JP2022041894A - 高熱膨張係数の無機組成物 - Google Patents

高熱膨張係数の無機組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、様々な用途、例えば、金属被覆材、水晶振動子向けパッケージ、半導体支持基板、HDD用基板、磁気ヘッド等の分野において使用される複合材に用いられる無機組成物が、素材の熱による変化によって生じる体積変化に対応可能な熱膨張係数を有する無機組成物を得ることにある。
【解決手段】
酸化物換算の質量%で、SiO成分を35.0%~60.0%、KO成分を10.0%~30.0%、Al成分を5.0%~25.0%、ZrO成分を0%~10.0%、TiO成分を0%~15.0%、ZrO成分とTiO成分の合計量が0%超~15.0%、を含有し、-30~70℃における熱膨張係数が125~155(×10-7/℃)であることを特徴とする無機組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は高熱膨張係数の無機組成物に関する。
近年、様々な用途、例えば、金属被覆材、水晶振動子向けパッケージ、半導体支持基板、HDD用基板、磁気ヘッド、光フィルター等の分野において無機組成物同士あるいは金属-無機組成物、有機組成物-無機組成物による複合材が使用されているが、素材の熱による体積変化に伴う応力に対応できる熱膨張係数が高い材料が求められている。
特許文献1には、磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体、および磁気記録媒体用ガラス基板ブランクとして、100℃~300℃における熱膨張係数が70×10-7/℃~98×10-7/℃の無機組成物が開示されているが、磁気記録媒体のスピンドル材として用いられる金属材の熱膨張係数に対して無機組成物の熱膨張係数が小さいという課題が達成されていなかった。
国際公開WO2012/057338号公報
したがって、本発明は、様々な用途、例えば、金属被覆材、水晶振動子向けパッケージ、半導体支持基板、HDD用基板、磁気ヘッド等の分野において使用される複合材の熱による体積変化に対応可能な熱膨張係数を有する無機組成物を得ることにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、アルカリ金属酸化物成分、アルカリ土類酸化物成分およびガラスネットワークフォーマー成分の調整およびガラスを結晶化することにより、高い熱膨張係数を有する無機組成物の配合を見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下を提供する。
(1)酸化物換算の質量%で、
SiO成分を35.0%~60.0%、
O成分を10.0%~30.0%、
Al成分を5.0%~25.0%、
ZrO成分を0%~10.0%、
TiO成分を0%~15.0%、
ZrO成分とTiO成分の合計量が0%超~15.0%、を含有し、
-30~70℃における熱膨張係数が125~155(×10-7/℃)であることを特徴とする無機組成物。
(2)酸化物換算の質量%で、
LiO成分を0%~7.0%、
NaO成分を0%~7.0%、
成分を0%~5.0%、
成分を0%~5.0%、
MgO成分を0%~15.0%、
ZnO成分を0%~25.0%、
SrO成分を0%~7.0%、
を含有することを特徴とする(1)に記載の無機組成物。
(3)結晶相として、
KAlSiOまたはKAlSiO固溶体を含むことを特徴とする(1)又は(2)に記載の無機組成物。
本発明によれば、素材の熱による変化によって生じる体積変化に対応可能な熱膨張係数を有する無機組成物を得られる。
本発明の無機組成物を構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は、特に断りがない限り、全て酸化物換算組成の全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」は、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量数を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
[ガラス成分]
酸化物換算の質量%で、SiO成分を35.0%~60.0%、KO成分を10.0%~30.0%、Al成分を5.0%~25.0%、ZrO成分を0%~10.0%、TiO成分を0%~15.0%、ZrO成分とTiO成分の合計量が0%超~15.0%を含有する。
[必須成分、任意成分について]
SiO成分は、ガラスの骨格成分であると同時に、原ガラスの熱処理により析出する結晶を形成する必須成分である。特に、SiO成分の含有量を35.0%以上にすることで、安定的に原ガラスを作製することができる。
従って、SiO成分の含有量は、好ましくは35.0%以上、より好ましくは35.5%以上、さらに好ましくは36.0%以上を下限とする。
他方で、SiO成分の含有量を60.0%以下にすることで、過剰な粘性の上昇や熔融性の悪化を抑えられるため、SiO成分の含有量は、好ましくは60.0%以下、より好ましくは57.0%以下、さらに好ましくは55.0%以下を上限とする。
LiO成分は、0%超含有する場合に、原料の熔融反応を助長し、ガラスの熔解温度を低下させ熔融性を向上する上で効果的な成分である一方、含有量が増加すると化学的耐久性の悪化や析出結晶相の変化を引き起こす。
従って、LiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1.0%以上を下限とする。
他方で、LiO成分の含有量を7.0%以下にすることで過剰な含有による失透性の悪化や析出結晶相の変化、化学的耐久性の悪化を抑制することができる。
従って、LiO成分の含有量は、好ましくは7.0%以下、より好ましくは6.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下を上限とする。
NaO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を調整すると同時に、原ガラスの熱処理により析出する結晶を構成する成分である。
従って、NaO成分の含有量は、好ましくは0%超、さらに好ましくは0.5%以上を下限とする。
他方で、NaO成分の含有量を7.0%以下にすることで、化学的耐久性の悪化および析出結晶相の変化を抑制できる。
従って、NaO成分の含有量は、好ましくは7.0%以下、より好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは4.0%以下を上限とする。
O成分は、0%超含有する場合に、原ガラスの熱処理により析出する結晶を構成する成分の一つであると同時にガラスの熔解性向上に寄与する必須成分である。KO成分の含有量は、好ましくは10.0%以上、より好ましくは14.0%以上、さらに好ましくは18.0%以上を下限とする。
他方で、KO成分の含有量を30.0%以下にすることで、化学的耐久性の悪化を抑制するため、KO成分の含有量は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは28.0%以下、さらに好ましくは26.0%以下を上限とする。
