JP2022039161A - 回転電機の制御装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

回転電機の制御装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高回転速度時において、回転角度のセンサ検出値に含まれる交流成分の誤差を低減しつつ、電流検出値に含まれる高周波のノイズ成分による回転角度の誤差の増加を抑制できる回転電機の制御装置及び電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】真の回転角度に対する制御用の回転角度θcの偏差である推定実角度偏差Δθeを推定し、回転角度の検出値θdに対する制御用の回転角度θcの偏差である検出角度偏差Δθdを算出し、推定実角度偏差Δθeと検出角度偏差Δθdとを内分して、制御角度偏差Δθcを算出し、制御角度偏差Δθcが0に近づくようにフィードバック制御を行って、制御用の回転角度θcを算出し、回転速度が速度閾値よりも高い場合に、推定実角度偏差の割合Keを、検出角度偏差の割合Kdよりも高くする回転電機の制御装置。【選択図】図6

Description

本願は、回転電機の制御装置及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
ロータに磁石を設けた回転電機を制御するためには、ロータの回転角度を検出する必要がある。回転センサにより検出された回転角度には、真の回転角度に対して誤差がある。センサ角度誤差の直流成分は、トルクの直流成分の誤差となり、センサ角度誤差の交流成分は、トルクの交流成分の誤差(トルク脈動誤差)となる。トルク脈動誤差は、回転電機からの騒音の要因となる。よって、回転電機を静音状態で回転させるには、角度誤差の交流成分を低減することが重要である。
特許文献1の技術は、軸誤差演算器605により軸誤差Δθdcを推定し、電気角速度補正演算器603により軸誤差Δθdcを0に制御する補正量Δω1cを演算し、正常な回転位置センサにより検出した電気角速度ω1scに補正量Δω1cを加算して、補正後の電気角速度ω1cを算出し、電気角速度ω1cに基づいて、回転子位相θdcを算出している。
特開2019-050684号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、推定した軸誤差Δθdcを0にする補正量Δω1cは、正常な回転位置センサにより検出した電気角速度ω1scに加算されるため、電気角速度ω1scに交流成分の誤差が含まれる場合は、交流成分の誤差を補償するため、軸誤差Δθdc及び補正量Δω1cは、交流成分の周波数で応答する必要がある。交流成分の周波数は、回転周波数に比例するため、回転速度が増加するに従って、交流成分の周波数が増加する。高い回転速度で、補正量Δω1cを回転周波数で応答させるためには、補正量Δω1cを算出するフィードバック制御の応答周波数を、最大の回転周波数まで高くする必要がある。フィードバック制御の応答周波数を高くすると、軸誤差Δθdcの算出に用いられる電流検出値に含まれる高周波ノイズ成分にも応答し、補正量Δω1cにノイズ成分が重畳する問題が生じる。すなわち、特許文献1の技術では、高回転速度時において、回転角度のセンサ検出値に含まれる交流成分の誤差の低減と、電流検出値に含まれるノイズ成分による誤差の増加とが、トレードオフの関係になり、回転角度を精度よく検出することが困難であった。
そこで、本願は、高回転速度時において、回転角度のセンサ検出値に含まれる交流成分の誤差を低減しつつ、電流検出値に含まれる高周波のノイズ成分による回転角度の誤差の増加を抑制できる回転電機の制御装置及び電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本願に係る回転電機の制御装置は、複数相の巻線を設けたステータと磁石を設けたロータとを有する回転電機を、電力変換器を介して制御する回転電機の制御装置であって、
回転センサの出力信号に基づいて前記ロータの回転角度を検出する回転検出部と、
前記ロータの制御用の回転角度を算出する制御用角度算出部と、
電流センサの出力信号に基づいて前記複数相の巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記制御用の回転角度及び電流検出値に基づいて、前記複数相の巻線に印加する電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
前記電圧指令値に基づいて前記電力変換器が有する複数のスイッチング素子をオンオフするスイッチング制御部と、を備え、
前記制御用角度算出部は、
前記電流検出値の情報、及び前記電圧指令値の情報に基づいて、前記ロータの真の回転角度に対する前記制御用の回転角度の偏差である推定実角度偏差を推定し、
回転角度の検出値に対する前記制御用の回転角度の偏差である検出角度偏差を算出し、
前記推定実角度偏差と前記検出角度偏差とを内分した値を、制御角度偏差として算出し、
前記制御角度偏差が0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、前記制御用の回転角度を算出し、
前記ロータの回転角速度に比例する物理量である速度比例物理量が、予め設定された速度閾値よりも高い場合に、前記制御角度偏差における前記推定実角度偏差の割合を、前記検出角度偏差の割合よりも高くし、
前記速度比例物理量が、前記速度閾値よりも低い場合に、前記制御角度偏差における前記推定実角度偏差の割合を、前記検出角度偏差の割合よりも低くするものである。
本願に係る電動パワーステアリング装置は、
上記の回転電機の制御装置と、
前記電力変換器と、
前記回転電機と、
前記回転電機の駆動力を車両の操舵装置に伝達する駆動力伝達機構と、を備え、
前記制御角度偏差から前記制御用の回転角度までの応答周波数は、90Hz以上に設定されている。
