JP2022040921A - 顔面保護具、顔面保護具用積層体、及び顔面保護具の製造方法 - Google Patents

顔面保護具、顔面保護具用積層体、及び顔面保護具の製造方法 Download PDF

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Yusuke Nakai
雅行 内田
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Abstract

【課題】反射防止性能に優れるとともに、使用者が装着していることを容易に視認することが可能な顔面保護具、該顔面保護具の製造に用いられる顔面保護具用積層体、及び顔面保護具の製造方法を提供する。【解決手段】少なくとも、使用者50の顔面51を保護するための透明基体2と、透明基体2を使用者の身体の一部に固定するための固定具3とを有し、透明基体2の一部に、粘着層を介して貼付される基材フィルム6を備え、基材フィルム6は、粘着層が配置される面と反対側の面が、平均間隔が20nm以上400nm以下、且つ、平均高さが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部からなる微細凹凸構造を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、顔面保護具、顔面保護具用積層体、及び顔面保護具の製造方法に関する。
従来から、例えば、医療機関における医療行為や、各種の飛沫の発生を伴う作業を行う際は、飛沫等から顔面を保護するため、概略透明な樹脂材料等からなる顔面保護具(フェイスシールド)が用いられている。
また、近年では、新型インフルエンザや新型コロナウィルス(COVID-19)等に代表される感染症の感染防止策として、使用者が発声する際や咳、くしゃみの際に生じる飛沫が他人に付着するのを防止する用途においても、上記の顔面保護具が積極的に用いられている。
このような顔面保護具は、特に、使用者の目に対応する箇所に曇りが生じた場合に、視界がぼやけるという問題があることから、高い防曇性を有していることが求められる。従来、顔面保護具に防曇性を付与する方法としては、例えば、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写することで、顔面保護具(防曇性透明部材)の表面に、所謂モスアイ構造と呼ばれる微細凹凸構造を形成することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載の技術によれば、基材本体の表面に、モスアイ構造を有する防曇フィルムを、接着剤層を介して貼着した構成を採用することで、高い反射防止性能が得られる。これにより、特に、外科手術室内のような照明強度が高い場合において、反射光によって視界が遮られることが抑制される効果が得られることから、反射光が気になる細かい作業を行う場合に有用である。
特開2009-271298号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、例えば、透明な基材本体の前面に防曇フィルムを貼着すると、基材本体の存在自体が視認され難くなることから、使用者が顔面保護具として装着した際、基材本体が装着されているのかどうか、目視での確認が困難になる場合がある。このため、例えば、外科手術において特許文献1に記載の防曇性透明部材を用いた場合、執刀医の汗を手術補助者が拭き取る際に透明な基材本体を視認することが困難になることから、手術を安全に執りおこなうことが難しくなるおそれがあった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、反射防止性能に優れるとともに、使用者が装着していることを容易に視認することが可能な顔面保護具、該顔面保護具の製造に用いられる顔面保護具用積層体、及び顔面保護具の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。この結果、透明基体への基材フィルムの貼付位置や、基材フィルムに設けられる微細凹凸構造を構成する複数の凸部の寸法等を最適化することにより、優れた反射防止性能を有するとともに、使用者が透明基体を装着していることを外部から視認することが可能になることを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 少なくとも、使用者の顔面を保護するための透明基体と、前記透明基体を使用者の身体の一部に固定するための固定具とを有する顔面保護具であって、前記透明基体の一部に、粘着層を介して貼付される基材フィルムを備え、前記基材フィルムは、前記粘着層が配置される面と反対側の面が、平均間隔が20nm以上400nm以下、且つ、平均高さが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部からなる微細凹凸構造を有する、顔面保護具。
[2] 前記基材フィルムは、前記透明基体に対して、前記粘着層を介して剥離可能に貼付されている、上記[1]に記載の顔面保護具。
[3] 前記基材フィルムは、前記透明基体の少なくとも一方の面における、前記使用者の目元又は口元の少なくとも何れかに対応する位置に貼付されている、上記[1]又は[2]に記載の顔面保護具。
[4] 前記基材フィルムは、前記微細凹凸構造を有する側の面の水接触角が25°以下、又は、90°以上である、上記[1]~[3]の何れかに記載の顔面保護具。
[5] 前記透明基体が可撓性を有する、上記[1]~[4]の何れかに記載の顔面保護具。
[6] 前記透明基体は、ポリエステル、ポリカーボネート及びアクリル樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも一つから構成される、上記[1]~[5]の何れかに記載の顔面保護具。
[7] 前記固定具は、前記使用者の頭部に装着可能な平面視で円形状又は円弧状の帯状物である、上記[1]~[6]の何れかに記載の顔面保護具。
[8] 前記固定具は、前記使用者の両耳に係止可能な耳架け、及び、鼻に係止可能な鼻架けの内の少なくとも一方を有する、上記[1]~[6]の何れか一項に記載の顔面保護具。
[9] 前記固定具は、前記使用者の両耳に架けて装着することが可能な輪状物である、上記[1]~[6]の何れか一項に記載の顔面保護具。
[10] 保護フィルム、基材フィルム、粘着層及び剥離フィルムがこの順で積層されてなる顔面保護具用積層体であって、前記基材フィルムは、前記保護フィルム側に配置されて該保護フィルムで覆われる面が、平均間隔が20nm以上400nm以下、且つ、平均高さが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部からなる微細凹凸構造を有し、前記粘着層から前記剥離フィルムを剥離し、前記粘着層をガラスの表面に貼付したときの、180°剥離試験による剥離力が1.0N/25mm以下である、顔面保護具用積層体。
[11] 少なくとも、使用者の顔面を保護するための透明基体と、前記透明基体を使用者の身体の一部に固定するための固定具とを有する顔面保護具を製造する方法であって、上記[10]に記載の顔面保護具用積層体に備えられる前記剥離フィルムを剥離し、前記粘着層側を前記透明基体の一部に貼付した後、前記透明基体を前記固定具に固定し、次いで、前記保護フィルムを剥離する、顔面保護具の製造方法。
[12] 少なくとも、使用者の顔面を保護するための透明基体と、前記透明基体を使用者の身体の一部に固定するための固定具とを有する顔面保護具を製造する方法であって、上記[10]に記載の顔面保護具用積層体に備えられる前記剥離フィルムを剥離し、前記粘着層側を、前記固定部に予め取り付けられた前記透明基体の一部に貼付した後、次いで、前記保護フィルムを剥離する、顔面保護具の製造方法。