Al成分は、0%超含有する場合に、原ガラスの熱処理により析出する結晶を構成する成分の一つであると同時に、ガラスの化学的耐久性および機械的強度を高め、熔融ガラスの耐失透性を向上するのに有効な成分であり、本発明の無機組成物の必須成分である。
従って、Al成分の含有量は、好ましくは5.0%以上、より好ましくは5.5%以上、さらに好ましくは6.0%以上を下限とする。
他方で、Al成分の含有量を25.0%以下にすることで、過剰な含有による熔融性の悪化、失透を低減することができるため、Al成分の含有量は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは22.0%以下、さらに好ましくは19.0%以下を上限とする。
成分は、0%超含有する場合に、析出結晶の核形成剤として寄与し、融液を低粘性化させ、ガラスの安定性向上に寄与する任意成分であるが、過度に含有すると析出結晶相が変化したり、ガラスが失透しやすくなったり、ガラス化が困難となったりするため、好ましくは0%超、さらに好ましくは0.5%以上を下限とする。
また、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下を上限とする。
成分は、0%超含有する場合に、融液の低粘性化に寄与し、ガラスの網目構造を形成しガラスの安定性に寄与する任意成分である。一方で、含有量の増加に伴い析出結晶相が変化したり、化学的耐久性の低下などを引き起こしたりするため、B成分の含有量は、好ましくは0%超、さらに好ましくは0.1%以上を下限とする。
また、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下を上限とする。
MgO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を向上させると同時に析出結晶の粗大化を防止することに加え、ガラスの熔解性向上に寄与する任意成分である。
従って、MgO成分の含有量は、好ましくは0%超、さらに好ましくは1.0%以上を下限とする。
他方で、MgO成分の含有量を15.0%以下にすることで、過度な含有による失透を低減することができる。
従って、MgO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは12.0%以下、さらに好ましくは10.0%以下を上限とする。
ZnO成分は、0%超含有する場合にガラスの熔融性を向上させると同時に析出結晶の粗大化を防止し、ガラスの熔解性向上に寄与する任意成分である。
従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは0%超、さらに好ましくは1.0%以上を下限とする。
他方で、ZnO成分の含有量を25.0%以下にすることで、過度な含有による失透を低減することができる。
従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは23.0%以下、さらに好ましくは20.0%以下を上限とする。
SrO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性向上およびガラスの安定性に寄与する任意成分である。一方で、含有量の増加に伴い失透しやすくなるため、SrO成分の含有量は、好ましくは7.0%以下、より好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは4.0%以下を上限とする。
また、SrO成分を含有することでガラスの安定性が向上するため、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは1.5%以上を下限とする。
ZrO成分は、0%超含有する場合に、析出結晶の核形成剤として機能する上に、析出結晶の微細化と材料の機械的強度向上に寄与する成分である。特に本発明においては、結晶の粒径を調整できる成分である。
従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは0%超、さらに好ましくは1.0%以上を下限とする。
他方で、ZrO成分の含有量を10.0%以下にすることで、ZrO成分の過剰な含有による失透および熔解性の悪化を低減することができる。
従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは6.0%以下を上限とする。
TiO成分は、0%超含有する場合に、析出結晶の核形成剤として機能する上に、析出結晶の微細化と材料の機械的強度向上に寄与する成分である。特に本発明においては、結晶の粒径を調整できる成分である。
従って、TiO成分の含有量は、好ましくは0%超、さらに好ましくは1.0%以上を下限とする。
他方で、TiO成分の含有量を15.0%以下にすることで透過率の低下を抑えることができる。
従って、TiO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは12.0%以下、さらに好ましくは9.0%以下を上限とする。
Sb成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスを脱泡できる任意成分である。
従って、Sb成分の含有量は、好ましくは0%超、さらに好ましくは0.03%以上を下限としてもよい。
他方で、Sb成分の含有量を1.0%以下にすることで、透過率の低下を抑えられる。
従って、Sb成分の含有量は、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下を上限としてもよい。
Gd成分は、3.0%以上含有する場合に、熔融ガラスの成形性及び失透性を低下させる成分である。
従って、Gd成分の含有量は、好ましくは3.0%未満を上限とし、含まなくてもよい。
また、素材の物性を損なわない範囲でLa成分、Y成分、Yb成分、Eu成分、Dy成分、Er成分、Tb成分、Pr11成分、Nd成分、Tm成分、Sm成分、Ho成分、CeO成分、CaO成分、BaO成分、CoO成分、Co成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、TeO成分、Bi成分、FeO成分、Fe成分、MnO成分、Cr成分、GeO成分、Ga成分、CuO成分、NiO成分、V成分、及びSnO成分をそれぞれ含んでもよいし、含まなくてもよい。含有量は、各々、0%~3.0%未満とすることができる。
ZrO成分とTiO成分は、合計含有量が0%超含有する場合に、析出結晶の核形成剤として機能する上に、析出結晶の微細化と材料の機械的強度向上に寄与する成分である。特に本発明においては、結晶の粒径を調整できる成分である。
従って、ZrO成分とTiO成分の合計含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.5%以上、より好ましくは3.5%以上を下限とする。
他方で、ZrO成分とTiO成分の合計含有量を15.0%以下にすることで析出結晶相の変化に伴う熱膨張係数の低下や結晶化時における急激な物性変化を抑えることができる。