本願に係る回転電機の制御装置及び電動パワーステアリング装置によれば、推定実角度偏差と検出角度偏差とを内分した制御角度偏差が0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、制御用の回転角度を算出しているので、特許文献1のように、回転角速度のセンサ検出値をフィードバック制御値により補正するように構成されておらず、高回転速度時において、回転角度のセンサ検出値に含まれる交流成分の誤差を低下するように、フィードバック制御の応答周波数を高くする必要がない。そのため、フィードバック制御の応答周波数を、比較的低周波数の機械的な回転角度の振動周波数に応答できるように設定し、比較的高周波の電流検出値のノイズ成分の周波数に応答しないように設定することができる。また、高回転速度時において、推定実角度偏差の割合が、検出角度偏差の割合よりも高くされると共に、制御角度偏差を0に近づけるフィードバック制御により制御用の回転角度が算出されるので、回転角度のセンサ検出値に含まれる交流成分の誤差が、制御用の回転角度に反映されることを抑制でき、制御用の回転角度を真の回転角度に近づけることができる。従って、高回転速度時において、回転角度のセンサ検出値に含まれる交流成分の誤差を低減しつつ、電流検出値に含まれる高周波のノイズ成分による回転角度の誤差の増加を抑制できる。また、低回転速度において、検出角度偏差の割合が、推定実角度偏差の割合よりも高くされた場合でも、制御角度偏差を0に近づけるフィードバック制御により制御用の回転角度が算出されるので、回転角度のセンサ検出値に含まれる交流成分の誤差が、制御用の回転角度に反映されることを抑制できる。
実施の形態1に係る回転電機、電力変換器、及び制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る制御装置の概略ブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る制御領域を説明する図である。 実施の形態1に係る制御領域を説明する図である。 実施の形態1に係る制御用角度算出部のブロック図である。 実施の形態1に係る内分率の設定を説明する図である。 実施の形態1に応答周波数を説明するボード線図である。 実施の形態2に係る制御用角度算出部のブロック図である。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る回転電機の制御装置10(以下、単に制御装置10と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る回転電機1、電力変換器4、及び制御装置10の概略構成図である。本実施の形態では、回転電機1が、電動パワーステアリング装置100の駆動力源となっており、回転電機1、電力変換器4、及び制御装置10が、電動パワーステアリング装置100を構成している。
1-1.回転電機1
回転電機1は、ステータと、ステータの径方向内側に配置されたロータと、を備えている。ステータには、複数相の巻線(本例では、U相、V相、W相の3相の巻線Cu、Cv、Cw)が設けられている。ロータには、磁石が設けられている。本実施の形態では、磁石は永久磁石であり、回転電機1は、永久磁石式の同期回転電機とされている。なお、磁石は、界磁巻線を有する電磁石であってもよい。3相の巻線は、スター結線されてもよいし、デルタ結線されてもよい。
ロータには、ロータの回転角度を検出するための回転センサ2が備えられている。回転センサ2には、レゾルバ、エンコーダ、MRセンサ等が用いられる。回転センサ2の出力信号は、制御装置10に入力される。
1-2.電力変換器4
電力変換器4としてインバータが用いられている。なお、電力変換器4として、インバータ以外の電力変換器、例えば、マトリックスコンバータが用いられてもよい。
インバータ4は、直流電源3の正極側に接続される正極側のスイッチング素子SPと直流電源3の負極側に接続される負極側のスイッチング素子SNとが直列接続された直列回路(レッグ)を、3相各相に対応して3セット設けている。そして、各相の直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、対応する相の巻線に接続されている。
具体的には、U相の直列回路では、U相の正極側のスイッチング素子SPuとU相の負極側のスイッチング素子SNuとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がU相の巻線Cuに接続されている。V相の直列回路では、V相の正極側のスイッチング素子SPvとV相の負極側のスイッチング素子SNvとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がV相の巻線Cvに接続されている。W相の直列回路では、Wの正極側のスイッチング素子SPwとW相の負極側のスイッチング素子SNwとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がW相の巻線Cwに接続されている。平滑コンデンサ5が、直流電源3の正極側と負極側との間に接続されている。
スイッチング素子には、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、ダイオードが逆並列接続されたバイポーラトランジスタ等が用いられる。各スイッチング素子のゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、制御装置10に接続されている。各スイッチング素子は、制御装置10から出力されたスイッチング信号GPu~GNwによりオン又はオフされる。
直流電源3は、インバータ4に直流電圧Vdcを出力する。本実施の形態では、直流電圧Vdcは、12Vとされている。直流電源3として、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧Vdcを出力する機器であれば、どのような機器であってもよい。直流電源3には、直流電圧Vdcを検出する電圧センサが設けられ、電圧センサの出力信号が制御装置10に入力されてもよい。制御装置10は、検出した直流電圧Vdcを用いて、制御を行ってもよい。
各相の巻線に流れる電流を検出するための電流センサ6が設けられている。電流センサ6は、シャント抵抗又はホール素子等の電流センサとされる。電流センサ6の出力信号は、制御装置10に入力される。
本実施の形態では、電流センサ6は、各相の2つのスイッチング素子の直列回路に備えられている。U相の抵抗Ru、V相の抵抗Rv、及びW相の抵抗Rwは、各相の負極側のスイッチング素子SNの負極側に直列接続されている。3相の抵抗Ru、Rv、Rwは、アンプ21、22、23により各相の抵抗の両端電位差が検出され、両端電位差が制御装置10に入力される。
なお、電流センサ6は、各相の2つのスイッチング素子の直列回路と各相のコイルとを接続する電線上に備えられてもよい。或いは、電流センサは、インバータ4と直流電源3と接続する電線上に設けられ、公知の「母線1シャント方式」により、各相の巻線の電流が検出されてもよい。
1-3.電動パワーステアリング装置100
電動パワーステアリング装置100は、回転電機の制御装置10と、インバータ4と、回転電機1と、回転電機1の駆動力を車両の操舵装置102に伝達する駆動力伝達機構101と、を備えている。
