JP2022039304A - 緑色系飲料 - Google Patents

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Shohei Ozeki
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Abstract

【課題】料理の邪魔になるようなクセが抑制され、かつ料理に負けない味と香りを有し、また飲用することで口の中の料理の味をリセットできる緑色系飲料を提供することを目的とする。【解決手段】緑色植物粉砕物を含む緑色系飲料であって、有機酸類含量が、10mg/100g以上70mg/100g以下であり、糖含量が、0.5mg/100g以上50mg/100g以下であり、遊離アミノ酸含量が、20mg/100g以上40mg/100g未満である、緑色系飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、緑色系飲料に関する。
緑色野菜を主成分とする緑色系飲料は、簡易に野菜成分を摂取できる健康食品として利用されている。原料となる緑色野菜を生葉のまま市販することは困難であるため、通常、植物の緑葉を主原料とする乾燥粉末に加工し、保管されて流通し、飲用直前に水などに溶解して緑色飲料を調製する。
例えば、特許文献1には、緑色野菜全草粉末と緑色野菜搾汁液とを用い造粒して得られた高濃度野菜青汁用粉末が開示されている。また、特許文献2には、大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する血糖値上昇抑制用青汁が開示されている。
特開2008-086311号公報 特開2017-014187号公報
これまでの青汁飲料は、青汁特有の青臭さやクセを有する健康ための嗜好性飲料という側面が強く、食事の際に飲用するような食中飲料という観点からの製品開発はあまり行われていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、料理の邪魔になるようなクセが抑制され、かつ料理に負けない味と香りを有し、また飲用することで口の中の料理の味をリセットできる緑色系飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、緑色植物粉砕物を含む緑色系飲料において、有機酸類、糖、及び遊離アミノ酸の量を調整することにより、上記課題を解決しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
緑色植物粉砕物を含む緑色系飲料であって、
有機酸類含量が、10mg/100g以上70mg/100g以下であり、
糖含量が、0.5mg/100g以上50mg/100g以下であり、
遊離アミノ酸含量が、20mg/100g以上40mg/100g未満である、
緑色系飲料。
〔2〕
前記緑色植物粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.1g/100g以上3.0g/100g以下である、
〔1〕に記載の緑色系飲料。
〔3〕
前記緑色植物粉砕物のメディアン径が、3μm以上100μm以下である、
〔1〕又は〔2〕に記載の緑色系飲料。
本発明によれば、料理の邪魔になるようなクセが抑制され(食事との相性)、かつ料理に負けない味と香りを有し(風味バランス)、また飲用することで口の中の料理の味をリセット(さっぱり感)できる緑色系飲料を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔緑色系飲料〕
本実施形態の緑色系飲料(「青汁飲料」ともいう。)は、緑色植物粉砕物を含み、有機酸類含量が、10mg/100g以上70mg/100g以下であり、糖含量が、0.5mg/100g以上50mg/100g以下であり、遊離アミノ酸含量が、20mg/100g以上40mg/100g未満である。