従って、ZrO成分とTiO成分の合計含有量は、好ましくは15.0%以下、さらに好ましくは12.0%以下を上限とする。
SiO成分の含有量に対する、NaO成分とKO成分とMgO成分との合計含有量の比[(NaO+KO+MgO)/SiO]は、0.40以上とすることで、結晶化ガラスの熱膨張特性を向上することができる。
従って、SiO成分の含有量に対する、NaO成分とKO成分とMgO成分との合計含有量の比[(NaO+KO+MgO)/SiO]の上限値は、好ましくは1.20以下、より好ましくは1.00以下、さらに好ましくは0.95以下とする。他方で、下限値は、好ましくは0.40以上、さらに好ましくは0.45以上とする。
SiO成分の含有量に対する、NaO成分とKO成分との合計含有量の比[(NaO+KO)/SiO]は、0.30以上とすることで、結晶化ガラスの熱膨張特性を向上することができる。
従って、SiO成分の含有量に対する、NaO成分とKO成分との合計含有量の比[(NaO+KO)/SiO]の上限値は、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.78以下、さらに好ましくは0.75以下とする。他方で、下限値は、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.32以上、さらに好ましくは0.35以上とする。
Al成分の含有量に対する、NaO成分とKO成分との合計含有量の比[(NaO+KO)/Al]は、1.00以上とすることで、結晶化ガラスの熱膨張特性を向上することができる。
従って、Al成分の含有量に対する、NaO成分とKO成分との合計含有量の比[(NaO+KO)/Al]の上限値は、好ましくは3.80以下、より好ましくは3.75以下、さらに好ましくは3.70以下とする。他方で、下限値は、好ましくは1.00以上、より好ましくは1.05以上、さらに好ましくは1.10以上とする。
[製造方法]
本発明の無機組成物は、例えば以下のように作製される。すなわち、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、塩化物、メタ燐酸化合物などの原料を各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝に投入し、ガラス組成の熔融難易度に応じて電気炉で1300~1600℃の温度範囲で熔融し、攪拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型に鋳込み、徐冷することによりガラス母材を作製した。
結晶化工程は、特に限定されないが、例えばガラス母材を、500℃~560℃の温度範囲にて5時間加熱し、結晶核形成を行った後に、570℃~800℃の温度範囲にて3時間加熱して結晶化を行った。析出した結晶相は、Bruker社製X線回折装置D8 DISCOVERによって解析して特定された。
本発明の無機組成物の析出結晶相は、熱膨張係数を向上させるため、KAlSiOまたはKAlSiO固溶体であることが望ましい。その他、析出結晶相として、RnMgSiO(ただし、RnはLi、Na、Kから選択される1種類以上)、RnZnSiO(ただし、RnはLi、Na、Kから選択される1種類以上)、RnSiO(ただし、RnはLi、Na、Kから選択される1種類以上)、MgSiO、RSiO(ただし、RはMg、Znから選択される1種類以上)、LiTiO、KZrSi等を含んでいてもよいし、含まなくてもよい。
この結晶化ガラスをラッピングした後、ポリシングすることにより無機組成物基板が得られた。また、金属、無機化合物、あるいは有機化合物と複合化させるために粉砕し無機組成物粉末が得られた。なお、これらの無機組成物基板および粉末は金属被覆材、水晶振動子向けパッケージ、半導体支持基板、HDD用基板、磁気ヘッド、DWDM向け光フィルター等の分野において用いることができる。
[熱膨張係数]
日本光学硝子工業会規格JOGIS-16(2019)「光学ガラスの常温付近の平均線膨張係数の測定方法」を参考に、マックサイエンス社製TD5000Sを用いて-30℃~70℃の温度範囲における線膨張係数を測定した。いずれも試料を直径4mm、長さ20mmの円柱状に加工し、-30℃~70℃の温度範囲において、温度と材料の伸びの関係を示す膨張曲線の傾きから線膨張係数を算出した。
本発明の無機組成物の-30℃~70℃における熱膨張係数の下限値は、好ましくは125(×10-7/℃)以上、より好ましくは126(×10-7/℃)以上、最も好ましくは127(×10-7/℃)以上であることが望ましい。また、上限値は、好ましくは155(×10-7/℃)以下、より好ましくは154(×10-7/℃)以下、さらに好ましくは153(×10-7/℃)以下であることが望ましい。
[比重]
日本工業規格JIS Z 8807(2012)「固体の密度及び比重の測定方法」に則り、無機組成物の比重を測定した。
本発明の無機組成物の比重は、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.8以下、さらに好ましくは3.5以下とする。
[内部透過率]
日本光学硝子工業会規格JOGIS-17(2019)「光学ガラスの内部透過率の測定方法」を参考に、10mmおよび1mm厚の対面平行研磨試料の反射損失を含む分光透過率を測定し、これらの分光透過率から1mm厚の内部透過率(反射損失を含まない分光透過率)を算出した。
本発明の内部透過率は、好ましくは1550nmにおける内部透過率が好ましくは60.0%以上、より好ましくは65.0%以上、さらに好ましくは70.0%以上であることが望ましい。
[透過率]
日本光学硝子工業会規格JOGIS-02(2019)「光学ガラスの着色度測定方法」を参考に、厚さ1mmの対面平行研磨試料の分光透過率を、日立製作所製
分光光度計U-4100を用いて測定した。
本発明の透過率は、1550nmの分光透過率が好ましくは5.0%以上、より好ましくは10.0%以上、さらに好ましくは20.0%以上であることが望ましい。
以下の実施例では、本発明を例示の目的で詳細に示す。しかしながらこれらの実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの改変が当業者によってなされるであろうことに留意されたい。
実施例(No.1~No.33)及び比較例1、2として、表1~表4に列挙されるような種々の組成の結晶化ガラスを作製した。いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、塩化物、メタ燐酸化合物などの通常の結晶化ガラスに使用される高純度原料を選定し、表1~表4に示した各実施例の組成の割合になるように秤量して混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス組成の熔融難易度に応じて電気炉で1300~1600℃の温度範囲で熔解し、攪拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型等に鋳込み、徐冷して得られたガラスをさらに所定温度で結晶化した。結晶化ガラスそれぞれについて、熱膨張係数、透過率、内部透過率及び比重を測定した結果を表1~表4に示す。