[13] 前記顔面保護具用積層体は、前記保護フィルム、前記基材フィルム、前記粘着層及び前記剥離フィルムをこの順で積層した後、打ち抜き加工することで小片化されたものである、上記[11]又は[12]に記載の顔面保護具の製造方法。
本発明に係る顔面保護具によれば、透明基体の一部に粘着層を介して貼付される基材フィルムを備え、基材フィルムを、反射防止機能を要する箇所にのみ配置することで、使用者が透明基体を装着していることを外部から視認することが可能になる。これにより、例えば、本発明に係る顔面保護具を用いて外科手術を行った場合に、執刀医の汗を手術補助者が拭き取る際に透明基体を容易に視認できるので、手術を安全に執りおこなうことが可能になる。
さらに、基材フィルムにおいて粘着層が配置される面と反対側の面が、平均間隔が20nm以上400nm以下、且つ、平均高さが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部からなる微細凹凸構造を有することで、優れた反射防止性能が得られる。従って、例えば、反射光が気になる細かい作業、特に、外科手術室内のような照明強度の高い場所で使用した場合でも、反射光によって視界が遮られるのを防止できる。
また、本発明に係る顔面保護具用積層体によれば、基材フィルムにおける保護フィルム側に配置されて該保護フィルムで覆われる面が、平均間隔が20nm以上400nm以下、且つ、平均高さが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部からなる微細凹凸構造を有していることで、上記同様、優れた反射防止性能が得られるので、反射光によって視界が遮られるのを防止できる。
さらに、粘着層から剥離フィルムを剥離し、粘着層をガラスの表面に貼付したときの、180°剥離試験による剥離力が1.0N/25mm以下であることにより、実用的な剥離力を保持しながら、且つ、剥離しやすい基材フィルムが実現できる。従って、例えば、基材フィルムを透明基体に貼付した後に再剥離して位置決めをする等、フレキシブルな対応が可能になる。
また、本発明に係る顔面保護具の製造方法によれば、まず、上記の本発明に係る顔面保護具用積層体に備えられる剥離フィルムを剥離し、粘着層側を透明基体の一部に貼付した後、透明基体を固定具に固定するか、あるいは、粘着層側を、固定部に予め取り付けられた透明基体の一部に貼付した後、保護フィルムを剥離する方法を採用することにより、生産性良く顔面保護具を製造することが可能になる。
本発明に係る顔面保護具の一実施形態を模式的に説明する図であり、帯状物からなる固定具を使用者の頭部に固定することで、透明基体及び基材フィルムで顔面を保護した状態を示す概略斜視図である。 本発明に係る顔面保護具の一実施形態を模式的に説明する図であり、図2(a)は、透明基体の少なくとも一方の面における使用者の目元に対応する位置に基材フィルムが貼付された例、図2(b)は、使用者の口元に対応する位置に基材フィルムが貼付された例、図2(c)は、使用者の目元及び口元の両方に対応する位置に基材フィルムが貼付された例をそれぞれ示す平面図である。 本発明に係る顔面保護具の一実施形態を模式的に説明する図であり、基材フィルムの層構造を示す断面図である。 本発明に係る顔面保護具の他の実施形態を模式的に説明する図であり、耳架け及び鼻架けを有する固定具を使用者の耳及び鼻に係止させて装着することで、透明基体及び基材フィルムで顔面を保護した状態を示す概略斜視図である。 本発明に係る顔面保護具の他の実施形態を模式的に説明する図であり、輪状物からなる固定具を使用者の両耳に架けて装着することで、透明基体及び基材フィルムで顔面を保護した状態を示す概略斜視図である。
以下、本発明に係る顔面保護具、該顔面保護具の製造に用いられる顔面保護具用積層体、及び顔面保護具の製造方法の実施の形態を挙げ、必要に応じて図1~5を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる各図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明の顔面保護具は、例えば、医療機関における医療行為や、工業生産的な現場において各種の飛沫や粉末等が発生する作業を行うケースの他、講演会や一般的な会話の際に発生する飛沫の飛散を防止する用途等で用いられる。また、本発明の顔面保護具は、口元の動きを外部から視認することができるものなので、例えば、手話による会話等においても有用なものである。
<顔面保護具>
図1に示すように、本実施形態の顔面保護具1は、少なくとも、使用者50の顔面51を保護するための透明基体2と、透明基体2を使用者50の身体の一部に固定するための固定具3とを有する。
また、顔面保護具1は、透明基体2の一部に、粘着層5(図3を参照)を介して貼付される基材フィルム6を備える。
そして、本実施形態の顔面保護具1に備えられる基材フィルム6は、図3に示すように、粘着層5が配置される一面(面)6aと反対側の他面(面)6bが、平均間隔が20nm以上400nm以下、且つ、平均高さが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部62aからなる微細凹凸構造を有する、所謂モスアイ構造とされている。
以下、本実施形態の顔面保護具1の構成について詳述する。
[透明基体]
透明基体2は、使用者50の顔面51を保護するものであり、図示例においては、顔面51の正面を概略覆うことが可能な大きさ並びに形状とされている。
透明基体2の材料は、可視光を透過するものであれば特に限定されないが、樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の透明樹脂が挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、透明性等の光学特性、耐衝撃性、耐熱性、耐久性等の観点から、ポリエステル、ポリカーボネート及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つから構成されるものが、透明基体2の材料としてより好ましい。
透明基体2の厚さは特に限定されず、使用状況等により適宜設定することができる。
また、透明基体2は、使用者50が顔面保護具1を装着する際や、透明基体2を装着して作業を行う際等における取扱性の他、収納時に折り畳むことができて嵩張らないという観点から、可撓性を有する材料からなることがさらに好ましい。
さらに、透明基体2の表面には、密着性、耐擦傷性等の特性を改良する目的として、例えば、コーティング処理、コロナ処理等が施されていてもよい。
[基材フィルム]
基材フィルム6は、上述したように、透明基体2の一部に貼付され、他面6b側がモスアイ構造(微細凹凸構造)を有するものである。
図1に示す例では、基材フィルム6は、透明基体2における使用者50の目元に対応する位置に貼付されており、概略で平面視矩形状とされている。
本実施形態で説明する基材フィルム6は、基材61上に、微細凹凸構造を有する硬化樹脂層62が積層された構成とされている。
(基材)
