JP2022038131A - 情報通信装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上記情報通信装置は無線LAN回路および無線LAN回路に電源を供給する電源回路を備えており、一定の発熱が避けられない。
しかし、上記情報通信装置は通常少なくとも一部が壁に埋め込まれるため、形状が小型でなければならないが、形状が小型であること、および少なくとも一部が壁に埋め込まれることから、どうしても放熱性能が従来の据え置き型の無線LANルータに比べて劣る。
そして、その場合、LNAなどのRF回路は周囲温度が上昇すると雑音が増加し、無線LANの受信感度が低下するとの課題がある。この雑音の増加はLNAのバイアスが最適点からずれるなどの理由もあり、バイアスの最適化である程度の改善を図ることはできるが、原理的に抵抗の雑音電圧は絶対温度のルートに比例してすることから、温度が上がると受信感度が劣化するとの傾向は避けることができない。
したがって、放熱性能が従来の据え置き型の無線LANルータに比べて劣る、小型で壁埋め込みの無線LANを備えた情報通信装置では、いかにしてRF回路を含む無線LAN回路の温度の上昇を抑えるかが重要である。
特許文献2の情報通信ユニットでは、ユニットの後方側ケーシングにアルミなどの金属を用い、ユニットの後方側に発熱の多い電源部品を搭載した基板を配置し、電源基板の熱をユニットの前方側の基板を介して、第1板状体に放熱し、さらに第1板状体から後方ケーシングに放熱するとの構成を開示している(図6参照)。
この場合、電源部品を搭載した基板の熱が無線LAN回路などを搭載した前方側の基板に伝わり、無線LAN回路の温度が上昇するとの課題がある。また、通常、電源回路では多くのノイズが発生するが、特許文献2の情報通信ユニットには、このノイズが無線LAN回路に伝わり、無線LAN回路の特性が劣化するとの課題もある。
図8に特許文献3の図1に記載の放熱構造の側断面図を示す。図8では、発熱電子部品および発熱部品を含む2枚の回路基板の間に筐体の内部障壁が挿入され、筐体の内部障壁で吸収された熱が筐体側面から放熱されるとの構造を備えている。
この構造の場合、発熱電子部品および発熱部品からの放熱という観点では有効ではあるが、この構造を電源回路を備える電源基板とネットワーク回路と無線LAN回路とを備えるメイン基板とからなる情報通信装置に適用した場合、筐体側面が2枚の基板を共通に覆っているため、発熱の多い電源基板の熱がメイン基板に伝わり、かえって、メイン基板の無線LAN回路の温度が上昇するとの課題がある。
本発明の他の目的は、電源回路が発生するノイズによる無線LAN回路への悪影響を最小限に抑える構造を備えた情報通信装置を提供することにある。
一局面に従う情報通信装置は、壁に少なくとも一部が埋設して設置される情報通信装置であって、金属の箱形状の筐体と、壁の室内側であって筐体の一面に配置されるフロントカバーと、電源基板と、メイン基板と、無線LAN用アンテナと、WAN接続端子と、を備え、電源基板は、筐体の内部で筐体に固定され、メイン基板は、筐体の外側で筐体に固定され、フロントカバーの内部に配置される。
電源基板からの熱は金属の筐体に伝わり、筐体の側面から壁の内部に放熱される。
メイン基板からの熱は筐体の外側の面から同様に筐体の側面を介して壁の内部に放熱されるとともに、メイン基板の前記筐体と反対の面からフロントカバーの内部空間に放熱される。
特に、電源基板からの熱が筐体の側面、すなわちメイン基板の後方から壁の内部に放熱され、メイン基板に伝わりにくいことから、電源基板に搭載された電源回路からの発熱を効率よく放熱するとともにメイン基板に搭載された無線LAN回路の温度上昇を最小限に抑えることができる。
また、電源基板は、金属の筐体の内部に配置され、メイン基板は筐体の外側に配置されることから、メイン基板は電源基板の発生するノイズの影響を受けにくい。
また、情報通信装置には無線LANルータモードと無線LANアクセスポイントモードとを切り換えることができるモード切替スイッチを備えていてもよい。無線LANアクセスポイントモードの場合、WAN接続端子はLANに接続される。
