の周方向、長さ方向、または斜め方向に貫通穴14のパターンを繰り返してもよい。
筒状の胴部の周方向とは、筒状の胴部を横断する横断面において、胴部の環状の断面に沿う方向である。筒状の胴部の長さ方向とは、筒状の胴部が両側で開口する両端部を結ぶ方向である。筒状の胴部を立てて配置する場合、長さ方向は高さ方向と同じである。筒状の胴部の径方向とは、長さ方向に交差する面内において、胴部の環状の断面上の任意の点と中心点とを結ぶ方向である。
図3(a)~(d)に示す平面図は、例えば紙面の左右方向を胴部の周方向に、また紙面の上下方向を胴部の長さ方向に対応させた展開図を例示する。図3(a)および(b)には、貫通穴14が四角形(略正方形)の例を示し、図3(c)および(d)には、貫通穴14が円形の例を示す。図3(a)および(c)には、隣接する貫通穴14が斜め方向に繰り返して配列された例を示す。図3(b)および(d)には、隣接する貫通穴14が上下方向および左右方向に繰り返して配列された例を示す。
貫通穴14の形状は、四角形または円形に限定されるものではなく、任意の形状を採用することが可能である。貫通穴14の形状が、例えば、三角形、五角形、六角形等の多角形でもよく、楕円形、卵形等の曲線図形でもよい。所望の幅を有する線状の貫通穴14を波形、雲形、山形等の適宜の形状に配置してもよい。形状、寸法等の異なる2種以上の貫通穴14を混在させてもよい。紙層12に貫通穴14を形成するには、打ち抜き、プレス金型等の工具を用いてもよい。
貫通穴14の直径としては、例えば、1~20mmの範囲内が挙げられる。貫通穴14の形状が多角形である場合の直径とは、互いに対向する頂点と頂点、辺と辺、または頂点と辺との距離であり、これらが2以上ある場合は、最小値および最大値が上記範囲内であることが好ましい。貫通穴14の形状が楕円形等の非円形である場合の直径とは、例えば、貫通穴14の外周上の任意の2点間を結ぶ距離の最大値が挙げられる。貫通穴14の直径の具体例は、特に限定されないが、例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、8mm、10mm、12mm、15mm、20mm等、あるいはこれらの中間値または近傍の値が挙げられる。
隣接する貫通穴14の間隔としては、例えば、1~20mmの範囲内が挙げられる。貫通穴14の間隔は、例えば、隣接する2つの貫通穴14のうち、第1の貫通穴14の外周上の任意の1点と、第2の貫通穴14の外周上の任意の1点とを結ぶ距離の最小値が挙げられる。貫通穴14の間隔の具体例は、特に限定されないが、例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、8mm、10mm、12mm、15mm、20mm等、あるいはこれらの中間値または近傍の値が挙げられる。
積層体10,100の貫通穴14で積層される樹脂層11,13,17が透明である場合は、積層体10,100の外面から内容物を視認することができる。印刷基材層16を有する積層体100の場合は、印刷基材層16の透明度にもよるが、積層体100の外面から内容物の状態を目視で確認することができる。樹脂層11,13,17が着色またはヘイズを有する場合も、貫通穴14の内側を通じて、内容物の量、形状等を陰影のように積層体10,100の外面から確認できる構造とすることができる。透明という場合は、無色透明に限らず、着色透明でもよい。
貫通穴14を通じて積層体10,100が透明となる場合は、内容物の色彩、形状等を貫通穴14の位置に表すと共に、貫通穴14の周囲における積層体10,100の色彩等と組み合わせて、経時的に変化する意匠を実現することもできる。例えば、内容物として、貫通穴14の直径と同程度またはそれ以下の粒径を有する粒子を含む液体を用いてもよい。具体例としては、粒状物を分散させた飲料、調味料、薬剤等が挙げられる。
紙層12は、紙のシートから形成される。紙を構成する繊維としては、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維、合成繊維、再生繊維などが挙げられる。積層体10,100の石油依存度を低減する観点から、木材パルプ、竹パルプ、藁パルプ、靭皮繊維、種子毛繊維、葉脈繊維、草類繊維等の植物繊維を膠着させて製造した紙が好ましい。積層体10,100の両面に樹脂層11,13,17が積層されることから、紙層12を形成する紙自体に樹脂層を設ける必要はない。積層体10,100を薄くし、胴部の加工を容易にする観点から、紙層12の坪量を7~60g/m程度とすることが好ましい。