基材フィルム6を構成する基材61の材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン、メチルメタクリレート-スチレン共重合体等のスチレン樹脂;セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルスルフォン樹脂;ポリスルフォン樹脂;ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、脂環式ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリウレタン樹脂;ガラス等が挙げられる。これらの材料の中でも、基材61の材料としては、可視光の透過率に優れることから、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂がより好ましい。
基材61の材料としてアクリル樹脂を採用する場合、その具体例としては、アクリプレン(登録商標:HBS010P、HBS006、HBA002P:三菱ケミカル社製);テクノロイ(登録商標:S000、S020、S001G、S014G、TSF001、TSF002、MX001M30、MXS001M60:エスカーボシート社製);サンデュレン(登録商標:SD009、SD010:カネカ社製);アクリビュア(登録商標:FZ、FV、HV:日本触媒社製)等が挙げられる。
ポリカーボネートの具体例としては、パンライト(登録商標:PC-1151、PC-2151、PC-1141、PC-2141、NJ-5100、NK-5101:帝人社製);C000、C001、C003、C101、C103、C010(エスカーボシート社製);PC-10、AW-10、PW-10(シャインテクノ社製);エルメックRフィルム(登録商標:カネカ社製)等が挙げられる。
ポリエステルの具体例としては、ダイアホイル(登録商標:T910E、T600E:三菱ケミカル社製);ルミラー(登録商標:U343、U483,U403,U413、UD03、UH13、UF83、QTH0、SF20:東レ社製);コスモシャイン(登録商標:A4300、A2330、TA017、TA015、TA042、TA044、TA048:東洋紡社製);ソフトシャインTA009(登録商標:東洋紡社製)等が挙げられる。
セルロース系の具体例としては、フジタック(登録商標:TD80U、TD80UL、T80UZ、T80SE、TD60ULP:富士フイルム社製);TACフィルムKC4UA(コニカミノルタ社製)等が挙げられる。
脂環式ポリオレフィンの具体例としては、ゼオノア(登録商標:ZF14、ZF16:日本ゼオン社製);アートンフィルム(登録商標:JSR社製);TOPAS(ポリプラスチックス社製)等が挙げられる。
(基材の形態及び厚さ)
基材61の形態としては、例えば、フィルム、シート等の公知の形態が挙げられる。これらの形態の中でも、基材61は、生産性や取り扱い性に優れるという観点から、フィルム状の形態であることが好ましい。
基材61の厚さとしては、特に限定されないが、ハンドリングの容易さや、熱力学物性の安定性、透明基体への追従性の観点から、例えば、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。また、基材61の厚さは、300μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
基材61の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、射出成形法、押出成形法、キャスト成形法等の公知の製造方法が挙げられる。これらの製造方法の中でも、生産性に優れるという観点から、押出成形法、キャスト成形法が好ましい。
また、 基材61の表面には、密着性、帯電防止性、耐擦傷性、耐候性等の特性を改良することを目的として、例えば、コーティング処理やコロナ処理等が施されていてもよい。
(微細凹凸構造(モスアイ構造))
上述したように、基材フィルム6の片側の面、即ち、粘着層5が配置される一面6aと反対側の他面6bには、複数の凸部62a及び複数の凸部間に形成される凹部62bとからなる微細凹凸構造が形成されている。この微細凹凸構造は、複数の凸部62aの平均間隔wが20nm以上400nm以下であり、且つ、これら凸部62aの平均高さhが60nm以上400nm以下とされている。本実施形態の顔面保護具1に用いられる基材フィルム6は、上記のような微細凹凸構造、即ちモスアイ構造によって反射防止性能が付与される。
基材フィルム6の微細凹凸構造において、互いに隣接する凸部62a間の平均間隔wは、20nm以上400nm以下であり、80nm以上300nm以下であることが好ましい。反射防止性能が付与されることに加え、微細凹凸構造において隣接する凸部62a間の平均間隔wが20nm以上であると、後述する方法で、陽極酸化ポーラスアルミナの複数の細孔を転写して複数の凸部を形成する場合に、これら凸部62aを形成し易いという利点がある。また、微細凹凸構造において、互いに隣接する凸部62a間の平均間隔wが400nm以下であると、陽極酸化ポーラスアルミナの複数の細孔を転写して凸部62aを形成する場合に、細孔間隔を大きくするための電圧を抑制することができ、陽極酸化ポーラスアルミナを工業的に製造しやすいという利点がある。
なお、本明細書において、互いに隣接する凸部62a間の平均間隔wは、電子顕微鏡観察を用いて、隣接する凸部62a間の間隔(凸部62aの中心から隣接する凸部62aの中心までの距離)を無作為に10点測定し、これらの値を平均した値とする。
基材フィルム6の微細凹凸構造において、 複数の凸部62aの平均高さhは、60nm以上400nm以下であり、90nm以上300nm以下であることが好ましい。反射防止性能が付与されることに加え、微細凹凸構造における複数の凸部62aの平均高さhが60nm以上であると、最低反射率や特定波長の反射率の上昇を抑制することができ、優れた反射防止性能が得られる。また、微細凹凸構造において、複数の凸部62aの平均高さhが400nm以下であると、凸部62aを形成しやすく、凸部62aの耐擦傷性に優れるという利点がある。
なお、本明細書において、複数の凸部62aの平均高さhは、電子顕微鏡観察を用いて、凸部62aの最頂部と隣接する凹部62bの最底部との間の垂直距離を無作為に10点測定し、これらの値を平均した値とする。
また、基材フィルム6の微細凹凸構造において、 凸部62aのアスペクト比(複数の凸部62aの平均高さ/隣接する凸部62a間の平均間隔)は、0.8~5.0が好ましく、1.2~4.0がより好ましく、1.5~3.0がさらに好ましい。微細凹凸構造における凸部62aのアスペクト比が0.8以上であると、優れた反射防止性能が得られる。また、凸部62aのアスペクト比が5.0以下であると、凸部62aを形成しやすく、凸部62aの耐擦傷性に優れるという利点がある。
上記の微細凹凸構造を構成する凸部62aの形状としては、特に限定されないが、例えば、円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、円柱形状等が挙げられる。これらの凸部62aの各形状は、1種の形状を単独で用いてもよく、2種以上の形状を併用してもよい。また、凸部62aの形状は、近傍の空気から、微細凹凸構造を形成する材料表面までの間で、連続的に屈折率を増大させ、低反射率と低波長依存性を両立させた反射防止性能を発現させることができるという観点から、高さ方向と直交する方向の凸部断面積が、最頂部から深さ方向に向けて連続的に増加する形状がより好ましい。即ち、上記のような凸部62aの各形状の中でも、特に、円錐形状、角錐形状、釣鐘形状が好ましい。
また、凸部62aは、微細な複数の凸部が合一して1つの凸部となったものであってもよい。
また、基材フィルム6の微細凹凸構造が設けられた他面6bと反対側の一面6aに粘着層5を積層する際は、他面6bに微細凹凸構造を形成した後に、粘着剤を塗布して粘着層5を形成することが好ましい。このような工程順とすることで、基材フィルム6を含む積層体(図3の顔面保護具用積層体10を参照)を製造するのが容易になる。