第2の発明にかかる情報通信装置は、一局面に従う情報通信装置において、電源基板は電源回路を含み、メイン基板はネットワーク回路および無線LAN回路を含み、電源基板は、筐体の一面とは異なる面で筐体に固定され、メイン基板は、筐体と反対の面にヒートスプレッダを有し、メイン基板から生じる熱は、ヒートスプレッダからフロントカバーの内部空間に拡散されるとともに、筐体の一面に拡散されて放熱され、電源基板から生じる熱は、筐体の一面とは異なる面に拡散されて放熱されてもよい。
特に、電源基板からの熱が筐体の側面、すなわちメイン基板の後方から放熱され、メイン基板に伝わりにくいこと、および、メイン基板はさらにヒートスプレッダに覆われ、電子部品からの熱がヒートスプレッダを介して効果的に拡散されることから、電源基板に搭載された電源回路からの発熱を効率よく放熱するとともにメイン基板に搭載された無線LAN回路の温度上昇を最小限に抑えることができる。
第3の発明にかかる情報通信装置は、第2の発明にかかる情報通信装置において、メイン基板とヒートスプレッダとの間、および、メイン基板と筐体との間に熱伝導率が高く非導電のサーマルパッドが挿入されてもよい。
第4の発明にかかる情報通信装置は、第2の発明から第3の発明にかかる情報通信装置において、電源基板に搭載された電子部品と、筐体の一面の内側との間に隙間が設けられてもよい。
第5の発明にかかる情報通信装置は、第2の発明から第4の発明にかかる情報通信装置において、WAN接続端子はPOE(Power over Ethernet)に対応し、電源回路はWAN接続端子から供給された電力を所定の電圧に変換してネットワーク回路および無線LAN回路に供給するようにしてもよい。
また、WANがPOEに対応しない場合には、AC電源配線を電源回路に接続し、情報通信装置の電源回路をAC電源に対応する電源回路とすることにより、同様に情報通信装置を稼働することができる。
第6の発明にかかる情報通信装置は、第2の発明から第5の発明にかかる情報通信装置において、フロントカバーは、ハット形状からなり、天面と、天面から形成された第1側面と、第1側面に対向する第2側面と、ハット形状のつば部からなる、第1側面に連設された第3面および第2側面に連設された第4面とを有し、第1側面および第2側面の両外側にそれぞれ、間隙を有した状態で無線LAN用アンテナを配置した第1アンテナユニットおよび第2アンテナユニットが第3面および第4面に立設されてもよい。
第7の発明にかかる情報通信装置は、第2の発明から第6の発明にかかる情報通信装置において、さらにLAN接続端子を備え、WAN接続端子は筐体の側面に固定され、LAN接続端子はフロントカバーの前面に固定されてもよい。
図1は実施形態の、情報通信装置1000の外部形状を示す模式的斜視図であり、図2は実施形態の情報通信装置1000を上下方向の中心付近において水平面で切断した場合の模式的断面図、図3は図2の模式的断面図において、熱伝導の経路を示した模式図、図4は図2の模式的断面図の他の例、図5は図2の模式的断面図のさらに他の例である。また、図6は実施形態の情報通信装置1000の模式的ブロック図である。
情報通信装置1000は、図6に記載されているように、無線LAN回路500、ネットワーク回路510、および電源回路520を備える。無線LAN回路500には第1アンテナユニット410および第2アンテナユニット420が接続され、ネットワーク回路510にはLAN接続端子720およびWAN接続端子740が接続されている。電源回路520にはPOE対応のWAN接続端子740が接続されている。すなわち、図6の電源回路520は、WAN接続端子740から供給された電源を無線LAN回路500およびネットワーク回路510に必要な電源電圧に変換して供給するPOE対応の電源回路520である。
もし、WAN接続端子740が接続するWANがPOE対応でない場合には、AC電源配線(図示せず)を接続し、情報通信装置1000の電源回路520をAC電源に対応する電源回路520とすることにより、同様に情報通信装置1000を構成することができる。
なお、図6には図示されていないが、情報通信装置1000は、電話回線接続端子710を含んでもよい。
また、情報通信装置1000には無線LANルータモードと無線LANアクセスポイントモードとを切り換えることができるモード切替スイッチ(図示せず)を備えていてもよい。無線LANアクセスポイントモードの場合、WAN接続端子740はLANに接続される。