回転電機1のロータの回転軸は、駆動力伝達機構101を介して車輪103の操舵装置102に連結される。例えば、電動パワーステアリング装置100は、運転者が左右に回転するハンドル104と、ハンドル104に連結されて、ハンドル104による操舵トルクを車輪103の操舵装置102に伝達するシャフト105と、シャフト105に取り付けられ、ハンドル104による操舵トルクTsを検出するトルクセンサ106と、回転電機1の回転軸をシャフト105に連結するウォームギヤ機構等の駆動力伝達機構101と、を備えている。トルクセンサ106の出力信号は、制御装置10(入力回路92)に入力される。
1-4.制御装置10
制御装置10は、インバータ4を介して回転電機1を制御する。図2に示すように、制御装置10は、回転検出部31、制御用角度算出部32、電流検出部33、電圧指令値算出部34、及びスイッチング制御部35等を備えている。制御装置10の各機能は、制御装置10が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置10は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路92は、回転センサ2、電流センサ6、トルクセンサ106等の各種のセンサ、スイッチが接続され、これらセンサ、スイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、スイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
そして、制御装置10が備える各制御部31~35等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御装置10の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部31~35等が用いる内分率、制御ゲイン等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。以下、制御装置10の各機能について詳細に説明する。
1-4-1.基本制御
回転検出部31は、回転センサ2の出力信号に基づいて、ロータの回転角度θdを検出する。ロータの回転角度の検出値θdとして、U相の巻線位置に対する電気角での磁石の磁極(N極)の回転角度(磁極位置)が検出される。
電流検出部33は、電流センサ6の出力信号に基づいて、3相の巻線に流れる電流Iud、Ivd、Iwdを検出する。電流検出部33は、電流センサ6の出力信号に基づいて、U相の巻線に流れる電流Iudを検出し、V相の巻線に流れる電流Ivdを検出し、W相の巻線に流れる電流Iwdを検出する。なお、電流センサ6が2相の巻線電流を検出するように構成され、残りの1相の巻線電流が、2相の巻線電流の検出値に基づいて算出されてもよい。例えば、電流センサ6が、V相及びW相の巻線電流Ivd、Iwdを検出し、U相の巻線電流Iudが、Iud=-Ivd-Iwdにより算出されてもよい。
電圧指令値算出部34は、後述する制御用角度算出部32により算出された制御用の回転角度θc及び電流検出値に基づいて、3相の巻線に印加する3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する。
本実施の形態では、電圧指令値算出部34は、電流指令値算出部341、電流座標変換部342、dq軸電圧指令値算出部343、及び電圧座標変換部344を備えている。
電流座標変換部342は、3相巻線の電流検出値Iud、Ivd、Iwdを、制御用の回転角度θcに基づいてd軸及びq軸の電流検出値Idd、Iqdに変換する。本実施の形態では、電流座標変換部342は、3相巻線の電流検出値Iud、Ivd、Iwdを、次式に示すように、制御用の回転角度θcに基づいて3相2相変換及び回転座標変換を行って、d軸及びq軸の電流検出値Idd、Iqdに変換する。
Figure 2022039161000002
なお、d軸は、磁石の磁極(N極)の方向に定められ、q軸は、d軸より電気角で90度進んだ方向に定められる。本例では、制御用の回転角度θcに基づいて座標変換されるので、制御用の回転角度θcの方向がd軸となる。
電流指令値算出部341は、d軸及びq軸の電流指令値Ido、Iqoを算出する。電流指令値算出部341は、トルクセンサ106の出力信号に基づいて、運転者の操舵トルクTsを検出する。そして、電流指令値算出部341は、次式に示すように、操舵トルクTsに基づいてq軸の電流指令値Iqoを設定し、d軸の電流指令値Idoを0に設定する。すなわち、Id=0制御が行われる。Id=0制御では、d軸の電流指令値Idoが0に設定される。Id=0制御は、表面磁石型の回転電機に好適である。
Iqo=Ka×Ts
Ido=0 ・・・(2)
ここで、Kaは、定数であるが、操舵トルクTs及び車両の走行速度等に応じて変化されてもよい。また、q軸の電流指令値Iqoは、操舵状況に応じた公知の補償制御に基づいて設定されてもよい。埋込磁石型の回転電機の場合は、Id=0制御の代わりに、最大トルク電流制御によりd軸及びq軸の電流指令値Ido、Iqoが設定されてもよい。最大トルク電流制御では、同一電流に対して発生トルクを最大にするようなd軸及びq軸の電流指令値Ido、Iqoが算出される。
回転角速度が高い領域で、Id=0制御又は最大トルク電流制御により算出されるd軸の電流指令値よりも、d軸の電流指令値Idoを負方向に増加させる弱め磁束制御が行われる。例えば、弱め磁束制御の実行領域は、回転角速度ωが、インバータが出力する線間電圧の振幅が直流電圧Vdcに到達する基底速度以上になる領域に設定される。
図4に、表面磁石型の回転電機において、Id=0制御及び弱め磁束制御が行われる場合の、各制御の実行領域を示す。図5に、埋込磁石型の回転電機において、最大トルク電流制御及び弱め磁束制御が行われる場合の、各制御の実行領域を示す。
dq軸電圧指令値算出部343は、次式に示すように、d軸の電流検出値Iddがd軸の電流指令値Idoに近づき、q軸の電流検出値Iqdがq軸の電流指令値Iqoに近づくように、d軸の電圧指令値Vdo及びq軸の電圧指令値Vqoを、PI制御等により変化させる電流フィードバック制御を行う。
Figure 2022039161000003
ここで、Kd、Kqは、比例ゲインであり、Td、Tqは、積分時定数であり、sは、ラプラス演算子である。
なお、d軸電流とq軸電流の非干渉化のためのフィードフォワード制御が行われてもよい。すなわち、d軸の電圧指令値Vdoに、「-ωc×Lq×Iqc」が加算され、q軸の電圧指令値Vqoに、「ωc×(Ld×Idc+ψ)」が加算されてもよい。ここで、ωcは、後述する制御用の回転角速度であり、ωcの代わりに、後述する回転角速度の検出値ωdが用いられてもよい。Lqは、q軸のインダクタンスであり、Ldは、d軸のインダクタンスであり、ψは、磁石の起磁力が巻線に鎖交する鎖交磁束である。