(微細凹凸構造の形成方法)
上記のような、基材フィルム6に微細凹凸構造を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、以下に説明する方法(1)~(3)等が挙げられる。
方法(1):微細凹凸構造の反転構造を表面に有する図視略のモールドを用いて射出成形又はプレス成形を行い、基材フィルム6の表面(他面6b)に直接微細凹凸構造を形成する方法。
方法(2):微細凹凸構造の反転構造を有するモールドと基材61との間に活性エネルギー線硬化性組成物を挟持した状態で、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて硬化樹脂層62(図3を参照)を形成した後、硬化樹脂層62とモールドとを分離する方法。
方法(3):微細凹凸構造の反転構造を有するモールドと基材61との間に活性エネルギー線硬化性組成物を挟持し、活性エネルギー線硬化性組成物にモールドの微細凹凸構造を転写してからモールドを分離した後、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて硬化樹脂層62を形成する方法。
上記の方法(1)~(3)に示す方法の中でも、 微細凹凸構造の転写性に優れ、また、表面組成の自由度に優れるという観点から、硬化樹脂層62を形成する方法(2)又は方法(3)が好ましく、方法(2)がより好ましい。
微細凹凸構造の形成に用いるモールドとしては、特に限定されないが、例えば、リソグラフィ法によって表面に微細凹凸構造の反転構造を設けたモールド、レーザー加工によって表面に微細凹凸構造の反転構造を設けたモールド、複数の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールド、微細凹凸構造を有するマザーモールドから電鋳法等で複製されたレプリカモールド等が挙げられる。これらのモールドの中でも、反射防止性能に優れ、低コストで大面積の微細凹凸構造を形成し易いという観点から、複数の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドを用いることが好ましい。
リソグラフィ法としては、例えば、電子ビームリソグラフィ法、レーザー干渉リソグラフィ法等が挙げられる。
リソグラフィ法によって表面に微細凹凸構造の反転構造を設けたモールドを製造する方法としては、例えば、基材の表面にフォトレジスト膜を塗布し、紫外線レーザー、電子線、X線等で露光し、現像することによって、レジストパターンからなる微細凹凸構造を表面に有するモールドを得る方法;レジストパターンを介して、基材をドライエッチング等によって選択的にエッチングした後、レジストパターンを除去することによって、微細凹凸構造が基材の表面に直接形成されたモールドを得る方法等が挙げられる。
複数の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドを製造する方法としては、例えば、アルミニウムを、シュウ酸、硫酸、リン酸等を電解液として所定の電圧で陽極酸化する方法等が挙げられる。
また、陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドを製造する方法としても、例えば、アルミニウムを、シュウ酸、硫酸、リン酸等を電解液として所定の電圧で陽極酸化する方法が挙げられる。
上記のような、 アルミニウムを、シュウ酸、硫酸、リン酸等を電解液として所定の電圧で陽極酸化する方法によれば、高純度アルミニウムを定電圧で長時間陽極酸化した後、酸化皮膜の全部又は一部を一旦除去し、再び陽極酸化することで、非常に高規則性の細孔が自己組織化的に形成された陽極酸化ポーラスアルミナを形成できるため、好ましい。また、2回目に陽極酸化する工程において、陽極酸化処理と孔径拡大処理とを組み合わせることで、断面形状が矩形状のみならず、三角形状や釣鐘型である細孔を形成することも可能となる。さらに、陽極酸化処理及び孔径拡大処理の時間、回数、条件等を適宜調節することにより、細孔最奥部の角度が鋭くなるように形成することも可能となる。
上記のような、陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドを製造する方法の具体例は、例えば、特開2015-129706号公報に記載された方法等が挙げられる。
モールドの形状としても、特に限定されないが、例えば、平板状、ベルト状、ロール状等が挙げられる。これらのモールドの各形状の中でも、連続的に微細凹凸構造を転写することができ、基材の生産性に優れることから、ベルト状やロール状であることが好ましい。
(硬化樹脂層)
基材フィルム6に設けられる 微細凹凸構造は、より簡便に微細凹凸構造を形成することができるという観点から、基材61上に積層される硬化樹脂層62として形成されていることが好ましい。
本実施形態で説明する硬化樹脂層62は、例えば、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなる層である。硬化樹脂層62が活性エネルギー線硬化性組成物からなることで、透明基体2や基材61と比較して、耐擦傷性、耐溶剤性に優れることから、アルコール、酸、アルカリ、塩素等の成分を含む消毒剤の使用や清掃により、傷つき及び白化等の変質が生じるのを防止できる。
活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射することで重合反応が進行し、硬化する組成物である。
活性エネルギー線としては、例えば、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等が挙げられる。これらの活性エネルギー線の中でも、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化性に優れることから、紫外線、電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、重合性化合物、重合開始剤、及び、必要に応じて、他の添加剤を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、例えば、分子中にラジカル重合性結合及びカチオン重合性結合の少なくとも1種を含むモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。これらの重合性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等を有する単官能モノマー、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等を有する多官能モノマー等が挙げられる。これらのラジカル重合性結合を有するモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本明細書において、(メタ)アクリルは、アクリル、メタクリル又はその両方をいう。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマー等が挙げられる。これらのカチオン重合性結合を有するモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分子中にラジカル重合性結合及びカチオン重合性結合の少なくとも1種を含むオリゴマー又は反応性ポリマーとしては、例えば、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル化合物;ポリエステル(メタ)アクリレート;ポリエーテル(メタ)アクリレート;ポリオール(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレート;カチオン重合型エポキシ化合物;側鎖に前記ラジカル重合性結合を有するモノマーの単独又は共重合ポリマー等が挙げられる。