一般に、食事の際に飲用するような食中飲料には、料理の味を損なうなどの邪魔になるようなクセが少なく、また、料理に負けないような味と香りのバランス(以下、「風味バランス」ともいう)を有するとともに、飲用することで口の中の料理の味をリセットできるようなさっぱり感が求められる。一方で、青汁飲料は、緑色植物に由来する独特のクセを有し、後味が残りやすく、嗜好性や栄養価という点から好んで飲まれる飲料である。このような青汁飲料の特徴を過度に損なうことなく食中飲料としての適性を向上させるためには、青汁特有のクセをやや抑えつつ、風味バランスを維持して、さっぱり感を向上させ、食事との相性を向上させることが考えらえる。本実施形態の緑色系飲料は、上記成分を所定量含有することにより、食事中において飲用しやすい食中飲料として提供することができる。
緑色植物粉砕物を含む緑色系飲料とは、緑色植物粉砕物と、水と、その他必要に応じて任意の添加成分を混合したものである。
(緑色植物粉砕物)
本実施形態で用いる緑色植物粉砕物は緑色植物を粉砕したものであり、粉砕物の態様としては、例えば、乾式粉砕により得られる粉末や、湿式粉砕により得られる液体やペーストが含まれる。粉砕物を用いることにより、搾汁液と比べ、緑色植物の有する成分を余すことなく、飲料に含めることができる。また、緑色植物粉砕物の中でも、保存安定性や取り扱い性の観点から緑色植物の粉末が好ましい。
緑色植物としては、特に制限されないが、例えば、大麦若葉、小麦若葉その他のイネ科植物、ケール、小松菜、メキャベツその他のアブラナ科野菜、明日葉、パセリなどのセリ科植物、ほうれん草、クワ若葉、モロヘイヤ、メキャベツなどのクロロフィルを含む葉物類が挙げられる。
このなかでも、大麦若葉、小麦若葉、ケール、及びモロヘイヤからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、大麦若葉がより好ましい。本実施形態によれば、このような高栄養価の緑色植物の栄養成分を破壊・流出させることなく、緑色系飲料を製造することができる。
緑色植物粉砕物の含有量は、緑色系飲料の総量に対して、好ましくは0.1g/100g以上3.0g/100g以下であり、より好ましくは0.5g/100g以上2.8g/100g以下であり、さらに好ましくは1.1g/100g以上2.8g/100g以下である。緑色植物粉砕物の含有量が上記範囲内であることにより、クセがなく料理の味を損ないにくく、飲用することで口の中の料理の味をリセットできるようなさっぱり感がより優れる傾向にある。
緑色系飲料中に分散した緑色植物粉砕物のメディアン径は、好ましくは3μm以上100μm以下であり、より好ましくは5μm以上80μm以下であり、好ましくは8μm以上60μm以下である。緑色植物粉砕物のメディアン径が上記範囲内であることにより、クセがなく料理の味を損ないにくく、飲用することで口の中の料理の味をリセットできるようなさっぱり感がより優れる傾向にある。
(有機酸類含量)
緑色系飲料の有機酸類含量は、10mg/100g以上であり、好ましくは15mg/100g以上であり、より好ましくは20mg/100g以上であり、さらに好ましくは25mg/100g以上であり、特に好ましくは30mg/100g以上である。また、緑色系飲料の有機酸類含量は、70mg/100g以下であり、好ましくは65mg/100g以下であり、より好ましくは60mg/100g以下であり、さらに好ましくは55mg/100g以下であり、特に好ましくは50mg/100g以下である。有機酸類含量が10mg/100g以上であることにより、飲用することで口の中の料理の味をリセットできるようなさっぱり感がより向上する傾向にある。また、有機酸類含量が70mg/100g以下であることにより、酸味によって料理の味を損なうことが抑制され、クセがより抑制される傾向にある。なお、本実施形態において「mg/100g」とは、緑色系飲料100gに含まれる所定の成分の含有量(mg)をいう。
有機酸類としては、特に制限されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸及びリン酸、または食品に利用可能な公知の酸が挙げられる。このなかでも、有機酸類含量はクエン酸、リンゴ酸、コハク酸及びリン酸の4種類の総含量であることが好ましい。
(糖含量)