紙層12の色は特に限定されず、白色でもよく、褐色、黄色等の有色でもよい。紙層12を着色する場合は、抄紙する段階のパルプに染料等の着色材を添加してもよく、抄紙した後の紙層12に染料等の着色材を吸着させてもよい。紙層12がグラデーションやパターン等により、領域ごとに2種以上の多色を有してもよく、着色が柄を形成してもよい。紙層12を形成する紙の一部または全部の領域が、染色、金属蒸着などにより着色されていてもよい。紙層12の色は、外側樹脂層13,17を通して、積層体10,100の外面から視認できるようにしてもよい。この場合、着色された紙層12が積層体10,100の外面から視認可能になる。
図1に示す積層体10では、紙層12の両面に対して、内側樹脂層11が第1シーラント樹脂層11から形成され、外側樹脂層13が、第2シーラント樹脂層13から形成されている。第1シーラント樹脂層11は、胴部の内面を形成し、第2シーラント樹脂層13は、胴部の外面を形成する。積層体10に関しては、内側樹脂層11および第1シーラント樹脂層11に同一の符号を用いると共に、外側樹脂層13および第2シーラント樹脂層13に同一の符号を用いている。
図2に示す積層体100では、紙層12と第2シーラント樹脂層13との間に、印刷基材層16および接着性樹脂層17が積層されている。紙層12の両面に対して、内側樹脂層11が第1シーラント樹脂層11から形成され、外側樹脂層17が、接着性樹脂層17から形成されている。接着性樹脂層17は、少なくとも、紙層12と印刷基材層16との層間接着に用いられる。さらに、接着性樹脂層17が、第1シーラント樹脂層11と接着可能であってもよい。積層体100に関しては、内側樹脂層11および第1シーラント樹脂層11に同一の符号を用いると共に、外側樹脂層17および接着性樹脂層17に同一の符号を用いている。
貫通穴14の内部で内側樹脂層11と外側樹脂層13,17とが接合されることにより、胴部の内面および外面となる積層体10,100の表面には、貫通穴14の形状に対応した凹凸が形成される。第1シーラント樹脂層11の表面には、内側樹脂層11の内面が貫通穴14の内部に落ち込んだ深さに応じて凹んだ凹部11aと、凹部11aの周囲に残った表面からなる凸部11bとが形成される。第2シーラント樹脂層13の表面には、外側樹脂層13,17の内面が貫通穴14の内部に落ち込んだ深さに応じて凹んだ凹部13aと、凹部13aの周囲に残った表面からなる凸部13bが形成される。
なお、紙層12の内面に積層される内側樹脂層11が、必ずしも胴部の内面を形成する第1シーラント樹脂層11でなくてもよい。第1シーラント樹脂層11と紙層12との間に他の層(図示せず)を介在させ、他の層と紙層12の内面とを接着するために接着性樹脂層を積層してもよい。この場合は、接着性樹脂層が内側樹脂層11となる。他の層としては、特に限定されないが、樹脂層、紙層、金属層、セロファン層などが挙げられる。
図1および図2では、紙層12の両面から、それぞれ内側樹脂層11および外側樹脂層13,17が貫通穴14の内部に落ち込んだ様子を示している。その結果、第1シーラント樹脂層11および第2シーラント樹脂層13の表面には、それぞれ凹部11a,13aおよび凸部11b,13bが形成されている。以下の説明では、第1シーラント樹脂層11または第2シーラント樹脂層13の総称として、シーラント樹脂層11,13という場合がある。
特に図示しないが、内側樹脂層11のみが貫通穴14の内部に落ち込んで、胴部の内面となる第1シーラント樹脂層11の表面のみに凹部11aおよび凸部11bが形成されてもよい。また、外側樹脂層13,17のみが貫通穴14の内部に落ち込んで、胴部の外面となる第2シーラント樹脂層13の表面のみに凹部13aおよび凸部13bが形成されてもよい。
シーラント樹脂層11,13の表面に凹部11a,13aが形成されることにより、内容物または容器を把持する手指等に対する触覚を調整または改善することができる。胴部の外面となる第2シーラント樹脂層13に形成される凹部13aおよび凸部13bの場合は、滑り止めとなり、また外観を美麗にすることができる。シーラント樹脂層11,13の凹部11a,13aにより貫通穴14の位置に陰影が生じやすくなる。貫通穴14の樹脂層11,13,17が透明である場合は、凹部11a,13aによる陰影と、樹脂層11,13,17の色彩、さらには貫通穴14を通じて視認される胴部の内容物等が重なり合って、多様な意匠を実現することができる。
内側樹脂層11および外側樹脂層13,17の両方がそれぞれ貫通穴14の内部に落ち込んで貫通穴14の断面を塞ぐ場合は、内側樹脂層11または外側樹脂層13,17の片方のみが貫通穴14の内部に落ち込んで貫通穴14の断面を塞ぐ場合に比べて、各樹脂層11,13,17の厚さを薄くし、合わせて積層体10,100の厚さを薄くすることができる。