これらの分子中にラジカル重合性結合及びカチオン重合性結合の少なくとも1種を含むオリゴマー又は反応性ポリマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、例えば、公知の光重合開始剤、公知の電子線重合開始剤、公知の熱重合開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の添加剤としては、例えば、非反応性のポリマー、酸化防止剤、離型剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤、強化剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤等が挙げられる。これらの他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態で用いられる基材フィルム6は、以下に説明するように、撥水性や親水性を考慮し、微細凹凸構造を有する面側、即ち、図3中に示す例における他面6b側(硬化樹脂層62)の水接触角が25°以下、又は、90°以上であることが好ましい。
即ち、微細凹凸構造を有する側の表面に撥水性を付与する場合、具体的には、微細凹凸構造を有する他面6bと水との接触角を90°以上とする場合、疎水性を発現する材料を得ることが可能な活性エネルギー線硬化性組成物として、フッ素含有化合物、シリコーン系化合物、長鎖アルキル系化合物を硬化樹脂層62に含むことが好ましい。微細凹凸構造の表面が撥水性を有することで、基材フィルム6の他面6b側における水や血液等の液滴の付着を抑制できる。
また、微細凹凸構造を有する側の表面に親水性を付与する場合、具体的には、微細凹凸構造を有する他面6bと水との接触角を25°以下とする場合、親水性を発現する材料を得ることが可能な活性エネルギー線硬化性組成物として、四官能以上の多官能(メタ)アクリレートと二官能以上の親水性(メタ)アクリレートとを併用した材料を硬化樹脂層62に含むことが好ましい。微細凹凸構造の表面が親水性を有することで、基材フィルム6の他面6b側に曇り止め作用(防曇性)を付与できる。これにより、微細凹凸構造を有する他面6bにおいて、アルコール等が濡れ広がりやすくなるので、消毒や清掃が容易になる。
活性エネルギー線硬化性組成物の具体的な組成等は、例えば、特開2013-175733号公報、特開2015-129947号公報に記載された組成等が挙げられる。
モールドと基材61との間に活性エネルギー線硬化性組成物を挟持する方法としては、例えば、モールドと基材61との間に活性エネルギー線硬化性組成物を配置した状態でモールドと基材61とを押圧することによって、モールドの微細凹凸構造に活性エネルギー線硬化性組成物を注入する方法等が挙げられる。
(粘着層)
基材フィルム6は、上述したように、透明基体2の一部に粘着層5を介して貼付されるものである。
粘着層5に用いる粘着剤としては、貼り易さ、位置合わせのし易さ、エア抜け性等の観点から、自己吸着タイプの粘着剤を用いることが好ましい。即ち、粘着層5には、例えば、シリコーン系、ウレタン系、オレフィン系の内の少なくとも一つを含む粘着剤を用いることが好ましい。これらの粘着剤は、十分な耐溶剤性を有しており、また、アルコールで粘着面をふき取っても直ぐに乾燥することから、速やかに貼付することができる。このような粘着剤の具体例としては、パナック社製ゲルポリ(オレフィン系)、きもと社製ProsaveSQ(シリコーン系)、日榮新化社製ウレタン系微粘着剤等が挙げられる。
ここで、例えばアクリル系等の粘着剤は粘着力が強すぎるため、このような粘着剤を用いた場合には、位置決めのための貼り直しが難しくなる懸念がある。これに対し、本実施形態の積層体(図3の顔面保護具用積層体10を参照)に備えられる粘着層5は、上記の粘着剤を用いることで、剥離可能であって、貼り易さや位置合わせのし易さに優れたものとなる。また、透明基体2の形状に良好に追随させながら、上記の微細凹凸構造を有する基材フィルム6を貼付することができる。
粘着層5の厚さは、エア抜け性に優れ貼り易い点から、10μm以上であることが好ましく、粘着層の形成が容易であって生産性に優れる点から、200μm以下であることが好ましい。
(透明基体への基材フィルムの貼付位置)
基材フィルム6は、図1及び図2(a)に示す例では、透明基体2における使用者50の目元に対応する位置に貼付されている。
また、基材フィルム6は、図2(b)に示す例のように、透明基体2における使用者50の口元に対応する位置に貼付されていてもよい。
あるいは、基材フィルム6は、図2(c)に示す例のように、透明基体2における使用者50の目元及び口元の両方に対応する位置に貼付されていてもよい。
また、基材フィルム6は、透明基体2の片方の面のみに貼付する場合、透明基体2における表面側、即ち、使用者50の顔面51とは反対側の面に貼付されていてもよいし、裏面側、即ち、顔面51と対向する面に貼付されていてもよい。顔面51と対向する面に基材フィルム6を貼付する場合、防曇機能を有する基材フィルムを貼付することで、使用者の呼気に対する防曇性を発現しやすい。
本実施形態においては、基材フィルム6の貼付面を上記の何れの面とした場合においても、微細凹凸構造による優れた反射防止効果が得られる。
また、本実施形態においては、透明基体2の両面に基材フィルム6を貼付することが、より優れた反射防止効果が得られる点から好ましい。さらに、基材フィルム6は、透明基体2の両面に、それぞれ透明基体2を介して重なる位置で貼付されていることが、顕著な反射防止効果が得られる点でより好ましい。
また、基材フィルム6は、例えば、透明基体2に対して、前記粘着層5を介して剥離可能に貼付されていることが好ましい。基材フィルム6が透明基体2に剥離可能に貼付されていることで、例えば、顔面保護具1の製造時に、使用者50の目元や口元に対応した位置で、より正確に位置決めしながら貼付することが可能になる。さらに、顔面保護具1を使用者50が使用する際に、自らの目元や口元に対応した位置でより正確に位置決めしながら貼り直すことも可能になる。
[固定具]
図1に示すように、固定具3は、顔面保護具1を使用者50の身体の一部に固定する装着部材として機能するものである。図1に示す例の固定具3は、使用者50の頭部に装着可能な平面視で円形状、即ち、円環状の帯状物からなる。そして、固定具3の一部に、該固定具3に懸架されるように透明基体2が取り付けられている。
また、固定具3としては、図示を省略するが、使用者50の頭部に装着可能な平面視で円弧状のものを採用してもよい。
固定具3の材質としては、特に限定されず、円環状の固定具3とした場合には、例えば、少なくとも一部を伸縮性材料から構成してもよい。また、固定具3を円弧状とした場合には、可撓性を有する樹脂材料等から構成してもよい。
なお、顔面保護具に備えられる固定具としては、図1に示す例には限定されない。
例えば、図4に示す例の顔面保護具1Aのような、使用者50の両耳に係止可能なテンプル(耳架け)31及びモダン(耳架け)32、並びに、鼻に係止可能なブリッジ(鼻架け)33を有する、概略で眼鏡フレーム状とされた固定具3Aを備えた構成を採用してもよい。また、図4においては、耳架けを構成するテンプル31及びモダン32、並びに、鼻架けを構成するブリッジ33の両方を備えた例を示しているが、これには限定されず、例えば、耳架け(テンプル31及びモダン32)、又は鼻架け(ブリッジ33)の何れか一方のみを有した構成を採用することも可能である。