緑色系飲料の糖含量は、0.5mg/100g以上であり、好ましくは3mg/100g以上であり、より好ましくは5mg/100g以上であり、さらに好ましくは10mg/100g以上であり、特に好ましくは15mg/100g以上である。また、緑色系飲料の糖含量は、50mg/100g以下であり、好ましくは48mg/100g以下であり、より好ましくは45mg/100g以下であり、さらに好ましくは40mg/100g以下であり、特に好ましくは35mg/100g以下である。糖含量が0.5mg/100g以上であることにより、料理に負けない程度に風味がより向上する傾向にある。また、糖含量が50mg/100g以下であることにより、料理の味を損なうなどの邪魔になるようなクセがより抑制される傾向にある。
糖としては、特に制限されないが、例えば、グルコース、フルクトース、ラフィノース及びマルトース、または食品に利用可能な公知の酸が挙げられる。このなかでも、糖含量はグルコース、フルクトース、ラフィノース及びマルトースの4種類の総含量であることが好ましい。
(遊離アミノ酸含量)
緑色系飲料の遊離アミノ酸含量は、20mg/100g以上であり、好ましくは22mg/100g以上であり、より好ましくは23mg/100g以上であり、さらに好ましくは24mg/100g以上である。また、緑色系飲料の遊離アミノ酸含量は、40mg/100g未満であり、好ましくは38mg/100g以下であり、より好ましくは35mg/100g以下であり、さらに好ましくは33mg/100g以下である。遊離アミノ酸含量が20mg/100g以上であることにより、風味バランスがより向上し、栄養価がより維持される傾向にある。また、遊離アミノ酸含量が40mg/100g未満であることにより、青汁特有のクセがより抑制される傾向にある。
なお、本実施形態において「遊離アミノ酸」とは、加水分解を行わずに検出可能なアミノ酸であり、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、アラニン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン及びGABAの10種類をいい、それ以外のアミノ酸は含まれない。また、「遊離」とは、タンパク質やペプチドを構成せず、単体で存在するアミノ酸を意味する。
(比)
有機酸類含量に対する糖含量の比(糖含量/有機酸類含量)は、好ましくは0.10以上であり、より好ましくは0.20以上であり、さらに好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.40以上である。また、比(糖含量/有機酸含量)は、好ましくは1.10以下であり、より好ましくは1.00以下であり、さらに好ましくは0.90以下であり、特に好ましくは0.80以下である。比(糖含量/有機酸類含量)が上記範囲内であることにより、飲料の甘味と酸味とのバランスが良くなり、食物を食べた後に飲むと口内がリセットされるさっぱり感がより向上し、食中飲料としての飲みやすさがより向上する傾向にある。
また、糖含量に対する遊離アミノ酸含量の比(遊離アミノ酸含量/糖含量)は、好ましくは0.40以上であり、より好ましくは0.50以上であり、さらに好ましくは0.65以上である。また、比(糖含量/有機酸類含量)は、好ましくは5.00以下であり、より好ましくは4.50以下であり、さらに好ましくは4.00以下であり、特に好ましくは3.50以下である。比(糖含量/有機酸類含量)が上記範囲内であることにより、飲料の甘味と青汁特有の風味とのバランスが良くなり、青汁特有の臭いがより抑制され、食中飲料としての飲みやすさがより向上する傾向にある。
本実施形態の緑色系飲料は、有機酸類含量、糖含量、及び遊離アミノ酸含量、並びにこれらの比を上記範囲内とすることにより、食事中において飲用しやすい食中飲料を提供することができる。有機酸類含量、糖含量、及び遊離アミノ酸含量を上記範囲に調整する方法としては、緑色植物粉砕物の調製方法を適宜選択し、また異なる方法で調製された緑色植物粉砕物を適宜組み合わせて用いる方法が挙げられる。
例えば、緑色植物粉砕物の製造過程では、植物が自身の酵素により品質が劣化することを抑制するために、緑色植物を茹でたり、蒸したり、釜炒りしたりすることで、酵素を不活性化させる。これらの処理では、緑色植物の栄養分の破壊・流出が生じ、原料となる緑色植物の栄養成分が変化する。