貫通穴14の内部で内側樹脂層11と外側樹脂層13,17とを接合するとき、積層体10,100を内側または外側から加圧する方向、強さ等を調節することにより、樹脂層11,13,17が貫通穴14の内部に落ち込む方向または深さを調整することができる。樹脂層11,13,17を加圧する際に、樹脂層11,13,17が加熱溶融していると、樹脂層11,13,17の流動性が上昇するため、貫通穴14を塞ぎやすくなる。気泡の残留を抑制するため、超音波等を用いて振動を加えてもよい。
紙層12に接する樹脂層11,13,17は、紙層12に加熱溶着または成形する際に、適度な流動性を有することが好ましい。例えば、加熱溶着または成形する温度におけるメルト(マス)フローレイト(MFR)が、5~20g/10min程度であることが好ましい。紙層12に樹脂層11,13,17を積層する前に、樹脂層11,13,17との接着性を改善するため、紙層12の表面にアンカー処理等の表面処理を施してもよい。
貫通穴14を有する紙層12の内面に向けて、先に内側樹脂層11を積層した後で、紙層12の外面に外側樹脂層13,17を積層してもよい。また、貫通穴14を有する紙層12の外面に向けて、先に外側樹脂層13,17を積層した後で、紙層12の内面に内側樹脂層11を積層してもよい。貫通穴14を有する紙層12の片側に樹脂層11,13,17を積層する際には、樹脂層11,13,17の反対側となる紙層12の面に、ゴム、フィルム等の受け面を設置してもよい。
シーラント樹脂層11,13を形成するシーラント樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等の環状オレフィン系樹脂、熱可塑性樹脂、接着性樹脂、コーティング剤などの少なくとも1種以上が挙げられる。シーラント樹脂層11,13は、同種のシーラント樹脂層11,13に対する溶着性を有する樹脂であれば、特に制限なく使用することができる。第1シーラント樹脂層11または第2シーラント樹脂層13のそれぞれの厚さは、例えば10~50μmであり、25~30μm程度でもよい。
積層体10,100の両面にシーラント樹脂層11,13が積層されることから、積層体10,100から筒状の胴部を形成する際、胴部の周方向の一方の端部における積層体10,100の内面と、胴部の周方向の他方の端部における積層体10,100の外面とを、対向させて接合することが好ましい。胴部の周方向の両端部において、胴部の内面と胴部の外面とを接合することで、積層体10,100を筒状に形成する場合は、積層体10,100の内面同士または外面同士を接合した場合のように、接合部が胴部の径方向に突出することがない。このため、接合部における意匠性、手触り感を向上することができる。
シーラント樹脂層11,13を用いたヒートシールによって積層体10,100から胴部が形成される場合は、部分的な接着剤の塗布により積層体10,100を接合する場合に比べて、接着剤のはみ出しや塗布不足の問題がなく、積層体10,100の接合をより確実に行うことができる。シーラント樹脂層11,13の少なくとも一方のシーラント樹脂が溶融することにより、紙層12または印刷基材層16の端部を被覆してもよい。また、積層体10,100の周方向の端部において、紙層12または印刷基材層16の端部を被覆するため、樹脂、ワニス等のコート剤を塗布してもよい。
筒状の胴部において、積層体10,100の周方向の端部を接合した接合部またはその近傍部では、上述したように、紙層12の両面に積層された樹脂層11,13,17が、貫通穴14の内部で接合されている。このため、接合部に接する紙層12の端部における、紙層12の層間剥離を抑制することができる。
接着性樹脂層17を形成する接着性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等の環状オレフィン系樹脂、熱可塑性樹脂、コーティング剤などの少なくとも1種以上が挙げられる。紙層12および印刷基材層16の材質、表面状態等に応じた接着性樹脂を使用することが好ましい。接着性樹脂層17の厚さは、例えば10~50μmであり、25~30μm程度でもよい。
紙層12に接する樹脂層11,13,17のそれぞれの厚さは、貫通穴14を有する紙層12の厚さの半分に対して、好ましく5μm以上、より好ましくは10μm以上厚いことが好ましい。これにより、樹脂層11,13,17の一部が貫通穴14の内部に落ち込んでも、貫通穴14の周囲の紙層12の面に対して、より均一に樹脂層11,13,17を接着することができる。