また、図5に示す例の顔面保護具1Bのように、使用者50の両耳に架けて装着することが可能な紐(輪状物)34を有する固定具3Bを備えた構成を採用してもよい。図5に例示する顔面保護具1Bは、上記の固定具3Bを有することで、概略で顔面51全体を覆うマスク状とされている。
本実施形態の顔面保護具1,1A,1Bによれば、透明基体2の一部に上記の基材フィルム6が貼付されていることで、優れた反射防止性能が得られるので、反射光が気になる細かい作業において非常に有用である。
特に、外科手術室内のように照明強度の高い場合であっても、反射光により視界が遮られることが無いので、手術の執刀等の各種作業に支障が生じるのを防止できる。
また、外科手術等において、執刀医の汗を手術補助者が拭き取る際、透明基体2の一部、例えば、執刀医(使用者50)の目元や口元に対応する位置に基材フィルム6が貼付されていることで、透明基体2を容易に視認できるので、手術を安全に執りおこなうことが可能になる。
さらに、透明基体2における、使用者50の口元に対応する位置に基材フィルム6を貼付した場合には、例えば、手話通訳者が口で表現していることを容易に読み取ることができる。
<顔面保護具用積層体>
以下、本実施形態の顔面保護具用積層体について、主として図3を引用しながら説明する(図1,2等も適宜参照)。
本実施形態の顔面保護具用積層体10(以下、積層体10と略称することがある)は、保護フィルム7、基材フィルム6、粘着層5及び剥離フィルム4がこの順で積層されてなる。
基材フィルム6は、保護フィルム7側に配置されて該保護フィルム7で覆われる面(他面6b)が、平均間隔が400nm以下、且つ、平均高さが400nm以下とされた複数の凸部62aからなる微細凹凸構造を有する。
そして、積層体10は、粘着層5から剥離フィルム4を剥離し、粘着層5をガラスの表面に貼付したときの、180°剥離試験による剥離力が、意図せず剥離することのないよう、0.01N/25mm以上であることが好ましい。また、基材フィルム6(粘着層5)の貼り直しが容易となることから、上記の剥離力は1.0N/25mm以下であり、0.1N/25mm以下がより好ましい。
上記の180°剥離試験による剥離力は、例えば、粘着層5に用いる粘着剤の種類や、粘着層5の厚さ等を変更することにより、適宜調整することが可能である。
以下、積層体10を構成する各層について詳述する。但し、基材フィルム6については、既に詳細に説明しているので、以下においてはその説明を省略する。
[粘着層]
上記の顔面保護具1の欄に記したものと同様の粘着剤を用いて粘着層5とすることができる。また、粘着層5の厚さについても、上記同様である。
[剥離フィルム]
剥離フィルム4は、粘着層5を保護するために設けられる層である。
基材フィルム6を透明基体2に貼付する際は、剥離フィルム4を粘着層5から剥離し、粘着層5の粘着面を露出させることで、簡便な手順で貼付することができる。
剥離フィルム4に用いる基材としては、以下に説明する保護フィルム7の基材と同様のものを用いることができる。
[保護フィルム]
保護フィルム7は、基材フィルム6に設けられた微細凹凸構造を保護するための剥離可能なフィルムであり、基材フィルム6における微細凹凸構造が設けられた他面6b、即ち、硬化樹脂層62上に積層される。
保護フィルム7としては、基材フィルム6から剥離した後に、基材フィルム6の他面6b上に糊残り等し難いものが好ましい。
保護フィルム7は、通常、フィルム基材上に粘着剤が積層された積層構造を有する。つまり、保護フィルム7における、基材フィルム6の他面6bと接する面、即ち、基材フィルム6における微細凹凸構造が設けられた面と接する面に粘着剤が積層されている。
保護フィルム7に用いられる粘着剤としては、公知のものを用いることができるが、可視光を透過する材料からなるものを採用することが好ましい。保護フィルム7に用いられる粘着剤の具体例としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、エチレン-酢酸ビニル共重合(EVA)系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤等が挙げられる。また、保護フィルム7に用いられる粘着剤としては、各種接着剤等も挙げられる。
保護フィルム7の基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セロハン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブテン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、アセチルセルロース等の材料からなるものが挙げられる。
また、保護フィルム7としては、予め粘着剤が積層された市販品を用いてもよい。このような市販品としては、例えば、サンエー化研社製のポリオレフィン系フィルム「PAC-4-50(商品名)」、「PETベースマスキングSAT116タイプ(商品名)」、スミロン社製の「EC-2035(商品名)」、パナック社製「LR」等が挙げられる。
なお、本実施形態の積層体10は、例えば、市販品等として既に存在する顔面保護具の一部に基材フィルム6を貼付する用途に適用することも可能である。
<顔面保護具の製造方法>
以下、本実施形態の顔面保護具の製造方法について、図1に示す顔面保護具1を製造する場合を例に挙げて説明する。
本実施形態の製造方法は、少なくとも、使用者50の顔面51を保護するための透明基体2と、透明基体2を使用者50の身体の一部に固定するための固定具3とを有する顔面保護具1を製造する方法である。
そして、本実施形態の顔面保護具1を製造する方法の一例は、図3に示すような本実施形態の顔面保護具用積層体10に備えられる剥離フィルム4を剥離し、粘着層5側を図1中に示した透明基体2の一部に貼付した後、透明基体2を固定具3に固定し、次いで、保護フィルム7を剥離する方法である。
また、本実施形態の顔面保護具1を製造する方法の他の例は、積層体10に備えられる剥離フィルム4を剥離し、粘着層5側を、固定具3に予め取り付けられた透明基体2の一部に貼付した後、次いで、保護フィルム7を剥離する方法である。
ここで、本実施形態の顔面保護具1の製造方法においては、積層体10が、保護フィルム7、基材フィルム6、粘着層5及び剥離フィルム4をこの順で積層した後、打ち抜き加工することで小片化されたものであることが好ましい。
積層体10が上記のような打ち抜き加工を含む方法で得られたものであることで、生産性が高められるとともに、小片化した後の積層体10の厚さ、ひいては基材フィルム6の厚さを均一且つ高精度で保持することが可能になる。
より詳細に説明すると、上記の各層を順次積層することで、積層体10を平面視で大きな寸法で作製した後、これを打ち抜き加工する。これにより、積層体10を、例えば、平面視矩形状で使用者50の目元又は口元をカバーできる程度の大きさで複数に裁断する。このような方法を採用することで、積層体10が均一な厚さで生産性良く得られ、また、製造コストを抑制することも可能となる。
また、打ち抜き加工によって小片化された積層体10を用い、透明基体2の一部に基材フィルム6を貼付することで、上述したように、使用者50が顔面保護具1を装着していることを外部から視認し易くなる効果が得られる。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の顔面保護具1,1A,1Bによれば、透明基体2の一部に粘着層5を介して貼付される基材フィルム6を備え、基材フィルム6を、反射防止機能を要する箇所にのみ配置することで、使用者50が透明基体2を装着していることを外部から視認することが可能になる。これにより、例えば、顔面保護具1,1A,1Bを用いて外科手術を行った場合に、執刀医の汗を手術補助者が拭き取る際に透明な透明基体2を容易に視認できるので、手術を安全に執りおこなうことが可能になる。