電圧座標変換部344は、d軸及びq軸の電圧指令値Vdo、Vqoを、制御用の回転角度θcに基づいて3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoに変換する。本実施の形態では、電圧座標変換部344は、d軸及びq軸の電圧指令値Vdo、Vqoを、次式に示すように、制御用の回転角度θcに基づいて固定座標変換及び2相3相変換を行って、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoに変換する。
Figure 2022039161000004
なお、電圧座標変換部344は、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoに対して、2相変調、3次高調波重畳等の公知の変調を加えてもよい。
スイッチング制御部35は、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoに基づいて、インバータ4が有する複数のスイッチング素子をオンオフする。スイッチング制御部35は、公知のキャリア比較PWM又は空間ベクトルPWMを用いる。
キャリア比較PWMが用いられる場合は、スイッチング制御部35は、キャリア波と3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoのそれぞれとを比較し、比較結果に基づいて、複数のスイッチング素子をオンオフする。キャリア波は、PWM周期Tcで0を中心に直流電圧の半分値Vdc/2の振幅で振動する三角波とされている。スイッチング制御部35は、各相について、キャリア波が電圧指令値を下回った場合は、正極側のスイッチング素子のスイッチング信号GPをオンして、正極側のスイッチング素子をオンし、キャリア波CAが電圧指令値を上回った場合は、正極側のスイッチング素子のスイッチング信号GPをオフして、正極側のスイッチング素子をオフする。一方、スイッチング制御部35は、各相について、キャリア波が電圧指令値を下回った場合は、負極側のスイッチング素子のスイッチング信号GNをオフして、負極側のスイッチング素子をオフして、負極側のスイッチング素子をオフし、キャリア波CAが電圧指令値を上回った場合は、負極側のスイッチング素子のスイッチング信号GNをオンして、負極側のスイッチング素子をオンする。なお、各相について、正極側のスイッチング素子のオン期間と負極側のスイッチング素子のオン期間との間には、正極側及び負極側のスイッチング素子の双方をオフにする短絡防止期間(デッドタイム)が設けられてもよい。
空間ベクトルPWMが用いられる場合は、スイッチング制御部35は、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoから電圧指令ベクトルを生成し、電圧指令ベクトルに基づいて、PWM周期における7つの基本電圧ベクトルの出力時間配分を決定し、7つの基本電圧ベクトルの出力時間配分に基づいて、PWM周期において各スイッチング素子をオンオフするスイッチング信号を生成する。
1-4-2.制御用角度算出部32
制御用角度算出部32は、ロータの制御用の回転角度θcを算出する。制御用角度算出部32は、電流検出値の情報、及び電圧指令値の情報に基づいて、ロータの真の回転角度に対する制御用の回転角度θcの偏差である推定実角度偏差Δθeを推定する。制御用角度算出部32は、回転角度の検出値θdに対する制御用の回転角度θcの偏差である検出角度偏差Δθdを算出する。そして、制御用角度算出部32は、推定実角度偏差Δθeと検出角度偏差Δθdとを内分した値を、制御角度偏差Δθcとして算出する。そして、制御用角度算出部32は、制御角度偏差Δθcが0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、制御用の回転角度θcを算出する。
制御用角度算出部32は、ロータの回転角速度に比例する物理量である速度比例物理量が、予め設定された速度閾値Thよりも高い場合に、制御角度偏差Δθcにおける推定実角度偏差Δθeの割合Keを、検出角度偏差の割合Kdよりも高くし、速度比例物理量が、速度閾値Thよりも低い場合に、制御角度偏差Δθcにおける推定実角度偏差Δθeの割合Keを、検出角度偏差の割合Kdよりも低くする。
この構成によれば、推定実角度偏差Δθeと検出角度偏差Δθdとを内分した制御角度偏差Δθcが0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、制御用の回転角度θcを算出しているので、特許文献1のように、回転角速度のセンサ検出値をフィードバック制御値により補正するように構成されておらず、高回転速度時において、回転角度のセンサ検出値に含まれる交流成分の誤差を低下するように、フィードバック制御の応答周波数を高くする必要がない。そのため、フィードバック制御の応答周波数を、比較的低周波数の機械的な回転角度の振動周波数に応答できるように設定し、比較的高周波の電流検出値のノイズ成分の周波数に応答しないように設定することができる。また、高回転速度時において、推定実角度偏差Δθeの割合Keが、検出角度偏差Δθdの割合Kdよりも高くされると共に、制御角度偏差Δθcを0に近づけるフィードバック制御により制御用の回転角度θcが算出されるので、回転角度の検出値θdに含まれる交流成分の誤差が、制御用の回転角度θcに反映されることを抑制でき、制御用の回転角度θcを真の回転角度に近づけることができる。従って、高回転速度時において、回転角度の検出値θdに含まれる交流成分の誤差を低減しつつ、電流検出値に含まれる高周波のノイズ成分による回転角度の誤差の増加を抑制できる。また、低回転速度において、検出角度偏差Δθdの割合Kdが、推定実角度偏差Δθeの割合Keよりも高くされた場合でも、制御角度偏差Δθcを0に近づけるフィードバック制御により制御用の回転角度θcが算出されるので、回転角度の検出値θdに含まれる交流成分の誤差が、制御用の回転角度θcに反映されることを抑制できる。
<検出角度偏差Δθdの算出>
図6に、本実施の形態に係る制御用角度算出部32のブロック図を示す。制御用角度算出部32は、次式に示すように、回転角度の検出値θdから制御用の回転角度θcを減算して、検出角度偏差Δθdを算出する。
Δθd=θd-θc ・・・(5)
<推定実角度偏差Δθeの算出>
上述したように、制御用角度算出部32は、電流検出値の情報、及び電圧指令値の情報に基づいて、ロータの真の回転角度に対する制御用の回転角度θcの偏差である推定実角度偏差Δθeを推定する。本実施の形態では、制御用角度算出部32は、d軸及びq軸の電流検出値Idd、Iqd、d軸及びq軸の電圧指令値Vdo、Vqo、及び制御用の回転角速度ωcに基づいて、ロータの真の回転角度に対する制御用の回転角度θcの偏差である推定実角度偏差Δθeを推定する。