シーラント樹脂層11,13または接着性樹脂層17の少なくとも一つがバイオマス樹脂を含有することが好ましい。シーラント樹脂または接着性樹脂が、バイオマス樹脂と他の樹脂とを併用した混合物でもよい。シーラント樹脂または接着性樹脂が、バイオマス樹脂のみから形成されてもよい。シーラント樹脂または接着性樹脂として使用できるバイオマス樹脂としては、バイオマスポリエチレン、バイオマスポリプロピレン、バイオマスポリエチレンテレフタレート、バイオマスポリ乳酸などが挙げられる。
石油等の化石燃料に由来する合成樹脂は、質量数が14の放射性炭素(14C)を含まないのに対し、植物等のバイオマスに由来するバイオマス樹脂は、炭素に14Cを含むことから、両者の区別が可能である。バイオマス由来の炭素の割合(バイオマス度)は、14Cの含有量に基づき測定可能である。バイオマス樹脂のバイオマス度は、50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、100%が最も好ましい。
第2シーラント樹脂層13は、紙層12または印刷基材層16の上に積層されることから、積層体10,100の外面から紙層12または印刷基材層16の少なくとも一方を視認できるように、透明性の高いシーラント樹脂であることが好ましい。透明性の高いシーラント樹脂として、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)よりも結晶性の低い、低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、ヒートシール性、透明性に優れるため、好ましい。第2シーラント樹脂層13を、紙層12または印刷基材層16の上に積層することにより、紙層12または印刷基材層16に形成した印刷層等の意匠を保護し、防水性、防汚性を付与し、色落ちを抑制することができる。
印刷基材層16は、印刷基材と、印刷基材の少なくとも片面に積層された印刷層から形成される。印刷基材としては、紙、セロファン、樹脂フィルム、金属箔等が挙げられる。セロファン、樹脂フィルム等のように、印刷基材が透明である場合は、印刷基材の内面に印刷層が形成されてもよい。印刷基材の両面に印刷層を積層した場合は、これらの印刷層の意匠を重ね合わせて、積層体10,100の外側から視認可能とすることができる。
印刷層が積層体10,100の全面に形成される場合は、紙層12が積層体10,100の外面から視認できないようにすることができる。印刷層の一部を省略する等により、印刷層の内側に積層された紙層12が、積層体10,100の外面から視認できるようにしてもよい。印刷層は、顔料、染料等の着色材と、樹脂、油脂等のバインダーを含むインク層から形成することができる。
印刷基材の全面にベタ印刷の印刷層を形成した上に、柄印刷の印刷層を重ね合わせてもよい。柄印刷は、複数の色を含むパターン印刷であってもよい。多色印刷の色数は特に限定されないが、例えば、2色、3色、4色、5色、6色、7色、8色等が挙げられる。ベタ印刷の全面に柄印刷が積層されてもよい。ベタ印刷の一部の領域にのみ、柄印刷が積層されてもよい。柄印刷が2層以上積層されてもよい。
積層体10,100の厚さは、例えば各層を合計した総厚としての厚さが500μm以下であることが好ましく、350μm程度や200μm程度などでもよい。積層体10,100の厚さのうち、紙層12が占める割合としては、例えば、5~95%、10%~90%、20%~80%等が挙げられる。積層体10,100の厚さのうち、印刷基材層16が占める割合としては、例えば、5~95%、10%~90%、20%~80%等が挙げられる。積層体10,100の厚さのうち、シーラント樹脂層11,13または接着性樹脂層17の厚さの合計が占める割合としては、例えば、5~95%、10%~90%、20%~80%等が挙げられる。積層体10,100において、紙層12、印刷基材層16、シーラント樹脂層11,13、接着性樹脂層17の材質、厚さ等のバランスは適宜、設計することが可能である。
積層体10,100は、上述した各層以外の層を有してもよい。例えば、紙層12と第2シーラント樹脂層13との間に、透明な樹脂フィルムを基材層、補強層等として積層してもよい。透明な樹脂フィルムの透明性は、無色透明に限らず、着色された透明であってもよい。紙層12と第1シーラント樹脂層11との間に、所望の樹脂フィルムを基材層、補強層等として積層してもよい。
シーラント樹脂層11,13以外の樹脂層として、積層体10,100の中間層に積層できる樹脂フィルムの材質としては、特に限定されないが、ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン系樹脂、延伸ポリプロピレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。中間層として用いられる樹脂フィルムの厚さとしては、例えば5~50μmであり、より好ましくは7~30μmである。