さらに、基材フィルム6において粘着層5が配置される一面6aと反対側の他面6bが、平均間隔wが20nm以上400nm以下、且つ、平均高さhが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部62aからなる微細凹凸構造を有することで、優れた反射防止性能が得られる。従って、例えば、反射光が気になる細かい作業、特に、外科手術室内のような照明強度の高い場所で使用した場合でも、反射光によって視界が遮られるのを防止できる。
また、本実施形態の顔面保護具用積層体10によれば、保護フィルム7、基材フィルム6、粘着層5及び剥離フィルム4がこの順で積層されてなり、基材フィルム6における保護フィルム7側に配置される面が、平均間隔wが20nm以上400nm以下、且つ、平均高さhが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部62aからなる微細凹凸構造を有していることで、上記同様、優れた反射防止性能が得られ、反射光によって視界が遮られるのを防止できる。
さらに、粘着層5から剥離フィルム4を剥離し、粘着層5をガラスの表面に貼付したときの、180°剥離試験による剥離力が1.0N/25mm以下であることにより、実用的な剥離力を保持しながら、且つ、剥離しやすい基材フィルム6が実現できる。従って、例えば、基材フィルム6を透明基体2に貼付した後に再剥離して位置決めをする等、フレキシブルな対応が可能になる。
また、本実施形態の顔面保護具1,1A,1Bの製造方法によれば、まず、顔面保護具用積層体10に備えられる剥離フィルム4を剥離し、粘着層5側を透明基体2の一部に貼付した後、透明基体2を固定具3,3A,3Bに固定するか、あるいは、粘着層5側を、固定具3,3A,3Bに予め取り付けられた透明基体2の一部に貼付した後、保護フィルム7を剥離する方法を採用することにより、生産性良く顔面保護具1,1A,1Bを製造することが可能になる。
<その他>
以上、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述したが、本実施形態で説明する各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例等に限定されるものではない。
本実施例においては、まず、図1に示すような顔面保護具1を作製し、以下に示すような方法で反射防止性能、並びに外部からの視認性を評価した。なお、透明基体2に貼付する基材フィルム6は、以下に説明する製造例1~4に示す方法で作製した。
[複数の凸部の平均間隔及び平均高さの測定]
基材フィルム6の微細凹凸構造における複数の凸部62aの平均間隔w及び平均高さhは、特開2013-175733号公報に記載の方法(当該文献の段落0159を参照)により測定した。
[反射防止性能及び視認性の評価方法]
顔面保護具1を装着した使用者50が、透明基体2に貼付された基材フィルム6について、周辺の光の映り込みの状況を確認し、反射防止性能を評価した。
また、顔面保護具1を装着した使用者50を、確認者が外部から見ることで、透明基体2に貼付された基材フィルム6について、周辺の光の映り込みの状況を確認し、外部からの視認性を評価した。
以下に評価基準を示す。
(1)○:基材フィルム6を貼付した透明基体2の一部と、それ以外の箇所が明瞭に区別して視認できる。
(2)×:透明基体2全面に渡って反射光の映り込みが無く、透明基体2自体を視認し難い。
[製造例1]モールドの製造
純度99.99%のアルミニウムインゴットを、外径200mm、内径155mm、長さ350mmに切断した圧延痕の無い円筒状のアルミニウム基材に羽布研磨処理を施した後、過塩素酸/エタノール混合溶液中(体積比=1/4)で電解研磨し、鏡面化した。
次いで、アルミニウム基材に対し、0.3Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で30秒間、陽極酸化を実施した。
次いで、酸化皮膜が形成されたアルミニウム基材を、30℃の5質量%リン酸水溶液に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を実施した(孔径拡大処理工程)。
その後、アルミニウム基材に対し、0.3Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で30秒間陽極酸化を実施した(酸化皮膜成長工程)。
そして、上記の孔径拡大処理工程と酸化皮膜成長工程とを合計4回繰り返し、最後に孔径拡大処理工程を行うことで、設計上で平均間隔100nm、深さ200nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状のモールドを得た。
[製造例2]活性エネルギー線硬化性組成物の調製
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート25質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート25質量部、ポリエチレングリコールジアクリレート25質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのエチレンオキサイド変性化合物25質量部を混合し、さらに、第1の光重合開始剤(商品名「イルガキュア184(登録商標)」、BASF社製)1質量部、第2の光重合開始剤(商品名「イルガキュア819(登録商標)」、BASF社製)0.5質量部、及び、添加剤(商品名「TDP-2」、日光ケミカルズ(株)製)0.1質量部を加えて混合し、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
[製造例3]微細凹凸構造を有する基材フィルムの製造
製造例1で得られたロール状のモールドを回転させ、モールドの外周面に沿ってモールドの回転方向にポリエチレンテレフタレート基材(商品名「ルミラーU403(登録商標)」、東レ(株)製、厚さ50μm)を走行させながら、モールドの外周面と走行している基材との間に、製造例2で得られた活性エネルギー線硬化性組成物を供給し、紫外線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた。得られた硬化物をモールドから剥離し、微細凹凸構造(モスアイ構造)を含む基材フィルム6を製造した。得られた基材フィルム6の微細凹凸構造は、複数の凸部62aの平均間隔が100nm、平均高さが200nmであった。なお、基材フィルム6の微細凹凸構造を有する側の面の水接触角は、14°であった。
[製造例4]微細凹凸構造を有する基材フィルムの製造
製造例1で得られたロール状のモールドを回転させ、モールドの外周面に沿ってモールドの回転方向にトリアセチルセルロース基材(商品名「TD80ULM」、富士フイルム(株)製、厚さ80μm)を走行させながら、モールドの外周面と走行している基材との間に、製造例2で得られた活性エネルギー線硬化性組成物を供給し、紫外線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた。得られた硬化物をモールドから剥離し、微細凹凸構造(モスアイ構造)を含む基材フィルム6を製造した。得られた基材フィルム6の微細凹凸構造は、複数の凸部62aの平均間隔が100nm、平均高さが200nmであった。なお、基材フィルム6の微細凹凸構造を有する側の面の水接触角は、14°であった。