制御用角度算出部32は、次式を用いて、推定実角度偏差Δθeを算出する。
ΔVd=-Vdo+R×Idd-ωc×Lq×Iqd
ΔVq= Vqo-R×Iqd-ωc×Ld×Idd
Δθe=arctan(ΔVd/ΔVq) ・・・(6)
ここで、Rは、予め設定された巻線の抵抗値であり、Lqは、予め設定されたq軸のインダクタンスであり、Ldは、予め設定されたd軸のインダクタンスである。Ld、Lqは、永久磁石の磁気飽和を考慮し、d軸電流及びq軸電流のマップデータを用いて設定されもよい。式(6)は、電圧方程式に基づいて導出された式であり、ΔVdは、制御用の回転角度θcが実際の回転角度(ここでは、電圧方程式が成り立つ回転角度)から逸脱したことによるd軸電圧の誤差であり、ΔVqは、制御用の回転角度θcが実際の回転角度から逸脱したことによるq軸電圧の誤差である。そして、ΔVd/ΔVqの逆正接関数の値を算出することにより、真の回転角度に対する制御用の回転角度θcの偏差である推定実角度偏差Δθeが算出される。
なお、制御用の回転角速度ωcの代わりに、回転角度の検出値θdを微分して算出された回転角速度の検出値ωdが用いられてもよい。また、d軸及びq軸の電圧指令値Vdo、Vqoの代わりに、3相巻線に印加されるU相印加電圧Vu_PWM、V相印加電圧Vv_PWM、W相印加電圧Vw_PWMを検出し、3相の電圧検出値Vu_PWM、Vv_PWM、Vw_PWMを、制御用の回転角度θcに基づいて3相2相変換及び回転座標変換を行ったd軸及びq軸の電圧検出値Vdd、Vqdが用いられてもよい。
制御用角度算出部32は、回転角速度の検出値ωdの絶対値が、閾値よりも小さい場合は、式(6)を用いた推定実角度偏差Δθeを停止し、Δθe=0に設定してもよい。これは、回転角速度が低い場合において、q軸電圧の誤差ΔVqが0に近くなり、ΔVd/ΔVqが大きくなり過ぎ、Δθeの算出誤差が大きくなり過ぎることを防止するためである。
<回転角速度の検出値ωdの算出>
制御用角度算出部32は、次式を用いて、回転角速度の検出値ωdを算出する。
ωd(n)={θd(n)-θd(n-1)}/ΔT ・・・(7)
ここで、θd(n-1)は、前回の演算タイミングで検出した回転角度であり、θd(n)は、今回の演算タイミングで検出した回転角度である。ΔTは、演算周期である。回転角速度の検出値ωdとして、式(7)の算出値に対して、ローパスフィルタ処理をした値が用いられてもよい。
<内分による制御角度偏差Δθcの算出>
制御用角度算出部32は、次式に示すように、推定実角度偏差Δθeに推定実角度偏差の内分率Keを乗算した値と、検出角度偏差Δθdに検出角度偏差の内分率Kdを乗算した値と、を合計した値を、制御角度偏差Δθcとして算出する。
Δθc=Ke×Δθe+Kd×Δθd
Ke+Kd=1、0≦Ke≦1、0≦Kd≦1 ・・・(8)
ここで、推定実角度偏差の内分率Keは、制御角度偏差Δθcにおける推定実角度偏差Δθeの割合Keであり、検出角度偏差の内分率Kdは、制御角度偏差Δθcにおける検出角度偏差Δθdの割合Kdである。推定実角度偏差の内分率Keと検出角度偏差の内分率Kdとの合計値が1になるように、推定実角度偏差の内分率Ke及び検出角度偏差の内分率Kdは、それぞれ、0以上1以下の範囲に設定される。
Kd=1-Keになる。よって、(Δθc-Δθe):(Δθd-Δθc)=Ke:(1-Ke)になり、制御角度偏差Δθcは、推定実角度偏差Δθeと検出角度偏差Δθdとを、Ke:(1-Ke)の比に内分した値になる。
<速度比例物理量に応じた内分率の変化>
図7に、本実施の形態に係る内分率Ke、Kdの設定例を示す。本実施の形態では、速度比例物理量として、回転角速度の検出値ωdが用いられる。制御用角度算出部32は、回転角速度の検出値ωdが、予め設定された速度閾値Thよりも高い場合に、推定実角度偏差の内分率Keを、検出角度偏差の内分率Kdよりも高くし、回転角速度の検出値ωdが、速度閾値Thよりも低い場合に、推定実角度偏差の内分率Keを、検出角度偏差の内分率Kdよりも低くする。すなわち、制御用角度算出部32は、回転角速度の検出値ωdが、速度閾値Thよりも高い場合に、推定実角度偏差の内分率Keを0.5よりも高くし、検出角度偏差の内分率Kdを0.5よりも低くする。また、制御用角度算出部32は、回転角速度の検出値ωdが、速度閾値Thよりも低い場合に、推定実角度偏差の内分率Keを0.5よりも低くし、検出角度偏差の内分率Kdを0.5よりも高くする。なお、回転角速度の検出値ωdの代わりに、制御用の回転角速度ωcが用いられてもよい。
制御用角度算出部32は、速度閾値Thを含む予め設定された速度比例物理量の範囲(本例では、回転角速度の範囲、以下、入替角速度範囲と称す)において、回転角速度の検出値ωdが増加するに従って、推定実角度偏差の内分率Keを連続的に増加させると共に、検出角度偏差の内分率Kdを連続的に減少させる。
速度閾値Thから所定値を減算した値が、入替角速度範囲の下限角速度ThLになり、速度閾値Thに所定値を加算した値が、入替角速度範囲の上限角速度ThHになり、入替角速度範囲は、下限角速度ThLから上限角速度ThHまでの範囲になる。図7に示す例では、速度閾値Thが入替角速度範囲の中心になるように、入替角速度範囲が設定される。
この構成によれば、入替速度範囲において、内分率Ke、Kdを連続的に変化させることで、推定実角度偏差Δθeと検出角度偏差Δθdとの間に差がある場合に、制御角度偏差Δθcが急峻に変化することを抑制し、制御用の回転角度θcが急峻に変化し、トルクが急峻に変化することを抑制できる。よって、運転者の操舵感が悪化することを抑制できる。なお、速度閾値Thの前後で、内分率Ke、Kdをステップ的に変化させてもよい。
制御用角度算出部32は、速度閾値Thを含む入替角速度範囲において、回転角速度の検出値ωdが増加するに従って、推定実角度偏差の内分率Keを0から1まで連続的に増加させると共に、検出角度偏差の内分率Kdを1から0まで連続的に減少させる。また、制御用角度算出部32は、回転角速度の検出値ωdが、入替角速度範囲よりも低い場合は、推定実角度偏差の内分率Keを0に設定すると共に、検出角度偏差の内分率Kdを1に設定し、回転角速度の検出値ωdが、入替角速度範囲よりも高い場合は、推定実角度偏差の内分率Keを1に設定すると共に、検出角度偏差の内分率Kdを0に設定する。
<速度閾値Thを弱め磁束制御の実行領域に対応して設定>
速度閾値Thは、Id=0制御又は最大トルク電流制御の実行領域と弱め磁束制御の実行領域との境界の回転角速度ωbdに対応して設定されている。以下に、この設定の効果を説明する。
角度誤差Δθerrがある場合の、トルク誤差ΔTerrは、次式のように近似できる。