情報通信装置1000は図1および図2に示すように、開放された面を有する直方体の箱形状の金属の筐体300の開放された面に対向する一面の上に、合成樹脂の成形品で形成されたフロントカバー200が係合されている。また、筐体300の開放された面は、裏面カバー350で覆われている。すなわち、筐体300とフロントカバー200と裏面カバー350とが情報通信装置1000のケースを構成している。
筐体300は、伝熱性に優れたアルミニウム等のダイキャストからなることが好ましい。また、図1および図2に示すように、筐体300の側面には、複数の溝が形成されている。これは、複数の溝を形成することにより、筐体300の側面の外表面積を増加させて、放熱効果を最大限に発揮させるためである。筐体300にはWAN接続端子740(図示せず)を固定するための開口部741が設けられている。
また、フロントカバー200の天面210には、LAN接続端子720を固定するための開口部721、電話回線接続端子710を接続するための開口部711、電源スイッチ730、電源および動作モードを示すLED750が設けられている。なお、情報通信装置1000において、電話回線接続端子710が不要である場合は開口部711も不要である。
本実施の形態においては、筐体300が建物の壁内に埋設して設置され、かつフロントカバー200および無線LAN用アンテナ400が建物の室内側に突出するように設置される。そして、図7に示すように、壁の埋設穴とフロントカバー200の第3面260および第4面270との全体を覆うように化粧カバー900が設けられる。
また、裏面カバー350に対向する筐体300の面の外側には無線LAN回路500およびネットワーク回路510が搭載されたメイン基板150が配置されている。メイン基板150のフロントカバー200側にはLSI他のメイン基板150の電子部品160が搭載され、電子部品160の上には高熱伝導の金属で形成されたヒートスプレッダ180が配置されている。回路を動作した際に発熱するのは電子部品160であり、電子部品160の上にヒートスプレッダ180が設けられることによって、電子部品160の熱がメイン基板150の全体に拡散されるため、電子部品160の熱を、フロントカバー200の内部空間を通じて外部に放熱するとともに、筐体300を通じて効率よく放熱することができる。
電源基板100とメイン基板150とはコネクタ190およびコネクタ191で接続されている。また、図示はされていないが、メイン基板150と第1アンテナユニット410および第2アンテナユニット420との間もコネクタで接続されている。
図3に図2の模式的断面図における、熱伝導の経路を示す。
電源基板100自体および電源基板100に搭載された電子部品110で発生した熱は主として経路T1により筐体300の側面に伝わり、筐体300の側面から経路T2により壁の内部に放熱される。電子部品110で発生した熱は一部、筐体300の裏面カバー350に対向する面(以降、筐体300の前面ともいう)にも伝わる。しかし、電子部品110の熱が直接筐体300の前面に伝わると、その熱は結果的にメイン基板150にも伝わることになる。したがって、電子部品110の熱のうち直接筐体300の前面に伝わる量が少なくなるよう、電子部品110と筐体300との間には隙間を設けるようにしている。
筐体300の前面に伝わった熱はさらに金属の筐体300の前面から側面に伝わり、側面から経路T2により壁の内部に放熱される。
したがって、情報通信装置1000では電源基板100とメイン基板150からの発熱が筐体300の側面から壁内部に効率的に放熱されるとともに、メイン基板150からの発熱がヒートスプレッダ180、フロントカバー200の内部空間、フロントカバー200の表面の経路で効率的に放熱されることから、メイン基板150に搭載された無線LAN回路500の温度上昇を最小限に抑えることができる。そして、その結果、無線LAN回路500の温度上昇による受信感度の劣化を最小限に抑えることができる。
図4に、情報通信装置1000の模式的断面図の他の例を示した。
図4では、メイン基板150の上にヒートスプレッダ180がなく、メイン基板150およびメイン基板150に搭載された電子部品160の熱は直接、フロントカバー200の内部空間に放熱される。