[実施例1]
上記の製造例3で得られた基材フィルム6における微細凹凸構造のある側と反対側の面に、粘着剤を厚さ50μmで塗布して粘着層5を形成した後、該粘着層5を介して透明基体2における被験者(使用者50)の目元に対応する位置の両面に貼付することにより、図1に示すような顔面保護具1を得た。なお、粘着層5をなす粘着剤としては、テクノフローワン社製シリコーン系粘着剤を使用した。また、基材フィルム6の粘着層5が配置される側の面をガラスの表面に貼付したときの180°剥離試験による剥離力は0.02N/25mmであった。
そして、上述した方法によって反射防止性能及び視認性を評価し、結果を下記表1に示した。
[実施例2]
上記の製造例4で得られた基材フィルム6を、実施例1と同様、透明基体2における被験者の目元に対応する位置の両面に貼付することにより、顔面保護具1を得た。
そして、実施例1と同様の方法で反射防止性能及び視認性を評価し、結果を下記表1に示した。
[実施例3]
製造例3で得られた基材フィルム6を、透明基体2における被験者の口元に対応する位置の両面に貼付することにより、顔面保護具1を得た。
そして、上記同様の方法で反射防止性能及び視認性を評価し、結果を下記表1に示した。
[実施例4]
製造例4で得られた基材フィルム6を、実施例3と同様、透明基体2における被験者の目元に対応する位置の両面に貼付することにより、顔面保護具1を得た。
そして、上記同様の方法で反射防止性能及び視認性を評価し、結果を下記表1に示した。
[比較例1]
製造例3で得られた基材フィルム6を、透明基体2の両面における表面全体に貼付することによって比較例1の顔面保護具を得た。
そして、上記同様の方法で反射防止性能及び視認性を評価し、結果を下記表1に示した。
[比較例2]
製造例4で得られた基材フィルム6を、透明基体2の両面における表面全体に貼付することによって比較例2の顔面保護具を得た。
そして、上記同様の方法で反射防止性能及び視認性を評価し、結果を下記表1に示した。
[比較例3]
透明基体2の表面に基材フィルム6を貼付しなかった点を除き、実施例1と同様に顔面保護具を作製した。
そして、上記同様の方法で反射防止性能及び視認性を評価し、結果を下記表1に示した。
Figure 2022040921000002
<評価結果>
表1中に示したように、透明基体2における被験者の目元又は口元の位置にのみ、基材フィルム6を貼付した実施例1~4の顔面保護具1は、反射防止性能及び視認性の何れもが「○」の評価結果となり、これらの特性に優れていることが確認できた。
これに対し、透明基体2の表面全体に基材フィルム6を貼付した比較例1,2では、反射防止性能及び視認性の何れもが「×」の評価結果となり、これらの特性が劣っていることが明らかとなった。
以上説明した実施例の結果より、本発明に係る顔面保護具が、反射防止性能に優れるとともに、外部からの視認性にも優れていることが明らかとなった。
本発明の顔面保護具は、反射防止性能に優れるとともに、使用者が装着していることを容易に視認することが可能なものである。従って、本発明の顔面保護具は、例えば、医療機関における医療行為や、各種の飛沫が発生する作業を行う際に、飛沫等から顔面を保護する用途で非常に好適である。
1,1A,1B…顔面保護具
2…透明基体
3,3A,3B…固定具
31…テンプル(耳架け)
32…モダン(耳架け)
33…ブリッジ(鼻架け)
34…紐(輪状物)
10…顔面保護具用積層体
4…剥離フィルム
5…粘着層
6…基材フィルム
6a…一面
6b…他面
61…基材
62…硬化樹脂層
62a…凸部
62b…凹部
7…保護フィルム
50…使用者
51…顔面(使用者)

Claims (13)

  1. 少なくとも、使用者の顔面を保護するための透明基体と、前記透明基体を使用者の身体の一部に固定するための固定具とを有する顔面保護具であって、
    前記透明基体の一部に、粘着層を介して貼付される基材フィルムを備え、
    前記基材フィルムは、前記粘着層が配置される面と反対側の面が、平均間隔が20nm以上400nm以下、且つ、平均高さが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部からなる微細凹凸構造を有する、顔面保護具。
  2. 前記基材フィルムは、前記透明基体に対して、前記粘着層を介して剥離可能に貼付されている、請求項1に記載の顔面保護具。
  3. 前記基材フィルムは、前記透明基体の少なくとも一方の面における、前記使用者の目元又は口元の少なくとも何れかに対応する位置に貼付されている、請求項1又は請求項2に記載の顔面保護具。
  4. 前記基材フィルムは、前記微細凹凸構造を有する側の面の水接触角が25°以下、又は、90°以上である、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の顔面保護具。
  5. 前記透明基体が可撓性を有する、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の顔面保護具。
  6. 前記透明基体は、ポリエステル、ポリカーボネート及びアクリル樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも一つから構成される、請求項1~請求項5の何れか一項に記載の顔面保護具。
  7. 前記固定具は、前記使用者の頭部に装着可能な平面視で円形状又は円弧状の帯状物である、請求項1~請求項6の何れか一項に記載の顔面保護具。
  8. 前記固定具は、前記使用者の両耳に係止可能な耳架け、及び、鼻に係止可能な鼻架けの内の少なくとも一方を有する、請求項1~請求項6の何れか一項に記載の顔面保護具。
  9. 前記固定具は、前記使用者の両耳に架けて装着することが可能な輪状物である、請求項1~請求項6の何れか一項に記載の顔面保護具。
  10. 保護フィルム、基材フィルム、粘着層及び剥離フィルムがこの順で積層されてなる顔面保護具用積層体であって、
    前記基材フィルムは、前記保護フィルム側に配置されて該保護フィルムで覆われる面が、平均間隔が20nm以上400nm以下、且つ、平均高さが60nm以上400nm以下とされた複数の凸部からなる微細凹凸構造を有し、
    前記粘着層から前記剥離フィルムを剥離し、前記粘着層をガラスの表面に貼付したときの、180°剥離試験による剥離力が1.0N/25mm以下である、顔面保護具用積層体。
  11. 少なくとも、使用者の顔面を保護するための透明基体と、前記透明基体を使用者の身体の一部に固定するための固定具とを有する顔面保護具を製造する方法であって、
    請求項10に記載の顔面保護具用積層体に備えられる前記剥離フィルムを剥離し、前記粘着層側を前記透明基体の一部に貼付した後、前記透明基体を前記固定具に固定し、次いで、前記保護フィルムを剥離する、顔面保護具の製造方法。
  12. 少なくとも、使用者の顔面を保護するための透明基体と、前記透明基体を使用者の身体の一部に固定するための固定具とを有する顔面保護具を製造する方法であって、
    請求項10に記載の顔面保護具用積層体に備えられる前記剥離フィルムを剥離し、前記粘着層側を、前記固定部に予め取り付けられた前記透明基体の一部に貼付した後、次いで、前記保護フィルムを剥離する、顔面保護具の製造方法。
  13. 前記顔面保護具用積層体は、前記保護フィルム、前記基材フィルム、前記粘着層及び前記剥離フィルムをこの順で積層した後、打ち抜き加工することで小片化されたものである、請求項11又は請求項12に記載の顔面保護具の製造方法。

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