ΔTerr≒Iq×cos(Δθerr)+Id×sin(Δθerr)
・・・(9)
誤差がある場合も、角度誤差Δθerrは0に近いので、cos(Δθerr)<<sin(Δθerr)になり、式(9)の右辺の第1項を無視できる。よって、トルク誤差ΔTerrは、d軸電流Idの絶対値が大きくなると、大きくなる。上述したように、弱め磁束制御では、Id=0制御又は最大トルク電流制御により算出されるd軸の電流指令値よりも、d軸の電流指令値Idoが負方向に増加される。そのため、弱め磁束制御の実行領域では、d軸電流Idの絶対値が大きくなり、角度誤差Δθerrがあると、トルク誤差ΔTerrが大きくなる。上記のように、速度閾値Thを設定することにより、弱め磁束制御の実行領域で、推定実角度偏差の内分率Keが高くされ、推定実角度偏差Δθeが減少するように、制御用の回転角度θcが算出されるため、真の回転角度に対する制御用の回転角度θcの偏差(推定実角度偏差Δθe)が小さくなり、角度誤差Δθerrが小さくなる。式(6)を用いて説明したように、真の回転角度は、電圧方程式が成り立つ回転角度であり、式(9)のトルク誤差ΔTerrも、電圧方程式に基づいて導出されるので、推定実角度偏差Δθeが減少するように、制御用の回転角度θcを算出することにより、トルク誤差ΔTerrを減少させることができる。式(6)の推定実角度偏差Δθeの算出精度は、誘起電圧が高くなる場合に高くなるので、弱め磁束制御が実行される誘起電圧が高くなる領域で、推定実角度偏差の内分率Keが高くされることで、角度誤差Δθerrの低減精度を高くできる。
本実施の形態では、回転角速度の検出値ωdが、入替角速度範囲の下限角速度ThLよりも大きくなる場合に、推定実角度偏差Δθeが制御用の回転角度θcの算出に反映される。よって、Id=0制御又は最大トルク電流制御の実行領域と弱め磁束制御の実行領域との境界の回転角速度ωbdが、入替角速度範囲の下限角速度ThL以上になるように、速度閾値Th及び入替角速度範囲が設定されるとよい。例えば、速度閾値Thが境界の回転角速度ωbdに一致するように設定されるとよい。或いは、境界の回転角速度ωbdが入替角速度範囲に含まれるように、速度閾値Th及び入替角速度範囲が設定されてもよい。図5に示すように、埋込磁石式の回転電機の場合は、境界の回転角速度ωbdは、トルクに応じて変化するため、速度閾値Th及び入替角速度範囲は、トルクに応じて変化されてもよい。
或いは、埋込磁石式の回転電機では、最大トルク電流制御においても、d軸電流は0よりも小さい値になるため、速度閾値Th及び入替角速度範囲は、最大トルク電流制御の実行領域に設定されてもよい。
速度比例物理量として、制御用の回転角速度ωcが用いられてもよい。速度比例物理量として、回転角速度以外の物理量が用いられもよい。例えば、巻線に生じる誘起電圧は、回転角速度に比例し、巻線の印加電圧は、誘起電圧に比例する。速度比例物理量として、d軸及びq軸の電圧指令値Vdo、Vqoの電圧ベクトルの大きさ、又はVdoの2乗とVqoの2乗との和が用いられてもよい。
なお、制御用角度算出部32は、直流電圧Vdcが電圧閾値よりも低くなった場合に、推定実角度偏差の内分率Keを0に固定し、検出角度偏差の内分率Kdを1に固定し、推定実角度偏差Δθeが制御角度偏差Δθcに反映されないようにしてもよい。これは、直流電圧Vdcが低下するに従って、基底速度が低下し、より低い回転速度から弱め磁束制御を行うことになるが、低回転速度時には誘起電圧が低いことにより、式(6)による推定実角度偏差Δθeの推定精度が低下するためである。
<制御角度偏差Δθcに基づいた、制御用の回転角度θcの算出>
上述したように、制御用角度算出部32は、制御角度偏差Δθcが0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、制御用の回転角度θcを算出する。本実施の形態では、制御用角度算出部32は、制御角度偏差Δθcが0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、制御用の回転角速度ωcを変化させ、制御用の回転角速度ωcを積分して、制御用の回転角度θcを算出する。
この構成によれば、フィードバック制御により制御用の回転角速度ωcを変化させることにより、フィードバック制御により直接、制御用の回転角度θcを変化させる必要がなく、フィードバック制御の応答周波数を回転周波数まで高くする必要がない。よって、フィードバック制御の応答周波数を、回転周波数よりも低くすることができ、機械的な回転角度速度の振動周波数に応じて設定することができる。
例えば、制御用角度算出部32は、次式に示すように、制御角度偏差Δθcが0に近づくように、PI制御により制御用の回転角速度ωcを変化させフィードバック制御を行う。
ωc=Kc×(1+1/(Tc×s))×Δθc ・・・(10)
ここで、Kcは、比例ゲインであり、Tcは、積分時定数であり、sは、ラプラス演算子である。なお、PI制御の代わりに、PID制御等の各種のフィードバック制御が用いられてもよい。
<Δθcからθcまでの応答周波数>
制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの伝達関数Gは、次式になる。
G(s)=θc/Δθc=Kc×(1+1/(Tc×s))/s ・・・(11)
非特許文献1(栗重他、「電動パワーステアリングの操舵トルク低減制御方式」、日本機械学会論文集(C編)、68巻675号)のFig.9より、ステアリングの操舵速度は、おおよそ35Hzで振動していることがわかる(Fig.9では、0.1sで約3.5周期であるため)。よって、ステアリングの真の速度変動は、この程度の周波数で起こりうる。よって、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答は、35Hz以上は必要であり、余裕をもって約3倍の90~100Hzが好ましく、5倍の175Hz以上がより好ましい。この回転角速度の振動周波数は、ロータの回転軸に連結された機械的な動力伝達機構の共振周波数に対応している。
ここで、式(11)の伝達関数Gをボード線図に表すと図8になる。ただし、Tc=5/Kcとした。同図より、伝達関数Gは、ω=Kc[rad/s]で、0dBになっており、カットオフ周波数が比例ゲインKc[rad/s]の1次ローパスフィルタの特性となっている。ここで、1次ローパスフィルタとした根拠は、0dB付近で、-20dB/decになっているためである。
よって、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答は、入力角周波数ωが比例ゲインKc以下であれば、Δθc=0になるように、θcが応答し、入力角周波数ωがKcを超えると、Δθcの変動に、θcが追従できなくなる。