積層体10,100は、バリア層を有しない包装材であってもよい。あるいは、積層体10,100が、バリア層を有する包装材であってもよい。バリア層は、水蒸気または酸素の透過性を低下させる層である。積層体10,100のバリア層としては、アルミニウム箔等の金属箔、アルミニウム等の金属またはシリカ、アルミナ等の金属酸化物等を蒸着した樹脂フィルムが挙げられる。積層体10,100がバリア層を有しない場合も、積層体10,100の両面にシーラント樹脂層11,13が積層されるため、紙層12に比べて水蒸気や酸素等の透過性を低下させることができる。シーラント樹脂層11,13は、紙層12より透過性が低いことが好ましい。
第1シーラント樹脂層11により紙層12の内面を覆い、第2シーラント樹脂層13または接着性樹脂層17により紙層12の外面を覆うことにより、積層体10,100の吸水性を抑制することができる。印刷基材層16の印刷基材として、紙、セロファン等を用いた場合も、第1シーラント樹脂層11または接着性樹脂層17により印刷基材層16の内面を覆い、第2シーラント樹脂層13により印刷基材層16の外面を覆うことにより、積層体10,100の吸水性を抑制することができる。これにより、積層体10,100の耐水性を向上させ、また、紙層12または印刷基材層16の吸湿による積層体10,100のシワ、外観不良を抑制することができる。
積層体10,100を形成する各層を積層する方法は、特に限定されないが、ドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出法等が挙げられる。各層の間には、接着剤、接着性樹脂、アンカー剤等からなる接着層を設けてもよい。積層体10,100に、酸素吸収機能、匂い吸収機能、非吸着機能など、1または2以上の機能性を付与してもよい。このため、積層体10,100が、酸素吸収機能、匂い吸収機能、非吸着機能など、1または2以上の機能性を有する機能性層を有してもよい。
酸素吸収機能を有する機能性層(酸素吸収層)は、例えば、共役ジエン重合体、遷移金属化合物等の酸素吸収剤を含有する樹脂層から形成してもよい。
匂い吸収機能を有する機能性層(匂い吸収層、消臭層等)は、例えば、匂い吸収剤を含有する樹脂層または紙層から形成してもよい。匂い吸収剤としては、アンモニア、アミン類、硫化水素、メルカプタン類、塩素化合物、アルデヒドなどの臭気成分を分解または吸収する消臭剤、臭気成分に対する感覚を緩和する香料や芳香剤などが挙げられる。臭気分解剤としては、目的の臭気成分ごとに適宜の薬剤を用いてもよい。臭気吸着材としては、活性炭、木竹炭、ゼオライト等の多孔質体を用いてもよい。
非吸着機能を有する機能性層(非吸着層)は、例えば、内容物に接するシーラント層または内容物に近い内側の層として、ポリエステル系樹脂、環状オレフィン系樹脂等の非吸着樹脂を含有する樹脂層を積層してもよい。
実施形態の容器は、上述の積層体10,100によって内容物の収容空間が包囲された胴部を有する。胴部に収容される内容物は特に限定されず、液体、固体、粉体、粒体、これらの2種以上の混合物など任意である。胴部内に収容された内容物は、上述の積層体10,100によって包囲される。内容物の種類としては、特に限定されず、飲料品、食料品、調味料、化粧品、医薬品、洗剤、接着剤、家庭用品、工業製品などが挙げられる。
筒状の胴部は、長さ方向の両端部に開口する端面を有する。これらの端面の形状は、円形に限らず、楕円形、長円形、卵形、多角形等でもよい。端面形状の多角形としては、例えば三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形等が挙げられる。胴部の両端面の形状が合同(同一形状および同一寸法)である場合に限らず、例えば、一方の端面が他方の端面より大または小となるように、胴部がテーパを有してもよい。例えば、一方の端面が円形で、他方の端面が多角形等となるように、胴部の両端面の形状が互いに異なってもよい。
胴部の直径は、特に限定されないが、例えば、5~250mmの範囲内で、10~200mmの範囲内が好ましい。胴部が角筒状である場合の直径とは、互いに対向する頂点と頂点、辺と辺、または頂点と辺との距離であり、これらが2以上ある場合は、最小値および最大値が上記範囲内であることが好ましい。胴部の直径は、特に限定されないが、例えば、20mm、50mm、100mm、150mm等でもよい。