Figure 2022041894000001
Figure 2022041894000002

Figure 2022041894000003




Figure 2022041894000004








本発明の実施例の無機組成物は、様々な用途、例えば、金属被覆材、水晶振動子向けパッケージ、半導体支持基板、HDD用基板、磁気ヘッド等の分野において使用される金属、有機化合物あるいは無機化合物との複合材に用いられる無機組成物が、素材の熱による変化によって生じる体積変化に対応可能な熱膨張係数を有する無機組成物として好適であることが明らかになった。

Claims (3)

  1. 酸化物換算の質量%で、
    SiO成分を35.0%~60.0%、
    O成分を10.0%~30.0%、
    Al成分を5.0%~25.0%、
    ZrO成分を0%~10.0%、
    TiO成分を0%~15.0%、
    ZrO成分とTiO成分の合計量が0%超~15.0%、を含有し、
    -30~70℃における熱膨張係数が125~155(×10-7/℃)である、ことを特徴とする無機組成物。
  2. 酸化物換算の質量%で、
    LiO成分を0%~7.0%、
    NaO成分を0%~7.0%、
    成分を0%~5.0%、
    成分を0%~5.0%、
    MgO成分を0%~15.0%、
    ZnO成分を0%~25.0%、
    SrO成分を0%~7.0%、
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の無機組成物。
  3. 結晶相として、
    KAlSiOまたはKAlSiO固溶体、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無機組成物。

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