JP2022040427A - マスク用抗ウイルスカバー - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ウイルス、細菌といった病原体の感染拡大を防止する機能を有するマスク用抗ウイルスカバーに関する。
今般の新型コロナウイルスによって引き起こされたパンデミックは、人口密度があがり、高速大量輸送時代となった21世紀が、いかに感染症に弱い社会であるかを人々に思い知らせることとなった。
このような状況においては、身の回りのあらゆる物が感染源に思え、生活状況が非常に窮屈なものとなる。事実、感染拡大の中では、全てを疑ってかかる必要がある。
密閉、密集、密接を避けるといった対策を講じることが重要であるが、中でも基本中の基本は、マスクの着用である。感染拡大を抑止する為に、まず第一になすべきことは、マスクの着用の徹底である。
本人が感染者であれば、マスクの着用は、他人へ感染させてしまうというリスクを減らす効果がある。すなわち、飛沫の拡散防止である。また、本人が感染者でない場合には、口や鼻からの病原体侵入による感染を予防できる。
洗って再利用できる布マスクは、飛沫防止の効果はあるものの、ウイルス侵入による感染予防については疑問が持たれている。つまり、一般的なウイルスの大きさは、1μm以下であり、ガーゼなどでは、メッシュ(目)が粗く、ウイルス除去性能においては十分ではないと考えられる。
一方で、現在主流の不織布のマスクは、ウィルスを除去するフィルター効果が期待できる。また、ウイルス除去を目的としたフィルターも提案されている(特許文献1)。
しかし、不織布マスクを着用していれば、浮遊するウイルスの大部分は通過させずに、口や鼻からのウイルス侵入は抑止されるものの、ウイルスの多くはマスクの表面に付着することになる。従って、不用意にマスクの表面に触れることはウイルスの拡散を招くことにもなり得る。また、そのままゴミ箱などに捨てると、マスクの表面に付着したウイルスが空中に浮遊することになりかねず、マスクそのものが感染経路となることも考えられる。
そこで、本発明の目的は、マスクの表面に付着したウイルスを不活性化することのできるマスク用抗ウイルスカバーを提供することである。
本発明の別の目的は、マスクのウイルス除去性能を補強することのできるマスク用抗ウイルスカバーを提供することである。
本発明の更に別の目的は、洗って再利用できる布マスクに対しても、ウイルス除去性能を付与できるマスク用抗ウイルスカバーを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の1つの様相によるマスク用抗ウイルスカバーは、抗ウイルス活性を有する成分を含有するシート状の素材からなり、左右端にマスクの紐を通すスリットが設けられていることを特徴とする。
また、一つの実施例では、表面にロゴや各種デザインが印刷されていることを特徴とする。
更に、一つの実施例では、前記抗ウイルス活性を有する成分を含有するシート状の素材とは、不織布であることを特徴とする。
更に、一つの実施例では、前記抗ウイルス活性を有する成分は、銅酸化物であることを特徴とする。
更に、一つの実施例では、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されていることを特徴とする。
本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーによれば、マスクの表面に感染力のあるウイルスが残ることを防止すると共に、マスクそのものが感染経路となることを防止できる。また、本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーによれば、洗って再利用できるもののウイルス除去性能が不十分な布マスクに対して、一定のウイルス除去性能を付与できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明によるマスク用抗ウイルスカバーの実施例を説明する。図1は、本発明の実施例によるマスク用抗ウイルスカバー1を示す正面図である。図2は、本発明の実施例による抗ウイルスカバー1を、マスクMに装着する様子を示す斜視図である。図3は、マスクMを装着した本発明の実施例による抗ウイルスカバー1を示す斜視図である。
図1に示したように、マスク用抗ウイルスカバー1は、左右の直線からなる辺12、13と、上下のアーチ状の辺14、15からなる略ボート型形状の酸化銅不織布である。このウイルスカバー1の、左辺12および右辺13の縁には、スリット16、17が設けられている。
また、スリット16、17の上下端は、円形の係止孔16h、17hが設けられている。この係止孔16h、17hは、後述の通り、マスクの紐を係止すると共に、スリット16、17の端が破損し難くするという効果がある。
マスク用抗ウイルスカバー1を構成する酸化銅不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されている。具体的には、ポリアミド、ポリアルキレン、ポリウレタン及びポリエステルといったポリマーを約80度から170度の範囲の温度において加熱し溶解させ、カチオン型酸化銅の水不溶性の粉末を加え分散させる。分散された酸化銅の微粒子サイズは好ましくは0.2から20ミクロンの間である。このポリマーの液体スラリーは、紡糸口金へ圧力で押し出され、不織布が製造される。この製造方法の詳細は、例えば、特表2008-534708に記載されている。
このマスク用抗ウイルスカバー1をマスクMに装着するには、以下のようにする。すなわち、図2に示したように、抗ウイルスカバー1をマスクMにかぶせるようにしながら、マスクMの紐Sをスリット16、17に通す。そして、紐Sの上下の端を係止孔16h、17hに位置するようにする。この状態で、使用者は、マスクMの紐Sの根本で、抗ウイルスカバー1をマスクMに押さえつけるようにして、紐Sを耳にかける。
これにより、図3に示したように、マスクMの外側を抗ウイルスカバー1が覆うようになる。この抗ウイルスカバー1の装着された状態でマスクMを使用した場合、ウイルスは抗ウイルスカバー1の表面に付着するが、一部は通過してマスクMに付着する。