このなかでも、茹でる処理では、比較的に緑色植物のアクやその他成分が湯に落ちやすく、青汁特有のクセ(青臭さ)や後味が低減され、飲みやすい飲料の原料となりやすい。また、蒸す処理では、緑色植物の栄養成分が茹でよりも残りやすく、青汁特有の青臭さがやや低減されつつも、茹でた場合と比較して青汁特有の味が濃く残りやすく、風味バランスに優れた飲料の原料となりやすい。さらに、釜炒り処理では、茹でや蒸した場合と比較して、青汁特有のクセがより強く出る傾向にあり、また、比較的に栄養価も保持された飲料の原料となりやすい。それぞれの処理を経て得られた原料を、それぞれ茹で原料、蒸し原料、釜炒り原料ともいう。
本実施形態の緑色系飲料は、茹で原料や蒸し原料、あるいはこれらを混合した原料から得られた緑色植物粉砕物を用いることが好ましく、このなかでも蒸し原料を含むものがより好ましい。これにより、上記成分を所定量含有する緑色系飲料を容易に得ることが可能となり、食中飲料として供することができる。
(ミネラル含量)
緑色系飲料のミネラル含量は、好ましくは10mg/100g以上400mg/100g以下であり、より好ましくは15mg/100g以上300mg/100g以下であり、さらに好ましくは20mg/100g以上200mg/100g以下である。ミネラル含量が上記範囲内であることにより、食事との相性がより向上し、飲料の吸収率がより向上する傾向にある。
(Brix)
緑色系飲料のBrixは、好ましくは0.5~5.0であり、より好ましくは0.5~4.0であり、さらに好ましくは0.5~3.0である。Brixが上記範囲内であることにより、青汁特有の臭いがより抑制され、また、甘さを過度に上げることなく、飲みやすさがより向上する傾向にある。Brixは、用いる主原料である緑色植物粉砕物の調整方法により、適宜調整することができる。
(pH)
緑色系飲料のpHは、品温20℃において、好ましくは4.0~7.0であり、より好ましくは5.0~7.0であり、さらに好ましくは6.0~7.0である。pHが上記範囲内であることにより、青汁特有の臭いがより抑制され、また、酸によるさわやかさがより向上する傾向にある。
(その他の成分)
本実施形態の緑色系飲料は、緑色植物粉砕物に由来する有機酸類、糖、遊離アミノ酸を含むが、緑色植物粉砕物以外の他の成分を含んでいてもよい。この他の成分には、別途添加される有機酸類、糖、アミノ酸や、香気成分、pH調整剤、果汁、各種栄養成分、着色料、希釈剤、酸化防止剤、増粘安定剤等のその他飲料に使用できる公知の添加成分が挙げられる。
別途添加される有機酸類としては、特に制限されないが、例えば、クエン酸三ナトリウムなどのクエン酸塩、無水クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、フィチン酸、アスコルビン酸又はそれらの塩類が挙げられる。
別途添加される糖としては、特に制限されないが、例えば、ブドウ糖、グラニュー糖、乳糖、および麦芽糖等の糖類、ショ糖、果糖、キシリトール、およびD-ソルビトール等の低甘味度甘味料が挙げられる。
別途添加されるアミノ酸としては、特に制限されないが、例えば、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、アラニン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン及びGABAなどが挙げられる。
(容器)
本実施形態の緑色系飲料は容器詰の形態で提供される。容器形態は特に限定されるものではなく、例えば金属缶(スチール缶、アルミニウム缶など)、PET容器、紙容器、瓶等を挙げることができる。
〔緑色系飲料の製造方法〕
本実施形態の緑色系飲料の製造方法としては、例えば、緑色植物を加熱するブランチング工程と、ブランチング工程後の緑色植物を粉砕して緑色植物粉砕物を得る粉砕工程と、緑色植物粉砕物を水と混合して緑色系飲料を得る混合工程と、を含む方法が挙げられる。また、緑色系飲料の製造方法は、必要に応じて、粉砕工程前に、緑色植物を微細化する微細化工程や、緑色植物を乾燥する乾燥工程を含んでいてもよい。以下、一連の工程について詳説するが、緑色系飲料の製造方法は、これら工程に限定されるものではない。
〔ブランチング工程〕
ブランチング工程では、緑色植物を加熱することにより、酵素を失活させる。また、加熱により、緑色植物に含まれる各成分量を調整することもできる。ブランチング工程における加熱方法としては、茹で処理、蒸し処理、釜炒り処理が挙げられる。