この場合、メイン基板150からフロントカバー200の内部空間への放熱効率は低下するが、メイン基板150および電源基板100からの熱は金属の筐体300から壁の中に効率よく放熱されるため、電源基板100およびメイン基板150の発熱が少ない場合は、ヒートスプレッダ180はなくてもよい。
図5には、情報通信装置1000の模式的断面図のさらに他の例を示した。
図5では、メイン基板150と筐体300との間、およびメイン基板150とヒートスプレッダ180との間(およびメイン基板150の電子部品160とヒートスプレッダ180との間)にサーマルパッド185が挿入されている。サーマルパッド185としては熱伝導率が高く非導電の物質が好ましく、例えば高熱伝導性シリコーンのサーマルパッド185が使用可能である。
サーマルパッド185をメイン基板150と筐体300との間、およびメイン基板150とヒートスプレッダ180との間に挿入することにより、メイン基板150から筐体300およびヒートスプレッダ180への熱伝導率が高まり、メイン基板150に搭載された無線LAN回路500の温度上昇をさらに抑えることができる。
110 電源基板の電子部品
150 メイン基板
180 ヒートスプレッダ
185 サーマルパッド
200 フロントカバー
210 天面
220 第1側面
230 第2側面
260 第3面
270 第4面
300 筐体
400 無線LAN用アンテナ
410 第1アンテナユニット
420 第2アンテナユニット
500 無線LAN回路
510 ネットワーク回路
520 電源回路
720 LAN接続端子
740 WAN接続端子
1000 情報通信装置
Claims (7)
- 壁に少なくとも一部が埋設して設置される情報通信装置であって、
金属の箱形状の筐体と、前記壁の室内側であって前記筐体の一面に配置されるフロントカバーと、電源基板と、メイン基板と、無線LAN用アンテナと、WAN接続端子と、を備え、
前記電源基板は、前記筐体の内部で前記筐体に固定され、
前記メイン基板は、前記筐体の外側で前記筐体に固定され、前記フロントカバーの内部に配置される、情報通信装置。 - 前記電源基板は電源回路を含み、前記メイン基板はネットワーク回路および無線LAN回路を含み、
前記電源基板は、前記筐体の一面とは異なる面で前記筐体に固定され、
前記メイン基板は、前記筐体と反対の面にヒートスプレッダを有し、
前記メイン基板から生じる熱は、前記ヒートスプレッダから前記フロントカバーの内部空間に拡散されるとともに、前記筐体の一面に拡散されて放熱され、
前記電源基板から生じる熱は、前記筐体の一面とは異なる面に拡散されて放熱される、請求項1に記載の情報通信装置。 - 前記メイン基板と前記ヒートスプレッダとの間、および、前記メイン基板と前記筐体との間に熱伝導率が高く非導電のサーマルパッドが挿入された、請求項2に記載の情報通信装置。
- 前記電源基板に搭載された電子部品と、前記筐体の前記一面の内側との間に隙間が設けられた、請求項2または3に記載の情報通信装置。
- 前記WAN接続端子はPOE(Power over Ethernet)に対応し、前記電源回路は前記WAN接続端子から供給された電力を所定の電圧に変換して前記ネットワーク回路および前記無線LAN回路に供給する、請求項2から4のいずれか1項に記載の情報通信装置。
- 前記フロントカバーは、ハット形状からなり、天面と、前記天面から形成された第1側面と、前記第1側面に対向する第2側面と、前記ハット形状のつば部からなる、前記第1側面に連設された第3面および前記第2側面に連設された第4面とを有し、
前記第1側面および前記第2側面の両外側にそれぞれ、間隙を有した状態で前記無線LAN用アンテナを配置した第1アンテナユニットおよび第2アンテナユニットが前記第3面および前記第4面に立設された、請求項2から5のいずれか1項に記載の情報通信装置。 - さらにLAN接続端子を備え、前記WAN接続端子は前記筐体の側面に固定され、前記LAN接続端子は前記フロントカバーの前面に固定される、請求項2から6のいずれか1項に記載の情報通信装置。
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