そこで、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答が、35Hz以上必要であることは、比例ゲインKcが、2π×35[rad/s]以上必要であることを意味する。さらに、余裕をもって、応答を約3倍の90~100Hzにするには、比例ゲインKcを、2π×90~2π×100[rad/s]にすることが必要であり、応答を5倍の175Hz以上にするには、比例ゲインKcを、2π×175[rad/s]以上にする必要がある。以上より、比例ゲインKcは、少なくとも、2π×35[rad/s]は必要であり、余裕を考えるとその約3倍の2π×90~2π×100[rad/s]は必要であり、より望ましくは2π×175[rad/s]以上であるとよい。
このように比例ゲインKcを設定することで、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答周波数(カットオフ周波数)を、真の速度変動の周波数35Hzよりも高くすることができ、制御用の回転角度θcを真の速度変動に追従させることができ、角度誤差によりトルク変動が生じることを抑制できる。一方、電流検出値に含まれるノイズ成分又は角度検出値に含まれるノイズ成分による制御角度偏差Δθcの高周波の振動成分は、カットオフされ、制御用の回転角度θcに反映されないようにできる。よって、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答周波数(カットオフ周波数)を、真の速度変動の周波数の3倍値から5倍値の間(例えば、90Hz以上)に設定することで、制御用の回転角度θcを真の速度変動に追従させることができると共に、電流検出値のノイズ成分の影響を受け難くすることができる。その結果、トルク変動を低減でき、回転電機を静音化することができる。
また、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答周波数(カットオフ周波数)は、速度閾値Thに対応する回転周波数よりも低く設定される。この構成によれば、回転速度が速度閾値Thよりも高く、推定実角度偏差Δθeの内分率Keが、検出角度偏差Δθdの内分率Kdよりも高くなる領域で、電流検出値等に含まれる回転周波数のノイズ成分が、制御用の回転角度θcに反映されることを抑制できる。
また、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答周波数(カットオフ周波数)は、ロータの回転速度に生じる機械的な共振周波数(本例では、35Hz)よりも高く設定されている。特に、制御角度偏差Δθcから制御用の回転角度θcまでの応答周波数(カットオフ周波数)は、ロータの回転速度に生じる機械的な共振周波数(本例では、35Hz)の3倍値から5倍値の間に設定されるとよい。この構成によれば、制御用の回転角度θcを機械的な回転角速度の変動に追従させることができると共に、高周波のノイズ成分の影響を受け難くすることができる。
一方、特許文献1の技術では、上述したように、Δω1cを算出するフィードバック制御器は、最大の回転速度までの周波数の追従性能が必要となり、高級なマイコンが必要でかつ、Δθdcに含まれる電流検出値のノイズ成分との切り分けが困難である。一方、本願では、応答周波数を、最大の回転周波数よりも低い、真の速度変動の周波数に応じて設定することができ、特許文献1ほどの周波数追従性能は不要である。よって、電流検出値のノイズ成分との切り分けが容易であり、低級なマイコン(CPU)を用いることができる。
2.実施の形態2
実施の形態2に係る回転電機1、電力変換器4、及び制御装置10について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る回転電機1、電力変換器4、及び制御装置10の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、制御用の回転角度θcに上下限制限が行われる点が実施の形態1と異なる。図9は、制御用角度算出部32のブロック図である。
本実施の形態では、制御用角度算出部32は、回転角度の検出値θdに基づいて、制御用の回転角度の上限値θcmax及び下限値θcminを算出する。そして、制御用角度算出部32は、制御用の回転角度θcが、上限値θcmaxから下限値θcminまでの範囲を逸脱した場合に、回転角度の検出値θdに基づいて制御用の回転角度θcを修正する。
例えば、制御用角度算出部32は、次式に示すように、回転角度の検出値θdに、予め設定された制限角度幅Δθlmtを加算及び減算して、上限値θcmax及び下限値θcminを算出する。制限角度幅Δθlmtは、例えば、電気角で90度以内に設定される。
θcmax=θd+Δθlmt
θcmin=θd-Δθlmt ・・・(12)
そして、制御用角度算出部32は、次式に示すように、制御用の回転角度θcを、上限値θcmax及び下限値θcminにより上下限制限する。
1)θc>θcmaxの場合
θc=θcmax
2)θc<θcminの場合 ・・・(13)
θc=θcmin
3)θcmin≦θc≦θcmax
θc=θc
このように、制御用の回転角度θcを、回転角度の検出値θdに基づいて設定した上限値θcmax及び下限値θcminにより制限することにより、制御用の回転角度θcの算出値に異常が生じた場合でも、制御用の回転角度θcを適切な範囲に維持でき、回転電機の性能が大幅に悪化することを防止できる、
なお、本願は、回転センサが多重化されている場合にも用いることができる。例えば、2重系の回転センサ(例えば、2重系のレゾルバ、又は2重系のMRセンサ)が用いられる場合は、正常な一方の系統の回転センサにより検出された回転角度が、回転角度の検出値θdとして用いられればよい。
また、回転電機1は、電動パワーステアリング装置100以外の各種の装置の駆動力源とされてもよい。例えば、回転電機1は、車輪の駆動力源とされてもよい。
また、ステータに3相以外の複数相(例えば、2相、4相)の巻線が設けられてもよい。
また、ステータに複数組(例えば2組)の3相の巻線が設けられ、各組の3相の巻線に対応してインバータ及び制御装置の各部が設けられてもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 回転電機、2 回転センサ、3 直流電源、4 電力変換器、6 電流センサ、10 回転電機の制御装置、31 回転検出部、32 制御用角度算出部、33 電流検出部、34 電圧指令値算出部、35 スイッチング制御部、100 電動パワーステアリング装置、101 駆動力伝達機構、102 操舵装置、Kd 検出角度偏差の割合(内分率)、Ke 推定実角度偏差の割合(内分率)、Th 速度閾値、Δθc 制御角度偏差、Δθd 検出角度偏差、Δθe 推定実角度偏差、θc 制御用の回転角度、θcmax 上限値、θcmin 下限値、θd 回転角度の検出値、ωc 制御用の回転角速度、ωd 回転角速度の検出値