茹で処理は、例えば、水中で緑色植物を加熱する工程である。茹で処理の温度は、例えば、80~100℃であり、また、茹で処理の時間は、例えば、20~400秒とすることができる。茹で処理後の緑色植物は茹で湯と分離し、常温まで冷却してから次の工程に供することができる。
蒸し処理は、例えば、水蒸気で緑色植物を加熱する工程である。蒸し処理の温度は、例えば、80~130℃であり、また、蒸し処理の時間は、例えば、40~600秒とすることができる。蒸し処理後の緑色植物は適宜水分を分離し、常温まで冷却してから次の工程に供することができる。
釜炒り処理は、例えば、回転する円筒状の釜などを用いて乾燥条件下で緑色植物を加熱する工程である。釜炒り処理の温度は、例えば、200~400℃であり、また、釜炒り処理の時間は、例えば、20~240秒とすることができる。釜炒り処理後の緑色植物は常温まで冷却してから次の工程に供することができる。
本実施形態においては、異なるブランチング処理を経た緑色植物を組み合わせて、以下の工程に用いることができる。このなかでも、少なくとも蒸し処理を経た緑色植物を用いることが好ましく、蒸し処理を経た緑色植物と、茹で処理を経た緑色植物とを組み合わせて用いることがより好ましい。
また、本実施形態の緑色系飲料の製造においては、異なる地域で、異なる時期に収穫した緑色植物を用いてもよいし、そのような地域や収穫時期の異なる緑色植物に対して、それぞれ、上記のような釜炒り処理や、蒸し処理、茹で処理を施したものを組み合わせて用いてもよい。
この際には、例えば、ある地域で、ある時期に収穫した緑色植物に対して、蒸し等の処理を行い、緑色植物粉砕物を得て、その緑色植物粉砕物を用いて得られる緑色系飲料の有機酸類含量、糖含量、及び遊離アミノ酸含量を測定しておいてもよい。これにより、地域、時期、処理毎に応じた緑色植物粉砕物の成分を把握することができる。そして、最終的に得られる緑色系飲料の有機酸類含量、糖含量、及び遊離アミノ酸含量が、所定の範囲となるように、任意の割合で各緑色系飲料を混合するようにしてもよい。
緑色植物粉砕物において、蒸し処理を経た緑色植物100部に対する茹で処理を経た緑色植物の使用割合は、好ましくは5~350部であり、より好ましくは8~200部であり、さらに好ましくは10~50部である。蒸し処理を経た緑色植物と茹で処理を経た緑色植物とを上記割合で組み合わせて調製した緑色植物粉砕物を用いることにより、有機酸類含量、糖含量、及び遊離アミノ酸含量、並びにこれらの比を上記範囲内としやすい。
〔微細化工程〕
本実施形態の緑色系飲料の製造方法は、ブランチング工程後、粉砕工程に先立って、緑色植物を微細化する微細化工程を備えていてもよい。粉砕工程一段階だけでは粉砕物にすることが容易ではない場合には、粉砕工程前に、緑色植物の大きさに応じて多段階の微細化工程を行うことができる。なお、微細化工程は、後述する乾燥工程前に行っても後に行ってもよく、乾燥工程の前後でそれぞれ行ってもよい。また、本実施形態では、微細化工程は粉砕工程前に行うものであり、微細化された緑色植物は、緑色植物粉砕物よりも大きいものとする。
微細化の具体的な操作としては、特に制限されないが、例えば、緑色植物を細断あるいはすりつぶすことが挙げられる。目安として、緑色植物の大きさが、微細化工程で使用する装置で規定される最大原料サイズ以下となるまで破砕することが考えられる。
〔乾燥工程〕
本実施形態の緑色系飲料の製造方法は、ブランチング工程後、粉砕工程に先立って、緑色植物を乾燥させる乾燥工程を備えていてもよい。乾燥工程は、加熱して水分を蒸発させるものに限られず、凍結した状態で水分を蒸発させる凍結乾燥も含まれる。例えば、緑色植物の微細化をある程度形が残る程度、例えば一口サイズまで行い、それを凍結乾燥することにより、フリーズドライ野菜を得ることができる。
〔粉砕工程〕
粉砕工程は、ブランチング工程後の緑色植物を粉砕して緑色植物粉砕物を得る。粉砕方法としては、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル等が挙げられる。なお、粉砕工程は、微細化工程後であれば、上述する乾燥工程前に行っても後に行ってもよい。