抗ウイルスカバー1の厚みが大きかったり、数枚重畳された構造となっていれば、ほとんどのウイルスは抗ウイルスカバー1を通過できないことになるが、その場合、空気抵抗が大きくなり息苦しさが増大してしまう。従って、ここでは抗ウイルスカバー1は一枚の酸化銅不織布とする。
抗ウイルスカバー1の表面に付着したウイルスは、酸化銅不織布が生成する銅イオンによって不活性化される。また、使用に伴いマスクMの外側の面に付着するウイルスも、隣接する酸化銅不織布が接触することにより不活性化される。
従って、使用者が、無意識にマスクMに手を触れても、感染力のあるウイルスが手に付着することはない。また、マスクMはウイルスで汚染されていないので、マスクMを捨てる際にも、ビニール袋に入れるなどの配慮は不要となる。なお、マスクMを交換する場合でも、抗ウイルスカバー1は、新たなマスクに装着して再利用できる。
なお、マスクMは不織布マスクでも布マスクでも良いが、布マスクに抗ウイルスカバー1を装着する場合には、抗ウイルスカバー1の抗ウイルス活性が、布マスクの不十分なウイルス除去機能を補うことが期待できる。
抗ウイルスカバー1を繰り返し使用する場合、マスクMの紐Sによって、スリット16、17が破損する虞がある。係止孔16h、17hが円形であるため、このリスクは若干緩和されるものの、補強しておくと寿命が伸びる。
図4は、抗ウイルスカバー1のスリット16、17を補強する例を示す図である。ここでスリット16、17の周囲には、適度の厚みの紙や樹脂などのシート状の補強材4が接着されている。
図5は、抗ウイルスカバー1のスリット16、17を補強する別の例を示す図である。ここでスリット16、17の外側には、適度の厚みの紙や樹脂などのロッド状の補強材5が接着されている。
図6および図7は、抗ウイルスカバー1のスリット16、17を補強する更に別の例を示す図である。図6に示したように、抗ウイルスカバー1を構成する酸化銅不織布には、補強の為の上下の拡張部分18と左右の拡張部分19が設けられている。図7に示したように、上下の拡張部分18を、スリット16、17の上下に二重に折り曲げて圧着し、補強部分18aとする。同様に、左右の拡張部分19を、スリット16、17の左右の外側に二重に折り曲げて圧着することで、補強部分19aとする。これら補強部分18a、19aによってスリット16、17を補強する。
以上説明した抗ウイルスカバー1は、一枚のフラットな酸化銅不織布からなっているが、立体的な構造としても良い。例えば、図8に示した例では、斧の刃型のような形状の酸化銅不織布2を2枚重ねて、斧の刃の部分2aを圧着している。これを広げると、図9に示したような立体的な形状となる。このような抗ウイルスカバーを同様の構造を持ったマスクに装着すると、両者はよりフィットするようになる。
図10は、立体的な構造を持った抗ウイルスカバーの別の例を示す図である。ここでは、酸化銅不織布3がプリーツ状にヒダ3aが形成されている。このヒダ3aを広げるようにすると図11に示したような立体的な形状となる。このような抗ウイルスカバーを同様の構造を持ったマスクに装着すると、両者はよりフィットするようになる。
なお、上記抗ウイルスカバー1では、抗ウイルス活性を有する素材として酸化銅を利用しているが、本発明はこれに限らない。例えば、同じ目的で、ダチョウ抗体や、カテキンなどの素材を利用しても良い。
また、抗ウイルスカバー1にアロマ用の香りを染み込ませておくこともできる。この場合、リラクゼーション効果が高まり、マスクを着用した際のストレスを緩和できる。
更に、抗ウイルスカバー1のファッション性を高める目的で、キャラクターや企業トレードマークなどを印刷しても良いし、その他、デザイン性の高い図柄を印刷しても良い。この場合、抗ウイルスカバー1が、広告媒体となり収益に寄与することが考えられる。
また、上記実施例では、抗ウイルス活性を有する素材の担体として不織布を用いているが、本発明はこれに限らない。例えば、ジャージー素材やスポンジ素材を担体として、酸化銅などの抗ウイルス活性を有する素材を含有させることもできる。このジャージー素材やスポンジ素材の抗ウイルスカバーの表面に、サッカーや野球チーム等のロゴや各種デザインを印刷すれば、見た目がよく広告効果を向上させることができる。
本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーによれば、マスクの表面に感染力のあるウイルスが残ることを防止し、マスクそのものが感染経路となることを防止する。
また、本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーによれば、洗って再利用できるもののウイルス除去性能が不十分な布マスクに対して、一定のウイルス除去性能を付与できる。
1、2、3 マスク用抗ウイルスカバー
2 酸化銅不織布
3a ヒダ
4、5 補強材
16、17 スリット
16h、17h 係止孔
18、19 拡張部分
18a、19a 補強部分
M マスク
S 紐
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Claims (5)
- 抗ウイルス活性を有する成分を含有するシート状の素材からなり、左右端にマスクの紐を通すスリットが設けられていることを特徴とするマスク用抗ウイルスカバー。
- 表面にロゴや各種デザインが印刷されていることを特徴とする請求項1に記載のマスク用抗ウイルスカバー。
- 前記抗ウイルス活性を有する成分を含有するシート状の素材とは、不織布であることを特徴とする請求項1に記載のマスク用抗ウイルスカバー。
- 前記抗ウイルス活性を有する成分は、銅酸化物であることを特徴とする請求項3に記載のマスク用抗ウイルスカバー。
- 前記不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されていることを特徴とする請求項4に記載のマスク用抗ウイルスカバー。
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