Claims (11)

  1. 複数相の巻線を設けたステータと磁石を設けたロータとを有する回転電機を、電力変換器を介して制御する回転電機の制御装置であって、
    回転センサの出力信号に基づいて前記ロータの回転角度を検出する回転検出部と、
    前記ロータの制御用の回転角度を算出する制御用角度算出部と、
    電流センサの出力信号に基づいて前記複数相の巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記制御用の回転角度及び電流検出値に基づいて、前記複数相の巻線に印加する電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
    前記電圧指令値に基づいて前記電力変換器が有する複数のスイッチング素子をオンオフするスイッチング制御部と、を備え、
    前記制御用角度算出部は、
    前記電流検出値の情報、及び前記電圧指令値の情報に基づいて、前記ロータの真の回転角度に対する前記制御用の回転角度の偏差である推定実角度偏差を推定し、
    回転角度の検出値に対する前記制御用の回転角度の偏差である検出角度偏差を算出し、
    前記推定実角度偏差と前記検出角度偏差とを内分した値を、制御角度偏差として算出し、
    前記制御角度偏差が0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、前記制御用の回転角度を算出し、
    前記ロータの回転角速度に比例する物理量である速度比例物理量が、予め設定された速度閾値よりも高い場合に、前記制御角度偏差における前記推定実角度偏差の割合を、前記検出角度偏差の割合よりも高くし、
    前記速度比例物理量が、前記速度閾値よりも低い場合に、前記制御角度偏差における前記推定実角度偏差の割合を、前記検出角度偏差の割合よりも低くする回転電機の制御装置。
  2. 前記制御用角度算出部は、前記速度閾値を含む予め設定された前記速度比例物理量の範囲において、前記速度比例物理量が増加するに従って、前記推定実角度偏差の割合を連続的に増加させると共に、前記検出角度偏差の割合を連続的に減少させる請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記制御用角度算出部は、前記速度閾値を含む予め設定された前記速度比例物理量の範囲において、前記速度比例物理量が増加するに従って、前記推定実角度偏差の割合を0から1まで連続的に増加させると共に、前記検出角度偏差の割合を1から0まで連続的に減少させ、
    前記速度比例物理量が前記速度比例物理量の範囲よりも低い場合は、前記推定実角度偏差の割合を0に設定すると共に、前記検出角度偏差の割合を1に設定し、
    前記速度比例物理量が前記速度比例物理量の範囲よりも高い場合は、前記推定実角度偏差の割合を1に設定すると共に、前記検出角度偏差の割合を0に設定する請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記速度閾値は、Id=0制御又は最大トルク電流制御の実行領域と弱め磁束制御の実行領域との境界の前記速度比例物理量に対応して設定されている請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記制御用角度算出部は、前記制御角度偏差が0に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、前記ロータの制御用の回転角速度を変化させ、前記制御用の回転角速度を積分して、前記制御用の回転角度を算出する請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記電圧指令値算出部は、前記制御用の回転角度の方向をd軸とし、前記d軸よりも電気角で90度進んだ方向をq軸とし、前記複数相の巻線の電流検出値を、前記制御用の回転角度に基づいてd軸及びq軸の電流検出値に変換し、前記d軸及びq軸の電流検出値が、それぞれ、d軸及びq軸の電流指令値に近づくように、d軸及びq軸の電圧指令値を変化させ、前記d軸及びq軸の電圧指令値を、前記制御用の回転角度に基づいて複数相の電圧指令値に変換し、
    前記制御用角度算出部は、
    前記d軸及びq軸の電流検出値、前記d軸及びq軸の電圧指令値、及び前記制御用の回転角速度に基づいて、前記ロータの真の回転角度に対する前記制御用の回転角度の偏差である前記推定実角度偏差を推定する請求項5に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記制御用角度算出部は、前記回転角度の検出値に基づいて、前記制御用の回転角度の上限値及び下限値を算出し、
    前記制御用の回転角度が、前記上限値から前記下限値までの範囲を逸脱した場合に、前記回転角度の検出値に基づいて前記制御用の回転角度を修正する請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記制御角度偏差から前記制御用の回転角度までの応答周波数は、前記速度閾値に対応する回転周波数よりも低く設定されている請求項1から7のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
  9. 前記制御角度偏差から前記制御用の回転角度までの応答周波数は、前記ロータの回転角速度に生じる機械的な共振周波数よりも高く設定されている請求項1から8のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
  10. 前記制御角度偏差から前記制御用の回転角度までの応答周波数は、前記ロータの回転角速度に生じる機械的な共振周波数の3倍値から5倍値の間に設定されている請求項1から9のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
  11. 請求項1から8のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置と、
    前記電力変換器と、
    前記回転電機と、
    前記回転電機の駆動力を車両の操舵装置に伝達する駆動力伝達機構と、を備え、
    前記制御角度偏差から前記制御用の回転角度までの応答周波数は、90Hz以上に設定されている電動パワーステアリング装置。
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