〔混合工程〕
混合工程は、緑色植物粉砕物を水と混合して緑色系飲料を得る工程である。これにより水中に緑色植物粉砕物を分散させて、緑色系飲料を得ることができる。この際、その他の添加剤等を添加して、混合してもよい。
〔その他の工程〕
さらに、本実施形態の緑色系飲料の製造方法では、例えば、収穫後の緑色植物を洗浄する洗浄工程や、ブランチング工程前又は後に収穫後の緑色植物を切断する切断工程などを行ってもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔蒸し条件Aによる大麦若葉粉砕物1〕
鹿児島県にて秋ごろ大麦若葉を収穫し、収穫後より送風と加湿を行い大麦若葉の品質を保持しつつ、大麦若葉を2~8cm程度になるようカットした。カット後、100℃の蒸気で60秒加熱した(蒸し処理)。蒸し機から取り出した葉へ乾燥した熱風を送り込みながら打圧を加える粗揉工程を経て水分率を下げていった。最終的に熱風を送り込むことで乾燥を促す棚乾燥機で水分率を5%まで下げた後、ボールミルで25Hz30秒粉砕して、大麦若葉粉砕物1を得た。
〔蒸し条件Bによる大麦若葉粉砕物2〕
宮崎県にて秋ごろ大麦若葉を収穫し、収穫後より送風と加湿を行い大麦若葉の品質を保持しつつ、大麦若葉を2~8cm程度になるようカットした。カット後、100℃の蒸気で180秒加熱した(蒸し処理)。蒸し機から取り出した葉へ乾燥した熱風を送り込みながら打圧を加える粗揉工程を経て水分率を下げていった。最終的に熱風を送り込むことで乾燥を促す棚乾燥機で水分率を5%まで下げた後、ボールミルで25Hz30秒粉砕して、大麦若葉粉砕物2を得た。
〔茹で条件Aによる大麦若葉粉砕物3〕
鹿児島県にて秋ごろ大麦若葉を収穫し、収穫後より送風と加湿を行い大麦若葉の品質を保持しつつ、大麦若葉を2~8cm程度になるようカットした。カット後、生葉の20倍量の水槽に生葉を投入し90℃60秒で加熱した(茹で処理)。水槽から取り出した葉へ乾燥した熱風を送り込みながら打圧を加える粗揉工程を経て水分率を下げていった。最終的に熱風を送り込むことで乾燥を促す棚乾燥機で水分率を5%まで下げた後、ボールミルで25Hz30秒粉砕して、大麦若葉粉砕物3を得た。
〔茹で条件Bによる大麦若葉粉砕物4〕
鹿児島県にて春ごろ大麦若葉を収穫し、収穫後より送風と加湿を行い大麦若葉の品質を保持しつつ、大麦若葉を2~8cm程度になるようカットした。カット後、生葉の20倍量の水槽に生葉を投入し90℃60秒で加熱した(茹で処理)。水槽から取り出した葉へ乾燥した熱風を送り込みながら打圧を加える粗揉工程を経て水分率を下げていった。最終的に熱風を送り込むことで乾燥を促す棚乾燥機で水分率を5%まで下げた後、ボールミルで25Hz30秒粉砕して、大麦若葉粉砕物4を得た。
〔茹で条件Cによる大麦若葉粉砕物5〕
宮崎県にて秋ごろ大麦若葉を収穫し、収穫後より送風と加湿を行い大麦若葉の品質を保持しつつ、大麦若葉を2~8cm程度になるようカットした。カット後、生葉の10倍量の水槽に生葉を投入し100℃180秒で加熱した(茹で処理)。水槽から取り出した葉へ乾燥した熱風を送り込みながら打圧を加える粗揉工程を経て水分率を下げていった。最終的に熱風を送り込むことで乾燥を促す棚乾燥機で水分率を5%まで下げた後、ボールミルで25Hz30秒粉砕して、大麦若葉粉砕物5を得た。
〔緑色系飲料〕
上記のようにして得られた各大麦若葉粉砕物を表1~2に記載の割合で水と混合し、緑色系飲料100gを得た。また、適宜、クエン酸やブドウ糖についても添加した。なお、水の量は調製される緑色系飲料100gがとなる量を添加した。表中においては「残量」と記す。
〔有機酸類の測定方法〕
上記のようにして調製した緑色系飲料を80℃の温浴に30分間保持して、粉砕試料の成分を水中に抽出した。得られた抽出物を、Prominence有機酸分析システム(島津製作所社製)で測定した。ここで、測定対象となる「有機酸類」は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸及びリン酸である。
〔糖の測定方法〕