筒状の胴部の長さ方向の少なくとも一方の端部には、成形部材または端面部材が接合されていてもよい。成形部材または端面部材は、胴部の端面を閉鎖してもよい。成形部材または端面部材には、内容物を取り出すための開口部が設けられてもよい。成形部材は、立体的な成形品とすることができる。端面部材は、シート状のフィルムまたは積層体など、二次元的に平面または曲面のような薄い部材としてもよい。
成形部材または端面部材は、例えば胴部の長さ方向を上下方向に配置した場合の上面(天面)または下面(底面)に配置することができる。胴部の長さ方向が上下方向でない場合も、胴部の端面の少なくとも一方に、成形部材または端面部材を配置することができる。
成形部材は、金属、樹脂、木材等から形成することができる。成形部材は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などの成形樹脂から形成することが好ましい。成形樹脂は、充填材、安定剤等の添加物を含有してもよい。成形樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂;その他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
胴部を形成する積層体10,100と成形部材との接合部において、シーラント樹脂層11,13または成形樹脂から選択されるいずれかの樹脂が溶融することにより、紙層12または印刷基材層16の端部が樹脂で被覆されてもよい。また、積層体10,100の長さ方向の端部において、紙層12または印刷基材層16の端部を被覆するため、樹脂、ワニス等のコート剤を塗布してもよい。
端面部材は、胴部と同様な積層体10,100から形成してもよく、他のシート状部材から形成してもよい。端面部材を形成し得る、他のシート状部材としては、樹脂フィルム、紙基材、樹脂に紙や金属箔等の異種材料を積層したラミネートフィルム等が挙げられる。ラミネートフィルムが少なくとも片面にシーラント樹脂層を有する場合、端面部材のシーラント樹脂層を、胴部のシーラント樹脂層11,13と接合することができる。他のシート状部材の紙基材は、貫通穴14を有しない紙層であってもよい。
胴部の長さ方向の端部に端面部材を接合する場合には、胴部を形成する積層体10,100のシーラント樹脂層11,13の少なくとも一方と、端面部材の厚さ方向の少なくとも一方の面とを対向させて、接合することができる。端面部材の周辺部を胴部の内面または外面に沿って、胴部の長さ方向に屈曲させてもよい。
成形部材または端面部材が、非可撓性の板状であってもよい。成形部材または端面部材が、胴部の下部において底板であってもよい。底板は、例えば、硬質の樹脂で形成されている。底板を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂などが挙げられる。底板は、例えば、射出成形などによって作製することができる。
底板を胴部と接合するには、ヒートシール(熱溶着)を用いることができる。熱溶着による接合方法は特に限定されないが、超音波溶着、高周波溶着、レーザー溶着などが挙げられる。底板と胴部とは、接着剤により接合してもよい。
胴部と成形部材または端面部材とを接合した接合部またはその近傍部では、上述したように、貫通穴14を有する紙層12の両面に積層された樹脂層11,13,17が、貫通穴14の内部で接合されている。このため、接合部に接する紙層12の端部における、紙層12の層間剥離を抑制することができる。
<筒状容器>
図4に、第1実施例の容器として、筒状容器20を示す。筒状容器20は、上述の積層体10,100から形成される胴部21と、胴部21の上端部に接合された肩部22と、肩部22の注出口23を閉鎖するキャップ24と、胴部21の下端部に接合された底部25とを備えている。肩部22は、上述の成形部材から形成してもよい。底部25は、上述の端面部材から形成してもよく、上述の成形部材から形成してもよい。
注出口23は、肩部22と一体に形成してもよい。肩部22の代わりに、平坦な端面部材から天面を形成する場合は、端面部材に成形品の注出口23を接合してもよく、端面部材に形成した開口部から注出可能にしてもよい。キャップ24は、ねじ、接着、薄肉部、嵌合、弾性収縮力等により、注出口23と結合してもよい。注出口23とキャップ24との結合は、繰り返しの着脱(再封)を許容してもよい。キャップ24を一度開封した後は注出口23を再び密封できないようにしてもよい。開封したキャップ24を用いて注出口23を再び閉鎖できるようにしながら、キャップ24が一度開封された状態を目視で確認できるようにしてもよい。
注出口23を閉鎖する手段は、キャップ24に限らず、任意の構造でよい。例えば、注出口23に封止用のフィルムを貼り、フィルムにストローを差し込むことで内容物を吸い出す構造としてもよい。特に図示しないが、注出口23とキャップ24とがヒンジ等の薄肉部を介して連結されていてもよい。この場合、肩部22から注出口23およびキャップ24を含めて一体の成形部材で形成することもできる。