上記のようにして調製した緑色系飲料を80℃の温浴に30分間保持して、粉砕試料の成分を水中に抽出した。得られた抽出物をイオンクロマトグラフィー機器DionexICS-5000+(ThermoFisher SCIENTIFIC社)で測定した。ここで、測定対象となる「糖」は、グルコース、フルクトース、ラフィノース及びマルトースである。
〔遊離アミノ酸の測定方法〕
上記のようにして調製した緑色系飲料を80℃の温浴に30分間保持して、粉砕試料の成分を水中に抽出した。得られた抽出物を、HPLCを用いた自動プレカラム誘導化法で測定した。ここで、測定対象となる「遊離アミノ酸」は、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、アラニン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン及びGABAである。
カラム:CAPCELLPAK C18 TYPE AQ(3.0mm i.d.×150mm)(大阪ソーダ社製)
装置:Waters HPLC
〔メディアン径の測定方法〕
上記のようにして調製した緑色系飲料に含まれる緑色植物粉砕物のメディアン径をレーザ回析式粒度分布測定装置(SHIMADZU SALD-2300、島津製作所社製、WingSALDII,Version3.1.1)によって測定した(体積基準)。その結果、実施例で調整した各飲料の緑色植物粉砕物のメディアン径は3μm以上100μm以下の範囲であった。
〔風味バランス〕
青汁としての味と香りのバランスを「風味バランス」として、得られた緑色系飲料の風味バランスの程度を5人の専門パネラーが判断し、5点:「かなり良い」、4点「良好」、3点「普通」、2点「あまり良くない」、1点「良くない」で評価し、評価点の平均を算出した。平均点に応じて、以下の基準により評価した。
×:平均点が1以上2未満
△:平均点が2以上3未満
〇:平均点が3以上4未満
◎:平均点が4以上5以下
〔さっぱり感〕
食物を食べた後に飲むと口内がリセットされる感じを「さっぱり感」として、得られた緑色系飲料のさっぱり感の程度を5人の専門パネラーが判断し、5点:「かなりある」、4点「ある」、3点「普通」、2点「あまりない」、1点「ない」で評価し、評価点の平均を算出した。平均点に応じて、以下の基準により評価した。
×:平均点が1以上2未満
△:平均点が2以上3未満
〇:平均点が3以上4未満
◎:平均点が4以上5以下
〔食事との相性〕
青臭さなどのクセがなく、食事の邪魔にならないが食事に負けない風味を有するかという点を「食事との相性」として、得られた緑色系飲料の食事との相性の程度を5人の専門パネラーが判断し、5点:「かなり良い」、4点「良好」、3点「普通」、2点「あまり良くない」、1点「良くない」で評価し、評価点の平均を算出した。平均点に応じて、以下の基準により評価した。
×:平均点が1以上2未満
△:平均点が2以上3未満
〇:平均点が3以上4未満
◎:平均点が4以上5以下
〔総合評価〕
上記の各評価の平均値の和に基づいて、下記基準により食事の際に引用する食中飲料としてのバランスを示す総合評価を行った。
(基準)
×:平均値の和が3以上6未満
△:平均値の和が6以上9未満
〇:平均値の和が9以上12未満
◎:平均値の和が12以上15以下
Figure 2022039304000001
Figure 2022039304000002
本発明は、緑色系飲料として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (3)

  1. 緑色植物粉砕物を含む緑色系飲料であって、
    有機酸類含量が、10mg/100g以上70mg/100g以下であり、
    糖含量が、0.5mg/100g以上50mg/100g以下であり、
    遊離アミノ酸含量が、20mg/100g以上40mg/100g未満である、
    緑色系飲料。
  2. 前記緑色植物粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.1g/100g以上3.0g/100g以下である、
    請求項1に記載の緑色系飲料。
  3. 前記緑色植物粉砕物のメディアン径が、3μm以上100μm以下である、
    請求項1又は2に記載の緑色系飲料。
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