筒状容器20において、底部25の端面部材を省略した場合は、胴部を径方向に閉じて、チューブ容器を形成することも可能である。チューブ容器の底部25には、積層体10,100の内面における第1シーラント樹脂層11同士を溶着することにより、底部25を封止するための封止部を形成ことができる。封止部における積層体10,100の端部において、紙層12の端部を被覆するため、樹脂、ワニス等のコート剤を塗布してもよい。
胴部21を円筒状等の筒状に形成した筒状容器20において、もし胴部21が柔軟な樹脂フィルムのみから形成された場合は、内容物を充填したときに、内容物の重量によって胴部21が変形し、外観が悪くなる。実施例の筒状容器20の場合は、胴部21が貫通穴14を有する紙層12と、紙層12の両面を覆う樹脂層11,13,17を含む積層体10,100から形成されている。このため、適度な耐久性または変形性が付与され、胴部21の変形、例えば、内容物の重量による胴部21の下部の膨れを抑制することができる。
<ジャー容器>
図5に、第2実施例の容器として、ジャー容器30を示す。ジャー容器30は、上述の積層体10,100から形成される胴部31と、胴部31の上端部に接合された環状部材32と、環状部材32に形成される開口部を開閉可能に封止する蓋部33と、胴部31の下端部に接合された底部34と、を備えている。環状部材32は、上述の成形部材から形成してもよい。底部34は、上述の端面部材から形成してもよい。
内容物の密封を要しない場合は、蓋部33に穴をあけたり、網目や格子等を設けたりしてもよい。蓋部33は、ヒンジ等を介して環状部材32と一体の成形部材から形成してもよい。蓋部33を環状部材32とは別体に成形し、ネジ(スクリュー)や嵌合等により、蓋部33を環状部材32と結合できるようにしてもよい。環状部材32の上面には、蓋部33の内径よりも径が小さなリング状の縁部を突出させ、環状部材32の縁部と蓋部33の外周部とを径方向に重ね合わせてもよい。
環状部材32のうち、胴部31に接合される部分を第1環状部材とし、蓋部33と結合される部分を第2環状部材として、第1環状部材および第2環状部材が別体から形成されてもよい。この場合、第1環状部材を胴部31に接合する工程と、第1環状部材に第2環状部材を連結する工程を段階的に行うことができる。蓋部33を第2環状部材に結合する構造は、上述した環状部材32に蓋部33を結合する構造と同様にすることができる。
第1環状部材と第2環状部材とを連結する構造は、例えば、環状部材を形成する樹脂の熱溶着、接着剤を用いた接着、一方の環状部材と一体に他方の環状部材を成形するインサート成形、スクリュー、嵌合等が挙げられる。第1環状部材の上面に、第2環状部材の内径よりも径が小さなリング状の縁部を突出させ、第1環状部材の縁部と第2環状部材とを径方向に重ね合わせてもよい。第2環状部材の下面に、第1環状部材の内径よりも径が小さなリング状の縁部を突出させ、第2環状部材の縁部と第1環状部材とを径方向に重ね合わせてもよい。
<棒状容器>
図6に、第3実施例の容器として、棒状容器40を示す。棒状容器40は、上述の積層体10,100から形成される胴部41と、胴部41の長さ方向の両端部をそれぞれ封止する蓋部材42,43と、を備えている。蓋部材42,43は、それぞれ上述の成形部材から形成することができる。
棒状容器40は、シリンジ、口紅、菓子等の棒状物品を収容するために好適である。シリンジは、注射液が充填済みの医薬品容器であってもよい。棒状容器40の内部において、内容物である棒状物品を保持するために、適宜の構造の保持部材を棒状容器40に収容することができる。保持部材を棒状容器40に固定した状態で、保持部材に棒状物品を保持させてもよい。保持部材を棒状容器40に固定することなく、棒状物品を保持した保持部材を棒状容器40の内部に収容してもよい。
棒状容器40を寝かせて置いたときの転がりを防止するため、蓋部材42,43を多角形状としてもよい。多角形は、角または辺を3~10程度有する多角形として、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形などが挙げられる。胴部41の形状は、胴部41の外面に側面を3~10程度有する多角柱状として、例えば、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱、七角柱、八角柱、九角柱、十角柱などが挙げられる。蓋部材42,43の外周部に突起を設けて転がり止めとしてもよい。
蓋部材42,43の少なくとも一方が設置面を有してもよい。これにより、設置面を下向きとして、棒状容器40を立てて置くことができる。例えば、筒状の胴部41の中心軸に対して、略垂直な平面に設置面を設定してもよい。設置面の外周部が平面で、外周部の内側に凹部を有してもよい。設置面に3個以上の突起を形成し、突起の先端部を下向きにして棒状容器40を立ててもよい。
棒状容器40を開封するときは、蓋部材42,43の少なくとも一方に取出口を設けてもよい。例えば、蓋部材42,43をリング状として、その内側を取出口としてもよい。取出口を閉鎖するため、蓋部材42,43にキャップ、栓等の閉鎖具を装着してもよい。取出口を胴部41の開口部として形成することも可能である。胴部41または蓋部材42,43の開口部を取出口とする場合は、取出口の周囲にフィルム、シート、紙等の蓋材を貼着して、取出口を閉鎖してもよい。
棒状容器40を開封する際、胴部41を破断して取出口を形成できるようにしてもよい。胴部41を破断可能にするため、胴部41を形成する積層体10,100の少なくとも1層に点線、連続線等の破断線を形成してもよい。破断線は、例えばレーザー加工、機械加工等により形成することができる。紙層12は引き裂き性に優れるため、胴部41の端部にノッチ状の切込み、舌片状の摘み等の開封開始部を形成してもよい。開封開始部から引き裂きを開始すると、その延長線上で所望の範囲に胴部41の裂け目を容易に形成することができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。改変としては、実施形態または実施例における構成要素の追加、置換、省略、その他の変更が挙げられる。また、2以上の実施例に用いられた構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
本発明の容器は、上述の実施形態および実施例に限られず、種々の包装容器等に適用することが可能である。1枚の積層体10,100から胴部を形成する場合に限らず、2枚以上の積層体10,100から胴部を形成してもよい。
10,100…積層体、11…第1シーラント樹脂層(内側樹脂層)、11a…第1シーラント樹脂層の凹部、11b…第1シーラント樹脂層の凸部、12…紙層、13…第2シーラント樹脂層(外側樹脂層)、13a…第1シーラント樹脂層の凹部、13b…第1シーラント樹脂層の凸部、14…貫通穴、15…接着部、16…印刷基材層、17…接着性樹脂層(外側樹脂層)、20…筒状容器、21,31,41…胴部、22…肩部、23…注出口、24…キャップ、25,34…底部、30…ジャー容器、32…環状部材、33…蓋部、40…棒状容器、42,43…蓋部材。

Claims (7)

  1. 内容物を収容する胴部を有する容器であって、
    前記胴部は、中間層を形成する紙層と、前記紙層の内側に積層された内側樹脂層と、前記紙層の外側に積層された外側樹脂層とを有する積層体から形成され、
    前記紙層には、前記胴部の全体にわたって複数の貫通穴が形成され、前記複数の貫通穴において前記内側樹脂層と前記外側樹脂層とが接着されていることを特徴とする容器。
  2. 前記内側樹脂層および前記外側樹脂層が、それぞれ、接着性樹脂層またはシーラント樹脂層から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記積層体が、少なくとも片面に印刷層を有する印刷基材層と、前記印刷基材層を前記紙層の外側から前記紙層に接着する接着性樹脂層とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
  4. 前記胴部の内面または外面に、前記貫通穴の形状に対応した凹凸を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の容器。
  5. 前記積層体が、前記胴部の内面を形成する第1シーラント樹脂層と、前記胴部の外面を形成する第2シーラント樹脂層とを有し、前記胴部は、周方向の両端部において、前記胴部の内面と前記胴部の外面とを接合して筒状に形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の容器。
  6. 前記胴部が筒状であり、前記胴部の長さ方向の少なくとも一方の端部に、成形部材または端面部材が接合されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の容器。
  7. 前記成形部材または前記端面部材が、内容物を取り出すための開口部を有することを特徴とする請求項6に記載の容器。
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